説明

スクリーン印刷方法およびスクリーン印刷装置

【課題】厚み、面積、体積などに関し、目標とする特性を備えた印刷図形を確実に形成することが可能なスクリーン印刷方法およびスクリーン印刷装置を提供する。
【解決手段】被印刷シート(セラミックグリーンシート)1上に印刷ペースト(導電性ペースト)2をスクリーン印刷する際の、印刷後の導電性ペースト(印刷図形)2aの面積、厚み、および体積のうちの少なくとも1つのパラメータについて目標値を設定し、少なくとも2種類の温度条件下で、セラミックグリーンシート1上に導電性ペースト2を予備的に印刷し、印刷された導電性ペースト(印刷図形)2aについて、目標値を設定したパラメータ(厚み)の測定を行い、パラメータについての測定値と目標値を比較してパラメータが目標値に最も近くなるような温度条件を選択し、該温度条件となるように温度を制御しながらスクリーン印刷版4上の導電性ペースト2をセラミックグリーンシート1上に印刷する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、例えば、積層セラミック電子部品の内部電極となる導電性ペーストをセラミックグリーンシートの表面に印刷する場合などに用いられるスクリーン印刷方法およびそれを用いたスクリーン印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、積層セラミックコンデンサは、図7に示すように、セラミック素子(電子部品素子)51中に、セラミック層53を介して複数の内部電極52a,52bが積層、配設されたセラミックコンデンサ素子51の両端面54a,54bに、内部電極52a,52bと導通するように外部電極55a,55bが配設された構造を有している。
【0003】
また、このような構造を有する積層セラミックコンデンサは、内部電極パターンが配設されたセラミックグリーンシートを積層する工程を経て製造されており、内部電極パターンは、通常、内部電極形成用の導電性ペーストをセラミックグリーンシートの表面に印刷することにより形成されている。
【0004】
そして、この内部電極形成用の導電性ペーストを印刷するにあたっては、セラミックグリーンシート上にセットされた、所定のパターンの印刷開口部を有するスクリーン印刷版上に導電性ペーストを供給し、スキージをスクリーン印刷版に押し当ててスクリーン印刷版上を摺動させることにより、導電性ペーストを印刷開口部から押し出してセラミックグリーンシートに印刷するスクリーン印刷法が広く用いられている。
【0005】
しかしながら、スクリーン印刷方法においては、印刷後に得られる印刷図形の精度が、被印刷シートや印刷ペーストの物性などの影響を受けやすく、特に、印刷ペーストの温度の影響を受けやすい。
【0006】
ところで、従来のスクリーン印刷方法として、図8(a),(b)に示すように、結露および結氷を防ぎつつ被印刷シートの温度を下げた状態で、印刷ペーストを印刷するようにしたスクリーン印刷方法が提案されている(特許文献1参照)。
【0007】
すなわち、この方法は、図8(a),(b)に示すように、版枠63にスクリーン62が張設されたスクリーン印刷版61を、スクリーン62と、被印刷シート64との間に所定の間隔が確保されるような状態で、被印刷シート64上に配置し、スクリーン62の上面側からスキージ65を押し当て、スクリーン62を変形させながら所定の方向(例えば、図8の矢印Yの方向)に移動させることにより、印刷ペースト66の印刷を行うにあたって、被印刷シート64を支持する印刷テーブル67として冷却パイプ68を備えたものを用い、結露および結氷を防ぎつつ被印刷シート64の温度を下げた状態で、印刷ペースト66を印刷するようにしている。
【0008】
しかしながら、特許文献1のスクリーン印刷方法は、印刷ペーストを嵩高く被印刷シート上に付着させることを目的とするものであり、印刷図形の厚みを大きくすることは可能であっても、必ずしも、所望の平面形状や、面積、あるいは所望の体積を有する印刷図形を得ることを可能にするものではない。
【0009】
また、特許文献1のスクリーン印刷方法は、印刷状態で温度条件を制御するようにしているものの、被印刷シートの温度を下げた状態で、印刷ペーストを印刷するようにしているだけで、温度制御を行うことが可能な範囲、すなわち、制御範囲が狭く、必ずしも十分に印刷図形の調整を行って、意図するような印刷図形を得ることができないという問題点がある。
【特許文献1】特開2004−338341号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本願発明は上記課題を解決するものであり、厚み、面積、体積などに関し、目標とする特性を備えた印刷図形を確実に形成することが可能なスクリーン印刷方法およびスクリーン印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本願請求項1のスクリーン印刷方法は、
(a)被印刷シート上に印刷ペーストをスクリーン印刷するにあたって、印刷された印刷ペーストの面積、厚み、および体積のうちの少なくとも1つのパラメータについて目標値を設定し、少なくとも2種類の温度条件で、被印刷シート上に印刷ペーストを予備的にスクリーン印刷するとともに、前記目標値を設定したパラメータの測定を行う予備印刷工程と、
(b)前記予備印刷工程で測定した前記パラメータについての測定値と、前記目標値を比較して、印刷ペーストを予備的にスクリーン印刷した少なくとも2種類の前記温度条件のうち、前記パラメータが目標値に最も近くなるような温度条件を選択する選択工程と、
