説明

コンバインド発電プラントおよびクローズド空気冷却ガスタービンシステム

【課題】プリクーラの排熱をプラントに有効に回収し、高効率化を図り、またクローズド空気冷却ガスタービンの様々な運転モードにおいて適正な運転状態を保ち信頼性の向上を図る。
【解決手段】ガスタービン高温部を冷却する冷却媒体として、圧縮機1の吐出空気をプリクーラ31で冷却しブースト圧縮機32にて昇圧した空気を用い、冷却後の空気を燃焼空気として燃焼器に回収するクローズド空気冷却ガスタービンと、このガスタービンの排ガスにより蒸気を発生する排熱回収ボイラ9と、この排熱回収ボイラで発生した蒸気を動力に変換する蒸気タービンとを備えたコンバインド発電プラントにおいて、前記空気冷却ガスタービンのプリクーラ31として、それぞれ冷却媒体の温度が異なる複数の熱交換器を備え、プリクーラ上流側熱交換器には温度の高い冷媒が供給され、かつ温度の高い箇所に回収されるように形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコンバインド発電プラントおよびクローズド空気冷却ガスタービンシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
圧縮機から吐出された空気をブースト圧縮機で昇圧し、この昇圧された空気でガスタービン高温部を冷却し、冷却後の空気をタービンガスパス中に放出することなく燃焼用空気として回収する空気冷却ガスタービンの構成については、例えば特開昭54−82518号公報に記載されている。
【0003】
また、圧縮機吐出空気をプリクーラで冷却し、冷却した空気をブースト圧縮機で昇圧し、昇圧した空気でガスタービン高温部を冷却し、冷却後の空気をタービンガスパス中に放出することなく燃焼用空気として回収するガスタービン構成については、例えば文献(the ASME Joint International Power Generation Conf
erence 94-JPGC-GT-8)に記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開昭54−82518号公報
【非特許文献1】The ASME Joint International Power Generation Conference 94-JPGC-GT-8
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように形成されているクローズド空気冷却ガスタービンシステムであると、ガスタービン高温部を冷却した後の空気がタービンガスパス中に放出されないため、冷却空気のガスパス混合によるガス温度の低下およびその混合損失がなく、さらに遠心力によるポンピング動力を回収することができるのでプラント効率の大幅な向上が予想される。
【0006】
しかし、冷却後の空気を燃焼用空気として回収するクローズド空気冷却ガスタービンでは、高温部冷却による冷却空気の圧力損失分だけ予め冷却空気の圧力を昇圧するブースト圧縮機が必要である。よって、ブースト圧縮機動力分はプラント効率の低下要因になるきらいがある。
【0007】
また、次期高温ガスタービンでは燃焼器出口温度1500℃、圧縮機圧力比25程度になるため、圧縮機吐出空気温度も500℃程度まで上昇する。500℃の圧縮機吐出空気をブースト圧縮機で昇圧するとさらに冷却空気温度が上昇するため高温部を冷却することは不可能となる恐れがある。ゆえに圧縮機吐出からの冷却空気をプリクーラで減温し、高温部の冷却を可能とすることが不可欠である。
【0008】
このようにクローズド空気冷却ガスタービンでは、補機としてプリクーラとブースト圧縮機が必要でプリクーラの排熱とブースト圧縮機の動力分はプラント効率の低下要因となる。
【0009】
この効率低下を最小限にとどめるには、プラント効率向上の点で、前記プリクーラ排熱をコンバインドサイクルとしていかに有効利用するかが課題となる。プリクーラの排熱回収効果を大きくするには高温の冷媒をプリクーラに供給し、その排熱をできるだけ温度の高い箇所に回収することが望ましい。しかし、高温の冷媒では冷却空気温度を必要なだけ下げることができず高温部を十分に冷却できない可能性がある。前記従来の技術ではこれらの課題を解決するプリクーラの熱交換器の構成およびプリクーラ排熱の回収サイクルについては言及していない。
【0010】
また、クローズド空気冷却ガスタービンの起動から定格運転、停止と様々な運転状態で、ガスタービン高温部の冷却に必要な冷却空気量は変動するので、それに合わせて冷却空気流量を制御する必要がある。さらに、様々な運転状態でプリクーラ出口冷却空気温度を設定値に維持するために、プリクーラに供給される冷媒量を制御する必要がある。プリクーラで使用され温度上昇した冷媒を回収するとき、冷媒の温度と回収先の温度との差が大きいと熱応力の発生原因となるので温度差が許容値内におさまるように制御する必要もある。
