説明

スケジューリング許可ペイロードを伝送可能最大ペイロードに設定することによって拡張アップリンク・トランスポート・フォーマット・コンビネーションを選択する無線通信方法

【課題】本発明は、拡張アップリンク(EU)トランスポート・フォーマット・コンビネーション(E−TFC)を選択する方法に関する。
【解決手段】スケジューリング許可ペイロード(SGP)は、伝送可能最大ペイロードに設定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムに関する。より詳細には、本発明は、サービング許可(SG:serving grant)についてスケジューリング許可ペイロード(SGP:scheduling grant payload)を決定し、拡張アップリンク(EU:enhanced uplink)トランスポート・フォーマット・コンビネーション(transport format combination)(E−TFC)を選択する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図1に示したシステム100などの第3世代(3G)携帯電話システムでは、EUにより、アップリンク(UL)データスループットおよび伝送待ち時間が改善されている。このシステム100は、ノードB102、無線ネットワーク制御装置(RNC)104および無線送受信ユニット(WTRU)106を含む。
【0003】
図2に示すように、WTRU106は、上位層202と、個別チャネルメディアアクセス制御(MAC)(MAC−d)204と物理層(PHY)208との間のEU動作をサポートするのに使用されるEUメディアアクセス制御(MAC)(MAC−e)206と、を含んだプロトコルアーキテクチャ200を含む。MAC−e206は、MAC−dフローとして知られるチャネルからEU伝送用のデータを受信する。MAC−e206は、MAC−dフローからのデータを、伝送用のMAC−eプロトコル・データ・ユニット(PDU)に多重化し、EU伝送用の適切なEUトランスポート・フォーマット・コンビネーション(E−TFC)を選択する役目を担っている。
【0004】
EU伝送を可能にするために、物理リソース許可が、ノードB102およびRNC104によってWTRU106に割り付けられる。高速動的チャネル割当てを必要とするWTRU ULデータチャネルには、ノードB102によって提供される高速な「スケジュール対象(scheduled)」許可が供与され、連続的割当てを必要とするチャネルには、RNC104により「非スケジュール対象(non−scheduled)」許可が供与される。MAC−dフローは、MAC−e206にUL伝送用のデータを供与する。MAC−dフローは、スケジュール対象または非スケジュール対象のMAC−dフローとして構成される。
【0005】
SGは、スケジュール対象のデータに対する許可(すなわち、「スケジュール対象許可(scheduled grant)」)である。「非スケジュール対象許可(non−scheduled grant)」は、非スケジュール対象のデータに対する許可である。SGは電力比であり、この電力比は、多重化可能であるスケジュール対象のデータの対応する量に変換され、結果としてスケジュール対象のデータ許可が生成される。
【0006】
RNC104は、無線リソース制御(RRC)手続きを用いて、各MAC−dフローに対する非スケジュール対象許可を構成する。複数の非スケジュール対象のMAC−dフローを、同時にWTRU106内で構成することができる。このように構成することは通常、無線アクセスベアラ(RAB)確立時に行われるが、必要な際には再構成されても良い。各MAC−dフローに対する非スケジュール対象許可は、MAC−e PDUに多重化可能なビット数を指定する。次いでWTRU106は、同じ伝送時間間隔(TTI)内で多重化される場合には、最大で、非スケジュール対象許可の合計まで、非スケジュール対象の伝送を行うことを可能にされる。
【0007】
ノードB202は、WTRU106からのレート要求において送られたスケジューリング情報に基づいて、スケジュール対象のMAC−dフローに対するスケジューリング許可を動的に生成する。WTRU106とノードB102との間のシグナリングは、高速MAC層シグナリングによって行われる。ノードB102によって生成されたスケジューリング許可は、最大許可されるEU個別物理データチャネル(E−DPDCH)/個別物理制御チャネル(DPCCH)の電力比を指定する。WTRU106は、この電力比および他の設定されたパラメータを使用して、スケジュール対象の全MAC−dフローからMAC−e PDUへと多重化可能なビットの最大数を決定する。
【0008】
スケジュール対象許可は、非スケジュール対象許可よりも「上位」にあり、非スケジュール対象許可とは相容れない。スケジュール対象のMAC−dフローは、非スケジュール対象許可を使用してデータを伝送することができず、非スケジュール対象のMAC−dフローは、スケジュール対象許可を使用してデータを伝送することができない。
【0009】
あらゆる可能なE−TFCを含むEUトランスポート・フォーマット・コンビネーションセット(E−TFCS)は、WTRU106に知られている。それぞれのEU伝送に対して、E−TFCが、E−TFCS中のサポートされるE−TFCセットから選択される。
【0010】
他のULチャネルは、EU伝送よりも優先されるので、E−DPDCH上でEUデータ伝送用に使用可能な電力は、DPCCHと、個別物理データチャネル(DPDCH)と、高速個別物理制御チャネル(HS−DPCCH)と、EU個別物理制御チャネル(E−DPCCH)とに必要な電力を検討した後に残存電力となる。EU伝送用の残存伝送電力に基づいて、E−TFCS中のE−TFCのブロック(blocked)状態またはサポート状態が、WTRU106によって連続的に決定される。
【0011】
それぞれのE−TFCは、EU TTI中に伝送可能ないくつかのMAC層データビットに対応する。それぞれのEU TTI中に伝送される1つのE−TFC当たり1つのMAC−e PDUしかないので、残存電力によって送信許可された最大のE−TFCが、MAC−e PDU内で伝送可能なデータ量(つまりビット数)の最大値を規定する。
【0012】
複数のスケジュール対象および/または非スケジュール対象のMAC−dフローを、絶対優先順位に基づいて、各MAC−e PDU内に多重化することができる。各MAC−dフローから多重化されるデータ量は、現在のスケジュール対象許可または非スケジュール対象許可、最大にサポートされるTFCからの使用可能なMAC−e PDUペイロード、およびMAC−dフロー上での伝送に使用可能なデータのうちの最小値である。
【0013】
サポートされるE−TFC内で、WTRU106は、スケジュール対象許可および非スケジュール対象許可に従って、データ伝送を最大化させる最小のE−TFCを選択する。スケジュール対象許可および非スケジュール対象許可が完全に使用し尽くされるか、使用可能なMAC−e PDUペイロードが完全に使用し尽くされるか、あるいはWTRU106には、伝送可能とされる使用可能なデータがもはやなくなったときに、MAC−e PDUが、次の最大E−TFCサイズと合致するようにパディングされる。この多重化されたMAC−e PDUおよび対応するTFCは、伝送するために物理層に渡される。
【0014】
SGおよび非SG(non−SG:non-scheduled grant)は、EU TTIごとに特定のMAC−dフローからMAC−e PDUに多重化可能なデータの最大量を指定する。スケジュール対象許可はE−DPDCH/DPCCH比に基づくので、MAC−e PDUごとに多重化可能とするデータビット数を明示的に制御することはできず、E−TFCS中のサポートされるE−TFCの、限られた数のデータサイズと合致するいくつかのサイズを可能にするだけである。
