グラインダー用駆動装置及びそれを備えたグラインダー
【課題】簡単な手段によって安全性を高めたグラインダー用安全装置を提供する。
【解決手段】グラインダー用駆動装置８は次の特徴の内の１つ又は複数を有する：駆動手段は少なくとも３つの駆動装置を有すること；安全手段は、各駆動アセンブリ１２の故障を検出するための故障検出手段２８と、この故障検出手段２８によって検出される故障に応答して全ての電動機１４のスタートを妨げるに適した制御手段２２を有すること；この故障検出手段２８は、各減速手段１６に１つの減速装置故障センサ３４を有すること；少なくとも２つの駆動アセンブリ１２、及び好ましくは全ての駆動アセンブリ１２は同一であること；
【解決手段】グラインダー用駆動装置８は次の特徴の内の１つ又は複数を有する：駆動手段は少なくとも３つの駆動装置を有すること；安全手段は、各駆動アセンブリ１２の故障を検出するための故障検出手段２８と、この故障検出手段２８によって検出される故障に応答して全ての電動機１４のスタートを妨げるに適した制御手段２２を有すること；この故障検出手段２８は、各減速手段１６に１つの減速装置故障センサ３４を有すること；少なくとも２つの駆動アセンブリ１２、及び好ましくは全ての駆動アセンブリ１２は同一であること；
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、グラインダー、特に縦型グラインダー用の駆動装置であって、
１つの歯輪、
前記歯輪を駆動するための少なくとも２つの駆動アセンブリを有し、この駆動アセンブリの各々は更に、
１つの電動機
１つの減速機
を有する駆動装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
このような形式のグラインダー用駆動装置は公知である。しかしながら、これらの装置は電動機や減速装置が故障しても、オペレータは駆動装置を稼動させようとするため、安全性の点で問題があった。即ち、この場合は残りの電動機がその公称能力を越えて使用されたり、又は、減速装置や歯輪の要素に能力を越える力が作用する恐れがあった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
本発明の目的は、簡単な手段によって安全性を高めたグラインダー用安全装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００４】
このため本発明では、少なくとも１つの駆動アセンブリが使用不能の際に、全てのアセンブリのスタートを妨げるための安全手段を持った駆動装置を特徴とする。
実施態様においては、駆動装置は次の特徴の内の１つ又は複数を有する：
駆動手段は少なくとも３つの駆動装置を有すること；
安全手段は、各駆動アセンブリの故障を検出するための故障検出手段と、この故障検出手段によって検出される故障に応答して全ての電動機のスタートを妨げるに適した制御手段を有すること；
この故障検出手段は、各減速手段に１つの減速装置故障センサを有すること；
少なくとも２つの駆動アセンブリ、及び好ましくは全ての駆動アセンブリは同一であること；
【０００５】
本発明は更に次のことよりなるグラインダーに関する：
１つのグラインダーテーブル、
少なくとも１つのグラインダーローラ、
１つの駆動装置、
駆動装置は、上記したような駆動装置であること
【０００６】
本発明は、本発明よる駆動装置を備えたグラインダーである図１を参照しながら、その一例についての詳細な説明から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【０００７】
【図１】本発明による駆動装置を備えたグラインダーである。
【発明を実施するための形態】
【０００８】
本発明よるグラインダー全体は２で示されている。このグラインダー２は縦型であって、１つのグラインダーテーブル４、複数のグラインダーローラ６及びグラインダーテーブル４を回転駆動するための駆動装置８とからなる。
【０００９】
駆動装置８は歯輪４に対してＸ−Ｘ軸の周りに回転する。
この駆動装置８は又、歯輪１０を駆動するためアセンブリ１２を有する。この場合、駆動装置８は３つの駆動アセンブリ１２を有する。
【００１０】
グラインダー２及び駆動装置８は、歯輪１０又はグラインダーテーブル４を駆動するための他の手段を持たない。従って、歯輪１０をＸ−Ｘ軸の周りに回転するための手段は駆動アセンブリ１２からなる。
好ましくは少なくとも２つ、特に好ましくは全ての駆動アセンブリ１２は同一である。
【００１１】
各駆動アセンブリ１２は電動機１４と減速装置１６とからなる。電動機１４は出力軸１８を有し、これは減速装置１６の図示されていない入力軸に接続されている。
駆動装置８は又、出力供給モジュール２４からなる制御装置２２を有していて、出力供給線２６を通して電動機１４へと接続されている。かくして、出力供給線２４は電動機を始動することができる。
