説明

サーバ装置、ナビゲーションシステム、情報出力方法及びプログラム

【課題】利用者が視聴中の放送で紹介された場所をナビゲーション装置に目的地として設定するための手間を減らす。
【解決手段】サーバ装置100は、放送局700が提供する事前データ及び事後データ提供装置600が提供する事後データを蓄積する。サーバ装置100は、通信端末300により送信されたチャンネル及び時刻を表す情報から、利用者により視聴されている番組を特定する。サーバ装置100は、蓄積した各データから特定した番組で紹介された場所に関する情報を抽出し、通信端末300に出力する。通信端末300は、受信した情報により表される場所うち、利用者の操作により選択された場所の位置情報を、目的地を設定するための情報としてナビゲーション装置200に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目的地への経路の案内を支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーション装置により目的地への経路を利用者に案内する技術が知られている。特許文献1には、番組放送時に旅行先などの場所情報を記録しておかなくとも、実際にドライブする際に、過去の放送番組で紹介されるなどした場所の情報を取得し、行きたい場所を選択することで、その場所へ至る経路を設定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−258794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
利用者が、番組で紹介された場所に興味を持ち、その場所をナビゲーション装置の目的地として設定する場合、その場所の名称や特徴から住所等の位置を表す情報を調べ、その情報に基づきナビゲーション装置を操作して目的地を設定するといった手間がかかる。
本発明は、利用者が視聴中の放送で紹介された場所をナビゲーション装置に目的地として設定するための手間を減らすことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係るサーバ装置は、利用者により番組が視聴された時刻を表す第1時刻情報と当該番組が放送されたチャンネルを表すチャンネル情報とを当該利用者の通信端末から取得する第1取得手段と、前記第1取得手段により取得された第1時刻情報及びチャンネル情報に基づいて、前記利用者が視聴していた番組のチャンネル及び当該利用者が当該番組を視聴した時刻を特定する特定手段と、前記番組において放送された場所を表す位置情報を含む当該番組の内容を表す番組データを記憶する記憶手段から当該番組データを読み出し、前記特定手段により特定されたチャンネル及び時刻において放送された番組に対応する前記位置情報を抽出する抽出手段と、前記抽出手段により抽出された位置情報を出力する出力手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
好ましい態様において、前記番組データは、前記番組において放送された複数の場所に関して、放送が開始された開始時刻及び終了した終了時刻を表す複数の第2時刻情報を前記複数の場所毎に有し、前記抽出手段は、前記番組データを記憶する前記記憶手段から当該番組データを読み出し、前記複数の第2時刻情報から、前記第1時刻情報により特定される時刻を開始時刻と終了時刻との間に含むものを抽出し、前記出力手段は、前記抽出手段により抽出された第2時刻情報を出力する。
【0007】
本発明の他の態様に係るナビゲーションシステムは、請求項1に記載のサーバ装置と、前記出力手段により出力された位置情報を取得する第2取得手段と、前記第2取得手段により取得された位置情報が表す場所を目的地に設定する設定手段と、前記設定手段により設定された目的地までの経路の案内を制御する案内制御手段とを備えるナビゲーション装置とを具備することを特徴とする。
【0008】
好ましい態様において、放送される番組の音声及び映像を表す第1記録データを記録する記録装置を備え、前記サーバ装置は、前記番組データが、前記番組において放送された複数の場所に関して、放送が開始された開始時刻及び終了した終了時刻を表す複数の第2時刻情報を前記複数の場所毎に有し、前記抽出手段が、前記番組データを記憶する前記記憶手段から当該番組データを読み出し、前記複数の第2時刻情報から、前記第1時刻情報により特定される時刻を開始時刻と終了時刻との間に含むものを抽出し、前記出力手段が、前記抽出手段により抽出された第2時刻情報を出力し、前記記録装置は、前記出力手段により出力された第2時刻情報を取得する第3取得手段と、前記第3取得手段により取得された第2時刻情報に基づき、前記第1記録データのうち当該第2時刻情報により表される時刻に記録された部分を第2記録データとして切り出す切出手段と、前記切出手段により切り出された第2記録データを前記ナビゲーション装置に送信する送信手段とを備え、前記ナビゲーション装置は、前記送信手段により送信された第2記録データを取得する第4取得手段と、前記第4取得手段により取得された第2記録データの再生を制御する再生制御手段とを備えることを特徴とする。
別の好ましい態様において、前記ナビゲーション装置は、前記設定手段により設定された目的地に対してあらかじめ決められた距離よりも近づいた場合に、前記第4取得手段により取得された第2記録データの再生を前記再生制御手段により制御する。
別の好ましい態様において、前記ナビゲーション装置は、画像又は映像を表示する表示手段と、前記第2記録データにより表される映像と前記場所を表す画像とを表示させるように前記表示手段を制御する表示制御手段と、前記画像又は前記映像を選択する選択手段とを備え、前記案内制御手段は、前記経路を案内するための地図であって、当該地図上の位置が前記位置情報に対応して特定される地図を表示させるように前記表示手段を制御し、前記表示制御手段は、前記第2取得手段により取得された位置情報と前記第4取得手段により取得された第2記録データとに基づき、前記案内制御手段により制御された地図上に当該位置情報により表される位置が含まれる場合、当該位置情報に対応する場所を表す画像を前記地図上の当該位置に表示させるとともに、当該場所を放送した番組の映像を表示させるように前記表示手段を制御し、前記設定手段は、前記表示制御手段により制御された画像又は映像が前記選択手段により選択された場合に、前記第2取得手段により取得された位置情報が表す場所に代えて、当該選択された画像又は映像が表す場所を目的地に設定する。
【0009】
本発明の他の態様に係る情報出力方法は、利用者により番組が視聴された時刻を表す第1時刻情報と当該番組が放送されたチャンネルを表すチャンネル情報とを当該利用者の通信端末から取得する第1取得ステップと、前記第1取得ステップにおいて取得された第1時刻情報及びチャンネル情報に基づいて、前記利用者が視聴していた番組のチャンネル及び当該利用者が当該番組を視聴した時刻を特定する特定ステップと、前記番組において放送された場所を表す位置情報を含む当該番組の内容を表す番組データを記憶する記憶手段から当該番組データを読み出し、前記特定ステップにおいて特定されたチャンネル及び時刻において放送された番組に対応する前記位置情報を抽出する抽出ステップと、前記抽出ステップにおいて抽出された位置情報を出力する出力ステップとを備えることを特徴とする。
【0010】
