コンベア装置
【課題】半導体製造ライン等で用いられるコンベア装置において、摩耗粉、塵埃等の飛散を防止する。
【解決手段】前後方向Xに伸長する左右一対の搬送フレーム11,12及び一対の搬送フレームの下方を連結する面状フレーム13を含む下側ケース10、面状フレーム13に上方から対向して内部空間Sを閉鎖的に画定すると共に一対の搬送フレームに左右方向Yから対向して前後方向Xに伸長する所定幅の間隙部Gを画定するように下側ケースに連結された上側カバー20、被搬送物を担持して前後方向に搬送するべく左右一対の搬送フレームに支持された搬送体30、搬送体を駆動するべく内部空間に配置された駆動機構40、内部空間を吸引する吸引手段50,60を含む。これにより、発生した摩耗粉、塵埃等は、吸引手段により吸い込まれて外部に飛散するのが防止される。
【解決手段】前後方向Xに伸長する左右一対の搬送フレーム11,12及び一対の搬送フレームの下方を連結する面状フレーム13を含む下側ケース10、面状フレーム13に上方から対向して内部空間Sを閉鎖的に画定すると共に一対の搬送フレームに左右方向Yから対向して前後方向Xに伸長する所定幅の間隙部Gを画定するように下側ケースに連結された上側カバー20、被搬送物を担持して前後方向に搬送するべく左右一対の搬送フレームに支持された搬送体30、搬送体を駆動するべく内部空間に配置された駆動機構40、内部空間を吸引する吸引手段50,60を含む。これにより、発生した摩耗粉、塵埃等は、吸引手段により吸い込まれて外部に飛散するのが防止される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品あるいは機械部品等のワークを搬送するコンベア装置に関し、特に、半導体製造ライン等のクリーン環境下で、半導体に関連する電子部品、例えば半導体用の基板等を収容する専用の容器(FOUP)等を搬送するのに適したコンベア装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の半導体製造ラインにおいては、半導体用の基板(ウェハー)を各々の処理工程(処理装置)に搬送する際に、複数の基板を専用の容器(FOUP)に収容し、この容器をコンベア装置により搬送する手法が知られている。この容器は、内部をクリーン環境に維持するべく密閉されている。一方、容器が搬送される環境は、半導体の製造ライン内にあるため、コンベア装置もクリーン化の対応が要求される。
【0003】
このような半導体製造ラインに適用される従来のコンベア装置としては、駆動フレーム及び支持フレームからなる左右一対の搬送フレーム、左右一対の搬送フレームを連結する連結部材、駆動フレームに配置された複数のホイール,複数のホイールを連動させて回転駆動する無端ベルト,無端ベルトを回転駆動するモータ等からなる駆動機構、ホイールの上方部を露出させた状態で駆動機構を囲繞するべく搬送フレームに設けられたハウジング等を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、このコンベア装置においては、左右一対の搬送フレームは各々独立して形成された後に連結部材で結合されるため、部品点数が多く、しかも左右の搬送フレームの平行度を確保するべく、高精度に組み立てる必要があると共に、経時に伴う左右方向の平行度あるいは水平度の低下を調整する必要があり、高コスト化を招くという問題がある。また、駆動機構はハウジングにより囲繞されているものの、摺動部分等で発生した摩耗粉、塵埃等がハウジングから外部に飛散して、半導体製造ラインの環境を汚す虞があり、又、ハウジングで囲繞されていない支持フレーム側においても、摺動により発生した摩耗粉等が直接飛散して半導体製造ラインの環境を汚す虞がある。
そこで、これら粉塵等の飛散を防止するべく、この装置に対して、摩耗粉、塵埃等を積極的に吸引する吸引手段を設けようとしても、左右の搬送フレームがそれぞれ独立しているため、別々に吸引手段を設けなければならず、高コスト化を招くことになる。
【0005】
また、従来の他のコンベア装置としては、左右一対の搬送フレーム、左右一対の搬送フレームを連結する連結部材、左右一対の搬送フレームに各々の両端が回動自在に支持されると共に搬送方向に配列された複数のローラ、複数のローラの一端側に駆動力を及ぼすべく一方の搬送フレームに配置された駆動軸,駆動伝達ベルト等からなる駆動機構、駆動機構を収容するべく一方の搬送フレーム側に設けられた密閉ケース、密閉ケース内に発生した塵を排気するダクト,集塵フィルタ,ファン等からなる排気手段等を備えたものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
しかしながら、このコンベア装置においては、複数のローラは完全に露出した状態に配置され、複数のローラの他端を支持する他方の搬送フレームに設けられた軸受も露出した状態にあり、これらの領域から発生した摩耗粉あるいは塵埃等が直接飛散して半導体製造ラインの環境を汚す虞がある。
【0007】
【特許文献1】特表2003−524544号公報
【特許文献2】特開平11−171336号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、構造の簡略化、各機構の集約化、装置全体として小型化、低コスト化、生産性の向上等を図りつつ、左右一対の搬送フレームの平行度及び水平度を容易に確保でき、組み付けが容易であり、又、摺動部で発生した摩耗粉、塵埃等が飛散するのを防止でき、特に、半導体製造ライン等のクリーン環境下で使用されるのに適したコンベア装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のコンベア装置は、前後方向に伸長する左右一対の搬送フレーム及び一対の搬送フレームの下方を連結する面状フレームを含む下側ケースと、面状フレームに上方から対向して内部空間を閉鎖的に画定すると共に一対の搬送フレームに左右方向から対向して前後方向に伸長する所定幅の間隙部を画定するように,下側ケースに連結された上側カバーと、被搬送物を担持して前後方向に搬送するべく左右一対の搬送フレームに支持された搬送体と、搬送体を駆動するべく内部空間に配置された駆動機構と、内部空間を吸引する吸引手段と、を含む。
【0010】
この構成によれば、駆動機構により搬送体が駆動されると、搬送体に担持された被搬送物は、左右一対の搬送フレームに沿って前後方向に搬送される。ここで、間隙部は空気シールを生じるべく可能な限り狭く形成されており、吸引手段により、下側ケースと上側カバーとにより画定される内部空間が吸引されると、間隙部を通して外部から内部空間に流れ込む気流が発生する。したがって、搬送体あるいは駆動機構等の摺動領域で発生した摩耗粉、塵埃等は、この気流に乗って吸引手段により吸い込まれ、外部に飛散するのが防止される。その結果、このコンベア装置がクリーン環境下において使用されても、その環境を汚すことなく要求されるクリーン度を維持することができる。
【0011】
上記構成において、左右一対の搬送フレーム及び面状フレームは、一体的に成型されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、左右一対の搬送フレーム及び面状フレームが一体的に成型されているため、組み付け作業が不要になり、又、一体成型により左右のフレームの平行度及び水平度が高精度に確保されるため、平行度及び水平度を調整する作業が不要になり、製造コスト及び管理コストを低減できる。
【0012】
上記構成において、搬送体は、間隙部の近傍に又は隣接して配置されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、搬送体の近傍において発生した摩耗粉、塵埃等を、間隙部において生じる内部への空気流れに乗せて吸引させることができ、これら摩耗粉、塵埃等の飛散を効果的に防止することができる。
【0013】
上記構成において、上側カバーは、下側ケースに対して着脱自在に形成されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、定期的なメインテナンスを行う際に、上側カバーを取り外すことで、容易に点検作業あるいは清掃作業を行うことができる。
【0014】
上記構成において、搬送体は、前後方向に張設されて内部空間内に配置された無端ベルトであり、無端ベルトの上側に位置する上側ベルトは、間隙部に対して下方から対向するように配置されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、無端ベルト全体が、下側ケース及び上側カバーにより画定される内部空間に収容されており、被搬送物は、上方の間隙部を通して上側ベルトに担持された状態で前後方向に搬送される。したがって、間隙部を非接触にて通される脚部をもつパレット等を介してワーク(例えば、電子部品あるいは電子部品を収容した容器等)を搬送するのに好適であり、又、搬送体(無端ベルト)及び駆動機構が全て、内部空間に収容されているため、発生した摩耗粉あるいは塵埃等が外部に飛散するのをより確実に防止することができる。
【0015】
上記構成において、搬送体は、前後方向に張設されて内部空間内に配置された複数のローラをもつローラチェーンであり、ローラチェーンの上側に位置する上側チェーンは、間隙部に対して下方から対向するように配置されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、ローラチェーン全体が、下側ケース及び上側カバーにより画定される内部空間に収容されており、被搬送物は、上方の間隙部を通して上側チェーン(の複数のローラ)に担持された状態で前後方向に搬送される。
したがって、間隙部を非接触にて通される脚部をもつパレット等を介してワーク(例えば、電子部品あるいは電子部品を収容した容器等)を搬送するのに好適であり、又、搬送体(ローラチェーン)及び駆動機構が全て、内部空間に収容されているため、発生した摩耗粉あるいは塵埃等が外部に飛散するのをより確実に防止することができる。
また、搬送体が転動するローラチェーンであるため、摺動する場合に比べて摩耗粉等の発生を抑制することができ、間隙部で生じる吸引作用を相俟って効果的に埃塵等の発生を防止できる。
さらに、ローラチェーンとして倍速チェーンを用いる場合には、駆動機構によりチェーンが搬送される速度にローラの回転速度が加わった速度で、被搬送物が搬送されるため、要求されるクリーン度を維持しつつも、より高速での搬送が可能になる。
【0016】
