説明

コンテンツ・データの管理サーバ、管理プログラム及び管理方法

【課題】管理端末と再生端末との関係の自由度を高めるとともに、管理端末を利用する際の管理プログラムのインストールを不要なものとする。
【解決手段】コンテンツ・データを再生出力する再生端末13を、インターネット26に接続する汎用コンピューター2上で実行される汎用ブラウザソフト91を通じて、操作可能な管理プログラム103の実行手段と、再生端末13のユーザーを特定するユーザー識別情報と、ユーザーが視聴可能なコンテンツ・データを再生するための情報とを関連付ける認証情報を格納するストレージ101とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネット等の通信ネットワークを通じて、コンテンツ提供者から提供される音楽や映像、その他のコンテンツ・データをダウンロードし、オーディオプレーヤー等の再生端末において視聴するシステムにおいて、通信ネットワーク上の管理サーバで、コンテンツ・データの管理を行うためのコンテンツ・データの管理サーバ、管理プログラム及び管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ハードディスクやフラッシュメモリなどの小型で大容量のストレージ部品が普及するようになり、それらの部品に音楽や映画などのコンテンツ・データを記録し、それらコンテンツを再生して楽しむことができる、小型軽量のコンテンツ再生端末も普及しつつある(例えば、特許文献1)。
【0003】
図9に従来のコンテンツ再生端末におけるコンテンツ・データ管理方法を示す。同図に示すように、従来の管理方法では、パーソナルコンピュータ等の汎用コンピューター2を管理端末として、この管理端末に再生端末13を接続し、管理端末側から再生端末13内に保存されたコンテンツ・データを管理する。
【0004】
この汎用コンピューター2は、ハードディスクなどのストレージ4と、CPU9と、RAM10等のメモリ装置と、キーボードやマウス、モニタなどのユーザーI/F11と、ネットワークに接続するための通信インターフェース(I/F)3と、再生端末13等の外部機器を接続するUSBなどの通信I/F12とを備えている。
【0005】
上記汎用コンピューター2のストレージ4には、コンテンツ等のデータが格納されるコンテンツ・データ5と、コンテンツ・データのリストであるライブラリ6と、管理処理の具体的内容が記述された管理プログラム7と、この管理端末で管理できる再生端末の一覧である再生端末リスト8とが記憶・保持されている。
【0006】
一方、再生端末13は、ハードディスクやフラッシュメモリなどのストレージ14と、CPU18と、RAM19と、キーボードやモニタ等のユーザーI/F20と、USBなどの通信I/F24と、識別番号を記録したROM25とを備えている。かかるストレージ14には、コンテンツ・データ15と、コンテンツ・データ15のリストであるライブラリ16と、コンテンツ・データを再生するための方法が記述された再生プログラム17とが、記録保持されている。
【0007】
再生端末13のユーザーI/F20には、音声を再生する音声出力装置21と、動画や静止画を表示する画像出力装置22と、これらを操作するための入力装置23とが設けられている。
【0008】
そして、再生端末13内のコンテンツ・データ15の管理は、コンテンツ・データ15が膨大であることから、ユーザーがコンテンツ・データを管理するために、汎用コンピューター2に、専用の管理プログラム7がインストールされ、汎用コンピューター2と再生端末13とを、通信I/F12、24を通じて接続することによって行う。
【0009】
汎用コンピューター2のストレージ4には、コンテンツ・データ5が保管されており、再生端末13のストレージ14内に保存されたコンテンツ・データ15のリストとしてライブラリ6を保持している。汎用コンピュータ2側の管理プログラム7は、汎用コンピュータ2側のライブラリ6と、再生端末13側のライブラリ16とが一致するように管理を行う。
【特許文献1】特開2006−252478号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上述した従来の方法では、ユーザーが購入したコンテンツが、管理端末(汎用コンピューター2)と再生端末13という固定された関係の元で管理されることから、管理端末と再生端末13を同時に使用できる環境にない限り、新規のコンテンツをコンテンツ提供者1から入手し、再生端末13に追加するということができなかった。
