説明

コンセントおよびこれを備える充電装置

【課題】プラグが不用意に抜けることを抑制するとともに、機器に容易に組み込むことができるコンセントおよびこれを備える充電装置を提供する。
【解決手段】コンセント10は、プラグの栓刃が挿入される栓刃挿入口25を前面に有するコンセント本体20を備える。コンセント本体20には、壁体5に取り付けられるときに壁体5のコンセント本体20に対する位置決めを行うとともに、コンセント本体20の前面から前方に向けて突出する突状部23と、コンセント本体20の前面から前方に向けて突状部23よりも突出する支持板30とが設けられ、支持板30は、プラグが栓刃挿入口に挿入された状態においてプラグに設けられた突起部を固定することにより栓刃が栓刃挿入口から抜けることを防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラグの栓刃が挿入される栓刃挿入口を有するコンセント本体を備えるコンセントおよびこれを備える充電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンセントとして特許文献1に記載のものが知られている。このようなコンセントは、家屋の壁面に露出して取り付けたり、分電盤等の盤の内部に組み込まれたりするものである。
【0003】
また、このようなコンセントは、近年では電気自動車にケーブルを介して接続されることにより電気自動車の充電を行う電気自動車充電スタンドに組み込まれることもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−134216号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記コンセントにプラグを接続した場合、コンセントからプラグが抜けることを抑制する機構がコンセントにないため、プラグのケーブルを引っ掛ける等のプラグに不用意な力が加わったときにコンセントからプラグが抜けてしまうおそれがある。このようなコンセントからプラグが抜けてしまうことを防ぐために、コンセントの表面にプラグを固定する固定部を設けることが考えられる。
【0006】
しかしながら、コンセントに扉体を設けた構成では、分電盤や電気自動車充電スタンドのような機器に組み込まれる場合において、固定部が組み込み機器の構成部材と干渉するおそれがあるため、組み込み機器に対するコンセントの位置決めが困難である。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、プラグが不用意に抜けることを抑制するとともに、機器に容易に組み込むことができるコンセントおよびこれを備える充電装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のコンセントは、プラグの栓刃が挿入される栓刃挿入口を有するコンセント本体を備え、前記コンセント本体には、前記コンセント本体の前面から前方に向けて突出する突状部と、前記突状部から前方に向けて突出する固定部とが設けられ、前記突状部の前面には、前記栓刃挿入口が設けられ、前記固定部は、栓刃が前記栓刃挿入口に挿入された状態において、プラグに設けられた突起部を固定することにより前記栓刃が前記栓刃挿入口から抜けることを防止することを特徴とする。
【0009】
このコンセントにおいて、前記固定部には、栓刃が前記栓刃挿入口に挿入された状態において、前記固定部のプラグと対向する面からプラグに向けて突出する当接部が設けられ、前記固定部は前記突状部との接続位置を支点として弾性変形するものであり、前記突起部が前記当接部を乗り越えた後、前記突起部に前記当接部が当接することにより前記突起部は固定されることが好ましい。
【0010】
このコンセントにおいて、前記固定部は、前記栓刃挿入口を覆う閉位置と前記栓刃挿入口を外部に露出させる開位置との間を回動可能であることが好ましい。
このコンセントにおいて、前記固定部は、前記固定部の一端が前記突状部に取り付けられるとともに、前記固定部の他端が前記固定部の一端を回動中心として、前記突状部から前方に突出した状態と前記突状部の前面に当接した状態との間で回動可能であり、前記固定部が前記突状部の前面に当接した状態において、前記固定部の他端側の端部は前記突状部よりも他端側に突出することが好ましい。
【0011】
このコンセントにおいて、前記固定部は、前記コンセント本体内部に少なくとも一部が収納される収納位置と、前記コンセント本体から前記固定部の全体が前方に突出する突出位置との間をスライド可能であることが好ましい。
【0012】
このコンセントにおいて、前記コンセント本体の内部には、前記栓刃挿入口を開閉する内扉が設けられることが好ましい。
このコンセントにおいて、前記突状部には、少なくとも前記栓刃挿入口を前方から覆う閉位置と前記栓刃挿入口を外部に露出させる開位置との間を変位可能な外扉が設けられることが好ましい。
【0013】
このコンセントにおいて、前記突状部の前面には、後方に向けて凹む凹所が設けられ、
前記凹所の底面には、前記栓刃挿入口が設けられることが好ましい。
このコンセントにおいて、前記コンセント本体には、前記突状部を覆うことによりコンセント本体の前面を平滑にするカバーが取り付けられることが好ましい。
【0014】
このコンセントを備える充電装置において、バッテリを備える外部機器に対してケーブルを介して接続することにより同バッテリの充電を行うことが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、プラグが不用意に抜けることを抑制するとともに、機器に容易に組み込むことができるコンセントおよびこれを備える充電装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明のコンセントの一実施形態について、(a)および(b)は同コンセントを備える充電スタンドの斜視図。
【図2】同実施形態のコンセントの斜視構造を示す斜視図。
【図3】同実施形態のコンセントについて、(a)は栓刃挿入口の正面構造を示す正面図、(b)は、(a)のA−Aに沿った断面構造を示す断面図、(c)は、(a)のB−Bに沿った断面構造を示す断面図。
【図4】同実施形態のコンセントに接続されるプラグについて、(a)はプラグを上方から見た斜視構造を示す斜視図、(b)はプラグを下方から見た斜視構造を示す斜視図。
