説明

シリコーンエラストマーゲル

その分子中に少なくとも2つのSiH含有シクロシロキサン環を有するオルガノハイドロジェンシロキサン、その分子中に少なくとも2つの脂肪族不飽和炭化水素基を有する化合物、およびヒドロシリル化触媒の反応からのシリコーンエラストマーを含むゲル組成物。このシリコーンエラストマー反応生成物はそれ自体が、ゲル化組成物であっても、または場合により、担体液体中に含まれていてゲルを形成してもよい。このゲル組成物は、パーソナルケアまたはヘルスケア活性剤をさらに含んでいてもよい。この活性剤は、前添加法または後添加法のいずれかを介してゲル中に取り込まれてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、その分子中に少なくとも2つのSiH含有シクロシロキサン環を有するオルガノハイドロジェンシロキサン、その分子中に少なくとも2つの脂肪族不飽和炭化水素基を有する化合物、または化合物の混合物、およびヒドロシリル化触媒の反応からのシリコーンエラストマーを含むゲル組成物に関する。このシリコーンエラストマー反応生成物はそれ自体が、ゲル化組成物であっても、または場合により、担体液体中に含まれていてゲルを形成してもよい。このゲル組成物は、パーソナルケアまたはヘルスケア活性剤をさらに含んでいてもよい。この活性剤は、前添加法または後添加法のいずれかを介してゲル中に取り込まれてもよい。
【背景技術】
【0002】
本出願は、米国特許法119条(e)に基づいて、2006年3月21日に出願した米国特許出願第60/784340号、および2006年8月18日に出願した米国特許出願第60/838803号の利益を主張するものである。
【0003】
シリコーンエラストマーは、その特有のすべすべしたおよび粉状の感触プロファイルのために、パーソナルケア用途で広く使用されている。これらのエラストマーの大部分は、揮発性シリコーン液体およびイソドデカンなどの低極性有機溶媒をゲル化することができる。このようなシリコーンエラストマーの代表例は、米国特許第5880210号、および米国特許第5760116号で教示されている。シリコーンエラストマーと様々なパーソナルケア成分との相溶性を改良するために、シリコーンエラストマー骨格上にアルキル、ポリエーテル、アミンまたは他の有機官能基がグラフト化されている。このようなオルガノ官能性シリコーンエラストマーの代表的なものが、US 5811487、US 5880210、US 6200581、US 5236986、US 6331604、US 6262170、US 6531540、およびUS 6365670に教示されている。これらのシリコーンエラストマーの多くは、様々なパーソナルケア成分、パーソナルケア活性剤およびヘルスケア活性剤との相溶性が限定されている。これらのエラストマーは、パーソナルケア成分、パーソナルケア活性剤およびヘルスケア活性剤が存在する場合、増粘効率およびゲル化効率、ならびに感触の利点さえ失う。
【特許文献1】米国特許出願60/784340号
【特許文献2】米国特許出願60/838803号
【特許文献3】米国特許第5880210号
【特許文献4】米国特許第5760116号
【特許文献5】US 5811487
【特許文献6】US 6200581
【特許文献7】US 5236986
【特許文献8】US 6331604
【特許文献9】US 6262170
【特許文献10】US 6531540
【特許文献11】US 6365670
【特許文献12】WO 03/093349
【特許文献13】WO 03/093369
【特許文献14】Willing、米国特許第3419593号
【特許文献15】Brownら、米国特許第5175325号
【特許文献16】Leeら、米国特許第3989668号
【特許文献17】Changら、米国特許第5036117号
【特許文献18】Ashby、米国特許第3159601号
【特許文献19】Lamoreaux、米国特許第3220972号
【特許文献20】Chalkら、米国特許第3296291号
【特許文献21】Modic、米国特許第3516946号
【特許文献22】Karstedt、米国特許第3814730号
【特許文献23】Chandraら、米国特許第3928629号
【特許文献24】米国特許出願第10/017229号
【特許文献25】米国特許第6200581号
【非特許文献1】連邦規制基準タイトル21、第1章、パート200〜299およびパート300〜499
【非特許文献2】、Perfume and Flavour Chemicals、1969、S. Arctander、Montclair、ニュージャジー州
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
シリコーンエラストマーの様々なパーソナルケア成分および活性剤との相溶性をさらに改良する必要が存在する。
【0005】
しかし、揮発性シリコーンなどの揮発性化粧用液体のゲル化効率をシリコーンエラストマーによってさらに改良する、特に、揮発性化粧用液体にシリコーンエラストマーを加えることによってレオロジー的増粘効果を改良することが依然として必要である。さらに、ゲル化組成物に対して、ゲル化シリコーン組成物の透明度の改良、および/または皮膚上に適用した場合の美観の改良などの他の利点も要求される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、環状オルガノハイドロジェンシロキサンから誘導されるシリコーンエラストマーが、ゲル化組成物を効果的にもたらすことを見出した。得られたゲル化組成物は、美観の改良およびパーソナルケア成分および活性剤との相溶性の改良などの他の利点も有する。
【0007】
この開示は、
A)その分子中に少なくとも2つのSiH含有シクロシロキサン環を有するオルガノハイドロジェンシロキサン、
B)その分子中に少なくとも2つの脂肪族不飽和炭化水素基を有する化合物または化合物の混合物、
C)ヒドロシリル化触媒、
および;
D)任意の担体液体
の反応からのシリコーンエラストマーを含むゲル組成物に関する。
【0008】
この開示はさらに、
I)
a)シロキサン環上に少なくとも2つのSiH単位を有するオルガノハイドロジェンシクロシロキサン
B)その分子中に少なくとも2つの脂肪族不飽和炭化水素基を有する化合物または化合物の混合物、および
C)ヒドロシリル化触媒
を反応させて、
A)その分子中に少なくとも2つのSiH含有シクロシロキサン環を有するオルガノハイドロジェンシロキサン
[ここで、成分B)の脂肪族不飽和基に対する成分a)のSiH単位のモル比は、2/1〜8/1の範囲である]
を形成する段階と、
II)
A)その分子中に少なくとも2つのSiH含有シクロシロキサン環を有するオルガノハイドロジェンシロキサンを、追加量の
B)その分子中に少なくとも2つの脂肪族不飽和基を含む化合物または化合物の混合物、および
C)ヒドロシリル化触媒と、
D)任意の担体液体、および
E)パーソナルケアまたはヘルスケア活性剤
の存在下で、さらに反応させて、シリコーンエラストマーゲルを形成する段階と
を含む、活性剤を含むシリコーンエラストマーゲルを調製する方法に関する。
【0009】
パーソナルケアまたはヘルスケア活性剤は、シリコーン有機エラストマーゲルの形成中に活性剤を存在させる(前添加法)か、または活性剤を形成されシリコーン有機エラストマーゲルと混合すること(後添加法)によって、シリコーン有機エラストマーゲル中に取り込まれてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(A)少なくとも2つのSiH含有シクロシロキサン環を有するオルガノハイドロジェンシロキサン
本発明の成分(A)は、その分子中に少なくとも2つのSiH含有シクロシロキサン環を有するオルガノハイドロジェンシロキサンである。本発明の成分A)として適したオルガノハイドロジェンシロキサンは、その分子中に少なくとも2つのシクロシロキサン環を有する任意のオルガノポリシロキサンであり、各シロキサン環は少なくとも1つのケイ素結合水素(SiH)を有している。オルガノポリシロキサンは、当技術分野でよく知られており、任意の数の(R3SiO0.5)、(R2SiO)、(RSiO1.5)、または(SiO2)シロキシ単位(ここで、Rは独立に任意の有機基である)を含むものとして指定されることが多い。オルガノポリシロキサンのシロキシ単位の式においてRがメチルの場合、それぞれのシロキシ単位は、M、D、TまたはQシロキシ単位と称されることが多い。シクロシロキサン環は、少なくとも3つのシロキシ単位(即ち、シロキサン環を形成するために最低限必要である)を含み、環状構造を形成する(R3SiO0.5)、(R2SiO)、(RSiO1.5)、または(SiO2)シロキシ単位の任意の組合せとすることができ、但し、各シロキサン環上の少なくとも1つのシロキシ単位は、1つのSiH単位を含む、即ち、その環中に存在する少なくとも1つの(R2HSiO0.5)、(RHSiO)、または(HSiO1.5)シロキシ単位がある。Rがメチルの場合、これらのシロキシ単位は、それぞれMH、DH、およびTHシロキシ単位と表すことができる。
【0011】
A)オルガノハイドロジェンシロキサンのシクロシロキサン環は、二価の有機基またはシロキサン基、あるいはその組合せによって一緒に連結されている。この二価の連結基をYとして、およびこのシクロシロキサンをGと示すことができる。したがって、本発明のオルガノハイドロジェンシロキサンは、一般式G-[Y-G]α(式中、Gは、上記の通りのシクロシロキサンであり、Yは、二価の有機基、シロキサン基、ポリオキシアルキレン基、またはその組合せであり、下付き文字αは、0を超える)で表すことができる。
【0012】
Yが二価の有機物の場合、脂肪族かまたは芳香族の構造としての、1〜30個の炭素を含む二価の炭化水素であり、分枝であるか、または非分枝であってもよい。あるいは、Yは2〜20個の炭素、あるいは4〜12個の炭素を含むアルキレン基とすることができる。
【0013】
Yが二価の有機物の場合、ポリオキシアルキレン基などの有機ポリマーから選択することもできる。
【0014】
Yがシロキサン基の場合、少なくとも2つの二価の炭化水素基(R1と示される)を含む任意のオルガノポリシロキサンから選択することができる。したがって、このシロキサン連結基は、平均式R1RmSiO(4-m)/2
[式中、
Rは有機基であり、
R1は二価の炭化水素であり、
mは0〜3である]
で表される少なくとも2つのシロキサン単位を含む任意のオルガノポリシロキサンとすることができる。
このR1基は、オルガノポリシロキサン分子中の任意のモノ、ジ、またはトリ-シロキシ単位上に[例えば;(R1R2SiO0.5)、(R1RSiO)、または(R1SiO1.5)]、ならびにR1置換基を含まない他のシロキシ単位、例えば、(R3SiO0.5)、(R2SiO)、(RSiO1.5)、または(SiO2)シロキシ単位(ここで、Rは独立に、任意の有機基である)と組み合わせて存在することができ、但し、このオルガノポリシロキサン中には少なくとも2つのR1置換基が存在する。代表的なR1基には、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、ヘキシレン、および類似の同族体が含まれる。あるいは、R1はエチレンである。
【0015】
シロキサン連結基として適したこのようなシロキサンをベースとする構造の代表的な、非限定的例には、
(R2R1SiO0.5)(R2SiO)x(R2R1SiO0.5)
(R3SiO0.5)(R2SiO)x(R1RSiO)y(R3SiO0.5)
(R3SiO0.5)(R2SiO)x(R1RSiO)y(RSiO1.5)z(R3SiO0.5)
(ここで、x≧0、y≧2、z≧0である)
が含まれる。
【0016】
少なくとも2つのSiH含有シクロシロキサン環を有するオルガノハイドロジェンシロキサン(成分A)は、
a)そのシロキサン環上に少なくとも2つのSiH単位を有するオルガノハイドロジェンシクロシロキサンと、
B)その分子中に少なくとも2つの脂肪族不飽和基を有する化合物または化合物の混合物のヒドロシリル化反応を介して調製することができる。
そのシロキサン環上に少なくとも2つのSiH単位を有するオルガノハイドロジェンシクロシロキサン(a)は、シクロシロキサン環上に少なくとも2つのSiH単位が存在する限り、任意の数のシロキシ単位(上記で定義された通りの)を含んでいてもよい。例えば、この環状シロキサンは、任意の数のM、MH、D、DH、またはTHシロキシ単位を含むことができる。成分(A)を調製するのに有用なこのようなオルガノハイドロジェンシクロシロキサンの代表的な、非限定的例は、平均式DHaDb(式中、a≧1であり、b≧0であり、a+b≧3である)を有する。あるいは、このオルガノハイドロジェンシクロシロキサンは、式[(CH3)HSiO]g(式中、gは3〜8、例えば、DH4、DH5、DH6、またはその混合物である)を有するものから選択してもよい。
【0017】
その分子中に少なくとも2つの脂肪族不飽和炭化水素基を含む、適した化合物は成分B)として以下に説明する。
【0018】
オルガノハイドロジェンシロキサンおよび不飽和化合物が関与するヒドロシリル化反応はよく知られている。当技術分野で既知の任意の適したヒドロシリル化触媒を使用してもよく、あるいは、成分C)として以下に説明するものから選択してもよい。a)そのシロキサン環上に少なくとも2つのSiH単位を有するオルガノハイドロジェンシクロシロキサンと、B)その分子中に少なくとも2つの脂肪族不飽和基を有する化合物または化合物の混合物から成分A)を調製するために、任意の既知のヒドロシリル化技術および反応を使用してもよい。しかし、この反応は、その分子中に少なくとも2つのSiH含有シクロシロキサン環を有するオルガノハイドロジェンシロキサンをもたらすように実施される。
【0019】
したがって、本発明の成分Aは、1分子当たり少なくとも2個のケイ素結合水素原子、あるいは、1分子当たり少なくとも4個のケイ素結合水素原子、あるいは、1分子当たり少なくとも6個のケイ素結合水素原子を含む。これは、ヒドロシリル化反応において、その分子中に少なくとも2つの脂肪族不飽和基を含む化合物に対するa)そのシロキサン環上に少なくとも2つのSiH単位を有するオルガノハイドロジェンシクロシロキサンのモル過剰を使用することによって達成することができる。このモル過剰は、不飽和基に対するSiH単位のモル比として表すことができ、このような比は、2/1〜8/1、あるいは2/1〜6/1、あるいは3/1〜4/1の範囲とすることができる。
【0020】
あるいは、成分A)として有用なオルガノハイドロジェンシロキサンは、WO 03/093349(適したオルガノハイドロジェンシロキサンの教示のために、参照により本明細書に援用する)で教示される任意のオルガノハイドロジェンシロキサンから選択してもよい。
【0021】
本発明において成分A)として有用なオルガノハイドロジェンシロキサンは、典型的には5〜50000mPa.s、あるいは10〜10000mPa.s、あるいは25〜2000mPa.sの粘度を有する。
【0022】
成分A)の代表的な、非限定的例には、
【0023】
【化1】