【0011】
また、管理プログラム7がインストールされていないコンピューターは、管理端末として使うことができないことから、他のコンピューターに、改めて管理プログラムをインストールして使わなくてはならなかった。また、他のコンピューターに管理プログラムをインストールしても、ユーザー自身が既に購入したコンテンツについては、特定の管理端末と再生端末との固定された関係に拘束されるため、他のコンピューターを通じて再生端末13で利用することができなかった。
【0012】
そこで、本発明は、上記のような問題を解決するものであり、管理端末と再生端末との関係の自由度を高めるとともに、管理端末を利用する際の管理プログラムのインストールを不要なものとすることができるコンテンツ・データの管理サーバ、管理プログラム及び管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明は、通信ネットワークを通じてコンテンツ提供者から提供され、再生端末で再生出力されるコンテンツ・データを、通信ネットワーク上において管理する管理サーバであって、コンテンツ・データを再生出力する再生端末を、通信ネットワークに接続する接続手段上で実行されるブラウザ手段を通じて、操作可能な管理プログラムの実行手段と、再生端末のユーザーを特定するユーザー識別情報と、ユーザーが視聴可能なコンテンツ・データを再生するための情報とを関連付ける認証情報を格納するデータ格納手段と、を備える。かかる管理プログラムは、ブラウザ手段を通じ、ユーザー識別情報を照合して、ユーザーの認証を行い、認証の結果に応じて、コンテンツ提供者からコンテンツ・データを再生するための情報を取得し、取得した情報に基づいて認証情報を更新し、認証情報に基づいて、ユーザーが視聴可能なコンテンツ・データを、コンテンツ提供者から再生端末へ転送する。
【0014】
他の発明は、通信ネットワークを通じてコンテンツ提供者から提供され、再生端末で再生出力されるコンテンツ・データを、通信ネットワーク上において管理する管理プログラムであって、ネットワーク上に設置され、コンテンツ・データを再生出力する再生端末のユーザーを特定するユーザー識別情報と、ユーザーが視聴可能なコンテンツ・データを再生するための情報とを関連付ける認証情報を格納するデータ格納手段を有するサーバ装置において、以下のステップを含む処理を実行する。
【0015】
(1)再生端末を、通信ネットワークに接続する接続手段上で実行されるブラウザ手段と通信を確立する通信確立ステップ
(2)ブラウザ手段を通じ、ユーザー識別情報を照合して、ユーザーの認証を行うユーザー認証ステップ
(3)認証の結果に応じて、コンテンツ提供者からコンテンツ・データを再生するための情報を取得し、取得した情報に基づいて認証情報を更新する認証情報更新ステップ
(4)認証情報に基づいて、ユーザーが視聴可能なコンテンツ・データを、コンテンツ提供者から再生端末へ転送するコンテンツ・データ転送ステップ
さらに、他の発明は、通信ネットワークを通じてコンテンツ提供者から提供され、再生端末で再生出力されるコンテンツ・データを、通信ネットワーク上において管理する管理方法であって、コンテンツ・データを再生出力する再生端末のユーザーを特定するユーザー識別情報と、ユーザーが視聴可能なコンテンツ・データを再生するための情報とを関連付ける認証情報を格納するデータ格納手段を有するサーバ装置を、ネットワーク上に設置しておき、以下のステップを有する。
【0016】
(1)再生端末を、通信ネットワークに接続する接続手段上で実行されるブラウザ手段と通信を確立する通信確立ステップ
(2)ブラウザ手段を通じ、ユーザー識別情報を照合して、ユーザーの認証を行うユーザー認証ステップ
(3)認証の結果に応じて、コンテンツ提供者からコンテンツ・データを再生するための情報を取得し、取得した情報に基づいて認証情報を更新する認証情報更新ステップ
(4)認証情報に基づいて、ユーザーが視聴可能なコンテンツ・データを、コンテンツ提供者から再生端末へ転送するコンテンツ・データ転送ステップ
