説明

ゴム栓への端子金具挿通方法及び端子金具挿通治具

【課題】一括ゴム栓へ端子金具を容易に挿通させることができるようにする。
【解決手段】コネクタハウジングの後部に配され各キャビティ4に連通し端子金具を通過させた後には電線7が内周部にシール状態で密着する複数の電線挿通孔を有する一括ゴム栓9に対し、電線挿通孔12の孔径より大径に形成されたピン17をキャビティ4内へ前方から挿入して電線挿通孔12にまで進入させて電線挿通孔12の穴径を拡径させておき、その後にピン17を後退させる一方で、端子金具を電線挿通孔12へ挿通させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、いわゆる一括ゴム栓への端子金具挿通方法及び端子金具挿通治具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、コネクタ内部への防水を行うために、コネクタハウジングの後部に一括ゴム栓を装着する形式が知られている。一括ゴム栓は複数の端子挿通孔が形成され、端子金具に接続された電線を一括してシールすることができる。この形式のコネクタでは、一括ゴム栓を装着した後に端子金具の挿通作業が行われる。しかし、端子金具にはスタビライザ等の突起物が形成されていることが多いため、端子金具の挿通作業の際に端子挿通孔の内周部に傷を付けてしまうという問題点が指摘されていた。この問題点を解決する一つの方法として、下記特許文献1のものを挙げることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−43755号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示された端子金具の挿入方法においては、電線および端子金具の外径よりも大径な内周部を有し、この内周部に電線が挿通可能でかつゴム栓の電線挿通孔に挿通可能な中空棒と、この中空棒の内周部に挿入可能な棒状部材とが用いられている。そして、棒状部材を中空棒に挿通した状態で、中空棒を電線挿通孔に挿通し、次いで、棒状部材を中空棒から外した後、中空棒に電線を挿通する。最後に、中空棒を電線挿通孔から取り外せば、電線挿通孔は端子金具によって傷つけられることなく、電線を挿通させることができる。
【0005】
しかし、上記方法では中空棒内に端子金具を通過させる経路を確保しているため、中空棒の外径は端子金具より相当に大きくならざるを得ず、その分、中空棒を電線挿通孔へ挿通及び取り外しが困難となる。また、中空棒は電線の引き出し方向に取り外すため、取り外し作業は一層困難となる。
【0006】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、端子金具のゴム栓への挿通作業を容易に行うことができる、ゴム栓への端子金具挿通方法及び端子金具挿通治具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、複数のキャビティが形成され、このキャビティに対して後方から電線付き端子金具が収容されるコネクタハウジングにおいて、同コネクタハウジングの後部に配され前記各キャビティに連通し前記端子金具を通過させた後には前記電線が内周部にシール状態で密着する複数の電線挿通孔を有する一括ゴム栓へ、前記端子金具を挿通させるための方法であって、前記電線挿通孔の孔径より大径に形成されたピンを前記キャビティ内へ前方から挿入して前記電線挿通孔にまで進入させて前記電線挿通孔の孔径を拡径させておき、その後に前記ピンを後退させる一方で、前記端子金具を前記電線挿通孔へ挿通させるところに特徴を有する。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載の方法において、前記端子金具は、前記ピンを後方へ押し込みつつ前記電線挿通孔へ挿通されるところに特徴を有する。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の方法において、前記端子金具が前記キャビティ内に収容された状態で前記ピンの先端を前記端子金具に当接させ、前記ピンに接続された導通検査用の検知回路にて前記端子金具が前記キャビティ内に収容されているか否かの導通検査を行うところに特徴を有する。
【0010】