(c)前記選択工程において求めた温度条件となるように温度を制御しながら、印刷ペーストを被印刷シート上にスクリーン印刷する本印刷工程と
を備えることを特徴としている。
【0012】
また、請求項2のスクリーン印刷方法は、
(a)被印刷シート上に印刷ペーストをスクリーン印刷するにあたって、印刷された印刷ペーストの面積、厚み、および体積のうちの少なくとも1つのパラメータについて目標値を設定し、少なくとも2種類以上の温度条件下で、被印刷シート上に印刷ペーストを予備的にスクリーン印刷するとともに、前記目標値を設定したパラメータの測定を行う予備印刷工程と、
(b)演算手段により、前記目標値を設定したパラメータの測定値と、前記温度との相関式を求め、前記相関式より、前記目標値を設定したパラメータが前記目標値となるような温度条件を求める演算工程と、
(c)前記演算工程において求めた温度条件となるように温度を制御しながら、印刷ペーストを被印刷シート上にスクリーン印刷する本印刷工程と
を備えることを特徴としている。
【0013】
また、請求項3のスクリーン印刷方法は、請求項2の発明の構成において、前記相関式が、二次以上の複次曲線となるような式であることを特徴としている。
【0014】
また、請求項4のスクリーン印刷方法は、請求項1〜3のいずれかの発明の構成において、前記被印刷シートがセラミックグリーンシートであり、前記印刷ペーストが、セラミック電子部品が備える内部電極を形成するための導電性ペーストであることを特徴としている。
【0015】
また、請求項5のスクリーン印刷装置は、
被印刷シート上に印刷ペーストをスクリーン印刷するためのスクリーン印刷装置であって、
(a)被印刷シートが載置される印刷テーブルと、
(b)前記印刷テーブル上に載置される被印刷シートに印刷ペーストをスクリーン印刷するために用いられるスクリーン印刷版と、
(c)前記スクリーン印刷版の上面に押し当られた状態で、前記スクリーン印刷版上を摺動し、前記スクリーン印刷版上の印刷ペーストを、前記スクリーン印刷版の印刷開口部から押し出して、前記印刷テーブル上の前記被印刷シートに印刷するスキージと、
(d)被印刷シートを、少なくとも2種類の温度に制御することができるように構成された温度制御手段と、
(e)前記被印刷シート上に印刷された印刷ペーストの、目標値が定められたパラメータである面積、厚み、および体積のうちの少なくとも1つのパラメータを測定するための測定手段と、
(f)前記温度制御手段により制御された、少なくとも2種類以上の温度条件下で、前記スクリーン印刷版を用いて、前記被印刷シート上に前記印刷ペーストを予備的に印刷した後に、前記パラメータについての測定値と前記パラメータについての目標値とを比較し、印刷ペーストを予備的にスクリーン印刷した少なくとも2種類の前記温度条件のうち、前記パラメータが目標値に最も近くなるような温度条件を選択する選択手段と
を備え、
前記選択手段により選択した温度条件となるように、前記温度制御手段により温度を制御しながら、前記スキージを移動させることにより、前記スクリーン印刷版上の印刷ペーストが被印刷シート上に印刷されるように構成されていること
を特徴としている。
【0016】
また、請求項6のスクリーン印刷装置は、
被印刷シート上に印刷ペーストをスクリーン印刷するためのスクリーン印刷装置であって、
(a)被印刷シートが載置される印刷テーブルと、
(b)前記印刷テーブル上に載置される被印刷シートに印刷ペーストをスクリーン印刷するために用いられるスクリーン印刷版と、
(c)前記スクリーン印刷版の上面に押し当られた状態で、前記スクリーン印刷版上を摺動し、前記スクリーン印刷版上の印刷ペーストを、前記スクリーン印刷版の印刷開口部から押し出して、前記印刷テーブル上の前記被印刷シートに印刷するスキージと、
(d)被印刷シートを、少なくとも2種類の温度に制御することができるように構成された温度制御手段と、
(e)前記被印刷シート上に印刷された印刷ペーストの、目標値が定められたパラメータである面積、厚み、および体積のうちの少なくとも1つのパラメータを測定するための測定手段と、
(f)前記温度制御手段により制御された、少なくとも2種類以上の温度条件下で、前記スクリーン印刷版を用いて、前記被印刷シート上に前記印刷ペーストを予備的に印刷した後に、前記パラメータについての測定値と前記パラメータについての目標値との相関式を求め、前記相関式より、前記目標値を設定したパラメータが前記目標値となるような温度条件を求める演算手段と
を備え、
前記演算手段により求めた温度条件となるように、前記温度制御手段により温度を制御しながら、前記スキージを移動させることにより、前記スクリーン印刷版上の印刷ペーストが被印刷シート上に印刷されるように構成されていること
を特徴としている。
【0017】
また、請求項7のスクリーン印刷装置は、請求項5または6の発明の構成において、前記温度制御手段が、前記印刷テーブルの下部に配設され、前記印刷テーブルを介して、前記被印刷シートおよび前記印刷ペーストの加熱および/または冷却を行うことができるように構成された機構であることを特徴としている。
【0018】
また、請求項8のスクリーン印刷装置は、請求項6または7の発明の構成において、前記相関式が、二次以上の複次曲線となるような式であることを特徴としている。
【0019】
