グループ通話制御サーバ
【課題】 ネットワークリソースの浪費を回避し、送信権制御の効率を向上できるグループ通話制御サーバを提供する。
【解決手段】 AGW100,101が、グループ番号毎に、当該AGWに収容されているMS種別と対応するBS種別とMSの送信権制御状態とを記憶する送信権管理テーブルを備え、PTエンジン300が、グループ番号とメンバのMS種別と収容されているAGW種別とを対応付けて記憶するグループ管理テーブル500を備え、PTエンジンが、複数のMSに同一のTBCPメッセージを送信する場合、グループ管理テーブルを参照して、グループ番号のみを特定して当該MSが収容されているAGWに集約して送信し、AGWが、受信したTBCPメッセージの種類と送信権管理テーブルに記憶された送信権制御状態とに基づいて制御されるべきMSを特定し、対応するBSを介して当該MS宛に送信権制御メッセージを送信するグループ通話制御サーバである。
【解決手段】 AGW100,101が、グループ番号毎に、当該AGWに収容されているMS種別と対応するBS種別とMSの送信権制御状態とを記憶する送信権管理テーブルを備え、PTエンジン300が、グループ番号とメンバのMS種別と収容されているAGW種別とを対応付けて記憶するグループ管理テーブル500を備え、PTエンジンが、複数のMSに同一のTBCPメッセージを送信する場合、グループ管理テーブルを参照して、グループ番号のみを特定して当該MSが収容されているAGWに集約して送信し、AGWが、受信したTBCPメッセージの種類と送信権管理テーブルに記憶された送信権制御状態とに基づいて制御されるべきMSを特定し、対応するBSを介して当該MS宛に送信権制御メッセージを送信するグループ通話制御サーバである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線携帯端末を用いたグループ通話を実現するグループ通話制御サーバに係り、特に呼制御メッセージであるTBCP(Talk Burst Control Protocol)メッセージを集約してAGW(Access Gateway;アクセスゲートウェイ)宛に送信することにより、ネットワークリソースの浪費を回避し、送信権制御を効率的に行うことができるグループ通話制御サーバに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、IP網上において、複数の無線携帯端末間で半二重多対多の同報通信によるグループ通話を行う自営IPネットワークがあり、グループ通話の方式としては、PoC(Push-to-Talk over Cellular)を用いたものがある。
PoCでは、端末からボタンを押下して送話すると同時に複数の端末に送信され、複数の端末が音声を受信するようになっている。ボタンを押下して送話する方法をプレストークという。
また、IP電話における通話プロトコルとしてはSIP(Session Initiation Protocol)が用いられている。
【0003】
PoCを用いてグループ通話を行うシステムでは、グループ通話の制御サーバが、端末からの要求に応じてグループ通話を開始し、通話中、端末から送信の要求があった場合に、許可可能か否かを判断して当該端末に送信権を許可したり、端末から送信権の解放要求があった場合に送信権を解放するといった送信権の制御を行うようになっている。
これらの送信権の制御は、TBCPメッセージによって通知される。
【0004】
[自営IPネットワークの構成:図7]
グループ通話制御サーバを備えた自営IPネットワークの構成について図7を用いて説明する。図7は、一般的な自営IPネットワークの構成及び従来のTBCPメッセージの送信例を示す模式説明図である。
図7に示すように、自営IPネットワークは、グループ通話全体の制御を行うグループ通話制御サーバ10と、複数の基地局(BS;Base Station)4と、複数の移動局(MS;Mobile Station)5とを備えている。
更にグループ通話制御サーバ10は、処理手段として、PT(Press Talk)エンジン11と、呼制御エンジン12と、AGW13とを備えている。
【0005】
PTエンジン11は、プレストークによるグループ通話の制御を行うものであり、グループメンバの管理や、グループ通話の要求があった場合のグループメンバの呼び出し、送信権の制御、及び音声データの複製転送等を行う。
呼制御エンジン12は、SIPセッションの基本制御として、発呼、着呼、呼切断等の制御を行う。
【0006】
AGW13は、通信に伴うセッションの制御を行うゲートウェイであり、個別通話やグループ通信の制御を行う。AGW13は、複数のBS4を管理し、BS4を介して各MS5に対する制御を行う。送信権制御においては、無線方式によって異なる各基地局4からの送信権要求等の送信権制御メッセージをTBCPのメッセージに変換して、呼制御エンジン12を介してPTエンジン11に出力する。また、PTエンジン11からのTBCPメッセージを各無線方式に応じた送信権制御メッセージに変換して各基地局4に出力する。すなわち、AGW13は、無線方式の違いを吸収するものである。
【0007】
BS4は、無線通信システムの基地局であり、位置登録しているMS5と無線通信を行ってグループ通話をサポートする。
MS5は、無線通信システムの移動局であり、BS4を介して無線通信によってグループ通話を実現する。
【0008】
[従来のTBCPメッセージの送信例:図7]
従来の自営IPネットワークにおいて、PTエンジン11から各BS宛にグループ通話の送信権制御に関するTBCPメッセージを送信する際には、PTエンジン11は、図7に示すように、同一のTBCPメッセージであっても、グループ通話に参加しているMS5を収容しているBS4の台数分だけメッセージを送信するようになっていた。図7の例では、4つのTBCPメッセージがAGW13に送信され、AGW13から各BS4に送信されている。
【0009】
ところで、送信権制御に伴うTBCPの制御メッセージの中には、送信権を与えるTalk Burst Granted、送信権を拒否するTalk Bust Deny、送信権の解放を通知するTalk Burst Idle、送信権表示を通知するTalk Burst Takenといったメッセージがあるが、図9〜図12に示すように、これらの4種類のメッセージの構成には、BSやMSを特定する情報が含まれていない。
尚、送信権獲得要求に伴うTalk Burst RequestメッセージにはMSを特定する情報が含まれる。
図9〜図12は、TBCPメッセージの構成を示しており、図9は、Talk Burst Grantedメッセージの構成を示す模式説明図であり、図10は、Talk Bust Denyメッセージの構成を示す模式説明図であり、図11は、Talk Burst Idleメッセージの構成を示す模式説明図であり、図12は、Talk Burst Takenメッセージの構成を示す模式説明図である。
【0010】
そこで、従来の自営IPネットワークでは、AGW13のポートとBS4とを1対1に対応付けておき、PTエンジン11から特定のBS4にTBCPメッセージを送る際には、PTエンジン1は、所望のBS4に対応したAGW13のポート番号宛に送信するようにしている。AGW13は、TBCPメッセージが送られてきたポート番号を参照することにより、メッセージそのものに宛先となるBSやMSの情報が含まれなくても、送信先のBS4を特定してメッセージを送信することができるようになっている。
【0011】
[TBCPメッセージを集約した場合:図8]
このようにPTエンジン11からBS4の数だけTBCPメッセージを送信すると、TBCP制御数が増大し、PTエンジン11の負荷が増大してしまう。
そこで、図8に示すように、PTエンジン11から、同一のAGW13に収容されている複数のBS4宛に同一のメッセージを送信する際には、それらを集約して1つのメッセージだけを送信することが考えられる。図8は、複数のBS宛のTBCPメッセージをAGWに集約した例を示す模式説明図である。
【0012】
しかし、上述したように、TBCPメッセージには、宛先となるBS4やMS5を特定する情報が含まれないものがあり、また、TBCPメッセージを集約するとAGW13で当該TBCPメッセージを受信するポートは1つとなるため、ポート番号で送信すべきBSを判断することができず、送信権制御メッセージを適切なBSに送信することが不可能となってしまう。
【0013】
[先行技術文献]
尚、PoCを用いてグループ通話を行うシステムに関する先行技術としては、「PushTalkサービスのシステム開発、NTT DoCoMo テクニカルジャーナル Vol.13 No.4,P6−13」がある。
【0014】
【非特許文献1】PushTalkサービスのシステム開発、NTT DoCoMo テクニカルジャーナル Vol.13 No.4、P6−13
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、従来のグループ通話制御サーバでは、送信権制御に伴い、例えばPTエンジンから「送信権表示」等の同一のTBCPメッセージを送信する際に、AGW宛に同じTBCPメッセージをBSの台数分送信しなければならないため、PTエンジンにおけるTBCP制御数が増大して負荷が大きくなり、また、TBCPメッセージを集約しようとするとAGWで宛先となるBS及びMSが判別できないという問題点があった。
【0016】
