ストリップ形状検出装置およびストリップ形状検出方法
【課題】搬送中のストリップの形状を検出するに際し、耳伸び形状不良等の具体的形状を検出する。
【解決手段】このストリップ形状検出装置は、ストリップをその幅方向にスキャン可能且つ自身のセンサーヘッドからストリップまでの距離を測定することにより耳伸び量を測定可能なレーザー距離計を備えている。そして、このレーザー距離計は、前記耳伸び量を測定する際に、ストリップの移動速度に応じて、ストリップの搬送方向での同一位置についてストリップ幅方向にスキャンするようにストリップ幅方向に対してスキャン方向を傾けて測定する。
【解決手段】このストリップ形状検出装置は、ストリップをその幅方向にスキャン可能且つ自身のセンサーヘッドからストリップまでの距離を測定することにより耳伸び量を測定可能なレーザー距離計を備えている。そして、このレーザー距離計は、前記耳伸び量を測定する際に、ストリップの移動速度に応じて、ストリップの搬送方向での同一位置についてストリップ幅方向にスキャンするようにストリップ幅方向に対してスキャン方向を傾けて測定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷延鋼板を製造する際における品質評価のためのストリップ形状検出装置およびストリップ形状検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ストリップ形状(腹伸び,耳伸び)を検出する方法としては、ストリップを電磁石で吸着しつつ磁気歪を検出する方法や、ロールの表面長手方向にロードセルを複数配置し、ロールに巻きつくストリップの荷重分布からストリップの形状を測定する方法が行われている。
また、スポット型のレーザー距離計を複数用いて、これら複数のレーザー距離計を、ロールでストリップを拘束しない位置に且つ板面垂直方向に配置し、同距離計からの絶対値の変位を測定した後に、信号処理でバタツキ分を相殺するという方法もある(例えば特許文献1参照)。
【0003】
また、レーザー光をストリップの一方向(幅方向)の端部から他方向の端部まで照射し、CCDカメラによってレーザー光の遮断形状を検出しようとする方法では、特許文献2ないし4に記載の技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−071948号公報
【特許文献2】特開平6−273133号公報
【特許文献3】特開2006−38680号公報
【特許文献4】特開2007−18927号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のストリップ形状検出方法のうち、電磁石での吸着や、ロールでストリップを拘束してロール表面での荷重を測定する方法では、これを圧延制御に適用して耳伸びや腹伸びを取り除く上では実用上問題ないものの、このような設備が無い場合に、具体的な耳伸びや腹伸びの大きさを評価する必要があるときはその評価が難しい。
【0006】
例えば、特許文献1記載の技術は、ストリップの伸びの大きさを最も定量的に評価できるものの、複数のレーザー距離計を、エッジ端からの測定位置を異なる幅のストリップに対して一様(一例としてエッジ端から10cmの位置)に維持する必要がある。また、エッジ端の検出を行って距離計群を自動的に位置制御しなければならないため、構造が複雑となる。また、測定ポイントは、複数のスポット型のレーザー距離計相互を、幅方向にある程度の間隔をおかなければならない。そのため、測定によって得られる形状そのものは、各スポット型のレーザー距離計から取得された測定ポイントをつないだ、やや粗い形状しか測定できない。
【0007】
また、特許文献2および特許文献3に記載の技術は、板面に発生した絞り等の形状不良を、ストリップ側のエッジからレーザー光もしくはレーザー平行光を照射し、逆のエッジ側に配した受光器で検出するものであり、ストリップの形状不良部の検出には有効である。しかし、耳伸び形状不良等の具体的形状を検出するには至らず、不十分である。
