説明

コンテンツ流通管理装置、端末装置、プログラム及びコンテンツ流通システム

【課題】悪意あるコンテンツプロバイダのコンテンツへの不用意なアクセスの防止を支援する仕組みを提供すること。
【解決手段】ゲートウェイサーバ装置50は、インターネット通信網40から自装置50を経由して移動体パケット通信網20へ転送するHTTPレスポンスの発信元のURLがデータベースに記憶されているときは、エレメント指定パラメータをそのヘッダ部に内包させた上で移動体パケット通信網20へ転送する。このエレメント指定パラメータは、移動体端末10においてピクトグラムを表示させるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信端末向けのコンテンツの流通を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機の多くがCHTML(Compact Hyper Text Markup Language)などのマークアップ言語で記述されたコンテンツを解釈可能なブラウザを実装するようになり、携帯電話機のユーザがパーソナルコンピュータを利用するのと同じようにインターネットから様々な情報を入手して閲覧できるような通信環境が整いつつある。このような環境の整備を背景として、「コンテンツプロバイダ」と呼ばれる、携帯電話機用の各種コンテンツをインターネット上のサーバに蓄積して配信する事業者が現れるに至っている。そして、この種の事業者の中には、携帯電話機のユーザが意図しないような不当な課金や情報発信を余儀なくさせるようなコンテンツを提供する悪意者も少なくない。このような悪意あるコンテンツプロバイダのコンテンツへの不用意なアクセスの防止を支援する仕組みを開示した文献として、特許文献1がある。同文献に開示されたコンテンツ閲覧装置は、あるURL(Uniform Resource Locator)から取得して表示させているコンテンツ内の別のURLへハイパーリンクされたエレメントに選択アイコンが移動すると、そのハイパーリンク先のコンテンツの概要や属性などがポップアップ表示されるようになっている。この仕組みを既存の携帯電話機に実装すれば、ユーザは、ハイパーリンク先のコンテンツが悪意あるコンテンツプロバイダの提供にかかるものであるかを前もって了解することも可能である。特許文献2乃至4にも同種の技術の開示がある。
【特許文献1】特開2004−178512号公報
【特許文献2】特開2005−32041号公報
【特許文献3】特開2004−46478号公報
【特許文献4】特開2000−276471号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1などに開示された仕組みによると、携帯電話機は、別のURLへのハイパーリンクを含むコンテンツを表示させる際、そのハイパーリンク先のコンテンツの概要や属性などを定義した定義データをも併せて取得することなしにポップアップ表示を行うことができない。よって、定義データの取得に伴う携帯電話機の処理負担の増大という問題が発生し得る。一方、上述した不当な課金や情報発信は、「送信」や「決済」などといったボタンを携帯電話機のユーザが選択したことをトリガーとして実行される。よって、そのようなユーザの行為に対して注意を促す何らかのメッセージを出現させるようにすれば、ユーザ自らによる慎重な判断を促し、悪意あるコンテンツプロバイダの被害をある程度抑止できると考えられる。
本発明は、このような背景の下に案出されたものであり、ユーザによって行われようとする操作に対して注意を促す仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の好適な態様であるコンテンツ流通管理装置は、一又は複数のアドレスを記憶した記憶手段と、通信端末を宛先とするコンテンツデータを受信する受信手段と、前記受信したコンテンツデータの発信元のアドレスが前記記憶手段に記憶されたアドレスであるか否か判断する判断手段と、前記受信したコンテンツデータの発信元のアドレスが前記記憶手段に記憶されたアドレスであると前記判断手段が判断した場合、そのコンテンツデータの宛先の通信端末におけるコンテンツの表示態様を決定付けるパラメータ及び当該コンテンツデータを通信端末へ送信する送信手段とを備える。
ここで、「決定付ける」とは、記憶手段に記憶されたアドレスから提供されるコンテンツデータをそうでないコンテンツデータと視覚的に識別し得るような表示のさせ方を一意に特定することを意味する。
【0005】
この態様において、インターネット通信網のアドレスを含むリクエストを通信端末から受信する手段と、前記受信したリクエストをインターネット通信網へ転送する手段とを更に備える。
【0006】
本発明の別の好適な態様であるコンテンツ流通管理装置は、一又は複数のアドレスを記憶した記憶手段と、コンテンツデータを受信した通信端末からそのコンテンツデータの格納元のアドレスを受信する受信手段と、前記受信したアドレスが前記記憶手段に記憶されたアドレスであるか否か判断する判断手段と、前記受信したアドレスが前記記憶手段に記憶されたアドレスであると前記判断手段が判断した場合、そのコンテンツデータの宛先の通信端末におけるコンテンツの表示態様を決定付けるパラメータを通信端末へ送信する送信手段とを備える。
【0007】
この態様において、前記コンテンツデータは、通信端末の表示デバイスに表示させるテキスト又はイメージをそれぞれ示すエレメントとそれらのレイアウトとを所定のマークアップ言語により記した表示制御データであってもよい。
【0008】
また、前記パラメータは、通信端末の表示デバイスに表示された後、その操作子の操作によって選択アイコンと重なった時に所定のピクトグラムを出現させる特定のテキスト又はイメージのエレメントを指し示すパラメータであってもよい。
【0009】
また、前記パラメータは、通信端末の表示デバイスに表示された後、その操作子の操作によってハイライト表示になった時に所定のピクトグラムを出現させる特定のテキスト又はイメージのエレメントを指し示すパラメータであってもよい。
【0010】
前記特定のテキスト又はイメージを示すエレメントは、所定の認定を受けたアドレスへハイパーリンクされたエレメントであってもよい。
【0011】