【0015】
EUデータ伝送用の残存伝送電力により、E−TFCS中においてサポートされるE−TFCのリストが決定される。このサポートされるE−TFCは、TFCS中の限られた数のE−TFCから決定されるので、可能とされるMAC−e PDUサイズの粒度により、MAC−dフローとMAC−eヘッダとのあらゆる可能な組合せが可能とはならない。したがって、MAC−e PDUに多重化されるべき許可によって可能となるMAC−dフローデータの量は、サポートされるE−TFCのうちの1つのサイズと合致しないことが頻繁にあるので、パディングは、サポートされるE−TFCのリスト中の可能な限り最小のE−TFCサイズと合致するように、MAC−e PDUに適用される。
【0016】
EUセルが最高能力で動作しているとき、MAC−e PDU多重化は、SGおよび非SGによって制限されることが頻繁にあり、最大にサポートされるE−TFC、または伝送に使用可能なWTRU EUデータによっては制限されないことが予想される。この場合、E−TFCS内の指定されたE−TFCの粒度によっては、選択されたE−TFCと合致するのに必要とされるパディングが、関連するMAC−eヘッダ情報を含むMAC−dフローデータの多重化ブロックサイズを超えることがある。この場合、効果的なデータ速度が、選択されたE−TFCおよびこのE−TFCの伝送に必要な物理的リソースによって可能とされるデータ速度よりも不必要に低減される。
【0017】
図3は、MAC−e PDU300を示す。スケジュールリング許可および非スケジューリング許可(non-scheduling grant)によって可能とされるMAC−e PDUヘッダ302およびMAC−dフローデータ304が、多重化される。サポートされるE−TFCのセットの中から、WTRU106は、サポートされるE−TFCのリストから、MAC−e PDUヘッダ302およびMAC−dフローデータ304よりも大きい、最小のE−TFCを選択する。次いで、この選択したE−TFCのサイズと合致するように、パディング306をMAC−e PDUに適用する。しかしながら、このパディング306は、MAC−dフローデータの多重化ブロックサイズを超えることがある。この場合、EU伝送に用いられる物理的リソースが使用され、効果的なWTRUデータ速度が不必要に低減される。
【0018】
MAC−e PDU多重化論理は、MAC−e PDU多重化が、スケジュール対象許可および/または非スケジュール対象許可によって制限され、最大にサポートされるE−TFCまたは伝送に使用可能なEUデータによっては制限されない場合に関して、より効果的なデータ多重化および改善された無線リソース使用を提供する。スケジュール対象許可および非スケジュール対象許可に従ってMAC−dフローからMAC−e PDUに多重化可能となるデータ量は、スケジュール対象許可および非スケジュール対象許可によって多重化可能となるデータ量と比較して、次により小さいまたは次により大きいE−TFCサイズとより精確に合致するように増大または減少される。
【0019】
図4は、MAC−e PDUを生成する処理400の流れ図である。ステップ405で、WTRUは、ノードBからスケジュール対象のデータ許可を、かつ/またはRNCから非スケジュール対象許可を受信する。ステップ410で、このスケジュール対象許可および非スケジュール対象許可に従って多重化可能とされるデータ量に基づいて、E−TFCトランスポート・ブロック・サイズを選択する。ステップ415で、各MAC−e PDUに多重化されるデータ量が、この選択されたE−TFCトランスポート・ブロック・サイズとより精確に合致するように、スケジュール対象許可および非スケジュール対象許可に従って伝送可能とされるスケジュール対象および/または非スケジュール対象のデータの最大量を量子化する。
【0020】
図5は、MAC−e PDUを生成する処理500の流れ図である。ステップ505で、WTRUは、ノードBからスケジュール対象のデータ許可を、かつ/またはRNCから非スケジュール対象許可を受信する。ステップ510で、このスケジュール対象許可および非スケジュール対象許可に従って多重化可能とされるデータ量に基づいて、E−TFCトランスポート・ブロック・サイズを選択する。ステップ515で、各EU MAC−e PDUに多重化される(MACヘッダおよび制御情報を含む)スケジュール対象のデータと非スケジュール対象のデータの合計が、この選択されたE−TFCトランスポート・ブロック・サイズとより精確に合致するように、少なくとも1つの許可によって多重化可能とされる、バッファリングされるWTRUデータの量を量子化する。
【0021】
代替としては、E−TFCサイズの粒度を、E−TFCサイズ同士の差が、1つのMAC−d PDUおよび関連するMAC−eヘッダオーバーヘッドよりも大きくならないように、E−TFCS中で定義する。E−TFCは、各々で可能なMAC−dフロー多重化組合せおよび関連するMAC−eヘッダオーバーヘッドに対して定義される。このようにE−TFCSを最適化することにより、スケジュール対象許可および非スケジュール対象許可に従ってMAC−dフローデータを多重化した後に必要となるパディングが、可能であるMAC−dフロー多重化ブロックサイズのサイズを超えなくなる。
【0022】
図6は、MAC−e PDUを生成する処理600の流れ図である。サポートされたE−TFCのセットから、MAC−dフローデータおよび現在の許可602によって可能とされたMAC−e制御シグナリングのサイズよりも小さい、最大のE−TFCを選択する。結果として、この選択されたE−TFCにより、許可によって可能とされる量と比較して、MAC−e PDUへと多重化させるべきデータ量を減少させて、スケジュール対象許可および非スケジュール対象許可が必要とする量よりも小さい、最大のE−TFCサイズとより精確に合致させることが可能になる。MAC−dフローデータブロックが、選択されたE−TFC604の範囲内でもはや追加され得なくなるまで、絶対優先順位に従って、(スケジュール対象および/または非スケジュール対象の)MAC−dフローデータをMAC−e PDUに多重化する。選択したE−TFCのサイズ606と合致するように、MAC−e PDUをパディングする。
【0023】
図7は、高速アップリンク電力アクセス(HSUPA)に関する従来のアップリンク拡散および利得係数(gain factor)の使用を示す。各利得係数を使用してアップリンクチャネルを互いにスケーリングするように、E−DPCCHおよびE−DPDCHの電力をDPCCHに対して設定する。図7に示されるように、E−DPCCHおよび各E−DPDCHに対して、個々に利得係数を適用する。βecはE−DPCCHの利得係数であり、βed,kは、1つ(または複数)のE−DPDCHの利得係数である。WTRUは、これらの利得係数を上位層シグナリングから導出する。
【0024】
E−DPCCHは、下記の式によって表される利得係数βecを使用してスケーリングされる。
βec=βc・Aec; 式(1)
式中、βcはDPCCHの利得係数である。このβcは、上位層によってWTRUにシグナリングされるか、または計算される。比Aecは、(たとえばコールセットアップ時に)上位層によってシグナリングされるパラメータΔE−DPCCHから導出される。表1は、ΔE−DPCCHに関するシグナリング値の意味を示す。WTRUは、量子化された振幅比に従って、E−DPCCHをDPCCHに関してスケーリングする。
【0025】
【表1】

