説明

ステアリングホイールセンサ

【課題】改良された品質および性能を有するステアリングホイールのためのスイッチングシステムまたはセンサシステムと、より正確に取り付けられ、可変出力を供給するホーンシステムとを提供する。
【解決手段】ステアリングホイール20上に組み付けるためのセンサ26が、ステアリングホイール20の基材上に装着された圧力感知要素を含む。圧力感知要素は、圧力が加えられると、電気信号を制御器に供給するように構成される。制御器は、電気信号に基づいて命令を車両システムに供給する。圧力感知要素は、要素に加えられる圧力の大きさまたは種類に基づく可変抵抗および可変容量のうちの少なくとも一方を有する。電気信号は、可変抵抗および可変容量のうちの少なくとも一方に基づく。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている、2010年3月31日に出願した米国特許仮出願第61/319,637号の優先権を主張するものである。
【0002】
本開示は、一般に、ステアリングホイールの分野に関する。より詳細には、本開示は、ステアリングホイール上の多機能センサに関する。
【背景技術】
【0003】
現在の多機能スイッチ、例えばステアリングホイールリムに装着されたスイッチは、電気機械式ボタンを使用する。多くの場合、各ボタンは、単一動作を実行する。現在のスイッチ構成は、全体的に非常に静的であり、ボタンは可視であって、そのボタンに関連する機能が現在の状況と関連するか否かにかかわらず操作されうる。電気機械式スイッチは、一般に、2つ以上の構成部品の相対運動に基づいて動作し、構成部品は、それら各々の間にギャップを必要とする。そのようなギャップは、品質または性能の問題(不揃いなギャップ、ギャップにはまりこむ異物)のリスクを高める可能性がある。
【0004】
現在のステアリングホイールおよび運転者エアバッグシステムは、ホーンシステムと共に反応するために、エアバッグの物理的運動を必要とする。その運動は、ホーン接点ギャップを閉じるために、少なくとも1.5〜2.0mmの移動距離(travel)を必要とする。この移動距離は、約2.5〜3.5mmの、周辺のエアバッグとステアリングホイールとのギャップと同じである。移動距離は、エアバッグをばねに対して装着して、エアバッグが動くことを許容することによって達成される。加えて、ステアリングホイールとエアバッグとの間の積み重ねの複合的公差が、±0.5mm未満のギャップ公差および±0.3mmの、左側と右側との間の対称性公差の達成を困難にさせる。現在のホーンシステムはまた、可変出力を持たない、単純なメイクブレイクタイプ(make/break type)のシステム(オンオフシステム)である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
改良された品質および性能を有するステアリングホイールのためのスイッチングシステムまたはセンサシステムを提供することが望ましいであろう。より正確に取り付けられ、可変出力を供給するホーンシステムを提供することもまた、望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ステアリングホイール上に組み付けるためのセンサに関する例示的一実施形態は、ステアリングホイールの基材上に装着された圧力感知要素を含む。圧力感知要素は、圧力が加えられたときに電気信号を制御器に供給するように構成される。制御器は、その電気信号に基づいて命令を車両システムに供給する。圧力感知要素は、要素に加えられた圧力の大きさまたは種類に基づく可変抵抗および可変容量のうちの少なくとも一方を有する。電気信号は、可変抵抗および可変容量のうちの少なくとも一方に基づく。
【0007】
別の例示的実施形態は、ステアリングホイールに関する。ステアリングホイールは、基材と、作動したときに電気信号を制御器に供給するように構成されたセンサとを含む。制御器は、電気信号に基づいて命令を車両システムに供給する。センサは、ステアリングホイールの基材上に装着された圧力感知要素を含む。圧力感知要素は、圧力が加えられるときに電気信号を供給するように構成される。圧力感知要素は、要素に加えられた圧力の大きさまたは種類に基づく可変抵抗および可変容量のうちの少なくとも一方を有する。電気信号は、可変抵抗および可変容量のうちの少なくとも一方に基づく。
【0008】
別の例示的実施形態は、作動したときに電気信号を制御器に供給するように構成された、1つまたは複数のセンサに関する。制御器は、電気信号に基づいて、命令を車両システムに供給する。1つまたは複数のセンサが、ステアリングホイールの基材上に装着された圧力感知要素を含む。圧力感知要素は、圧力が加えられたときに電気信号を制御器に供給するように構成される。制御器は、電気信号に基づいて命令を車両システムに供給する。圧力感知要素は、要素に加えられる圧力の大きさまたは種類に基づく可変抵抗および可変容量のうちの少なくとも一方を有する。電気信号は、可変抵抗および可変容量のうちの少なくとも一方に基づく。
【0009】
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明は、いずれも、単なる例示および説明であり、特許請求の範囲としての本発明を限定するものではないことを理解されたい。
【0010】
本実施形態の上記その他の特徴、態様および利点は、以下の説明、添付の特許請求の範囲、および以下に簡単に説明される図面に示される添付の例示的実施形態から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】例示的一実施形態による圧力感知センサまたはスイッチを備えるステアリングホイールを示す車両の等角図である。
【図2A】例示的一実施形態による圧力感知センサまたはスイッチを備えるステアリングホイールの正面図である。
【図2B】別の例示的一実施形態による圧力感知センサまたはスイッチを備えるステアリングホイールの正面図である。
【図3A】例示的一実施形態による圧力感知センサまたはスイッチの断面図である。
【図3B】別の例示的一実施形態による圧力感知センサまたはスイッチの断面図である。
【図3C】さらに別の例示的一実施形態による、圧力感知センサまたはスイッチの断面図である。
【図3D】さらに別の例示的一実施形態による圧力感知センサまたはスイッチの断面図である。
【図4】例示的一実施形態によるステアリングホイールのセンシングシステムまたはスイッチングシステムのブロック図である。
【図5】例示的一実施形態による圧力感知センサまたはスイッチのユーザフィードバックを示す図である。
【図6】例示的一実施形態による圧力感知センサまたはスイッチを使用するクルーズコントロール方法の流れ図である。
【図7】例示的一実施形態によるセンサシートの上面図である。
【図8】例示的一実施形態によるセンサの断面図である。
【図9】例示的一実施形態によるセンサの理論的抵抗特性のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
