説明

シート反転搬送装置およびそれを備えてなる画像形成装置、シート反転搬送方法

【課題】シートを反転して搬送する間に次のシートを反転搬送部へ侵入させ、シート間隔を小さく設定でき処理スピードが反転搬送部に制約されない反転搬送装置。
【解決手段】給送されるシートを搬送する第1搬送路と、シートが第1搬送路を通過するときの後端側が先端側になる方向に前記シートをさらに搬送する第2搬送路と、第1搬送路終端部の第1位置で第1搬送路から排出されたシートを挟持して第2搬送路始端部の第2位置から挟持したシートを給送する反転ローラ対と、各反転ローラ対を支持する反転ユニットと、一方の反転ローラ対を駆動して前のシートを第2位置で給送すると共に他方の反転ローラ対を駆動して第1搬送路から排出される次のシートを第1位置で挟持させ、一方の反転ローラ対が前のシートの給送を完了しかつ他方の反転ローラ対が次のシートを挟持したときに各反転ローラ対を第1位置と第2位置の間で移動させる反転ユニット制御部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートの反転搬送装置およびそれを備えてなる画像形成装置、シート反転搬送方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタ、ファクシミリ装置等の画像形成装置では、シート状の記録媒体(記録紙等。以下シートという)を再循環させてシートの両面に画像形成を行うため、シート搬送方向を逆にしてそれまでの後端側を先端側にして搬送しシートの裏面に画像を形成することが行われる。装置が複数の排出部を備えている場合にも、搬送経路中でシートの搬送方向を逆にしてその先の排出部や後処理装置へシートを搬送する場合がある。このような装置では、シートの搬送経路中に前述のようにシートを反転させる反転搬送部が設けられる。近年、省資源、資料保管スペースの削減等の事情から両面への画像形成が普及し、またシートの後処理の高機能化に伴って排出部の数が増えたことから反転搬送部を設けた装置の割合も増加する傾向にある。
【0003】
また、近年、画像形成装置の小型化、占有面積の削減が求められている。画像形成装置の占有面積を少なくするため、装置の下部に配置されたシートの供給部(給紙部)からシートを上方向に搬送し、そのシートに対する現像剤(トナー)の転写による画像形成、及び定着部(定着装置)による加熱定着を行った後に加熱定着後のシートを略水平方向へ方向転換させて搬送し、装置外へ排出するか若しくは後処理装置へ送出するようにしたタイプの画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このようなタイプの画像形成装置では、通常、原稿から画像を読み取る画像読み取り部(スキャナ部)が、装置最上部に配置される。
【特許文献1】特開2003−316100号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、シートを搬送し反転搬送部で逆転させて排出する場合、一枚のシートを反転して搬送する間は、次のシートを反転搬送部へ侵入させることができない。前後のシートの搬送間隔はこの反転搬送に要する間隔よりも狭めることができず、これによって印刷処理のスピードが制約を受けてしまう。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、シートの反転搬送に於いてシート一枚あたりの搬送時間を短縮してロスを少なくし、印刷スピードを上げることのできる反転搬送装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、給紙部から順次給送されるシートを搬送する第1搬送路と、シートが第1搬送路を通過するときの後端側が先端側になる方向に前記シートをさらに搬送する第2搬送路と、二組の反転ローラ対であって各反転ローラ対は上ローラと下ローラからなり、第1搬送路終端部の第1位置で第1搬送路から排出されたシートを挟持して第2搬送路始端部の第2位置から挟持したシートを給送する反転ローラ対と、各反転ローラ対を支持して前記第1位置から前記第2位置へ移動させ、第2位置でシートの給送を終えた後さらに前記反転ローラ対を第2位置から第1位置へ移動させる反転ユニットと、一方の反転ローラ対を駆動して前のシートを第2位置で給送すると共に他方の反転ローラ対を駆動して第1搬送路から排出される次のシートを第1位置で挟持させ、一方の反転ローラ対が前のシートの給送を完了しかつ他方の反転ローラ対が次のシートを挟持したときに各反転ローラ対を第1位置と第2位置の間で移動させる反転ユニット制御部とを備えることを特徴とするシート反転搬送装置を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、一方の反転ローラ対で前のシートを第2位置で給送すると共に他方の反転ローラ対で第1搬送路から排出される次のシートを挟持させ、一方の反転ローラ対が前のシートの給送を完了しかつ他方の反転ローラ対が次のシートを挟持したときに各反転ローラ対を第1位置と第2位置の間で移動させるので、二組の反転ローラ対で交互にシートを給送することができる。反転ユニットが一組の反転ローラ対のみで構成される場合のように、前のシートを第2搬送路へ給送した後に反転ローラが第1搬送路の終端部に待機するまでの間、次のシートを反転搬送部へ進入させないようにシートの給紙間隔をあける必要がない。このため、シートの給送間隔を短縮することができ、一組だけの反転ローラ対の場合に比べて単位時間当たりのシート搬送枚数を多く設定して効率よくシートを搬送することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