また、特許文献4は、ストリップ側のエッジからレーザー光もしくはレーザー平行光を、角度を変えて複数照射し、逆のエッジ側に配した受光器で検出するものであり、これにより耳伸びおよび腹伸び形状を捕らえようとしたものであるが、形状不良が大きくなると、その形状不良によって隠れて見えない部分が発生するため、具体的形状を確実に評価する上では上記同様不十分である。
【0008】
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、搬送中のストリップの形状を検出するに際し、耳伸び形状不良等の具体的形状を検出可能なストリップ形状検出装置およびストリップ形状検出方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のうち第一の態様は、搬送中のストリップの形状を検出するストリップ形状検出装置であって、前記ストリップをその幅方向にスキャン可能且つ自身のセンサーヘッドから前記ストリップまでの距離を測定することにより耳伸び量を測定可能なレーザー距離計を備えており、該レーザー距離計は、前記耳伸び量を測定する際に、前記ストリップの移動速度に応じて、前記ストリップの搬送方向での同一位置についてストリップ幅方向にスキャンするようにストリップ幅方向に対してスキャン方向を傾けて測定可能に配置されていることを特徴としている。
【0010】
そして、本発明において、前記レーザー距離計を、ストリップ幅方向に少なくとも2台以上複数配置することは好ましい。なお、各レーザー距離計のスキャン方向を、スキャン速度とライン速度に応じて傾けることは好ましい。この場合に、予めスキャン速度・ライン速度の仕様に基づいて、最大の傾き角度においても傾動によるスキャン範囲にすき間が出ない範囲でオーバーラップをかけるように複数のレーザー距離計を配置しておくのが好ましい。
【0011】
また、本発明のうち第二の態様は、搬送中のストリップの形状を検出する方法であって、前記ストリップをその幅方向にスキャン可能且つ自身のセンサーヘッドから前記ストリップまでの距離を測定することにより耳伸び量を測定可能なレーザー距離計を用いて、前記耳伸び量を測定する際に、前記ストリップの移動速度に応じて、前記ストリップの搬送方向での同一位置についてストリップ幅方向にスキャンするようにストリップ幅方向に対してスキャン方向を傾けて測定することを特徴としている。
【0012】
そして、このレーザー距離計を、前記ストリップ幅方向に2台以上複数配置して測定することは好ましい。なお、各レーザー距離計のスキャン方向を、スキャン速度とライン速度に応じて傾けることは好ましい。この場合に、予めスキャン速度・ライン速度の仕様に基づいて、最大の傾き角度においても傾動によるスキャン範囲にすき間が出ない範囲でオーバーラップをかけるように複数のレーザー距離計を配置することが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るストリップ形状検出装置およびストリップ形状検出方法によれば、搬送中のストリップの形状を検出するに際し、耳伸び形状不良等の具体的形状を検出可能である。
すなわち、本発明によれば、スキャンに費やす微小時間においてもストリップが高速に移動することを考慮して、レーザー距離計で、耳伸び量を測定する際に、ストリップの移動速度に応じて、ストリップの搬送方向での同一位置についてストリップ幅方向にスキャンするようにスキャン方向を傾けて測定するので、静止時の形状と同等の形状をストリップが高速に移動している際にも測定可能であり、また、幅方向にスキャンした距離計データを全て使って詳細形状を捉えることもできる。
【0014】
さらに、本発明において、スキャン型のレーザー距離計を幅方向に等間隔で複数台配置すれば、各レーザー距離計で、連続するストリップのエッジ位置を検出できる。そして、各レーザー距離計が、スキャン型のレーザー距離計であるから、瞬時におけるストリップの形状そのものを検出可能であり、さらに、スキャン型のレーザー距離計を使ってストリップのエッジ位置を検出するので、例えば重量物であるレーザー距離計の架台を幅方向に位置制御することなく、エッジ位置から特定長さ位置での耳伸び量をサンプリングすることができる。そのため、エッジ位置から特定の幅方向位置におけるストリップの耳伸び量を統計的に評価する上で好適である。