【0024】
が含まれる。
【0025】
禁止剤または安定剤として既知の添加剤を成分A)に添加してもよい。WO 03/093369に記載のものなどの禁止剤を、成分A)を貯蔵中に、またはシリコーンエラストマーゲルを調製するために成分B)を加える前に安定化する目的で添加してもよい。この禁止剤は、白金ベースのヒドロシリル化の禁止作用を有することが知られている任意の化合物から選択してもよい。既知の禁止剤の例には、トリフェニルホスフェート、トコフェロール(ビタミンE)、およびブチル化ヒドロキシトルエンが含まれる。特に好ましい禁止剤は、ビタミンAパルミテートまたはVAPがある。VAPが使用される場合、典型的には、成分A)100部当たり0.05〜2.0部を添加する。
【0026】
(B)その分子中に少なくとも2つの脂肪族不飽和炭化水素基を有する化合物または化合物の混合物
成分(B)は、その分子中に少なくとも2つの脂肪族不飽和基を含む化合物、または任意の化合物の混合物である。この化合物は、任意のジエン、ジインまたはエン-イン化合物とすることができる。ジエン、ジインまたはエン-イン化合物は、その分子中に少なくとも2つの脂肪族不飽和基が存在し、分子内のその基同士はある程度離れている化合物(ポリマー化合物を含む)である。典型的には、この不飽和基は、この化合物の末端にあり、ポリマー化合物の部分の場合は懸垂している。末端または懸垂不飽和基を含む化合物は、式R2-Y-R2(式中、R2は、2〜12個の炭素原子を含む一価の不飽和脂肪族炭化水素基であり、Yは、二価の有機基またはシロキサン基あるいはその組合せである)で表すことができる。典型的には、R2は、CH2=CH-、CH2=CHCH2-、CH2=CH(CH2)4-、CH2=C(CH3)CH2-またはCH≡C-、およびH2C=C(CH3)-、およびHC≡C(CH3)-などの、類似の置換された不飽和基である。
【0027】
成分B)として式R2-Y-R2を有する化合物は、Yの選択に応じて、「有機」、「炭化水素」、「有機ポリマー」、「ポリエーテル」または「シロキサン」、あるいはその組合せとみなすことができる。Yは、二価の炭化水素、シロキサン、ポリオキシアルキレン、ポリアルキレン、ポリイソアルキレン、炭化水素-シリコーンコポリマー、またはその混合物とすることができる。
【0028】
一実施形態では、成分(B)は、式R2-Y1-R2(式中、R2は、2〜12個の炭素原子を含む一価の不飽和脂肪族基であり、Y1は二価の炭化水素である)を有する有機化合物(本明細書では(B1)と表される)から選択される。この二価の炭化水素Y1は、脂肪族か、または芳香族の構造として1〜30個の炭素を含み得て、分枝または非分枝であってもよい。あるいは、Bl中の連結基Y1は、1〜12個の炭素を含むアルキレン基あってもよい。成分(Bl)は、1〜30個の炭素を含むα,ω-不飽和アルケンまたはアルキン、およびその混合物から選択してもよい。成分(B1)は、限定するものではないが、1,4-ペンタジエン、1,5-ヘキサジエン、1,6-ヘプタジエン、1,7-オクタジエン、1,8-ノナジエン、1,9-デカジエン、1,11-ドデカジエン、1,13-テトラデカジエン、および1,19-エイコサジエン、1,3-ブタジイン、1,5-ヘキサジイン(ジプロパルギル)、および1-ヘキセン-5-インで例示することができる。
【0029】
他の実施形態では、成分(B)は、R2-Y2-R2化合物(式中、Y2はシロキサンである)から選択される(本明細書では(B2)と表される)。Y2シロキサン基は、R2として示される脂肪族不飽和を有する少なくとも2つの有機基に結合されて、R2-Y2-R2構造を形成する任意のオルガノポリシロキサンから選択することができる。したがって、成分(B2)は、平均式R2RmSiO(4-m)/2
[式中、
Rは有機基であり、
R2は、上記で定義された通りの一価の不飽和脂肪族基であり、
mは0〜3である]
で表される少なくとも2つのシロキサン単位を含む任意のオルガノポリシロキサン、およびその混合物とすることができる。
【0030】
このR2基は、オルガノポリシロキサン分子中の任意のモノ、ジ、またはトリシロキシ単位上に[例えば;(R2R2SiO0.5)、(R2RSiO)、または(R2SiO1.5)]、およびR2置換基を含まない他のシロキシ単位、例えば、(R3SiO0.5)、(R2SiO)、(RSiO1.5)、または(SiO2)シロキシ単位(ここで、Rは独立に、任意の有機基、あるいは1〜30個の炭素を含む炭化水素、あるいは1〜30個の炭素を含むアルキル基、あるいはメチルである)と組み合わせて存在することができ、但し、このオルガノポリシロキサン中には少なくとも2つのR2置換基が存在する。
【0031】
成分(B2)として適した、このようなシロキサンベースのR2-Y2-R2構造の代表的な、非限定的例には、
(R2R2SiO0.5)(SiO2)w(R2R2SiO0.5)
(R2R2SiO0.5)(SiO2)w(R2SiO)x(R2R2SiO0.5)
(R2R2SiO0.5)(R2SiO)x(R2R2SiO0.5)
(R3SiO0.5)(R2SiO)x(R2RSiO)y(R3SiO0.5)
(R3SiO0.5)(R2SiO)x(R2RSiO)y(RSiO1.5)z(R3SiO0.5)
(R3SiO0.5)(R2SiO)x(R2RSiO)y(SiO2)w(R3SiO0.5)
[ここで、w≧0であり、x≧0であり、y≧2であり、z≧0であり、Rは有機基であり、
R2は一価の不飽和脂肪族炭化水素基である]
が含まれる。
【0032】
B2は、平均式
CH2=CH(Me)2SiO[Me2SiO]XSi(Me)2CH=CH2
CH2=CH-(CH2)4-(Me)2SiO[Me2SiO]xSi(Me)2-(CH2)4-CH=CH2
Me3SiO[(Me)2SiO]x[CH=CH(Me)SiO]ySiMe3
[式中、Meはメチルであり、
x≧0であり、あるいはxは0〜200であり、あるいはxは10〜150であり、
y≧2であり、あるいはyは2〜50であり、あるいはyは2〜10である]
を有するものなどの、ビニル官能性ポリジメチルシロキサン(ビニルシロキサン)またはヘキセニル官能性ポリジメチルシロキサン(ヘキセニルシロキサン)から選択することができる。
ビニル官能性ポリジメチルシロキサンは、既知であり、市販されている多数のものがある。
【0033】
他の実施形態では、成分(B)は、式R2-Y3-R2化合物[式中、R2は上記で定義された通りであり、Y3は、式(CnH2nO)b(ここで、nは2と4を含めた間であり、
bはを2超であり、
あるいは、bは2〜200の範囲とすることができ、
あるいは、bは2〜100の範囲とすることができる)
を有するポリオキシアルキレン基である]
を有するポリエーテル化合物(本明細書では(B3)と表される)から選択される。
このポリオキシアルキレン基は、典型的には、オキシエチレン単位(C2H4O)、オキシプロピレン単位(C3H6O)、オキシブチレンまたはオキシテトラメチレン単位(C4H8O)、あるいはその混合物を含むことができる。したがって、R2-Y3-R2化合物は、式R2-[(C2H4O)C(C3H6O)d(C4H8O)e]-R2(式中、c、d、およびeは、それぞれ独立に、0〜200の範囲とすることができ、但し、c+d+eの和は2超であり、あるいは、c+d+eの和は、2〜200の範囲であり、あるいはc+d+eの和は、2〜100の範囲である)
を有するポリオキシアルキレン基から選択することができる。
【0034】
あるいは、このポリオキシアルキレン基は、オキシプロピレン単位(C3H6O)dのみを含む。ポリオキシプロピレン含有R2-Y3-R2化合物の代表的な、非限定的例には、
H2C=CHCH2[C3H6O]dCH2CH=CH2
H2C=CH[C3H6O]dCH=CH2
H2C=C(CH3)CH2[C3H6 O]dCH2C(CH3)=CH2
HC≡CCH2[C3H6O]dCH2C≡CH
HC≡CC(CH3)2[C3H6O]dC(CH3)2C≡CH
[ここで、dは上記で定義された通りである]
が含まれる。
ポリオキシブチレンまたはポリ(オキテトラメチレン)含有R2-Y3-R2化合物の代表的な、非限定的例には、
H2C=CHCH2[C4H8O]eCH2CH=CH2
H2C=CH[C4H8O]eCH=CH2
H2C=C(CH3)CH2[C4H8O]eCH2C(CH3)=CH2
HC≡CCH2[C4H8O]eCH2C≡CH
HC≡CC(CH3)2[C4H8O]eC(CH3)2C≡CH
が含まれる。
成分B)は、様々なポリエーテルの混合物、即ち、B3成分の混合物とすることもできる。
【0035】
他の実施形態では、成分(B)は、R2-Y4-R2化合物(式中、R2は上記で定義された通りであり、Y4は、C2〜C6アルキレン単位またはその異性体から選択されるポリアルキレン基である)から選択される(本明細書では(B4)と表される)。一例には、イソブチレン単位を含むポリマーであるポリイソブチレン基がある。このポリイソブチレン基の分子量は変化してもよいが、典型的には、100〜10000g/モルの範囲である。ポリイソブチレン基を含むR2-Y-R2化合物の代表的な、非限定的例には、OPPONOL BV 5K、平均分子量5000g/モルを有するジアリル末端ポリイソブチレンなどの、OPPONOL BVの商標名としてBASFから得られるものが含まれる。
【0036】
さらに他の実施形態では、成分(B)は、R2-Y5-R2化合物(式中、R2は上記で定義された通りであり、Y5は炭化水素-シリコーンコポリマー基である)
から選択される(本明細書では(B5)と表される)。この炭化水素-シリコーンコポリマー基は、式
-[R1u(R2SiO)v]q-
[式中、R1およびRは、上記で定義された通りであり、
uおよびvは、独立に≧1であり、あるいは、uは1〜20の範囲であり、
あるいは、vは2〜500、または2〜200の範囲であり、
qは>1であり、あるいは、qは2〜500の範囲であり、あるいは、qは2〜100の範囲である]
を有し得る。
炭化水素-シリコーンコポリマー基を有するR2-Y5-R2化合物は、B1として上記のものなどのα-ω不飽和炭化水素と、オルガノハイドロジェンシロキサンの間のヒドロシリル化反応を介して調製してもよい。このような反応の代表的な、非限定的例を以下に示す。
【0037】
【化2】