【００１２】
駆動装置８は又、少なくとも１つの駆動アセンブリ１２が使用不可能あるいは故障のときに全ての駆動アセンブリ１２の作動又は始動を妨げるようになった安全手段を有する。この場合、安全装置は各駆動アセンブリ２の故障を検出する故障検出装置を有する。安全装置は又、故障検出手段による故障検出に応答して全ての電動機の作動又は始動を妨げるための制限手段を有する。
【００１３】
故障検出手段は各電動機２８に用意された電動機の故障を検出する手段を有し、連携する電動機の故障を検出すると共に、信号線３０を有する。
電動機の故障検出手段は、電動機１４の故障状態（condition）を評価するためのモジュール３２を更に有している。この評価モジュール３２は、電動機故障センサ２８と信号線３０を介して１つ又は複数の電動機１４の故障の程度を検出するようになっていて、更に電動機故障信号を出力供給モジュール２４に送るようになっている。出力供給モジュール２４は、この信号に応答して全ての電動機１４への出力供給を止める。
【００１４】
故障検出手段は、減速装置の故障検出手段を備えていて、それは各減速装置１６に対して、連携する減速装置１６の故障を検出する減速装置故障センサと、信号線３６を備えている。減速装置故障検出手段は、減速装置１６の故障状態を評価するモジュール３８を有している。この評価モジュール３８は、減速装置故障センサ３４及び信号線３２を介して１つ又は複数の減速装置１６の故障状態を検出する一方、出力供給モジュール２４に減速装置故障信号を送る。
【００１５】
本発明は次のように作動する。
いずれの電動機故障センサ３４も、又いずれの減速装置故障センサ２８も電動機１４の故障や減速装置１６の故障を検出しないときには、モジュール３２及び３８は故障信号を発しないから出力供給モジュール２４は各電動機１４の始動を許容する。
【００１６】
少なくとも１つの電動機２８及び減速装置３４の故障センサが電動機又は減速装置の故障を検出すると、関係する評価モジュール３２又は３８は出力供給モジュール２４へ故障信号を発し、それらはこの信号に応答して、各電動機１４の作動又は始動を阻止する。その結果、電動機１４又は減速装置１６の故障があったら、どの駆動アセンブリも始動しない。かくして各要素は、１つの要素の故障時にその公称能力を越える使用がなされることはない。
【００１７】
電動機故障センサ２８は、例えば電動機のコイル内の電流の存在非存在を示す電流センサであるか、減速装置軸又は出力ピニオン２０における力又はトルクの存在又は非存在を示す力又はトルクセンサである。
又、減速装置故障センサ３４は、減速装置軸又は出力ピニオン２０における力又はトルクの存在又は非存在を示す力又はトルクセンサである。
【００１８】
制御装置２２は、コンピュータ、ＰＬＣ又は他の手段である。
【符号の説明】
【００１９】
２ グラインダー
４ グラインダーテーブル
６ グラインダーローラ
８ 駆動装置
１０ 歯輪
１２ 駆動アセンブリ
１４ 電動機
１６ 減速装置
１８ 出力軸
２０ 出力ピニオン
２２ 制御装置
２４ 出力供給モジュール
２６ 出力供給線
２８ 電動機故障センサ
３０ 信号線
３２ 評価モジュール
３４ 減速装置故障センサ
３６ 信号線
３８ モジュール
【技術分野】
【０００１】
本発明は、グラインダー、特に縦型グラインダー用の駆動装置であって、
１つの歯輪、
前記歯輪を駆動するための少なくとも２つの駆動アセンブリを有し、この駆動アセンブリの各々は更に、
１つの電動機
１つの減速機
を有する駆動装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
このような形式のグラインダー用駆動装置は公知である。しかしながら、これらの装置は電動機や減速装置が故障しても、オペレータは駆動装置を稼動させようとするため、安全性の点で問題があった。即ち、この場合は残りの電動機がその公称能力を越えて使用されたり、又は、減速装置や歯輪の要素に能力を越える力が作用する恐れがあった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
本発明の目的は、簡単な手段によって安全性を高めたグラインダー用安全装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００４】
このため本発明では、少なくとも１つの駆動アセンブリが使用不能の際に、全てのアセンブリのスタートを妨げるための安全手段を持った駆動装置を特徴とする。
実施態様においては、駆動装置は次の特徴の内の１つ又は複数を有する：
駆動手段は少なくとも３つの駆動装置を有すること；
安全手段は、各駆動アセンブリの故障を検出するための故障検出手段と、この故障検出手段によって検出される故障に応答して全ての電動機のスタートを妨げるに適した制御手段を有すること；
