説明

コンテンツ再生装置、制御方法および電子機器

【課題】筐体に設けられた操作子の位置検出を非接触で行い、筐体内部のスペースの有効利用および筐体の小型化とともに筐体内部に対する浸水防止性能の向上を図ること。
【解決手段】本発明は、防水機能を備えた筐体20と、筐体20内に設けられコンテンツ再生部と、筐体20の外周に設けられ、筐体20の軸を回転軸として回転可能シャトルスイッチ8dと、シャトルスイッチ8dに設けられる磁石と、筐体20内に配置され、磁石から磁束の密度を非接触で検出する複数のホール素子と、シャトルスイッチ8dの移動によって複数のホール素子にて検出される磁束密度に基づいて操作子の位置を判別し、その判別した位置に応じてコンテンツ再生部での再生に関する制御を行う制御部とを備えるコンテンツ再生装置2である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記憶されたコンテンツを所望の機能に基づき再生するコンテンツ再生装置およびその制御方法ならびに電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体メモリを利用して音楽や写真、動画といったコンテンツを記憶しておき、ユーザの任意操作によって再生する小型で携帯性に優れたコンテンツ再生装置が多く開発されている。特に、半導体メモリの大容量化や低コスト化に伴い、非常に小型でありながら大量のコンテンツを記憶できる機器も登場し、益々利用の幅が広がってきている。
【0003】
このような機器では、様々なコンテンツを大量に記憶できるため、その中からユーザの好みのデータを迅速に見つけ出し、再生できるようにするため、様々な再生機能が組み込まれている。例えば、CD(Compact Disc)等から音楽データを取り込み、記憶している場合には、アーティスト名やアルバム単位で再生対象を検索して再生する機能や、ユーザが任意に設定したプレイリストなどの範囲によって再生対象を絞り込み再生する機能、また、毎回異なる再生順で再生を行うようにするシャッフル再生機能なども選択できるようになっている。
【0004】
従来、コンテンツ再生装置における再生対象や再生機能の選択、決定を容易に行うための機器として、ダイヤル式の操作子を備えた機器が特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−84902号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ダイヤル式の操作子によってコンテンツ再生対象等を選択する機構においては、本体筐体内に電子スイッチが配置され、操作子の動作を機械的に電子スイッチに伝達して動作の検出を行っているため、少なからずリンク機構が必要となり、本体筐体の小型化やスペースの有効利用を図るのが困難となっている。しかも、操作子と本体筐体内部との間にリンク機構等を設ける必要から、リンク機構を通すための穴を本体筐体に設けなければならず、十分な防水性を得られないという問題が生じている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明はこのような課題を解決するために成されたものである。すなわち、本発明は、防水機構を備えた筐体と、筐体内に設けられコンテンツ再生部と、筐体の外周に設けられ、筐体の軸を回転軸として回転可能操作子と、操作子に設けられる磁石と、筐体内に配置され、磁石から磁束の密度を非接触で検出する複数のホール素子と、操作子の移動によって複数のホール素子にて検出される磁束密度に基づいて操作子の位置を判別し、その判別した位置に応じてコンテンツ再生部での再生に関する制御を行う制御部とを備えるコンテンツ再生装置である。
【0008】
このような本発明では、筐体の外周に対して回転可能および軸方向移動可能に操作子が設けられており、この操作子の動作を磁石と複数のホール素子とによって非接触で検出することから、操作子の動作を筐体内部へ伝えるリンク機構が不要となる。このため、筐体にリンク機構を通すための穴も必要なく、防水性を高める機能を容易に実現できるようになる。また、操作子の回転方向および軸方向への移動を複数のホール素子で検出するため、操作子の数多くのポジションを検出でき、多種多様なコンテンツ再生機能に対応できるようになる。
【0009】
また、本発明は、防水機能を備えた筐体の外周に、筐体の軸を回転軸として回転可能に設けられるとともに、筐体の軸方向に移動可能に設けられる操作子の位置を検出し、筐体内に設けられるコンテンツ再生部での再生に関する制御を行う制御方法において、操作子の移動に伴い、操作子に設けられた磁石から磁束の密度を筐体内に配置された複数のホール素子にて検出する工程と、検出した磁束密度に基づいて操作子の位置を判別し、その判別した位置に応じてコンテンツ再生部での再生に関する制御を行う工程とを備える制御方法である。
【0010】
このような本発明では、筐体の外周に対して回転可能および軸方向移動可能に設けられた操作子の位置を検出するにあたり、磁石と複数のホール素子とによって非接触で検出することから、リンク機構等を用いることなく操作子の位置を非接触で的確に検出できるようになる。
【0011】
また、本発明は、防水機能を備えた筐体と、筐体内に設けられる電子回路と、筐体の外周に設けられ、筐体の軸を回転軸として回転可能に設けられるとともに、筐体の軸方向に移動可能に設けられる操作子と、操作子に設けられる磁石と、筐体内に配置され、磁石から磁束の密度を非接触で検出する複数のホール素子と、操作子の移動によって複数のホール素子にて検出される磁束密度に基づいて操作子の位置を判別し、その判別した位置に応じて電子回路の制御を行う制御部とを備える電子機器である。
【0012】
このような本発明では、筐体の外周に対して回転可能および軸方向移動可能に操作子が設けられており、この操作子の動作を磁石と複数のホール素子とによって非接触で検出することから、操作子の動作を筐体内部へ伝えるリンク機構が不要となる。このため、筐体にリンク機構を通すための穴も必要なく、防水性を高める機能を容易に実現できるようになる。また、操作子の回転方向および軸方向への移動を複数のホール素子で検出するため、操作子の数多くのポジションを検出でき、電子回路に対する多様な制御を行うことができるようになる。
【0013】
ここで、複数のホール素子として4つのホール素子で構成し、各ホール素子を、操作子の回転方向および軸方向における移動の軸とずれた位置に配置すると、操作子の位置による複数のホール素子の感度差を小さくでき、より的確な位置検出を行うことができるようになる。
【0014】
さらに、操作子に設ける磁石の筐体と反対側にヨーク部材を設けることで、ヨーク部材側への磁束を減少させ、ホール素子側への磁束密度を増大できるようになる。
【0015】
また、本発明のように、筒状の筐体を利用して、この筐体に設けた操作子の位置を非接触で検出する構成のため、筐体に設ける穴を必要最小限(例えば、外部機器との接続を行うための端子部分や表示パネルを備える場合にはその部分)にすることができ、この穴と穴を塞ぐ蓋との間に浸水防止部材を配置しやすい構成を実現できるようになる。
【発明の効果】
【0016】
したがって、本発明によれば、操作子の位置検出を非接触で行うため、操作子の動作を筐体内部に伝えるリンク機構が不要となり、筐体内部のスペースを有効利用できるとともに、筐体の小型化を図ることが可能となる。また、筐体内部に対する浸水防止性能の向上を図ることができ、防水性の優れた機器を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施形態に係るコンテンツ再生装置を適用する記録再生システムの概要を示した図である。
【図2】パーソナルコンピュータ3の内部構成を示すブロック図である。
【図3】コンテンツ再生装置2の内部構成について示したブロック図である。
【図4】本実施形態に係るコンテンツ再生装置の外観斜視図である。