【0026】
圧縮フレームの間、E−DPCCH利得係数βecをスケーリングする必要がある。これは、E−DPCCH電力が、圧縮フレームの間、DPCCHに適用されたオフセットによって増大するのを回避するために行われる。TFCIビットを有するアップリンクDPCCHスロットフォーマットは、通常の(非圧縮)モードのフォーマットよりも少ないパイロットビットを含む。この理由は、強力なトランスポート・フォーマット検出を確実にするために、TFCIビット数が、フレーム内で常に同一だからである。それゆえ、同じチャネル品質を保つためには、パイロットのエネルギーを等しく保たなければならず、したがってDPCCHの電力は次の係数だけ増分される:
pilot,N/Npilot,C
【0027】
したがって、2ms TTIが圧縮フレームと重なり合う場合、次式のようになる。
【0028】
【数1】

【0029】
式中、βc,C,jは、DPDCHが1つも構成されないときにβc,C,J=1であるような、j番目のトランスポート・フォーマット・コンビネーション(TFC)についての圧縮フレーム中のDPCCHのベータ係数であり、Npilot,Cは、圧縮フレーム中のDPCCH上の1スロット当たりのパイロットビット数であり、Npilot,Nは、非圧縮フレーム中の1スロット当たりのパイロットビット数である。
【0030】
10ms TTIが圧縮フレームと重なり合う場合、E−DPCCH利得係数βecを、より少ないスロットがこのフレーム中での伝送に対して使用可能になることを考慮するために、さらにスケーリングする(増分させる)。良好な伝送品質を得るためには、情報ビット当たりの伝送されるエネルギーが、圧縮モードがフレーム中に使用されるか否かにかかわらず同一である。したがって、下記の式のように、βecを、係数15/Nslots,Cでさらにスケーリングする。
【0031】
【数2】

【0032】
式中、Nslots,Cは、この圧縮フレーム中の非・不連続伝送(非DTX:non-discontinuous transmission)スロットの個数である。
【0033】
図7に示されるように、1つまたは複数のE−DPDCHが存在することができ、これらのE−DPDCHの各々は、それ自身の利得係数を用いてスケーリングされる。これらの利得係数は、E−DCH TTIがそれぞれ10msまたは2msであるかに応じて、無線フレームごとまたはサブフレームごとに変わり得る。k番目のE−DPCCHについての利得係数βed,kは、このTTI中に搬送されるデータのハイブリッド自動再送要求(HARQ:hybrid automatic repeat request)プロファイルに応じて、このTTI中に搬送されるE−DCH上のトランスポート・フォーマット・コンビネーション(E−TFC)によって決定される。E−TFCは、TTI中に搬送されるトランスポート・ブロックのサイズを記述している。このパラメータはしたがって、必要とされる伝送電力に影響を与える。
【0034】
上位層は、それぞれのデータフロー(MAC−dフロー)ごとに、個別のHARQプロファイルを構成することができる。HARQプロファイルは、このMAC−dフローに対して使用するためのHARQ再伝送の電力オフセットおよび最大数を含む。このHARQプロファイルは、異なるデータフローの動作ポイントを微調整するために使用することができる。WTRUは、(たとえばコールセットアップ時に)上位層によってシグナリングされるパラメータに基づいて利得係数βed,kを決定する。
【0035】
まず、「基準E−TFC(reference E−TFC)」を、注目しているTTI中に搬送されるE−TFCについて、WTRU内で決定する必要がある。最大で8つの基準E−TFCを含む基準E−TFCのリストが、上位層によってシグナリングされる。この基準E−TFCは、注目しているE−TFCにできる限り近くなるように選択される。次いで、基準利得係数βed,refが、選択された基準E−TFCについて以下のように決定される:
βed,ref=βc・Aed,ref; 式(4)
式中、βcは、DPCCHの利得係数である。比Aed,refは、選択された基準E−TFCに関する上位層によってシグナリングされるパラメータΔE−DPDCHから導出される。表2は、ΔE−DPDCHに関するシグナリング値の意味を示す。基準E−TFCの概念は、あらゆる可能なE−TFC値についてのΔE−DPDCH値のシグナリングから生じることになるシグナリングオーバーヘッドを回避するために用いられる。
【0036】
【表2】

【0037】
しかしながら、基準E−TFCは、含まれるデータビット数および伝送に必要なE−DPDCHの個数の点において実際のE−TFCを反映しないので、この基準利得係数は、E−DPDCHをスケーリングするのに直接使用することができない。さらに、HARQプロファイルを検討する必要がある。
【0038】
したがって、検討しているTTI中に伝送されるべきE−TFC(j番目のE−TFC)については、一時変数βed,j,harqが次式のように計算される:
【0039】
【数3】

【0040】
式中、Le,refは、基準E−TFC用に使用されるE−DPDCHの個数であり、Le,jは、j番目のE−TFC用に使用されるE−DPDCHの個数であり、Ke,refは、基準E−TFCのデータビット数であり、Ke,jは、j番目のE−TFCのデータビット数であり、Δharqは、上位層がシグナリングしたとおり伝送されるべき特定のデータフロー(いわゆる「MAC−dフロー」)用のHARQオフセットである(表3を参照)。
【0041】
【表3】

【0042】
e,refおよびLe,jは、物理チャネルの「等しい」個数を表す。通常、これらのLe,refおよびLe,jは、以下の2つの場合を除いて、使用されるE−DPDCHの個数に等しい。
1)2×SF2の場合:Le,refおよびLe,jは、2ではなく4でなければばらない。
2)2×SF2+2×SF4の場合:Le,refおよびLe,Jは、4ではなく6でなければならない。
したがって、計算するβed,j,harqを、SF=2つの符号について
【0043】
【数4】

【0044】
の係数でスケーリングしなければならない。量子化されない利得係数βed,k,j,uqは、拡散率(spreading factor)2を用いるE−DPDCHの場合は
【0045】
【数5】

【0046】
に設定し、その他の場合ではβed,j,harqに等しい。ここで、比βed,k,/βcを取得するための表4に従って、比βed,k,j,uq/βcを量子化する。
【0047】
【表4】

