シルバーカー及びキャリーバッグのスライド式ハンドル
【課題】 荷物を収容して持運ぶキャリーバッグ及びシルバーカーのハンドルの提供。
【解決手段】 ハンドル4はその上端に持ち手5を備え外ケースに沿って上下方向にスライドすることが出来、そして、ガイドには上方へ延びる心棒を取付け、ハンドルには2本のジグザグ状チェーンを対を成して上下に配置し、上側ジグザグ状チェーンの上端を固定すると共に下端は自由端とし、下側ジグザグ状チェーンの下端を固定すると共に上端を自由端とし、該上・下側ジグザグ状チェーンは複数のリンクが軸を介して屈曲自在に連結され、上記心棒を所定の間隔をおいて2列に配列した上下ジグザグ状チェーンの各軸の間に挟まれて係合し、そして上下自由端の間にクランプ解除プレートを設けて自由端を押上げ又は押下げ可能としている。
【解決手段】 ハンドル4はその上端に持ち手5を備え外ケースに沿って上下方向にスライドすることが出来、そして、ガイドには上方へ延びる心棒を取付け、ハンドルには2本のジグザグ状チェーンを対を成して上下に配置し、上側ジグザグ状チェーンの上端を固定すると共に下端は自由端とし、下側ジグザグ状チェーンの下端を固定すると共に上端を自由端とし、該上・下側ジグザグ状チェーンは複数のリンクが軸を介して屈曲自在に連結され、上記心棒を所定の間隔をおいて2列に配列した上下ジグザグ状チェーンの各軸の間に挟まれて係合し、そして上下自由端の間にクランプ解除プレートを設けて自由端を押上げ又は押下げ可能としている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシルバーカーを手押しする為のハンドル、及びキャリーバッグを引張る為のハンドルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
シルバーカーとは老人が道を歩く時、又は散歩する時に、歩行を補助する為の手押し車である。シルバーカーにもその型式は色々あるが、しかし基本的には金属製パイプにて構成したフレームの前後に4輪を備え、ハンドルを押すことで安定した走行が出来る構造と成っている。そして、フレームには小荷物を収容することが出来ず布製のバッグが取付けられている。
【0003】
一方、キャリーバッグとは旅行に行く際に荷物を収容して持ち歩く為のバッグである。従って、該キャリーバッグは伸縮するハンドルを備え、バッグ背面側下端には車輪を取付けている。従って、通常はハンドルを持って転がして持運ぶことが出来、しかし、階段の上り下りの際にはハンドルの持ち手を握って手で持ち上げて運ぶことが可能である。キャリーバッグのバッグは金属製、樹脂製、又は布製とし、概略直方体をしている。
【0004】
特開平11−43046号に係る「シルバーカー」は、折畳み及び拡開作業が簡単で、直立状態の安定性に優れている。
すなわち、押棒と後脚の上端とがひじ掛けレバーによって互いに枢動可能に連結され、押棒には枢動レバーと枢動連結レバーの一端が枢着され、該枢動レバーの他端には座部パイプの端部が枢着され、該枢動連結レバーの端部には後脚折り込みレバーの一端が枢着され、該後脚折り込みレバーの他端には前脚折り込みレバーの一端が枢着され、該前脚折り込みレバーの他端が前脚へ枢着され、前記座部パイプには前脚の上端が枢着され、更に該座部パイプには、前脚の枢着位置と枢動レバーの枢着位置との間において引き込みレバーの一端が枢着され、該引き込みレバーの他端が後脚折り込みレバーへ枢着されている。
【0005】
特開平11−115763号に係る「手押し車」は、前後方向及び幅方向の双方向に折り込み可能なように構成している。
前脚と、後脚と、押棒と、一端を後脚へ中間部を前脚へ枢着手段によって枢着されている座杆と、一端が左右の前脚に対して枢動可能に装着されている前脚連結部材と、一端が左右の後脚に対して枢動可能に装着されている後脚連結部材と、下端部が前記前脚連結部材の各剛性部材の中心位置よりも枢着手段側に近い部分に枢着され上端部が前記座杆の前記枢着手段と枢着手段の間に枢着されている牽引杆と、下端部が一方の後脚へ枢着され上端部が他方の後脚へ枢着され概ねX形状に配置される開閉杆と、から構成されており、前記後脚の上端部が前脚に対してスライダー部材を介して滑動する状態に配置されている。
【0006】
特開2004−73534号に係る「ハンガー機能つきキャリーバッグ」は、
ハンガー機能を付加することにより、上着や手提げ袋類などを掛けて一緒に運べるようにしている。
本体の上部に設けられ、主体枠に固定又はスライド可能に結合されていて、下向きコの字形の平行垂直部に挟まれる中央部分を握り手とする運搬把手部と、運搬把手部の上部付近から前記平行垂直部の外側に向かって突き出させることができるハンガー突出部を含む構成とする。ハンガー突出部は、一対の振り出し棒で、握り手内部、又はそれに平行な筒状の部分に収納可能としてもよい。また、一対の棒状又は板状で、運搬把手部平行垂直部に沿う姿勢から略90度回転して外方向に突き出すようにしてもよい。
【0007】
これらの他にも色々なシルバーカー及びキャリーバッグが知られている。そして、シルバーカー及びキャリーバッグにはハンドルが備わっている。すなわち、ハンドル上端に設けた持ち手を握ってシルバーカーを手押しし、又持ち手を握ってキャリーバッグを引くことが出来る。そして、該ハンドルは持ち手の高さが調整出来るようにスライド可能と成っている。従来のハンドルのスライド機構は有段階であり、調整しても体型に合わないといった問題が時々発生する。
【特許文献1】特開平11−43046号に係る「シルバーカー」
【特許文献2】特開平11−115763号に係る「手押し車」
【特許文献3】特開2004−73534号に係る「ハンガー機能つきキャリーバッグ」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このように従来のシルバーカー及びキャリーバッグのハンドルには上記のごとき問題がある。本発明が解決しようとする課題はこの問題点であり、上下方向にスライドして無段階で調整することが出来るシルバーカー及びキャリーバッグのハンドルを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るシルバーカー及びキャリーバッグのハンドルは上下方向にスライドして上端の持ち手高さを無段階調整が出来る構造とし、任意の高さでクランプして固定される。ところで、ハンドルはシルバーカー本体及びキャリーバッグ本体に固定したガイドケースに取付けられてスライドするようにガイドされ、また無段階クランプ手段として複数のリンクを軸を介して連結した多節体を用い、この多節体をジグザグ状に屈曲することで平行を成して2列に配列する軸に心棒を噛み合わせて構成している。心棒はガイドケースに下端が固定されて上方へ延びている。
【0010】
多節体の一方側基端は固定され、他方側先端は自由端となっており、複数の軸と噛み合っている心棒を基端側から先端方向へ引張るとクランプされる。これは、各軸が心棒と共に摩擦によって先端側へ移動し、その結果、2列に配列している軸間距離が縮小する為に心棒はクランプされる。逆に、先端側から基端方向へ心棒を移動する場合には、2列に配列している軸間距離が拡大して心棒は自由にスライドすることが出来る。
