説明

コンバインの穀粒排出装置

【課題】
穀粒を機外へ移送排出する穀粒移送排出筒装置の回動移動と、所定の回動位置での支持とを確実に行うようにしようとするものである。
【解決手段】
穀粒貯留タンク6内の貯留穀粒を受けて、機外へ移送排出する排穀口11aを有する排出筒11を設けた、穀粒移送排出筒装置8を機体1aの側方外側へ回動自在、及び所定の回動位置で支持する回動装置8aと、ブレーキ装置28とを設けた構成である。回動装置8aの回動支点(A)部を走行フレーム2aへ装着すると共に、回動装置8aで穀粒移送排出筒装置8を収納装置、又は穀粒排出位置へ操作しても、回動装置8aは機体1aの全巾(L)から突出しないように設けた構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
脱穀済みで穀粒貯留タンク内へ貯留した貯留穀粒を、機外へ移送排出する穀粒移送排出筒装置と、この穀粒移送排出筒装置の移送終端部に、穀粒を機外へ排出する排穀口を有する排出筒とを設け、穀粒移送排出筒装置は、基部を回動中心として、機体の側方外側へ回動自在で略垂直姿勢に、穀粒貯留タンクと、排藁を切断するカッタ装置との間に設けると共に、回動装置により、回動移動と、所定位置へ支持とを行うべく設けた技術であり、コンバインの穀粒排出装置として利用できる。
【背景技術】
【0002】
例えば、コンバインで立毛穀稈の収穫作業は、刈取りされて脱穀された脱穀済み穀粒は、走行車台の上側へ載置された貯留タンク内へ供給され、一時貯留される。
【0003】
前記貯留タンク内へ貯留した穀粒を、機外への排出は、この貯留タンクの後側へ設けた穀粒移送オーガ装置で移送されて機外へ排出される。
【0004】
前記貯留タンクは、実開昭63−53231号公報で示す如く、例えば、この貯留タンクを前方の運転席下方部まで延長して、上側面へこの運転席を装着して設けると共に、これら貯留タンクと、運転席とは、機外の外側方へ倒伏するよう起倒自在に設けている。
【0005】
又、穀粒を機外へ排出する穀粒移送オーガ装置は、油圧方式の回動用シリンダで回動傾斜移動制御されると共に、油圧方式の伸張用シリンダで伸張移動制御されて、所定の左右方向位置、及び所定の上下方向位置へ移動されて、穀粒は機外の所定位置へ排出される。
【特許文献1】実開昭63−53231号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
穀粒を機外へ排出する穀粒移送排出オーガを所定の上下方向位置、及び所定の左右方向位置への移動は、油圧方向の伸張用シリンダと、回動用シリンダとにより、自動で調節移動制御されることにより、手動調節移動に対して大巾なコストアップであったが、この発明により、これらの問題点を解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このために、この発明は、請求項1に記載の発明においては、走行装置3上側の走行車台2と、前方部へ設けた刈取機4で刈取りした刈取り穀稈を受けて、走行車台2上側へ載置した脱穀機5で脱穀した脱穀済み穀粒を貯留する穀粒貯留タンク6と、脱穀機5で脱穀済み排藁を切断するカッタ装置5a等を設けたコンバインにおいて、前記穀粒貯留タンク6と、カッタ装置5aとの間には、該穀粒貯留タンク6の貯留穀粒を機外へ移送排出する穀粒移送排出筒装置8を基部を回動中心(イ)として、機体1aの側方外側へ回動自在で略垂直姿勢に設け、穀粒移送排出筒装置8の移送終端には、穀粒を機外へ排出する排穀口11aを有する排出筒11を設けると共に、該穀粒移送排出筒装置8の回動移動と、所定の回動位置で支持とを行う回動装置8aを設けたことを特徴とするコンバインの穀粒排出装置としたものである。
【0008】
例えば、コンバインで立毛穀稈の収穫作業は、走行装置3の上側へ設けた走行車台2の前方部の刈取機4で穀稈は刈取りされ、刈取り穀稈は脱穀機5へ引継ぎされて、この脱穀機5内を挟持移送中に脱穀され、脱穀済み穀粒は、揚送されて、穀粒貯留タンク6内へ一時貯留される。
【0009】
前記コンバインの穀粒貯留タンク6内へ貯留した穀粒を機外への排出作業を行うときは、この穀粒貯留タンク6と、脱穀済み排藁を切断するカッタ装置5aとの間で、機体1aの側方外側、例えば、側方の右外側へ基部を回動中心(イ)として、回動傾斜自在で略垂直姿勢状態に設けた、穀粒移送排出筒装置8と、この穀粒移送排出筒装置8の先端部へ設けた排穀口11aを有する排出筒11とを、穀粒を排出する位置である任意の所定の排出位置へ回動装置8aにより、基部の回動中心(イ)位置で所定の排出位置へ回動傾斜移動されて、支持される。
【0010】
その後に排出作業を開始操作して、前記穀粒貯留タンク6から穀粒は、穀粒移送排出筒装置8内へ移送供給され、この穀粒移送排出筒装置8内を移送され、移送終端部の排出筒11の排穀口11aから機外の穀粒受袋内、又は運搬車へ直接排出され、満量になるまで排出される。穀粒貯留タンク6内の穀粒の排出が終了すると、穀粒移送排出筒装置8を元の略垂直姿勢状態へ回動装置8aにより、復元されて支持される。
【0011】
請求項2に記載の発明においては、前記穀粒移送排出筒装置8の回動移動と、所定位置へ支持とを行う回動装置8aと、該穀粒移送排出筒装置8へブレーキ力を付加するブレーキ装置28との両者を設けたことを特徴とする請求項1に記載のコンバインの穀粒排出装置としたものである。
【0012】
前記穀粒貯留タンク6内の貯留穀粒を引継ぎ、機外の所定位置へ移送排出する穀粒移送排出筒装置8と、排出筒11とを、穀粒を排出する任意の所定位置へ回動移動と、所定位置での支持とは、回動移動させる回動装置8aと、穀粒移送排出筒装置8へブレーキ力を付加するブレーキ装置28との両者を設けて、回動移動と、所定位置での支持との両者を行わせている。