【図5】(a)〜(c)は、同実施形態のコンセントにプラグを接続する態様を示す模式図。
【図6】同実施形態のコンセントおよびプラグについて、(a)および(b)は、コンセントにプラグが接続された状態において、コンセントの突起部とプラグの突起部との位置関係を示す平面図。
【図7】(a)および(b)は、同実施形態のコンセントからプラグを抜き去る態様を示す模式図。
【図8】本発明のコンセントの第2の実施形態について、コンセントの分解斜視構造を示す斜視図。
【図9】同実施形態のコンセントについて、(a)はコンセントの斜視構造を示す斜視図、(b)は支持板が閉位置の状態のコンセントの斜視構造を示す斜視図、(c)は支持板が閉位置の状態の支持板の先端部分を拡大した拡大図。
【図10】(a)〜(d)は、同実施形態のコンセントにプラグを接続する態様を示す模式図。
【図11】(a)〜(c)は、同実施形態のコンセントからプラグを抜き去る態様を示す模式図。
【図12】本発明のコンセントのその他の実施形態について、(a)は、扉体が開位置のときのコンセントの斜視構造を示す斜視図、(b)は、扉体が閉位置のときのコンセントの斜視構造を示す斜視図。
【図13】本発明のコンセントのその他の実施形態について、同コンセントの斜視構造を示す斜視図。
【図14】本発明のコンセントのその他の実施形態について、同コンセントの斜視構造を示す斜視図。
【図15】本発明のコンセントのその他の実施形態について、同コンセントの側面構造を示す側面図。
【図16】本発明のコンセントのその他の実施形態について、(a)および(b)は扉体の先端部周辺を拡大した拡大図。
【図17】本発明のコンセントのその他の実施形態について、(a)は扉体が開位置のときのコンセントの斜視構造を示す斜視図、(b)は扉体が閉位置のときのコンセントの斜視構造を示す斜視図。
【図18】本発明のコンセントのその他の実施形態について、(a)は、支持板の分解斜視構造を示す斜視図、(b)および(c)はコンセントにプラグを接続する態様を示す模式図。
【図19】比較例のコンセントの断面構造を模式的に示す模式断面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1の実施形態)
図1〜7を参照して、本発明のコンセントを充電スタンドに設けられるコンセントとして具体化した第1の実施形態について説明する。
【0018】
図1に示すように、充電スタンド1は、電気自動車にケーブルを介して接続することにより、電気自動車に搭載されたバッテリに充電する充電装置である。充電スタンド1は、例えば屋外の駐車場に立設されている。
【0019】
充電スタンド1は、縦長の直方体形状にて形成されたスタンド本体2と、スタンド本体2の所定高さの位置に設けられた横開閉式の扉3とを含む。扉3は略四角形状に形成されるとともに、図1(a)に示す閉位置と図1(b)に示す開位置との間で開閉可能に変位する。図1(b)に示すように、スタンド本体2の扉3に対応する部位には、凹所4が設けられている。凹所4を構成する奥側の壁体5の略中央部には、コンセント10が取り付けられている。すなわちコンセント10は、充電スタンド1に組み込まれている。
【0020】
以降では、充電スタンド1の立設する方向である長手方向を「上下方向Z」とし、充電スタンド1の短手方向を「左右方向Y」とし、上下方向Zおよび左右方向Yの両方に直交する方向を「前後方向X」とする。前後方向Xにおいて扉3が設けられる側を「前方」とし、コンセント10が設けられる側、すなわち充電スタンド1の奥側を「後方」とする。
【0021】
図2および図3を参照して、コンセント10の構成について説明する。
図2に示すように、壁体5には、コンセント10を露出するための開口部5Aと、開口部5Aの周囲に4つの取付孔5Bとが設けられている。コンセント10は、各取付孔5Bを介してねじ6によって壁体5に取り付けられる。
【0022】
コンセント10は、プラグ50の栓刃52(図4参照)が挿入される栓刃挿入口25が前面に形成されるコンセント本体20を含む。
コンセント本体20には、樹脂材料を用いて成形された直方体形状のケース21が設けられている。ケース21内には、栓刃52が接続されることにより栓刃52に電力が供給される刃受部材(不図示)が収納されている。
【0023】
ケース21の前面22の左右方向Yの中央部には、前面22より前方に向けて突出する突状部23が設けられている。ケース21の前面22の4隅には、ねじ6を固定するためのねじ穴26がそれぞれ設けられている。突状部23の前面23Aの下端部には、前面23Aから前方に向けて突出する固定部である支持板30が設けられている。
【0024】
突状部23は、前方から見た平面視において上方が湾曲形状となるとともに下方が矩形状となるように形成されている。また突状部23の突出量、すなわちケース21の前面22と突状部23の前面23Aとの前後方向Xの距離は、壁体5の前後方向Xの厚さである板厚よりも若干大きい。
【0025】
突状部23には、突状部23の前面23Aから後方に向けて凹む凹所24が設けられている。この凹所24は、前方から見た平面視において円形に形成されている。凹所24の内径は、プラグ50のプラグボディ51(図4参照)の先端部の外径と略等しい。具体的には、凹所24の内径は、プラグボディ51の外径よりも若干大きい。
【0026】
凹所24の底面24Aには、栓刃挿入口25が設けられている。栓刃挿入口25は、左右方向Yに配列された電源用挿入口25Aと、2つの電源用挿入口25Aの間かつ電源用挿入口25Aより下方に配置された接地用挿入口25Bとを含む。
【0027】
支持板30は、上方から見た平面視において前後方向Xが長手となる長方形の平板である。支持板30の前方には、当接部である2つの当接突起部31が左右方向Yに近接して配列されるように設けられている。
【0028】
当接突起部31は、左右方向Yから見た平面視において支持板30の上面32から上方に向けて突出する三角形状に形成されている。当接突起部31には、後方に向かうにつれて上方に向けて傾斜する傾斜部33と、傾斜部33の頂部と上面32とを連結するとともに上下方向Zに沿って延びる接触部34とが設けられている。
【0029】