種々の例示的実施形態によれば、ステアリングホイール設計は、多機能センサの構成および動作への適応的/動的アプローチにウェートを置いている。センサの代替技術を使用することで、構成部品間のギャップを減少させるかまたは排除し、センサの機能を微調整するための新しい付加的入力の可能性が提供されうる。種々の例示的実施形態によれば、ステアリングホイールは、電気機械式スイッチを、接触および圧力感知要素を使用する接触および圧力感知センサまたはスイッチ(例えば、シームレスで適応的なスイッチ)に置き換える。そのような圧力感知センサは、もたらされた圧力の大きさまたは位置に基づいて、センサの適応的または動的機能を可能にする。
【0013】
いくつかの例示的実施形態では、圧力の変化による抵抗の変化を有することができる圧力感知要素を使用することによって、ホーンシステムは、運転者エアバッグがより厳しい精度で堅固に装着されうるように構成されてよく、より厳しい公差および約5ミクロンから0.5mmまでの限定された物理的移動距離が可能になる。また、圧力感知要素を使用することで、可変抵抗出力を供給することができ、可変圧力感知のホーンシステムが可能となる。
【0014】
図1を参照すると、車両の運転者は、ステアリングホイール20を用いてコックピット(車両室内)10から車両を動作させることができる。運転者は、ステアリングホイール20を回転させて車輪を旋回させ、車両を所望の方向に操舵することができる。ステアリングホイール20は、外輪すなわち外側のリム24に接続された中央ハブ22を含む。ハブ22は、車両10のステアリングコラム(column)と結合される。例示的一実施形態では、ステアリングホイール20は、図2Aに示すような4スポークのステアリングホイールであってよい。別の例示的実施形態では、ステアリングホイール20は、図2Bに示すように、3スポークのステアリングホイールであってよい。他の例示的実施形態では、ステアリングホイール20は、異なる数または配置のスポークを有してよい。
【0015】
また、ステアリングホイール20は、運転者が容易に手の届く範囲内に設けられた種々の接触または圧力感知センサ26を含んでよい。センサ26は、ハブ22の上(例えば、エアバッグカバーの上、エアバッグカバーの隣、ハブ22の側面上など)、リム24の任意の表面上、またはハブ22とリム24との間のスポークの任意の表面上に設置されてよい。特定の数のセンサが示されるが、他の例示的実施形態によれば、図示されたものより多いかまたは少ないセンサが、様々な位置に存在してよい。センサ26は、運転者によって、車両オーディオシステム(例えば、音量、チューニング、モードなど)、車両の照明(例えば、頭上照明、ヘッドライトなど)、電話機能、またはクルーズコントロールなど、他の機能を制御するために使用されてよい。
【0016】
センサ26がユーザ入力を受けると、センサ26は、電気信号を制御器28に供給する。圧力感知要素は、要素に加えられた圧力の大きさまたは種類(例えば、ジェスチャ、圧迫、強打(swipe)、長押し、短く軽いタッチなど)に基づいて可変抵抗を出力する。いくつかの例示的実施形態では、圧力感知要素は量子トンネル複合材料(quantum tunneling composite)であってよく、一方、他の実施形態では、可変の電気特性を有することができる任意の他の圧力感知要素が使用されてよい。
【0017】
制御器28は、オーディオシステム、照明、電話、クルーズコントロール、または電気信号に基づく他の機能を動作させるように構成される。また、制御器28は、センサ26が押されると、フィードバック、例えば視覚、音声、または振動のフィードバックをユーザに供給することができる。また、オーディオシステム、気象システム、照明システムまたは他のシステムなどのシステムの制御が、車両のダッシュボードまたは中央コンソールの上など、車両の他の位置に設けられてよい。
【0018】
次に、図2A〜図2Bを参照すると、ステアリングホイール20は、さらに、2つの例示的実施形態によって示される。圧力感知要素は、ステアリングホイール20のリム24、ハブ22、またはスポークを覆う材料(例えば、革、織物、木など)に縫い込まれ、接着され、スクリーン印刷され、または他の方法で取り付けられてよい。圧力感知要素は、ステアリングホイール20の材料の背部、ステアリングホイール20の材料の内部、またはステアリングホイール20の任意の代替構成の中に取り付けられてよい。センサ要素26が材料の中に埋め込まれて、ステアリングホイール20の外の表面上の目障りな隆起を阻止するかまたは縮小することができるように、被覆材料の下の構造が設計されてよい。必要ならば、センサ26の位置が、被覆材料の模様または色の変化、刺繍細工、照明などを含むが限定はされない種々の手段によって可視化されてよい。
【0019】
いくつかの例示的実施形態では、1つまたは複数のセンサまたはスイッチ30が区分に分けられ、(例えば、埋め込み部分、隆起部分、織り目部分、彩色部分などによって)識別されてよい。他の例示的実施形態によれば、1つまたは複数のセンサまたはスイッチ32が、ゾーン内の任意の点でユーザ入力を受けるように構成された、接触または圧力感知ゾーンを備えてよい。そのようなゾーンは、圧力の大きさ、圧力の位置、圧力がもたらされた長さなどに基づいて、電気信号を制御器28に供給することができる。
【0020】
センサ30、32に対して接触感知要素を使用することによって、単一の表面が、押された部分に応じて操作者の入力に異なって反応する、種々のゾーンに分割されてよい。同一のシームレスな表面上にいくつかの機能を組み合わせることによって、スイッチの別個の部分の間のギャップが縮小されうるかまたは排除されうる。接触感知要素をスイッチに使用することによって、スイッチが機能するのに必要なたわみ(deflection)の量が大幅に縮小されうる(例えば、約1mm未満)。それゆえ、それぞれ移動する部品間にギャップを必要とする普通の電気機械式スイッチとは対照的に、センサ30、32はシームレスでありうる。
【0021】
特定の数のセンサ26が、図2Aおよび図2Bのステアリングホイール20上の特定の位置に示されているが、他の例示的実施形態によれば、任意の数のセンサ30、32が、ステアリングホイール20のハブ22、リム24、またはスポークの上または近くの任意の位置に存在してよい。普通の運転条件においてリムを把持することによって機能が偶発的に作動することを防ぐために、センサ30、32の圧力感知は、ステアリングホイール20上の機能および位置に応じて異なって較正されてよい。
【0022】
圧力感知のセンシングまたはスイッチングシステムの適応的システム設計が、センサの共通の部分を異なる機能に対して使用することを可能にする。所与の時刻にユーザに提供される機能は、現在の状況に関連する機能だけであってよい。他の関連しない機能は、利用不可とすることができるか、または隠すことができる。複数の機能に対して共通のセンシングまたはスイッチングの部分を使用することによって、スイッチのパッケージサイズおよび設置面積が縮小されうる。
【0023】