また、請求項9のスクリーン印刷装置は、請求項5〜8のいずれかに記載の発明の構成において、前記被印刷シートがセラミックグリーンシートであり、前記印刷ペーストが、セラミック電子部品が備える内部電極を形成するための導電性ペーストであることを特徴としている。
【発明の効果】
【0020】
本願請求項1のスクリーン印刷方法は、上述のように、(a)印刷後の印刷ペーストの面積、厚み、および体積のうちの少なくとも1つのパラメータについて目標値を設定し、少なくとも2種類の温度条件下で、被印刷シート上に印刷ペーストを予備的に印刷するとともに、目標値を設定したパラメータの測定を行う予備印刷工程と、(b)測定したパラメータについての測定値と目標値を比較して、印刷ペーストを予備的にスクリーン印刷した少なくとも2種類の温度条件のうち、パラメータが目標値に最も近くなるような温度条件を選択する選択工程と、(c)選択工程において求めた温度条件となるように、温度を制御しながら、印刷ペーストを被印刷シート上に印刷する本印刷工程とを備えているので、印刷ペーストの温度を適正な条件に制御して、精度の高いスクリーン印刷を行うことが可能になる。
【0021】
すなわち、少なくとも2種類の温度条件下で、被印刷シート上に印刷ペーストを予備的に印刷して、目標値を設定した、印刷後の印刷ペーストの面積、厚み、体積などのパラメータの測定を行い、その測定値と目標値を比較して、印刷ペーストを予備的にスクリーン印刷した少なくとも2種類の温度条件のうち、パラメータが目標値に最も近くなるような温度条件を選択することにより、適正な温度条件を容易に求めることが可能になり、求めた温度でスクリーン印刷を行うことにより、精度の高いスクリーン印刷を行うことが可能になる。
【0022】
なお、本印刷工程においても、スクリーンパターンなどの条件が経時変化するので、本印刷工程で繰り返してスクリーン印刷を行う途中で、適当な間隔をおいて(例えば、印刷ペーストのロット交換毎に)上述のような予備印刷を行い、最適な温度条件を求めることにより、長期間にわたって、最適な印刷精度を保つことが可能になる。
【0023】
また、本願発明において、制御すべき温度を測定する方法としては、例えば、
(a)温度制御手段に温度計を取り付けることにより、温度を測定したい領域あるいはその近傍に温度計を位置させて温度を測定する方法、
(b)スキージに温度計を取り付けて印刷ペーストの温度を直接的に測定する方法(印刷ペーストの温度をより正確に測ることが可能になる)、
(c)非接触の温度計で印刷ペーストの温度を測定する方法
などが例示されるが、温度を測定するための具体的な方法に特別の制約はない。
【0024】
また、温度制御手段としては、
(a)ヒータ、温水、温風などを利用して加熱する方法、
(b)ペルチェ素子、冷水、冷風などを利用して冷却を行う方法、
(c)上記(a),(b)の方法を組み合わせて、加熱と冷却を自由に行えるようにして、所望の温度になるように温度制御を行う方法
などの方法が例示されるが、温度を制御するための具体的な方法に特別の制約はなく、公知の種々の方法を用いることが可能である。
【0025】
また、請求項2のスクリーン印刷方法は、
(a)印刷後の印刷ペーストの面積、厚み、および体積のうちの少なくとも1つのパラメータについて目標値を設定し、温度制御手段により制御された、少なくとも2種類以上の温度条件下で、被印刷シート上に印刷ペーストを予備的にスクリーン印刷するとともに、目標値を設定したパラメータの測定を行う予備印刷工程と、(b)目標値を設定したパラメータの測定値と、温度との相関式を求め、この相関式より、目標値を設定したパラメータが目標値となるような温度条件を求める演算工程と、(c)演算工程において求めた温度条件となるように、温度を制御しながら、印刷ペーストを被印刷シート上に印刷する本印刷工程とを備えているので、印刷ペーストの温度を適正な条件に制御して、精度の高いスクリーン印刷を行うことが可能になる。
【0026】
すなわち、少なくとも2種類の温度条件下で、被印刷シート上に印刷ペーストを予備的に印刷して、目標値を設定した、印刷後の印刷ペーストの面積、厚み、体積などのパラメータの測定を行い、目標値を設定したパラメータの測定値と、温度との相関式を求め、この相関式より、パラメータが目標値となるような温度条件を求めることにより、最適な温度条件を確実に求めることが可能になる。その結果、求めた温度でスクリーン印刷を行うことにより、意図するような面積、厚み、および体積などの特性を有する印刷図形を確実に形成することが可能な、精度の高いスクリーン印刷を行うことが可能になる。
【0027】
なお、本印刷工程においても、スクリーンパターンが経時変化するので、本印刷工程で繰り返してスクリーン印刷を行う途中で、適当な間隔をおいて、上述のような予備印刷を行い、最適な温度条件を求めることにより、長期間にわたって、最適な印刷精度を保つことが可能になる。
【0028】
また、請求項3のスクリーン印刷方法のように、請求項2の発明の構成において、前記相関式が、二次以上の複次曲線となるような式となるようにした場合、パラメータが目標値となるような温度条件をより精度よく求めることが可能になり、本願発明をさらに実効あらしめることができる。
【0029】
また、請求項4のスクリーン印刷方法のように、請求項1〜3のいずれかの発明の構成において、被印刷シートをセラミックグリーンシートとし、印刷ペーストを、セラミック電子部品が備える内部電極を形成するための導電性ペーストとした場合、所望の形状を有する電極を備えたセラミック電子部品を効率よく製造することが可能になる。
