ケーブル固定具
【課題】プリント基板の縁部に信号伝送用ケーブルを固定してプリント基板の接続パッドへのケーブルの半田付け作業を行うことができるケーブル固定具を提供する。
【解決手段】ほぼU字状の断面形状を有する本体12は、一対の基板押さえ部13および14によりプリント基板Pの縁部を表裏方向から弾性的に挟んだ状態でプリント基板に保持され、接続部15および屈曲片18がプリント基板の第1の端面およびの第2の端面にそれぞれ当接することで、プリント基板への本体12の位置決めが行われる。ケーブルが折り返された折り返し片16および17の開口部19にそれぞれ挿入され、折り返し片16および17と基板押さえ部13および14の間に固定される。
【解決手段】ほぼU字状の断面形状を有する本体12は、一対の基板押さえ部13および14によりプリント基板Pの縁部を表裏方向から弾性的に挟んだ状態でプリント基板に保持され、接続部15および屈曲片18がプリント基板の第1の端面およびの第2の端面にそれぞれ当接することで、プリント基板への本体12の位置決めが行われる。ケーブルが折り返された折り返し片16および17の開口部19にそれぞれ挿入され、折り返し片16および17と基板押さえ部13および14の間に固定される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ケーブル固定具に係り、特に、プリント基板上に形成された接続パッドに電気的に接続する信号伝送用ケーブルをプリント基板の縁部に固定するための固定具に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器内における高速信号の伝送には、信号の品質を維持するために、細線同軸、TWINAX、シールドツイストペア等のケーブルが使用され、さらに、ケーブルの取り外しが想定されない場合には、電子機器の小型化を図るため、省スペースを目的として、これらのケーブルがプリント基板に直接半田付けされることが多い。
また、伝送する信号が高速になるほど、ケーブルのシールド材除去長さおよび心線の被覆除去長さを短くする必要があり、例えば、10GHzの信号に対しては、これらの除去長さを1mm程度にすることが望まれる。
【0003】
このため、ケーブルのシールド材除去部分および被覆除去部分をプリント基板の接続パッドに誘導して半田付けする際の作業性は低いものであった。治具によりケーブルを押さえた状態で半田付けを行おうとしても、シールド材除去長さおよび被覆除去長さが短くなるに従ってケーブルを押さえる部分が短くなるため、治具の設計が難しく、治具にケーブルをセットする作業も困難となる。
【0004】
ケーブルの先端をプリント基板に対して的確に且つ容易に保持することができれば、半田付け作業がやりやすくなる。
例えば、特許文献1には、ケーブルをパネルの縁部に保持するためのクリップが開示されている。このクリップは、図14および図15に示されるように、U字状断面を有するバネクランプ部1と、このバネクランプ部1に接続されたケーブル固定部2とを備えており、先端部の被覆を除去して導線3を露出させたケーブル4がケーブル固定部2に固定された状態でバネクランプ部1により導電パネル5の縁部に取り付けられる。ケーブル固定部2は、第1のアーム6および第2のアーム7を有し、第1のアーム6をかしめることによりケーブル4がケーブル固定部2に固定され、第2のアーム7をかしめることにより導線3がケーブル固定部2に固定される。
バネクランプ部1およびケーブル固定部2は、導電性材料から形成され、ケーブル4の導線3がケーブル固定部2およびバネクランプ部1を介して導電パネル5に電気的に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−102107号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、特許文献1のクリップによれば、ケーブル4の先端を導電パネル5の縁部に保持することができるが、このクリップは、ケーブル4の導線3を介して導電パネル5を電気的に接地することを目的としており、プリント基板の接続パッドにケーブルを半田付けする際の治具として使用することはできない。
また、接地のためのクリップであるので、導電パネル5の縁部に直交する方向に対しても、平行な方向に対しても、ケーブル4の位置決めの精度は低く、これでは、半田付け作業のための治具として不十分である。
【0007】
この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、プリント基板の縁部に信号伝送用ケーブルを固定してプリント基板の接続パッドへのケーブルの半田付け作業を行うことができるケーブル固定具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係るケーブル固定具は、プリント基板の縁部に信号伝送用ケーブルを固定するためのケーブル固定具において、ほぼU字状の断面形状を有してプリント基板の縁部を表裏方向から弾性的に挟むことによりプリント基板に保持されると共にU字の底部に位置してプリント基板の第1の端面に当接することで第1の端面に直交する方向の位置決めを行うための第1の位置決め部を有する本体と、本体に一体に接続されると共に第1の端面とは異なる方向に延びるプリント基板の第2の端面に当接することで第1の端面に沿った方向の位置決めを行うための第2の位置決め部と、本体に一体に接続されると共にケーブルを保持するためのケーブル保持部とを備えたものである。
【0009】
好ましくは、本体、第2の位置決め部およびケーブル保持部は、1枚の弾性導電板を折り曲げ加工して形成されている。
さらに、本体は、第1の位置決め部からU字の先端部に向かってそれぞれ延びる一対の基板押さえ部を有し、ケーブル保持部は、一対の基板押さえ部のうち少なくとも一方の基板押さえ部の上に配置されることが好ましい。
【0010】
第2の位置決め部を、一対の基板押さえ部のうち一方の基板押さえ部の側端部から他方の基板押さえ部の側端部に向けて折り曲げられた屈曲片から形成し、ケーブル保持部を、一対の基板押さえ部のうち少なくとも一方の基板押さえ部の前記U字の先端部分からU字の底部に向けてU字の外側へ折り返された折り返し片から形成することができる。この場合、さらに、折り返し片に、ケーブルを通すための開口部と、ケーブルを挿入し易くするために第1の位置決め部側の端部において第1の位置決め部から離れる方向に反って開いた拡開部と、ケーブルを押さえるためのケーブル押さえ部を形成することができる。
あるいは、第2の位置決め部を、第1の位置決め部の側端部から一対の基板押さえ部と同一の方向に向けて折り曲げられた屈曲片から形成し、ケーブル保持部を、一対の基板押さえ部のうち少なくとも一方の基板押さえ部の側端部分から折り返された折り返し片から形成することもできる。この場合、さらに、折り返し片の第1の位置決め部側の端部に、ケーブルを挿入し易くするために第1の位置決め部から離れる方向に反って開いた拡開部を形成することができる。
【0011】
一対の基板押さえ部の上にそれぞれ少なくとも1つのケーブル保持部を配置してもよい。
また、ケーブル保持部は、ケーブルのシールド部に接触して電気的に接続された状態でケーブルを保持することもできる。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、プリント基板に保持される本体の第1の位置決め部がプリント基板の第1の端面に当接することで第1の端面に直交する方向の位置決めを行い、第2の位置決め部がプリント基板の第2の端面に当接することで第1の端面に沿った方向の位置決めを行うので、ケーブル保持部に保持された信号伝送用ケーブルを精度よく位置決めすることができ、プリント基板の縁部にケーブルを固定してプリント基板の接続パッドへのケーブルの半田付け作業を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この発明の実施の形態1に係るケーブル固定具を示す斜視図である。