本発明の他の態様に係るプログラムは、コンピュータを、利用者により番組が視聴された時刻を表す第1時刻情報と当該番組が放送されたチャンネルを表すチャンネル情報とを当該利用者の通信端末から取得する第1取得手段と、前記第1取得手段により取得された第1時刻情報及びチャンネル情報に基づいて、前記利用者が視聴していた番組のチャンネル及び当該利用者が当該番組を視聴した時刻を特定する特定手段と、前記番組において放送された場所を表す位置情報を含む当該番組の内容を表す番組データを記憶する記憶手段から当該番組データを読み出し、前記特定手段により特定されたチャンネル及び時刻において放送された番組に対応する前記位置情報を抽出する抽出手段と、前記抽出手段により抽出された位置情報を出力する出力手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、利用者が視聴中の放送で紹介された場所をナビゲーション装置に目的地として設定するための手間を減らすことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施形態に係るナビゲーションシステムの構成を示すブロック図
【図2】通信端末のハードウェア構成を示すブロック図
【図3】サーバ装置のハードウェア構成を示すブロック図
【図4】記録装置のハードウェア構成を示すブロック図
【図5】ナビゲーション装置のハードウェア構成を示すブロック図
【図6】番組データ(事前データ及び事後データ)の一例を示す図
【図7】サーバ装置が放送された場所に関する情報を抽出する処理の一例を示すシーケンスチャート
【図8】ナビゲーション装置が放送された場所への経路を案内する処理の一例を示すシーケンスチャート
【図9】通信端末の画面の一例を示す図
【図10】サーバ装置の制御部の機能的構成を示すブロック図
【図11】ナビゲーション装置の制御部の機能的構成を示すブロック図
【図12】通信端末の制御部の機能的構成を示すブロック図
【図13】記録装置の制御部の機能的構成を示すブロック図
【図14】変形例に係る通信端末の制御部の機能的構成を示すブロック図
【図15】変形例に係る経路を案内する処理の一例を示すシーケンスチャート
【図16】変形例に係る処理の一例を示すシーケンスチャート
【図17】ナビゲーション装置の画面の一例を示す図
【図18】ナビゲーション装置の制御部の機能的構成を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0013】
[実施形態]
図1は、本発明の一実施形態であるナビゲーションシステム10の構成を示すブロック図である。本実施形態のナビゲーションシステム10は、サーバ装置100と、ナビゲーション装置200と、通信端末300と、記録装置400と、受像機500と、事後データ提供装置600と、放送局700とを備える。
【0014】
各放送局700は、テレビジョン放送によって番組及び広告をそれぞれ放送する。各放送局700は、番組及び広告の音声や映像などを表す放送データをそれぞれ送信する。各放送局700には、決められた番号がチャンネルとして割り当てられている。ここにおいて、「チャンネル」とは、放送に用いられる周波数帯域に付けられた番号など、各放送局700のそれぞれを区別するための番号をいう。また、各放送局700は、EPG(Electronic Program Guide:電子番組表)など、電子的に番組の情報を提供する仕組みに対して、放送を予定している番組の事前データを提供する。ここにおいて、「事前データ」とは、番組が放送される前にその番組を放送する放送局700により提供される、番組の内容(放送日時や出演者、大まかな内容など)を表すデータをいう。各放送局700は、インターネットなどのネットワークNW1を介して上述した仕組みに対して事前データを提供する。
【0015】
事後データ提供装置600は、各放送局700によりそれぞれ放送された番組の内容に基づき、事後データを提供する。ここにおいて、「事後データ」とは、番組の内容を表すデータであって、番組が放送された後に事後データ提供装置600により提供されるデータをいう。具体的には、事後データは、放送されている番組を見ている人間が必要なことを手作業で調べたり時刻を確認したりすることによって作成される。事後データは、番組が開始した時刻及び終了した時刻の情報や番組の中で放送された場所に関する情報、番組の詳細な内容とそれが放送された時刻(例えば、月、日、時、分及び秒)とが対応づけられた情報などを有する。事後データにおいては、放送された番組毎にこれらの情報が作成されている。本実施形態においては、これらの情報は、いずれも時刻及びチャンネルを表す情報と対応づけられており、各番組が開始した時刻及び終了した時刻の情報に基づき、対応する番組が特定される。ここで、一般的な番組は、実際に放送されるまで個々の内容がどの時刻に放送されるかがわからない場合が多く、内容毎に放送される時刻が事前に決まっていたとしても、放送時の事情により変更されることもある。また、生放送の番組は、番組の内容自体が実際に放送されるまで確定しない。つまり、事後データは、本当に放送された内容とそれが実際に放送された時刻とが対応づけられる点で、事前データと異なる。事後データ提供装置600は、インターネットなどのネットワークNW1を介して事後データを提供する。以下においては、事前データ及び事後データを含む番組の内容を表すデータを「番組データ」という。
【0016】
受像機500は、各放送局700からそれぞれ送信される放送データを受信して、番組や広告を再生する。受像機500は、チャンネルを切り替えることで、各チャンネルに対応する放送局700により送信された放送データが表す音声及び映像を再生する。
【0017】
通信端末300は、ナビゲーションシステム10においては、住宅20に設置された受像機500により再生される番組又は広告が視聴されている環境で利用される。以下においては、通信端末300及び受像機500を利用する者を「利用者」という。通信端末300は、所定の無線通信事業者により提供される無線通信サービスを用いて通信を行う無線通信端末であり、例えば、携帯電話機やスマートフォンである。通信端末300は、受像機500を遠隔操作(リモートコントロール)する機能を有し、この機能により受像機500のチャンネルを変更する。また、通信端末300は、受像機500により再生されている番組を視聴する利用者から、そのとき視聴している番組をブックマークする操作を受け付ける機能を有する。ここにおいて、「ブックマークする」とは、利用者が視聴中の番組に関連する情報を利用者が後から容易に取得できるようにすることをいう。このブックマークの操作が利用者により行われると、通信端末300は、利用者により番組が視聴された時刻を表す情報(以下「第1時刻情報」という。)とその番組が放送されたチャンネルを表す情報(以下「チャンネル情報」という。)とを生成する。通信端末300は、生成した情報を、ネットワークNW1と接続する通信回線などのネットワークNW2を介してサーバ装置100に送信する。また、通信端末300は、住宅庭内LAN(Local Area Network)などのネットワークNW3と無線で接続し、ネットワークNW3を介して記録装置400又はナビゲーション装置200に各種データを送信する。
【0018】