この発明のシート反転搬送装置は、給紙部から順次給送されるシートを搬送する第1搬送路と、第1搬送路から排出されたシートが第1搬送路を通過するときの後端側が先端側になる方向に前記シートをさらに搬送する第2搬送路と、二組の反転ローラ対であって各反転ローラ対は上ローラと下ローラからなり、第1搬送路終端部の第1位置で第1搬送路から排出されたシートを挟持して第2搬送路始端部の第2位置から挟持したシートを給送する反転ローラ対と、各反転ローラ対を支持して前記第1位置から前記第2位置へ移動させ、第2位置でシートの給送を終えた後さらに前記反転ローラ対を第2位置から第1位置へ移動させる反転ユニットと、一方の反転ローラ対を駆動して前のシートを第2位置で給送すると共に他方の反転ローラ対を駆動して第1搬送路から排出される次のシートを第1位置で挟持させ、一方の反転ローラ対が前のシートの給送を完了しかつ他方の反転ローラ対が次のシートを挟持したときに各反転ローラ対を第1位置と第2位置の間で移動させる反転ユニット制御部とを備えることを特徴とする。
【0009】
ここで、シートは、給送部から前後の間隔をあけて順次給送されて第1搬送路を通過する。反転ユニットは、二組の反転ローラ対を支持して第1位置と第2位置との間を移動させる機構であって、前記反転ローラ対を移動させるための駆動機構、各反転ローラ対を互いに独立して駆動する駆動機構を含む。各駆動機構は、それぞれ独立した駆動源としてのモータを有していてもよい。駆動源のモータには、たとえばステッピングモータを適用することができるが、これに限定されず、DCモータなど他の種類のモータであってもよい。そして、前記各駆動機構の駆動のタイミングや駆動の方向は、反転ユニット制御部によって制御される。
【0010】
また、反転ユニット制御部は、例えばセンサ等からの信号を入力し、モータ等の付加を駆動する入出力回路、入出力回路から入力信号を得、あるいは出力信号を制御するマイクロコンピュータ、前記マイクロコンピュータの処理実行手順を示すプログラムを格納するROM、作業用のエリアを提供するRAMなどを用いて構成することができる。
【0011】
前記反転ユニットが、各反転ローラ対の上ローラと下ローラとの上下の相対位置を保持しながら前記反転ローラ対を第1位置と第2位置との間で移動させるように構成してもよい。このようにすれば、第1位置で反転ローラ対に挟持されたシートの後端部を先端側にして第2搬送路へ給送することができるので、第2搬送路へのシート給送時には、先端付近を挟持した状態で確実にシートを第2搬送路へ案内することができる。
【0012】
また、前記反転ユニットが、前記第1位置と前記第2位置との中間にある点を旋回軸として各反転ローラ対を旋回させると共に各反転ローラ対のニップ部を通る回転軸を中心に各反転ローラ対を回転させることによって各反転ローラ対をその上下を保持しながら第1位置と第2位置との間で移動させるようにしてもよい。このようにすれば、単純な機構で反転ローラ対を第1位置と第2位置との間で移動させることができる。単純な機構で反転ユニットが実現できるので、反転ユニットを小型化することができ、安価に製造できるだけでなく、反転ローラ対の移動を短時間に行うことができる。
【0013】
さらにまた、前記反転ユニット制御部が、第1位置で一方の反転ローラ対に後端部を挟持されたシートの後端の延長上を他方の反転ローラ対が通過するように各反転ユニットを第1位置から第2位置へ移動させるようにしてもよい。このようにすれば、一方の反転ローラ対がシートを挟持した状態で、シートが他方の反転ローラ対に接触することなく第1位置から第2位置へ移動させることができるので、スムーズに反転ローラ対を移動させることができる。
【0014】
前記反転ユニット制御部が、一方の反転ローラ対を第1位置で待機させ、第1搬送路の搬送方向に反転ローラ対を駆動して第1搬送路から排出されたシートの後端部を挟持するところまで搬送した後にシート搬送を停止し、シートを挟持した前記反転ローラ対を第2位置へ移動させ、第2位置の反転ローラ対を駆動して挟持したシートを第2搬送路へ給送すると共に、他方の反転ユニットを第1位置で待機させて第1搬送路から排出されたシートを搬送して後端部を挟持させるようにしてもよい。このようにすれば、二組の反転ローラ対で第1搬送路からのシートを交互に挟持させ、第2搬送路へ給送することができる。
また、前記第1搬送路が、その終端部の手前に配置されて第1搬送路を通過するシートの後端を検知するシート検知センサを備え、前記反転ユニット制御部が、シート検知センサからのシート後端の検知信号に基づいて第1位置の反転ローラの駆動を停止させるようにしてもよい。このようにすれば、シート検知センサを用いて第1位置の反転ローラの駆動停止のタイミングを得ることができ、シートの後端部を確実に挟持させることができる。
【0015】
また、この発明は、前述のシート反転搬送装置を備えてなる画像形成装置を提供する。この発明のシート反転装置を備えた画像形成装置は、シートの給送間隔を短縮して単位時間当たりのシート搬送枚数を多くできるので、反転搬送時の画像形成処理速度が、反転搬送を行わない場合に比べて大きく低下することがなく、効率のよい画像形成装置を実現することができる。
【0016】