図3(a)に示すように、コンセント本体20(図3(b)参照)内部には、電源用挿入口25Aを開閉するための電源用内扉41と、接地用挿入口25Bを開閉するための接地用内扉42とが設けられている。電源用内扉41は、各電源用挿入口25Aに対応して2つ設けられている。
【0030】
図3(b)および(c)に示すように、同本体20内部には、左方の電源用内扉41を収容する第1凹部27と、右方の電源用内扉41を収容する第2凹部28と、接地用内扉42を収容する第3凹部29とが設けられている。
【0031】
第1凹部27には、電源用挿入口25Aに向かうにつれて右方に傾斜する傾斜部27Aと、傾斜部27Aの後端部から左方に向けて延びる底部27Bとが設けられている。第2凹部28には、電源用挿入口25Aに向かうにつれて左方に傾斜する傾斜部28Aと、傾斜部28Aの後端部から右方に向けて延びる底部28Bとが設けられている。第3凹部29には、接地用挿入口25Bに向かうにつれて下方に傾斜する傾斜部29Aと、傾斜部29Aの後端部から上方に向けて延びる底部29Bとが設けられている。
【0032】
各傾斜部27A〜29Aには、板ばね43〜45が圧縮された状態にてそれぞれ配置されている。板ばね43〜45は、各電源用内扉41および接地用内扉42が閉位置となるように、各電源用内扉41および接地用内扉42をそれぞれ付勢している。また底部27B,28Bには、電源用内扉41の後端部がそれぞれ当接している。底部29Bには、接地用内扉42の後端部が当接している。
【0033】
電源用内扉41には、前後方向Xに向けて延びる基部41Aと、基部41Aの前端部から左右方向Yにおいて隣り合う電源用挿入口25Aに向けて延びる開閉部41Bとが設けられている。開閉部41Bには、プラグ50の栓刃52(図4参照)が当接する当接部41Cが設けられている。当接部41Cは、隣り合う電源用挿入口25Aに向かうにつれて後方に傾斜する傾斜面として形成されている。
【0034】
接地用内扉42には、前後方向Xに向けて延びる基部42Aと、基部42Aの前端部から上方に向けて延びる開閉部42Bとが設けられている。開閉部42Bには、栓刃52が当接する当接部42Cが設けられている。当接部42Cは、上方に向かうにつれて後方に傾斜する傾斜面として形成されている。
【0035】
栓刃52の挿抜に伴う電源用内扉41および接地用内扉42の動作について説明する。
栓刃52が栓刃挿入口25に挿入される場合、各当接部41C,42Cに栓刃52が当接する。この状態から栓刃52を後方に向けて挿入するとき、電源用内扉41および接地用内扉42は、それぞれ底部29A〜29Cを中心として、板ばね43〜45の付勢力に抗して図中の二点鎖線のように回動する。すなわち、電源用内扉41および接地用内扉42は、それぞれ開位置に変位する。これに伴い栓刃52が開閉部41B,42Bよりも後方に挿通可能となる。
【0036】
一方、栓刃52を栓刃挿入口25から抜き去る場合、図中の栓刃52の後端部が開閉部41B,42Bよりも前方に向かうにつれて、板ばね43〜45の付勢力により電源用内扉41および接地用内扉42がそれぞれ閉位置に向けて変位する。そして栓刃52の後端部が開閉部41B,42Bの前端面よりも前方に移動したときに、電源用内扉41および接地用内扉42は、図中の実線の閉位置にそれぞれ変位する。
【0037】
図4を参照して、プラグ50の構成について説明する。
図4(a)に示すように、プラグ50は、前後方向Xに長手となる円筒形状の使用者が把持するプラグボディ51と、プラグボディ51から前方に向けて突出する栓刃52と、プラグボディ51の前端部に接続されるケーブル53とを含む。栓刃52は、左右方向Yに配列される一対の電源用栓刃52Aと、2つの電源用栓刃52Aの左右方向Yの間かつ栓刃52Aより下方に配置される接地ピン52Bとを含む。電源用栓刃52Aは、平板形状に形成されている。接地ピン52Bは丸ピン形状に形成されている。
【0038】
プラグボディ51の後端部の上方には、電源用栓刃52Aと接地ピン52Bとの位置を示す位置表示部54が設けられている。プラグボディ51の前後方向Xの中央部の両側面には、使用者の指がかかる平面形状の把持部55が設けられている。プラグボディ51の前後方向Xの中央部の下方には、下方に向けて球面状に突出する突起部56が設けられている。
【0039】
位置表示部54は前後方向Xに沿って延びる長方形状の突起である。そして位置表示部54がプラグ50の上方に位置する場合には、電源用栓刃52Aが左右方向Yに配列されるとともに、その下方に接地ピン52Bが配置される。
【0040】
図4(b)に示すように、突起部56は、前方に向かうにつれて下方に傾斜する傾斜部57と、傾斜部57の下端部から前方に向けて延びる頂部58と、頂部58の前端部から前方に向かうにつれて上方に傾斜する当接部59とを含む。傾斜部57の左右方向Yの中央部には、上方に向けて凹む後方凹部57Aが設けられている。当接部59の左右方向Yの中央部には、上方に向けて凹む前方凹部59Aが設けられている。これら凹部57A,59Aは、頂部58により区画されている。
【0041】
後方凹部57Aは、後方に向かうにつれて左右方向Yの幅が大きくなるように傾斜する一対の後方側面57Bと、後方側面57Bの前端部において左右方向Yに後方側面57Bを連結するとともに上下方向Zに沿って延びる連結面57Cとを含む。
【0042】
前方凹部59Aは、左右方向Yにおいて互いに対向するとともに上下方向Zに沿って延びる一対の前方側面59Bと、前方側面59Bの後端部において左右方向Yに前方側面59Bを連結するとともに上下方向Zに沿って延びる当接面59Cとを含む。
【0043】
図5および図6を参照して、プラグ50をコンセント10に接続する態様について説明する。
図5(a)に示すように、使用者は、位置表示部54が上方となるようにプラグ50の向きを調整した後、コンセント10に向けて移動させる。そして図5(b)に示すように、プラグ50の突起部56と支持板30の当接突起部31とを当接したとき、支持板30は、コンセント本体20と支持板30との接続位置CPを支点として、支持板30の前端部が下方に向けて変位するように撓む。すなわち支持板30は、接続位置CPを支点として下方に弾性変形する。この状態からプラグ50をさらに挿入すると、図5(c)に示すように、突起部56が当接突起部31の頂部を乗り越えた後、支持板30は復元力の作用により上方に向けて変位する。このとき、栓刃52が栓刃挿入口25(図2参照)に挿入された状態となるとともにプラグ50がコンセント10に接続完了となる。
