コネクタ及び該コネクタを備えた電子部品
【課題】ファインピッチ化及び接触抵抗の低減を簡便な構造で図ることができるコネクタを提供すること。
【解決手段】基板1と基板1の両面1a,1bに配されたエラストマー2A,2Bとからなる基体3、基体3にあって、基板1とエラストマー2A,2Bとの重なり方向において所定の間隔で並んで配された複数の貫通孔4、及び基体3の一面3a側から他面3b側に渡って貫通孔4内を経由して配されたくの字状の導体5、から少なくともなり、エラストマー2A,2Bには頂面21sが傾斜を有した第一突出部21A,21Bと、第一突出部21A,21Bの頂面21sからドーム上に突出した第二突出部22A,22Bとが複数配され、導体5の両端には、内部が中空状、かつドーム形状を有した凸部51A,51Bがそれぞれ形成され、凸部51A,51Bが、それぞれ第二突出部22A,22Bを覆うように配されている。
【解決手段】基板1と基板1の両面1a,1bに配されたエラストマー2A,2Bとからなる基体3、基体3にあって、基板1とエラストマー2A,2Bとの重なり方向において所定の間隔で並んで配された複数の貫通孔4、及び基体3の一面3a側から他面3b側に渡って貫通孔4内を経由して配されたくの字状の導体5、から少なくともなり、エラストマー2A,2Bには頂面21sが傾斜を有した第一突出部21A,21Bと、第一突出部21A,21Bの頂面21sからドーム上に突出した第二突出部22A,22Bとが複数配され、導体5の両端には、内部が中空状、かつドーム形状を有した凸部51A,51Bがそれぞれ形成され、凸部51A,51Bが、それぞれ第二突出部22A,22Bを覆うように配されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコネクタに係り、より詳しくは、簡便な構造でファインピッチ化及び低接触抵抗化を図ることが可能なコネクタ及び該コネクタを備えた電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、CPUやLSI等のICパッケージを、ソケットを介してプリント基板に実装する技術が検討されており、パーソナルコンピューターやサーバのマザーボードの多くには、LGAパッケージやBGAパッケージ等のCPUを装着するためのソケットが実装されている。CPUは、その機能、性能の向上のため、年々多ピン化、高速化が進んでおり、パッケージのサイズアップやファインピッチ化によって対応がなされている。これに伴い、ソケットも多ピン化の対応が必要になると共に、パッケージのサイズアップに伴うたわみ量増大への対応や、パッケージの接触ランドやボールの高さのばらつきへの対応が必要になる。そのため、ソケットコンタクトの小型化が重要であり、ICのピンとソケットとのコンタクトの適切な接圧での接触を確保できることが望まれる。更に高速化においては、コンタクトが低インダクタンスであることが重要であり、高速化による消費電流増大に対応して接触抵抗が小さく、許容電流も高いことが求められる。
【0003】
現在のLGAパッケージ用ソケットの主流は約1mmピッチの400〜800ピンのものであり、例えば特許文献1や特許文献2に記載されているように、金属板を複雑に折り曲げて所定のコンタクト形状を作り、ソケットハウジングにコンタクトを挿入して製造する構造が用いられている。
これらの方法は、金属コンタクトを板バネとして機能させることで、所定のストロークにて適切な荷重を発生させ、安定した接触抵抗を得る方式である。また、所定の接触圧を得る過程で、荷重を高めていくと接点位置が移動し、表面の異物を除去できるワイピング効果が期待できる。
【0004】
しかしながら、これらの方法でのファインピッチ化は困難であった。ファインピッチ化を図ろうとすると、コンタクト端子の片持ちバネ部分のバネ長を短くする必要があるが、バネ長を短くすると、同じ材料で同じ形状の片持ちバネの場合、所定のストロークを得るための荷重が高くなってしまう。そのため、これを適切な荷重にしようと片持ちバネの線径を細くすると、必要とされる許容応力が小さくなってしまい、本来弾性変形領域で動作させたいにもかかわらず、塑性変形してしまい、所定の荷重に耐えられなくなってしまう。これは、許容応力はバネの線径に比例するのに対し、荷重を決定する要因であるばね定数は、片持ちバネの線径の4乗に比例するためである。
【0005】
このことを考慮し、片持ちバネによる荷重で所定の接触圧を得る方法ではなく、コンタクト部分の金属は塑性変形する領域で設計し、反発力をゴムやエラストマーで補う技術が考案されている。例えば特許文献3には、コンタクト部分の機能をフレキシブルプリント基板で実現しており、2枚のフレキシブルプリント基板の間にエラストマーを挟み、別途設けた金属ピンでフレキシブルプリント基板同士を半田付けにて接合し、上下の層間導通を得る構造が開示されている。
この技術では、フレキシブルプリント基板の接点部分に金属ドームを形成してあり、この金属ドームが相対する接点と接触する。また、所定の接触圧を得る過程で荷重を高めていくと接点位置が移動し、表面の異物を除去するワイピング効果が期待できる。
また、特許文献4では、予め金型にて所定のドーム形状と貫通穴を形成したエラストマー上に金属めっきを施し、フォトリソ工程にてスルーホールとドーム上の接点回路を結ぶように回路形成する方法が開示されている。
【0006】
しかしながら、特許文献3に開示されたように、フレキシブルプリント基板をエラストマーで挟む方法は、必要なパターンに回路形成を施したフレキシブルプリント基板を2枚作製する工程が必要であり、更にそれらを接続する層間導通を得るための金属コンタクトが必要となるため部品点数が多く、小型化を図ることが困難となる。また、フレキシブルプリント基板と金属ピンとを接続する工程が必要なため、製造方法が複雑となる問題がある。また、特許文献4に開示されたように、エラストマー上にめっきを施す技術は開発要素がまだ多くあり、一般的に量産技術が確立されていない問題がある。更に、特許文献4ではドーム部分が潰れることで接触圧を得るため、接触位置が変化せずワイピング効果が期待できない問題もある。
【特許文献1】特開2004−158430号公報
【特許文献2】特開2005−019284号公報
【特許文献3】特開2004−071347号公報
【特許文献4】特開2001−332321号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、ファインピッチ化及び接触抵抗の低減を簡便な構造で図ることができるコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1に記載のコネクタは、基板と該基板の両面に配されたエラストマーとからなる基体、前記基体にあって、前記基板と前記エラストマーとの重なり方向において所定の間隔で並んで配された複数の貫通孔、及び前記基体の一面側から他面側に渡って前記貫通孔内を経由して配されたくの字状の導体、から少なくともなり、前記エラストマーには頂面が傾斜を有した第一突出部と、前記第一突出部の頂面からドーム上に突出した第二突出部とが複数配され、前記導体の両端には、内部が中空状、かつドーム形状を有した凸部がそれぞれ形成され、該凸部が、それぞれの前記第二突出部を覆うように配されていることを特徴とする。
本発明の請求項2に記載のコネクタは、請求項1において、前記基板を対称の軸として、前記第一突出部と前記第二突出部とが対称に配されていることを特徴とする。
本発明の請求項3に記載のコネクタは、請求項1または2において、前記基体において、貫通孔が配された周囲の領域は、前記基板が前記エラストマーから露呈していることを特徴とする。
