説明

ケラチン物質をメイクアップする及び/又はケアするための化粧用キット

本発明は、ケラチン物質をメイクアップする及び/又はケアするための化粧用キットにおいて、少なくとも ・油中水型、水中油型又はマルチエマルジョンの形の少なくとも1の化粧料組成物を含む容器、ここで、該組成物は、該組成物の総重量に対して少なくとも30重量%の水性相を含み、25℃及び200分−1の剪断速度において測定されて厳密に0.8Pa.s超の粘度を有し、かつ少なくとも1の着色剤を含む、及び ・該組成物を施与するためのアプリケーターデバイス(8)、ここで、該デバイスは、ケラチン物質と係合して動かされることに応答して少なくとも1の回転の軸(X)又は中心の周りで回転することができる施与表面を含むアプリケーター部材(10)を備えられている、を含む前記キットを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケラチン物質をメイクアップする及び/又はケアするための新規な様式、より特にエマルジョンの形でありかつ水性相の高い含有量を含む流動性化粧料組成物のケラチン物質、特に皮膚、への施与を意図された様式を与えることを模索する。
【0002】
ファンデーション組成物は、皮膚、特に顔、に魅力的な色を与え、また皮膚の不完全さ、例えばしみ及び/又は斑点、を隠ぺいするために日常的に使用されている。今日では、多くの適切な配合物が、開発されており、それらは、特に流動性構造を有するもの及び固体構造を有するものに分類されることができる。
【0003】
より特に、流動性組織を有するメイクアップ及び/又はケア組成物の分野においては、脂肪相中に分散された水性相を含む油中水型(W/O)エマルジョンの形の組成物を使用することが日常的である。
【0004】
しかし、そのようなエマルジョンは、連続する脂肪相により与えられる油っぽくかつ重い感覚のために特に、施与することが不快であるという欠点を有し得、該連続脂肪相は、次に、使用者にマスクをつける感覚又はこってり塗る感覚を与える可能性がある。
【0005】
そういった欠点を克服するために、高いハイドロアルコール相含有量を有するエマルジョンが開発されており、ケラチン物質特に皮膚に組成物を施与すると使用者に新鮮さの感覚又は「新鮮効果」を与える。
【0006】
例えば、欧州特許出願第1068851号A1明細書は、高い水分含有量を有し、特定のシリコーン乳化剤を含むクリームの形における安定な油中水型エマルジョンを提案している。
【0007】
残念なことに、慣用のアプリケーター手段、即ち指又はスポンジ、は、一般的に、特に施与に際して使用者に経験される感覚効果の点において完全な満足を与えるわけではない。
【0008】
指で組成物を施与し、そして組成物をのばす間、指の固有の熱が所望される新鮮さの感覚に影響を与える可能性がある。
【0009】
その上、指による施与は手を汚すという欠点を有し、それは明らかに望ましくない。施与のその様式は清潔さ又は衛生に関してもまた問題を起こし得る。
【0010】
さらに、慣用の手段、例えばスポンジ、指又はブラシの使用は、付着の均一性に関して、満足できるメイクアップを一般的にもたらさない。
【0011】
その結果、高い水性相含有量を含むエマルジョンの形の組成物を施与するときの感覚を高め、特に新鮮さの感覚を特に長時間にわたって与えるメイクアップの様式を利用可能にすること、及びまた特に、付着物の均一性に関して特に、最終メイクアップの質を改善することが所望される。
【0012】
本発明は、この必要性に答えることを正確には目的としている。
【0013】
より特に、例示的な態様において、本発明は、ケラチン物質をメイクアップする及び/又はケアするための化粧用キットにおいて、該キットが少なくとも
・油中水型、水中油型又はマルチエマルジョンの形の少なくとも1の化粧料組成物を含む容器、ここで、該組成物は、該組成物の総重量に対して少なくとも30重量%の水性相を含み、25℃、200分−1(分の逆数)の剪断速度において測定されて厳密に0.8Pa.s超の粘度を有する、及び
・該組成物を施与するためのアプリケーターデバイス、ここで、該デバイスは、ケラチン物質と係合して動かされることに応答して少なくとも1の軸又は回転の中心の周りで回転することができる施与表面を有するアプリケーター部材を備えられている、
を含む該キットを提供する。
【0014】
特に、本発明の組成物は、少なくとも1の着色剤、好ましくは少なくとも1の顔料を含む。
【0015】
特に、本発明の組成物は、環境温度において少なくとも2月の貯蔵後に安定である。
【0016】
より特に、本発明の組成物は流動性である。
【0017】
本発明の文脈において、用語「流動性」は、固体と呼ばれる組成物と反対に、その自重下で流動することのできる組成物を意味する。
【0018】
該組成物は、単純な「油中水型」又は「水中油型」タイプのエマルジョン又はマルチエマルジョンであり得る。好ましくはが組成物は油中水型エマルジョンである。
【0019】
表現「水中油型」又は「油中水型」において、用語「水」は、一般的な意味において水性相を意味するために使用され、該相は少なくとも1の有機溶媒と任意的に混合されていてもよい。該水性相は以下においてより詳細に定義される。
【0020】
特に好ましい例示的な実施態様において、本発明の組成物の水性相は、1以上の低級C〜Cモノアルコール、特に組成物の総重量に対して少なくとも2重量%の量で存在するもの、を含む。
【0021】
本発明の流動性組成物は、ローションの形、又はクリーム状若しくはペースト状の外観の形において多かれ少なかれ、粘性であり得る。ゲルの形であってもよい。
【0022】
本発明の組成物は、皮膚、特に顔及び/又は体、をメイクアップする及び/又はケアするための組成物であり得、ほお紅、アイシャドウ、ファンデーション、コンシーラー、口紅、ボディメイクアップ製品、顔若しくは体のケア製品又は日焼け止めを構成し得る。
【0023】
より特に、本発明はファンデーション組成物を提供するが、それだけではない。
【0024】
特定の実施態様において、本発明の組成物は、25℃、200分−1の剪断速度において測定されて厳密に0.8Pa.s超かつ4Pa.s(パスカル秒)以下、特に0.9Pa.s〜3.8Pa.s、好ましくは1Pa.s〜3.5Pa.sの範囲の粘度を有し得る。
【0025】
粘度は、No.2の移動体を備えられたCONTRAVESタイプのTV粘度計を用いて25℃に、200分−1の剪断速度において測定され、測定は該移動体の10分間の回転後に測定される(該10分間の回転の最後に粘度及び該移動体の回転速度が安定化されることが観察される)。
【0026】
特定の例示的な実施態様において、クリームの外観を有する本発明の組成物は、25℃及び200分−1の剪断速度において測定されて、1Pa.s.〜3.5Pa.sの範囲の粘度を有する。
【0027】
エマルジョンは、使用において特にそれを有利にする特定のレオロジー上の特徴を有し得る。即ち、ケラチン物質、特に皮膚、への施与の間、本発明のアプリケーターによりかけられる圧力において、エマルジョンは「壊れる」ことができ、すなわち、それは皮膚の上でのアプリケーター部材の動きによる剪断の効果の下で突然、流動し、そうすることにより水性相を放出し、大きな新鮮さの感覚を与える。
【0028】
他の特定の例示的な実施態様において、本発明の組成物は、少なくとも1のシリコーン界面活性剤、特にジメチコーンポリオールから選択されるもの、を含み得る。
【0029】
アプリケーターデバイスは、アプリケーター部材の一つの変形の実施態様に制限されない。
【0030】
もし、実施態様が、処理されるべきケラチン物質、一般的には皮膚、と接触して動かされる表面に応答した、少なくとも1の軸又は回転の中心の周りでのその施与表面の回転と両立するならば、添付の図面から見られ得るように、複数の変形の具体的な実施態様が想定され得る。
【0031】
該アプリケーター部材は、ローラー、ボール、又は平行な回転軸を有する2つのローラーについて配置されたバンドにより定義され得る。
【0032】
化粧料組成物、特に流動性ファンデーションの形のもの、を含む容器、は任意的に、使用又は貯蔵の間にアプリケーター部材と統合されてもよい。
【0033】
施与部材は、関連付られた容器に存在する組成物のいくらかを取り出すこと、及びこのようにして取り出された組成物をケラチン物質の表面の上に施与することの両方を意図される。
【0034】
第一に、アプリケーター部材、より特にローラー、の外側の表面は、組成物で含浸されるか又は被覆される。アプリケーター部材が使用されて組成物を別の容器から取り出すか、又は組成物は、施与されるべき組成物を含みかつ該アプリケーター部材と統合されている容器により施与表面に直接に届けられる。
【0035】
第二に、ケラチン物質、特に顔の皮膚の表面におけるアプリケーター部材、より特にローラー、の外表面の断続的な通過は、それを回転させ、その外表面に付着された組成物をのばす。
【0036】
変形の例示的な実施態様において、アプリケーター部材は、除去及び/又は施与の間にもし必要であればその自由回転をブロックする又は該回転にブレーキをかけることができる取り外し可能なブレーキを備えられていてもよい。
【0037】
以下に提案される種々の実施態様を見ると、第一の変形の例示的な実施態様において、これらの2つの段階、即ち、アプリケーター部材の該組成物による含浸及びケラチン物質への施与、が、連続的に(consecutively)行われ得る。これは、組成物を含む容器がアプリケーター部材とは別であるときに起きる。使用者は、初めに、アプリケーター部材の外側表面を取り出されるべき組成物と接触させなければならない。組成物の組織(texture)、特にその流動性及び粘性、に依存して、アプリケーター部材は、アプリケーター部材の表面を組成物の表面にこすりつける及び/又は該表面を押しつけることにより組成物で含浸及び/又はコーティングされ、そのことが、おそらく、それを回転させ、又は組成物に「含浸される」ようにし得る。
【0038】
他の変形の例示的な実施態様において、該アプリケーター部材の該組成物による含浸及びケラチン物質上でのその動きは、図6に示される「分配−アプリケーター」チューブタイプのアプリケーターデバイスにおいて起きるように、同時に行われ得、図6において、施与されるべき組成物はアプリケーター部材と一体である容器に貯蔵されており、それはアプリケーター部材の表面に直接届けられる。
【0039】
該アプリケーター部材の外側の面は、少なくとも表面においては、化粧料組成物を除去することができ、それが次に皮膚に施与されるまでそれを保持できる物質により形成されている。