【0044】
この状態において、凹所24の内周面とプラグボディ51の外周面との間には僅かな隙間が形成される。ここで、「僅かな隙間」とは、使用者の指が入ることができない程度に小さい隙間である。これにより、図5(b)から図5(c)の状態となるようにプラグ50を挿入するときに、使用者の指が凹所24内に入ることが抑制される。
【0045】
図6に示すように、コンセント10にプラグ50が接続された状態、すなわち図5(c)の状態において、当接突起部31は、前方凹部59A内に収容される。具体的には、図6(a)に示すように、当接突起部31の接触部34は、当接面59Cに当接している。加えて、図6(b)に示すように、当接突起部31は、一対の前方側面59Bの左右方向Yの間に配置されるとともに、各前方側面59Bと近接している。具体的には、前方側面59Bの左右方向Yの幅T1は、2つの当接突起部31の左右方向Yの幅T2と略等しい。詳細には、前方側面59Bの幅T1は、当接突起部31の幅T2よりも若干大きい。これにより、支持板30は、プラグ50を固定する。詳細には、当接突起部31と突起部56とが互いに固定することにより、栓刃52が栓刃挿入口25(図2参照)から抜けることを防止している。
【0046】
図7を参照して、コンセント10からプラグ50を抜き去る態様について説明する。
図7(a)に示すように、使用者が支持板30の前端部を下方に押圧する。この状態において、突起部56と当接突起部31との係合が概ね外された状態となる。そして使用者がプラグ50を前方に引き抜くことにより、図7(b)に示すようなコンセント10からプラグ50が引き抜かれた状態となる。このとき、使用者が支持板30から指を離すと復元力により支持板30は上方に向けて変位する。
【0047】
本実施形態では、以下の効果を奏することができる。
(1)本実施形態では、プラグ50がコンセント10に接続された状態において、プラグ50の突起部56と支持板30の当接突起部31とが当接する。これにより、プラグ50のケーブル53を引っ掛ける等によりプラグ50がコンセント10から抜き去る方向に力が不用意に加わったとしても、コンセント10からプラグ50が抜けてしまうことを防止することができる。
【0048】
ところで、コンセントからプラグを抜けることを防止する固定部として、栓刃を刃受部材に接続した後に所定角度回転させて栓刃に設けられた透孔に刃受部材に設けられた突起を入れ込むことにより、プラグをコンセントから抜け止めする構造が考えられる。
【0049】
上記構造は、一般にプラグの挿抜する回数が少ない場合を想定しているため、例えばプラグを挿抜する回数が百回程度を保証するものが多い。具体的には、栓刃を挿入することにより、刃受が弾性変形されるとともに、栓刃の透孔に刃受の突起が入り込む。この刃受の弾性変形を繰り返すと、刃受部材のばね性が低下することにより、栓刃の透孔に刃受部材の突起が入らなくなってしまう。その結果、プラグの挿抜を繰り返すうちにプラグをコンセントから抜け止めする機能を果たさなくなってしまう場合がある。したがって、プラグを挿抜する回数の多い用途には不向きな構造となっていた。
【0050】
その点、本実施形態では、支持板30に当接突起部31が設けられるとともに、当接突起部31にプラグ50の突起部56が固定することにより、コンセント10からプラグ50が抜けることを防止する。これにより、上述の栓刃と刃受部材との抜け止め構造と比較して、プラグをコンセントから抜けることを防止することのできる保証回数を増大することができる。
【0051】
また、コンセント本体20から突状部23が省略された構成では、壁体5と支持板30とが干渉するおそれがあるため、壁体5に対するコンセント10の位置決めが困難である。その点、本実施形態では、突状部23を壁体5の開口部5Aに挿通することにより、壁体5に対するコンセント10の位置決めを容易に行うことができるため、壁体5と支持板30とが干渉することを抑制することができる。したがって、コンセント10を壁体5に容易に取り付けることができる。
【0052】
(2)本実施形態では、突起部56が当接突起部31に当接したときに、支持板30は接続位置CPを中心として下方に向けて撓む。これにより、当接突起部31が突起部56に対して離れる方向に向かい変位する。したがって、突起部56が当接突起部31を容易に乗り越えることができるため、プラグ50のコンセント10への挿入作業を容易に行うことができる。
【0053】
加えて、プラグ50がコンセント10に接続された状態において、使用者が指にて支持板30を下方に向けて押圧することにより、支持板30が接続位置CPを支点として下方に撓む。これにより、支持板30の当接突起部31がプラグ50の突起部56から離れる方向に向けて移動するため、プラグ50をコンセント10から抜き去るときに当接突起部31と突起部56が互いに干渉することを抑制することができる。これにより、支持板30に当接突起部31が突起部56から離れる方向に向けて移動するための専用の機構を設けることを省略することができるため、支持板30の簡単化を図ることができる。
【0054】
(3)本実施形態では、プラグ50がコンセント10に接続されていないときに電源用内扉41および接地用内扉42が栓刃挿入口25をそれぞれ覆う。したがって、虫等の異物が栓刃挿入口25を介してコンセント10内部に侵入することを抑制することができる。
【0055】
(4)本実施形態では、突状部23の内部に凹所24が設けられることにより、使用者がプラグ50をコンセント10に接続するときに使用者の手が凹所24内に入ることを抑制することができる。
【0056】
(5)本実施形態では、突状部23が壁体5の開口部5Aに挿通することにより、壁体5に対するコンセント10の位置決めを行う。すなわち、開口部5Aは、コンセント10の位置決めを行うことと、栓刃挿入口25を外部に露出することの両方の役割を果たしている。したがって、壁体5に突状部23を挿通するための専用の開口穴を省略することができるため、壁体5の形状の簡単化を図ることができる。
【0057】
(6)本実施形態では、前方から見た平面視において突状部23の上方が湾曲形状となるとともに下方が矩形状となるように形成されている。すなわち突状部23の形状が上下非対称に形成されている。これにより、上下方向Zにおいてコンセント10の向きを容易に視認することができる。したがって、作業者がコンセント10を壁体5に取り付ける作業を容易に行うことができる。