本発明の請求項4に記載の電子部品は、請求項1ないし3にいずれかに記載のコネクタを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明のコネクタによれば、エラストマーの弾性力により所定の荷重や変位特性を得ることができるため、導体にバネ性を要求する必要が無い。ゆえに、導体の許容応力を考慮することなく設計することができるため、更にファインピッチ化が可能である。また、本発明のコネクタにおいて、導体の凸部を半導体パッケージ等の接続端子に荷重を印加させて接触させた際に、該凸部と接続端子との接触位置がずれて装着される。これにより、導体と接続端子との接触部位に酸化膜や異物等が付着していた場合であっても、ワイピング効果によって新生面での接触を得ることが可能となり、接触抵抗の低減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を、図面を参照して詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0011】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に関わるコネクタ10A(10)を模式的に示した図である。図1(a)は上面図、図1(b)は、図1(a)におけるL−L断面図を模式的に示した図である。
本発明のコネクタ10Aは、基板1と基板1の両面1a、1bに配されたエラストマー2(2A,2B)とからなる基体3、基体3にあって、基板1とエラストマー2との重なり方向において所定の間隔で並んで配された複数の貫通孔4、及び基体3の一面3a側から他面3b側に渡って貫通孔4内を経由して配されたくの字状の導体5から概略構成されている。また、エラストマー2には頂面21sが傾斜を有した第一突出部21と、第一突出部21の頂面21sからドーム上に突出した第二突出部22(22A,22B)とが複数配され、導体5の両端5a,5bには、内部が中空状、かつドーム形状を有した凸部51(51A,51B)がそれぞれ形成され、凸部51が、それぞれの第二突出部22を覆うように配されている。以下、コネクタ10Aについて詳細に説明する。
【0012】
基板1は、絶縁性の平板であり、その両面1a、1bにはエラストマー2(2A,2B)が配され基体3をなしている。基板1としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等の可撓性を有するものや、ガラスエポキシ、液晶ポリマー(LCP)等が挙げられ、その厚さは例えば25μm以上2000μm以下である。
【0013】
エラストマー2(2A,2B)としては、例えば天然ゴム、ラテックス、ブチルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、パーフルオロエーテルゴム等が挙げられ、コネクタに必要とされる弾性力や特性に応じて、適宜選択して用いることができる。すなわち、エラストマー2の寸法、材料を調整することで、本発明のコネクタ10Aの荷重や変位特性の制御が可能である。エラストマー2を用いることにより、導体5にバネ性を要求する必要が無いため、導体5の許容応力の制限無くファインピッチに対応することができる。
基板1の一面1aに配されたエラストマー2Aと基板1の他面1bに配されたエラストマー2Bとは、同一の材料からなるものであってもよいし、異なる材料からなり、弾性力の異なるものであってもよい。
また、基板1の一面1aと他面1bとにおいて、貫通孔4の周囲には、このエラストマー2は配されてなく、基板1が露呈した部位1cを有している。このように、基板1が露呈した部位1cを有することで、後述するように、製造工程において、生産性の向上が図れる。
【0014】
第一突出部21は、エラストマー2と同一材料からなり、所定の間隔でエラストマー2の両面2a,2bに配され、その頂面21sは傾斜を有している。この傾斜に沿って、導体5の一端5aと他端5bが配されている。頂面21sが傾斜を有することで、基体3から第二突出部22の頂点までの高さを稼ぐことができ、導体5に荷重を加えた際に、動作可能なストローク範囲を広く設計できる。頂面21sの傾斜角、傾斜の向きは、各第一突出部21で同一であってもよいし、異なっていてもよい。また、基板1の一面1a側と他面1b側とで同一であってもよいし、異なっていてもよい。傾斜角、傾斜の向きは、本発明のコネクタ10Aと電気的に接続される導電性基板に応じて適宜調節して設けることができる。
第一突出部21のエラストマー2からの高さは、それぞれの第一突出部21で同一であってもよいし、異なっていてもよい。また、基板1の一面1a側と他面1b側とで同一であってもよいし、異なっていてもよい。本発明のコネクタ10Aと電気的に接続される導電性基板の接続端子の高さに応じて、各第一突出部21の高さを適宜調節することができる。
なお、第一突出部21の高さ、及び頂面21aの傾斜角を同一とすれば、簡便に所定の荷重や変位特性を制御することが出来る。
【0015】
第二突出部22(22A,22B)は、エラストマー2と同一の材料からなり、第一突出部21の頂面21sに配され、ドーム形状を有している。この第二突出部22の表面を覆うように、導体5の両端5a,5bに配された中空状かつドーム形状の凸部51(51A,51B)が配される。第二突出部22の表面は、導体5の凸部51と勘合する形状となっている。第二突出部22の大きさは、導体5のピッチに応じて適宜調節することができる。
なお、第二突出部22の形状としては、円柱、三角柱や四角柱などの多角柱、円錐、三角錐や四角錐などの多角錐とすることもできる。
【0016】
第一突出部21及び第二突出部22は、基板1を対称の軸として、基板1の一面1a側と他面1b側とで、対称に配されていることが好ましい。基板1に対して対称に配されることで、本発明のコネクタ10Aが他の導電性基板等と十分な接触圧で電気的に接続された際に、該接触圧は基板1の一面1a側と他面1b側とからの同一部位に加わる。そのため、接触させたことで生じる応力によって、基板1に生じる歪みを極力抑制することができる。
【0017】
貫通孔4は、基体3の厚さ方向(基板1とエラストマー2との重なり方向)に所定の間隔で複数設けられ、その大きさ及び形状は導体5が挿入可能であれば特に限定されるものではない。ここで所定の間隔とは、例えば0.3mm以上2.5mm以下である。
【0018】
導体5は、貫通孔4を通して基体3の一面3a側と他面3b側とに渡って配され、基体3の一面3a側に配された導電性基板と基体3の他面3b側に配された導電性基板との電気的導通を図るものである。この導体5は、図2に示すように、導体5の中央部が角度θ1で折れ曲がったくの字状の形状で、その両端5a,5bには、内部が中空状、かつドーム形状を有した凸部51(51A,51B)がそれぞれ形成されている。なお、図2(a)は、導体5の側面図、上面図、及び背面図であり、図5(b)は、横断面図である。
導体5を形成する材質としては、例えば銅や銅を含んだ合金等が挙げられる。その厚さは、半導体回路などに荷重を加えて実装した際に変形しない程度であればよく、例えば10μm以上100μm以下である。また、導体5の幅は、コネクタに要求される導電性等に応じて適宜調節されるが、例えば100μm以上1000μm以下である。導体5として金属を用いることで、導電性基板の接続端子と電気的に接続させる際にメッキ処理が可能であるため、接触抵抗の低減を図ることができる。特に、接続端子と同じ種類の金属を用いてメッキ処理することで、より接触抵抗の低減を図ることができる。
本発明の構造において、導体5として例えば銅を用いた場合では、厚さが20μm以上であれば荷重を50gfかけてもゴムの弾性(エラストマー2、第一突出部21及び第二突出部22の弾性)により変形はしない設計が可能である。
