説明

コンデンサ用ポリエステルフィルム、金属化ポリエステルフィルム、およびそれを用いてなるコンデンサ

【課題】
フィルム表面に金属蒸着する際に発生する熱変形、マージンずれを低減し、かつ、コンデンサとしての電気特性、信頼性に優れたコンデンサ用ポリエステルフィルムを提供することにある。
【解決手段】
フィルムを構成するポリマ中の触媒金属化合物のモル数(M)とリン化合物のモル数(P)の比(M/P)が0.5〜2の範囲であり、フィルム厚みが0.5〜3μmのコンデンサ用ポリエステルフィルムであって、該コンデンサ用ポリエステルフィルムの長手方向の厚みむらの中で、0.1〜0.4mの範囲の波長域におけるフーリエ解析の強度分布の面積が0.6m以下であることを特徴とするものからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンデンサ用ポリエステルフィルムに関するものであり、更に詳しくは、蒸着加工性およびコンデンサとしての電気特性、信頼性に優れたコンデンサ用薄膜ポリエステルフィルム、少なくとも片面に金属層を設けてなる金属化ポリエステルフィルム、およびそれらを用いてなるコンデンサに関する。
【背景技術】
【0002】
コンデンサは近年の電子機器の小型化、高性能化に伴い、より小型でかつ信頼性に優れたものが要求されてきている。特に誘電体としての薄膜フィルムにおいては優れた絶縁性、低いtanδによる少自己発熱などが、コンデンサとして優れた信頼性を得るために必要不可欠となっている。このような目的を達成するために、特許文献1に記載があるようなポリマ中の触媒金属化合物とリン化合物の比を規定する方法が知られている。
【0003】
ポリエステルフィルムは、一般に、押出機で溶融した樹脂を口金から吐出し、冷却ドラム上で静電印加法などを用いて密着させ、固化する。更に、フィルム長手方向、幅方向に延伸され、巻き取られることにより製造されている。
【0004】
しかし、上記のフィルムは、金属イオンが少ないために、溶融樹脂を冷却固化させる工程において通常用いられる静電印加法では、冷却ドラム上での静電密着が不十分となり、生産速度に制約がある。
【0005】
そこで、薄膜フィルムを製造する際には、特許文献2に記載があるように、冷却ドラム上で水膜を形成し、密着力を高めることにより、生産速度の向上をはかる方法が知られている。
【0006】
一方、コンデンサ用ポリエステルフィルムに関しては、フィルム厚みについても高度な寸法精度が要求されている。フィルムの厚みむらは、フィルム表面に金属を蒸着する際に、蒸着中の張力変動やフィルムの平面性の悪化にともない、熱変形、マージンずれなどを引き起こす要因と考えられている。
【0007】
熱変形は、蒸着中に冷却キャンとフィルムとが十分に密着せず、フィルムが冷却されずに高温の金属と接触することによって変形する(薄膜フィルムでは穴が開くこともある)現象と考えられており、熱変形が多くなるとコンデンサの絶縁破壊が起こりやすくなることが知られている。
【0008】
また、マージンずれは蒸着機内でフィルムが搬送中に蛇行することにより起こり、蒸着後のスリット工程でマージン不良となり、コンデンサの電気特性に影響を与えることが知られている。
【0009】
しかし、冷却ドラム上で水膜を形成する方法でフィルム厚み0.5μm以上3μm以下の薄膜フィルム(未延伸フィルムで5μm以上50μm以下)を生産すると、特有の波長(0.1m以上0.4m以下)の厚みむらが顕在化し、更に、この波長の厚みむらの悪化が、熱変形、マージンずれなどに特に悪影響を与えることがわかってきた。
【0010】
厚みむらを改善する方法としては、口金と冷却ドラム間の溶融樹脂の剛性を上げることにより、該溶融樹脂の膜振動に起因する厚みむらを改善する提案がなされてきた。(例えば、特許文献3、4参照)
しかし、この方法でフィルム厚み0.5μm以上3μm以下の薄膜フィルム(この場合、未延伸フィルムで5μm以上50μm以下程度となる。)を生産すると、未延伸フィルムが非常に薄いため、厚膜フィルムのように膜振動を抑えきれない。
【0011】
さらに、特許文献5、6では、口金の位置や角度を定義し、かつ、口金と冷却ドラムの間隔の短縮や口金から吐出された溶融樹脂耳部の調整板を用いること、さらに冷却ドラム上に液体を塗布することにより、薄膜フィルムの生産速度の向上、厚みの均一性の向上をはかる方法が提案されている。
【0012】
しかし、この方法では、口金の位置や角度を調節するための機構として巨額な投資が必要となることや、冷却ドラム速度を向上すると、冷却ドラムと溶融樹脂との間に空気の介在が起こりやすく、ドラムへの密着、冷却不良となり、製造時のフィルム破断などの問題が発生する。また、通常の直上キャスト方式(口金リップ部が冷却ドラムの中心を通る垂線上にある方式)において、口金と冷却ドラムとの間隔を短縮すると、溶融樹脂を冷却ドラムに密着させる静電印加法で用いられる電極(ワイヤー電極、ブレード電極など)から口金への放電現象が起こり、フィルム破断や静電印加不良などの問題が発生する。