この故障検出手段は、各減速手段に１つの減速装置故障センサを有すること；
少なくとも２つの駆動アセンブリ、及び好ましくは全ての駆動アセンブリは同一であること；
【０００５】
本発明は更に次のことよりなるグラインダーに関する：
１つのグラインダーテーブル、
少なくとも１つのグラインダーローラ、
１つの駆動装置、
駆動装置は、上記したような駆動装置であること
【０００６】
本発明は、本発明よる駆動装置を備えたグラインダーである図１を参照しながら、その一例についての詳細な説明から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【０００７】
【図１】本発明による駆動装置を備えたグラインダーである。
【発明を実施するための形態】
【０００８】
本発明よるグラインダー全体は２で示されている。このグラインダー２は縦型であって、１つのグラインダーテーブル４、複数のグラインダーローラ６及びグラインダーテーブル４を回転駆動するための駆動装置８とからなる。
【０００９】
駆動装置８は歯輪４に対してＸ−Ｘ軸の周りに回転する。
この駆動装置８は又、歯輪１０を駆動するためアセンブリ１２を有する。この場合、駆動装置８は３つの駆動アセンブリ１２を有する。
【００１０】
グラインダー２及び駆動装置８は、歯輪１０又はグラインダーテーブル４を駆動するための他の手段を持たない。従って、歯輪１０をＸ−Ｘ軸の周りに回転するための手段は駆動アセンブリ１２からなる。
好ましくは少なくとも２つ、特に好ましくは全ての駆動アセンブリ１２は同一である。
【００１１】
各駆動アセンブリ１２は電動機１４と減速装置１６とからなる。電動機１４は出力軸１８を有し、これは減速装置１６の図示されていない入力軸に接続されている。
駆動装置８は又、出力供給モジュール２４からなる制御装置２２を有していて、出力供給線２６を通して電動機１４へと接続されている。かくして、出力供給線２４は電動機を始動することができる。
【００１２】
駆動装置８は又、少なくとも１つの駆動アセンブリ１２が使用不可能あるいは故障のときに全ての駆動アセンブリ１２の作動又は始動を妨げるようになった安全手段を有する。この場合、安全装置は各駆動アセンブリ２の故障を検出する故障検出装置を有する。安全装置は又、故障検出手段による故障検出に応答して全ての電動機の作動又は始動を妨げるための制限手段を有する。
【００１３】
故障検出手段は各電動機２８に用意された電動機の故障を検出する手段を有し、連携する電動機の故障を検出すると共に、信号線３０を有する。
電動機の故障検出手段は、電動機１４の故障状態（condition）を評価するためのモジュール３２を更に有している。この評価モジュール３２は、電動機故障センサ２８と信号線３０を介して１つ又は複数の電動機１４の故障の程度を検出するようになっていて、更に電動機故障信号を出力供給モジュール２４に送るようになっている。出力供給モジュール２４は、この信号に応答して全ての電動機１４への出力供給を止める。
【００１４】
故障検出手段は、減速装置の故障検出手段を備えていて、それは各減速装置１６に対して、連携する減速装置１６の故障を検出する減速装置故障センサと、信号線３６を備えている。減速装置故障検出手段は、減速装置１６の故障状態を評価するモジュール３８を有している。この評価モジュール３８は、減速装置故障センサ３４及び信号線３２を介して１つ又は複数の減速装置１６の故障状態を検出する一方、出力供給モジュール２４に減速装置故障信号を送る。
【００１５】
本発明は次のように作動する。
いずれの電動機故障センサ３４も、又いずれの減速装置故障センサ２８も電動機１４の故障や減速装置１６の故障を検出しないときには、モジュール３２及び３８は故障信号を発しないから出力供給モジュール２４は各電動機１４の始動を許容する。
【００１６】
少なくとも１つの電動機２８及び減速装置３４の故障センサが電動機又は減速装置の故障を検出すると、関係する評価モジュール３２又は３８は出力供給モジュール２４へ故障信号を発し、それらはこの信号に応答して、各電動機１４の作動又は始動を阻止する。その結果、電動機１４又は減速装置１６の故障があったら、どの駆動アセンブリも始動しない。かくして各要素は、１つの要素の故障時にその公称能力を越える使用がなされることはない。
【００１７】
電動機故障センサ２８は、例えば電動機のコイル内の電流の存在非存在を示す電流センサであるか、減速装置軸又は出力ピニオン２０における力又はトルクの存在又は非存在を示す力又はトルクセンサである。
又、減速装置故障センサ３４は、減速装置軸又は出力ピニオン２０における力又はトルクの存在又は非存在を示す力又はトルクセンサである。
【００１８】
制御装置２２は、コンピュータ、ＰＬＣ又は他の手段である。
【符号の説明】
【００１９】
２ グラインダー
４ グラインダーテーブル
６ グラインダーローラ
８ 駆動装置
１０ 歯輪
１２ 駆動アセンブリ