本発明の別の好適な態様である通信端末は、情報の表示手段と、操作子と、テキスト又はイメージをそれぞれ示すエレメントとそれらのレイアウトとを所定のマークアップ言語により記した表示制御データであるコンテンツデータと、特定のエレメントを指し示すパラメータとを受信する受信手段と、前記受信したコンテンツデータのエレメントが示すテキスト又はイメージをそのレイアウトに従って前記表示手段に表示させる第1の表示制御手段と、前記表示手段に表示されたテキスト又はイメージのうち、前記受信したパラメータが指し示すエレメントを基に表示させたテキスト又はイメージと選択アイコンとが前記操作子の操作によって重なった時に所定のピクトグラムを出現させる第2の表示制御手段とを備える。
【0012】
本発明の別の好適な態様である通信端末は、情報の表示手段と、操作子と、テキスト又はイメージをそれぞれ示すエレメントとそれらのレイアウトとを所定のマークアップ言語により記した表示制御データであるコンテンツデータと、特定のエレメントを指し示すパラメータとを受信する受信手段と、前記受信したコンテンツデータのエレメントが示すテキスト又はイメージをそのレイアウトに従って前記表示手段に表示させる第1の表示制御手段と、前記表示手段に表示されたテキスト又はイメージのうち、前記受信したパラメータが指し示すエレメントを基に表示させたテキスト又はイメージが前記操作子の操作によってハイライト表示になった時に所定のピクトグラムを出現させる第2の表示制御手段とを備える。
【0013】
本発明の別の好適な態様であるプログラムは、情報の表示手段と、操作子と、情報の通信手段とを有するコンピュータ装置に、テキスト又はイメージをそれぞれ示すエレメントとそれらのレイアウトとを所定のマークアップ言語により記した表示制御データであるコンテンツデータと、特定のエレメントを指し示すパラメータとを前記通信手段を介してを受信する受信機能と、前記受信したコンテンツデータのエレメントが示すテキスト又はイメージをそのレイアウトに従って前記表示手段に表示させる第1の表示制御機能と、前記表示手段に表示されたテキスト又はイメージのうち、前記受信したパラメータが指し示すエレメントを基に表示させたテキスト又はイメージと選択アイコンとが前記操作子の操作によって重なった時に所定のピクトグラムを出現させる第2の表示制御機能とを実現させる。
【0014】
本発明の別の好適な態様であるプログラムは、情報の表示手段と、操作子と、情報の通信手段とを備えたコンピュータ装置に、テキスト又はイメージをそれぞれ示すエレメントとそれらのレイアウトとを所定のマークアップ言語により記した表示制御データであるコンテンツデータと、特定のエレメントを指し示すパラメータとを前記通信手段を介して受信する受信機能と、前記受信したコンテンツデータのエレメントが示すテキスト又はイメージをそのレイアウトに従って前記表示手段に表示させる第1の表示制御機能と、前記表示手段に表示されたテキスト又はイメージのうち、前記受信したパラメータが指し示すエレメントを基に表示させたテキスト又はイメージが前記操作子の操作によってハイライト表示になった時に所定のピクトグラムを出現させる第2の表示制御機能とを実現させる。
【0015】
本発明の別の好適な態様であるコンテンツ流通システムは、一又は複数のアドレスを記憶した記憶手段と、通信端末を宛先とするコンテンツデータを受信する受信手段と、前記受信したコンテンツデータの発信元のアドレスが前記記憶手段に記憶されたアドレスであるか否か判断する判断手段と、前記受信したコンテンツデータの発信元のアドレスが前記記憶手段に記憶されたアドレスであると前記判断手段が判断した場合、そのコンテンツデータの宛先の通信端末におけるコンテンツの表示態様を決定付けるパラメータ及び当該コンテンツデータを通信端末へ送信する送信手段と有するコンテンツ流通管理装置と、前記コンテンツ流通管理装置からパラメータ及びコンテンツデータを受信する受信手段と、前記受信したコンテンツデータを表示すると共に、その表示態様を前記受信したパラメータに従って制御するコンテンツ表示制御手段と、を有する通信端末とを備える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
(第1実施形態)
本願発明の第1実施形態について説明する。
まず、本実施形態で用いる主要な用語を定義する。「キャリア」とは、移動体パケット通信網を運営する通信事業者を意味する。「ユーザ」とは、移動体端末を購入した上でキャリアとの間に移動体パケット通信網の利用契約を結んでいる者を意味する。「コンテンツプロバイダ」とは、インターネット通信網に設けた自らのサーバ装置からユーザに向けた各種コンテンツの配信サービスを提供している事業者を意味する。コンテンツプロバイダの中には、自らのコンテンツがユーザに不当な損害を与えるものでないことの認定をキャリアより受けた上でサービスを提供する認定コンテンツプロバイダと、そのような認定を受けることなくサービスを提供する非認定コンテンツプロバイダとが混在する。
【0017】
図1は、本実施形態に係るコンテンツ流通システムの全体構成図である。図に示すように、このシステムは、移動体端末10が接続される移動体パケット通信網20、コンテンツ提供サーバ装置30が接続されるインターネット通信網40、及びそれらの両通信網の間に介在するゲートウェイサーバ装置50より構成される。
【0018】
移動体パケット通信網20は、TCP(transmission control protocol)/IP(internet protocol)を簡素化したプロトコルや、そのTCP/IP上で実現される、HTTP(hyper text transfer protocol)に相当するプロトコルなどに準拠した手順でデータを転送するノードの集合体であり、基地局やパケット加入者処理装置を有する。一方、インターネット通信網40は、TCP/IPや、そのTCP/IP上で実現されるHTTP、SMTP(simple mail transfer protocol)などに準拠した手順でデータを伝送するノードの集合体であり、サーバ装置やルータを有する。
【0019】
ゲートウェイサーバ装置50は、キャリアによる管理の下、移動体パケット通信網20とインターネット通信網40を相互接続する移動パケット関門中継交換局内にて稼働するコンピュータであり、一方の通信網のノードから他方の通信網のノードへ送出されたデータは、このゲートウェイサーバ装置50にてプロトコル変換された上で、他方の通信網のノードへと転送される。また、このゲートウェイサーバ装置50は、変換の済んだデータを転送する際に本実施形態に特徴的な処理を併せて行うようになっている。この処理の詳細については後述する。