【0040】
例えば、ケラチン物質と接触することを意図された施与表面は、特に任意的にフロック加工されていてもよい開放型又は閉鎖型セルを有する発泡体、フロック加工された物質、エラストマー、焼結された物質、織られた物質又は不織の物質であってもよい。
【0041】
アプリケーター部材の外表面は、任意的に滑らかであってもよい。即ち、該アプリケーター部材は、一般的にドーム状にされかつ丸みをつけられたレリーフ状の表面部分、該部分は、同時的なマッサージ効果を提供することにおいて有利である、を有利に有し得る。
【0042】
好ましい変形の例示的な実施態様において、その外観は塗料を施与するために使用されるアプリケーターローラーに類似するアプリケーターローラーの外観に近い。化粧用目的のためのそのようなアプリケーターは、特に書類フランス国特許第985064号(口紅),フランス国特許第1524192号(粉),フランス国特許第1281338号(コンパクト),フランス国特許第2848790号(固体又は流動性化粧料)及び国際特許出願公開第2006/090061号(流動体)に記載されている。
【0043】
即ち、該アプリケーター部材は、任意的に空洞であってもよく、回転の軸の周りに回転するローラーの形であることが有利である。該回転軸は、有利には、該デバイスの長手方向の軸に垂直に配置され得る。
【0044】
特定の例示的な実施態様において、アプリケーターデバイス及び容器は、同じパッケージ、例えば同じケースに組み合わされており、該同じケースは、組成物を含みかつ該アプリケーターを受け入れるへこみを有するベース及びベースに対して相対的に動くことができ、例えばベースに蝶番で留められているカバーを備えられている。
【0045】
特に、好ましい実施態様において、該アプリケーターデバイスの施与表面は、発泡体タイプのものであり、そうであることによって一般的にロールオン分配システム、例えばロールオンデオドラント及び制汗剤、の回転ボールに一般的に使用されるプラスチック又は金属物質とは異なる。
【0046】
別の特に好ましい実施態様において、アプリケーター手段は、有利には、ローラーの形であり、即ち回転ボールとは異なる。
【0047】
特に、ケラチン物質と接触しているより大きい施与表面を示すローラーの使用は、最終的なメイクアップ、特に付着物の均一性の観点において、質を改善することを可能にする。
【0048】
施与の間、アプリケーター部材は、滑ることなく皮膚の上で回転することができる。例えば、所望される色の強度に依存して同じ場所において続けて複数の通過がされ得る。連続する通過の間に、使用者は、付着された組成物の端を滑らかにするために回転の方向を少し変更してもよい。
【0049】
そのようなアプリケーターデバイスは、手の中で握るのに良好であり非常に使いやすい。
【0050】
本発明の施与の様式はケラチン物質、特に皮膚、へのエマルジョンの施与により与えられる感覚を有利に改善し得、より特に、施与したときに、使用者により感じられる新鮮さ又は「新鮮効果」の感覚を増強し得る。特に、本発明に従うアプリケーター部材、特に発泡体タイプのもの、による本発明の組成物の施与は、長時間にわたり、新鮮さの感覚を与えることを可能にする。
【0051】
さらに、本発明の施与部材を使用して、ケラチン物質、特に皮膚、の表面に組成物を付着させることは、使用者にとって快適である感覚を生み出し得る皮膚へのマッサージ効果を生み出し得る。
【0052】
本発明の施与の様式は、施与に際して組成物で指を汚さないという利点をもまた有する。
【0053】
さらに、本発明のアプリケーター部材を使用することは、付着物の均一性、別個の自然なメイクアップ効果を生み出すことの観点においてかなり改善された、メイクアップ効果が得られることを可能にする。
【0054】
他の例示的な実施態様において、本発明は、ケラチン物質のためのメイクアップ及び/又はケア方法を提供し、該方法は、
・ケラチン物質と係合して動かされることに応答して軸又は回転の中心の周りで回転することができる施与表面を含むアプリケーター部材、特に下記で定義されるようなもの、の助けにより、ある量の組成物、特に流動性ファンデーションの形のものを取りだす段階、
・このようにして取り出された組成物を該ケラチン物質に該アプリケーター部材の助けで施与する段階、該組成物は、油中水型、水中油型又はマルチエマルジョンの形であり、その総重量に対して少なくとも30重量%の水性相を含み、25℃、200分−1の剪断速度において測定されて厳密に0.8Pa.s超の粘度を有する、
の段階を含む。
【0055】
本発明を実施するための化粧料キットのアプリケーターデバイスの例
図は、本発明のために使用され得、多かれ少なかれ粘性を有する流動性組成物の施与に特に適合されているアプリケーターデバイスの中でもいくつかの実施例を示す。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明のパッケージ及びアプリケーターデバイスの例の模式的俯瞰図である。
【図2】ケースを開けた状態の図1のデバイスを示す。
【図3】アプリケーターデバイスを外された、図1のデバイスを示す。
【図4】アプリケーター部材の変形の模式的正面図である。
【図5】アプリケーターデバイスの別の変形の実施態様を模式的分解長手方向部分において示す。
【図6】本発明のパッケージ及びアプリケーターデバイスの別の例を示す模式的透視図である。
【図7】アプリケーターデバイスの別の変形の実施態様を模式的な、分解的な長手方向の断面図において示す。
【0057】
図1、2、及び/又は3において示されたパッケージ及びアプリケーターデバイスは、ベース及び該ベースに対して動くことのできる蓋4を含むケース2を備える。該蓋4は、該ケースが閉じられているときケースの中身が見られることを許す透明な窓5を備え得る。
【0058】
ベース3は、本発明の組成物を受け入れるためのへこみ6及び組成物Pを取りだし、それをヒトのケラチン物質に施与する役割を果たすアプリケーターデバイス8を収容するへこみ7を含む。
【0059】
アプリケーターデバイス8は、ハンドル9及び例えば、示されるように、ハンドルの長手方向の軸に対して垂直に方向づけられ得る回転の軸Xについてハンドル9に対して回転することのできるアプリケーター部材10を備える。このハンドルは、回転の軸Xを含む面に対して一般的に平らに平行である形状を有し得る。
【0060】
アプリケーター部材10は、軸Xについて回転柱であり得る施与表面を有するローラーの形であり得る。
【0061】
施与表面は組成物を保持でき、それを施与できる任意の物質、例えばエラストマー状の物質又は開放型又は閉鎖型のセルを有する発泡体又はフロック加工された膜、により定義され得る。施与表面を定義する物質は圧縮可能であり得る。
【0062】
アプリケーター部材10の長さは、該組成物を含むへこみ6の幅wに実質的に相当し得る。
【0063】
アプリケーターデバイス8を受け入れるへこみ7は、格子14を備えられた底14を有し得、ユーザによるつかみを容易にするために、ハンドル9が少し上向きにかつケースの側面に向かっているように保つスロープ16を有していてもよい。切り抜き18は、ハンドル9をつかむための指のかみ合わせを容易にするために、へこみ7の中へ開いていてもよい。
【0064】
組成物Pを受け入れるへこみ6は、平行な配管がされた形(parallelepiped shape)であるか、又はアプリケーターデバイスに組成物を搭載するために組成物を含むへこみ6においてアプリケーターデバイス8が動かされるとき、回転の軸Xに平行な母線を有する円筒の一部である丸みをつけられた凹んだ底を有し得る。これは製品が取り出されないで蓄積し得る隅の存在を避ける。
【0065】
ケースは任意のタイプでよい、留め金20を含み得る。
【0066】
施与デバイス8を使用するために、使用者は、アプリケーター部材を容器6において多かれ少なかれある深さまで又は組成物Pの表面において動かすことにより、アプリケーター部材10を容器6に含まれる組成物Pと接触させ、次に該組成物が付着されるべき領域の上でアプリケーター部材を1回以上通過させることにより、処理されるべきケラチン物質、例えば皮膚、に該組成物を施与する。
【0067】
皮膚の上での動きの間、アプリケーター部材10は、滑ることなく回転することができる。
【0068】
本発明は、回転の軸について回転するローラーの形のアプリケーター部材に制限されない。
【0069】
例えば、図4に示されるように、アプリケーター部材10は、ハンドル9に接続された籠(図示されていない)に保持されていてもよいアプリケーターボール10の形であってもよい。図4の実施例において、アプリケーター部材10はその籠の中の全ての軸について回転し得る。
【0070】
図5に示される変形の実施態様において、アプリケーター部材10は、平行な回転軸を有する2つのローラー25及び26について回転するために搭載されたアプリケーターバンドによってもまた定義され得る。施与において役割を果たすバンド10の一部は、アプリケーターデバイス10がそれと接触して動かされて組成物を施与するとき、皮膚と接触して動かされ得る。
【0071】
変形の実施態様(図示されていない)において、ローラー25及び26の回転の軸は、組成物を施与するためにケラチン物質と接触してくるバンド10の部分は、一つのローラーとのみ接触しているのではなく、両方のローラーの間で接触するように、配置されている。
【0072】
変形の実施態様において、図6に示されたパッケージ及びアプリケーターデバイスは、多かれ少なかれ粘性を有する流動性組成物Pを貯蔵、分配、及び施与するように適合されている分配−アプリケーターの形である。
【0073】
そのようなアプリケーター−分配チューブは、特に国際特許出願第2006/090061号パンフレットに記載されている。
【0074】
そのようなデバイスは、組成物を貯蔵するための容器を備え得、可撓性のあるチューブ28の形の該容器はその末端にアプリケーターデバイス8を有するチップ27を含む。
【0075】
可撓性のあるチューブ28は任意の形を取り得、種々の物質、特にプラスチック又は熱可塑性物質からできていてもよい。
【0076】
有利に、該チップは、チューブの貯蔵の間にアプリケーターデバイスを保護する適切なキャップ(図示されていない)が上にあってもよい。
【0077】
本発明のアプリケーターデバイス8は、図6に示されるように、軸Xについての回転柱であり得る施与表面を有するローラーの形であってもよいアプリケーターデバイス10を含む。このアプリケーター部材は、回転することができ、かつ一方の側において容器から組成物を取り出しながら他方の側においてそれを施与することができる。