サーバ装置100は、ネットワークNW1と接続し、ネットワークNW1及びネットワークNW2を介して各放送局700、事後データ提供装置600及び通信端末300のそれぞれとの間でデータを出力又は取得する。サーバ装置100は、各放送局700及び事後データ提供装置600によりそれぞれ提供される番組データを記憶して蓄積する。サーバ装置100は、通信端末300からチャンネル情報及び第1時刻情報を取得し、取得したこれらの情報に基づいて、利用者が視聴していた番組のチャンネル及びその利用者がその番組を視聴した時刻を特定する。サーバ装置100は、蓄積した番組データを読み出し、特定したチャンネル及び時刻の番組において放送された場所に関する情報を読み出した番組データから抽出する。このときサーバ装置100により抽出される情報には、上述した場所を表す位置情報と、その場所に関して放送されている時刻を表す情報(以下「第2時刻情報」という。)とが含まれる。ここにおいて、「位置情報」とは、放送されたものや場所の位置(又はこれと同一視し得る位置)を表す情報をいい、本実施形態においては、緯度及び経度である。また、第2時刻情報は、番組において放送された場所に関して、放送が開始された開始時刻及び終了した終了時刻を表す情報である。番組データは、番組において放送された複数の場所に関して、複数の第2時刻情報をこれら複数の場所毎に有する。サーバ装置100は、抽出したこれらの情報を、通信端末300に出力する。これらの情報は、通信端末300を介して、記録装置400及びナビゲーション装置200に送信される。
【0019】
記録装置400は、受像機500と接続し、受像機500が再生する番組の音声及び映像を表す記録データを記録する。以下においては、番組の放送中に記録されるその番組の記録データを「第1記録データ」という。また、記録装置400は、サーバ装置100により抽出された第2時刻情報に基づき、第1記録データのうち第2時刻情報により表される時刻に記録された部分を第2記録データとして切り出す。記録装置400により切り出された第2記録データは、放送された番組において、第2時刻情報により表される時刻に放送されたシーンの音声及び映像を表す。記録装置400は、切り出した第2記録データを、ネットワークNW3を介してナビゲーション装置200に送信する。
【0020】
ナビゲーション装置200は、自動車30に搭載され、利用者に対して音声や映像により目的地までの経路を案内する。本実施形態においては、自動車30は、電気自動車であり、ナビゲーション装置200は、充電のため自動車30に接続される電源ケーブルを介してネットワークNW3と接続される。ナビゲーション装置200は、サーバ装置100により抽出された位置情報に基づき、その位置情報が表す場所を目的地に設定する。また、ナビゲーション装置200は、記録装置400により送信された第2記録データを記憶し、あらかじめ決められた条件が満たされた場合にこれを再生する。ナビゲーション装置200は、例えば、自動車30から目的地までの距離があらかじめ決められた閾値以下になった場合に第2記録データを再生する。
【0021】
図2は、通信端末300のハードウェア構成を示すブロック図である。通信端末300は、制御部310と、第1通信部320と、記憶部330と、操作部340と、表示部350と、第2通信部360と、第3通信部370と、音声処理部380とを備える。制御部310は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置と主記憶装置に相当するメモリとを備え、プログラムを実行することによって通信端末300の各部の動作を制御する。第1通信部320は、ネットワークNW2と通信を行うためのインターフェースを備え、サーバ装置100との間でデータを送信及び受信する。記憶部330は、フラッシュメモリ等の補助記憶装置に相当する記憶手段を備え、制御部310が処理を実行するために用いられるデータを記憶する。また、記憶部330は、サーバ装置100により出力された情報などを記憶する。操作部340は、キーパッド等の入力手段を備え、操作されるとその操作の内容を制御部310に通知する。表示部350は、液晶ディスプレイ等の表示媒体やその駆動手段を備え、所定の画面に画像を表示する。
【0022】
第2通信部360は、無線LANなどの通信手段によりネットワークNW3と通信を行うためのインターフェースを備え、ナビゲーション装置200及び記録装置400との間でデータを送信及び受信する。第3通信部370は、IrDA(Infrared Data Association)などの通信規格に準拠した通信手段で信号を送信するためのインターフェースを備える。第3通信部370は、この通信手段により、受像機500に対して受像機500をリモートコントロールするための信号を送信する。音声処理部380は、マイクロフォン、スピーカ及びDSP(Digital Signal Processor)等の音声処理回路を有し、マイクロフォンによる収音内容を表す収音信号を音声処理回路により生成して出力するとともに、制御部310の制御により入力される音声信号に対し音声処理回路により音声処理を行って、その音声信号に応じた音をスピーカから出力させる。
【0023】
図3は、サーバ装置100のハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ装置100は、制御部110と、通信部120と、記憶部130とを備える。制御部110は、CPU等の演算処理装置と主記憶装置に相当するメモリとを備え、プログラムを実行することによってサーバ装置100の各部の動作を制御する。通信部120は、ネットワークNW2を介して通信端末300と通信を行うためのインターフェースである。記憶部130は、フラッシュメモリ等の補助記憶装置に相当する記憶手段を備え、制御部110の処理に用いられるデータを記憶する。また、記憶部130は、上述した番組データ(事前データ及び事後データ)を記憶する。記憶部130は、本発明に係る「記憶手段」の一例に相当する。
【0024】
図4は、記録装置400のハードウェア構成を示すブロック図である。記録装置400は、制御部410と、第1通信部420と、記憶部430と、操作部440と、第2通信部450とを備える。制御部410は、CPU等の演算処理装置と主記憶装置に相当するメモリとを備え、プログラムを実行することによって記録装置400の各部の動作を制御する。第1通信部420は、受像機500と音声データ及び映像データの入力と出力を行うためのインターフェースであり、例えばオーディオ信号の入出力端子及びビデオ信号の入出力端子である。記憶部430は、フラッシュメモリ等の補助記憶装置に相当する記憶手段を備え、制御部410が処理に用いるデータ及び記録した記録データ等を記憶している。操作部440は、操作用のボタン等の入力手段を備え、操作されるとその操作の内容を制御部410に通知する。第2通信部450は、ネットワークNW3を介してナビゲーション装置200及び通信端末300と通信を行うためのインターフェースであり、例えばLANポートである。
【0025】
図5は、ナビゲーション装置200のハードウェア構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置200は、制御部210と、接続部220と、記憶部230と、操作部240と、表示部250と、測位部260と、音声処理部270とを備える。制御部210は、CPU等の演算処理装置と主記憶装置に相当するメモリとを備え、プログラムを実行することによってナビゲーション装置200の各部の動作を制御する。接続部220は、ネットワークNW3と通信を行うためのインターフェースを備え、通信端末300及び記録装置400との間でデータを送信及び受信する。記憶部230は、制御部210が処理を実行するために用いられるデータを記憶している。また、記憶部230は、目的地までの経路を案内するために必要なデータ(地図、地名及びこれらを説明する音声等)を記憶する。ここで記憶されている地図は、地図上の位置が上述した位置情報に対応して特定される。操作部240は、操作用のボタン等の入力手段を備え、操作されるとその操作の内容を制御部210に通知する。表示部250は、液晶ディスプレイ等の表示媒体やその駆動手段を備え、所定の画面に地図、画像又は映像を表示する。
【0026】