【0038】
成分(B)は、B1、B2、B3、B4、およびB5の任意の組合せなどの、任意のジエン、ジインまたはエン-イン化合物の混合物とすることもできる。
【0039】
本発明の組成物を調製するために使用される成分(A)および成分(B)の量は、個々の成分および所望の脂肪族不飽和に対するSiHの比により決まる。本発明の組成物を調製するのに有用な、成分(B)からの脂肪族不飽和に対する成分(A)中のSiHの比は、10:1〜1:10、あるいは5:1〜1:5、あるいは4:1〜1:4とすることができる。
【0040】
成分(A)および(B)が、本発明の組成物中で脂肪族不飽和基およびSiH含有基を含む唯一の材料でない場合、上記の比は、これらの唯一の成分だけでなく組成物中に存在するこのような基の総量にかかわる。
【0041】
(C)ヒドロシリル化触媒
成分(C)は、ヒドロシリル化反応に典型的に使用される任意の触媒を含む。白金族金属含有触媒を使用することが好ましい。白金族とは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウムおよび白金およびその錯体を意味する。本発明の組成物を調製するのに有用な白金族金属含有触媒は、Willing、米国特許第3419593号およびBrownら、米国特許第5175325号に記載の通り調製される白金錯体である(このような錯体およびその調製を示すために、それぞれを参照により本明細書に援用する)。有用な白金族金属含有触媒の他の例は、Leeら、米国特許第3989668号;Changら、米国特許第5036117号;Ashby、米国特許第3159601号;Lamoreaux、米国特許第3220972号;Chalkら、米国特許第3296291号;Modic、米国特許第3516946号;Karstedt、米国特許第3814730号;およびChandraら、米国特許第3928629号に見出すことができる(有用な白金族金属含有触媒およびその調製法を示すために、これらのすべてを参照により本明細書に援用する)。白金含有触媒は、白金金属、シリカゲルまたは粉末状木炭などの、担体上に堆積された白金金属、または白金族金属の化合物もしくは錯体とすることができる。好ましい白金含有触媒には、六水和物の形態か、または無水の形態の塩化白金酸、および/または塩化白金酸をジビニルテトラメチルジシロキサンなどの脂肪族系不飽和有機ケイ素と反応させることを含む方法よって得られる白金含有触媒、または、2001年12月7日に出願した、米国特許出願第10/017229号に記載されたアルケン-白金-シリル錯体、例えば、(COD)Pt(SiMeCl2)2(式中、CODは1,5-シクロオクタジエンであり、Meはメチルである)が含まれる。これらのアルケン-白金-シリル錯体は、例えば、(COD)PtC12 0.015モルをCOD 0.045モルおよびHMeSiC12 0.0612モルと混合することによって調製することができる。
【0042】
この触媒の適当な量は、使用される個々の触媒により決まる。この白金触媒は、組成物中の固体の総重量%(すべての非溶媒成分)に対して、白金を少なくとも2ppm、好ましくは4〜200ppm供給するのに十分な量で存在するべきである。この白金は、同じ基準で白金を4〜150重量ppm供給するのに十分な量で存在することが極めて好ましい。この触媒は、単一の化学種として、または2つ以上の異なる化学種の混合物として添加してもよい。
【0043】
(D)担体液体
このシリコーンエラストマーは、任意の担体液体(D)中に含まれていてもよい。必要とはされないが、典型的には、担体液体は、上記のヒドロシリル化反応を実施するために使用した溶媒と同じであり得る。適した担体液体には、直鎖および環状の両方のシリコーン、有機油、有機溶媒およびその混合物が含まれる。溶媒の具体例が、米国特許第6200581号に見られ、この目的で参照により本明細書に援用する。
【0044】
典型的には、この担体液体は、25℃で1〜1000mm2/秒の範囲の粘度を有する、低粘度シリコーンまたは揮発性メチルシロキサンまたは揮発性エチルシロキサンまたは揮発性メチルエチルシロキサン、例えば、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン、テトラデカメチルヘキサシロキサン、ヘキサデカメチルヘプタシロキサン、ヘプタメチル-3-{(トリメチルシリル)オキシ)}トリシロキサン、ヘキサメチル-3,3-ビス{(トリメチルシリル)オキシ}トリシロキサン、ペンタメチル{(トリメチルシリル)オキシ}シクロトリシロキサンおよびポリジメチルシロキサン、ポリエチルシロキサン、ポリメチルエチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリジフェニルシロキサンである。
【0045】
有機溶媒は、限定するものではないが、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、アルコール、アルデヒド、ケトン、アミン、エステル、エーテル、グリコール、グリコールエーテル、アルキルハライドおよび芳香族ハライドで例示することができる。イソドデカン、イソヘキサデカン、アイソパーL(C11〜C13)、アイソパーH(C11〜C12)、水素化ポリデセンを含む炭化水素。ネオペンタン酸イソデシル、ネオペンチルグリコールヘプタノエート、グリコールジステアレート、炭酸ジカプリリル、炭酸ジエチルヘキシル、プロピレングリコールn-ブチルエーテル、3-エトキシプロピオン酸エチル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、ネオペンタン酸トリデシル、プロピレングリコールメチルエーテル(PGME)、ネオペンタン酸オクチルドデシル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジイソプロピル、プロピレングリコールジカプリレート/ジカプレート、およびパルミチン酸オクチルを含むエーテルおよびエステル。単体化合物としてまたは担体液体に対する成分として適した他の有機担体液体には、脂肪、油、脂肪酸、および脂肪アルコールが含まれる。
【0046】
担体液体の量は、(A)および(B)および(D)を含む組成物中で(ここで、(A)、(B)、および(D)の和が100重量%である)、0〜98重量%、あるいは0.5〜90重量%、あるいは5〜80重量%の担体液体が存在するようにする。
【0047】
E)パーソナルケアまたはヘルスケア活性剤
成分E)は、任意のパーソナルケアまたはヘルスケア活性剤から選択される活性剤である。本明細書では、「パーソナルケア活性剤」とは、美容および/または審美上の利益をもたらすために毛髪または皮膚を処理する目的で典型的に添加される、パーソナルケア配合物中の添加剤として、当技術分野で既知の任意の化合物または化合物の混合物を意味する。「ヘルスケア活性剤」とは、薬剤または医薬の効果をもたらすことが当技術分野で既知の任意の化合物または化合物の混合物を意味する。したがって、「ヘルスケア活性剤」には、一般に使用され、米国保険社会福祉省食品医薬品局によって規定され、連邦規制基準タイトル21、第1章、パート200〜299およびパート300〜499に含まれている活性成分または活性薬物成分とみなされる物質が含まれる。
【0048】
したがって、活性成分は、疾患の診断、治癒、緩和、治療、または予防において、薬理学的活性または他の直接的効果を提供すること、あるいはヒトまたは他の動物の体の構造または任意の機能に作用することを意図した任意の成分を含むことができる。この語句は、製剤の製造中に化学変化を受けることができ、特定の活性または作用を提供することを意図した変性された形態で製剤中に存在することができる成分を含むことができる。
【0049】
活性成分のいくつかの代表例には、薬物、ビタミン、ミネラル;ホルモン;抗生物質活性成分、水虫、いんきんたむし、または白癬の治療のための抗真菌薬活性成分、および座瘡薬活性成分などの局所用抗菌薬;収斂剤活性成分;防臭剤活性成分;いぼ除去剤活性成分;うおのめおよびカルス除去剤活性成分;頭ジラミ、陰部シラミ(ケジラミ)、および体シラミを処置するための殺シラミ薬活性成分;ふけ、脂漏性皮膚炎、または乾癬の抑制のための活性成分;および日焼け予防および治療薬が含まれる。
【0050】
本発明による方法で用いるのに有用な活性成分には、「プロビタミン」を含むビタミンおよびその誘導体が含まれる。本明細書で有用なビタミンには、限定するものではないが、ビタミンA1、レチノール、レチノールのC2〜C18エステル、ビタミンE、トコフェロール、ビタミンEのエステル、およびその混合物が含まれる。レチノールには、trans-レチノール、1,3-cis-レチノール、11-cis-レチノール、9-cis-レチノール、および3,4-ジデヒドロ-レチノール、ビタミンCおよびその誘導体、ビタミンB1、ビタミンB2、プロビタミンB5、パンテノール、ビタミンB6、ビタミンB12、ナイアシン、葉酸、ビオチン、およびパントテン酸が含まれる。本明細書に含まれるとみなされるビタミンに関する他の適したビタミンおよびINCI名には、ジパルミチン酸アスコルビル、アスコルビルメチルシラノールペクチネート、パルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビル、アスコルビルグルコシド、リン酸アスコルビルナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、硫酸アスコルビル二ナトリウム、リン酸(アスコルビル/トコフェリル)カリウムがある。
【0051】
レチノールは、ビタミンAに対して、化粧品、トイレタリー、および芳香製品協会(CTFA)、Washington DCによって指定された化粧品原料国際名(INCI)であることに留意されたい。本明細書に挙げることができるとみなされるビタミンに関する他の適したビタミンおよびINCI名には、酢酸レチニル、パルミチン酸レチニル、プロピオン酸レチニル、α-トコフェロール、トコフェルソラン、酢酸トコフェリル、リノール酸トコフェリル、ニコチン酸トコフェリル、およびコハク酸トコフェリルがある。
【0052】
本明細書で使用するのに適した市販されている製品のいくつかの例には、ビタミンAアセテートおよびビタミンC(Fluka Chemie AG、Buchs、スイスの2つの製品);COVI-OXT-50(Henkel Corporation、La Grange、イリノイ州のビタミンE製品);COVI-OXT-70(Henkel Corporation、La Grange、イリノイ州の他のビタミンE製品);およびビタミンEアセテート(Roche Vitamines & Fine Chemicals、Nutley、ニュージャジー州の製品)がある。
【0053】
本発明による方法に使用される活性成分は、活性薬物成分とすることができる。使用することができるいくつかの適した活性薬物成分の代表例には、ヒドロコルチゾン、ケトプロフェン、チモロール、ピロカルピン、アドリアマイシン、マイトマイシンC、モルヒネ、ヒドロモルフォン、ジルチアゼム、テオフィリン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ヘパリン、ペニシリンG、カルベニシリン、セファロチン、セフォキシチン、セフォタキシム、5-フルオロウラシル、シタラビン、6-アザウリジン、6-チオグアニン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ブレオマイシン硫酸塩、アウロチオグルコース、スラミン、メベンダゾール、クロニジン、スコポラミン、プロプラノロール、フェニルプロパノールアミン塩酸塩、ウアバイン、アトロピン、ハロペリドール、イソソルビド、ニトログリセリン、イブプロフェン、ユビキノン、インドメタシン、プロスタグランジン、ナプロキセン、サルブタモール、グアナベンズ、ラベタロール、フェニラミン、メトリフォネート、およびステロイドがある。
【0054】
本発明では、活性薬物成分として本明細書に挙げることができると考えられるものには、ベンゾイルペルオキシドおよびトレチノインなどの抗座瘡薬;クロロヘキサジエングルコネートなどの抗菌薬;ミコナゾールニトレートなどの抗真菌薬;抗炎症薬;副腎皮質ステロイド薬;ジクロフェナクなどの非ステロイド性抗炎症薬;クロベタゾールプロピオネートなどの抗乾癬薬;リドカインなどの麻酔薬;止痒薬;抗皮膚炎薬;および一般にバリア膜とみなされる薬剤が含まれる。
【0055】
本発明の活性成分E)は、酵素などのタンパク質であり得る。酵素をシリコーンエラストマーゲル内に封入すると、酵素を不活性化から防止し、酵素の生物活性作用をより長時間保持する利点を有する。酵素には、限定するものではないが、市販されている型、改良型、組換え型、野生型、天然には発見されない変異体、およびその混合物が含まれる。例えば、適した酵素には、ヒドロラーゼ、クチナーゼ、オキシダーゼ、トランスフェラーゼ、レダクターゼ、ヘミセルラーゼ、エステラーゼ、イソメラーゼ、ペクチナーゼ、ラクターゼ、ペルオキシダーゼ、ラッカーゼ、カタラーゼ、およびその混合物が含まれる。ヒドロラーゼには、限定するものではないが、プロテアーゼ(細菌性、真菌性、酸性、中性またはアルカリ性)、アミラーゼ(αまたはβ)、リパーゼ、マンナナーゼ、セルラーゼ、コラゲナーゼ、リゾチーム、スーパーオキシドジスムターゼ、カタラーゼ、およびその混合物が含まれる。前記プロテアーゼには、限定するものではないが、トリプシン、キモトリプシン、ペプシン、パンクレアチンおよび他の哺乳類の酵素;パパイン、ブロメラインおよび他の植物性酵素;サブチリシン、エピデルミン、ナイシン、ナリンギナーゼ(L-ラムノシダーゼ)、ウロキナーゼおよび他の細菌性酵素が含まれる。前記リパーゼには、限定するものではないが、トリアシル-グリセロールリパーゼ、モノアシル-グリセロールリパーゼ、リポタンパク質リパーゼ、例えば、ステアプシン、エレプシン、ペプシン、他の哺乳類の、植物性、細菌性リパーゼおよび精製されたものが含まれる。天然のパパインは、前記酵素として好ましい。さらに、刺激ホルモン、例えば、インスリンをこれらの酵素と共に使用して、その効果を増大させることができる。
【0056】
成分E)は、サンスクリーン剤とすることもできる。このサンスクリーン剤は、皮膚を日光への曝露の有害作用から保護することが当技術分野で既知の任意のサンスクリーン剤から選択することができる。サンスクリーン用化合物は、典型的には、紫外(UV)光を吸収する、有機化合物、無機化合物、またはその混合物から選択される。したがって、サンスクリーン剤として使用することができる代表的な非制限的例には、アミノ安息香酸、シノキサート、ジエタノールアミンメトキシシンナメート、トリオレイン酸ジガロイル、ジオキシベンゾン、エチル4-[ビス(ヒドロキシプロピル)]アミノベンゾエート、アミノ安息香酸グリセリル、ホモサレート、ジヒドロキシアセトンを有するローソン、アントラニル酸メンチル、オクトクリレン、メトキシ桂皮酸オクチル、サリチル酸オクチル、オキシベンゾン、パディメートO、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、レッドペトロラタム、スリソベンゾン、二酸化チタン、およびトロラミンサリチレート、アセトアミノサロール、アラトインPABA、ベンザルフタリド、ベンゾフェノン、ベンゾフェノン1〜12、3-ベンジリデンカンファー、ベンジリデンカンファー加水分解コラーゲンスルホンアミド、ベンジリデンカンファースルホン酸、サリチル酸ベンジル、ボルネロン、ブメトリオゾール(Bumetriozole)、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、ブチルPABA、セリア/シリカ、セリア/シリカタルク、シノキサート、DEA-メトキシシンナメート、ジベンゾオキサゾールナフタレン、ジ-t-ブチルヒドロキシベンジリデンカンファー、トリオレイン酸ジガロイル、ジイソプロピルメチルシンナメート、ジメチルPABAエチルセテアリールジモニウムトシレート、ジオクチルブトアミドトリアゾン、ジフェニルカルボメトキシアセトキシナフトピラン、二ナトリウムビスエチルフェニルトリアミノトリアジンスチルベンジスルホネート、二ナトリウムジスチリルビフェニルトリアミノトリアジンスチルベンジスルホネート、二ナトリウムジスチリルビフェニルジスルホネート、ドロメトリゾール、ドロメトリゾールトリシロキサン、エチルジヒドロキシプロピルPABA、ジイソプロピル桂皮酸エチル、メトキシ桂皮酸エチル、エチルPABA、ウロカン酸エチル、エトロクリレンフェルラ酸、グリセリルオクタノエートジメ
