説明

シート処理装置及び画像形成装置

【課題】送られてくるシートの搬送速度が遅くなったり、シートの搬送間隔が広くなったりしたときに生じる時間的余裕からバッファシートの枚数を減らして処理トレイ上でのバッファシートの積載性を向上させること。
【解決手段】シート処理装置は、処理トレイ129のに積載するシートをバッファするバッファユニット140と、ステイプラユニット132の作動中にバッファユニットにバッファ動作をさせるシート処理装置制御部と、を備えている。シート処理装置制御部は、バッファユニットの処理動作中に、バッファユニットに搬送されてくるシートの搬送間隔時間を累積計測し、この累積計測した累積時間が、ステイプラユニットの処理時間を越えた後、バッファ動作を終了させるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートに処理を施している間に送り込まれて来る後続シートをバッファすることのできる(溜めておくことのできる)シート処理装置と、前記シート処理装置を備えた画像形成装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置には、シート処理装置が備えられていることがある。画像形成装置は、シートに画像を形成する装置であり、具体的には、複写機、プリンタ、ファクシミリ、及びこれらの複合機等がある。また、シート処理装置は、シートに処理を施す装置であり、具体的には、シート束を綴じるステイプラ、シートやシート束に孔をあける穿孔装置、シート束を冊子状に折り曲げる折り曲げ装置等がある。
【0003】
シート処理装置は、シートに処理を施している間、順次送り込まれてくる後続のシートを止めることなく受け入れてバッファするようになっている(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2004−269165
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来のシート処理装置は、バッファするシートの枚数が予め決められていた。このため、従来のシート処理装置は、順次送られてくるシートの搬送速度が遅くなったり、シート間隔が広がったりすると、シート処理動作が終わっているのにも係わらず予め決められた枚数のシートがバッファされるまで、待っていた。したがって、従来のシート処理装置は、順次送られてくるシートの搬送速度が遅くなったり、シート間隔が広がったりした分だけ生じる時間的余裕の有効利用をすることができなかった。
【0006】
本発明は、送られてくるシートの搬送速度が遅くなったり、シートの搬送間隔が広くなったりしたときに生じる時間的余裕からバッファシートの枚数を減らしてシート積載手段上でのバッファシートの積載性を向上させたシート処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のシート処理装置は、シート積載手段に積載されたシートをシート処理手段によって処理するようになっており、前記シート積載手段のシート搬送方向上流側に配設されて、順次搬送されてくるシートを前記シート積載手段に搬送し、かつ前記シート処理手段の処理動作中、前記シートをバッファするバッファ手段と、前記シート処理手段の作動中に前記バッファ手段にバッファ動作をさせるバッファ制御手段と、を備え、前記バッファ制御手段が、シート処理手段の処理動作中に、前記バッファ手段に搬送されてくるシートの搬送間隔時間を累積計測し、該累積計測した累積時間が、前記シート処理手段の処理時間を越えた後、前記バッファ制御手段にバッファ動作を終了させる、ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明のシート処理装置は、バッファ手段に搬送されてくるシートの搬送間隔時間の累積計測した累積時間が、シート処理手段の処理時間を越えた後、バッファ制御手段にバッファ動作を終了させるようになっている。このため、本発明のシート処理装置は、送られてくるシートの搬送速度が遅くなったり、シートの搬送間隔が広くなったりしたときに生じる時間的余裕からバッファシートの枚数を減らしてシート積載手段上でのバッファシートの積載性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態のシート処理装置と、このシート処理装置を有する画像形成装置の一例である複写機とを図に基づいて説明する。なお、画像形成装置には、複写機、ファクシミリ、プリンタ、及びこれらの複合機等があり、シート処理装置が装備される画像形成装置は、複写機に限定されるものではない。
【0010】
また、本実施形態に記載されている構成部品の寸法、数値、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0011】
本実施形態のシート処理装置は、独立の装置として、画像形成装置の装置本体に着脱自在に構成されたオプション的な装置である。しかし、本発明のシート処理装置は、画像形成装置に一体的に備えられる場合にも適用されることは言うまでもないが、以下に説明するシート処理装置の場合と、機能的に異なることが特にないので、その説明は省略する。
【0012】
図1は、複写機にシート処理装置が装着された状態を示す模式的断面図である。なお、シート処理装置は、具体的には、例えばフィニッシャである。また、本実施形態のシート処理装置は、シート束を綴じるステイプル処理をするようになっているが、シートやシート束に孔をあける穿孔処理、シート束を冊子状に折り曲げる折り曲げ処理等を行えるようになっていてもよい。
【0013】
(画像形成装置)
図1は、本発明の実施形態のシート処理装置を装置本体に備えた画像形成装置である複写機の正面概略断面図である。
【0014】
複写機100は、装置本体101とシート処理装置119とで構成されている。装置本体101の上部には、原稿給送装置102を装備してある。原稿Dは、ユーザによって原稿載置部103に載置されて給送部104により1枚ずつ順次分離してレジストローラ対105に供給される。続いて、原稿Dは、レジストローラ対105によって一旦停止され、ループを形成させられて斜行が矯正される。その後、原稿Dは、導入パス106を通り、読取位置107を通過することで、原稿表面に形成されている画像を読み取られる。読取位置107を通過した原稿Dは、排出パス108を通過して、排出トレイ109上に排出される。
【0015】
また、原稿の表裏両面を読み取る場合には、まず、上記のようにして原稿Dが読取位置107を通過することで原稿の一方の面の画像が読み取られる。その後、原稿Dは、排出パス108を通り、反転ローラ対110によってスイッチバック搬送されて、表裏反転した状態で、再度レジストローラ対105に送られる。
【0016】
そして、原稿Dは、一方の面の画像を読み取ったときと同様にして、レジストローラ対105で斜行が矯正されて、導入パス106を通って、読取位置107で他方の面の画像が読み取られる。そして、原稿Dは、排出パス108を通り、排出トレイ109へ排出される。
【0017】
一方、読取位置107を通過する原稿の画像には、照明系111の光を照射される。原稿から反射した反射光は、ミラー112によって、光学素子113(CCDあるいは他の素子)に導かれて、画像データとして得られる。そして、この画像データに基づいたレーザ光を、画像形成手段である例えば感光体ドラム114に照射して潜像を形成する。なお、図示はしないが、上記ミラー112によって、反射光を直接感光体ドラム114に照射して潜像を形成するように構成することもできる。
【0018】
