説明

クロック生成装置、クロック生成方法およびデジタル放送受信装置

【課題】延回路を用いて低ジッタの周波数可変クロック生成システムを実現する。
【解決手段】クロック生成装置100は、CKinを遅延してCKoutを提供する遅延回路200,300と、稼動主遅延段選択部と、稼動補正遅延段選択部と、遅延制御部を具備する。遅延回路は、選択的に動作する複数の主遅延段D1〜Dnが縦続接続された主遅延部300および、この主遅延部に接続され選択的に動作する複数の補正遅延段C1〜Cmが縦続接続された補正遅延部(補正用ディレイ200)を含む。稼動主遅延段選択部は、主遅延段のうち遅延動作に用いられる稼動主遅延段を選択する。稼動補正遅延段選択部は、補正遅延段のうち遅延動作に用いられる稼動補正遅延段を選択する。遅延制御部(MPU120)は、稼動主遅延段を選択することでCKinに対するCKoutの遅延量を定め、稼動主遅延段の遅延値が均一化するように稼動補正遅延段を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数の遅延セル群で構成される遅延回路を用いたクロック生成装置、クロック生成方法および、このクロック生成装置を利用したデジタル放送受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ある信号周波数をデジタル処理により制御する必要が生じる場合がある。例えばMPEG2−TSを用いたデジタル放送の受信において、送信側のプログラムクロックリファレンスPCRと受信側のシステムタイムクロックSTCが一致していない場合、両者が一致するようにSTCの周波数を調整する必要が生じる。このような周波数調整を行う一手段として、複数の遅延セル群で構成される遅延回路にクロックを入力し、遅延回路の遅延時間を適宜可変することにより、その遅延回路から出力されるクロックの周波数を増減させる技術がある(特許文献1参照)。また、このような遅延回路を利用したデジタルPLL回路も提案されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−227613号公報
【特許文献2】特開平11−205131号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の遅延回路(リーフディレイ回路)を用いると簡易な周波数可変クロックの生成を行う事が可能であるが、遅延回路を構成する遅延セル群の遅延時間のばらつきが、生成されるクロックのジッタとなって現れる。遅延セルの粒度を細かくする事でジッタの低減は可能であるが、そうすると遅延セル群の回路構成が長大になってしまう(ICチップに組み込む際にチップ面積を大きく食う)という問題がある。
【0005】
特許文献2のデジタルPLL回路ではジッタ特性の改善が図られているが、遅延回路に比べて回路規模が大きくなるため、特許文献1と同様な問題が生じる。
【0006】
この発明の課題の1つは、遅延回路を用いて低ジッタの周波数可変クロック生成システムを実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の一実施の形態に係るクロック生成装置は、入力クロックを遅延して出力クロックを提供する遅延回路と、稼動主遅延段選択手段と、稼動補正遅延段選択手段と、遅延制御手段を具備している。ここで、遅延回路(200+300)は、選択的に動作する複数の主遅延段(D1〜Dn)が縦続接続された主遅延部(リーフディレイ300)および、前記主遅延部(リーフディレイ)に接続され、選択的に動作する複数の補正遅延段(C1〜Cm)が縦続接続された補正遅延部(補正用ディレイ200)を含む。稼動主遅延段選択手段(MPU+記憶保持装置+リーフディレイのSEL)は、前記主遅延段(D1〜Dn)のうち遅延動作に用いられる稼動主遅延段(D1〜Dnのどれか)を選択する。稼動補正遅延段選択手段(MPU+記憶保持装置+補正用ディレイのSEL)は、前記補正遅延段(C1〜Cm)のうち遅延動作に用いられる稼動補正遅延段(C1〜Cmのどれか)を選択する。そして、遅延制御手段(図1または図4のMPU+図3のST01〜ST17)は、前記稼動主遅延段(D1〜Dnのどれか)を選択することで前記入力クロック(CKin)に対する前記出力クロック(CKout)の遅延量を定め、前記稼動主遅延段の遅延値が均一化する(例えば1遅延段当たり55psで均一化する)ように、前記稼動補正遅延段(C1〜Cmのどれか)を決定する。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、遅延回路を用いて低ジッタの周波数可変クロック生成システムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明の一実施の形態に係る周波数可変クロック生成装置の構成を説明する図。
【図2】周波数可変クロック生成装置の動作の一例を説明する波形図。
【図3】この発明の一実施の形態に係る周波数可変クロック生成装置におけるキャリブレーション処理の一例を説明するフローチャート図。
