説明

コンクリート構造物の歪み検出装置

【目的】いわゆる金属を使用しない腐食に強い起歪体を形成し、もって外装材により起歪体を保護する必要がなく、コンクリートに起歪体を直接接触させられ、かつコンクリートのひずみを起歪体周囲の付着力により直接起歪体に伝達できるため、計測値につきばらつきのない高品質で破損や故障の少ない長期間の計測が可能なひずみ検出装置を提供し、さらに、長大構造物に対しても劣化の可能性が少なく、かつ精度よくコンクリート構造物の内部温度が計測できる内部温度検出装置をすることを目的とする
【構成】FBGセンサが設けられた光ファイバを、光ファイバと略同等の線膨張係数、弾性係数を有するガラス繊維部材で被覆して起歪体を形成し、起歪体をあらかじめ内部設置した状態で、コンクリートを打設して構造物を構築し、コンクリート構造物の構築後生ずる歪みを検出可能とした、ことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に、コンクリート構造物を構築する前に内部に設置し、構築後におけるコンクリート構造物内部の歪みや内部温度を検出するコンクリート構造物の歪み検出装置に関するものである。

【背景技術】
【0002】
従来より、いわゆる埋設型ひずみ計としては各種の装置が提案されている。すなわち、コンクリート打設前の内部空間に前記埋設型ひずみ計をあらかじめ設置し、コンクリート打設後に硬化したコンクリートのひずみの変化量を計測する装置である。
【0003】
しかして、前記従来の埋設型ひずみ計は、ひずみゲージを接着した例えば合金製の棒状起歪体を内蔵し、ひずみ計周辺のコンクリートのひずみの変化により生じる起歪体の変形を、起歪体に接着したひずみゲージの電気的抵抗値の変化として検知するものなどがある。
そして、主に、トンネルの計測Bや近接施工時の既設構造物計測など、比較的短期間で変状が収束する場合の計測に用いられている。
【0004】
ここで、前記トンネルの計測とは、一般的に、トンネル構造物の安定性と安全性を確認するとともに、設計・施工の妥当性を評価するため、トンネル掘削に伴う周辺地山の挙動、支保部材の効果、周辺構造物への影響等を把握するために行うものである。
【0005】
そして、トンネルの施工中に行う計測は計測Aと計測Bの2種類がある。計測Aとは、日常の施工管理のために実施するものであり、以下の計測がある。すなわち、観察調査、天端沈下測定、内空変位測定、地表沈下測定などである。
次に、計測Bとは、地山条件や立地条件に応じて計測Aに追加実施するもので以下の計測がある。地山試料試験、坑内地中変位測定、ロックボルト軸力測定、吹付けコンクリート応力測定、鋼製支保工応力測定、覆工応力測定、盤ぶくれ測定、AE測定などである。
【0006】
次に、埋設型温度計は、コンクリート構造物内部の温度を計測する装置であり、従来は、白金抵抗体を用いた測温抵抗体、2種類の金属の起電力の差を利用した熱電対などがある。また水分等の接触による使用中の劣化を軽減するために前述のセンサを筐体で保護した構造の温度計が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−298568号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前記従来のひずみ計は、起歪体及びひずみゲージが共に金属製で形成されており、腐食しやすいため、建設構造物の維持管理のための長期間の計測に適さないものであった。
【0009】
そして、腐食しやすさを緩和するため、起歪体及びひずみゲージがコンクリートと直接接触することがないよう、一般にパイプ状の外装材などを起歪体の周囲に取り付ける必要があった。
このように、外装材を使用することにより起歪体の側面はコンクリートと接触しないこととなる。従って、付着力による変形が発生しないため、起歪体の両端にフランジを取り付けて受感部とし、コンクリートのひずみの発生に伴う両フランジ間標点距離の変化量を標点距離で除することによりひずみを求めるものとしている。
【0010】
しかし、一般に、コンクリートに使用される粗骨材の最大寸法が標点距離の1/2から1/3程度以上である場合、評点距離間のコンクリートに占める骨材の割合が大きくなり、骨材自体の剛性の影響によりコンクリートのひずみを正確に計測できないものであった。
【0011】