本発明は上記実状に鑑みて為されたもので、PTエンジンから複数のBSを介して複数のMSに同一の送信権制御を行う場合、各BSを管理するAGWにTBCPメッセージを集約して送信し、各AGWにおいて宛先となるMS及びBSを判別して適切に送信することにより、ネットワークリソースの浪費を回避し、送信権制御の効率を向上させることができるグループ通話制御サーバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、ネットワーク中の移動局間のグループ通話の制御を行うグループ通話制御サーバであって、グループ通話における送信権の制御を行うグループ通話手段と、複数の基地局を管理し、グループ通話手段から送信権の制御に関するTBCPメッセージを受信すると、通信方式に応じた制御メッセージに変換して基地局に送信する複数のアクセスゲートウェイとを備え、移動局がいずれかの基地局に位置登録することによって、当該基地局を管理しているアクセスゲートウェイが前記移動局の識別番号を収容し、グループ通話手段には、グループ通話のグループ番号毎に、グループの構成メンバである移動局の識別番号と、各移動局の識別番号が収容されているアクセスゲートウェイの識別番号を記憶するグループ管理テーブルを備え、アクセスゲートウェイには、グループ番号毎に、当該アクセスゲートウェイに収容されている移動局の識別番号と、位置登録している基地局の識別番号と、当該グループ通話における送信権制御の状態とを示す情報を記憶する送信権管理テーブルを備えると共に、グループ番号とポート番号とを対応付けて記憶しており、グループ通話手段が、特定のグループ番号のグループ通話の送信権制御において、複数の移動局宛に同一のTBCPメッセージを送信する場合に、グループ管理テーブルを参照して、当該移動局の識別番号が収容されているアクセスゲートウェイ毎に、ポート番号を付してTBCPメッセージを送信し、アクセスゲートウェイが、TBCPメッセージを受信した場合に、受信したポート番号に対応するグループ番号の送信権管理テーブルを参照して、当該TBCPメッセージの種類と送信権管理テーブルに記憶されている送信権制御状態とに基づいて、制御されるべき移動局を特定し、移動局を宛先として移動局が位置登録している基地局に、TBCPメッセージに基いて変換された制御メッセージを送信することを特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、グループ通話手段には、グループ通話のグループ番号毎に、グループの構成メンバである移動局の識別番号と、各移動局の識別番号が収容されているアクセスゲートウェイの識別番号を記憶するグループ管理テーブルを備え、アクセスゲートウェイには、グループ番号毎に、当該アクセスゲートウェイに収容されている移動局の識別番号と、位置登録している基地局の識別番号と、当該グループ通話における送信権制御の状態とを示す情報を記憶する送信権管理テーブルを備えると共に、グループ番号とポート番号とを対応付けて記憶しており、グループ通話手段が、特定のグループ番号のグループ通話の送信権制御において、複数の移動局宛に同一のTBCPメッセージを送信する場合に、グループ管理テーブルを参照して、当該移動局の識別番号が収容されているアクセスゲートウェイ毎に、ポート番号を付してTBCPメッセージを送信し、アクセスゲートウェイが、TBCPメッセージを受信した場合に、受信したポート番号に対応するグループ番号の送信権管理テーブルを参照して、当該TBCPメッセージの種類と送信権管理テーブルに記憶されている送信権制御状態とに基づいて、制御されるべき移動局を特定し、移動局を宛先として移動局が位置登録している基地局に、TBCPメッセージに基いて変換された制御メッセージを送信するグループ通話制御サーバとしているので、グループ通話手段が、複数の基地局を介して複数の移動局に同一の送信権制御を行う場合に、各基地局を管理するAGWに、ポート番号によってグループ番号のみを特定してTBCPメッセージを集約して送信でき、各AGWにおいて宛先となる移動局及び中継する基地局を判別して、該当する全ての移動局に制御メッセージを適切に送信することができ、ネットワークリソースの浪費を回避し、送信権制御の効率を向上させることができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
[発明の概要]
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
本発明の実施の形態に係るグループ通話制御サーバは、AGWに、グループ通話のグループ番号毎に、当該AGWに収容されているMSについて、対応するBS種別(BSの識別情報)と当該MSの送信権制御状態とを記憶する送信権管理テーブルを備え、PTエンジンに、グループ番号と、グループに含まれるMS種別(MSの識別情報)と各MSが現在収容されているAGW種別(AGWの識別情報)とを対応付けて記憶するグループ管理テーブルを備え、PTエンジンが、複数のMS宛のTBCPメッセージを、グループ番号のみを特定して、グループ管理テーブルを参照して対応するAGWに送信し、AGWが、受信したTBCPメッセージに基づいてMS番号を特定して、送信権管理テーブルを参照して対応するBSを介してMS宛に送信権制御メッセージを送信するようにしているので、PTエンジンは、同一AGWに収容されている複数のMS宛の同一種類のメッセージを、当該AGWに1つだけ送信すればよく、AGWがどのMS宛かを判断して適切なBSを介して該当する全てのMSに制御メッセージを送信することができ、全てのBS宛にTBCPメッセージを送信するのに比べて、TBCPメッセージの送信処理を軽減することができるものである。
【0020】
[実施の形態のシステム構成:図1]
本発明の実施の形態に係るグループ通話制御サーバを含む通信システムの構成について図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るグループ通話制御サーバを備えたグループ通話システム(本システム)の構成ブロック図である。
図1に示すように、本システムは、移動局(MS;Mobile Station)(MS1〜MS7)と、基地局(BS;Base Station)(BS1〜BS5)と、グループ通話制御サーバ1とを備え、BS1〜5とグループ通話制御サーバ1とは、Ethernet(登録商標)等のWAN(Wide Area Network)を介して接続されている。
【0021】
また、移動局MS1は基地局BS1に収容されており、MS2及びMS3はBS2に収容されており、MS4はBS3に収容されており、MS5及びMS6はBS4に収容されており、MS7はBS5に収容されている。
【0022】
[グループ通話制御サーバ1]
ここで、本システムの特徴部分であるグループ通話制御サーバ(本サーバ)1について具体的に説明する。
グループ通話制御サーバ1は、本システムにおける呼制御や回線接続制御及びグループ通話制御を行うものであり、本システムの特徴として、グループ通話における送信権制御を少ないTBCPメッセージのやり取りで効率よく行うものである。
【0023】
グループ通話制御サーバ1は、従来のグループ通話制御サーバと基本的な構成は同様であり、処理手段として、AGW(Access Gateway)100と、AGW101と、呼制御エンジン200と、PTエンジン300とを備えている。PTエンジン300は、請求項における「グループ通話手段」に相当している。
尚、図1の例では、AGW100は、BS1を管理し、AGW101は、BS4,BS5を管理しているものとする。
【0024】
グループ通話制御サーバ1は、コンピュータで構成され、図示は省略するが、ハードウェアの主要な構成手段として、CPU等から成る制御部と、ハードディスク等から成る記憶部と、制御部のワークメモリとして機能する主メモリと、データのやりとりを行うインタフェース部とを備えている。
そして、制御部が、記憶部に記憶されているプログラムを主メモリに展開して起動し、プログラムに従って処理を行うことによって、上記各処理手段が実現されてそれぞれの機能が実行されるものである。
【0025】
そして、本システムの特徴として、グループ通話制御サーバ1の各AGWは、グループ通話における送信権制御メッセージを送信するための送信権管理テーブルを備えている。図1の例では、AGW100は送信権管理テーブル400を備え、AGW101は送信権管理テーブル401を備えている。
また、本システムの特徴として、PTエンジン300は、グループ通話の制御を行うためのグループ管理テーブル500を備えている。
【0026】
[送信権管理テーブル:図2]
AGWに設けられている送信権管理テーブルについて図2を用いて説明する。図2は、図1に示したグループ通話制御サーバ1のAGWに設けられている送信権管理テーブルの模式説明図であり、(a)はAGW400を示し、(b)はAGW401を示している。
送信権管理テーブルは、AGWにおいてPTエンジン300からの送信権制御のTBCPメッセージを適切なBS及び適切なMSに送信するために必要な情報を記憶するテーブルである。
【0027】
図2(a)を用いて具体的に説明すると、送信権管理テーブルは、現在当該AGWに収容されて(当該AGWが管理するBSに位置登録して)おり、グループ通話に参加しているMSについて、送信権の制御状態を管理するものであり、グループ番号毎に、MS種別(MSの識別情報)と、MSを収容しているBSの識別情報と、MSの送信権制御状態と対応付けて記憶するものである。
【0028】
ここで、送信権制御状態は、各々のMSが、グループ通話の送信権制御においてどの状態にあるかを示す情報であり、AGW400,401がセッションの中でPTエンジン300から送信権制御のTBCPメッセージを受信した場合に、TBCPメッセージの種類と、その時点での送信権制御状態に基づいて宛先となるMS及びBSを特定し、無線通信方式に応じた送信権制御メッセージをBSに送信するために用いられる。
【0029】
送信権制御状態としては、例えば、送信権を獲得していない「送信権解放状態」、送信権確認要求を行っている「送信権要求状態」、送信権表示を行っている「送信権表示状態」、送信権を割り当てられている「送信権獲得状態」がある。
【0030】
また、AGWは、送信権管理テーブルとは別に、個別通話等の制御を行うために、自己が管理するBSに位置登録した全てのMSについて、MS種別とそれに対応するBS種別とを記憶する位置登録テーブルを備えている。
【0031】
そして、AGWに収容されているMSがグループ通話に参加すると、AGWは、当該グループ番号に対応する送信権管理テーブルを生成して、位置登録テーブルを参照してMS種別とそれに対応するBS種別を書き込み、送信権の制御に応じた送信権制御状態を記憶できるよう準備するようになっている。したがって、グループ番号に対応する送信権管理テーブルに記憶されるMSの数は、1つのみの場合もあるし複数の場合もある。
【0032】
図2(a)に示すように、AGW100に設けられた送信権管理テーブル400は、MS種別(MSの識別情報)と、BS種別(BSの識別情報)と、当該MSの送信権制御状態と、グループ番号とを対応付けて記憶している。
送信権管理テーブル400では、AGW100に収容されているMS1,MS2,MS3,MS4についての情報が記憶されており、MS1が送信権要求状態(送信権要求中の状態)であり、他のMSは送信権表示状態(他のメンバが送信権要求中であることを表示している状態)であることを示している。
【0033】
また、図2(b)に示すように、AGW101に設けられた送信権管理テーブル401には、AGW101に収容されているMS5,MS6,MS7についての情報が記憶されており、送信権制御状態は全て送信権表示状態となっている。
【0034】
尚、ここでは、グループ番号1000のグループの送信権管理テーブルのみを示しているが、AGW100,101が、別のグループ通話に参加しているMSを収容している場合には、当該グループ番号についても同様の送信権管理テーブルを記憶している。
【0035】
[グループ管理テーブル:図3]
次に、PTエンジン300に設けられているグループ管理テーブル500について図3を用いて説明する。図3は、グループ管理テーブル500の模式説明図である。
図3に示すように、グループ管理テーブルは、グループ毎に、構成メンバであるMSのMS種別と、現時点で当該MSが収容されているAGWのAGW種別とを記憶するものである。