請求項4の発明は、複数のキャビティが形成され、このキャビティに対して後方から電線付き端子金具が挿通されるコネクタハウジングにおいて、同コネクタハウジングの後部に配され前記各キャビティに連通し前記端子金具を通過させた後には前記電線が内周部にシール状態で密着する複数の電線挿通孔を有する一括ゴム栓に対し、前記端子金具を挿通させるための治具であって、前記電線挿通孔の孔径より大径に形成され、前記端子金具が前記キャビティ内に挿通される前に前記キャビティ内へ前方から挿通されて前記電線挿通孔内に進入し、前記端子金具が前記キャビティ内に挿入されるときに前記電線挿通孔からの抜き取りがなされるピンを備えるところに特徴を有する。
【0011】
請求項5の発明は、請求項4に記載のものにおいて、前記ピンは、前記端子金具が前記キャビティへの挿通動作に伴って前記電線挿通孔内に進入している状態から後退方向へ押し込み可能に構成されているところに特徴を有する。
【0012】
請求項6の発明は、請求項4または請求項5に記載のものにおいて、治具本体と、この治具本体において軸方向に沿って進退可能に装着された前記ピンと、前記ピンに接続され前記キャビティ内に挿通された前記端子金具との当接の有無によって前記端子金具に対する導通検査を可能とする検知回路とを備えるところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0013】
請求項1及び請求項4の発明によれば、電線挿通孔の孔径より大径に形成されたピンをキャビティ内へ前方から挿入して電線挿通孔にまで進入させて電線挿通孔の孔径を拡径させておき、その後にピンを後退させる一方で、端子金具を電線挿通孔へ挿通させるようにしたため、ピンは端子金具の外径と同程度(僅かに大きい程度あるいは逆に小さくてもよい)で形成すればよい。したがって、従来に比較してピンを電線挿通孔へ挿通あるいは取り外しの作業が容易であり、電線挿通孔の孔壁を傷付けるような事態を回避することができる。また、ピンは端子金具の挿通方向と同方向へ後退させるようにしたため、このことによっても挿通・取り外しの作業の容易化を図ることができる。
【0014】
請求項2及び請求項5の発明によれば、端子金具の挿通に伴ってピンを押し込んで後退させることができる。つまり、挿通動作とピンの後退動作を同時に行うことができるため、作業が二段階にならずに済む分、作業性に優れる。また、このことは電線挿通孔が拡径状態のままで端子金具の挿通を行うことができることを意味するため、挿通時の抵抗も少なく一括ゴム栓の傷つき防止が確実である。
【0015】
請求項3及び請求項6の発明によれば、ピンが導通検査用のプローブを兼用するため、挿通治具は導通検査を兼ねたものとなるため、端子金具の挿通のための専用治具が不要となる。また、端子金具の挿通作業の終了と同時に導通検査を行うことも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】挿通治具にコネクタハウジングをセットする前の状態を示す断面図
【図2】ピンが電線挿通孔内に進入した状態を示す断面図
【図3】端子金具によってピンが押し込まれて後退する状況を示す断面図
【図4】端子金具がキャビティの正規位置にまで挿通されピンがコネクタハウジングから退避した状態を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0017】
<実施形態1>
図1は、雌型のコネクタFとこのコネクタF内に雌端子金具1を挿通させる際に使用する挿通治具Jを示している。但し、本実施形態における挿通治具Jは、雌型コネクタF内に雌端子金具1が挿入されているか否かの導通検査を行う導通検査治具を兼ねている。
【0018】
コネクタFは合成樹脂製のコネクタハウジング2を有している。コネクタハウジング2は端子収容部2Aとこの端子収容部2Aを外側から取り囲むようにして形成された筒部2Bとを備えた構成であり、これらの間に雄型のコネクタ(図示しない)が前方から嵌合する。端子収容部2Aの奥部の外周面にはシールリング3が嵌め付けられていて、雌雄コネクタ間をシールする。
【0019】