【0011】
本発明では、この多節体を上下位置に対を成して取付け、ジグザグ状に屈曲した多節体の各軸間に心棒を挿通して構成している。そして、自由な先端を圧縮するクランプ解除部材を備え、クランプ解除操作部を操作することでクランプが解除される。そして、ジグザグ状チェーンは一般にはハンドル側に設けるが、ガイドケース側に取付けて心棒をハンドル側に設けることも可能である。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るシルバーカー及びキャリーバッグのハンドルは、上下方向にスライドして上端に設けている持ち手の高さを変えることが出来る。しかも、ハンドルのスライドは無段階調整が可能であることから、持ち手の高さ調整は無段階である為に、最も持ち易い高さに微調整が出来る。
【0013】
そして、ハンドルはガイドケースに沿ってスライドすることが出来るが、複数のリンクを軸を介して連結すると共にジグザグに屈曲した軸によって心棒を挟み込んで、クランプすることが出来る。この複数リンクで構成した多節体を上下に対を成して取付けることで、ハンドルは上下方向へのスライドが出来ると共に、任意の位置(高さ)でクランプされる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】シルバーカーの外観図。
【図2】椅子を引き出した場合のシルバーカー。
【図3】椅子の取付け構造。
【図4】バッグの蓋を開き、椅子を引き出している状態のシルバーカー。
【図5】ハンドルをスライドして持ち手が降下した場合の正面側外観図。
【図6】ハンドルスライドして持ち手が降下した場合の背面側外観図。
【図7】椅子を引出してハンドルを縮小した背面側斜視図。
【図8】ハンドルのスライド機構を示す全体図。
【図9】ハンドルの上下スライド機構の概略図。
【図10】ハンドルの上下スライド機構の具体例。
【図11】ハンドル上端の持ち手に取付けたクランプ解除操作部。
【図12】ハンドルの上下スライド装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は本発明に係るハンドルを備えたシルバーカーの1形態を示す実施例であり、該シルバーカーはキャリーバッグとしての機能を有している。同図の1はバッグ、2a,2bは前輪、3a,3bは後輪、4はハンドルをそれぞれ表している。同図に示しているシルバーカーはハンドル4を引上げて走行可能な状態を示し、ハンドル4は上下方向にスライドすることが出来、ハンドル4の上端には両手で握ることが出来る持ち手5a,5bを両側へ延ばしている。そして、持ち手5a,5bはその長さの調整が出来るように伸縮可能と成っている。
【0016】
前輪2a,2bはバッグ1の正面両側下端に取付けられ、しかもその向きを変えることが出来るように軸支されている。又、後輪3a,3bはバッグ1ではなく、バッグ1の背面側に取付けて斜め後方へ傾斜して延びる脚6a,6bの先端(下端)に取付けられている。従って、前輪2a,2bと後輪3a,3b間の距離は大きくなり、シルバーカーとして安定した走行を行うことが出来る。
【0017】
従来の一般的なシルバーカーは金属製のパイプでフレームを構成し、このフレームに前輪及び後輪を取付け、さらに該フレームに小荷物を入れる為のバッグ又はボックスを装着している。これに対して、実施例に示すシルバーカーでは金属製パイプを組立てたフレームを用いることなく、金属製又は樹脂製のモノコック型バッグ自体をフレームとして機能させ、該バッグに前輪2a,2b及び後輪3a,3bを取付けている。しかし、バッグ1の前後下端に前輪2a,2bと後輪3a,3bを取付けたのでは、前後輪2,3間の距離が小さくて安定しない為に、後輪3a,3bはバッグ背面側から斜めに傾斜して延びる脚6a,6bの先端に取付けている。
【0018】
図2はバッグ背面に取付けた椅子7を引き出した場合である。本発明のシルバーカーには椅子7が取付けられ、該椅子7はバッグ1の背面に収納されている。そして必要な時に図2に示すように引出すことが出来、この椅子7を利用して腰掛て一時的に休むことが出来る。該シルバーカーは斜め後方に傾斜して延びる脚6a,6bを有し、この脚先端に後輪3a,3bを取付けると同時に、椅子7も該脚6a,6bによって支持されることで安定することが出来る。
【0019】
図3は脚6aに取付けた椅子7の取付け構造を示している。勿論、他方の脚6bにも同じような構造で取付けられるが、脚6aの内側には軸10が水平に突出し、該軸10にはリンク11が連結している。そして椅子7の片側下面には2個のリブ12a,12bが設けられ、上記リンク11の他端はリブ12aと軸13を介して連結している。
【0020】
また、脚6aの内側にはガイド溝14が長手方向に設けられ、該ガイド溝14にはリブ12bに取付けた軸15が遊嵌している。従って、椅子7に上方から荷重が作用した場合、リブ12bに設けた軸15はガイド溝14の下端に位置していることで、リンク11が回転することはない。従って、椅子7に腰掛けて休むことが出来る。そして、椅子7が不要な時にはリブ12bの軸15をガイド溝14に沿って上方へスライドさせるならば、椅子7は脚6aと平行になり、しかも、脚6aを折り畳むならば、椅子7も該脚6aと共にバッグ1の背面側に収納される。同図の軸16は脚6aの取付け軸である。
【0021】
図4はバッグ1の蓋を開いた状態を示している。バッグ1には開閉することが出来る蓋が取付けられ、同図に示すように表面側へ傾斜して開くことが出来る。蓋を開くならば、バッグ1は開口して内部空間9に荷物を収容することが出来、キャリーバッグとして機能することが出来る。勿論、キャリーバッグとして使用する場合には、椅子7を折畳み、又脚6a,6bを折り畳んで収納し、前輪2a,2bを浮かせて後輪3a,3bを路面が転がって引くことが出来る。
【0022】
図5はハンドル4が縮小して持ち手5a,5bはバッグ1の上端に位置し、両脚6a,6bは折り畳まれてバッグ背面に形成した溝に収納している。従って、同図はキャリーバッグとして使用される場合を表している。そして、該キャリーバッグは持ち手を握って持ち上げることが出来る。図6は図5の背面側を示しているように、両脚6a,6bは溝に収容され、後輪3a,3bはバッグ1の背面側下端に位置している。
【0023】
そして、持ち手5a,5bには補助握り部8が設けられ、図5、図6に示す状態でバッグ1を持ち上げる場合には上記補助握り部8を使用することが出来る。補助握り部8は両持ち手5a,5bの中間位置であって、しかもバッグ1の正面側に位置している。両持ち手5a,5bはバッグ1の背面側に位置して上下方向にスライドするハンドル4とほぼ同一面内に設けられ、この持ち手5a,5bの位置でバッグ1を持ち上げるならば、バッグ1の重心が正面側になることで、持ち上げられたバッグ1は傾いて背面下端部が体に接する。その為に、該バッグ1を持って歩き難くなる。