図3A〜図3Dを参照すると、スイッチ26の断面図が、種々の例示的実施形態によって示される。とりわけ図3Aを参照すると、スイッチ300は、例示的一実施形態により、外皮(skin)材料304(例えば、革、木、プラスチック、ビニール、または他のステアリングホイールのハブまたはリムの材料)に取り付けられた圧力感知要素302、および/またはステアリングホイールのハブまたはリムの基材306を含む。スイッチ300は、異なる機能のために、または異なる種類のユーザ入力を受けるように構成された複数の圧力ゾーン308および310を、任意選択で有することができる。図示のように、スイッチ300は全体的に平坦であってよく、隆起部分または埋め込み部分を持たない。外皮304の表面は、運転者に圧力感知部分の位置および/または機能を表示するために、色付けされるか、織り目を付けられるか、またはラベルを張られてよい。また、外皮304は、圧力感知要素302に対して保護皮膜を提供することができる。スイッチ300は全体的に平坦であってよいが、他の例示的実施形態では、スイッチ300は一方向に起伏を付けられ(be contoured)てよく、または、少なくとも部分的に2方向に起伏を付けられてよい。また、スイッチ300は、例えば少なくとも感知ゾーンの間に1つまたは複数の隆起部分または埋め込み部分を含むことができる。
【0024】
いくつかの例示的実施形態によれば、外皮304は、表示パネル(LCD、LED、OLEDなど)またはタッチパネルで置き換えられてよい。そのような例示的実施形態では、パネル上の圧力が、圧力の位置(例えば、ゾーン308、310)、圧力の大きさ、圧力の持続時間などを検出するために圧力感知要素302で検出されうる。表示パネルは、スイッチ300の機能の表示を提供する。スイッチの機能は、車両の状態またはユーザの選択に基づいて、動的に変化することができる。そのような例では、表示パネルは、スイッチ300の現在の機能を表すために表示を変えることができる。2つのゾーン308、310が示されているが、他の例示的実施形態によれば、スイッチ300は任意の数のゾーンを含んでよく、ゾーンは任意の適切なサイズであってよいことに留意されたい。
【0025】
とりわけ図3Bを参照すると、例示的一実施形態により、スイッチ320は、外皮材料304および/またはステアリングホイールのハブまたはリムの基材306に取り付けられた圧力感知要素302を含む。図示のように、圧力感知要素302は、基材306の一部と外皮材料304との間だけに存在してよい。外皮材料304は、圧力感知要素302に被さるかまたは付着し、スイッチ320の隆起部分を生成して圧力感知部分の位置を示すことができる。また、外皮304の表面は、色付けされるか、織り目を付けられるか、またはラベルを張られて、運転者に圧力感知部分の位置および/または機能をさらに表示することができる。
【0026】
とりわけ図3Cを参照すると、例示的一実施形態により、スイッチ340は、外皮材料304および/またはステアリングホイールのハブまたはリムの基材306に取り付けられた圧力感知要素302の2つの部分を含む。図示のように、圧力感知要素302は、基材306の複数の部分と外皮材料304との間に別々に存在してよい。外皮材料304は、圧力感知要素302に被さるかまたは付着し、スイッチ340の隆起部分を生成して圧力感知部分の位置を示すことができる。外皮304の表面は、色付けされるか、織り目を付けられるか、またはラベルを張られて、運転者に圧力感知部分の位置および/または機能をさらに表示することもできる。圧力感知要素302の2つの部分が示されているが、他の例示的実施形態によれば、任意の数の圧力感知部分が使用されてよい。
【0027】
とりわけ図3Dを参照すると、例示的一実施形態によれば、スイッチ360は、外皮材料304および/またはステアリングホイールのハブまたはリムの基材306に取り付けられた圧力感知要素302を含む。図示のように、圧力感知要素302は全体的に平坦であり、異なる機能のためにまたは異なる種類のユーザ入力を受けるように構成された複数の圧力ゾーン362および364を含むことができる。外皮304は、1つまたは複数の隆起部分または埋め込み部分を有するように形成されてよい。外皮材料304は、圧力感知要素302に被さるかまたは付着し、スイッチ360の隆起部分および/または埋め込み部分を生成して圧力感知部分の位置を示すことができる。また、外皮304の表面は、色付けされるか、織り目を付けられるか、またはラベルを張られて、運転者に圧力感知部分の位置および/または機能をさらに表示することができる。
【0028】
図4を参照すると、例示的一実施形態により、スイッチングシステム400が、ユーザ入力を受けて、圧力感知スイッチ402の作動のフィードバックをユーザに供給するように構成される。スイッチ402の圧力感知要素が作動すると、電気信号が制御器404に送られる。制御器404は、受けられた電気信号に基づいて、電気的命令を車両システム406に供給するように構成される。例えば、制御器404は、信号に基づいて、オーディオシステム、照明、電話、クルーズコントロール、または他の車両システム406を動作させるための電気的命令を供給することができる。
【0029】
制御器404は、スイッチ402が作動すると、運転者に、視覚フィードバックを供給するための光源408、音声フィードバックを供給するための(例えば、車両オーディオシステムまたはステアリングホイール内のスピーカの)スピーカ410、または振動フィードバックを供給するための(例えば、ステアリングホイールのハブまたはリムの外皮の下に設置された)アクチュエータ412を動作させることができる。また、フィードバックは、スイッチ402にもたらされた力の大きさに応じて強度を変えることができる。制御器404は、電気信号を受けて車両システム406の車両機能を制御することができる任意のハードウェアおよび/またはソフトウェアのプラットフォームであってよい。
【0030】
いくつかの例示的実施形態では、光源408は、センサの機能の視覚表示を提供するように構成されてよい。そのような実施形態では、光源408は、車両の状況(context)およびセンサの機能が利用可能かどうかに基づいて照明することができる。例えば、光源408は、オーディオシステムの音量制御のセンサまたはスイッチのためにインジケータまたは文字列を照明することができる。オーディオシステムがオンであれば、光源408は、音量制御が利用できることを表示するために照明することができる。オーディオシステムがオフであれば、光源は、音量制御が利用できないことを表示するために消灯されてよい。そのような状況に応じた照明は、圧力感知要素で制御されている任意の車両機能に応用されてよい。いくつかの実施形態では、光源408は、圧力感知要素に被さるかまたは隣接することができる。他の実施形態では、光源408は、透光性のまたは透明な圧力感知要素の後ろ、下または中に設置されてよい。
【0031】
また、図5を参照すると、種々の種類の運転者フィードバックが、いくつかの例示的実施形態によって示される。ユーザとのインターフェースを改良するために、標準的なオンオフスイッチに加えて、圧力感知が、多数のインターフェース層を追加するために使用されてよい。
【0032】
例示的一実施形態では、スイッチ402が押されると、光源408によって、光の帯502がスイッチ402の外周の周りに提供されうる(例えば、輝くグロー光)。光の帯502の幅および/または明るさは、運転者がスイッチ402にもたらした圧力の大きさに応じて変化することができる。例えば、スイッチ402がより強く押されれば、帯502は、より幅広くなってよく、またはより明るくなってよい。