このようなコンテンツ・データの管理サーバ、管理プログラム及び管理方法によれば、汎用のブラウザ手段を通じて、通信ネットワーク上に設置された管理サーバへアクセス可能な環境にあれば、特別な管理プログラムがインストールされた接続手段(パーソナルコンピュータ等)を要することなく、再生端末内のコンテンツの管理を行うことができ、特定の接続手段との関係に拘束されることがなく、コンテンツ利用の自由度を高めることができる。
【0017】
なお、上記発明において、管理サーバのデータ格納手段には、ユーザー識別情報及びコンテンツ・データを再生するための情報に、さらに再生端末を特定するための端末識別情報を関連付けて格納しておき、コンテンツ・データ転送ステップに先行して、接続手段を通じて、再生端末内に記憶保持されている当該再生端末を特定する端末識別情報を取得し、この取得された端末識別情報と、データ格納手段内に格納された端末識別情報とを照合して、再生端末の認証を行うことが好ましい。
【0018】
この場合には、管理サーバにおいて、ユーザーが使用する再生端末の端末識別情報を用いて認証するため、ユーザーが複数の再生端末を利用する場合であっても、再生端末毎にコンテンツ・データの管理を行うことができる。
【発明の効果】
【0019】
以上述べたように、本発明によれば、インターネット等の通信ネットワークを通じて、コンテンツ提供者から提供される音楽や映像、その他のコンテンツ・データをダウンロードし、オーディオプレーヤー等の再生端末において視聴するシステムにおいて、通信ネットワーク上の管理サーバで、コンテンツ・データの管理を行うことによって、管理端末と再生端末との関係の自由度を高めるとともに、管理端末を利用する際の管理プログラムのインストールを不要なものとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に添付図面を参照して、本発明に係るコンテンツ・データの管理システムの実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施形態に係るコンテンツ・データの管理システムの全体構成を示すブロック図である。
【0021】
同図に示すように、本実施形態に係るコンテンツ・データの管理システムは、コンテンツ提供者1が使用するコンテンツ配信サーバ1aと、ユーザーが使用する汎用コンピューター2及び再生端末13と、コンテンツ管理サーバ100とから構成される。そして、本実施形態では、コンテンツ管理サーバ100をインターネット26上に設置し、管理プログラムがインストールされた特定の管理端末ではなく、汎用コンピューター2の汎用ブラウザソフト91を通じて、コンテンツ管理サーバ100にアクセスし、コンテンツ管理サーバ100上で実行される管理プログラム103により、再生端末13のコンテンツ・データ15の管理を行う。
【0022】
例えば、コンテンツ提供者1のコンテンツ配信サーバ1aから新規コンテンツを入手する場合、ユーザーは、汎用ブラウザソフト91から管理プログラム103を呼び出し、この管理プログラム103により、ライブラリ102及びユーザー/再生端末リスト104に新規コンテンツ情報を追加し、入手されたコンテンツ・データ15は、汎用コンピューター2内には保存されず、再生端末13のストレージ14のみに保存され、コンテンツ・データが汎用コンピューター2に残らないようにする。これにより、インターネット26に接続された汎用コンピューターであれば、管理プログラムのインストールを要することなく、再生端末13内のコンテンツ管理を行うことができる。
【0023】
(システムの全体構成)
前記再生端末13は、再生端末13は、コンテンツ・データを再生・出力する機能を備えた携帯端末であり、通信インターフェース24を介して、電気的、物理的に接続が可能となっている。具体的にこの再生端末13は、ハードディスクやフラッシュメモリなどのストレージ14と、CPU18と、RAM19と、キーボードやモニタ等のユーザーI/F20と、USBなどの通信I/F24と、識別番号を記録したROM25とを備えている。再生端末13のストレージ14には、コンテンツ・データ15と、コンテンツ・データのリストであるライブラリ16と、コンテンツ・データを再生するための方法が記述された再生プログラム17とが、記録保持されている。
【0024】