例えば、本願発明を積層セラミックコンデンサを製造する場合の、内部電極用の導電性ペーストの印刷方法に適用した場合、目標とするような面積を有する内部電極を備え、所望の静電容量を取得することが可能な、特性のばらつきが少なく、信頼性の高い積層セラミックコンデンサを効率よく製造することが可能になる。
【0030】
また、請求項5のスクリーン印刷装置は、(a)被印刷シートが載置される印刷テーブルと、(b)スクリーン印刷版と、(c)スキージと、(d)被印刷シートを、少なくとも2種類の温度に制御することができるように構成された温度制御手段と、(e)被印刷シート上に印刷された印刷ペーストの、目標値が定められたパラメータである面積、厚み、および体積のうちの少なくとも1つのパラメータを測定するための測定手段と、(f)温度制御手段により制御された、少なくとも2種類以上の温度条件下で予備的に印刷した後に、前記パラメータについての測定値と、パラメータについての目標値を比較し、印刷ペーストを予備的にスクリーン印刷した少なくとも2種類の前記温度条件のうち、パラメータが目標値に最も近くなるような温度条件を選択する選択手段とを備え、選択手段により選択した温度条件となるように、温度制御手段により温度を制御しながら、スキージを移動させることにより、スクリーン印刷版上の印刷ペーストが被印刷シート上に印刷されるように構成されているので、この請求項5のスクリーン印刷装置を用いることにより適切な温度条件下にスクリーン印刷を行うことが可能になり、確実に精度の高いスクリーン印刷を行うことが可能になる。
【0031】
また、請求項6のスクリーン印刷装置は、(a)被印刷シートが載置される印刷テーブルと、(b)スクリーン印刷版と、(c)スキージと、(d)被印刷シートを、少なくとも2種類の温度に制御することができるように構成された温度制御手段と、(e)被印刷シート上に印刷された印刷ペーストの、目標値が定められたパラメータである面積、厚み、および体積のうちの少なくとも1つのパラメータを測定するための測定手段と、(f)温度制御手段により制御された、少なくとも2種類以上の温度条件下で、スクリーン印刷版を用いて、被印刷シート上に印刷ペーストを予備的に印刷した後に、パラメータについての測定値と、パラメータについての目標値との相関式を求め、相関式より、目標値を設定したパラメータが目標値となるような温度条件を求める演算手段とを備え、演算手段により求めた温度条件となるように、温度制御手段により温度を制御しながら、スキージを移動させることにより、スクリーン印刷版上の印刷ペーストが被印刷シート上に印刷されるように構成されているので、この請求項6のスクリーン印刷装置を用いることにより適切な温度条件下にスクリーン印刷を行うことが可能になり、確実に精度の高いスクリーン印刷を行うことが可能になる。
【0032】
また、請求項7のスクリーン印刷装置のように、請求項5または6の発明の構成において、温度制御手段を、印刷テーブルの下部に配設し、印刷テーブルを介して、被印刷シートおよび印刷ペーストの加熱および/または冷却を行うことができるように構成された機構とした場合、印刷テーブルおよびその上に載置される被印刷シートを介して、印刷ペーストの温度を容易かつ確実に制御して、適切な温度条件下にスクリーン印刷を行うことが可能になり、複雑な構成を必要とすることなく、精度の高いスクリーン印刷を行うことが可能になる。
【0033】
また、請求項8のスクリーン印刷装置のように、請求項6または7の発明の構成において、前記相関式が、二次以上の複次曲線となるような式であるようにした場合、パラメータが目標値となるような温度条件をより精度よく求めることが可能になり、本願発明をさらに実効あらしめることができる。
【0034】
また、請求項9のスクリーン印刷装置のように、請求項5〜8のいずれかに記載の発明の構成において、被印刷シートをセラミックグリーンシートとし、印刷ペーストを、セラミック電子部品が備える内部電極を形成するための導電性ペーストとした場合、所望の形状を有する電極を備えたセラミック電子部品を効率よく製造することが可能になる。
例えば、本願発明を積層セラミックコンデンサを製造する場合の内部電極用の導電性ペーストの印刷装置に適用した場合、目標とするような面積を有する内部電極を備え、所望の静電容量を取得することが可能な、特性のばらつきが少なく、信頼性の高い積層セラミックコンデンサを製造することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下に本願発明の実施例を示して、本願発明の特徴とするところをさらに詳しく説明する。
【実施例1】
【0036】
図1は本願発明の一実施例にかかるスクリーン印刷装置の要部構成を示す図、図2は図1のスクリーン印刷装置の要部構成を示す平面図である。
【0037】
この実施例1のスクリーン印刷装置は、図4に示すように、セラミック素子(電子部品素子)31中に、セラミック層33を介して複数の内部電極32a,32bが積層、配設されたセラミック素子31の両端面34a,34bに、内部電極32a,32bと導通するように外部電極35a,35bが配設された構造を有する積層セラミックコンデンサAを製造する場合において、内部電極形成用の導電性ペーストをセラミックグリーンシートに印刷する際に用いられるものである。
【0038】