【0011】
また、このクローズド冷却方式ではガスタービン高温部の寿命によりクラックが発生し、そこから冷却空気がリークする可能性がある。このリークが大量になるとリーク箇所以降の高温部を十分に冷却できなくなり回収空気の温度も高温になる。リークにより燃焼器への回収空気量が減少するとタービン第1段静翼を通過する作動ガス量が減少して第1段静翼入口圧力が低下する。第1段静翼入口圧力が低下するとガスタービン出力が低下する。このとき負荷一定制御状態で運転されていると出力低下を防ぐために燃料が増量されることになる。しかし、リークにより燃焼器流入空気量が減少しているので燃焼温度が上昇することになる。燃焼温度の上昇は従来排ガス温度の上昇で検知しているが、クローズド冷却方式でリークが生じた場合は排ガス温度が上昇せず、排ガス温度では検知できない可
能性がある。
【0012】
本発明はこれに鑑みなされたもので、その目的とするところは、前述したプリクーラの排熱をプラントに有効に回収し、高効率化を図ることにある。さらにクローズド空気冷却ガスタービンの様々な運転モードにおいて適正な運転状態を保ち信頼性の向上を図ることができるこの種のコンバインド発電プラントおよびクローズド空気冷却ガスタービンシステムを提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
すなわち本発明は、ガスタービン高温部を冷却する冷却媒体として、圧縮機吐出空気をプリクーラで冷却しブースト圧縮機にて昇圧した空気を用い、冷却後の空気を燃焼空気として燃焼器に回収するクローズド空気冷却ガスタービンと、このガスタービンの排ガスにより蒸気を発生する排熱回収ボイラと、この排熱回収ボイラで発生した蒸気を動力に変換する蒸気タービンとを備えたコンバインド発電プラントにおいて、前記空気冷却ガスタービンのプリクーラとして、それぞれ冷却媒体の温度が異なる複数の熱交換器を備、プリクーラ上流側熱交換器には温度の高い冷媒が供給され、かつ温度の高い箇所に回収されるように形成し所期の目的を達成するようにしたものである。
【0014】
また、前記空気冷却ガスタービンのプリクーラに複数の熱交換器を備えるとともに、前記プリクーラの冷却媒体として前記排熱回収ボイラからの蒸気と給水の両方を用い、冷却後の温度上昇した蒸気、給水を再び前記排熱回収ボイラに供給するようにしたものである。また、前記空気冷却ガスタービンのプリクーラに複数の熱交換器を備えるとともに、前記プリクーラの冷却媒体として前記高圧蒸気タービン出口の蒸気と前記排熱回収ボイラの中圧節炭器出口給水を昇圧した高圧給水の両方を用い、プリクーラ冷却後の温度上昇した前記蒸気、給水をそれぞれ前記再熱器出口と高圧蒸発器入口に供給するようにしたものである。
【0015】
また、ガスタービン高温部を冷却する冷却媒体として、圧縮機吐出空気をプリクーラで冷却しブースト圧縮機にて昇圧した空気を用い、冷却後の空気を燃焼空気として燃焼器に回収するクローズド空気冷却ガスタービンと、このガスタービンの排ガスにより高圧、中圧、低圧の三種類の圧力の蒸気を発生するために節炭器、蒸発器、過熱器を高圧、中圧、低圧蒸気に対してそれぞれ備え、前記高圧蒸気により駆動した高圧蒸気タービン出口の蒸気を再熱する再熱器を備えた排熱回収ボイラと、前記排熱回収ボイラからの蒸気を動力に変換する蒸気タービンとを有するコンバインド発電プラントにおいて、前記空気冷却ガスタービンのプリクーラに複数の熱交換器を備えるとともに、このプリクーラの冷却媒体として高圧蒸発器出口の蒸気と前記排熱回収ボイラの中圧節炭器出口給水を昇圧した高圧給水の両方を用い、プリクーラ冷却後の温度上昇した前記蒸気、給水をそれぞれ前記高圧過熱器出口と高圧蒸発器入口に供給するようにしたものである。
【0016】
また、前記空気冷却ガスタービンのプリクーラに複数の熱交換器を備えるとともに、前記プリクーラの冷却媒体として前記高圧蒸気タービン出口の蒸気と前記排熱回収ボイラの低圧節炭器出口給水を昇圧した中圧給水の両方を用い、プリクーラ冷却後の温度上昇した前記蒸気、給水を、それぞれ前記再熱器出口と中圧節炭器出口に供給するようにしたものである。
【0017】
また、前記排熱回収ボイラから前記プリクーラへの供給系または前記プリクーラから前記排熱回収ボイラへの回収系上にプリクーラへの供給流量を調整する装置を設け、前記回収配管と排熱回収ボイラ配管との合流点で温度差が許容値以下となるように前記プリクーラ供給流量調整装置によりプリクーラへの供給流量を調整するようにしたものである。
【0018】
また、前記ガスタービンのプリクーラから前記排熱回収ボイラへの回収配管上に蒸気若しくは水を混入して排熱回収ボイラへの回収温度を調整する装置を設け、前記回収配管と排熱回収ボイラ配管との合流点で温度差が許容値以下となるように前記回収温度調整装置により蒸気若しくは水の混入量を変化させるようにしたものである。