感光体ドラム114に、形成された潜像は、さらに、図示しないトナー供給装置から供給されたトナーによってトナー像に可視像化される。カセット115には、紙あるいは、プラスチックフィルム等のシートである記録媒体が積載されている。シートは、記録信号に応じてカセット115から送り出されて、レジストローラ対150によって感光体ドラム114と転写器116との間への進入のタイミングをはかられてその間に進入させられる。そして、転写器116によって、感光体ドラム114上のトナー像がシートに転写される。トナー像が転写されたシートは定着器117を通過する間に定着器117の加熱加圧によって、トナー像を定着される。
【0019】
記録媒体の両面に画像を形成する場合、定着装置117によって片面に画像が定着されたシートは、定着装置117の下流側に設けた両面パス118を通って、再度、感光体ドラム114と転写器116との間に送り込まれて、裏面にも、トナー像が転写される。そして、定着装置117でトナー像が定着されて外部(シート処理装置119側)に排出される。
【0020】
図2は、複写機全体の制御ブロック図である。複写機100全体は、CPU201によって制御されるようになっている。CPU201内には、各部のシーケンス、すなわち制御手順に対応する制御プログラムが格納されているROM202と、必要に応じて一時的に種々の情報が記憶されるRAM203等が設けられている。CPU201は、ROM202に格納されている制御プログラムを読み出しながら各部の制御を行うようになっている。原稿給送装置制御部204は、原稿給送装置102の原稿送り動作を制御するようになっている。イメージリーダ制御部205は、照明系118等を制御して、原稿の読み取りを制御するようになっている。画像信号制御206は、イメージリーダ制御部205の読み取り情報、或いは、外部のコンピュータ207から送られてくる画像情報を外部I/F208を介して受信した情報を処理して、プリンタ制御部209に処理信号として送るようになっている。プリンタ制御部209は、画像信号制御部206からの画像処理信号に基づいて感光ドラム114等を制御して、シートに画像を形成するようになっている。
【0021】
操作部210は、複写機をユーザが使用するときのシートサイズ情報や、シートに対してどのような処理をするかの情報、例えばステイプル処理をする情報等を入力できるようになっている。さらに、操作部210は、複写機の装置本体101やシート処理装置119の動作状態等の情報を表示できるようになっている。シート処理装置制御部211は、シート処理装置119内の動作を制御するようになっている。FAX制御部212は、複写機をファックスとして使用できるように、複写機を制御して、複写機が他のファックスと信号の授受を行えるようにしている。
【0022】
(シート処理装置)
図3は、シート処理装置の縦断面図である。図4は、各駆動系を示した縦断面図である。図8は、シート処理装置のハードブロック図である。図10乃至図12は、経過時間に対する、後端アシスト134(図3参照)の移動速度と揺動ローラ対127のシート搬送速度との関係を示す図である。図10は、後端アシスト134と揺動ローラ対127とでシート束を送り出す、単独束出しシーケンスの図である。図11は、後端アシスト134と揺動ローラ対127との始動速度が異なる場合の束出し制御の図である。図12は、後端アシスト、揺動ローラ対、中間排紙ローラ対126でシート束とバッファ手段である例えばバッファユニット140に溜めたバッファシートとを同時に搬送する、同時束出しシーケンスの図である。
【0023】
シート処理装置119は、シート束を製本化する機能を備えている。シート処理装置119は、シート束の縁の近くを綴じるシート処理手段である例えばステイプラユニット132と、シート束の中央を綴じるステイプラ138とを備えている。さらに、シート処理装置119は、ステイプラ138で綴じられたシート束の綴じ位置の部分を折り曲げてシート束を冊子状にする折りユニット139等を備えている。
【0024】
本実施形態のシート処理装置119は、ステイプラユニット132の作動時に、シートを真っ直ぐな状態で複数枚重ねて溜める(バッファする)バッファユニット140も備えている。
【0025】
このバッファユニット140は、シートを真っ直ぐな状態で複数枚重ねて溜めるようになっているので、従来の、例えばバッファローラを有している機構と異なって、扁平にすることができて、シート処理装置を小形化、軽量化することができる。さらに、バッファユニット140は、シートを真っ直ぐな状態で溜めることができることによって、バッファローラの場合と異なって、シートを丸めることがない。したがってバッファユニット140は、シートを取り扱いやすく、その分、シート処理装置としてのシートの処理時間を短縮することができる。
【0026】
シート処理装置119は、図8に示してあるバッファ制御手段である例えばシート処理装置制御部211によって制御されるようになっている。シート処理装置制御部211のCPU221内には、ROM222と、RAM223等を設けてある。ROM222には、複写機の装置本体のCPU回路201からの指示に基づいて作動するシート処理装置119の制御順序(シーケンス)等に対応する制御プログラムが格納されている。RAM223はシート処理装置119を制御するのにその都度必要な情報が記憶されるようになっている。CPU221は、ROM222に格納されている制御プログラムを読み出しながら各部の制御を行うようになっている。
【0027】
また、シート処理装置制御部211には、後述する紙面検知レバー133(図13参照)の動作に基づいて作動する紙面検知センサ224を接続してある。CPU221は、紙面検知センサ224のシート検知信号に基づいて、スタックトレイ128(図1、図3参照)を昇降制御するようになっている。シート処理装置制御部211は、図4に示す入口搬送モータM2と、束出しモータM3と、束下クラッチCL等を上記シーケンスに基づいて、作動制御するようになっている。入口搬送モータM2は、入口ローラ対121、バッファローラ124、および中間排紙ローラ対126を回転させるようになっている。束出しモータM3は、揺動ローラ対127、戻しローラ130を回転させるようになっている。束下クラッチCLは、束出しモータM3の回転を下ローラ127bに伝えたり、断ったりしたりするようになっている。
【0028】
なお、シート処理装置制御部211は、図2のCPU回路部200と一体にされて、シート処理装置119と複写機100の装置本体101とのいずれか一方に設けられていてもよい。
【0029】
図4に示す、後述する下ローラ127bと戻しローラ130とは、共通の束出しモータM3によって回転するので、シート或いはシート束を搬送しているとき、スリップが生じたり、両方のローラにシート搬送速度差が生じたりすることがある。このため、下ローラ127bと戻しローラ130とは、シート或いはシート束にしわや、破損を生じさせるおそれがある。そこで、束下クラッチCLを設けて、下ローラ127bと戻しローラ130との回転速度差を吸収し、シート或いはシート束にしわや、破損が生じないようにしている。
【0030】
(シート束を綴じて排出する動作説明)
ユーザによって、複写機100の操作部210(図2参照)のシート綴じ処理表示を選択されると、CPU回路201は、装置本体101の各部を制御して複写機を複写動作に移らせるとともに、シート処理装置制御部211にシート綴じ処理信号を送る。
【0031】
なお、図13乃至図19に基づく動作説明は、操作部210にユーザによって入力された、シートサイズ情報に基づいてシートの長さが長いとシート処理装置制御部211が判断した場合(例えば、A3サイズのような場合)の説明である。または、動作説明は、シートの種類情報によって、シートが厚紙、薄紙、タブ紙、カラ−紙等のように、通常のシートと異なる属性を備えた特殊シートである場合の説明である。すなわち、図13乃至図19に基づく動作説明は、シートの一部分をスタックトレイ128に排出してから、シート積載手段である例えば処理トレイ129にシートを積載して束状にする場合の動作説明用の図である。なお、シートの長さや、特殊シートであるか否かに関係なく、以下に説明する動作を行ってもよいことは勿論である。