【0078】
変形の実施態様(図示されていない)において、分配−アプリケーターチューブのチップのアプリケーター部材は、図4において見られることができるようにアプリケーターボールであり得る。
【0079】
図6において、示されるパッケージとアプリケーターデバイスの一つの可能性のある変形の実施態様において、チップ27は、該チューブ28の内部と接続されている空洞の区画(図示されていない)を含んでいてもよい。即ち、アプリケーターローラー10は、該空洞の区画において回転し、該組成物を供給され、そして該組成物をケラチン物質に輸送することができる。
【0080】
図6に示されたパッケージとアプリケーターデバイスを使用するために、そして組成物をチップ27に搭載するために、使用者は、処理されるべきケラチン物質、例えば皮膚、に該アプリケーター部材8を施与し続ける間に、チューブ28の可撓性のある壁を押す。
【0081】
さらに別の変形の実施態様において、図7に示されたパッケージとアプリケーターキットは、組成物Pを貯蔵するための容器6を含み得、そこで、ピストン29がスライドして、少なくとも1の内部チャンネル30を介してフィードされる組成物Pをアプリケーター10の方へと強制的に送る。アプリケーター部材10は、上で定義された通りであってよく、例えばボールであり得る。
【0082】
図示されていない変形の実施態様において、アプリケーターデバイス8は、ハンドルに対してアプリケーター部材10の回転にブレーキをかける又は阻止さえするためのブレーキが備えられていてもよい。
【0083】
組成物
水性相
上で議論されたように、水性相は本発明の組成物の総重量の少なくとも30重量%を形成する。
【0084】
特定の実施態様において、該水性相は本発明の組成物の総重量に対して30重量%〜70重量%、より特に少なくとも32重量%、特に35重量%〜45重量%の範囲を構成する。
【0085】
水性相は水及び/又は少なくとも1の水溶性溶媒を含む。
【0086】
水は、フローラル水、例えばコーンフラワー水及び/又はミネラル水、例えばビッテル水、ルーカス水、又はラロッシュッポゼ水及び/又は温泉水であってもよい。
【0087】
本発明において使用される用語「水溶性溶媒」は、環境温度において液状であり、水と混和性である化合物を意味する(25℃及び大気圧における水中での混和性が50重量%超)。
【0088】
特に好ましい例示的な実施態様において、本発明の組成物の水性相は、少なくとも1のC〜C低級モノアルコールを含む。
【0089】
本発明に適切である、より特定の低級モノアルコールは、2〜8の炭素原子の範囲、特に2〜6の炭素原子の範囲、より特に2〜4の炭素原子の範囲、例えばエタノール、イソプロパノール、プロパノール、又はブタノールを含む。
【0090】
エタノール及びイソプロパノール、好ましくはエタノール、が特に本発明における使用に適切である。
【0091】
本発明のエマルジョンは、1以上の低級C〜Cのモノアルコールを組成物の総重量に対して少なくとも2重量%、特に少なくとも3重量%、より特に5重量%〜7重量%含み得る。
【0092】
上で定義された低級モノアルコールに加えて、この水性相は他のアルコール、特に6〜80のエチレンオキサイド単位を含むポリエチレングリコール;ポリオール、例えばプロピレングリコール、イソプレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、グリコール例えばプロピレングリコール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリコールエーテル、例えばモノ−、ジ−、又はトリープロピレングリコール又はモノ−、ジ−、又はトリ−エチレングリコールの(C−C)アルキルエーテル、及びそれらの混合物を含み得る。
【0093】
水性相は、安定化剤、例えば塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、及び硫酸マグネシウムをさらに含み得る。
【0094】
水性相は、水性相と相溶性である任意の水溶性又は水分散性化合物、例えばゲル化剤、フィルム形成性ポリマー、増粘剤、界面活性剤及びそれらの混合物をもまた含み得る。
【0095】
脂肪層
脂肪層は、エマルジョンの総重量に対して20〜40重量%、好ましくは22〜30重量%、より好ましくは22〜26重量%の範囲であり得る。
【0096】
本発明の組成物は、炭化水素、シリコーン又はフッ素化タイプの揮発性及び非揮発性オイルから選択された少なくとも1のオイルを含み得る。オイルは、動物、植物、鉱物又は合成起源であり得る。
【0097】
用語「オイル」は、環境温度(20℃〜25℃)及び大気圧において液状の形である任意の脂肪を意味する。
【0098】
本発明の文脈における用語「揮発性オイル」とは、ケラチン物質と接触すると、環境温度及び大気圧において1時間未満内に蒸発するオイルを意味する。揮発性オイルは、環境温度及び大気圧においてゼロではない蒸気圧、特に0.13Pa(パスカル)〜40,000Pa(10−3mmHg(水銀のミリメートル)〜300mmHg)の範囲、好ましくは1.3Pa〜13,000Pa(0.01mmHg〜100mmHg)の範囲、より特に1.3Pa〜1,300Pa(0.01mmHg〜10mmHg)の範囲の蒸気圧を有する環境温度において液状である、揮発性の化粧料オイルである。
【0099】
さらに揮発性オイルは、一般的に大気圧において測定されて150℃〜260℃、好ましくは170℃〜250℃の範囲の沸点を有する。
【0100】
有利には、該脂肪相は、組成物の総重量に対して15〜40重量%、好ましくは20〜35重量%、より好ましくは17〜30重量%の範囲の揮発性オイルを含む。
【0101】
用語、「炭化水素オイル」は、炭素原子及び水素、場合によって酸素原子、窒素原子から基本的に形成又は構成されさえするオイルであって、ケイ素又はフッ素を含まないものを意味する。炭化水素オイルはエステル、エーテル、アミン、又はアミド基を含み得る。
【0102】
用語「シリコーンオイル」は少なくとも1のケイ素原子、特にSi−O基を含むオイルを意味する。
【0103】
用語「フッ素化オイル」は、少なくとも1のフッ素原子を含むオイルを意味する。
【0104】
本発明における使用のための揮発性炭化水素オイルは、40℃〜102℃の範囲、好ましくは40〜55℃の範囲、より特に40〜50℃の範囲のフラッシュ点を有する炭化水素オイルから選択され得る。
【0105】
挙げられ得る揮発性炭化水素オイルの例は、8〜16の炭素原子を含む揮発性炭化水素オイル及びそれらの混合物、特に分岐状のC〜C16アルカン、例えばC〜C16のイソアルカン(イソパラフィンとも呼ばれる)、イソドデカン、イソデカン、イソヘキサデカン、及び例えば商品名イソパール又はパーメチルで販売されているオイル、分岐状のC〜C16エステル例えばネオペンタン酸イソヘキシル及びそれらの混合物である。好ましくは、該炭化水素の揮発性オイルは、8〜16の炭素原子を含む揮発性炭化水素オイル及びそれらの混合物、例えばイソドデカン、イソデカン、イソヘキサデカン、特にイソドデカンから選択される。
【0106】
該揮発性炭化水素オイルは、エマルジョンの総重量に対して5重量%〜20重量%の範囲、好ましくは6重量%〜15重量%の範囲、より好ましくは7重量%〜10重量%の範囲の量で存在し得る。
【0107】
本発明における使用のための揮発性シリコーンシリコーンオイルは、40℃〜102℃の範囲、好ましくは55超かつ95℃未満の範囲、より特に65〜95℃の範囲のフラッシュ点を有するシリコーンオイルから選択され得る。
【0108】
挙げられ得るシリコーンオイルの例は、2〜7のケイ素原子を含む直鎖又は環状シリコーンオイルであり、これらのシリコーンは任意的に1〜10の炭素原子を含むアルキル又はアルコキシ基を含んでいてもよい。挙げられ得る揮発性シリコーンオイルの例は、特にオクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン及びそれらの混合物である。
【0109】
挙げ得る揮発性フッ素化オイルの例は、ノナフルオロエトキシブタン、ノナフルオロメトキシブタン、デカフルオロペンタン、テトラドデカフルオロペンタン、ドデカフルオロペンタン及びそれらの混合物である。
【0110】
揮発性シリコーンオイル、揮発性フッ素化オイル及びそれらの混合物から選択される揮発性オイルは、エマルジョンの総重量に対して10重量%〜32重量%の範囲、好ましくは15重量%〜30重量%の範囲、より好ましくは17重量%〜26重量%の範囲の量で存在し得る。
【0111】
本発明のエマルジョンの脂肪相は少なくとも1の非揮発性オイルをさらに含み得る。
【0112】
この非揮発性オイル又はその混合物の一つは、エマルジョンの総重量に対して0.1重量%〜40重量%、好ましくは1重量%〜25重量%の範囲の量において存在し得る。
【0113】
該非揮発性オイルは、想定される用途と両立するならば、鉱物、動物、植物又は合成起源のオイルから、炭素、炭化水素及び/又はシリコーンオイル、及びそれらの混合物から選択され得る。
【0114】
挙げられ得る非揮発性の炭化水素オイルの例は、パラフィン又はワセリンオイル、イソエイコサン、ミンク、カメ、大豆、パーヒドロスクワレン及びスイートアーモンドオイル、カロフィラム、パーム、グレープシード、ゴマ、コーン、アーララ、ナタネ、サンフラワー、コットン、アプリコット、カスター、アボカド、ホホバ、オリーブ、または穀物胚芽油;ラノリン酸、オレイン酸、ラウリン酸、ステアリン酸のエステル;脂肪族エステル、例えばミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、アジピン酸ジイソプロピル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、ラウリン酸2−ヘキシル−ドデシル、パルミチン酸2−オクチルーデシル、ミリスチン酸又は乳酸2−オクチルーデシル、コハク酸2−ジエチル−ヘキシル、リンゴ酸ジイソステアレート、トリイソステアリン酸グリセリン又はジグリセリン;より高級な脂肪酸、例えばミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸又はイソステアリン酸;より高級な脂肪族アルコール、例えばセタノール、ステアリルアルコール、又はオレイルアルコール、リノレイル若しくはリノレニルアルコール、イソステアリルアルコール、又はオクチルドデカノールである。