【0013】
請求項3に記載の発明においては、前記回動装置8aの回動支点(A)部を走行車台2の走行フレーム2aへ装着して設けたことを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載のコンバインの穀粒排出装置としたものである。
【0014】
穀粒を機外へ移送排出する穀粒移送排出筒装置8と、排出筒11とを回動移動、及び支持する回動装置8aの一方側の回動支点(A)部は、走行車台2の走行フレーム2aへ装着すると共に、他方側は、穀粒移送排出筒装置8へ装着して、回動装置8aを作動させている。
【0015】
請求項4に記載の発明においては、前記穀粒移送排出筒装置8と、排出筒11とを収納状態位置へ操作時、及び穀粒を機外へ排出する穀粒排出位置へ移動操作時共に、回動装置8aは機体1aの全巾(L)から突出しないように設けたことを特徴とする請求項1、又は請求項2、又は請求項3に記載のコンバインの穀粒排出装置としたものである。
【0016】
穀粒を機外へ移送排出する穀粒移送排出筒装置8と、排出筒11とを回動装置8aにより、穀粒の排出作業終了で収納位置へ操作時、及び穀粒を排出する穀粒排出位置へ移動操作時共に、この回動装置8aは、機体1aの全巾(L)から突出しない状態に装着して設けて、回動装置8aが他部品への当接を防止している。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載の発明においては、穀粒貯留タンク6と、カッタ装置5aとの間で、この穀粒貯留タンク6内の貯留穀粒を機外へ移送排出する穀粒移送排出筒装置8の基部を回動中心(イ)として、機体1aの側方外側へ回動自在に略垂直姿勢にこの穀粒移送排出筒装置8を設け、移送終端部には、穀粒を機外へ排出する排穀口11aを有する排出筒11を設けると共に、これら穀粒移送排出筒装置8と、排出筒11とを回動移動と、所定の回動位置で支持とを行う回動装置8aを設けたことにより、これら穀粒移送排出筒装置8と、排出筒11とは、回動装置8aで回動移動と、支持との両者が行われることにより、操作性の向上を図ることができた。
【0018】
請求項2に記載の発明においては、穀粒を機外へ移送排出する前記穀粒移送排出筒装置8と、排出筒11とを回動移動と、所定位置へ支持とを行う回動装置8aと、穀粒移送排出筒装置8へブレーキ力を付加するブレーキ装置28との両者を設けたことにより、穀粒移送排出筒装置8は設定した任意位置から自然に移動することがなく、これにより、操作性が向上する。
【0019】
請求項3に記載の発明においては、前記回動装置8aの一方側の回動支点(A)部を走行車台2の走行フレーム2aへ装着し、他方側は穀粒移送排出筒装置8へ装着して設けたことにより、この走行フレーム2aは強度があることにより、回動装置8aの取付強度アップを図ることができる。
【0020】
請求項4に記載の発明においては、前記穀粒移送排出筒装置8を収納状態位置へ操作時、及び穀粒を機外へ排出する穀粒排出位置へ移動操作時共に、回動装置8aが機体1aの全巾(L)から突出しないように設けたことにより、この回動装置8aが他部品へ当接して、破損することを防止できる。又、使用性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
【0022】
コンバイン1の走行車台2の下側には、走行装置3を設け、前部には、立毛穀稈を刈取りする刈取機4を設けると共に、上側には、刈取り穀稈を受けて脱穀する脱穀機5と、脱穀済みで選別済み穀粒を受けて貯留する穀粒貯留タンク6を設け、この穀粒貯留タンク6と、脱穀済み排藁を切断するカッタ装置5aとの間で、穀粒貯留タンク6の後側には、貯留穀粒を受けて、機外へ移送排出する基部を回動中心(イ)として、コンバイン1の機体1aの、例えば、右側の側方外側へ回動自在で、伸縮自在な穀粒移送排出筒装置8と、この穀粒移送排出筒装置8の移送終端部へ穀粒を機外へ排出する排穀口11aを有する排出筒11を設けた構成である。これら穀粒移送排出筒装置8と、排出筒11とを回動移動させる回動装置8aと、穀粒移送排出筒装置8へブレーキ力を付加するブレーキ装置28等とを設けた構成である。これら穀粒移送排出筒装置8、及び排出筒11と、回動装置8aと、ブレーキ装置28等を主に図示して説明する。
【0023】
前記コンバイン1の走行車台2の下側には、図15で示す如く土壌面を走行する左右一対の走行クローラ3aを張設した走行装置3を配設し、走行車台2の上側面には、脱穀機5を載置した構成である。走行車台2の前方部の刈取機4で立毛穀稈を刈取りし、この刈取り穀稈は、この刈取機4で後方上部へ移送され、脱穀機5のフィードチェン7aと、挟持杆7bとで引継ぎされて、挟持移送されながら脱穀される。脱穀済みで選別済み穀粒は、脱穀機58の右横側に配設し、前後方向へタンク移送螺旋6aを底部へ内装した、穀粒貯留タンク6内へ一時貯留される。
【0024】
前記走行車台2の前方部には、図15で示す如く前端位置から立毛穀稈を分離するナローガイド12a、及び各分草体12bと、立毛穀稈を引起す各引起装置12cと、引起された穀稈を掻込みする穀稈掻込移送装置13の各掻込装置13aと、掻込された穀稈を刈取る刈刃装置12dと、刈取りされた穀稈を挟持移送して、脱穀機5のフィードチェン7aと、挟持杆7bとへ受渡しする穀稈掻込移送装置13の根元・穂先移送装置14a・14b等からなる刈取機4を設けている。該刈取機4は、油圧駆動による伸縮シリンダ15により、土壌面に対して、昇降自在に移動する構成である。