【図2】実施の形態1に係るケーブル固定具の断面図である。
【図3】実施の形態1に係るケーブル固定具の展開図である。
【図4】実施の形態1に係るケーブル固定具をプリント基板に保持させる様子を示す斜視図である。
【図5】プリント基板に保持された実施の形態1のケーブル固定具にケーブルを取りつける際の様子を示す斜視図である。
【図6】プリント基板に保持された実施の形態1のケーブル固定具にケーブルを取りつける際の様子を示す側面図である。
【図7】プリント基板に保持された実施の形態1のケーブル固定具にケーブルが取りつけられた様子を示す斜視図である。
【図8】プリント基板に保持された実施の形態1のケーブル固定具にケーブルが取りつけられた様子を示す側面図である。
【図9】他のプリント基板に保持された実施の形態1のケーブル固定具にケーブルが取りつけられた様子を示す斜視図である。
【図10】実施の形態2に係るケーブル固定具を示す斜視図である。
【図11】実施の形態2に係るケーブル固定具の展開図である。
【図12】プリント基板に保持された実施の形態2のケーブル固定具にケーブルが取りつけられた様子を示す斜視図である。
【図13】プリント基板に保持された実施の形態2のケーブル固定具にケーブルが取りつけられた様子を示す側面図である。
【図14】従来のクリップを介してケーブルがパネルに取りつけられた様子を示す平面図である。
【図15】図14のA−A線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1
図1に、この発明の実施の形態1に係るケーブル固定具11の構成を示す。ケーブル固定具11は、ほぼU字状の断面形状を有する本体12を備えている。本体12は、互いにほぼ平行に延びる一対のほぼ矩形状の基板押さえ部13および14と、これら基板押さえ部13および14の一端部を互いに接続する接続部15から形成されている。
基板押さえ部13および14の接続部15とは反対側の他端部には、それぞれ接続部15の方向に向かって基板押さえ部13および14の外面上に折り返された折り返し片16および17が接続されている。
また、基板押さえ部13および14のうち一方の基板押さえ部13の一側端部には、基板押さえ部13に対しほぼ垂直に屈曲されて他方の基板押さえ部14の一側端部に向かって延びる屈曲片18が接続されている。
【0015】
図2に示されるように、接続部15は、本体12のほぼU字状の断面において、U字の底部に位置し、一対の矩形状の基板押さえ部13および14は、接続部15からU字の先端部に向かってそれぞれ延びている。接続部15は、プリント基板Pの厚さに対応する幅を有しており、基板押さえ部13および14がそれぞれプリント基板Pの表面および裏面に圧接されることにより、本体12は、プリント基板Pの縁部を表裏方向から弾性的に挟んだ状態でプリント基板Pに保持される。このように、本体12がプリント基板Pの縁部に保持された状態において、接続部15は、その内面がプリント基板Pの第1の端面E1に当接することで、第1の端面E1に直交する方向D1における本体12の位置決めを行うための第1の位置決め部を構成している。
【0016】
これに対し、基板押さえ部13の短辺側端部に接続された屈曲片18は、その内面がプリント基板Pの第1の端面E1とは異なる方向、例えば直交方向に延びる第2の端面に当接することで、第1の端面E1に沿った方向D2における本体12の位置決めを行うための第2の位置決め部を構成している。
【0017】
また、折り返し片16および17は、本体12のほぼU字状の断面において、それぞれU字の先端部分からU字の底部に向けて折り返され、プリント基板Pの第1の端面E1に直交する方向D1に延びるケーブルを基板押さえ部13および14の外面との間に挟んで保持するためのケーブル保持部を構成している。折り返し片16および17には、それぞれ2つの開口部19が形成されている。これらの開口部19は、それぞれ対応するケーブルを通すためのものであり、一対の折り返し片16および17のうち一方の折り返し片16によりプリント基板Pの表面側に2本のケーブルを保持し、他方の折り返し片17によりプリント基板Pの裏面側にも2本のケーブルを保持することができるように構成されている。
【0018】
各開口部19には、通されたケーブルをそれぞれ対応する基板押さえ部13および14の外面に向けて押さえるためのほぼ矩形状のケーブル押さえ部20が張り出すように配接されている。
また、折り返し片16および17の先端には、ケーブルの挿入を円滑にするために、それぞれ本体12の接続部15から離れる方向に反って開いた拡開部21および22が形成されている。
このような構成のケーブル固定具11は、図3に示される形状に打ち抜かれた1枚の弾性導電板を折り曲げ加工するだけで容易に且つ安価に製造することができる。
【0019】
次に、実施の形態1に係るケーブル固定具11を用いた信号伝送用ケーブルの固定方法について説明する。
図4に示されるように、プリント基板Pの縁部の表面上に接地用のGNDパッド31が形成されると共にGNDパッド31の近傍で且つGNDパッド31よりもプリント基板Pの内側に複数の接続パッド32が形成されており、プリント基板Pの縁部の裏面上にも同様のGNDパッド31および複数の接続パッド32が形成されているものとする。また、プリント基板Pには、接続パッド32の近傍に、縁部の第1の端面E1から第1の端面E1に直交する方向D1に延びるスリット33が形成されており、第1の端面E1にほぼ直交するプリント基板Pの第2の端面E2がスリット33内に形成されている。
【0020】
このようなプリント基板Pの第1の端面E1に向けて方向D1からケーブル固定具11を近接させ、ケーブル固定具11の屈曲片18をプリント基板Pのスリット33内に挿入しつつ、ケーブル固定具11の接続部15がプリント基板Pの第1の端面E1に当接するまで一対の基板押さえ部13および14の間にプリント基板Pを挿入する。
【0021】
これにより、本体12の一対の基板押さえ部13および14でプリント基板Pの縁部が表裏方向から弾性的に挟持され、ケーブル固定具11がプリント基板Pに保持される。このとき、基板押さえ部13および14が、それぞれプリント基板Pの表面および裏面のGNDパッド31上に位置して、これらGNDパッド31に弾性的に圧接され、ケーブル固定具11がGNDパッド31に電気的に接続される。
また、接続部15の内面をプリント基板Pの第1の端面E1に当接させると共に屈曲片18の内面をプリント基板Pのスリット33内の第2の端面E2に当接させることにより、図5に示されるように、ケーブル固定具11は第1の端面E1に直交する方向D1と第1の端面E1に沿った方向D2の双方において位置決めされることとなる。
【0022】
次に、このようにしてプリント基板Pに保持されたケーブル固定具11に対して、図5および図6に示されるように、方向D1からケーブルCを近接させ、ケーブル固定具11の開口部19に挿入する。図5では、それぞれ例えばTWINAXからなる4本のケーブルCが示されており、これらのケーブルCがケーブル固定具11に近接され、4本のケーブルCのうち2本のケーブルCがプリント基板Pの表面側に位置する2つの開口部19にそれぞれ挿入され、残りの2本のケーブルCがプリント基板Pの裏面側に位置する2つの開口部19にそれぞれ挿入される。
なお、各ケーブルCは、予め所定の長さでシールド材が除去されると共に所定の長さで心線の被覆が除去されているものとする。
【0023】
このとき、図1および図2に示したように、ケーブル固定具11の折り返し片16および17の先端にそれぞれ拡開部21および22が形成されているので、4本のケーブルCをケーブル固定具11のいずれかの箇所に引っ掛けることなく、それぞれ対応する開口部19に円滑に挿入することができる。