ライブラリ16には、図6に示すように、ストレージ14内にダウンロード(チェックイン)されたコンテンツ・データ15のリストであるコンテンツ・リスト29が含まれている。再生端末13のユーザーI/F20には、音声を再生する音声出力装置21と、動画や静止画を表示する画像出力装置22と、これらを操作するための入力装置23とが備えられている。なお、音の再生に特化した再生端末の場合、画像出力装置は必ずしも必要ない。
【0025】
再生端末13内のコンテンツ・データ15の管理は、コンテンツ・データ15が膨大であることから、ユーザーがコンテンツ・データを管理し再生するために、汎用コンピューター2には、専用の再生プログラム17がインストールされている。この再生プログラム17は、上記ユーザーI/F20を通じて操作可能であり、上記コンテンツ・リスト29を読み出すことによって、コンテンツの再生出力をする際には、コンテンツに関する情報を一覧表示し、ユーザーI/F20を通じてのユーザー操作に応じて、再生出力処理を実行する。
【0026】
一方、汎用コンピューター2は、再生端末13をインターネット26に接続する接続手段であり、通常の機能を備えた汎用コンピューターで実現することができる。この汎用コンピューター2は、具体的に、CPU9と、RAM10等のメモリ装置と、キーボードやマウス、モニタなどのユーザーI/F11と、ネットワークに接続するための通信インターフェース(I/F)3と、他の外部機器を接続する通信I/F12とを有している。
【0027】
CPU9は、演算処理装置であり、各種プログラムを実行することにより、CPU上に仮想的に各種モジュールを構築する。本実施形態では、このCPU9により、汎用ブラウザソフト91を実行することによって、この汎用コンピューター2を、再生端末13をインターネット26に接続する接続手段として機能させる。なお、この「モジュール」とは、装置や機器等のハードウェア、或いはその機能を持ったソフトウェア、又はこれらの組み合わせなどによって構成され、所定の動作を達成するための機能単位を示す。
【0028】
汎用ブラウザソフト91は、Webページを閲覧するためのアプリケーションソフトであり、インターネット26からHTML(HyperText Markup Language)ファイルや画像ファイル、音楽ファイルなどをダウンロードし、レイアウトを解析して表示・再生する。また、この汎用ブラウザソフト91は、フォームを使用して、ユーザーが入力したデータをコンテンツ管理サーバ100に送信したり、管理プログラム103を呼び出して実行させることも可能となっている。
【0029】
通信I/F12は、再生端末13を汎用コンピューター2に接続するための通信接続手段であり、再生端末13側の通信I/F24との間でデータの送受信が可能となっている。この通信インターフェースとしては、例えばUSBなどの方式や無線による非接触通信方式などが含まれる。
【0030】
(コンテンツ管理サーバ100の構成)
前記コンテンツ管理サーバ100は、コンテンツ提供者1から提供されるコンテンツ・データを、インターネット26上において管理する管理サーバであって、例えばWWW(World Wide Web)等のドキュメントシステムにおいて、HTML(HyperText Markup Language)ファイルや画像ファイルなどの情報送信を行うサーバコンピューター或いはその機能を持ったソフトウェアであり、HTML文書や画像などの情報をストレージ101内に蓄積しておき、汎用ブラウザソフト91などのクライアントソフトウェアの要求に応じて、インターネット26を通じて情報を送信する。
【0031】
具体的に、コンテンツ管理サーバ100は、CPU106と、RAM105等のメモリ装置と、インターネット26に接続するための通信インターフェース107と、各種データを格納するストレージ101とを有している。
【0032】
CPU106は、管理プログラム103を実行するプログラム実行手段であり、管理プログラム103を実行することによって、汎用コンピューター2上で実行される汎用ブラウザソフト91を通じて、コンテンツ・データの管理サービスを提供することができる。
【0033】
この管理プログラム103は、汎用ブラウザソフト91を通じ、ユーザー側から操作可能なアプリケーションであり、認証が成功したユーザーに対して、各ユーザーに固有の登録されたライブラリ102を表示し、編集を行うインターフェースを提供するとともに、ライブラリ102に基づいて、ユーザーが視聴可能なコンテンツ・データを、コンテンツ提供者1から再生端末13へ転送(ダウンロード)させるサービスを提供する。