【0033】
別の例示的実施形態では、スイッチ402が押されると、光源408によって、回転する光の帯504がスイッチ402の外周の部分の周りに提供されうる(例えば、回転するグロー光)。光の帯504の長さおよび/または速さは、運転者がスイッチ402にもたらした圧力の大きさに応じて変化することができる。例えば、帯504は、スイッチ402がより強く押されれば、より長くなってよく、またはより速く回転してよい。
【0034】
別の例示的実施形態では、スイッチ402が押されると、スピーカ410が運転者に音響警報または可聴警報506を提供することができる。音響506の音量は、運転者がスイッチ402にもたらした圧力の大きさに応じて変化することができる。例えば、音響506の音量は、スイッチ402が強く押されれば、より大きくなりうる。
【0035】
別の例示的実施形態では、スイッチ402が押されると、アクチュエータ412が、運転者に振動508を供給することができる。振動508の強さは、運転者がスイッチ402にもたらした圧力の大きさに応じて変化することができる。例えば、振動508の大きさは、スイッチ402がより強く押されれば、より大きくなりうる。
【0036】
スイッチ402の圧力感知要素は、圧力感知要素に加えられる力の大きさに応じて変化することができる電気特性を有することができる。これらの可変電気特性が、スイッチ402の機能をさらに制御するために使用されてよい。オーディオシステムの音量を制御するスイッチの例を挙げると、スイッチがより強く押されるほど、音量はより速く大きくなりうる。スイッチが穏やかに押されれば、音量はゆっくりと大きくなりうる。同様に、以下により詳細に説明されるように、ホーンシステムが、圧力感知スイッチ402によって作動し、スイッチ402に加えられた力に応じて変化する音響レベルを生成することができる。
【0037】
図4に戻って参照すると、いくつかの例示的実施形態では、スイッチ402の機能は、車両の状態に基づいて変化することができる。そのような実施形態では、スイッチ402は、スイッチの機能および/または状態の動的表示を提供するように構成された表示部分を含むことができる。また、制御器404は、車両および/またはスイッチ402の状態識別子(status identifier)を記憶するように構成された揮発性または不揮発性メモリデバイス414と通信することができる。
【0038】
また、図6を参照すると、例示的一実施形態により、流れ図600がクルーズコントロールスイッチのための適応インターフェースを示す。最初に、クルーズコントロールがオフに設定される(ステップ602)。制御器404が、車両がクルーズコントロールを使用することができる最低必要速度に達しているかどうかを判定する(ステップ604)。最低速度に達するまでは、スイッチは機能を有さず、表示は非表示(blank)のままである(ステップ606)。最低速度に達すると、「オン」機能が利用可能にされて表示される(ステップ608)。クルーズコントロールがオンに切り替えられると(ステップ610)、クルーズコントロールをオフにする(「オフ」機能)か、またはクルーズコントロール速度を作動もしくは設定する(「設定」機能)かの選択肢が表示される(ステップ612)。クルーズコントロールがオフにされる(ステップ614)ならば、表示は、非表示かまたは車速に応じた状態だけの「オン」のいずれかに戻る。クルーズコントロールが設定された(ステップ616)ならば、制御器404は、クルーズコントロール速度を車両の現在の速度に設定する(ステップ618)。次に、制御器404は、現在の速度をメモリ414に書き込む、すなわち記憶する(ステップ620)。
【0039】
次に、表示は、速度を上げる(「+」機能)か、速度を下げる(「−」機能)か、クルーズコントロールモードを取り消すかの選択肢を示す(ステップ622)。「+」が押された(ステップ624)ならば、制御器404は、クルーズコントロール速度を上げ(ステップ626)、新しいクルーズコントロール速度をメモリ414に書き込み(ステップ628)、ステップ622でさらなるユーザ入力を待つ。「−」が押された(ステップ630)ならば、制御器404は、クルーズコントロール速度を下げ(ステップ632)、新しいクルーズコントロール速度をメモリ414に書き込み(ステップ634)、ステップ622でさらなるユーザ入力を待つ。
【0040】
「−」が持続されたか、「取り消し」が押されたか、またはブレーキペダルもしくはクラッチペダルが踏まれた(ステップ636)ならば、制御器404は、クルーズコントロールを取り消して(ステップ638)、選択肢「再開」、「設定」および「オフ」を表示する(ステップ640)。「設定」が押された(ステップ642)ならば、制御器404は、ステップ618に戻ってクルーズ速度を設定する。「再開」が押された(ステップ644)ならば、制御器404は、クルーズ速度をメモリ414に記憶された値に設定し(ステップ646)、ステップ622でさらなるユーザ入力を待つ。「オフ」が押された(ステップ648)ならば、制御器は、メモリ414を消去してクルーズコントロールを切り(ステップ650)、ステップ602に戻って車両速度を調べる。
【0041】
図7〜図8を参照すると、センサシート100は、一般に、1つまたは複数のセンサ110(例えば、スイッチ30、300、320、340、360;圧力感知ゾーン26、32など)を含む。センサ110は、入力導体111および出力導体112によって制御器または測定装置(例えば、制御器28、制御器404など)と電気的に結合され、導体は、電気信号をセンサ110に送り、センサ110から受けるように構成される。
【0042】
図8に示すように、一般に、センサ110は、全体的に対称的な積層関係に構成されたキャリア材料(carrier material)113、114、導体111、112、電極115、116、および圧力感知要素117のシートを含む(例えば、キャリアシート、導体、および電極が圧力感知要素の両面に配置される)。以下により詳細に記載されるように、キャリアシート113、114、導体111、112、電極115、116、および圧力感知要素117は、動的な衝突事象の間に予期される力にしたがって、センサ110の導電特性または電気特性を変えるように、選択的に構成されてよい。
【0043】
第1のキャリアシート113および第2のキャリアシート114は、例えば、ステアリングホイール20の表面に対して外皮304および基材306となるように構成されてよい。キャリアシート113、114のそれぞれは、半剛体のシート材料から作製されうる。例えば、キャリアシート113、114のそれぞれは、約50ミクロンの厚さを有するテレフタル酸ポリエチレン(PET)のシートであってよい。他の例示的実施形態によれば、キャリアシート113、114は、他の材料(例えば、ポリカーボネート、ポリアミド、他の押出プラスチック材料、革、他のプラスチック、織物、木、1シート内の複数材料、各シートに対する異なる材料など)から作製されてよく、あるいは、他の厚さ(例えば、約25ミクロンと250ミクロンとの間、1シートに対して変化する厚さ、異なるシートに対して異なる厚さなど)を有してよい。