【0115】
挙げられ得る非揮発性シリコーンオイルは、任意的にフェニル化されていてもよいポリジメチルシロキサン(PDMS)、例えばフェニルトリメチコーン、又は任意的に脂肪族及び/又は芳香族基で又は官能基、例えばヒドロキシ、チオール及び/又はアミン基で置換されていてもよいもの;脂肪酸で変性されたポリシロキサン、脂肪族アルコール又はポリオキシアルキレン及びそれらの混合物であり得る。
【0116】
脂肪相は、少なくとも1のワックス、少なくとも1のガム、及び/又は植物、動物、鉱物、又は合成起源の少なくとも1のペースト状脂肪、又はシリコーン化されたものでさえ、及びそれらの混合物をもまた含み得る。
【0117】
本発明の組成物中に存在し得る、環境温度において固体であり、挙げられ得るワックスの例は、炭化水素ワックス例えば蜜ロウ、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、オウリキュリー、木ロウ、コルク又はサトウキビ繊維ワックス、パラフィンワックス、リグナイトワックス、マイクロクリスタリンワックス、ラノリンワックス、モンタンワックス、オゾケライト、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュ合成により得られるワックス、及び25℃において固体である水素化オイル及び脂肪族エステル及びグリセリドである。シリコーンワックスを使用することもまた可能である。挙げられ得る例は、アルキル又はアルコキシポリメチルシロキサン及び/又はポリメチルシロキサンエステルである。ワックスはワックスのコロイド状の粒子の分散物の形であり得、例えば公知の方法、例えば「マイクロエマルジョンの理論と実際」、L.M.Pince編集、アカデミックプレス(1977年)、第21〜32頁、における方法、を使用して製造されることのできる物であり得る。挙げられ得る、環境温度において液状であるワックスはホホバオイルである。
【0118】
ワックスは、エマルジョンの総重量に対して0.1重量%〜10重量%の範囲、好ましくは0.1重量%〜5重量%の範囲で存在し得る。
【0119】
ペースト状の脂肪化合物は、以下の物理化学的性質、
・60Hz(ヘルツ)の周波数において、MS−r3又はMS−r4の動く物体を備えられたCONTRAVES TV回転式粘度計で40℃において測定されて0.1Pa.s〜40Pa.s(1ポワゾ〜400ポワゾ)、好ましくは0.5Pa.s〜25Pa.sの範囲の粘度;
・25℃〜70℃、好ましくは25℃〜55℃の範囲の融点
の少なくとも1の助けにより定義されることができる。
【0120】
本発明の組成物は、少なくとも1のアルキル−、アルコキシー、又はフェニルジメチコーン、例えば供給元ゴールドシュミットにより名前「Abilワックス2440」で販売されている組成物をもまた含み得る。
【0121】
本発明のエマルジョンは、脂肪相のための増粘剤をもまた含み得る。増粘剤は、
・ 有機変性された粘土;これらは四級アミン及び三級アミンから主として選択された化合物で処理された粘土である、から選択され得る。挙げられ得る有機変性された粘土の例は、有機変性されたベントナイト、例えば供給元RHEOXにより「Bentone 34」の名前で販売されているもの、及び有機変性されたヘクトライト、例えば供給元RHEOXにより「Bentone 37」、「Bentone 38」の名前で販売されているものである、
・ 疎水性焼成シリカ(pyrogenated silica);そのようなシリカは、例えば供給元Degussaにより特に参照「AEROSIL R812(商標)」で、供給元Cabotにより「CAB−O−SIL TS−530(商標)」で、及び供給元Degussaにより「AEROSIL R972(商標)」、「AEROSIL R974(商標)」で、供給元Cabotにより「CAB−O−SIL TS−610(商標)」、「CAB−O−SIL TS−720(商標)」で販売されている、
から選択され得る。
【0122】
脂肪相のための増粘剤は、エマルジョンの総重量に対して0.1重量%〜5重量%の範囲、より好ましくは0.4重量%〜3重量%の範囲の量で存在し得る。
【0123】
界面活性剤
本発明の組成物は、1以上の界面活性剤、特に両親媒性、アニオン性、カチオン性又はノニオン性界面活性剤から選択され得、単独で又は混合物として使用される。
【0124】
界面活性剤は一般的に、組成物の総重量に対して3重量%〜20重量%の範囲、特に3.5重量%〜15重量%の範囲、又はより厳密には、5重量%超、より特に5.1重量%〜10重量%の範囲であり得る量において組成物中に存在する。
【0125】
特に例示的な実施態様において、特に本発明の組成物がW/Oエマルジョンであるときは、組成物は少なくとも1のシリコーン界面活性剤を含み得る。
【0126】
1又は複数のシリコーン界面活性剤は、組成物の総重量に対して0.5重量%〜10重量%、特に1重量%〜6重量%の範囲の量で存在し得る。
【0127】
特に例示的な実施態様において、ノニオン性界面活性剤は組成物の総重量に対して4重量%〜10重量%の範囲、特に5重量%〜8重量%の範囲の量で存在し得る。
【0128】
明らかに、界面活性剤は、本発明の文脈において特に考慮下のエマルジョン、即ちO/W,W/O,又は0/W/Oタイプのエマルジョンを効果的に安定化させることができるような態様で選択される。この選択は、当業者の能力の範囲内に該当する。
【0129】
O/Wエマルジョンに関しては、例えばノニオン界面活性剤、および特にポリオールと、例えば8〜24の炭素原子、より好ましくは12〜22の炭素原子を有する飽和または不飽和鎖を有する脂肪酸とのエステルおよびそのオキシアルキレン化された誘導体、すなわち、オキシエチレン化および/またはオキシプロピレン化された単位を有する誘導体、例えばグリセロールとC〜C24脂肪酸とのエステルおよびそのオキシアルキレン化誘導体;ポリエチレングリコールとC〜C24脂肪酸とのエステルおよびそのオキシアルキレン化エステル;ソルビトールとC〜C24脂肪酸とのエステルおよびそのオキシアルキレン化誘導体;糖(スクロース、グルコース、アルキルグルコース)とC〜C24脂肪酸とのエステルおよびそのオキシアルキレン化誘導体;脂肪酸と糖(グルコース、アルキルグルコース)とのオキシアルキレン化されたエーテル、スクロースエステル;脂肪族アルコールエーテル;糖とC〜C24脂肪族アルコールとのエーテル、およびそれらの混合物が挙げられ得る。
【0130】
挙げられ得るグリセロールと脂肪酸とのエステルの例は、特にステアリン酸グリセリル(ステアリン酸モノ−、ジ−および/またはトリグリセリル)(CTFA名:ステアリン酸グリセリル)またはリシノール酸グリセリルおよびそれらの混合物である。
【0131】
挙げられ得るポリエチレングリコールと脂肪酸とのエステルの例は、特にステアリン酸ポリエチレングリコール(ポリエチレングリコールのモノ−、ジ−および/またはトリステアレート)、より特にポリエチレングリコール50 OEモノステアレート(CTFA名:ステアリン酸PEG−50)、ポリエチレングリコール100 OEモノステアレート(CTFA名:ステアリン酸PEG−100)およびそれらの混合物である。
【0132】
また、該界面活性剤の混合物、例えばステアリン酸グリセリルおよびステアリン酸PEG−100を含む製品(供給元ユニケマ社によってARLACEL 165の名称で市販されている)、およびステアリン酸グリセリル(グリセリルモノ−ジステアレート)およびステアリン酸カリウムを含む組成物(供給元Goldschmidt社によってTEGINの名称で市販されている)(CTFA名:グリセリルステアレートSE)を使用することもまた可能である。
【0133】
挙げられ得る脂肪酸とグルコースまたはアルキルグルコースとのエステルの例は、特に、パルミチン酸グルコース、セスキステアリン酸アルキルグルコース、例えばセスキステアリン酸メチルグルコース、パルミチン酸アルキルグルコース、例えばパルミチン酸メチルグルコースまたはパルミチン酸エチルグルコース、メチルグルコシドの脂肪族エステル、より特にメチルグルコシドおよびオレイン酸のジエステル(CTFA名:ジオレイン酸メチルグルコース)、メチルグルコシドおよびオレイン酸/ヒドロキシステアリン酸混合物の混合エステル(CTFA名:メチルグルコースジオレエート/ヒドロキシステアレート);メチルグルコシドおよびイソステアリン酸のエステル(CTFA名:イソステアリン酸メチルグルコース);メチルグルコシドおよびラウリン酸のエステル(CTFA名:ラウリン酸メチルグルコース);メチルグルコシドおよびイソステアリン酸のモノエステルおよびジエステルの混合物(CTFA名:セスキイソステアリン酸メチルグルコース);メチルグルコシドおよびステアリン酸のモノエステルおよびジエステルの混合物(CTFA名:セスキステアリン酸メチルグルコース)、特に供給元AMERCHOL社によってGlucateSSの名称で市販されている製品、およびそれらの混合物である。
【0134】
挙げられ得る脂肪酸とグルコースまたはアルキルグルコースとのオキシエチレン化エーテルの例は、脂肪酸とメチルグルコースとのオキシエチレン化エーテル、特にメチルグルコースと約20モルのエチレンオキシドを有するステアリン酸とのジエステルのポリエチレングリコールエーテル(CTFA名:ジステアリン酸PEG−20メチルグルコース)、例えば供給元AMERCHOL社によりGlucam E−20ジステアレートの名称で市販されている組成物;約20モルのエチレンオキシドを含むステアリン酸とメチルグルコースとのモノエステルおよびジエステルの混合物のポリエチレングリコールエーテル(CTFA名:セスキステアリン酸PEG−20メチルグルコース)、特に供給元AMERCHOL社によってGlucamate SSE−20の名称で市販されている製品および供給元Goldschmidt社によってGrillocose PSE−20の名称で市販されている製品、およびそれらの混合物である。
【0135】
挙げられ得るスクロースのエステルの例は、パルミトステアリン酸サッカロース、ステアリン酸サッカロースおよびモノラウリン酸サッカロースである。
【0136】
挙げられ得る脂肪アルコールのエーテルの例は、ポリエチレングリコールと8〜30の炭素原子、特に10〜22の炭素原子を有する脂肪アルコールとのエーテル、例えばポリエチレングリコールとセチルアルコール、ステアリルアルコール、セテアリルアルコール(セチルアルコールおよびステアリルアルコールの混合物)とのエーテルである。例えば、1〜200、好ましくは2〜100のオキシエチレン化された基を有するエーテル、例えばCTFA名、セテアレス−20、セテアレス−30を有するもの、およびそれらの混合物が挙げられ得る。