端子収容部2Aの内部には複数のキャビティ4が前後方向に沿って形成され、それぞれは雌端子金具1を収容可能である。各キャビティ4の前端は雄端子金具のタブ部を進入させるタブ挿通孔5が開口している。各キャビティ4の内部で前端部寄りの位置にはランス6が撓み可能に形成されている。ランス6は各雌端子金具1がキャビティ4内に挿入される過程で撓み変形し、雌端子金具1が正規位置に挿入されると、撓み状態から復帰して雌端子金具1に係止して抜け止めすることができる。
【0020】
なお、雌端子金具1は前部に角筒部1Aが形成され、図示はしないが、前面には雄端子金具のタブが進入できる開口が形成されている。雌端子金具1の後部には電線7が接続されている。本実施形態では角筒部1Aの最大外径は電線7の外径よりも大きい設定となっている。
【0021】
コネクタハウジング2において、端子収容部2Aの後部にはゴム栓収容室2Cが形成されている。ゴム栓収容室2Cは後方へ開放した筒状に形成され、ゴム栓収容室2C内の前面壁8には各キャビティ4の後端面が開口している。ゴム栓収容室2Cの内部には一括ゴム栓9が収容されている。
【0022】
一括ゴム栓9はゴム栓収容室2Cの奥行き寸法の約半分の厚みをもったシート状に形成され、ゴム栓収容室2Cの前面壁8に密着した状態で収容されている。一括ゴム栓9の外周面には外周リップ10が形成されゴム栓収容室2Cの内周面に沿って密着している。本実施形態においては、外周リップ10は一括ゴム栓9の前後方向に関して3条、設けられ、それぞれは全周に沿って環状に形成されている。
【0023】
一括ゴム栓9には複数の電線挿通孔12が貫通して形成されている。各電線挿通孔12は、一括ゴム栓9がゴム栓収容室2Cに収容された状態で各キャビティ4とほぼ同心で連通するように配されている。各電線挿通孔12の自然状態における孔径は雌端子金具1及び電線7よりも小さく形成されているが、これらの挿通時の孔径は強制的な拡張により挿通を許容する寸法となる。各電線挿通孔12の内周面には電線被覆の外周面に密着する内周リップ11が形成されている。本実施形態においては、内周リップ11は外周リップ10と同様、一括ゴム栓9の厚み方向に沿って3条、設けられ、それぞれは全周に沿って環状に形成されている。
【0024】
ゴム栓収容室2C内の後半部、つまり一括ゴム栓9の後側にはゴム栓押さえ13が収容されている。ゴム栓押さえ13は図示しない複数のロック手段を有しており、各ロック手段がゴム栓収容室2Cの外面に係止することで、全体の装着がなされるようにしてある。ゴム栓押さえ13は合成樹脂製であり、コネクタハウジング2に対して装着されると、一括ゴム栓9をゴム栓収容室2Cの前面壁8との間で挟み込んで保持している。
【0025】
ゴム栓押さえ13には複数のガイド孔14が貫通して形成されている。ゴム栓押さえ13がコネクタハウジング2に装着されると、各ガイド孔14は各電線挿通孔12とほぼ同心で整合する。各ガイド孔14は雌端子金具1及び電線7を挿通させうる大きさをもって形成されている。なお、各ガイド孔14は雌端子金具1の角筒部1Aの外形形状に適合するように形成され、雌端子金具1が上下反転した誤った姿勢で挿通されるのを規制することができるようにしてある。
【0026】
次に、挿通治具Jについて説明すると、挿通治具Jは治具本体15を有している。治具本体15には先端側へ向けて開放するコネクタ嵌合部16が形成されている。治具本体15にはコネクタハウジング2の各キャビティ4に対応して複数のピン17(導電性の金属材料によって形成されている)が装着され、それぞれはコネクタ嵌合部16内に水平に突出している。治具本体15の内部には各ピン17の後退動作を許容する退避孔18が形成されている。各退避孔18の内部にはばね19が収容され、その一端はピン17の後端に当接して対応するピン17を前進方向(ピン17をコネクタ嵌合部16内に突出させる方向)に付勢している。各ばね19の後端は退避孔18の後端に装着された抜け止め部材20に当接されている。各抜け止め部材20は例えば導電性の金属製であり、検知回路21に接続されている。したがって、各ピン17が雌端子金具1の前端に当接していれば、検知回路21において導通状態が確認されるが、導通が確認されない状態となっていれば、当該キャビティ4については雌端子金具1の挿入忘れ等の状況にあることが検知される。このように、本実施形態においては挿通治具Jは導通検査治具でもあり、したがって各ピン17は検査治具におけるプローブの役割を果たすものである。
【0027】