【0044】
導体111、112のそれぞれは、センサ110のうちの1つと制御器または測定装置との間で電気信号を伝導するように構成される。導体は、銀(Ag)などの導電性材料で作製される。導体111、112は、2次元もしくは3次元のインクジェット印刷もしくはスクリーン印刷などの印刷プロセス、蒸着、またはエッチング、写真蝕刻、もしくはフライス加工などの従来のプリント回路技術を介してキャリアシート113、114に結合され、堆積され、もしくは張り付けられてよい。入力導体111は、例えば、第1のキャリアシート113の内部表面と結合されてよく、出力導体112は、例えば、第2のキャリアシート114の内部表面と結合されてよい。導体111、112は、約25ミクロン未満の仕上げ厚さを有する。他の例示的実施形態によれば、導体111、112は、他の材料(例えば、銅(Cu)または他の導電材料、それらの組合せなど)で作製されてよく、互いに異なる材料で作製されてよく、異なる仕上げ厚さ(例えば、約25ミクロン超もしくは未満、各導体に対して変わる厚さ、異なる厚さもしくは異なる導体など)を有してよく、または他の方法で提供される。
【0045】
電極115、116のそれぞれは、圧力感知要素117へ、または圧力感知要素から電気信号を効率的に伝導するように構成される。電極115、116は、炭素(C)などの導電性材料で作製される。電極115、116は、それぞれ、2次元もしくは3次元のインクジェット印刷もしくはスクリーン印刷などの印刷プロセス、蒸着、またはエッチング、写真蝕刻、もしくはフライス加工などの従来のプリント回路技術によって、導体111、112および/またはキャリアシート113、114に結合され、堆積され、もしくは張り付けられてよい。電極115、116は、約25ミクロン未満の仕上げ厚さを有することができる。他の例示的実施形態によれば、電極115、116は、他の材料で作製されてよく、互いに異なる材料で作製されてよく、異なる仕上げ厚さ(例えば、約25ミクロン以上、各電極に対して変わる厚さ、他の電極と異なる厚さなど)を有してよく、異なる方法で提供されるか、または異なる順序で提供されてよい(例えば、電極のうちの1つが圧力感知要素117に張り付けられてよい)。
【0046】
圧力感知要素117は、その上に作用する力または圧力に応答して抵抗または導電特性/電気特性を変えるように構成される。より詳細には、圧力感知要素117は、力または圧力が存在しないときに実質的に断路器(isolator)として振る舞い、存在する力または圧力が大きくなるにつれて抵抗が減少する。小さい力と大きい力との間で、圧力感知要素117は、力または圧力に対して予測可能な挙動(manner)で応答し、力が大きくなるにつれて抵抗が減少する。これらの特性が、図9のグラフ900に示され、グラフ900は、本明細書で説明されるようなセンサ110の抵抗対力の特性を表す。図9は、以下でより詳細に論じられる。
【0047】
圧力感知要素117は、例えば、カーボンナノチューブの導電性ポリマーであってよい。圧力感知要素117は、2次元もしくは3次元のインクジェット印刷もしくはスクリーン印刷などの印刷プロセス、蒸着、またはエッチング、写真蝕刻、もしくはフライス加工などの従来のプリント回路技術によって、電極115、116のうちの1つに張り付けられてよい。グラフェン(graphene)またはグラフェン導電性ポリマーの圧力感知要素など、より小さい粒子サイズの圧力感知要素117が使用されるので、圧力感知要素117はまた、蒸着など、従来のプリント回路技術を介して張り付けられてよい。他の例示的実施形態によれば、圧力感知要素は、銀または銅など、導体でドープされたシリセンポリマー材料であってよい。
【0048】
他の例示的実施形態によれば、圧力感知要素は、ファウラー−ノルトハイムトンネル(Fowler-Nordheim tunneling)を使用する可変抵抗の圧力感知要素である量子トンネル複合材料(QTC)である。QTCは、英国Brompton−on−SwaleのPeratech(www.peratech.com)によって商品として製造されている材料である。センサ110内のQTC材料は、圧力または力が加えられていないときには、導電性粒子が導通するにはあまりに離れているので絶縁体として作用することができるが、圧力(または力)が加えられるにつれて、導電性粒子が他の導電性粒子の近くに移動し、それにより、電子が絶縁層を通過することができ、絶縁層を変化させてセンサ110の抵抗を変化させる。したがって、センサ110内のQTCの抵抗は、センサ110に作用する力または圧力の関数である。
【0049】
キャリアシート113、114は、その上に導体111、112、電極115、116、および圧力感知要素117が堆積された後、一緒に結合されてセンサシート100を形成する。キャリアシート113は、例えば、導体111、112、電極115、116、および圧力感知要素117が適正な配置になるように、一緒に張り合わされてよい。積層プロセスは、例えば、熱と圧力とを使用する従来のプロセスであってよい。また、接着剤が使用されてよい。センサシート100および/またはセンサ110の合計厚さは、約120ミクロンであってよい。他の例示的実施形態によれば、キャリアシート113、114は、例えば、他のやり方(例えば、熱または圧力を伴わない積層)で一緒に結合されてよい。さらに、センサシート100および/またはセンサ110は、異なる合計厚さ(例えば、約70ミクロン以上)を有してよい。
【0050】
次に図9を参照すると、センサ110の抵抗対力の特性のグラフ900が示される。センサ110の抵抗がY軸上に示され、センサ110に作用する力がX軸上に示される。比較的小さい力において(例えば、約1Nより小さい点910において)、センサ110は比較的高い抵抗特性(例えば、約300キロオーム以上)を示し、実質的に絶縁体として振る舞う。比較的高い力において(例えば、約3Nを超える点920において)、センサ110は比較的低い抵抗特性(例えば、約1キロオーム以下)を示し、実質的に導体としての振る舞いに近づく。約1Nと3Nとの間で、センサ110は、約3キロオームと1キロオームとの間の中間レベルの抵抗を示し、その抵抗は、増加する力に対して予測可能な挙動で減少する。
【0051】
センサ110の導電特性または電気特性(すなわち、抵抗対力の特性曲線900)は、異なる材料の選択によって構成されてよく、キャリアシート113、114、導体111、112、電極115、116、および圧力感知要素117の異なる配置を提供する。例えば、上で説明されたように、センサ110の導電層(すなわち、導体111、112、電極115、116、および圧力感知要素117)は、センサ110の導電特性または電気特性を変えるために、別々の材料および/または別々の厚さを有するなど、別々のやり方で構成されてよい。また、センサ110の特性を調整するために、材料の種類を使用することもできる。例えば、導電特性または電気特性に影響を与えるために、特定のQTC材料(例えば、ポリマー、導体混合物など)を選択することができる。
【0052】