【特許文献1】特開昭63−182351号公報(第7欄第5行目〜第8欄第13行目)
【特許文献2】特開平1−97621号公報(特許請求の範囲第1項)
【特許文献3】特許第2871501号公報([0006]〜[0017]段落)
【特許文献4】特許第3070821号公報([0004]〜[0019]段落)
【特許文献5】特開昭61−219622号公報(特許請求の範囲第1項)
【特許文献6】特開昭61−237619号公報(特許請求の範囲)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、口金の位置や角度を調節する必要がなく、かつ、口金の形状にかかわらず、フィルム厚み0.5〜3μmであり、フィルムを構成するポリマ中の触媒金属化合物のモル数(M)とリン化合物のモル数(P)の比(M/P)が0.5〜2の範囲である薄膜フィルムを生産する際に発生する特有の波長の厚みむらを改善し、そのフィルムを用いることにより、フィルム表面に金属蒸着する際に発生する熱変形、マージンずれを低減し、かつ、コンデンサとしての電気特性、信頼性に優れたコンデンサ用ポリエステルフィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この目的に沿う本発明のコンデンサ用ポリエステルフィルムは、フィルム厚みが0.5〜3μmのコンデンサ用ポリエステルフィルムであって、かつ、フィルムを構成するポリマの触媒金属化合物とリン化合物の比が0.5〜2の範囲である該コンデンサ用ポリエステルフィルムの長手方向の厚みむらの中で、0.1〜0.4mの範囲の波長域におけるフーリエ解析の強度分布の面積が0.6m以下であることを特徴とするものからなる。
【発明の効果】
【0015】
本発明で提供されるフィルムを用いることにより、フィルム表面にアルミニウムなどの金属を蒸着する際の熱変形、マージンずれなどを著しく低減することができ、かつ、電気特性に優れたコンデンサ用の誘電体を高効率で得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に本発明の最良の実施形態を説明する。
【0017】
本発明におけるポリエステルとは、テレフタル酸、もしくは2,6−ナフタレンジカルボン酸またはそのアルキルエステルを主な酸成分とし、エチレングリコールを主なグリコール成分としてエステル化あるいはエステル交換反応を行った後、重縮合反応を行うことにより得られるポリエステルを指す。
【0018】
ここで、エステル交換反応は、カルシウム、マグネシウム、リチウム、マンガン元素からなる触媒化合物の存在下、温度130〜260℃で行い、重縮合反応は、アンチモン、ゲルマニウム、チタン元素からなる触媒化合物およびリン化合物を添加し、高真空下、温度220〜300℃で行う。上記リン化合物の種類としては、亜リン酸、リン酸、リン酸トリエステル、ホスホン酸、ホスホネートなどがあるが、特に限定されないし、またこれらリン化合物を二種以上併用してもよい。上記触媒化合物の添加量は特に限定しないが、カルシウム、マグネシウム、リチウム、マンガン(触媒金属化合物)の全モル数(M)とリン元素(リン化合物)のモル数(P)との比(M/P)が0.5〜2、好ましくは0.5〜1.5であることがよい。これは、触媒金属化合物量が、コンデンサの電気特性に影響を与えるとともに、フィルム生産性の向上にも影響を与えることがわかったためである。触媒金属化合物とリン化合物の比(M/P)が0.5以下になると、金属イオンが少ないために、溶融樹脂を冷却固化させる工程において通常用いられる静電印加法では、冷却ドラム上での静電密着が不十分となり、生産速度に制約があるばかりか、冷却不足によるフィルム破断が起こりやすくなる。また、触媒金属化合物とリン化合物の比(M/P)が2以上になると、コンデンサとしての電気特性が悪化してしまう。
【0019】
本発明の目的に特に沿ったポリエステルは、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90%以上がエチレンテレフタレート単位であるポリエチレンテレフタレート(PET)である。上記を満足していれば、エチレンテレフタレート以外のポリエステル共重合体成分が含まれていても良い。エチレンテレフタレート以外のポリエステル共重合体成分としては、例えばジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、p−キシリレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどのジオール成分、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などのジカルボン酸成分、トリメリット酸、ピロメリット酸などの多官能ジカルボン酸成分、p−オキシエトキシ安息香酸などが挙げられる。