この実施例1のスクリーン印刷装置は、図1および2に示すように、被印刷シートであるセラミックグリーンシート1上に印刷ペーストである、内部電極形成用の導電性ペースト2をスクリーン印刷するために用いられるスクリーン印刷装置であって、セラミックグリーンシート1が載置される印刷テーブル3と、印刷テーブル3上に載置されるセラミックグリーンシート1に導電性ペースト2をスクリーン印刷するために用いられる、版枠11にスクリーン12が張設されたスクリーン印刷版4と、スクリーン印刷版4の上面に押し当られた状態で、スクリーン印刷版4上を摺動し、スクリーン印刷版4上の導電性ペースト2を、スクリーン印刷版4の印刷開口部21(図2)から押し出して、印刷テーブル3のセラミックグリーンシート1に印刷するスキージ5と、印刷テーブル3およびセラミックグリーンシート1を介して、セラミックグリーンシート1上に印刷される導電性ペースト2を複数種類の温度に制御することができるように構成された温度制御手段6と、セラミックグリーンシート1上に印刷された導電性ペースト2の、面積および厚みを測定するための測定手段7とを備えている。なお、この実施例1では、印刷した導電性ペースト2の上面側から、放射型温度計9で導電性ペースト2の温度を測定するようにしている。
【0039】
さらに、このスクリーン印刷装置は、温度制御手段6により制御された、少なくとも2種類以上の温度条件下で、スクリーン印刷版4を用いて、セラミックグリーンシート1上に導電性ペースト2を予備的に印刷した後に、面積および厚み(パラメータ)について測定した測定値と、面積および厚みについての目標値を比較し、印刷ペーストを予備的にスクリーン印刷した少なくとも2種類の温度条件のうち、面積および厚みが目標値に最も近くなるような温度条件を選択する選択手段8とを備えている。
【0040】
温度制御手段6は、印刷テーブル3の下部に配設され、印刷テーブル3を加熱・冷却する加熱・冷却機構6aと、印刷テーブル3およびセラミックグリーンシート1を介して、セラミックグリーンシート1上に印刷される導電性ペースト2を所定の温度に制御するための制御機構6bから構成されている。
【0041】
また、面積および厚みを測定するための測定手段7は、印刷された導電性ペースト2の面積を測定する面積測定機構7aと、印刷された導電性ペースト2の厚みを測定する厚み測定機構7bから構成されている。
【0042】
次に、このスクリーン印刷装置を用いて導電性ペースト2をセラミックグリーンシート1上にスクリーン印刷する方法について説明する。
なお、この実施例1では、スクリーン印刷を行うにあたって、印刷された導電性ペースト(印刷図形)2a(図2)の面積をパラメータとし、以下の方法により、目標値とする面積を有する印刷図形2aが形成されるように温度条件を求め、その温度条件が維持されるように温度制御しながらスクリーン印刷を行った。
【0043】
(a)まず、セラミックグリーンシートシート1を印刷テーブル3上に保持し、温度制御手段6により、導電性ペースト2の温度が、上限値23℃、中間値20℃、下限値17℃の3種類の温度条件となるように設定し、その3種類の条件で、スクリーン印刷版4を用いて、導電性ペースト2をスクリーン印刷するとともに、目標値を設定したパラメータ、すなわち、この実施例では、印刷された導電性ペースト2(印刷図形2a)の、各温度条件下における面積を、測定手段7により測定した(予備印刷工程)(図1、2参照)。なお、この実施例1では、印刷された導電性ペースト2(印刷図形2a)の厚みも同時に測定した。
【0044】
(b)それから、(a)の予備印刷工程で測定した、印刷された導電性ペースト2(印刷図形2a)の面積についての測定値と、面積についての目標値を比較して、面積が目標値に最も近くなるような温度条件を選択手段8により選択した(選択工程)。
なお、各温度条件下における導電性ペースト2(印刷図形2a)の面積は以下の表1の通りであった。また、同時に測定した導電性ペースト2(印刷図形2a)の厚みの測定結果と、測定された面積と厚みから計算した体積の値も併せて以下の表1に示す。
【0045】
【表1】

【0046】
この実施例1では、温度(印刷温度)と面積(印刷面積)の相関関係を求め(図3参照)、印刷ペーストを予備的にスクリーン印刷した上述の3つの温度条件の中から、実施例1で目標とする印刷面積0.86mm2に最も近くなるような温度条件を選択した。なお、図3に示すように、目標とする印刷面積0.86mm2に最も近くなるような温度条件として、17℃という温度条件を選択した。
【0047】
(c)そして、前記(b)の工程で求めた温度、すなわち17℃となるように、温度制御手段6により温度を制御しながら、スクリーン印刷版4上の導電性ペースト2をセラミックグリーンシート1上に印刷した。これにより、目標とする面積を有する印刷図形2aが得られた。
なお、この実施例1では印刷図形2aの面積をパラメータとして目標値を定めるようにしたが、製品の種類や特性などの状況に応じて、印刷図形2aの厚みや体積のいずれかをパラメータとすることも可能である。また、印刷図形2aの面積、厚み、体積のうちの2種類以上をパラメータとすることも可能である。
【0048】
上述のように、予備印刷工程において、17℃、20℃、23℃の温度条件下で印刷した場合の印刷図形2aの面積を測定し、その値を目標とする印刷面積と比較して、本印刷工程における温度条件を選択することにより、セラミックグリーンシート1や導電性ペースト2などの物性のばらつき、スクリーン12の印刷開口部21の精度などの変動要因が存在する場合にも、状況に適した温度でスクリーン印刷を行うことが可能になり、寸法精度や面積精度の高い印刷図形を安定して得ることができる。