【0048】
圧縮フレームの間、以下のように、E−DPDCH利得係数βed,kをスケーリングする必要がある。E−DPDCHをスケーリングするのに適用される係数について、上述のE−DPCCHのセクションですでに紹介した。
【0049】
2ms TTIでは、圧縮フレーム中のj番目のE−TFC用に使用される利得係数は、以下のとおり与えられる:
【0050】
【数6】

【0051】
式中、βc,C,jは、j番目のTFCについての圧縮フレーム中のDPCCHのベータ係数(DPDCHが1つも構成されないときβc,C,j=1)であり、Npilot,Cは、圧縮フレーム中のDPCCH上の1スロット当たりのパイロットビット数であり、Npilot,Nは、非圧縮フレーム中の1スロット当たりのパイロットビット数であり、Nslots,Cは、この圧縮フレーム中のDTXスロットの個数である。
【0052】
10ms TTIでは、圧縮フレーム内のj番目のE−TFC用に使用される利得係数は、以下のとおり与えられる:
【0053】
【数7】

【0054】
式中、βc,C,jは、j番目のTFCについての圧縮フレーム中のベータ係数(DPDCHが1つも構成されないとき=1)であり、Npilot,Cは、圧縮フレーム中のDPCCH上の1スロット当たりのパイロットビット数であり、Npilot,Nは、非圧縮フレーム中の1スロット当たりのパイロットビット数であり、Nslots,Iは、データを伝送するのに使用される第1フレーム中の非DTXスロットの個数である。
【0055】
10msの場合、E−DPDCH上での再伝送は、対応する初期伝送が、圧縮フレームと重なり合った(が、再伝送のフレームは重なり合わなかった)とき、やはりスケーリングを必要とすることに留意されたい。E−DCH TTIが10msであり、現在フレームは圧縮されていないが、対応する第1伝送が圧縮された再伝送であるときに、以下のようにβed,R,jは、j番目のE−TFCに適用されるべき利得係数を表す。
【0056】
【数8】

式中、βed,jは、非圧縮フレーム内のj番目のE−TFC用に使用される利得係数である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0057】
先行技術は、E−TFC選択の手続が従うべき原理を述べているが、実際のSGPを決定するための特定の方法および装置については述べていない。したがって、先行技術ではSGPの計算が必要であるにもかかわらず、かかる計算を実施するための特定の方法および装置については述べていない。SGPを計算するための手法には、2つ以上が存在し得るものの、最適な(つまり、「最大」または「最優先順位(highest priority)」の)SGPを計算する方法および装置が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0058】
本発明は、E−TFCを選択する方法に関する。SGPは、伝送可能最大ペイロードに設定される。このSGPは、次式のように計算される。
【0059】
【数9】

式中、SGは、サービング許可であり、Le,refは、選択された基準E−TFC用に使用されるE−DPDCHの個数であり、Ke,refは、基準E−TFCのデータビット数であり、Δharqは、上位層がシグナリングしたとおり伝送されるべき特定のデータフロー用のHARQオフセットであり、Aed,refは、選択された基準E−TFCに関する上位層によってシグナリングされるパラメータΔE−DPDCHから導出される比である。
【0060】
本発明のより詳細な理解は、例示として与えられ添付図面と併せて理解されるべき好ましい実施形態の以下の説明より得られることであろう。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】第3世代携帯電話システムを示す図である。
【図2】WTRU内のEUプロトコルアーキテクチャを示す図である。
【図3】MAC−e PDU生成を示す図である。
【図4】伝送可能とされたスケジュール対象および/または非スケジュール対象のデータの最大量を量子化することにより、MAC−e PDUを生成する処理の流れ図である。
【図5】多重化可能とされる非スケジュール対象のデータの最大量を量子化することにより、MAC−e PDUを生成する処理のブロック図である。
【図6】多重化されるデータを減少させることによりMAC−e PDUを生成する処理の流れ図である。
【図7】HSUPAに関する従来のアップリンク拡散および利得係数の使用を示す図である。
【図8A】図8Aから図8Dのひとまとまりで、本発明によるデータ伝送用処理の流れ図である。
【図8B】図8Aから図8Dのひとまとまりで、本発明によるデータ伝送用処理の流れ図である。
【図8C】図8Aから図8Dのひとまとまりで、本発明によるデータ伝送用処理の流れ図である。
【図8D】図8Aから図8Dのひとまとまりで、本発明によるデータ伝送用処理の流れ図である。
【図9】本発明による、データを有さないスケジューリング情報用の処理の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0062】
これ以降において、用語「WTRU」は、ユーザ機器、移動局、固定もしくは移動加入者ユニット、ページャ、または無線環境内で動作可能な他の任意のタイプのデバイスを含むが、これらに限られない。用語「基地局」は、これ以降で言及されるときは、ノードB、サイトコントローラ、アクセスポイント、または無線環境内の他の任意のタイプのインターフェーシングデバイスを含むが、これらに限られない。
【0063】
本発明は、特定のSG用のペイロードを決定するための方法および装置を提供する。さらに本発明は、高優先度データ伝送を最大化するために、あらゆるサイズをチェックすることによりプロトコル・データ・ユニット(PDU)サイズを選択する。
【0064】
最大PDUは、可能にされたE−TFCのセットにおける、最大のサポートされたトランスポート・ブロック(TB)サイズ(またはEUメディアアクセス制御(MAC−e)PDUサイズ)である。
【0065】
残存する使用可能なペイロードは、最大PDU内に適合するデータの残量である。
【0066】
SGPサイズは、SGおよび選択された電力オフセット(PO)に従って伝送可能な最大ペイロードである。
【0067】
残存する非スケジュール対象のペイロードは、(MAC−dフロー単位での)残存する非スケジュール対象の許可値である。
【0068】
非スケジュール対象のペイロードは、すべての非スケジュール対象の個別MAC(MAC−d)フローについての、MIN(「残存する非スケジュール対象のペイロード」、非スケジュール対象の使用可能なペイロード)、(つまり、残存する非スケジュール対象のペイロードおよび非スケジュール対象の使用可能なペイロードのうちで最小の一方)の合計である。
【0069】
スケジュール対象のペイロードは、最優先順位で選択されたMAC−dフローを用いて多重化可能にされるすべてのスケジュール対象のMAC−dフローの無線リンク制御(RLC)バッファ内のデータ量である。
【0070】
(周波数分割複信(FDD)における)電力オフセット属性は、WTRUにシグナリングされる。この電力オフセット属性は、1つまたは複数のE−DPDCHと所与のE−TFCに関する基準E−DPDCH電力レベルとの間の電力オフセットを表す。この電力オフセット属性は、MAC−e PDU内に単独で搬送され、続いてEU個別チャネル(E−DCH)タイプの対応する符号化複合トランスポート・チャネル(CCTrCh:coded composite transport channel)内で搬送されるとき、このMAC−dフローにおいて必要なサービス品質(QoS)を達成するように設定される。電力オフセットは、送信機に送る前に広帯域符号分割多元接続(W−CDMA)FDDにおけるDPDCHおよびDPCCHなどのUL符号チャネルの相対電力レベルを調整するために、ベースバンド(BB)内で使用されるベータ係数に変換されなければならない。基準E−DPDCH電力オフセットは、少なくとも1つの基準E−TFCに関してWTRUにシグナリングされる。SGは、後続の伝送においてスケジュール対象のデータ用にWTRUが用いることを可能とされる、最大のE−DPDCH対DPCCH電力比の指標にすぎない。SGは、次に生じる伝送にとって「最善の」フォーマットの選択をサポートするためのE−TFC選択機能に供給される。
【0071】
本発明の主な目的は、SG値への適合という制約全体に従いつつも、(どのデータが使用可能であるかに応じて)所与のE−TFCについてすべての可能な電力設定の組合せを選択し、データが「最も多く」送られる結果になる1つの組合せを見つけ出すことである。
【0072】
ひとまとまりの図8A〜8Dは、本発明によるデータ伝送用手続き800の流れ図である。ステップ802では、最優先順位のデータの伝送を可能にするPOを有するMAC−dフローを選択する。1つを超えるMAC−dフローにより、同じ最優先順位のデータが伝送可能になるとき、MAC−dフローの選択は無作為に行われ得る。ステップ804では、選択されたMAC−dフローに基づいて、多重化可能な1つ(または複数)のMAC−dフローを識別し、多重化可能でない1つ(または複数)のMAC−dフローを無視する。ステップ806では、選択されたPOに基づいて、E−TFC制限を行い、次の伝送タイミング間隔(TTI)中に送ることができる、最大のサポートされるペイロード(すなわち、最大のMAC−e PDUサイズ)を決定する。ステップ808では、「残存する使用可能なペイロード(Remaining Available Payload)」を、最大のサポートされるペイロードに設定する。ステップ810では、次に生じる伝送が、10ms TTI上の圧縮モード(CM:compressed mode)ギャップと重なり合う場合、現在のSGをスケールダウンする。
【0073】
CMは、通常の非圧縮フレームと比べると、フレームの諸部分が、より高い電力で送られる点で特殊である。したがって、SGは、数値補正として働くことにより、CMの存在を考慮するために「スケーリング(scaled)」されなければならない。圧縮フレーム中のSGに対して仮定されるDPCCH電力は、圧縮フレーム中の実際のDPCCH電力から「パイロット電力」を減算したものになる。
【0074】
ステップ812では、以下のように、SGおよび選択されたPOに従って、スケジュール対象許可ペイロード(SGP)を伝送可能最大ペイロードに設定する。
【0075】
【数10】