さらにまた別の観点から、この発明は、二組の反転ローラ対のうちの一方を第1搬送路終端部の第1位置で待機させ、第1搬送路の搬送方向に一方反転ローラ対を駆動して第1搬送路から排出されたシートの後端部を挟持するまで搬送した後にシート搬送を停止し、シートを挟持した前記反転ローラ対を第2搬送路始端部の第2位置へ移動させると共に、他方の反転ローラ対を前記第1位置へ移動させ、第1搬送路の搬送方向と逆方向に第2位置の反転ローラ対を駆動して挟持したシートを第2搬送路へ給送すると共に他方の反転ユニットを駆動して第1搬送路から排出される次のシートを搬送して後端部を挟持させ、一方の反転ローラ対が第2搬送路へのシート給送を完了しかつ他方の反転ローラ対が次のシートを挟持した後にシート給送後の一方の反転ローラ対を前記第1位置へ移動させると共にシートを挟持した他方の反転ローラ対を第2位置へ移動させるようにして二組の反転ローラ対で交互にシートを搬送するシート反転搬送方法を提供する。
【0017】
この発明の反転搬送方法は、二組の反転ローラ対のうちの一方の反転ローラ対が第2搬送路へのシート給送を完了しかつ他方の反転ローラ対が次のシートを挟持した後にシート給送後の一方の反転ローラ対を前記第1位置へ移動させると共にシートを挟持した他方の反転ローラ対を第2位置へ移動させるようにして二組の反転ローラ対で交互にシートを搬送するので、反転ユニットが一組の反転ローラ対のみで構成される場合のように、前のシートを第2搬送路へ給送した後に反転ローラが第1搬送路の終端部に待機するまでの間、次のシートを反転搬送部へ進入させないようにシートの給紙間隔をあける必要がない。このため、シートの給送間隔を短縮することができ、一組だけの反転ローラ対の場合に比べて単位時間当たりのシート搬送枚数を多く設定して効率よくシートを搬送することができる。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態及び実施例について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施の形態及び実施例は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0018】
(実施の形態1)
ここに、図2は本発明の実施の形態に係る画像形成装置100の構成を表す概略断面図、図3は、画像形成装置100におけるプリンタ部2の詳細を示す概略断面図、図1は本発明の実施の形態に係るシートの排出と、反転搬送部としての反転ユニットの動きを示す説明図である。
【0019】
まず、図2に示す、本発明の一実施形態に係る画像形成装置100の構成について説明する。画像形成装置100は、複写機能及びプリンタ機能を併せ持つ複合機である。
本画像形成装置100は、印刷モードとしてコピアモード(複写モード)、プリンタモード、FAXモードを有しており、不図示の操作部からの操作入力や、パーソナルコンピュータ等の外部ホスト装置からの印刷ジョブの受信に応じた印刷モードが、不図示の制御部によって選択される。
【0020】
図2に示すように、本画像形成装置100は、大きく分けて、最上部の原稿読み取り部1と、その下方に配置されたプリンタ部(画像形成部)2と、そのさらに下方に配置された給紙ユニット部3とを備えている。
原稿読み取り部1は、装置の外装前面部に配置される操作パネル(不図示)上の条件入力キー(印刷枚数/印刷倍率等々)の入力後に、操作パネルのスタートキーが操作されるとコピー動作を開始し、プラテンガラス31上に載置された原稿の画像を読み取る。即ち、コピーランプユニット32のコピーランプ32a(光源)が点灯し、コピーランプユニット32が水平移動しながら原稿への露光が開始される。コピーランプ32aにより原稿に照射された照射光は、原稿の画像情報を含む反射光(原稿からの反射光)となり、該反射光は、コピーランプユニット32に設けられた第1ミラー32bから第2ミラー33、第3ミラー34、光学レンズ35から、CCD36へ入力されることによって読み取られる。
このようにして読み取られた画像情報は、不図示の制御部が備えるCCD回路で、光の画像情報が電気的信号に変換され、その画像情報信号は、設定された条件で画像処理が行われ、図3にその詳細示すプリンタ部2の光走査ユニット6へプリントデータとして送信される。
【0021】
プリンタ部2は、シートに現像剤(トナー)による画像形成を行う電子写真プロセス部20と、画像形成後のシートを定着ローラ21a(加熱ローラ)と加圧ローラ21bとの間に挟み込むことにより、シートに像(トナー像)を加熱定着する定着ユニット21(定着部)とを具備している。この定着ローラ21aの内部には、ヒータ21dが設けられており、このヒータへの供給電力は、定着ローラ21aの温度を検出する温度センサ21cの検出温度が所定の定着温度に維持されるように、不図示の制御部によって制御される。
【0022】
電子写真プロセス部20は、感光体ドラム4と、これを中心としてその周囲に配置された、帯電ユニット5と、光走査ユニット6と、現像ユニット7と、転写ユニット8と、クリーニングユニット9とを具備している。
帯電ユニット5は、感光体ドラム4の表面を均一に帯電させるものであり、光走査ユニット6は、均一に帯電された感光体ドラム4上に光像を走査して静電潜像を書き込むもの、現像ユニット7は、光走査ユニット6によりプリントデータに従って書き込まれた静電潜像を現像剤により顕像化するものである。
【0023】
また、転写ユニット8は、感光体ドラム4上に記録再現された画像をシート上に転写するものであり、クリーニングユニット9は、感光体ドラム4上に残留した現像剤を除去して、感光体ドラム4上に新たな画像を記録することができるようにするものである。
【0024】