【図5】本実施形態に係るコンテンツ再生装置の分解斜視図である。
【図6】本実施形態に係るコンテンツ再生装置の上方側から見た一部分解斜視図である。
【図7】本実施形態に係るコンテンツ再生装置の下方側から見た一部分解斜視図である。
【図8】シャトルスイッチ周辺の構成を説明する分解斜視図(その1)である。
【図9】シャトルスイッチ周辺の構成を説明する分解斜視図(その2)である。
【図10】本実施形態のコンテンツ再生装置における上面側から見た断面図である。
【図11】上面側から見たシャトルスイッチ周辺の拡大断面図である。
【図12】本実施形態のコンテンツ再生装置における側面側から見た断面図である。
【図13】側面側から見たシャトルスイッチ周辺の拡大断面図である。
【図14】シャトルスイッチの移動と代表的なコンテンツ再生機能との対応を説明する模式図である。
【図15】磁石と複数のホール素子とを用いた位置検出の原理を説明する模式図である。
【図16】従来のシャトルスイッチの構造と本実施形態のシャトルスイッチの構造との違いを説明する模式図である。
【図17】4つのホール素子の配置について説明する模式図である。
【図18】ホール素子の正方形配置と磁石との位置関係を説明する図である。
【図19】シャトルスイッチの移動座標に対する機能割り当ての一例を示す模式図である。
【図20】正方形配置の場合の出力値の差を示す図である。
【図21】菱形配置の場合の出力値の差を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.コンテンツ再生装置を適用する装置の概要(記録再生システムの概要、パーソナルコンピュータの内部構成、コンテンツ再生装置の内部構成、操作子の例)
2.コンテンツ再生装置の詳細(分解斜視図、シャトルスイッチ周辺の構成、内部構成の例)
3.コンテンツ再生機能(シャトルスイッチの動作と機能の例)
4.本実施形態の特徴(従来構造との比較、ホール素子、機能の割り当ての例)
【0019】
<1.コンテンツ再生装置を適用する装置の概要>
[記録再生システムの概要]
図1は、本実施形態に係るコンテンツ再生装置を適用する記録再生システムの概要を示した図である。図1において、記録再生システム1としては、コンテンツ再生装置2、パーソナルコンピュータ3、サーバ装置4、ネットワーク5、および光ディスク100を少なくとも含んで構成される。
【0020】
先ず、コンテンツ再生装置2としては、ポータブル用途のものを想定している。また、記録媒体として例えばフラッシュメモリなどの半導体メモリを内蔵した構成が採られる。また、パーソナルコンピュータ3は情報処理装置であり、例えばUSB(Universal Serial Bus)ケーブル等を介してコンテンツ再生装置2との間でのデータ通信を行うことが可能とされる。また、ネットワーク5を介して接続された外部装置(サーバ装置4)との間でもデータ通信を行うことが可能とされる。
【0021】
この記録再生システム1においては、パーソナルコンピュータ3において光ディスク100などから取り込んだコンテンツをコンテンツ再生装置2にダウンロードし、これを再生出力するという使用形態を想定している。
【0022】
この場合、光ディスク100としては、パッケージメディアとして市販される音楽CD(Compact Disc)とされ、コンテンツとしてはオーディオデータであるとする。なお、コンテンツはオーディオデータ以外であっても、画像データや動画データ、その他アプリケーションソフトウェアで適用できる各種フォーマットのデータなどが挙げられるが、本実施形態では説明を分かりやすくするためオーディオデータを例とする。
【0023】
パーソナルコンピュータ3においては、記録再生システム1の使用形態を可能とするためのアプリケーションソフト(コンテンツ管理アプリケーション300a)がインストールされる。
【0024】
このコンテンツ管理アプリケーション300aは、光ディスク100からのコンテンツの取り込み、取り込んだコンテンツの編集、およびコンテンツのコンテンツ再生装置2へのダウンロードまでを一括して管理するアプリケーションである。
【0025】
例えばユーザは、このコンテンツ管理アプリケーション300aを起動させてその指示に従った操作を行うことで、光ディスク100からパーソナルコンピュータ3へのコンテンツの取り込み、および取り込んだコンテンツの編集(例えばアルバム単位での区分けやプレイリストの作成、コンテンツの削除など)等を行うことが可能とされる。
【0026】
また、このコンテンツ管理アプリケーション300aとしては、コンテンツ再生装置2がパーソナルコンピュータ3に接続されたときに、操作に応じパーソナルコンピュータ3側に蓄積されているコンテンツをコンテンツ再生装置2側にダウンロードする機能も備えている。
【0027】
また、このコンテンツ管理アプリケーション300aとしては、光ディスク100からのコンテンツを例えばATRAC(Adaptive TRansform Acoustic Cording)方式やMP3(MPEG Audio Layer3)方式などの所定の圧縮符号化方式により圧縮符号化して記録する機能も備えており、これによってコンテンツ再生装置2により多くのコンテンツを記録させることができるように図られている。
【0028】
さらに、コンテンツ管理アプリケーション300aによっては、光ディスク100から取り込んだコンテンツについての楽曲名(トラック名)や収録アルバム名、アーティスト名などといったコンテンツの付加情報を取得することが可能とされている。
【0029】
ここで、従来より、光ディスク100から抽出した情報を元に、その収録曲についての付加情報を取得するということが行われている。例えば、CDのTOC(Table Of Contents)データには、CDに収録されているトラック数(曲数)、各トラックのアドレス(絶対時間情報)、総演奏時間などが記録されている。これは通常、同一タイトルのCDにおいて同一のデータとなるが、異なるタイトルのCDにおいて全てが一致することは、まずあり得ない。従って、TOCデータからCDタイトルに固有のコードを生成することができ、この固有コードに対応づけて各タイトルの各トラックごとの付加情報を格納した楽曲情報データベースを構築しておくことで、対象とするCDから生成した固有コードを元に、その収録曲についての付加情報をこのデータベースから取得することができる。
【0030】
この場合、上記楽曲情報データベースとしては、図示するようにネットワーク5に接続されたサーバ装置4において構築されているとする(図中楽曲情報データベース4a)。
【0031】
コンテンツ管理アプリケーション300aは、装填された光ディスク100のコンテンツの取り込みが指示されたことなどに応じて、この装填された光ディスク100のTOCデータに基づいて上記固有コードを生成する。そして、サーバ装置4にアクセスして、この固有コードを検索条件として楽曲情報データベース4aを照会することで、装填された光ディスク100に収録されるコンテンツに対応する付加情報を取得する。
【0032】
その上で、光ディスク100から取り込んだコンテンツと取得した付加情報とがそれぞれ対応づけられて管理されるように管理情報を生成してコンテンツを管理するようにされる。
【0033】
なお、このようにして光ディスク100に記録されたコンテンツに対応する付加情報を楽曲情報データベースから取得する技術としては既に公知のものであり、本明細書におけるその具体的な動作についての説明は省略する。
【0034】
また、ここでは楽曲情報データベース4aはネットワーク5を介して接続されたサーバ装置4において構築される場合のみについて示しているが、パーソナルコンピュータ3が楽曲情報データベース4aの全部又は一部を備えるように構成することもできる。
【0035】