上記構成において、搬送体は、前後方向に張設された無端ベルトであり、無端ベルトの上側に位置する上側ベルトは、間隙部の近傍に配置されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、無端ベルトの上側ベルトが露出した状態で間隙部の近傍に配置され、下側ベルトが下側ケース及び上側カバーにより画定される内部空間に収容されており、被搬送物は、露出した上側ベルトに担持された状態で前後方向に搬送される。したがって、上側ベルトを内部に収容してパレット等を介してワークを搬送する場合に比べて、ワークを担持する上側ベルトを露出させる分だけ搬送高さを低くでき、装置を小型化することができる。また、無端ベルト(上側ベルト)は、間隙部の近傍に配置されるため、上側ベルトの近傍で発生した摩耗粉,塵埃等は、間隙部で生じる気流に乗って内部空間に流れ込み、摩耗粉あるいは塵埃等が飛散するのを抑制ないし防止することができる。
【0017】
上記構成において、搬送体は、間隙部の領域に非接触にて配置された複数のローラであり、複数のローラの上方部が、被搬送物を担持するように間隙部から外側に突出している、構成を採用することができる。
この構成によれば、複数のローラは、間隙部の領域に非接触にかつその上方部が外側に突出するように配置されるため、被搬送物は、露出したローラの上方部に担持された状態で前後方向に搬送されると共に、ローラと間隙部を画定する部材との隙間には内部に向かう気流が生じる。したがって、ローラを完全に収容しパレット等を介してワークを搬送する場合に比べて、ワークを担持するローラの上方部を露出させる分だけ搬送高さを低くでき、装置を小型化することができる。ローラの周りにおいて内部に向かう気流により、内部空間内で発生した摩耗粉あるいは塵埃等が外部に飛散するのを確実に防止することができる。
【0018】
上記構成において、吸引手段は、下側ケースの左右方向略中央において前後方向に配列して設けられた複数の吸引口、これら複数の吸引口に連通された吸引通路を含む、構成を採用することができる。
この構成によれば、下側ケース及び上側カバーにより画定される内部空間を吸引する際に、吸引口が下側ケースに設けられ、この吸引口に対して吸引通路が連通されているため、仮に上側カバーを取り外しても、下向きに吸引される気流を発生させることができる。これにより、上側カバーを取り外してメインテナンスを行う場合にも、吸引手段を作動させることで、摩耗粉、塵埃等の飛散を防止することができる。また、複数の吸引口が下側ケースの略中央において配列して設けられているため、淀みを生じるような領域が発生するのを防止して、全体として隅々まで効率よく吸引することができる。また、吸引力を発生するファン等の吸引機を一つ設けるだけでよいため、吸引手段を簡素化及び低コスト化できる。
【0019】
上記構成において、上側カバーには、被搬送物の一部を係合させて搬送方向に案内するガイド部が設けられている、構成を採用することができる。
この構成によれば、搬送体(例えば、無端ベルトの上側ベルト、ローラの上方部等)が露出した状態において、被搬送物を担持して搬送する場合に、被搬送物の一部(例えば、パレットから下方に突出して形成された被ガイド部)を上側カバーのガイド部で案内することにより、被搬送物を左右方向にずれることなく前後方向に確実に搬送することができる。
【発明の効果】
【0020】
以上述べたように、本発明のコンベア装置によれば、構造の簡略化、各機構の集約化、装置全体として小型化、低コスト化、生産性の向上等を達成でき、一対の搬送フレームを一体的に成型することにより、それらの平行度及び水平度を容易に確保でき、組み付けが容易であり、又、摺動部で発生した摩耗粉、塵埃等が飛散するのを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の最良の実施形態について添付図面を参照しつつ説明する。
このコンベア装置は、図1ないし図5に示すように、下側ケース10、下側ケース10に連結された上側カバー20、下側ケース10及び上側カバー20により画定される内部空間Sに収容された搬送体としての無端ベルト30、無端ベルト30を駆動する駆動機構40、内部空間Sを吸引するべく下側ケース10に接続された吸引手段としての排気ダクト50及び吸引機60等を備えている。
【0022】
尚、このコンベア装置は、半導体用の基板を収容した容器(FOUP)等のワークW及びワークWを担持したパレットPを被搬送物として搬送するようになっている。ここで、パレットPは、図1ないし図3に示すように、ワークWを担持する平面状の担持部P1、担持部P1の左右両端から下方に延出する脚部P2、脚部P2の下端に結合され無端ベルト30に担持される平板状の基部P3等を備えている。
【0023】
下側ケース10は、前後方向Xに伸長する左右一対の搬送フレーム11,12、一対の搬送フレーム11,12の下方を連結する面状フレーム13等を備えている。一対の搬送フレーム11,12及び面状フレーム13は、アルミニウム材料を用いて引き抜き成型により、一体的に形成されている。また、下側ケース10の前後方向Xの端部には、図1に示すように、必要に応じて仕切り壁14が取り付けられている。仕切り壁14は、このコンベア装置が直線的に配列されて使用される場合に、その端部を閉塞するものであり、このコンベア装置が閉ループを形成するように環状に配列して使用される場合には不要である。
【0024】
すなわち、下側ケース10は一体成型されることから、搬送フレーム11、搬送フレーム12、面状フレーム13をそれぞれ別々に成型した後に組み付ける場合に比べて、組み付け作業が不要になり、又、成形用の型が高精度であることから、搬送フレーム11,12の相互の平行度及び水平度が高精度に確保される。これにより、部品点数が削減され、平行度及び水平度を出すための調整作業が不要になり、コストを低減することができる。
【0025】
左右一対の搬送フレーム11,12は、図4及び図5に示すように、中心線Lに対して対称的な形状をなし、それぞれ縦壁部11a,12a、上端フランジ部11b,12b、縦壁部11a,12aの内側の途中から突出して形成された上側支持部11c,12c、縦壁部11a,12aの下端から内側に伸長するように形成された下側支持部11d,12d等を備えている。
これら縦壁部11a,12a、上端フランジ部11b,12b、上側支持部11c,12c、及び下側支持部11d,12dは、それぞれ内部が空洞になるように形成されており、曲げ剛性すなわち機械的強度が高められている。尚、この空洞は、断面が矩形あるいは三角形をなすと共に引き抜き成形を行う方向(前後方向X)に伸長するように形成されている。
【0026】
面状フレーム13には、図3ないし図5に示すように、左右方向Yの中央において、前後方向Xに配列された複数の吸引口13aが、上下方向Zに貫通するように後加工により形成されている。また、面状フレーム13の内部空間Sを画定する上面には、後述する上側カバー20の支柱24を嵌合する複数の嵌合穴13bが形成されている。
ここで、上側支持部11c,12c及び下側支持部11d,12dの上面には、図3及び図4に示すように、無端ベルト30を摺動自在に支持するべく、摺動抵抗が小さくかつ耐摩耗性に優れたパッド15が設けられている。
【0027】
上側カバー20は、図4及び図5に示すように、左右一対の搬送フレーム11,12の上端フランジ部11b,12bに対して左右方向Yの内側から対向する縁部21,22、下側ケース10の面状フレーム13と上下方向Zにおいて対向する凹状部23、凹状部23の下面に結合された中空状の複数の支柱24等を備えている。両縁部21,22及び凹状部23は、アルミニウム材料を用いて引き抜き成型により一体的に形成されており、前後方向Xに面状に伸長すると共に左右方向Yにおける断面が下側に凹む凹面状をなすように形成されている。そして、この凹状部23の下面に対して支柱24が結合され、又、両縁部21,22に対して前後方向Xに伸長するガイド部材25が着脱可能に取り付けられている。
【0028】
ここでは、上側カバー20が凹状に形成されているため、下側ケース10と協働して画定する内部空間Sを必要最小限に形成することができ、無駄な空間を削除して気流の流れを強くすることができ、摩耗粉、塵埃等の吸引(排出)効率を高めることができる。
【0029】
ガイド部材25は、樹脂材料等により形成されており、図2及び図4に示すように、左右一対の搬送フレーム11,12の上側フランジ部11b,12bと協働して、前後方向Xに伸長しかつ左右方向Yに所定幅をなす左右一対の間隙部Gを画定するようになっている。
すなわち、ガイド部材25は、下側ケース10に上側カバー20を組み付けた状態において、その取り付け位置(すなわち嵌め込み深さ)を調整できるようにすることで、間隙部Gの幅寸法を適宜調整することができる。また、ガイド部材25は、無端ベルト30(後述の上側ベルト31)に担持されて搬送される被搬送物の一部としてのパレットPの脚部P2を、左右にずれて蛇行するのを規制しつつ前後方向(搬送方向)Xに確実に案内するようになっている。
【0030】
そして、上側カバー20は、図5に示すように、支柱24が嵌合穴13bに嵌合されることにより、下側ケース10に対して着脱自在に結合されるようになっている。このように、上側カバー20が下側ケース10に対して着脱自在に形成されることにより、定期的なメインテナンスを行う際に、上側カバー20を取り外すことで、容易に点検作業あるいは清掃作業を行うことができる。
【0031】
搬送体としての無端ベルト30は、図3及び図4に示すように、内部空間Sに完全に収容されると共に間隙部Gの下方に位置するように(すなわち、間隙部Gの近傍に)配置され、後述する駆動プーリ41及び被動プーリ(不図示)により前後方向Xに張設されている。そして、上側ベルト31が、搬送フレーム11,12の上側支持部11c,12c(パッド15)に摺動自在に支持されると共に下方から間隙部Gに対向するように配置され、間隙部Gを通過して入り込んできたパレットPの脚部P2(及び基部P3)を担持して送り走行するようになっている。また、下側ベルト32が、搬送フレーム11,12の下側支持部11d,12d(パッド15)に摺動自在に支持されて戻り走行するようになっている。
【0032】
駆動機構40は、図1及び図3に示すように、下側ケース10及び上側カバー20により画定される内部空間S内に配置されると共に下側ケース10に保持されており、左右の無端ベルト30に駆動力を及ぼすべくシャフト41aを介して一体的に連結された左右一対の駆動プーリ41、モータ42、モータ42と駆動プーリ41との間に介在する伝達ベルト43等を備えている。
すなわち、モータ42が回転すると、伝達ベルト43を介して駆動プーリ41が回転し、無端ベルト30が回転して、ワークWを担持したパレットPを前後方向Xに搬送するようになっている。