また、プリンタ部2の底部および図2の給紙ユニット部3は、複数のシートがセットされる給紙トレイ(シート供給部)11・12・13・14を備え、これにより、多彩なシートを例えばサイズ毎に各給紙トレイ11〜14に分別して収容することができる。給紙トレイ11の下側には給紙トレイ12が配置され、さらにその下側に給紙トレイ13が配置され、その下側に給紙トレイ14が配置されている。
【0025】
そして、給紙ユニット部3は、給紙トレイ12〜14に収容されたシートをプリンタ部2に向かって搬送するために、給紙搬送路16を備えている。給紙搬送路15は、プリンタ部本体給紙トレイ11および給紙トレイ12・13・14から給紙搬送路16を経て搬送されたシートをプリンタ部2に向かって搬送するものである。
このようにして給紙ユニット部3の内部には、給紙トレイ12〜14と、給紙搬送路16とが効率よく配置され、給紙ユニット部3の省スペース化が実現されている。
なお、各給紙トレイ11〜14にシートをセットする場合は、当該画像形成装置100本体の前面側方向に目的の給紙トレイ11〜14を引き出してシートの補給を行う。
【0026】
当該画像形成装置100においてシートに画像形成が行われる際には、給紙トレイ11〜14の中から1つのトレイが選択され、選択されたトレイからシートが1枚ずつ分離して搬出される。
給紙トレイ11〜14から搬出(供給)されたシートは、給紙搬送路15を経由後、上方向へ搬送されて感光体ドラム4と転写ユニット8との間に供給される。そして、供給されたシートに、転写ユニット8によって感光体ドラム4上に記録再現された画像が転写される。
画像形成後のシートは、さらに上方に配置された定着ユニット21(定着部)に搬送され、該定着ユニット21においてトナー像が加熱定着される。
【0027】
そして、前記定着ユニット21による加熱定着後のシートは、第1搬送路42内に送出されることによってさらに上方向へ導かれ、さらに、前記定着ユニット21の上方で略水平方向へ方向転換されて搬送される。これによりシートは第2搬送路65へ排出されるか、若しくは後処理装置101への送出がなされる、又はシートがターンバックにより両面搬送路44へ再循環されてシート両面への画像形成が行われる。
【0028】
この場合、シートは、第1搬送路42の終端部に待機している反転ユニット60内の一方の反転ローラ対61a、62aによって、第2搬送路65へ先端部が搬送されシート後端部が、排紙検出スイッチ64をOFFしてから所定時間の後に、反転ユニット60内の反転ローラ対61a,62aが一旦停止する。そして、シートの後端部を保持した状態で反転ユニット60の2組の反転ローラ対、61a、62aと61b、62bとの位置を入れ替えて反転ローラ対61a,62aを第2搬送路63の始端部に移動する。このとき、反転ローラ対61a,62aに保持されたシートが他方の反転ローラ対61b、62bと接触しないように、反転ローラ対61a,62aは、第1搬送路から遠いほうの経路を経て第2搬送路63の始端部へ移動させる。その後、反転ローラ対61a,62aを逆転してシートを第2搬送路63へ案内する。第2搬送路63は、その先が両面搬送路44または後処理装置101に達する。
【0029】
一方、反転ユニット60の他方の反転ローラ対61b、62bは、それ以前に保持していたシートを第2搬送路63へ搬送し終えた状態で第2搬送路63の始端部に待機しているが、前述のように一方の反転ローラ対61a、62bが上昇すると同時に第1搬送路42の終端部の高さへ降下し、それまで排出ローラ61aが待機していた位置で待機する。その後、反転ユニット60内の反転ローラ対61b、62bを第1搬送路42の搬送方向へ回転させ、第1搬送路42から排出される次のシートの先端部を第2搬送路65へ搬送する。そして、次のシートの後端部を保持した状態で反転ローラ対61b、62bを停止する。その間に、反転ローラ対61a,62aが第2搬送路63へ前のシートを給送し終えたら、次のシートを保持した反転ローラ対61b、62bを第2搬送路63の始端部へ移動させ、かわりに反転ローラ対61a,62aを第1搬送路の終端位置に移動させる。このようにして反転ユニット60の反転ローラ対61a、62aの対と61b、62bの対とが移動してその待機位置を順次交代し、交互にシートの反転搬送を行う。
【0030】
(実施の形態2)
この実施の形態では、反転ユニットの構造の一例をさらに詳細に説明する。図4は、この発明に係る反転ユニットの概略構造の一例を示す立面図である。図4で2組の2点鎖線の平行線のうち、下側の平行線42は、第1搬送路の終端部を示している。第1搬送路から排出されるシートは、図4を見たとき、紙面の手前側から奥側へ搬送され、第1搬送路から排出されたシートは、その延長上の位置に待機している搬送ローラ61a,62aの対に挟まれて搬送されるように構成される。一方、上側の平行線63は、第2搬送路の始端部を示している。反転ローラ対61b、62bに保持されて第2搬送路へ給送されるシートは、図4を見たとき、紙面の奥側から手前側へ給送される。
【0031】
図4で、第1搬送路排紙モータ201aは、反転ローラ対(図4に示す反転ローラ対の待機状態では61a、62a)を駆動して、第1搬送路から排出されるシートを第1搬送路終端部で待機する反転ローラ対61a、62aによって排紙搬送するためのモータである。前記モータ201aからの駆動は、第1搬送路排紙モータ駆動シャフト202a、第1搬送路排紙モータ駆動ギヤ203a、反転ローラ駆動ギヤ204a、反転ローラ駆動シャフト205aを経て下側の反転ローラ62aに伝達されると共に、前記反転ローラ駆動ギヤ204aから反転ローラ駆動ギヤ206a、反転ローラ駆動シャフト207aを経て上側の反転ローラ61aに伝達される。