【0137】
挙げられ得る糖のエーテルの例は、特にアルキルポリグルコシド、例えばデシルグルコシド、例えば供給元Kao Chemicals社によってMYDOL 10の名称で市販されている製品、供給元ヘンケル社によってPLANTAREN 2000の名称で市販されている製品および供給元Seppic社によってORAMIX NS 10の名称で市販されている製品;カプリリル/カプリルグルコシド、例えば供給元Seppic社によってORAMIX CG 110の名称でまたは供給元BASF社によってLUTENSOL GD 70の名称で市販されている製品;ラウリルグルコシド、例えば供給元ヘンケル社によってPLANTAREN 1200 NおよびPLANTACARE 1200の名称で市販されている製品;ココ−グルコシド、例えば供給元ヘンケル社によってPLANTACARE 818/UPの名称で市販されている製品;任意的にセトステアリルアルコールと混合された、セトステアリルグルコシド、例えば供給元Seppic社によってMONTANOV 68の名称で、供給元Goldschmidt社によってTEGO−CARE CG90の名称でおよび供給元ヘンケル社によってEMULGADE KE3302の名称で市販されている製品;アラキジルグルコシド、例えばアラキジンアルコールおよびベヘンアルコールとアラキジルグルコシドとの混合物の形のもの(供給元Seppic社によってMONTANOV 202の名称で市販されている);ココイルエチルグルコシド、例えばセチルアルコールおよびステアリルアルコールとの混合物(35/65)の形のもの(供給元Seppic社によってMONTANOV 82の名称で市販されている);およびそれらの混合物である。
【0138】
使用され得る特定のW/Oエマルジョンは、炭化水素又はシリコーン界面活性剤である。
【0139】
挙げられ得る炭化水素界面活性剤の例は、ポリオールのポリエステル、例えば供給元ユニケマによりARLACEL P135の参照で販売されているジポリヒドロキシステアリン酸PEG−30、供給元Cognisにより参照DEHYMULS PGPHで販売されているジポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル−2である。
【0140】
挙げられ得るシリコーン界面活性剤の例は、アルキル−ジメチコーンコポリオール、例えば供給元Dow Corningにより「Dow Corning 5200 Formulation Aid」の名前で販売されているラウリルメチコーンコポリオール、及び供給元GoldschmidtによりABIL EM 90の名前で販売されているセチルジメチコーンコポリオール又は供給元GoldschmidtによりABIL WE 09の名前で販売されているイソステアリン酸ポリグリセリル−4/セチルジメチコーンコポリオール/ラウリン酸ヘキシルの混合物である。
【0141】
1以上の共乳化剤もまた添加され得る。有利には、該共乳化剤はポリオールの計算されたエステルを含む群から選択され得る。挙げられ得るポリオールのアルキル化されたエステルの例は、グリセロール及び/又はソルビタンのエステル、例えば供給元CognisによりLAMEFORM TGIの名前で販売されているジイソステアリン酸ポリグリセリル−3、イソステアリン酸ポリグリセリル−4、例えば供給元Goldschmidt社によりIsolan GI 34の名前で販売されている製品、イソステアリン酸ソルビタン、例えば供給元ICI社によりArlacel 987の名前で販売されている製品、及びイソステアリン酸ソルビタン及びグリセロール、例えば供給元ICI社によりArlacel 986の名前で販売されている製品、及びそれらの混合物である。
【0142】
W/Oエマルジョン用の界面活性剤として、少なくとも1のオキシアルキレン基を有する固体の架橋オルガノポリシロキサンエラストマー、例えば米国特許第5412004号の実施例3、4および8並びに米国特許第5811487号の実施例における操作手順を使用して得られるもの、特に米国特許第5412004号の実施例3(合成例)の生成物および供給元信越によってKSG21の参照で販売されている製品を使用することもまた可能である。
【0143】
特に好ましい例示的な実施態様において、本発明のエマルジョン、特にW/Oエマルジョンは、少なくとも1のシリコーン界面活性剤、より特にジメチコーンコポリオールから選択されたものを含む。
【0144】
ジメチコーンコポリオールの存在は、本発明のエマルジョンの安定性を特に促進する。
【0145】
本発明において使用されることのできるジメチコーンコポリオールは、オキシプロピレン化及び/又はオキシエチレン化ポリジメチルメチルシロキサンである。
【0146】
使用されるジメチコーンコポリオールは以下の式(II)を有し得る。
【化1】

ここで、
・ R、R、及びRは、互いに独立してC〜Cアルキル基、又は基−(CH(OCHCH−(OCHCHCH−OR基を表し、ただし基R,R,又はRの少なくとも1はアルキル基ではなく、Rは水素、C〜Cのアルキル基、又はC〜Cのアシル基である、
・ Aは0〜200の整数である;
・ Bは0〜50の整数である;ただしA及びBは同時に0ではない;
・ xは1〜6の整数である;
・ yは1〜30の整数である;及び
・ zは0〜5の整数である。
【0147】
本発明の好ましい例示的な実施態様では、式(II)の化合物において、R=R=メチル基、xは2〜6の整数であり、及びyは4〜30の整数である。特にRは水素である。
【0148】
挙げられ得る式(II)を有する化合物の例は、式(III)を有する化合物である。
【化2】

ここでAは20〜105の整数であり、Bは2〜10の整数であり、yは10〜20の整数である。
【0149】
挙げられ得る式(II)を有するシリコン化合物の例は、式(IV)を有する化合物である。
【化3】

ここで、A´及びyは10〜20の整数である。
【0150】
挙げられ得るジメチコンコポリオールの例は、供給元Dow Corning社によりDC5329,DC7439−146、DC2−5695及びQ4−3667の名前の下に販売されているもの;供給元信越によりKF−6013、KF−6015、KF−6016及びKF−6017、KF―6028の名前の下で販売されているものである。
【0151】
化合物DC5329、DC7439−146、及びDC2−5695は、それぞれAが22であり、Bが2及びyが12である式(III)の化合物、Aが103であり、Bが10であり、yが12である式(III)の化合物、Aが27であり、Bが3であり、yが12である式(III)の化合物である。
【0152】
特定の例示的な実施態様において、該シリコーン界面活性剤は特に、供給元信越によりKF−6028の参照で販売されているPEG−ポリジメチル/シロキシエチル/ジメチコーン、特に供給元信越によりKF−6017の参照で販売されているPEG−10ジメチコーン及びそれらの混合物である。
【0153】
ジメチコーンコポリオールは、本発明の組成物中に、エマルジョンの総重量に対して1重量%〜6重量%の範囲、好ましくは1.5重量%〜4重量%の範囲、より好ましくは、2重量%〜3重量%の範囲の量で存在し得る。
【0154】
本発明の好ましい変形の例示的な実施態様において、上記のジメチコーンコポリオールは、少なくとも1のα−ω置換オキシアルキレン化シリコーンと関連していてもよい。
【0155】
α−ω置換オキシアルキレン化シリコーン
本明細書を通して、慣用であるように、用語「シリコーン」は、直鎖又は環状構造、分岐状又は架橋され、可変の分子量を有し、適切に官能基を付与されたシランの重合及び/又は重縮合により得られ、ケイ素原子が酸素原子を介して一緒に結合されている繰り返される主要なモチーフ(シロキサン結合、≡Si−O−Si≡)により基本的に構成される任意の有機ケイ素ポリマー又はオリゴマーを意味し、該任意的に置換されていてもよい炭化水素基は炭素原子を介して該ケイ素原子に直接結合されている。最も慣例の炭化水素基は、アルキル基、特にC〜C10のもの、特にメチル基、フルオロアルキル基、及びアリール基特にフェニル基である。それらは例えばC〜C40のエステル又はエーテル基又はC〜C60のアラルキル基で置換されていてもよい。
【0156】
即ち、本発明のα−ω置換オキシアルキレン化シリコーンは上で定義されたように、主鎖の両末端において炭化水素基を介してケイ素原子に結合されたオキシアルキレン基で置換された、直鎖構造を有する有機ケイ素ポリマーである。
【0157】
好ましくは、α−ω置換オキシアルキレン化シリコーンは、以下の一般式(I)を有する。
【化4】

・ ここでR=−(CHO−(C0)(C0)
ここで、RはH,CH又はCHCHを表わし、
・ pは1〜5の範囲の整数であり,xは1〜100の範囲であり,yは、0〜50の範囲であり、
・ 単位(C0)及び(C0)は、ランダム又はブロック状に分布され得る。
・ 基Rは、C〜Cのアルキル基又はフェニル基を表わし
・ 5≦m≦300である。
【0158】
好ましくは、本発明のα−ω置換オキシアルキレン化シリコーンは、基Rの全てがメチル基であり、かつ
・ pは2〜4の範囲であり、
・ は3〜100の範囲であり、
・ mは50〜200の範囲である
一般式(I)を有する。
【0159】
より好ましくは、Rの平均分子量は800〜2600の範囲である。
【0160】
好ましくは、C0単位:C0単位の重量比は100:10〜20:80の範囲である。有利にはこの比は約42/58である。
【0161】
より好ましくは、Rはメチル基である。
【0162】
さらにより好ましくは、本発明のエマルジョンは、以下の式を有するα―ω置換オキシアルキレン化シリコーンを含む。
【化5】

ここで
・ m=100;
・ R=(CH−0−(C0)x−(C0)y−CH
ここで、xは3〜100の範囲であり、yは1〜50の範囲であり、C2H4Oの数:C3H60の数の重量比は約42/58であり、Rの平均分子量は800〜1000の範囲である。
【0163】
上で定義されたα−ω置換オキシアルキレン化シリコーンは、組成物の総重量の0.5重量%〜5重量%、特に1重量%〜4重量%、より特に2重量%〜3重量%の範囲の割合で本発明で使用され得る。
【0164】