【図4】この発明の他の実施の形態に係る周波数可変クロック生成装置の構成を説明する図。
【図5】図1または図4の周波数可変クロック生成装置が内蔵するセレクタ回路の具体例を説明する図。
【図6】クロック生成装置を用いたデジタル放送受信装置の一例を説明するブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照してこの発明の種々な実施の形態を説明する。図1は、この発明の一実施の形態に係る周波数可変クロック生成装置100の構成を説明する図である。この装置100は、ファームウエアROMおよびワークRAMを含む制御用マイクロコンピュータ(MPU)120、記憶保持装置130、補正用ディレイ群200、リーフディレイ300などで構成されている。ここで、MPU120からのリードライトアクセスにより、記憶保持装置130にセレクタSELの選択情報が書き込まれ、あるいは記憶保持装置130からセレクタSELの選択情報が読み出されるようになっている。
【0011】
補正用ディレイ群200は、m個の補正用遅延セル群(C1〜Cm)と、記憶保持装置130から読み出された選択信号203〜208により遅延セルC1〜Cmのうちのいずれかを選択するセレクタ209〜213を具備している。セレクタ209〜213の選択状態に応じて、入力クロックCKinは遅延セルC1〜Cmのうちの0個以上により遅延され、処理途中の中間クロックCKin*となる。
【0012】
リーフディレイ300は、n個の遅延セル群(D1〜Dn)と、記憶保持装置130から読み出された選択信号301により遅延セルD2〜Dnのうちのいずれかを選択するセレクタ304〜307を具備している。セレクタ304〜307の選択状態に応じて、補正用ディレイ群200からの中間クロックCKin*は遅延セルD1〜Dnのうちの1つ以上により遅延され、出力クロックCKoutとなる(選択信号301により遅延セルD2〜Dnは適宜稼動状態となるが、終段のD1は常時稼動状態となる)。
【0013】
リーフディレイ300の内部では、中間クロックCKin*に対応する入力クロック302がセレクタ304〜307の選択状態に応じた段数の遅延セルを通過し、最終段の遅延セルD1からの出力が出力クロックCKoutとなる。すなわち、入力クロック302はセレクタ304〜307に入力される。セレクタ304〜307は、選択信号301の値により、入力クロック302に何段の遅延セルを通して出力クロック303とするかを制御する。
【0014】
例えば、選択信号301が1段の遅延セルを通すことを示す場合は、入力クロック302はセレクタ307を介して遅延セルD1のみを通過し、出力クロック303となる。選択信号301が2段の遅延セルを通すことを示す場合は遅延セルD1〜D2を、n段の遅延セルを通すことを示す場合は遅延セルD1〜Dnを通るように、セレクタ304〜307の信号選択状態が制御される。
【0015】
リーフディレイ300では、遅延セル群を構成する遅延セルD1〜Dn全体の遅延値の和が入力クロック302の1周期分以上の時間をカバーすることが望ましい。この場合、セレクタ304〜307で選択する遅延セルの段数を徐々に多くし、出力クロック303の入力クロック302に対する遅延量が入力クロック302の周波数1周期分に接近した時点で遅延セルの段数を少ない値に戻すという制御(MPU120による、記憶保持装置130からの選択信号301の読み出し制御)を行う。そうすることで、入力クロック302に対して周波数の遅い出力クロック303を生成でき、段数の切り替えの速さを調整することで出力クロック303の周波数を調整することができる。
【0016】
補正用ディレイ群200の内部では、クロックCKinに対応する入力クロック201がセレクタ209〜213の選択状態に応じた段数の遅延セルを通過し、最終段のセレクタ213で選択されたクロックが出力クロックCKoutとなる。すなわち、入力クロック201はセレクタ209〜213に入力される。セレクタ209〜213は、選択信号203〜208の値により、入力クロック201に何段の遅延セルを通して出力クロック202(または中間クロックCKin*)とするかを制御する。
【0017】
例えば、選択信号203〜208が補正用遅延セルを通さないことを示す場合は、入力クロック201はセレクタ213を通過し、そのまま出力クロック202となる。選択信号203〜208がm段の遅延セルを通すことを示す場合は、補正用遅延セルC1〜Cmを通るように、セレクタ209〜213の信号選択状態が制御される。
【0018】
すなわち、補正用ディレイ群200において、入力クロック201はセレクタ209〜213及び遅延セルCmに入力される。セレクタ209は、入力クロック201と選択信号203と選択信号204と遅延セルCmの出力とを入力信号として持ち、選択信号203の値と選択信号204の値の組み合わせにより、入力クロック201を出力するか遅延セルCmからの入力を出力するかが決定される。
【0019】