例えば、コネクタ10として1mmピッチの接点を形成する場合は、導体5の幅は0.5mm、凸部51のドーム半径は0.25mmで設計可能となる。同じ導体の厚さにおいて、ドーム径がより小さい場合の強度はより高くなる傾向にあるため、更にファインピッチ化する場合はより薄い金属厚でもよい。本発明によれば、0.3mmピッチ〜1.0mmピッチを実現することができる。
【0019】
本発明のコネクタ10Aによれば、導体5自体に許容応力の制限がなく、塑性変形する程度の厚さ、幅であっても、エラストマー2や第一突出部21、第二突出部22の弾性力により所定の荷重や変位特性を得ることができ、例えば0.3mmピッチ〜1.0mmピッチといったファインピッチ化が可能である。また、エラストマー2や第一突出部21、第二突出部22の寸法、材質の選定により、コネクタ10Aの荷重や変位特性の制御が可能となる。さらに、導体5が金属製のことから、めっき処理による低接触抵抗化が可能となる。また、基板1と、エラストマー2と導体5とからなるので、部品点数が少なく小型化が図れると共に簡便に得ることができ、コストの削減や歩止りの向上を図ることができる。
【0020】
<製造方法>
図3から図4は、本発明のコネクタ10Aの製造方法の一例を模式的に示した断面工程図である。
まず、図3(a)に示すように、基板1の所定の位置に、機械加工やレーザによる穿孔加工によって貫通孔4を複数形成する。
【0021】
次に、図3(b)及び図3(c)に示すように、基板1を金型31に装着し、エラストマー2、第一突出部21及び第二突出部22の弾性材料を注入やインジェクションなどにより金型31のキャビティ32内に詰め込み、架橋温度まで加熱して成形する。金型31としては特に限定される物ではなく、従来公知の物を用いることができる。
金型31を用いた注入やインジェクションによりエラストマー2、第一突出部21及び第二突出部22を基板1上に配するため、エラストマー2、複数の第一突出部21及び第二突出部22は基板1の両面1a,1bに一括で形成することができ、作業性及び歩止りの向上を図ることができる。またエラストマー2は、貫通孔4の周辺部1cを除いた基板1の一面1a全域に配されることで、各第一突出部21が基板1上で独立することがない。そのため、エラストマー2成形時に材料を入れ込む注入口(不図示)を金型31の自由な場所に設けることができる。
【0022】
次に、図3(d)に示すように、金型31を取り外し、図3(e)に示すように、貫通孔4内にバリ23が生じた場合は、押し子41などでエラストマー2のバリ取りを行う。この際、図3(b)〜図3(c)に示すように、金型31のパーティングライン33が基板1の厚さ部分にくるように設定しておくことが好ましい。図3に示すようにバリ23が生じた場合であっても、バリ23は基板1上に形成されたエラストマー2とは接合しておらず、基板1の貫通孔4の内壁面4aとのみ接触しているため、容易にバリ23のみを除去することができる。
【0023】
次に、図4(a)〜図4(b)に示すように、図3(d)で作製された基体3の貫通孔4に、導体5を挿入する。
【0024】
導体5の製造に関しては、金属板を連送型にてプレス成形することで、図5に示すようなフープ状に成形可能である。フープ50と導体5との切れ目にはV溝加工βを施しておけば、意図した工程でフープ50から各導体5を簡便に切り離すことが可能である。
また、導電性基板の接続端子などとの接触部(凸部51A,51Bに相当する。)は、Ni下地で表面にAuめっきを施すのが通常であるが、図5に示すように、この様な形状でフープ状にした場合、接触に使用する凸部51A,51B及び導体5の両端5a,5bのみめっき浴55に浸すことが可能となる。そのため、導体5の不要な部分をめっきすることが無く、安価にNiめっきやAuめっきが可能となる。
このように作製された導体5に関して、くの字の角度θ2は、貫通孔4に挿入し、エラストマー2の第一突出部21及び第二突出部22に装着しやすいように、くの字の角度を最終形状の角度θ1より充分に広げた形状としておくことが好ましい。
【0025】
次に、図4(c)に示すように、導体5の両端5a,5bにそれぞれ配されたドーム状の凸部51A,51Bの内側をそれぞれ第二突出部22A,22Bに勘合させるように、導体5の角度θ2を小さくし折り曲げ加工を行う。
【0026】
以上で、図4(d)に示すように、本発明の第1実施形態に係るコネクタ10Aが得られる。
本発明のコネクタ10Aの製造方法によれば、第一突出部21及び第二突出部22はそれぞれ独立することなくエラストマー2と接続されているため、一括形成が可能である。ゆえに、1の工程で基板1上にエラストマー2と第一突出部21と第二突出部とを形成できるため、製造工程の簡略化が図れる。また、基体3への導体5の組み込みを容易に行える。
【0027】
<電子部品>
図6は、本実施形態のコネクタ10Aを用いて、例えば半導体パッケージ60と回路基板70との電気的接続を行った電子部品80の模式図である。図6(a)は導体5を半導体パッケージ60に配された接続端子61と回路基板70に配された接続端子71とを接触させた状態、図6(b)は、図6(a)の状態から加重印加後の状態を模式的に示した断面図である。
なお、図中一点破線は、導体5の凸部51と接続端子61,71との接点部分を通過している線である。
【0028】
半導体パッケージ60、および回路基板70に関しては、特に限定されるものではなく、公知のものを用いることができる。
【0029】
本実施形態のコネクタ10Aを用いて半導体パッケージ60と回路基板70とを電気的に接続することで、エラストマー2が弾性変形し、導体5の角度θ2が更に小さな角度であるθ3となる。この際、弾性変形で生じた応力により、コネクタ10Aと半導体パッケージと60と回路基板70とは適切な接触圧力で実装することが可能となる。さらに、図6に示すように加重負荷時に導体5と接続端子61との接点が移動する。そのため、接続端子61,71や導体5の接触面に異物や酸化膜等が付着していた場合であっても、半導体パッケージ60の接続端子61と回路基板70の接続端子71の両方の接触部位で、ワイピング効果により新生面で接触を得ることができ、導通抵抗の低減を図ることができる。
【0030】
<第2実施形態>
図7は、本発明の第2実施形態に係るコネクタ10Bを模式的に示した図である。
図7(a)は上面図、図7(b)は、図7(a)におけるL−L断面図である。第1実施形態と同一なものには同一な符号を付し、説明を省略することがある。
本実施形態のコネクタ10Bが第1実施形態のコネクタ10Aと異なる点は、第一突出部21A及び第二突出部22Aを備えたエラストマー2が基板1の一面1aにのみ配されている点である。このように本発明においては、適用する電子部品等に応じて基板1の一面1aにのみエラストマー2と第一突出部21と第二突出部22とを配してもよい。この際、図8に示すように、導体5の他端5bには半田バンプαを配し、この半田バンプαを介して導体5は他の導電性基板等と電気的に接続される。
【0031】
本実施形態のコネクタ10Bによれば、基板1の一面1a側において他の導電性基板と接触された際に、ストローク量の調節を行うことができ、適切な接触圧で実装することが可能である。また、第1実施形態のコネクタ10Aよりも小型化を図ることができる。
【0032】
<製造方法>
図9〜図10は、本実施形態に係るコネクタ10Bの製造方法の一例を模式的に示した断面工程図である。
まず、図9(a)に示すように、第1実施形態のコネクタ10Aと同様に、基板1に所定の間隔で貫通孔4を形成する。
【0033】
次に、図9(b)及び図9(c)に示すように、基板1を金型31に装着し、エラストマー2の材料を注入やインジェクションなどにより金型31のキャビティ32内に詰め込み、架橋温度まで加熱して成形する。金型31としては特に限定される物ではなく、従来公知の物を用いることができる。