コンテンツ再生装置2では、上記のようにしてパーソナルコンピュータ3側で蓄積され、付加情報が対応付けられたコンテンツがダウンロードされ、これが内蔵する記録媒体に記録される。これによりコンテンツ再生装置2においては、記録媒体に記録されたコンテンツについての再生を行うことが可能とされると共に、コンテンツについてのトラック名やアルバム名、アーティスト名などといった付加情報の表示を行うことが可能とされる。
【0036】
[パーソナルコンピュータの内部構成]
図2は、図1に示したパーソナルコンピュータ3の内部構成を示すブロック図である。図2において、先ずCPU210は、起動されたプログラムに基づいてパーソナルコンピュータ3全体の制御、演算処理を行う。例えばユーザに対する入出力動作、HDD300へのデータファイルの格納や管理情報の作成・更新等を行う。CPU210は、図示するバス360を介して各部との間で制御信号やデータのやりとりを行うようにされる。
【0037】
メモリ部220は、CPU210が処理に用いるROM、RAM、フラッシュメモリなどを包括的に示している。メモリ部220におけるROMには、CPU210の動作プログラム、プログラムローダー等が記憶される。また、メモリ部220におけるフラッシュメモリには、各種演算係数、プログラムで用いるパラメータ等が記憶される。さらに、メモリ部220におけるRAMには、プログラムを実行する上でのデータ領域、タスク領域が一時的に確保される。
【0038】
USB(Universal Serial Bus)インタフェース230は、USBケーブルを介して接続された外部機器との間でデータ通信を行うために備えられる。特に、この場合のUSBインタフェース230を介しては、図2に示したコンテンツ再生装置2との間でオーディオデータ等の各種データの送受信が行われる。
【0039】
HDD300においては、上述のようにしてCPU210の制御に基づきデータファイルの格納や管理情報の作成・更新等が行われる。例えば、図1にて述べたようにして光ディスク100から取り込んだコンテンツについては、このHDD300に格納される。また、先にも述べたようにこの場合のコンテンツは、楽曲情報データベース4aから取得した付加情報と対応付けられて管理されるもとなる。このようにコンテンツを管理するためのコンテンツ管理情報もHDD300に記録される。ここでは、HDD300に記録されるこれらコンテンツとコンテンツ管理情報とを、コンテンツベース300bとして示している。
【0040】
また、HDD300に対しては、パーソナルコンピュータ3が各種の機能を実現するためのプログラム(アプリケーション)も格納される。特に、本実施の形態の場合では、先の図1においても述べたようにしてコンテンツを管理するためのコンテンツ管理アプリケーション300aが格納される。
【0041】
入力部250は、パーソナルコンピュータ3に備えられる図示しないキーボードやマウス、あるいはリモートコマンダー、その他の入力デバイスであって、ユーザが各種操作入力やデータ入力を行う。入力部25で入力された情報は入力処理部240で所定の処理が施され、CPU210に対して操作又はデータの入力として伝達される。CPU210は入力された情報に対応して必要な演算や制御を行う。
【0042】
メディアドライブ290は、例えばCD、MD(Mini Disc:光磁気ディスク)、CD−R(Recordable)、CD−RW(ReWritable)、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−R、DVD−RWなどの光ディスク、またはメモリーカード(リムーバブルメディアとしての半導体メモリ装置)等の記録メディアに対応するドライブ機能部であり、これらメディアについての記録再生動作を行うことが可能に構成される。例えばメディアとして、本実施の形態の光ディスク100のようなCD系のディスクメディアに対応する場合、このメディアドライブ290には、例えば光学ヘッド、スピンドルモータ、再生信号処理部、サーボ回路等が備えられるものとなる。
【0043】
ドライブ制御部280は、メディアドライブ290に装填されたメディアについての記録再生動作、アクセス動作等を制御する。例えばユーザが入力部250を介して装填されたメディアに対する再生操作を行った場合、CPU210はドライブ制御部280にメディアの再生を指示する。するとドライブ制御部280は、メディアドライブ290に対してアクセス動作や再生動作を実行させるための制御を行う。メディアドライブ290では、読み出した再生データをドライブ制御部280を介してバス360に送出する。
【0044】
オーディオデータ処理部330は、CPU210の制御に基づき、入力されたオーディオデータについて、イコライジング等の音場処理や音量調整、D/A変換、増幅等の処理を施し、これをスピーカ部340を介して出力する。例えば、メディアドライブ290により読み出されたオーディオデータ、又はHDD300に格納されたオーディオデータ(コンテンツ)が再生される際には、このオーディオデータがオーディオデータ処理部330において処理された後、スピーカ部340を介して出力される。
【0045】
なお、HDD300内のコンテンツベース300bに格納されるコンテンツとしては、所定の圧縮符号化方式により圧縮符号化されている場合があり、その場合、この圧縮符号化データは後述する圧縮符号化・復号化部350にて復号化されてからオーディオデータ処理部330に供給されることになる。
【0046】
ディスプレイ270は、例えば液晶パネルなどの表示デバイスとされ、ユーザに対して各種情報表示を行う。例えば、CPU210が各種動作状態や入力状態、通信状態に応じて表示情報を表示処理部260に供給すると、表示処理部260は供給された表示データに基づいてディスプレイ270を駆動して表示動作を実行させる。
【0047】
また、上記したメディアドライブ290に装填されたメディアから、あるいはHDD300から映像データが再生された場合には、この再生データについての信号処理を行い、これにより得られた信号に基づいてディスプレイ270を駆動することにより映像表示を行わせる。
【0048】
通信処理部310は、CPU210の制御に基づいて送信データのエンコード処理、受信データのデコード処理を行う。ネットワークインタフェイス320は、上記通信処理部310でエンコードされた送信データを、図1に示したネットワーク5を介して所定の機器、例えばサーバ装置4に送信する。またネットワーク5を介してサーバ装置4などの外部機器から送信されてきた信号を通信処理部310に受け渡す。通信処理部310は受信した情報をCPU210に転送する。
【0049】
圧縮符号化・復号化部350は、オーディオデータを所定の圧縮符号化方式により圧縮符号化すると共に、所定の圧縮符号化方式により圧縮符号化されたオーディオデータについての復号化処理を行う。ここでは、圧縮符号化・復号化部350がハードウエアとして構成される例を示しているが、その動作はCPU210のソフトウエア処理により実現することもできる。
【0050】
なお、パーソナルコンピュータ3の構成はこの図の構成に限られるものではなく、更に多様に考えられる。例えば、マイクロホンや外部のヘッドフォンの接続に用いられる端子や、DVDの記録再生に対応するビデオ入出力端子や、ライン接続端子、SPDIF端子等を設けた構成とすることもできる。
【0051】
[コンテンツ再生装置の内部構成]
図3は、図1に示したコンテンツ再生装置2の内部構成について示したブロック図である。このコンテンツ再生装置2としては、パーソナルコンピュータ3からダウンロードしたコンテンツ等を格納するための記録媒体として、図示するフラッシュメモリ18を備えるようにされている。この場合、フラッシュメモリ18の記憶容量としては、例えば数百MB(メガバイト)から数GB(ギガバイト)程度であるとする。
【0052】
また、このコンテンツ再生装置2としては、フラッシュメモリ18に格納されたコンテンツについての再生機能と共に、図示するチューナT19とアンテナA19とを備え、FM(Frequency Modulation)放送の受信・選局が可能に構成されている。なお、チューナT19やアンテナA19は必須の構成要件ではなく、必要に応じて備えられているものである。