同様に、セレクタ210は入力クロック201と選択信号203と選択信号205と遅延セルCm−1の出力とを入力信号として持ち、選択信号203の値と選択信号205の値の組み合わせにより入力クロック201を出力するか遅延セルCm−1からの入力を出力するかが決定される。セレクタ211は入力クロック201と選択信号203と選択信号206と遅延セルCm−2の出力とを入力信号として持ち、選択信号203の値と選択信号206の値の組み合わせにより入力クロック201を出力するか遅延セルCm−2からの入力を出力するかが決定される。セレクタ212は入力クロック201と選択信号203と選択信号207と遅延セルCm−3の出力とを入力信号として持ち、選択信号203の値と選択信号207の値の組み合わせにより入力クロック201を出力するか遅延セルCm−3からの入力を出力するかが決定される。
【0020】
また、セレクタ213は、入力クロック201と選択信号203と選択信号208とセレクタ209〜213のうちセレクタ213を除く全てのセレクタの出力と遅延セルC1の出力とを入力信号として持ち、選択信号203の値と選択信号208の値の組み合わせにより、入力クロック201を出力するかセレクタ213以外のセレクタからの入力を出力するか遅延セルC1からの入力を出力するかが決定される。
【0021】
セレクタ209〜213の設定により、0段乃至n段の連続する遅延セルC1〜Cmを様々な箇所から選択できる。例えば2段の遅延セルを選択したい場合、遅延セルCm〜Cm−1という選択も可能であるし、遅延セルCm−5〜Cm−4という選択も可能である。これにより、遅延セルC1〜Cmそれぞれの遅延時間を変えておけば、同一段数の遅延セルで遅延値を異なるものにすることが可能となる。例えば、遅延セルC1の遅延時間が1psであり、C2が1.1psであり、C3が1.2psであれば、C1〜C2を選択することで2.1psの遅延値を得ることができ、C2〜C3を選択することで2.3psの遅延値を得ることができる。
【0022】
なお、補正用ディレイ群200の遅延セル群を構成する遅延セルC1〜Cm各々の遅延値(例えば1ps)は、リーフディレイ300の遅延セル群を構成する遅延セルD1〜Dn各々の遅延値(例えば50ps)よりも大幅に小さい(1/10以下)ことが、ジッタ低減あるいは遅延リニアリティ向上のためには、望ましい。また、補正用遅延セル群を構成する遅延セルC1〜Cmは、それらの遅延値の和がリーフディレイ300の遅延セル群を構成する遅延セルD1〜Dnの遅延セルの中の最大の遅延値より大きいことが望ましい。
【0023】
記憶保持装置100は、補正用ディレイ群200及びリーフディレイ300の構成要素であるセレクタ209〜213及びセレクタ304〜307の選択状態を制御する値を保持する。また、記憶保持装置100に保持された値の読み書きは、MPU120からのリードライトアクセスにより制御される。前述の様に、セレクタ304〜307への選択信号301の制御値を徐々に変化させることで、出力クロック304の周波数を制御することが可能である。選択信号301の制御値の変更はMPU120が行う。この時、リーフディレイ300の遅延セル群を構成する遅延セルD1〜Dn各々の遅延値のばらつきが大きいと出力クロック303のジッタが大きくなるが、リーフディレイ300の遅延セル群各々の遅延値が均一になる様に補正用ディレイ群を制御することで、ジッタを低減できる。
【0024】
セレクタ209〜213の制御はセレクタ304〜307を制御する選択信号301の値に連動している。つまり、リーフディレイ300で使用される遅延セルの段数毎にセレクタ209〜213をどの様に設定するかが決まっている。すなわち、リーフディレイ300で使用される遅延セルの段数毎に補正用ディレイ群200での遅延量が決まっている。
【0025】
また、補正用ディレイ群200の遅延セル群を構成する個々の遅延セルの遅延値はリーフディレイ300の遅延セル群を構成する遅延セルの遅延値よりも小さいものであるので、適切な設定によりリーフディレイ300の段数が1段増える毎の遅延値の増分を均一に近づけることが可能となる。この補正用ディレイ群200のセレクタ209〜213を制御する制御信号203〜208値も、MPU120によるリードライトアクセスで、記憶保持装置130に対して読み書きができる。セレクタ209〜213の適切な設定は、周波数可変クロック生成装置100の使用前にキャリブレーションを行うことで可能である(このキャリブレーションについては図3を参照して後述する)。
【0026】
なお、図1の構成において、補正用ディレイ群200の遅延セルC1〜Cmの個数をmで表し、リーフディレイ300の遅延セルD1〜Dnの個数をnで表わしているが、これは補正用の遅延セル数mとリーフディレイ(主遅延用)の遅延セル数nが同じとは限らないからである。補正の粒度をどの程度細かくするかにもよるが、リーフディレイ300では500〜600段の遅延セルが用いられても、多くの場合、補正用ディレイ群200ではそれより少ない段数の遅延セルで間に合う。
【0027】