【0015】
なお、本発明において、各レーザー距離計のスキャン方向を、スキャン速度とライン速度に応じて傾けるようにすれば、各レーザー距離計で検出したストリップの形状を、ストリップが静止時にエッジに垂直方向のストリップ幅方向にスキャンした形状と同等とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明のストリップ形状検出装置の設置例を模式的に示す斜視図である。
【図2】本発明のストリップ形状検出装置のレーザー距離計取付け部の構成を模式的に示す斜視図である。
【図3】本発明のストリップ形状検出装置の全体構成を模式的に示す図である。
【図4】本発明に係るスキャン型のレーザー距離計によるストリップ形状測定の概念図であり、同図(a)は各レーザー距離計を搬送方向正面から見た図、(b)は(a)の平面図(ストリップ静止時)、(c)は(a)の平面図(ストリップ移動時)のイメージを示す図である。
【図5】ストリップ移動時のストリップ形状(耳伸び)測定において、各レーザー距離計に傾動のない場合の例を示す図((a)〜(d))である。
【図6】ストリップ移動時のストリップ形状(耳伸び)測定において、各レーザー距離計に傾動のない場合のスキャンデータをつなぎ合わせた例を示す図である。
【図7】個々のレーザー距離計を同期回転させ、傾動した例を示す図である。
【図8】ストリップ移動時のストリップ形状(耳伸び)測定において、各レーザー距離計に傾動のある場合の例を示す図((a)〜(d))である。
【図9】ストリップ移動時のストリップ形状(耳伸び)測定において、各レーザー距離計に傾動のある場合のスキャンデータをつなぎ合わせた例を示す図である。
【図10】個々のレーザー距離計を傾動させたときのスキャン範囲の変化を示す図である。
【図11】本発明のストリップ形状検出装置におけるストリップ形状検出処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。
図1に示すように、本発明のストリップ形状検出装置は、連続鋼板ストリップ(以下、「ストリップ」ともいう)11の上方に且つ幅方向に沿って配置されたレーザー距離計取付け部10を有する(同図の例では二組)。このレーザー距離計取付け部10の上流側および下流側には、ストリップ11を支持する複数のロール31がそれぞれ設置されており、これら複数のロール31により、パスラインの振動およびストリップ11自身の重みによるたわみが極力除去されている。一方、上記レーザー距離計取付け部10においては、ストリップ11をフリーにして、その耳伸び形状を拘束することがないようにしている。
【0018】
そして、図2に示すように、レーザー距離計取付け部10内には、ストリップ11の板面までの距離を、スキャンレーザー光2により2次元で測定可能なスキャン型のレーザー距離計1が、ストリップ11幅方向に沿って複数取付けられている。各々のレーザー距離計1は、例えば測定対象であるストリップ11の幅方向に等間隔に配設されている。
そして、図3に、このストリップ形状検出装置の全体構成を示すように、このストリップ形状検出装置は、上記レーザー距離計取付け部10内の複数のレーザー距離計1と、演算装置4と、外部実績収集装置9とを有して構成されている。
【0019】
同図に示すように、上述のように、レーザー距離計取付け部10内には、複数のレーザー距離計1が、測定対象であるストリップ11の幅方向に等間隔に配設されている。さらに、レーザー距離計取付け部10内には、傾動角度出力機構部8が設けられ、各レーザー距離計1は、この傾動角度出力機構部8のサーボモータ7によって回転可能に構成されている。
【0020】
さらに、演算装置4は、データ収集演算部4a、同期出力部4bおよび傾動角度設定部4cを有する。そして、この演算装置4は、その同期出力部4bから同期信号を送出し、この同期信号により、複数のレーザー距離計1相互のスキャンのタイミングを、各レーザー距離計1に設けたコントロール部3によって揃える。