トキシシンナメート、グリセリルPABA、グリコールサリチレート、ホモサレート、p-メトキシ桂皮酸イソアミル、サリチル酸イソプロピルベンジル、イソプロピルジベンゾイルメタン、メトキシ桂皮酸イソプロピル、アントラニル酸メンチル、サリチル酸メンチル、4-メチルベンジリデン、カンファー、オクトクリレン、オクトリゾール、オクチルジメチルPABA、メトキシ桂皮酸オクチル、サリチル酸オクチル、オクチルトリアゾン、PABA、PEG-25 PABA、ペンチルジメチルPABA、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、ポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンファー、メトキシ桂皮酸カリウム、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸カリウム、レッドペトロラタム、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸ナトリウム、ウロカン酸ナトリウム、TEA-フェニルベンズイミダゾールスルホネート、TEA-サリチレート、テレフタリリデンジカンファースルホン酸、二酸化チタン、二酸化亜鉛、二酸化セリウム、トリPABAパンテノール、ウロカニン酸、およびVA/クロトネート/メタクリロキシベンゾフェノン-1コポリマーが含まれる。
【0057】
サンスクリーン剤は、単一のものまたは2つ以上の組合せとすることができる。あるいは、サンスクリーン剤は、シンナメートベースの有機化合物であるか、あるいは、サンスクリーン剤は、Uvinul(登録商標)MC 80、p-メトキシ桂皮酸および2-エチルヘキサノールのエステルなどのメトキシ桂皮酸オクチルである。
【0058】
成分E)は、芳香剤または香料であってもよい。この香料は、香料産業界で一般に使用されている任意の香料または芳香剤活性成分とすることができる。これらの組成物は、典型的には、アルコール、アルデヒド、ケトン、エステル、エーテル、アセテート、ニトライト、テルペン炭化水素、複素環式窒素または硫黄含有化合物、および天然または合成起源の精油などの多様な種々の化合物クラスに属する。これらの香料成分の多くは、Perfume and Flavour Chemicals、1969、S. Arctander、Montclair、ニュージャジー州などの、標準的な教科書文献に詳細に記述されている。
【0059】
芳香剤は、限定するものではないが、香料ケトンおよび香料アルデヒドで例示することができる。香料ケトンの実例には、Buccoxime;イソジャスモン;メチルベータナフチルケトン;ムスクインダノン;トナリド/ムスクプラス;α-ダマスコン、β-ダマスコン、δ-ダマスコン、イソ-ダマスコン、ダマセノン、ダマローズ、ジヒドロジャスモン酸メチル、メントン、カルボン、カンファー、フェンコン、α-ロノン、β-ロノン、γ-メチルいわゆるロノン、Fleuramone、ジヒドロジャスモン、Cis-ジャスモン、Iso-E-Super、メチル-セドレニル-ケトンまたはMethyl-Cedrylone、アセトフェノン、メチル-アセトフェノン、P-メトキシ-アセトフェノン、メチル-β-ナフチル-ケトン、ベンジル-アセトン、ベンゾフェノン、P-ヒドロキシ-フェニル-ブタノン、セロリケトンまたはLivescone、6-イソプロピルデカヒドロ-2-ナフトン、ジメチル-オクテノン、Freskomenthe、4-(1-エトキシビニル)-3,3,5,5-テトラメチル-シクロヘキサノン、メチル-ヘプテノン、2-(2-(4-メチル-3-シクロヘキセン-1-イル)プロピル)-シクロペンタノン、1-(p-メンテン-6(2)-イル)-1-プロパノン、4-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)-2-ブタノン、2-アセチル-3,3-ジメチル-ノルボマン、6,7-ジヒドロ-1,1,2,3,3-ペンタメチル-4(5H)-インダノン、4-Damascol、DulcinylまたはCassione、Gelsone、Hexalon、Isocyclemone E、メチルシクロシトロン、Methyl-Lavender-Ketone、Orivon、p-tert-ブチル-シクロヘキサノン、Verdone、Delphone、Muscone、Neobutenone、Plicatone、Veloutone、2,4,4,7-テトラメチル-オクタ-6-エン-3-オン、およびTetrameranがある。
【0060】
より好ましくは、香料ケトンは、その香気特性のために、α-ダマスコン、δ-ダマスコン、イソダマスコン、カルボン、γ-メチル-ロノン、Iso-E-Super、2,4,4,7-テトラメチル-オクタ-6-エン-3-オン、ベンジルアセトン、β-ダマスコン、ダマセノン、ジヒドロジャスモン酸メチル、methyl-cedrylone、およびその混合物から選択される。
【0061】
好ましくは、香料アルデヒドは、その香気特性のために、adoxal;アニスアルデヒド;cymal;エチルバニリン;florhydral;helional;ヘリオトロピン;ヒドロキシシトロネラール;koavone;ラウリンアルデヒド;lyral;メチルノニルアセトアルデヒド;P.T.ブチナール;フェニルアセトアルデヒド;ウンデシレンアルデヒド;バニリン;2,6,10-トリメチル-9-ウンデセナール、3-ドデセン-1-アール、α-n-アミルシンナミックアルデヒド、4-メトキシベンズアルデヒド、ベンズアルデヒド、3-(4-tert-ブチルフェニル)-プロパナール、2-メチル-3-(p-メトキシフェニル)プロパナール、2-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-2(1)-シクロヘキセン-1-イル)ブタナール、3-フェニル-2-プロパナール、cis-/trans-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-アール、3,7-ジメチル-6-オクテン-1-アール、[(3,7-ジメチル-6-オクテニル)オキシ]アセトアルデヒド、4-イソプロピルベンズアルデヒド、1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロ-8,8-ジメチル-2-ナフトアルデヒド、2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボキサルデヒド、2-メチル-3-(イソプロピルフェニル)プロパナール、1-デセナール;デシルアルデヒド、2,6-ジメチル-5-ヘプテナール、4-(トリシクロ[5.2.1.0(2,6)]-デシリデン-8)-ブタナール、オクタヒドロ-4,7-メタノ-1H-インデンカルボキサルデヒド、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド、p-エチル-α,α-ジメチルヒドロシンナムアルデヒド、α-メチル-3,4-(メチレンジオキシ)-ヒドロシンナムアルデヒド、3,4-メチレンジオキシベンズアルデヒド、α-n-ヘキシルシンナミックアルデヒド、m-シメン-7-カルボキサルデヒド、α-メチルフェニルアセトアルデヒド、7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナール、ウンデセナール、2,4,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボキサルデヒド、4-(3)(4-メチル-3-ペンテニル)-3-シクロヘキセン-カルボキサルデヒド、1-ドデカナール、2,4-ジメチルシクロヘキセン-3-カルボキサルデヒド、4-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセン-1-カルボキサルデヒド、7-メトキシ-3,7-ジメチルオクタン-1-アール、2-メチルウンデカナール、2-メチルデカナール、1-ノナナール、1-オクタナール、2,6,10-トリメチル-5,9-ウンデカジエナール、2-メチル-3-(4-tert-ブチル)プロパナール、ジヒドロシンナミックアルデヒド、1-メチル-4-(4-メチル-3-ペンテニル)-3-シクロヘキセン-1-カルボキサルデヒド、5または6メトキシヘキサヒドロ-4,7-メタノインダン-1または2-カルボキサルデヒド、3,7-ジメチルオクタン-1-アール、1-ウンデカナール、10-ウンデセン-1-アール、4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド、1-メチル-3-(4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセンカルボキサルデヒド、7-ヒドロキシ-3,7-ジメチル-オクタナール、trans-4-デセナール、2,6-ノナジエナール、p-トリルアセトアルデヒド;4-メチルフェニルアセトアルデヒド、2-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテナール、o-メトキシシンナミックアルデヒド、3,5,6-トリメチル-3-シクロヘキセンカルボキサルデヒド、3,7-ジメチル-2-メチレン-6-オクテナール、フェノキシアセトアルデヒド、5,9-ジメチル-4,8-デカジエナール、ペオニーアルデヒド(6,10-ジメチル-3-オキサ-5,9-ウンデカジエン-1-アール)、ヘキサヒドロ-4,7-メタノインダン-1-カルボキサルデヒド、2-メチルオクタナール、α-メチル-4-(1-メチルエチル)ベンゼンアセトアルデヒド、6,6-ジメチル-2-ノルピネン-2-プロピオンアルデヒド、p-メチルフェノキシアセトアルデヒド、2-メチル-3-フェニル-2-プロペン-1-アール、3,5,5-トリメチルヘキサナール、ヘキサヒドロ-8,8-ジメチル-2-ナフトアルデヒド、3-プロピル-ビシクロ[2.2.1]-ヘプタ-5-エン-2-カルバルデヒド、9-デセナール、3-メチル-5-フェニル-1-ペンタナール、メチルノニルアセトアルデヒド、ヘキサナール、trans-2-ヘキセナール、1-p-メンテン-q-カルボキサルデヒドおよびその混合物から選択される。
【0062】
より好ましいアルデヒドは、その香気特性のために、1-デセナール、ベンズアルデヒド、florhydral、2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボキサルデヒド;cis-/trans-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-アール;ヘリオトロピン;2,4,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボキサルデヒド;2,6-ノナジエナール;α-n-アミルシンナミックアルデヒド、α-n-ヘキシルシンナミックアルデヒド、P.T.ブチナール、lyral、cymal、メチルノニルアセトアルデヒド、ヘキサナール、trans-2-ヘキセナール、およびその混合物から選択される。
【0063】
香料成分の上記リスト中、一部のものは、当業者には慣例的に既知の商品名であり、異性体も含まれる。このような異性体も、本発明で使用するのに適している。
【0064】
成分E)は、1種または複数の植物抽出物であってもよい。これらの成分の例は以下の通りである:アシタバ抽出物、アボカド抽出物、アジサイ抽出物、アルテア抽出物、アルニカ抽出物、アロエ抽出物、アンズ抽出物、キョウニン抽出物、イチョウ抽出物、ウイキョウ抽出物、ウコン(turmeric)[ウコン(Curcuma)]抽出物、ウーロン茶抽出物、エイジツ抽出物、エキナシア抽出物、オウゴン抽出物、オウバク抽出物、オウレン抽出物、オオムギ抽出物、オトギリソウ抽出物、オドリコソウ抽出物、クレソン抽出物、オレンジ抽出物、乾燥海水、海藻抽出物、加水分解エラスチン、加水分解コムギ粉末、加水分解絹、カモミール抽出物、ニンジン抽出物、ヨモギ抽出物、甘草抽出物、ハイビスカスティー抽出物、カキョク果実抽出物、キーウィ抽出物、キナ抽出物、キュウリ抽出物、グアノシン、クチナシ抽出物、クマザサ抽出物、クララ抽出物、クルミ抽出物、グレープフルーツ抽出物、クレマチス抽出物、クロレラ抽出物、クワ抽出物、ゲンチアナ抽出物、紅茶抽出物、酵母抽出物、ゴボウ抽出物、コメヌカ発酵液抽出物、コメ胚芽油、コンフリー抽出物、コラーゲン、カウベリー抽出物、クチナシ抽出物、サイシン抽出物、一群のブプレウルム抽出物、臍帯抽出物、サルビア抽出物、サボンソウ抽出物、タケ抽出物、サンザシ抽出物、サンショウ抽出物、シイタケ抽出物、ジオウ抽出物、ムラサキ抽出物、シソ抽出物、リンデン抽出物、シモツケソウ抽出物、シャクヤク抽出物、ショウブ根抽出物、シラカバノキ抽出物、トクサ抽出物、セイヨウキズタ抽出物、サンザシ抽出物、セイヨウニワトコ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、ペパーミント抽出物、セージ抽出物、マロウ抽出物、センキュウ抽出物、センブリ抽出物、ダイズ抽出物、ナツメ抽出物、タイム抽出物、チャ抽出物、チョウジ抽出物、グラミネアエインペラタキュリロ(Gramineae imperata cyrillo)抽出物、チンピ抽出物、ニッポンアンゲリカ根抽出物、カレンデュラ抽出物、トウニン抽出物、トウヒ抽出物、ドクダミ抽出物、トマト抽出物、ナットウ抽出物、ニンジン抽出物、リョクチャ[カメリエアシネシス(camelliea sinesis)]抽出物、ニンニク抽出物、ノバラ抽出物、ハイビスカス抽出物、バクモンドウ抽出物、ハス抽出物、パセリ抽出物、ハチミツ、マンサ
ク抽出物、パリエタ抽出物、エンメイソウ抽出物、ビサボロール抽出物、ビワ抽出物、フキタンポポ抽出物、セイヨウフキ抽出物、マツホド抽出物、ナギイカダの抽出物、ブドウ抽出物、プロポリス抽出物、ヘチマ抽出物、ベニバナ抽出物、ペパーミント抽出物、シナノキ抽出物、パエオニア抽出物、ホップ抽出物、マツ抽出物、セイヨウトチノキ抽出物、ミズバショウ[ミズバショウ(Lysichiton camtschatcese)]抽出物、ムクロジ皮抽出物、メリッサ抽出物、モモ抽出物、ヤグルマギク抽出物、ユーカリ抽出物、ユキノシタ抽出物、シトロン抽出物、ハトムギ抽出物、ヨモギ抽出物、ラベンダー抽出物、リンゴ抽出物、レタス抽出物、レモン抽出物、レンゲ抽出物、バラ抽出物、ローズマリー抽出物、ローマンカモミール抽出物、およびローヤルゼリー抽出物。
【0065】
このシリコーンゲル組成物中に存在する成分E)の量は変化してもよいが、典型的には、以下の範囲である;
この組成物中に存在するシリコーンエラストマーゲルの重量、即ち、シリコーンゲル組成物中の成分A)、B)、C)およびD)の総重量に対して、0.05〜50重量%、あるいは1〜25重量%、あるいは1〜10重量%。
【0066】
この活性剤、成分E)は、シリコーンゲル組成物に、シリコーンエラストマーの作製中に(前添加法)、またはシリコーンエラストマーゲルの形成後に(後添加法)添加してもよい。
【0067】
前添加法は、
I)
a)シロキサン環上に少なくとも2つのSiH単位を有するオルガノハイドロジェンシクロシロキサン、
B)その分子中に少なくとも2つの脂肪族不飽和炭化水素基を有する化合物または化合物の混合物、および
C)ヒドロシリル化触媒
を反応させて、
A)その分子中に少なくとも2つのSiH含有シクロシロキサン環を有するオルガノハイドロジェンシロキサン
(ここで、成分B)の脂肪族不飽和基に対する成分a)のSiH単位のモル比は、2/1〜8/1の範囲である)
を形成する段階と、
II)
A)その分子中に少なくとも2つのSiH含有シクロシロキサン環を有するオルガノハイドロジェンシロキサンを、追加量の
B)その分子中に少なくとも2つの脂肪族不飽和炭化水素を含む化合物、および
C)ヒドロシリル化触媒と、
D)任意の担体液体、および
E)パーソナルケアまたはヘルスケア活性剤
の存在下で、さらに反応させて、シリコーンエラストマーゲルを形成する段階と
を含む。
【0068】
後添加法は、
I)
a)シロキサン環上に少なくとも2つのSiH単位を有するオルガノハイドロジェンシクロシロキサン、
B)その分子中に少なくとも2つの脂肪族不飽和基を有する化合物または化合物の混合物、および
C)ヒドロシリル化触媒
を反応させて、
A)その分子中に少なくとも2つのSiH含有シクロシロキサン環を有するオルガノハイドロジェンシロキサン
(ここで、成分B)の脂肪族不飽和基に対する成分a)のSiH単位のモル比は、2/1〜8/1の範囲である)
を形成する段階と、
II)
A)その分子中に少なくとも2つのSiH含有シクロシロキサン環を有するオルガノハイドロジェンシロキサンを、追加量の
B)その分子中に少なくとも2つの脂肪族不飽和基を含む化合物、および
C)ヒドロシリル化触媒と、
D)任意の担体液体
の存在下で、さらに反応させて、シリコーンエラストマーゲルを形成する段階と、