【0058】
(7)本実施形態では、コンセント10にプラグ50が接続された状態において、プラグ50の突起部56の前方凹部59Aに支持板30の当接突起部31が収容される。これにより、プラグ50の左右方向Yへの移動を規制することができる。
【0059】
(8)本実施形態によれば、プラグ50に位置表示部54が設けられることにより、栓刃52の配置位置を確認することができる。これにより、作業者が直接栓刃52を見ることにより、栓刃52の配置位置を確認する作業を省略することができる。
【0060】
(第2の実施形態)
図8〜図11を参照して、本発明のコンセントを充電スタンドに設けられるコンセントとして具体化した第2の実施形態について説明する。本実施形態では、第1の実施形態と比較して、支持板30が回動可能となる点にて異なる。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。また、同一構成には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0061】
図8および図9を参照して、コンセント10の構成について説明する。
図8に示すように、突状部23の前面23Aの下端部には、前面23Aから前方に向けて突出する支持部21Aが設けられている。この支持部21Aには、支持板開閉機構60が取り付けられている。
【0062】
支持板開閉機構60は、支持部21Aを左右方向Yに向けて貫通する貫通孔21Bに挿入されるシャフト61と、シャフト61と支持板30との間に係合されるつるまきばね(以下、「ばね部材62」)とを含む。
【0063】
固定部である支持板30の左右方向Yの中央部には、下方に向けて凹む凹所71が設けられている。凹所71は、前後方向Xに向けて延びるとともに、後方の部位の左右方向Yの幅が前方の部位の左右方向Yの幅よりも大きくなるように形成されている。また凹所71の前方の底面71Aには、当接部である当接突起部31が設けられている。
【0064】
支持板30の前端部には、湾曲凹部72が設けられている。湾曲凹部72は、同凹部72の左右方向Yの内部かつ前方に向かい下方に向けて湾曲状に凹む形状にて形成されている。
【0065】
支持板30の後端部には、シャフト61を挿通する一対のシャフト挿通部73が左右方向Yにおいて凹所71を挟むように設けられている。
支持板30は、図9(a)に示すようにプラグ50の突起部56に当接突起部31を係合させるための第2の位置と図9(b)に示すように支持板30の表面が突状部23の前面23Aと当接する第1の位置との間を変位可能である。すなわち、支持板30は、シャフト61を回動中心として開位置と閉位置との間を回動可能となる。以降では、支持板30の回動方向を「開閉方向W」とし、支持板30が開く方向を「開方向」とし、支持板30が閉じる方向を「閉方向」とする。
【0066】
図9(c)に示すように、支持板30が閉位置において支持板30の支持部21Aに取り付けられる一端に対して支持板30の一端を回動中心として支持板30が移動可能である他端である先端部74は、突状部23の他端部よりも他端側に突出している。すなわち支持板30が閉位置において支持板30の上端部は、突状部23の上端部よりも上方に突出している。
【0067】
図10を参照して、プラグ50をコンセント10に接続する態様について説明する。なお、図10では、コンセント10の内部構造を省略して示すとともに、扉体31のみを断面構造として示している。また、プラグ50のケーブル53を省略して示している。
【0068】
図10(a)に示すように、支持板30が閉位置の状態から使用者が支持板30を開位置となるように変位させる(以下、「開操作」)。この支持板30の状態において、図10(b)に示すように、プラグ50の突起部56が支持板30の凹所71に収容するようにプラグ50を支持板30に当接させる。
【0069】
この状態において、栓刃52は栓刃挿入口25(図3参照)に対して前後方向Xに対応した位置に配置される。具体的には、接地ピン52Bの先端部は、接地用挿入口25B(図3参照)に挿入された状態となる。一方、電源用栓刃52Aは、電源用挿入口25A(図3参照)よりも前方に配置されている。そしてこの状態において、プラグ50を後方に向けて挿入すると、栓刃52は栓刃挿入口25に挿入される。
【0070】
加えて、突起部56の左右方向Yの幅と凹所71の当接突起部31よりも前方の部位の左右方向Yの幅とは略等しい。具体的には、凹所71の上記部位の幅は、突起部56の幅よりも若干大きい。これにより、突起部56が凹所71に収容された状態において、プラグ50が支持板30に対して左右方向Yに移動しようとしたとき、突起部56が凹所71の左右方向Yの側面に接触する。その結果、プラグ50の支持板30に対する左右方向Yの移動が規制される。
【0071】
図10(c)に示すように、プラグ50を後方に移動させて、突起部56と支持板30の当接突起部31とを当接させることにより、支持板30は図10(a)に示す開位置よりも開方向の位置となるように回動される。図10(d)に示すように、突起部56が当接突起部31の頂部を乗り越えた後、支持板30はばね部材62(図8参照)の付勢力により閉方向に向かい回動するとともにプラグボディ51に当接突起部31が当接した状態にて回動が停止する。このとき、栓刃52が栓刃挿入口25(図2参照)に挿入された状態となるとともにプラグ50がコンセント10に接続完了となる。
【0072】
図11を参照して、コンセント10からプラグ50を抜き去る態様について説明する。なお、図11では、コンセント10の内部構造を省略して示すとともに、扉体31のみを断面構造として示している。また、プラグ50のケーブル53を省略して示している。
【0073】
図11(a)に示すように、使用者が支持板30を開方向に移動させる。この状態において、突起部56と当接突起部31との係合が外された状態となる。そして図11(b)に示すように、使用者がプラグ50を前方に引き抜くことにより、図11(c)に示すようなコンセント10からプラグ50が引き抜かれた状態となる。このとき、使用者が支持板30から指を離すとばね部材62(図8参照)の付勢力により支持板30は閉位置となるように回動する。
【0074】