【0019】
また、ガスタービン高温部を冷却する冷却媒体として、圧縮機吐出空気をプリクーラで冷却しブースト圧縮機にて昇圧した空気を用いるとともに、冷却後の空気を燃焼空気として燃焼器に回収するクローズド空気冷却ガスタービンシステムにおいて、前記プリクーラの排熱を前記ガスタービンの燃料の温度上昇に用いるようにしたものである。また、前記プリクーラの熱交換器として蒸発器を備えるようにしたものである。また、前記ブースト圧縮機の駆動装置を電気モータとし、前記ガスタービンの排気ガス温度またはガスタービン回転数に応じてブースト圧縮機の回転数を変化させ、前記ガスタービン高温部へ供給する冷却空気量を調整するようにしたものである。
【0020】
また、前記ブースト圧縮機の駆動源をガスタービン回転軸とするようにしたものである。また、前記冷却媒体の流通系に、冷却空気のリーク状態を検出する検出手段を設けるとともに、そのリーク状態の検出に燃料流量の変動量または回収空気圧力の変動量を用いるようにしたものである。
【0021】
すなわちこのように形成されたプラントであると、プリクーラの熱交換器が複数設けられ、プリクーラ上流側熱交換器には温度の高い冷媒が供給され、温度の高い箇所に回収されることにより高効率化が図られると同時に、十分に冷却空気温度が下らない分は下流側の熱交換器に低温の冷媒を供給することによりガスタービン高温部の冷却効果を高めることができ、また、ガスタービン高温部の冷却に必要な冷却空気量の調節については、ブースト圧縮機の駆動装置を電気モータとし、前記ガスタービンの排気ガス温度またはガスタービン回転数に応じてブースト圧縮機の回転数を変化させ、ガスタービン高温部へ供給する空気量を調整することにより達成できる。また、ガスタービンの排気ガス温度またはガスタービン回転数に応じて冷却空気供給配管上に設けた空気流量調節装置で調整され、前記ガスタービン高温部へ供給する空気量が制御され、ガスタービン高温部の冷却効果を高めることができる。
【0022】
様々な運転状態でプリクーラ出口冷却空気温度を設定値に維持することについては、排熱回収ボイラからプリクーラへの冷媒供給配管またはプリクーラから排熱回収ボイラへの冷媒回収配管上にプリクーラへの冷媒流量を調整する装置を設け、プリクーラ出口空気温度を計測しその温度が設定値となるようにプリクーラ冷媒流量調整装置によりプリクーラへの冷媒供給流量を調整することにより達成できる。
【0023】
またプリクーラで使用され温度上昇した冷媒を回収するとき、冷媒の温度と回収先の温度との差が大きいと熱応力の発生原因となることについては、排熱回収ボイラからプリクーラへの供給配管またはプリクーラから排熱回収ボイラへの回収配管上にプリクーラへの供給冷媒流量を調整する装置を設け、回収配管と排熱回収ボイラ配管との合流点で温度差が許容値以下となるようにプリクーラ供給流量調整装置によりプリクーラへの冷媒流量を調整することにより達成できる。
【0024】
また、プリクーラから排熱回収ボイラへの回収配管上に蒸気若しくは水を混入して排熱回収ボイラへの回収温度を調整する装置を設け、回収配管と排熱回収ボイラ配管との合流点で温度差が許容値以下となるように回収温度調整装置により蒸気若しくは水の混入量を変化させることによっても達成できる。冷却空気のリークを検知することについては、燃料流量の変動または回収空気圧力を監視することによって達成できる。
【発明の効果】
【0025】
以上説明してきたように本発明によれば、プリクーラの排熱がプラントに有効に回収され、高効率化を図ることが可能であり、さらにクローズド空気冷却ガスタービンの様々な運転モードにおいて適正な運転状態を保ち信頼性の向上を図ることが可能なこの種の空気冷却ガスタービンシステムを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下図示した実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。図1にはそのクローズド空気冷却ガスタービンシステムが系統図で示されている。ガスタービン装置は、主として圧縮機1、燃焼器2、タービン3から構成され、蒸気タービン装置は高圧蒸気タービン4、再熱蒸気タービン5、低圧蒸気タービン6で構成されている。この場合、ガスタービン装置と蒸気タービン装置および発電機7は同軸上に設置されている。
【0027】
タービン3からの排出ガスは、経路8を介して排熱回収ボイラ9に供給される。排熱回収ボイラ9には、低圧節炭器10、低圧ドラム11、低圧蒸発器12、中圧節炭器13、中圧ドラム14、中圧蒸発器15、低圧過熱器16、高圧節炭器17、中圧過熱器18、高圧ドラム19、高圧蒸発器20、高圧1次過熱器21、1次再熱器22、2次再熱器23、高圧2次過熱器24、給水ポンプ25、中圧ポンプ26、高圧ポンプ27、再循環ポンプ28、プリクーラ給水ポンプ29が設置されている。