金型31を用いた注入やインジェクションによりエラストマー2を基板1の一面1aに配するため、エラストマー2に形成された複数の第一突出部21及び第二突出部22は、基板1の一面1aに一括で形成することができ、作業性及び歩止りの向上を図ることができる。またエラストマー2は、貫通孔4周辺部1cを除いた基板1の一面1aの全域に配することで、各の第一突出部21が基板1上で独立することがない。そのため、エラストマー2成形時に材料を入れ込む注入口(不図示)を金型31の自由な場所に設けることができる。
【0034】
次に、図9(d)に示すように、金型31を取り外し、図9(e)に示すように、貫通孔4内にバリ23が生じた場合は、押し子41などでエラストマー2のバリ取りを行う。この際、金型31のパーティングライン33が基板1の厚さ部分にくるように設定しておくことが好ましい。図9(d)〜図9(e)に示すようにバリ23が生じた場合であっても、バリ23は基板1上のエラストマー2とは接合しておらず、基板1に形成された貫通孔4の内壁面4aと接触しているため、容易に除去することができる。
【0035】
次に、図10(a)〜図10(b)に示すように、図9(d)で作製された基体3の貫通孔4に、導体5を挿入する。
【0036】
導体5の製造に関しては、金属板を連送型にてプレス成形することで、図11に示すようなフープ状に成形可能である。フープ50と導体5との切れ目にはV溝加工βを施しておけば、意図した工程でフープ50から導体5を切り離すことが可能である。また、導電性基板などとの接触部は、Ni下地で表面にAuめっきを施すのが通常であるが、図12に示すように、この様な形状でフープ状にした場合、接触に使用するドーム状の凸部51Aと導体5の他端5bにのみめっき浴に浸すことが可能となる。そのため、不要な部分をめっきすることが無く、安価にNiめっきやAuめっきが可能となる。
このように作製された導体5に関して、くの字の角度θ1は、貫通孔4に挿入し、エラストマー2の第二突出部22に凸部51を装着しやすいように、くの字の角度θ2を最終形状の角度θ1より充分に広げた形状にしておくことが好ましい。
【0037】
次に、図10(c)に示すように、第一突出部21に、導体5の一端5aに配されたドーム状の凸部51の内側が勘合するように導体5の角度θ2を小さくし、折り曲げ加工を行う。
【0038】
以上で、図10(d)に示すように、本発明の第2実施形態に係るコネクタ10Bが得られる。
本実施形態のコネクタ10Bの製造方法によれば、エラストマー2の第一突出部21及び第二突出部22は基板1の一面1aに一括形成が可能であるため、製造工程の簡略化が図れる。また、基体3への導体5の組み込みを容易に行える。
【0039】
<電子部品>
図12は、本実施形態のコネクタ10Bを用いて、例えば半導体パッケージ60と回路基板70との電気的接続を行った電子部品90の一例を模式的に示した図である。図13(a)は導体5と、半導体パッケージ60に配された接続端子61と、回路基板70に配された接続端子71とを接触させた状態、図12(b)は、図12(a)の状態から加重印加後の状態を模式的に示した断面図である。コネクタ10Bと回路基板70とは、導体5の他端5bに配された半田バンプαを介して、導体5と回路基板70に配された接続端子71とが電気的に接続されている。なお、コネクタ10Bは、半田バンプαのリフローにより回路基板70と実装後、加重印加により半導体パッケージ60と電気的に接続される。
加重を印加することで、エラストマー2が弾性変形し、導体5の角度θ2が更に小さな角度であるθ3となっている。この際、弾性変形で生じた応力により、コネクタ10Aと半導体パッケージとは適切な接触圧力で実装することが可能となる。また、図中一点破線は、導体5の凸部51と接続端子61との接点部分を示しているが、荷重を印加することで接点部分が移動している。のため、接続端子61や導体5の接触面に異物や酸化膜等が付着していた場合であっても、半導体パッケージ60の接続端子61との接触部位で、ワイピング効果により新生面で接触を得ることができ、導通抵抗の低減を図ることができる。また、エラストマー2、第一突出部21及び第二突出部22は、基板1の一面1aにしか配されていないため、第1実施形態のコネクタ10Aを用いた電子部品80よりも、第2実施形態のコネクタ10Bも用いた電子部品90では、小型化を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
CPUやLSI等のICパッケージをプリント基板に実装する際に使用するICソケットに適用することができ、ファインピッチ化及び接触抵抗の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の第1実施形態に係るコネクタの一例を模式的に示した図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るコネクタに用いた導体を模式的に示した図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係るコネクタにおいて、第一製造工程を模式的に示した断面工程図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係るコネクタにおいて、第二製造工程を模式的に示した断面工程図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係るコネクタにおいて、導体の製造方法を模式的に示した図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係るコネクタを用いた電子部品を模式的に示した断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係るコネクタの一例を模式的に示した図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係るコネクタに用いた導体を模式的に示した図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係るコネクタにおいて、第一製造工程の一例を模式的に示した断面工程図である。
【図10】本発明の第2実施形態に係るコネクタにおいて、第二製造工程を模式的に示した断面工程図である。
【図11】本発明の第2実施形態に係るコネクタにおいて、導体の製造方法を模式的に示した図である。
【図12】本発明の第2実施形態に係るコネクタを用いた電子部品を模式的に示した断面図である。
【符号の説明】
【0042】
1 基板、2(2A,2B) エラストマー、3 基体、4 貫通孔、5 導体、10(10A,10B) コネクタ、21 第一突出部、21a 第一突出部の頂面、22 第二突出部、23 バリ、31 金型、32 キャビティ、33 パーティングライン、41 押し子、50 フープ、60 半導体パッケージ、61 接続端子、70 回路基板、71 接続端子、80,90 電子部品、α 半田バンプ。
【技術分野】
【0001】
本発明はコネクタに係り、より詳しくは、簡便な構造でファインピッチ化及び低接触抵抗化を図ることが可能なコネクタ及び該コネクタを備えた電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、CPUやLSI等のICパッケージを、ソケットを介してプリント基板に実装する技術が検討されており、パーソナルコンピューターやサーバのマザーボードの多くには、LGAパッケージやBGAパッケージ等のCPUを装着するためのソケットが実装されている。CPUは、その機能、性能の向上のため、年々多ピン化、高速化が進んでおり、パッケージのサイズアップやファインピッチ化によって対応がなされている。これに伴い、ソケットも多ピン化の対応が必要になると共に、パッケージのサイズアップに伴うたわみ量増大への対応や、パッケージの接触ランドやボールの高さのばらつきへの対応が必要になる。そのため、ソケットコンタクトの小型化が重要であり、ICのピンとソケットとのコンタクトの適切な接圧での接触を確保できることが望まれる。更に高速化においては、コンタクトが低インダクタンスであることが重要であり、高速化による消費電流増大に対応して接触抵抗が小さく、許容電流も高いことが求められる。