【0025】
前記刈取機4の前方下部から後方上部へ傾斜する支持杆16aの上端部には、左右方向に支持パイプ杆16bを設け、この支持パイプ杆16bを走行車台2の上側面に設けた支持装置16cで回動自在に支持させて、伸縮シリンダ15の作動により、刈取機4は支持パイプ杆16bを回動中心として、上下に回動する構成である。
【0026】
前記刈取機4の穀稈掻込移送装置13によって形成される穀稈移送経路中には、刈取られて移送される穀稈に接触作用することにより、脱穀機5へ穀稈の供給の有無を検出する穀稈センサ4aを設けた構成である。
【0027】
前記穀粒貯留タンク6側の前部には、図15で示す如くコンバイン1を始動、停止、及び各部を調節等の操作を行う制御装置17aと、これら操作を行う作業者が搭乗する操縦席17bとを設け、この操縦席17bの下側で、走行車台2の上側面には、エンジン18を載置すると共に、後方部には、穀粒貯留タンク6を配設する。これら走行装置3と、刈取機4と、脱穀機5と、エンジン18等により、コンバイン1の機体1aを形成した構成である。
【0028】
前記走行車台2の前端部に装架した走行用のミッションケース19内の伝動機構19aの伝動経路中には、その出力に基づいて、走行車速を検出するポテンションメータ方式の車速センサ19bを設けた構成である。
【0029】
前記穀粒貯留タンク6内へ貯留した貯留穀粒を機外へ移送排出する。この穀粒貯留タンク6の後側には、図1〜図7で示す如くタンク移送螺旋6aの移送終端側の後端部を軸支する後支持メタル6dは、穀粒貯留タンク6の後側板6bの外側面へ設けた構成である。後支持メタル6dの後側で、穀粒貯留タンク6と、脱穀済み排藁を切断するカッタ装置5aとの間には、穀粒移送排出筒装置8の回動メタル8bを回動自在に設けた構成である。これら穀粒移送排出筒装置8と、回動移動メタル8bとは、一体で、例えば、コンバイン1の機体1aの右側方外側へ回動移動自在な構成である。穀粒貯留タンク6と、脱穀機5で脱穀した脱穀済み排藁を切断するカッタ装置5aとの間には、穀粒移送排出筒装置8を位置させて設けた構成である。
【0030】
前記穀粒移送排出筒装置8の基部に設けた回動メタル8b部を回動中心(イ)として、図1、及び図6で示す如くコンバイン1の機体1aの右側方外側へ回動自在で、略垂直姿勢状態に設けた構成である。又、詳細は後述するが、穀粒移送排出筒装置8の固定用移送筒20の外周部へ挿入した、移動用移送筒21の移送終端部には、この穀粒移送排出筒装置8で移送される穀粒の供給を受けて、機外へ排出する排穀口11aを有する排出筒11を設けた構成である。
【0031】
又、前記穀粒移送排出筒装置8と、排出筒11等とを、任意の所定位置へ回動移動と、所定の回動位置で支持とを行う回動装置8aを設けた構成である。この回動装置8aは、ガスダンパー方式である。
【0032】
前記穀粒貯留タンク6と、カッタ装置5aとの間で、穀粒貯留タンク6内の貯留穀粒を機外へ移送排出する穀粒移送排出筒装置8の基部を回動中心(イ)として、機体1aの右側方外側へ回動自在で略垂直姿勢に、この穀粒移送排出筒装置8を設け、移送終端部には、穀粒を機外へ排出する排穀口11aを有する排出筒11を設けると共に、これら穀粒移送排出筒装置8と、排出筒11とを任意の所定位置へ回動移動と、所定の回動位置で支持とを行う回動装置8aを設けたことにより、これら穀粒移送排出筒装置8と、排出筒11とは、回動装置8aで回動移動と、支持との両者が行われることにより、操作性の向上を図ることができる。
【0033】
穀粒を機外へ移送排出する前記穀粒移送排出筒装置8と、排出筒11等とを、任意の所定位置へ回動移動と、所定の回動位置で支持とを行う回動装置8aと、穀粒移送排出筒装置8へ、詳細構成は後述するブレーキ力を付加するブレーキ装置28との両者を、図1、及び図7で示す如く設けた構成である。
【0034】
穀粒を機外へ移送排出する前記穀粒移送排出筒装置8と、排出筒11との所定位置への回動移動と、所定位置へ支持とを行う回動装置8aと、穀粒移送排出筒装置8へブレーキ力を付加するブレーキ装置28との両者を設けたことにより、これら穀粒移送排出筒装置8と、排出筒11等とは、設定した任意位置から自然に移動することがなくなり、これにより、操作性が向上すると共に、穀粒の落下を防止することができる。
【0035】
穀粒を機外へ移送排出する前記穀粒移送排出筒装置8と、排出筒11とを、所定位置へ回動移動と、所定位置へ支持とを行う回動装置8aは、図1、及び図2で示す如くこの回動装置8aの一方側の回動支点(A)側は、走行車台2の走行フレーム2aの取付板2bへ支持ピン8cで装着して設けると共に、他方側は穀粒移送排出筒装置8の固定用移送筒20へ固着して設けた取付板20cへ軸支した支持軸20dへ装着して設けた構成である。
【0036】
前記回動装置8aの一方側の回動支点(A)側は、走行車台2の走行フレーム2aの取付板2bへ装着して設け、他方側は穀粒移送排出筒装置8へ装着して設けたことにより、走行車台2の走行フレーム2aの強度があることにより、回動装置8aの取付強度アップを図ることができる。
【0037】
穀粒を機外へ移送排出する前記穀粒移送排出筒装置8と、排出筒11とを、回動装置8aにより、収納状態位置へ操作時、及び穀粒を機外へ排出する穀粒排出位置へ移動操作時共に、この回動装置8aは、コンバイン1の機体1aの全巾(L)から突出しない状態に設けた構成である。
【0038】
