説明

スクリーニングアッセイ及び腫瘍治療の方法

本発明は、一般的に、腫瘍転移の治療のための候補分子のスクリーニング及び、そのような分子を用いた治療方法に関する。したがって、本発明は、(1)初期腫瘍の存在又は非存在下において少なくとも一つの軟部組織転移又は骨転移を有する非ヒト同系免疫応答性動物モデルに複数の試験物質を投与し;(2)軟部組織転移又は骨転移及び初期腫瘍の成長に対する該試験物質の効果がある場合にそれを決定し;(3)初期腫瘍の状態に対する副作用がなく、軟部組織転移又は骨転移の成長を阻害する試験物質がある場合に同定する工程を含んでなるスクリーニング方法を包含する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)初期腫瘍の存在又は非存在下において少なくとも一つの軟部組織転移又は骨転移を有する非ヒト同系免疫応答性動物モデルに複数の試験物質を投与し;(2)軟部組織転移又は骨転移及び初期腫瘍の成長に対する該試験物質の効果がある場合にそれを決定し;(3)初期腫瘍の状態に対する副作用がなく、軟部組織転移又は骨転移の成長を阻害する試験物質がある場合に同定する工程を含んでなるスクリーニング方法。
【請求項2】
軟部組織転移が肺組織及び肝臓組織からなる群から選択される組織に存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
骨転移によって骨破壊が生じる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
動物モデルが軟部組織転移及び骨転移の何れをも有する、請求項1ないし3の何れか一に記載の方法。
【請求項5】
動物モデルが初期腫瘍を有する、請求項1ないし4の何れか一に記載の方法。
【請求項6】
初期腫瘍が動物から外科的に除去されている、請求項1ないし4の何れか一に記載の方法。
【請求項7】
動物が齧歯類である、請求項1ないし6の何れか一に記載の方法。
【請求項8】
動物がマウス又はラットである、請求項1ないし7の何れか一に記載の方法。
【請求項9】
動物がマウスである、請求項1ないし8の何れか一に記載の方法。
【請求項10】
初期腫瘍が乳癌である、請求項1ないし9の何れか一に記載の方法。
【請求項11】
乳房腫瘍が自然発生的マウス乳房悪性腫瘍に由来する細胞から発達している、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
細胞が4T1マウス乳房悪性腫瘍細胞である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
初期乳房腫瘍が、Her2腫瘍又はHer2腫瘍の継代から産生した内皮細胞から発達したHer2である、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
初期乳房腫瘍がトラスツズマブ耐性である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
初期乳房腫瘍がトラスツズマブ応答性である、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
初期乳房腫瘍が、PymT腫瘍又はPymT腫瘍の継代から産生した上皮細胞から発達したPymTである、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
初期腫瘍がメラノーマである、請求項1ないし9の何れか一に記載の方法。
【請求項18】
メラノーマがB16亜系統のものである、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
同定した試験物質が分泌分子のアンタゴニストである、請求項1ないし18の何れか一に記載の方法。
【請求項20】
同定した試験物質が形質転換成長因子-β(TGF-β)アンタゴニストである、請求項1ないし19の何れか一に記載の方法。
【請求項21】
TGF-βアンタゴニストがTGF-βに特異的に結合する抗体である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
TGF-βアンタゴニストが骨転移を阻害する、請求項20又は21に記載の方法。
【請求項23】
TGF-βアンタゴニストが骨破壊又は骨損失を減少する、請求項20ないし22の何れか一に記載の方法。
【請求項24】
前記動物に投与した試験物質が公知の化学療法剤又は細胞障害性剤を包含する、請求項1ないし23の何れか一に記載の方法。
【請求項25】
化学療法剤又は細胞障害性剤がタキソイドである、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記動物に一のTGF-βアンタゴニストと、一の化学療法剤又は細胞障害性剤である2つの試験物質を投与し、初期腫瘍が存在する場合に軟部組織転移又は骨転移及び初期腫瘍成長に対する2つの試験物質の混合効果を決定する、請求項24又は25に記載の方法。
【請求項27】
TGF-βアンタゴニストがTGF-βに特異的に結合する抗体であり、化学療法剤又は細胞障害性剤がタキソイドである、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
加えて、前記動物が有効量の放射線療法に曝される、請求項1ないし27の何れか一に記載の方法。
【請求項29】
癌と診断された哺乳類患者がTGF-βアンタゴニストでの処置により利益を得るかどうかを決定する方法であって、
(a)TGF-βの成長阻害効果に対する患者由来の癌細胞の感受性を試験し;
(b)患者由来の癌細胞の遺伝子発現特性を得て、それをTGF-βアンタゴニストを用いる治療に応答する動物モデル由来の癌細胞の遺伝子発現特性と比較し;そして
(c)患者由来の癌細胞がTGF-βの成長阻害効果に対して感受性がなく、該治療に応答する該動物モデル由来の癌細胞の遺伝子発現特性と類似した遺伝子発現特性を有する場合に、TGF-βアンタゴニストを用いる治療から利益を得るかどうかを同定することを
含んでなる方法。
【請求項30】
前記癌が乳癌である、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記癌が転移性乳癌である、請求項29又は30に記載の方法。
【請求項32】
更に、患者由来の乳癌細胞のHer2状態を決定し、該細胞がHer2陰性の場合にTGF-βを用いる治療に応答すると思われる患者を同定する工程を含んでなる、請求項30又は31に記載の方法。
【請求項33】
前記患者がヒトである、請求項29ないし32の何れか一に記載の方法。
【請求項34】
TGF-βアンタゴニストがTGF-βに特異的に結合する抗体である、請求項29ないし33の何れか一に記載の方法。
【請求項35】
前記患者が軟部組織転移である、請求項29ないし34の何れか一に記載の方法。
【請求項36】
軟部組織転移に肺転移及び肝臓転移の少なくとも一が含まれる、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
加えて、前記患者が骨転移を有する、請求項35又は36に記載の方法。
【請求項38】
前記患者が骨破壊又は骨損失を呈する、請求項29ないし37の何れか一に記載の方法。
【請求項39】
更に、前記癌を治療するために有効量のTGF-βを患者に投与する工程を含んでなる、請求項29ないし38の何れか一に記載の方法。
【請求項40】
前記治療を初期乳癌の外科的除去後に行う、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記癌を治療するために、更に、有効量の化学療法剤又は細胞障害性剤、又は有効量の放射線療法を前記患者に投与することを含んでなる、請求項39又は40に記載の方法。