各ケーブルCは、図1に示したケーブル固定具11の折り返し片16および17と基板押さえ部13および14の間に挟持され、開口部19に張り出しているケーブル押さえ部20によって押さえられ、図7および図8に示されるように、ケーブル固定具11に取りつけられる。なお、各ケーブルCの心線の被覆除去部分は、開口部19を通してプリント基板P上に突出した状態となる。
【0024】
このようにして各ケーブルCがケーブル固定具11の開口部19に挿入されて位置が固定されるが、接続部15からなる第1の位置決め部と屈曲片18からなる第2の位置決め部によりケーブル固定具11はプリント基板Pに対して精度よく位置決めされているので、予め複数の接続パッド32をプリント基板Pの第1の端面E1および第2の端面E2に対して設定された位置に形成しておくことで、ケーブル固定具11に保持された各ケーブルCの心線の被覆除去部分を対応する接続パッド32上に位置させることができる。
このため、各ケーブルCの心線を対応する接続パッド32に容易に半田付けすることが可能となる。
【0025】
このように、ケーブル固定具11を用いることにより、プリント基板Pの縁部に複数のケーブルCを固定すると共に精度よく位置決めし、プリント基板Pの接続パッド32へのケーブルCの半田付けを容易に且つ作業性よく行うことが可能となる。
また、折り返し片16および17により形成されるケーブル保持部が、本体12の基板押さえ部13および14の上に位置するため、ケーブルCをプリント基板Pの上で保持することができ、小さなスペースでケーブルCを固定することが可能となる。
さらに、プリント基板Pの両面にそれぞれケーブルCを固定することができ、高密度にケーブルCを実装することが可能となる。
また、ケーブル固定具11をプリント基板Pに保持させる際に、基板押さえ部13および14の間をプリント基板Pの厚さより大きく拡げる必要がないので、本体12の弾性力が低下することが抑制される。
【0026】
なお、ケーブル固定具11のケーブル押さえ部20に対応する位置における各ケーブルCの外皮を除去することで、予めシールド材を露出させておけば、シールド材をケーブル押さえ部20と接触させ、ケーブル固定具11を介してプリント基板PのGNDパッド31に電気的に接続させることができる。
このとき、各ケーブルCのシールド材とケーブル押さえ部20との電気的な接続は、ケーブル押さえ部20の弾性的な押圧力によってこれら両者を接触させるだけでも行われるが、シールド材とケーブル押さえ部20とを互いに半田付けすれば、電気的接続の信頼性を向上させることができる。
【0027】
上記の実施の形態1では、ケーブル固定具11を本体12の一対の基板押さえ部13および14の弾性力によりプリント基板Pに保持させたが、これら基板押さえ部13および14をプリント基板PのGNDパッド31に半田付けして補強することもできる。
また、GNDパッド31は、プリント基板Pの両面に形成されていたが、プリント基板Pの表面および裏面のいずれか一方にのみ形成されていてもよい。
【0028】
さらに、上記の実施の形態1では、ケーブル固定具11の屈曲片18をプリント基板Pに形成されたスリット33内に挿入してケーブル固定具11をプリント基板Pに保持させたが、これに限るものではなく、例えば図9に示されるように、プリント基板Pの角部にGNDパッド31および複数の接続パッド32が形成されている場合には、第1の端面E1にほぼ直交するプリント基板Pの周縁部の端面を第2の端面E2として、ここに屈曲片18の内面が当接されるようにケーブル固定具11を保持させることができる。
この場合にも、ケーブル固定具11をプリント基板Pに対して精度よく位置決めし、ケーブル固定具11に複数のケーブルCを固定して、プリント基板Pの接続パッド32へのケーブルCの半田付けを容易に且つ作業性よく行うことが可能となる。
【0029】
実施の形態2
図10に、実施の形態2に係るケーブル固定具41の構成を示す。ケーブル固定具41は、ほぼU字状の断面形状を有する本体42を備えている。本体42は、互いにほぼ平行に延びる一対のほぼ矩形状の基板押さえ部43および44と、これら基板押さえ部43および44の一端部を互いに接続する接続部45から形成されている。
【0030】
接続部45に対して垂直方向に延びる基板押さえ部43の両側端部には、それぞれ基板押さえ部43の中心部に向かって基板押さえ部43の外面上に折り返された一対の折り返し片46が接続されている。同様に、接続部45に対して垂直方向に延びる基板押さえ部44の両側端部には、それぞれ基板押さえ部44の中心部に向かって基板押さえ部44の外面上に折り返された一対の折り返し片47が接続されている。
また、接続部45の一側端部には、接続部45に対して、基板押さえ部43および44と同じ側へほぼ垂直に屈曲された屈曲片48が接続されている。
【0031】
接続部45と屈曲片48は、それぞれコ字状の断面形状を有し、内面部にプリント基板Pの厚さに対応する幅の溝が形成されている。接続部45は、その内面がプリント基板Pの第1の端面E1に当接することで、第1の端面E1に直交する方向D1における本体42の位置決めを行うための第1の位置決め部を構成し、屈曲片48は、その内面がプリント基板Pの第2の端面E2に当接することで、第1の端面E1に沿った方向D2における本体42の位置決めを行うための第2の位置決め部を構成している。
【0032】
また、折り返し片46および47により、それぞれ2つの筒状部49が形成されている。これらの筒状部49は、接続部45に対して直交する方向に延び、それぞれ対応するケーブルを弾性的に保持するケーブル保持部を構成している。一対の折り返し片46によりプリント基板Pの表面側に2本のケーブルを保持し、一対の折り返し片47によりプリント基板Pの裏面側にも2本のケーブルを保持することができるように構成されている。
【0033】
折り返し片46および47の接続部45側の端部には、ケーブルの挿入を円滑にするために、それぞれ接続部45から離れる方向に反って開いた拡開部50が形成されている。
このような構成のケーブル固定具41は、図11に示される形状に打ち抜かれた1枚の弾性導電板を折り曲げ加工するだけで容易に且つ安価に製造することができる。
【0034】
このケーブル固定具41を用いることにより、実施の形態1のケーブル固定具11と同様にして、信号伝送用ケーブルをプリント基板Pの縁部に固定することができる。
すなわち、図12に示されるように、ケーブル固定具41の屈曲片48がプリント基板Pのスリット33内に挿入されると共に接続部45がプリント基板Pの第1の端面E1に当接するようにケーブル固定具41をプリント基板Pに保持させる。このとき、プリント基板Pの縁部は、ケーブル固定具41の接続部45と屈曲片48の内面部に形成された溝の中に挿入され、接続部45の内面をプリント基板Pの第1の端面E1に当接させると共に屈曲片48の内面をプリント基板Pのスリット33内の第2の端面E2に当接させることで、ケーブル固定具41は第1の端面E1に直交する方向D1と第1の端面E1に沿った方向D2の双方において位置決めされる。
また、基板押さえ部43および44が、それぞれプリント基板Pの表面および裏面のGNDパッド31上に位置して、これらGNDパッド31に弾性的に圧接され、ケーブル固定具41がGNDパッド31に電気的に接続される。
【0035】
次に、このようにしてプリント基板Pに保持されたケーブル固定具41に対して、方向D1からケーブルCを近接させ、ケーブル固定具41の筒状部49に挿入する。このとき、図10に示したように、ケーブル固定具41の折り返し片46および47の接続部45側の端部にそれぞれ拡開部50が形成されているので、各ケーブルCを対応する筒状部49に円滑に挿入することができる。
各ケーブルCは、折り返し片46および47により弾性的に保持され、図12および図13に示されるように、ケーブル固定具41に取りつけられる。なお、各ケーブルCの心線の被覆除去部分は、筒状部49を通してプリント基板P上に突出した状態となる。
【0036】