【0076】
式中、TBsizeは、最大のサポートされるペイロード(トランスポート・ブロック・サイズ)であり、jは、最大のサポートされるペイロードをサポートする、検討されるTFCである。SG=MIN(SGP,TBsize)である。βcは、DPCCHの利得係数である。上に開示したように、次式のとおりである。
βed,ref=βc・Aed,ref; 式(4)
【0077】
【数11】

【0078】
したがって、式(4)のβc・Aed,refを、式(5)においてβed,refに代入すると:
【0079】
【数12】

【0080】
ここで、
【0081】
【数13】

【0082】
である。本発明によれば、
【0083】
【数14】

【0084】
である。
【0085】
発明の好ましい一実施形態によれば、係数
【0086】
【数15】

【0087】
は、常に、本発明で上述した反復手続きの一部として、結果的に1に可能な限り最も近い量子化された値となり、したがって
【0088】
【数16】

【0089】
である。
【0090】
これは、Le,jが、前述のようにj番目のE−TFC用に使用されるE−DPDCHの個数であることを考慮すれば、容易に分かる。
【0091】
たとえば、この特殊なケースに限定されるものでないが、SFが4以上であるただ1つのE−DPDCHが可能であるHSUPA WTRUカテゴリ1の場合、Le,j=1である。Ke,jが、検討中のj番目のE−TFCのデータビット数であるので、上述のようにスループットを最大化させる係数は、係数TBSize/Ke,jが、構成されたE−TFCSの関数として、1に可能な限り最も近い量子化された値のときである。
【0092】
e,jが1に等しくない他の場合には、前述のように、E−DPDCH、および場合によりこのE−DPDCHの各々のSFの個数の関数として、式(15)および(16)中のSGPは、(特定の基準E−TFCが最低の基準E−TFCである場合を除外して、)より高い基準E−TFCに対応しかつ計算で使用されるこの特定の基準E−TFCよりも低くないトランスポート・ブロック・サイズ(つまりTBSize)を超過しない値を生成する。
【0093】
図8をなおも参照すると、ステップ814では、非スケジュール対象許可を有するMAC−dフローの各々について、「残存する非スケジュール対象のペイロード(Remaining Non−scheduled Payload)」を、許可の値に設定する。ステップ816では、「非スケジュール対象のペイロード(Non−scheduled Payload)」を、すべての非スケジュール対象の1つ(または複数)のMAC−dフローについて、MIN(「残存する非スケジュール対象のペイロード」、非スケジュール対象の使用可能なペイロード)の合計に設定する。
【0094】
ステップ818においてスケジューリング情報が伝送される必要があると判定され、ステップ820において「残存する使用可能なペイロード」が、「スケジュール対象許可ペイロード(Scheduled Grant Payload)」、「非スケジュール対象のペイロード」およびスケジューリング情報のサイズの合計よりも大きい(すなわち、TBサイズは、WTRUが場合により送達することが可能なデータのすべてを搬送することができる)と判定された場合は、「スケジュール対象許可ペイロード」+「非スケジュール対象のペイロード」+スケジューリング情報のサイズの合計を、次により小さいサポートされるE−TFCに量子化する(ステップ822)。ステップ824では、「スケジュール対象許可ペイロード」を、この量子化された合計から「非スケジュール対象のペイロード」およびスケジューリング情報のサイズを減算したものに設定する。ステップ826では、「残存する使用可能なペイロード」を、次により小さいサポートされるE−TFC内でのサポートされるペイロードに設定する。ステップ828では、「残存する使用可能なペイロード」からスケジューリング情報のサイズを減算する。
【0095】
ステップ818においてスケジューリング情報が伝送される必要がないと判定され、ステップ830において「残存する使用可能なペイロード」が、「スケジュール対象許可ペイロード」と「非スケジュール対象のペイロード」の合計よりも大きい(すなわち、TBサイズは、WTRUが場合により送達することが可能なデータのすべてを搬送することができる)と判定された場合は、「スケジュール対象許可ペイロード」と「非スケジュール対象のペイロード」の合計を、次により小さいサポートされたE−TFCに量子化し(ステップ832)、「スケジュール対象許可ペイロード」を、量子化された合計から「非スケジュール対象のペイロード」を減算したものに設定し(ステップ834)、「残存する使用可能なペイロード」を、次により小さい送信許可されたE−TFC内でのサポートされるペイロードに設定する(ステップ836)。
【0096】
なおも図8を参照すると、複数の論理チャネルのうちの1つを優先順位に基づいて選択し(ステップ838)、次いでステップ840〜850が、この選択された論理チャネルに対して実行され、その後、ステップ852において選択を行うべき論理チャネルが少なくともさらに1つ存在していると判定された場合、ステップ838にループバックする。ステップ840では、選択された論理チャネルが、非スケジュール対象許可を有するMAC−dフローに属するか否かについて判定を行う。
【0097】
ステップ840の判定が真である場合は、この論理チャネルがマッピングされているMAC−dフローに対応する「残存する非スケジュール対象のペイロード」を検討し(ステップ842)、MIN(「残存する非スケジュール対象のペイロード」、この論理チャネルに対して使用可能なデータ、「残存する使用可能なペイロード」)よりも少ない、最大のデータ量を供与するPDUサイズを選ぶことにより、MAC−e PDUを埋めるための、この選択された論理チャネル内で可能にされたセットからRLC PDUサイズを選択する(ステップ844)。どのPDUサイズが最大量のデータを供与するかをチェックするためには、可能となるあらゆるサイズをチェックすることが必要である。ステップ846では、(MAC−eヘッダを考慮しながら、)「残存する使用可能なペイロード」および「残存する非スケジュール対象のペイロード」から、対応するビットがあればそれがあればそれを減算する。