また、ここでは図示は省略するが、従来と同様に、グループ通話の制御を行うために、グループ毎に送信権の制御を行うための情報を記憶している。
【0036】
図3の例では、グループ番号1000、1001、1002に対応して、当該グループに予め登録されているMS種別を記憶しており、各MSが位置登録した際に、PTエンジン300が、グループ管理テーブル500に各MSを収容したAGWのAGW種別を書き込むようになっている。また、MSが移動して、収容されているAGWが変更になった場合、PTエンジン300によってグループ管理テーブル500のAGW種別が随時更新されるようになっている。
そして、グループ通話が開始された場合には、グループ管理テーブルの当該グループ番号に対応して、どのMSに送信権を割り当てているか、といった送信権制御の状態を示す情報(図示せず)を随時記憶するようになっている。
【0037】
[グループ呼設定シーケンス:図4]
次に、本システムにおけるグループ呼設定のシーケンスについて図4を用いて説明する。図4は、本システムにおけるグループ呼設定のシーケンスを示す説明図である。
図4に示すように、例えば、MS1においてグループ番号1000に対するグループ呼設定要求が入力されると(S100)、MS1は、位置登録しているBS1にグループ番号を付してグループ呼設定要求を送信し(S102)、BS1は、AGW100(図では「AGW1」と記載)にグループ呼設定要求を送信する(S104)。
【0038】
AGW100は、グループ呼設定要求に基づいて、グループ番号1000に対応した送信権管理テーブル400を生成し、まず、MS1とそれに対応するBS1とを記憶する。
そして、受信したグループ呼設定要求メッセージをSIPのINVITEメッセージに変換して、呼制御エンジン200に転送する(S106)。INVITEメッセージにはグループ番号とが含まれる。
呼制御エンジン200は、受信したINVITEメッセージをPTエンジン300に転送する(S108)。
【0039】
PTエンジン300は、受信したINVITEメッセージに含まれるグループ番号に基づいて、グループ管理テーブル500を参照し、呼設定要求を行ったMS以外の当該グループに属する複数のMS(ここではMS2〜MS7)を特定し、各MSが収容されているAGW(AGW100,AGW101)を特定する。
【0040】
そして、PTエンジン300は、AGW100の配下にいる当該グループメンバのMSを呼び出すために、グループ番号と、MS情報(MS種別)と、TBCPによる送信権制御を行うためのIP情報(IPアドレス、ポート番号、トランスポート種別(TCPを指定))を付加したINVITEメッセージを作成し(S110)、呼制御エンジン200を介して、AGW100にINVITEメッセージを送信する(S112,S114)。
これにより、AGWのポート番号が特定のグループ番号に対応付けられ、AGWは、受信したポート番号からどのグループ宛のTBCPメッセージであるかを判断するようになっている。
【0041】
同様に、PTエンジン300は、AGW101(図では「AGW2」と記載)の配下にいる当該グループメンバのMSを呼び出すために、MS情報(MS種別)とIP情報を付加したINVITEメッセージを作成し(S130)、呼制御エンジン200を介して、AGW101にINVITEメッセージを送信する(S132,S134)。
【0042】
AGW100は、INVITEメッセージを受信すると、ポート番号とグループ番号1000とを対応付けて記憶し、グループ番号1000に対応する送信権管理テーブル400に、受信したMS種別(MS2,MS3,MS4)を記憶し、位置登録テーブルに基づいてそれぞれ対応するBS種別(ここではBS2,BS3)を特定し(S116)、送信権管理テーブル400のBS種別に記憶する。
【0043】
そして、AGW100は、送信権管理テーブル400を参照して、各BS毎に、対応するMS種別を付加してグループ呼設定要求を送信する(S118)。具体的には、BS2には、MS2,MS3宛のグループ呼設定要求を送信し、BS3には、MS4宛のグループ呼設定要求を送信する。
そして、BS2はMS2及びMS3に、BS3はMS4に、それぞれグループ呼設定要求を送信する(S120)。
【0044】
尚、グループ1000の構成メンバのMSが、呼設定要求を行ったMS1と同じBS1に収容されている場合には、AGW100はBS1に対しても同様に、当該MS種別を付して、グループ呼設定要求を送信する。
【0045】
そして、BS2,BS3は、各MSからグループ呼設定受付を受信すると(S122)、AGW100にグループ呼設定受付を送信し(S124)、AGW100は、呼制御エンジン200を介してPTエンジン300に200OK/ACKを送信する(S126,S128)。
【0046】
また、AGW101も、呼制御エンジン200を介してPTエンジン300から送信されたINVITEメッセージを受信すると(S134)、ポート番号とグループ番号1000とを対応付けると共に、位置登録テーブルを参照して、INVITEメッセージに付加されているMS情報(ここではMS5,MS6,MS7)に対応するBS種別(ここではBS4,BS5)を特定し(S136)、グループ番号1000に対応する送信権管理テーブル401を生成して、グループ番号1000に含まれるMS種別と対応するBS種別とを記憶する。
そして、AGW101は、特定された各BSに、宛先となるMS種別を付加してグループ呼設定要求を送信する(S138)。
【0047】
そして、BS4はMS5及びMS6に、BS5はMS7に、それぞれグループ呼設定要求を送信する(S140)。
【0048】
BS4,BS5は、各MSからグループ呼設定受付を受信すると(S142)、AGW101にグループ呼設定受付を送信し(S144)、AGW101は、呼制御エンジン200を介してPTエンジン300に200OK/ACKを送信する(S146,S148)。
【0049】
そして、PTエンジン300は、呼制御エンジン200を介して、AGW100に呼設定要求を行ったMS1宛の200OK/ACKを送信する(S150,152)。
AGW100は、BS1にMS1宛のグループ呼設定受付メッセージを送信し(S154)、BS1がMS1に当該グループ呼設定受付メッセージを送信する(S156)。
【0050】
また、AGW100は、PTエンジン300との間でSIPセッションが確立すると、S114で受信したINVITEメッセージに含まれるIP情報から接続先情報を取得し(S158)、PTエンジン300に対してTBCPで使用するTCPコネクション要求を送信し(S160)、PTエンジン300からTCP接続応答を受信して(S162)、TBCPによる制御が行われるようになる。
【0051】
同様に、AGW101は、S134で受信したIP情報から接続先情報を取得し(S164)、PTエンジン300にTPCコネクション要求を送信して(S166)、PTエンジン300からTPC接続応答を受信する(168)。
このようにして、本システムにおけるグループ呼設定シーケンスが行われ、この例ではグループ番号1000によってMS1〜MS7によるグループ通話が行われるものである。
【0052】
[送信権獲得シーケンス:図5]
次に、本システムにおける送信権獲得シーケンスについて図5を用いて説明する。図5は、本システムにおける送信権獲得シーケンスを示す説明図である。
図5に示すように、例えば、MS1でグループ番号1000に対する送信権要求が為された場合(S200)、MS1からBS1に対して送信権確認メッセージが送信され(S202)、BS1がAGW100に送信権確認メッセージを送信する(S204)。
【0053】
AGW100は、送信権確認メッセージを受信すると、グループ番号1000に対応する送信権管理テーブル400におけるMS1の送信権制御状態を「送信権要求状態」として書き込み、当該メッセージをTBCPのTalk Burst Requestメッセージに変換して、PTエンジン300に転送する(S208)。
【0054】
そして、PTエンジン300は、S208でTalk Burst Requestメッセージを受信すると、当該メッセージを受信したソケット情報からグループ番号1000を特定すると共に、メッセージに記載されたMS種別(MS1)を読み取る。
この後は、送信権獲得に成功する場合と失敗する場合とに分けて説明する。
【0055】
[送信権獲得成功時:図5]
まず、送信権獲得に成功する場合のシーケンスについて説明する。
PTエンジン300は、読み取った情報に基づいて、グループ管理テーブル500を参照して、グループ番号1000において、誰も送信権を獲得していないことを確認して、Talk Burst Requestに含まれるMS1に送信権を与え、その旨グループ管理テーブル500に記憶する(S209)。
【0056】
そして、PTエンジン300は、AGW100及びAGW101に送信権表示を通知するTalk Burst Takenメッセージを送信する(S210,S212)。ここで、Talk Burst Takenメッセージには、MS情報やBS情報は含まれていない。
【0057】
AGW100は、Talk Burst Takenメッセージを受信すると、受信したポート番号からグループ番号1000を特定し、グループ番号1000に対応する送信権管理テーブル400を参照して、当該グループ番号に含まれるMS種別の中から、送信権確認要求を行っていないMS(ここではMS2,MS3,MS4)を特定し、各MSの送信権制御状態を「送信権表示状態」として書き込む(S214)。
【0058】
そして、AGW100は、MS2,MS3,MS4に対応するBS(ここではBS2,BS3)を特定して、BS2にMS2及びMS3宛の送信権表示メッセージを送信し、BS3にMS4宛の送信権表示メッセージを送信する(S216)。
そして、BS2はMS2及びMS3に、BS3はMS4に、それぞれ送信権表示メッセージを送信する(S218)。
【0059】
このようにして、本サーバのAGWは、PTエンジン300から、MS種別やBS種別が含まれないTalk Burst Takenメッセージを受信した場合に、送信権表示メッセージを適切なBSを介してMSに送信するものである。
【0060】
尚、グループ1000の構成メンバのMSが、送信権確認要求を行ったMS1と同じBS1に収容されている場合には、AGW100はBS1に対しても同様に、当該MS種別を付して、送信権表示メッセージを送信する。
【0061】
同様に、AGW101は、Talk Burst Takenメッセージを受信すると、受信したポート番号からグループ番号1000を特定し、グループ番号1000に対応する送信権管理テーブル401を参照して、当該グループ番号に含まれ、送信権確認要求を行っていないMS(ここではMS5,MS6,MS7)を特定し、各MSの送信権制御状態を「送信権表示状態」に移行する(S220)。