このようにして各ケーブルCがケーブル固定具41の筒状部49に挿入されて位置が固定されるが、接続部45からなる第1の位置決め部と屈曲片48からなる第2の位置決め部によりケーブル固定具41はプリント基板Pに対して精度よく位置決めされているので、予め複数の接続パッド32をプリント基板Pの第1の端面E1および第2の端面E2に対して設定された位置に形成しておくことで、ケーブル固定具41に保持された各ケーブルCの心線の被覆除去部分を対応する接続パッド32上に位置させることができる。
このため、各ケーブルCの心線を対応する接続パッド32に容易に半田付けすることが可能となる。
【0037】
このように、実施の形態2に係るケーブル固定具41を用いても、プリント基板Pの縁部に複数のケーブルCを固定すると共に精度よく位置決めし、プリント基板Pの接続パッド32へのケーブルCの半田付けを容易に且つ作業性よく行うことが可能となる。
また、折り返し片46および47の筒状部49により形成されるケーブル保持部が、本体42の基板押さえ部43および44の上に位置するため、ケーブルCをプリント基板Pの上で保持することができ、小さなスペースでケーブルCを固定することが可能となる。
さらに、プリント基板Pの両面にそれぞれケーブルCを固定することができ、高密度にケーブルCを実装することが可能となる。
また、ケーブル固定具41をプリント基板Pに保持させる際に、基板押さえ部43および44の間をプリント基板Pの厚さより大きく拡げる必要がないので、本体42の弾性力が低下することが抑制される。
【0038】
なお、ケーブル固定具41の筒状部49に対応する位置における各ケーブルCの外皮を除去することで、予めシールド材を露出させておけば、シールド材を筒状部49と接触させ、ケーブル固定具41を介してプリント基板PのGNDパッドに電気的に接続させることができる。
このとき、各ケーブルCのシールド材と筒状部49との電気的な接続は、筒状部49の弾性的な押圧力によってこれら両者を接触させるだけでも行われるが、シールド材と筒状部49とを互いに半田付けすれば、電気的接続の信頼性を向上させることができる。
【0039】
この実施の形態2においても、ケーブル固定具41を本体42の一対の基板押さえ部43および44の弾性力によりプリント基板Pに保持させることができ、あるいは、基板押さえ部43および44をプリント基板PのGNDパッドに半田付けしてケーブル固定具41をプリント基板Pに固定補強することもできる。
【0040】
また、プリント基板Pの角部にGNDパッドおよび複数の接続パッド32が形成されている場合には、ケーブル固定具41の屈曲片48をプリント基板Pに形成されたスリット33内に挿入する代わりに、第1の端面E1にほぼ直交するプリント基板Pの周縁部の端面を第2の端面E2として、ここに屈曲片48の内面が当接されるようにケーブル固定具41を保持させることができる。
【0041】
なお、上記の実施の形態1および2では、プリント基板Pの表面および裏面において、それぞれ2本のケーブルCを固定したが、これに限るものではなく、プリント基板Pの表面および裏面において、それぞれ1本あるいは3本以上のケーブルCを固定するように構成することもできる。すなわち、実施の形態1のケーブル固定具11においては、一対の折り返し片16および17のそれぞれに1つあるいは3つ以上の開口部19を形成してもよい。実施の形態2のケーブル固定具41においては、一対の基板押さえ部43および44のそれぞれに1つの筒状部50を配置する、あるいは、複数対の基板押さえ部43および44を形成して、それぞれ1つまたは2つの筒状部50を配置することで、プリント基板Pの表面および裏面のそれぞれに対して3つ以上の筒状部50を形成することもできる。
【0042】
また、プリント基板Pの両面ではなく、表面および裏面のうちの一方に対してのみ、ケーブルCを固定するように構成してもよい。すなわち、実施の形態1のケーブル固定具11においては、一対の折り返し片16および17のうちの一方にのみ開口部19を形成し、実施の形態2のケーブル固定具41においては、一対の基板押さえ部43および44のうちの一方にのみ筒状部50を配置することもできる。
【0043】
上記の実施の形態1および2において、例えば屈曲片18および48にさらにケーブル保持部を形成し、位置決め不要な接地線、ドレインワイヤ等をこのケーブル保持部に保持させるようにしてもよい。
【0044】
以上のように、この発明によれば、ケーブルの固定が容易で小型のケーブル固定具を実現することができる。ケーブル固定具は、1枚の弾性導電板を折り曲げ加工するだけで容易に且つ安価に製造することができ、さらに、この発明のケーブル固定具を用いることで、ケーブルの半田付け作業が容易となり、電子機器の製造コストの低減を図ることが可能となる。
【符号の説明】
【0045】
1 バネクランプ部、2 ケーブル固定部、3 導線、4 ケーブル、5 導電パネル、6 第1のアーム、7 第2のアーム、11,41 ケーブル固定具、12,42 本体、13,14,43,44 基板押さえ部、15,45 接続部、16,17,46,47 折り返し片、18,48 屈曲片、19 開口部、20 ケーブル押さえ部、21,22,50 拡開部、31 GNDパッド、32 接続パッド、33 スリット、49 筒状部、P プリント基板、E1 第1の端面、E2 第2の端面、C ケーブル。
【技術分野】
【0001】
この発明は、ケーブル固定具に係り、特に、プリント基板上に形成された接続パッドに電気的に接続する信号伝送用ケーブルをプリント基板の縁部に固定するための固定具に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器内における高速信号の伝送には、信号の品質を維持するために、細線同軸、TWINAX、シールドツイストペア等のケーブルが使用され、さらに、ケーブルの取り外しが想定されない場合には、電子機器の小型化を図るため、省スペースを目的として、これらのケーブルがプリント基板に直接半田付けされることが多い。
また、伝送する信号が高速になるほど、ケーブルのシールド材除去長さおよび心線の被覆除去長さを短くする必要があり、例えば、10GHzの信号に対しては、これらの除去長さを1mm程度にすることが望まれる。
【0003】
このため、ケーブルのシールド材除去部分および被覆除去部分をプリント基板の接続パッドに誘導して半田付けする際の作業性は低いものであった。治具によりケーブルを押さえた状態で半田付けを行おうとしても、シールド材除去長さおよび被覆除去長さが短くなるに従ってケーブルを押さえる部分が短くなるため、治具の設計が難しく、治具にケーブルをセットする作業も困難となる。
【0004】
ケーブルの先端をプリント基板に対して的確に且つ容易に保持することができれば、半田付け作業がやりやすくなる。
例えば、特許文献1には、ケーブルをパネルの縁部に保持するためのクリップが開示されている。このクリップは、図14および図15に示されるように、U字状断面を有するバネクランプ部1と、このバネクランプ部1に接続されたケーブル固定部2とを備えており、先端部の被覆を除去して導線3を露出させたケーブル4がケーブル固定部2に固定された状態でバネクランプ部1により導電パネル5の縁部に取り付けられる。ケーブル固定部2は、第1のアーム6および第2のアーム7を有し、第1のアーム6をかしめることによりケーブル4がケーブル固定部2に固定され、第2のアーム7をかしめることにより導線3がケーブル固定部2に固定される。
バネクランプ部1およびケーブル固定部2は、導電性材料から形成され、ケーブル4の導線3がケーブル固定部2およびバネクランプ部1を介して導電パネル5に電気的に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−102107号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、特許文献1のクリップによれば、ケーブル4の先端を導電パネル5の縁部に保持することができるが、このクリップは、ケーブル4の導線3を介して導電パネル5を電気的に接地することを目的としており、プリント基板の接続パッドにケーブルを半田付けする際の治具として使用することはできない。