【0020】
さらに、上記のPETには、他に、PETと非反応性のスルホン酸のアルカリ金属塩誘導体、PETに実質的に不溶なポリアルキレングリコールなどの少なくとも一つを5質量%を越えない程度に混合してもよい。
【0021】
また、フィルム表面を粗面化させ、ハンドリング性を向上させるために上記のPET中に添加せしめる不活性粒子としては、無機粒子、有機粒子のいずれでもよい。本発明で述べる不活性粒子とは、PETへの添加時あるいはフィルム製膜時にPETと反応しない粒子を意味する。本発明で用いられる無機または有機粒子としては、例えば平均粒径が0.1μm以上3μm以下の範囲にある二酸化ケイ素(シリカ)、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、二酸化チタン、ゼオライト、酸化アルミニウムなどの無機粒子、あるいは、架橋構造を有するポリジビニルベンゼン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレートなどの有機粒子などを挙げることができる。また、PETの重合触媒として添加されるリン化合物とマグネシウムやカルシウムなどのアルカリ金属成分によって形成されるリン酸塩による内部粒子も用いることができる。
【0022】
本発明の目的は、フィルムを構成するポリマの触媒金属化合物とリン化合物の比(M/P)が0.5〜2の範囲であり、フィルム厚み0.5〜3μmの薄膜フィルムを生産する際に発生する特有の波長の厚みむらを改善し、そのフィルムを用いることにより、フィルム表面に金属蒸着する際に発生する熱変形、マージンずれを低減し、かつ、コンデンサとしての電気特性、信頼性に優れたコンデンサ用ポリエステルフィルムを提供することにある。
【0023】
上述したように、触媒金属化合物とリン化合物の比(M/P)が0.5以下になると、金属イオンが少ないために、溶融樹脂を冷却固化させる工程において通常用いられる静電印加法では、冷却ドラム上での静電密着が不十分となり、生産速度に制約があるばかりか、冷却不足によるフィルム破断が起こりやすくなるため、薄膜フィルムを製造する際には、冷却ドラム上で水膜を形成し、密着力を高めることにより、生産速度の向上をはかる方法が好適に用いられる。
【0024】
上記の方法でフィルム厚み0.5〜3μmの薄膜フィルム(未延伸フィルムで5〜50μm)を生産すると、特有の波長(0.1〜0.4m)の厚みむらが顕在化し、更に、この波長の厚みむらの悪化が、熱変形、マージンずれなどに特に悪影響を与えることが確認された。他方、波長0.1m以下の厚みむらは、熱変形に影響することはほとんど無く、特に近年は蒸着速度の高速化も進んでおり、本発明の検討においては、波長0.1m以下の厚みむらについては考慮する必要がない。また、厚みむらの発生する原因も機械的振動など生産条件以外のノイズ的な要因が多いことが確認されている。
【0025】
一方、波長0.4m以上の厚みむらに関しては、蒸着中のフィルム張力を大きくすることで、冷却キャンとフィルムとが密着し、熱変形が起こりにくくなるとともに、搬送中の蛇行も抑えられ、マージンずれに対しても効果があり、問題解決が比較的容易である。
【0026】
これに対し、波長0.1〜0.4mの厚みむらに関しては、波長0.4m以上の厚みむらよりも大きな張力が必要となり、過多の張力をかけると、蒸着中のフィルム切れやブロッキングなどの問題が起こりやすくなる。
【0027】
以上のことから、本発明では、波長0.1〜0.4mの厚みむらを改善することで、フィルム表面に金属蒸着する際に発生する熱変形、マージンずれを低減させることのできるコンデンサ用ポリエステルフィルムを提供せんとしたものである。
【0028】
さらに、本発明において、ある範囲(波長0.1〜0.4m)を持った厚みむらを評価するにあたって、単純にある波長の強度を求めるのではなく、その範囲の強度をグラフ化し、そこから算出される面積を指標として用いた。本発明者らは、鋭意検討することにより、その指標から、波長0.1〜0.4mにおけるフーリエ解析の強度分布の面積が0.6m以下であるときに、フィルム表面に金属蒸着する際に発生する熱変形、マージンずれを低減することができることを明らかにしたのである。
【0029】
次に本発明のフィルムの製造方法について説明する。まず、PET原料を真空中、あるいは熱風中で乾燥し、押出機に供給する。押出機内で融点以上に加熱溶融された樹脂は、フィルタ、ギアポンプ等を連結する加熱されたパイプ中を通り、口金から吐出される。
【0030】
口金から吐出される樹脂温度は、270〜320℃、好ましくは290〜310℃であることがよい。これは、波長が0.1〜0.4mの範囲にあるフィルム長手方向の厚みむらの発生原因が、口金と冷却ドラム間にある溶融樹脂の膜振動であることを見出したためである。この膜振動を抑えるためには、樹脂粘度を低下させ、口金から吐出される溶融樹脂を、より速く冷却ドラムに着地させる必要がある。そのためには、樹脂温度を高温化し、樹脂粘度を低下させる必要があるが、320℃以上であると溶融樹脂が熱劣化を起こし、溶融樹脂の変性物を生じさせることになり、好ましくない。