【0062】
そして、AGW101は、MS5,MS6,MS7に対応するBS(ここではBS4,BS5)を特定し、BS4にMS5及びMS6宛の送信権表示メッセージを送信し、BS5にMS7宛の送信権表示メッセージを送信する(S222)。
そして、BS4はMS5及びMS6に、BS5はMS7に、それぞれ送信権表示メッセージを送信する(S224)。
【0063】
更に、PTエンジン300は、MS1に送信権を与えたことを通知するために、Talk Burst GrantedメッセージをAGW100に送信する(S226)。ここで、Talk Burst Grantedメッセージには、MS1を特定する情報は含まれていない。
【0064】
そして、AGW100がTalk Burst Grantedメッセージを受信すると、当該メッセージを受信したポート番号からグループ番号1000を特定し、グループ番号1000の送信権管理テーブル400を参照して、グループ番号1000に含まれる複数のMSの内、送信権要求を行っているMS1に送信権が与えられたことを認識する。
【0065】
そして、AGW100は、MS1に対応する送信権制御状態を「送信権獲得状態」に遷移させ(S228)、MS1が位置登録しているBS1に、MS1宛の送信権受付メッセージを送信し(S230)、BS1がMS1に送信権受付メッセージを送信する(S232)。
このようにして、送信権獲得成功時のシーケンスが行われるものである。
【0066】
[送信権獲得失敗時:図5]
次に、送信権の獲得に失敗する場合のシーケンスについて説明する。
PTエンジン300は、読み取った情報に基づいて、グループ管理テーブル500を参照して、グループ番号1000において既に他のメンバに送信権が獲得されていることを確認すると(S240)、AGW100に、Talk Burst Denyメッセージを送信する(S242)。Talk Burst Denyメッセージには、宛先となるMSを特定する情報は含まれていない。
【0067】
AGW100は、Talk Burst Denyメッセージを受信すると、受信したポート番号に基づいてグループ番号1000を特定し、グループ番号1000に対応する送信権管理テーブル400を参照して、当該グループ番号に含まれるMS種別の中から、送信権確認要求を行っているMS(ここではMS1)に対する送信権拒否であることを認識する。
【0068】
そして、AGW100は、MS1の送信権制御状態を「送信権表示状態」に遷移させ、MS1が位置登録しているBS1に対して、MS1宛の送信権表示メッセージを送信する(S246)。
そして、BS1がMS1に対して送信権表示メッセージを送信する(S248)。
このようにして、送信権獲得失敗時のシーケンスが行われるものである。
【0069】
[送信権解放シーケンス:図6]
次に、送信権解放シーケンスについて図6を用いて説明する。図6は、送信権解放シーケンスを示す説明図である。
図6に示すように、送信権を獲得しているMS(ここではMS1)において、送信権解放の指示が入力されると(S300)、MS1は位置登録しているBS1に送信権解放メッセージを送信し(S302)、BS1は送信権解放メッセージをAGW100に送信する(S304)。
【0070】
AGW100は、送信権解放メッセージを受信すると、送信権管理テーブル400の、MS1に対応する送信権制御状態を「送信権解放要求状態」に移行し(S306)、受信した送信権解放メッセージをTBCPのTalk Burst Releaseメッセージに変換して、PTエンジン300に送信する(S308)。
【0071】
PTエンジン300は、Talk Burst Releaseメッセージを受信したソケット情報からグループ番号を特定し、当該メッセージに含まれるMS種別を確認する。更に、PTエンジン300は、グループ管理テーブル500を参照して、メッセージから読み取ったMS種別が、グループ番号1000のグループ通話において送信権を獲得しているMS種別と一致することを確認して、MS1の送信権を解放し(S310)、グループ番号1000に参加している全てのMS(ここではMS1〜MS7)が収容されているAGW(AGW100、AGW101)にTalk Burst Idleメッセージを送信する(S312、S314)。
【0072】
AGW100は、Talk Burst Idleメッセージを受信したポート番号からグループ番号1000を特定し、グループ番号1000に対応する送信権管理テーブル400を参照して、グループ番号1000に参加しているMS(MS1,MS2,MS3,MS4)を特定する。そして、それらの送信権制御状態が、「送信権表示状態」又は「送信権解放要求状態」の場合には、「送信権解放状態」に遷移させて、対応するBS(BS1,BS2,BS3)に対して、各MS宛の送信権解放メッセージを送信する(S318,322)。
そして、BS1は、MS1に送信権解放メッセージを送信し(S320)、BS2はMS2とMS3に、BS3はMS4に送信権解放メッセージを送信する(S324)。
【0073】
また、同様に、AGW101は、S314でTalk Burst Idleメッセージを受信すると、グループ番号1000に対応する送信権管理テーブル401を参照してMS5、MS6,MS7の送信権制御状態を「送信権解放状態」に遷移させて、対応する各BSに各MS宛の送信権解放メッセージを送信し(S328)、各BSが各MS宛の送信権解放メッセージを送信する(S330)。
これにより、当該グループ番号に属する全てのMSの送信権制御状態は「送信権解放状態」となる。このようにして、送信権解放のシーケンスが行われるものである。
【0074】
[実施の形態の効果]
本発明の実施の形態に係るグループ通話制御サーバによれば、AGW100,101が、グループ通話が開始された際に、グループ番号毎に、当該グループのメンバで当該AGWに収容されているMSについて、位置登録しているBSの識別情報と当該MSの送信権制御状態とを記憶する送信権管理テーブル400,401を生成し、PTエンジン300が、グループ番号と、グループのメンバであるMSの識別情報と各MSが現在収容されているAGWの識別情報とを対応付けて記憶すると共に、当該グループ通話における送信権の状態(送信権を持っているMSの情報、又は解放といった状態)を記憶するグループ管理テーブル500を備え、PTエンジン300が、複数のMSに同一のTBCPメッセージを送信する場合、送信先のポート番号によってグループ番号のみを特定して、グループ管理テーブル500を参照して当該MSが収容されているAGW毎にTBCPメッセージを集約して送信し、AGWが、送信権管理テーブル400,401を参照して、受信したTBCPメッセージの種類と送信権管理テーブル400,401に記憶された送信権制御状態とに基づいて、制御されるべきMSを特定し、特定されたMSに対応するBSを介してMS宛に送信権制御メッセージを送信するようにしているので、PTエンジン300は、同一AGWに収容されている複数のMS宛のメッセージを、ポート番号によってグループ番号のみを特定して当該AGWに1つだけ送信すればよく、AGWが、どのMS宛かを判断して適切なBSを介して送信権制御メッセージを送信することができ、従来のようにPTエンジンから全てのBS宛にTBCPメッセージを送信するのに比べて、PTエンジン300におけるTBCPメッセージの送信処理を軽減し、ネットワークリソースの浪費を回避し、送信権制御の効率を向上させることができる効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、PTエンジンから複数のBSを介して複数のMSに同一の送信権制御を行う場合、各BSを管理するAGWにTBCPメッセージを集約して送信し、各AGWにおいて宛先となるMS及びBSを判別して適切に送信することにより、ネットワークリソースの浪費を回避し、送信権制御の効率を向上させることができるグループ通話制御サーバに適している。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の実施の形態に係るグループ通話制御サーバを備えたグループ通話システム(本システム)の構成ブロック図である。
【図2】図1に示したグループ通話制御サーバ1のAGWに設けられている送信権管理テーブルの模式説明図である。
【図3】グループ管理テーブル500の模式説明図である。
【図4】本システムにおけるグループ呼設定のシーケンスを示す説明図である。
【図5】本システムにおける送信権獲得シーケンスを示す説明図である。
【図6】送信権解放シーケンスを示す説明図である。
【図7】一般的な自営IPネットワークの構成及び従来のTBCPメッセージの送信例を示す模式説明図である。
【図8】複数のBS宛のTBCPメッセージをAGWに集約した例を示す模式説明図である。
【図9】Talk Burst Grantedメッセージの構成を示す模式説明図である。
【図10】Talk Bust Denyメッセージの構成を示す模式説明図である。
【図11】Talk Burst Idleメッセージの構成を示す模式説明図である。
【図12】Talk Burst Takenメッセージの構成を示す模式説明図である。
【符号の説明】
【0077】
1,10…グループ通話制御サーバ、 4…BS(基地局)、 5…MS(移動局)、 11…PTエンジン、 12,200…呼制御エンジン、 13,100,101…AGW、 400,401…送信権管理テーブル、 500…グループ管理テーブル
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線携帯端末を用いたグループ通話を実現するグループ通話制御サーバに係り、特に呼制御メッセージであるTBCP(Talk Burst Control Protocol)メッセージを集約してAGW(Access Gateway;アクセスゲートウェイ)宛に送信することにより、ネットワークリソースの浪費を回避し、送信権制御を効率的に行うことができるグループ通話制御サーバに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、IP網上において、複数の無線携帯端末間で半二重多対多の同報通信によるグループ通話を行う自営IPネットワークがあり、グループ通話の方式としては、PoC(Push-to-Talk over Cellular)を用いたものがある。
PoCでは、端末からボタンを押下して送話すると同時に複数の端末に送信され、複数の端末が音声を受信するようになっている。ボタンを押下して送話する方法をプレストークという。
また、IP電話における通話プロトコルとしてはSIP(Session Initiation Protocol)が用いられている。
【0003】