図2は、周波数可変クロック生成装置100の動作の一例を説明する波形図(クロック周波数の制御に関するタイミングチャート)である。この例は極端な例であるが、入力クロック、ディレイ2段、ディレイx段、ディレイn−2段の順番で、出力クロックが毎クロック変わった時のタイミングを示しており、入力クロック5周期の期間の出力クロックが4周期となっている。
【0028】
ここで、図1の構成では、補正用遅延セルC1〜Cm全体の遅延値の和が、リーフディレイ300を構成する遅延セルD1〜Dn(またはD2〜Dn)における遅延時間のばらつき範囲をカバーするようになっている。例えば、リーフディレイ300を構成する各遅延セルの遅延時間が50ps±5psにばらつくとする。その場合、例えば1段当たり1ps±0.1ps程度の補正用遅延セルを10個用意すれば±5psのばらつきを補正できる。具体的には、最小側にばらついた45psの遅延セルに対しては10個の補正用遅延セルで45ps+10ps=55psの遅延時間に補正する(補正用遅延セルのばらつき量の絶対値はリーフディレイの遅延セルと比べて小さいので、とりあえず無視)。50psの遅延セルに対しては5個の補正用遅延セルで50ps+5ps=55psに補正する。55psの遅延セルに対しては補正しない。
【0029】
以上の処理により、補正なしでは遅延時間のばらつき(時間軸方向のジッタの原因)が±5psあっても、補正すれば、ばらつきは精々±1psとなる(補正用遅延セルが全て+か−の側に0.1psばらついたとしても10個の補正遅延セルでばらつきは最大限±1ps:実際には+側のばらつきと−側のばらつきが適当に相殺されて、10個の補正用遅延セル全体でのばらつきは±0.2ps〜±0.5ps程度に収まることが期待できる)。
【0030】
上記のような補正をしないと遅延時間を変更する度に(図2の例示では稼動するディレイ段が切り替わる度に)遅延時間にばらつきのある遅延セルが切り替え選択されて常に±5ps以内のジッタが発生する恐れがある。しかし、上記の補正をすれば、遅延時間を変更する度に切り替え選択される遅延セルの遅延時間ばらつきが精々±1psなので、時間軸ジッタは1/5以下に低減される。
【0031】
図3は、この発明の一実施の形態に係る周波数可変クロック生成装置におけるキャリブレーション処理の一例を説明するフローチャートである。ここで、ST01〜ST05はリーフディレイ300内の個々の遅延セルの遅延情報を取得するための処理である。この処理では、リーフディレイ300の遅延セル群を構成する遅延セルD1〜Dnの一つひとつに対して(ST01、ST02)遅延値を測定し(ST03)、個々の遅延セルの実測遅延値を記憶保持装置100に保存する(ST04)。この遅延値記憶保存は、リーフディレイ300を構成する最初の遅延セルD1から最後の遅延セルDnまで行う(ST02〜ST05ノーのループ)。最後の遅延セルDnまで遅延値の記憶保存が済んだら(ST05イエス)、実測されたリーフディレイ300の遅延セルD1〜Dnの遅延値の中から最大のものを選択し(ST06)、どの程度補正を行えば良いかの基準値として使用する。なお、図1の構成において常時使用される遅延セルD1については、実際の遅延時間の公称値からのずれがジッタの原因とはならないので、D1の遅延値測定を省略しその公称値を用いる方法もある。
【0032】
ST07〜ST11は補正用ディレイ群200内の個々の遅延セルの遅延情報を取得するための処理である。この処理では、補正用ディレイ群200の遅延セル群を構成する遅延セルC1〜Cmの一つひとつに対して(ST07、ST08)、遅延値を測定し(ST09)、個々の遅延セルの実測遅延値を記憶保持装置100に保存する(ST10)。この遅延値記憶保存は、補正用ディレイ群200を構成する最初の遅延セルC1から最後の遅延セルCmまで行う(ST08〜ST11ノーのループ)。
【0033】
ST12〜ST17はリーフディレイ300内の個々の遅延セルに対してどの程度補正を行うかを決定するための処理である。この処理では、リーフディレイ300の遅延セル群を構成する遅延セルD1〜Dnの一つひとつに対して(ST12、ST13)、補正用遅延値を算出し(ST14)、使用する補正用ディレイ(稼動する補正用遅延セル)を選択し(ST15)、その選択を行うための設定を記憶保持装置に保存する(ST16)。この設定保存は、補正用ディレイ群200の遅延セルC1から遅延セルCmまで行う(ST13〜ST17ノーのループ)。
【0034】
以上の処理で求めた実測値(ST06、ST10、ST16)を用いて、具体的には次のような処理を行うことができる。いま、遅延セルD1〜Dnの遅延値の設計上の公称値が50psでありそのばらつきが±5psあるとする。この場合、遅延セルD1〜Dnの遅延値の最大値は55psと判定される(ST06)。また、補正用遅延セルC1〜Cmの遅延値が1ps±0.1psであったとする(分かりやすくするため補正用遅延セルのばらつき±0.1psはとりあえず無視)。
【0035】