【0031】
口金から吐出された溶融樹脂は、冷却ドラム上で静電印加を用いて冷却固化されるが、口金リップと冷却ドラムとの間隔は、3〜10mm、好ましくは3〜8mmであることがよい。これは、口金と冷却ドラム間にある溶融樹脂が、外乱要素と接触する機会を低減し、膜振動を抑えるためである。このとき、口金と冷却ドラムとの間隔を10mm以下に短縮すると、静電印加法で用いられる電極(ワイヤー電極、ブレード電極など)により、口金への放電現象が起こり、フィルム破断や印加不良などの問題が発生し、特に3μm以下の薄いフィルムの製造が不可能となる。この問題を解決するために、本発明では電極の中央部を絶縁体で覆い、フィルムのエッジ部にのみ静電印加する方法を用いた。後述するような冷却ドラム上で水膜を形成するキャスト方法との組合せでは、フィルムのエッジ部への静電印加による密着のみで、十分な効果が得られることを見出した。この方法を用いることにより、通常の静電印加法よりも印加電圧を低減することができ、口金への放電現象を防ぐことが出来る。また、口金リップと冷却ドラムとの間隔を3mm以下にすると、口金スジが発生しやすくなるために好ましくない。
【0032】
また、本発明に係るコンデンサ用ポリエステルフィルムにおいて必要とされるフィルム厚み0.5〜3μmの薄物フィルムにおいては、冷却ドラム上で水膜を形成し、密着力を高めることにより、高速製膜をはかる方法を用いることが必要である。本発明者らは、厚みむらを極力低減させ得る水膜厚みを検討した結果、水膜の厚みは、0.1〜1μm以下、好ましくは0.1〜0.3μmがよいことを見出した。これは、冷却ドラム上に形成された水膜が、口金と冷却ドラム間にある溶融樹脂と接触する際に、外乱要素の一つとなり、溶融樹脂の膜振動を引き起こすことがわかったためである。また、水膜厚みを1μm以上にすると、溶融樹脂の膜振動が大きくなり、0.1μm以下にすると、冷却ドラムとフィルムとの密着力が強くなりすぎて、フィルムが冷却ドラムから引き離される際にフィルムが破断してしまう。上記のような、特殊な静電印加方法および冷却ドラム上の水膜厚みを同時に満たすことによって、波長0.1〜0.4mの厚みむらを改善したフィルムを安定して製造することができる。
【0033】
さらに、得られた未延伸フィルムを必要に応じて延伸するが、具体的には、縦一軸延伸、横一軸延伸、逐次二軸延伸、同時二軸延伸などの延伸方法にしたがって行う。本発明における縦延伸とは、フィルムに長手方向の分子配向を与えるための延伸のことであり、通常は、ロールの周速差により行われる。延伸温度は、90〜120℃が好ましく、延伸倍率は、2〜6倍程度である。
【0034】
また、本発明における横延伸とは、フィルムに幅方向の分子配向を与えるための延伸のことであり、通常、テンターを用いてフィルムの両端をクリップで把持しながら搬送して、幅方向に延伸する。延伸温度は、90〜130℃が好ましく、延伸倍率は、2倍〜6倍程度である。延伸後、平面性、寸法安定性を得るために200〜240℃の範囲で熱固定を行い、均一に徐冷後室温まで冷やして巻き取る。
【0035】
上記のような特殊な条件下において、本発明の範囲を満足するフィルムを安定して生産することが可能となる。
【0036】
本発明のポリエステルを用いたコンデンサの製造は、公知の方法を用いることができる。本発明のコンデンサ用ポリエステルフィルムをコンデンサに使用する場合の電極は特に限定されるものではなく、例えば金属箔であっても両面を金属化した紙やプラスチックフィルムであっても、本発明のポリエステルフィルムの片面もしくは両面を直接金属化してもかまわないが、小型軽量化が望まれるコンデンサ用途にあっては特に直接フィルムを金属化することが好ましい。このとき、用いる金属の種類は、亜鉛、錫、銀、クロム、アルミニウム、銅、ニッケルなどの単体や複数種の混合物あるいは合金などが挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0037】
また、フィルムを直接金属化する方法としては、真空蒸着法やスパッタリング法などが例示され、特に限定されるものではないが、その生産性や経済性などの観点から真空蒸着法がより好ましい。一般に真空蒸着法にはるつぼ方式やワイヤー方式などが例示されるが、特に限定されるものではなく、適宜選択すればよいが、欠陥の付与率が小さいEBガン方式がさらに好ましい。蒸着により金属化する場合のマージンパターンも特に限定されるものではなく、通常のパターンであってもコンデンサの保安性向上などの目的で施される特殊マージンパターンであっても構わないが、本発明のポリエステルフィルムを用いることにより、前記金属を蒸着する際の熱変形、マージンずれなどを著しく低減することができ、電気特性に優れたコンデンサ用の誘電体を高効率で得ることができるという点で、マージンパターンとすることが好適である。