したがって、計測対象とするコンクリートの粗骨材最大寸法にあわせて標点距離が異なるひずみ計を製作する必要があるがそのためには起歪体・外装材・付着絶縁のためのチューブ等の構成部材をひずみ計の標点距離にあわせた寸法に加工し組立てる必要が生じ、これにより製作工程は煩雑となり、計測精度や耐久性といった品質上のばらつきが生じる原因となっていた。
【0012】
また、前記従来の埋設型温度計は、いわゆるセンサ部が金属製で形成されているため、温度計が埋設されるコンクリート構造物にひび割れ等が発生して外部から水分が進入した場合、水分の接触により、抵抗値の変化に伴う計測値の異常値発生や腐食が起こりやすい。
また、計測に電気信号を用いるが、電気信号は長距離伝送が困難である。すなわち、温度計と、温度計に電気信号を送受信して計測するデータロガーとの距離は通常最大数百m程度であることから、ダムやトンネル等の長大構造物では適用範囲が限定される場合もある。
【0013】
かくして、本発明は、前記従来の課題を解決するために創案されたものであり、いわゆる金属を使用しない腐食に強い起歪体を形成し、もって外装材により起歪体を保護する必要がなく、コンクリートに起歪体を直接接触させられ、かつコンクリートのひずみを起歪体周囲の付着力により直接起歪体に伝達できるため、計測値につきばらつきのない高品質で破損や故障の少ない長期間の計測が可能なひずみ検出装置を提供し、さらに、長大構造物に対しても劣化の可能性が少なく、かつ精度よくコンクリート構造物の内部温度が計測できる内部温度検出装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、
FBGセンサが設けられた光ファイバを、前記光ファイバと略同等の線膨張係数、弾性係数を有するガラス繊維部材で被覆して起歪体を形成し、該起歪体をあらかじめ内部設置した状態で、コンクリートを打設して構造物を構築し、
該コンクリート構造物の構築後生ずる歪みを検出可能とした、
ことを特徴とし、
または、
光ファイバ中にFBGセンサを設けると共に、当該FBGセンサに接着する金属片を前記光ファイバの軸方向に延出して設け、金属片の基端側で光ファイバに前記金属片を固定すると共に、先端側はフリーとして、温度検出用起歪体を形成し、該温度検出用起歪体をあらかじめ内部設置した状態で、コンクリートを打設して構造物を構築し、
該コンクリート構造物の構築後生ずる内部温度変化を検出可能とした、
ことを特徴とし、
または、
FBGセンサが設けられた光ファイバを、前記光ファイバと略同等の線膨張係数、弾性係数を有するガラス繊維部材で被覆して起歪体を形成し、該起歪体をあらかじめ内部設置した状態で、コンクリートを打設して構造物を構築し、該コンクリート構造物の構築後生ずる歪みを検出可能としたコンクリート構造物の歪み検出装置と、
光ファイバ中にFBGセンサを設けると共に、当該FBGセンサに接着する金属片を前記光ファイバの軸方向に延出して設け、金属片の基端側で光ファイバに前記金属片を固定すると共に、先端側はフリーとして、温度検出用起歪体を形成し、該温度検出用起歪体をあらかじめ内部設置した状態で、コンクリートを打設して構造物を構築し、該コンクリート構造物の構築後生ずる内部温度変化を検出可能としたコンクリート構造物の内部温度検出装置と、
を有し、
前記コンクリート構造物内に設置した歪み検出装置の近傍位置に前記内部温度検出装置を設置した、
ことを特徴とし、
または、
前記コンクリート構造物には、アスファルト混合物による構造物が含まれる、
ことを特徴とし、
または、
前記ガラス繊維は、FRPである、
ことを特徴とし、
または、
前記金属片は、熱膨張係数が大きい金属片である、
ことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
かくして、本発明によれば、いわゆる金属を使用しない腐食に強い起歪体を形成し、もって外装材により起歪体を保護する必要がなく、コンクリートに起歪体を直接接触させられ、かつコンクリートのひずみを起歪体周囲の付着力により直接起歪体に伝達できるため、計測値につきばらつきのない高品質で破損や故障の少ない長期間の計測が可能となり、さらに、長大構造物に対しても劣化の可能性が少なく、かつ精度よくコンクリート構造物の内部温度が計測できるとの優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明による起歪体の構成を説明する概略説明図である。
【図2】本発明による起歪体の構成を説明する概略断面図である。
【図3】本発明による温度検出用起歪体の構成を説明する概略説明図(その1)である。
【図4】本発明による温度検出用起歪体の構成を説明する概略説明図(その2)である。