実際の遅延動作において、実使用するリーフディレイ300の遅延セル(D1〜Dnのうちの1つ)の実測遅延値がばらつきにより53psとなっていたとすれば、遅延量が2ps(D1〜Dnの遅延最大値55psからの差分相当:ST14)となるような2つの補正用遅延セルが選択され(ST15)、トータルでの遅延時間が53ps+2ps=55psとなるように補正を行う。また、実使用するリーフディレイ300の遅延セル(D1〜Dnのうちの1つ)の実測遅延値がばらつきにより48psとなっていたとすれば、遅延量が7psとなるような7つの補正用遅延セルが選択され、トータルでの遅延時間が48ps+7ps=55psとなるように補正を行う。実使用するリーフディレイ300の遅延セル(D1〜Dnのうちの1つ)の実測遅延値が公称値の50psであったならば、遅延量が5psとなるような5つの補正用遅延セルが選択され、トータルでの遅延時間が50ps+5ps=55psとなるように補正を行う。実使用するリーフディレイ300の遅延セル(D1〜Dnのうちの1つ)の実測遅延値が55psであったとすれば、補正用遅延セルは用いず、トータルでの遅延時間を55psのままとする。このようにすると、遅延セルD1〜Dnはどれをとっても1個当たりの遅延値が55psとなり、遅延段数増に対するトータル遅延時間の増加が直線的となる。
【0036】
以上の処理により、補正用ディレイ回路(リーフディレイ300で使用する遅延セル個々に対して、稼動する遅延セルが異なる補正用ディレイ群200)を付加することでリニアリティの高いリーフディレイを構成でき、粒度の細かい長大なリーフディレイを使用せずとも低ジッタの周波数可変クロック生成システムを実現できる。
【0037】
図4は、この発明の他の実施の形態に係る周波数可変クロック生成装置100の構成を説明する図である。この装置は、基本構成は図1の装置100と同様であるが、補正用ディレイ群200aの内部のセレクタ509〜513の回路構成が図1の場合と異なっている。
【0038】
図4において、リーフディレイ300aは、選択信号601と入力クロック602と出力クロック603とセレクタ604〜607とn個の遅延セル群D1〜Dnで構成されている(図1のリーフディレイ300と同様)。入力クロック602はセレクタ604〜607に入力される。セレクタ604〜607は選択信号601の値により入力クロック602に何段の遅延セルを通して出力クロック603として出力するかを制御する。例えば、選択信号601が1段の遅延セルを通すことを示す場合は遅延セルD1のみを、2段の遅延セルを通すことを示す場合は遅延セルD1〜D2を、n段の遅延セルを通すことを示す場合は遅延セルD1〜Dnを通るように、セレクタ604〜607が制御される。
【0039】
リーフディレイ300aの遅延セル群を構成する遅延セルD1〜Dnは、遅延セルD1〜Dnの遅延値の和が入力クロック602の1周期分以上の時間を有することが望ましく、セレクタ604〜607で選択する遅延セルの段数を徐々に多くし、出力クロック603の入力クロック602に対する遅延が入力クロック602の周波数1周期分に近くなった時点で遅延セルの段数を少ない値に戻すという制御を行う。これにより、入力クロック602に対して周波数の遅い出力クロック603を生成でき、段数の切り替えの速さを調整することで出力クロック603の周波数を調整することができる。
【0040】
補正用ディレイ群200aは、入力クロック501(CKin)を遅延して出力クロック502(CKin*)を提供するもので、選択信号503(リーフディレイ300a内の選択信号601と同じ信号)と選択信号504〜508とセレクタ509〜513と遅延セル群C1〜Cmを具備している。補正用ディレイ群200aを構成する遅延セルC1〜Cm各々の遅延値は、リーフディレイ300aを構成する個々の遅延セルの遅延値よりも大幅に小さいことが望ましい。
【0041】
補正用ディレイ群200aの入力クロック501はセレクタ509〜513及び遅延セルCmに入力される。セレクタ509は、入力クロック501と選択信号503と選択信号504と遅延セルCmの出力を入力信号として持ち、選択信号503の値と選択信号504の値の組み合わせにより、入力クロック501を出力するか遅延セルCmからの入力を出力するかを決定する。同様に、セレクタ510は入力クロック501と選択信号503と選択信号505とセレクタ509の出力と遅延セルCm−1の出力を入力信号として持ち、選択信号503の値と選択信号505の値の組み合わせにより入力クロック501を出力するかセレクタ509からの入力を出力するか遅延セルCm−1からの入力を出力するかを決定する。
【0042】
セレクタ511は入力クロック501と選択信号503と選択信号506とセレクタ509の出力とセレクタ510の出力と遅延セルCm−2の出力を入力信号として持ち、選択信号503の値と選択信号506の値の組み合わせにより入力クロック501を出力するかセレクタ509からの入力を出力するかセレクタ510からの入力を出力するか遅延セルCm−2からの入力を出力するかを決定する。セレクタ512は入力クロック501と選択信号503と選択信号507とセレクタ509〜511の出力と遅延セルCm−3の出力を入力信号として持ち、選択信号503の値と選択信号507の値の組み合わせにより入力クロック501を出力するかセレクタ509からの入力を出力するかセレクタ511からの入力を出力するかセレクタ511からの入力を出力するか遅延セルCm−3からの入力を出力するかを決定する。