【0032】
一方、第2搬送路給紙モータ201bは、反転ローラ対(図4に示す反転ローラ対の待機状態では61b、62b)を駆動して、第2搬送路へ搬送するシートを第2搬送路始端部で待機する反転ローラ対61b、62bから給送するためのモータである。前記モータ201bからの駆動は、第2搬送路給紙モータ駆動シャフト202b、第2搬送路給紙モータ駆動ギヤ203b、反転ローラ駆動ギヤ204b、反転ローラ駆動シャフト205bを経て上側の反転ローラ61bに伝達されると共に、前記反転ローラ駆動ギヤ204bから反転ローラ駆動ギヤ206b、反転ローラ駆動シャフト207bを経て下側の反転ローラ62bに伝達される。
【0033】
また、反転ローラ移動モータ213は、反転ユニット60内の2組の反転ローラ対61a,62aと61b、62bとの待機位置を交換するための駆動モータである。反転ローラ移動モータ213からの駆動は、反転ローラ移動モータ駆動シャフト214、外シャフト215ならびに外シャフトに固定されたアームC216へ伝達される。アームC216の両端にはアームC216に対して回転可能なシャフトA209a,シャフトB209bが取り付けられている。そして、前記シャフトA209aには衛星ギヤA210aとアームA208aとが固定されている。また、前記シャフトB209bには衛星ギヤB210bとアームB208bとが固定されている。そして、衛星ギヤA208aおよび衛星ギヤB208bは、アームC216がモータ213に駆動されて回転しても静止して回転しない惑星ギヤ211と係合している。惑星ギヤ211は、内シャフト212に固定されている。
【0034】
図5は、図4の反転ユニットの駆動機構を横方向から見た場合の構造を示す断面図である。図5(a),(b)、(c)、(d)は、それぞれ図4に示すA−A’断面、B−B’断面、C−C’断面、D−D’断面の様子を示す。図4と同じものには同じ符号を付している。また、図5(a),(b)、(c)、(d)間で同じものであることが明らかなものは符合を省略している。
【0035】
次に、2組の反転ローラ対61a,62aと61b、62bとを移動して入れ替えるときの反転ユニットの動きを説明する。図1は、図4,5に示す反転ユニットにおいて、反転ローラ対の位置を入れ替える際の動きを示す説明図である。図1(a)は入れ替え前の反転ローラ対の位置を示しており、図5(c)に対応する。図1(a)の第1搬送路42の終端部から排紙されたシートPは、第1搬送路42の終端部で待機し、モータ201aから駆動ギヤ203a等を経て駆動力が伝達される反転ローラ対61a,62aで矢印T1の方向へ搬送される。シートPの後端が、図3に示す排紙検出スイッチ64を離れてから所定時間経過後、モータ201aを停止させ、モータ反転ローラ対61a,62aの搬送を停止させる。このとき、シートPの後端部は、第1搬送路42から排出されて、反転ローラ対61a,62aに保持されている。
【0036】
次に、反転ローラ移動モータ213を駆動してアームC216を反時計方向、即ちシートPの先端部が移動する他方の反転ローラ対と接触しない方向に180度回転させる。モータ213を駆動すると、アームC216が回転し、アームC216の両端に取り付けられたシャフトA209aおよびシャフトB209bが惑星ギヤ211の軸である内シャフト212を中心に旋回する。しかし、内シャフト212と、それに固定された惑星ギヤ211は回転しないので、シャフトA209aに固定されたアームA208aおよびシャフトB209bに固定されたアームB208bは、それぞれアームの垂直方向に対する角度を維持したまま旋回する。アームA208aの両端には、反転ローラ61aの駆動シャフト207a、反転ローラ62aの駆動シャフト205aが回転可能に取り付けられている。また、アームB208bの両端には、反転ローラ61bの駆動シャフト205b、反転ローラ62bの駆動シャフト207bが回転可能に取り付けられている。従って、アームC216が回転すると、一方の反転ローラ対61a,62aと61b、62bとがそれぞれローラ対の上下を維持したままの状態で旋回し、互いの反転ローラ対の位置が入れ替わる。
【0037】
なお、アームC216が回転中は、シートを保持した反転ローラ対61a、62aへの駆動がはずれ、自由回転できる状態になるが、この状態で保持されたシートが落下しない程度の適度な制動力を持たせてシートを保持する。あるいは、第1搬送路排紙モータ駆動ギヤ203aと反転ローラ駆動ギヤ204aとの係合が外れたときに、反転ローラ対の自由回転を防止するようなラッチ機構を設けてもよい。
【0038】
モータ213の停止位置は、図示しない位置検知センサでアームC216の位置を検知することによって決定することができる。前記位置検知センサとしては、例えば、光学式の透過型センサ(フォトインタラプタと呼ばれるもの)を用い、アームC216の一部に突起部を設け、アームC216が回転前の位置から180度回転して所定位置に達したときに前記センサを遮光し、そのセンサからの検知信号をトリガにモータの駆動を停止させるように構成すればよい。
【0039】
図1(b)、(c)は、それぞれアームC216の回転につれて、2組の反転ローラ対61a,62aと61b、62bとが60度、120度の位置にある状態を示している。図1(d)は、2組の反転ローラ対の上下の待機位置が入れ替わった位置で停止し、その後モータ201bを駆動してギヤ203b等を経て反転ローラ対61a,61bを回転させ、保持されたシートPを第2搬送路63へ給送する状態を示す。このとき、下側の反転ローラ対61b、62bは、第1搬送路42から次に排紙されるシートを搬送するべく、モータ201aによって駆動される。