挙げられ得る乳化剤として使用され得る本発明のα−ω置換オキシアルキレン化シリコーンを完全に又は部分的に含み得る市販入手可能な製品の例は、供給元Goldschmidtにより「Abil EM 97」で、又は供給元信越により「KF 6009」、「X22−4350」、「X22−4349」又は「KF 6008」で販売されているものである。
【0165】
特にそれはセチルジメチコーンコポリオールであり得る。
【0166】
乳化するためのシリコーンエラストマー
本願発明の他の例示的な実施態様において、本発明において使用され得るジメチコーンコポリオールは、少なくとも1の乳化するためにシリコーンエラストマーと関連づけられ得る。
【0167】
乳化するためのシリコーンエラストマーは、ポリオキシアルキレン化シリコーンエラストマー、ポリグリセロール化シリコーンエラストマー及びそれらの混合物から選択され得る。
【0168】
好ましくは、ポリグリセロール化シリコーンエラストマーが使用される。
【0169】
ポリオキシアルキレン化シリコーンエラストマーはケイ素に結合された少なくとも水素原子及びエチレンタイプの不飽和結合を有する少なくとも2つの基を有するポリオキシアルキレンを含むジオルガノポリシロキサンの付加架橋により得られ得る架橋されたオルガノポリシロキサンである。
【0170】
好ましくは、ポリオキシアルキレン架橋オルガノポリシロキサンは、(A1)それぞれがケイ素原子に結合された少なくとも2の水素原子を含むジオルガノポリシロキサンの、(B1)エチレンタイプの不飽和基を有する少なくとも2の基を有するポリオキシアルキレンとの、(C1)例えば米国特許第5236986号明細書及び米国特許第5412004号明細書に記載されたプラチナ触媒の存在における架橋付加反応により得られる。
【0171】
特に、オルガノポリシロキサンは、プラチナ触媒の存在において、ジメチルビニルシロキシ末端を有するポリオキシアルキレン(特にポリオキシエチレン及び/又はポリオキシプロピレン)及びトリメチルシロキシ末端を有するメチルハイドロジェンポリシロキサンを反応させることにより得られ得る。
【0172】
化合物(A1)のケイ素原子に結合された有機基は、1〜18の炭素原子を含むアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、オクチル、デシル、ドデシル(又はラウリル)、ミリスチル、セチル又はステアリル;置換されたアルキル基例えば2−フェニルエチル、2−フェニルプロピル、又は3,3,3−トリフルオロプロピル;アリール基例えばフェニル、トルイル、又はキシリル;置換されたアリール基例えばフェニルエチル;及び一価の置換された炭化水素基、例えばエポキシ基、エステルカルボキシレート基又はメルカプト基であり得る。
【0173】
即ち、化合物(A1)はトリメチルシロキシ末端を有するメチルハイドロジェノポリシロキサン、トリメチルシロキシ末端を有するジメチルシロキサン−メチルハイドロジェノシロキサンコポリマー、環状ジメチルシロキサン−メチルハイドロジェノシロキサンコポリマー、及びトリメチルシロキシ末端を有するジメチルシロキサン−メチルハイドロジェノシロキサン−ラウリルメチルシロキサンコポリマーから選択され得る。
【0174】
化合物(C1)は、架橋反応のための触媒であり、特に塩化白金酸、塩化白金酸−オレフィン錯体、塩化白金酸−アルケニルシロキサン錯体、塩化白金酸−ジケトン錯体、白金ブラック又は固定化された白金である。
【0175】
有利に、ポリオキシアルキレン化シリコーンエラストマーは、ジビニル化合物、特に少なくとも2のビニル基を有するポリオキシアルキレンから、ポリシロキサンのSi−H結合と反応させて形成される。
【0176】
本発明のポリオキシアルキレン化シリコーンエラストマーは好ましくは少なくとも1の炭化水素オイル及び/又はシリコーンオイルと混合されてゲルを形成する。該ゲルにおいて、ポリオキシアルキレン化エラストマーは非球形の粒子の形である。
【0177】
ポリオキシアルキレン化シリコーンエラストマーは、特に米国特許第5236986号明細書,米国特許第5412004号明細書,米国特許第5837793号明細書,及び米国特許第5811487号明細書に特に記載されており、それらの内容は参照することにより本明細書に取り込まれる。
【0178】
使用され得るポリオキシアルキレン化エラストマーの例は、供給元信越により特に「KSG−21」、「KSG−20」、「KSG−30」、「KSG−31」、「KSG−32」、「KSG−33」、「KSG−210」、「KSG−310」、「KSG−320」、「KSG−330」、「KSG−340」、「X−226146」の名前で、供給元Dow Corningにより「DC9010」、「DC9011」の名前で販売されているものである。
【0179】
他の例示的な実施態様において、乳化するためのシリコーンエラストマーは、有利にポリグリセロール化シリコーンエラストマーから選択され得る。
【0180】
ポリグリセロール化シリコーンエラストマーは、ケイ素原子に結合された少なくとも1の水素を含むジオルガノポリシロキサンと、エチレン性不飽和結合を有する基を含むポリグリセロール化化合物との、特に白金触媒存在における付加架橋により得られ得る架橋されたオルガノポリシロキサンエラストマーである。
【0181】
好ましくは、架橋されたオルガノポリシロキサンエラストマーは、(A)それぞれが一つのケイ素に結合された少なくとも2の水素を含むジオルガノポリシロキサンと(B)エチレンタイプの不飽和結合を有する少なくとも2の基を含むグリセロール化化合物との特に(C)の白金触媒の存在における、架橋付加反応により得られる。
【0182】
特に、ジメチルビニルシロキシ末端を有するポリグリセロール化化合物とトリメチルシロキシ末端を有するメチルハイドロジェノポリシロキサンとの白金触媒の存在における反応により得られ得る。
【0183】
化合物(A)は、オルガノポリシロキサンエラストマーの形成のための基礎となる試薬であり、架橋は化合物(A)と化合物(B)との触媒(C)の存在における付加反応により行われる。
【0184】
特に、化合物(A)は、それぞれの分子において異なるケイ素原子に結合された少なくとも2の水素原子を有するオルガノポリシロキサンである。
【0185】
特に、化合物(A)は、任意の分子構造、特に直鎖状又は分岐状の鎖構造又は環状構造を有し得る。
【0186】
化合物(A)は、1cSt(センチストーク)〜50,000cStの範囲の25℃における粘度を有し得、その結果、該化合物は化合物(B)と適切に混和性である。
【0187】
化合物(A)のケイ素原子に結合された有機基は、1〜18の炭素原子を有する基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、オクチル、デシル、ドデシル(又はラウリル)、ミリスチル、セチル、ステアリル;置換されたアルキル基、例えば2−フェニルエチル、2−フェニルプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル;アリール基例えばフェニル、トルイル、キシリル;置換されたアリール基例えばフェニルエチル;及び置換された一価の炭化水素基、例えばエポキシ基、カルボキシレートエステル基又はメルカプト基であり得る。好ましくは、該有機基はメチル、フェニル、及びラウリル基から選択される。
【0188】
即ち、化合物(A)はトリメチルシロキシ末端を有するメチルハイドロジェノポリシロキサン、トリメチルシロキシ末端を有するジメチルシロキサン−メチルハイドロジェノシロキサンコポリマー、環状ジメチルシロキサン−メチルハイドロジェノシロキサンコポリマー、及びトリメチルシロキシ末端を有するジメチルシロキサン−メチルハイドロジェノシロキサン−ラウリルメチルシロキサンコポリマーから選択され得る。
【0189】
化合物(B)は、下記の式(B’)を有するポリグリセロール化化合物であり得る。
2m−1−O−[Gly]−C2m―1 (B’)
ここで、mは2〜6の範囲の整数であり、nは2〜200の範囲、好ましくは2〜100の範囲、より好ましくは2〜50の範囲の整数であり、好ましくは、nは2〜20の範囲、好ましくは2〜10の範囲、より好ましくは2〜5の範囲の整数であり、特に3であり、Glyは

−CH−CH(OH)−CH−O−又は−CH−CH(CHOH)−O−

を表わす。
【0190】
有利には、化合物(B)の1分子当たりのエチレン基の数と化合物(A)の1分子当たりのケイ素原子の結合された水素原子の数との合計は少なくとも4である。
【0191】
有利には、化合物(A)は、化合物(A)における、ケイ素原子に結合された水素原子の合計量/化合物(B)におけるエチレンタイプの不飽和結合を有するすべての基の合計量の分子比が1/1〜20/1の範囲であるような量で添加される。
【0192】
化合物(C)は、架橋反応のための触媒であり、特に塩化白金酸、塩化白金酸−オレフィン錯体、塩化白金酸−アルケニルシロキサン錯体、塩化白金酸−ジケトン錯体、白金ブラック又は固定化された白金である。
【0193】
触媒(C)は、化合物(A)及び(B)の合計量の1000重量部当たり、純粋なプラチナ金属として0.1〜1000重量部、より好ましくは1〜100重量部の量で好ましくは添加される。
【0194】
本発明のポリグリセロール化シリコーンエラストマーは、一般的に、少なくとも1の炭化水素オイル及び/又はシリコーンオイルと混合されて、ゲルを形成する。これらのゲルにおいて、ポリグリセロール化エラストマーは通常、非球状の粒子の形である。
【0195】
そのようなエラストマーは、特に国際特許出願公開第2004/024798号に記載されている。
【0196】
使用され得るポリグリセロール化シリコーンエラストマーの例は、供給元信越により「KSG−710」、「KSG−810」、「KSG−820」、「KSG−830」、「KSG−840」の名前で販売されているものである。
【0197】
好ましい実施態様において、ポリグリセロール化された乳化シリコーンエラストマーは供給元信越によりKSG−710の名前で特に販売されているポリジメチルシロキサン(6cSt)において、25重量%の量で使用される。
【0198】
本発明の例示的な実施態様において、シリコーンエラストマーは、組成物の総重量に対して少なくとも0.8重量%超、特に1重量%〜4重量%、好ましくは1.5重量%超、特に1.5重量%〜2.5重量%、より特に1.6重量%超、特に1.6重量%〜2重量%の範囲の活性物質の総量で本発明の組成物中に存在し得る。
【0199】
他の化合物