【0020】
図2は、移動体端末10の物理的構成を示す図である。移動体端末10は、制御部11、送受信部12、指示入力部13、及び液晶表示部14を備える。
送受信部12は、制御部11による制御の下、移動体パケット通信網20の基地局と無線通信を行う。
指示入力部13は、PB(プッシュボタン)等の各種ボタン及びカーソルキーからなり、ユーザによって入力操作が行われると、その入力操作に対応した操作信号を制御部11に供給する。液晶表示部14は、液晶パネル等の表示装置から構成されており、制御部11による制御の下に各種情報を表示する。
【0021】
制御部11は、CPU15、ROM16、RAM17、及びEEPROM18を有している。
CPU15は、RAM17をワークエリアとして利用しつつ、ROM16やEEPROM18に記憶された各種プログラムを実行する。
【0022】
ROM16には、プリインストールプログラムが記憶される。プリインストールプログラムは、移動体端末10の製造過程においてROM16に記憶されるプログラムであり、具体的には、マルチタスクオペレーティングシステム(以下、「マルチタスクOS」と記す)、Java(登録商標)プラットフォームプログラム、ネイティブアプリケーションの各プログラムである。これらのプログラムについて概説すると、まず、マルチタスクOSは、TSS(Time-Sharing System)による複数タスクの擬似的な並列実行を実現するために必要な、仮想メモリ空間割り当てなどの各種機能をサポートしたオペレーティングシステムである。Javaプラットフォームプログラムは、後述するJava実行環境を実現すべくCDC(Connected Device Configuration)に従って記述されたプログラム群である。ネイティブアプリケーションは、通話やブラウジング、メール送受などといった移動体端末10の基本的なサービスを実現するプログラムであり、メール送受サービスの提供を受けるためのメーラプリケーション、ブラウジングサービスの提供を受けるためのブラウザプリケーションを含む。
【0023】
EEPROM18は、Javaアプリケーション格納領域を有する。この領域には、Javaアプリケーションが記憶される。Javaアプリケーションは、Java実行環境下における処理の手順そのものを記述した実体プログラムとその実体プログラムの実行に伴って利用される画像ファイルや音声ファイルとを取り纏めたJar(Java Archive)ファイル、及びそのJarファイルのインストールや起動、各種の属性を記したADF(Application Descriptor File )を有している。このJavaアプリケーションは、コンテンツプロバイダ若しくはキャリアにより作成されてインターネット通信網40のサーバ装置などに格納され、移動体端末10からのリクエストに応じてそれらのサーバ装置から適宜ダウンロードされるようになっている。
【0024】
図3は、ROM16及びEEPROM18の各種プログラムの実行により移動体端末10の制御部11に実現され得る各部の論理的構成を示す図である。図に示すように、各種プログラムを実行する移動体端末10には、ブラウザ61、メーラ62、及びJava実行環境64がOS63上に実現され、また、EEPROM18には第1ストレージ65と第2ストレージ66とが確保される。ブラウザ61及びメーラ62は、ROM16のネイティブアプリケーションにより実現されるものであり、HTML(Hyper Text Markup Language)形式で記述されたデータの受信やその解釈、電子メールの送受信などの役割を司る。
【0025】
Java実行環境64は、ROM16のJavaプラットフォームプログラムにより実現される。Java実行環境64は、クラスライブラリ67、JVM(Java Virtual Machine)68、及びJAM(Java Application Manager)69から成る。クラスライブラリ67は、「クラス」と呼ばれる、汎用性の高い特定の機能を持ったプログラムモジュール群を1つのファイルに取り纏めたものである。JVM68は、マルチタスクOSを搭載させた携帯器機向けのコンフィギュレーションであるCDC用に最適化されたJVMであり、Javaアプリケーションとして提供されるバイトコードを解釈し及び実行する役割を司る。JAM69は、Javaアプリケーションのダウンロードとインストールとを主導する役割を司る。
【0026】
第1ストレージ65は、JAM69による主導の下にダウンロードされるJavaアプリケーション(JarファイルとADF)を格納する領域である。第2ストレージ66は、Javaアプリケーションの実行の際に生成されたデータをその終了後に格納しておくための領域であり、インストールされた各Javaアプリケーション毎に個別の格納領域が割り当てられるようになっている。そして、あるJavaアプリケーションに割り当てた格納領域のデータは、そのJavaアプリケーションが実行されている間のみ書き換え可能となっており、別のJavaアプリケーションが書き換えを行い得ないようになっている。
【0027】
図4は、コンテンツ提供サーバ装置30のハードウェア概略構成を示す図である。このサーバ装置30は、コンテンツプロバイダによってそれぞれ運営されており、図に示すように、制御部31、通信インターフェース32、及びハードディスク33を備えている。
制御部31は、CPU34、ROM35、RAM36などを内蔵する。
通信インターフェース32は、TCP/IP、HTTPなどのプロトコルに従ったデータの遣り取りを司る。
【0028】
ハードディスク33は、コンテンツデータ37を記憶する。コンテンツデータ37は、コンテンツ提供サーバ装置30の運営主体であるコンテンツプロバイダらの制作にかかるJavaアプリケーション(JarファイルとADF)、又は、移動体端末10の液晶表示部14に表示させるテキスト又はイメージのエレメント(要素)とそのレイアウトをHTML(Hyper Text Markup Language)で記述したHTMLデータである。
【0029】