【図5】本発明によるコンクリート構造物の歪検出装置と内部温度検出装置をセットで使用した適用事例(その1)の概略説明図である。
【図6】本発明によるコンクリート構造物の歪検出装置と内部温度検出装置をセットで使用した適用事例(その2)の概略説明図である。
【図7】本発明によるコンクリート構造物の歪検出装置と内部温度検出装置をセットで使用した適用事例(その3)の概略説明図である。
【図8】本図の(a)、(b)は、本発明によるコンクリート構造物の歪検出装置と内部温度検出装置をセットで使用した適用事例(その4)の概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下本発明を図に示す実施例に従って説明する。
【実施例】
【0018】
図1に本発明により形成された起歪体1の一実施例を示す。起歪体1としては、いわゆるFBGセンサ2を軸方向中に形成した光ファイバ3が用いられる。
【0019】
そして、FBGセンサ2を軸方向中に形成された光ファイバ3の部分は、当該光ファイバ3と略同等の線膨張係数、弾性係数を有するガラス繊維4により被覆されて起歪体1が形成される。その一具体例を図2に示す。図2は起歪体3の断面図であるが、FBGセンサ2を軸方向中に形成された光ファイバ3を略中央部分に挟み込んだ状態にして被覆したものである。
【0020】
例えば、薄いシート状に形成された前記ガラス繊維部材を前記FBGセンサ2を軸方向中に形成された光ファイバ3を挟み込むようにして上下方向に配置し、その後上下方向にシート状ガラス繊維部材を積層させて断面略方形状に形成するが如きである。
【0021】
ここで、前記光ファイバ3と略同等の線膨張係数、弾性係数を有するガラス繊維4としては、例えば繊維強化プラスチック、すなわちFRPが具体例としてあげられる。
ところで、前記FBGセンサ2は10mm程度の範囲に形成される高感度のセンサであり、当該FBGセンサ2に生じるひずみを固有波長の変化として検知するものとなる。
【0022】
ここで、使用する光ファイバ3は、例えば直径が0.125mmと小さく、材質が前述したFRPに用いるガラス繊維部材と同じ材質であることから、FRPの内部に埋め込んでも起歪体1の線膨張係数や弾性係数に大きな変化がない。
よって、FBGセンサ2は軸方向の変形によって発生するひずみを精度よく検知することができるのである。
【0023】
なお、コンクリート5内に埋設したとき、該起歪体1とコンクリート5との付着力を増加させるため、図1から理解されるように、起歪体1の両端側に突起物6,6を取り付けることにより、コンクリート5との付着力を一層強めることが考えられる。よって、この様に突起物6,6を設けた場合には、コンクリート5ほど密実ではないアスファルト混合物などのひずみ計測にも充分に使用できるものとなる。
【0024】
次に、図3,図4に本発明による温度検出用起歪体7を示す。
これらの図から理解されるように、温度検出用起歪体7は、やはりいわゆるFBGセンサ2を軸方向中に形成された光ファイバ3が用いられる。
そして、前記FBGセンサ2に接着させた金属片8が前記光ファイバ2の軸方向に延出して設けられている。
【0025】
さらに、前記略平板棒状をなす金属片8の基端側14で光ファイバ2が固定されていると共に、金属片8の先端側13では光ファイバ2は固定されずフリーな状態とされている。
従って、金属片8が温度の変化に反応して伸縮あるいは膨張すると、その変化がダイレクトにFBGセンサ2に歪み検出として表れるよう構成されている。
【0026】
すなわち、FBGセンサ2は、光ファイバ3上において軸方向の一部に形成されたセンサ素子であり、光ファイバ3の軸方向に生じるひずみを光信号の波長変化量として検知するものである。
よって、金属片8とFBGセンサ2とを接着すれば、金属片8の温度変化に伴なう膨張・収縮に応じたひずみをFBGセンサ2が検知することができるのである。
【0027】
例えば金属片8にアルミニウム合金5052を使用する場合、その線膨張係数は22〜24μ/℃であり、一方FBGセンサ2はそれ自身が10μ/℃の熱光学特性を持つため、FBGセンサ2は1℃当り32〜34μのひずみを検知することとなる。そして、FBGセンサ2は約0.8μのひずみ分解能を持つため、温度では約0.02℃の分解能を持つことになり、当該FBGセンサ2を用いれば、高感度の温度計となりうる。また線膨張係数は温度が高くなるにつれて22μ/℃から24μ/℃へとわずかに大きな値へ変化するため、例えば二次多項式を用いて較正することにより、波長変化量から得られるひずみと温度変化量の関係を厳密に較正することになり、計測値のばらつきをより小さくすることができることとなる。