測位部260は、ナビゲーション装置200の位置情報を取得する手段である。測位部260は、例えば、GPS(Global Positioning System)を用いて位置情報を取得する。測位部260は、位置情報を取得すると、これを制御部210に供給する。音声処理部270は、スピーカ及びDSP等の音声処理回路を有し、制御部210の制御により入力される音声信号に対し音声処理回路により音声処理を行って、その音声信号に応じた音声をスピーカから出力させる。
【0027】
図6は、番組データ(事前データ及び事後データ)の一例を示す図である。図6に示す例では、ある日の8時から9時にチャンネル11及び13で放送された番組の事前データの一部及び事後データの一部が示されている。また、図6においては、第2時刻情報の時分秒のみを示している。図6(a)は、チャンネル11における番組データの一部を示している。事前データには、番組の内容として、番組名、放送日時、見どころ、出演者及び概要を表す情報が含まれている。また、事後データには、番組の内容として、番組で紹介された様々なもの(映画、本、店舗又は観光地等)を表す情報と、これらのうち場所が関連するものについて、その関連する場所の名称、位置情報及び第2時刻情報とが含まれている。この例では、事後データには、番組で紹介されたものとして「乙が行きつけの店」、関連する場所の名称として「店舗A」、店舗Aの位置情報(北緯35度33分、東経139度33分)及び店舗Aの第2時刻情報(開始時刻が8時12分0秒、終了時刻が8時15分30秒)等が含まれている。図6(b)は、チャンネル13における番組データの一部を示している。この例では、事後データには、番組で紹介されたものとして「庚がロケした遊園地」、関連する場所の名称として「遊園地G」、遊園地Gの位置情報(北緯34度33分、東経135度33分)及び遊園地Gの第2時刻情報(開始時刻が8時5分0秒、終了時刻が8時9分30秒)等が含まれている。
【0028】
図7は、サーバ装置が放送された場所に関する情報を抽出する処理の一例を示すシーケンスチャートである。また、図8は、ナビゲーション装置200が放送された場所への経路を案内する処理の一例を示すシーケンスチャートである。図7及び図8では複数の放送局700のうち1つのみが記載されているが、各放送局700は、それぞれが図7に示す動作をする。また、図7及び図8の例では、利用者は、通信端末300に対応する受像機500により再生されている番組又は広告を視聴しているものとする。
【0029】
複数の放送局700は、番組を放送する1ヶ月程前から実際に放送するまでの間に、その番組の事前データを作成する。そして、複数の放送局700は、あらかじめ決められた日時に事前データをサーバ装置100にそれぞれ送信する(ステップS110)。サーバ装置100は、放送局700により送信された事前データを通信部120を介して受信し、記憶部130に蓄積する(ステップS120)。
【0030】
続いて、複数の放送局700は、放送データをそれぞれ送信する(ステップS130、S140)。受像機500は、放送局700により送信された放送データを受信し、この放送データが表す番組の音声及び映像を再生する。記録装置400は、受像機500が再生する音声及び映像を記録する。記録装置400は、記録した第1記録データを記憶部430に記憶する。(ステップS150)
【0031】
利用者は、受像機500により再生されている番組を視聴する際、通信端末300の画面に表示される情報を見る場合がある。
図9は、通信端末300が表示する画面の一例である。通信端末300は、本実施形態においては、専用のアプリケーションソフトウェアを用いて図9に示す画面を表示する。図9(a)は、利用者が視聴している番組の情報を表示している画面を示している。この例では、通信端末300は、視聴されている番組のチャンネル、その番組の事前データにより表される情報及び「気になる!」という文字列を含んだ画像40Aを表示している。通信端末300は、利用者が操作部340を操作することにより画像40Aが選択された場合、視聴中の番組をブックマークするための操作を利用者が行ったと判断する(ステップS160)。そして、通信端末300は、画像40Aが選択されたときに表示しているチャンネルを表すチャンネル情報と、画像40Aが選択された時刻を表す情報、すなわち、番組が視聴された時刻(第1時刻情報)を生成する。そして、通信端末300は、生成したこれらの情報を第1通信部320を介してサーバ装置100に送信する(ステップS170)。サーバ装置100は、通信端末300により送信された情報を通信部120を介して取得する。サーバ装置100は、通信端末300により送信されたチャンネル情報及び第1時刻情報に基づき、利用者が視聴した番組が放送されたチャンネル及び時刻を特定する(ステップS180)。
【0032】
また、事後データ提供装置600は、ステップS140において送信された放送データにより表される番組から、事後データを作成する。そして、事後データ提供装置600は、作成した事後データを可能な限り早くサーバ装置100に送信する(ステップS190)。本実施形態においては、事後データ提供装置600は、早ければ放送後5分から10分後に、遅くとも数時間後に事後データをサーバ装置100に送信する。サーバ装置100は、事後データ提供装置600により送信された事後データを記憶部130に蓄積する(ステップS200)。
【0033】
そして、サーバ装置100は、蓄積した番組データ(事前データ及び事後データ)から、ステップS180において特定したチャンネル及び時刻に放送された番組に対応する情報を抽出する(ステップS210)。具体的には、サーバ装置100は、その番組において放送された場所の位置情報及び第2時刻情報を少なくとも含む情報を抽出する。本実施形態においては、サーバ装置100は、これらの情報に加え、その場所の名称と付帯する情報(店の形態、平均予算など)とを抽出する。サーバ装置100は、図8に示すように、抽出したこれらの情報を、通信端末300に出力する(ステップS220)。通信端末300は、サーバ装置100により出力された情報を第1通信部320を介して取得する。
【0034】
通信端末300は、サーバ装置100により出力されたこれらの情報のうち、場所の名称を表示部350に表示する。
図9(b)は、利用者が画像40Aを選択した後に表示される画面を示している。通信端末300は、サーバ装置100により出力された情報に基づき、番組で紹介された場所の名称を表す画像40Bを表示している。この例では、通信端末300は、「店舗A」、「飲食店B」、「飲食店C」、「飲食店D」、「E高原」、「旅館F」をそれぞれ表した複数の矩形の画像からなる画像40Bを表示している。通信端末300は、利用者が操作部340を操作することにより画像40Bに含まれる矩形の画像のいずれかが選択された場合、選択された画像により表される場所の詳細な情報を画面に表示する。
【0035】
図9(c)は、利用者が画像40Bのいずれかを選択した後に表示される画面を示している。この例では、図9(b)の画面において、「飲食店D」を表す画像が利用者により選択されたものとする。通信端末300は、サーバ装置100により出力された情報に基づき、選択された場所である「飲食店D」の詳細な情報を表示している。また、通信端末300は、「カーナビの目的地に設定」という文字列を含む画像40Cと「カーナビにシーンを転送」という文字列を含む画像40Dとを表示している。ここでいう「カーナビ」は、ナビゲーション装置200のことである。通信端末300は、利用者の操作により画像40Cが選択された場合(ステップS230)、選択された場所をナビゲーション装置200の目的地に設定するよう利用者により指示されたと判断する。そして、通信端末300は、サーバ装置100により出力された「飲食店D」の位置情報をナビゲーション装置200に送信する(ステップS240)。ナビゲーション装置200は、サーバ装置100により出力された位置情報を、通信端末300を介して取得する。ナビゲーション装置200は、取得した位置情報に基づき、目的地を設定する(ステップS250)。