【0028】
蒸気タービン系は、高圧蒸気タービン4、再熱蒸気タービン5、低圧タービン6、復水器30で構成され、クローズド空気冷却系統はプリクーラ31、ブースト圧縮機32、ガスタービン高温部33で構成されている。
【0029】
圧縮機入口空気41は圧縮機1で昇圧され燃焼器2に供給される。また圧縮機吐出空気の一部はプリクーラ31で減温される。プリクーラ31で減温された空気はブースト圧縮機32で昇圧されガスタービン高温部33の冷却に用いられる。ガスタービン高温部33を冷却した空気はタービンガスパス中に放出されることなく燃焼器2に回収される。
【0030】
燃焼器2では圧縮機吐出空気と回収した冷却空気で燃料42を燃焼し、高温高圧の燃焼ガスを生成する。燃焼ガスはタービン3で仕事をし、排気ガスが経路8を通って、排熱回収ボイラ9に供給される。排熱回収ボイラ9で熱回収された排気ガスは大気45に放出される。
【0031】
復水器30からの給水は、給水ポンプ25を通り排熱回収ボイラ9内の低圧節炭器10に流入する。低圧節炭器10の出口給水は低圧ドラム11に供給されると同時に、中圧ポンプ26および再循環ポンプ28へ供給される。再循環ポンプ28出口の給水は低圧節炭器10入口に合流し、低圧節炭器入口給水温度を上げて露結による低圧節炭器10の低温腐食を防止している。
【0032】
中圧ポンプ26出口の給水は中圧節炭器13に導かれ中圧ドラム14と高圧ポンプ27に供給される。高圧ポンプ27出口の給水は、高圧節炭器17を通って高圧ドラム19へ供給される。高圧ドラム19の給水は高圧蒸発器20で飽和蒸気となり高圧1次過熱器21に供給される。
【0033】
高圧1次過熱器21を出た蒸気は高圧ポンプ27出口給水の一部と温度調節器34で合流し高圧2次過熱器24に供給される。高圧2次過熱器24出口の温度が適正温度となるように温度調節器34への高圧ポンプ出口給水量を調節する。高圧2次過熱器24出口蒸気は主蒸気配管35と通って高圧蒸気タービン4に供給される。高圧蒸気タービン4で仕事をした蒸気は配管36を通って1次再熱器22に供給される。
【0034】
1次再熱器22を出た蒸気は中圧ポンプ26出口給水の一部と温度調節器37で合流し2次再熱器23に供給される。2次再熱器23を出た蒸気は配管38を通って再熱蒸気タービン5に供給される。2次再熱器23出口の温度が適正温度となるように温度調節器37への中圧ポンプ出口給水量を調節する。再熱蒸気タービン5で仕事をした蒸気は配管39を通って低圧蒸気タービン6入口に供給される。
【0035】
一方、低圧ドラム11に供給された給水は低圧蒸発器12で蒸発し低圧過熱器16に導かれる。低圧過熱器16を出た蒸気は配管40を通って低圧蒸気タービン6入口で再熱蒸気タービン出口からの蒸気と合流し低圧蒸気タービン6に供給される。低圧タービン6をでた蒸気は復水器30で水となり、給水ポンプ25により排熱回収ボイラ9へ供給される。
【0036】
プリクーラの熱回収系統について説明する。プリクーラ31は高温側熱交換器43と低温側熱交換器44の二つに分割されている。高温側熱交換器43には中圧蒸発器15、中圧過熱器を通過した蒸気と高圧蒸気タービン4出口蒸気を混合した蒸気が供給される。高温側熱交換器43で高温部33の冷却用空気と熱交換し温度上昇した蒸気は1次再熱器出口に合流する。低温側熱交換器44には中圧節炭器13出口から分岐し、供給ポンプ29で昇圧された給水が導かれる。低温側熱交換器44で温度上昇した給水は高圧節炭器17出口に合流する。
【0037】
本実施例では高圧蒸気タービン4出口蒸気は1次再熱器22と高温側熱交換器43に分配され温度調節器37手前で合流している。すなわち高温側熱交換器43に蒸気を分岐させた分だけ1次再熱器22に供給される蒸気流量が減少するため、1次再熱器22での熱回収量が減少する事により1次再熱器22を通過した排ガス温度が上昇し高圧蒸発器20での蒸発量が増加する。すなわち蒸気タービンの出力が増加してプラント効率が上昇する。
【0038】
高温側熱交換器43を通過した冷却空気は高温側熱交換器43に供給された蒸気温度以下には下がらず、十分に冷却空気温度の低減がなされていないことが有り得る。本実施例では低温側熱交換器44を設けて温度の低い冷媒を供給しさらに冷却空気温度を下げている。これによりブースト圧縮機32の動力が低減され、ガスタービン高温部33冷却の面からも有利となる。
【0039】
本実施例では中圧節炭器13出口給水は高圧節炭器17と低温側熱交換器44に分配され高圧節炭器17出口で合流している。すなわち低温側熱交換器44に給水を分岐させた分だけ高圧節炭器17に供給される給水量が減少するため、高圧節炭器17を通過した排ガス温度が上昇し中圧蒸発器15での蒸発量が増加する。すなわち蒸気タービンの出力が増加してプラント効率が上昇する。