【0034】
具体的に、管理プログラム103は、ストレージ101内のライブラリ102やユーザー/再生端末リスト104を照合して、ユーザーの認証や端末の認証を行い、この認証の結果に応じて、コンテンツ・データを再生するための情報(再生方法)を、コンテンツ提供者から取得し、取得した情報に基づいてライブラリ102を更新し、更新されたライブラリ102に応じて、再生端末13にコンテンツのダウンロード及び視聴を許可する。
【0035】
ストレージ101は、各種データを格納するデータ格納手段であり、上記管理プログラム103の他、ライブラリ102と、ユーザー/再生端末リスト104とを格納している。
【0036】
ユーザー/再生端末リスト104は、ユーザーを特定する特定するユーザー識別情報と、ユーザーが視聴可能なコンテンツ・データを再生するための情報とを関連付けるテーブルデータであり、ライブラリ102とリレーションを有することによって、ユーザー認証や端末認証、決裁処理のための認証データを形成する。
【0037】
ユーザー/再生端末リスト104は、例えば、図3に示すように、ユーザーを特定するためのユーザー識別子(ID)と,パスワード、ライブラリ名、決裁情報、メールアドレスなどを関連付けたデータセットである。ここでの決裁情報とは、ユーザーとコンテンツ提供者1との決裁方法に関する情報である。
【0038】
また、ライブラリ102は、図4及び図5に示すように、ユーザーが購入し、視聴可能な全コンテンツ・リスト27と、実際に再生端末13にダウンロード(チェックイン)されたコンテンツ・データのリストである再生端末コンテンツ・リスト28から構成される。これら両リストが含んでいる情報は、例えば、全コンテンツ・データリスト27には、コンテンツ識別番号やコンテンツ名、著作権情報、再生時間、記録情報量、購入履歴情報などであり、再生端末コンテンツ・リスト28には、コンテンツのうち、再生端末内にダウンロード(チェックイン)したか否かのステイタスであるチェックフラグや、ダウンロード先の再生端末番号、及びこれらの履歴などが含まれる。
【0039】
(コンテンツ管理方法)
以上の構成を有するコンテンツ管理サーバ100を動作させることによって、本発明のコンテンツ管理方法を実施することができる。
【0040】
まず、ユーザーは、管理の対象となる再生端末13を汎用コンピューター2に接続し、汎用コンピューター2上で実行された汎用ブラウザソフト91を通してコンテンツ管理サーバ100にアクセスする。コンテンツ管理サーバ100では、管理プログラム103が、常に起動状態にあり、ユーザーのアクセスに応じて、ユーザーの認証及び再生端末の認証が自動的に開始される。図2は、管理プログラムのユーザー及び再生端末認証の流れを示すフローチャート図である。
【0041】
すなわち、ステップS201において、ユーザー認証を行い、次いで、ステップS203において、再生端末の認証を行う。具体的には、ステップS201におけるユーザー認証では、汎用コンピューター2側において、ユーザーが汎用ブラウザソフト91上に表示された認証フォームの記入領域に、自己のIDとパスワードとを入力する。この入力されたデータをコンテンツ管理サーバ100側で取得し、管理プログラム103により、ストレージ101内のユーザー/再生端末リスト104を参照し、IDとパスワードが一致するかどうかを確認する。一致しなかった場合(S201における”N”)、接続拒否のメッセージを、汎用ブラウザソフト91に表示させる(S202)。
【0042】
次に、ステップS203において、汎用コンピューター2に接続された再生端末13の認証を行う(S203)。この認証には再生端末13に割り振られ、ROM25に格納された当該再生端末13に固有の識別番号を、汎用コンピューター2を経由してコンテンツ管理サーバ100側に送信する。
【0043】
コンテンツ管理サーバ100側では、この取得した端末識別子と、ユーザー/再生端末リスト104とを参照し、取得された端末識別子が、あらかじめ登録されたものでない場合(ステップS203における”N”)には、再生端末不一致のメッセージを汎用ブラウザソフト91に表示させ(S204)、それ以上の作業は行わず、サービスを終了する。一方、端末識別子が登録されたものである場合には、全ての認証作業が成功したとして(S203における”N”)、汎用ブラウザソフト91に、認証されたユーザーに固有のページを表示させ、このユーザー固有のページにおいて、登録されたライブラリ102を表示させ、編集が行えるようにする。