図5は、ゲートウェイサーバ装置50のハードウェア概略構成を示す図である。このサーバ装置50は、キャリアによる管理の下に稼働しており、図に示すように、制御部51、通信インターフェース52、及びハードディスク53を備えている。
コンテンツ提供サーバ装置30と同様に、制御部51は、CPU54、ROM55、RAM56を内臓し、また、通信インターフェース52の構成も同サーバ装置30と同様である。
【0030】
ハードディスク53は、ピクトグラム表示アプリケーション57、及び認定CPデータベース58を記憶する。
ピクトグラム表示アプリケーション57は、移動体端末10にダウンロードさせるべくキャリアらに作成された固有のJavaアプリケーション(JarファイルとADF)である。
このピクトグラム表示アプリケーション57は、移動体端末10のJVM68に、以下の2つの機能を提供する。
aパラメータ抽出機能
これは、移動体端末10のブラウザ61が受信したHTMLデータのヘッダ部から、アンカータグと関連付けられる特定のエレメントを識別するパラメータ(以下、「エレメント指定パラメータ」と呼ぶ)を抽出する機能である。
bピクトグラム表示機能
これは、ヘッダ部から抽出したパラメータが指し示すエレメントのテキスト又はイメージをブラウザ61が表示させている表示位置と選択アイコンの移動先の位置とが重なった時に、安全なリンク先であることを示すピクトグラムをその選択アイコンの近傍に出現させる機能である。
【0031】
認定CPデータベース58は、各々が、認定コンテンツプロバイダからコンテンツデータ37として提供されるHTMLデータと対応する複数のレコードの集合体である。このデータベースを構成する1つのレコードは、「アドレス」と「パラメータ」の2つのフィールドを有する。「アドレス」のフィールドには、HTMLデータの格納元を示すURL(Uniform Resource Locator)が記憶される。「パラメータ」のフィールドには、エレメント指定パラメータが記憶される。
このデータベース58には、HTMLデータをコンテンツデータ37として提供するコンテンツプロバイダがキャリアによる認定審査を経て認定されるたびに、レコードが1つ追加され、追加されたレコードの両フィールドにURLとエレメント指定パラメータが記憶されることになっている。この認定手続の流れについて、以下に概説しておく。
【0032】
コンテンツプロバイダは、Dreamweaver(登録商標)などのWebサイト構築ツールを用いて作成したHTMLデータを、そのHTMLデータを格納する予定である自らのサーバ装置のURL及びその他の必要事項を記述した認定申請書類と共にキャリアへ提出する。HTMLデータ及び認定申請書類の提出を受けたキャリアは、提出されたHTMLデータの内容が認定要件を満たすか否かを審査する。具体的には、HTMLデータの内容そのものが良俗に反するものでないか、及びそのHTMLデータにて各アンカータグの属性としてそれぞれ記述されたハイパーリンク先に、移動体端末10の個人情報などのリソースを不正に導出するJavaアプリケーションが格納されていないかなどを検証する。HTMLデータが認定に足るものであるとの検証結果を得たキャリアは、ゲートウェイサーバ装置50の認定CPデータベース58に新たなレコードを追加し、認定申請書類に記されていたHTMLデータのURLを新たなレコードの「アドレス」に記憶すると共に、検証過程で得ていた、アンカータグに関連付けられていたエレメントのエレメント指定パラメータを、そのレコードの「パラメータ」のフィールドに記憶する。その後、コンテンツを認定した旨をコンテンツプロバイダに通知する。通知を受けたコンテンツプロバイダは、認定申請書類にURLとして記述しておいた自らのサーバ装置の記憶領域にHTMLデータを格納し、その配信サービスを開始する。
【0033】
次に、本実施形態の動作について説明する。
図6は、本実施形態の動作を示すフローチャートである。図に示す動作は、ゲートウェイサーバ装置50に格納されているピクトグラム表示アプリケーション57のダウンロードを済ませた移動体端末10の指示入力部13が操作され、そのピクトグラム表示アプリケーション57とブラウザプリケーションとが起動されたことをトリガーとして開始される。
上述したように、移動体端末10はマルチタスクOS63を搭載してるので、TSSによる複数タスクの擬似的な並列実行が可能である。図7は、ピクトグラム表示アプリケーション57とブラウザプリケーションが共に起動された際にRAM17に確保されるメモリ空間を示す概念図である。図に示すように、RAM17には、マルチタスクOS63を展開するメモリ空間17a、ピクトグラム表示アプリケーション57とその実行を支援するJavaプラットフォームアプリケーションを展開するメモリ空間17b、及びブラウザプリケーションを展開するメモリ空間17cが個別に確保される。
【0034】
図6において、移動体端末10の制御部11は、移動体パケット通信網20のパケット加入者処理装置に対してパケット登録を行う(S100)。パケット登録は、自端末10が移動体パケット通信網20との間でパケット交換を執り行うための登録手続である。このパケット登録を経て、移動体端末10は、インターネット通信網40との各種データの送受信が可能となる。
【0035】
パケット登録が済むと、移動体端末10の制御部11は、指示入力部13からのURLの入力を待つ。そして、ユーザが閲覧を希望するコンテンツデータのURLが指示入力部13から入力されると、制御部11は、GETの要求メソッドを含むHTTPリクエストをその入力されたURLを宛先として移動体パケット通信網20へ送出する(S110)。送出されたHTTPリクエストは、移動体パケット通信網20を経由してゲートウェイサーバ装置50に送信される。
【0036】
HTTPリクエストを受信したゲートウェイサーバ装置50の制御部51は、そのHTTPリクエストにプロトコル変換を施した上でインターネット通信網40へ転送する(S120)。転送されたHTTPリクエストは、インターネット通信網40を経由してその宛先のコンテンツ提供サーバ装置30へ送信される。
【0037】
HTTPリクエストを受信したコンテンツ提供サーバ装置30の制御部31は、そのHTTPリクエストのあて先のURLが指し示すハードディスク33の記憶領域から読み出したHTMLデータを含むHTTPレスポンスを、HTTPリクエストの発信元の移動体端末10を宛先としてインターネット通信網40へ送出する(S130)。送出されたHTTPレスポンスは、インターネット通信網40を経由してゲートウェイサーバ装置50に送信される。