【0036】
利用者により画像40Dが選択された場合(ステップS260)、通信端末300は、選択されたその場所が放送されたシーンをナビゲーション装置200に転送するよう利用者により指示されたと判断する。そして、通信端末300は、サーバ装置100により出力された「飲食店D」を放送していた時刻を表す情報(すなわち第2時刻情報)を記録装置400に送信する(ステップS270)。記録装置400は、サーバ装置100により出力された第2時刻情報を通信端末300を介して取得する。記録装置400は、蓄積した番組の第1記録データから、取得した第2時刻情報に対応する時刻に放送されたシーンの第2記録データを切り出す(ステップS280)。そして、記録装置400は、切り出した第2記録データをナビゲーション装置200に送信する(ステップS290)。ナビゲーション装置200は、記録装置400により送信された第2記録データを接続部220を介して取得し、記憶部230に記憶する。
【0037】
ナビゲーション装置200は、利用者が自動車30を運転する場合、ステップS250において設定された目的地までの経路を案内する(ステップS300)。具体的には、ナビゲーション装置200は、測位部260により取得した位置情報に基づき、自動車30が今いる位置から目的地までの経路を地図に重ねて画面に表示する。そして、ナビゲーション装置200は、経路における特定の箇所(交差点や高速道路出入口など)に差し掛かる前に音声処理部270によりその旨を知らせる音声を出力する。そして、ナビゲーション装置200は、ステップS290において記録装置400により送信された第2記録データをあらかじめ決められたタイミングで再生する(ステップS310)。具体的には、ナビゲーション装置200は、測位部260により取得した位置情報に基づき、目的地に対してあらかじめ決められた距離よりも近づいたか否かを判断する。そして、近づいたと判断した場合、ナビゲーション装置200は、記憶部230に記憶された第2記録データを表示部250により再生する。
【0038】
以上のとおり、本実施形態のナビゲーションシステム10によれば、利用者が視聴中の番組で紹介された場所の名称のメモを取ったりその名称を入力して検索したりすることなく、ナビゲーション装置200が目的地を設定することが可能である。よって、ナビゲーションシステム10は、利用者が視聴中の放送で紹介された場所をナビゲーション装置に目的地として設定するための手間を減らすことを可能とするものである。
また、本実施形態のナビゲーションシステム10によれば、記録装置400が上述した番組を記録している場合に、上述した場所に関連するシーンの第2記録データをナビゲーション装置200で再生することが可能である。よって、ナビゲーションシステム10は、利用者が目的地を正しく設定することを支援することが可能である。
【0039】
以下、図10から図13にかけて、サーバ装置100、ナビゲーション装置200、通信端末300及び記録装置400の各制御部の機能的構成をブロック図を用いて示す。
図10は、サーバ装置100の制御部110の機能的構成を示すブロック図である。取得部111は、通信端末300から第1時刻情報及びチャンネル情報を取得し、取得した情報を特定部112に供給する。取得部111は、本発明に係る「第1取得手段」の一例に相当する。特定部112は、供給された情報に基づき、利用者が視聴した番組のチャンネルとその利用者がその番組を視聴した時刻とを特定し、特定したチャンネル及び時刻を表す情報を抽出部113に供給する。特定部112は、本発明に係る「特定手段」の一例に相当する。抽出部113は、記憶部130から番組データを読み出し、読み出した番組データから、特定部112により特定されたチャンネル及び時刻に対応する番組に関する情報(位置情報及び第2時刻情報)を抽出し、抽出した情報を出力部114に供給する。抽出部113は、本発明に係る「抽出手段」の一例に相当する。出力部114は、抽出した情報を出力する。
【0040】
図11は、ナビゲーション装置200の制御部210の機能的構成を示すブロック図である。第1取得部211は、通信端末300により送信された位置情報を取得し、取得した位置情報を設定部212に供給する。第1取得部211は、本発明に係る「第2取得手段」の一例に相当する。設定部212は、第1取得部211により供給された位置情報に基づき、目的地を設定し、設定した目的地を表す情報を案内制御部213に供給する。設定部212は、本発明に係る「設定手段」の一例に相当する。案内制御部213は、記憶部230に記憶されている経路を案内するための地図であって、地図上の位置が位置情報に対応して特定される地図を表示させるように表示部250を制御するとともに、設定された目的地までの経路を案内するよう、各部を制御する。案内制御部213は、本発明に係る「案内制御手段」の一例に相当する。第2取得部214は、記録装置400により送信された第2記録データを取得し、取得した第2記録データを再生制御部215に供給する。第2取得部214は、本発明に係る「第4取得手段」の一例に相当する。再生制御部215は、供給された第2記録データを再生するよう、各部を制御する。再生制御部215は、本発明に係る「再生制御手段」の一例に相当する。
【0041】
図12は、通信端末300の制御部310の機能的構成を示すブロック図である。第1判断部311は、操作部340から通知される操作の内容から、利用者により番組をブックマークするための操作が行われたか否かを判断する。第1判断部311は、上述した操作が行われたと判断した場合、その旨を表す情報を生成部312に供給する。生成部312は、第1判断部311により上述した情報が供給された場合、チャンネル情報及び第1時刻情報を生成する。取得部314は、サーバ装置100により出力された情報を取得し、取得した情報を第2判断部315に供給する。第2判断部315は、ナビゲーション装置200による目的地の設定又は記録装置400による第2記録データの抽出を指示されたか否かを判断する。送信部313は、生成又は取得した情報をサーバ装置100、ナビゲーション装置200及び記録装置400に送信する。
【0042】
図13は、記録装置400の制御部410の機能的構成を示すブロック図である。取得部411は、通信端末300により送信された第2時刻情報を取得し、取得した第2時刻情報を切出部412に供給する。取得部411は、本発明に係る「第3取得手段」の一例に相当する。切出部412は、供給された第2時刻情報に基づき第1記録データから第2記録データを切り出し、送信部413に供給する。切出部412は、本発明に係る「切出手段」の一例に相当する。送信部413は、第2記録データをナビゲーション装置200に送信する。送信部413は、本発明に係る「送信手段」の一例に相当する。
【0043】
[変形例]
上述した実施形態は、本発明の実施の一例にすぎない。本発明は、上述した実施形態に対して、以下の変形を適用することが可能である。なお、以下に示す変形例は、必要に応じて、各々を適当に組み合わせて実施されてもよいものである。
【0044】
(変形例1)
上述した実施形態において、ナビゲーション装置200は、記録装置400により送信された第2記録データを様々な条件に基づき再生してもよい。例えば、ナビゲーション装置200は、第2記録データを、利用者により操作されることを条件として再生してもよいし、経路を案内している最中にあらかじめ決められた時刻になることを条件として再生してもよい。