また、接地のためのクリップであるので、導電パネル5の縁部に直交する方向に対しても、平行な方向に対しても、ケーブル4の位置決めの精度は低く、これでは、半田付け作業のための治具として不十分である。
【0007】
この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、プリント基板の縁部に信号伝送用ケーブルを固定してプリント基板の接続パッドへのケーブルの半田付け作業を行うことができるケーブル固定具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係るケーブル固定具は、プリント基板の縁部に信号伝送用ケーブルを固定するためのケーブル固定具において、ほぼU字状の断面形状を有してプリント基板の縁部を表裏方向から弾性的に挟むことによりプリント基板に保持されると共にU字の底部に位置してプリント基板の第1の端面に当接することで第1の端面に直交する方向の位置決めを行うための第1の位置決め部を有する本体と、本体に一体に接続されると共に第1の端面とは異なる方向に延びるプリント基板の第2の端面に当接することで第1の端面に沿った方向の位置決めを行うための第2の位置決め部と、本体に一体に接続されると共にケーブルを保持するためのケーブル保持部とを備えたものである。
【0009】
好ましくは、本体、第2の位置決め部およびケーブル保持部は、1枚の弾性導電板を折り曲げ加工して形成されている。
さらに、本体は、第1の位置決め部からU字の先端部に向かってそれぞれ延びる一対の基板押さえ部を有し、ケーブル保持部は、一対の基板押さえ部のうち少なくとも一方の基板押さえ部の上に配置されることが好ましい。
【0010】
第2の位置決め部を、一対の基板押さえ部のうち一方の基板押さえ部の側端部から他方の基板押さえ部の側端部に向けて折り曲げられた屈曲片から形成し、ケーブル保持部を、一対の基板押さえ部のうち少なくとも一方の基板押さえ部の前記U字の先端部分からU字の底部に向けてU字の外側へ折り返された折り返し片から形成することができる。この場合、さらに、折り返し片に、ケーブルを通すための開口部と、ケーブルを挿入し易くするために第1の位置決め部側の端部において第1の位置決め部から離れる方向に反って開いた拡開部と、ケーブルを押さえるためのケーブル押さえ部を形成することができる。
あるいは、第2の位置決め部を、第1の位置決め部の側端部から一対の基板押さえ部と同一の方向に向けて折り曲げられた屈曲片から形成し、ケーブル保持部を、一対の基板押さえ部のうち少なくとも一方の基板押さえ部の側端部分から折り返された折り返し片から形成することもできる。この場合、さらに、折り返し片の第1の位置決め部側の端部に、ケーブルを挿入し易くするために第1の位置決め部から離れる方向に反って開いた拡開部を形成することができる。
【0011】
一対の基板押さえ部の上にそれぞれ少なくとも1つのケーブル保持部を配置してもよい。
また、ケーブル保持部は、ケーブルのシールド部に接触して電気的に接続された状態でケーブルを保持することもできる。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、プリント基板に保持される本体の第1の位置決め部がプリント基板の第1の端面に当接することで第1の端面に直交する方向の位置決めを行い、第2の位置決め部がプリント基板の第2の端面に当接することで第1の端面に沿った方向の位置決めを行うので、ケーブル保持部に保持された信号伝送用ケーブルを精度よく位置決めすることができ、プリント基板の縁部にケーブルを固定してプリント基板の接続パッドへのケーブルの半田付け作業を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この発明の実施の形態1に係るケーブル固定具を示す斜視図である。
【図2】実施の形態1に係るケーブル固定具の断面図である。
【図3】実施の形態1に係るケーブル固定具の展開図である。
【図4】実施の形態1に係るケーブル固定具をプリント基板に保持させる様子を示す斜視図である。
【図5】プリント基板に保持された実施の形態1のケーブル固定具にケーブルを取りつける際の様子を示す斜視図である。
【図6】プリント基板に保持された実施の形態1のケーブル固定具にケーブルを取りつける際の様子を示す側面図である。
【図7】プリント基板に保持された実施の形態1のケーブル固定具にケーブルが取りつけられた様子を示す斜視図である。
【図8】プリント基板に保持された実施の形態1のケーブル固定具にケーブルが取りつけられた様子を示す側面図である。
【図9】他のプリント基板に保持された実施の形態1のケーブル固定具にケーブルが取りつけられた様子を示す斜視図である。
【図10】実施の形態2に係るケーブル固定具を示す斜視図である。
【図11】実施の形態2に係るケーブル固定具の展開図である。
【図12】プリント基板に保持された実施の形態2のケーブル固定具にケーブルが取りつけられた様子を示す斜視図である。
【図13】プリント基板に保持された実施の形態2のケーブル固定具にケーブルが取りつけられた様子を示す側面図である。
【図14】従来のクリップを介してケーブルがパネルに取りつけられた様子を示す平面図である。
【図15】図14のA−A線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1
図1に、この発明の実施の形態1に係るケーブル固定具11の構成を示す。ケーブル固定具11は、ほぼU字状の断面形状を有する本体12を備えている。本体12は、互いにほぼ平行に延びる一対のほぼ矩形状の基板押さえ部13および14と、これら基板押さえ部13および14の一端部を互いに接続する接続部15から形成されている。
基板押さえ部13および14の接続部15とは反対側の他端部には、それぞれ接続部15の方向に向かって基板押さえ部13および14の外面上に折り返された折り返し片16および17が接続されている。
また、基板押さえ部13および14のうち一方の基板押さえ部13の一側端部には、基板押さえ部13に対しほぼ垂直に屈曲されて他方の基板押さえ部14の一側端部に向かって延びる屈曲片18が接続されている。
【0015】
図2に示されるように、接続部15は、本体12のほぼU字状の断面において、U字の底部に位置し、一対の矩形状の基板押さえ部13および14は、接続部15からU字の先端部に向かってそれぞれ延びている。接続部15は、プリント基板Pの厚さに対応する幅を有しており、基板押さえ部13および14がそれぞれプリント基板Pの表面および裏面に圧接されることにより、本体12は、プリント基板Pの縁部を表裏方向から弾性的に挟んだ状態でプリント基板Pに保持される。このように、本体12がプリント基板Pの縁部に保持された状態において、接続部15は、その内面がプリント基板Pの第1の端面E1に当接することで、第1の端面E1に直交する方向D1における本体12の位置決めを行うための第1の位置決め部を構成している。
【0016】
これに対し、基板押さえ部13の短辺側端部に接続された屈曲片18は、その内面がプリント基板Pの第1の端面E1とは異なる方向、例えば直交方向に延びる第2の端面に当接することで、第1の端面E1に沿った方向D2における本体12の位置決めを行うための第2の位置決め部を構成している。
【0017】
また、折り返し片16および17は、本体12のほぼU字状の断面において、それぞれU字の先端部分からU字の底部に向けて折り返され、プリント基板Pの第1の端面E1に直交する方向D1に延びるケーブルを基板押さえ部13および14の外面との間に挟んで保持するためのケーブル保持部を構成している。折り返し片16および17には、それぞれ2つの開口部19が形成されている。これらの開口部19は、それぞれ対応するケーブルを通すためのものであり、一対の折り返し片16および17のうち一方の折り返し片16によりプリント基板Pの表面側に2本のケーブルを保持し、他方の折り返し片17によりプリント基板Pの裏面側にも2本のケーブルを保持することができるように構成されている。