【0003】
現在のLGAパッケージ用ソケットの主流は約1mmピッチの400〜800ピンのものであり、例えば特許文献1や特許文献2に記載されているように、金属板を複雑に折り曲げて所定のコンタクト形状を作り、ソケットハウジングにコンタクトを挿入して製造する構造が用いられている。
これらの方法は、金属コンタクトを板バネとして機能させることで、所定のストロークにて適切な荷重を発生させ、安定した接触抵抗を得る方式である。また、所定の接触圧を得る過程で、荷重を高めていくと接点位置が移動し、表面の異物を除去できるワイピング効果が期待できる。
【0004】
しかしながら、これらの方法でのファインピッチ化は困難であった。ファインピッチ化を図ろうとすると、コンタクト端子の片持ちバネ部分のバネ長を短くする必要があるが、バネ長を短くすると、同じ材料で同じ形状の片持ちバネの場合、所定のストロークを得るための荷重が高くなってしまう。そのため、これを適切な荷重にしようと片持ちバネの線径を細くすると、必要とされる許容応力が小さくなってしまい、本来弾性変形領域で動作させたいにもかかわらず、塑性変形してしまい、所定の荷重に耐えられなくなってしまう。これは、許容応力はバネの線径に比例するのに対し、荷重を決定する要因であるばね定数は、片持ちバネの線径の4乗に比例するためである。
【0005】
このことを考慮し、片持ちバネによる荷重で所定の接触圧を得る方法ではなく、コンタクト部分の金属は塑性変形する領域で設計し、反発力をゴムやエラストマーで補う技術が考案されている。例えば特許文献3には、コンタクト部分の機能をフレキシブルプリント基板で実現しており、2枚のフレキシブルプリント基板の間にエラストマーを挟み、別途設けた金属ピンでフレキシブルプリント基板同士を半田付けにて接合し、上下の層間導通を得る構造が開示されている。
この技術では、フレキシブルプリント基板の接点部分に金属ドームを形成してあり、この金属ドームが相対する接点と接触する。また、所定の接触圧を得る過程で荷重を高めていくと接点位置が移動し、表面の異物を除去するワイピング効果が期待できる。
また、特許文献4では、予め金型にて所定のドーム形状と貫通穴を形成したエラストマー上に金属めっきを施し、フォトリソ工程にてスルーホールとドーム上の接点回路を結ぶように回路形成する方法が開示されている。
【0006】
しかしながら、特許文献3に開示されたように、フレキシブルプリント基板をエラストマーで挟む方法は、必要なパターンに回路形成を施したフレキシブルプリント基板を2枚作製する工程が必要であり、更にそれらを接続する層間導通を得るための金属コンタクトが必要となるため部品点数が多く、小型化を図ることが困難となる。また、フレキシブルプリント基板と金属ピンとを接続する工程が必要なため、製造方法が複雑となる問題がある。また、特許文献4に開示されたように、エラストマー上にめっきを施す技術は開発要素がまだ多くあり、一般的に量産技術が確立されていない問題がある。更に、特許文献4ではドーム部分が潰れることで接触圧を得るため、接触位置が変化せずワイピング効果が期待できない問題もある。
【特許文献1】特開2004−158430号公報
【特許文献2】特開2005−019284号公報
【特許文献3】特開2004−071347号公報
【特許文献4】特開2001−332321号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、ファインピッチ化及び接触抵抗の低減を簡便な構造で図ることができるコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1に記載のコネクタは、基板と該基板の両面に配されたエラストマーとからなる基体、前記基体にあって、前記基板と前記エラストマーとの重なり方向において所定の間隔で並んで配された複数の貫通孔、及び前記基体の一面側から他面側に渡って前記貫通孔内を経由して配されたくの字状の導体、から少なくともなり、前記エラストマーには頂面が傾斜を有した第一突出部と、前記第一突出部の頂面からドーム上に突出した第二突出部とが複数配され、前記導体の両端には、内部が中空状、かつドーム形状を有した凸部がそれぞれ形成され、該凸部が、それぞれの前記第二突出部を覆うように配されていることを特徴とする。
本発明の請求項2に記載のコネクタは、請求項1において、前記基板を対称の軸として、前記第一突出部と前記第二突出部とが対称に配されていることを特徴とする。
本発明の請求項3に記載のコネクタは、請求項1または2において、前記基体において、貫通孔が配された周囲の領域は、前記基板が前記エラストマーから露呈していることを特徴とする。
本発明の請求項4に記載の電子部品は、請求項1ないし3にいずれかに記載のコネクタを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明のコネクタによれば、エラストマーの弾性力により所定の荷重や変位特性を得ることができるため、導体にバネ性を要求する必要が無い。ゆえに、導体の許容応力を考慮することなく設計することができるため、更にファインピッチ化が可能である。また、本発明のコネクタにおいて、導体の凸部を半導体パッケージ等の接続端子に荷重を印加させて接触させた際に、該凸部と接続端子との接触位置がずれて装着される。これにより、導体と接続端子との接触部位に酸化膜や異物等が付着していた場合であっても、ワイピング効果によって新生面での接触を得ることが可能となり、接触抵抗の低減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を、図面を参照して詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0011】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に関わるコネクタ10A(10)を模式的に示した図である。図1(a)は上面図、図1(b)は、図1(a)におけるL−L断面図を模式的に示した図である。
本発明のコネクタ10Aは、基板1と基板1の両面1a、1bに配されたエラストマー2(2A,2B)とからなる基体3、基体3にあって、基板1とエラストマー2との重なり方向において所定の間隔で並んで配された複数の貫通孔4、及び基体3の一面3a側から他面3b側に渡って貫通孔4内を経由して配されたくの字状の導体5から概略構成されている。また、エラストマー2には頂面21sが傾斜を有した第一突出部21と、第一突出部21の頂面21sからドーム上に突出した第二突出部22(22A,22B)とが複数配され、導体5の両端5a,5bには、内部が中空状、かつドーム形状を有した凸部51(51A,51B)がそれぞれ形成され、凸部51が、それぞれの第二突出部22を覆うように配されている。以下、コネクタ10Aについて詳細に説明する。
【0012】
基板1は、絶縁性の平板であり、その両面1a、1bにはエラストマー2(2A,2B)が配され基体3をなしている。基板1としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等の可撓性を有するものや、ガラスエポキシ、液晶ポリマー(LCP)等が挙げられ、その厚さは例えば25μm以上2000μm以下である。
【0013】