前記穀粒移送排出筒装置8と、排出筒11とを、収納状態位置へ操作時、及び穀粒を機外へ排出する穀粒排出位置へ移動操作時共に、回動装置8aが、機体1aの全巾(L)から突出しないように設けたことにより、この回動装置8aが他部品へ当接して、破損することを防止できる。又、使用性の向上を図ることができる。
【0039】
前記穀粒移送排出筒装置8は、図1、及び図7で示す如く穀粒貯留タンク6内の貯留穀粒を後支持メタル6dを経て供給を受け、機外へ移送排出する構成である。穀粒移送排出筒装置8は、回動メタル8bの上側へ装着して設けた固定用移送筒20と、この固定用移送筒20へ内装軸支した固定移送螺旋20aと、固定用移送筒20の外周部へ挿入して、伸縮移動自在に設けた移動用移送筒21と、この移動用移送筒21へ内装軸支した移動螺旋軸21bと、この移動螺旋軸21bの移送始端部と、移送終端部とには、下移動移送螺旋22aと、上移動移送螺旋22bとを挿入してボルト等により、装着して設けると共に、これら下・上移動移送螺旋22a,22b間には、伸張、又は短縮状態に形成できる複数個の中移動移送螺旋22cを、移動螺旋軸21bへ軸支し、伸縮自在な構成であり、これら各部品よりなる構成である。
【0040】
前記移動用移送筒21の移送終端部の開口部21aで、外周部には、開口部21aから、落下する穀粒を受けて、機外へ排出する排穀口11aを設けた排出筒11を固着して設けた構成である。
【0041】
前記穀粒移送排出筒装置8は、図4、及び図6で示す如く穀粒貯留タンク6の後側板6bの後外側面へ設けた後支持メタル6dの後側には、穀粒を機外へ移送排出する手動操作により、穀粒移送排出筒装置8の基部を回動中心(イ)として、機体1aの右側方外側へ回動自在で任意位置へ傾斜状態に固定可能で、伸縮自在に設けた構成である。
【0042】
前記穀粒移送排出筒装置8を収納位置へ操作したときに、収納位置で固定するロック装置10は、図10〜図12で示す如く略U字形状の受板23aの円形部には、略L字形状の取付板23bの一方側の端部を固着して設けると共に、他方側の端部をボルト等により、穀粒貯留タンク6の後側へ設けた脱穀機前後フレーム24へ装着した構成である。取付板23bには、支持杆23cの一方側の端部を固着して設け、この支持杆23cの他方側端部には、装着板23dを固着して設け、この装着板23dをボルト等により、穀粒貯留タンク6の左側板6c外側の一番揚穀筒装置7cへ装着した構成である。又、穀粒移送排出筒装置8の取付強度アップを図った構成である。
【0043】
前記ロック装置10のロック板10aは、図10〜図12で示す如く受板23aへ設けた支持ピン10bで回動自在に軸支して設け、このロック装置10のロック板10aの回動操作により、図12で示す如く受板23aへ設けた切欠溝23e内へ挿入して、穀粒移送排出筒装置8を収納位置へロックし、確実に固定する構成である。又、回動装置8aで支持されることにより、二重に支持した構成である。
【0044】
前記穀粒貯留タンク6の後側には、この穀粒貯留タンク6から貯留穀粒の供給を受けて、機外へ排出する基部を回動中心(イ)として、手動操作により、機体1aの右側方外側へ回動自在で、伸縮自在な穀粒移送排出筒装置8を設けると共に、この穀粒移送排出筒装置8を収納位置でロックするロック装置10を、近傍部へ設けたことにより、構成が簡単でコストダウンになる。又、操作が容易である。更に、収納位置で確実に二重にロックすることができる構成である。
【0045】
前記穀粒移送排出筒装置8を収納位置で固定する収納ロック装置9は、図10、及び図11で示す如くロック装置10のロック板10aへ装着した構成である。収納ロック装置9は、収納ロック板9aへ平面視前後方向に所定間隔を設けて凸部9bを設け、この凸部9bをロック板10aの挿入用孔へ挿入して、装着した構成である。収納ロック板9aと、凸部9bとは、弾性材の樹脂材、又はゴム材等により、一体に形成した構成である。
【0046】
前記ロック装置10のロック板10aを、受板23aへ係合状態に操作すると、収納ロック装置9の収納ロック板9aの内側面が、穀粒移送排出筒装置8の移動用移送筒21の外周部へ当接し、この穀粒移送排出筒装置8を収納位置へ固定する構成である。
【0047】
前記穀粒移送排出筒装置8を収納位置で固定する収納ロック装置9は、弾性部材等によって構成したことにより、収納位置への固定が容易である。又、コスト低減を図ることができる構成である。
【0048】
前記穀粒移送排出筒装置8の移動用移送筒21の移送終端部の外周部へ固着して、穀粒を機外へ排出する排穀口11aを有する排出筒11は、図3で示す如く穀粒移送排出筒装置8を収納時には、略水平状態に位置する構成か、又は穀粒排出時の回動移動側へ所定角度に、下り傾斜状態にすべく設けた構成である。これら収納ロック装置9、及びロック装置10の装着位置は、下側(L1)とし、上側(L2)として、(L1)>(L2)とした構成である。
【0049】
前記穀粒移送排出筒装置8の移送終端部へ設けて、穀粒を機外へ排出する排穀口11aを有する排出筒11は、穀粒移送排出筒装置8を収納時には、略水平状態か、又は穀粒排出時の回動移動側へ下り傾斜すべく設けたことにより、この穀粒移送排出筒装置8を収納状態へ操作するときに、穀粒が排出筒11より、漏れることを防止できる構成である。
【0050】
前記穀粒移送排出筒装置8は、図6で示す如くエンジン18へ設けたエンジンプーリ18aと、穀粒貯留タンク6のタンク移送螺旋6aの前端部へ軸支したタンクプーリ6fとには、ベルト18bを掛け渡した構成である。このベルト18bには、テンション装置25aを回動自在に設け、このテンション装置25aと、排出筒11へ回動自在に設けた排出クラッチレバー25とは、ワイヤ25bを設けて接続した構成である。排出クラッチレバー25の「入」−「切」操作により、ベルト18bが「入」−「切」制御されて、エンジン18の回転動力が、穀粒貯留タンク6のタンク移送螺旋6aへ入力されて、回転駆動されるか、又は入力が停止されて、回転駆動されない構成である。