【0038】
HTTPレスポンスを受信したゲートウェイサーバ装置50の制御部51は、そのHTTPレスポンスにプロトコル変換を施した後、レスポンスの発信元のURLが、認定CPデータベース58の何れかのレコードの「アドレス」のフィールドに記憶されているか否か判断する(S140)。つまり、このステップでは、HTTPレスポンスに含まれるHTMLデータが認定コンテンツプロバイダの提供にかかるものであるか否かが判断されることになる。
【0039】
ステップ140にてURLが認定CPデータベース58に記憶されていると判断した制御部51は、そのURLを「アドレス」のフィールドに記憶したレコードの「パラメータ」のフィールドから読み出したエレメント指定パラメータをHTTPレスポンスのヘッダ部に内包させた上で、移動体パケット通信網20へ転送する(S150)。
【0040】
一方、ステップ140にてURLが認定CPデータベース58に記憶されていないと判断した制御部51は、エレメント指定パラメータをヘッダ部に内包させることなく、プロトコル変換を施したHTTPレスポンスをそのまま移動体パケット通信網20へ転送する(S160)。転送されたHTTPレスポンスは、移動体パケット通信網20を経由してその宛先の移動体端末10へ送信される。
以上で、処理が終了となる。
【0041】
HTTPレスポンスを受信した移動体端末10の制御部11は、ブラウザアプリケーションのタスクを実行することにより、そのHTTPレスポンスに含まれるHTMLデータを解釈して得た画面を液晶表示部14に表示させると共に、HTMLデータに内包されるパラメータに応じてその表示態様を制御する。具体的には、以下の手順に従って処理を行う。
制御部は11、HTMLデータのヘッダ部にエレメント指定パラメータが含まれているか否かを判断し、エレメント指定パラメータが含まれていれば、そのエレメント指定パラメータをヘッダ部から抽出し、抽出したパラメータが指し示すエレメントを特定する。
更に、HTMLデータとして記述された各エレメントが示すテキストまたはイメージをそのレイアウトに従って配置した画面を液晶表示部14に表示させる。そして、エレメント指定パラメータを抽出していたときは、液晶表示部14に画面を表示させた後、そのエレメント指定パラメータが指し示すエレメントに従って表示させたテキスト又はイメージと選択アイコンが重なったかどうかを監視し、それらのテキスト又はイメージと選択アイコンが重なったことを契機としてピクトグラムを表示させる。
【0042】
図8は、このピクトグラムが表示される様子を示す図である。上述したように、ピクトグラム表示アプリケーション57は、パラメータ抽出機能とピクトグラム表示機能とを制御部11に付与する。HTMLレスポンスが受信されると、そのレスポンスに含まれるHTMLデータを解釈して得た各エレメントが液晶表示部14の表示領域一面に表示される。これは、ブラウザプリケーションの作用による。更に、図では、各エレメントとそれぞれ対応するテキスト又はイメージのうち、「A社銀行サイト」のサイトへハイパーリンクされたイメージ(ボタン)と重なる位置まで選択アイコン91が移動されており、安全なサイトであることを示す錠前を模ったピクトグラム92がその近傍に表示されている。これは、ピクトグラム表示アプリケーション57のパラメータ抽出機能の作用を受けた制御部11が、「A社銀行サイト」のイメージ(ボタン)のエレメントを指し示すエレメント指定パラメータをHTMLレスポンスのヘッダ部から前もって抽出しており、ピクトグラム表示機能の作用を受けた制御部11がそのエレメント指定パラメータが示す「A社銀行サイト」のイメージ(ボタン)と選択アイコン91の移動先の位置が重なったことを契機としてピクトグラム92を出現させたためである。このピクトグラム92の出現の有無を確認することにより、ユーザは、ハイパーリンク先のサイトが悪意あるコンテンツプロバイダの提供にかかるものでないことを視覚的に了知し得ることになる。
【0043】
以上説明した本実施形態によると、キャリアの管理の下に稼働するゲートウェイサーバ装置50は、インターネット通信網40から自装置50を経由して移動体パケット通信網20へ転送するHTTPレスポンスをプロトコル変換した際、そのHTTPレスポンスの発信元のURLがデータベースに記憶されているかを判断し、記憶されたURLであるときは、エレメント指定パラメータをそのヘッダ部に内包させた上で移動体パケット通信網20へ転送するようになっている。
よって、エレメント指定パラメータを埋め込んだHTMLレスポンスの宛先となり得る各移動体端末10にピクトグラム表示アプリケーション57をゲートウェイサーバ装置50からダウンロードさせておけば、そのエレメント指定パラメータが指し示すエレメントのテキスト又はイメージと選択アイコンの移動先が重なったことを契機としてピクトグラムを出現させることができる。また、キャリアは、認定コンテンツプロバイダの制作するコンテンツデータ37自体に特定のプログラムを組み込ませるなどといったルールをプロバイダ側に課すことなく、悪意あるコンテンツへ不用意にアクセスしないようにユーザを誘導していくことができる。
【0044】
(第2実施形態)
本願発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態における、「キャリア」、「ユーザ」、及び「コンテンツプロバイダ」の意義は第1実施形態と同様である。
第1実施形態では、移動体端末10宛てのHTTPレスポンスを受信したゲートウェイサーバ装置50が、そのHTTPレスポンスのヘッダ部にエレメント指定パラメータを内包させて転送するようになっていた。これに対し、本実施形態に係るゲートウェイサーバ装置50は、移動体端末10宛てのHTTPレスポンスをプロトコル変換してそのまま転送した後、そのHTTPレスポンスを受信した移動体端末10からのリクエストを改めて受信してからエレメント指定パラメータを送信する。
【0045】
本実施形態の移動体端末10、コンテンツ提供サーバ装置30、及びゲートウェイサーバ装置50のハードウェア構成は第1実施形態と同様なので再度の説明を割愛する。
【0046】