尚、シャフト41aを用いず、左右の駆動プーリ41をそれぞれのモータ42で駆動するようにしてもよい。
【0033】
排気ダクト50は、図1、図3ないし図5に示すように、下側ケース10に設けられた複数の吸引口13aにそれぞれ連通すると共にその下流側が一つの吸引通路50aを画定して、吸引機60に接続されている。
吸引機60としては、内部空間Sの吸引を行って、間隙部Gにおいて外側から内部に向かう気流を生じさせるものであれば、ファン、ポンプ、その他の機構を採用することができる。
【0034】
次に、このコンベア装置の動作について説明すると、モータ42が回転し、伝達ベルト43及び駆動プーリ41を介して、無端ベルト30が走行すると、上側ベルト31に担持された被搬送物(パレットP及びワークW)は、左右一対の搬送フレーム11,12に沿って前後方向Xに搬送される。
【0035】
ここで、この搬送動作中において、吸引機60が作動して、下側ケース10と上側カバー20とにより画定される内部空間Sの空気を吸引すると、図4中の矢印で示すように、間隙部Gを通して外部から内部空間に流れ込む気流が発生し、空気シールを形成することができる。したがって、パレットPあるいは駆動機構40等の摺動領域で発生した摩耗粉、塵埃等は、この気流に乗って吸引口13aから吸引通路50aを経て、半導体製造ラインの外部に設けられた所定の排気口に排出されることになり、コンベア装置から外部に飛散するのが防止される。その結果、このコンベア装置がクリーン環境下において使用されても、その環境を汚すことなく要求されるクリーン度を維持することができる。
ここでは、特に、無端ベルト30及び駆動機構40の全てが、内部空間Sに収容されているため、発生した摩耗粉あるいは塵埃等が外部に飛散するのを確実に防止することができる。
【0036】
また、吸引口13aが下側ケース10の略中央において複数配列して設けられているため、内部空間Sにおいて淀みを生じるような領域が発生するのを防止でき、全体として隅々まで効率よく吸引することができ、又、吸引力を発生するファン等の吸引機60を一つ設けるだけでよいため、装置を簡素化及び低コスト化できる。
さらに、吸引口13aが下側ケース10に設けられ、この吸引口13aに対して吸引通路50aが連通されているため、仮に上側カバー20を取り外しても、下向きに吸引される気流を発生させることができる。
【0037】
したがって、搬送動作を停止して、上側カバー20を取り外しメインテナンスを行う場合にも、吸引機60を作動させることで、摩耗粉、塵埃等の飛散を防止することができる。また、メインテナンスにおいては、下側ケース10が一体的に成型されているため、左右の搬送フレーム11,12の平行度及び水平度を調整する必要がなく、メインテナンス作業を簡素化することができる。
【0038】
図6及び図7は、本発明に係るコンベア装置の他の実施形態を示すものであり、搬送体としてローラチェーンすなわち倍速チェーン130を採用し、搬送フレームの一部を変更した以外は、前述の実施形態と同一の構成であり、したがって、同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
すなわち、このコンベア装置においては、図6及び図7に示すように、下側ケース10´及び上側カバー20により画定される内部空間S内に、倍速チェーン130及びその駆動機構40´が配置されている。
【0039】
倍速チェーン130は、相互に連結される複数のプレート130a、プレート130a同士を連結する複数のピン130b、ピン130bに回動自在に支持された小径の複数のローラ130c、ローラ130cと同軸に配置された大径の複数のローラ130dにより形成されている。ここで、大径のローラ130dは、小径のローラ130cと摩擦力により一体的に回転するように形成されており、ローラ130dに対して所定レベルを超える負荷が加わると、ローラ130dが停止したままローラ130cのみが回転するようになっている。
【0040】
倍速チェーン130は、図6及び図7に示すように、内部空間Sに完全に収容されると共に間隙部Gの下方に位置するように(すなわち、間隙部Gの近傍に)配置され、後述する駆動スプロケット41´及び被動スプロケット(不図示)により前後方向Xに張設されている。
そして、上側チェーン131のローラ130cが、搬送フレーム11´,12´の上側支持部11c´,12c´に転動自在に支持されると共に、ローラ130dが下方から間隙部Gに対向するように配置されて間隙部Gを通過して入り込んできたパレットPの脚部P2(及び基部P3)を担持して送り走行するようになっている。また、下側チェーン132のローラ130c´が搬送フレーム11´,12´の下側支持部11d´,12d´に転動自在に支持されると共に、ローラ130dも一体となって戻り走行するようになっている。
【0041】
駆動機構40´は、図6及び図7に示すように、内部空間S内に配置されると共に下側ケース10に保持されており、左右の倍速チェーン130に駆動力を及ぼすべくシャフト41aを介して一体的に連結された左右一対の駆動スプロケット41´、モータ42、伝達ベルト43等を備えている。
【0042】
したがって、モータ42が回転すると、伝達ベルト43を介して駆動スプロケット41´が回転し、倍速チェーン130が回転走行し、上側チェーン131のローラ130dは転動しつつ担持した被搬送物(ワークWを担持したパレットP)を前後方向Xに搬送するようになっている。ここで、駆動機構40´により倍速チェーン130が搬送される速度に、ローラ130dの回転速度が加わった速度で、被搬送物(ワークWを担持したパレットP)が搬送されるため、より高速での搬送が可能になる。
【0043】
この実施形態においても、倍速チェーン130及び駆動機構40´の全てが、内部空間Sに収容されているため、発生した摩耗粉あるいは塵埃等が外部に飛散するのをより確実に防止することができる。
【0044】
図8及び図9は、本発明に係るコンベア装置のさらに他の実施形態を示すものであり、下側ケース10´´及び上側カバー20´´、無端ベルト30´の配置等を変更した以外は、前述の図1ないし図5に示す実施形態と同一である。したがって、同一の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0045】
このコンベア装置においては、図8及び図9に示すように、下側ケース10´´が、前後方向Xに伸長する左右一対の搬送フレーム11´´,12´´、一対の搬送フレーム11´´,12´´の下方を連結する面状フレーム13等を備えている。左右一対の搬送フレーム11´´,12´´は、図8及び図9に示すように、中心線Lに対して対称的な形状をなし、それぞれ縦壁部11a,12a、上側支持部11c´´,12c´´、下側支持部11d,12d等を備えている。
【0046】
上側カバー20´´は、図8及び図9に示すように、内部が空洞になるように形成されており、曲げ剛性すなわち機械的強度が高められている。尚、この空洞は、断面が矩形あるいは三角形をなすと共に引き抜き成形を行う方向(前後方向X)に伸長するように形成されている。
【0047】
この上側カバー20´´は、左右一対の搬送フレーム11´´,12´´の上側支持部11c´´,12c´´に対して左右方向Yの内側から対向する支持部21´´,22´´、凹状部23、支柱24等を備えている。
そして、上側カバー20´´が下側ケース10´´に結合されると、図8に示すように、上側支持部11c´´と支持部21´´との間及び上側支持部12c´´と支持部22´´との間に、所定幅の間隙部Gが画定されるようになっている。
【0048】
無端ベルト30´は、図8及び図9に示すように、上側を送り走行する上側ベルト31´が外部に露出した状態で上側支持部11c´´,12c´´及び支持部21´´,22´´に摺動自在に支持され、すなわち、間隙部Gに上方から隣接(接触)するように配置されており、下側を戻り走行する下側ベルト32´が内部空間S内において下側支持部11d,12dに摺動自在に支持されている。
【0049】
この実施形態によれば、被搬送物としてのワークWは、露出した上側ベルト31´に担持された状態で前後方向Xに搬送される。したがって、上側ベルト31´を露出させて直接ワークWを担持することで、前述の図4に示す実施形態のように上側ベルト31を内部に収容し脚部P2を介して担持する場合に比べて、脚部P2の高さ分だけ搬送高さを低くでき、装置を小型化することができる。
【0050】
また、無端ベルト30´(上側ベルト31´)は、間隙部Gを閉塞するように隣接した状態にあり、摩耗粉、塵埃等がこの領域から外部へ飛散するのを防止できる。一方、ワークWを担持していない(荷重を受けない)領域では、無端ベルト30´と間隙部Gを画定する上側支持部11c´´,12c´´及び支持部21´´,22´´との間に微小隙間を生じる場合があるものの、吸引機60により内部空間Sに向かう気流が生じているため、内部空間S内で発生した摩耗粉あるいは塵埃等が外部に飛散するのを確実に防止することができる。
【0051】
図10は、図8及び図9に示すコンベア装置の下側ケース及び側カバーの一部を変更したものである。尚、被搬送物としては、ワークW及びパレットP´が適用され、パレットP´は、担持部P1、被ガイド部としての脚部P2を備えている。
すなわち、このコンベア装置においては、図10に示すように、下側ケース10´´´が、前後方向Xに伸長する左右一対の搬送フレーム11´´´,12´´´、一対の搬送フレーム11´´´,12´´´の下方を連結する面状フレーム13等を備えている。
【0052】
左右一対の搬送フレーム11´´´,12´´´は、中心線Lに対して対称的な形状をなし、それぞれ縦壁部11a,12a、上側支持部11c´´´,12c´´´、下側支持部11d,12d、上側支持部11c´´´,12c´´´の略中央において前後方向Xに配列された複数の円孔11e´´´,12e´´´等を備えている。
上側カバー20´´は、左右一対の搬送フレーム11´´´,12´´´の上側支持部11c´´´,12c´´´に対して左右方向Yの内側から対向して間隙部Gを画定する縁部21´´´,22´´´、凹状部23、支柱24等を備えている。
【0053】
そして、左右一対の搬送フレーム11´´´,12´´´の上側支持部11c´´´,12c´´´の内側面が、パレットP´(被搬送物の一部)の脚部P2を係合させて搬送方向(前後方向X)に案内する左右一対のガイド部として機能するようになっている。