【0051】
前記穀粒貯留タンク6内へ貯留された穀粒を排出するときは、排出クラッチレバー25の「入」操作により、穀粒貯留タンク6のタンク移送螺旋6aと、このタンク移送螺旋6aの移送終端部の伝動ギャー6eと、固定用移送筒20の固定移送螺旋20aの移送始端部の伝動ギャー20bと、この固定移送螺旋20aと、移動用移送筒21の移動螺旋軸21bと、この移動螺旋軸21bへ軸支した下・中・上移動螺旋22a,22c,22bとが回転駆動され、これら各螺旋6a,20a,22a,22c,22bにより、穀粒は、穀粒移送排出筒装置8の移送終端部へ移送されて、排出筒11内へ供給され、この排出筒11の排穀口11aより、機外へ排出される構成である。
【0052】
又は、前記穀粒貯留タンク6内へ貯留された穀粒の排出を停止するときは、排出クラッチレバー25の「切」操作により、穀粒貯留タンク6のタンク移送螺旋6aが回転駆動されないことにより、以後の各螺旋20a,22a,22c,22bも回転駆動されないことにより、穀粒は機外へ排出されない構成である。
【0053】
前記穀粒移送排出筒装置8は、図5で示す如く穀粒貯留タンク6の後側にあって、コンバイン1の機体1a側方外側、例えば、一方側の右外側へ回動自在な構成であり、この回動操作は、移動用移送筒21の外周部へ設けたコ字形状の回動用把持具21cを把持して、手動により、任意位置へ傾斜回動移動可能な構成である。又、手動により、移動用移送筒21を任意位置へ伸縮移動可能な構成である。
【0054】
前記穀粒移送排出筒装置8は、穀粒貯留タンク6の後側板6bの外側面へ設けた後支持メタル6dには、図7で示す如く取付板27aを設け、この取付板27aには、支持ピン27bを装着して設けた構成である。回動メタル8bには、長孔26aを設けた回動板26を設け、この回動板26の前後両側には、ブレーキ装置28のブレーキ板28aを設け、これら前側のブレーキ板28aと、回動板26の長孔26a部と、後側のブレーキ板28aとの順に支持ピン27bへ挿入し、ナット28b,28bを支持ピン27bの螺旋ネジ部へ螺挿入して、これら各ナット28bの締付圧により、各ブレーキ板28aのブレーキ圧を調節する構成である。このブレーキ圧により、手動で、穀粒移送排出筒装置8を任意の所定位置へ、ブレーキ装置28と、回動装置8aとの両者により、傾斜回動移動させて、任意の所定位置で停止させることができると共に、この任意の所定位置へ支持させることができる構成である。
【0055】
前記穀粒移送排出筒装置8の移動用移送筒21の長手方向への伸縮操作の構成は、図8、及び図9で示す如く移動用移送筒21の任意位置(移送始端部に近い位置)で、外周部の下側へ設けた第一位置変更装置29下、又は、排出筒11の先端部へ設けた、第二位置変更装置30かのいずれか一方の操作により、移動用移送筒21を長手方向の任意の位置へ手動により、伸縮移動可能な構成である。又、任意の位置で固定可能の構成である。
【0056】
前記第一位置変更装置29は、図8、及び図9で示す如く略箱形状の上支持体31aを移動用移送筒21の任意位置で、外周部の下側へ装着して設け、この上支持体31aの下側には、枠体の下支持体31bと、中支持体31cとを設けると共に、上支持体31a内で移動用移送筒21の外周下側には、支持板31dを設けた構成である。
【0057】
前記上支持体31a内には、この上支持体31aと、中支持体31bとで軸支した前支持ピン29bで、第一位置レバー29aを回動自在に吊り下げ状態に軸支した構成である。又、支持板31dには、固定具32の支持板32bを後支持ピン29cで回動自在に軸支した構成である。この支持板32bと、第一位置レバー29aとは、接続ピン29dで接続した構成である。
【0058】
前記第二位置変更装置30は、図8、及び図9で示す如く移動用移送筒21の前端部の排出筒11の前側部に、支持枠33を装着して設け、この支持枠33には、第二位置変更装置30の第二位置レバー30aを支持ピン30bで、回動自在に軸支して設けた構成である。第二位置変更装置30の第二位置レバー30aと、第一位置変更装置29の第一位置レバー29aとは、ワイヤ29eで接続した構成である。
【0059】
前記第一位置変更装置29の第一位置レバー29aか、又は第二位置変更装置30の第二位置レバー30aかのいずれかの一方を把持して、引き操作するか、把持を解除することにより、移動用移送筒21を手動で伸縮移動操作、及び任意の位置へ固定操作できる構成である。
【0060】
前記固定具32は、図8、及び図9で示す如く支持ボス32aの外周部へ支持板32bを固着して設けると共に、先端部へ弾性材である。例えば、ゴム材、又は樹脂材等よりなる固定盤32cを装着した取付ボルト32dを、支持ボス32aへ挿入して、ナット32e等により、抜け止めを施した構成である。
【0061】
前記第一位置レバー29aと、中支持体31cとの間で、前支持ピン29bには、トルクスプリング32fを設けた構成である。このトルクスプリング32fの作用により、固定具32の固定盤32cは、固定用移送筒20の外周部へ押圧されて、移動用移送筒21を長手方向の任意位置へ確実に固定できる構成である。
【0062】