【0040】
また、圧縮機吐出空気温度は圧力比25程度で500℃レベル、一方、2次再熱器出口蒸気温度は538℃から593℃レベル、1次再熱器出口蒸気温度レベルは400℃から500℃レベルなので、高温側熱交換器43出口蒸気は温度のマッチングのとれる1次再熱器出口に回収している。
【0041】
本発明のもう一つの例が図2に示されている。この実施例が図1の実施例と異なるのは高温側熱交換器43へ高圧蒸発器20からの蒸気を供給し、熱回収した蒸気を高圧1次過熱器21出口に回収している点である。本実施例においても図1の実施例と同様に高圧蒸気発生量が増加し、プラント効率が上昇する。本実施例においても、高温側熱交換器43出口蒸気を温度のマッチングのとれる高圧1次過熱器出口に回収している。
【0042】
本発明の他の実施例を図3に示す。本実施例が図1の実施例と異なるのは低温側熱交換器44へ中圧ポンプ26出口の給水を供給し、熱回収した給水を中圧節炭器13出口に回収している点である。本実施例においてはプリクーラ31に供給される冷媒は排熱回収ボイラ9の中圧系統であり、プリクーラ31を通過する冷却空気の圧力よりも低く設定することができる。すなわち高温側熱交換器43若しくは低温側熱交換器44にクラックが生じた場合、冷却空気が蒸気若しくは給水にリークするので、後流に位置するブースト圧縮機32への水混入による損傷を防止でき、運転の信頼性が向上する。
【0043】
本発明の他の実施例を図4に示す。本実施例が図1の実施例と異なるのは低温側熱交換器44で温度上昇した給水を燃料加熱器45に供給し、燃料42に熱回収している点である。本実施例によれば、燃料加熱による温度上昇分だけ燃焼器2に供給する燃料量を少なくする事ができるため、プラント効率は上昇する。燃料の温度は給水や蒸気の温度に比べても十分に温度が低いため、低温熱回収に効果的でかつ回収熱量が燃料量の低減に直接的に作用するので最もプラント効率向上効果が大きい。
【0044】
本発明の他の実施例を図5に示す。本実施例が図1の実施例と異なるのは高温側熱交換器43を蒸発器としている点である。低温側熱交換器44へは供給ポンプ29で昇圧された給水が導かれる。低温側熱交換器44で温度上昇した給水はドラム46に供給され高温側熱交換器43で蒸発して高圧1次過熱器21入口に供給される。本実施例においても図1の実施例と同様に高圧蒸気発生量が増加し、プラント効率が上昇する。
【0045】
本発明の他の実施例を図6に示す。排熱回収ボイラ9から高温側熱交換器43への冷媒供給配管上に流量調節弁48を設置して、高温側熱交換器43から排熱回収ボイラ9へ回収される冷媒の温度T1と排熱回収ボイラ側の合流前温度T2を検出し、T1とT2の温度差が熱応力が問題とならない許容温度差以内に納まる様に流量調節弁48で高温側熱交換器43への冷媒流入量を調整する。
【0046】
図7に起動から定格運転に至るまでの排熱回収ボイラ入口排ガスとプリクーラ入口空気の温度、およびGT回転数、プラント出力変化を示す。この図からA点からB点の間ではプリクーラ入口空気温度が排ガス温度よりも高く、定格運転時とは温度関係が逆転している。
【0047】
もし仮に流量調節弁48により分岐点47での分配量を制御しなかったとすれば、定格運転時に合流点49の温度差が許容値以内であったとしても、A点からB点付近ではプリクーラの回収熱量が排ガスからの回収熱量よりも相対的に増加するため高温側熱交換器43出口温度T1が排熱回収ボイラの合流前温度T2よりも高温となりその温度差が許容値を超えてしまう可能性がある。ゆえに、このような場合は流量調節弁48の開度を大きくし高温側熱交換器43への分配割合を増加させることにより高温側熱交換器43出口温度の上昇を抑制しT1とT2の温度差を許容値内におさえることができる。
【0048】
本発明の他の実施例を図8に示す。本実施例が図6の実施例と異なるのは合流点49の過大な温度差を抑制するために高温側熱交換器43から合流点49に向かう配管上に温度調節器51を設置した点である。高温側熱交換器43から排熱回収ボイラ9へ回収される冷媒の温度T1と排熱回収ボイラ側の合流前温度T2を検出し、T1とT2の温度差が熱応力が問題とならない許容温度差以内に納まる様に水若しくは蒸気を供給流量調整弁50を通して温度調節器51に供給する。
【0049】
また、本実施例ではブースト圧縮機32の入口およびガスタービン高温部33に供給する冷却空気温度を設定温度に保つようにプリクーラ31の出口空気温度T3を検出し、流量調整弁52により低温側熱交換器44への冷媒供給量を調節する。
【0050】