【0043】
セレクタ513は、入力クロック501と選択信号503と選択信号508とセレクタ509〜513のうちセレクタ513を除く全てのセレクタの出力と遅延セルC1の出力を入力信号として持ち、選択信号503の値と選択信号508の値の組み合わせにより、入力クロック501を出力するかセレクタ513以外のセレクタからの入力を出力するか遅延セルC1からの入力を出力するかを決定する。
【0044】
補正用ディレイ群200aを構成する遅延セルC1〜Cmは、遅延セルC1〜Cmの遅延値の和がリーフディレイ300aを構成する遅延セルD1〜Dnの遅延セル中の最大の遅延値より大きいことが望ましい。
【0045】
セレクタ509〜513の設定により、任意の遅延セルを0個からm個の範囲で選択できる。例えば3段の遅延セルを選択したい場合、遅延セルC3〜C1という選択も可能であるし、遅延セルCm〜Cm−2あるいは遅延セルCm−2〜Cm−4という選択も可能である。
【0046】
また、連続した3つの遅延セルに限らず、任意の3つを選択し、例えばC1、Cm−5、及びCm、という様なバラバラな遅延セルを選択することも可能である。これにより、木目細かな補正用遅延値の調整が可能となる。
【0047】
記憶保持装置130aは補正用ディレイ群200a及びリーフディレイ300aの構成要素であるセレクタ509〜513及びセレクタ604〜607を制御する値を保持する。また、記憶保持装置400はMPU120aからのリードライトアクセスにより読み書きが可能となっている。この構成において、前述したように、セレクタ604〜607の制御値を徐々に変化させることで出力クロック603の周波数を制御することが可能である。セレクタ604〜607の制御値の変更はMPU120aが行う。この時、リーフディレイ300aを構成する遅延セルD1〜Dn各々の遅延値のばらつきが大きいと出力クロック603のジッタが大きくなる。しかし、リーフディレイ300aの遅延セル群各々の遅延値が均一となる様に補正用ディレイ群200aを制御することで、装置100の全体でみた場合に、入力クロックCKinに対する出力クロックCKoutのジッタを低減できる。
【0048】
セレクタ509〜513の制御は、セレクタ604〜607を制御する値に連動している。つまり、リーフディレイ300aで使用される遅延セルの段数毎にセレクタ509〜513をどの様に設定するかが決まっている。すなわち、リーフディレイ300aで使用される遅延セルの段数毎に補正用ディレイ群200aでの遅延量が決まっている。また、補正用ディレイ群200aの遅延セル群を構成する一つひとつの遅延セルの遅延値はリーフディレイ300aの遅延セル群を構成する遅延セルの遅延値よりも小さいものであるので、適切な設定によりリーフディレイ300aの段数が1段増える毎の遅延値の増分を均一に近づけることが可能となる(つまり遅延段数とディレイ時間との間のリニアリティがより良くなる)。この補正用ディレイ群200aのセレクタ509〜513を制御する値もMPU120aによるリードライトアクセスで読み書きができる。セレクタ509〜513の適切な設定は使用前にキャリブレーション(図3)を行うことで可能である。
【0049】
図5は、図1または図4の周波数可変クロック生成装置100に内蔵されるセレクタ回路(SEL)の具体例を説明する図である。SELが2入力セレクタ(a)の場合は1ビットの選択信号Selで入力In[0]かIn[1]が選択されて出力される。SELが4入力セレクタ(b)の場合は2ビットの選択信号Sel[0]とSel[1]の組合せで入力In[0]〜In[3]のいずれか1つが選択されて出力される。SELが8入力セレクタ(c)の場合は3ビットの選択信号Sel[0]〜Sel[2]の組合せで入力In[0]〜In[7]のいずれか1つが選択されて出力される。具体的な回路構成は省略するが、SELが16入力セレクタ(d)の場合は、同様に、4ビットの選択信号Sel[0]〜Sel[3]の組合せで入力In[0]〜In[15]のいずれか1つが選択されて出力される。それ以上の数の入力を扱うセレクタも、より多ビットの選択信号を用いることにより、同様に構成できる。
【0050】
図6は、クロック生成装置を用いたデジタル放送受信装置の一例を説明するブロック図である。デジタル放送を行う放送局10では、基準クロック11に基づきプログラムクロックリファレンス(PCR)12を生成する。生成されたPCRは、MPEG−2エンコーダ14により、放送番組13をコンテンツとするMPEG−2トランスポートストリーム(MPEG2−TS)に組み込まれる。このMPEG2−TSは送信部15から送信アンテナへ送られ、放送電波となる。
【0051】