【0024】
正面側に位置している補助握り部8はバッグ1の重心部位を通る面内に位置することで、該補助握り部8を握って持ち上げたバッグ1は傾斜することなく、体に当ることはない。従って、バッグ1を持ち易く、しかも歩き易い。キャリーバッグとして使用する場合には、一般に後輪3a,3bが路面を転がって引くことが出来る。しかし、階段を上り下りする場合には該バッグ1を持ち上げなくてはならず、上記補助握り部8を持つことでバッグ1は傾くことなく安定する。
【0025】
図7はバッグ1の背面側を示しているが、バッグ1の背面側にはハンドル4が取付けられている。図8は本発明に係るハンドル4の上下スライド機構の断面を示す具体例であり、同図に示すハンドル4は無段階で上下スライドすることが出来る。該ハンドル4は長方形断面のパイプから成り、このハンドル4はガイドと成る外ケース17に嵌って取付けられ、そして該外ケース17に沿って上下方向にスライドすることが出来る。
【0026】
また、外ケース17の下端は軸支されて前後方向に揺動することが出来る。そして、外ケース17の下端には心棒18が固定され、該心棒18は上方へ延びている。上記ハンドル4の内部にはジグザグに屈曲した多節体(チェーン)が配置され、該心棒18をクランプしている。ジグザグ状チェーンは所定の間隔をおいて上下位置に取付けられ、外ケース17に固定した心棒18をクランプすることで、ハンドル4の上下方向スライドが阻止される。すなわち、ジグザグ状チェーンに形成される貫通穴に心棒18が挿通している。
【0027】
図9は本発明のハンドル4のスライド・クランプ機構を示す概略図であり、外ケース17に嵌ったハンドル4は上下方向にスライドすることが出来、該ハンドル4は所定の位置でクランプされ、上端の持ち手5a,5bを適度な高さに保つことが出来る。そこで、外ケース17の下端から上方へ延びる心棒18に上側ジグザグ状チェーン19と下側ジグザグ状チェーン20が噛み合うことで、ハンドル4は所定の高さにクランプされる。
【0028】
上側ジグザグ状チェーン19及び下側ジグザグ状チェーン20は複数のリンク29,29・・・を軸30,30・・・を介して連結して構成され、該リンク29,29・・・は軸30,30・・・を中心として同図のようにジグザグ状に屈曲することが出来る。屈曲した上側ジグザグ状チェーン19及び下側ジグザグ状チェーン20の軸30,30・・・は所定の間隔をおいて2列に配列して貫通穴が形成される。心棒18はこの貫通穴に挿通している。
【0029】
従って、心棒18は上側ジグザグ状チェーン19及び下側ジグザグ状チェーン20の各軸30,30・・・に挟み込まれてクランプされる。上側ジグザグ状チェーン19の上端軸30は固定端21としてハンドル4側に取着され、下側ジグザグ状チェーン20の下端軸30は固定端22としてハンドル4側に取着されている。そこで、ハンドル4が上方へスライドする場合、上側ジグザグ状チェーン19の固定端21はハンドル4と共に上昇するが、該上側ジグザグ状チェーン19は引き伸ばされるために各軸は心棒18に係合してクランプされる。そこで、上側ジグザグ状チェーン19の下端に位置している自由端27を持ち上げて圧縮するならば、各軸30,30・・・は心棒18から離れてハンドル4は上方へスライドすることが出来る。
【0030】
この場合、下側ジグザグ状チェーン20はハンドル4の上昇と共に下端に設けている固定端22が上昇して圧縮され、各軸30,30・・・は心棒から離れるために何ら問題なく行なわれる。逆に、ハンドル4を下方へスライドする場合、
下側ジグザグ状チェーン20の固定端22はハンドル4と共に降下するが、該下側ジグザグ状チェーン20は引き伸ばされるために各軸30,30・・・は心棒18に係合してクランプされる。従って、下側ジグザグ状チェーン20の上端に位置している自由端28を押下げて圧縮するならば、各軸30,30・・・は心棒18から離れてハンドル4は下方へスライドすることが出来る。
【0031】
この場合、上側ジグザグ状チェーン19はハンドル4の降下と共に上端に設けている固定端21が降下して圧縮され、各軸30,30・・・は心棒から離れるために何ら問題なく行なわれる。そこで、図9のスライド・クランプ機構にはクランプ解除プレート23が取付けられ、該クランプ・解除プレート23を昇降することで上側ジグザグ状チェーン19及び下側ジグザグ状チェーン20のクランプが解除される。
【0032】
該クランプ解除プレート23は上側ジグザグ状チェーン19の自由端27と下側ジグザグ状チェーン20の自由端28の間に配置され、クランプ解除プレート23が上昇すると自由端27が持ち上げられて上側ジグザグ状チェーン19のクランプが解除される。従って、ハンドル4は上方へスライドすることが出来る。逆に、クランプ解除プレート23を降下するならば、自由端28が押下げられて下側ジグザグ状チェーン20のクランプが解除される。従って、ハンドル4は下方へスライドすることが出来る。
ところで、上側ジグザグ状チェーン19及び下側ジグザグ状チェーン20にはバネ力が付勢されて引き伸ばすように作用している。すなわち、各軸30,30・・・が心棒18に常時接することが出来る状態と成っている。特に、下側ジグザグ状チェーン20の自由端28が自重にて降下し、ロック解除を操作する以外に軸30,30・・・が心棒18から離れないようにしている。
【0033】
図10はジグザグ状チェーンを用いたクランプ機構を示す具体例であり、同図の19は上側ジグザグ状チェーン、20は下側ジグザグ状チェーンを示し、上側ジグザグ状チェーン19の上端は固定端21となってハンドル側に固定され、同じく下側ジグザグ状チェーン20の下端は固定端22と成ってハンドル側に固定されている。上・下側ジグザグ状チェーン19,20は複数のリンク29,29・・・を軸30,30・・・によって連結し、これをノコ歯状に屈曲してジグザグ形状としたものであり、ジグザグ形状に屈曲することで貫通した穴が形成され、この穴に心棒18が挿通している。
【0034】
従って、前記図9にて説明したように、ハンドル4を上方へスライドして引き伸ばそうとする場合、上端に固定端21を持つ上側ジグザグ状チェーン19の各軸30,30・・・が心棒18と係合してクランプする。また、ハンドル4を下側へスライドして縮めようとする場合、下端に固定端22を持つ下側ジグザグ状チェーン20の各軸30,30・・・が心棒18と係合してクランプする。このように、ハンドル4の上下方向スライドは、上記上側ジグザグ状チェーン19及び下側ジグザグ状チェーン20によってクランプされる。
【0035】
そこで、ハンドル4の上下スライドを行なう為には上側ジグザグ状チェーン19及び下側ジグザグ状チェーン20のクランプを解除しなくてはならない。同図の23はクランプ解除プレートを示している。このクランプ解除プレート23は上方へ延ばして上端がブクランプ24に固定され、該ブクランプ24は連結パイプ25の下端に取着されている。そして、該連結パイプ25の上端は、ハンドル4の上端部まで延び、クランプ解除操作部26と連結している。
【0036】