【0044】
また、ユーザーが、ライブラリ102やユーザー/再生端末リスト104を編集し、コンテンツデータの追加・削除を行うと、管理プログラム103は、例えばJAVA(登録商標)などの汎用ブラウザソフト91上で動作するプログラムを用いて、再生端末13内のコンテンツデータの追加・削除を実行する。
【0045】
例えば、新規のコンテンツを購入するときには、次のような管理が行われる。図7は、新規にコンテンツを購入するときの手順を示すフローチャート図である。
【0046】
汎用ブラウザソフト91を通じて、ユーザーが新規コンテンツを追加購入する操作すると、管理プログラム103は、コンテンツ提供者1にアクセスする(S301)。コンテンツ提供者1のコンテンツ配信サーバ1aは、この管理プログラム103からのアクセスに応じて、自己が販売しているコンテンツのリストを管理プログラム103に提供する。
【0047】
管理プログラム103は、そのコンテンツリストを汎用ブラウザソフト91において選択可能に表示させ、ユーザーに対して選択操作を促す。これに応じてユーザーが選択したコンテンツに関するデータが管理プログラム103において取得され、選択されたコンテンツの購入手続を、コンテンツ配信サーバ1aに指示する(S302)。コンテンツ配信サーバ1aと管理プログラム103は、あらかじめユーザー/再生端末リスト104に登録された方法に従って、決裁処理を実行する(S303)。
【0048】
決裁処理が終了すると、管理プログラム103は、ライブラリ(全コンテンツ・リスト27及び再生端末コンテンツ・リスト28)に、新たに購入されたコンテンツに関する情報を追加登録する(S304)。その後、管理プログラム103は、汎用コンピューター2を通じて、再生端末のコンテンツ・データ15にコンテンツ・データをダウンロード(チェックイン)させ(S305)、再生端末13内のライブラリ16にコンテンツ情報を追加する。ダウンロード完了が確認されると(S306)、新規コンテンツ入手処理は終了される。
【0049】
なお、ユーザーが再生端末コンテンツ・リストから、あるコンテンツ情報を削除した場合には、管理プログラム103は、再生端末13のコンテンツ・データ15からコンテンツ・データを削除し、ライブラリ16から当該のコンテンツ情報を削除する。
【0050】
また、例えば、既に購入済みのコンテンツを、再生端末13から削除(又はチェックアウト)したような場合に、その削除したコンテンツを再生端末13に復帰させるときには、図8に示す処理を行う。なお、本実施形態では、コンテンツ管理サーバ100内に購入したコンテンツ・データを蓄えておき、それを提供するのではなく、コンテンツ配信サーバ1aが持っているコンテンツデータベース1bを活用する。これによりコンテンツ管理サーバ100は、コンテンツ・データを保管する必要がなく、コンテンツ管理サーバ100の負荷を低減することができる。
【0051】
まず、ユーザーは、汎用ブラウザソフト91を操作して管理プログラム103を実行し、復帰させたいコンテンツデータの選択を行う。この選択操作は、全コンテンツ・リスト27に列記されたユーザーが視聴可能なコンテンツのリストの中で行う。すなわち、既に購入済みのデータであれば復帰が可能であり、全コンテンツ・リスト27中にないコンテンツに関しては、新規の購入処理となる。
【0052】
このユーザーの選択操作を受けて、管理プログラム103は、全コンテンツ・リスト27に列記されたユーザーが視聴可能なコンテンツのリストの中から、復帰の選択を受けたコンテンツのコンテンツ情報を再生端末コンテンツ・リスト28に追加する(S401)。
【0053】
次に、管理プログラム103が、コンテンツ提供者1にアクセスし(S402)、復帰させるコンテンツを指示する(S403)。この指示に応じて、コンテンツ配信サーバ1aと管理プログラム103との間で決裁処理が開始されるが、ここでは既に購入済みのコンテンツの復帰処理なので、課金は発生しない。
【0054】
具体的には、管理プログラム103は、決裁処理に際し、コンテンツ・リストにある決裁情報を提示し、当該コンテンツが購入済みであることを通知する(S404)。これにより課金が発生することなく決裁処理が終了し、再生端末13に、コンテンツ提供者1から、復帰に係るコンテンツ・データがダウンロードされ、再生端末13のライブラリにコンテンツ情報が追加される(S405)。このダウンロード完了が確認されると(S405)、一連の処理が終了する。