エラストマー2(2A,2B)としては、例えば天然ゴム、ラテックス、ブチルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、パーフルオロエーテルゴム等が挙げられ、コネクタに必要とされる弾性力や特性に応じて、適宜選択して用いることができる。すなわち、エラストマー2の寸法、材料を調整することで、本発明のコネクタ10Aの荷重や変位特性の制御が可能である。エラストマー2を用いることにより、導体5にバネ性を要求する必要が無いため、導体5の許容応力の制限無くファインピッチに対応することができる。
基板1の一面1aに配されたエラストマー2Aと基板1の他面1bに配されたエラストマー2Bとは、同一の材料からなるものであってもよいし、異なる材料からなり、弾性力の異なるものであってもよい。
また、基板1の一面1aと他面1bとにおいて、貫通孔4の周囲には、このエラストマー2は配されてなく、基板1が露呈した部位1cを有している。このように、基板1が露呈した部位1cを有することで、後述するように、製造工程において、生産性の向上が図れる。
【0014】
第一突出部21は、エラストマー2と同一材料からなり、所定の間隔でエラストマー2の両面2a,2bに配され、その頂面21sは傾斜を有している。この傾斜に沿って、導体5の一端5aと他端5bが配されている。頂面21sが傾斜を有することで、基体3から第二突出部22の頂点までの高さを稼ぐことができ、導体5に荷重を加えた際に、動作可能なストローク範囲を広く設計できる。頂面21sの傾斜角、傾斜の向きは、各第一突出部21で同一であってもよいし、異なっていてもよい。また、基板1の一面1a側と他面1b側とで同一であってもよいし、異なっていてもよい。傾斜角、傾斜の向きは、本発明のコネクタ10Aと電気的に接続される導電性基板に応じて適宜調節して設けることができる。
第一突出部21のエラストマー2からの高さは、それぞれの第一突出部21で同一であってもよいし、異なっていてもよい。また、基板1の一面1a側と他面1b側とで同一であってもよいし、異なっていてもよい。本発明のコネクタ10Aと電気的に接続される導電性基板の接続端子の高さに応じて、各第一突出部21の高さを適宜調節することができる。
なお、第一突出部21の高さ、及び頂面21aの傾斜角を同一とすれば、簡便に所定の荷重や変位特性を制御することが出来る。
【0015】
第二突出部22(22A,22B)は、エラストマー2と同一の材料からなり、第一突出部21の頂面21sに配され、ドーム形状を有している。この第二突出部22の表面を覆うように、導体5の両端5a,5bに配された中空状かつドーム形状の凸部51(51A,51B)が配される。第二突出部22の表面は、導体5の凸部51と勘合する形状となっている。第二突出部22の大きさは、導体5のピッチに応じて適宜調節することができる。
なお、第二突出部22の形状としては、円柱、三角柱や四角柱などの多角柱、円錐、三角錐や四角錐などの多角錐とすることもできる。
【0016】
第一突出部21及び第二突出部22は、基板1を対称の軸として、基板1の一面1a側と他面1b側とで、対称に配されていることが好ましい。基板1に対して対称に配されることで、本発明のコネクタ10Aが他の導電性基板等と十分な接触圧で電気的に接続された際に、該接触圧は基板1の一面1a側と他面1b側とからの同一部位に加わる。そのため、接触させたことで生じる応力によって、基板1に生じる歪みを極力抑制することができる。
【0017】
貫通孔4は、基体3の厚さ方向(基板1とエラストマー2との重なり方向)に所定の間隔で複数設けられ、その大きさ及び形状は導体5が挿入可能であれば特に限定されるものではない。ここで所定の間隔とは、例えば0.3mm以上2.5mm以下である。
【0018】
導体5は、貫通孔4を通して基体3の一面3a側と他面3b側とに渡って配され、基体3の一面3a側に配された導電性基板と基体3の他面3b側に配された導電性基板との電気的導通を図るものである。この導体5は、図2に示すように、導体5の中央部が角度θ1で折れ曲がったくの字状の形状で、その両端5a,5bには、内部が中空状、かつドーム形状を有した凸部51(51A,51B)がそれぞれ形成されている。なお、図2(a)は、導体5の側面図、上面図、及び背面図であり、図5(b)は、横断面図である。
導体5を形成する材質としては、例えば銅や銅を含んだ合金等が挙げられる。その厚さは、半導体回路などに荷重を加えて実装した際に変形しない程度であればよく、例えば10μm以上100μm以下である。また、導体5の幅は、コネクタに要求される導電性等に応じて適宜調節されるが、例えば100μm以上1000μm以下である。導体5として金属を用いることで、導電性基板の接続端子と電気的に接続させる際にメッキ処理が可能であるため、接触抵抗の低減を図ることができる。特に、接続端子と同じ種類の金属を用いてメッキ処理することで、より接触抵抗の低減を図ることができる。
本発明の構造において、導体5として例えば銅を用いた場合では、厚さが20μm以上であれば荷重を50gfかけてもゴムの弾性(エラストマー2、第一突出部21及び第二突出部22の弾性)により変形はしない設計が可能である。
例えば、コネクタ10として1mmピッチの接点を形成する場合は、導体5の幅は0.5mm、凸部51のドーム半径は0.25mmで設計可能となる。同じ導体の厚さにおいて、ドーム径がより小さい場合の強度はより高くなる傾向にあるため、更にファインピッチ化する場合はより薄い金属厚でもよい。本発明によれば、0.3mmピッチ〜1.0mmピッチを実現することができる。
【0019】
本発明のコネクタ10Aによれば、導体5自体に許容応力の制限がなく、塑性変形する程度の厚さ、幅であっても、エラストマー2や第一突出部21、第二突出部22の弾性力により所定の荷重や変位特性を得ることができ、例えば0.3mmピッチ〜1.0mmピッチといったファインピッチ化が可能である。また、エラストマー2や第一突出部21、第二突出部22の寸法、材質の選定により、コネクタ10Aの荷重や変位特性の制御が可能となる。さらに、導体5が金属製のことから、めっき処理による低接触抵抗化が可能となる。また、基板1と、エラストマー2と導体5とからなるので、部品点数が少なく小型化が図れると共に簡便に得ることができ、コストの削減や歩止りの向上を図ることができる。
【0020】
<製造方法>
図3から図4は、本発明のコネクタ10Aの製造方法の一例を模式的に示した断面工程図である。
まず、図3(a)に示すように、基板1の所定の位置に、機械加工やレーザによる穿孔加工によって貫通孔4を複数形成する。
【0021】
次に、図3(b)及び図3(c)に示すように、基板1を金型31に装着し、エラストマー2、第一突出部21及び第二突出部22の弾性材料を注入やインジェクションなどにより金型31のキャビティ32内に詰め込み、架橋温度まで加熱して成形する。金型31としては特に限定される物ではなく、従来公知の物を用いることができる。
金型31を用いた注入やインジェクションによりエラストマー2、第一突出部21及び第二突出部22を基板1上に配するため、エラストマー2、複数の第一突出部21及び第二突出部22は基板1の両面1a,1bに一括で形成することができ、作業性及び歩止りの向上を図ることができる。またエラストマー2は、貫通孔4の周辺部1cを除いた基板1の一面1a全域に配されることで、各第一突出部21が基板1上で独立することがない。そのため、エラストマー2成形時に材料を入れ込む注入口(不図示)を金型31の自由な場所に設けることができる。
【0022】
次に、図3(d)に示すように、金型31を取り外し、図3(e)に示すように、貫通孔4内にバリ23が生じた場合は、押し子41などでエラストマー2のバリ取りを行う。この際、図3(b)〜図3(c)に示すように、金型31のパーティングライン33が基板1の厚さ部分にくるように設定しておくことが好ましい。図3に示すようにバリ23が生じた場合であっても、バリ23は基板1上に形成されたエラストマー2とは接合しておらず、基板1の貫通孔4の内壁面4aとのみ接触しているため、容易にバリ23のみを除去することができる。