図11はハンドル4の上端に取付けている持ち手5を示し、この持ち手5にはクランプ解除操作部26を取付けている。同図のクランプ解除操作部26は持ち上げた状態であって、このクランプ解除操作部26が持ち上げられるならば、連結パイプ25は上昇し、上記クランプ解除プレート23も上昇する。その結果、クランプ解除プレート23によって上側ジグザグ状チェーン19の自由端27が持ち上げられ、上側ジグザグ状チェーン19の各軸30,30・・・は心棒18との係合が解かれ、ハンドル4を上方へスライドさせることが出来る。すなわち、ハンドル4を引き伸ばすことが出来る。
【0037】
逆に、クランプ解除操作部26を押下げるならば連結パイプ25は降下し、連結パイプ25の下端に連結しているクランプ解除プレート23の降下によって下側ジグザグ状チェーン20の自由端28が押下げられる。その結果、下側ジグザグ状チェーン20の各軸30,30・・・は心棒18との係合が解かれてハンドル4を下方へスライドさせることが出来る。すなわち、ハンドル4を縮めることが出来る。そこで、上記クランプ解除操作部26を中間位置に配置するならば、ハンドル4は上昇することも降下することも出来ない。該クランプ解除操作部26を中間位置に保つ為に、上・下対を成して配置したコイルバネによってバランスが保たれている。すなわち、クランプ解除操作部26を操作しない限り、ハンドル4が昇降動しないように該クランプ解除操作部26は中間位置にバランスして保たれる。
【0038】
このように、ハンドル4は上下方向にスライドして伸縮することが出来るように成っていて、ハンドル上端に設けている持ち手5の高さは、老人の体型によって無段階調整可能としている。ところで、前記図9、図10に示した実施例では、ハンドル側に上側ジグザグ状チェーン19と下側ジグザグ状チェーン20が取付けられ、外ケース側に心棒18を有している場合であるが、逆配置とすることも可能である。
【0039】
すなわち、ハンドル4のガイドと成る外ケース側に上側ジグザグ状チェーン19と下側ジグザグ状チェーン20を取付け、ハンドル側に心棒18を設けることが出来る。この場合のクランプ解除プレート23のクランプ解除操作部26を持ち手部に設けることは出来ない為に、例えば、外ケース上端部に設けることが出来る。
【0040】
一方、上側ジグザグ状チェーン19及び下側ジグザグ状チェーン20は、複数のリンク29,29・・・を軸30,30・・・を介して屈曲自在に連結した多節体であり、その具体的な形態は問わないことにする。最も一般的なジグザグ状チェーンとしては、自動二輪車の動力伝達用として多用されているローラチェーンのように、軸30,30・・・の両端をリンク29,29・・・で連結して構成することが出来る。勿論、動力伝達用ローラチェーンとは異なり、本発明のジグザグ状チェーンではブシュやローラは必要ない。
【0041】
また、軸30,30・・・の中央部にリンク29,29・・・を設けた多節体とし、この場合には軸30,30・・・はリンク20,29・・・の両側へ延びている。従って、心棒18はリンク29,29・・・を挟んで両側に2本設けられ、各軸30,30・・・にて2本の心棒18,18を挟み込んでクランプすることが出来る。
【0042】
図12はハンドル4のスライド・クランプ装置をハンドル4から取外して示した具体例であり、前記図10のハンドル4の内部に取付けられる。同図の19は上側ジグザグ状チェーン、20は下側ジグザグ状チェーン、18は心棒を表し、上・下側ジグザグ状チェーン19,20の片側には固定プレート33が設けられ、この固定プレート33は上側部材31及び下側部材32と連結して固定され、ハンドル4に取着されている。
【0043】
そして、ジグザグ状チェーン19,20の固定端21,22は上記固定プレート33の上下に設けられている。クランプ解除プレート23は上・下側ジグザグ状チェーン19,20を挟んで固定プレート33と反対側に設けられ、上方へ延びてブロック24と連結している。そして、ブロック24からは上方へ連結パイプ25が延びてロック解除操作部26と連結している。外ケース下端に固定された上記心棒18は下側部材32、下側ジグザグ状チェーン20、上側ジグザグ状チェーン19、及び上側部材31、ブロック24、連結パイプ25を貫通して上方へ延びている。ところで、図12に示すスライド・クランプ装置はハンドル4とは別に独立して製作し、これをハンドル4の内部に取付けることが出来る為に、スライド式ハンドルの製作工数は低減する。
【符号の説明】
【0044】
1 バッグ
2 前輪
3 後輪
4 ハンドル
5 持ち手
6 脚
7 椅子
8 補助握り部
9 内部空間
10 軸
11 リンク
12 リブ
13 軸
14 ガイド溝
15 軸
16 軸
17 外ケース
18 心棒
19 上側ジグザグ状チェーン
20 下側ジグザグ状チェーン
21 固定端
22 固定端
23 クランプ解除プレート
24 ブロック
25 連結パイプ
26 クランプ解除操作部
27 自由端
28 自由端
29 リンク
30 軸
31 上側部材
32 下側部材
33 固定プレート
【技術分野】
【0001】
本発明はシルバーカーを手押しする為のハンドル、及びキャリーバッグを引張る為のハンドルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
シルバーカーとは老人が道を歩く時、又は散歩する時に、歩行を補助する為の手押し車である。シルバーカーにもその型式は色々あるが、しかし基本的には金属製パイプにて構成したフレームの前後に4輪を備え、ハンドルを押すことで安定した走行が出来る構造と成っている。そして、フレームには小荷物を収容することが出来ず布製のバッグが取付けられている。
【0003】
一方、キャリーバッグとは旅行に行く際に荷物を収容して持ち歩く為のバッグである。従って、該キャリーバッグは伸縮するハンドルを備え、バッグ背面側下端には車輪を取付けている。従って、通常はハンドルを持って転がして持運ぶことが出来、しかし、階段の上り下りの際にはハンドルの持ち手を握って手で持ち上げて運ぶことが可能である。キャリーバッグのバッグは金属製、樹脂製、又は布製とし、概略直方体をしている。
【0004】
特開平11−43046号に係る「シルバーカー」は、折畳み及び拡開作業が簡単で、直立状態の安定性に優れている。
すなわち、押棒と後脚の上端とがひじ掛けレバーによって互いに枢動可能に連結され、押棒には枢動レバーと枢動連結レバーの一端が枢着され、該枢動レバーの他端には座部パイプの端部が枢着され、該枢動連結レバーの端部には後脚折り込みレバーの一端が枢着され、該後脚折り込みレバーの他端には前脚折り込みレバーの一端が枢着され、該前脚折り込みレバーの他端が前脚へ枢着され、前記座部パイプには前脚の上端が枢着され、更に該座部パイプには、前脚の枢着位置と枢動レバーの枢着位置との間において引き込みレバーの一端が枢着され、該引き込みレバーの他端が後脚折り込みレバーへ枢着されている。
【0005】
特開平11−115763号に係る「手押し車」は、前後方向及び幅方向の双方向に折り込み可能なように構成している。