【0053】
図3において、コントローラ6は、ROM、RAM、CPUを備えたマイクロコンピュータで構成され、起動されたプログラムに基づいてコンテンツ再生装置2全体の制御、演算処理を行う。例えばユーザに対する入出力動作、フラッシュメモリ18におけるコンテンツ等の記録/再生の制御等を行う。
【0054】
また、この場合、コントローラ6は、図示するDAC(D/Aコンバータ)6aとしてのD/A変換機能、および音量調節機能を備えるようにされている。
【0055】
コントローラ6に対しては、アンプ7、操作部8、チューナT19が接続される。アンプ7は、上記したDAC6aとしてのコントローラ6によるD/A機能および音量調節機能によりD/A変換および音量調節が行われたオーディオデータが入力され、これを増幅して図示するヘッドフォン端子tHPに供給する。
【0056】
また、操作部8には、当該コンテンツ再生装置2の筐体外部に表出するようにして設けられた各種操作子が備えられる。コントローラ6は、これら各種操作子に応じた操作信号が入力されると、その操作信号に応じた動作が得られるように必要な各部を制御する。これによりユーザは、これら操作部8が備える各種操作子に対する操作を行ってコンテンツ再生装置2に各種動作を実行させることができるようにされる。
【0057】
また、チューナT19は、図示するアンテナA19を介して入力されるFM放送信号について受信・選局処理を行い、その結果得られた音声信号をコントローラ6に供給する。コントローラ6はこのようにチューナT19から供給された音声信号について音量調節を行い、これをアンプ7に供給する。
【0058】
また、コントローラ6に対しては、図示する第1バス10を介してメモリ9が接続される。このメモリ9は、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリとされる。このメモリ9には、コントローラ6の各種演算に用いられる係数やプログラムで用いられるパラメータ等が記憶される。
【0059】
また、特に本実施の形態の場合、このメモリ9には、コントローラ6が処理動作を実行するための再生・表示プログラム9aが格納される。また、本実施の形態の場合、このメモリ9にはコントローラ6が処理動作を実行するための更新時プログラム9bも格納されている。
【0060】
なお、これら再生・表示プログラム9a、更新時プログラム9bとしては、フラッシュメモリ18、あるいはコントローラ6内部のROM等に格納することもできる。
【0061】
また、コントローラ6に対しては、図示するDACI/FとSIOとを介してデコーダ11が接続される。デコーダ11は、所定の圧縮符号化方式により圧縮符号化されたオーディオデータについての復号化処理を行う。また、このデコーダ11としては、上記復号化処理により得られたオーディオデータについてのサラウンド処理などの音声信号処理も行うようにされる。
【0062】
このデコーダ11からの出力オーディオデータは、DACI/Fを介してコントローラ6に供給され、このコントローラ6における先のDAC6aとしてのD/A変換処理、音量調節処理を経てアンプ7に供給された後、ヘッドフォン端子tHPに供給される。なお、コントローラ6は、図示するSIOを介してデコーダ11に対する各種制御指示を行うようにされる。
【0063】
また、コントローラ6には、第1バス10を介してシステムゲートアレイ12が接続される。このシステムゲートアレイ12は、オーディオデータやコマンドといった各種データの各部への転送制御を行うためのLSI(Large Scale Integration)である。
【0064】
システムゲートアレイ12は、図示するC/DI/Fを介してデコーダ11と接続される。また、システムゲートアレイ12は、第2バス13を介して表示制御部14、USBコントローラ16と接続される。さらに、第3バス17を介して、フラッシュメモリ18とも接続される。
【0065】
表示部15は、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、液晶ディスプレイなどの表示デバイスであり、ユーザに各種の情報表示を行う。
【0066】
表示制御部14は、コントローラ6から第1バス10、システムゲートアレイ、第2バス13を介して供給される表示データに基づき、表示部15を駆動して表示動作を実行させる。
【0067】
USBコントローラ16は、図示するUSB端子tUSBに接続されたUSBケーブルを介して接続される外部機器(この場合はパーソナルコンピュータ3)との間でデータ通信を行うために備えられる。つまり、USBコントローラ16は、USB通信方式に従って送信データのエンコード処理、受信データのデコード処理を行って外部機器との間でデータ通信を行う。
【0068】
なお、本実施の形態のコンテンツ再生装置2としては、USBマスストレージクラス(MSC)に対応しているものとする。これによりコンテンツ再生装置2がパーソナルコンピュータ3側とUSBケーブルを介して接続されたときには、パーソナルコンピュータ3側でコンテンツ再生装置2が外付けのストレージ機器として認識されるようになっている。
【0069】
ここで、これまでの説明からも理解されるように、パーソナルコンピュータ3側から転送されてくるコンテンツは、このUSBコントローラ16を介してコンテンツ再生装置2側に入力される。
【0070】
パーソナルコンピュータ3側からコンテンツが受信されたとき、USBコントローラ16は受信されたコンテンツを第3バス17経由で直接フラッシュメモリ18に転送し、その書込動作を実行させる。つまり、パーソナルコンピュータ3側から転送されるコンテンツについては、USBコントローラ16の制御に基づいてフラッシュメモリ18に記録される。
【0071】
また、パーソナルコンピュータ3側から転送されるコンテンツ管理情報、および各種リスト(再生回数順リスト、アーティストリンクリスト、リリース年別リスト、プレイリスト)の各情報としても、USBコントローラ16により上記コンテンツの経路と同様の経路によりフラッシュメモリ18に書き込まれる。
【0072】
図3では、このようにしてフラッシュメモリ18に格納されるコンテンツ、コンテンツ管理情報、各種リストの情報を、図示するようにしてコンテンツ18a、コンテンツ管理情報18b、各種リスト18cと示している。
【0073】
また、コンテンツ再生装置2へのコンテンツのダウンロード時、パーソナルコンピュータ3からはコマンドも転送される。このようなパーソナルコンピュータ3側からのコマンドについては、USBコントローラ16がこれを第2バス13→システムゲートアレイ12→第1バス10経由でコントローラ6に転送し、コントローラ6がコマンドの内容を解釈するようにされる。コントローラ6はこのコマンドの内容に応じて必要な処理を実行する。
【0074】
また、フラッシュメモリ18に記録されたコンテンツ18aについての再生時においては、コントローラ6の指示に基づきフラッシュメモリ18から読み出されたコンテンツ(圧縮符号化オーディオデータ)が第3バス17を介してシステムゲートアレイ12に入力される。
【0075】
システムゲートアレイ12は、入力されたコンテンツとしての圧縮符号化オーディオデータをC/DI/Fを介してデコーダ11に供給する。デコーダ11では、この圧縮符号化オーディオデータについての復号化処理を行ってオーディオデータを得ると共に、このオーディオデータについて所定の音声信号処理を施し、DACI/Fを介してコントローラ6に供給する。
【0076】
コントローラ6では、供給されたオーディオデータについて先のDAC6aとしてのD/A変換処理、音量調節処理を施してこれをアンプ7に供給する。アンプ7に供給されたオーディオデータは増幅されてヘッドフォン端子tHPに供給される。
【0077】