これによれば、ワークWを担持したパレットP´を無端ベルト30´の上側ベルト31´に載せて搬送する場合に、ガイド部としての左右の上側支持部11c´´´,12c´´´の内側面が脚部P2を案内するため、被搬送物(ワークW及びパレットP´)は左右方向Yにずれることなく前後方向Xに確実に搬送されると共に、間隙部Gから内部空間Sに流れ込む空気流れを生じるため、発生した摩耗粉、塵埃等の飛散を防止できる。また、上側ベルト31´の摺動により発生した摩耗粉等は、円孔11e´´´,12e´´´を通して内部空間Sに吸い込まれ、外部への飛散を防止できる。
上記図8ないし図10に示す実施形態においては、無端ベルト30´を搬送フレーム11´´,11´´´,12´´,12´´´で直接支持しているが、前述のようにパッド15を介して支持してもよい。
【0054】
図11及び図12は、本発明に係るコンベア装置のさらに他の実施形態を示すものであり、下側ケース110及び上側カバー120を変更し、搬送体としての連動する複数のローラ230を採用した以外は、前述の図8及び図9に示す実施形態と基本的に同一である。したがって、同一の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0055】
このコンベア装置においては、図11及び図12に示すように、下側ケース110が、前後方向Xに伸長する左右一対の搬送フレーム111,112、一対の搬送フレーム111,112の下方を連結する面状フレーム13等を備えている。
左右一対の搬送フレーム111,112は、図11及び図12に示すように、中心線Lに対して対称的な形状をなし、それぞれ縦壁部11a,12a、上端フランジ部111c,112c等を備えている。
【0056】
上側カバー120は、図11及び図12に示すように、左右一対の搬送フレーム111,112の上端フランジ部111c,112cに対して左右方向Yの内側から対向する縁部121,122、凹状部23、支柱24等を備えている。
そして、上側カバー120が下側ケース110に結合されると、図11に示すように、上端フランジ部111cと縁部121との間及び上端フランジ部112cと縁部122との間に、所定幅の間隙部Gが画定されるようになっている。
【0057】
複数のローラ230は、図11及び図12に示すように、左右一対の搬送フレーム111,112の上端フランジ部111c,112cの内側壁に設けられた支軸に対して回動自在に支持されて、前後方向Xに配列されると共に間隙部Gの領域に非接触にて配置されている。そして、複数のローラ230の上方部が、被搬送物としてのワークWを担持するように間隙部Gから外側(上方)に突出している。
【0058】
ここで、複数のローラ230は、お互いに連動するように、各々のローラ230と同軸に一体的に回転するようにかつローラ230よりも小径に形成されたプーリあるいはスプロケット(不図示)に、チェーンあるいはベルト等(不図示)が張設され、一つのローラ230が前述の駆動機構40,40´等により回転駆動力を付与されることにより、全てのローラ230が回転するようになっている。
【0059】
この実施形態によれば、複数のローラ230が間隙部Gの領域に非接触にかつその上方部が外側に突出するように配置されるため、ワークWは、露出したローラ230の上方部に担持された状態で前後方向Xに搬送され、又、ローラ230の周りに形成される隙間には内部に向かう気流が生じる。
すなわち、このコンベア装置によれば、ローラ230を完全に収容する場合に比べて、ローラ230の上方部を露出させる分だけ搬送高さを低くでき、装置を小型化することができる。また、ローラ230の周りにおいては、吸引機60により内部に向かう気流が生じるため、内部空間S内で発生した摩耗粉あるいは塵埃等が、外部に飛散するのを確実に防止することができる。
【0060】
図13は、図11及び図12に示すコンベア装置の上側カバーの一部を変更したものである。尚、被搬送物としては、ワークW及びパレットP´が適用される。すなわち、このコンベア装置においては、図13に示すように、上側カバー120´に対して、パレットP´(被搬送物の一部)の脚部P2を係合させて搬送方向(前後方向X)に案内する左右一対のガイド部126´が一体的に設けられている。
【0061】
これによれば、ワークWを担持したパレットP´をローラ230で搬送する場合に、上側カバー120´のガイド部126´が脚部P2を案内するため、被搬送物(ワークW及びパレットP´)は左右方向Yにずれることなく前後方向Xに確実に搬送される。
【0062】
上記実施形態においては、単一のコンベア装置について説明したが、これに限定されるものではなく、上述のコンベア装置を一つのユニットとして、複数配列して用いることができ、半導体製造ライン等において、蛇行するように接続して使用することもでき、あるいは、閉ループの搬送路を形成するように環状に配列して使用することもできる。
上記実施形態においては、搬送体としてのローラチェーンとして、倍速チェーンを示したが、これに限定さるものではなく、増倍(倍速)機構を採用しない通常のローラチェーンを採用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0063】
以上述べたように、本発明のコンベア装置は、クリーンな環境下で被搬送物を搬送する必要がある分野であれば、半導体製造の分野は勿論のこと、その他の電子部品等の製造ライン、あるいは、精密機械等の製造ライン等の分野においても有用である。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明に係るコンベア装置の一実施形態を示す正面図である。
【図2】図1に示すコンベア装置の平面図である。
【図3】図1に示すコンベア装置の搬送方向における部分断面図である。
【図4】図1に示すコンベア装置の搬送方向に直角な方向における断面図である。
【図5】図1に示すコンベア装置のフレーム構造を分解して示した分解断面図である。
【図6】本発明に係るコンベア装置の他の実施形態を示すものであり、搬送方向における部分断面図である。
【図7】図6に示すコンベア装置の搬送方向に直角な方向における断面図である。
【図8】本発明に係るコンベア装置のさらに他の実施形態を示す平面図である。
【図9】図8に示すコンベア装置の搬送方向に直角な方向における断面図である。
【図10】図8及び図9に示すコンベア装置の変形例を示す断面図である。
【図11】本発明に係るコンベア装置のさらに他の実施形態を示す平面図である。
【図12】図11に示すコンベア装置の搬送方向に直角な方向における断面図である。
【図13】図11及び図12に示すコンベア装置の変形例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0065】
S 内部空間
G 間隙部
X 前後方向
Y 左右方向
Z 上下方向
W ワーク
P,P´ パレット
P2 脚部
10,10´,10´´,10´´´,110 下側ケース
11,11´,11´´,11´´´,111,12,12´,12´´,12´´´112, 左右一対の搬送フレーム
11a,12a 縦壁部
11b,12b 上端フランジ部
11c,11c´,11c´´,11c´´´,111c,12c,12c´,12c´´,12c´´´,112c 上側支持部
11d,11d´,12d,12d´ 下側支持部
11e´´´,12e´´´ 円孔
13 面状フレーム
13a 吸引口
13b 嵌合穴
14 仕切り壁
15 パッド
20,20´,20´´,120,120´ 上側カバー
21,21´,21´´,21´´´,22,22´,22´´,22´´´121,122 縁部
126´ ガイド部
23 凹状部
24 支柱
25 ガイド部材
30,30´ 無端ベルト(搬送体)
31,31´ 上側ベルト
32,32´ 下側ベルト
40,40´ 駆動機構
41 駆動プーリ
41´ 駆動スプロケット
42 モータ
43 伝達ベルト
50 排気ダクト(排気手段)
50a 吸引通路
60 吸引機(排気手段)
130 倍速チェーン(ローラチェーン、搬送体)
131 上側チェーン
132 下側チェーン
230 複数のローラ(搬送体)
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品あるいは機械部品等のワークを搬送するコンベア装置に関し、特に、半導体製造ライン等のクリーン環境下で、半導体に関連する電子部品、例えば半導体用の基板等を収容する専用の容器(FOUP)等を搬送するのに適したコンベア装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の半導体製造ラインにおいては、半導体用の基板(ウェハー)を各々の処理工程(処理装置)に搬送する際に、複数の基板を専用の容器(FOUP)に収容し、この容器をコンベア装置により搬送する手法が知られている。この容器は、内部をクリーン環境に維持するべく密閉されている。一方、容器が搬送される環境は、半導体の製造ライン内にあるため、コンベア装置もクリーン化の対応が要求される。
【0003】
このような半導体製造ラインに適用される従来のコンベア装置としては、駆動フレーム及び支持フレームからなる左右一対の搬送フレーム、左右一対の搬送フレームを連結する連結部材、駆動フレームに配置された複数のホイール,複数のホイールを連動させて回転駆動する無端ベルト,無端ベルトを回転駆動するモータ等からなる駆動機構、ホイールの上方部を露出させた状態で駆動機構を囲繞するべく搬送フレームに設けられたハウジング等を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、このコンベア装置においては、左右一対の搬送フレームは各々独立して形成された後に連結部材で結合されるため、部品点数が多く、しかも左右の搬送フレームの平行度を確保するべく、高精度に組み立てる必要があると共に、経時に伴う左右方向の平行度あるいは水平度の低下を調整する必要があり、高コスト化を招くという問題がある。また、駆動機構はハウジングにより囲繞されているものの、摺動部分等で発生した摩耗粉、塵埃等がハウジングから外部に飛散して、半導体製造ラインの環境を汚す虞があり、又、ハウジングで囲繞されていない支持フレーム側においても、摺動により発生した摩耗粉等が直接飛散して半導体製造ラインの環境を汚す虞がある。
そこで、これら粉塵等の飛散を防止するべく、この装置に対して、摩耗粉、塵埃等を積極的に吸引する吸引手段を設けようとしても、左右の搬送フレームがそれぞれ独立しているため、別々に吸引手段を設けなければならず、高コスト化を招くことになる。
【0005】