前記穀粒貯留タンク6と、後支持メタル6dと、回動メタル8bとへ軸支内装したタンク移送螺旋6aの螺旋プレート6hの外径は、図6で示す如く穀粒貯留タンク6部内は、小外径(D1)に形成すると共に、後支持メタル6d部、及び回動メタル8b部内は、所定寸法大外径(D2)に形成して設けた構成である。更に、後支持メタル6dと、回動メタル8aとの穀粒が移送される移送底部(ロ)は、穀粒貯留タンク6の移送底部(ハ)より、広い空間部を設けた構成である。
【0063】
これにより、前記穀粒貯留タンク6内の貯留穀粒は、横移送から縦移送へと変化する横移送の移送終端部の螺旋プレート6hの外径部を大外径(D2)としたり、又、空間部を広くして設けたことにより、穀粒の移送抵抗が少なくなり、穀粒の詰まり、及び脱ぷ粒の発生を防止することができる構成である。
【0064】
前記穀粒移送排出筒装置8は、図16で示す如く基部を回動中心(イ)として、機体1aの右側方外側へ回動移動自在で、略垂直姿勢に設けた構成において、収納部は、支持板23cへ略U字形状の取付板34aへ支持ピン34bを固着して設けた構成であり、穀粒移送排出筒装置8には、挿入孔34dを設けた受板34cを固着して設けた構成である。穀粒移送排出筒装置8を収納時には、この穀粒移送排出筒装置8を収納状態へ回動移動操作すると、受板34cの挿入孔34dが、取付板34aへ支持ピン34bへ挿入状態になり、その後にこの支持ピン34bへ抜け止め用の割ピン34eを挿入し、穀粒移送排出筒装置8が収納位置へ支持される構成である。
【0065】
これにより、前記穀粒移送排出筒装置8の受板34cの挿入孔34dを挿入後に、抜け止めを施す支持ピン34bへ挿入する割ピン34eは、機体1aの右側から挿入できることにより、使用性の向上を図ることができる。
【0066】
前記穀粒移送排出筒装置8は、図17で示す如く基部を回動中心(イ)として、機体1aの右側方外側へ回動移動自在で、略垂直姿勢に設けた構成において、回動装置8aの作動により、回動移動する回動メタル8bの近傍部には、図17で示す如く穀粒移送排出筒装置8を回動移動させる回動用モータ35aを装着して設け、この回動用モータ35aと、回動装置8aとの併用で、穀粒移送排出筒装置8を上下へ回動移動させる構成であり、この回動用モータ35aには、駆動ギャー35bを軸支して設けた構成である。
【0067】
前記回動装置8aの回動移動自在に設けた回動メタル8bと、穀粒貯留タンク6とに軸支内装したタンク移送螺旋6aの後端部を回動メタル8bより、後方へ突出させて設け、この突出部には、従動ギャー35cを軸支して設けた構成である。この従動ギャー35cと、回動用モータ35aの駆動ギャー35bとは、噛合した構成である。回動用モータ35aの回転により、これらギャー35b,35cが回転駆動されて、穀粒移送排出筒装置8は、右側方外側へ回動移動制御されるか、又は元の垂直位置へ復元制御される構成である。
【0068】
前記穀粒移送排出筒装置8の右側方外側の最大回動移動位置と、略垂直状態位置との両者を個別に検出する「ON」−「OFF」方式の上・下リミットスイッチ36a,36bを設けて、個別に検出させる構成である。これら上リミットスイッチ36aには、後側板6bへ装着して設け、下リミットスイッチ36bは、走行車台2の走行フレーム2aへ装着して設けた構成である。
【0069】
これにより、レバー操作で回動移動させることができる。
【0070】
前記上リミットスイッチ36aの取付孔は、図17で示す如く長孔36c,36cに形成して、この上リミットスイッチ36aの取付位置を変更できる構成である。又、これら上・下リミットスイッチ36a,36bは、図17で示す如く穀粒移送排出筒装置8の固定用移送筒20より、正面視右側へ配設した構成である。又、回動用モータ35aは、図18で示す如く回動メタル8bの上側で、穀粒貯留タンク6の後側板6bと、穀粒移送排出筒装置8の回動メタル8bとの間へ配設した構成である。
【0071】
これにより、圃場の条件により、前記穀粒移送排出筒装置8の高さ位置を変更できる。上・下リミットスイッチ36a,36bの調整が容易である。更に、スペースの有効利用ができる。
【0072】
前記穀粒移送排出筒装置8の固定用移送筒20へ挿入した移動用移送筒21を、図17、及び図19で示す如く移動用モータ37aと、移動機構37bとにより、自動で伸張、又は短縮する構成とすると共に、最伸張時を検出するスライドリミットスイッチ37cとを設けた構成である。又、この穀粒移送排出筒装置8は、回動用モータ35aで右側方外側へ回動移動する構成において、操作装置17aへ設けた始動スイッチ(図示せず)の「ON」操作により、移動用モータ37aと、回動用モータ35aとの両者が始動制御され、穀粒移送排出筒装置8の伸縮移動作動と、回動移動作動との両者が同時に行われる構成である。
【0073】
これにより、一作動操作により、伸縮移動と、回動移動との両者が同時に行われることにより、便利である。
【0074】
前記穀粒移送排出筒装置8を機体1aの右側方外側へ回動移動自在に設けた構成において、走行車台2の右横側の走行フレーム2aには、図20で示す如く穀粒移送排出筒装置8の移送終端部に設けた排出筒11の排穀口11aから排出される穀粒を受ける。例えば、穀粒受袋筒を載置する補助キャリヤー38を折り畳み自在に設けた構成である。
【0075】
又、前記補助キャリヤー38の上部で、穀粒貯留タンク6の右横側板の上下方向所定位置には、図20で示す如くこの穀粒貯留タンク6内の穀粒を機外へ排出する排穀口38bを有す補助排出筒38aを設けると共に、穀粒受袋を支持する補助袋受具38cを設けた構成である。更に、補助キャリヤー38を折り畳みすることにより、穀粒貯留タンク6の下部を保護する構成である。
【0076】
前記補助キャリヤー38は、図21で示す如く走行フレーム2aへ挿入し、止めピン38dで装着した構成である。