【0055】
(作用・効果)
以上説明した本実施形態によれば、ネット上に管理プログラムとライブラリの提供者はライブラリの情報だけを保管すればよいので、非常に安価にサービスを提供できる。
【0056】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず種々の変更を加えることができる。例えば、管理サーバ内の管理プログラム、ライブラリ、ユーザー/再生端末リストは、同一のサーバ内に保管する必要はなく、連携するように配置された複数のサーバ群に分散させて配置してもよい。
【0057】
またライブラリ内の全コンテンツ・リスト27、28は、別個のテーブルデータとする必要はなく、2つに分割せずに統合し、再生端末にコンテンツ・データを置くかどうかの判別情報が付加されているような形式でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】実施形態に係るコンテンツ・データの管理システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】実施形態に係る管理プログラムのユーザー及び再生端末認証の流れを示すフローチャート図である。
【図3】実施形態に係るユーザー・再生端末リストのデータ構成を示す図表である。
【図4】実施形態に係るライブラリ102のデータ構成を示す説明図である。
【図5】実施形態に係るライブラリ102のデータ構成を示すブロック図である。
【図6】実施形態に係るライブラリ16のデータ構成を示すブロック図である。
【図7】実施形態に係る
【図8】実施形態に係る新規コンテンツの入手手順を示すフローチャート図である。
【図9】実施形態に係る購入済みコンテンツの復帰処理の手順を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
【0059】
1…コンテンツ提供者
1a…コンテンツ配信サーバ
1b…コンテンツデータベース
2…汎用コンピューター
9…CPU
10…RAM
13…再生端末
14…ストレージ
15…コンテンツ・データ
16…ライブラリ
17…再生プログラム
18…CPU
19…RAM
21…音声出力装置
22…画像出力装置
23…入力装置
24…通信インターフェース
25…ROM
26…インターネット
27…全コンテンツ・リスト
28…再生端末コンテンツ・リスト
29…コンテンツ・リスト
91…汎用ブラウザソフト
100…コンテンツ管理サーバ
101…ストレージ
102…ライブラリ
103…管理プログラム
104…ユーザー/再生端末リスト
105…RAM
106…CPU
107…通信インターフェース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークを通じてコンテンツ提供者から提供され、再生端末で再生出力されるコンテンツ・データを、該通信ネットワーク上において管理する管理サーバであって、
前記再生端末を前記通信ネットワークに接続する接続手段上で実行されるブラウザ手段を通じて操作可能な、管理プログラムの実行手段と、
前記再生端末のユーザーを特定するユーザー識別情報と、該ユーザーが視聴可能なコンテンツ・データを再生するための情報とを関連付ける認証情報を格納するデータ格納手段と、
を備え、
前記管理プログラムは、
前記ブラウザ手段を通じ、前記ユーザー識別情報を照合して、ユーザーの認証を行い、
該認証の結果に応じて、前記コンテンツ提供者から前記コンテンツ・データを再生するための情報を取得し、
取得した情報に基づいて前記認証情報を更新し、
該認証情報に基づいて、該ユーザーが視聴可能なコンテンツ・データを、コンテンツ提供者から前記再生端末へ転送する
ことを特徴とするコンテンツ・データの管理サーバ。
【請求項2】
前記データ格納手段には、前記ユーザー識別情報及び前記コンテンツ・データを再生するための情報に、さらに前記再生端末を特定するための端末識別情報を関連付けて格納し、
前記管理プログラムは、前記コンテンツ・データの転送に際し、前記接続手段を通じて、前記再生端末内に記憶保持されている当該再生端末を特定する端末識別情報を取得し、この取得された端末識別情報と、前記データ格納手段内に格納された端末識別情報とを照合して、再生端末の認証を行う
ことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ・データの管理サーバ。
【請求項3】
通信ネットワークを通じてコンテンツ提供者から提供され、再生端末で再生出力されるコンテンツ・データを、該通信ネットワーク上において管理する管理プログラムであって、
前記ネットワーク上に設置され、前記コンテンツ・データを再生出力する再生端末のユーザーを特定するユーザー識別情報と、該ユーザーが視聴可能なコンテンツ・データを再生するための情報とを関連付ける認証情報を格納するデータ格納手段を有する管理サーバにおいて、
前記再生端末を、前記通信ネットワークに接続する接続手段上で実行されるブラウザ手段と通信を確立する通信確立ステップと、
前記ブラウザ手段を通じ、前記ユーザー識別情報を照合して、ユーザーの認証を行うユーザー認証ステップと、
前記認証の結果に応じて、前記コンテンツ提供者から前記コンテンツ・データを再生するための情報を取得し、取得した情報に基づいて前記認証情報を更新する認証情報更新ステップと、
前記認証情報に基づいて、該ユーザーが視聴可能なコンテンツ・データを、コンテンツ提供者から前記再生端末へ転送するコンテンツ・データ転送ステップと
を含む処理を実行させることを特徴とするコンテンツ・データの管理プログラム。
【請求項4】
前記データ格納手段には、前記ユーザー識別情報及び前記コンテンツ・データを再生するための情報に、さらに前記再生端末を特定するための端末識別情報を関連付けて格納しておき、
前記管理プログラムは、前記コンテンツ・データ転送ステップに先行して、
前記接続手段を通じて、前記再生端末内に記憶保持されている当該再生端末を特定する端末識別情報を取得し、この取得された端末識別情報と、前記データ格納手段内に格納された端末識別情報とを照合して、再生端末の認証を行う端末認証ステップを実行する
ことを特徴とする請求項3に記載のコンテンツ・データの管理サーバ。
【請求項5】
通信ネットワークを通じてコンテンツ提供者から提供され、再生端末で再生出力されるコンテンツ・データを、該通信ネットワーク上において管理する管理方法であって、
前記コンテンツ・データを再生出力する再生端末のユーザーを特定するユーザー識別情報と、該ユーザーが視聴可能なコンテンツ・データを再生するための情報とを関連付ける認証情報を格納するデータ格納手段を有する管理サーバを、前記ネットワーク上に設置しておき、
前記再生端末を、前記通信ネットワークに接続する接続手段上で実行されるブラウザ手段と通信を確立する通信確立ステップと、
前記ブラウザ手段を通じ、前記ユーザー識別情報を照合して、ユーザーの認証を行うユーザー認証ステップと、
前記認証の結果に応じて、前記コンテンツ提供者から前記コンテンツ・データを再生するための情報を取得し、取得した情報に基づいて前記認証情報を更新する認証情報更新ステップと、
前記認証情報に基づいて、該ユーザーが視聴可能なコンテンツ・データを、コンテンツ提供者から前記再生端末へ転送するコンテンツ・データ転送ステップと
を含むことを特徴とするコンテンツ・データの管理方法。
【請求項6】
前記データ格納手段には、前記ユーザー識別情報及び前記コンテンツ・データを再生するための情報に、さらに前記再生端末を特定するための端末識別情報を関連付けて格納しておき、
前記コンテンツ・データ転送ステップに先行して、前記接続手段を通じて、前記再生端末内に記憶保持されている当該再生端末を特定する端末識別情報を取得し、この取得された端末識別情報と、前記データ格納手段内に格納された端末識別情報とを照合して、再生端末の認証を行う端末認証ステップを実行する
ことを特徴とする請求項5に記載のコンテンツ・データの管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−3607(P2009−3607A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−162288(P2007−162288)
【出願日】平成19年6月20日(2007.6.20)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【Fターム(参考)】