【0018】
各開口部19には、通されたケーブルをそれぞれ対応する基板押さえ部13および14の外面に向けて押さえるためのほぼ矩形状のケーブル押さえ部20が張り出すように配接されている。
また、折り返し片16および17の先端には、ケーブルの挿入を円滑にするために、それぞれ本体12の接続部15から離れる方向に反って開いた拡開部21および22が形成されている。
このような構成のケーブル固定具11は、図3に示される形状に打ち抜かれた1枚の弾性導電板を折り曲げ加工するだけで容易に且つ安価に製造することができる。
【0019】
次に、実施の形態1に係るケーブル固定具11を用いた信号伝送用ケーブルの固定方法について説明する。
図4に示されるように、プリント基板Pの縁部の表面上に接地用のGNDパッド31が形成されると共にGNDパッド31の近傍で且つGNDパッド31よりもプリント基板Pの内側に複数の接続パッド32が形成されており、プリント基板Pの縁部の裏面上にも同様のGNDパッド31および複数の接続パッド32が形成されているものとする。また、プリント基板Pには、接続パッド32の近傍に、縁部の第1の端面E1から第1の端面E1に直交する方向D1に延びるスリット33が形成されており、第1の端面E1にほぼ直交するプリント基板Pの第2の端面E2がスリット33内に形成されている。
【0020】
このようなプリント基板Pの第1の端面E1に向けて方向D1からケーブル固定具11を近接させ、ケーブル固定具11の屈曲片18をプリント基板Pのスリット33内に挿入しつつ、ケーブル固定具11の接続部15がプリント基板Pの第1の端面E1に当接するまで一対の基板押さえ部13および14の間にプリント基板Pを挿入する。
【0021】
これにより、本体12の一対の基板押さえ部13および14でプリント基板Pの縁部が表裏方向から弾性的に挟持され、ケーブル固定具11がプリント基板Pに保持される。このとき、基板押さえ部13および14が、それぞれプリント基板Pの表面および裏面のGNDパッド31上に位置して、これらGNDパッド31に弾性的に圧接され、ケーブル固定具11がGNDパッド31に電気的に接続される。
また、接続部15の内面をプリント基板Pの第1の端面E1に当接させると共に屈曲片18の内面をプリント基板Pのスリット33内の第2の端面E2に当接させることにより、図5に示されるように、ケーブル固定具11は第1の端面E1に直交する方向D1と第1の端面E1に沿った方向D2の双方において位置決めされることとなる。
【0022】
次に、このようにしてプリント基板Pに保持されたケーブル固定具11に対して、図5および図6に示されるように、方向D1からケーブルCを近接させ、ケーブル固定具11の開口部19に挿入する。図5では、それぞれ例えばTWINAXからなる4本のケーブルCが示されており、これらのケーブルCがケーブル固定具11に近接され、4本のケーブルCのうち2本のケーブルCがプリント基板Pの表面側に位置する2つの開口部19にそれぞれ挿入され、残りの2本のケーブルCがプリント基板Pの裏面側に位置する2つの開口部19にそれぞれ挿入される。
なお、各ケーブルCは、予め所定の長さでシールド材が除去されると共に所定の長さで心線の被覆が除去されているものとする。
【0023】
このとき、図1および図2に示したように、ケーブル固定具11の折り返し片16および17の先端にそれぞれ拡開部21および22が形成されているので、4本のケーブルCをケーブル固定具11のいずれかの箇所に引っ掛けることなく、それぞれ対応する開口部19に円滑に挿入することができる。
各ケーブルCは、図1に示したケーブル固定具11の折り返し片16および17と基板押さえ部13および14の間に挟持され、開口部19に張り出しているケーブル押さえ部20によって押さえられ、図7および図8に示されるように、ケーブル固定具11に取りつけられる。なお、各ケーブルCの心線の被覆除去部分は、開口部19を通してプリント基板P上に突出した状態となる。
【0024】
このようにして各ケーブルCがケーブル固定具11の開口部19に挿入されて位置が固定されるが、接続部15からなる第1の位置決め部と屈曲片18からなる第2の位置決め部によりケーブル固定具11はプリント基板Pに対して精度よく位置決めされているので、予め複数の接続パッド32をプリント基板Pの第1の端面E1および第2の端面E2に対して設定された位置に形成しておくことで、ケーブル固定具11に保持された各ケーブルCの心線の被覆除去部分を対応する接続パッド32上に位置させることができる。
このため、各ケーブルCの心線を対応する接続パッド32に容易に半田付けすることが可能となる。
【0025】
このように、ケーブル固定具11を用いることにより、プリント基板Pの縁部に複数のケーブルCを固定すると共に精度よく位置決めし、プリント基板Pの接続パッド32へのケーブルCの半田付けを容易に且つ作業性よく行うことが可能となる。
また、折り返し片16および17により形成されるケーブル保持部が、本体12の基板押さえ部13および14の上に位置するため、ケーブルCをプリント基板Pの上で保持することができ、小さなスペースでケーブルCを固定することが可能となる。
さらに、プリント基板Pの両面にそれぞれケーブルCを固定することができ、高密度にケーブルCを実装することが可能となる。
また、ケーブル固定具11をプリント基板Pに保持させる際に、基板押さえ部13および14の間をプリント基板Pの厚さより大きく拡げる必要がないので、本体12の弾性力が低下することが抑制される。
【0026】
なお、ケーブル固定具11のケーブル押さえ部20に対応する位置における各ケーブルCの外皮を除去することで、予めシールド材を露出させておけば、シールド材をケーブル押さえ部20と接触させ、ケーブル固定具11を介してプリント基板PのGNDパッド31に電気的に接続させることができる。
このとき、各ケーブルCのシールド材とケーブル押さえ部20との電気的な接続は、ケーブル押さえ部20の弾性的な押圧力によってこれら両者を接触させるだけでも行われるが、シールド材とケーブル押さえ部20とを互いに半田付けすれば、電気的接続の信頼性を向上させることができる。
【0027】
上記の実施の形態1では、ケーブル固定具11を本体12の一対の基板押さえ部13および14の弾性力によりプリント基板Pに保持させたが、これら基板押さえ部13および14をプリント基板PのGNDパッド31に半田付けして補強することもできる。
また、GNDパッド31は、プリント基板Pの両面に形成されていたが、プリント基板Pの表面および裏面のいずれか一方にのみ形成されていてもよい。
【0028】
さらに、上記の実施の形態1では、ケーブル固定具11の屈曲片18をプリント基板Pに形成されたスリット33内に挿入してケーブル固定具11をプリント基板Pに保持させたが、これに限るものではなく、例えば図9に示されるように、プリント基板Pの角部にGNDパッド31および複数の接続パッド32が形成されている場合には、第1の端面E1にほぼ直交するプリント基板Pの周縁部の端面を第2の端面E2として、ここに屈曲片18の内面が当接されるようにケーブル固定具11を保持させることができる。
この場合にも、ケーブル固定具11をプリント基板Pに対して精度よく位置決めし、ケーブル固定具11に複数のケーブルCを固定して、プリント基板Pの接続パッド32へのケーブルCの半田付けを容易に且つ作業性よく行うことが可能となる。
【0029】
実施の形態2
図10に、実施の形態2に係るケーブル固定具41の構成を示す。ケーブル固定具41は、ほぼU字状の断面形状を有する本体42を備えている。本体42は、互いにほぼ平行に延びる一対のほぼ矩形状の基板押さえ部43および44と、これら基板押さえ部43および44の一端部を互いに接続する接続部45から形成されている。
【0030】