【0040】
(実施の形態3)
この実施の形態では、実施の形態1および2で説明した反転ユニットの動作を制御する反転ユニット制御部の処理手順の一例について説明する。図示しない反転ユニットの制御部は、排紙検出スイッチ64や、アームC216の回転位置を検出するための前述したようなセンサ(不図示)等の入力信号や時間を計時するタイマ部(不図示)などの情報に基づいて、モータ201a、201b、213の回転と停止を制御する。この実施の形態の反転ユニット制御部は、前記センサ等からの信号を入力しモータ等の付加を駆動するための入出力回路と、マイクロコンピュータ、前記マイクロコンピュータの処理実行手順を示すプログラムを格納するROM、作業用のエリアを提供するRAMなどを用いて構成される。なお、マイクロコンピュータやROM,RAMは、反転ユニットの制御に専用のものを用いてもよいが、画像形成装置100の他の部分の制御を行う制御部の一部として構成されてもよい。
【0041】
図6〜8は、シートを順次反転搬送する場合の反転ユニットの制御手順の一例を示すフローチャートである。図6〜8のフローチャートに示す反転ユニットの各制御ルーチンは、シート搬送制御に必要な制御精度に対して十分短い時間間隔で繰り返し呼び出される。いわゆる、ポーリング処理や、タイマ割り込みのルーチンである。そして、前記制御ルーチンが呼ばれたときの実行内容は、以前の制御ルーチン実行時にセットされてRAM上に保持されている2つの静的変数Ph1とPh2によって決まる。ここで、静的変数Ph1は、図6(a)に示す制御ルーチンの第1番目のサブルーチンS1の処理内容を示す変数である。そして、Ph1は、第1搬送路終端部に位置する反転ローラ対を駆動する第1搬送路排紙モータ201aの制御と、アームC216を回転させる反転ローラ移動モータ213の駆動制御とに関する制御フェーズである。また、静的変数Ph2は、図6(a)に示す制御ルーチンの第2番目のサブルーチンS2の処理内容を示す変数である。そして、Ph2は、第2搬送路始端部に位置する反転ローラ対を駆動する第2搬送路給紙モータ201bの制御に関する制御フェーズである。
【0042】
電源投入はPh1およびPh2が初期化されて0である。電源投入後、反転ユニットのアームC216の位置が不明であることが想定される。そこで、Ph1が0の場合に、まずアームC216が所定の位置からずれているかどうかを確認する(図6(b)のStep S3)。そして、アームC216が所定位置にない場合は、反転ローラ移動モータ213を駆動してアームCを回転させる(図6(b)のStep S4)。そして、Ph1について、次回ポーリング時の制御フェーズの値として1をセットする(Step S5)。なお、図6(a)に示す第2番目のサブルーチンS2において、Ph2が0にセットされている場合、図8(d)に示すようにサブルーチンS2は、何も処理をしない。一方、すでにアームC216が所定位置にある場合は、次回の制御フェーズとしてPh1に2を、Ph2に1をセットして終了する(Step S6)。
【0043】
Ph1が1に設定されている場合、次回のポーリングで反転ローラ制御ルーチンが呼ばれたときにサブルーチンS1では、アームCが回転して所定位置に達したかどうかをチェックする(図6(c)Step S7)。アームC216が所定位置に達していなければ、何もせずにルーチンを終了する。Ph2も0のままであるので、サブルーチンS2も何も処理せずに終了する。このようにして、ポーリングの度にアームC216が所定位置に達したかどうかのチェックを行う。そして、アームC216が所定位置に達したら、反転ローラ移動モータを停止する(図6(c)Step S8。そして、次回の制御フェーズとしてPh1に2をセットし、Ph2に1をセットする(Step S9)。
【0044】
Ph1に2が、Ph2に1がセットされた後の、次回のポーリングでは、まず、サブルーチンS1で、第1搬送路からのシート排出があるかどうかを調べる(図6(d)Step S10)。例えば、シートを給紙トレイから給紙し、排紙トレイまでの搬送制御を行う制御ルーチンから情報を取得することができる。シートの排出があると判断した場合、第1搬送路給紙モータ201aを回転させて、第1搬送路終端部の反転ローラ対を駆動する(Step S11)。そして、次回の制御フェーズとして、Ph1に3をセットする(Step S12)。一方、シート排出がないと判断した場合は、何もせずに終了し、次回のポーリングでも第1搬送路からのシート排出有無の判定を行う。
【0045】
次に、サブルーチンS2ではPh2に1がセットされているので、第2搬送路給紙モータ201bを駆動して、第2搬送路始端部の反転ローラ対を回転させ(図8(b)Step S26)、図1(d)に示すように反転ローラ対に保持されているシートを第2搬送路へ給送する。そして、前記シートを完全に給送し終えるまでの時間をタイマにセットし(Step S27)、次回の制御フェーズとしてPh2に2をセットして(Step S28)終了する。ここで、タイマにセットする時間は、搬送するシートの長さと搬送速度とから求めることができる。シートの長さは、例えば、シートを給紙トレイから給紙し、排紙トレイまでの搬送制御を行う制御ルーチンから情報を取得することができる。あるいは、第1搬送路の排紙検出スイッチ64をシートが通過する時間を計測し、第1搬送路の搬送速度を乗ずることによって求めることができる。ここで、第1および第2搬送路の搬送速度は、予め決められた定数である。