また、従来の他のコンベア装置としては、左右一対の搬送フレーム、左右一対の搬送フレームを連結する連結部材、左右一対の搬送フレームに各々の両端が回動自在に支持されると共に搬送方向に配列された複数のローラ、複数のローラの一端側に駆動力を及ぼすべく一方の搬送フレームに配置された駆動軸,駆動伝達ベルト等からなる駆動機構、駆動機構を収容するべく一方の搬送フレーム側に設けられた密閉ケース、密閉ケース内に発生した塵を排気するダクト,集塵フィルタ,ファン等からなる排気手段等を備えたものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
しかしながら、このコンベア装置においては、複数のローラは完全に露出した状態に配置され、複数のローラの他端を支持する他方の搬送フレームに設けられた軸受も露出した状態にあり、これらの領域から発生した摩耗粉あるいは塵埃等が直接飛散して半導体製造ラインの環境を汚す虞がある。
【0007】
【特許文献1】特表2003−524544号公報
【特許文献2】特開平11−171336号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、構造の簡略化、各機構の集約化、装置全体として小型化、低コスト化、生産性の向上等を図りつつ、左右一対の搬送フレームの平行度及び水平度を容易に確保でき、組み付けが容易であり、又、摺動部で発生した摩耗粉、塵埃等が飛散するのを防止でき、特に、半導体製造ライン等のクリーン環境下で使用されるのに適したコンベア装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のコンベア装置は、前後方向に伸長する左右一対の搬送フレーム及び一対の搬送フレームの下方を連結する面状フレームを含む下側ケースと、面状フレームに上方から対向して内部空間を閉鎖的に画定すると共に一対の搬送フレームに左右方向から対向して前後方向に伸長する所定幅の間隙部を画定するように,下側ケースに連結された上側カバーと、被搬送物を担持して前後方向に搬送するべく左右一対の搬送フレームに支持された搬送体と、搬送体を駆動するべく内部空間に配置された駆動機構と、内部空間を吸引する吸引手段と、を含む。
【0010】
この構成によれば、駆動機構により搬送体が駆動されると、搬送体に担持された被搬送物は、左右一対の搬送フレームに沿って前後方向に搬送される。ここで、間隙部は空気シールを生じるべく可能な限り狭く形成されており、吸引手段により、下側ケースと上側カバーとにより画定される内部空間が吸引されると、間隙部を通して外部から内部空間に流れ込む気流が発生する。したがって、搬送体あるいは駆動機構等の摺動領域で発生した摩耗粉、塵埃等は、この気流に乗って吸引手段により吸い込まれ、外部に飛散するのが防止される。その結果、このコンベア装置がクリーン環境下において使用されても、その環境を汚すことなく要求されるクリーン度を維持することができる。
【0011】
上記構成において、左右一対の搬送フレーム及び面状フレームは、一体的に成型されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、左右一対の搬送フレーム及び面状フレームが一体的に成型されているため、組み付け作業が不要になり、又、一体成型により左右のフレームの平行度及び水平度が高精度に確保されるため、平行度及び水平度を調整する作業が不要になり、製造コスト及び管理コストを低減できる。
【0012】
上記構成において、搬送体は、間隙部の近傍に又は隣接して配置されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、搬送体の近傍において発生した摩耗粉、塵埃等を、間隙部において生じる内部への空気流れに乗せて吸引させることができ、これら摩耗粉、塵埃等の飛散を効果的に防止することができる。
【0013】
上記構成において、上側カバーは、下側ケースに対して着脱自在に形成されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、定期的なメインテナンスを行う際に、上側カバーを取り外すことで、容易に点検作業あるいは清掃作業を行うことができる。
【0014】
上記構成において、搬送体は、前後方向に張設されて内部空間内に配置された無端ベルトであり、無端ベルトの上側に位置する上側ベルトは、間隙部に対して下方から対向するように配置されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、無端ベルト全体が、下側ケース及び上側カバーにより画定される内部空間に収容されており、被搬送物は、上方の間隙部を通して上側ベルトに担持された状態で前後方向に搬送される。したがって、間隙部を非接触にて通される脚部をもつパレット等を介してワーク(例えば、電子部品あるいは電子部品を収容した容器等)を搬送するのに好適であり、又、搬送体(無端ベルト)及び駆動機構が全て、内部空間に収容されているため、発生した摩耗粉あるいは塵埃等が外部に飛散するのをより確実に防止することができる。
【0015】
上記構成において、搬送体は、前後方向に張設されて内部空間内に配置された複数のローラをもつローラチェーンであり、ローラチェーンの上側に位置する上側チェーンは、間隙部に対して下方から対向するように配置されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、ローラチェーン全体が、下側ケース及び上側カバーにより画定される内部空間に収容されており、被搬送物は、上方の間隙部を通して上側チェーン(の複数のローラ)に担持された状態で前後方向に搬送される。
したがって、間隙部を非接触にて通される脚部をもつパレット等を介してワーク(例えば、電子部品あるいは電子部品を収容した容器等)を搬送するのに好適であり、又、搬送体(ローラチェーン)及び駆動機構が全て、内部空間に収容されているため、発生した摩耗粉あるいは塵埃等が外部に飛散するのをより確実に防止することができる。
また、搬送体が転動するローラチェーンであるため、摺動する場合に比べて摩耗粉等の発生を抑制することができ、間隙部で生じる吸引作用を相俟って効果的に埃塵等の発生を防止できる。
さらに、ローラチェーンとして倍速チェーンを用いる場合には、駆動機構によりチェーンが搬送される速度にローラの回転速度が加わった速度で、被搬送物が搬送されるため、要求されるクリーン度を維持しつつも、より高速での搬送が可能になる。
【0016】
上記構成において、搬送体は、前後方向に張設された無端ベルトであり、無端ベルトの上側に位置する上側ベルトは、間隙部の近傍に配置されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、無端ベルトの上側ベルトが露出した状態で間隙部の近傍に配置され、下側ベルトが下側ケース及び上側カバーにより画定される内部空間に収容されており、被搬送物は、露出した上側ベルトに担持された状態で前後方向に搬送される。したがって、上側ベルトを内部に収容してパレット等を介してワークを搬送する場合に比べて、ワークを担持する上側ベルトを露出させる分だけ搬送高さを低くでき、装置を小型化することができる。また、無端ベルト(上側ベルト)は、間隙部の近傍に配置されるため、上側ベルトの近傍で発生した摩耗粉,塵埃等は、間隙部で生じる気流に乗って内部空間に流れ込み、摩耗粉あるいは塵埃等が飛散するのを抑制ないし防止することができる。
【0017】
上記構成において、搬送体は、間隙部の領域に非接触にて配置された複数のローラであり、複数のローラの上方部が、被搬送物を担持するように間隙部から外側に突出している、構成を採用することができる。
この構成によれば、複数のローラは、間隙部の領域に非接触にかつその上方部が外側に突出するように配置されるため、被搬送物は、露出したローラの上方部に担持された状態で前後方向に搬送されると共に、ローラと間隙部を画定する部材との隙間には内部に向かう気流が生じる。したがって、ローラを完全に収容しパレット等を介してワークを搬送する場合に比べて、ワークを担持するローラの上方部を露出させる分だけ搬送高さを低くでき、装置を小型化することができる。ローラの周りにおいて内部に向かう気流により、内部空間内で発生した摩耗粉あるいは塵埃等が外部に飛散するのを確実に防止することができる。
【0018】
上記構成において、吸引手段は、下側ケースの左右方向略中央において前後方向に配列して設けられた複数の吸引口、これら複数の吸引口に連通された吸引通路を含む、構成を採用することができる。
この構成によれば、下側ケース及び上側カバーにより画定される内部空間を吸引する際に、吸引口が下側ケースに設けられ、この吸引口に対して吸引通路が連通されているため、仮に上側カバーを取り外しても、下向きに吸引される気流を発生させることができる。これにより、上側カバーを取り外してメインテナンスを行う場合にも、吸引手段を作動させることで、摩耗粉、塵埃等の飛散を防止することができる。また、複数の吸引口が下側ケースの略中央において配列して設けられているため、淀みを生じるような領域が発生するのを防止して、全体として隅々まで効率よく吸引することができる。また、吸引力を発生するファン等の吸引機を一つ設けるだけでよいため、吸引手段を簡素化及び低コスト化できる。
【0019】
上記構成において、上側カバーには、被搬送物の一部を係合させて搬送方向に案内するガイド部が設けられている、構成を採用することができる。
この構成によれば、搬送体(例えば、無端ベルトの上側ベルト、ローラの上方部等)が露出した状態において、被搬送物を担持して搬送する場合に、被搬送物の一部(例えば、パレットから下方に突出して形成された被ガイド部)を上側カバーのガイド部で案内することにより、被搬送物を左右方向にずれることなく前後方向に確実に搬送することができる。
【発明の効果】
【0020】
以上述べたように、本発明のコンベア装置によれば、構造の簡略化、各機構の集約化、装置全体として小型化、低コスト化、生産性の向上等を達成でき、一対の搬送フレームを一体的に成型することにより、それらの平行度及び水平度を容易に確保でき、組み付けが容易であり、又、摺動部で発生した摩耗粉、塵埃等が飛散するのを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の最良の実施形態について添付図面を参照しつつ説明する。
このコンベア装置は、図1ないし図5に示すように、下側ケース10、下側ケース10に連結された上側カバー20、下側ケース10及び上側カバー20により画定される内部空間Sに収容された搬送体としての無端ベルト30、無端ベルト30を駆動する駆動機構40、内部空間Sを吸引するべく下側ケース10に接続された吸引手段としての排気ダクト50及び吸引機60等を備えている。