III)
E)パーソナルケアまたはヘルスケア活性剤をこのシリコーンエラストマーゲルと混合して、
活性剤を含むシリコーンエラストマーゲルを形成する段階と
を含む。
【0069】
シリコーンエラストマー
本発明のシリコーンエラストマーは、成分A)、B)、およびC)のヒドロシリル化反応生成物として得られる。「ヒドロシリル化」という用語は、ケイ素に結合する水素を含む有機ケイ素化合物(成分Aなど)を、触媒(成分Cなど)の存在下で、脂肪族不飽和を含む化合物(成分Bなど)に付加させることを意味する。ヒドロシリル化反応は、当技術分野で既知であり、成分A)、B)、およびC)のヒドロシリル化反応を実施して、本発明のシリコーンエラストマーを調製するために、任意のこのような既知の方法または技術を使用することができる。
【0070】
このヒドロシリル化反応は、溶媒の存在下で実施し、次に、既知の技術でこの溶媒を除去してもよい。あるいは、任意の成分D)として説明した担体液体と同じである溶媒中でヒドロシリル化を実施してもよい。
【0071】
あるいは、シリコーンエラストマーは、
I)
a)シロキサン環上に少なくとも2つのSiH単位を有するオルガノハイドロジェンシクロシロキサン、
B)その分子中に少なくとも2つの脂肪族不飽和炭化水素基を有する化合物または化合物の混合物、および
C)ヒドロシリル化触媒
を反応させて、
A)その分子中に少なくとも2つのSiH含有シクロシロキサン環を有するオルガノハイドロジェンシロキサン
(ここで、成分B)の脂肪族不飽和基に対する成分a)のSiH単位のモル比が、2/1〜8/1、
あるいは2/1〜6/1、
あるいは3/1〜4/1
の範囲である)
を形成する段階と、
II)
A)その分子中に少なくとも2つのSiH含有シクロシロキサン環を有するオルガノハイドロジェンシロキサンを、追加量の
B)その分子中に少なくとも2つの脂肪族不飽和基を含む化合物、および
C)ヒドロシリル化触媒と
さらに反応させて、
シリコーンエラストマーを形成する段階と
を含む方法で調製してもよい。
【0072】
成分a)、A)、B)、C)は、上記のものと同じである。また、この反応は上記と同様の条件下で実施することができる。前述のステップII)において、成分B)の脂肪族不飽和基に対する成分A)のSiH単位のモル比は、10/1〜1/10、
あるいは5/1〜1/5、
あるいは4/1〜1/4
の範囲である。
【0073】
シリコーンエラストマーを含むゲル化組成物
このシリコーンエラストマーを担体液体(成分Dとして上に説明した通り)に加えて、ゲル化組成物を形成するか、あるいは、先ず別個の反応で調製し、次いで担体液体に加えて、ゲルを得てもよい。本発明のゲル化組成物は、その硬度または硬さを特徴とすることができる。ゲルを特性決定できる有用な試験は、「テクスチャ分析器」(TA.XT2型、Stable Micro Systems, Inc.、Godalming、イギリス)の使用などの、the Gelatin Manufactures Institute of Americaで推奨されるものである。5.0kgロードセルを備えたプローブを有するテクスチャ分析器で、ゲル試料を圧縮試験にかける。このプローブは、0.5mm/秒の速度でゲルの表面に接近し、5.0mmの距離だけゲル中に圧縮を継続し、次いで、後退する前に1秒間保持する。テクスチャ分析器は、圧縮試験中にプローブが受ける抵抗力を検出する。ロードセルによって示される力を時間の関数としてプロットする。
【0074】
本発明では、シリコーンエラストマー、ゲルおよびエラストマーブレンド(SEB)の硬度は、圧縮試験中に「テクスチャ分析器」のプローブによって検出される抵抗力と定義される。硬度を特性決定するのに2種のデータを使用することができる:力1、最大圧縮点(即ち、ゲル表面中への5.0mmの圧縮点)における力、およびF-T面積:最大限圧縮点に1秒保持する間の力の面積の積分。各ゲルに対して、典型的には、5回の試験の総計の平均を行う。
【0075】
力1に対して得られた値を、グラム力の値を101.97で除算することによって、ニュートン(N)に変換する(即ち、この計測器に使用されるプローブのサイズに基づき、1ニュートンは力101.97gに等しい)。テクスチャ分析器測定によって報告される第2の特性は、F-T面積1:2(g力.秒単位)である。これは、力対試験時間曲線の面積積分である。この特性は、エラストマーおよびゲルに関連する圧縮力への抵抗を維持する能力を示すので、ゲル網状組織を示すものである。この値は、g力.秒で報告され、g力.秒の単位の値を101.97で除算することによって、SI単位のニュートン.秒に変換される。
【0076】
本発明のシリコーンゲルは、少なくとも200ニュートン/m2、あるいは400ニュートン/m2、あるいは600ニュートン/m2の圧縮硬度を有する。
【0077】
シリコーンエラストマーを含むゲルペースト組成物
本発明のゲル化組成物は、
I)上記の通りのシリコーンエラストマーゲルをせん断し、
II)せん断されたシリコーンエラストマーゲルを、追加量の
D)上記の通りの担体液体、および場合により
E)パーソナルケアまたはヘルスケア活性剤
と組み合わせて、
ゲルペーストまたはブレンド組成物を形成する段階
によって活性剤を含むゲルペーストまたはゲルブレンド組成物を調製するために使用することができる。
【0078】
本発明のブレンドのシリコーンエラストマーゲル組成物は、担体液体中に分散された、分離した架橋シリコーンエラストマーゲル粒子とみなすことができる。したがって、このシリコーンエラストマー組成物は、低分子量シリコーン液体のための有効なレオロジー的増粘剤である。したがって、これらは、「ペースト」組成物などの、有用なゲルブレンド組成物を調製するために使用することができる。
【0079】
このようなシリコーンエラストマーブレンドを製造するために、既知の最初のエラストマー含有量(IEC)の前述のシリコーンエラストマーゲルをせん断して、小粒径を得て、さらに最終エラストマー含有量(FEC)まで希釈する。本明細書では、「せん断する」とは、ホモジナイズ、ソナレーティング(sonalating)、またはせん断混合として当技術分野で既知の任意の他の混合方法から得られるなどの、任意のせん断混合方法を指す。シリコーンエラストマーゲル組成物をせん断混合すると、減少した粒径を有する組成物となる。次いで、その結果生じた減少した粒径を有する組成物をD)担体液体とさらに混合する。この担体液体は、上記の通りの任意の担体液体であってもよいが、典型的には、D5などの揮発性メチルシロキサンである。D)担体液体と減少した粒径を有するシリコーンエラストマー組成物とを混合する技術は重大な意味は持たず、典型的には、単純な撹拌または混合が関与する。得られた組成物は、100000cP(mPa.s)を超える粘度を有するペーストとみなしてもよい。
【0080】
(実施例)
これらの実施例は、当業者に本発明を例示することを意図したものであり、特許請求の範囲に示す本発明の範囲を限定するものと解するべきではない。
【0081】
材料の説明
以下の材料をこの実施例に使用した。
【0082】
オルガノハイドロジェンシロキサン
MeH CYCLICS=式[(CH3)HSiO]x(式中、xの平均値は4.4である)を有するメチル水素シクロシロキサン(MeH cyclics)である。
【0083】
MeH LINEAR=平均式MD94D'6Mを有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンである。
【0084】
不飽和基を含むシロキサンポリマー
VINYL SILOXANE #1=一般式(CH2=CH)(CH3)2SiO[(CH3)2SiO]dpSi(CH3)2(CH=CH2)(式中、平均重合度(dp)は8であり、25℃で4mm2/秒の粘度を有していた)の、ジメチルビニルシロキシ末端ジメチルポリシロキサンである。
【0085】
VINYL SILOXANE #2=一般式(CH2=CH)(CH3)2SiO[(CH3)2SiO]dpSi(CH3)2(CH=CH2)(式中、平均重合度(dp)は130であり、25℃で325mm2/秒の粘度を有していた)の、ジメチルビニルシロキシ末端ジメチルポリシロキサンである。
【0086】
VINYL SILOXANE #3=[(CH2=H)(CH3)2SiO[(CH3)2SiO]30]4Siである。
【0087】
VINYL SILOXANE #4=テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン[(CH2=CH)(CH3)SiO]4である。
【0088】
VINYL SILOXANE #5=一般式(CH2=CH)(CH3)2SiO[(CH3)2SiO]dpSi(CH3)2(CH=CH2)(式中、平均重合度(dp)は27であり、25℃で25mm2/秒の粘度を有していた)の、ジメチルビニルシロキシ末端ジメチルポリシロキサンである。
【0089】
VINYL SILOXANE #6=一般式(CH2=CH(CH2)4)(CH3)2SiO[(CH3)2SiO]dpSi(CH3)2((CH2)4(CH2=CH))(式中、平均重合度(dp)は37であり、25℃で40mm2/秒の粘度を有していた)の、ジメチルヘキセニルシロキシ末端ジメチルポリシロキサンである。
【0090】
VINYL SILOXANE #7=一般式(CH2=CH(CH2)4)(CH3)2SiO[(CH3)2SiO]dpSi(CH3)2((CH2)4(CH2=CH))(式中、平均重合度(dp)は100であり、25℃で170mm2/秒の粘度を有していた)の、ジメチルヘキセニルシロキシ末端ジメチルポリシロキサンである。
【0091】
VINYL SILOXANE #8=一般式(CH2=CH(CH2)4)(CH3)2SiO[(CH3)2SiO]dpSi(CH3)2((CH2)4(CH2=CH))(式中、平均重合度(dp)は200であり、25℃で730mm2/秒の粘度を有していた)の、ジメチルヘキセニルシロキシ末端ジメチルポリシロキサンである。
【0092】
VINYL SILOXANE #9=一般式(CH2=CH)(CH3)2SiO[(CH3)2SiO]dpSi(CH3)2(CH=CH2)(式中、平均重合度(dp)は27であった)の、ジメチルビニルシロキシ末端ジメチルポリシロキサンである。
【0093】
VINYL SILOXANE #10=一般式(CH2=CH)(CH3)2SiO[(CH3)2SiO]dpSi(CH3)2(CH=CH2)(式中、平均重合度(dp)は430であった)の、ジメチルビニルシロキシ末端ジメチルポリシロキサンである。
【0094】
ヒドロシリル化触媒
PT CATALYST=0.52重量%のPtを含んで供給されて使用される、SLY-OFF 4000 (Dow Corning Corporation、Midland ミシガン州)Pt触媒である。
【0095】
担体液体
D5=DC245 (Dow Corning Corporation、Midland ミシガン州)として供給されて使用される、デカメチルシクロペンタシロキサンまたはD5 cyclicsである。
【0096】
IDNP=ISP (International Speciality Products Co)からCERAPHYL SLKの商標名として得られる、ネオペンタン酸イソデシルである。
【0097】
IDD=イソドデカンである。
【0098】
安定剤=ビタミンAパルミテート(VAP)およびブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)である。
【0099】
シリコーンエラストマーブレンド(SEB)の粘度測定法
Brookfield Helipath(商標)Standは、特定なT字型スピンドル付きの適したBrookfield Viscometerと共に使用される場合、ペースト、パテ、クリーム、ゼラチン、またはワックスに類似した特性を有する物質に対してセンチポイズ値で粘度/コンシステンシーの測定を可能にする。
【0100】
シリコーンエラストマーブレンドの粘度は、Helipathスタンド(Brookfield Model D)およびT字型スピンドル(Brookfield Helipath Spindle Set)を備えているBrookfield Model RVD-II+Viscometerを用いて測定された。すべてのものをBrookfield Engineering Laboratories Inc. (11 Commerce Boulevard Middleboro、マサチューセッツ州、米国)から購入した。
【0101】
4オンスの円筒形広口ビン中の100gの試料サイズが必要であった。測定の前に、以下の調整手順を用いた:試料を先ず遠心機を介して脱気し、次いで2時間真空脱気した。脱気後、試料を25℃で最低4時間コンディショニングした。試料をT字型スピンドルが中心に来るように位置決めした。Helipathスピンドルに対する典型的な手順に従って読み取った。
【0102】
一般に、より低い粘性試料に対してはスピンドル93(T字型スピンドルC)を、より高い粘性試料に対してはスピンドル95(T字型スピンドルE)を使用する。rpmの標準的な設定値は2.5であった。スピンドル速度を定常的に2.5rpmに維持し、高い粘度を有する試料を取り扱うためにはスピンドルを変えた。
【0103】
シリコーンエラストマーゲル硬度の測定
シリコーンエラストマーゲルの硬度(または硬さ)は、テクスチャ分析器(TA.XT2型、Stable Micro Systems Inc.、Godalming、英国)を用いて特性決定した。The Gelatin Manufactures Institute of Americaは、このような試験方法を標準的な手順として推奨している。
【0104】
シリコーンゲルおよびエラストマーブレンドに対して、DELRINアセタール樹脂(Dupont)製の1/2インチ(1.27cm)直径円筒形プローブを測定のために使用した。以下の試験サイクルでこのプローブを用いて、ゲル試料を圧縮試験にかける:このプローブは、0.5mm/秒の速度でゲルの表面に接近し、5.0mmの距離だけゲル中に圧縮を継続し、次いで、後退する前に1秒間保持する。このテクスチャ分析器は5.0Kgロードセルを有して、圧縮試験中にプローブが受ける抵抗力を検出する。ロードセルによって示される力を時間の関数としてプロットする。シリコーンエラストマー、ゲルおよびエラストマーブレンド(SEB)の硬度は、圧縮試験中にこのプローブによって検出される抵抗力と定義される。硬度値に関して2つのデータが使用される:力1、最大圧縮点(即ち、ゲル表面中への5.0mmの圧縮点)における力、およびF-T面積:最大限圧縮点に1秒保持する間の力の面積積分。各ゲルに対して、総計5回の試験を行い、5回の試験の平均を報告する。
【0105】
ゲル硬度測定に使用されるテクスチャ分析器は、トランスデューサによって検出されたグラム単位の力である。ゲル硬度に対して2つの値が報告される:力1、プローブがゲル試料中の予めプログラムされた最大押込み(または圧縮)に達した場合、記録されたグラム単位の力。力1の読みの単位はグラム力である。
【0106】
力1に対して得られた値、グラム力の値を101.97で除算することによって、ニュートン(N)に変換する(即ち、この計測器に使用されるプローブのサイズに基づき、1ニュートンは101.97g力に等しい)。例えば、6327g力の値は、62.0Nに変換される。
【0107】
テクスチャ分析器測定によって報告される第2の特性は、F-T面積1:2(g力-秒単位)である。これは力対試験時間曲線の面積積分である。これは、エラストマーおよびゲルに関連する圧縮力への抵抗を維持する能力を示すので、ゲル網状組織を示す特性である。
【0108】
この値は、g力.秒で報告され、g力.秒の単位の値を101.97で除算することによって、SI単位のニュートン.秒に変換される。例えば、33947g力.秒の値は、SI単位で332.9N.秒である。
【0109】
(実施例1)(参照)
環の間に短いスペーサーを有する、少なくとも2つのSiH含有シクロシロキサン環を有するオルガノハイドロジェンシロキサンの調製
環状SiH含有シロキサン(代表的な成分A)である)を、Pt触媒の存在下、MeH cyclicsとVINYL SILOXANE #1(平均8ジメチルシロキサン単位(DP=8)を有するジメチルビニル末端シリコーン)とを反応させて作製した。特定の[SiH]/[Vi]比を、3種の実施例に対して3.0、3.42、および4.0に維持し、反応を40℃で実施した。仕上がったポリマーは、表1に示す一般構造を有する透明な液体であった。これらのシロキサンのSiH含量は、それぞれ、0.374%、0.432%、および0.505%であることが分かった。
【0110】
【表1】