図9は、本実施形態の動作を示すフローチャートである。図に示す動作は、ゲートウェイサーバ装置50に格納されているピクトグラム表示アプリケーション57のダウンロードを済ませた移動体端末10の指示入力部13が操作され、そのピクトグラム表示アプリケーション57とブラウザプリケーションとが起動されたことをトリガーとして開始される。
【0047】
図9において、移動体端末10の制御部11は、移動体パケット通信網20のパケット加入者処理装置に対してパケット登録を行う(S200)。
パケット登録が済むと、移動体端末10の制御部11は、指示入力部13からのURLの入力を待つ。そして、ユーザが閲覧を希望するコンテンツデータのURLが指示入力部13から入力されると、制御部11は、GETの要求メソッドを含むHTTPリクエストをその入力されたURLを宛先として移動体パケット通信網20へ送出する(S210)。送出されたHTTPリクエストは、移動体パケット通信網20を経由してゲートウェイサーバ装置50に送信される。
【0048】
HTTPリクエストを受信したゲートウェイサーバ装置50の制御部51は、そのHTTPリクエストにプロトコル変換を施した上でインターネット通信網40へ転送する(S220)。転送されたHTTPリクエストは、インターネット通信網40を経由してその宛先のコンテンツ提供サーバ装置30へ送信される。
HTTPリクエストを受信したコンテンツ提供サーバ装置30の制御部31は、そのHTTPリクエストのあて先のURLが指し示すハードディスク33の記憶領域から読み出したHTMLデータを含むHTTPレスポンスを、HTTPリクエストの発信元の移動体端末10を宛先としてインターネット通信網40へ送出する(S230)。送出されたHTTPレスポンスは、インターネット通信網40を経由してゲートウェイサーバ装置50に送信される。
【0049】
HTTPレスポンスを受信したゲートウェイサーバ装置50の制御部51は、そのHTTPレスポンスにプロトコル変換を施した後、移動体パケット通信網20へ転送する(S240)。転送されたHTTPレスポンスは、移動体パケット通信網20を経由してその宛先の移動体端末10へ送信される。
HTTPレスポンスを受信した移動体端末10の制御部11は、そのレスポンスの発信元のコンテンツ提供サーバ装置30のURLを内包させた問合せメッセージをゲートウェイサーバ装置50を宛先として移動体パケット通信網20へ送出する(S250)。送出された問合せメッセージは、移動体パケット通信網20を経由してゲートウェイサーバ装置50に送信される。
【0050】
問合せメッセージを受信したゲートウェイサーバ装置50の制御部51は、そのメッセージに内包されるURLが、認定CPデータベース58の何れかのレコードの「アドレス」のフィールドに記憶されているか否か判断する(S260)。
ステップ260にてURLが認定CPデータベース58に記憶されていると判断した制御部51は、そのURLを「アドレス」のフィールドに記憶したレコードの「パラメータ」のフィールドから読み出したエレメント指定パラメータを内包させた応答メッセージを移動体パケット通信網20へ送出する(S270)。
【0051】
一方、ステップ270にてURLが認定CPデータベース58に記憶されていないと判断した制御部51は、エレメント指定パラメータを内包させない応答メッセージを移動体パケット通信網20へ転送する(S280)。
【0052】
送出された応答メッセージは、移動体パケット通信網20を経由してその宛先の移動体端末10へ送信される。応答メッセージを受信した移動体端末10の制御部11は、そのメッセージにエレメント指定パラメータが内包されているときは、そのパラメータを用いたピクトグラムの表示制御を行う。
以上説明したように、HTMLデータの遣り取りとエレメント指定パラメータの遣り取りを2回のセッションに分けて行ったとしても、第1実施形態と同様に、悪意あるコンテンツへ不用意にアクセスしないようにユーザを誘導していくことができる。
【0053】
(他の実施形態)
本願発明は、種々の変形実施が可能である。
上記実施形態では、ピクトグラム表示アプリケーション57がゲートウェイサーバ装置50のハードディスク53に格納されており、移動体端末10からの要求を受けてゲートウェイサーバ装置50からダウンロードされるようになっていた。これに対し、キャリアの運営の下に稼働するサーバ装置をインターネット通信網40に備え付けてピクトグラム表示アプリケーション57を格納させておき、そのサーバ装置から移動体端末10へダウンロードさせるようにしてもよい。
【0054】
また、ピクトグラム表示アプリケーション57をJava実行環境上で稼働するJavaアプリケーションとせずに、ネイティブアプリケーションとして移動体端末10のROM16に予め記憶させておくような構成をとってもよい。
【0055】
上記実施形態において、ゲートウェイサーバ装置50は、自装置50を経由するHTTPレスポンスの発信元のURLがハードディスク53に記憶されているときは、そのHTTPレスポンスのHTMLデータに含まれる特定のエレメントを識別するエレメント指定パラメータをヘッダ部に内包させて転送し、HTTPレスポンスを受信した移動体端末10は、そのレスポンスに含まれるHTMLデータを解釈して結果を基に液晶表示部14に表示させた各エレメントのうちエレメント指定パラメータが指し示すエレメントと選択アイコンとが重なった時に、ピクトグラムを表示させるようになっていた。つまり、上記実施形態では、ゲートウェイサーバ装置50が、選択アイコンと重なった時にピクトグラムを表示させる各エレメントの各々をエレメント指定パラメータとして逐一指定するようになっていた。
これに対し、ゲートウェイサーバ装置50が、HTTPレスポンスの発信元のURLがハードディスク53に記憶されているか、つまり、認定コンテンツプロバイダの提供にかかるものであるか否かを2値的に示すパラメータのみをHTTPレスポンスのヘッダ部に内包させて転送するようにしてもよい。そして、この変形例では、そのようなパラメータを含むHTTPレスポンスを受信した移動体端末10が、他のサイトへハイパーリンクされたエレメント、つまり、ピクトグラムの出現対象とするエレメントを以下の2つのいずれかの仕組みを用いて特定する。1つ目は、ピクトグラム表示アプリケーション57に、ヘッダ部にパラメータが含まれていたときに表示態様を変える特定のエレメントのタグの種別を予め登録しておき、HTMLデータを解釈していく課程でそれらの特定のエレメントのタグを抽出したときは、それらに従って表示させたテキスト又はイメージと選択アイコンが重なった時にピクトグラムを表示させるものである。2つ目は、タグの種別を登録しておくことなく、HTMLデータを解釈していく課程で抽出したタグに従って表示させたすべてのテキスト又はイメージの各々と選択アイコンが重なった時にピクトグラムを表示させるものである。