PoCを用いてグループ通話を行うシステムでは、グループ通話の制御サーバが、端末からの要求に応じてグループ通話を開始し、通話中、端末から送信の要求があった場合に、許可可能か否かを判断して当該端末に送信権を許可したり、端末から送信権の解放要求があった場合に送信権を解放するといった送信権の制御を行うようになっている。
これらの送信権の制御は、TBCPメッセージによって通知される。
【0004】
[自営IPネットワークの構成:図7]
グループ通話制御サーバを備えた自営IPネットワークの構成について図7を用いて説明する。図7は、一般的な自営IPネットワークの構成及び従来のTBCPメッセージの送信例を示す模式説明図である。
図7に示すように、自営IPネットワークは、グループ通話全体の制御を行うグループ通話制御サーバ10と、複数の基地局(BS;Base Station)4と、複数の移動局(MS;Mobile Station)5とを備えている。
更にグループ通話制御サーバ10は、処理手段として、PT(Press Talk)エンジン11と、呼制御エンジン12と、AGW13とを備えている。
【0005】
PTエンジン11は、プレストークによるグループ通話の制御を行うものであり、グループメンバの管理や、グループ通話の要求があった場合のグループメンバの呼び出し、送信権の制御、及び音声データの複製転送等を行う。
呼制御エンジン12は、SIPセッションの基本制御として、発呼、着呼、呼切断等の制御を行う。
【0006】
AGW13は、通信に伴うセッションの制御を行うゲートウェイであり、個別通話やグループ通信の制御を行う。AGW13は、複数のBS4を管理し、BS4を介して各MS5に対する制御を行う。送信権制御においては、無線方式によって異なる各基地局4からの送信権要求等の送信権制御メッセージをTBCPのメッセージに変換して、呼制御エンジン12を介してPTエンジン11に出力する。また、PTエンジン11からのTBCPメッセージを各無線方式に応じた送信権制御メッセージに変換して各基地局4に出力する。すなわち、AGW13は、無線方式の違いを吸収するものである。
【0007】
BS4は、無線通信システムの基地局であり、位置登録しているMS5と無線通信を行ってグループ通話をサポートする。
MS5は、無線通信システムの移動局であり、BS4を介して無線通信によってグループ通話を実現する。
【0008】
[従来のTBCPメッセージの送信例:図7]
従来の自営IPネットワークにおいて、PTエンジン11から各BS宛にグループ通話の送信権制御に関するTBCPメッセージを送信する際には、PTエンジン11は、図7に示すように、同一のTBCPメッセージであっても、グループ通話に参加しているMS5を収容しているBS4の台数分だけメッセージを送信するようになっていた。図7の例では、4つのTBCPメッセージがAGW13に送信され、AGW13から各BS4に送信されている。
【0009】
ところで、送信権制御に伴うTBCPの制御メッセージの中には、送信権を与えるTalk Burst Granted、送信権を拒否するTalk Bust Deny、送信権の解放を通知するTalk Burst Idle、送信権表示を通知するTalk Burst Takenといったメッセージがあるが、図9〜図12に示すように、これらの4種類のメッセージの構成には、BSやMSを特定する情報が含まれていない。
尚、送信権獲得要求に伴うTalk Burst RequestメッセージにはMSを特定する情報が含まれる。
図9〜図12は、TBCPメッセージの構成を示しており、図9は、Talk Burst Grantedメッセージの構成を示す模式説明図であり、図10は、Talk Bust Denyメッセージの構成を示す模式説明図であり、図11は、Talk Burst Idleメッセージの構成を示す模式説明図であり、図12は、Talk Burst Takenメッセージの構成を示す模式説明図である。
【0010】
そこで、従来の自営IPネットワークでは、AGW13のポートとBS4とを1対1に対応付けておき、PTエンジン11から特定のBS4にTBCPメッセージを送る際には、PTエンジン1は、所望のBS4に対応したAGW13のポート番号宛に送信するようにしている。AGW13は、TBCPメッセージが送られてきたポート番号を参照することにより、メッセージそのものに宛先となるBSやMSの情報が含まれなくても、送信先のBS4を特定してメッセージを送信することができるようになっている。
【0011】
[TBCPメッセージを集約した場合:図8]
このようにPTエンジン11からBS4の数だけTBCPメッセージを送信すると、TBCP制御数が増大し、PTエンジン11の負荷が増大してしまう。
そこで、図8に示すように、PTエンジン11から、同一のAGW13に収容されている複数のBS4宛に同一のメッセージを送信する際には、それらを集約して1つのメッセージだけを送信することが考えられる。図8は、複数のBS宛のTBCPメッセージをAGWに集約した例を示す模式説明図である。
【0012】
しかし、上述したように、TBCPメッセージには、宛先となるBS4やMS5を特定する情報が含まれないものがあり、また、TBCPメッセージを集約するとAGW13で当該TBCPメッセージを受信するポートは1つとなるため、ポート番号で送信すべきBSを判断することができず、送信権制御メッセージを適切なBSに送信することが不可能となってしまう。
【0013】
[先行技術文献]
尚、PoCを用いてグループ通話を行うシステムに関する先行技術としては、「PushTalkサービスのシステム開発、NTT DoCoMo テクニカルジャーナル Vol.13 No.4,P6−13」がある。
【0014】
【非特許文献1】PushTalkサービスのシステム開発、NTT DoCoMo テクニカルジャーナル Vol.13 No.4、P6−13
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、従来のグループ通話制御サーバでは、送信権制御に伴い、例えばPTエンジンから「送信権表示」等の同一のTBCPメッセージを送信する際に、AGW宛に同じTBCPメッセージをBSの台数分送信しなければならないため、PTエンジンにおけるTBCP制御数が増大して負荷が大きくなり、また、TBCPメッセージを集約しようとするとAGWで宛先となるBS及びMSが判別できないという問題点があった。
【0016】
本発明は上記実状に鑑みて為されたもので、PTエンジンから複数のBSを介して複数のMSに同一の送信権制御を行う場合、各BSを管理するAGWにTBCPメッセージを集約して送信し、各AGWにおいて宛先となるMS及びBSを判別して適切に送信することにより、ネットワークリソースの浪費を回避し、送信権制御の効率を向上させることができるグループ通話制御サーバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、ネットワーク中の移動局間のグループ通話の制御を行うグループ通話制御サーバであって、グループ通話における送信権の制御を行うグループ通話手段と、複数の基地局を管理し、グループ通話手段から送信権の制御に関するTBCPメッセージを受信すると、通信方式に応じた制御メッセージに変換して基地局に送信する複数のアクセスゲートウェイとを備え、移動局がいずれかの基地局に位置登録することによって、当該基地局を管理しているアクセスゲートウェイが前記移動局の識別番号を収容し、グループ通話手段には、グループ通話のグループ番号毎に、グループの構成メンバである移動局の識別番号と、各移動局の識別番号が収容されているアクセスゲートウェイの識別番号を記憶するグループ管理テーブルを備え、アクセスゲートウェイには、グループ番号毎に、当該アクセスゲートウェイに収容されている移動局の識別番号と、位置登録している基地局の識別番号と、当該グループ通話における送信権制御の状態とを示す情報を記憶する送信権管理テーブルを備えると共に、グループ番号とポート番号とを対応付けて記憶しており、グループ通話手段が、特定のグループ番号のグループ通話の送信権制御において、複数の移動局宛に同一のTBCPメッセージを送信する場合に、グループ管理テーブルを参照して、当該移動局の識別番号が収容されているアクセスゲートウェイ毎に、ポート番号を付してTBCPメッセージを送信し、アクセスゲートウェイが、TBCPメッセージを受信した場合に、受信したポート番号に対応するグループ番号の送信権管理テーブルを参照して、当該TBCPメッセージの種類と送信権管理テーブルに記憶されている送信権制御状態とに基づいて、制御されるべき移動局を特定し、移動局を宛先として移動局が位置登録している基地局に、TBCPメッセージに基いて変換された制御メッセージを送信することを特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、グループ通話手段には、グループ通話のグループ番号毎に、グループの構成メンバである移動局の識別番号と、各移動局の識別番号が収容されているアクセスゲートウェイの識別番号を記憶するグループ管理テーブルを備え、アクセスゲートウェイには、グループ番号毎に、当該アクセスゲートウェイに収容されている移動局の識別番号と、位置登録している基地局の識別番号と、当該グループ通話における送信権制御の状態とを示す情報を記憶する送信権管理テーブルを備えると共に、グループ番号とポート番号とを対応付けて記憶しており、グループ通話手段が、特定のグループ番号のグループ通話の送信権制御において、複数の移動局宛に同一のTBCPメッセージを送信する場合に、グループ管理テーブルを参照して、当該移動局の識別番号が収容されているアクセスゲートウェイ毎に、ポート番号を付してTBCPメッセージを送信し、アクセスゲートウェイが、TBCPメッセージを受信した場合に、受信したポート番号に対応するグループ番号の送信権管理テーブルを参照して、当該TBCPメッセージの種類と送信権管理テーブルに記憶されている送信権制御状態とに基づいて、制御されるべき移動局を特定し、移動局を宛先として移動局が位置登録している基地局に、TBCPメッセージに基いて変換された制御メッセージを送信するグループ通話制御サーバとしているので、グループ通話手段が、複数の基地局を介して複数の移動局に同一の送信権制御を行う場合に、各基地局を管理するAGWに、ポート番号によってグループ番号のみを特定してTBCPメッセージを集約して送信でき、各AGWにおいて宛先となる移動局及び中継する基地局を判別して、該当する全ての移動局に制御メッセージを適切に送信することができ、ネットワークリソースの浪費を回避し、送信権制御の効率を向上させることができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
[発明の概要]
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