【0098】
ステップ840の判定が偽である場合は、MIN(「スケジュール対象許可ペイロード」、この論理チャネルに対して使用可能なデータ、「残存する使用可能なペイロード」)よりも少ない、最大のデータ量を供与するPDUサイズを選ぶことによって、MAC−e PDUを埋めるための、この選択された論理チャネル内で可能にされたセットからRLC PDUサイズを選択する(ステップ848)。どのPDUサイズが最大量のデータを供与するかをチェックするためには、可能となるあらゆるサイズをチェックすることが必要である。ステップ850では、(MAC−ヘッダを考慮しながら、)「残存する使用可能なペイロード」および「スケジュール対象許可ペイロード」から、対応するビットがあればそれを減算する。
【0099】
ステップ852において、選択を行うべき論理チャネルがもはや存在しないと判定された場合、およびステップ854においてスケジューリング情報が伝送される必要があると判定された場合は、スケジューリング情報をMAC−e PDUに追加し(ステップ856)、得られたMAC−e PDUを搬送可能である最小のE−TFCを決定する(ステップ858)。
【0100】
ステップ854では、スケジューリング情報が伝送される必要がないと判定された場合、得られたMAC−e PDUを搬送可能である最小のE−TFCを決定し(ステップ860)、パディングによりスケジューリング情報を送ることが可能になる場合、MAC−e PDUにパディングを追加する(ステップ862)。最後に、ステップ864では、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)伝送の最大数を、伝送用に選択されたMAC−dフローのHARQプロファイルのHARQ伝送の最大数のうちの最大値に設定する。
【0101】
図9は、本発明による、データレスのスケジューリング情報の伝送手続き900の流れ図である。ステップ905においてスケジューリング情報が、データを有さずに伝送されるべきであると判定された場合、「制御のみ(control−only)」のHARQプロファイルを選択し(ステップ910)、MAC−e PDUにスケジューリング情報を埋め(ステップ915)、最小のE−TFCを選択する(ステップ920)。スケジューリング情報が単独で(データなしで)送られるときは、使用されるべきPOが、「E−DPDCH情報」中の情報要素(IE:information element)「スケジューリング情報用の電力オフセット」内のRRCによって構成されるPOになる。これは、拡張ULに関連してRRC層シグナリングされる構成情報の一部であり、この情報により、RNCが、e−MACを設定および実行するためのパラメータをWTRUにシグナリングする。
【0102】
実施形態
1. スケジューリング許可ペイロード(SGP)を伝送可能最大ペイロードに設定するステップを含む、拡張アップリンク(EU)トランスポート・フォーマット・コンビネーション(E−TFC)を選択するための方法。
2. SGPが、
【0103】
【数17】

【0104】
(式中、SGは、サービング許可であり、TBsizeは、最大のサポートされるペイロードを提供するトランスポート・ブロック・サイズであり、βcは、個別物理制御チャネル(DPCCH)の利得係数である)、および、
【0105】
【数18】

【0106】
(式中、Le,refは、選択された基準E−TFC用に使用されるEU個別物理データチャネル(E−DPDCH)の個数であり、Le,jは、j番目のE−TFC用に使用されるE−DPDCHの個数であり、Ke,refは、基準E−TFCのデータビット数であり、Ke,jは、j番目のE−TFCのデータビット数であり、Δharqは、上位層がシグナリングしたとおり伝送されるべき特定のデータフロー用のハイブリッド自動再送要求(HARQ)オフセットである)のように計算される実施形態1で述べられた方法。
3. βed,ref=βc・Aed,ref(式中、Aed,refは、選択された基準E−TFCに関する上位層によってシグナリングされるパラメータΔE−DPDCHから導出される比である)である実施形態2で述べられた方法。
4.
【0107】
【数19】

【0108】
である実施形態3で述べられた方法。
5.
【0109】
【数20】

【0110】
である実施形態4で述べられた方法。
6. SGP=MIN(SGP,TBsize)である実施形態4および5のいずれか一方で述べられた方法。
7. 最優先順位のデータの伝送を可能にする電力オフセット(PO)を有する個別チャネルメディアアクセス制御(MAC−d)フローを選択するステップ
をさらに含む実施形態1〜6のいずれか1つで述べられた方法。
8. 1つを超えるMAC−dフローにより、同じ最優先順位のデータが伝送可能になるとき、MAC−dフローの選択が無作為に行われる実施形態7で述べられた方法。
9. 選択されたMAC−dフローに基づいて、多重化可能な1つ(または複数)のMAC−dフローを識別するステップと、
多重化可能でない1つ(または複数)のMAC−dフローを無視するステップと
をさらに含む実施形態7で述べられた方法。
10. E−TFC制限を行うステップと、
次の伝送タイミング間隔(TTI)中に送ることができる、最大のサポートされるペイロードを決定するステップと
をさらに含む実施形態9で述べられた方法。
11. ペイロードが、最大EUメディアアクセス制御(MAC)サイズに設定される実施形態10で述べられた方法。
12. 実施形態1〜11のいずれか1つで述べられた方法を実施するための無線送受信ユニット(WTRU)。
13. 拡張アップリンク(EU)トランスポート・フォーマット・コンビネーション(E−TFC)を選択する方法であって、
スケジューリング許可ペイロード(SGP)を伝送可能最大ペイロードに設定するステップを含み、SGPは、
【0111】
【数21】