【0038】
さらに、それらのマージンの構成方式も特に限定されるものではなく、例えば、テープ方式であってもオイル方式であってもかまわない。
【0039】
上記のように得られた金属化ポリエステルフィルムを導電体として、平板あるいは同円状に巻き回してコンデンサ素子を作る。このコンデンサ素子を常法に従って、プレス、熱処理、端面封止およびリード線取りつけを行ってコンデンサとする。
【0040】
[物性の測定方法]
1.フィルム中の金属分析
フィルム中のカルシウム、マグネシウム、リチウム、マンガンなどの元素の定量は、株式会社リガク製蛍光X線分析装置「3270型」を用いて測定した。
【0041】
2.フィルム厚みとフィルム長手方向の厚みむら
倉敷紡績株式会社製赤外線膜厚計「KG−200 OF」を用いて、フィルムの長手方向に500mm幅、300m長にサンプリングしたフィルムを連続的に厚み測定した。フィルムの搬送速度は20m/分とした。フィルム厚みは対象となるフィルムの赤外線吸収量から算出された値である。20m長での厚み最大値Tmax[μm]、最小値Tmin[μm]から、
R=Tmax−Tmin
を求め、Rと20m長の平均厚みTave[μm]から、
厚みむら[%]=R/Tave×100
として求めた。図1にTmax,Tmin,Rについての模式図を示す。また、「フィルム長手方向の厚みむらの波長」とは、図1に示したように、フィルム厚み波形の谷から谷(または山から山)の部分のことをいう。
【0042】
3.フィルム長手方向の厚みむらのフーリエ解析
上記の厚みむら測定時に、赤外線膜厚計からの出力を株式会社キーエンス製データ収集システム「NR−110」を用いて株式会社東芝製パーソナルコンピュータ “Dynabook”(登録商標)にデータを取り込んだ。データはフィルム厚み1[μm]が2[V]に対応するように電圧で取り込み、0.2秒の間隔で4096点サンプリングした。もちろん、これらの機器に限定される必要はなく、同様の機能を持つ公知の機器は多数存在する。このように取り込んだデータに高速フーリエ変換(FFT)処理を施した。この際、流れ方向の変数にサンプリング時間[秒](0.2秒×4096点)を取ると、FFT処理により、波長[m]に対する強度分布が得られる。本発明では、図2の塗りつぶし部分に示すように、波長に対する強度分布をグラフ化した際の、強度分布の面積を求めた。図1で示した波長には、種々の長さのものがあり、各長さの波長に対しての強度を求めたものが図2である。
【0043】
4.樹脂温度
口金から吐出される樹脂の温度は、横河電機株式会社製接触式温度計「TX−10」で直接測定した。
【0044】
5.口金リップと冷却ドラムとの距離
一様な幅に切り取られ、エッジに目盛りをきった樹脂板の幅を変更して数種類用意し、樹脂を実際に押出す前に口金リップと冷却ドラム間に挿入し、樹脂板の幅によって口金リップと冷却ドラムとの距離を測定した。
【0045】
6.水膜厚み
水膜厚みは、倉敷紡績株式会社製インキ厚・含水率計「RX−220」を用いて測定を行った。
【0046】
7.熱変形
フィルム長手方向に500mm幅、20000m長のロール状サンプルの片面に、株式会社アルバック製巻取式真空蒸着装置「EWC−060S」を用いて、アルミニウムを300オングストロームの厚みになるように蒸着した。蒸着後、スリットを行い、蒸着30mm幅、マージン1mm幅、蒸着フィルム5000m長のリール状サンプルを得た。該サンプルの0,1000,2000,3000,4000,5000m付近から10m長の矩形サンプルを6点取りだし、その中に発生が見られた熱変形個数を測定した。熱変形個所と見なしたものは、フィルムの長手方向への長さが5mm以上の大きさのもので、6サンプルで見受けられた熱変形個数の合計が0〜3個を○、4〜6個を△、7個以上を×とした。○が好ましいが、△でも使用可能である。
【0047】
8.マージンずれ
上記蒸着中に、500mm幅の中央部分の製品につき、マージン部分の位置を観察し、マージン部分の左右のズレを連続的に測定した。蒸着開始から終了までの最大のズレ量が、0mm以上0.2mm未満を○、0.2mm以上0.4mm未満を△、0.4mm以上を×とした。○が好ましいが、△でも使用可能である。
【0048】
9.コンデンサの誘電損失(tanδ)特性
コンデンサ(容量0.3μF)を温度23℃の室温下で、GenRad社製「Digibridge」を用い、1kHzでtanδを測定した。測定は、それぞれ1000個について行い、平均値を求めた。平均値が0.30%未満であるものを○、0.30%以上0.35%未満であるものを△、0.35%以上であるものを×とした。○が好ましいが、△でも使用可能である。
【実施例】
【0049】
以下に、本発明をより理解しやすくするために実施例、比較例を示す。
【0050】