【0032】
シート処理装置制御部211は、シート綴じ処理信号に基づいて、入口搬送モータM2、束出しモータM3を始動させる。バッファローラ124、中間排紙ローラ対126、揺動ローラ対127が回転する。また、シート処理装置制御部211は、バッファローラ離間プランジャSL1(図4参照)を作動させて、バッファローラ124を下搬送ガイド板123bから離す。さらに、シート処理装置制御部211は、不図示のプランジャを作動させて、揺動ローラ対127の上ローラ127aを下ローラ127bから離してある。なお、入口搬送モータM2、束出しモータM3の始動停止は、シートの動きに合わせて逐一制御されるようになっていてもよい。
【0033】
複写機100(図1参照)の装置本体101の排出ローラ対120から送られてきた1枚目のシートは、図3、図4に示す受取ローラ対137の搬送とフラッパ122の案内とによって、入口ローラ対121に搬送される。受取ローラ対137は、上記排出ローラ対120を回転させる共通搬送モータM1によって回転するようになっている。
【0034】
図13(a)に示すように、入口ローラ対121は、入口搬送モータM2(図4参照)によって回転して、1枚目のシートP1を搬送する。シートP1は、上搬送ガイド板123aと下搬送ガイド板123bとからなるガイド123の案内によって中間排紙ローラ対126へ搬送される。
【0035】
シートP1は、図13(b)に示すように、中間排紙ローラ対126の回転によってさらに搬送されて、図14(a)に示すように、スタックトレイ128に放出される。シートP1は、図14(b)に示すように、スタックトレイ128と処理トレイ129とに跨って落下する。その後、図15(a)(b)に示すように、上ローラ127aが不図示のプランジャによって下降して、下ローラ127bとでシートを挟む。
【0036】
このとき、上ローラ127aは束出しモータM3(図4参照)によって、すでに矢印方向に回転している。さらに、処理トレイ129に接離自在な戻しローラ130も束出しモータM3(図4参照)によって、矢印方向に回転している。しかし、下ローラ127bは、束下クラッチCL(図4参照)の作動によって、空転するようになっている。これは、1枚目のシートを処理トレイ129に積載した後、2枚目以降のシートが積載されるとき、下ローラ127bが回転していると、下ローラが1枚目のシートもストッパ131側に押し込んで、1枚目のシートに皺を生じさせるおそれがあるためである。
【0037】
その後、図16(a)に示すように、揺動ローラ対127と戻しローラ130との回転によって、シートが右下がりの処理トレイ129上を矢印方向に滑り降りる。そのとき、後端アシスト134は、待機位置に待機している。そして、シートP1がストッパ131に当接する前に、上ローラ127aがシートP1から離れる。シートP1は、戻しローラ130によってストッパ131に突き当てられる。その後、シートの幅整合が1対の整合板144a,144b(図5参照)によって行われる。
【0038】
以下、後続のシートも同様にして、処理トレイ129に積載される。図17に示すように、処理トレイ129に所定枚数のシートが積載されると、図3、図4に示すステイプラユニット132によって、その束状のシートが綴じられる。なお、シート束には、ステイプラユニット132によって綴じ処理を施す代わりに、不図示のパンチユニットによって孔あけ処理を施してもよい。
【0039】
図18(b)に示すように、CPU201は、上ローラ127aと下ローラ127bとでシート束Pを挟みこむため、束下CLをオンさせ(図9のS101、S102)、150msec経過を待つ(S103)。その後、処理トレイ129上のシート束Pを排出するのに、シート束Pに当接している整合板144a,144bがシート束Pから離れる。そして、スタックトレイ128は、シート束Pを積載準備するため、下降し始めている(S105)。シート束Pを排出する準備ができたので上ローラ127aと下ローラ127bを矢印方向に回転させ、後端アシスト134は、シート束Pの後端を押して、シート束をスタックトレイ128に排出する。後端アシスト134は、図5乃至図7に示すように、後端アシストモータM4によって、正転、逆転するベルト142に設けられている。
【0040】
このとき、図10、図11に示すように、揺動ローラ対127と後端アシスト134の起動時(T1)及び起動速度(132mm/sec)が同じで、同じ加速終了速度(500mm/sec)に同じ時間(T2)に到達すればよい。これによって、揺動ローラ対127と後端アシスト134は、シート束に引っ張り力や圧縮力を加えるようなことがなく、シート束を排出することができる(S106)。
【0041】
しかし、図11に示すように、後端アシスト134の起動速度が後端アシストモータM4の回転力を後端アシスト134に伝達するベルト143,142等によって、揺動ローラ対127の起動速度より、仮に速い場合がある(仮に、300mm/secとする)。このような場合、揺動ローラ対127のシート搬送速度が300m/secになる時間T3まで、後端アシスト134は移動を開始しないで停止していて、揺動ローラ対127のシート搬送速度になると、移動を開始する。すなわち、後端アシスト134は、揺動ローラ対127が始動してから(T3−T1)=ΔT時間後に始動する(S107)。なお、揺動ローラ対127の方が、後端アシスト134より、起動速度が速い場合は、逆に、揺動ローラ対127の起動時をΔTだけ遅くする。もし、後端アシスト134の起動速度と、後端アシスト134の起動速度とが同じときには、ΔTは零である。
【0042】
このように、始動時にΔTの時間差を設けると、揺動ローラ対127と後端アシスト134とに起動速度の差が合っても、揺動ローラ対127と後端アシスト134は、シート束に引っ張り力や圧縮力を加えるようなことがなく、シート束を排出することができる。また、揺動ローラ対127によるローラの擦れ痕がシートに付いて、シート束の品質や、シート束の画像の品質を低下させるようなことがない。
【0043】
シート束は、揺動ローラ対127、後端アシスト134、及び戻しローラ130によって、スタックトレイ128の側に送り出しを開始される(S108)。後端アシスト134は、約15mm移動した時点(S109)で、元の位置(ホームポジション)に戻る(S110、図12における「HP出し制御」に相当する動作)。シート束は、図19に示すように、揺動ローラ対127によって、スタックトレイ128上に排出される。その後、揺動ローラ対127の上ローラ127aが下ローラ127bから離れた時点で、一連のシート束排出動作が終了する(S111,S112)。
【0044】
図18(b)において、シート束が排出され始めたとき、次のシート束の最初のシートが入口ローラ対121に送り込まれてきている。
【0045】
本実施形態のシート処理装置119は、後端アシスト134がシート束の後端を押してシート束を搬送するので、シート束の表面にローラを圧接回転させてシート束を排出する場合と異なって、シート束の表面に傷を付けることなく、確実に搬送することができる。
【0046】
(バッファ動作の説明)
以上の動作説明は、例えば、シート同士の搬送間隔が広く、次のシートが送り込まれてくる間にシート束に綴じ処理を施すことができる場合についての動作説明である。次に説明する動作説明は、シート同士の搬送間隔が狭く、シート束に処理を施しているときに、後続シートが送り込まれてくる場合、綴じ処理中だけ、その後続シートを溜めておく(バッファしておく)、バッファ動作についての説明である。