接続部45に対して垂直方向に延びる基板押さえ部43の両側端部には、それぞれ基板押さえ部43の中心部に向かって基板押さえ部43の外面上に折り返された一対の折り返し片46が接続されている。同様に、接続部45に対して垂直方向に延びる基板押さえ部44の両側端部には、それぞれ基板押さえ部44の中心部に向かって基板押さえ部44の外面上に折り返された一対の折り返し片47が接続されている。
また、接続部45の一側端部には、接続部45に対して、基板押さえ部43および44と同じ側へほぼ垂直に屈曲された屈曲片48が接続されている。
【0031】
接続部45と屈曲片48は、それぞれコ字状の断面形状を有し、内面部にプリント基板Pの厚さに対応する幅の溝が形成されている。接続部45は、その内面がプリント基板Pの第1の端面E1に当接することで、第1の端面E1に直交する方向D1における本体42の位置決めを行うための第1の位置決め部を構成し、屈曲片48は、その内面がプリント基板Pの第2の端面E2に当接することで、第1の端面E1に沿った方向D2における本体42の位置決めを行うための第2の位置決め部を構成している。
【0032】
また、折り返し片46および47により、それぞれ2つの筒状部49が形成されている。これらの筒状部49は、接続部45に対して直交する方向に延び、それぞれ対応するケーブルを弾性的に保持するケーブル保持部を構成している。一対の折り返し片46によりプリント基板Pの表面側に2本のケーブルを保持し、一対の折り返し片47によりプリント基板Pの裏面側にも2本のケーブルを保持することができるように構成されている。
【0033】
折り返し片46および47の接続部45側の端部には、ケーブルの挿入を円滑にするために、それぞれ接続部45から離れる方向に反って開いた拡開部50が形成されている。
このような構成のケーブル固定具41は、図11に示される形状に打ち抜かれた1枚の弾性導電板を折り曲げ加工するだけで容易に且つ安価に製造することができる。
【0034】
このケーブル固定具41を用いることにより、実施の形態1のケーブル固定具11と同様にして、信号伝送用ケーブルをプリント基板Pの縁部に固定することができる。
すなわち、図12に示されるように、ケーブル固定具41の屈曲片48がプリント基板Pのスリット33内に挿入されると共に接続部45がプリント基板Pの第1の端面E1に当接するようにケーブル固定具41をプリント基板Pに保持させる。このとき、プリント基板Pの縁部は、ケーブル固定具41の接続部45と屈曲片48の内面部に形成された溝の中に挿入され、接続部45の内面をプリント基板Pの第1の端面E1に当接させると共に屈曲片48の内面をプリント基板Pのスリット33内の第2の端面E2に当接させることで、ケーブル固定具41は第1の端面E1に直交する方向D1と第1の端面E1に沿った方向D2の双方において位置決めされる。
また、基板押さえ部43および44が、それぞれプリント基板Pの表面および裏面のGNDパッド31上に位置して、これらGNDパッド31に弾性的に圧接され、ケーブル固定具41がGNDパッド31に電気的に接続される。
【0035】
次に、このようにしてプリント基板Pに保持されたケーブル固定具41に対して、方向D1からケーブルCを近接させ、ケーブル固定具41の筒状部49に挿入する。このとき、図10に示したように、ケーブル固定具41の折り返し片46および47の接続部45側の端部にそれぞれ拡開部50が形成されているので、各ケーブルCを対応する筒状部49に円滑に挿入することができる。
各ケーブルCは、折り返し片46および47により弾性的に保持され、図12および図13に示されるように、ケーブル固定具41に取りつけられる。なお、各ケーブルCの心線の被覆除去部分は、筒状部49を通してプリント基板P上に突出した状態となる。
【0036】
このようにして各ケーブルCがケーブル固定具41の筒状部49に挿入されて位置が固定されるが、接続部45からなる第1の位置決め部と屈曲片48からなる第2の位置決め部によりケーブル固定具41はプリント基板Pに対して精度よく位置決めされているので、予め複数の接続パッド32をプリント基板Pの第1の端面E1および第2の端面E2に対して設定された位置に形成しておくことで、ケーブル固定具41に保持された各ケーブルCの心線の被覆除去部分を対応する接続パッド32上に位置させることができる。
このため、各ケーブルCの心線を対応する接続パッド32に容易に半田付けすることが可能となる。
【0037】
このように、実施の形態2に係るケーブル固定具41を用いても、プリント基板Pの縁部に複数のケーブルCを固定すると共に精度よく位置決めし、プリント基板Pの接続パッド32へのケーブルCの半田付けを容易に且つ作業性よく行うことが可能となる。
また、折り返し片46および47の筒状部49により形成されるケーブル保持部が、本体42の基板押さえ部43および44の上に位置するため、ケーブルCをプリント基板Pの上で保持することができ、小さなスペースでケーブルCを固定することが可能となる。
さらに、プリント基板Pの両面にそれぞれケーブルCを固定することができ、高密度にケーブルCを実装することが可能となる。
また、ケーブル固定具41をプリント基板Pに保持させる際に、基板押さえ部43および44の間をプリント基板Pの厚さより大きく拡げる必要がないので、本体42の弾性力が低下することが抑制される。
【0038】
なお、ケーブル固定具41の筒状部49に対応する位置における各ケーブルCの外皮を除去することで、予めシールド材を露出させておけば、シールド材を筒状部49と接触させ、ケーブル固定具41を介してプリント基板PのGNDパッドに電気的に接続させることができる。
このとき、各ケーブルCのシールド材と筒状部49との電気的な接続は、筒状部49の弾性的な押圧力によってこれら両者を接触させるだけでも行われるが、シールド材と筒状部49とを互いに半田付けすれば、電気的接続の信頼性を向上させることができる。
【0039】
この実施の形態2においても、ケーブル固定具41を本体42の一対の基板押さえ部43および44の弾性力によりプリント基板Pに保持させることができ、あるいは、基板押さえ部43および44をプリント基板PのGNDパッドに半田付けしてケーブル固定具41をプリント基板Pに固定補強することもできる。
【0040】
また、プリント基板Pの角部にGNDパッドおよび複数の接続パッド32が形成されている場合には、ケーブル固定具41の屈曲片48をプリント基板Pに形成されたスリット33内に挿入する代わりに、第1の端面E1にほぼ直交するプリント基板Pの周縁部の端面を第2の端面E2として、ここに屈曲片48の内面が当接されるようにケーブル固定具41を保持させることができる。
【0041】
なお、上記の実施の形態1および2では、プリント基板Pの表面および裏面において、それぞれ2本のケーブルCを固定したが、これに限るものではなく、プリント基板Pの表面および裏面において、それぞれ1本あるいは3本以上のケーブルCを固定するように構成することもできる。すなわち、実施の形態1のケーブル固定具11においては、一対の折り返し片16および17のそれぞれに1つあるいは3つ以上の開口部19を形成してもよい。実施の形態2のケーブル固定具41においては、一対の基板押さえ部43および44のそれぞれに1つの筒状部50を配置する、あるいは、複数対の基板押さえ部43および44を形成して、それぞれ1つまたは2つの筒状部50を配置することで、プリント基板Pの表面および裏面のそれぞれに対して3つ以上の筒状部50を形成することもできる。
【0042】
また、プリント基板Pの両面ではなく、表面および裏面のうちの一方に対してのみ、ケーブルCを固定するように構成してもよい。すなわち、実施の形態1のケーブル固定具11においては、一対の折り返し片16および17のうちの一方にのみ開口部19を形成し、実施の形態2のケーブル固定具41においては、一対の基板押さえ部43および44のうちの一方にのみ筒状部50を配置することもできる。
【0043】