各ピン17はそれぞれ断面円形の棒軸状に形成され、先端は半球状に形成されている。各ピン17におけるコネクタ嵌合部16内へ突出する長さは、図2に示すように、コネクタをコネクタ嵌合部16内の奥壁に突き当てた状態で、ピン17の先端が一括ゴム栓9を貫通してゴム栓押さえ13のガイド孔14内に進入するように設定されている。また、各ピン17の外径は、タブ挿通孔5及びキャビティ4へ挿通可能であるとともに、図3の拡大図に示すように、電線挿通孔12内へ雌端子金具1が挿通されたときの拡張孔径より僅かに小さめに設定されている(ほぼ等しいか、大きめの設定であってもよい)。
【0028】
次に、上記のように構成された本実施形態の作用効果を説明する。雌端子金具1をコネクタF内に収容するにあたり、まず、図1に示すように、コネクタ嵌合部16にコネクタFを対向させて嵌合を行う。
【0029】
この嵌合に伴い、各ピン17は対応するタブ挿通孔5を通してキャビティ4内に進入する。そして、図2に示すように、コネクタFがコネクタ嵌合部16の奥壁に当接すると、各ピン17は一括ゴム栓9の電線挿通孔12を拡張させつつ貫通し、ゴム栓押さえ13のガイド孔14内に臨む。
【0030】
続いて、雌端子金具1をゴム栓押さえ13の各ガイド孔14へ挿通させ、ピン17の先端に当接させる。このまま雌端子金具1にてピン17を押し込むと、ピン17はばね19の付勢力に抗して後退する(図3参照)。
【0031】
ところで、ピン17が電線挿通孔12内に挿通されている状態では、ピン17の外周面は各電線挿通孔12内の内周リップ11の先端部に対して全周に亘って圧接し、電線挿通孔12は孔径が拡張された状態となっている。したがって、雌端子金具1はピン17を押し込んでゆくときには、雌端子金具1は拡径された状態の電線挿通孔12内を前進することになる。このことから、雌端子金具1はピン17による先導なしで電線挿通孔12内を前進する場合に比較して、電線挿通孔12の孔壁を押し広げる量が少なくて済むことから、電線挿通孔12の孔壁を傷付ける事態を回避することができる。
【0032】
また、ピン17の後退時には内周リップ11はピン17の後退方向、つまり雌端子金具1にとっては前進方向へ倒れ込むように変形している。雌端子金具1は倒れ込んでいる内周リップ11部分をピン17の通過直後に通過するため、内周リップ11が雌端子金具1の通過時の抵抗になりにくく、このことによっても傷つき防止に寄与する。
【0033】
そして、図4に示すように、雌端子金具1がキャビティ4内の正規位置に至ると、雌端子金具1はランス6によって係止され、キャビティ4からの抜け止めがなされる。こうして全てのキャビティ4に対して雌端子金具1が挿通されると、検知回路21に対して通電がなされる。雌端子金具1がキャビティ4内に収容されていれば、ピン17と雌端子金具1との当接によって、導通状態が得られる。しかし、雌端子金具1の挿通忘れがあれば、当該キャビティにおいては導通状態が得られず、当該キャビティへの挿通忘れとして検出される。
【0034】
以上の説明から明らかなように、本実施形態によれば、ピン17を電線挿通孔12内に挿通させ電線挿通孔12を拡張させるようにし、ピン17を後退させつつ雌端子金具1を前進させるようにしたため、雌端子金具1によって電線挿通孔12を傷付けてしまう事態を回避することができる。また、ピン17をコネクタの嵌合面側から挿通させるようにしたことで、ピン17の後退方向が雌端子金具1の挿通方向と同方向とすることができるため、ピン17の後退作業が容易である。また、雌端子金具1の挿通作業とピン17の後退作業とが同時になされるため、作業性にも優れる。
【0035】
さらに、本実施形態ではピン17が導通検査のプローブを兼ねているため、雌端子金具1の挿通専用の治具を用意する必要がない。また、雌端子金具1の挿通作業が終了したら直ちに導通検査を行うことができるため、このことによっても作業性の効率が図れる。
【0036】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、ピン17が導通検査装置におけるプローブを兼用した場合を示したが、端子金具の挿通のための専用治具を設け、導通検査は別途に行うようにしてもよい。