【0045】
(変形例2)
ナビゲーション装置200は、上述した実施形態において、ネットワークNW3を介して位置情報及び第2記録データを取得したが、その他の方法でこれらの情報及びデータを取得してもよい。例えば、ナビゲーション装置200、通信端末300及び記録装置400は、電波又は赤外線等により無線通信を行う機能をそれぞれ有し、情報やデータを相互に直接送信したり受信したりすればよい。また、ナビゲーション装置200、通信端末300及び記録装置400は、SDメモリーカードなどのメモリ媒体の読み取りや書き込みをする機能をそれぞれ有してもよい。この場合、ナビゲーション装置200は、そのメモリ媒体を介して通信端末300から位置情報を取得し、記録装置400から第2記録データを取得する。ナビゲーション装置200は、自動車30が電気自動車でない場合であっても、上述した方法のいずれかにより位置情報及び第2記録データを取得すればよい。
【0046】
(変形例3)
サーバ装置100は、記憶部130に限らず、ネットワークNW1に接続する外部装置に蓄積された番組データから位置情報及び第2時刻情報を抽出してもよい。例えば、サーバ装置100は、ネットワークNW1を介して接続する記憶装置や各放送局700及び事後データ提供装置600などを外部装置として用いてもよい。この場合、サーバ装置100は、各外部装置に記憶された番組データをネットワークNW1を介して参照し、特定したチャンネル及び時刻に対応する位置情報及び第2時刻情報を抽出する。各外部装置は、本発明に係る「記憶手段」の一例に相当する。
【0047】
(変形例4)
サーバ装置100は、特定した場所の名称、位置情報及び第2時刻情報を、通信端末300を介さずに、直接ナビゲーション装置200又は記録装置400に送信してもよい。例えば、ネットワークNW3がネットワークNW1と接続し、サーバ装置100は、ネットワークNW1及びNW3を介してナビゲーション装置200又は記録装置400にこれらの情報を送信する。この場合、利用者は、ナビゲーション装置200を操作して、サーバ装置100により出力された場所の名称から、目的地とする場所を選択する。ナビゲーション装置200は、選択された場所の位置情報に基づき目的地を設定する。また、記録装置400は、サーバ装置100により出力された第2時刻情報を取得した場合、第1記録データから第2時刻情報に対応する第2記録データを切り出し、ナビゲーション装置200に送信する。
【0048】
(変形例5)
通信端末300は、ネットワークNW3と通信するための通信手段を無線LANに限定されない。通信端末300は、例えば、Bluetooth(登録商標)又はIrDA等の通信規格に準拠した通信手段を用いてネットワークNW3と通信してもよい。
【0049】
(変形例6)
通信端末300は、ナビゲーション装置200又は記録装置400に対して送信した情報(位置情報又は第2時刻情報)が届かない場合に、その情報を再送信してもよい。例えば、通信端末300は、送信が失敗した情報を記憶部330に記憶する。そして、通信端末300は、こうして記憶した時刻からあらかじめ決められた時間が経過した場合に、記憶した情報を元々の送信先の装置(ナビゲーション装置200又は記録装置400)に対して再送信する。通信端末300は、送信したデータをこれらの装置が受信することが確認できるまで、再送信を繰り返してもよい。
【0050】
図14は、本変形例に係る通信端末装置の制御部310aの機能的構成を示すブロック図である。制御部310aは、上述した実施形態の制御部310と共通する構成を含むが、送信部313に代えて送信部313aを備え、再送信制御部316aを備える点が異なる。送信部313aは、位置情報などをナビゲーション装置200などに送信する際、その情報を再送信制御部316aにも供給する。再送信制御部316aは、供給された情報を記憶部330に記憶させる。ここで、電源ケーブルが自動車30に接続されていない場合、送信部313aが送信した情報がナビゲーション装置200に届かず、送信が失敗する。この場合、本変形例においては、送信が失敗したことを表す情報がネットワークNW1、NW2、NW3に接続するルータ等から通信端末300に対して送信される。再送信制御部316aは、受信した情報により送信が失敗したと判断し、記憶部330に記憶させた情報を送信部313aに供給する。送信部313aは、供給された情報を再度ナビゲーション装置200などに送信する。
【0051】
図15は、本変形例に係るナビゲーション装置が放送された場所への経路を案内する処理の一例を示すシーケンスチャートである。図8に示すシーケンスチャートとは、制御部310aを有する通信端末300aが情報の送信に失敗した場合、その情報を再送信する点で異なる。通信端末300aは、ステップS240又はステップS270において送信した情報がナビゲーション装置200又は記録装置400に届かない場合、届かなかった情報を再送信する処理を行う(ステップS320)。通信端末300aは、この情報が送信先の装置に届くまで、ステップS240又はステップS270の処理とステップS320の処理とを繰り返す。
【0052】
(変形例7)
上述した変形例6においては、通信端末300aが各情報を再送信したが、他の装置が再送信してもよい。例えば、ネットワークNW3に接続されたルータやHGW(Home Gate Way:ホームゲートウェイ)が行ってもよい。また、ネットワークNW1とネットワークNW3が接続されている場合であれば、サーバ装置100が各情報をナビゲーション装置200及び記録装置400に対して再送信してもよい。
【0053】
(変形例8)
サーバ装置100は、複数の第2時刻情報から、第1時刻情報により特定される時刻を開始時刻と終了時刻との間に含むものを抽出してもよい。この場合、サーバ装置100は、抽出した第2時刻情報により表される開始時刻と終了時刻との間の時刻に対応する場所の名称、位置情報及び付帯する情報等を抽出すればよい。また、複数の第2時刻情報がいずれも互いに共通する時刻を有しない場合は、サーバ装置100が抽出する第2時刻情報は一つのみとなる。
【0054】
(変形例9)
通信端末300は、サーバ装置100により送信される情報により表される場所が、一カ所である場合、図9(b)に示した場所を選択する画面を表示することなく、図9(c)に示した場所に関する詳細な情報を表示してもよい。この場合、通信端末300は、利用者に場所を選択する操作をさせることなく、表示した場所に基づき目的地の設定又は第2記録データの送信を選択させればよい。
【0055】
(変形例10)
事後データにおいては、各情報が番組を識別する情報と対応付けられていてもよい。この場合、サーバ装置100は、第1時刻情報から番組を特定し、特定した番組を識別する情報に基づいて位置情報及び第2時刻情報を抽出すればよい。
【0056】
(変形例11)
通信端末300は、上述した実施形態においては、携帯電話機やスマートフォンであったが、通信機能を有する受像機500を遠隔操作する装置(いわゆるリモコン)であってもよい。この場合も、通信端末300は、上述した第1通信部320、記憶部330、操作部340、表示部350、第2通信部360、第3通信部370に相当する機能を有していればよい。
【0057】
(変形例12)
通信端末300は、上述した実施形態において表示した画像40A、40B、40C、40Dや番組データが表す情報を画面に表示させるため、専用のアプリケーションソフトウェアに限らず、ブラウザを用いてもよい。この場合、サーバ装置100は、これらの画像及び情報をブラウザに表示させるための情報を通信端末300に送信する。
【0058】
(変形例13)