要するに、ゲートウェイサーバ装置50によってHTMLデータに埋め込まれるパラメータは、移動体端末10におけるコンテンツの表示態様を決定付けるパラメータであれば、特定のエレメントを指し示すものである必要はない。
【0056】
上記実施形態では、ゲートウェイサーバ装置50が自装置50を経由するHTTPレスポンスにエレメント指定パラメータを内包させていたが、コンテンツ提供サーバ装置30が、エレメント指定パラメータを埋め込んだHTMLデータをハードディスク33に準備し、HTTPリクエストの受信を受けてそのパラメータ埋込済みのHTMLデータをHTTPレスポンスとして返信してもよい。この変形例によると、HTTPレスポンスの発信元が認定コンテンツプロバイダのサーバ装置であるかどうかの判断をゲートウェイサーバ装置50に行わせることなく、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0057】
上記実施形態において、ゲートウェイサーバ装置50は、エレメント指定パラメータをHTTPレスポンスのヘッダ部に内包させていたが、これをHTTPレスポンスの実体データの一部として転送してもよい。要するに、移動体端末10側で、HTTPレスポンスからエレメント指定パラメータを抽出し得さえすれば、その包含形態は問わない。
上記実施形態は、コンテンツデータの一種であるHTMLデータを含むHTTPレスポンスを配信する際の動作をゲートウェイサーバ装置の動作を説明したが、Javaアプリケーションを配信する際にも同様の処理を行なってもよい。つまり、移動体端末10からの要求に応じてダウンロードされるJavaアプリケーションが認定コンテンツプロバイダの提供にかかるものであるかをゲートウェイサーバ装置50の経由時に判断し、認定コンテンツプロバイダの提供にかかるものであるときは、そのことを示すパラメータを内包させた上でダウンロードさせるようにしてもよい。また、コンテンツとして移動体端末10の液晶表示部14に表示させる各エレメントとそのレイアウトをHTMLで記述しておく必要はなく、XML (Extensible Markup Language) などの他のマークアップ言語でこれを記述してもよい。
【0058】
上記実施形態では、移動体端末10、つまり、移動体パケット通信網20を介したインターネット通信網40へのアクセスを可能とする携帯電話機にピクトグラム表示アプリケーション57を実装させていたが、同種のアプリケーションをインターネット通信網40への直接のアクセスが可能なパーソナルコンピュータに実装させたとしても同様の作用を得ることが可能である。
【0059】
上記実施形態では、ハイパーリンク先のコンテンツが、認定コンテンツプロバイダの提供にかかるかそれとも非認定コンテンツプロバイダの提供にかかるかをピクトグラム92の出現の有無によって識別させていたが、そのハイパーリンク先のコンテンツのURLがマイメニューに登録されているか、UIM(User Identity Module)などの着脱式外部記憶媒体に記憶されているかをピクトグラム92によって識別させてもよい。また、ハイパーリンク先のコンテンツが、特定の決済方式(Edy(登録商標)やSuica(登録商標))に従ったアプリケーションのそれぞれを用いて支払い可能か否かをピクトグラム92によって識別させてもよい。
上記実施形態では、エレメント指定パラメータが指し示すテキスト又はイメージと選択アイコン91が重なると、錠前を模ったピクトグラム92がその近傍に出現するようになっていたが、キャリアや認定コンテンツプロバイダにより選定された任意の画像(広告)を錠前のかわりに出現させるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】コンテンツ流通システムの全体構成図である。
【図2】通信端末の物理的構成図である。
【図3】通信端末の論理的構成図である。
【図4】コンテンツ提供サーバ装置のハードウェア概略構成図である。
【図5】ゲートウェイサーバ装置のハードウェア概略構成図である。
【図6】第1実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図7】メモリ空間を示す概念図である。
【図8】ピクトグラムが表示される様子を示す図である。
【図9】第2実施形態の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0061】
10…通信端末端末、11,31,51…制御部、12…送受信部、13…指示入力部、14…液晶表示部、20…移動体パケット通信網、30…コンテンツ提供サーバ装置、32,52…通信インターフェース、33,53…ハードディスク、40…インターネット通信網、50…ゲートウェイサーバ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一又は複数のアドレスを記憶した記憶手段と、
通信端末を宛先とするコンテンツデータを受信する受信手段と、
前記受信したコンテンツデータの発信元のアドレスが前記記憶手段に記憶されたアドレスであるか否か判断する判断手段と、
前記受信したコンテンツデータの発信元のアドレスが前記記憶手段に記憶されたアドレスであると前記判断手段が判断した場合、そのコンテンツデータの宛先の通信端末におけるコンテンツの表示態様を決定付けるパラメータ及び当該コンテンツデータを通信端末へ送信する送信手段と
を備えたコンテンツ流通管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載のコンテンツ流通管理装置において、
インターネット通信網のアドレスを含むリクエストを通信端末から受信する手段と、
前記受信したリクエストをインターネット通信網へ転送する手段と
を更に備えたコンテンツ流通管理装置。
【請求項3】