【0028】
以上において次に、本発明の使用状態につき説明する。
本発明によるコンクリート構造物の歪検出装置11と内部温度検出装置12とをそれぞれ単体で用いることも出来るし、本発明によるコンクリート構造物の歪検出装置11と内部温度検出装置12とをセットで使用することも出来る。
ここでは、本発明によるコンクリート構造物の歪検出装置11と内部温度検出装置12をセットで使用した適用事例について説明する。
【0029】
図5は本発明によるコンクリート構造物の歪検出装置11と内部温度検出装置12をセットで使用した第1の適用事例であり、これらの装置11、12をトンネル9の覆工コンクリート10内にセットした例である。
例えば、トンネル9の不良地山区間やボックスカルバート等の地下構造物で、供用後に作用荷重が変化する構造物の長期健全性監視が必要となる場合がある。
【0030】
すなわち、地山の変動や近接施工により供用後のトンネル9において作用荷重が変化すると、その影響を受けて覆工コンクリート10内のひずみが変化するからである。
また、トンネル9の円周方向に生じるひずみを計測することで効果的なトンネル9などの補修時期を把握することができる。
【0031】
さらに、歪み検出装置11とほぼ同位置に対応させて内部温度検出装置12を設置することにより、覆工コンクリート10の内部温度を計測でき、その温度変化に対するひずみの変動を把握することで、観測されたひずみ変動が、例えば季節の温度変化によるものか作用荷重の変化によるものかを推測することができるのである。よって、歪み検出装置11とほぼ同位置に対応させて内部温度検出装置12を設置することは大きな意味があるといわざるを得ない。
ここで、符号15は光測定器を示し、符号16は制御用パソコンを示す。
【0032】
次に、図6は本発明によるコンクリート構造物の歪検出装置11と内部温度検出装置12をセットで使用した第2の適用事例であり、これらの装置11,12を埋設することにより、繰り返し荷重が作用する構造物、ここでは橋梁17の長期健全性監視に使用したものである。
【0033】
例えば、自動車の通行により繰り返し荷重を受けると橋梁17が劣化していく。そして劣化が進むと静的たわみが増加していく。この静的たわみの増加によりコンクリート5内部のひずみが変化する。
【0034】
しかして、橋梁17におけるコンクリート5内部のひずみを長期計測することで、例えば効果的な補修時期を把握できるものとなる。
さらに、橋梁17におけるコンクリート5内部の温度計測を行うことで、観測された橋梁17のひずみ変動が季節の温度変化によるものか劣化によるものかを推測することもできるものとなる。
【0035】
次に、図7は本発明によるコンクリート構造物の歪検出装置11と内部温度検出装置12をセットで使用した第3の適用事例であり、これらの装置11,12をダム堤体コンクリート18の長期健全性監視に使用したものである。
【0036】
すなわち、堤体コンクリート18の温度応力により、堤体に部分的なクラックが発生する可能性があり、その挙動を把握する必要がある。そして、温度応力を把握する場合は、外気温でなくコンクリート5内部の温度の把握が必要となる。よって本発明による装置の埋設設置が有効となる。また、ダム完成後も1年周期の温度変化と堤体内の応力変化を把握する必要があり、その上でも本発明の装置の埋設設置は有効である。
【0037】
次に、図8は、本発明によるコンクリート構造物の歪検出装置11と内部温度検出装置12をセットで使用した第4の適用事例であり、これらの装置11,12を地下タンク19の側壁20、底板21の長期健全性監視に使用したものである。
【0038】
地下タンク19の使用期間は、一般に50年とも言われている。ここで、例えば、当該地下タンク19の中に入るLNGは低温であり地下タンク19を構成するコンクリート5は常時大きなストレスが加わっていると考えられる。そこで、本発明による装置でコンクリート5内のひずみ、温度を長期間測定することで地下タンク状況の健全性を効果的に測定できるのである。
【0039】
ところで、本発明の歪み検出装置11に使用する起歪体1は、前述したように、FBGセンサ2を含む光ファイバ3およびこれらを被覆するFRPなどのガラス繊維4により構成し、金属を使用していない。よって、腐食に強いものとなっている。
【0040】