【0046】
これ以降、サブルーチンS1の制御フェーズは、第1搬送路からのシート排出に応じて進行し、S2との制御フェーズは第2搬送路へのシート給送に応じてそれぞれ独立に進行するので、まず、サブルーチンS2についてのみ説明する。
【0047】
次回ポーリングで、Ph2が2であるので、前記タイマが終了したかどうかの判定を行う(図8(c)Step S29)。タイマが終了していなければ、何もせずに終了し、タイマが終了するまで同じ判定を繰り返す。タイマが終了し、シートPを完全に給送し終えたら、第2搬送路給紙モータ201bを停止し(Step S30)、次回の制御フェーズとしてPh2に3をセットする(Step S31)。
以降のポーリングでは、Ph2が3であるので、図8(d)に示すように何もせずに処理を終了する。
【0048】
一方、Ph1が3以降のサブルーチンS1の処理は、以下のように進行する。まず、第1搬送路から排出されるシートの後端が、第1搬送路の後端部手前にある排紙検出スイッチ64を通過したかどうかを判定する(図7(a)Step S13)。シート後端が通過するまでこの判定を繰り返す。シート後端が通過したことを検知したら、タイマをセットしてシート後端部がさらに進んで反転ローラ対の手前に達するまで遅延時間をおく。そして、次回の制御フェーズとしてPh1に4をセットする(Step S15)。
【0049】
次回のポーリングでは、セットした前記タイマの終了を待つ(図7(b)Step S16)。タイマが終了するまでは、何もせずに処理を終了する。そして、前記タイマが終了したら、第1搬送路排紙モータお201aを停止して第1搬送路終端部の反転ローラ対が排出されたシートPの後端部を保持した状態で停止させる(Step S17)。シートPと反転ローラ対の位置関係は、図1(b)に示している。そして、次回の制御フェーズとして、Ph1に5をセットする(Step S18)。
【0050】
次回のポーリングでは、第2搬送路へのシートの給送が完了するのを待つために、静的変数Ph2が3かどうかを判定する(図7(c)Step S19)。Ph2が3でなければ、何もせずに処理を終了する。Ph2が3になったら、次回の制御フェーズとして、Ph1に6をセットする。
【0051】
次回のポーリングでは、反転ローラ移動モータ213を駆動してアームCを回転させる(図7(d)のStep S21)。そして、次回ポーリング時の制御フェーズの値としてPh1に7をセットする(Step S22)。
【0052】
次回のポーリングでは、アームCが180度回転して所定位置に達したかどうかをチェックする(図8(a)Step S23)。アームC216が所定位置に達していなければ、何もせずにルーチンを終了する。アームC216が所定位置に達したら、反転ローラ移動モータを停止する(図8(a)Step S24。そして、次回の制御フェーズとしてPh1に2をセットし、Ph2に1をセットする(Step S25)。この制御フェーズの設定は、アームCの初期化が完了したときと同じである。従って、次回ポーリングでは、サブルーチンS1は第1搬送路からのシート排出待ち処理(図6(d)に示す)を、サブルーチンS2は、保持したシートの第2搬送路への給送処理(図8(b)に示す)を行う。以降、前述の処理を繰り返し実行する。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施の形態に係る反転ユニットにおいて、反転ローラ対の位置を入れ替える際の動きを示す説明図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の構成を表す概略断面図である。
【図3】図2の画像形成装置におけるプリンタ部の詳細を示す概略断面図である。
【図4】この発明に係る反転ユニットの概略構造の一例を示す立面図である。
【図5】図4の反転ユニットの駆動機構を横方向から見た場合の構造を示す断面図である。
【図6】シートを順次反転搬送する場合の反転ユニットの制御手順のうち第1の制御手順の一例を示すフローチャートである。
【図7】シートを順次反転搬送する場合の反転ユニットの制御手順のうち第2の制御手順の一例を示すフローチャートである。
【図8】シートを順次反転搬送する場合の反転ユニットの制御手順のうち第3の制御手順の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0054】
1 原稿読み取り部(画像読取り手段)
1a 自動原稿搬送装置
1b 画像読取装置支持台
2 プリンタ部(画像形成部)
3 給紙ユニット部
4 感光体ドラム
5 帯電ユニット
6 光走査ユニット
7 現像ユニット
7b トナーホッパ
8 転写ユニット
9 クリーニングユニット
11,12,13,14 給紙トレイ
15、16 給紙搬送路
20 電子写真プロセス部
21 定着ユニット(定着部)
21a 定着ローラ(加熱ローラ)
21b 加圧ローラ
21c 温度センサ
21d ヒータ
31 プラテンガラス
32 コピーランプユニット
32a コピーランプ、光源
32b 第1ミラー
33 第2ミラー
34 第3ミラー
35 光学レンズ
36 CCD
42 第1搬送路
44 両面搬送路
60 反転ユニット
61a、61b、 反転ローラ(上側)
62a、62b 反転ローラ(下側)
63 第2搬送路
64 排紙検出スイッチ
65 排紙トレイ
100 画像形成装置