また、キャリアシート113、114は、センサ110の導電特性または電気特性を変えるために、異なるやり方で構成されてよい。例えば、キャリアシート113、114の相対位置が調節されてよい。図8を参照すると、キャリアシート113、114は、圧力感知要素117と電極115との間にギャップ(図示の通り)を設けるように、センサ110に隣接する領域において相隔てられてよい。ギャップを設けることによって、力が圧力感知要素に作用する前に、対応する距離をたわませるために十分な力がキャリアシート113、114に作用しなければならない。したがって、図9のグラフを参照すると、センサ110の抵抗対力の特性は、キャリアシート113、114のばね常数に対応するある寸法のギャップ(例えば、35ミクロン)を設けることによって、所望の力のオフセット(すなわち、ニュートンの数)だけ右方向にシフトされてよい。ギャップは、例えば、キャリアシート113、114を組み合わせるために使用される接着剤によってもたらされてよい。別の例示的実施形態によれば、外部からもたらされる物理的負荷を用いてなど、ギャップと反対の効果を有するようにセンサ110に予め負荷を加えて、実質的にセンサ110の抵抗対力の特性を左方向にシフトさせることができる。
【0053】
また、センサ110の導電特性または電気特性は、キャリアシート113、114に使用される材料にしたがって変えられてよい。より固い第1の、すなわち外側のキャリアシート113が、より厚い材料または異なる材料を使用することになどによって提供されうる。より固い外側のシート113を使用することによって、あまり固くない材料と比べて、同じ距離をたわませるために、より大きな力が外側のキャリアシート113に作用しなければならない。その結果、図9のグラフを参照すると、センサ110の抵抗対力の特性が右方向に長くされまたは延ばされ(シフトはされない)、それにより、より大きい負荷が生じるので、漸増する力の変化が、より大きな抵抗の変化を結果としてもたらして、制御器または測定装置によるより正確な検出が可能になる。また、内側のシート114は、安定なベースを提供するように構成されてよく、外側のシート113より小さいか、同じか、または大きい剛性を有してよい。
【0054】
センサ110は、圧縮負荷に反応するように説明されてきたが、センサ110はまた、キャリアシート113、114および圧力感知要素117のたわみを引き起こす曲げ負荷に反応する。その結果、簡単なおよび/または信頼性のある較正のために、圧力センサ110は、圧縮負荷の測定が望まれる全体的に平坦な配置の中に保持される。他の例示的実施形態によれば、センサ110は、捻り負荷の測定が望まれる用途において使用されうる。
【0055】
種々の例示的実施形態では、圧力感知スイッチによってホーンシステムを作動させて、そのスイッチに加えられる力に応じて変わることができる音響レベルを生成することができる。圧力の変化に伴って抵抗に変化をもたらすことができる圧力感知要素を使用することによって、ホーンシステムは、運転者エアバッグがより厳しい精度で堅固に装着されうるように構成されてよく、より厳しい公差および約5ミクロンと0.5mmとの間の限定的な物理的移動距離が可能になる。また、圧力感知要素を使用することで、可変抵抗出力を提供することができ、可変圧力感知ホーンシステムが可能になる。例えば、ホーンの音量および/または音質が、圧力感知要素上の圧力の大きさに基づいて調節されうる。また、圧力感知要素を使用することで、ステアリングホイールまたはホーンシステムの改良された美的感覚がもたらされうる。
【0056】
例示的一実施形態では、圧力感知要素が、従来のホーンシステムの中に一体化されてよい。従来のホーンシステムは、通常、2つの金属が対向するホーン接点がばねで分離された、移動構造を含む。ばねが、ホーン操作力を規定する。ホーン接点間の距離が、接点を接触させてホーンを作動できるようにするのに必要なエアバッグの変位を決定する。2つの金属製のホーン接点は、接点のギャップより著しく薄くなりうる圧力感知要素と置き換えられてよい。
【0057】
別の例示的実施形態では、圧力感知要素が、従来のホーンシステムの代わりに一体化されてよい。そのようなシステムでは、運転者エアバッグの唯一の動きは、エアバッグ修理取りだしばね(airbag service removal spring)によってもたらされ、そのばねは、エアバッグのホイールへの組付けを支援するためおよびエアバッグの修理のために使用される。エアバッグは、留め金(snap)システムを使用してステアリングホイールに直接取り付けられてよい。2つ以上のばねが、エアバッグをホイールに留め金で留める(snap)ために超えられなければならない垂直力で、ステアリングホイールとエアバッグとの間に装着されてよい。留め金システムは、エアバッグをステアリングホイールに正常に留め金で留めるために、少量の行き過ぎ量(over travel)を必要とする可能性がある。この行き過ぎ量は、ホーンに対するサスペンション機構(springing mechanism)として使用されてよい。圧力感知要素が、ステアリングホイールとエアバッグとの間に挟まれてよく、行き過ぎ量が、ばね力として使用される。
【0058】
別の例示的実施形態では、圧力感知要素が、運転者エアバッグカバーの中に一体化されて、ホーン操作に対するカバーの屈曲をモニターすることができる。エアバッグカバー内への一体化は、メンブレーンホーン(membrane horn)に似ているが、圧力感知要素は、ある閾値を超えるたわみをモニターして、可変出力を作動させることができる。
【0059】
別の例示的実施形態では、圧力感知要素は、運転者エアバッグカバーとリテーナ取り付け点との間に一体化されて、カバーとリテーナとの間の動きをモニターすることができる。現在、多くの運転者エアバッグカバーは、カバーをプラスチックのリテーナハウジングに留め金で留めることによって組み立てられる。限定された量の行き過ぎ量が、ホーンシステムを正しく組み立てるために必要とされる。圧力感知要素が、行き過ぎ量の位置に施用されてよい。ばね力が、エアバッグモジュール内の緩衝パックによって生成されうる。
【0060】
別の例示的実施形態では、圧力感知要素が、ステアリングホイールのリムの中に一体化されて、衝撃ホーンシステムとして作動することができる。リムにおける特定のまたは閾値の力を超える圧力が、(可変出力の、または可変出力でない)ホーンシステムを作動させることができる。圧力感知要素が、ステアリングホイールのリムの360度全体にわたって張り付けられてよい。あるいは、圧力感知要素が、リムの360度全体より少なく張り付けられてよい。衝撃ホーンシステムは、通常の操舵操縦(maneuver)または運転操作に使用される力を考慮に入れて、ホーンを作動させるためにリムに直接加えられる、より強い力をモニターすることができる。
【0061】