前脚と、後脚と、押棒と、一端を後脚へ中間部を前脚へ枢着手段によって枢着されている座杆と、一端が左右の前脚に対して枢動可能に装着されている前脚連結部材と、一端が左右の後脚に対して枢動可能に装着されている後脚連結部材と、下端部が前記前脚連結部材の各剛性部材の中心位置よりも枢着手段側に近い部分に枢着され上端部が前記座杆の前記枢着手段と枢着手段の間に枢着されている牽引杆と、下端部が一方の後脚へ枢着され上端部が他方の後脚へ枢着され概ねX形状に配置される開閉杆と、から構成されており、前記後脚の上端部が前脚に対してスライダー部材を介して滑動する状態に配置されている。
【0006】
特開2004−73534号に係る「ハンガー機能つきキャリーバッグ」は、
ハンガー機能を付加することにより、上着や手提げ袋類などを掛けて一緒に運べるようにしている。
本体の上部に設けられ、主体枠に固定又はスライド可能に結合されていて、下向きコの字形の平行垂直部に挟まれる中央部分を握り手とする運搬把手部と、運搬把手部の上部付近から前記平行垂直部の外側に向かって突き出させることができるハンガー突出部を含む構成とする。ハンガー突出部は、一対の振り出し棒で、握り手内部、又はそれに平行な筒状の部分に収納可能としてもよい。また、一対の棒状又は板状で、運搬把手部平行垂直部に沿う姿勢から略90度回転して外方向に突き出すようにしてもよい。
【0007】
これらの他にも色々なシルバーカー及びキャリーバッグが知られている。そして、シルバーカー及びキャリーバッグにはハンドルが備わっている。すなわち、ハンドル上端に設けた持ち手を握ってシルバーカーを手押しし、又持ち手を握ってキャリーバッグを引くことが出来る。そして、該ハンドルは持ち手の高さが調整出来るようにスライド可能と成っている。従来のハンドルのスライド機構は有段階であり、調整しても体型に合わないといった問題が時々発生する。
【特許文献1】特開平11−43046号に係る「シルバーカー」
【特許文献2】特開平11−115763号に係る「手押し車」
【特許文献3】特開2004−73534号に係る「ハンガー機能つきキャリーバッグ」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このように従来のシルバーカー及びキャリーバッグのハンドルには上記のごとき問題がある。本発明が解決しようとする課題はこの問題点であり、上下方向にスライドして無段階で調整することが出来るシルバーカー及びキャリーバッグのハンドルを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るシルバーカー及びキャリーバッグのハンドルは上下方向にスライドして上端の持ち手高さを無段階調整が出来る構造とし、任意の高さでクランプして固定される。ところで、ハンドルはシルバーカー本体及びキャリーバッグ本体に固定したガイドケースに取付けられてスライドするようにガイドされ、また無段階クランプ手段として複数のリンクを軸を介して連結した多節体を用い、この多節体をジグザグ状に屈曲することで平行を成して2列に配列する軸に心棒を噛み合わせて構成している。心棒はガイドケースに下端が固定されて上方へ延びている。
【0010】
多節体の一方側基端は固定され、他方側先端は自由端となっており、複数の軸と噛み合っている心棒を基端側から先端方向へ引張るとクランプされる。これは、各軸が心棒と共に摩擦によって先端側へ移動し、その結果、2列に配列している軸間距離が縮小する為に心棒はクランプされる。逆に、先端側から基端方向へ心棒を移動する場合には、2列に配列している軸間距離が拡大して心棒は自由にスライドすることが出来る。
【0011】
本発明では、この多節体を上下位置に対を成して取付け、ジグザグ状に屈曲した多節体の各軸間に心棒を挿通して構成している。そして、自由な先端を圧縮するクランプ解除部材を備え、クランプ解除操作部を操作することでクランプが解除される。そして、ジグザグ状チェーンは一般にはハンドル側に設けるが、ガイドケース側に取付けて心棒をハンドル側に設けることも可能である。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るシルバーカー及びキャリーバッグのハンドルは、上下方向にスライドして上端に設けている持ち手の高さを変えることが出来る。しかも、ハンドルのスライドは無段階調整が可能であることから、持ち手の高さ調整は無段階である為に、最も持ち易い高さに微調整が出来る。
【0013】
そして、ハンドルはガイドケースに沿ってスライドすることが出来るが、複数のリンクを軸を介して連結すると共にジグザグに屈曲した軸によって心棒を挟み込んで、クランプすることが出来る。この複数リンクで構成した多節体を上下に対を成して取付けることで、ハンドルは上下方向へのスライドが出来ると共に、任意の位置(高さ)でクランプされる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】シルバーカーの外観図。
【図2】椅子を引き出した場合のシルバーカー。
【図3】椅子の取付け構造。
【図4】バッグの蓋を開き、椅子を引き出している状態のシルバーカー。
【図5】ハンドルをスライドして持ち手が降下した場合の正面側外観図。
【図6】ハンドルスライドして持ち手が降下した場合の背面側外観図。
【図7】椅子を引出してハンドルを縮小した背面側斜視図。
【図8】ハンドルのスライド機構を示す全体図。
【図9】ハンドルの上下スライド機構の概略図。
【図10】ハンドルの上下スライド機構の具体例。
【図11】ハンドル上端の持ち手に取付けたクランプ解除操作部。
【図12】ハンドルの上下スライド装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は本発明に係るハンドルを備えたシルバーカーの1形態を示す実施例であり、該シルバーカーはキャリーバッグとしての機能を有している。同図の1はバッグ、2a,2bは前輪、3a,3bは後輪、4はハンドルをそれぞれ表している。同図に示しているシルバーカーはハンドル4を引上げて走行可能な状態を示し、ハンドル4は上下方向にスライドすることが出来、ハンドル4の上端には両手で握ることが出来る持ち手5a,5bを両側へ延ばしている。そして、持ち手5a,5bはその長さの調整が出来るように伸縮可能と成っている。
【0016】
前輪2a,2bはバッグ1の正面両側下端に取付けられ、しかもその向きを変えることが出来るように軸支されている。又、後輪3a,3bはバッグ1ではなく、バッグ1の背面側に取付けて斜め後方へ傾斜して延びる脚6a,6bの先端(下端)に取付けられている。従って、前輪2a,2bと後輪3a,3b間の距離は大きくなり、シルバーカーとして安定した走行を行うことが出来る。
【0017】