【0022】
尚、このコンベア装置は、半導体用の基板を収容した容器(FOUP)等のワークW及びワークWを担持したパレットPを被搬送物として搬送するようになっている。ここで、パレットPは、図1ないし図3に示すように、ワークWを担持する平面状の担持部P1、担持部P1の左右両端から下方に延出する脚部P2、脚部P2の下端に結合され無端ベルト30に担持される平板状の基部P3等を備えている。
【0023】
下側ケース10は、前後方向Xに伸長する左右一対の搬送フレーム11,12、一対の搬送フレーム11,12の下方を連結する面状フレーム13等を備えている。一対の搬送フレーム11,12及び面状フレーム13は、アルミニウム材料を用いて引き抜き成型により、一体的に形成されている。また、下側ケース10の前後方向Xの端部には、図1に示すように、必要に応じて仕切り壁14が取り付けられている。仕切り壁14は、このコンベア装置が直線的に配列されて使用される場合に、その端部を閉塞するものであり、このコンベア装置が閉ループを形成するように環状に配列して使用される場合には不要である。
【0024】
すなわち、下側ケース10は一体成型されることから、搬送フレーム11、搬送フレーム12、面状フレーム13をそれぞれ別々に成型した後に組み付ける場合に比べて、組み付け作業が不要になり、又、成形用の型が高精度であることから、搬送フレーム11,12の相互の平行度及び水平度が高精度に確保される。これにより、部品点数が削減され、平行度及び水平度を出すための調整作業が不要になり、コストを低減することができる。
【0025】
左右一対の搬送フレーム11,12は、図4及び図5に示すように、中心線Lに対して対称的な形状をなし、それぞれ縦壁部11a,12a、上端フランジ部11b,12b、縦壁部11a,12aの内側の途中から突出して形成された上側支持部11c,12c、縦壁部11a,12aの下端から内側に伸長するように形成された下側支持部11d,12d等を備えている。
これら縦壁部11a,12a、上端フランジ部11b,12b、上側支持部11c,12c、及び下側支持部11d,12dは、それぞれ内部が空洞になるように形成されており、曲げ剛性すなわち機械的強度が高められている。尚、この空洞は、断面が矩形あるいは三角形をなすと共に引き抜き成形を行う方向(前後方向X)に伸長するように形成されている。
【0026】
面状フレーム13には、図3ないし図5に示すように、左右方向Yの中央において、前後方向Xに配列された複数の吸引口13aが、上下方向Zに貫通するように後加工により形成されている。また、面状フレーム13の内部空間Sを画定する上面には、後述する上側カバー20の支柱24を嵌合する複数の嵌合穴13bが形成されている。
ここで、上側支持部11c,12c及び下側支持部11d,12dの上面には、図3及び図4に示すように、無端ベルト30を摺動自在に支持するべく、摺動抵抗が小さくかつ耐摩耗性に優れたパッド15が設けられている。
【0027】
上側カバー20は、図4及び図5に示すように、左右一対の搬送フレーム11,12の上端フランジ部11b,12bに対して左右方向Yの内側から対向する縁部21,22、下側ケース10の面状フレーム13と上下方向Zにおいて対向する凹状部23、凹状部23の下面に結合された中空状の複数の支柱24等を備えている。両縁部21,22及び凹状部23は、アルミニウム材料を用いて引き抜き成型により一体的に形成されており、前後方向Xに面状に伸長すると共に左右方向Yにおける断面が下側に凹む凹面状をなすように形成されている。そして、この凹状部23の下面に対して支柱24が結合され、又、両縁部21,22に対して前後方向Xに伸長するガイド部材25が着脱可能に取り付けられている。
【0028】
ここでは、上側カバー20が凹状に形成されているため、下側ケース10と協働して画定する内部空間Sを必要最小限に形成することができ、無駄な空間を削除して気流の流れを強くすることができ、摩耗粉、塵埃等の吸引(排出)効率を高めることができる。
【0029】
ガイド部材25は、樹脂材料等により形成されており、図2及び図4に示すように、左右一対の搬送フレーム11,12の上側フランジ部11b,12bと協働して、前後方向Xに伸長しかつ左右方向Yに所定幅をなす左右一対の間隙部Gを画定するようになっている。
すなわち、ガイド部材25は、下側ケース10に上側カバー20を組み付けた状態において、その取り付け位置(すなわち嵌め込み深さ)を調整できるようにすることで、間隙部Gの幅寸法を適宜調整することができる。また、ガイド部材25は、無端ベルト30(後述の上側ベルト31)に担持されて搬送される被搬送物の一部としてのパレットPの脚部P2を、左右にずれて蛇行するのを規制しつつ前後方向(搬送方向)Xに確実に案内するようになっている。
【0030】
そして、上側カバー20は、図5に示すように、支柱24が嵌合穴13bに嵌合されることにより、下側ケース10に対して着脱自在に結合されるようになっている。このように、上側カバー20が下側ケース10に対して着脱自在に形成されることにより、定期的なメインテナンスを行う際に、上側カバー20を取り外すことで、容易に点検作業あるいは清掃作業を行うことができる。
【0031】
搬送体としての無端ベルト30は、図3及び図4に示すように、内部空間Sに完全に収容されると共に間隙部Gの下方に位置するように(すなわち、間隙部Gの近傍に)配置され、後述する駆動プーリ41及び被動プーリ(不図示)により前後方向Xに張設されている。そして、上側ベルト31が、搬送フレーム11,12の上側支持部11c,12c(パッド15)に摺動自在に支持されると共に下方から間隙部Gに対向するように配置され、間隙部Gを通過して入り込んできたパレットPの脚部P2(及び基部P3)を担持して送り走行するようになっている。また、下側ベルト32が、搬送フレーム11,12の下側支持部11d,12d(パッド15)に摺動自在に支持されて戻り走行するようになっている。
【0032】
駆動機構40は、図1及び図3に示すように、下側ケース10及び上側カバー20により画定される内部空間S内に配置されると共に下側ケース10に保持されており、左右の無端ベルト30に駆動力を及ぼすべくシャフト41aを介して一体的に連結された左右一対の駆動プーリ41、モータ42、モータ42と駆動プーリ41との間に介在する伝達ベルト43等を備えている。
すなわち、モータ42が回転すると、伝達ベルト43を介して駆動プーリ41が回転し、無端ベルト30が回転して、ワークWを担持したパレットPを前後方向Xに搬送するようになっている。
尚、シャフト41aを用いず、左右の駆動プーリ41をそれぞれのモータ42で駆動するようにしてもよい。
【0033】
排気ダクト50は、図1、図3ないし図5に示すように、下側ケース10に設けられた複数の吸引口13aにそれぞれ連通すると共にその下流側が一つの吸引通路50aを画定して、吸引機60に接続されている。
吸引機60としては、内部空間Sの吸引を行って、間隙部Gにおいて外側から内部に向かう気流を生じさせるものであれば、ファン、ポンプ、その他の機構を採用することができる。
【0034】
次に、このコンベア装置の動作について説明すると、モータ42が回転し、伝達ベルト43及び駆動プーリ41を介して、無端ベルト30が走行すると、上側ベルト31に担持された被搬送物(パレットP及びワークW)は、左右一対の搬送フレーム11,12に沿って前後方向Xに搬送される。
【0035】
ここで、この搬送動作中において、吸引機60が作動して、下側ケース10と上側カバー20とにより画定される内部空間Sの空気を吸引すると、図4中の矢印で示すように、間隙部Gを通して外部から内部空間に流れ込む気流が発生し、空気シールを形成することができる。したがって、パレットPあるいは駆動機構40等の摺動領域で発生した摩耗粉、塵埃等は、この気流に乗って吸引口13aから吸引通路50aを経て、半導体製造ラインの外部に設けられた所定の排気口に排出されることになり、コンベア装置から外部に飛散するのが防止される。その結果、このコンベア装置がクリーン環境下において使用されても、その環境を汚すことなく要求されるクリーン度を維持することができる。
ここでは、特に、無端ベルト30及び駆動機構40の全てが、内部空間Sに収容されているため、発生した摩耗粉あるいは塵埃等が外部に飛散するのを確実に防止することができる。
【0036】
また、吸引口13aが下側ケース10の略中央において複数配列して設けられているため、内部空間Sにおいて淀みを生じるような領域が発生するのを防止でき、全体として隅々まで効率よく吸引することができ、又、吸引力を発生するファン等の吸引機60を一つ設けるだけでよいため、装置を簡素化及び低コスト化できる。
さらに、吸引口13aが下側ケース10に設けられ、この吸引口13aに対して吸引通路50aが連通されているため、仮に上側カバー20を取り外しても、下向きに吸引される気流を発生させることができる。
【0037】
したがって、搬送動作を停止して、上側カバー20を取り外しメインテナンスを行う場合にも、吸引機60を作動させることで、摩耗粉、塵埃等の飛散を防止することができる。また、メインテナンスにおいては、下側ケース10が一体的に成型されているため、左右の搬送フレーム11,12の平行度及び水平度を調整する必要がなく、メインテナンス作業を簡素化することができる。
【0038】
図6及び図7は、本発明に係るコンベア装置の他の実施形態を示すものであり、搬送体としてローラチェーンすなわち倍速チェーン130を採用し、搬送フレームの一部を変更した以外は、前述の実施形態と同一の構成であり、したがって、同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
すなわち、このコンベア装置においては、図6及び図7に示すように、下側ケース10´及び上側カバー20により画定される内部空間S内に、倍速チェーン130及びその駆動機構40´が配置されている。
【0039】
倍速チェーン130は、相互に連結される複数のプレート130a、プレート130a同士を連結する複数のピン130b、ピン130bに回動自在に支持された小径の複数のローラ130c、ローラ130cと同軸に配置された大径の複数のローラ130dにより形成されている。ここで、大径のローラ130dは、小径のローラ130cと摩擦力により一体的に回転するように形成されており、ローラ130dに対して所定レベルを超える負荷が加わると、ローラ130dが停止したままローラ130cのみが回転するようになっている。
【0040】