別の例示的実施形態では、圧力感知要素が、ステアリングホイールのリムの中に一体化されて運転者の手の位置を検出することができる。運転者が片手だけをホイール上に置いていることを制御器が検出したならば、制御器は、運転者に両手を使うように促すために、視覚、音声、および/または振動のフィードバックを運転者に提供することができる。運転者がホイール上に手を置いていないことを制御器が検出したならば、制御器は、運転者の注意を引こうとして、視覚、音声、および/または振動のフィードバックを提供することができる。代替として、または付加的に、制御器は、車両のエンジンを減速させ、ブレーキを作動させ、ハザード信号を点灯させ、および/または通信システムに、救急隊員と連絡を取らせることができる。圧力感知要素は、ステアリングホイールのリムの360度全体にわたって張り付けられてよい。あるいは、圧力感知要素は、リムの360度全体より少なく、例えば、運転者がステアリングホイールを握ると思われる位置に張り付けられてよい。
【0062】
別の例示的実施形態では、圧力感知要素は、エアバッグモジュールを適所に固定できるように、運転者エアバッグを取り巻く転写シール(decal)またはシュラウドの中にもしくは上に一体化されてよい。それゆえ、ベゼル、シュラウド、または転写シールは、力または圧力をモニターすることができる。外側のベゼルがエアバッグシステムに組み付けられて、ステアリングホイールおよびエアバッグ周辺のギャップを隠すことができる。
【0063】
別の例示的実施形態では、圧力感知要素が、エアバッグの外周付近のステアリングホイールの中に一体化されてよい。エアバッグカバーがステアリングホイールの表面(例えば、ポリウレタン、革など)に重なることができ、それにより、エアバッグカバーがホーンのために押されたときに、カバーが、その下にある、ステアリングホイールに装着された圧力感知要素まで屈曲し、それによりホーンが作動する。
【0064】
種々の上述の例示的実施形態によれば、運転者が彼らの手に手袋(または他の手の覆い)を着けているか否かにかかわらず、圧力感知要素は、全体的に、抵抗の変化をもたらして、車両制御器が運転者から入力を受けることを可能にすることに留意されたい。他の例示的実施形態では、圧力感知要素は、代替として、加えられた圧力の大きさに基づいて変化することができる容量をもたらすように構成されてよい。そのような実施形態では、たとえ運転者が手袋を着けていても運転者が命令を入力できるように、容量センサの利得が調節されてよい。
【0065】
他の例示的実施形態によれば、同じアプローチが、オーディオシステム、HVACシステム、ワイパー、トリップコンピュータ、電話、およびナビゲーションシステムを含むが限定はされない、種々の機能を制御する数種類のスイッチのために使用されうる。種々の技術が、色塗りされエッチングングされた表面を透過する選択的照明、層状にスクリーン印刷された材料を透過する選択的照明、および電子表示器(例えば、LCD、LED、OLEDなど)上のプログラム可能なアイコン/文字列/グラフィックスを含むが限定されない、適応システムを作り出すために使用されてよい。
【0066】
圧力感知スイッチに対する上述の新しい態様に加えて、ばね、滑動/係止(sliding/rocking)ボタンなど、機械的構成部品を省略するか削減することによって、スイッチは、現在の設計より堅牢になりうる。また、スイッチは、削減された部品点数によって、より低いコストを有することができ、改良されたユーザインターフェースおよび外観を有することができる。
【0067】
システムは、圧力感知要素を使用するように上で説明されているが、他の例示的実施形態では、異なる感知手段が使用されてよい。例えば、スイッチは、容量、インダクタンス、または抵抗ベースのセンサを含んでよい。
【0068】
本明細書で使用される際に、用語「およそ(approximately)」、「約(about)」、「実質的に(substantially)」、および同様の用語は、本開示の主題が関連する技術分野の標準的な技術者によって認知されている一般的な使用法と一致する広い意味を有することが意図されている。これらの用語が、これらの特徴の範囲を、提供された詳細な数値の範囲に限定することなく、説明され特許請求されたある特徴の記述を可能にすることが意図されていることを、この開示を精査する当業者には理解されたい。したがって、これらの用語は、説明され特許請求された主題の、ごくわずかのまたは重要度の低い変更または改変が、添付の特許請求の範囲の中で記載された本発明の範囲内にあるとみなされることを示すものと解釈されるべきである。
【0069】
種々の実施形態を説明するために本明細書で使用された用語「例示的(exemplary)」は、そのような実施形態が、可能な実施形態の可能な例、表現、および/または図解である(および、そのような用語は、そのような実施形態が、必然的に特別なまたは最高の例であることを暗示することを意図していない)ことを示すことが意図されていることに留意されたい。
【0070】
本明細書で使用される用語「結合された(coupled)」、「接続された(connected)」などは、2つの要素(member)を互いに直接にまたは間接につなぎ合わせることを意味する。そのようなつなぎ合わせは、安定的(例えば、永久的)であってよく、または可動(例えば、可撤去または可解除)であってよい。そのようなつなぎ合わせは、2つの要素、または2つの要素および任意の付加的な中間要素が、互いに1つの単体として一体的に形成されて、または2つの要素、または2つの要素および任意の付加的な中間要素が、互いに取り付けられて達成されてよい。
【0071】
要素の位置に対する本明細書での言及(例えば、「頂部の(top)」、「底部の(bottom)」、「上の(above)」、「下の(below)」など)は、単に、図における種々の要素の位置付け(orientation)を説明するために使用される。種々の要素の位置付けが、他の例示的実施形態によって変わる可能性があること、およびそのような変化が、本開示によって包含されることが意図されていることに留意されたい。
【0072】
種々の例示的実施形態に示されるスイッチシステムの構造および配置は、単なる例であることに留意することが重要である。本開示においてごくわずかの実施形態が詳細に説明されたが、本明細書で説明された主題の新規な教示および利点を著しく逸脱することなく、多くの変更(例えば、サイズ、寸法、構造、形状および種々の要素の比率、パラメータの値、装着の配置、材料の使用、色、向きなどにおける変更)が可能であることを、本開示を精査する当業者は、容易に理解するであろう。例えば、一体的に形成されるように示された要素が、複数の部品または要素で構築されてよく、要素の位置が、反転されるかまたはその他の形で変更されてよく、個々の要素または位置の性質または数が改変または変更されてよい。任意のプロセスまたは方法のステップの順番または順序が、代替の実施形態によって、変更されるかまたは順序を変えられてよい。また、本実施形態の範囲を逸脱することなく、他の置き換え、修正、変更および省略が、種々の例示的実施形態の設計、動作条件および配置においてなされてよい。
【符号の説明】
【0073】
10 コックピット
20 ステアリングホイール
22 中央ハブ
24 外側のリム
26 センサ
28 制御器
30 センサまたはスイッチ
32 センサまたはスイッチ
100 センサシート
110 センサ
111 入力導体
112 出力導体
113、114 キャリア材料
115、116 電極
117 圧力感知要素
300 スイッチ
302 圧力感知要素
304 外皮材料
306 基材