【0047】
シート処理装置119は複写機100の装置本体101から送られてくるシートの間隔がシート綴じ処理時間より短いと装置本体101のCPU回路201によって判断したときのシート処理装置制御部211のバッファ動作指令に基づいて、バッファ動作を行う。この場合、バッファローラ124は、プランジャSL1(図4参照)によって、下降して下搬送ガイド板123bに接触している。
【0048】
図20において、処理トレイ129には、前述した動作に基づいてシート束が積載されているものとする。そのシート束には、ステイプラユニットユニット132(図3、図4参照)によって綴じ処理が行われているものとする。
【0049】
図20(a)に示すように、処理トレイ129に積載されたシート束Pにステイプル処理が行われている間に、次のシート束の1枚目のシートP1が送り込まれてくると、そのシートP1は、入口ローラ対121によって、バッファローラ124に送り込まれる。バッファローラ124は、入口搬送モータM2(図4参照)によって回転してシートP1を下流へと搬送する。このとき、中間排紙ローラ対126の上中間排紙ローラ対126aは、中間排紙ローラ離間プランジャSL2(図4参照)によって、下中間排紙ローラ対126bから離れている。なお、中間排紙ローラ離間プランジャSL2は、図4において、バッファローラ離間プランジャSL1と重なって見えるため、図4には図示されていない。また、揺動ローラ対127の上ローラ127aも、不図示のプランジャによって、下ローラ127bから離れている。
【0050】
図20(b)に示すように、シートP1の後端が、スイッチバックポイントSPに到達すると、図21(a)に示すように、バッファローラ124の逆転によって、上流側へ戻される。これと、ほぼ同時に後端押さえ135が、下搬送ガイド板123bから離れて後端受け止め部136が開放される。スイッチバックポイントSPへの到達は、図4に示す入口ローラ対121の下流側近傍に配設した入口パスセンサS1がシートの先端(下流側端)によって作動してから、所定時間後、検知することができるようになっている。あるいは、バッファローラ124の回転数等によって検知することができるようになっている。
【0051】
シートの下流端が検知されてからの、シートP1の上流端側は、図21(a)に示すように、後端受け止め部136に受け止められる。その後、後端押さえ135は、図21(b)に示すように、元の位置に戻って、後端押さえ135に設けてある摩擦部材141によって、シートP1を下搬送ガイド板123bに押し付ける。
【0052】
その後、図22(a)に示すように、2枚目のシートP2が送り込まれてくる。2枚目のシートP2は、入口ローラ対121によって搬送される。このとき、シートP2は、後端押さえ135の上を通過する。その後、シートP2は、図22(b)に示すように、バッファローラ124によっても搬送される。
【0053】
このとき、1枚目のシートP1は、バッファローラ124によって、2枚目のシートP2とともに下搬送ガイド板123bに押し付けられて、搬送される2枚目のシートP2に追従して、下流側に移動しようとする。しかし、1枚目のシートP1は、後端押さえ135に設けてある摩擦部材141によって、下搬送ガイド板123bに押し付けられているので、移動するようなことがない。
【0054】
2枚目のシートP2も、1枚目のシートP1と同様に、後端がスイッチバックポイントSPに到達すると図23、図24に示すように上流側に戻される。そして、2枚目のシートP2は、後端押さえ135の摩擦部材141によって、1枚目のシートP1に重なって下搬送ガイド板123bに押し付けられる。
【0055】
その後、図25(a)に示すように、3枚目のシートP3が送られてきて、シートP3の後端が入口ローラ対121を通過すると、図25(b)に示すように、上中間排紙ローラ対126aが下中間排紙ローラ対126bとで、第1乃至第3のシートを挟み込む。このとき、3枚目のシートP3は、1枚目、2枚目のシートP1,P2よりも下流側に多少突出している。また、この頃、処理トレイ129上のシート束に対する綴じ処理が終了しているので、図26(a)に示すように、後端アシスト134が処理トレイ129に沿って移動して、シート束の後端を押し上げる。この結果、シート束Pの下流端Paは、3枚目のシートP3の下流端P3aよりも下流側に長さLだけ突出する。
【0056】
そして、図26(b)に示すように、上ローラ127aも下降して、下ローラ127bで、3枚のシートP1,P2,P3と、シート束Pとを挟み込む。これにともなって、後端押さえ135が2枚目のシートP2から離れて、1枚目のシートP1と、2枚目のシートP2とを解放する。
【0057】
その後、3枚のシートP1,P2,P3と、シート束Pは、揺動ローラ対127に挟まれて搬送される。そして、図27(a)(b)に示すように、シート束Pがスタックトレイ128に排出されると、1枚目のシートP1と2枚目のシートP2との後端が、中間排紙ローラ対126から抜け出て、3枚のシートの上流側部分が処理トレイ129に受け止められる。
【0058】
図27(b)において、図12に示すように、中間排紙ローラ対126、揺動ローラ対127、後端アシスト134の起動時(T1)及び起動速度(132mm/sec)が同じで、同じ加速終了速度(500mm/sec)に同じ時間(T2)に到達すれば、中間排紙ローラ対126、揺動ローラ対127、後端アシスト134は、シート束や、3枚のシートに引っ張り力や圧縮力を加えるようなことがなく、シート束を排出することができる。しかし、起動速度に差がある場合には、図9のS107におけるように、ΔTの時間差を設けて、各々を始動するようにすると、シート束や、3枚のシートに引っ張り力や圧縮力を加えるようなことがなく、シート束を排出することができる。また、中間排紙ローラ対126や揺動ローラ対127によるローラの擦れ痕がシートに付いて、シート束の品質や、シート束の画像の品質を低下させるようなことがない。
【0059】
3枚のシートは、図28(a)(b)に示すように、揺動ローラ対127と戻しローラ130によって、処理トレイ129上を滑降搬送されて、ストッパ131に受け止められる。この3枚のシートのうち、間にある2枚目のシートは、揺動ローラ対127と戻しローラ130に接していないが、1枚目のシートと3枚目のシートとの間に挟まれているため、1枚目と3枚目との摩擦により、ストッパ131まで搬送される。この間、スタックトレイ128は、一旦、下降して、シート束の上面を紙面検知レバー133よりも下げてから、再度、上昇して、シート束の上面によって紙面検知レバー133が作動した時点で、上昇を停止する。この結果、スタックトレイ128上のシート束の上面を所定の高さに保持することができる。その後、シートは、下搬送ガイド板123b上に溜められることなく、順次、処理トレイ129上に積載されて、所定枚数に達すると、綴じられる。この綴じ動作の間、後続のシート束の最初の3枚のシートが下搬送ガイド板123b上に溜められる。
【0060】
なお、以上の説明では、下搬送ガイド板123b上に3枚のシートが溜められるようになっているが、溜められるシート(バッファシート)の枚数は、シートの長さ、綴じる時間、シートの搬送速度等によって変わるため、3枚に限定されるものではない。
【0061】
以上説明したように、本実施形態のシート処理装置119は、図26(a)において、シート束Pの下流端Paを、3枚目のシートP3の下流端P3aよりも下流側に所定の長さLだけ突出させるようになっている。これは、次の理由による。なお,1枚目、2枚目のシートP1,P2の下流端P1a,P2bは,3枚目のシートのP3の下流端P3aよりも上流側に位置している。
【0062】