倍速チェーン130は、図6及び図7に示すように、内部空間Sに完全に収容されると共に間隙部Gの下方に位置するように(すなわち、間隙部Gの近傍に)配置され、後述する駆動スプロケット41´及び被動スプロケット(不図示)により前後方向Xに張設されている。
そして、上側チェーン131のローラ130cが、搬送フレーム11´,12´の上側支持部11c´,12c´に転動自在に支持されると共に、ローラ130dが下方から間隙部Gに対向するように配置されて間隙部Gを通過して入り込んできたパレットPの脚部P2(及び基部P3)を担持して送り走行するようになっている。また、下側チェーン132のローラ130c´が搬送フレーム11´,12´の下側支持部11d´,12d´に転動自在に支持されると共に、ローラ130dも一体となって戻り走行するようになっている。
【0041】
駆動機構40´は、図6及び図7に示すように、内部空間S内に配置されると共に下側ケース10に保持されており、左右の倍速チェーン130に駆動力を及ぼすべくシャフト41aを介して一体的に連結された左右一対の駆動スプロケット41´、モータ42、伝達ベルト43等を備えている。
【0042】
したがって、モータ42が回転すると、伝達ベルト43を介して駆動スプロケット41´が回転し、倍速チェーン130が回転走行し、上側チェーン131のローラ130dは転動しつつ担持した被搬送物(ワークWを担持したパレットP)を前後方向Xに搬送するようになっている。ここで、駆動機構40´により倍速チェーン130が搬送される速度に、ローラ130dの回転速度が加わった速度で、被搬送物(ワークWを担持したパレットP)が搬送されるため、より高速での搬送が可能になる。
【0043】
この実施形態においても、倍速チェーン130及び駆動機構40´の全てが、内部空間Sに収容されているため、発生した摩耗粉あるいは塵埃等が外部に飛散するのをより確実に防止することができる。
【0044】
図8及び図9は、本発明に係るコンベア装置のさらに他の実施形態を示すものであり、下側ケース10´´及び上側カバー20´´、無端ベルト30´の配置等を変更した以外は、前述の図1ないし図5に示す実施形態と同一である。したがって、同一の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0045】
このコンベア装置においては、図8及び図9に示すように、下側ケース10´´が、前後方向Xに伸長する左右一対の搬送フレーム11´´,12´´、一対の搬送フレーム11´´,12´´の下方を連結する面状フレーム13等を備えている。左右一対の搬送フレーム11´´,12´´は、図8及び図9に示すように、中心線Lに対して対称的な形状をなし、それぞれ縦壁部11a,12a、上側支持部11c´´,12c´´、下側支持部11d,12d等を備えている。
【0046】
上側カバー20´´は、図8及び図9に示すように、内部が空洞になるように形成されており、曲げ剛性すなわち機械的強度が高められている。尚、この空洞は、断面が矩形あるいは三角形をなすと共に引き抜き成形を行う方向(前後方向X)に伸長するように形成されている。
【0047】
この上側カバー20´´は、左右一対の搬送フレーム11´´,12´´の上側支持部11c´´,12c´´に対して左右方向Yの内側から対向する支持部21´´,22´´、凹状部23、支柱24等を備えている。
そして、上側カバー20´´が下側ケース10´´に結合されると、図8に示すように、上側支持部11c´´と支持部21´´との間及び上側支持部12c´´と支持部22´´との間に、所定幅の間隙部Gが画定されるようになっている。
【0048】
無端ベルト30´は、図8及び図9に示すように、上側を送り走行する上側ベルト31´が外部に露出した状態で上側支持部11c´´,12c´´及び支持部21´´,22´´に摺動自在に支持され、すなわち、間隙部Gに上方から隣接(接触)するように配置されており、下側を戻り走行する下側ベルト32´が内部空間S内において下側支持部11d,12dに摺動自在に支持されている。
【0049】
この実施形態によれば、被搬送物としてのワークWは、露出した上側ベルト31´に担持された状態で前後方向Xに搬送される。したがって、上側ベルト31´を露出させて直接ワークWを担持することで、前述の図4に示す実施形態のように上側ベルト31を内部に収容し脚部P2を介して担持する場合に比べて、脚部P2の高さ分だけ搬送高さを低くでき、装置を小型化することができる。
【0050】
また、無端ベルト30´(上側ベルト31´)は、間隙部Gを閉塞するように隣接した状態にあり、摩耗粉、塵埃等がこの領域から外部へ飛散するのを防止できる。一方、ワークWを担持していない(荷重を受けない)領域では、無端ベルト30´と間隙部Gを画定する上側支持部11c´´,12c´´及び支持部21´´,22´´との間に微小隙間を生じる場合があるものの、吸引機60により内部空間Sに向かう気流が生じているため、内部空間S内で発生した摩耗粉あるいは塵埃等が外部に飛散するのを確実に防止することができる。
【0051】
図10は、図8及び図9に示すコンベア装置の下側ケース及び側カバーの一部を変更したものである。尚、被搬送物としては、ワークW及びパレットP´が適用され、パレットP´は、担持部P1、被ガイド部としての脚部P2を備えている。
すなわち、このコンベア装置においては、図10に示すように、下側ケース10´´´が、前後方向Xに伸長する左右一対の搬送フレーム11´´´,12´´´、一対の搬送フレーム11´´´,12´´´の下方を連結する面状フレーム13等を備えている。
【0052】
左右一対の搬送フレーム11´´´,12´´´は、中心線Lに対して対称的な形状をなし、それぞれ縦壁部11a,12a、上側支持部11c´´´,12c´´´、下側支持部11d,12d、上側支持部11c´´´,12c´´´の略中央において前後方向Xに配列された複数の円孔11e´´´,12e´´´等を備えている。
上側カバー20´´は、左右一対の搬送フレーム11´´´,12´´´の上側支持部11c´´´,12c´´´に対して左右方向Yの内側から対向して間隙部Gを画定する縁部21´´´,22´´´、凹状部23、支柱24等を備えている。
【0053】
そして、左右一対の搬送フレーム11´´´,12´´´の上側支持部11c´´´,12c´´´の内側面が、パレットP´(被搬送物の一部)の脚部P2を係合させて搬送方向(前後方向X)に案内する左右一対のガイド部として機能するようになっている。
これによれば、ワークWを担持したパレットP´を無端ベルト30´の上側ベルト31´に載せて搬送する場合に、ガイド部としての左右の上側支持部11c´´´,12c´´´の内側面が脚部P2を案内するため、被搬送物(ワークW及びパレットP´)は左右方向Yにずれることなく前後方向Xに確実に搬送されると共に、間隙部Gから内部空間Sに流れ込む空気流れを生じるため、発生した摩耗粉、塵埃等の飛散を防止できる。また、上側ベルト31´の摺動により発生した摩耗粉等は、円孔11e´´´,12e´´´を通して内部空間Sに吸い込まれ、外部への飛散を防止できる。
上記図8ないし図10に示す実施形態においては、無端ベルト30´を搬送フレーム11´´,11´´´,12´´,12´´´で直接支持しているが、前述のようにパッド15を介して支持してもよい。
【0054】
図11及び図12は、本発明に係るコンベア装置のさらに他の実施形態を示すものであり、下側ケース110及び上側カバー120を変更し、搬送体としての連動する複数のローラ230を採用した以外は、前述の図8及び図9に示す実施形態と基本的に同一である。したがって、同一の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0055】
このコンベア装置においては、図11及び図12に示すように、下側ケース110が、前後方向Xに伸長する左右一対の搬送フレーム111,112、一対の搬送フレーム111,112の下方を連結する面状フレーム13等を備えている。
左右一対の搬送フレーム111,112は、図11及び図12に示すように、中心線Lに対して対称的な形状をなし、それぞれ縦壁部11a,12a、上端フランジ部111c,112c等を備えている。
【0056】
上側カバー120は、図11及び図12に示すように、左右一対の搬送フレーム111,112の上端フランジ部111c,112cに対して左右方向Yの内側から対向する縁部121,122、凹状部23、支柱24等を備えている。
そして、上側カバー120が下側ケース110に結合されると、図11に示すように、上端フランジ部111cと縁部121との間及び上端フランジ部112cと縁部122との間に、所定幅の間隙部Gが画定されるようになっている。
【0057】
複数のローラ230は、図11及び図12に示すように、左右一対の搬送フレーム111,112の上端フランジ部111c,112cの内側壁に設けられた支軸に対して回動自在に支持されて、前後方向Xに配列されると共に間隙部Gの領域に非接触にて配置されている。そして、複数のローラ230の上方部が、被搬送物としてのワークWを担持するように間隙部Gから外側(上方)に突出している。
【0058】
ここで、複数のローラ230は、お互いに連動するように、各々のローラ230と同軸に一体的に回転するようにかつローラ230よりも小径に形成されたプーリあるいはスプロケット(不図示)に、チェーンあるいはベルト等(不図示)が張設され、一つのローラ230が前述の駆動機構40,40´等により回転駆動力を付与されることにより、全てのローラ230が回転するようになっている。
【0059】
この実施形態によれば、複数のローラ230が間隙部Gの領域に非接触にかつその上方部が外側に突出するように配置されるため、ワークWは、露出したローラ230の上方部に担持された状態で前後方向Xに搬送され、又、ローラ230の周りに形成される隙間には内部に向かう気流が生じる。
すなわち、このコンベア装置によれば、ローラ230を完全に収容する場合に比べて、ローラ230の上方部を露出させる分だけ搬送高さを低くでき、装置を小型化することができる。また、ローラ230の周りにおいては、吸引機60により内部に向かう気流が生じるため、内部空間S内で発生した摩耗粉あるいは塵埃等が、外部に飛散するのを確実に防止することができる。
【0060】
図13は、図11及び図12に示すコンベア装置の上側カバーの一部を変更したものである。尚、被搬送物としては、ワークW及びパレットP´が適用される。すなわち、このコンベア装置においては、図13に示すように、上側カバー120´に対して、パレットP´(被搬送物の一部)の脚部P2を係合させて搬送方向(前後方向X)に案内する左右一対のガイド部126´が一体的に設けられている。