公知の方法において、本発明のすべての組成物は、化粧料又は皮膚科学分野において日常的である1以上の助剤、ゲル化剤、及び/又は親水性又は親油性の増粘剤;フィラー;湿潤化剤;エモリエント;疎水性又は親油性の活性成分;遊離基捕捉剤;封止剤;抗酸化剤;保存剤;アルカリ化剤又は酸性化剤;香料;フィルム形成剤;着色剤;及びそれらの混合物を含んでいてもよい。これらの種々の助剤の量は、ファンデーションにおいて慣用的に使用されているものである。
【0200】
本発明の組成物は特に、1以上のフィラー及び/又は顔料を含み得る粉末相を含んでいてもよい粉末相を含み得る。
【0201】
特定の実施態様において、本発明の組成物は、少なくとも10重量%、特に15重量%超、又は20重量%さえの粉末相を含み得る。それは均一かつ安定化された形で分散される。
【0202】
本発明の文脈において、用語「粉末相」は、以下に定義される全ての顔料及び/又はフィラータイプの粒子を包含する。
【0203】
フィラーは、エマルジョンの総重量に対して0.1重量%〜10重量%、好ましくは0.1〜7重量%の範囲の量でエマルジョン中に存在し得る。
【0204】
特に挙げられ得るものは、タルク、マイカ、シリカ、カオリン、澱粉、チッカホウ素、炭酸カルシウム、炭酸又は重炭酸マグネシウム、マイクロクリスタリンセルロース、合成ポリマーの粉末、例えばポリエチレン、ポリエステル、又はポリアミド、例えば「ナイロン(登録商標)」、ポリテトラ/フルオロ/エチレン(「テフロン(登録商標)」の商標名で販売されているもの)及びシリコーン粉末である。
【0205】
着色剤は植物、鉱物、又は合成起源の顔料又は真珠層の水溶性着色剤であってもよい。
【0206】
特に好ましい実施態様に従うと、本発明の組成物は、少なくとも1の着色剤、特に少なくとも1の顔料を含む。
【0207】
有利には、該顔料は、本発明のエマルジョン中に疎水性の被覆をされた形で存在し得る。より特に、該顔料は、それらにエマルジョンの脂肪相との相溶性を与えるために、特にそれらが脂肪相のオイルにより適切に濡らされることができるように、疎水性の剤で表面処理された顔料であってもよい。即ち、該処理された顔料は脂肪相に適切に分散される。
【0208】
被覆されることを意図された顔料は、鉱物又は有機顔料であってもよい。使用され得る顔料は、金属の酸化物、例えば鉄の酸化物、特に黄、赤、茶、又は黒色を有するもの、二酸化チタン、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化クロム;マンガン紫;紺青、群青;フェリックブルー、オキシ塩化ビスマス、真珠層、チタン又はオキシ塩化ビスマスで被覆されたマイカ、着色された真珠層、例えば酸化鉄を有するマイカチタン、特にフェリックブルー又は酸化クロムを有するマイカチタン、上述のタイプの有機顔料を有するマイカチタン、また、オキシ塩化ビスマスに基づく真珠層顔料及びそれらの混合物であり得る。
【0209】
好ましくは、酸化鉄又は二酸化チタン顔料が使用される。
【0210】
疎水性処理剤は、シリコーン、例えばメチコーン、ジメチコーン、パーフルオロアルキルシラン;脂肪酸、例えばステアリン酸、金属石鹸、例えばジミリスチン酸アルミニウム、水素化タロウグルタメートのアルキル塩、パーフルオロアルキルホスフェート、パーフルオロアルキルシラン、パーフルオロシラザン、ヘキサフルオロプロピレンポリオキサイド、パーフルオロアルキルパーフルオロポリエーテル基を有するポリオルガノシロキサン、アミノ酸;N−アシルアミノ酸又はそれらの塩、レシチン、イソプロピルトリイソステアリルチタン酸、及びそれらの混合物から選択され得る。
【0211】
N−アシルアミノ酸は、8〜22の炭素原子を含むアシル基、例えば2−エチルヘキサノイル、カプロイル、ラウロイル、ミリストイル、パルミトイル、ステアロイル、又はココイル基を含み得る。これらの化合物の塩はアルミニウム、マグネシウム、カルシウム、ジルコニウム、亜鉛、ナトリウム、又はカリウム塩であり得る。アミノ酸は例えばリシン、グルタミン酸、又はアラニンであり得る。
【0212】
上記の化合物において使用される用語「アルキル」は、1〜30の炭素原子、好ましくは5〜16の炭素原子を有するアルキル基を意味する。
【0213】
疎水性の処理をされた顔料は特に欧州特許出願公開第1086683号に記載されている。
【0214】
好ましい実施態様において、本発明の組成物は、酸化鉄及び酸化チタンから選択された少なくとも1の顔料、特に酸化鉄を含む。
【0215】
被覆された疎水性顔料は、組成物の総重量に対して0.5重量%〜20重量%の範囲の量で、好ましくは少なくとも5重量%、特に5重量%〜20重量%の範囲、より特に8重量%〜20重量%、より特に8重量%〜15重量%の範囲の量で存在し得る。
【0216】
同様に、本発明の組成物は活性成分を含み得る。
【0217】
本発明の組成物において使用され得る、及び挙げられ得る活性成分の例は、湿潤化剤、例えばたんぱく加水分解物及びポリオール例えばグリセリン、グリコール、例えばポリエチレングリコール、及びそれらの糖誘導体、天然物抽出物;ビタミン類例えばビタミンA(レチノール)、ビタミンE(トコフェロール)、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンB5(パンテノール)、ビタミンB3(ナイアシンアミド)、及び該ビタミン類の誘導体(特にエステル)、及びそれらの混合物;尿素;カフェイン;サリチル酸及びその誘導体;アルファ−ヒドロキシ酸例えば乳酸又はグリコール酸及びそれらの誘導体;レチノイド例えばカロテノイド及びビタミンAの誘導体;日焼け止め;藻類、菌類、植物、酵母及びバクテリアの抽出物;酵素;緊密化剤(tightening agent)、マイクロ循環に作用する剤、及びそれらの混合物である。
【0218】
日焼け止め(又はUVスクリーン)は有機日焼け止め、物理的日焼け止め及びそれらの混合物から選択され得る。
【0219】
本発明の組成物において使用され得る化学日焼け止めは、化粧料の分野において使用されることのできるUVA又はUVBを含み得る。
【0220】
特に例示的な実施態様において、本発明の組成物は、皮膚のマイクロ循環に作用する少なくとも1の剤を含み得る。
【0221】
該皮膚のマイクロ循環に作用する活性成分は、色の退色を回避するため、及び/又は目の輪郭の外観を改善するため、特にくまを減少させるために使用され得る。それは、例えばマンガングルコネート(供給元Seppic製のGivobio GMn(商標))、ルピンの抽出物(供給元Silab製のEclaline(商標))、ダイダイの花の抽出物(Silab製の(Remoduline(商標))、ルスクスの抽出物、セイヨウトチノキの抽出物、ツタの抽出物、ヤクヨウニンジンの抽出物及びスイートクローバーの抽出物、カフェイン、紅茶の抽出物、例えば供給元Sederma製の紅茶キノコ(Kombuchka);ルチンの塩(rutine salt);及びサンゴモ(corallina officinalis algae)の抽出物、例えば特に供給元CODIFにより販売されているもの;及びそれらの混合物から選択され得る。
【0222】
特に例示的な実施態様において、本発明の組成物は少なくとも1の冷却剤を含み得る。
【0223】
メンソール又は薬草の抽出物及び/又はミント、アロエベラ、又はヤクヨウニンジンのエッセンシャルオイルのような種々の冷却剤が公知である。
【0224】
冷却剤は、塩化カリウム、ミント及びそれらの誘導体のような吸熱性の有機塩、例えばメンソール、ペパーミントオイル、ウィンターグリーン、メントン、乳酸メンチル、グリーンミント、ミントオイル、メンタン誘導体、例えばN−置換メンタンカルボキシアミド、及び特にN−エチル−p−メンタンカルボキサミド−3,3−(l−メントキシ)−プロパン−1,2−ジオール、p−メンタンー3,8−ジオール、コハク酸メンチル、及びそれらのアルカリ土類金属塩、及びそれらの混合物、又は窒素含有化合物、例えば尿素を含み得る。
【0225】
これらの冷却剤は、一般的に、該組成物の総重量に対して0.01重量%〜20重量%の範囲、好ましくは0.1重量%〜10重量%の範囲の量で該組成物中に存在する。
【0226】
本発明の特定の実施態様に従うと、本発明の組成物は、デオドラント組成物及び制汗組成物とは異なる。
【0227】
特に、本発明の組成物は、有利に組成物の総重量に対して2重量%未満、特に1重量%未満のデオドラント又は制汗活性剤を有利に含み得、より好ましくはデオドラント又は制汗活性剤を完全に含まない。
【0228】
用語「制汗剤」又は「デオドラント」と呼ばれる活性剤は、当業者に周知である。挙げられ得る制汗剤又はデオドラント活性剤は、活性な塩、アルミニウム又はジルコニウム塩、細菌発育抑制剤及び殺菌剤、例えば四級アンモニウム塩などを含む。
【0229】
他の特定の実施態様に従うと、本発明の組成物は、石鹸組成物とは異なる。
【0230】
明らかに、本発明の組成物に本質的に帰属する有利な性質が、想定される添加によりほとんど又は全く変更されないように、当業者は、本発明の組成物に添加される助剤を注意深く選択する。
【0231】
これらの助剤は、一般的に、組成物の総重量に対して0.01重量%〜20重量%の範囲、好ましくは0.1重量%〜10重量%の範囲で組成物中に存在する。
【0232】
本発明は、本発明の非制限的な例により下記において示される実施例において説明される。
【0233】
他に示されなければ、下記の実施例における値は、総組成物重量に対する重量百分率として表わされる。
【0234】
実施例1
流動性ファンデーション組成物(O/Wエマルジョン)

【0235】
操作方法:
保存料が溶解されるまで、水性相はエチルアルコールなしで製造された。
【0236】
脂肪相は、1リットルのビーカー中において界面活性剤で製造され、次に80℃までホットプレート上で加熱され、ワックスを溶融させた。次にスメクタイトが添加され、混合物は、ホットプレート上で撹拌しながら15分間膨潤することを許された。
【0237】
顔料ペーストがオイル中に顔料を分散することにより製造された。該混合物は3シリンダーミルを3回通過された。
【0238】
次にフィラーが添加され、Moritzホモジェナイザーにおいて脂肪相に15分間分散することを許された。
【0239】
次に、乳化が、該水性相を脂肪相に注ぐことにより行われた。10分間乳化することが許された。
【0240】
次に、アルコールが環境温度において導入された。次に、溶液がプロペラ−を使用してレイネリミキサーで脱ガスされた。
【0241】
この組成物は1.3Pa.sの粘度を有していた。
【0242】
実施例2