本実施形態によれば、第1の実施形態の効果(1)〜(8)に加えて、以下の効果を奏することができる。
(9)本実施形態では、支持板30が閉位置と開位置との間を回動可能であるため、プラグ50をコンセント10に挿入していない場合、支持板30を折りたたむことができる。したがって、支持板30に不用意な外力が加わることにより支持板30が破損することを抑制することができる。
【0075】
(10)本実施形態では、支持板30が閉位置にあるとき、支持板30の先端部74が突状部23よりも上方(遠心側)に突出するため、使用者が開操作するときに、使用者の指を先端部74に引っ掛けやすくなる。したがって、使用者が開操作を容易に行うことができる。
【0076】
(11)本実施形態では、支持板30の先端部74に湾曲凹部72が設けられる。これにより、使用者の指が湾曲凹部72に引っ掛けやすくなる。したがって、使用者が開操作を一層容易に行うことができる。
【0077】
(12)本実施形態では、支持板30に凹所71が設けられている。したがって、コンセント10にプラグ50を挿入するときにプラグ50の突起部56が凹所71に収容されることにより、栓刃挿入口25に対する栓刃52の左右方向Yの位置決めを行うことができる。
【0078】
(13)本実施形態では、シャフト61が突状部23の前面23Aよりも前方に位置している、すなわち支持板30の回動の中心が突状部23よりも前方に位置している。これにより、支持板30の表面が突状部23の前面23Aと当接するための専用の形状を省略することができる。したがって、支持板30の形状の簡単化を図ることができる。
【0079】
(14)図19に示すように、コンセント本体110に突状部が設けられていない場合、コンセント100の壁体5に対する位置決めを行うことが困難である。したがって、コンセント100を壁体5の所望の取付位置に対して上方にずれた位置に取り付けた場合、支持板120が壁体5に接触してしまう。その結果、コンセント100が壁体5に組み付けられた状態におけるコンセント100の美観が低下してしまう。
【0080】
また、コンセント100を壁体5の所望の取付位置に対して下方にずれた位置に取り付けた場合、コンセント100において支持板120を回動する中心となる取付部130が壁体5と接触してしまう。その結果、支持板120が閉位置から開位置に向けて回動することができなくなる。
【0081】
その点、本実施形態では、突状部23により、充電スタンド1の壁体5に対するコンセント10の位置決めを行うため、コンセント10を壁体5の所望の取付位置に容易に位置決めすることができる。これにより、壁体5に対するコンセント10の位置ずれを抑制することができる。その結果、コンセント10が壁体5に組み付けられた状態におけるコンセント10の美観の低下を抑制することができる。
【0082】
加えて、コンセント10が壁体5に対して位置決めされるため、支持部21Aおよびシャフト挿通部73を壁体5の開口部5A内に配置することができる。したがって、支持部21Aおよびシャフト挿通部73が壁体5と接触することにより、支持板30が閉位置から開位置に向けて回動することができなくなることを抑制することができる。
【0083】
(その他の実施形態)
本発明のコンセントは、上記各実施形態に限定されることなく、例えば以下の変更が可能である。また、以下の変形例は、上記各実施形態についてのみ適用されるものでなく、異なる変形例同士を互いに組み合わせて実施することもできる。
【0084】
第1の実施形態では、電源用内扉41および接地用内扉42により、電源用挿入口25Aおよび接地用挿入口25Bをそれぞれ開閉可能としたが、電源用挿入口25Aおよび接地用挿入口25Bをそれぞれ開閉する機構はこれに限定されることはない。例えば、図12に示すように、扉体開閉機構80をコンセント本体20に取り付けることもできる。扉体開閉機構80は、栓刃挿入口25および凹所24を開閉する矩形状の外扉81と、外扉81の回動の中心軸となるシャフト82と、外扉81を付勢するつるまきばね(不図示)とを含む。外扉81は、図12(a)に示す栓刃挿入口25および凹所24を外部に露出する開位置と、図12(b)に示す栓刃挿入口25および凹所24を覆う閉位置との間を回動可能である。またつるまきばねは、外扉81を閉位置に向けて付勢している。
【0085】
第1の実施形態では、コンセント10を充電スタンド1の壁体5に組み付ける態様であったが、コンセント10の使用態様はこれに限定されることはない。例えば、家屋の壁面に固定される露出コンセントとしても使用することができる。この場合、図13に示すように、コンセント本体20の前面にカバー90がねじ(不図示)により取り付けられる。カバー90には、突状部23と嵌合する開口部91が設けられている。カバー90がコンセント本体20に取り付けられた状態において、突状部23の前面23Aとカバー90の前面とが平滑になっている。すなわち、コンセント10の前面が平滑になっている。ここで、突状部23の前面23Aとカバー90の前面とが平滑とは、突状部23の前面23Aとカバー90の前面とが一様に滑らかに連続していればよく、前後方向Xに多少ずれていてもよい。また、このカバー90は、第2の実施形態のコンセント10にも適用することもできる。
【0086】
これにより、コンセント10を露出コンセントとして使用した場合のコンセント10の美観を向上することができる。加えて、コンセント10のコンセント本体20および支持板30を共通部品として、機器組み込みとしてのコンセントと、露出コンセントとを兼用することができる。これにより、機器組み込みとしてのコンセントと、露出コンセントとを各別の専用部品としてコンセント本体20および支持板30を形成する場合と比較して、専用部品のための金型を省略することができる。その結果、製造コストの低減を図ることができる。
【0087】
また、突状部23の前面23Aとカバー90の前面とは面一とすることもできる。これにより、コンセント10を露出コンセントして使用した場合のコンセント10の美観を一層向上することができる。
【0088】
またカバー90のコンセント10への取付態様はねじに限定されることはない。例えば、カバー90に係合爪を設けるとともにコンセント本体20に係合凹部を設けた上で、係合爪と係合凹部とを係合することによりカバー90をコンセント本体20に取り付けることもできる。
【0089】