放送電波は、受信装置(デジタルTVあるいはデジタルレコーダなど)20の受信部(デジタルチューナ)21で受信される。受信された放送電波のMPEG2−TSはデコード部22でデコードされる。デコードされたMPEG2−TSのうち、コンテンツ部分は音声/映像バッファ23に送られ、音声/映像デコーダ24でデコードされる。デコードされた音声および映像情報は音声/映像出力部(HDMIインターフェースなど)25を介して外部出力される。そのうち映像部分は自身あるいは外部の表示部40で表示される。
【0052】
一方、デコードされたMPEG2−TSのうち、PCR部分はPCR抽出部26で抽出される。抽出されたPCRは、比較部27においてシステムタイムクロック(STC)と比較される。その比較結果に基づいて、STC制御部29はSTCに対応した周波数(27MHz)のクロックCKinを生成する。生成されたCKinはクロック生成回路100*に入力される。このクロック生成回路100*は、図1または図4のクロック生成装置100と同様に構成される。クロック生成回路100*は、入力クロックCKinに所定の遅延を与えて細かな周波数変換を行い、出力クロックCKoutを生成する。生成されたCKoutはSTCカウンタ28によりカウントされてSTCとなり、このSTCが比較部27でPCRと比較されることになる。また、生成されたCKoutはシステム制御部30にも与えられる。システム制御部30は、与えられたCKoutに同期したタイミングで、音声/映像バッファ23、音声/映像デコーダ24、音声/映像出力部25などの動作を制御するように構成されている。
【0053】
図6の構成において、クロック出力CKoutを生成するクロック生成回路100*を図1または図4の回路100と同様に構成することにより、クロックジッタが低減され、少ないジッタでシステム動作を実現できる。
【0054】
<実施の形態の効果>
比較的粒度の荒いリーフディレイ300を構成する遅延セルD1〜Dn個々の遅延時間のばらつきが相対的に粒度の細かい補正用ディレイ200で個別に補正される。補正用ディレイの回路規模はリーフディレイの回路規模よりも小さくできる。そのため、IC化する際に比較的小さなチップ面積で済ませても、以下の効果が得られる。
【0055】
1.簡易なリーフディレイを使用しつつ低ジッタの周波数可変クロックの生成を生成できる。
2.遅延段数と遅延時間との関係の直線性が良い(リニアリティが高い)リーフディレイを構成でき、長大なリーフディレイを使用せずとも低ジッタの周波数可変クロック生成システムを実現できる。
【0056】
<実施の形態と発明との対応例>
この発明の一実施の形態に係るクロック生成方法は、選択的に動作する複数の主遅延段が縦続接続された主遅延部および、前記主遅延部に接続され、選択的に動作する複数の補正遅延段が縦続接続された補正遅延部を含み、入力クロック(CKin)を遅延して出力クロック(CKout)を提供する遅延回路(200+300)で用いられる。
【0057】
このクロック生成方法において、前記主遅延段のうち遅延動作に用いられる稼動主遅延段(D1〜Dnのどれか)を選択することで前記入力クロックに対する前記出力クロックの遅延量を定め、前記稼動主遅延段の遅延値が均一化する(例えば1遅延段当たり55psで均一化する)ように、前記補正遅延段のうち遅延動作に用いられる稼動補正遅延段(C1〜Cmのどれか)を決定する(ST01〜ST17)。
【0058】
この決定を行うにあたり、前記主遅延段(D1〜Dn)各々の遅延値(例えば50±5ps)を測定し(ST03)、前記補正遅延段(C1〜Cm)各々の遅延値(例えば1ps±0.1ps)を測定する(ST09)。そして、前記主遅延段(D1〜Dn)の遅延値のうち最大のもの(例えば55ps)と前記稼動主遅延段(D1〜Dnのうちのn段目)の遅延値(例えば53ps)との差分(例えば2ps)を求め(ST14)、前記稼動主遅延段(D1〜Dnのどれか)における遅延値が均一化する(例えば55psで均一化する)ように、前記稼動補正遅延段(C1〜Cmのどれか)を、求めた差分(例えば2ps)に基づき選択する(ST15:例えばC1とC2を選択して補正遅延段で2ps遅延する)。
【0059】
なお、この発明は前述した実施の形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。例えば、図1の実施の形態ではクロック入力側に補正用ディレイ200が配置されその後にリーフディレイ300が配置されているが、リーフディレイ300をクロック入力側に配置しその後に補正用ディレイ200を配置してもよい。
【0060】
また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0061】
100…周波数可変クロック生成装置、100*…クロック生成回路、120…制御部(MPU:遅延制御手段)、130…記憶保持装置、200…補正遅延部(補正用ディレイ群)、209〜213…補正遅延部のセレクタ、300…主遅延部(リーフディレイ)、304〜307…主遅延部のセレクタ、D1〜Dn…主遅延段(主遅延セル)、C1〜Cm…補正遅延段(補正用遅延セル)、CKin…入力クロック、CKout…出力クロック、200+300…遅延回路、120+130+209〜213…稼動補正遅延段選択手段、120+130+304〜307…稼動主遅延段選択手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