[操作子]
また、図4には、図3に示した操作部8が備える主な操作子について説明するための図として、コンテンツ再生装置の外観斜視図を示す。コンテンツ再生装置2の筐体20は、例えばアルミニウム等の金属によって筒状に構成され、一方端にヘッドフォン端子tHPが、他方端にUSB端子tUSBが設けられている。
【0078】
なお、USB端子tUSBは第2キャップ22bによって蓋がされている。一方、ヘッドフォン端子tHPには第1キャップ22aによってカバーされているが、端子部分には開口が設けられており、そのままヘッドフォンジャックを差し込めるようになっている。
【0079】
また、筐体20の上面には一部平坦部分が構成され、ここに表示部15のための穴部と操作部8のボタンスイッチのための穴部とが設けられている。そして、筐体20の一部平坦部に筐体カバー21が覆うよう取り付けられている。筐体カバー21は透光性を有するプラスチックによって成形され、この筐体カバー21が取り付けられることで筐体2の外形と一体となり、全体として円筒形をなす意匠が構成されている。
【0080】
操作部8としては、DISP/MENUキー8b、PLAY/STOPキー8c、シャトルスイッチ8d、VOL+キー8e、VOL−キー8fが備えられる。DISP/MENUキー8bは、表示部15としてのディスプレイ上の表示情報の切り替え、および、各種設定のためのmenu画面の呼び出しなどを指示するための操作子である。PLAY/STOPキー8cは、コンテンツの再生の開始/停止、および各種選択項目の決定を指示するための操作子である。
【0081】
シャトルスイッチ8dは、筐体20の軸方向に沿ったP1、P2、P3の3位置へのスライド操作(3スライド操作)と、図中曲線矢印によりそれぞれ示す筐体の外周方向に沿った2方向への回転操作とが可能な操作子とされる。
【0082】
このシャトルスイッチ8dの回転操作として、一方の回転方向への回転操作はFF操作であり、このFF操作によりトラックの先送りやスキップ、各種選択項目の順送り指示などが可能とされる。また、他方の回転方向への回転操作はFR操作であり、このFR操作によりトラックの後戻しや頭出し、各種選択項目の逆送り指示などが可能とされる。
【0083】
このシャトルスイッチ8dの上記3スライド操作として、図示するP1の位置はHOLD指示となり、シャトルスイッチ8dがこのP1の位置にスライドされている状態では一切の操作入力が受け付けられない状態となる。
【0084】
また、P2の位置はニュートラルな位置であり、シャトルスイッチ8dがこの位置にある状態で、上記したFF操作は再生中ではトラックの先送りとなり、停止中ではトラックのスキップ指示となる。一方、FR操作は再生中ではトラックの後戻りとなり、停止中ではトラックについての頭出し指示となる。なお、以下では、このP2の位置についてトラック位置とも呼ぶ。
【0085】
また、P3の位置はアルバム位置とされる。シャトルスイッチ8dがこのアルバム位置にスライドされている状態で且つ再生中であるとき、FF操作はアルバム単位(またはプレイリスト単位)でのスキップ指示となる。つまり、予め再生中のトラックが属するアルバムの次に再生されるべきとして決定されたアルバムの先頭トラックへの順送り指示となる。また、この場合のFR操作としては、アルバム単位(プレイリスト単位)での逆送り操作となる。すなわち、再生中のトラックが属するアルバムの、再生順序的に前とされるアルバムの先頭トラックへの逆送り指示となる。
【0086】
また、VOL+キー8e、VOL−キー8fは音量調節指示のための操作子であり、VOL+キー8eは音量up、VOL−キー8fは音量downを指示するための操作子となる。
【0087】
本実施形態では、筐体20に対してスライドおよび回転移動できる操作子であるシャトルスイッチ8dの位置を筐体20の内部で非接触にて検出するため、磁石と複数のホール素子とを利用している。すなわち、シャトルスイッチ8dの筐体20側に磁石が取り付けられ、筐体20の内部にはその磁石から磁束の密度を検出する複数のホール素子が配置されている。この磁石および複数のホール素子によるシャトルスイッチ8dの位置検出については後述する。
【0088】
<2.コンテンツ再生装置の詳細>
[分解斜視図]
図5は、本実施形態に係るコンテンツ再生装置の分解斜視図、図6は、本実施形態に係るコンテンツ再生装置の上方側から見た一部分解斜視図、図7は、本実施形態に係るコンテンツ再生装置の下方側から見た一部分解斜視図である。
【0089】
筒状の筐体20の内部には、基板30、フレーム31、平型バッテリ32、スイッチ33および表示部15が組み込まれる。基板30の裏面にはフラッシュメモリ18が取り付けられるとともに、図3で示すコントローラ6、アンプ7、メモリ9、デコーダ11、システムゲートアレイ12、表示制御部14、USBコントローラ16等がICや回路として実装されている。
【0090】
また、基板30の裏面側にはフレーム31に取り付けられた平型バッテリ32が配置される。平型バッテリ32が蓄電池の場合にはUSB端子tUSBを介してパーソナルコンピュータから蓄電のための電力が供給される。基板30の表面側には表示部15およびスイッチ部33が配置される。表示部15は基板30に実装される表示制御部14と接続される。
【0091】
これら基板30、フレーム31、平型バッテリ32、スイッチ部33および表示部15が筐体20の筒内に組み込まれた状態で、一方側の開口に第1スリーブ23aがはめ込まれ、他方側の開口に第2スリーブ23bがはめ込まれる。
【0092】
第1スリーブ23aは、筐体20の開口端形状に合わせた一方側が筐体20に挿入され、筐体20から延出する他方側が円筒形となっている。すなわち、筐体20の開口端形状を円筒形状に変換する役目を果たしている。また、筐体20に挿入される一方側には基板30の一端がはめ込まれ、筐体20の内部で基板30を支持する役目も果たす。
【0093】
第2スリーブ23bも第1スリーブ23aと同様に、筐体20の開口端形状に合わせた一方側が筐体20に挿入され、筐体20から延出する他方側が円筒形となっている。筐体20に挿入される一方側は基板30の他端に取り付けられたUSB端子tUSBが挿入され、USB端子tUSBによる外部との接続を可能にしている。第2スリーブ23bの他方側には円筒形に合わせた第2キャップ22bが取り付けられ、USB端子tUSBを使用しないときの蓋となっている。
【0094】
第1スリーブ23aの内側には中子スリーブ24が挿入される。中子スリーブ24は内部にヘッドフォン端子tHPを挿入した状態で第1スリーブ23aの内側にはめ込まれる。ヘッドフォン端子tHPは端子用基板26に取り付けられ、端子用基板26が第1スリーブ23aを介して基板30と接続される。
【0095】
また、中子スリーブ24の外周にはコイルバネ27が取り付けられている。このコイルバネ27はシャトルスイッチ8dに対して付勢力を与えており、シャトルスイッチ8dが回転方向に操作され、その操作による外力がなくなった際にニュートラルポジションへ復帰できるようになっている。
【0096】
シャトルスイッチ8dの内側には一対のボール付き板バネ28が取り付けられており、第1スリーブ23aの外側にシャトルスイッチ8dが配置されることでボール付き板バネ28のボール部分が第1スリーブ23aの溝と嵌合し、シャトルスイッチ8dの回転方向への移動規制と、軸方向への段階的な位置決めとを実現している。
【0097】
筐体20の上面には一部平坦部が設けられており、ここに筐体20内に組み込まれた表示部15が臨む穴部と、スイッチ部33の各種スイッチが臨む穴部とが設けられている。したがって、表示部15およびスイッチ部33が筐体20内に組み込まれると、表示部15および各種スイッチは対応する穴部に合わせて配置される。
【0098】