【0077】
これにより、コンバイン1の走行車台2へ設けた補助キャリヤー38の上側へ載置した穀粒受袋内へ穀粒が排出できて便利である。又、圃場の途中で穀粒を、穀粒貯留タンク6の中間位置から排出させることができる。穀粒移送排出筒装置8の回動移動の必要がない。更に、穀粒貯留タンク6の樹脂材等で構成したときには、確実な保護ができると共に、コストダウンを図ることもできる。取付け、及び取り外しが容易である。
【0078】
前記穀粒貯留タンク6内の貯留穀粒を機外へ移送排出する穀粒移送排出筒装置39は、穀粒貯留タンク6の後側へ設けた後支持メタル6dの後側には、回動メタル8bを設けた構成である。
【0079】
前記回動メタル8bの上側には、図22、及び図23で示す如く穀粒移送排出筒装置39の縦移送螺旋40aを回転自在に軸支内装した縦移送筒40を設けた構成である。この縦移送筒40の上端部には、所定の角度に傾斜した取付板40bを設けた構成である。この取付板40bの上側面には、下側面が傾斜したこの取付板40bへ当接する支持メタル42を装着して設け、この支持メタル42には、横移送螺旋41aを軸支内装した横移送筒41を装着して設けた構成である。
【0080】
前記支持メタル42内で、各縦・横螺旋40a,41aの端部には、伝動機構42aを内装して設けた構成である。又、横移送筒41の平面視角度は、脱穀機5の後部右横側へ設けたエジェクタカバー5bの前側部の斜視角度(θ)と略同じ角度の略水平状にして設けた構成である。更に、縦移送筒40と、横移送筒41とにより、形成される角度(θ1)は、90度以上に形成して設けた構成である。
【0081】
前記横移送筒41の後端部には、穀粒を機外へ排出する排穀口11aを有する排出筒11を、排穀口11aを真後方向へ向けて設けた構成である。又、この排出筒11には、穀粒受袋を支持するコ字形状の袋受具11bを後方へ向けて設けた構成である。
【0082】
これにより、前記コンバイン1を後進走行で、排出筒11の排穀口11aの位置合わせができるし、側面部より、使用が容易である。又、穀粒移送排出筒装置39のスペースの確保が容易である。ベルト伝動等より、コスト低減を図ることができる。バック使用時の排出距離の確保が容易である。
【0083】
穀粒を機外へ移送排出する前記穀粒移送排出筒装置8の固定移送螺旋20aを軸支内装した固定用移送筒20の外周部へ挿入して、下・中・上移動移送螺旋22a,22c,22b等を軸支内装した、移動自在に設けた移動用移送筒21を、自動で伸張、又は短縮させる伸縮移動装置43を、図24で示す如く正面視穀粒移送排出筒装置8の右側へ設けた構成である。又、移動用移送筒21の移送終端部に設けた排穀口11aを有する排出筒11は、回動自在に設けて、所定位置で固定できる構成である。更に、収納時には、正面視右側へ向く構成であり、排出時には、下方へ向く構成である。
【0084】
前記伸縮移動装置43は、図24で示す如く移動用モータ43aで、移動用伝動機構43bを回転駆動させて、移動用移送筒21を伸張、又は短縮させる構成である。これら移動用モータ43と、移動用伝動機構43bとには、移動用カバー43cを設けてカバーした構成である。
【0085】
これにより、収納時にエジェクタカバーの取付箇所の確保が容易である。又、全高を抑えて、長い穀粒移送排出筒装置8を配設することができる。更に、収納スペースを少なくすることができる。
【0086】
穀粒を機外へ移送排出する穀粒貯留タンク6の後側へ設けた、穀粒移送排出筒装置44は、図25で示す如く下移送螺旋45bを軸支内装した下移送筒45aの上端部には、下回動メタル45cを装着して設けた構成である。この下回動メタル45cの上側面には、上回動メタル46c回動自在に設けた構成である。この上回動メタル46cには、上移送螺旋46bを軸支内装した上移送筒46aの一方側の端部を装着して設けると共に、他方側の端部には、穀粒を機外へ排出する排穀口11aを有する排出筒11を設けた構成である。
【0087】
前記穀粒移送排出筒装置44を機体1aの右側方外側へ傾斜状態へ回動移動操作後に、上移送筒46aを回動操作する構成である。
【0088】
これにより、広範囲に亘り、穀粒を排出することができる。又、排出する位置変更が容易である。
【0089】
前記穀粒貯留タンク6内の貯留穀粒を受けて、機外へ移送排出する穀粒移送排出筒装置8を機体1aの右側方外側へ傾斜回動移動自在に設けた構成において、脱穀機5のフィードチェン7aと、挟持杆7bとで挟持移送中に脱穀した脱穀済み排藁を引継ぎ移送する排藁チェン47の後側には、図26、及び図27で示す如くエジェクタカバー5bと、排藁カバー47aとを設けた構成である。
【0090】
前記エジェクタカバー5b、及び排藁カバー47a等への当接をさけて、穀粒貯留タンク6の左側後部を、図26、及び図27で示す如く後方へ突出させると共に、この突出部の底面部は、前方下部から後方上部へ上り傾斜状態に設けて、穀粒貯留タンク6の収容量の拡大を図った構成である。
【0091】
これにより、穀粒貯留タンク6の収容量の拡大を図ることができる。
【0092】
前記穀粒貯留タンク6の貯留穀粒を受けて、機外へ移送排出する穀粒移送排出筒装置8を機体1aの右側方外側へ傾斜回動移動自在に設けた構成において、運転作業者が操縦席へ着座状態で、図28で示す如く運転作業者の目視位置(目の位置)より、穀粒貯留タンク6の天井部位置を下部へ位置させて設けた構成である。
【0093】
これにより、後方視界の確保が容易である。
【0094】
前記穀粒貯留タンク6の前側上部は、図28、及び図29で示す如く前側下部から後側後部へ向けて、傾斜する傾斜面(ニ)を形成して設け、この傾斜面(ニ)部には、穀粒貯留タンク6内の貯留穀粒量を目視する覗窓38を設けた構成である。