(実施例1)
テレフタル酸ジメチル100質量部、エチレングリコール70質量部、触媒として酢酸カルシウム0.1質量部を用いて、常法によりエステル交換反応を行い、その生成物に三酸化アンチモン0.03質量部、トリメチルスルホスフェート0.15質量部、亜リン酸0.02質量部および二酸化珪素(粒子径1.2μm)0.1質量部を添加し、常法によって重縮合して、極限粘度0.64のポリエチレンテレフタレート原料を得た。原料を160℃にて5時間真空乾燥した後、押出機に供給し、口金から吐出される溶融樹脂温度が300℃となるように押出機から口金までの温度を調節した。溶融されたPETを、0.2μmの膜厚の水が均一に塗布された冷却ドラム上に、静電印加させながら冷却・固化し、厚み約20μmの未延伸フィルムを得た。静電印加は、直径0.1μmのタングステン製のワイヤーを外径2.3mm、内径1.7mmの“テフロン”(登録商標)製のチューブで被覆し、両端部30mmのみワイヤーを露出させ、8kVの印加電圧をかけて行った。このとき、口金と冷却ドラムの間隔は5mmとした。
【0051】
得られた未延伸フィルムを複数の加熱ロールで、フィルム温度90℃まで加熱し、3倍に延伸した。その後、100℃の熱風雰囲気下で3.5倍に横延伸し、220℃の熱風雰囲気下で熱固定を行った。フィルムの両端部をトリミングして巻取り、2μmの二軸延伸フィルムを得た。
【0052】
得られたフィルムを真空蒸着装置にセットし、アルミニウムを連続蒸着させて、膜抵抗が3Ω/□の蒸着膜をフィルム上に形成した。この蒸着フィルムをスリットし、素子巻機にかけてコンデンサ素子を作り、さらに常法によって、端面封止およびリード線取り付けを行って、コンデンサ(容量0.3μF)を作成した。作成したコンデンサ1000個について、23℃のtanδを測定し、その平均値を求めた。
【0053】
原料条件、製膜各工程の条件、厚みむら、強度面積、熱変形、マージンずれ、tanδの結果を表1に示す。波長0.1m以上0.4m以下であるフィルム長手方向の厚みむらに関するフーリエ解析の強度分布の面積が0.4mと本発明の範囲にあり、その他の波長域での強度面積が1.0mであった。このフィルムにアルミニウム蒸着を行った結果、熱変形、マージンずれともに良好なフィルムを得ることが出来た。また、コンデンサを作成し、tanδを測定した結果、tanδ特性の良好なコンデンサが得られた。
【0054】
(実施例2)
実施例1において、酢酸カルシウムを0.4質量部として、他の条件は同一として2μmの二軸延伸フィルムを得た。原料条件、製膜各工程の条件、測定された強度面積、熱変形、マージンずれ、tanδの結果を表1に示す。波長0.1m以上0.4m以下であるフィルム長手方向の厚みむらに関するフーリエ解析の強度分布の面積が0.5mであり、その他の波長域での強度面積が0.6mであった。このフィルムに金属蒸着を行った結果、熱変形、マージンずれともに良好なフィルムを得ることが出来た。また、コンデンサを作成し、tanδを測定した結果、tanδ特性は特に問題のないレベルであった。
【0055】
(比較例1)
実施例1において、トリメチルホスフェートを0.45質量部として、他の条件は同一とした。このとき、フィルムの破断が起こり、安定してフィルムを得ることができなかった。
【0056】
(比較例2)
実施例1において、酢酸カルシウムを0.5質量部として、他の条件は同じ条件で2μmの二軸延伸フィルムを得た。原料条件、製膜各工程の条件、測定された強度面積、熱変形、マージンずれ、tanδの結果を表1に示す。波長0.1m以上0.4m以下であるフィルム長手方向の厚みむらに関するフーリエ解析の強度分布の面積が0.3mであり、その他の波長域での強度面積が1.0mであった。このフィルムに金属蒸着を行った結果、熱変形、マージンずれともに良好なフィルムを得ることが出来た。しかし、コンデンサを作成し、tanδを測定した結果、tanδ特性の良好なコンデンサは得られなかった。
【0057】
(実施例3)
実施例1において、口金から吐出される樹脂温度を270℃とし、押出量を調整して、他の条件は同じ条件で2.5μmの二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの製膜各工程の条件、測定された強度面積、熱変形、マージンずれ、tanδの結果を表1に示す。0.1m以上0.4m以下であるフィルム長手方向の厚みむらに関するフーリエ解析の強度分布の面積が0.5mと本発明の範囲にあり、その他の波長域での強度面積が0.6mであった。このフィルムに金属蒸着を行った結果、熱変形、マージンずれともに良好なフィルムを得ることが出来た。また、コンデンサを作成し、tanδを測定した結果、tanδ特性の良好なコンデンサが得られた。
【0058】
(実施例4)