筐体20の上面に設けられた一部平坦部には防水シート21aが取り付けられ、その上に操作部8のDISP/MENUキー8b、PLAY/STOPキー8c、VOL+キー8e、VOL−キー8fを構成するスイッチカバー80と筐体カバー21とが取り付けられる。スイッチカバー80は例えばゴム系材料によってDISP/MENUキー8b、PLAY/STOPキー8c、VOL+キー8e、VOL−キー8fの部分が凸となる一体型の部材となっており、防水シート21aと密着することで筐体20に設けられたスイッチ部33のための穴部から筐体20内部への水分浸入経路を絶つことができる。
【0099】
このスイッチカバー80の凸部分の内部には支柱となる電極81が組み込まれており、スイッチカバー80によるDISP/MENUキー8b、PLAY/STOPキー8c、VOL+キー8e、VOL−キー8fの各スイッチが押下された際に内部の電極81を介して筐体20内のスイッチ部33の各対応するスイッチを動作させることができる。
【0100】
また、筐体カバー21は、筐体20に設けられた表示部15のための穴部を覆うとともにスイッチカバー80の押さえとしても利用される。この筐体カバー21が防水シート21aと密着することで筐体20に設けられた表示部15のための穴部から筐体20内部への水分浸入経路を絶つことができる。
【0101】
このような構成から成る本実施形態のコンテンツ再生装置2において、シャトルスイッチ8dの位置を検出する手段である磁石40はシャトルスイッチ8dの内面に取り付けられ、複数のホール素子41は端子用基板26に取り付けられている。
【0102】
[シャトルスイッチ周辺の構成]
図8は、シャトルスイッチ周辺の構成を説明する分解斜視図(その1)、図9は、シャトルスイッチ周辺の構成を説明する分解斜視図(その2)であり、各々異なる角度から見た図となっている。
【0103】
シャトルスイッチ8dの内面には、シャトルスイッチ8dの位置決めのためのボール付き板バネ28と、位置検出手段の一つである磁石40とが取り付けられている。一方、第1スリーブ23a内の中子スリーブ24に挿入されるヘッドフォン端子tHPを支持している端子用基板26の下面には4つのホール素子41が配置されている。
【0104】
したがって、第1スリーブ23a、中子スリーブ24および端子用基板26に支持されるヘッドフォン端子tHPを組み合わせた状態で筐体20に組み付け、さらにシャトルスイッチ8dを取り付けると、シャトルスイッチ8d側に取り付けられる磁石40と、筐体20内の端子用基板26に取り付けられる4つのホール素子41とが対応する位置に配置される状態となる。この磁石40と4つのホール素子41との位置関係によって変化する磁束密度を捕らえ、シャトルスイッチ8dの位置を検出することになる。
【0105】
ここで、シャトルスイッチ8dが筐体20に組み付けられると、内部のボール付き板バネ28のボール部28aが第1スリーブ23aの山29aを超えて溝29bに入り込む状態となる。ボール付き板バネ28はシャトルスイッチ8dの内面に対向するよう2つ設けられ、これに対応して第1スリーブ23aには山29aと溝29bとの組が両側に設けられている。そして、ボール付き板バネ28のボール部28aは第1スリーブ23a側に突出するよう付勢されることから、ボール部28aが溝29bに入り込むことで山29aによって規制され、シャトルスイッチ8dの移動方向および移動量を限定できるようになる。
【0106】
本実施形態では、第1スリーブ23aの外周に沿った所定長さの溝29bが2本と、ボール部28aより僅かに大きな窪み状の溝29bが1つ設けられている。この合計3つの溝29bのうちどの溝29bにボール部28aが入り込むかによってシャトルスイッチ8dの3スライド操作の位置が決まる。
【0107】
また、外周に沿った所定長さの溝29bにボール部28aが入り込むと、この溝29bの長さ分だけ外周方向の移動が可能となり、これによってシャトルスイッチ8dの回転方向への移動が可能となる。また、窪み状の溝29bにボール部28aが入り込むとシャトルスイッチ8dの回転方向への移動ができなくなる。つまり、上記外周に沿った所定長さの溝29bにボール部28aが入り込む状態がシャトルスイッチ8dの3スライド操作のうちP2、P3と対応し、窪み状の溝29bにボール部28aが入り込む状態がシャトルスイッチ8dの3スライド操作のうちP1と対応することになる。
【0108】
なお、本実施形態ではシャトルスイッチ8dが3スライド操作の場合を例としているが、溝29bの軸方向に並ぶ個数によってスライド操作の段階数を設定することができる。また、溝29bの外周方向に沿った長さによってシャトルスイッチ8dの回転移動量を設定することができる。また、山29aの高さによってスライド操作のクリック感の強弱を設定できる。つまり、山29aを高くするほどクリック感が強くなる。
【0109】
第1スリーブ23a内に中子スリーブ24が組み込まれると、第1スリーブ23aの切れ目から中子スリーブ24に巻き付けてあるコイルバネ27の両端が外方に突出する状態となる。そして、この状態でシャトルスイッチ8dを組み付けることで、コイルバネ27の両端がシャトルスイッチ8dの内面にある凸部に引っ掛かるようになる。つまり、シャトルスイッチ8dを指で摘んで回転方向に移動させるとコイルバネ27による付勢力が働き、指を離して力が解除されるとコイルバネ27の付勢力によってシャトルスイッチ8dを自動的にニュートラルポジションへ戻すことができる。シャトルスイッチ8dの内面にはコイルバネ27の両端が引っ掛かっているため、シャトルスイッチ8dをいずれの回転方向に移動させても、外力を解除することで必ずニュートラルポジションに復帰させることができる。
【0110】
[内部構成]
図10は、本実施形態のコンテンツ再生装置における上面側から見た断面図、図11は、上面側から見たシャトルスイッチ周辺の拡大断面図、図12は、本実施形態のコンテンツ再生装置における側面側から見た断面図、図13は、側面側から見たシャトルスイッチ周辺の拡大断面図である。
【0111】
筒状の筐体20内に基板30等が組み込まれ、USB端子tUSB側を第2スリーブ23bおよび第2キャップ22bで塞ぎ、ヘッドフォン端子tHP側を第1スリーブ23a、中子スリーブ24、第1キャップ22aで塞ぐことで筐体20の両端側での防水構造を実現している。
【0112】
すなわち、各図に示すハッチング付き丸印は防水のためのOリングを示している。本実施形態では、筐体20が筒状になっているためOリングを用いて容易かつ確実に防水機能を実現できる。
【0113】
例えば、ヘッドフォン端子tHP側については、筐体20の第1スリーブ23aとつなぎ目部分、第1スリーブ23aと中子スリーブ24とのつなぎ目部分、中子スリーブ24とヘッドフォン端子tHPとのつなぎ目部分にOリングが挿入される。一方、USB端子tUSB側については、筐体20と第2スリーブ23bとのつなぎ目部分、第2スリーブ23bと第2キャップ22bとのつなぎ目部分にOリングが挿入される。
【0114】
なお、筐体20の表示部15側は先に説明したように防水シート、スイッチカバー80、筐体カバー21によって穴部が塞がれるため、防水性を確保できる。また、シャトルスイッチ8dの移動は非接触で検出する構成のため、シャトルスイッチ8dと筐体20との間には穴がなく、これらによって本実施形態のコンテンツ再生装置2では十分な防水性を発揮することが可能となる。
【0115】
また、シャトルスイッチ8dと筐体20との間にリンク機構が存在せず、シャトルスイッチ8dがある筐体20側のスペースを有効に利用することができる。つまり、シャトルスイッチ8dのためのリンク機構がない分、シャトルスイッチ8dの内側領域にヘッドフォン端子tHPやその他の回路等を組み込むことができ、コンテンツ再生装置2の高密度化および小型化を実現することができる。
【0116】
特に、本実施形態では、コンテンツ再生装置2の全体外形を円筒形にでき、シンプルな構成かつ防水性に優れた装置を提供することができる。また、円筒形の外形形状を生かしてアームバンドやクリップ等の保持具を取り付けてもよい。
【0117】