【0112】
(式中、SGは、サービング許可であり、Le,refは、選択された基準E−TFC用に使用されるEU個別物理データチャネル(E−DPDCH)の個数であり、Ke,refは、基準E−TFCのデータビット数であり、Δharqは、上位層がシグナリングしたとおり伝送されるべき特定のデータフロー用のハイブリッド自動再送要求(HARQ)オフセットであり、Aed,refは、選択された基準E−TFCに関する上位層によってシグナリングされるパラメータΔE−DPDCHから導出される比である)のように計算される方法。
14. SGP=MIN(SGP,TBsize)(式中、TBsizeは、最大のサポートされるペイロードを提供するトランスポート・ブロック・サイズである)である実施形態13で述べられた方法。
15. 最優先順位のデータの伝送を可能にする電力オフセット(PO)を有する個別チャネルメディアアクセス制御(MAC−d)フローを選択するステップ
をさらに含む実施形態12および13のいずれか一方で述べられた方法。
16. 1つを超えるMAC−dフローにより、同じ最優先順位のデータが伝送可能になるとき、MAC−dフローの選択が無作為に行われる実施形態15で述べられた方法。
17. 選択されたMAC−dフローに基づいて、多重化可能な1つ(または複数)のMAC−dフローを識別するステップと、
多重化可能でない1つ(または複数)のMAC−dフローを無視するステップと
をさらに含む実施形態15で述べられた方法。
18. E−TFC制限を行うステップと、
次の伝送タイミング間隔(TTI)中に送ることができる、最大のサポートされるペイロードを決定するステップと
をさらに含む実施形態17で述べられた方法。
19. ペイロードが、最大EUメディアアクセス制御(MAC)サイズに設定される実施形態18で述べられた方法。
20. 実施形態13〜19のいずれか1つで述べられた方法を実施するための無線送受信ユニット(WTRU)。
21. 拡張アップリンク(EU)トランスポート・フォーマット・コンビネーション(E−TFC)を選択する方法であって、
スケジューリング許可ペイロード(SGP)を伝送可能最大ペイロードに設定するステップと、
最優先順位のデータの伝送を可能にする電力オフセット(PO)を有する個別チャネルメディアアクセス制御(MAC−d)フローを選択するステップと
を含む方法。
22. 1つを超えるMAC−dフローにより、同じ最優先順位のデータが伝送可能になるとき、MAC−dフローの選択が無作為に行われる実施形態21で述べられた方法。
23. 選択されたMAC−dフローに基づいて、多重化可能な1つ(または複数)のMAC−dフローを識別するステップと、
多重化可能でない1つ(または複数)のMAC−dフローを無視するステップと
をさらに含む実施形態21で述べられた方法。
24. E−TFC制限を行うステップと、
次の伝送タイミング間隔(TTI)中に送ることができる、最大のサポートされるペイロードを決定するステップと
をさらに含む実施形態23で述べられた方法。
25. ペイロードが、最大EUメディアアクセス制御(MAC)サイズに設定される実施形態24で述べられた方法。
26. SGPが、
【0113】
【数22】

【0114】
(式中、SGは、サービング許可であり、Le,refは、選択された基準E−TFC用に使用されるEU個別物理データチャネル(E−DPDCH)の個数であり、Ke,refは、基準E−TFCのデータビット数であり、Δharqは、上位層がシグナリングしたとおり伝送されるべき特定のデータフロー用のハイブリッド自動再送要求(HARQ)オフセットであり、Aed,refは、選択された基準E−TFCに関する上位層によってシグナリングされるパラメータΔE−DPDCHから導出される比である)のように計算される実施形態21〜25のいずれか1つで述べられた方法。
27. SGP=MIN(SGP,TBsize)(式中、TBsizeは、最大のサポートされるペイロードを提供するトランスポート・ブロック・サイズである)である実施形態21で述べられた方法。
28. 実施形態21〜27のいずれか1つで述べられた方法を実施するための無線送受信ユニット(WTRU)。
【0115】
本発明の特徴および要素を、好ましい実施形態において特定の組合せで説明したが、それぞれの特徴または要素は、好ましい実施形態の他の特徴および要素を用いずに単独で使用でき、あるいは本発明の他の特徴および要素を用いてまたは用いないで種々の組合せにおいて使用することもできる。本発明で提供された方法または流れ図は、汎用コンピュータまたはプロセッサが実行するためのコンピュータ可読記憶媒体内で有形に実施されるコンピュータプログラム、ソフトウェアまたはファームウェア内で実現することができる。コンピュータ可読記憶媒体の例には、読取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、レジスタ、キャッシュメモリ、半導体メモリデバイス、内蔵ハードディスクおよび取外し可能ディスクなどの磁気媒体、光磁気媒体、ならびにCD−ROMディスクおよびデジタル多用途ディスク(DVD)などの光媒体が挙げられる。
【0116】
適切なプロセッサには、例として、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、通常のプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアに関連付けられた1つもしくは複数のマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)回路、他の任意のタイプの集積回路(IC)、および/またはステートマシンが挙げられる。
【0117】
ソフトウェアに関連付けられたプロセッサを、無線送受信ユニット(WTRU)、ユーザ機器(UE)、端末、基地局、無線ネットワーク制御装置(RNC)または任意のホストコンピュータ内で用いるための無線周波数トランシーバを実装するために用いることができる。WTRUは、ハードウェアおよび/またはソフトウェア内に、たとえばカメラ、ビデオカメラモジュール、テレビ電話、スピーカーホン、振動デバイス、スピーカ、マイクロホン、テレビジョン送受信機、ハンドフリーヘッドホン、キーボード、Bluetooth(登録商標)モジュール、周波数変調(FM)無線ユニット、液晶ディスプレイ(LCD)表示ユニット、有機発光ダイオード(OLED)表示ユニット、デジタル音楽プレーヤー、メディアプレーヤー、テレビゲームプレーヤーモジュール、インターネットブラウザ、および/または任意の無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)モジュール内に実装されるモジュールと併用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
拡張アップリンク(EU)トランスポート・フォーマット・コンビネーション(E−TFC)を選択する方法であって、
e,refから算出される次に生じる伝送のためのスケジュール対象データのビットの最大数を決定するステップであって、最高の値は
【数1】