従来の一般的なシルバーカーは金属製のパイプでフレームを構成し、このフレームに前輪及び後輪を取付け、さらに該フレームに小荷物を入れる為のバッグ又はボックスを装着している。これに対して、実施例に示すシルバーカーでは金属製パイプを組立てたフレームを用いることなく、金属製又は樹脂製のモノコック型バッグ自体をフレームとして機能させ、該バッグに前輪2a,2b及び後輪3a,3bを取付けている。しかし、バッグ1の前後下端に前輪2a,2bと後輪3a,3bを取付けたのでは、前後輪2,3間の距離が小さくて安定しない為に、後輪3a,3bはバッグ背面側から斜めに傾斜して延びる脚6a,6bの先端に取付けている。
【0018】
図2はバッグ背面に取付けた椅子7を引き出した場合である。本発明のシルバーカーには椅子7が取付けられ、該椅子7はバッグ1の背面に収納されている。そして必要な時に図2に示すように引出すことが出来、この椅子7を利用して腰掛て一時的に休むことが出来る。該シルバーカーは斜め後方に傾斜して延びる脚6a,6bを有し、この脚先端に後輪3a,3bを取付けると同時に、椅子7も該脚6a,6bによって支持されることで安定することが出来る。
【0019】
図3は脚6aに取付けた椅子7の取付け構造を示している。勿論、他方の脚6bにも同じような構造で取付けられるが、脚6aの内側には軸10が水平に突出し、該軸10にはリンク11が連結している。そして椅子7の片側下面には2個のリブ12a,12bが設けられ、上記リンク11の他端はリブ12aと軸13を介して連結している。
【0020】
また、脚6aの内側にはガイド溝14が長手方向に設けられ、該ガイド溝14にはリブ12bに取付けた軸15が遊嵌している。従って、椅子7に上方から荷重が作用した場合、リブ12bに設けた軸15はガイド溝14の下端に位置していることで、リンク11が回転することはない。従って、椅子7に腰掛けて休むことが出来る。そして、椅子7が不要な時にはリブ12bの軸15をガイド溝14に沿って上方へスライドさせるならば、椅子7は脚6aと平行になり、しかも、脚6aを折り畳むならば、椅子7も該脚6aと共にバッグ1の背面側に収納される。同図の軸16は脚6aの取付け軸である。
【0021】
図4はバッグ1の蓋を開いた状態を示している。バッグ1には開閉することが出来る蓋が取付けられ、同図に示すように表面側へ傾斜して開くことが出来る。蓋を開くならば、バッグ1は開口して内部空間9に荷物を収容することが出来、キャリーバッグとして機能することが出来る。勿論、キャリーバッグとして使用する場合には、椅子7を折畳み、又脚6a,6bを折り畳んで収納し、前輪2a,2bを浮かせて後輪3a,3bを路面が転がって引くことが出来る。
【0022】
図5はハンドル4が縮小して持ち手5a,5bはバッグ1の上端に位置し、両脚6a,6bは折り畳まれてバッグ背面に形成した溝に収納している。従って、同図はキャリーバッグとして使用される場合を表している。そして、該キャリーバッグは持ち手を握って持ち上げることが出来る。図6は図5の背面側を示しているように、両脚6a,6bは溝に収容され、後輪3a,3bはバッグ1の背面側下端に位置している。
【0023】
そして、持ち手5a,5bには補助握り部8が設けられ、図5、図6に示す状態でバッグ1を持ち上げる場合には上記補助握り部8を使用することが出来る。補助握り部8は両持ち手5a,5bの中間位置であって、しかもバッグ1の正面側に位置している。両持ち手5a,5bはバッグ1の背面側に位置して上下方向にスライドするハンドル4とほぼ同一面内に設けられ、この持ち手5a,5bの位置でバッグ1を持ち上げるならば、バッグ1の重心が正面側になることで、持ち上げられたバッグ1は傾いて背面下端部が体に接する。その為に、該バッグ1を持って歩き難くなる。
【0024】
正面側に位置している補助握り部8はバッグ1の重心部位を通る面内に位置することで、該補助握り部8を握って持ち上げたバッグ1は傾斜することなく、体に当ることはない。従って、バッグ1を持ち易く、しかも歩き易い。キャリーバッグとして使用する場合には、一般に後輪3a,3bが路面を転がって引くことが出来る。しかし、階段を上り下りする場合には該バッグ1を持ち上げなくてはならず、上記補助握り部8を持つことでバッグ1は傾くことなく安定する。
【0025】
図7はバッグ1の背面側を示しているが、バッグ1の背面側にはハンドル4が取付けられている。図8は本発明に係るハンドル4の上下スライド機構の断面を示す具体例であり、同図に示すハンドル4は無段階で上下スライドすることが出来る。該ハンドル4は長方形断面のパイプから成り、このハンドル4はガイドと成る外ケース17に嵌って取付けられ、そして該外ケース17に沿って上下方向にスライドすることが出来る。
【0026】
また、外ケース17の下端は軸支されて前後方向に揺動することが出来る。そして、外ケース17の下端には心棒18が固定され、該心棒18は上方へ延びている。上記ハンドル4の内部にはジグザグに屈曲した多節体(チェーン)が配置され、該心棒18をクランプしている。ジグザグ状チェーンは所定の間隔をおいて上下位置に取付けられ、外ケース17に固定した心棒18をクランプすることで、ハンドル4の上下方向スライドが阻止される。すなわち、ジグザグ状チェーンに形成される貫通穴に心棒18が挿通している。
【0027】
図9は本発明のハンドル4のスライド・クランプ機構を示す概略図であり、外ケース17に嵌ったハンドル4は上下方向にスライドすることが出来、該ハンドル4は所定の位置でクランプされ、上端の持ち手5a,5bを適度な高さに保つことが出来る。そこで、外ケース17の下端から上方へ延びる心棒18に上側ジグザグ状チェーン19と下側ジグザグ状チェーン20が噛み合うことで、ハンドル4は所定の高さにクランプされる。
【0028】
上側ジグザグ状チェーン19及び下側ジグザグ状チェーン20は複数のリンク29,29・・・を軸30,30・・・を介して連結して構成され、該リンク29,29・・・は軸30,30・・・を中心として同図のようにジグザグ状に屈曲することが出来る。屈曲した上側ジグザグ状チェーン19及び下側ジグザグ状チェーン20の軸30,30・・・は所定の間隔をおいて2列に配列して貫通穴が形成される。心棒18はこの貫通穴に挿通している。
【0029】
従って、心棒18は上側ジグザグ状チェーン19及び下側ジグザグ状チェーン20の各軸30,30・・・に挟み込まれてクランプされる。上側ジグザグ状チェーン19の上端軸30は固定端21としてハンドル4側に取着され、下側ジグザグ状チェーン20の下端軸30は固定端22としてハンドル4側に取着されている。そこで、ハンドル4が上方へスライドする場合、上側ジグザグ状チェーン19の固定端21はハンドル4と共に上昇するが、該上側ジグザグ状チェーン19は引き伸ばされるために各軸は心棒18に係合してクランプされる。そこで、上側ジグザグ状チェーン19の下端に位置している自由端27を持ち上げて圧縮するならば、各軸30,30・・・は心棒18から離れてハンドル4は上方へスライドすることが出来る。
【0030】
この場合、下側ジグザグ状チェーン20はハンドル4の上昇と共に下端に設けている固定端22が上昇して圧縮され、各軸30,30・・・は心棒から離れるために何ら問題なく行なわれる。逆に、ハンドル4を下方へスライドする場合、