流動性ファンデーション組成物(W/Oエマルジョン)

【0243】
操作方法:
顔料をシリコーンに分散させ、次に該混合物を3シリンダーミルを3回通過させることにより、顔料ペーストが製造された。
【0244】
さらに、非揮発性のオイル及びKF6028シリコーン界面活性剤が820℃においてMoritzホモジェナイザーで混合され、保存剤を添加した。加熱は停止され、混合物の温度が50℃より下に落ちたとき、残りのシクロペンタシロキサンが添加された。
【0245】
次に、乳化シリコーンエラストマー(KSG710)が添加され、該混合物は10分間、タービン中で静かに撹拌された。
【0246】
同時に、保存剤、グリセリン、水を、撹拌しながら70℃まで混合し、次に該混合物が冷却するのを許すことにより水性相が製造された。次にアルコールが添加された。
【0247】
乳化は最大の速度で10分間撹拌することにより行われた。
【0248】
この組成物は3Pa.sの粘度を有していた。
【0249】
結果
この組成物のアプリケータデバイスによる図1〜3に記載されたような施与が、慣用のスポンジによる施与と比較された。
【0250】
施与は、顔の半分にアプリケーターデバイスを使用して行われ、他の半分は慣用のスポンジを使用してメイクアップされた。
【0251】
同じ量(0.20g)の組成物が顔の半分それぞれに施与されるように、該スポンジ及びアプリケーターデバイスは顔の各半分上への施与の前と後で秤量された。
【0252】
施与感(新鮮さの効果、柔軟さ、滑りやすい効果)、メイクアップの結果(均一性、被覆)が使用者によって評価され、使用者の満足に従って記号「+」〜「+++」が与えられた。
【0253】
被覆性に関して、皮膚の色の変化、皮膚の凹凸の不完全さの隠ぺい等に従って施与後に視覚的に評価される。
【0254】
表1が下に報告され、2つの施与の場合の顕著な結果を与える。
【0255】

【0256】
特に、慣用のスポンジによって組成物を施与することにより満足できる均一性を有するメイクアップを手に入れることは、本発明のアプリケーターデバイスによる施与と比較して、ずっと困難である。
【0257】
メイクアップの結果に関して、本発明のアプリケーターデバイスによる施与から生じるメイクアップは、よりよい均一性を示す。
【0258】
新鮮さの効果に関して、本発明のアプリケーターデバイスによる施与は長い時間の間新鮮さを維持する。
【0259】
実施例3
流動性ファンデーション組成物(W/Oエマルジョン)
【0260】


【0261】
顔料ペーストは、顔料をシリコーンに分散させることにより製造され、次に、該混合物は3本シリンダーミルを3回通過された。
【0262】
次に、非揮発性オイル、界面活性剤及び保存剤が磁気撹拌しながらホットプレート上で75℃において混合された。次にシリコーンオイルが添加され、完全に分散された。混合物は大きなタービンを有するMoritzのホモジェナイザーで撹拌された。
【0263】
加熱が停止され、約30℃において、上記の通りに製造された、粉砕された顔料が添加された。次にフィラーが1つずつ、続いてイソドデカンが添加された。
【0264】
同時に、高い渦を使用するレイネリを使用して撹拌しながら保存剤、グリセリン、水を混合することにより、水性相が製造され、次にヒドロキシプロピルグアーが添加され、ゲルは膨潤することを許された。次に塩が撹拌しながら添加された。
【0265】
10分間最大速度において撹拌することによりエマルジョンが形成された。
【0266】
プロペラ付きのレイネリにおいて撹拌しながら、Expancel 551が該エマルジョンに添加された。
【0267】
この組成物は1.4Pa.sの粘度を有していた。
【0268】
結果:
該組成物が、図1〜3に記載されたようなアプリケーターデバイスにより施与された時、慣用のスポンジによる施与と比較された施与感(新鮮さの効果、柔軟さ、滑りやすい効果)、メイクアップの結果(均一性、被覆)が、実施例2の組成物について、上記された評価プロトコルに従って、使用者により評価された。
【0269】
表2が下記に報告され、2つの施与について顕著な結果を与える。
【0270】

【0271】
該配合物は素早く乾燥し、滑りやすい効果に欠けるので、この組成物を慣用のスポンジで施与することは困難である。
【0272】
メイクアップの結果に関して、本発明のアプリケーターデバイスによる施与から得られるメイクアップはよりよい均一性を示す。
【0273】
新鮮さの効果に関して、本発明のアプリケーターデバイスによる施与は、長期に亘って新鮮さを維持する。
【0274】
図1〜3に記載されたアプリケーターデバイスで、実施例1〜3の組成物を顔に施与することは、新鮮さの大きな感覚を与えた。この新鮮さの感覚は、同じ組成物を指を使用する施与で感じられる新鮮さの感覚よりずっと大きかった。
【0275】
アプリケーターデバイスは、ファンデーションで指を汚さないという利点もまた有していた。
【0276】
メイクアップの結果に関して、得られたメイクアップは均一で、薄く、均一かつ滑らかであり、格別かつ自然な結果を生み出した。
【0277】
最後に、使用者は、該デバイスで該組成物を施与するときの運動により生み出される軽いマッサージを高く評価した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケラチン物質をメイクアップする及び/又はケアするための化粧用キットにおいて、少なくとも
・油中水型、水中油型又はマルチエマルジョンの形の少なくとも1の化粧料組成物を含む容器、ここで、該組成物は、該組成物の総重量に対して少なくとも30重量%の水性相を含み、25℃及び200分−1の剪断速度において測定されて厳密に0.8Pa.s超の粘度を有し、かつ少なくとも1の着色剤を含む、及び
・該組成物を施与するためのアプリケーターデバイス(8)、ここで、該デバイスは、ケラチン物質と係合して動かされることに応答して少なくとも1の回転の軸(X)又は中心の周りを回転することができる施与表面を含むアプリケーター部材(10)を備えられている、
を含む前記キット。
【請求項2】
該組成物が、該組成物の総重量に対して30重量%〜70重量%、特に少なくとも32重量%、好ましくは35重量%〜45重量%の範囲の水性相を含む、請求項1に記載のキット。
【請求項3】
該組成物が、該組成物の総重量に対して、20重量%〜40重量%、好ましくは22重量%〜30重量%の範囲、より特に22重量%〜26重量%の範囲の脂肪相を含む、請求項1又は2に記載のキット。
【請求項4】
該組成物が流動性である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のキット。
【請求項5】
該組成物が、25℃及び200分−1の剪断速度において測定されて厳密に0.8Pa.s超かつ4Pa.s以下、特に0.9Pa.s〜3.8Pa.s、より特に1Pa.s〜3.5Pa.sの範囲の粘度を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のキット。
【請求項6】
該水性相が、1以上のC〜Cの低級モノアルコールを含み、該モノアルコールは、特に組成物の総重量に対して少なくとも2重量%の量で存在する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のキット。
【請求項7】
該組成物が、単独で又は混合物として使用される少なくとも1の界面活性剤、特に両親媒性、アニオン性、カチオン性及びノニオン性の界面活性から選択されたもの、を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のキット。
【請求項8】
該界面活性剤が、該組成物の総重量に対して3重量%〜20重量%の範囲、特に3.5重量%〜15重量%の範囲、又は厳密には5重量%超さえ、より特に5.1重量%〜10重量%の範囲の合計量において存在する、請求項7に記載のキット。
【請求項9】
該組成物が、少なくとも1のシリコーン界面活性剤、特にジメチコーンコポリオールから選択されるもの、を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載のキット。
【請求項10】
該組成物が、ほほ紅、アイシャドウ、ファンデーション、コンシーラー、口紅、ボディメイクアップ製品、顔をケアする製品、ボディケア製品又は日焼け止めを構成する、請求項1〜9のいずれか1項に記載のキット。
【請求項11】
該組成物が、ファンデーションを構成する、請求項1〜10のいずれか1項に記載のキット。
【請求項12】
該アプリケーターデバイスが、ローラーである、請求項1〜11のいずれか1項に記載のキット。
【請求項13】
該ローラーが、フロック加工されていてもよい開放型又は閉鎖型セルのタイプを有する発泡体、又はフロック加工された物質、エラストマー、焼結された物質、織られた物質又は不織の物質の施与表面を有する、請求項12に記載のキット。
【請求項14】
ケラチン物質のためのメイクアップ及び/又はケア方法において、
・ケラチン物質と係合して動かされることに応答して回転の軸又は中心の周りで回転することができる施与表面を含むアプリケーター部材の助けにより、ある量の組成物を取りだす段階、
・このようにして取り出された組成物を該ケラチン物質に該アプリケーター部材の助けで施与する段階、ここで、該組成物は、油中水型、水中油型又はマルチエマルジョンの形であり、その総重量に対して少なくとも30重量%の水性相を含み、25℃及び200分−1の剪断速度において測定されて厳密に0.8Pa.s超の粘度を有し、かつ少なくとも1の着色剤を含む、
を含む、前記方法。
【請求項15】
該組成物が請求項2〜11のいずれか項に記載のものである、請求項14に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2013−504560(P2013−504560A)
【公表日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−528494(P2012−528494)
【出願日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【国際出願番号】PCT/IB2010/054090
【国際公開番号】WO2011/030310
【国際公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(595100370)ロレアル (108)
【氏名又は名称原語表記】L′OREAL
【Fターム(参考)】