上記の実施の形態1および2において、例えば屈曲片18および48にさらにケーブル保持部を形成し、位置決め不要な接地線、ドレインワイヤ等をこのケーブル保持部に保持させるようにしてもよい。
【0044】
以上のように、この発明によれば、ケーブルの固定が容易で小型のケーブル固定具を実現することができる。ケーブル固定具は、1枚の弾性導電板を折り曲げ加工するだけで容易に且つ安価に製造することができ、さらに、この発明のケーブル固定具を用いることで、ケーブルの半田付け作業が容易となり、電子機器の製造コストの低減を図ることが可能となる。
【符号の説明】
【0045】
1 バネクランプ部、2 ケーブル固定部、3 導線、4 ケーブル、5 導電パネル、6 第1のアーム、7 第2のアーム、11,41 ケーブル固定具、12,42 本体、13,14,43,44 基板押さえ部、15,45 接続部、16,17,46,47 折り返し片、18,48 屈曲片、19 開口部、20 ケーブル押さえ部、21,22,50 拡開部、31 GNDパッド、32 接続パッド、33 スリット、49 筒状部、P プリント基板、E1 第1の端面、E2 第2の端面、C ケーブル。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント基板の縁部に信号伝送用ケーブルを固定するためのケーブル固定具において、
ほぼU字状の断面形状を有して前記プリント基板の縁部を表裏方向から弾性的に挟むことにより前記プリント基板に保持されると共に前記U字の底部に位置して前記プリント基板の第1の端面に当接することで前記第1の端面に直交する方向の位置決めを行うための第1の位置決め部を有する本体と、
前記本体に一体に接続されると共に前記第1の端面とは異なる方向に延びる前記プリント基板の第2の端面に当接することで前記第1の端面に沿った方向の位置決めを行うための第2の位置決め部と、
前記本体に一体に接続されると共にケーブルを保持するためのケーブル保持部と
を備えたことを特徴とするケーブル固定具。
【請求項2】
前記本体、前記第2の位置決め部および前記ケーブル保持部は、1枚の弾性導電板を折り曲げ加工して形成されている請求項1に記載のケーブル固定具。
【請求項3】
前記本体は、前記第1の位置決め部から前記U字の先端部に向かってそれぞれ延びる一対の基板押さえ部を有し、
前記ケーブル保持部は、前記一対の基板押さえ部のうち少なくとも一方の基板押さえ部の上に配置されている請求項2に記載のケーブル固定具。
【請求項4】
前記第2の位置決め部は、前記一対の基板押さえ部のうち一方の基板押さえ部の側端部から他方の基板押さえ部の側端部に向けて折り曲げられた屈曲片から形成され、
前記ケーブル保持部は、前記一対の基板押さえ部のうち少なくとも一方の基板押さえ部の前記U字の先端部分から前記U字の底部に向けて前記U字の外側へ折り返された折り返し片から形成されている請求項3に記載のケーブル固定具。
【請求項5】
前記折り返し片に、ケーブルを通すための開口部と、ケーブルを挿入し易くするために前記第1の位置決め部側の端部において前記第1の位置決め部から離れる方向に反って開いた拡開部と、ケーブルを押さえるためのケーブル押さえ部が形成されている請求項4に記載のケーブル固定具。
【請求項6】
前記第2の位置決め部は、前記第1の位置決め部の側端部から前記一対の基板押さえ部と同一の方向に向けて折り曲げられた屈曲片から形成され、
前記ケーブル保持部は、前記一対の基板押さえ部のうち少なくとも一方の基板押さえ部の側端部分から折り返された折り返し片から形成されている請求項3に記載のケーブル固定具。
【請求項7】
前記折り返し片の前記第1の位置決め部側の端部に、ケーブルを挿入し易くするために前記第1の位置決め部から離れる方向に反って開いた拡開部が形成されている請求項6に記載のケーブル固定具。
【請求項8】
前記一対の基板押さえ部の上にそれぞれ少なくとも1つの前記ケーブル保持部が配置されている請求項3〜7のいずれか一項に記載のケーブル固定具。
【請求項9】
前記ケーブル保持部は、前記ケーブルのシールド部に接触して電気的に接続された状態で前記ケーブルを保持する請求項1〜8のいずれか一項に記載のケーブル固定具。
【請求項1】
プリント基板の縁部に信号伝送用ケーブルを固定するためのケーブル固定具において、
ほぼU字状の断面形状を有して前記プリント基板の縁部を表裏方向から弾性的に挟むことにより前記プリント基板に保持されると共に前記U字の底部に位置して前記プリント基板の第1の端面に当接することで前記第1の端面に直交する方向の位置決めを行うための第1の位置決め部を有する本体と、
前記本体に一体に接続されると共に前記第1の端面とは異なる方向に延びる前記プリント基板の第2の端面に当接することで前記第1の端面に沿った方向の位置決めを行うための第2の位置決め部と、
前記本体に一体に接続されると共にケーブルを保持するためのケーブル保持部と
を備えたことを特徴とするケーブル固定具。
【請求項2】
前記本体、前記第2の位置決め部および前記ケーブル保持部は、1枚の弾性導電板を折り曲げ加工して形成されている請求項1に記載のケーブル固定具。
【請求項3】
前記本体は、前記第1の位置決め部から前記U字の先端部に向かってそれぞれ延びる一対の基板押さえ部を有し、
前記ケーブル保持部は、前記一対の基板押さえ部のうち少なくとも一方の基板押さえ部の上に配置されている請求項2に記載のケーブル固定具。
【請求項4】
前記第2の位置決め部は、前記一対の基板押さえ部のうち一方の基板押さえ部の側端部から他方の基板押さえ部の側端部に向けて折り曲げられた屈曲片から形成され、
前記ケーブル保持部は、前記一対の基板押さえ部のうち少なくとも一方の基板押さえ部の前記U字の先端部分から前記U字の底部に向けて前記U字の外側へ折り返された折り返し片から形成されている請求項3に記載のケーブル固定具。
【請求項5】
前記折り返し片に、ケーブルを通すための開口部と、ケーブルを挿入し易くするために前記第1の位置決め部側の端部において前記第1の位置決め部から離れる方向に反って開いた拡開部と、ケーブルを押さえるためのケーブル押さえ部が形成されている請求項4に記載のケーブル固定具。
【請求項6】
前記第2の位置決め部は、前記第1の位置決め部の側端部から前記一対の基板押さえ部と同一の方向に向けて折り曲げられた屈曲片から形成され、
前記ケーブル保持部は、前記一対の基板押さえ部のうち少なくとも一方の基板押さえ部の側端部分から折り返された折り返し片から形成されている請求項3に記載のケーブル固定具。
【請求項7】
前記折り返し片の前記第1の位置決め部側の端部に、ケーブルを挿入し易くするために前記第1の位置決め部から離れる方向に反って開いた拡開部が形成されている請求項6に記載のケーブル固定具。
【請求項8】
前記一対の基板押さえ部の上にそれぞれ少なくとも1つの前記ケーブル保持部が配置されている請求項3〜7のいずれか一項に記載のケーブル固定具。
【請求項9】
前記ケーブル保持部は、前記ケーブルのシールド部に接触して電気的に接続された状態で前記ケーブルを保持する請求項1〜8のいずれか一項に記載のケーブル固定具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−221586(P2012−221586A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−82921(P2011−82921)
【出願日】平成23年4月4日(2011.4.4)
【出願人】(000231073)日本航空電子工業株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月4日(2011.4.4)
【出願人】(000231073)日本航空電子工業株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】
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