仮に、図29に示すように、下流端の突出長さが、上記長さLより短いL1であるとすると、上流端の突出長さもL1になる。このため、揺動ローラ対127が、シート束Pをスタックトレイ128に排出してから、3枚のバッファシートを掴む長さが短くなり、3枚のバッファシートを掴み損なって処理トレイ129に確実に送り込むことができなくなることがある。したがって、揺動ローラ対127がバッファシートを確実に掴んで処理トレイ129に送り込むことができるようにするため、シート束をバッファローラに対して所定の長さLだけ突出させている。
【0063】
また、上記突出長さが短いと、バッファシートとシート束との接触面積が広くなって、シート束がバッファシートに密着し、スタックトレイ128に落下するのが遅くなりがちである。このような場合、揺動ローラ対127が逆転して、バッファシートを処理トレイ129に送り込むとき、シート束がバッファシートに密着したまま、揺動ローラ対127に進入して、シート束に傷が付いたり、ジャムの発生原因になったりするおそれがある。したがって、シート束とバッファシートとの分離性を良くするためにも、シート束をバッファローラに対して長さLだけ突出させている。
【0064】
その他、本実施形態のシート処理装置119は、後端アシスト134がシート束の後端を押すようになっている。このように、シート束の後端を後端アシスト134で押してシート束を搬送すると、シート束の表面にローラを圧接回転させてシート束を排出する場合と異なって、シート束の表面に傷を付けることなく、確実に搬送することができる。
【0065】
すなわち、図30に示すように、揺動ローラ対127のみで、シート束を排出する。すると、シートに対する上ローラ127a及び下ローラ127bの摩擦の相違や、回転速度の相違等によって、シートの搬送量が異なり、上位のシートと下位のシートとにずれを生じさせることがある。このような場合、揺動ローラ対127は、シートに対して滑り回転をして、シートに傷を付けることがある。また、シート束全体を捩じりながら排出するようなことが生じて、円滑にシート束を排出することができなくなり、処理に時間を要するようになる。さらに、シート束全体を捩じった場合、綴じた部分でシートが裂けて、そのシート束を使用することができなくなるおそれもある。
【0066】
また、このような現象は、シート束を確実に排出しようとして、シート束に対する揺動ローラ対127の挟圧力を高めると、発生しやすくなる。逆に挟圧力を弱める、シート束を確実に搬送することができない。したがって、揺動ローラ対127の挟圧力の設定が困難である。
【0067】
そこで、本実施形態のシート処理装置は、揺動ローラ対127のみでなく、後端アシスト134によってもシート束を排出するようになっている。このため、シート処理装置は、上記のように揺動ローラ対127がシートに対する滑り回転をしたり、シート束を捩じったりすることがなくなり、シートやシート束に損傷を与えることなく、シート束を円滑、かつ速やかに排出することができる。また、揺動ローラ対127の挟圧力を厳密に管理することなく、シート束を排出することができるようになる。
【0068】
次に、シート処理装置119の動作説明を、図1乃至図32に示す構成図と、フローチャートを用いて説明する。図33はソート処理のフローチャートである。なお、フローチャートに示す各部の動作は、図8に示すシート処理装置制御部211の制御によって行われる。
【0069】
シート処理装置119は、ソート処理(S301)において、処理トレイ129に積載されるシートが1枚目であるか否か(S302)、バッファカウンタが1であるか否か(S303)、前シートがシート束の束最終シートであるか否か(S304)の判断に基づいて、機内先頭シート動作(S307)、バッファ最終シート動作(S308)、バッファシート動作(S309)、途中シート動作(S310)のいずれかの動作をする。
【0070】
図33における、機内先頭シート動作(S307)は、図34に符号S401乃至符号S420で示すように、先頭シートを処理トレイ129に積載してシート処理を開始するまでの動作である。
【0071】
図33における、バッファ最終シート動作(S308)は、図35に符号S501乃至図36に符号S535で示すように、バッファシートを処理トレイ129に積載するまでの動作である。
【0072】
図33における、バッファシート動作(S309)は、図37に符号S601乃至符号S613で示すように、バッファシートをガイド123に溜める(バッファする)動作である。
【0073】
図33における、途中シート動作(310)は、図38に符号S701乃至符号S716で示すように、2枚目以降のシートを処理トレイ129に積載するまでの動作である。
【0074】
図34の符号S419、図36の符号S534、図38の符号S715の後処理動作開始は、図39に符号S801乃至符号S824で示すように、複写機100の装置本体101から排出されたシートを処理トレイ129に積載した後、後処理を行う動作である。
【0075】
まず、CPU221(図8参照)は、前整合モータM5、奥整合モータM6を制御して、シート搬送方向の両側に沿って配設される。また、CPU221は、シート搬送方向に対して交差する方向に接近離間する前整合板144aと奥整合板144b(図5参照)をシートに接近させて、シートの両側を整合する(S801、S802)。仮に、2回整合を行う必要のある例えばB4サイズのような大きいシートの場合(S803)、100msec経過後(S804)、前整合板144aと奥整合板144bをシートから一旦離して、退避させる(S805、S806)。そして、50msec後(S807)、前整合板144aと奥整合板144b(図5参照)をシートに再度接近させて、2回目の整合動作を行う(S808)。一連の整合動作を終了後(S809)、CPU221は、束出しモータM3を制御して揺動ローラ対127の逆転動作を停止する(S810)。
【0076】
その後、CPU221は、装置本体101のCPU回路201からのシート束の束最終シート情報によって、あるいは、シート枚数をカウントするカウンタからのシート枚数基づいて、束内最終シートであるか否かを判断する(図40、S811)。束最終シートでない場合、CPU221は、前整合モータM5、奥整合モータM6(図8参照)を制御して、前整合板144aと奥整合板144b(図5参照)を退避位置に戻す(S822,S823)。
【0077】
S811において、束最終シートである場合、束内最終シートは、ステイプラユニット132でシート束を綴じる場合(S812)、CPU221は、ステイプラシフトモータM8を制御してステイプラ166を綴じる位置(ステイプルする位置)に移動させる。そして、CPU221は、ステイプラモータM9を制御してステイプラ166でシート束を綴じる(S8113,S814)。その後、CPU221は、後端アシストモータM4(図5乃至図8参照)を制御して、図26に示すように後端アシスト134によって、シート束を溜めてあるシートより長さLだけ突出させる(プレだしさせる)(S815,S816)。
【0078】
その後、CPU221は、ユーザが操作部210(図2参照)に入力した、シートサイズ、シートの材質(紙質)、厚シート、薄シート、タブシート、カラーシート等のシートの属性情報に基づいて、綴じられたシート束が同時に排出ができない(同時束出しができない)シートであると判断したとき、あるいは、綴じられたシート束の次のシートがバッファできないシートであったときに(S817)、束出しモータM3を制御して、綴じられたシート束だけを処理トレイ129からスタックトレイ128に排出して(単独束出しをして)、後処理動作を完了する(S822,S823,S824)。
【0079】