一又は複数のアドレスを記憶した記憶手段と、
コンテンツデータを受信した通信端末からそのコンテンツデータの格納元のアドレスを受信する受信手段と、
前記受信したアドレスが前記記憶手段に記憶されたアドレスであるか否か判断する判断手段と、
前記受信したアドレスが前記記憶手段に記憶されたアドレスであると前記判断手段が判断した場合、そのコンテンツデータの宛先の通信端末におけるコンテンツの表示態様を決定付けるパラメータを通信端末へ送信する送信手段と
を備えたコンテンツ流通管理装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のコンテンツ流通管理装置において、
前記コンテンツデータは、
通信端末の表示デバイスに表示させるテキスト又はイメージをそれぞれ示すエレメントとそれらのレイアウトとを所定のマークアップ言語により記した表示制御データである
コンテンツ流通管理装置。
【請求項5】
請求項4に記載のコンテンツ流通管理装置において、
前記パラメータは、
通信端末の表示デバイスに表示された後、その操作子の操作によって選択アイコンと重なった時に所定のピクトグラムを出現させる特定のテキスト又はイメージのエレメントを指し示すパラメータである
コンテンツ流通管理装置。
【請求項6】
請求項4に記載のコンテンツ流通管理装置において、
前記パラメータは、
通信端末の表示デバイスに表示された後、その操作子の操作によってハイライト表示になった時に所定のピクトグラムを出現させる特定のテキスト又はイメージのエレメントを指し示すパラメータである
コンテンツ流通管理装置。
【請求項7】
請求項5又は6に記載のコンテンツ流通管理装置において、
前記特定のテキスト又はイメージを示すエレメントは、
所定の認定を受けたアドレスへハイパーリンクされたエレメントである
コンテンツ流通管理装置。
【請求項8】
情報の表示手段と、
操作子と、
テキスト又はイメージをそれぞれ示すエレメントとそれらのレイアウトとを所定のマークアップ言語により記した表示制御データであるコンテンツデータと、特定のエレメントを指し示すパラメータとを受信する受信手段と、
前記受信したコンテンツデータのエレメントが示すテキスト又はイメージをそのレイアウトに従って前記表示手段に表示させる第1の表示制御手段と、
前記表示手段に表示されたテキスト又はイメージのうち、前記受信したパラメータが指し示すエレメントを基に表示させたテキスト又はイメージと選択アイコンとが前記操作子の操作によって重なった時に所定のピクトグラムを出現させる第2の表示制御手段と
を備えた通信端末。
【請求項9】
情報の表示手段と、
操作子と、
テキスト又はイメージをそれぞれ示すエレメントとそれらのレイアウトとを所定のマークアップ言語により記した表示制御データであるコンテンツデータと、特定のエレメントを指し示すパラメータとを受信する受信手段と、
前記受信したコンテンツデータのエレメントが示すテキスト又はイメージをそのレイアウトに従って前記表示手段に表示させる第1の表示制御手段と、
前記表示手段に表示されたテキスト又はイメージのうち、前記受信したパラメータが指し示すエレメントを基に表示させたテキスト又はイメージが前記操作子の操作によってハイライト表示になった時に所定のピクトグラムを出現させる第2の表示制御手段と
を備えた通信端末。
【請求項10】
情報の表示手段と、操作子と、情報の通信手段とを有するコンピュータ装置に、
テキスト又はイメージをそれぞれ示すエレメントとそれらのレイアウトとを所定のマークアップ言語により記した表示制御データであるコンテンツデータと、特定のエレメントを指し示すパラメータとを前記通信手段を介してを受信する受信機能と、
前記受信したコンテンツデータのエレメントが示すテキスト又はイメージをそのレイアウトに従って前記表示手段に表示させる第1の表示制御機能と、
前記表示手段に表示されたテキスト又はイメージのうち、前記受信したパラメータが指し示すエレメントを基に表示させたテキスト又はイメージと選択アイコンとが前記操作子の操作によって重なった時に所定のピクトグラムを出現させる第2の表示制御機能と
を実現させるプログラム。
【請求項11】
情報の表示手段と、操作子と、情報の通信手段とを備えたコンピュータ装置に、
テキスト又はイメージをそれぞれ示すエレメントとそれらのレイアウトとを所定のマークアップ言語により記した表示制御データであるコンテンツデータと、特定のエレメントを指し示すパラメータとを前記通信手段を介して受信する受信機能と、
前記受信したコンテンツデータのエレメントが示すテキスト又はイメージをそのレイアウトに従って前記表示手段に表示させる第1の表示制御機能と、
前記表示手段に表示されたテキスト又はイメージのうち、前記受信したパラメータが指し示すエレメントを基に表示させたテキスト又はイメージが前記操作子の操作によってハイライト表示になった時に所定のピクトグラムを出現させる第2の表示制御機能と
を実現させるプログラム。
【請求項12】
一又は複数のアドレスを記憶した記憶手段と、
通信端末を宛先とするコンテンツデータを受信する受信手段と、
前記受信したコンテンツデータの発信元のアドレスが前記記憶手段に記憶されたアドレスであるか否か判断する判断手段と、
前記受信したコンテンツデータの発信元のアドレスが前記記憶手段に記憶されたアドレスであると前記判断手段が判断した場合、そのコンテンツデータの宛先の通信端末におけるコンテンツの表示態様を決定付けるパラメータ及び当該コンテンツデータを通信端末へ送信する送信手段と
有するコンテンツ流通管理装置と、
前記コンテンツ流通管理装置からパラメータ及びコンテンツデータを受信する受信手段と、
前記受信したコンテンツデータを表示すると共に、その表示態様を前記受信したパラメータに従って制御するコンテンツ表示制御手段と、
を有する通信端末と
を備えたコンテンツ流通システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−199377(P2008−199377A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−33597(P2007−33597)
【出願日】平成19年2月14日(2007.2.14)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】