実施例3において、口金から吐出される樹脂温度を320℃とし、他の条件は同じ条件で2.5μmの二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの製膜各工程の条件、測定された強度面積、熱変形、マージンずれ、tanδの結果を表1に示す。0.1m以上0.4m以下であるフィルム長手方向の厚みむらに関するフーリエ解析の強度分布の面積が0.4mと本発明の範囲にあり、その他の波長域での強度面積が0.8mであった。このフィルムに金属蒸着を行った結果、熱変形、マージンずれともに問題ないフィルムを得ることが出来た。また、コンデンサを作成し、tanδを測定した結果、tanδ特性は特に問題のないレベルであった。
【0059】
(比較例3)
実施例3において、口金から吐出される樹脂温度を260℃として、他の条件は同じ条件で2.5μmの二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの製膜各工程の条件、測定された強度面積、熱変形、マージンずれ、tanδの結果を表1に示す。0.1m以上0.4m以下であるフィルム長手方向の厚みむらに関するフーリエ解析の強度分布の面積が0.8mであり、その他の波長域での強度面積が0.6mであった。このフィルムに金属蒸着を行った結果、マージンずれが大きい結果となった。また、コンデンサを作成し、tanδを測定した結果、tanδ特性の良好なコンデンサは得られなかった。
【0060】
(比較例4)
実施例3において、口金から吐出される樹脂温度を330℃として、他の条件は同一とした。このとき、溶融樹脂の熱劣化により、フィルムの破断が起こり、安定してフィルムを得ることができなかった。
【0061】
(実施例5)
実施例1において、口金リップと冷却ドラムの間隔を3mmとし、押出量を調整して、他の条件は同じ条件で1.5μmの二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの製膜各工程の条件、測定された強度面積、熱変形、マージンずれ、tanδの結果を表1に示す。0.1m以上0.4m以下であるフィルム長手方向の厚みむらに関するフーリエ解析の強度分布の面積が0.5mと本発明の範囲にあり、その他の波長域での強度面積が0.5mであった。このフィルムに金属蒸着を行った結果、熱変形、マージンずれともに良好なフィルムを得ることが出来た。また、コンデンサを作成し、tanδを測定した結果、tanδ特性の良好なコンデンサが得られた。
【0062】
(実施例6)
実施例5において、口金リップと冷却ドラムの間隔を10mmとし、他の条件は同じ条件で1.5μmの二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの製膜各工程の条件、測定された強度面積、熱変形、マージンずれ、tanδの結果を表1に示す。0.1m以上0.4m以下であるフィルム長手方向の厚みむらに関するフーリエ解析の強度分布の面積が0.6mと本発明の範囲にあり、その他の波長域での強度面積が1.0mであった。このフィルムに金属蒸着を行った結果、熱変形、マージンずれともに問題ないフィルムを得ることが出来た。また、コンデンサを作成し、tanδを測定した結果、tanδ特性は特に問題のないレベルであった。
【0063】
(比較例5)
実施例5において、口金リップと冷却ドラムの間隔を2mmとし、他の条件は同じ条件で1.5μmの二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの製膜各工程の条件、測定された強度面積、熱変形、マージンずれ、tanδの結果を表1に示す。0.1m以上0.4m以下であるフィルム長手方向の厚みむらに関するフーリエ解析の強度分布の面積が0.6mであり、その他の波長域での強度面積が1.0mであった。このフィルムに金属蒸着を行った結果、マージンずれが大きい結果となった。また、コンデンサを作成し、tanδを測定した結果、tanδ特性の良好なコンデンサは得られなかった。
【0064】
(比較例6)
実施例5において、口金リップと冷却ドラムの間隔を15mmとして、他の条件は同じ条件で1.5μmの二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの製膜各工程の条件、測定された強度面積、熱変形、マージンずれ、tanδの結果を表1に示す。0.1m以上0.4m以下であるフィルム長手方向の厚みむらに関するフーリエ解析の強度分布の面積が1.2mであり、その他の波長域での強度面積が0.6mであった。このフィルムに金属蒸着を行った結果、熱変形、マージンずれともに悪い結果となった。また、コンデンサを作成し、tanδを測定した結果、tanδ特性の良好なコンデンサは得られなかった。
【0065】
(実施例7)