第1の実施形態において、図14に示すように、ケース21から凹所24を省略することもできる。この場合、栓刃挿入口25は突状部23の前面23Aに形成される。また、この構成は、第2の実施形態のコンセント10にも適用することができる。
【0090】
第2の実施形態では、シャフト61を回動中心として支持板30が回動可能としたが、支持板30の変位態様はこれに限定されることはない。例えば、図15に示すように、支持板30は、前後方向Xにスライド可能に変位することもできる。具体的には、支持板30は、コンセント本体20内部に収容される収納位置と、コンセント本体20よりも前方に支持板30の全てが突出する突出位置との間をスライドする。この場合、プラグ50をコンセント10に接続していない状態では、支持板30を収納位置とし、プラグ50をコンセント10に接続しようとするときに支持板30を突出位置とする。なお、支持板30をスライドさせる機構としては、既知のものを用いる。また上記機構として、例えば、収納位置において、支持板30がコンセント本体20内部に収容されることを解除するボタンを押操作することにより、自動的に支持板30が突出位置に移動することも考えられる。また、図15では、収納位置として支持板30の全体がコンセント本体20内部に収納されたが、支持板30の一部が収納される位置を収納位置とすることもできる。
【0091】
第2の実施形態において、支持板30から凹所71を省略することもできる。この場合、支持板30の表面は平面形状に形成される。
第2の実施形態では、支持板30の先端部74は、上下方向Zに沿って延びる形状であったが、先端部74の形状はこれに限定されることはない。例えば、図16(a)に示すように、支持板30が閉位置において、先端部74には、前方に向けて延びる先端突出部75を設けることもできる。またこの先端突出部75は、図16(b)に示すように、前方に向かうにつれて上方に向けて傾斜する形状とすることもできる。このような形状にすることにより、支持板30に対して使用者の指を一層引っ掛けやすくなるため、使用者が開操作を一層容易に行うことができる。
【0092】
第2の実施形態では、支持板30の先端部74が突状部23より上方に突出したが、先端部74は突状部23と上下方向Zにおいて同位置または下方となるように設けることもできる。
【0093】
第2の実施形態では、支持板30が凹所24の一部を覆う構成であったが、図17に示すように、支持板30として、凹所24の全体を覆う構成とすることもできる。すなわち支持板30は、外扉としての役割を果たす。この場合、図17(b)に示すように、支持板30が閉位置のときに支持板30は、突状部23の前面23Aにおける凹所24の周縁に当接する。これにより、支持板30により凹所24が覆われるため、支持板30が閉位置のときに凹所24内および栓刃挿入口25を介してコンセント本体20内部に異物が侵入することを抑制することができる。加えて、コンセント本体20内部の電源用内扉41および接地用内扉42と板ばね43〜45を省略することができる。
【0094】
第2の実施形態では、図8に示すように、突状部23の下端部に支持部21Aが設けられることにより、支持板30は支持部21Aに取り付けられたシャフト61を回動中心として回動する構成であったが、支持板30の回動する構成はこれに限定されることはない。例えば、突状部23の上端部に支持部21Aが設けられることにより、支持板30が支持部21Aに取り付けられたシャフト61を回動中心として回動することもできる。すなわち支持板30の一端が上端部となり、支持板30の他端が下端部となる。
【0095】
第2の実施形態では、図9に示すように、支持板30は突状部23の前面23Aに設けられたが、支持板30は突状部23の左右方向Yの両側面の少なくとも一方に設けることができる。
【0096】
上記各実施形態では、支持板30が下方に撓むことにより、または支持板30が閉方向に回動することにより当接突起部31が突起部56から離れる構成であったが、当接突起部31が突起部56から離れる構成はこれに限定されることはない。例えば、図18に示すように、当接突起部31が支持板30に対して上下方向Zに変位可能な構成とすることもできる。具体的には、図18(a)に示すように、支持板30の前方の部位には、下方に向けて凹む凹所76が設けられている。この凹所76には、当接突起部31が設けられた可動部材35と可動部材35を上方に向けて付勢するコイルばね36とが収容されている。可動部材35の上方には、可動部材35の上方への移動を規制する枠体状のカバー部材37がねじ38によって支持板30に固定されている。このとき、コイルばね36は圧縮された状態にて収容されている。これにより、プラグ50がコンセント10に挿入される前の状態においては、可動部材35がカバー部材37に当接した状態にて維持されている。
【0097】
図18(b)に示すように、プラグ50をコンセント10に挿入する場合において、プラグ50の突起部56が支持板30の当接突起部31に当接するとき、コイルばね36の付勢力に抗して可動部材35は下方に向けて移動する。この状態において、プラグ50を後方に向けて移動させることにより、突起部56が当接突起部31を乗り越える。その後、図18(c)に示すように、コイルばね36の付勢力により、可動部材35は上方に向けて移動する。その結果、プラグ50の前方凹部59A(図4参照)に当接突起部31が収容される。これにより、プラグ50は支持板30に固定される。
【0098】
上記各実施形態において、電源用内扉および接地用内扉がプラグ50の栓刃52が当接することに伴い回動することにより、栓刃挿入口25を開閉する構成であれば、他の構成を用いることもできる。
【0099】
上記各実施形態では、図2に示すように、前方から見た平面視において、突状部23は、上方が湾曲形状であるとともに下方が矩形状となるように形成されたが、突状部23の形状はこれに限定されることはない。例えば、前方から見た平面視において、突状部23は矩形状(図12参照)または円形状に形成することもできる。要するに、突状部23は壁体5の開口部5Aに挿通することにより、コンセント10に対する壁体5の位置決めができる形状であればよい。
【0100】