【0111】
(実施例2)(参照)
長いスペーサーを有する、少なくとも2つのSiH含有シクロシロキサン環を有するオルガノハイドロジェンシロキサンの調製
長いスペーサーを有し、線状構造を有する、環状SiH含有シロキサン(代表的な成分A)である)を、Pt触媒の存在下、MeH-cyclicsとVINYL SILOXANE #2(DP*=130)とを反応させて作製した。[SiH]/[Vi]比は、3つの実施例に対して3.0、3.42、および4.0であり、反応を40℃で実施した。仕上がったSiHシロキサンは、表2に示す目標構造を有する透明な液体であった。SiH含量は、それぞれ、0.020%、0.0240%、および0.0296%であることが分かった。これらのシロキサンは、最終粘度を低下させるために、シリコーン担体液体中で作製された。
【0112】
【表2】

【0113】
(実施例3)(参照)
少なくとも2つのSiH含有シクロシロキサン環を有するオルガノハイドロジェンシロキサンの調製
分岐構造を有する環状SiH含有シロキサンを、MeH cyclicsとジメチルビニル末端分枝シリコーンまたはメチルビニル環とを反応させることによって作製した。表3に例示したものは、Pt触媒の存在下で、4つの分岐鎖のそれぞれに約30のジメチルシロキサン繰返しを有するVINYL SILOXANE #3から誘導され、総計約120のジメチルシロキサン単位(DP=120)が生じる実施例である。[SiH]/[Vi]比を3つの実施例に対して、3.42および4.0に維持し、反応を40℃で実施した。別に、VINYL SILOXANE #4を用いて成分A)を作製した。このSiHシロキサンは、表3に要約した構造を有する透明液体であった。このSiH含有量は、それぞれ、0.241%、0.290%、および0.376%であった。
【0114】
【表3】