ナビゲーションシステム10においては、位置情報は、緯度及び経度以外の情報であってもよく、それに基づきナビゲーション装置200が目的地を設定できる情報であればよい。例えば、ナビゲーション装置200が住所、電話番号又は施設名等で目的地を設定できる機能を有していれば、これらを表す情報が位置情報として用いられてもよい。
【0059】
(変形例14)
番組データには、上述した実施形態に示したもの以外に、様々な付帯する情報が含まれていてもよい。例えば、これらのデータには、紹介された店舗で利用できるクーポンや特売などの情報が含まれていてもよい。
【0060】
(変形例15)
本発明は、サーバ装置だけでなく、サーバ装置を含むナビゲーションシステムのいずれにも特定され得るものである。また、本発明は、コンピュータをサーバ装置として機能させるためのプログラムとしても特定され得るものである。かかるプログラムは、光ディスク等の記録媒体に記録した形態で提供されたり、インターネット等のネットワークを介して、コンピュータにダウンロードさせ、これをインストールして利用可能にするなどの形態で提供されたりすることも可能である。
【0061】
(変形例16)
本発明に係るナビゲーション装置200は、取得した場所に関する情報に基づいて、それらの場所を表す画像(アイコン)を地図上に重ねて表示したり、それらの場所が放送された番組のシーンを表す映像を表示したりすることで、目的地が選択されるようにしてもよい。
【0062】
図16は、本変形例に係る処理の一例を示すシーケンスチャートである。図16に示す例においては、ネットワークNW3がネットワークNW1と接続し、サーバ装置100がネットワークNW3を介して記録装置400と直接通信するものとする。サーバ装置100は、ステップS180において特定した番組に対応する情報を抽出する(ステップS210)。ここで抽出される情報は、ステップS160においてブックマークされた番組で放送された全ての場所に関する情報であり、これらの場所の位置情報、第2時刻情報、名称情報、付帯する情報などを含んだ情報である。サーバ装置100は、抽出したこれらの情報を、記録装置400に出力する(ステップS330)。記録装置400は、取得した情報を記憶し、蓄積した第1記録データから、取得した第2時刻情報に対応する時刻に放送されたシーンの第2記録データを切り出す(ステップS340)。そして、記録装置400は、切り出した第2記録データを取得した情報とともにナビゲーション装置200に送信する(ステップS350)。ナビゲーション装置200は、取得したこれらの情報を記憶する(ステップS360)。
【0063】
ナビゲーション装置200は、利用者が自動車30の運転を開始する際、目的地を設定するための地図を表示する場合がある。ナビゲーション装置200は、ステップS360において記憶した位置情報により表される位置が表示部250に表示する地図上に含まれる場合、その位置情報に対応する場所を表すアイコンを地図上の該当する位置に表示するとともに、その場所を放送した番組の映像を表示する(ステップS370)。
図17は、ナビゲーション装置200の画面の一例を示す図である。図17(a)は、経路が案内される前の地図上にアイコンが表示されている画面を示している。ナビゲーション装置200は、場所A、B、C、D表すアイコンを地図上の該当する位置に表示し、これらの場所を放送した番組の映像を画面上の地図と重ならない位置に表示している。これらの映像は、各場所を放送した番組を記録した第2記録データにより表される映像である。なお、ナビゲーション装置200は、これらの映像を地図上に重ねて表示してもよい。
【0064】
ナビゲーション装置200は、利用者の操作によりこれらの映像のいずれかが選択された場合、選択された映像により表される場所に対応する第2記録データを再生する(ステップS380)。図17(b)は、場所Aが放送されたシーンを表す第2記録データが再生されている画面を示している。ナビゲーション装置200は、第2記録データを再生するとともに、これに対応する場所の名称情報や付帯する情報と、「目的地に設定しますか?」という文字列を含んだ画像40Eとを表示する。ナビゲーション装置200は、利用者の操作により画像40Eが選択された場合に、場所Aを表す映像が選択されたと判断し、場所Aに対応する位置情報に基づいて場所Aを目的地に設定する(ステップS390)。なお、ナビゲーション装置200は、図17(a)に示すアイコンが利用者の操作により選択された場合に、選択されたアイコンに対応する場所の位置情報に基づいてその場所を目的地に設定してもよい。
【0065】
ナビゲーション装置200は、利用者が自動車30を運転する場合、ステップS380において設定された目的地までの経路を案内する(ステップS400)。経路を案内している間、ナビゲーション装置200は、測位部260により取得した位置情報に基づき、この位置情報により表される位置を含む地図をあらかじめ選択されている縮尺で表示する。そして、ナビゲーション装置200は、ステップS360において記憶した情報により表される場所のうち、表示する地図に含まれる場所を表すアイコン及び映像を画面に表示する(ステップS410)。図17(c)は、経路を案内するための地図、アイコン及び映像が表示されている画面を示している。ナビゲーション装置200は、場所A、E、F、Gを地図上に示し、これらの場所を表す映像を画面に示している。ナビゲーション装置200は、利用者の操作によりこれらの映像のいずれかが選択された場合、その映像に対応する第2記録データを再生する(ステップS420)。この場合も、ナビゲーション装置200は、ステップS390と同様の処理を行い、利用者の操作により、選択された映像に対応する場所を目的地に設定する(ステップS430)。
【0066】
図18は、ナビゲーション装置200の制御部210の機能的構成を示すブロック図である。図18は、図11に表示制御部216及び選択部217を加えたものであり、図11と相違する点を説明する。第1取得部211は、取得した位置情報を表示制御部216に供給する。第2取得部214は、取得した第2記録データを表示制御部216に供給する。案内制御部213は、表示部250を制御して表示させている地図上の領域を示すデータを表示制御部216に供給する。表示制御部216は、供給された位置情報により表される位置が表示されている地図上に含まれる場合、この位置情報に対応する場所を表す画像を地図上の該当する位置に重ねて表示させるとともに、この場所を放送した番組の映像を表示させるよう、表示部250を制御する。表示制御部216は、本発明に係る「表示制御手段」の一例に相当する。表示制御部216は、表示部250を制御して表示させた画像又は映像に対応する位置情報を選択部217に供給する。選択部217は、操作部240から通知された操作の内容に基づき利用者により選択された画像又は映像を判断し、これらに対応する位置情報を設定部212に供給する。設定部212は、第1取得部211により供給された位置情報が表す場所に代えて、選択部217により供給された位置情報が表す場所を目的地に設定し、設定した目的地を表す情報を案内制御部213に供給する。
【0067】
以上のとおり、本変形例に係るナビゲーションシステム10によれば、利用者が自動車を運転する場合に、過去にブックマークされた番組で放送された全ての場所の中からその場所に関する情報を見ながら目的地を設定することが可能である。よって、ナビゲーションシステム10は、利用者が過去に視聴した放送で紹介された場所を自動車の運転中に目的地として設定するための手間を減らし、かつ、目的地を正しく設定することを支援することが可能である。
【符号の説明】
【0068】