【請求項42】
化学療法剤がタキソイドである、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記癌を治療するために、更に、Her2に特異的に結合する有効量の抗体を患者に投与することを含んでなる、請求項39ないし42の何れか一に記載の方法。
【請求項44】
前記抗体がトラスツズマブである、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記癌を治療するために、更に、有効量の抗血管形成剤を患者に投与することを含んでなる、請求項39ないし44の何れか一に記載の方法。
【請求項46】
抗血管形成剤が脈管内皮性成長因子に特異的に結合する抗体である、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
有効量のTGF-βアンタゴニストを患者に投与することを含んでなる、哺乳動物患者の腫瘍転移に関与する骨破壊又は骨損失の治療方法。
【請求項48】
TGF-βアンタゴニストがTGF-βに特異的に結合する抗体である、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
癌と診断された哺乳類患者の治療方法において、有効量のTGF-βアンタゴニストと化学療法剤又は細胞障害性剤との組み合わせを該患者に投与し、該組み合わせに対する患者の応答をモニタリングすることを含み、該組み合わせの有効量が単剤として別々に投与した場合の該TGF-βアンタゴニストと該化学療法剤又は細胞障害性剤の有効量の総量より低い治療方法。
【請求項50】
前記癌が乳癌又は結腸直腸癌である、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記癌が転移性乳癌である、請求項49又は50に記載の方法。
【請求項52】
化学療法剤がタキソイドである、請求項49ないし51の何れか一に記載の方法。
【請求項53】
加えて、前記患者が有効量の放射線療法で治療される、請求項49ないし52の何れか一に記載の方法。
【請求項54】
癌と診断された哺乳類患者の治療方法において、有効量のTGF-βアンタゴニストと放射線療法との組み合わせを該患者に投与することを含み、該組み合わせの有効量が単剤として別々に投与した場合の該TGF-βアンタゴニストと該放射線療法の有効量の総量より低い治療方法。
【請求項55】
前記癌が乳癌である、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記癌が結腸直腸癌である、請求項54に記載の方法。
【請求項57】
更に、抗血管形成剤を患者に投与することを含む、請求項54ないし56の何れか一に記載の方法。
【請求項58】
抗血管形成剤が脈管内皮性成長因子に特異的に結合する抗体である、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
TGF-βアンタゴニストがTGF-βに特異的に結合する抗体である、請求項54ないし58の何れか一に記載の方法。
【請求項60】
癌と診断された哺乳類患者の治療方法において、有効量のTGF-βアンタゴニストと抗血管形成剤との組み合わせを該患者に投与し、該組み合わせに対する該患者の応答をモニタリングすることを含んでなる治療方法。
【請求項61】
抗血管形成剤が脈管内皮性成長因子に特異的に結合する抗体である、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
TGF-βアンタゴニストがTGF-βに特異的に結合する抗体である、請求項60又は61に記載の方法。
【請求項63】
加えて、有効量の化学療法剤又は細胞障害性剤を前記患者に投与することを含んでなる、請求項60ないし62の何れか一に記載の方法。
【請求項64】
前記組み合わせの有効量が単剤として別々に投与した場合の該TGF-βアンタゴニストと該抗血管形成剤の有効量の総量より低い、請求項60ないし63の何れか一に記載の方法。
【請求項65】
TGF-βアンタゴニストと化学療法剤又は細胞障害性剤又は放射線療法の組み合わせの有効量を、癌と診断された哺乳類患者及びTGF-βアンタゴニストに対する応答が無い若しくは応答が乏しいと思われる哺乳類患者に投与し、該組み合わせに対する該患者の応答をモニタリングすることを含んでなる、癌と診断された哺乳類患者及びTGF-βアンタゴニストに対する応答が無い若しくは応答が乏しいと思われる哺乳類患者の治療方法。
【請求項66】
前記癌が乳癌である、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記化学療法剤がタキソイドである、請求項65又は66に記載の方法。
【請求項68】
脈管内皮性成長因子に特異的に結合する抗体を包含する容器と、TGF-βに特異的に結合する抗体を包含する容器と、有効な量で組み合わせた両抗体の哺乳類患者の癌治療への使用についての指示書とを包含してなるキット。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21A】
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【図21B】
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【図21C】
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【図22A】
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【図22B】
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【図22C】
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【図22D】
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【図22E】
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【図23A】
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【図23B】
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【図24A】
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【図24B】
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【公表番号】特表2007−515949(P2007−515949A)
【公表日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−539632(P2006−539632)
【出願日】平成16年11月4日(2004.11.4)
【国際出願番号】PCT/US2004/036651
【国際公開番号】WO2005/050200
【国際公開日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【出願人】(596168317)ジェネンテック・インコーポレーテッド (372)
【氏名又は名称原語表記】GENENTECH,INC.
【Fターム(参考)】