また、例えば、金属製などの外装材により起歪体1を保護する必要がなく、コンクリート5は起歪体1に直接接触するタイプとされている。よって、コンクリート5のひずみは起歪体1周囲の付着力により速やかに起歪体1に伝達されるので、特にフランジなどの突起物6を取り付ける必要がないのである。
【0041】
また、例えばコンクリート粗骨材の最大寸法に応じたコンクリート構造物の歪み検出装置11の製作は、起歪体1の寸法を変更するだけであり、もって前記装置11の構成部材が少ないため製作工程が単純となり、故障の原因が減少するものである。
【0042】
次に、本発明によるコンクリート構造物の内部温度検出装置12では、コンクリート5の長大構造物に対してもやはり劣化の可能性が少なく、かつ精度良くコンクリート構造物内部の温度を計測することができる。
【0043】
従ってこれら装置の単体での利用であってもあるいは組み合わせた利用であっても、破損や故障の可能性が少なく、検出値につきばらつきの少ない高品質の検出装置が提供でき、しかも長期間の計測が可能となる。
【符号の説明】
【0044】
1 起歪体
2 FBGセンサ
3 光ファイバ
4 ガラス繊維
5 コンクリート
6 突起物
7 温度検出用起歪体
8 金属片
9 トンネル
10 覆工コンクリート
11 歪み検出装置
12 内部温度検出装置
13 金属片の先端側
14 金属片の基端側
15 光測定器
16 制御用パソコン
17 橋梁
18 ダム提体コンクリート
19 地下タンク
20 側壁
21 底板


【特許請求の範囲】
【請求項1】
FBGセンサが設けられた光ファイバを、前記光ファイバと略同等の線膨張係数、弾性係数を有するガラス繊維部材で被覆して起歪体を形成し、該起歪体をあらかじめ内部設置した状態で、コンクリートを打設して構造物を構築し、
該コンクリート構造物の構築後生ずる歪みを検出可能とした、
ことを特徴とするコンクリート構造物の歪み検出装置。
【請求項2】
光ファイバ中にFBGセンサを設けると共に、当該FBGセンサに接着する金属片を前記光ファイバの軸方向に延出して設け、金属片の基端側で光ファイバに前記金属片を固定すると共に、先端側はフリーとして、温度検出用起歪体を形成し、該温度検出用起歪体をあらかじめ内部設置した状態で、コンクリートを打設して構造物を構築し、
該コンクリート構造物の構築後生ずる内部温度変化を検出可能とした、
ことを特徴とするコンクリート構造物の内部温度検出装置。
【請求項3】
FBGセンサが設けられた光ファイバを、前記光ファイバと略同等の線膨張係数、弾性係数を有するガラス繊維部材で被覆して起歪体を形成し、該起歪体をあらかじめ内部設置した状態で、コンクリートを打設して構造物を構築し、該コンクリート構造物の構築後生ずる歪みを検出可能としたコンクリート構造物の歪み検出装置と、
光ファイバ中にFBGセンサを設けると共に、当該FBGセンサに接着する金属片を前記光ファイバの軸方向に延出して設け、金属片の基端側で光ファイバに前記金属片を固定すると共に、先端側はフリーとして、温度検出用起歪体を形成し、該温度検出用起歪体をあらかじめ内部設置した状態で、コンクリートを打設して構造物を構築し、該コンクリート構造物の構築後生ずる内部温度変化を検出可能としたコンクリート構造物の内部温度検出装置と、
を有し、
前記コンクリート構造物内に設置した歪み検出装置の近傍位置に前記内部温度検出装置を設置した、
ことを特徴とするコンクリート構造物の歪み検出装置。
【請求項4】
前記コンクリート構造物には、アスファルト混合物による構造物が含まれる、
ことを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の検出装置。
【請求項5】
前記ガラス繊維は、FRPである、
ことを特徴とする請求項1、請求項3または請求項4記載の検出装置。
【請求項6】
前記金属片は、熱膨張係数が大きい金属片である、
ことを特徴とする請求項2、請求項3または請求項4記載の検出装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−22029(P2011−22029A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−167867(P2009−167867)
【出願日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【出願人】(000235543)飛島建設株式会社 (132)
【出願人】(391005950)株式会社東横エルメス (10)
【Fターム(参考)】