さらに、本実施例では低温側熱交換器44出口に再循環ポンプ53を設置している。低温側熱交換器44出口の温度上昇した冷媒を低温側熱交換器44入口に合流することにより低温側熱交換器44入口冷媒温度を上げてプリクーラ出口空気の露結を防止することができる。すなわち、ブースト圧縮機32への水滴の流入によるブースト圧縮機32の損傷を防止することができるので信頼性が向上する。
【0051】
本発明の他の実施例を図9に示す。本実施例ではガスタービン排ガス温度Tを検出し、排ガス温度Tに応じてブースト圧縮機32の駆動モータ54の回転数を制御している。正常な運転状態では排ガス温度Tはガスタービン高温部33の温度にリンクしているので、排ガス温度が上昇するとガスタービン高温部33も温度上昇するので駆動モータ54の回転数を上げて冷却空気量を増加して必要な流量を確保する。本運転法によりガスタービン高温部33に適正な冷却空気量を供給することができる。
【0052】
本発明の他の実施例を図10に示す。本実施例ではガスタービン回転数Nおよびプラント出力Wを検出し、スタービン回転数Nおよびプラント出力Wに応じてブースト圧縮機32の駆動モータ54の回転数を制御している。大気の状態によっては若干の変動はあるものの、正常な運転状態では図7に示しているように、ガスタービン回転数とプラント出力を知ることができれば排ガス温度を知ることができる。すなわち、ガスタービン回転数Nおよびプラント出力Wから排ガス温度を介してガスタービン高温部33の温度を予測し、駆動モータ54の回転数を制御する。本運転法により適正な冷却空気量を供給することができる。
【0053】
本発明の他の実施例を図11に示す。本実施例ではガスタービン排ガス温度Tを検出し、排ガス温度Tに応じて冷却空気供給量調節弁55を制御している。正常な運転状態では、排ガス温度Tはガスタービン高温部33の温度にリンクしているので、排ガス温度が上昇するとガスタービン高温部33も温度上昇するので、冷却空気供給量調節弁55の弁開度を大きくして冷却空気量を増加する。本運転法によってもガスタービン高温部33に適正な冷却空気量を供給することができる。
【0054】
本発明の他の実施例を図12に示す。本実施例が図11の実施例と異なる点はブースト圧縮機32の駆動源をガスタービン回転軸56としている点である。ガスタービン軸駆動とすることによってガスタービンが回転している間は常にブースト圧縮機を稼働することができるので停電によるブースト圧縮機の停止の恐れも無く信頼性が向上する。
【0055】
本発明の他の実施例を図13に示す。ガスタービン高温部33から何らかの原因で許容値以上のリークが発生した場合、燃焼器2に回収される冷却空気量は減少する。回収される冷却空気量の減少によりタービン第1段静翼入口燃焼ガス量も減少し第1段静翼入口圧力が低下する。第1段静翼入口圧力の低下に応じて回
収冷却空気圧力Pも低下する。
【0056】
第1段静翼入口圧力の低下によるプラント出力が低下を防止するために、燃料量が増加する。回収される冷却空気量が減少し供給空気量が少なくなったにもかかわらず燃料量が増加すると、燃焼温度が上昇しガスタービン高温部33を損傷することになる。クローズド空気冷却ガスタービンでは冷却空気のリークにより燃焼温度が上昇しても、リーク空気がガス温度を低下させるので排ガス温度T1の上昇により燃焼温度の上昇を検出できない可能性がある。
【0057】
図14に示すようにクローズド冷却空気がリークすると前記の理由で燃料流量Gの増加、回収空気圧力すなわち燃焼器圧力Pの低下という状態になるので、燃料流量Gと燃焼器圧力Pを監視することによりクローズド冷却空気のリークを検出することができる。
【0058】
すなわち、燃料流量G、燃焼器圧力P、排ガス温度T1、プラント出力Wを検出し、正常運転時には排ガス温度T1が制限値を超えない範囲でプラント出力Wが設定値となるよに燃料流量調節弁58により燃料供給量を調節する。ただし、燃料量Gが単位時間内に許容値以上供給された場合、もしくは燃焼器圧力Pが単位時間内に許容値以上温度低下が生じた場合は、クローズド冷却空気が許容値以上にリークしている可能性があるとして燃料流量調節弁制御装置57からの信号により燃料流量調節弁58を閉としてプラントを停止する。
【0059】
本運転方法により、クロース゛ド冷却空気がリークしたとしてもガスタービン高温部を損傷すること無く安全にプラントを停止することができる。
【0060】
以上説明してきたようにこのように形成されたクローズド空気冷却ガスタービンシステムであると、プリクーラの熱交換器を複数設け、プリクーラ上流側熱交換器には温度の高い冷媒を給し温度の高い箇所に回収することにより高効率化を図ると同時に、十分に冷却空気温度が下らない分は下流側の熱交換器に低温の冷媒を供給することによりガスタービン高温部の冷却効果を高めているので、コンハ゛インドサイクル高効率観点からのプリクーラ排熱回収系統の最適化と、ガスタービン高温部冷却上の観点からのプリクーラ出口空気温度低減化を満たすことができる。