下側ジグザグ状チェーン20の固定端22はハンドル4と共に降下するが、該下側ジグザグ状チェーン20は引き伸ばされるために各軸30,30・・・は心棒18に係合してクランプされる。従って、下側ジグザグ状チェーン20の上端に位置している自由端28を押下げて圧縮するならば、各軸30,30・・・は心棒18から離れてハンドル4は下方へスライドすることが出来る。
【0031】
この場合、上側ジグザグ状チェーン19はハンドル4の降下と共に上端に設けている固定端21が降下して圧縮され、各軸30,30・・・は心棒から離れるために何ら問題なく行なわれる。そこで、図9のスライド・クランプ機構にはクランプ解除プレート23が取付けられ、該クランプ・解除プレート23を昇降することで上側ジグザグ状チェーン19及び下側ジグザグ状チェーン20のクランプが解除される。
【0032】
該クランプ解除プレート23は上側ジグザグ状チェーン19の自由端27と下側ジグザグ状チェーン20の自由端28の間に配置され、クランプ解除プレート23が上昇すると自由端27が持ち上げられて上側ジグザグ状チェーン19のクランプが解除される。従って、ハンドル4は上方へスライドすることが出来る。逆に、クランプ解除プレート23を降下するならば、自由端28が押下げられて下側ジグザグ状チェーン20のクランプが解除される。従って、ハンドル4は下方へスライドすることが出来る。
ところで、上側ジグザグ状チェーン19及び下側ジグザグ状チェーン20にはバネ力が付勢されて引き伸ばすように作用している。すなわち、各軸30,30・・・が心棒18に常時接することが出来る状態と成っている。特に、下側ジグザグ状チェーン20の自由端28が自重にて降下し、ロック解除を操作する以外に軸30,30・・・が心棒18から離れないようにしている。
【0033】
図10はジグザグ状チェーンを用いたクランプ機構を示す具体例であり、同図の19は上側ジグザグ状チェーン、20は下側ジグザグ状チェーンを示し、上側ジグザグ状チェーン19の上端は固定端21となってハンドル側に固定され、同じく下側ジグザグ状チェーン20の下端は固定端22と成ってハンドル側に固定されている。上・下側ジグザグ状チェーン19,20は複数のリンク29,29・・・を軸30,30・・・によって連結し、これをノコ歯状に屈曲してジグザグ形状としたものであり、ジグザグ形状に屈曲することで貫通した穴が形成され、この穴に心棒18が挿通している。
【0034】
従って、前記図9にて説明したように、ハンドル4を上方へスライドして引き伸ばそうとする場合、上端に固定端21を持つ上側ジグザグ状チェーン19の各軸30,30・・・が心棒18と係合してクランプする。また、ハンドル4を下側へスライドして縮めようとする場合、下端に固定端22を持つ下側ジグザグ状チェーン20の各軸30,30・・・が心棒18と係合してクランプする。このように、ハンドル4の上下方向スライドは、上記上側ジグザグ状チェーン19及び下側ジグザグ状チェーン20によってクランプされる。
【0035】
そこで、ハンドル4の上下スライドを行なう為には上側ジグザグ状チェーン19及び下側ジグザグ状チェーン20のクランプを解除しなくてはならない。同図の23はクランプ解除プレートを示している。このクランプ解除プレート23は上方へ延ばして上端がブクランプ24に固定され、該ブクランプ24は連結パイプ25の下端に取着されている。そして、該連結パイプ25の上端は、ハンドル4の上端部まで延び、クランプ解除操作部26と連結している。
【0036】
図11はハンドル4の上端に取付けている持ち手5を示し、この持ち手5にはクランプ解除操作部26を取付けている。同図のクランプ解除操作部26は持ち上げた状態であって、このクランプ解除操作部26が持ち上げられるならば、連結パイプ25は上昇し、上記クランプ解除プレート23も上昇する。その結果、クランプ解除プレート23によって上側ジグザグ状チェーン19の自由端27が持ち上げられ、上側ジグザグ状チェーン19の各軸30,30・・・は心棒18との係合が解かれ、ハンドル4を上方へスライドさせることが出来る。すなわち、ハンドル4を引き伸ばすことが出来る。
【0037】
逆に、クランプ解除操作部26を押下げるならば連結パイプ25は降下し、連結パイプ25の下端に連結しているクランプ解除プレート23の降下によって下側ジグザグ状チェーン20の自由端28が押下げられる。その結果、下側ジグザグ状チェーン20の各軸30,30・・・は心棒18との係合が解かれてハンドル4を下方へスライドさせることが出来る。すなわち、ハンドル4を縮めることが出来る。そこで、上記クランプ解除操作部26を中間位置に配置するならば、ハンドル4は上昇することも降下することも出来ない。該クランプ解除操作部26を中間位置に保つ為に、上・下対を成して配置したコイルバネによってバランスが保たれている。すなわち、クランプ解除操作部26を操作しない限り、ハンドル4が昇降動しないように該クランプ解除操作部26は中間位置にバランスして保たれる。
【0038】
このように、ハンドル4は上下方向にスライドして伸縮することが出来るように成っていて、ハンドル上端に設けている持ち手5の高さは、老人の体型によって無段階調整可能としている。ところで、前記図9、図10に示した実施例では、ハンドル側に上側ジグザグ状チェーン19と下側ジグザグ状チェーン20が取付けられ、外ケース側に心棒18を有している場合であるが、逆配置とすることも可能である。
【0039】
すなわち、ハンドル4のガイドと成る外ケース側に上側ジグザグ状チェーン19と下側ジグザグ状チェーン20を取付け、ハンドル側に心棒18を設けることが出来る。この場合のクランプ解除プレート23のクランプ解除操作部26を持ち手部に設けることは出来ない為に、例えば、外ケース上端部に設けることが出来る。
【0040】
一方、上側ジグザグ状チェーン19及び下側ジグザグ状チェーン20は、複数のリンク29,29・・・を軸30,30・・・を介して屈曲自在に連結した多節体であり、その具体的な形態は問わないことにする。最も一般的なジグザグ状チェーンとしては、自動二輪車の動力伝達用として多用されているローラチェーンのように、軸30,30・・・の両端をリンク29,29・・・で連結して構成することが出来る。勿論、動力伝達用ローラチェーンとは異なり、本発明のジグザグ状チェーンではブシュやローラは必要ない。
【0041】
また、軸30,30・・・の中央部にリンク29,29・・・を設けた多節体とし、この場合には軸30,30・・・はリンク20,29・・・の両側へ延びている。従って、心棒18はリンク29,29・・・を挟んで両側に2本設けられ、各軸30,30・・・にて2本の心棒18,18を挟み込んでクランプすることが出来る。
【0042】
図12はハンドル4のスライド・クランプ装置をハンドル4から取外して示した具体例であり、前記図10のハンドル4の内部に取付けられる。同図の19は上側ジグザグ状チェーン、20は下側ジグザグ状チェーン、18は心棒を表し、上・下側ジグザグ状チェーン19,20の片側には固定プレート33が設けられ、この固定プレート33は上側部材31及び下側部材32と連結して固定され、ハンドル4に取着されている。