また、適当な間隔をおいて(例えば、導電性ペーストのロット交換毎に)、予備印刷を行い、最適な温度条件を求めることにより、長期間にわたって、最適な印刷精度を保つことが可能になる。
【0049】
なお、上記実施例1において、仮に適切な温度を求める予備印刷工程を実施せず、温度制御手段により温度を適切な条件に制御することなくスクリーン印刷を行った場合には、印刷面積が目標値から大きくずれて、所望の特性を備えた製品を得ることができなくなる場合が生じるが、本願発明を適用することにより、そのような事態が発生することを確実に防止することができる。
【実施例2】
【0050】
上記実施例1の場合と同様のスクリーン印刷装置を用い、上記実施例1の場合に準じる方法および条件で各工程を実施した。なお、予備印刷工程、および本印刷工程は、上記実施例1の場合と同様であるが、この実施例2では、上記実施例1の選択工程の代わりに、以下に説明する演算工程を実施した。すなわち、この実施例2では、演算手段18(図1参照)により、目標値を設定したパラメータ(この実施例2で印刷面積)の測定値と、温度との相関式を求め、この相関式より、目標値を設定したパラメータ(印刷面積)が目標値となるような温度条件を求める演算工程を実施した。なお、この実施例2のスクリーン印刷方法を実施するにあたっては、実施例1のスクリーン印刷方法を実施するのに用いた、図1のスクリーン印刷装置における選択手段8の代わりに演算手段18を備えたスクリーン印刷装置を用いた。
【0051】
なお、目標値を設定すべき、印刷図形のパラメータも実施例1の場合と同じく面積とし、目標値も同じ0.86mm2とした。
また、この実施例2の予備印刷工程において形成された印刷図形の面積、厚み、および体積の値は、実施例1の印刷図形の面積、厚み、および体積の値と同じである。
【0052】
そして、この実施例2では、予備印刷工程において得た、印刷図形の面積についての測定値と温度条件の関係から、図5の線図で示されるような、印刷温度に対する印刷面積の近似一次式(相関式)を作成し、目標とする印刷面積と合致する印刷温度を求めた。
なお、この実施例2では、図5に示すように、目標とする印刷面積0.86mm2を得ることができる温度として、近似的に約17.7℃という温度条件が求められた。
【0053】
そして、上述のようにして求めた温度条件、すなわち約17.7℃となるように、温度制御手段により温度を制御しながら、導電性ペーストをセラミックグリーンシート上に印刷した。これにより、目標とする面積を有する印刷図形が得られた。
【0054】
この実施例2のように、図5の線図で示されるような、印刷温度に対する印刷面積の近似一次式(相関式)を作成して、目標とする印刷面積が得られるような温度条件を求めることにより、セラミックグリーンシートや導電性ペーストなどの物性のばらつき、スクリーンの精度などの変動要因が存在する場合にも、状況に適した温度でスクリーン印刷を行うことが可能になり、寸法精度や面積精度の高い印刷図形を安定して得ることができる。
また、適当な間隔をおいて(例えば、導電性ペーストのロット交換毎に)、予備印刷を行い、最適な温度条件を求めることにより、長期間にわたって、最適な印刷精度を保つことが可能になる。
【実施例3】
【0055】
上記実施例1の場合と同様のスクリーン印刷装置を用い、上記実施例1の場合に準じる方法および条件で各工程を実施した。なお、予備印刷工程、および本印刷工程は、上記実施例1の場合と同様であるが、この実施例3では、上記実施例1の選択工程の代わりに、以下に説明する演算工程を実施した。すなわち、この実施例3では、演算手段18(図1参照)により、目標値を設定したパラメータ(この実施例2で印刷面積)の測定値と、温度との相関式を求め、この相関式より、目標値を設定したパラメータ(印刷面積)が目標値となるような温度条件を求める演算工程を実施した。なお、この実施例3のスクリーン印刷方法を実施するにあたっても、実施例1のスクリーン印刷方法を実施するのに用いた、図1のスクリーン印刷装置における選択手段8の代わりに演算手段18を備えたスクリーン印刷装置を用いた。
また、この実施例3では、二次以上の複次曲線となるような相関式を求めるようにした。
【0056】
なお、目標値を設定すべき、印刷図形のパラメータも実施例1の場合と同じく面積とし、目標値も同じ0.86mm2とした。
また、この実施例3の予備印刷工程において形成された印刷図形の面積、厚み、および体積の値は、実施例1の印刷図形の面積、厚み、および体積の値と同じである。
【0057】
そして、この実施例3では、予備印刷工程において得た、印刷図形の面積についての測定値と温度条件の関係から、図6の線図(二次曲線)で示されるような、印刷温度に対する印刷面積の二次式(相関式)を作成し、目標とする印刷面積と合致する印刷温度を求めた。
なお、この実施例3では、図6に示すように、目標とする印刷面積0.86mm2を得ることができる温度として、約18.0℃という温度条件が求められた。
【0058】
そして、上述のようにして求めた温度、すなわち約18.0℃となるように、温度制御手段により温度を制御しながら、導電性ペーストをセラミックグリーンシート上に印刷した。これにより、目標とする面積を有する印刷図形が得られた。
【0059】