以下であり、ここで、SGは、サービング許可であり、Le,refは、選択された基準E−TFC用に使用されるEU個別物理データチャネル(E−DPDCH)の個数であり、Ke,refは、前記基準E−TFCのデータビット数であり、Δharqは、上位層によってシグナリングされたとおり伝送されるべき特定のデータフロー用のハイブリッド自動再送要求(HARQ)オフセットであり、Aed,refは、前記選択された基準E−TFCに関する上位層によってシグナリングされるパラメータΔE−DPDCHから導出される比であることを特徴とする方法。
【請求項2】
次に生じる伝送のための電力オフセット(PO)は、最優先順位のデータの伝送を可能にする個別チャネルメディアアクセス制御(MAC−d)フローのHARQプロファイルからのPOであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
1つを超えるMAC−dフローにより、同じ最優先順位のデータが伝送可能になるとの条件において、前記MAC−dフローの前記選択が無作為に行われることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
SG=MIN(SGP,TBsize)であり、SGPは、次に生じる伝送のためのスケジュール対象データのビットの最大数であり、TBsizeは、最大のサポートされるペイロードを提供するトランスポートブロックサイズであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
E−TFC制限を行うステップと、
次の伝送タイミング間隔(TTI)中に送ることができる最大のサポートされるペイロードを決定するステップとを備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
拡張アップリンク(EU)トランスポート・フォーマット・コンビネーション(E−TFC)を選択するように構成される無線送受信ユニット(WTRU)であって、
e,refから算出される次に生じる伝送のためのスケジュール対象データのビットの最大数を決定するステップであって、最高の値は
【数2】

以下であり、ここで、SGは、サービング許可であり、Le,refは、選択された基準E−TFC用に使用されるEU個別物理データチャネル(E−DPDCH)の個数であり、Ke,refは、前記基準E−TFCのデータビット数であり、Δharqは、上位層によってシグナリングされたとおり伝送されるべき特定のデータフロー用のハイブリッド自動再送要求(HARQ)オフセットであり、Aed,refは、前記選択された基準E−TFCに関する上位層によってシグナリングされるパラメータΔE−DPDCHから導出される比であることを特徴とする方法。
【請求項7】
次に生じる伝送のための電力オフセット(PO)は、最優先順位のデータの伝送を可能にする個別チャネルメディアアクセス制御(MAC−d)フローのHARQプロファイルからのPOであることを特徴とする請求項6に記載のWTRU。
【請求項8】
1つを超えるMAC−dフローにより、同じ最優先順位のデータが伝送可能になるとの条件において、前記MAC−dフローの前記選択が無作為に行われることを特徴とする請求項7に記載のWTRU。
【請求項9】
SG=MIN(SGP,TBsize)であり、SGPは、次に生じる伝送のためのスケジュール対象データのビットの最大数であり、TBsizeは、最大のサポートされるペイロードを提供するトランスポートブロックサイズであることを特徴とする請求項6に記載のWTRU。
【請求項10】
前記WTRUは、
E−TFC制限を行い、
次の伝送タイミング間隔(TTI)中に送ることができる最大のサポートされるペイロードを決定する、ようにさらに構成されることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項11】
拡張アップリンク(EU)トランスポート・フォーマット・コンビネーション(E−TFC)を選択する方法であって、
次に生じる伝送のためのスケジュール対象データのビットの最大数を決定するステップであって、最高の値は、
選択された基準E−TFC用に使用されるEU個別物理データチャネル(E−DPDCH)の個数、上位層によってシグナリングされたとおり伝送されるべき特定のデータフロー用のハイブリッド自動再送要求(HARQ)オフセット、及び前記選択された基準E−TFCに関する上位層によってシグナリングされるパラメータΔE−DPDCHから導出される比、に対するサービング許可(SG)の比と、
前記基準E−TFCのデータビット数と、
の積以下であることを特徴とする方法。
【請求項12】
次に生じる伝送のための電力オフセット(PO)は、最優先順位のデータの伝送を可能にする個別チャネルメディアアクセス制御(MAC−d)フローのHARQプロファイルからのPOであることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
1つを超えるMAC−dフローにより、同じ最優先順位のデータが伝送可能になるとの条件において、前記MAC−dフローの前記選択が無作為に行われることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
SG=MIN(SGP,TBsize)であり、SGPは、次に生じる伝送のためのスケジュール対象データのビットの最大数であり、TBsizeは、最大のサポートされるペイロードを提供するトランスポートブロックサイズであることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項15】
E−TFC制限を行うステップと、
次の伝送タイミング間隔(TTI)中に送ることができる最大のサポートされるペイロードを決定するステップとを備えることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項16】
拡張アップリンク(EU)トランスポート・フォーマット・コンビネーション(E−TFC)を選択するように構成された無線送受信ユニット(WTRU)であって、
次に生じる伝送のためのスケジュール対象データのビットの最大数を決定するように構成され、最高の値は、
選択された基準E−TFC用に使用されるEU個別物理データチャネル(E−DPDCH)の個数、上位層によってシグナリングされたとおり伝送されるべき特定のデータフロー用のハイブリッド自動再送要求(HARQ)オフセット、及び前記選択された基準E−TFCに関する上位層によってシグナリングされるパラメータΔE−DPDCHから導出される比、に対するサービング許可(SG)の比と、
前記基準E−TFCのデータビット数と、
の積以下であることを特徴とするWTRU。
【請求項17】
次に生じる伝送のための電力オフセット(PO)は、最優先順位のデータの伝送を可能にする個別チャネルメディアアクセス制御(MAC−d)フローのHARQプロファイルからのPOであることを特徴とする請求項16に記載のWTRU。
【請求項18】
1つを超えるMAC−dフローにより、同じ最優先順位のデータが伝送可能になるとの条件において、前記MAC−dフローの前記選択が無作為に行われることを特徴とする請求項17に記載のWTRU。
【請求項19】
SG=MIN(SGP,TBsize)であり、SGPは、次に生じる伝送のためのスケジュール対象データのビットの最大数であり、TBsizeは、最大のサポートされるペイロードを提供するトランスポートブロックサイズであることを特徴とする請求項16に記載のWTRU。
【請求項20】
前記WTRUは、
E−TFC制限を行い、
次の伝送タイミング間隔(TTI)中に送ることができる最大のサポートされるペイロードを決定するようにさらに構成されることを特徴とする請求項16に記載のWTRU。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−134988(P2012−134988A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−8997(P2012−8997)
【出願日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【分割の表示】特願2009−518370(P2009−518370)の分割
【原出願日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【出願人】(596008622)インターデイジタル テクノロジー コーポレーション (871)
【Fターム(参考)】