【0043】
そして、ジグザグ状チェーン19,20の固定端21,22は上記固定プレート33の上下に設けられている。クランプ解除プレート23は上・下側ジグザグ状チェーン19,20を挟んで固定プレート33と反対側に設けられ、上方へ延びてブロック24と連結している。そして、ブロック24からは上方へ連結パイプ25が延びてロック解除操作部26と連結している。外ケース下端に固定された上記心棒18は下側部材32、下側ジグザグ状チェーン20、上側ジグザグ状チェーン19、及び上側部材31、ブロック24、連結パイプ25を貫通して上方へ延びている。ところで、図12に示すスライド・クランプ装置はハンドル4とは別に独立して製作し、これをハンドル4の内部に取付けることが出来る為に、スライド式ハンドルの製作工数は低減する。
【符号の説明】
【0044】
1 バッグ
2 前輪
3 後輪
4 ハンドル
5 持ち手
6 脚
7 椅子
8 補助握り部
9 内部空間
10 軸
11 リンク
12 リブ
13 軸
14 ガイド溝
15 軸
16 軸
17 外ケース
18 心棒
19 上側ジグザグ状チェーン
20 下側ジグザグ状チェーン
21 固定端
22 固定端
23 クランプ解除プレート
24 ブロック
25 連結パイプ
26 クランプ解除操作部
27 自由端
28 自由端
29 リンク
30 軸
31 上側部材
32 下側部材
33 固定プレート
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物を収容して持運ぶキャリーバッグ、又はシルバーカーのハンドルにおいて、該ハンドルはその上端に持ち手を備えガイドに沿って上下方向にスライドすることが出来、そして、ガイドには上方へ延びる心棒を取付け、ハンドルには2本のジグザグ状チェーンを対を成して上下に配置し、上側ジグザグ状チェーンの上端を固定すると共に下端は自由端とし、下側ジグザグ状チェーンの下端を固定すると共に上端を自由端とし、該上・下側ジグザグ状チェーンは複数のリンクが軸を介して屈曲自在に連結され、上記心棒を所定の間隔をおいて2列に配列した上・下側ジグザグ状チェーンの各軸の間に挟まれて係合し、そして上下自由端の間にクランプ解除プレートを設けて自由端を押上げ又は押下げ可能としたことを特徴とするシルバーカー及びキャリーバッグのスライド式ハンドル。
【請求項2】
荷物を収容して持運ぶキャリーバッグ、又はシルバーカーのハンドルにおいて、該ハンドルはその上端に持ち手を備えガイドに沿って上下方向にスライドすることが出来、そして、ハンドルには下方へ延びる心棒を取付け、ガイドには2本のジグザグ状チェーンを対を成して上下に配置し、上側ジグザグ状チェーンの上端を固定すると共に下端は自由端とし、下側ジグザグ状チェーンの下端を固定すると共に上端を自由端とし、該上・下側ジグザグ状チェーンは複数のリンクが軸を介して屈曲自在に連結され、上記心棒を所定の間隔をおいて2列に配列した上・下側ジグザグ状チェーンの各軸の間に挟まれて係合し、そして上下自由端の間にクランプ解除プレートを設けて自由端を押上げ又は押下げ可能としたことを特徴とするシルバーカー及びキャリーバッグのスライド式ハンドル。
【請求項3】
上記ジグザグ状チェーンは、軸の両端にリンクを取付けて構成した請求項1、又は請求項2記載のシルバーカー及びキャリーバッグのスライド式ハンドル。
【請求項4】
上記ジグザグ状チェーンは、軸の中央にリンクを取付けて構成することで、該軸はリンク両側へ延び、そして心棒はリンクを挟んで2本設けた請求項1、又は請求項2記載のシルバーカー及びキャリーバッグのスライド式ハンドル。
【請求項5】
上記ガイドとしてハンドルが収容される外ケースとした請求項1、請求項2、請求項3、又は請求項4記載のシルバーカー及びキャリーバッグのスライド式ハンドル。
【請求項1】
荷物を収容して持運ぶキャリーバッグ、又はシルバーカーのハンドルにおいて、該ハンドルはその上端に持ち手を備えガイドに沿って上下方向にスライドすることが出来、そして、ガイドには上方へ延びる心棒を取付け、ハンドルには2本のジグザグ状チェーンを対を成して上下に配置し、上側ジグザグ状チェーンの上端を固定すると共に下端は自由端とし、下側ジグザグ状チェーンの下端を固定すると共に上端を自由端とし、該上・下側ジグザグ状チェーンは複数のリンクが軸を介して屈曲自在に連結され、上記心棒を所定の間隔をおいて2列に配列した上・下側ジグザグ状チェーンの各軸の間に挟まれて係合し、そして上下自由端の間にクランプ解除プレートを設けて自由端を押上げ又は押下げ可能としたことを特徴とするシルバーカー及びキャリーバッグのスライド式ハンドル。
【請求項2】
荷物を収容して持運ぶキャリーバッグ、又はシルバーカーのハンドルにおいて、該ハンドルはその上端に持ち手を備えガイドに沿って上下方向にスライドすることが出来、そして、ハンドルには下方へ延びる心棒を取付け、ガイドには2本のジグザグ状チェーンを対を成して上下に配置し、上側ジグザグ状チェーンの上端を固定すると共に下端は自由端とし、下側ジグザグ状チェーンの下端を固定すると共に上端を自由端とし、該上・下側ジグザグ状チェーンは複数のリンクが軸を介して屈曲自在に連結され、上記心棒を所定の間隔をおいて2列に配列した上・下側ジグザグ状チェーンの各軸の間に挟まれて係合し、そして上下自由端の間にクランプ解除プレートを設けて自由端を押上げ又は押下げ可能としたことを特徴とするシルバーカー及びキャリーバッグのスライド式ハンドル。
【請求項3】
上記ジグザグ状チェーンは、軸の両端にリンクを取付けて構成した請求項1、又は請求項2記載のシルバーカー及びキャリーバッグのスライド式ハンドル。
【請求項4】
上記ジグザグ状チェーンは、軸の中央にリンクを取付けて構成することで、該軸はリンク両側へ延び、そして心棒はリンクを挟んで2本設けた請求項1、又は請求項2記載のシルバーカー及びキャリーバッグのスライド式ハンドル。
【請求項5】
上記ガイドとしてハンドルが収容される外ケースとした請求項1、請求項2、請求項3、又は請求項4記載のシルバーカー及びキャリーバッグのスライド式ハンドル。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−65978(P2012−65978A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−215169(P2010−215169)
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【出願人】(000207425)大同工業株式会社 (45)
【出願人】(505427735)株式会社スミタ (6)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【出願人】(000207425)大同工業株式会社 (45)
【出願人】(505427735)株式会社スミタ (6)
【Fターム(参考)】
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