(2)上記実施形態では雌端子金具1の挿通に伴って、つまり雌端子金具1の挿通と同時にピン17を後退させる場合を示したが、ピン17の後退を先行させ、それから僅かな遅れ時間の後に雌端子金具1の挿通を行うようにしてもよい。このようにしても、ピン17が電線挿通孔12から抜き取られた直後では電線挿通孔12内の内周リップ11がピン17の抜き取り方向に変形する癖(端子金具の挿通を容易にする方向の変形)が残存していたり、あるいは電線挿通孔12周りの肉がピン17の進入によって自然状態よりは僅かに拡径した状況が残存していたりすることがあるため、このような時間差があってもゴム栓の傷つき回避には有効である。
(3)上記実施形態では、端子金具として雌端子金具1を示したが、雄端子金具を対象としてもよい。その場合、ピン17は雄端子金具によって押されて後退するのではなく、独自に後退(手動で後退させてもよいし、専用の駆動源に接続してもよい)するようにすればよい。
【符号の説明】
【0037】
1…雌端子金具(端子金具)
2…コネクタハウジング
4…キャビティ
7…電線
9…一括ゴム栓
12…電線挿通孔
17…ピン(プローブ)
21…検知回路
F…雌型コネクタ(コネクタ)
J…挿通治具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のキャビティが形成され、このキャビティに対して後方から電線付き端子金具が収容されるコネクタハウジングにおいて、同コネクタハウジングの後部に配され前記各キャビティに連通し前記端子金具を通過させた後には前記電線が内周部にシール状態で密着する複数の電線挿通孔を有する一括ゴム栓へ、前記端子金具を挿通させるための方法であって、
前記電線挿通孔の孔径より大径に形成されたピンを前記キャビティ内へ前方から挿入して前記電線挿通孔にまで進入させて前記電線挿通孔の孔径を拡径させておき、その後に前記ピンを後退させる一方で、前記端子金具を前記電線挿通孔へ挿通させることを特徴とするゴム栓への端子金具挿通方法。
【請求項2】
前記端子金具は、前記ピンを後方へ押し込みつつ前記電線挿通孔へ挿通されることを特徴とする請求項1に記載のゴム栓への端子金具挿通方法。
【請求項3】
前記端子金具が前記キャビティ内に収容された状態で前記ピンの先端を前記端子金具に当接させ、前記ピンに接続された導通検査用の検知回路にて前記端子金具が前記キャビティ内に収容されているか否かの導通検査を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のゴム栓への端子金具挿通方法。
【請求項4】
複数のキャビティが形成され、このキャビティに対して後方から電線付き端子金具が挿通されるコネクタハウジングにおいて、同コネクタハウジングの後部に配され前記各キャビティに連通し前記端子金具を通過させた後には前記電線が内周部にシール状態で密着する複数の電線挿通孔を有する一括ゴム栓に対し、前記端子金具を挿通させるための治具であって、
前記電線挿通孔の孔径より大径に形成され、前記端子金具が前記キャビティ内に挿通される前に前記キャビティ内へ前方から挿通されて前記電線挿通孔内に進入し、前記端子金具が前記キャビティ内に挿入されるときに前記電線挿通孔からの抜き取りがなされるピンを備えることを特徴とするゴム栓への端子金具挿通治具。
【請求項5】
前記ピンは、前記端子金具が前記キャビティへの挿通動作に伴って前記電線挿通孔内に進入している状態から後退方向へ押し込み可能に構成されていることを特徴とする請求項4に記載のゴム栓への端子金具挿通治具。
【請求項6】
治具本体と、
この治具本体において軸方向に沿って進退可能に装着された前記ピンと、
前記ピンに接続され前記キャビティ内に挿通された前記端子金具との当接の有無によって前記端子金具に対する導通検査を可能とする検知回路とを備えることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のゴム栓への端子金具挿通治具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−62151(P2013−62151A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−200003(P2011−200003)
【出願日】平成23年9月13日(2011.9.13)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【Fターム(参考)】