また、バッファユニット140に次のシートが詰まって送られてこない場合も、CPU221は、束出しモータM3を制御して、綴じられたシート束だけを処理トレイ129からスタックトレイ128に排出しする(単独束出しをする)。CPU221は、後処理動作を完了する(S818,S821,S824)。
【0080】
このことによって、シート処理装置は、綴じられたシート束を不必要に長時間、処理トレイ129に留めておくことなくスタックトレイ128排出することができるので、シート処理装置119の処理効率を高めて、ユーザにシート束を早く提供することができる。
【0081】
また、綴じられたシート束が、長時間、処理トレイ129に積載されていることがなく、例えば、図20に示す外部に突出している部分が自重によって下方に撓んで、変形するようなことがなくなる。
【0082】
さらに、バッファユニット140に後続シートが送られてくることになっていても、装置本体101内の送りローラのスリップ、画像調整等によって、後続シートが遅れて、後続シートが例えば図1に示すレジストローラ対150の上流側にいて、バッファユニット140に到達するまでの間に、処理トレイ129上のシート束をスタックトレイ128に排出することができる場合には、CPU122は、束出しモータM3を制御して、綴じられたシート束だけを処理トレイ129からスタックトレイ128に排出して(単独束出しをして)、後処理動作を完了する(S819,S821,S824)。
【0083】
このことによって、シート処理装置は、綴じられたシート束を不必要に長時間、処理トレイ129に留めておくことなくスタックトレイ128排出することができるので、シート処理装置119の処理効率を高めて、ユーザにシート束を早く提供することができる。
【0084】
また、綴じられたシート束が、長時間、処理トレイ129に積載されていることがなくリ、例えば、図20に示す外部に突出している部分が自重によって下方に撓んで、変形するようなことがなくなる。
【0085】
処理トレイ129上のシートとガイド123に溜めてあるバッファシートとも処理S818、S819の条件に該当しない場合、CPU122が入口搬送モータM2、束出しモータM3、束下クラッチCLを制御することによって、処理トレイ129上のシート束がスタックトレイ128に排出されるのと、同時に、溜まっているシートをガイド123から処理トレイ129に排出される。すなわち、同時束出しされる(S820,S824)。
【0086】
図40における単独束出し動作(S821)は、図9に符号S101乃至S112で示すように、綴じられたシート束をバッファシートと同時に排出しないで、処理トレイ129上の綴じられたシート束のみ排出する動作である。
【0087】
(バッファ枚数の最適化制御)
次に、バッファで溜められるシートの枚数制御について図41、図43のフローチャートを用いて説明する。
【0088】
図43は、ステイプル処理フローチャートであり、従来のシート処理装置でのバッファ枚数制御である。図43のフローチャートは、図33のソート処理に対し異なる点はソート処理ではバッファ枚数が2枚に限られているが、ステイプル処理ではバッファ枚数が2枚と3枚の2通りある。図43のフローチャートは、ステイプルモードが1箇所綴じの場合はバッファ枚数を2枚、2箇所綴じの場合は3枚に設定し切り替え、バッファ枚数の制御をしている(S1004,S1005,S1008)。
【0089】
図41のフローチャートは、本発明のシート処理装置おける、バッファ枚数の最適化制御の順序を示している。
【0090】
まず、シート処理装置は、シート処理装置119にシートが搬入される直前に、装置本体101から送信されてくるシート排出信号を受信してステイプル処理開始可能な状態になる(S2001)。
【0091】
シート処理装置119は、処理トレイ129が空の状態で、シートが装置本体101から送られて来ると、図13に示すガイド123にシートを溜めることなく(バッファを行わず)、処理トレイ129にシートを積載する。すなわち、機内先頭シート動作を行う(S2002,S2003)。
【0092】
その後、シート処理装置119は、装置本体101から順次搬送されてくる後続のシートを処理トレイ129上に積載していく。処理トレイ129上のシートは、シート束になる。やがて、順次送られてくるシートが、シート束の束最終シートとなる(S2004)。この時点で、シート処理装置119は、処理トレイ129上のシート束をステイプラユニット132によって綴じる動作を行うため、後続のシートを、図13に示すガイド123にシートを溜める(バッファする)。なお、順次送られてくるシートが、束最終シートであるか否かは、シートの通過を検知する図4に示す入口パスセンサS1によってカウントするか、あるいは、装置本体からのシート束最終信号に基づいて判断する。
【0093】
シート処理装置制御部211(図8参照)は、これから測定する本体から排出されるシート間隔を測定するカウンタをクリアし(S2005)、図4に示す入口パスセンサS1が上記束最終シートの後端を検知してからの時間の測定を開始する(S2006)。また、シート処理装置制御部211(図8参照)は、ステイプラユニット132が処理トレイ129に積載されているシート束を綴じる後処理時間を算出する(S2007)。
【0094】
なお、後処理時間(TA)は、束最終シートの後端が入口パスセンサS1を通過してから処理トレイ129に積載されるまでの時間(T1)と、シート束を整合する時間(T2)と、シート束を綴じる時間(T3)と、処理終了後のシート束を図26(a)に示す、所定の距離Lだけ突出させる時間(T4)とを加えた時間である。
【0095】
ここで、上記後処理時間は固定時間であるので、あらかじめ予測できる。しかし、複写機100の装置本体101から排出されるシートの間隔は、白黒/カラー、片面/両面、イメージリーダでの原稿読み取り速度、装置本体101の生産性など、多様な条件で変化する。このため、シート処理装置制御部211(図8参照)は、シートの排出間隔を測定し、その結果に応じてバッファ枚数を決定する必要がある。
【0096】
上記束最終シートに続くシートは、バッファシート1枚目になる。シート処理装置制御部211は、束最終シートの後端を入口パスセンサS1が検知したとき、バッファフラグをセットし、シートをバッファ中であることを記憶し(S2008、S2009)、シート処理装置119がバッファ状態になる。シート処理装置119がバッファ状態になっても、シート処理装置119には、装置本体101からシートが順次搬送されてくる。シート処理装置制御部211(図8参照)は、バッファ中にシートが装置本体101から排出されてくる度に、シートの後端を検知して、束最終シートからの経過時間(TB)と後処理時間(TA)を比較する。この間、ガイド123上にシートが順次溜められていく(バッファされていく)。シート処理装置制御部211は、経過時間(TB)が後処理時間(TA)を超えたとき(TB>TA)、そのシートがバッファの中のバッファ最終シートであると判断する。この間、シート処理装置制御部211は、バッファシートの枚数もカウントしている。
【0097】
このように、本実施形態のシート処理装置119は、排出シート間隔に合わせてバッファ枚数を変更することができるようになっている(S2010、S2011、S2012、S2014)。バッファ最終シートである場合、バッファ最終シートに続く後続のシートは、バッファする必要が無いため、バッファフラグをクリアしておき(S2013)、後続のシートについてバッファさせないようにしておく。
【0098】
なお、上記最適化処理は、シート束綴じる度毎に行ってもよい。また、所定数のシート束を綴じる毎に行ってもよい。所定数のシート束を綴じる毎に行う場合には、シート処理装置は、シート処理装置制御部211が求めた上述のカウント数に基づいて、バッファ処理を行う必要がある。