【0115】
(実施例4)(参照)
少なくとも2つのSiH含有シクロシロキサン環を有するオルガノハイドロジェンシロキサンの調製
成分A)として例示的なオルガノハイドロジェンシロキサンを、MeH CYCLICS、VINYL SILOXANE(表4に挙げた通り)または1,5-ヘキサジエン、および(使用する場合は)担体液体としてD5を反応フラスコ中で混合することによって調製した。次いで、Pt(0.52重量%のPtを含むPt触媒溶液)を3〜5ppm添加することによって、この混合物を触媒した。混合物を50℃に加熱し、発熱性ヒドロシリル化反応を起こさせ、次いで、温度を50から70℃の間で3時間保持した。MeH CYCLICSおよびアルケニル化合物の量は、3.42の特定の [SiH]/[Vi]比をもたらすように計算した。得られたオルガノハイドロジェンシロキサンは、表4に要約した平均構造および特性を有する透明液体であった。
【0116】
【表4】

【0117】
(実施例5)(参照)
A)少なくとも2つのSiH含有シクロシロキサン環を有するオルガノハイドロジェンシロキサンの調製
環状SiH含有シロキサンの他の実施例を、列挙された成分Bおよび成分a)としてMeH CYCLICSを用いて、以下に示すように作製した。
【0118】
【表5】

【0119】
(実施例6)
低[SiH]/[アルケニル]比における環状SiHシロキサンからのシリコーンエラストマーゲルの調製
成分(A)として少なくとも2つのSiH含有シクロシロキサン環を有するオルガノハイドロジェンシロキサンと成分(B)として肪族不飽和化合物とを、0.36の低[SiH]/[アルケニル]比で反応させることによって、シリコーンエラストマーゲルを調製した。実施例5Fの環状SiHシロキサン、D5液体中の40%固体(ここで、この環状SiH含有シロキサンは、MeH-CYCLICSおよびVINYL SILOXANE #7から、3.42のSiH/アルケニル比で作製された)を、D5液体中およびネオペンタン酸イソデシル(IDNP)炭化水素エステル溶媒中で、VINYL SILOXANE #2と反応させた。表6は、反応およびその結果作製されたゲルを要約する。
【0120】
【表6】

【0121】
(実施例7)
シリコーンエラストマーゲルの調製
この実施例で例示されるように、低エラストマー含有量(EC)でシリコーンエラストマーゲルを作製した。シリコーンエラストマーゲル(実施例7Aおよび7C)を、3.0%のエラストマー組成物(成分(A)と(B)の総計)、および97%のD5液体(成分(D))で作製した。このシロキサンスペーサーは、これらの実施例では100の平均DP(重合度)を有していた。
【0122】
【表7】

【0123】
(実施例8)
低エラストマー含有量で作製されたシリコーンエラストマーゲル
比較的短いスペーサー(即ち、低dp)の環状SiH含有シロキサンを用いて、低エラストマー含有量でシリコーンエラストマーゲルを調製した。以下に例示するものは、実施例4C(8dpスペーサー)および実施例4D(27dpスペーサー)のSiHシロキサンから作製したシリコーンエラストマーゲルであった。この実施例ではすべてのゲルが、5重量%エラストマー含有量(即ち、成分(A)と(B)の総計)、および95%のD5液体(成分(C))を有していた。
【0124】
【表8】

【0125】
(実施例9)
環状SiHシロキサンからシリコーンエラストマーブレンドの調製
シリコーンエラストマーブレンド(SEB)は、担体液体中に分散された、分離している架橋シリコーンエラストマーゲル粒子である。SEBは、この実施例で例示されるように、D5液体などのシリコーン液体に対してレオロジー的増粘剤として有効に機能を果たすことができる。シリコーンエラストマーブレンドを作製するために、上記実施例のいくつかからの既知の最初のエラストマー含有量(IEC)のエラストマーゲルを機械的にせん断して、小さい粒径を得て、望ましい最終エラストマー含有量(FEC)までさらに希釈する。例えば、試料9A SEBは、エラストマーゲルを、粒径を減少させるために機械的にせん断し、次いでD5液体でさらに希釈して、10重量%の最終エラストマー含有量(%FEC)を得ることによって作製される。この最終SEBは、約676000cpsの粘度を有する透明高粘度ゲルペーストであった。他のSEBを表9に示す。これらの実施例で例示されるように、環状シロキサン中のSEBの組成物に対して、極めて高い粘度が観察された。
【0126】
【表9】

【0127】
(実施例10)
希釈せずに調製されたシリコーンエラストマーゲルの実施例
この実施例で例示するように、シリコーンエラストマーゲルは、担体液体が存在せずに調製することができる。成分(A)および(B)の総計はエラストマー量を表し、この実施例では100%に等しい。
【0128】
シリコーンエラストマーゲルは、Pt触媒の存在下で、成分(A)として代表的な環状SiH含有シロキサンと成分(B)のアルケニル官能性化合物とのヒドロシリル化から作製される。100%シリコーンエラストマーゲルの調製のために使用した2種の環状SiHシロキサンは、実施例5J、実施例5Kとして上に記述したものであった。[アルケニル]に対するケイ素結合水素[SiH]のモル比は0.90であった。テクスチャ分析器で測定した、これらのシリコーンエラストマーゲルの硬度を表10Aおよび10Bに示す。
【0129】
【表10】

【0130】
【表11】

【0131】
このシリコーンエラストマーブレンドは、100%エラストマー含有量のシリコーンエラストマーゲルから、ゲルを磨砕/せん断し、続いて、選択される担体液体、シリコーン液体または有機溶媒のいずれかで希釈することによって作製された。
【0132】
(実施例11)
選択されたシリコーンエラストマー/ゲルの硬度特性
上記の手順に従って、いくつかのシリコーンエラストマーゲルを調製した。これらのシリコーンエラストマーゲルを、選択された成分(A)としての環状SiH含有シロキサン、成分(B)のアルケニル官能性化合物、およびその残りの量のD5液体から作製した。この反応を触媒するために、Pt約4〜10ppmの量の微量のPt触媒を使用した。[アルケニル]に対するケイ素結合水素[SiH]のモル比を、以下の表に示すように変化させた。このヒドロシリル化反応を50℃で4時間実施した。50℃の水浴中に入れた後、その組成物に応じて15分〜2時間でゲルが形成された。
【0133】
生じたシリコーンエラストマーゲルの硬度を、テクスチャ分析器を用いて特性決定した。「力1」は、上記の図に図示したように、力対プローブ侵入時間曲線の最大点における力の読みである。この力の読みは、プローブの侵入に抵抗するゲルの硬さまたは硬度を表す。関与する第2の特性は、「力-時間1:2面積」の読みである。これは、最大の力の読みとその経過時間(この場合は1秒)の間の面積である。この値はシリコーンエラストマーゲルの弾性を表す。両特性共に、その値が高いほどゲルは硬い。例示するように、広い範囲の硬度を有するシリコーンエラストマーゲルが作製される。
【0134】
【表12】

【0135】
(実施例12)
テクスチャ分析器によるシリコーンゲル硬度測定
非常に低硬度(軟質ゲル)を有する、および非常に高硬度の読み(まだ示していない)を有するエラストマーゲルは、エラストマー含有量%を調節することによって便利に調製することができる。成分(A)と(B)の総計は、エラストマー含有量を表し、100%もの高さとすることができる。希釈していないエラストマーの場合、このようなゲルの硬度は非常に高く、粉状型の製品に加工して、粉状の感触を得ることができる。
【0136】
表12に例示したゲルは、様々な成分(A)および(B)成分のアルケニル-官能性化合物から、10および20%エラストマー含有量に調製された。成分(D)としてDow Corning 245液体を使用した。4gの力を有する非常に軟質のゲルが作製された。他方では、非常に高い力の読みを有するゲルを、エラストマー含有量重量%を上げることによってこれらの成分から作製することができる。
【0137】
【表13】

【0138】
表12からのゲルの選択された群に関する、テクスチャ分析器から得られた実際の力対プローブ侵入時間曲線を図1に示す。
【0139】
(実施例13)
低SiH/ビニル比で作製されたSEBの他の実施例
エラストマーおよびゲルは、SiH/ビニル比の広範囲にわたり、および比較的低いSiH/ビニル比で形成することができる。これを例証するために、以下の実施例を調製した。
【0140】
この実施例の成分(A)は、MeH cyclicsおよびVINYL SILOXANE #5から3.4のSiH/ビニル比を用いて作製された、27dpシロキサンスペーサーを有する実施例5Fに類似のオルガノハイドロジェンシロキサンであった。
【0141】
【表14】

【0142】
調製:規定量の成分(A)および(B)を反応容器に投入し、均一になるまで混合し、次いで、撹拌しながら約3.5ppmのPt触媒(即ち、0.05gのPt 0.52重量%のDow Corning Syl-Off Pt溶液)を添加した。ヒドロシリル化反応を70℃で3時間実施した。実施例13F以外のすべての混合物は、加熱30分以内でゲル化した。テクスチャ分析器を用いて、ゲル硬度を特性決定した。
【0143】
(実施例14)(比較例)
比較例:直鎖MeHシロキサン/ヘキサジエン化学からのシリコーンエラストマーゲル
本発明の代表的なSEBの増粘またはゲル化能を、US 5811487およびUS 5880210に記載のものなどの、増粘について当技術分野で知られているシリコーンエラストマーの増粘能と対比して評価した。2種のシリコーンエラストマーブレンド組成物を、MD94D'6MSiHポリマー(MeH Linear)および鎖延長剤として1,5-ヘキサジエン、ならびに10.0および5.0重量%のエラストマー含有量をもたらす量の担体液体としてD5液体を用いて調製した。実施例8Aについて無色透明の弱く軟質のゲルが得られたが、上記の実施例6Aほど硬くなかった。エラストマー含有量5.0%の実施例8B組成物では、ゲルまたはエラストマーは形成されなかった。この実施例は、当技術分野の従来の直鎖シロキサンベースのシリコーンエラストマーに対して、本発明の環状SiH含有シロキサンベースの組成物の改良された増粘およびゲル形成能を実証する。
【0144】
【表15】

【0145】
(実施例15)
活性剤を含むシリコーンエラストマーゲルの調製
シリコーンエラストマーゲルを、様々な連鎖構造を有する環状SiH含有シロキサン(成分A)、および成分(B)の様々な構造およびタイプの脂肪族不飽和化合物から調製した。この量および成分(A)および(B)を、所定の[SiH]/[アルケニル]モル比および硬化ゲル中の所定のエラストマー含有量%をもたらすように計算した。実施例15Bおよび15Dは、シリコーンエラストマーゲルの形成中にVAP 7.15重量%が投入され、「前添加法」の代表的なものである。
【0146】
【表16】

【0147】
この実施例のシリコーンエラストマーゲルは、以下の手順に従って調製した:
1)触媒以外のすべての成分をガラス容器(または反応器)に投入し、均一になるまで撹拌する;
2)反応混合物を(Pt3〜5ppmで)触媒し、混合物を迅速に70℃の水浴中に入れ、この混合物がゲル化するまで撹拌を継続し、ゲル状態に達するのに要した時間を記録する;
3)この反応混合物容器を総計4時間70℃の水浴中に放置する。
【0148】
(実施例16)
活性剤を含むシリコーンエラストマーゲルの調製
また、ビタミン活性剤を有するおよび有さないシリコーンエラストマーゲルを、表16に要約した実施例に示すように、様々な分子構造のオルガノハイドロジェンシクロシロキサンから誘導した。VAP活性剤を含むシリコーンエラストマーゲルの硬度を、上記の通りにテクスチャ分析器で特性決定した。このゲルは実施例15に記載の手順に従って調製した。
【0149】
【表17】

【0150】
(実施例17)
シリコーンエラストマーゲルの調製
さらに、ビタミン活性剤を有するおよび有さないシリコーンエラストマーゲルを、表17に要約した実施例に示すように、有機スペーサーを有するオルガノハイドロジェンシクロシロキサンから誘導した。このゲルは実施例15に記載の手順に従って調製した。
【0151】
【表18】

【0152】
(実施例18)
活性剤を含むシリコーンエラストマーゲルの調製
実施例3の手順を用いて、様々なオルガノハイドロジェンシクロシロキサンから調製されたシリコーンエラストマーゲルの他の実施例を表18に要約する。
【0153】
【表19】