上記各実施形態では、図1に示すように、突状部23が壁体5の開口部5Aに挿通することにより、コンセント10に対する壁体5の位置決めを行ったが、突状部23はこれに限定されることはない。例えば、壁体5の開口部5Aとは別のところに突状部が挿通するための貫通孔を形成し、その貫通孔と対応するコンセント本体20の前面の位置に突状部を設けることもできる。
【0101】
上記実施形態では、図2に示すように、コンセント本体20の前面が充電スタンド1の壁体5に固定されたが、コンセント本体20の壁体5に対する取付態様はこれに限定されることはない。例えば、コンセント本体20の後面または側面を壁体5に固定することもできる。このような場合においては、図13に示すカバー90をコンセント本体20に取り付けることにより、コンセント10の美観性を向上することができる。
【0102】
上記実施形態では、図1に示すように、コンセント10を充電スタンド1に組み付けたが、コンセント10の適用はこれに限定されることはない。例えば、家屋等の建物の屋外側の壁面にコンセント10を取り付けることもできる。
【0103】
また、上記壁面に取り付けられた制御盤にコンセント10を組み付けることもできる。また、コンセント本体および固定部(支持板)を有するコンセントにおいてコンセント本体に栓刃挿入口が前面に形成されるとともに固定部が設けられた突状部が設けられる構成であれば、充電スタンド1に限定されない。コンセント10の前面側をパネル等に取り付けることにより組み込みを行う機器であれば、第1の実施形態の効果(1)と同様の効果を奏することができる。
【0104】
上記実施形態では、充電装置として、電気自動車にケーブルを介して接続することにより、電気自動車のバッテリに充電する充電スタンド1として具体化したが、充電装置の種類はこれに限定されることはない。バッテリを備える外部機器にケーブルを介して接続することにより、同バッテリに充電する装置であれば、他の装置にも適用することができる。
【符号の説明】
【0105】
10…コンセント、20…コンセント本体、23…突状部、23A…前面、24…凹所、25…栓刃挿入口、30…支持板(固定部)、31…当接突起部(当接部)、32…上面(プラグと対向する固定部の面)、41…電源用内扉(内扉)、42…接地用内扉(内扉)、50…プラグ、52…栓刃、56…突起部、74…先端部(扉体の他端側の端部)、81…外扉、90…カバー、CP…接続位置(支持板とコンセント本体との接続位置)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラグの栓刃が挿入される栓刃挿入口を有するコンセント本体を備えるコンセントにおいて、
前記コンセント本体には、前記コンセント本体の前面から前方に向けて突出する突状部と、前記突状部から前方に向けて突出する固定部とが設けられ、
前記突状部の前面には、前記栓刃挿入口が設けられ、
前記固定部は、栓刃が前記栓刃挿入口に挿入された状態において、プラグに設けられた突起部を固定することにより前記栓刃が前記栓刃挿入口から抜けることを防止する
ことを特徴とするコンセント。
【請求項2】
請求項1に記載のコンセントにおいて、
前記固定部には、栓刃が前記栓刃挿入口に挿入された状態において、前記固定部のプラグと対向する面からプラグに向けて突出する当接部が設けられ、
前記固定部は前記突状部との接続位置を支点として弾性変形するものであり、
前記突起部が前記当接部を乗り越えた後、前記突起部に前記当接部が当接することにより前記突起部は固定される
ことを特徴とするコンセント。
【請求項3】
請求項1または2に記載のコンセントにおいて、
前記固定部は、前記栓刃挿入口を覆う閉位置と前記栓刃挿入口を外部に露出させる開位置との間を回動可能である
ことを特徴とするコンセント。
【請求項4】
請求項3に記載のコンセントにおいて、
前記固定部は、前記固定部の一端が前記突状部に取り付けられるとともに、前記固定部の他端が前記固定部の一端を回動中心として、前記突状部から前方に突出した状態と前記突状部の前面に当接した状態との間で回動可能であり、
前記固定部が前記突状部の前面に当接した状態において、前記固定部の他端側の端部は前記突状部よりも他端側に突出する
ことを特徴とするコンセント。
【請求項5】
請求項1または2に記載のコンセントにおいて、
前記固定部は、前記コンセント本体内部に少なくとも一部が収納される収納位置と、前記コンセント本体から前記固定部の全体が前方に突出する突出位置との間をスライド可能である
ことを特徴とするコンセント。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載のコンセントにおいて、
前記コンセント本体の内部には、前記栓刃挿入口を開閉する内扉が設けられる
ことを特徴とするコンセント。
【請求項7】
請求項1または2に記載のコンセントにおいて、
前記突状部には、少なくとも前記栓刃挿入口を前方から覆う閉位置と前記栓刃挿入口を外部に露出させる開位置との間を変位可能な外扉が設けられる
ことを特徴とするコンセント。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載のコンセントにおいて、
前記突状部の前面には、後方に向けて凹む凹所が設けられ、
前記凹所の底面には、前記栓刃挿入口が設けられる
ことを特徴とするコンセント。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載のコンセントにおいて、
前記コンセント本体には、前記突状部を覆うことによりコンセント本体の前面を平滑にするカバーが取り付けられる
ことを特徴とするコンセント。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載のコンセントが組み込まれる充電装置であって、
当該充電装置は、バッテリを備える外部機器に対してケーブルを介して接続することにより同バッテリの充電を行う
ことを特徴とする充電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2011−216423(P2011−216423A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−85559(P2010−85559)
【出願日】平成22年4月1日(2010.4.1)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】