【0023】
次に、図4(a)〜図4(b)に示すように、図3(d)で作製された基体3の貫通孔4に、導体5を挿入する。
【0024】
導体5の製造に関しては、金属板を連送型にてプレス成形することで、図5に示すようなフープ状に成形可能である。フープ50と導体5との切れ目にはV溝加工βを施しておけば、意図した工程でフープ50から各導体5を簡便に切り離すことが可能である。
また、導電性基板の接続端子などとの接触部(凸部51A,51Bに相当する。)は、Ni下地で表面にAuめっきを施すのが通常であるが、図5に示すように、この様な形状でフープ状にした場合、接触に使用する凸部51A,51B及び導体5の両端5a,5bのみめっき浴55に浸すことが可能となる。そのため、導体5の不要な部分をめっきすることが無く、安価にNiめっきやAuめっきが可能となる。
このように作製された導体5に関して、くの字の角度θ2は、貫通孔4に挿入し、エラストマー2の第一突出部21及び第二突出部22に装着しやすいように、くの字の角度を最終形状の角度θ1より充分に広げた形状としておくことが好ましい。
【0025】
次に、図4(c)に示すように、導体5の両端5a,5bにそれぞれ配されたドーム状の凸部51A,51Bの内側をそれぞれ第二突出部22A,22Bに勘合させるように、導体5の角度θ2を小さくし折り曲げ加工を行う。
【0026】
以上で、図4(d)に示すように、本発明の第1実施形態に係るコネクタ10Aが得られる。
本発明のコネクタ10Aの製造方法によれば、第一突出部21及び第二突出部22はそれぞれ独立することなくエラストマー2と接続されているため、一括形成が可能である。ゆえに、1の工程で基板1上にエラストマー2と第一突出部21と第二突出部とを形成できるため、製造工程の簡略化が図れる。また、基体3への導体5の組み込みを容易に行える。
【0027】
<電子部品>
図6は、本実施形態のコネクタ10Aを用いて、例えば半導体パッケージ60と回路基板70との電気的接続を行った電子部品80の模式図である。図6(a)は導体5を半導体パッケージ60に配された接続端子61と回路基板70に配された接続端子71とを接触させた状態、図6(b)は、図6(a)の状態から加重印加後の状態を模式的に示した断面図である。
なお、図中一点破線は、導体5の凸部51と接続端子61,71との接点部分を通過している線である。
【0028】
半導体パッケージ60、および回路基板70に関しては、特に限定されるものではなく、公知のものを用いることができる。
【0029】
本実施形態のコネクタ10Aを用いて半導体パッケージ60と回路基板70とを電気的に接続することで、エラストマー2が弾性変形し、導体5の角度θ2が更に小さな角度であるθ3となる。この際、弾性変形で生じた応力により、コネクタ10Aと半導体パッケージと60と回路基板70とは適切な接触圧力で実装することが可能となる。さらに、図6に示すように加重負荷時に導体5と接続端子61との接点が移動する。そのため、接続端子61,71や導体5の接触面に異物や酸化膜等が付着していた場合であっても、半導体パッケージ60の接続端子61と回路基板70の接続端子71の両方の接触部位で、ワイピング効果により新生面で接触を得ることができ、導通抵抗の低減を図ることができる。
【0030】
<第2実施形態>
図7は、本発明の第2実施形態に係るコネクタ10Bを模式的に示した図である。
図7(a)は上面図、図7(b)は、図7(a)におけるL−L断面図である。第1実施形態と同一なものには同一な符号を付し、説明を省略することがある。
本実施形態のコネクタ10Bが第1実施形態のコネクタ10Aと異なる点は、第一突出部21A及び第二突出部22Aを備えたエラストマー2が基板1の一面1aにのみ配されている点である。このように本発明においては、適用する電子部品等に応じて基板1の一面1aにのみエラストマー2と第一突出部21と第二突出部22とを配してもよい。この際、図8に示すように、導体5の他端5bには半田バンプαを配し、この半田バンプαを介して導体5は他の導電性基板等と電気的に接続される。
【0031】
本実施形態のコネクタ10Bによれば、基板1の一面1a側において他の導電性基板と接触された際に、ストローク量の調節を行うことができ、適切な接触圧で実装することが可能である。また、第1実施形態のコネクタ10Aよりも小型化を図ることができる。
【0032】
<製造方法>
図9〜図10は、本実施形態に係るコネクタ10Bの製造方法の一例を模式的に示した断面工程図である。
まず、図9(a)に示すように、第1実施形態のコネクタ10Aと同様に、基板1に所定の間隔で貫通孔4を形成する。
【0033】
次に、図9(b)及び図9(c)に示すように、基板1を金型31に装着し、エラストマー2の材料を注入やインジェクションなどにより金型31のキャビティ32内に詰め込み、架橋温度まで加熱して成形する。金型31としては特に限定される物ではなく、従来公知の物を用いることができる。
金型31を用いた注入やインジェクションによりエラストマー2を基板1の一面1aに配するため、エラストマー2に形成された複数の第一突出部21及び第二突出部22は、基板1の一面1aに一括で形成することができ、作業性及び歩止りの向上を図ることができる。またエラストマー2は、貫通孔4周辺部1cを除いた基板1の一面1aの全域に配することで、各の第一突出部21が基板1上で独立することがない。そのため、エラストマー2成形時に材料を入れ込む注入口(不図示)を金型31の自由な場所に設けることができる。
【0034】
次に、図9(d)に示すように、金型31を取り外し、図9(e)に示すように、貫通孔4内にバリ23が生じた場合は、押し子41などでエラストマー2のバリ取りを行う。この際、金型31のパーティングライン33が基板1の厚さ部分にくるように設定しておくことが好ましい。図9(d)〜図9(e)に示すようにバリ23が生じた場合であっても、バリ23は基板1上のエラストマー2とは接合しておらず、基板1に形成された貫通孔4の内壁面4aと接触しているため、容易に除去することができる。
【0035】
次に、図10(a)〜図10(b)に示すように、図9(d)で作製された基体3の貫通孔4に、導体5を挿入する。
【0036】
導体5の製造に関しては、金属板を連送型にてプレス成形することで、図11に示すようなフープ状に成形可能である。フープ50と導体5との切れ目にはV溝加工βを施しておけば、意図した工程でフープ50から導体5を切り離すことが可能である。また、導電性基板などとの接触部は、Ni下地で表面にAuめっきを施すのが通常であるが、図12に示すように、この様な形状でフープ状にした場合、接触に使用するドーム状の凸部51Aと導体5の他端5bにのみめっき浴に浸すことが可能となる。そのため、不要な部分をめっきすることが無く、安価にNiめっきやAuめっきが可能となる。
このように作製された導体5に関して、くの字の角度θ1は、貫通孔4に挿入し、エラストマー2の第二突出部22に凸部51を装着しやすいように、くの字の角度θ2を最終形状の角度θ1より充分に広げた形状にしておくことが好ましい。
【0037】
次に、図10(c)に示すように、第一突出部21に、導体5の一端5aに配されたドーム状の凸部51の内側が勘合するように導体5の角度θ2を小さくし、折り曲げ加工を行う。
【0038】
以上で、図10(d)に示すように、本発明の第2実施形態に係るコネクタ10Bが得られる。
本実施形態のコネクタ10Bの製造方法によれば、エラストマー2の第一突出部21及び第二突出部22は基板1の一面1aに一括形成が可能であるため、製造工程の簡略化が図れる。また、基体3への導体5の組み込みを容易に行える。