この実施例3のように、図6の線図で示されるような、印刷温度に対する印刷面積の二次(相関式)を作成して、目標とする印刷面積が得られるような温度条件を求めることにより、セラミックグリーンシートや導電性ペーストなどの物性のばらつき、スクリーンの精度などの変動要因が存在する場合にも、状況に適した温度でスクリーン印刷を行うことが可能になり、寸法精度や面積精度の高い印刷図形を安定して得ることができる。
また、適当な間隔をおいて(例えば、導電性ペーストのロット交換毎に)、予備印刷を行い、最適な温度条件を求めることにより、長期間にわたって、最適な印刷精度を保つことが可能になる。
【0060】
なお、上記の各実施例では、積層セラミックコンデンサを製造する際にセラミックグリーンシートに導電性ペーストを印刷する場合を例にとって説明したが、本願発明は、積層セラミックコンデンサに限らず、導電性ペーストを印刷する工程を経て形成される電極を備えた種々のセラミック電子部品、例えば、多層セラミック基板、積層コイル部品、積層バリスタなどを製造する場合に広く適用することが可能である。
【0061】
本願発明はさらにその他の点においても、上記実施例に限定されるものではなく、被印刷シートや印刷ペーストの種類、印刷後の印刷ペーストの面積、厚み、および体積のうちの少なくとも1つのパラメータについて設定される目標値の具体的な値、温度制御手段により制御される温度条件下の数、スクリーン印刷版の具体的な構成、目標値を設定したパラメータの測定を行う測定手段の具体的な構成、選択手段および演算手段の具体的な構成などに関し、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0062】
上述のように、本願発明は、少なくとも2種類の温度条件下で、被印刷シート上に印刷ペーストを予備的に印刷し、目標値を設定したパラメータの測定を行う予備印刷工程と、パラメータについての測定値と目標値を演算手段により比較してパラメータが目標値に最も近くなるような温度条件を選択する選択工程、あるいは、目標値を設定したパラメータが目標値となるような温度条件を求める演算工程と、選択工程、あるいは演算工程において求めた温度条件となるように温度を制御しながらスクリーン印刷版上の印刷ペーストを被印刷シート上に印刷する本印刷工程とを備えているので、印刷ペーストの温度を確実に適正な条件に制御して、精度の高いスクリーン印刷を行うことが可能になる。
したがって、本願発明は、グリーンシートに導電性ペーストを印刷する工程を経て製造される、積層セラミックコンデンサ、多層セラミック基板、積層コイル部品、積層バリスタなどの種々のセラミック電子部品の製造技術の分野などに広く適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本願発明の一実施例にかかるスクリーン印刷装置の要部構成を示す図である。
【図2】本願発明の一実施例にかかるスクリーン印刷装置の要部構成を示す平面図である。
【図3】本願発明の実施例1にかかるスクリーン印刷方法における印刷温度と印刷面積の相関関係を示す図である。
【図4】本願発明の実施例1にかかるスクリーン印刷方法によりセラミックグリーンシートに導電性ペーストを印刷する工程を経て製造される積層セラミックコンデンサを示す図である。
【図5】本願発明の実施例2にかかるスクリーン印刷方法における印刷温度と印刷面積の相関関係を示す図である。
【図6】本願発明の実施例3にかかるスクリーン印刷方法における印刷温度と印刷面積の相関関係を示す図である。
【図7】従来の積層セラミックコンデンサの構成を示す図である。
【図8】(a)は従来のスクリーン印刷方法を説明する正面図、(b)は要部を示す透視斜視図である。
【符号の説明】
【0064】
A 積層セラミックコンデンサ
1 セラミックグリーンシート
2 導電性ペースト
2a 印刷された導電性ペースト(印刷図形)
3 印刷テーブル
4 スクリーン印刷版
5 スキージ
6 温度制御手段
6a 加熱・冷却機構
6b 制御機構
7 測定手段
7a 面積測定機構
7b 厚み測定機構
8 選択手段
9 放射型温度計
11 版枠
12 スクリーン
18 演算手段
21 スクリーン印刷版の印刷開口部
31 セラミック素子(電子部品素子)
32a,32b 内部電極
33 セラミック層
34a,34b 端面
35a,35b 外部電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)被印刷シート上に印刷ペーストをスクリーン印刷するにあたって、印刷された印刷ペーストの面積、厚み、および体積のうちの少なくとも1つのパラメータについて目標値を設定し、少なくとも2種類の温度条件で、被印刷シート上に印刷ペーストを予備的にスクリーン印刷するとともに、前記目標値を設定したパラメータの測定を行う予備印刷工程と、
(b)前記予備印刷工程で測定した前記パラメータについての測定値と、前記目標値を比較して、印刷ペーストを予備的にスクリーン印刷した少なくとも2種類の前記温度条件のうち、前記パラメータが目標値に最も近くなるような温度条件を選択する選択工程と、
(c)前記選択工程において求めた温度条件となるように温度を制御しながら、印刷ペーストを被印刷シート上にスクリーン印刷する本印刷工程と
を備えることを特徴とするスクリーン印刷方法。
【請求項2】
(a)被印刷シート上に印刷ペーストをスクリーン印刷するにあたって、印刷された印刷ペーストの面積、厚み、および体積のうちの少なくとも1つのパラメータについて目標値を設定し、少なくとも2種類以上の温度条件下で、被印刷シート上に印刷ペーストを予備的にスクリーン印刷するとともに、前記目標値を設定したパラメータの測定を行う予備印刷工程と、