【0099】
以上のシート処理装置119は、シートの後端を検知して経過時間を測定しているが、シートの先端を検知して経過時間を測定してもよい。この場合、後処理時間(TA)は、束最終シートの先端が入口パスセンサS1を通過してから処理トレイ129に積載されるまでの時間(T1)と、シート束を整合する時間(T2)と、シート束を綴じる時間(T3)と、処理終了後のシート束を図26(a)に示す、所定の距離Lだけ突出させる時間(T4)とを加えた時間である。また、経過時間(TB)が後処理時間(TA)を超えたとき(TB>TA)、そのシートは、バッファしないで、そのシートの前のシートまでのシートをバッファする。
【0100】
また、シート処理装置119は、入口パスセンサS1の動作によって経過時間(TB)を測定しているが、装置本体101からシートを排出する直前に受信するシート排出信号によって経過時間(TB)を測定してもよい。さらに、装置本体101からシートが排出される前に装置本体101からのシートの間隔を予測してバッファ枚数の最適化制御をしてもよい。
【0101】
この、シート間隔の予測は、装置本体101からシート処理装置10に送られてくるレジストオン信号の間隔を測定して行われる。レジストオン信号は、装置本体101において、レジストローラ対150が、シートを一旦受け止めて、シートにループを形成し、シートの斜行を矯正してから再起動するとき、装置本体101からシート処理装置10へ送られてくる信号である。
【0102】
ところで、以上のシート処理装置119は、複写機100が例えばカラープリンタの装置本体に接続されている場合、次のようか現象が生じる。一般に、カラープリントされたシートの表面の摩擦は、モノクロプリンタによってモノクロプリントされたシートの表面の摩擦より少ない傾向にある。シート処理装置119がカラーコピーシートを仮に3枚バッファすると、3枚のバッファシート中の2枚目のバッファシートは、1枚目と3枚目とのバッファシート同士の摩擦が非常に少ないため、1枚目と3枚目とのバッファシートの間で滑りやすくなっている。処理トレイ129に積載された3枚のバッファシートは、揺動ローラ対127によって、処理トレイ129のストッパ131(図5参照)の方に搬送されるが、1枚目と3枚目のバッファシートは揺動ローラ対127に接するので安定した状態で搬送される。これに対し2枚目のバッファシートは前述したとおり、シートの滑りによって搬送されにくい現象が生じる。このため、2枚目のバッファシートは、処理トレイ129上での積載整列性が悪い傾向にある。一方、モノクロプリントシートでは、3枚バッファされてもシート表面の摩擦は安定しており前述したような問題が生じない。
【0103】
しかし、カラープリンタは、モノクロプリンタよりも画像形成時間が長く、単位時間当たりの画像形成枚数が少ない。このため、同一の経過時間(TB)において、モノクロプリンタの場合は、例えば3枚のシートをバッファするのに対して、カラープリントの場合は、2枚のシートをバッファすることになる。このため、シート処理装置119は、カラープリントの場合、2枚のシートをバッファして、前述したような現象が生じないようにすることができる。よって、シート処理装置119は、バッファ枚数の最適化制御により、高い生産性を維持しながら、処理トレイ上での積載性能アップを実現することができる。
【0104】
以上説明した、シート処理装置は、図25乃至図28に示すように、同時束出し方式のシート処理装置119であったが、図42に示すような単独束出し方式のシート処理装置310にも本発明を適用することができる。このシート処理装置300も、画像形成装置である例えば複写機300の装置本体101に装備されて、複写機300として使用されるようになっている。
【0105】
このシート処理装置310は、装置本体101からシート排出ローラ対120によって送り込まれてきたシートを、ストレートパス320を通過させて、処理トレイ311に順次積載し、所定枚数積載するとステイプラユニット319で綴じるようになっている。その後、揺動ローラ対318の上ローラ318aと下ローラ318bとが、シート束を挟んで回転して、排出するようになっている。
【0106】
ステイプラユニット319でシート束を綴じている間に送られてくるシートは、搬送通路312に案内されて、バッファローラ313の周囲に形成したバッファローラパス314に溜められる(バッファされる)。バッファシートは、処理トレイ311上のシート束の処理が終わって排出されたとき、処理トレイ311に排出される。溜められるシート(バッファシート)の枚数は、ステイプラユニット319がシート束を綴じるのに要する時間等に相当する枚数である。バッファローラ313とバッファローラ314等は、バッファユニット323を構成している。
【0107】
以上のシート処理装置119,319は、シート束の最後の束最終シートを経過時間(TB)の測定開始のシートとしているので、先行のシート束の束最終シートと後続のシート束の束最初シートとの間隔とが変わっても、正確に経過時間を測定することができる。さらに、シート束内でのシート同士の間隔が変わっても、正確に経過時間を測定することができる。
【0108】
よって、本実施形態のシート処理装置は、送られてくるシートの搬送速度が遅くなったり、シートの搬送間隔が広くなったりしたときに生じる時間的余裕からバッファシートの枚数を減らして処理トレイ上でのバッファシートの積載性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】本発明の実施形態のシート処理装置を装置本体に備えた画像形成装置である複写機の正面概略断面図である。
【図2】図1の複写機の制御ブロック図である。
【図3】本発明の実施形態におけるシート処理装置の正面概略断面図である。
【図4】本発明の実施形態におけるシート処理装置の各駆動系を示した正面概略断面図である。
【図5】本発明の実施形態におけるシート処理装置の主要部の拡大図である。
【図6】図5における、後端アシストが移動した状態の図である。
【図7】後端アシストが図6よりさらに移動した状態の図である。
【図8】図3のシート処理装置の制御ブロック図である。
【図9】図3のシート処理装置において、シート束を排出するときの動作説明用のフローチャートの図である。
【図10】後端アシストと揺動ローラ対との動作タイミングを説明するための図である。
【図11】後端アシストと揺動ローラ対との動作タイミングを説明するための図である。
【図12】後端アシストと揺動ローラ対と中間排紙ローラ対との動作タイミングを説明するための図である。
【図13】シート処理中にシートを溜めなくても済む場合におけるシート処理装置の動作説明用の図である。(a)シート処理装置に1枚目のシートが送り込まれてきた状態の図である。(b)1枚目のシートを受け入れた状態の図である。
【図14】シート処理中にシートを溜めなくても済む場合におけるシート処理装置の動作説明用の図であり、図13に続く動作説明用の図である。(a)1枚目のシートが中間排紙ローラを通過した状態の図である。(b)1枚目のシートがスタックトレイと処理トレイに跨って落下した状態の図である。
【図15】シート処理中にシートを溜めなくても済む場合におけるシート処理装置の動作説明用の図であり、図14に続く動作説明用の図である。(a)1枚目のシートを処理トレイに送り込む状態の図である。(b)1枚目のシートを処理トレイにさらに送り込む状態の図である。
【図16】シート処理中にシートを溜めなくても済む場合におけるシート処理装置の動作説明用の図であり、図15に続く動作説明用の図である。(a)シート処理装置に2枚目のシートが送り込まれてきた状態の図である。(b)1枚目のシートがストッパに当接した状態の図である。