【0039】
<電子部品>
図12は、本実施形態のコネクタ10Bを用いて、例えば半導体パッケージ60と回路基板70との電気的接続を行った電子部品90の一例を模式的に示した図である。図13(a)は導体5と、半導体パッケージ60に配された接続端子61と、回路基板70に配された接続端子71とを接触させた状態、図12(b)は、図12(a)の状態から加重印加後の状態を模式的に示した断面図である。コネクタ10Bと回路基板70とは、導体5の他端5bに配された半田バンプαを介して、導体5と回路基板70に配された接続端子71とが電気的に接続されている。なお、コネクタ10Bは、半田バンプαのリフローにより回路基板70と実装後、加重印加により半導体パッケージ60と電気的に接続される。
加重を印加することで、エラストマー2が弾性変形し、導体5の角度θ2が更に小さな角度であるθ3となっている。この際、弾性変形で生じた応力により、コネクタ10Aと半導体パッケージとは適切な接触圧力で実装することが可能となる。また、図中一点破線は、導体5の凸部51と接続端子61との接点部分を示しているが、荷重を印加することで接点部分が移動している。のため、接続端子61や導体5の接触面に異物や酸化膜等が付着していた場合であっても、半導体パッケージ60の接続端子61との接触部位で、ワイピング効果により新生面で接触を得ることができ、導通抵抗の低減を図ることができる。また、エラストマー2、第一突出部21及び第二突出部22は、基板1の一面1aにしか配されていないため、第1実施形態のコネクタ10Aを用いた電子部品80よりも、第2実施形態のコネクタ10Bも用いた電子部品90では、小型化を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
CPUやLSI等のICパッケージをプリント基板に実装する際に使用するICソケットに適用することができ、ファインピッチ化及び接触抵抗の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の第1実施形態に係るコネクタの一例を模式的に示した図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るコネクタに用いた導体を模式的に示した図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係るコネクタにおいて、第一製造工程を模式的に示した断面工程図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係るコネクタにおいて、第二製造工程を模式的に示した断面工程図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係るコネクタにおいて、導体の製造方法を模式的に示した図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係るコネクタを用いた電子部品を模式的に示した断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係るコネクタの一例を模式的に示した図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係るコネクタに用いた導体を模式的に示した図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係るコネクタにおいて、第一製造工程の一例を模式的に示した断面工程図である。
【図10】本発明の第2実施形態に係るコネクタにおいて、第二製造工程を模式的に示した断面工程図である。
【図11】本発明の第2実施形態に係るコネクタにおいて、導体の製造方法を模式的に示した図である。
【図12】本発明の第2実施形態に係るコネクタを用いた電子部品を模式的に示した断面図である。
【符号の説明】
【0042】
1 基板、2(2A,2B) エラストマー、3 基体、4 貫通孔、5 導体、10(10A,10B) コネクタ、21 第一突出部、21a 第一突出部の頂面、22 第二突出部、23 バリ、31 金型、32 キャビティ、33 パーティングライン、41 押し子、50 フープ、60 半導体パッケージ、61 接続端子、70 回路基板、71 接続端子、80,90 電子部品、α 半田バンプ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と該基板の両面に配されたエラストマーとからなる基体、
前記基体にあって、前記基板と前記エラストマーとの重なり方向において所定の間隔で並んで配された複数の貫通孔、
及び前記基体の一面側から他面側に渡って前記貫通孔内を経由して配されたくの字状の導体、から少なくともなり、
前記エラストマーには頂面が傾斜を有した第一突出部と、前記第一突出部の頂面からドーム上に突出した第二突出部とが複数配され、前記導体の両端には、内部が中空状、かつドーム形状を有した凸部がそれぞれ形成され、該凸部が、それぞれの前記第二突出部を覆うように配されていることを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記基板を対称の軸として、前記第一突出部と前記第二突出部とが対称に配されていることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記基体において、貫通孔が配された周囲の領域は、前記基板が前記エラストマーから露呈していることを特徴とする請求項1または2に記載のコネクタ。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載のコネクタを備えたことを特徴とする電子部品。
【請求項1】
基板と該基板の両面に配されたエラストマーとからなる基体、
前記基体にあって、前記基板と前記エラストマーとの重なり方向において所定の間隔で並んで配された複数の貫通孔、
及び前記基体の一面側から他面側に渡って前記貫通孔内を経由して配されたくの字状の導体、から少なくともなり、
前記エラストマーには頂面が傾斜を有した第一突出部と、前記第一突出部の頂面からドーム上に突出した第二突出部とが複数配され、前記導体の両端には、内部が中空状、かつドーム形状を有した凸部がそれぞれ形成され、該凸部が、それぞれの前記第二突出部を覆うように配されていることを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記基板を対称の軸として、前記第一突出部と前記第二突出部とが対称に配されていることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記基体において、貫通孔が配された周囲の領域は、前記基板が前記エラストマーから露呈していることを特徴とする請求項1または2に記載のコネクタ。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載のコネクタを備えたことを特徴とする電子部品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−40253(P2010−40253A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−199654(P2008−199654)
【出願日】平成20年8月1日(2008.8.1)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月1日(2008.8.1)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】
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