【0061】
これによれば、ワークWを担持したパレットP´をローラ230で搬送する場合に、上側カバー120´のガイド部126´が脚部P2を案内するため、被搬送物(ワークW及びパレットP´)は左右方向Yにずれることなく前後方向Xに確実に搬送される。
【0062】
上記実施形態においては、単一のコンベア装置について説明したが、これに限定されるものではなく、上述のコンベア装置を一つのユニットとして、複数配列して用いることができ、半導体製造ライン等において、蛇行するように接続して使用することもでき、あるいは、閉ループの搬送路を形成するように環状に配列して使用することもできる。
上記実施形態においては、搬送体としてのローラチェーンとして、倍速チェーンを示したが、これに限定さるものではなく、増倍(倍速)機構を採用しない通常のローラチェーンを採用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0063】
以上述べたように、本発明のコンベア装置は、クリーンな環境下で被搬送物を搬送する必要がある分野であれば、半導体製造の分野は勿論のこと、その他の電子部品等の製造ライン、あるいは、精密機械等の製造ライン等の分野においても有用である。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明に係るコンベア装置の一実施形態を示す正面図である。
【図2】図1に示すコンベア装置の平面図である。
【図3】図1に示すコンベア装置の搬送方向における部分断面図である。
【図4】図1に示すコンベア装置の搬送方向に直角な方向における断面図である。
【図5】図1に示すコンベア装置のフレーム構造を分解して示した分解断面図である。
【図6】本発明に係るコンベア装置の他の実施形態を示すものであり、搬送方向における部分断面図である。
【図7】図6に示すコンベア装置の搬送方向に直角な方向における断面図である。
【図8】本発明に係るコンベア装置のさらに他の実施形態を示す平面図である。
【図9】図8に示すコンベア装置の搬送方向に直角な方向における断面図である。
【図10】図8及び図9に示すコンベア装置の変形例を示す断面図である。
【図11】本発明に係るコンベア装置のさらに他の実施形態を示す平面図である。
【図12】図11に示すコンベア装置の搬送方向に直角な方向における断面図である。
【図13】図11及び図12に示すコンベア装置の変形例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0065】
S 内部空間
G 間隙部
X 前後方向
Y 左右方向
Z 上下方向
W ワーク
P,P´ パレット
P2 脚部
10,10´,10´´,10´´´,110 下側ケース
11,11´,11´´,11´´´,111,12,12´,12´´,12´´´112, 左右一対の搬送フレーム
11a,12a 縦壁部
11b,12b 上端フランジ部
11c,11c´,11c´´,11c´´´,111c,12c,12c´,12c´´,12c´´´,112c 上側支持部
11d,11d´,12d,12d´ 下側支持部
11e´´´,12e´´´ 円孔
13 面状フレーム
13a 吸引口
13b 嵌合穴
14 仕切り壁
15 パッド
20,20´,20´´,120,120´ 上側カバー
21,21´,21´´,21´´´,22,22´,22´´,22´´´121,122 縁部
126´ ガイド部
23 凹状部
24 支柱
25 ガイド部材
30,30´ 無端ベルト(搬送体)
31,31´ 上側ベルト
32,32´ 下側ベルト
40,40´ 駆動機構
41 駆動プーリ
41´ 駆動スプロケット
42 モータ
43 伝達ベルト
50 排気ダクト(排気手段)
50a 吸引通路
60 吸引機(排気手段)
130 倍速チェーン(ローラチェーン、搬送体)
131 上側チェーン
132 下側チェーン
230 複数のローラ(搬送体)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向に伸長する左右一対の搬送フレーム及び前記一対の搬送フレームの下方を連結する面状フレームを含む下側ケースと、
前記面状フレームに上方から対向して内部空間を閉鎖的に画定すると共に前記一対の搬送フレームに左右方向の内側から対向して前後方向に伸長する所定幅の間隙部を画定するように,前記下側ケースに連結された上側カバーと、
被搬送物を担持して前後方向に搬送するべく前記左右一対の搬送フレームに支持された搬送体と、
前記搬送体を駆動するべく前記内部空間に配置された駆動機構と、
前記内部空間を吸引する吸引手段と、
を含む、ことを特徴とするコンベア装置。
【請求項2】
前記左右一対の搬送フレーム及び面状フレームは、一体的に成型されている、
ことを特徴とする請求項1記載のコンベア装置。
【請求項3】
前記搬送体は、前記間隙部の近傍に又は隣接して配置されている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のコンベア装置。
【請求項4】
前記上側カバーは、前記下側ケースに対して着脱自在に形成されている、
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれかに記載のコンベア装置。
【請求項5】
前記搬送体は、前後方向に張設されて前記内部空間内に配置された無端ベルトであり、
前記無端ベルトの上側に位置する上側ベルトは、前記間隙部に対して下方から対向するように配置されている、
ことを特徴とする請求項1ないし4いずれかに記載のコンベア装置。
【請求項6】
前記搬送体は、前後方向に張設されて前記内部空間内に配置された複数のローラをもつローラチェーンであり、
前記ローラチェーンの上側に位置する上側チェーンは、前記間隙部に対して下方から対向するように配置されている、
ことを特徴とする請求項1ないし4いずれかに記載のコンベア装置。
【請求項7】
前記搬送体は、前後方向に張設された無端ベルトであり、
前記無端ベルトの上側に位置する上側ベルトは、前記間隙部の近傍に配置されている、
ことを特徴とする請求項1ないし4いずれかに記載のコンベア装置。
【請求項8】
前記搬送体は、前記間隙部の領域に非接触にて配置された複数のローラであり、
前記複数のローラの上方部が、被搬送物を担持するように前記間隙部から外側に突出している、
ことを特徴とする請求項1ないし4いずれかに記載のコンベア装置。
【請求項9】
前記吸引手段は、前記下側ケースの左右方向略中央において前後方向に配列して設けられた複数の吸引口、前記複数の吸引口に連通された吸引通路を含む、
ことを特徴とする請求項1ないし8いずれかに記載のコンベア装置。
【請求項10】
前記上側カバーには、被搬送物の一部を係合させて搬送方向に案内するガイド部が設けられている、
ことを特徴とする請求項1ないし9いずれかに記載のコンベア装置。
【請求項1】
前後方向に伸長する左右一対の搬送フレーム及び前記一対の搬送フレームの下方を連結する面状フレームを含む下側ケースと、
前記面状フレームに上方から対向して内部空間を閉鎖的に画定すると共に前記一対の搬送フレームに左右方向の内側から対向して前後方向に伸長する所定幅の間隙部を画定するように,前記下側ケースに連結された上側カバーと、
被搬送物を担持して前後方向に搬送するべく前記左右一対の搬送フレームに支持された搬送体と、
前記搬送体を駆動するべく前記内部空間に配置された駆動機構と、
前記内部空間を吸引する吸引手段と、
を含む、ことを特徴とするコンベア装置。
【請求項2】
前記左右一対の搬送フレーム及び面状フレームは、一体的に成型されている、
ことを特徴とする請求項1記載のコンベア装置。
【請求項3】
前記搬送体は、前記間隙部の近傍に又は隣接して配置されている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のコンベア装置。
【請求項4】
前記上側カバーは、前記下側ケースに対して着脱自在に形成されている、
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれかに記載のコンベア装置。
【請求項5】
前記搬送体は、前後方向に張設されて前記内部空間内に配置された無端ベルトであり、
前記無端ベルトの上側に位置する上側ベルトは、前記間隙部に対して下方から対向するように配置されている、
ことを特徴とする請求項1ないし4いずれかに記載のコンベア装置。
【請求項6】
前記搬送体は、前後方向に張設されて前記内部空間内に配置された複数のローラをもつローラチェーンであり、
前記ローラチェーンの上側に位置する上側チェーンは、前記間隙部に対して下方から対向するように配置されている、
ことを特徴とする請求項1ないし4いずれかに記載のコンベア装置。
【請求項7】
前記搬送体は、前後方向に張設された無端ベルトであり、
前記無端ベルトの上側に位置する上側ベルトは、前記間隙部の近傍に配置されている、
ことを特徴とする請求項1ないし4いずれかに記載のコンベア装置。
【請求項8】
前記搬送体は、前記間隙部の領域に非接触にて配置された複数のローラであり、
前記複数のローラの上方部が、被搬送物を担持するように前記間隙部から外側に突出している、
ことを特徴とする請求項1ないし4いずれかに記載のコンベア装置。
【請求項9】
前記吸引手段は、前記下側ケースの左右方向略中央において前後方向に配列して設けられた複数の吸引口、前記複数の吸引口に連通された吸引通路を含む、
ことを特徴とする請求項1ないし8いずれかに記載のコンベア装置。
【請求項10】
前記上側カバーには、被搬送物の一部を係合させて搬送方向に案内するガイド部が設けられている、
ことを特徴とする請求項1ないし9いずれかに記載のコンベア装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−95717(P2007−95717A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−279002(P2005−279002)
【出願日】平成17年9月27日(2005.9.27)
【出願人】(391032358)平田機工株式会社 (107)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月27日(2005.9.27)
【出願人】(391032358)平田機工株式会社 (107)
【Fターム(参考)】
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