選択的に動作する複数の主遅延段が縦続接続された主遅延部および、前記主遅延部に接続され選択的に動作する複数の補正遅延段が縦続接続された補正遅延部を含み、入力クロックを遅延して出力クロックを提供する遅延回路と、
前記主遅延段のうち遅延動作に用いられる稼動主遅延段を選択する稼動主遅延段選択手段と、
前記補正遅延段のうち遅延動作に用いられる稼動補正遅延段を選択する稼動補正遅延段選択手段と、
前記稼動主遅延段を選択することで前記入力クロックに対する前記出力クロックの遅延量を定め、前記稼動主遅延段の遅延値が均一化するように前記稼動補正遅延段を決定する遅延制御手段)を具備したクロック生成装置。
【請求項2】
前記遅延制御手段が、
前記主遅延段各々の遅延値を測定する手段と、
前記補正遅延段各々の遅延値を測定する手段と、
前記主遅延段の遅延値のうち最大のものと前記稼動主遅延段の遅延値との差分を求める手段と、
前記稼動主遅延段における遅延値が均一化するように、前記稼動補正遅延段を求めた差分に基づき選択する手段を含む請求項1に記載のクロック生成装置。
【請求項3】
前記遅延回路は前記主遅延部に直列接続された前記補正遅延部を含み、
前記補正遅延部が、前記主遅延段における遅延値のばらつきの範囲をカバーする最大遅延時間を持つとともに前記ばらつき範囲より細かい複数の遅延時間を持つように構成された請求項1に記載のクロック生成装置。
【請求項4】
前記稼動主遅延段が前記稼動主遅延段選択手段段により選択されたあと、前記稼動補正遅延段が前稼動補正遅延段選択手段により選択され、この選択された稼動補正遅延段により、遅延ばらつきを伴う前記稼動主遅延段の遅延値が、前記主遅延段の遅延値のうち最大のもので均一化するように、前記遅延制御手段が構成される請求項1に記載のクロック生成装置。
【請求項5】
MPEGトランスポートストリームを含むデジタル放送を受信する受信部と、受信した前記MPEGトランスポートストリームからプログラムクロックリファレンスを抽出するプログラムクロックリファレンス抽出部と、前記受信したMPEGトランスポートストリームに含まれる音声映像情報をシステムタイムクロックに基づきデコードするデコーダと、前記システムタイムクロックと前記プログラムクロックリファレンスのずれを検出し、検出されたずれを低減する低減手段を備えたデジタル放送受信装置において、
前記低減手段が、前記システムタイムクロックに対応したクロック入力を遅延してクロック出力を生成するクロック生成回路と、前記クロック出力をカウントして前記システムタイムクロックを生成するシステムタイムクロックカウンタを備え、
前記クロック生成回路が、
選択的に動作する複数の主遅延段が縦続接続された主遅延部および、前記主遅延部に接続され選択的に動作する複数の補正遅延段が縦続接続された補正遅延部を含み、入力クロックを遅延して出力クロックを提供する遅延回路と、
前記主遅延段のうち遅延動作に用いられる稼動主遅延段を選択する稼動主遅延段選択手段と、
前記補正遅延段のうち遅延動作に用いられる稼動補正遅延段を選択する稼動補正遅延段選択手段と、
前記稼動主遅延段を選択することで前記入力クロックに対する前記出力クロックの遅延量を定め、前記稼動主遅延段の遅延値が均一化するように前記稼動補正遅延段を決定する遅延制御手段を具備したデジタル放送受信装置。
【請求項6】
選択的に動作する複数の主遅延段が縦続接続された主遅延部および、前記主遅延部に接続され選択的に動作する複数の補正遅延段が縦続接続された補正遅延部を含み、入力クロックを遅延して出力クロックを提供する遅延回路で用いられるクロック生成方法において、
前記主遅延段のうち遅延動作に用いられる稼動主遅延段を選択することで前記入力クロックに対する前記出力クロックの遅延量を定め、
前記稼動主遅延段の遅延値が均一化するように前記補正遅延段のうち遅延動作に用いられる稼動補正遅延段を決定するクロック生成方法。
【請求項7】
前記主遅延段各々の遅延値を測定し、
前記補正遅延段各々の遅延値を測定し、
前記主遅延段の遅延値のうち最大のものと前記稼動主遅延段の遅延値との差分を求め、
前記稼動主遅延段における遅延値が均一化するように、前記稼動補正遅延段を、求めた差分に基づき選択する請求項6に記載のクロック生成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−3986(P2011−3986A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−143452(P2009−143452)
【出願日】平成21年6月16日(2009.6.16)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】