本発明の実施の形態に係るグループ通話制御サーバは、AGWに、グループ通話のグループ番号毎に、当該AGWに収容されているMSについて、対応するBS種別(BSの識別情報)と当該MSの送信権制御状態とを記憶する送信権管理テーブルを備え、PTエンジンに、グループ番号と、グループに含まれるMS種別(MSの識別情報)と各MSが現在収容されているAGW種別(AGWの識別情報)とを対応付けて記憶するグループ管理テーブルを備え、PTエンジンが、複数のMS宛のTBCPメッセージを、グループ番号のみを特定して、グループ管理テーブルを参照して対応するAGWに送信し、AGWが、受信したTBCPメッセージに基づいてMS番号を特定して、送信権管理テーブルを参照して対応するBSを介してMS宛に送信権制御メッセージを送信するようにしているので、PTエンジンは、同一AGWに収容されている複数のMS宛の同一種類のメッセージを、当該AGWに1つだけ送信すればよく、AGWがどのMS宛かを判断して適切なBSを介して該当する全てのMSに制御メッセージを送信することができ、全てのBS宛にTBCPメッセージを送信するのに比べて、TBCPメッセージの送信処理を軽減することができるものである。
【0020】
[実施の形態のシステム構成:図1]
本発明の実施の形態に係るグループ通話制御サーバを含む通信システムの構成について図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るグループ通話制御サーバを備えたグループ通話システム(本システム)の構成ブロック図である。
図1に示すように、本システムは、移動局(MS;Mobile Station)(MS1〜MS7)と、基地局(BS;Base Station)(BS1〜BS5)と、グループ通話制御サーバ1とを備え、BS1〜5とグループ通話制御サーバ1とは、Ethernet(登録商標)等のWAN(Wide Area Network)を介して接続されている。
【0021】
また、移動局MS1は基地局BS1に収容されており、MS2及びMS3はBS2に収容されており、MS4はBS3に収容されており、MS5及びMS6はBS4に収容されており、MS7はBS5に収容されている。
【0022】
[グループ通話制御サーバ1]
ここで、本システムの特徴部分であるグループ通話制御サーバ(本サーバ)1について具体的に説明する。
グループ通話制御サーバ1は、本システムにおける呼制御や回線接続制御及びグループ通話制御を行うものであり、本システムの特徴として、グループ通話における送信権制御を少ないTBCPメッセージのやり取りで効率よく行うものである。
【0023】
グループ通話制御サーバ1は、従来のグループ通話制御サーバと基本的な構成は同様であり、処理手段として、AGW(Access Gateway)100と、AGW101と、呼制御エンジン200と、PTエンジン300とを備えている。PTエンジン300は、請求項における「グループ通話手段」に相当している。
尚、図1の例では、AGW100は、BS1を管理し、AGW101は、BS4,BS5を管理しているものとする。
【0024】
グループ通話制御サーバ1は、コンピュータで構成され、図示は省略するが、ハードウェアの主要な構成手段として、CPU等から成る制御部と、ハードディスク等から成る記憶部と、制御部のワークメモリとして機能する主メモリと、データのやりとりを行うインタフェース部とを備えている。
そして、制御部が、記憶部に記憶されているプログラムを主メモリに展開して起動し、プログラムに従って処理を行うことによって、上記各処理手段が実現されてそれぞれの機能が実行されるものである。
【0025】
そして、本システムの特徴として、グループ通話制御サーバ1の各AGWは、グループ通話における送信権制御メッセージを送信するための送信権管理テーブルを備えている。図1の例では、AGW100は送信権管理テーブル400を備え、AGW101は送信権管理テーブル401を備えている。
また、本システムの特徴として、PTエンジン300は、グループ通話の制御を行うためのグループ管理テーブル500を備えている。
【0026】
[送信権管理テーブル:図2]
AGWに設けられている送信権管理テーブルについて図2を用いて説明する。図2は、図1に示したグループ通話制御サーバ1のAGWに設けられている送信権管理テーブルの模式説明図であり、(a)はAGW400を示し、(b)はAGW401を示している。
送信権管理テーブルは、AGWにおいてPTエンジン300からの送信権制御のTBCPメッセージを適切なBS及び適切なMSに送信するために必要な情報を記憶するテーブルである。
【0027】
図2(a)を用いて具体的に説明すると、送信権管理テーブルは、現在当該AGWに収容されて(当該AGWが管理するBSに位置登録して)おり、グループ通話に参加しているMSについて、送信権の制御状態を管理するものであり、グループ番号毎に、MS種別(MSの識別情報)と、MSを収容しているBSの識別情報と、MSの送信権制御状態と対応付けて記憶するものである。
【0028】
ここで、送信権制御状態は、各々のMSが、グループ通話の送信権制御においてどの状態にあるかを示す情報であり、AGW400,401がセッションの中でPTエンジン300から送信権制御のTBCPメッセージを受信した場合に、TBCPメッセージの種類と、その時点での送信権制御状態に基づいて宛先となるMS及びBSを特定し、無線通信方式に応じた送信権制御メッセージをBSに送信するために用いられる。
【0029】
送信権制御状態としては、例えば、送信権を獲得していない「送信権解放状態」、送信権確認要求を行っている「送信権要求状態」、送信権表示を行っている「送信権表示状態」、送信権を割り当てられている「送信権獲得状態」がある。
【0030】
また、AGWは、送信権管理テーブルとは別に、個別通話等の制御を行うために、自己が管理するBSに位置登録した全てのMSについて、MS種別とそれに対応するBS種別とを記憶する位置登録テーブルを備えている。
【0031】
そして、AGWに収容されているMSがグループ通話に参加すると、AGWは、当該グループ番号に対応する送信権管理テーブルを生成して、位置登録テーブルを参照してMS種別とそれに対応するBS種別を書き込み、送信権の制御に応じた送信権制御状態を記憶できるよう準備するようになっている。したがって、グループ番号に対応する送信権管理テーブルに記憶されるMSの数は、1つのみの場合もあるし複数の場合もある。
【0032】
図2(a)に示すように、AGW100に設けられた送信権管理テーブル400は、MS種別(MSの識別情報)と、BS種別(BSの識別情報)と、当該MSの送信権制御状態と、グループ番号とを対応付けて記憶している。
送信権管理テーブル400では、AGW100に収容されているMS1,MS2,MS3,MS4についての情報が記憶されており、MS1が送信権要求状態(送信権要求中の状態)であり、他のMSは送信権表示状態(他のメンバが送信権要求中であることを表示している状態)であることを示している。
【0033】
また、図2(b)に示すように、AGW101に設けられた送信権管理テーブル401には、AGW101に収容されているMS5,MS6,MS7についての情報が記憶されており、送信権制御状態は全て送信権表示状態となっている。
【0034】
尚、ここでは、グループ番号1000のグループの送信権管理テーブルのみを示しているが、AGW100,101が、別のグループ通話に参加しているMSを収容している場合には、当該グループ番号についても同様の送信権管理テーブルを記憶している。
【0035】
[グループ管理テーブル:図3]
次に、PTエンジン300に設けられているグループ管理テーブル500について図3を用いて説明する。図3は、グループ管理テーブル500の模式説明図である。
図3に示すように、グループ管理テーブルは、グループ毎に、構成メンバであるMSのMS種別と、現時点で当該MSが収容されているAGWのAGW種別とを記憶するものである。
また、ここでは図示は省略するが、従来と同様に、グループ通話の制御を行うために、グループ毎に送信権の制御を行うための情報を記憶している。
【0036】
図3の例では、グループ番号1000、1001、1002に対応して、当該グループに予め登録されているMS種別を記憶しており、各MSが位置登録した際に、PTエンジン300が、グループ管理テーブル500に各MSを収容したAGWのAGW種別を書き込むようになっている。また、MSが移動して、収容されているAGWが変更になった場合、PTエンジン300によってグループ管理テーブル500のAGW種別が随時更新されるようになっている。
そして、グループ通話が開始された場合には、グループ管理テーブルの当該グループ番号に対応して、どのMSに送信権を割り当てているか、といった送信権制御の状態を示す情報(図示せず)を随時記憶するようになっている。
【0037】
[グループ呼設定シーケンス:図4]
次に、本システムにおけるグループ呼設定のシーケンスについて図4を用いて説明する。図4は、本システムにおけるグループ呼設定のシーケンスを示す説明図である。
図4に示すように、例えば、MS1においてグループ番号1000に対するグループ呼設定要求が入力されると(S100)、MS1は、位置登録しているBS1にグループ番号を付してグループ呼設定要求を送信し(S102)、BS1は、AGW100(図では「AGW1」と記載)にグループ呼設定要求を送信する(S104)。
【0038】
AGW100は、グループ呼設定要求に基づいて、グループ番号1000に対応した送信権管理テーブル400を生成し、まず、MS1とそれに対応するBS1とを記憶する。
そして、受信したグループ呼設定要求メッセージをSIPのINVITEメッセージに変換して、呼制御エンジン200に転送する(S106)。INVITEメッセージにはグループ番号とが含まれる。
呼制御エンジン200は、受信したINVITEメッセージをPTエンジン300に転送する(S108)。
【0039】
PTエンジン300は、受信したINVITEメッセージに含まれるグループ番号に基づいて、グループ管理テーブル500を参照し、呼設定要求を行ったMS以外の当該グループに属する複数のMS(ここではMS2〜MS7)を特定し、各MSが収容されているAGW(AGW100,AGW101)を特定する。
【0040】
そして、PTエンジン300は、AGW100の配下にいる当該グループメンバのMSを呼び出すために、グループ番号と、MS情報(MS種別)と、TBCPによる送信権制御を行うためのIP情報(IPアドレス、ポート番号、トランスポート種別(TCPを指定))を付加したINVITEメッセージを作成し(S110)、呼制御エンジン200を介して、AGW100にINVITEメッセージを送信する(S112,S114)。
これにより、AGWのポート番号が特定のグループ番号に対応付けられ、AGWは、受信したポート番号からどのグループ宛のTBCPメッセージであるかを判断するようになっている。
【0041】