308、310、362、364 圧力ゾーン
320、340、360 スイッチ
400 スイッチシステム
402 圧力感知スイッチ
404 制御器
406 車両システム
408 光源
410 スピーカ
412 アクチュエータ
414 不揮発性メモリデバイス
502 光の帯
504 回転する光の帯
506 音響
508 振動
600 流れ図
900 グラフ
910、920 点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステアリングホイール上に組み付けるためのセンサであって、
前記ステアリングホイールの基材上に装着された圧力感知要素を備え、前記圧力感知要素が、圧力が加えられたときに電気信号を制御器に供給するように構成され、前記制御器が、前記電気信号に基づいて命令を車両システムに供給し、前記圧力感知要素が、前記要素に加えられる圧力の大きさまたは種類に基づいた可変抵抗および可変容量のうちの少なくとも一方を有し、前記電気信号が、可変抵抗および可変容量のうちの少なくとも一方に基づく、センサ。
【請求項2】
前記圧力感知要素が、量子トンネル複合材料、カーボンナノチューブの導電性ポリマー、グラフェン導電性ポリマー、および導体をドープされたシリセンポリマーのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のセンサ。
【請求項3】
前記圧力感知要素が、異なる機能のために、または異なる種類のユーザ入力を受けるように構成された複数の圧力ゾーンを備える、請求項1に記載のセンサ。
【請求項4】
前記センサが、全体的に平坦で隆起部分または埋め込み部分を持たないスイッチを備える、請求項1に記載のセンサ。
【請求項5】
前記圧力感知要素に被さるかまたは付着する外皮材料、表示パネル、およびタッチパネルのうちの少なくとも1つをさらに備える、請求項1に記載のセンサ。
【請求項6】
前記外皮材料の表面が、前記圧力感知要素の位置および/または機能を表示するために、隆起部分、色付け、織り目付け、またはラベル張り付けのうちの少なくとも1つを含む、請求項5に記載のセンサ。
【請求項7】
前記圧力感知要素の近くに装着された光源をさらに備え、前記光源が、前記圧力感知要素に与えられる圧力の大きさに基づいて、明度、形状、色彩、および変調のうちの少なくとも1つを変えるように構成された、請求項1に記載のセンサ。
【請求項8】
前記制御器が、前記圧力感知要素が押されたときに音響警報または可聴警報を提供するために、電気信号をスピーカに供給し、前記音響の音量、音質、周波数および変調のうちの少なくとも1つが、圧力感知要素に与えられる圧力の大きさに基づいて変化する、請求項1に記載のセンサ。
【請求項9】
前記制御器が電気信号をアクチュエータに供給し、前記アクチュエータが、前記圧力感知要素が押されたときに振動をもたらし、前記振動の強さ、変調、および周波数のうちの少なくとも1つが、圧力感知要素に与えられる圧力の大きさに基づいて変化する、請求項1に記載のセンサ。
【請求項10】
前記制御器が、前記電気信号の可変特性を使用して、変化する命令を前記車両システムに供給し、それにより、前記車両システムの作動の大きさが、前記圧力感知要素に加えられる圧力の大きさに基づく、請求項1に記載のセンサ。
【請求項11】
前記センサが、前記ステアリングホイールのハブ、スポーク、またはリムの上に設置される、請求項1に記載のセンサ。
【請求項12】
前記電気信号を受け、前記信号を前記制御器に供給するように構成された一対の電極をさらに備える、請求項1に記載のセンサ。
【請求項13】
前記センサの前記機能の視覚表示を提供するように構成された光源をさらに備え、前記光源が、前記車両の状況および前記センサの前記機能が利用可能であるかどうかに基づいて照明する、請求項1に記載のセンサ。
【請求項14】
車両に組み付けるための感知システムであって、
作動したときに電気信号を制御器に供給するように構成された1つまたは複数のセンサを備え、前記制御器が、前記電気信号に基づいて命令を車両システムに供給し、前記1つまたは複数のセンサが、
前記車両の一部の基材上に装着された圧力感知要素を備え、前記圧力感知要素が、圧力が加えられたときに電気信号を制御器に供給するように構成され、前記制御器が、前記電気信号に基づいて命令を車両システムに供給し、前記圧力感知要素が、前記要素に加えられる圧力の大きさまたは種類に基づいた可変抵抗および可変容量のうちの少なくとも一方を有し、前記電気信号が、可変抵抗および可変容量のうちの少なくとも一方に基づく、感知システム。
【請求項15】
前記センサが、異なる機能のために、または異なる種類のユーザ入力を受けるように構成された複数の圧力ゾーンを備える、請求項14に記載の感知システム。
【請求項16】
前記センサが、全体的に平坦で隆起部分または埋め込み部分を持たないスイッチを備える、請求項14に記載の感知システム。
【請求項17】
前記圧力感知要素に被さるかまたは付着する外皮材料、表示パネル、およびタッチパネルのうちの少なくとも1つをさらに備える、請求項14に記載の感知システム。
【請求項18】
前記圧力感知要素の外周の周りに装着された光源、スピーカおよびアクチュエータのうちの少なくとも1つをさらに備え、光源、スピーカ、およびアクチュエータのうちの前記少なくとも1つが、前記圧力感知要素に与えられる圧力の大きさに基づいて動作するように構成された、請求項14に記載の感知システム。
【請求項19】
前記制御器が、前記電気信号の可変特性を使用して、変化する命令を前記車両システムに供給し、それにより、前記車両システムの作動の大きさが、前記圧力感知要素に加えられる圧力の大きさに基づく、請求項14に記載の感知システム。
【請求項20】
前記センサが、前記ステアリングホイールのハブ、スポーク、またはリムの上に設置される、請求項14に記載の感知システム。
【請求項21】
前記センサが、前記電気信号を受けて前記信号を前記制御器に供給するように構成された一対の電極をさらに備える、請求項14に記載の感知システム。
【請求項22】
基材と、
作動したときに電気信号を制御器に供給するように構成されたセンサとを備え、前記制御器が、前記電気信号に基づいて命令を車両システムに供給し、前記センサが、
前記ステアリングホイールの基材上に装着された圧力感知要素を備え、前記圧力感知要素が、圧力が加えられたときに前記電気信号を供給するように構成され、前記圧力感知要素が、前記要素に加えられた圧力の大きさまたは種類に基づいた可変抵抗および可変容量のうちの少なくとも一方を有し、前記電気信号が、可変抵抗および可変容量のうちの少なくとも一方に基づく、ステアリングホイール。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−213343(P2011−213343A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−75258(P2011−75258)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(506166778)ティーケー ホールディングス,インコーポレーテッド (34)
【Fターム(参考)】