【図17】シート処理中にシートを溜めなくても済む場合におけるシート処理装置の動作説明用の図であり、3枚のシートが処理トレイに積載された状態の図である。
【図18】シート処理中にシートを溜めなくても済む場合におけるシート処理装置の動作説明用の図であり、図17に続く動作説明用の図である。(a)シート束を処理トレイからスタックトレイに排出し始める状態の図である。(b)シート束を処理トレイからスタックトレイに排出している途中の状態の図である。
【図19】シート処理中にシートを溜めなくても済む場合におけるシート処理装置の動作説明用の図であり、シート束を処理トレイからスタックトレイに排出した状態の図である。
【図20】シート処理中にシートを溜める場合におけるシート処理装置の動作説明用の図である。(a)シート処理装置に1枚目のシートが送り込まれてきた状態の図である。(b)1枚目のシートをスイッチバックポイントまで受け入れた状態の図である。
【図21】シート処理中にシートを溜める場合におけるシート処理装置の動作説明用の図であり、図20に続く動作説明用の図である。(a)1枚目のシートを後端受け止め部で受け止めた状態の図である。(b)1枚目のシートを後端押さえによって下搬送ガイド板に押さえ込んだ状態の図である。
【図22】シート処理中にシートを溜める場合におけるシート処理装置の動作説明用の図であり、図21に続く動作説明用の図である。(a)シート処理装置に2枚目のシートが送り込まれてきた状態の図である。(b)2枚目のシートがさらに送り込まれた状態の図である。
【図23】シート処理中にシートを溜める場合におけるシート処理装置の動作説明用の図であり、図22に続く動作説明用の図である。(a)2枚目のシートをスイッチバックポイントまで受け入れた状態の図である。(b)2枚目のシートを後端受け止め部で受け止めた状態の図である。
【図24】シート処理中にシートを溜める場合におけるシート処理装置の動作説明用の図であり、1枚目と2枚目のシートを重ねて、後端押さえによって下搬送ガイド板に押さえ込んだ状態の図である。
【図25】シート処理中にシートを溜める場合におけるシート処理装置の動作説明用の図であり、図24に続く動作説明用の図である。(a)3枚目のシートが送り込まれてきた状態の図である。(b)3枚目のシートが送り込まれた状態の図である。
【図26】シート処理中にシートを溜める場合におけるシート処理装置の動作説明用の図であり、図25に続く動作説明用の図である。(a)シート束を処理トレイからスタックトレイに排出し始める状態の図である。(b)シート束をバッファシートとを排出方向に搬送している状態の図である。
【図27】シート処理中にシートを溜める場合におけるシート処理装置の動作説明用の図であり、図26に続く動作説明用の図である。(a)シート束を処理トレイからスタックトレイに排出した状態の図である。(b)バッファシートを処理トレイに送り込んでいる状態の図である。
【図28】シート処理中にシートを溜める場合におけるシート処理装置の動作説明用の図であり、図27に続く動作説明用の図である。(a)バッファシートを処理トレイに送り込んでいる状態の図である。(b)バッファシートを処理トレイにさらに送り込んでいる状態の図である。
【図29】バッファシートの下流端部からのシート束下流端の突出長さが短い場合における動作説明用の図である。
【図30】揺動ローラのみでシート束を排出する場合の問題点を説明するための図である。
【図31】シート処理装置の上流でジャムシートが発生したときの動作説明用のフローチャートである。
【図32】受け入れローラ対と入口ローラ対とのローラ同士を離間した状態図である。
【図33】ソート処理のフローチャートである。
【図34】機内先頭シート動作説明用のフローチャートである。
【図35】バッファ最終シート動作説明用のフローチャートである。
【図36】図35に続くフローチャートである。
【図37】バッファ動作説明用のフローチャートである。
【図38】途中動作説明用のフローチャートである。
【図39】後処理動作説明用のフローチャートである。
【図40】図39に続くフローチャートである。
【図41】バッファ枚数最適化制御を説明するフローチャートである。
【図42】他の実施形態のシート処理装置である。
【図43】ステイプル処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0110】
D 原稿
P シート
L シート束とバッファシートの突出長さの差
S1 入口パスセンサ(検知手段)
S2 バッファセンサ
SP スイッチバックポイント
100 複写機(画像形成装置)
101 装置本体
102 原稿給送装置
114 感光ドラム(画像形成手段)
119 シート処理装置
123 ガイド
124 バッファローラ
126 中間排紙ローラ対
127 揺動ローラ対
128 スタックトレイ
129 処理トレイ(シート積載手段)
130 戻しローラ
131 ストッパ
132 ステイプラユニット(シート処理手段)
140 バッファユニット(バッファ手段)
201 CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート積載手段に積載されたシートをシート処理手段によって処理するシート処理装置において、
前記シート積載手段のシート搬送方向上流側に配設されて、順次搬送されてくるシートを前記シート積載手段に搬送し、かつ前記シート処理手段の処理動作中、前記シートをバッファするバッファ手段と、
前記シート処理手段の作動中に前記バッファ手段にバッファ動作をさせるバッファ制御手段と、を備え、
前記バッファ制御手段が、シート処理手段の処理動作中に、前記バッファ手段に搬送されてくるシートの搬送間隔時間を累積計測し、該累積計測した累積時間が、前記シート処理手段の処理時間を越えた後、前記バッファ制御手段にバッファ動作を終了させる、
ことを特徴とするシート処理装置。
【請求項2】
前記バッファ制御手段が、シート処理手段が処理するシート束の束最終シートから前記累積計測を開始する、
ことを特徴とする請求項1に記載のシート処理装置。
【請求項3】
前記バッファ手段の上流側に前記シートの通過を検知する検知手段を備え、前記バッファ制御手段が、前記検知手段の検知動作に基づいて、前記シートの搬送間隔時間を測定して、累積計測することを特徴とする請求項1又は2に記載のシート処理装置。
【請求項4】
シートに画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段によって画像を形成されたシートを処理するシート処理装置と、を備え、
前記シート処理装置が請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシート処理装置であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
シートに画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段によって画像を形成されたシートを処理するシート処理装置と、を備え、
前記シート処理装置が請求項1又は2に記載のシート処理装置であり、前記バッファ制御手段が、前記画像形成手段からシート排出信号に基づいて、前記累積計測を行う、
ことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【公開番号】特開2007−153464(P2007−153464A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−347315(P2005−347315)
【出願日】平成17年11月30日(2005.11.30)
【出願人】(000208743)キヤノンファインテック株式会社 (1,218)
【Fターム(参考)】