(b)演算手段により、前記目標値を設定したパラメータの測定値と、前記温度との相関式を求め、前記相関式より、前記目標値を設定したパラメータが前記目標値となるような温度条件を求める演算工程と、
(c)前記演算工程において求めた温度条件となるように温度を制御しながら、印刷ペーストを被印刷シート上にスクリーン印刷する本印刷工程と
を備えることを特徴とするスクリーン印刷方法。
【請求項3】
前記相関式が、二次以上の複次曲線となるような式であることを特徴とする請求項2記載のスクリーン印刷方法。
【請求項4】
前記被印刷シートがセラミックグリーンシートであり、前記印刷ペーストが、セラミック電子部品が備える内部電極を形成するための導電性ペーストであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のスクリーン印刷方法。
【請求項5】
被印刷シート上に印刷ペーストをスクリーン印刷するためのスクリーン印刷装置であって、
(a)被印刷シートが載置される印刷テーブルと、
(b)前記印刷テーブル上に載置される被印刷シートに印刷ペーストをスクリーン印刷するために用いられるスクリーン印刷版と、
(c)前記スクリーン印刷版の上面に押し当られた状態で、前記スクリーン印刷版上を摺動し、前記スクリーン印刷版上の印刷ペーストを、前記スクリーン印刷版の印刷開口部から押し出して、前記印刷テーブル上の前記被印刷シートに印刷するスキージと、
(d)被印刷シートを、少なくとも2種類の温度に制御することができるように構成された温度制御手段と、
(e)前記被印刷シート上に印刷された印刷ペーストの、目標値が定められたパラメータである面積、厚み、および体積のうちの少なくとも1つのパラメータを測定するための測定手段と、
(f)前記温度制御手段により制御された、少なくとも2種類以上の温度条件下で、前記スクリーン印刷版を用いて、前記被印刷シート上に前記印刷ペーストを予備的に印刷した後に、前記パラメータについての測定値と前記パラメータについての目標値とを比較し、印刷ペーストを予備的にスクリーン印刷した少なくとも2種類の前記温度条件のうち、前記パラメータが目標値に最も近くなるような温度条件を選択する選択手段と
を備え、
前記選択手段により選択した温度条件となるように、前記温度制御手段により温度を制御しながら、前記スキージを移動させることにより、前記スクリーン印刷版上の印刷ペーストが被印刷シート上に印刷されるように構成されていること
を特徴とするスクリーン印刷装置。
【請求項6】
被印刷シート上に印刷ペーストをスクリーン印刷するためのスクリーン印刷装置であって、
(a)被印刷シートが載置される印刷テーブルと、
(b)前記印刷テーブル上に載置される被印刷シートに印刷ペーストをスクリーン印刷するために用いられるスクリーン印刷版と、
(c)前記スクリーン印刷版の上面に押し当られた状態で、前記スクリーン印刷版上を摺動し、前記スクリーン印刷版上の印刷ペーストを、前記スクリーン印刷版の印刷開口部から押し出して、前記印刷テーブル上の前記被印刷シートに印刷するスキージと、
(d)被印刷シートを、少なくとも2種類の温度に制御することができるように構成された温度制御手段と、
(e)前記被印刷シート上に印刷された印刷ペーストの、目標値が定められたパラメータである面積、厚み、および体積のうちの少なくとも1つのパラメータを測定するための測定手段と、
(f)前記温度制御手段により制御された、少なくとも2種類以上の温度条件下で、前記スクリーン印刷版を用いて、前記被印刷シート上に前記印刷ペーストを予備的に印刷した後に、前記パラメータについての測定値と前記パラメータについての目標値との相関式を求め、前記相関式より、前記目標値を設定したパラメータが前記目標値となるような温度条件を求める演算手段と
を備え、
前記演算手段により求めた温度条件となるように、前記温度制御手段により温度を制御しながら、前記スキージを移動させることにより、前記スクリーン印刷版上の印刷ペーストが被印刷シート上に印刷されるように構成されていること
を特徴とするスクリーン印刷装置。
【請求項7】
前記温度制御手段が、前記印刷テーブルの下部に配設され、前記印刷テーブルを介して、前記被印刷シートおよび前記印刷ペーストの加熱および/または冷却を行うことができるように構成された機構であることを特徴とする請求項5または6記載のスクリーン印刷装置。
【請求項8】
前記相関式が、二次以上の複次曲線となるような式であることを特徴とする請求項6または7のいずれかに記載のスクリーン印刷装置。
【請求項9】
前記被印刷シートがセラミックグリーンシートであり、前記印刷ペーストが、セラミック電子部品が備える内部電極を形成するための導電性ペーストであることを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載のスクリーン印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−136738(P2007−136738A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−330441(P2005−330441)
【出願日】平成17年11月15日(2005.11.15)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【Fターム(参考)】