【0154】
(実施例19)
活性剤を含むシリコーンエラストマーブレンドの調製
シリコーンエラストマーブレンドを、最初のエラストマー含有量(IEC)を有すると特徴づけられるシリコーンエラストマーゲル組成物を機械的にせん断して、粒径を減少させ、次に、この混合物を追加の担体液体で所望の最終エラストマー含有量(FEC)まで希釈することによって、いくつかのシリコーンエラストマーゲルから調製した。表19に要約するように、様々なシリコーンエラストマーブレンドを、Hauschildミキサを用いてシリコーンゲル組成物を機械的にせん断して粒径を減少させ、次いで、Dow Corning 245液体でさらに希釈して、10重量%の最終エラストマー含有量(FEC)を有するシリコーンエラストマーブレンドを得ることによって作製した。この実施例のシリコーンブレンド組成物はVAPを含んでおり、VAPは、前添加法(実施例19Bおよび19D)を用いて、またはシリコーンゲル組成物に添加することによってVAPを後添加(実施例19Aおよび19C)することから含めることができる。
【0155】
【表20】

【0156】
(実施例20)
活性剤を含むシリコーンエラストマーブレンドの調製
実施例7の手順を用いて様々なシリコーンエラストマーゲルから調製された、シリコーンエラストマーブレンドの他の実施例を表20に要約する。
【0157】
【表21】

【0158】
(実施例21)
活性剤を含むシリコーンエラストマーブレンドの調製
実施例19の手順を用いて様々なシリコーンエラストマーゲルから調製された、シリコーンエラストマーブレンドの他の実施例を表21に要約する。
【0159】
SEB中のVAP活性剤の存在および完全性を検証するために、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用した。HPLC分析技術の詳細を以下に要約する。
【0160】
SEB中のビタミンAパルミテートに対するHPLCアッセイ
標準の調製
ヘキサン中にVAP 1000μg/mlの原液を作ることによって標準物を調製した。これはVAP 107.2mgを100ml容量フラスコ中に計量することによって行った。次いで、フラスコにヘキサンを100mlのレベルまで満たした。次いで、この原液を4、40、100、300、および500ug/mlの濃度を有する溶液に希釈した。4〜1000μg/mlのすべての標準物を用いて検量線を作成した。
【0161】
SEB試料抽出
この検討で使用した試料抽出には2つの方法があった。PXL SEB試料をヘキサンのみを用いて抽出した。これは、SEB 0.5gをバイアル中のヘキサン20gに加えることによって実施した。配合物試料(Sepigelおよびボディローション)は、配合物試料1gをTHF:IPA(1:1)10gに加えることによって抽出した。次いでこの試料を2時間の混合のためにリストアクションシェーカー上に置いた。混合が完了した後、0.45ミクロンPTFEフィルターを用いて試料をHPLCバイアル中にろ過した。
【0162】
HPLC条件
本発明におけるVAPのアッセイは、2種のHPLCシステム:Waters 991 PDA検出器を備えたWaters 600E HPLCまたはWaters 2996 PDA検出器を備えたWaters 2695 Separation unitのうちの1つにより実施した。カラムおよびカラムガードはWaters製Novapak C18であった。カラムを35℃の一定温度に加熱した。移動相は、1ml/分の流量のメタノール45%、アクリルニトリル20%、およびイソプロパノール35%のセットであった。各試料10μlを注入し、12分間流すようにした。PDA検出器は、波長325nmに設定した。
【0163】
【表22】

【0164】
(実施例22)
活性剤を含むシリコーンエラストマーブレンドの調製
実施例19の手順を用いて様々なシリコーンエラストマーゲルから調製された、シリコーンエラストマーブレンドの他の実施例を表22に要約する。
【0165】
実施例21に要約した手順を用いて、SEB中のVAP活性剤の存在および完全性を検証するために、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用した。
【0166】
【表23】

【0167】
(実施例23)
担体液体を有さない活性剤を含むシリコーンエラストマーゲルの調製
シリコーンエラストマーゲルを、少しも担体液体(成分C)を加えることなく、実施例15の手順を用いて様々なオルガノハイドロジェンシクロシロキサンから調製した。この配合物および得られたゲルの特性を表23に要約する。
【0168】
【表24】

【0169】
【表25】

【図面の簡単な説明】
【0170】
【図1】テクスチャ分析器によって記録された、ゲル中へのプローブ侵入時間の関数としての力の比較

【特許請求の範囲】
【請求項1】
A)その分子中に少なくとも2つのSiH含有シクロシロキサン環を有するオルガノハイドロジェンシロキサン、
B)その分子中に少なくとも2つの脂肪族不飽和基を有する化合物または化合物の混合物、
C)ヒドロシリル化触媒、
および;
D)任意の担体液体
の反応からのシリコーンエラストマーを含むゲル組成物。
【請求項2】
E)パーソナルケアまたはヘルスケア活性剤
をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
オルガノハイドロジェンシロキサンが、式G-[Y-G]α(式中、Gは、少なくとも1つのSiH単位を含むシクロシロキサンであり、Yは、二価の有機基、二価のシロキサン基、二価のポリオキシアルキレン基、またはその組合せであり、αは、0を超える)を有する、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
オルガノハイドロジェンシロキサンが、
a)そのシロキサン環上に少なくとも2つのSiH単位を有するオルガノハイドロジェンシクロシロキサンと、
B)その分子中に少なくとも2つの脂肪族不飽和基を含む化合物または化合物の混合物
(ここで、不飽和基に対するSiH単位のモル比は、2/1〜8/1の範囲である)
のヒドロシリル化反応によって調製される、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項5】
オルガノハイドロジェンシクロシロキサンが、式[(CH3)HSiO]g(式中、gは3〜8である)を有する、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
B)その分子中に少なくとも2つの脂肪族不飽和基を含む化合物が、式R2-Y-R2(式中、R2は、一価の不飽和脂肪族基であり、Yは、二価の炭化水素、シロキサン、ポリオキシアルキレンまたはその混合物である)を有する化合物から選択される、請求項1、2または4に記載の組成物。
【請求項7】
少なくとも2つの脂肪族不飽和基を含む化合物が、式R2RmSiO(4-m)/2
[式中、
Rは有機基であり、
R2は、一価の不飽和脂肪族基であり、
mは0〜3である]
を有する、少なくとも2つのシロキサン単位を含むオルガノポリシロキサンから選択される、請求項1、2または4に記載の組成物。
【請求項8】
オルガノポリシロキサンが、式
(R2R2SiO0.5)(SiO2)w(R2R2SiO0.5)
(R2R2SiO0.5)(SiO2)w(R2SiO)x(R2R2SiO0.5)、
(R2R2SiO0.5)(R2SiO)w(R2R2SiO0.5)、
(R3SiO0.5)(R2SiO)x(R2RSiO)y(R3SiO0.5)、
(R3SiO0.5)(R2SiO)x(R2RSiO)y(RSiO1.5)z(R3SiO0.5)、または
(R3SiO0.5)(R2SiO)x(R2RSiO)y(SiO2)w(R3SiO0.5)、
[式中、w≧0であり、x≧Oであり、y≧2であり、zは≧0であり、
Rは有機基であり、R2は一価の不飽和脂肪族基である]
を有する、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
Rがメチルであり、R2が、CH2=CH-またはCH2=CH-(CH2)4-である、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
オルガノポリシロキサンが、平均式
CH2=CH(Me)2SiO[Me2SiO]xSi(Me)2CH=CH2
CH2=CH-(CH2)4-(Me)2SiO[Me2SiO]xSi(Me)2-(CH2)4-CH=CH2、または
Me3SiO[(Me)2SiO]x[CH2=CH(Me)SiO]ySiMe3
[式中、Meはメチルであり、x≧0であり、y≧2である]
を有する、ビニル官能性またはヘキセニル官能性ポリジメチルシロキサンである、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
C)ヒドロシリル化触媒が、白金族含有触媒である、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
A)/B)のモル比が10:1〜1:10である、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
担体液体が、25℃で1〜1000mm2/秒の範囲の粘度を有する、シリコーンまたは有機液体である、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
担体液体が、デカメチルシクロペンタシロキサン、イソドデカン、またはネオペンタン酸イソデシルである、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
E)が、ビタミン、サンスクリーン剤、植物抽出物、または芳香剤から選択されるパーソナルケア活性剤である、請求項2に記載の組成物。
【請求項16】
E)が、局所的薬物活性剤、タンパク質、酵素、抗真菌薬、または抗菌薬から選択されるヘルスケア活性剤である、請求項2に記載の組成物。
【請求項17】
成分E)が、ビタミンAパルミテートである、請求項2に記載の組成物。
【請求項18】
成分E)が、メトキシ桂皮酸オクチルである、請求項2に記載の組成物。
【請求項19】
I)
a)シロキサン環上に少なくとも2つのSiH単位を有するオルガノハイドロジェンシクロシロキサン、
B)その分子中に少なくとも2つの脂肪族不飽和基を含む化合物または化合物の混合物、および
C)ヒドロシリル化触媒
を反応させて、
A)その分子中に少なくとも2つのSiH含有シクロシロキサン環を有するオルガノハイドロジェンシロキサン
[ここで、成分B)の脂肪族不飽和基に対する成分a)のSiH単位のモル比は、2/1〜8/1の範囲である]
を形成する段階と、
II)
A)その分子中に少なくとも2つのSiH含有シクロシロキサン環を有するオルガノハイドロジェンシロキサンを、追加量の
B)その分子中に少なくとも2つの脂肪族不飽和基を含む化合物または化合物の混合物、および
C)ヒドロシリル化触媒と、
D)任意の担体液体
の存在下で、さらに反応させて、シリコーンエラストマーゲルを形成する段階と
を含む、シリコーンエラストマーゲルを調製する方法。
【請求項20】
I)
a)シロキサン環上に少なくとも2つのSiH単位を有するオルガノハイドロジェンシクロシロキサン、
B)その分子中に少なくとも2つの脂肪族不飽和基を有する化合物、および
C)ヒドロシリル化触媒
を反応させて、
A)その分子中に少なくとも2つのSiH含有シクロシロキサン環を有するオルガノハイドロジェンシロキサン
[ここで、成分B)の脂肪族不飽和基に対する成分a)のSiH単位のモル比は、2/1〜8/1の範囲である]
を形成する段階と、
II)
A)その分子中に少なくとも2つのSiH含有シクロシロキサン環を有するオルガノハイドロジェンシロキサンを、追加量の
B)その分子中に少なくとも2つの脂肪族不飽和基を含む化合物、および
C)ヒドロシリル化触媒と、
D)任意の担体液体
の存在下で、さらに反応させて、シリコーンエラストマーゲルを形成する段階と、
III)
E)パーソナルケアまたはヘルスケア活性剤をシリコーンエラストマーゲルと混合して、
活性剤を含むシリコーンエラストマーゲルを形成する段階と
を含む、活性剤を含むシリコーンエラストマーゲルを調製する方法。
【請求項21】
I)
a)シロキサン環上に少なくとも2つのSiH単位を有するオルガノハイドロジェンシクロシロキサン、
B)その分子中に少なくとも2つの脂肪族不飽和基を含む化合物、および
C)ヒドロシリル化触媒
を反応させて、
A)その分子中に少なくとも2つのSiH含有シクロシロキサン環を有するオルガノハイドロジェンシロキサン
[ここで、成分B)の脂肪族不飽和基に対する成分a)のSiH単位のモル比は、2/1〜8/1の範囲である]
を形成する段階と、
II)
A)その分子中に少なくとも2つのSiH含有シクロシロキサン環を有するオルガノハイドロジェンシロキサンを、追加量の
B)その分子中に少なくとも2つの脂肪族不飽和基を含む化合物、および
C)ヒドロシリル化触媒と、
D)任意の担体液体、および
E)パーソナルケアまたはヘルスケア活性剤
の存在下で、さらに反応させて、活性剤を含むシリコーンエラストマーゲルを形成する段階と
を含む、活性剤を含むシリコーンエラストマーゲルを調製する方法。
【請求項22】
請求項19、20または21により調製されたシリコーンエラストマーゲル。
【請求項23】
I)請求項1または22に記載のシリコーンエラストマーゲルをせん断する段階と、
II)せん断されたシリコーンエラストマーゲルを、追加量のD)担体液体と混合して、ゲルペースト組成物を形成する段階と
を含む、ゲルペースト組成物を調製する方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法により調製されたゲルペースト組成物。

【図1】
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【公表番号】特表2009−530477(P2009−530477A)
【公表日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−501505(P2009−501505)
【出願日】平成19年3月20日(2007.3.20)
【国際出願番号】PCT/US2007/006894
【国際公開番号】WO2007/109260
【国際公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(596012272)ダウ・コーニング・コーポレイション (347)
【Fターム(参考)】