同様に、PTエンジン300は、AGW101(図では「AGW2」と記載)の配下にいる当該グループメンバのMSを呼び出すために、MS情報(MS種別)とIP情報を付加したINVITEメッセージを作成し(S130)、呼制御エンジン200を介して、AGW101にINVITEメッセージを送信する(S132,S134)。
【0042】
AGW100は、INVITEメッセージを受信すると、ポート番号とグループ番号1000とを対応付けて記憶し、グループ番号1000に対応する送信権管理テーブル400に、受信したMS種別(MS2,MS3,MS4)を記憶し、位置登録テーブルに基づいてそれぞれ対応するBS種別(ここではBS2,BS3)を特定し(S116)、送信権管理テーブル400のBS種別に記憶する。
【0043】
そして、AGW100は、送信権管理テーブル400を参照して、各BS毎に、対応するMS種別を付加してグループ呼設定要求を送信する(S118)。具体的には、BS2には、MS2,MS3宛のグループ呼設定要求を送信し、BS3には、MS4宛のグループ呼設定要求を送信する。
そして、BS2はMS2及びMS3に、BS3はMS4に、それぞれグループ呼設定要求を送信する(S120)。
【0044】
尚、グループ1000の構成メンバのMSが、呼設定要求を行ったMS1と同じBS1に収容されている場合には、AGW100はBS1に対しても同様に、当該MS種別を付して、グループ呼設定要求を送信する。
【0045】
そして、BS2,BS3は、各MSからグループ呼設定受付を受信すると(S122)、AGW100にグループ呼設定受付を送信し(S124)、AGW100は、呼制御エンジン200を介してPTエンジン300に200OK/ACKを送信する(S126,S128)。
【0046】
また、AGW101も、呼制御エンジン200を介してPTエンジン300から送信されたINVITEメッセージを受信すると(S134)、ポート番号とグループ番号1000とを対応付けると共に、位置登録テーブルを参照して、INVITEメッセージに付加されているMS情報(ここではMS5,MS6,MS7)に対応するBS種別(ここではBS4,BS5)を特定し(S136)、グループ番号1000に対応する送信権管理テーブル401を生成して、グループ番号1000に含まれるMS種別と対応するBS種別とを記憶する。
そして、AGW101は、特定された各BSに、宛先となるMS種別を付加してグループ呼設定要求を送信する(S138)。
【0047】
そして、BS4はMS5及びMS6に、BS5はMS7に、それぞれグループ呼設定要求を送信する(S140)。
【0048】
BS4,BS5は、各MSからグループ呼設定受付を受信すると(S142)、AGW101にグループ呼設定受付を送信し(S144)、AGW101は、呼制御エンジン200を介してPTエンジン300に200OK/ACKを送信する(S146,S148)。
【0049】
そして、PTエンジン300は、呼制御エンジン200を介して、AGW100に呼設定要求を行ったMS1宛の200OK/ACKを送信する(S150,152)。
AGW100は、BS1にMS1宛のグループ呼設定受付メッセージを送信し(S154)、BS1がMS1に当該グループ呼設定受付メッセージを送信する(S156)。
【0050】
また、AGW100は、PTエンジン300との間でSIPセッションが確立すると、S114で受信したINVITEメッセージに含まれるIP情報から接続先情報を取得し(S158)、PTエンジン300に対してTBCPで使用するTCPコネクション要求を送信し(S160)、PTエンジン300からTCP接続応答を受信して(S162)、TBCPによる制御が行われるようになる。
【0051】
同様に、AGW101は、S134で受信したIP情報から接続先情報を取得し(S164)、PTエンジン300にTPCコネクション要求を送信して(S166)、PTエンジン300からTPC接続応答を受信する(168)。
このようにして、本システムにおけるグループ呼設定シーケンスが行われ、この例ではグループ番号1000によってMS1〜MS7によるグループ通話が行われるものである。
【0052】
[送信権獲得シーケンス:図5]
次に、本システムにおける送信権獲得シーケンスについて図5を用いて説明する。図5は、本システムにおける送信権獲得シーケンスを示す説明図である。
図5に示すように、例えば、MS1でグループ番号1000に対する送信権要求が為された場合(S200)、MS1からBS1に対して送信権確認メッセージが送信され(S202)、BS1がAGW100に送信権確認メッセージを送信する(S204)。
【0053】
AGW100は、送信権確認メッセージを受信すると、グループ番号1000に対応する送信権管理テーブル400におけるMS1の送信権制御状態を「送信権要求状態」として書き込み、当該メッセージをTBCPのTalk Burst Requestメッセージに変換して、PTエンジン300に転送する(S208)。
【0054】
そして、PTエンジン300は、S208でTalk Burst Requestメッセージを受信すると、当該メッセージを受信したソケット情報からグループ番号1000を特定すると共に、メッセージに記載されたMS種別(MS1)を読み取る。
この後は、送信権獲得に成功する場合と失敗する場合とに分けて説明する。
【0055】
[送信権獲得成功時:図5]
まず、送信権獲得に成功する場合のシーケンスについて説明する。
PTエンジン300は、読み取った情報に基づいて、グループ管理テーブル500を参照して、グループ番号1000において、誰も送信権を獲得していないことを確認して、Talk Burst Requestに含まれるMS1に送信権を与え、その旨グループ管理テーブル500に記憶する(S209)。
【0056】
そして、PTエンジン300は、AGW100及びAGW101に送信権表示を通知するTalk Burst Takenメッセージを送信する(S210,S212)。ここで、Talk Burst Takenメッセージには、MS情報やBS情報は含まれていない。
【0057】
AGW100は、Talk Burst Takenメッセージを受信すると、受信したポート番号からグループ番号1000を特定し、グループ番号1000に対応する送信権管理テーブル400を参照して、当該グループ番号に含まれるMS種別の中から、送信権確認要求を行っていないMS(ここではMS2,MS3,MS4)を特定し、各MSの送信権制御状態を「送信権表示状態」として書き込む(S214)。
【0058】
そして、AGW100は、MS2,MS3,MS4に対応するBS(ここではBS2,BS3)を特定して、BS2にMS2及びMS3宛の送信権表示メッセージを送信し、BS3にMS4宛の送信権表示メッセージを送信する(S216)。
そして、BS2はMS2及びMS3に、BS3はMS4に、それぞれ送信権表示メッセージを送信する(S218)。
【0059】
このようにして、本サーバのAGWは、PTエンジン300から、MS種別やBS種別が含まれないTalk Burst Takenメッセージを受信した場合に、送信権表示メッセージを適切なBSを介してMSに送信するものである。
【0060】
尚、グループ1000の構成メンバのMSが、送信権確認要求を行ったMS1と同じBS1に収容されている場合には、AGW100はBS1に対しても同様に、当該MS種別を付して、送信権表示メッセージを送信する。
【0061】
同様に、AGW101は、Talk Burst Takenメッセージを受信すると、受信したポート番号からグループ番号1000を特定し、グループ番号1000に対応する送信権管理テーブル401を参照して、当該グループ番号に含まれ、送信権確認要求を行っていないMS(ここではMS5,MS6,MS7)を特定し、各MSの送信権制御状態を「送信権表示状態」に移行する(S220)。
【0062】
そして、AGW101は、MS5,MS6,MS7に対応するBS(ここではBS4,BS5)を特定し、BS4にMS5及びMS6宛の送信権表示メッセージを送信し、BS5にMS7宛の送信権表示メッセージを送信する(S222)。
そして、BS4はMS5及びMS6に、BS5はMS7に、それぞれ送信権表示メッセージを送信する(S224)。
【0063】
更に、PTエンジン300は、MS1に送信権を与えたことを通知するために、Talk Burst GrantedメッセージをAGW100に送信する(S226)。ここで、Talk Burst Grantedメッセージには、MS1を特定する情報は含まれていない。
【0064】
そして、AGW100がTalk Burst Grantedメッセージを受信すると、当該メッセージを受信したポート番号からグループ番号1000を特定し、グループ番号1000の送信権管理テーブル400を参照して、グループ番号1000に含まれる複数のMSの内、送信権要求を行っているMS1に送信権が与えられたことを認識する。
【0065】
そして、AGW100は、MS1に対応する送信権制御状態を「送信権獲得状態」に遷移させ(S228)、MS1が位置登録しているBS1に、MS1宛の送信権受付メッセージを送信し(S230)、BS1がMS1に送信権受付メッセージを送信する(S232)。
このようにして、送信権獲得成功時のシーケンスが行われるものである。
【0066】
[送信権獲得失敗時:図5]
次に、送信権の獲得に失敗する場合のシーケンスについて説明する。
PTエンジン300は、読み取った情報に基づいて、グループ管理テーブル500を参照して、グループ番号1000において既に他のメンバに送信権が獲得されていることを確認すると(S240)、AGW100に、Talk Burst Denyメッセージを送信する(S242)。Talk Burst Denyメッセージには、宛先となるMSを特定する情報は含まれていない。
【0067】
AGW100は、Talk Burst Denyメッセージを受信すると、受信したポート番号に基づいてグループ番号1000を特定し、グループ番号1000に対応する送信権管理テーブル400を参照して、当該グループ番号に含まれるMS種別の中から、送信権確認要求を行っているMS(ここではMS1)に対する送信権拒否であることを認識する。
【0068】
そして、AGW100は、MS1の送信権制御状態を「送信権表示状態」に遷移させ、MS1が位置登録しているBS1に対して、MS1宛の送信権表示メッセージを送信する(S246)。
そして、BS1がMS1に対して送信権表示メッセージを送信する(S248)。
このようにして、送信権獲得失敗時のシーケンスが行われるものである。
【0069】
[送信権解放シーケンス:図6]
次に、送信権解放シーケンスについて図6を用いて説明する。図6は、送信権解放シーケンスを示す説明図である。
図6に示すように、送信権を獲得しているMS(ここではMS1)において、送信権解放の指示が入力されると(S300)、MS1は位置登録しているBS1に送信権解放メッセージを送信し(S302)、BS1は送信権解放メッセージをAGW100に送信する(S304)。