10…ナビゲーションシステム、20…住宅、30…自動車、100…サーバ装置、110…制御部、120…通信部、130…記憶部、200…ナビゲーション装置、210…制御部、220…接続部、230…記憶部、240…操作部、250…表示部、260…測位部、270…音声処理部、300…通信端末、310…制御部、320…第1通信部、330…記憶部、340…操作部、350…表示部、360…第2通信部、370…第3通信部、380…音声処理部、400…記録装置、410…制御部、420…第1通信部、430…記憶部、440…操作部、450…第2通信部、500…受像機、600…事後データ提供装置、700…放送局

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者により番組が視聴された時刻を表す第1時刻情報と当該番組が放送されたチャンネルを表すチャンネル情報とを当該利用者の通信端末から取得する第1取得手段と、
前記第1取得手段により取得された第1時刻情報及びチャンネル情報に基づいて、前記利用者が視聴していた番組のチャンネル及び当該利用者が当該番組を視聴した時刻を特定する特定手段と、
前記番組において放送された場所を表す位置情報を含む当該番組の内容を表す番組データを記憶する記憶手段から当該番組データを読み出し、前記特定手段により特定されたチャンネル及び時刻において放送された番組に対応する前記位置情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された位置情報を出力する出力手段と
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項2】
前記番組データは、
前記番組において放送された複数の場所に関して、放送が開始された開始時刻及び終了した終了時刻を表す複数の第2時刻情報を前記複数の場所毎に有し、
前記抽出手段は、
前記番組データを記憶する前記記憶手段から当該番組データを読み出し、前記複数の第2時刻情報から、前記第1時刻情報により特定される時刻を開始時刻と終了時刻との間に含むものを抽出し、
前記出力手段は、
前記抽出手段により抽出された第2時刻情報を出力する
ことを特徴とする請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
請求項1に記載のサーバ装置と、
前記出力手段により出力された位置情報を取得する第2取得手段と、前記第2取得手段により取得された位置情報が表す場所を目的地に設定する設定手段と、前記設定手段により設定された目的地までの経路の案内を制御する案内制御手段とを備えるナビゲーション装置と
を具備することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項4】
放送される番組の音声及び映像を表す第1記録データを記録する記録装置を備え、
前記サーバ装置は、
前記番組データが、前記番組において放送された複数の場所に関して、放送が開始された開始時刻及び終了した終了時刻を表す複数の第2時刻情報を前記複数の場所毎に有し、
前記抽出手段が、前記番組データを記憶する前記記憶手段から当該番組データを読み出し、前記複数の第2時刻情報から、前記第1時刻情報により特定される時刻を開始時刻と終了時刻との間に含むものを抽出し、
前記出力手段が、前記抽出手段により抽出された第2時刻情報を出力し、
前記記録装置は、
前記出力手段により出力された第2時刻情報を取得する第3取得手段と、前記第3取得手段により取得された第2時刻情報に基づき、前記第1記録データのうち当該第2時刻情報により表される時刻に記録された部分を第2記録データとして切り出す切出手段と、前記切出手段により切り出された第2記録データを前記ナビゲーション装置に送信する送信手段とを備え、
前記ナビゲーション装置は、
前記送信手段により送信された第2記録データを取得する第4取得手段と、前記第4取得手段により取得された第2記録データの再生を制御する再生制御手段とを備える
ことを特徴とする請求項3に記載のナビゲーションシステム。
【請求項5】
前記ナビゲーション装置は、
前記設定手段により設定された目的地に対してあらかじめ決められた距離よりも近づいた場合に、前記第4取得手段により取得された第2記録データの再生を前記再生制御手段により制御する
ことを特徴とする請求項4に記載のナビゲーションシステム。
【請求項6】
前記ナビゲーション装置は、
画像又は映像を表示する表示手段と、
前記第2記録データにより表される映像と前記場所を表す画像とを表示させるように前記表示手段を制御する表示制御手段と、
前記画像又は前記映像を選択する選択手段と
を備え、
前記案内制御手段は、前記経路を案内するための地図であって、当該地図上の位置が前記位置情報に対応して特定される地図を表示させるように前記表示手段を制御し、
前記表示制御手段は、前記第2取得手段により取得された位置情報と前記第4取得手段により取得された第2記録データとに基づき、前記案内制御手段により制御された地図上に当該位置情報により表される位置が含まれる場合、当該位置情報に対応する場所を表す画像を前記地図上の当該位置に表示させるとともに、当該場所を放送した番組の映像を表示させるように前記表示手段を制御し、
前記設定手段は、前記表示制御手段により制御された画像又は映像が前記選択手段により選択された場合に、前記第2取得手段により取得された位置情報が表す場所に代えて、当該選択された画像又は映像が表す場所を目的地に設定する
ことを特徴とする請求項4又は5に記載のナビゲーションシステム。
【請求項7】
利用者により番組が視聴された時刻を表す第1時刻情報と当該番組が放送されたチャンネルを表すチャンネル情報とを当該利用者の通信端末から取得する第1取得ステップと、
前記第1取得ステップにおいて取得された第1時刻情報及びチャンネル情報に基づいて、前記利用者が視聴していた番組のチャンネル及び当該利用者が当該番組を視聴した時刻を特定する特定ステップと、
前記番組において放送された場所を表す位置情報を含む当該番組の内容を表す番組データを記憶する記憶手段から当該番組データを読み出し、前記特定ステップにおいて特定されたチャンネル及び時刻において放送された番組に対応する前記位置情報を抽出する抽出ステップと、
前記抽出ステップにおいて抽出された位置情報を出力する出力ステップと
を備えることを特徴とする情報出力方法。
【請求項8】
コンピュータを、
利用者により番組が視聴された時刻を表す第1時刻情報と当該番組が放送されたチャンネルを表すチャンネル情報とを当該利用者の通信端末から取得する第1取得手段と、
前記第1取得手段により取得された第1時刻情報及びチャンネル情報に基づいて、前記利用者が視聴していた番組のチャンネル及び当該利用者が当該番組を視聴した時刻を特定する特定手段と、
前記番組において放送された場所を表す位置情報を含む当該番組の内容を表す番組データを記憶する記憶手段から当該番組データを読み出し、前記特定手段により特定されたチャンネル及び時刻において放送された番組に対応する前記位置情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された位置情報を出力する出力手段
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−73959(P2012−73959A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−219969(P2010−219969)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【出願人】(398067904)株式会社ビーマップ (5)
【Fターム(参考)】