実施例1において、酢酸カルシウムを0.2質量部,冷却ドラム上に塗布された水の膜厚を0.1μmとして、他の条件は同じ条件で2μmの二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの製膜各工程の条件、測定された強度面積、熱変形、マージンずれ、tanδの結果を表1に示す。0.1m以上0.4m以下であるフィルム長手方向の厚みむらに関するフーリエ解析の強度分布の面積が0.4mと本発明の範囲にあり、その他の波長域での強度面積が0.6mであった。このフィルムに金属蒸着を行った結果、熱変形、マージンずれともに良好なフィルムを得ることが出来た。また、コンデンサを作成し、tanδを測定した結果、tanδ特性の良好なコンデンサが得られた。
【0066】
(実施例8)
実施例7において、冷却ドラム上に塗布された水の膜厚を1.0μmとして、他の条件は同じ条件で2μmの二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの製膜各工程の条件、測定された強度面積、熱変形、マージンずれ、tanδの結果を表1に示す。0.1m以上0.4m以下であるフィルム長手方向の厚みむらに関するフーリエ解析の強度分布の面積が0.5mと本発明の範囲にあり、その他の波長域での強度面積が1.0mであった。このフィルムに金属蒸着を行った結果、熱変形、マージンずれともに良好なフィルムを得ることが出来た。また、コンデンサを作成し、tanδを測定した結果、tanδ特性の良好なコンデンサが得られた。
【0067】
(比較例7)
実施例7において、冷却ドラム上に塗布された水の膜厚を0.08μmとして、他の条件は同一とした。このとき、フィルムの破断が起こり、安定してフィルムを得ることができなかった。
【0068】
(比較例8)
実施例7において、冷却ドラム上に塗布された水の膜厚を1.2μmとして、他の条件は同じ条件で2μmの二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの製膜各工程の条件、測定された強度面積、熱変形、マージンずれ、tanδの結果を表1に示す。波長0.1m以上0.4m以下であるフィルム長手方向の厚みむらに関するフーリエ解析の強度分布の面積が1.0mであり、その他の波長域での強度面積が0.5mであった。このフィルムに金属蒸着を行った結果、熱変形個数が多い結果となった。また、コンデンサを作成し、tanδを測定した結果、tanδ特性の良好なコンデンサは得られなかった。
【0069】
(参考例)
実施例1において、静電印加方法として、“テフロン”(登録商標)製のチューブを外し、フィルム全幅にわたりワイヤーを露出させ、8kVの印加電圧をかけて行った。他の条件は同一とした。このとき、フィルムの破断が起こり、安定してフィルムを得ることができなかった。
【0070】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明のコンデンサ用ポリエステルフィルムは、最近の小型電子機器用のチップコンデンサや、ハイブリッド自動車用などの高耐圧フィルムコンデンサ用などに好ましく用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】Tmax,Tmin,R,波長についての模式図である。
【図2】周波数に対する強度分布をグラフ化したときの模式図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルム厚みが0.5〜3μmのコンデンサ用ポリエステルフィルムであって、フィルムを構成するポリマ中の触媒金属化合物のモル数(M)とリン化合物のモル数(P)の比(M/P)が0.5〜2の範囲にあり、該コンデンサ用ポリエステルフィルムの長手方向の厚みむらの中で、0.1〜0.4mの範囲の波長域におけるフーリエ解析の強度分布の面積が0.6m以下であるコンデンサ用ポリエステルフィルム。
【請求項2】
水膜キャスト法により製造されることを特徴とする請求項1に記載のコンデンサ用ポリエステルフィルム。
【請求項3】
口金リップと冷却ドラムとの間隔が3〜10mmの範囲で製造されることを特徴とする請求項1または2に記載のコンデンサ用ポリエステルフィルム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のコンデンサ用ポリエステルフィルムの少なくとも片面に金属層を設けてなるコンデンサ用金属化ポリエステルフィルム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のフィルムを一部に用いてなるコンデンサ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2007−84741(P2007−84741A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−277417(P2005−277417)
【出願日】平成17年9月26日(2005.9.26)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】