【0061】
本発明によれば、ブースト圧縮機の駆動装置を電気モータとし、前記ガスタービンの排気ガス温度またはガスタービン回転数に応じてブースト圧縮機の回転数を変化させているので、ガスタービン高温部の冷却に必要な冷却空気量を調節することができる。
【0062】
本発明によれば、ガスタービンの排気ガス温度またはガスタービン回転数に応じて冷却空気供給配管上に設けた空気流量調節装置を設けているので、ガスタービン高温部の冷却に必要な冷却空気量を調節することができる。
【0063】
本発明によれば、排熱回収ボイラからプリクーラへの冷媒供給配管またはプリクーラから排熱回収ボイラへの冷媒回収配管上にプリクーラへの冷媒流量を調整する装置を設け、プリクーラ出口空気温度を計測しその温度が設定値となるようにプリクーラ冷媒流量調整装置によりプリクーラへの冷媒供給流量を調整しているので、様々な運転状態でプリクーラ出口冷却空気温度を設定値に維持することができる。
【0064】
本発明によれば、排熱回収ボイラからプリクーラへの供給配管またはプリクーラから排熱回収ボイラへの回収配管上にプリクーラへの供給冷媒流量を調整する装置を設け、回収配管と排熱回収ボイラ配管との合流点で温度差が許容値以下となるようにプリクーラ供給流量調整装置によりプリクーラへの冷媒流量を調整しているので、プリクーラで使用され温度上昇した冷媒を回収するとき、冷媒の温度と回収先の温度との差を許容値内におさえて熱応力を低減することができる。
【0065】
本発明によれば、プリクーラから排熱回収ボイラへの回収配管上に蒸気若しくは水を混入して排熱回収ボイラへの回収温度を調整する装置を設け、回収配管と排熱回収ボイラ配管との合流点で温度差が許容値以下となるように回収温度調整装置により蒸気若しくは水の混入量を変化させているので、プリクーラで使用され温度上昇した冷媒を回収するとき、冷媒の温度と回収先の温度との差を許容値内におさえて熱応力を低減することができる。
【0066】
本発明によれば、燃料流量の変動または回収空気圧力を監視しているので、冷却空気のリークを検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明のクローズド空気冷却ガスタービンシステムの一実施例を示す系統図である。
【図2】本発明のクローズド空気冷却ガスタービンシステムの他の実施例を示す系統図である。
【図3】本発明のクローズド空気冷却ガスタービンシステムの他の実施例を示す系統図である。
【図4】本発明のクローズド空気冷却ガスタービンシステムの他の実施例を示す系統図である。
【図5】本発明のクローズド空気冷却ガスタービンシステムの他の実施例を示す系統図である。
【図6】本発明のクローズド空気冷却ガスタービンシステムの他の実施例を示す系統図である。
【図7】起動から定格に至るガスタービン特性図である。
【図8】本発明のクローズド空気冷却ガスタービンシステムの他の実施例を示す系統図である。
【図9】本発明のクローズド空気冷却ガスタービンシステムの他の実施例を示す系統図である。
【図10】本発明のクローズド空気冷却ガスタービンシステムの他の実施例を示す系統図である。
【図11】本発明のクローズド空気冷却ガスタービンシステムの他の実施例を示す系統図である。
【図12】本発明のクローズド空気冷却ガスタービンシステムの他の実施例を示す系統図である。
【図13】本発明のクローズド空気冷却ガスタービンシステムの他の実施例を示す系統図である。
【図14】クローズド冷却空気リーク時のガスタービン特性図である。
【符号の説明】
【0068】
4…高圧蒸気タービン、13…中圧節炭器、15…中圧蒸発器、17…高圧節炭器、20…高圧蒸発器、22…1次再熱器、32…ブースト圧縮機、33…ガスタービン高温部、37…温度調節器、43…高温側熱交換器、44…低温側熱交換器、21…高圧1次過熱器、9…排熱回収ボイラ、26…中圧ポンプ、31…プリクーラ、2…燃焼器、42…燃料、45…燃料加熱器、29…供給ポンプ、46…ドラム、47…分岐点、48…流量調節弁、49…合流点、50…供給流量調節弁、51…温度調節器、52…流量調整弁、53…再循環ポンプ、54…駆動モータ、55…冷却空気供給流量調節弁、56…ガスタービン回転軸、57…燃料流量調整弁制御装置、58…燃料流量調節弁。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービン高温部を冷却する冷却媒体として、圧縮機吐出空気をプリクーラで冷却しブースト圧縮機にて昇圧した空気を用い、冷却後の空気を燃焼空気として燃焼器に回収するクローズド空気冷却ガスタービンと、このガスタービンの排ガスにより蒸気を発生する排熱回収ボイラと、この排熱回収ボイラで発生した蒸気を動力に変換する蒸気タービンとを有し、前記プリクーラの熱交換器の冷却媒体として前記排熱回収ボイラから分岐した蒸気若しくは給水を用い、プリクーラ冷却後の温度上昇した蒸気、給水を再び前記排熱回収ボイラに合流するコンバインド発電プラントにおいて、