【0095】
これにより、前記穀粒貯留タンク6内への穀粒の充填率の向上を図ることができる。
【0096】
前記脱穀機5で脱穀済み穀粒を、穀粒貯留タンク6内へ揚送する一番揚穀装置7cより、穀粒移送排出筒装置8の排出筒11の排穀口11aを、図28、及び図29で示す如く後方右側へ位置させて設けた構成である。穀粒移送排出筒装置8は、右側方外側へ傾斜移動角度により、移動用移送筒21の伸張を規制した構成である。又、第一・第二位置変更装置29,30により、移動用移送筒21を多段階に延長可能な構成である。
【0097】
これにより、前記穀粒貯留タンク6の突出部への穀粒の充填率の向上を図ることができる。又、移動用移送筒21の傾斜角度により、より遠くへ穀粒の排出ができる。更に、任意の長さの確保が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】穀粒貯留タンクと、穀粒移送排出筒装置との拡大側面図
【図2】穀粒貯留タンクと、穀粒移送排出筒装置との拡大背面図
【図3】穀粒貯留タンクと、穀粒移送排出筒装置との拡大背面図
【図4】穀粒貯留タンクと、穀粒移送排出筒装置との取付部の拡大側面図
【図5】穀粒貯留タンクと、穀粒移送排出筒装置との取付部の平面図
【図6】穀粒貯留タンクと、穀粒移送排出筒装置との拡大側面図
【図7】穀粒移送排出筒装置のブレーキ装置の拡大側面斜視図
【図8】位置変更装置で移動用移送筒を固定時の拡大側面図
【図9】位置変更装置で移動用移送筒を移動時の拡大側面図
【図10】穀粒移送排出筒装置を収納時のロック装置部と、収納ロック装置部との拡 大平面図
【図11】穀粒移送排出筒装置を収納時のロック装置部と、収納ロック装置部との拡 大平面図
【図12】ロック装置のロック板と、受板との係合部の拡大側面図
【図13】穀粒移送排出筒装置の作用時の背面図
【図14】穀粒移送排出筒装置の作用時の背面図
【図15】コンバインの左側全体側面図
【図16】他の実施例を示す図で、穀粒移送排出筒装置の収納時の拡大平面図
【図17】他の実施例を示す図で、穀粒移送排出筒装置のモータ回動時の拡大背面図
【図18】他の実施例を示す図で、穀粒移送排出筒装置のモータ回動時の拡大背面図
【図19】他の実施例を示す図で、穀粒移送排出筒装置の移動装置部の背面図
【図20】他の実施例を示す図で、補助キャリヤー部の背面図
【図21】他の実施例を示す図で、補助キャリヤーの取付部の拡大背面図
【図22】他の実施例を示す図で、穀粒移送排出筒装置の拡大平面図
【図23】他の実施例を示す図で、穀粒移送排出筒装置の回動部の拡大側面図
【図24】他の実施例を示す図で、穀粒移送排出筒装置の拡大背面図
【図25】他の実施例を示す図で、穀粒移送排出筒装置の拡大背面図
【図26】他の実施例を示す図で、穀粒貯留タンク部の側面図
【図27】他の実施例を示す図で、穀粒貯留タンク部の平面図
【図28】他の実施例を示す図で、穀粒貯留タンク部の側面図
【図29】他の実施例を示す図で、穀粒貯留タンク部の正面図
【符号の説明】
【0099】
1a 機体
2 走行車台
2a 走行フレーム
3 走行装置
4 刈取機
5 脱穀機
5a カッタ装置
6 穀粒貯留タンク
8 穀粒移送排出筒装置
8a 回動装置
11 排出筒
11a 排穀口
28 ブレーキ装置
イ 回動中心
A 回動支点
L 全巾

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行装置3上側の走行車台2と、前方部へ設けた刈取機4で刈取りした刈取り穀稈を受けて、走行車台2上側へ載置した脱穀機5で脱穀した脱穀済み穀粒を貯留する穀粒貯留タンク6と、脱穀機5で脱穀済み排藁を切断するカッタ装置5a等を設けたコンバインにおいて、前記穀粒貯留タンク6と、カッタ装置5aとの間には、該穀粒貯留タンク6の貯留穀粒を機外へ移送排出する穀粒移送排出筒装置8を基部を回動中心(イ)として、機体1aの側方外側へ回動自在で略垂直姿勢に設け、穀粒移送排出筒装置8の移送終端には、穀粒を機外へ排出する排穀口11aを有する排出筒11を設けると共に、該穀粒移送排出筒装置8の回動移動と、所定の回動位置で支持とを行う回動装置8aを設けたことを特徴とするコンバインの穀粒排出装置。
【請求項2】
前記穀粒移送排出筒装置8の回動移動と、所定位置へ支持とを行う回動装置8aと、該穀粒移送排出筒装置8へブレーキ力を付加するブレーキ装置28との両者を設けたことを特徴とする請求項1に記載のコンバインの穀粒排出装置。
【請求項3】
前記回動装置8aの回動支点(A)部を走行車台2の走行フレーム2aへ装着して設けたことを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載のコンバインの穀粒排出装置。
【請求項4】
前記穀粒移送排出筒装置8と、排出筒11とを収納状態位置へ操作時及び穀粒を機外へ排出する穀粒排出位置へ移動操作時共に、回動装置8aは機体1aの全巾(L)から突出しないように設けたことを特徴とする請求項1、又は請求項2、又は請求項3に記載のコンバインの穀粒排出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2006−55(P2006−55A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−180136(P2004−180136)
【出願日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】