１４ 電動機
１６ 減速装置
１８ 出力軸
２０ 出力ピニオン
２２ 制御装置
２４ 出力供給モジュール
２６ 出力供給線
２８ 電動機故障センサ
３０ 信号線
３２ 評価モジュール
３４ 減速装置故障センサ
３６ 信号線
３８ モジュール
【特許請求の範囲】
【請求項１】
グラインダー、特に縦型グラインダー用の駆動装置であって、
１つの歯輪（１０）、
前記歯輪（１０）を駆動するための少なくとも２つの駆動アセンブリ（１２）とを有し、
各駆動アセンブリは、
１つの電動機（１４）
１つの減速装置（１６）
を有し、前記駆動装置（８）は、少なくとも１つの駆動アセンブリが使用不能となったとき、全ての駆動アセンブリの始動を阻止する安全手段を有することを特徴とする駆動装置。
【請求項２】
駆動装置は少なくとも３つの駆動アセンブリを有することを特徴とする請求項１記載の駆動装置。
【請求項３】
安全手段は、各駆動アセンブリ（２８，３２，３４，３８）の故障を検出する故障検出手段と、故障検出手段によって検出された故障に応答して、全ての電動機（１４）の始動を阻止する制御手段（２４）を有することを特徴とする請求項１又は２記載の駆動装置。
【請求項４】
故障検出手段は、各電動機ごとに１つの電動機故障センサ（２８）を有することを特徴とする請求項３記載の駆動装置。
【請求項５】
故障検出手段は、各減速装置ごとに１つの減速装置故障センサ（３４）を有することを特徴とする請求項３又は４記載の駆動装置。
【請求項６】
少なくとも２つの駆動アセンブリ（１２）及び好ましくは全ての駆動アセンブリが同一であることを特徴とする請求項１〜５のいずれか１項に記載の駆動装置。
【請求項７】
１つのグラインダーテーブル（４）、
少なくとも１つのグラインダーローラ（６）及び
１つの駆動装置（８）
よりなるグラインダーであって、
前記駆動装置（８）は請求項１〜５のいずれか１項記載の駆動装置であることを特徴とするグラインダー。
【請求項１】
グラインダー、特に縦型グラインダー用の駆動装置であって、
１つの歯輪（１０）、
前記歯輪（１０）を駆動するための少なくとも２つの駆動アセンブリ（１２）とを有し、
各駆動アセンブリは、
１つの電動機（１４）
１つの減速装置（１６）
を有し、前記駆動装置（８）は、少なくとも１つの駆動アセンブリが使用不能となったとき、全ての駆動アセンブリの始動を阻止する安全手段を有することを特徴とする駆動装置。
【請求項２】
駆動装置は少なくとも３つの駆動アセンブリを有することを特徴とする請求項１記載の駆動装置。
【請求項３】
安全手段は、各駆動アセンブリ（２８，３２，３４，３８）の故障を検出する故障検出手段と、故障検出手段によって検出された故障に応答して、全ての電動機（１４）の始動を阻止する制御手段（２４）を有することを特徴とする請求項１又は２記載の駆動装置。
【請求項４】
故障検出手段は、各電動機ごとに１つの電動機故障センサ（２８）を有することを特徴とする請求項３記載の駆動装置。
【請求項５】
故障検出手段は、各減速装置ごとに１つの減速装置故障センサ（３４）を有することを特徴とする請求項３又は４記載の駆動装置。
【請求項６】
少なくとも２つの駆動アセンブリ（１２）及び好ましくは全ての駆動アセンブリが同一であることを特徴とする請求項１〜５のいずれか１項に記載の駆動装置。
【請求項７】
１つのグラインダーテーブル（４）、
少なくとも１つのグラインダーローラ（６）及び
１つの駆動装置（８）
よりなるグラインダーであって、
前記駆動装置（８）は請求項１〜５のいずれか１項記載の駆動装置であることを特徴とするグラインダー。
【図１】
【公開番号】特開２０１３−１０１７５（Ｐ２０１３−１０１７５Ａ）
【公開日】平成２５年１月１７日（２０１３．１．１７）
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願２０１２−１４１７８２（Ｐ２０１２−１４１７８２）
【出願日】平成２４年６月２５日（２０１２．６．２５）
【出願人】（５１２１６６４２９）
【氏名又は名称原語表記】ＣＯＭＰＡＧＮＩＥ ＥＮＧＲＥＮＡＧＥＳ ＥＴ ＲＥＤＵＣＴＥＵＲＳ−ＭＥＳＳＩＡＮ−ＤＵＲＡＮＤ
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２５年１月１７日（２０１３．１．１７）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１２−１４１７８２（Ｐ２０１２−１４１７８２）
【出願日】平成２４年６月２５日（２０１２．６．２５）
【出願人】（５１２１６６４２９）
【氏名又は名称原語表記】ＣＯＭＰＡＧＮＩＥ ＥＮＧＲＥＮＡＧＥＳ ＥＴ ＲＥＤＵＣＴＥＵＲＳ−ＭＥＳＳＩＡＮ−ＤＵＲＡＮＤ
【Ｆターム（参考）】
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