前記排熱回収ボイラから前記プリクーラへの供給系または前記プリクーラから前記排熱回収ボイラへの回収系上にプリクーラへの供給流量を調整する装置を設け、前記回収配管と排熱回収ボイラ配管との合流点で温度差が許容値以下となるように前記プリクーラ供給流量調整装置によりプリクーラへの供給流量を調整することを特徴とするコンバインド発電プラント。
【請求項2】
ガスタービン高温部を冷却する冷却媒体として、圧縮機吐出空気をプリクーラで冷却しブースト圧縮機にて昇圧した空気を用い、冷却後の空気を燃焼空気として燃焼器に回収するクローズド空気冷却ガスタービンと、このガスタービンの排ガスにより蒸気を発生する排熱回収ボイラと、この排熱回収ボイラで発生した蒸気を動力に変換する蒸気タービンとを有し、前記プリクーラの熱交換器の冷却媒体として前記排熱回収ボイラから分岐した蒸気若しくは給水を用い、プリクーラ冷却後の温度上昇した蒸気、給水を再び前記排熱回収ボイラに合流するように形成されているコンバインド発電プラントにおいて、
前記排熱回収ボイラから前記プリクーラへの供給系または前記プリクーラから前記排熱回収ボイラへの回収系上にプリクーラへの冷媒の供給流量を調整する装置を設け、プリクーラ出口空気温度が設定値となるように前記プリクーラ供給流量調整装置によりプリクーラへの冷媒供給流量を調整するようにしたことを特徴とするコンバインド発電プラント。
【請求項3】
ガスタービン高温部を冷却する冷却媒体として、圧縮機吐出空気をプリクーラで冷却しブースト圧縮機にて昇圧した空気を用いるとともに、冷却後の空気を燃焼空気として燃焼器に回収するクローズド空気冷却ガスタービンシステムにおいて、
前記プリクーラの排熱を前記ガスタービンの燃料の温度上昇に用いるようにしたことを特徴とするクローズド空気冷却ガスタービンシステム。
【請求項4】
ガスタービン高温部を冷却する冷却媒体として、圧縮機吐出空気をプリクーラで冷却しブースト圧縮機にて昇圧した空気を用い、冷却後の空気を燃焼空気として燃焼器に回収するクローズド空気冷却ガスタービンシステムにおいて、
前記プリクーラの熱交換器として蒸発器を備えていることを特徴とするクローズド空気冷却ガスタービンシステム。
【請求項5】
ガスタービン高温部を冷却する冷却媒体として、圧縮機吐出空気をプリクーラで冷却しブースト圧縮機にて昇圧した空気を用いるとともに、冷却後の空気を燃焼空気として燃焼器に回収するクローズド空気冷却ガスタービンシステムにおいて、
前記ブースト圧縮機の駆動装置を電気モータとし、前記ガスタービンの排気ガス温度またはガスタービン回転数に応じてブースト圧縮機の回転数を変化させ、前記ガスタービン高温部へ供給する冷却空気量を調整するようにしたことを特徴とするクローズド空気冷却ガスタービンシステム。
【請求項6】
ガスタービン高温部を冷却する冷却媒体として、圧縮機吐出空気をプリクーラで冷却しブースト圧縮機にて昇圧した空気を用いるとともに、冷却後の空気を燃焼空気として燃焼器に回収するクローズド空気冷却ガスタービンにおいて、
前記ブースト圧縮機の駆動源をガスタービン回転軸とすることを特徴とするクローズド空気冷却ガスタービンシステム。
【請求項7】
前記冷却媒体を供給する冷却空気供給配管上に前記ガスタービンの排気ガス温度またはガスタービン回転数に応じて空気流量を調節する装置を設け、前記ガスタービン高温部へ供給する空気量を調整するようにした請求項6記載のクローズド空気冷却ガスタービンシステム。
【請求項8】
ガスタービン高温部を冷却する冷却媒体として、圧縮機吐出空気をプリクーラで冷却しブースト圧縮機にて昇圧した空気を用いるとともに、冷却後の空気を燃焼空気として燃焼器に回収するクローズド空気冷却ガスタービンシステムにおいて、
前記冷却媒体の流通系に、冷却空気のリーク状態を検出する検出手段を設けるとともに、そのリーク状態の検出に燃料流量の変動量または回収空気圧力の変動量を用いるようにしたことを特徴とするクローズド空気冷却ガスタービンシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−16791(P2007−16791A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−247833(P2006−247833)
【出願日】平成18年9月13日(2006.9.13)
【分割の表示】特願2002−277403(P2002−277403)の分割
【原出願日】平成9年1月6日(1997.1.6)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】