また、図13に示すように、シャトルスイッチ8dの内側に配置される磁石40の筐体20と反対側にヨーク板40aを設けてもよい。ヨーク板40aは磁性体によって構成され、磁石40のヨーク板40a側への磁束が減少し、ホール素子41側に高い磁束密度を与えることができる。これにより、ホール素子41による感度を向上させることができる。また、磁石40からコンテンツ再生装置2の外部への漏洩磁界を低減でき、他の機器へ影響を与えずに済む。さらに、外部からコンテンツ再生装置2への磁気の影響を低減でき、システム動作の安定性を向上できる。
【0118】
<3.コンテンツ再生機能>
[シャトルスイッチの動作と機能]
次に、シャトルスイッチの移動によるコンテンツ再生機能について説明する。図14は、シャトルスイッチの移動と代表的なコンテンツ再生機能との対応を説明する模式図である。すなわち、図14(a)に示すようにシャトルスイッチ8dが1段目(P1)のポジションにあると、シャトルスイッチ8dの回転移動は行われずセンター位置で固定となり、HOLD状態となる。HOLD状態では現在の選択された機能から変更できないようになり、誤動作を防止することができる。
【0119】
また、図14(b)に示すようにシャトルスイッチ8dが2段目(P2)のポジションにあると、シャトルスイッチ8dの回転移動が可能となり、センター位置に対して左回転させるとFF操作(再生中はトラックの先送り、停止中はトラックの+スキップ:頭出し)となる。回転させた後、手を離すとシャトルスイッチ8dはセンター(ニュートラルポジション)に戻る。したがって、1度左回転させると1トラック分送ることができ、2度左回転させると2トラック分、3度で3トラック分…というように、回転させた回数に応じてトラックを送ることができる。また、左回転させた状態を維持すると、再生中では現在再生中のトラックの先送りを行うことができ、停止中ではトラックの連続+スキップを行うことができる。
【0120】
反対に、シャトルスイッチ8dをセンター位置に対して右回転させるとFR操作(再生中はトラックの後戻し、停止中はトラックの−スキップ:頭出し)となる。回転させた後、手を離すとシャトルスイッチ8dはセンター(ニュートラルポジション)に戻る。したがって、1度右回転させると1トラック分戻すことができ、2度右回転させると2トラック分、3度で3トラック分…というように、回転させた回数に応じてトラックを戻すことができる。また、右回転させた状態を維持すると、再生中では現在再生中のトラックの戻しを行うことができ、停止中ではトラックの連続スキップを行うことができる。
【0121】
また、図14(c)に示すようにシャトルスイッチ8dが3段目(P3)のポジションにあると、シャトルスイッチ8dの回転移動が可能となり、センター位置に対して左回転させるとFolder(アルバムやプレイリスト等)の送り操作となる。回転させた後、手を離すとシャトルスイッチ8dはセンター(ニュートラルポジション)に戻る。したがって、1度左回転させると1Folder分送ることができ、2度左回転させると2Folder分、3度で3Folder分…というように、回転させた回数に応じてFolderを送ることができる。また、左回転させた状態を維持すると、Folderの連続送りを行うことができる。
【0122】
反対に、シャトルスイッチ8dをセンター位置に対して右回転させるとFolderの戻し操作となる。回転させた後、手を離すとシャトルスイッチ8dはセンター(ニュートラルポジション)に戻る。したがって、1度右回転させると1Folder分戻すことができ、2度右回転させると2Folder分、3度で3Folder分…というように、回転させた回数に応じてFolderを戻すことができる。また、右回転させた状態を維持すると、Folderの連続戻しを行うことができる。
【0123】
なお、以上の機能割り当ては一例であり、コンテンツ再生装置2の設計思想によって異なるものである。また、このような機能割り当てをユーザによって変更できるようにしてもよい。つまり、いくつかの割り当てパターンを予め用意しておき、ユーザの好みによって切り替えて設定できるようにすれば、使い勝手を向上できる。
【0124】
このようなシャトルスイッチ8dの位置による機能の選択は、先に説明した磁石と複数のホール素子との位置関係によって非接触で行うことができる。図15は、磁石と複数のホール素子とを用いた位置検出の原理を説明する模式図である。可動側である磁石40に対してX方向に2つ、Y方向に2つのホール素子41が固定側として配置される。ここで、X方向とはシャトルスイッチ8dの回転方向、Y方向とはシャトルスイッチ8dのスライド操作方向を言う。
【0125】
そして、4つの固定されたホール素子41に対し、磁石40の位置が変化した場合、磁石40により発生する磁束密度を4つのホール素子41で個別に検知し、制御IC42にて4つのホール素子41の出力を加減し、磁石40の位置をX,Y座標で出力することができる。
【0126】
例えば、4つのホール素子41で検出される磁束密度を図15に示すようにH1〜H4とすると、X座標はH4−H1、Y座標はH3−H2により演算できる。よって、ホール素子41を筐体側、磁石40をシャトルスイッチ側に配置することで、筐体に対するシャトルスイッチの相対位置を検知することができる。
【0127】
なお、図15において4つのホール素子41から出力される信号を受けてシャトルスイッチの位置を算出し出力する制御IC42は、単独のICとして構成しても、また図3に示すコントローラ6内で実現してもよい。
【0128】
<4.本実施形態の特徴>
[従来構造との比較]
図16は、従来のシャトルスイッチの構造と、本実施形態のシャトルスイッチの構造との違いを説明する模式図である。図16(a)に示す従来のシャトルスイッチ8dでは、筐体20内のスイッチを機械的に動作させるため筐体20に穴を設けてここからリンク機構を内部のスイッチまで伸ばして配置している。したがって、シャトルスイッチ8dとリンク機構を接続して、リンク機構を正確にスイッチまで到達させるよう組み立てる必要がある。しかも、筐体20に穴が必要となり、ここから水分が侵入して高い防水性を実現するのが困難となる。
【0129】
これに対し、図16(b)に示す本実施形態のシャトルスイッチ8dでは、磁石40とホール素子41とにより非接触でシャトルスイッチ8dの位置を検出できるため、筐体20に穴を設ける必要がない。つまり、閉じた筐体の中にホール素子41を配置し、外側のシャトルスイッチ8dに磁石40を配置することで、高い防水性を保ったままシャトルスイッチ8dの位置を検出することができる。
【0130】
また、磁石40とホール素子41との相対位置関係によって位置を検出するため、シャトルスイッチ8dを組み付けた際の磁石40とホール素子41との位置ずれがあってもホール素子41からの検出値によるキャリブレーションを行って、この位置ずれによる検出値のずれを相殺することができる。
【0131】
[ホール素子]
図17は、4つのホール素子の配置について説明する模式図である。本実施形態では、4つのホール素子41の配置として、図17(a)に示すようなシャトルスイッチ8dの移動の軸(X,Y軸)に沿った配置(以下、菱形配置と言う。)と、図17(b)に示すようなシャトルスイッチ8dの移動の軸とはずれた位置に配置(以下、正方形配置と言う。)とが考えられている。
【0132】
4つのホール素子41を菱形配置する場合には、4つのホール素子41で構成される2軸と、シャトルスイッチ8dの移動の2軸とが一致するため、上記説明した計算式(X座標はH4−H1、Y座標はH3−H2)によってそのまま位置を検出できるが、4つのホール素子41を正方形配置すると、4つのホール素子41で構成される2軸と、シャトルスイッチ8dの移動の2軸とが45度回転するため、位置検出には別のアルゴリズムを用いる必要がある。
【0133】