【0070】
AGW100は、送信権解放メッセージを受信すると、送信権管理テーブル400の、MS1に対応する送信権制御状態を「送信権解放要求状態」に移行し(S306)、受信した送信権解放メッセージをTBCPのTalk Burst Releaseメッセージに変換して、PTエンジン300に送信する(S308)。
【0071】
PTエンジン300は、Talk Burst Releaseメッセージを受信したソケット情報からグループ番号を特定し、当該メッセージに含まれるMS種別を確認する。更に、PTエンジン300は、グループ管理テーブル500を参照して、メッセージから読み取ったMS種別が、グループ番号1000のグループ通話において送信権を獲得しているMS種別と一致することを確認して、MS1の送信権を解放し(S310)、グループ番号1000に参加している全てのMS(ここではMS1〜MS7)が収容されているAGW(AGW100、AGW101)にTalk Burst Idleメッセージを送信する(S312、S314)。
【0072】
AGW100は、Talk Burst Idleメッセージを受信したポート番号からグループ番号1000を特定し、グループ番号1000に対応する送信権管理テーブル400を参照して、グループ番号1000に参加しているMS(MS1,MS2,MS3,MS4)を特定する。そして、それらの送信権制御状態が、「送信権表示状態」又は「送信権解放要求状態」の場合には、「送信権解放状態」に遷移させて、対応するBS(BS1,BS2,BS3)に対して、各MS宛の送信権解放メッセージを送信する(S318,322)。
そして、BS1は、MS1に送信権解放メッセージを送信し(S320)、BS2はMS2とMS3に、BS3はMS4に送信権解放メッセージを送信する(S324)。
【0073】
また、同様に、AGW101は、S314でTalk Burst Idleメッセージを受信すると、グループ番号1000に対応する送信権管理テーブル401を参照してMS5、MS6,MS7の送信権制御状態を「送信権解放状態」に遷移させて、対応する各BSに各MS宛の送信権解放メッセージを送信し(S328)、各BSが各MS宛の送信権解放メッセージを送信する(S330)。
これにより、当該グループ番号に属する全てのMSの送信権制御状態は「送信権解放状態」となる。このようにして、送信権解放のシーケンスが行われるものである。
【0074】
[実施の形態の効果]
本発明の実施の形態に係るグループ通話制御サーバによれば、AGW100,101が、グループ通話が開始された際に、グループ番号毎に、当該グループのメンバで当該AGWに収容されているMSについて、位置登録しているBSの識別情報と当該MSの送信権制御状態とを記憶する送信権管理テーブル400,401を生成し、PTエンジン300が、グループ番号と、グループのメンバであるMSの識別情報と各MSが現在収容されているAGWの識別情報とを対応付けて記憶すると共に、当該グループ通話における送信権の状態(送信権を持っているMSの情報、又は解放といった状態)を記憶するグループ管理テーブル500を備え、PTエンジン300が、複数のMSに同一のTBCPメッセージを送信する場合、送信先のポート番号によってグループ番号のみを特定して、グループ管理テーブル500を参照して当該MSが収容されているAGW毎にTBCPメッセージを集約して送信し、AGWが、送信権管理テーブル400,401を参照して、受信したTBCPメッセージの種類と送信権管理テーブル400,401に記憶された送信権制御状態とに基づいて、制御されるべきMSを特定し、特定されたMSに対応するBSを介してMS宛に送信権制御メッセージを送信するようにしているので、PTエンジン300は、同一AGWに収容されている複数のMS宛のメッセージを、ポート番号によってグループ番号のみを特定して当該AGWに1つだけ送信すればよく、AGWが、どのMS宛かを判断して適切なBSを介して送信権制御メッセージを送信することができ、従来のようにPTエンジンから全てのBS宛にTBCPメッセージを送信するのに比べて、PTエンジン300におけるTBCPメッセージの送信処理を軽減し、ネットワークリソースの浪費を回避し、送信権制御の効率を向上させることができる効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、PTエンジンから複数のBSを介して複数のMSに同一の送信権制御を行う場合、各BSを管理するAGWにTBCPメッセージを集約して送信し、各AGWにおいて宛先となるMS及びBSを判別して適切に送信することにより、ネットワークリソースの浪費を回避し、送信権制御の効率を向上させることができるグループ通話制御サーバに適している。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の実施の形態に係るグループ通話制御サーバを備えたグループ通話システム(本システム)の構成ブロック図である。
【図2】図1に示したグループ通話制御サーバ1のAGWに設けられている送信権管理テーブルの模式説明図である。
【図3】グループ管理テーブル500の模式説明図である。
【図4】本システムにおけるグループ呼設定のシーケンスを示す説明図である。
【図5】本システムにおける送信権獲得シーケンスを示す説明図である。
【図6】送信権解放シーケンスを示す説明図である。
【図7】一般的な自営IPネットワークの構成及び従来のTBCPメッセージの送信例を示す模式説明図である。
【図8】複数のBS宛のTBCPメッセージをAGWに集約した例を示す模式説明図である。
【図9】Talk Burst Grantedメッセージの構成を示す模式説明図である。
【図10】Talk Bust Denyメッセージの構成を示す模式説明図である。
【図11】Talk Burst Idleメッセージの構成を示す模式説明図である。
【図12】Talk Burst Takenメッセージの構成を示す模式説明図である。
【符号の説明】
【0077】
1,10…グループ通話制御サーバ、 4…BS(基地局)、 5…MS(移動局)、 11…PTエンジン、 12,200…呼制御エンジン、 13,100,101…AGW、 400,401…送信権管理テーブル、 500…グループ管理テーブル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク中の移動局間のグループ通話の制御を行うグループ通話制御サーバであって、
グループ通話における送信権の制御を行うグループ通話手段と、
複数の基地局を管理し、前記グループ通話手段から送信権の制御に関するTBCPメッセージを受信すると、通信方式に応じた制御メッセージに変換して前記基地局に送信する複数のアクセスゲートウェイとを備え、
移動局が、いずれかの基地局に位置登録することによって、前記基地局を管理しているアクセスゲートウェイが前記移動局の識別番号を収容し、
前記グループ通話手段には、グループ通話のグループ番号毎に、グループの構成メンバである移動局の識別番号と、各移動局の識別番号が収容されているアクセスゲートウェイの識別番号を記憶するグループ管理テーブルを備え、
前記アクセスゲートウェイには、グループ番号毎に、当該アクセスゲートウェイに収容されている移動局の識別番号と、位置登録している基地局の識別番号と、当該グループ通話における送信権制御の状態とを示す情報を記憶する送信権管理テーブルを備えると共に、グループ番号とポート番号とを対応付けて記憶しており、
前記グループ通話手段が、特定のグループ番号のグループ通話の送信権制御において、複数の移動局宛に同一のTBCPメッセージを送信する場合に、前記グループ管理テーブルを参照して、前記移動局の識別番号が収容されているアクセスゲートウェイ毎に、ポート番号を付してTBCPメッセージを送信し、
前記アクセスゲートウェイが、前記TBCPメッセージを受信した場合に、受信したポート番号に対応するグループ番号の送信権管理テーブルを参照して、前記TBCPメッセージの種類と前記送信権管理テーブルに記憶されている送信権制御状態とに基づいて、制御されるべき移動局を特定し、前記移動局を宛先として前記移動局が位置登録している基地局に、前記TBCPメッセージに基いて変換された制御メッセージを送信することを特徴とするグループ通話制御サーバ。
【請求項1】
ネットワーク中の移動局間のグループ通話の制御を行うグループ通話制御サーバであって、
グループ通話における送信権の制御を行うグループ通話手段と、
複数の基地局を管理し、前記グループ通話手段から送信権の制御に関するTBCPメッセージを受信すると、通信方式に応じた制御メッセージに変換して前記基地局に送信する複数のアクセスゲートウェイとを備え、
移動局が、いずれかの基地局に位置登録することによって、前記基地局を管理しているアクセスゲートウェイが前記移動局の識別番号を収容し、
前記グループ通話手段には、グループ通話のグループ番号毎に、グループの構成メンバである移動局の識別番号と、各移動局の識別番号が収容されているアクセスゲートウェイの識別番号を記憶するグループ管理テーブルを備え、
前記アクセスゲートウェイには、グループ番号毎に、当該アクセスゲートウェイに収容されている移動局の識別番号と、位置登録している基地局の識別番号と、当該グループ通話における送信権制御の状態とを示す情報を記憶する送信権管理テーブルを備えると共に、グループ番号とポート番号とを対応付けて記憶しており、
前記グループ通話手段が、特定のグループ番号のグループ通話の送信権制御において、複数の移動局宛に同一のTBCPメッセージを送信する場合に、前記グループ管理テーブルを参照して、前記移動局の識別番号が収容されているアクセスゲートウェイ毎に、ポート番号を付してTBCPメッセージを送信し、
前記アクセスゲートウェイが、前記TBCPメッセージを受信した場合に、受信したポート番号に対応するグループ番号の送信権管理テーブルを参照して、前記TBCPメッセージの種類と前記送信権管理テーブルに記憶されている送信権制御状態とに基づいて、制御されるべき移動局を特定し、前記移動局を宛先として前記移動局が位置登録している基地局に、前記TBCPメッセージに基いて変換された制御メッセージを送信することを特徴とするグループ通話制御サーバ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−157802(P2010−157802A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−333527(P2008−333527)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】
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