101 後処理装置
102 中継搬送装置
103 受け取り搬送部
104,105 シート排出部
106 大容量給紙トレイ
107 昇降トレイ
108 大容量給紙トレイからの給紙搬送路
201a 第1搬送路排紙モータ
201b 第2搬送路給紙モータ
202a 第1搬送路排紙モータ駆動シャフト
202b 第2搬送路給紙モータ駆動シャフト
203a 第1搬送路排紙モータ駆動ギヤ
203b 第2搬送路給紙モータ駆動ギヤ
204a、204b、206a、206b 反転ローラ駆動ギヤ
205a、205b、207a、207b 反転ローラ駆動シャフト
208a アームA(シャフトA209aに固定)
208b アームB(シャフトB209bに固定)
209a シャフトA
209b シャフトB
210a 衛星ギヤA(シャフトA209aに固定)
210b 衛星ギヤB(シャフトB209bに固定)
211 惑星ギヤ(内シャフト212に固定)
212 内シャフト
213 反転ローラ移動モータ
214 反転ローラ移動モータ駆動シャフト
215 外シャフト
216 アームC(外シャフト215に固定)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給紙部から順次給送されるシートを搬送する第1搬送路と、
シートが第1搬送路を通過するときの後端側が先端側になる方向に前記シートをさらに搬送する第2搬送路と、
二組の反転ローラ対であって各反転ローラ対は上ローラと下ローラからなり、第1搬送路終端部の第1位置で第1搬送路から排出されたシートを挟持して第2搬送路始端部の第2位置から挟持したシートを給送する反転ローラ対と、
各反転ローラ対を支持して前記第1位置から前記第2位置へ移動させ、第2位置でシートの給送を終えた後さらに前記反転ローラ対を第2位置から第1位置へ移動させる反転ユニットと、
一方の反転ローラ対を駆動して前のシートを第2位置で給送すると共に他方の反転ローラ対を駆動して第1搬送路から排出される次のシートを第1位置で挟持させ、一方の反転ローラ対が前のシートの給送を完了しかつ他方の反転ローラ対が次のシートを挟持したときに各反転ローラ対を第1位置と第2位置の間で移動させる反転ユニット制御部と
を備えることを特徴とするシート反転搬送装置。
【請求項2】
前記反転ユニットが、各反転ローラ対の上ローラと下ローラとの上下の相対位置を保持しながら前記反転ローラ対を第1位置と第2位置との間で移動させるように構成される請求項1記載のシート反転搬送装置。
【請求項3】
前記反転ユニットが、前記第1位置と前記第2位置との中間にある点を旋回軸として各反転ローラ対を旋回させると共に各反転ローラ対のニップ部を通る回転軸を中心に各反転ローラ対を回転させることによって各反転ローラ対をその上下を保持しながら第1位置と第2位置との間で移動させる請求項2記載のシート反転搬送装置。
【請求項4】
前記反転ユニット制御部が、第1位置で一方の反転ローラ対に後端部を挟持されたシートの後端の延長上を他方の反転ローラ対が通過するように各反転ユニットを第1位置から第2位置へ移動させる請求項1記載のシート反転搬送装置。
【請求項5】
前記反転ユニット制御部が、一方の反転ローラ対を第1位置で待機させ、第1搬送路の搬送方向に反転ローラ対を駆動して第1搬送路から排出されたシートの後端部を挟持するところまで搬送した後にシート搬送を停止し、シートを挟持した前記反転ローラ対を第2位置へ移動させ、第2位置の反転ローラ対を駆動して挟持したシートを第2搬送路へ給送すると共に、他方の反転ユニットを第1位置で待機させて第1搬送路から排出されたシートを搬送して後端部を挟持させる請求項1記載のシート反転搬送装置。
【請求項6】
前記第1搬送路が、その終端部の手前に配置されて第1搬送路を通過するシートの後端を検知するシート検知センサを備え、
前記反転ユニット制御部が、シート検知センサからのシート後端の検知信号に基づいて第1位置の反転ローラの駆動を停止させる請求項5記載のシート反転搬送装置。
【請求項7】
請求項1〜6に記載のシート反転搬送装置を備えてなる画像形成装置。
【請求項8】
二組の反転ローラ対のうちの一方を第1搬送路終端部の第1位置で待機させ、
第1搬送路の搬送方向に一方反転ローラ対を駆動して第1搬送路から排出されたシートの後端部を挟持するまで搬送した後にシート搬送を停止し、
シートを挟持した前記反転ローラ対を第2搬送路始端部の第2位置へ移動させると共に、他方の反転ローラ対を前記第1位置へ移動させ、
第1搬送路の搬送方向と逆方向に第2位置の反転ローラ対を駆動して挟持したシートを第2搬送路へ給送すると共に他方の反転ユニットを駆動して第1搬送路から排出される次のシートを搬送して後端部を挟持させ、
一方の反転ローラ対が第2搬送路へのシート給送を完了しかつ他方の反転ローラ対が次のシートを挟持した後にシート給送後の一方の反転ローラ対を前記第1位置へ移動させると共にシートを挟持した他方の反転ローラ対を第2位置へ移動させるようにして二組の反転ローラ対で交互にシートを搬送するシート反転搬送方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−143403(P2006−143403A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−335975(P2004−335975)
【出願日】平成16年11月19日(2004.11.19)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】