図18は、ホール素子の正方形配置と磁石との位置関係を説明する図で、(a)は上面図、(b)は筐体の軸方向から見た正面図、(c)は筐体の側面側から見た図である。磁石40はシャトルスイッチの移動軸に沿って移動するため、この移動軸をX’、Y’軸とする。これに対し、4つのホール素子41の対向する2つを各々結ぶ軸をX、Y軸とする。この場合、4つのホール素子41で検出される磁束密度を図のようにH1〜H4とすると、X座標はH4−H1、Y座標はH3−H2により演算できる。
【0134】
一方、X−Y軸とX’−Y’軸とは45度回転しているため、ベクトル45度回転の変換式X’=1/√2×(X−Y)、Y’=1/√2×(X+Y)を用い、X’=1/√2(−H1+H2−H3+H4)、Y’=1/√2(−H1−H2+H3+H4)を導くことができる。これを演算することにより、4つのホール素子41が正方形配置された場合の検出値より、シャトルスイッチ8dの軸にそった移動座標を得ることができる。
【0135】
[機能の割り当て]
図19は、シャトルスイッチの移動座標に対する機能割り当ての一例を示す模式図である。シャトルスイッチの移動座標をX’−Y’としてマトリクス状に区分けし、この位置に入った際の機能を割り当てる。先に説明した計算式で、X’−Y’座標がどの区分けに入るかを閾値から判断し、閾値を超えた場合にその区分けに対応した機能が実行されることになる。
【0136】
ここで、上記閾値の決定は、筐体およびシャトルスイッチの組み立てが完了した後、図示する区分けのいくつかの位置にシャトルスイッチを移動させてX’−Y’座標を読み取り、その機器固有の閾値を決定する。これにより、磁石の磁力のばらつきや組み付け時の位置のばらつきによる誤差を相殺することができる。
【0137】
また、4つのホール素子と磁石との位置関係によってシャトルスイッチの位置を検出する場合、所定のY座標上でのX軸方向検出感度と、他のY座標上でのX軸方向検出感度との差が少ないことが望ましい。このような観点から、4つのホール素子の配置として、正方形配置の方が菱形配置よりも有利である。
【0138】
図20は正方形配置の場合の出力値の差を示す図、図21は菱形配置の場合の出力値の差を示す図である。横軸は磁石のX方向の位置、縦軸はホール素子の出力値、パラメータは磁石のY方向スライド位置である。
【0139】
図20に示す正方形配置の場合では、Y方向スライド位置が2mmの場合の感度が、Y方向スライド位置0の場合の感度に対して約87%になっている。これに対し、図21に示す菱形配置の場合では、Y方向スライド位置が2mmの場合の感度が、Y方向スライド位置0の場合の感度に対して約60%になっている。つまり、正方形配置の方が菱形配置に比べてY方向スライド位置による感度変化が少ないことになる。これにより、4つのホール素子を正方形配置すると、菱形配置に比べて精度良くシャトルスイッチの位置を検出することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0140】
本発明は上記実施形態で示すコンテンツ再生装置以外でも、所定の電子回路を制御するため操作子(シャトルスイッチ)を用いる電子機器(例えば、ヘッドフォンのリモートコントローラや各種機器のコントローラ)にも適用することが可能である。
【0141】
また、上記実施形態では、筐体20の外周に1つのシャトルスイッチ8dを設ける構成を説明したが、筐体20の外周に複数のシャトルスイッチが設けられている構成でもよく、これによって更に多くの機能選択を行うことが可能となる。
【符号の説明】
【0142】
1…記録再生システム、2…コンテンツ再生装置、3…パーソナルコンピュータ、4…サーバ装置、5…ネットワーク、8d…シャトルスイッチ、11…デコーダ、12…システムゲートアレイ、15…表示部、18…フラッシュメモリ、20…筐体、21…筐体カバー、40…磁石、41…ホール素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
防水機構を備えた筐体と、
前記筐体内に設けられたコンテンツ再生部と、
前記筐体の外周に設けられ、前記筐体の軸を回転軸として回転可能操作子と、
前記操作子に設けられる磁石と、
前記筐体内に配置され、前記磁石から磁束の密度を非接触で検出する複数のホール素子と、
前記操作子の移動によって前記複数のホール素子にて検出される磁束密度に基づいて前記操作子の位置を判別し、その判別した位置に応じて前記コンテンツ再生部での再生に関する制御を行う制御部と
を備えるコンテンツ再生装置。
【請求項2】
前記操作子は、前記軸方向に移動可能に設けられる
請求項1記載のコンテンツ再生装置。
【請求項3】
前記複数のホール素子は4つのホール素子から構成され、
前記各ホール素子は、前記操作子の回転方向および軸方向における移動の軸とずれた位置に配置される
ことを特徴とする請求項記載のコンテンツ再生装置。
【請求項4】
前記磁石の前記筐体と反対側にヨーク部材が設けられている
請求項1から3のうちいずれか1項に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項5】
前記筐体に設けられる穴部と、該穴部を塞ぐ蓋部との間には浸水防止部材が設けられている
請求項1から4のうちいずれか1項に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記操作子の回転方向に沿った複数の位置と軸方向に沿った複数の位置とによるマトリクス状の位置を判別する
請求項記載のコンテンツ再生装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記複数のホール素子から出力される検出値と所定の閾値との比較結果に応じて前記操作子の位置を判別する
請求項1から6のうちいずれか1項に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項8】
前記操作子は復帰位置を備えており、移動のための外力が加わらない状態では前記復帰位置に戻っている
請求項1から7のうちいずれか1項に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項9】
防水機能を備えた筐体の外周に、前記筐体の軸を回転軸として回転可能に設けられるとともに、前記筐体の軸方向に移動可能に設けられる操作子の位置を検出し、前記筐体内に設けられるコンテンツ再生部での再生に関する制御を行う制御方法において、
前記操作子の移動に伴い、前記操作子に設けられた磁石から磁束の密度を前記筐体内に配置された複数のホール素子にて検出する工程と、
前記検出した磁束密度に基づいて前記操作子の位置を判別し、その判別した位置に応じて前記コンテンツ再生部での再生に関する制御を行う工程と
を備える制御方法。
【請求項10】
防水機能を備えた筐体と、
前記筐体内に設けられる電子回路と、
前記筐体の外周に設けられ、前記筐体の軸を回転軸として回転可能に設けられるとともに、前記筐体の軸方向に移動可能に設けられる操作子と、
前記操作子に設けられる磁石と、
前記筐体内に配置され、前記磁石から磁束の密度を非接触で検出する複数のホール素子と、
前記操作子の移動によって前記複数のホール素子にて検出される磁束密度に基づいて前記操作子の位置を判別し、その判別した位置に応じて前記電子回路の制御を行う制御部と を備える電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2009−176308(P2009−176308A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−30630(P2009−30630)
【出願日】平成21年2月13日(2009.2.13)
【分割の表示】特願2006−207665(P2006−207665)の分割
【原出願日】平成18年7月31日(2006.7.31)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】