【0021】
演算装置4の傾動角度設定部4cは、ライン速度情報5およびレーザー距離計仕様データ6を取得可能に構成され、その取得されたライン速度情報5およびレーザー距離計仕様データ6に基づいて、各レーザー距離計1に対する傾き角度θを設定する。そして、上記傾動角度設定部4cで設定された傾動角度θの情報に基づいて、傾動角度出力機構部8のサーボモータ7によって各レーザー距離計1を所望の傾動角度θに揃えつつ回転させるようになっている。
【0022】
詳しくは、傾動角度出力機構部8は、各々のレーザー距離計1を連動させつつ回転駆動させるためにサーボモータ7の動力を伝達するリンク機構8aおよび回転盤8bを有する。
一方、各レーザー距離計1はコントロール部3をそれぞれ有し、各コントロール部3は演算装置4のデータ収集演算部4aに必要な信号の授受が可能に接続されている。そして、各レーザー距離計1のコントロール部3は実績データ(ストリップ11の形状データ)を取得し、各レーザー距離計1の実績データは、各コントロール部3から演算装置4のデータ収集演算部4aに取り込まれる。また、各コントロール部3は、各レーザー距離計1におけるスキャンのタイミングが揃うように、同期出力部4bとの同期信号の授受を可能に接続されている。
【0023】
そして、データ収集演算部4aにおいては、ストリップ11のエッジ位置から特定長さ位置xにおける実績データを、毎サンプリングタイミング毎にサンプリングして統計データを生成する。さらに、データ収集演算部4aは、この統計データの生成と同時に、その値の一定期間毎で最大値になった場合などの特定のタイミングにおいて、全データをサンプリングして、ストリップ11の形状そのものを測定する。さらに、演算装置4は、上記外部実績収集装置9に接続され、外部実績収集装置9は、データ収集演算部4aからの実績データ、統計データ、および全データをサンプリングして得られたストリップ11の形状データ等を収集するようになっている。
【0024】
次に、図4を参照しつつ、ストリップ11のエッジ位置からラインセンター方向に向かった特定長さ位置xにおけるストリップ形状を測定する方法について説明する。なお、以下の説明は、ストリップ11のエッジの片側のみについて説明するが、両側をそれぞれ測定することも勿論可能である。
【0025】
ここで、図4以降において、符号Wは、レーザー距離計1のスキャンレーザー光(平面光)2のスキャン基準幅、符号Mは、複数配置するレーザー距離計1の間隔(中心から中心までの距離)、符号θは、スキャンレーザー光2の傾き角度、符号xは、測定する位置(ストリップ11のエッジ位置からラインセンター方向に向かった特定長さ位置)である。また、以下の説明中、符号Nは、レーザー距離計1台における1スキャンあたりのデータ個数である。
【0026】
いま、ストリップエッジを検出したレーザー距離計1が、エッジ側からk0番目であるとする(図4(a)の例で同図左から二番目)。そして、このk0番目のレーザー距離計1内でエッジを検出した位置が該当するレーザー距離計1の中心からラインセンター方向に向かって、yの長さであることを検出したとする。このとき、エッジ位置でストリップ11のない側のレーザー距離計1は、パスラインで既定される距離よりも十分遠い距離しか測定されない(図4(a)の例で同図左から一番目)。そのため、エッジ位置と判定することができる。
【0027】
つまり、エッジ位置を検出したのは、ストリップ幅方向に複数個配置したレーザー距離計1のうち、ストリップエッジ側からk0番目のレーザー距離計1であり、さらに、そのレーザー距離計1のスキャンの中心を0としてラインセンター方向に+yの位置がストリップ11のエッジであったとする。このとき、k0番目のレーザー距離計1がエッジ側からラインセンター方向にサンプリングしたN個の距離データのうち、n(k0)番目であるとすると、次の(式1)に対応するデータがエッジ位置に相当すると判定できる。
n(k0)={(y/W +0.5)×N} ・・・・(式1)
【0028】
次に、測定する位置xにおけるサンプリングデータを抽出するために使用するレーザー距離計1は、ストリップ11のエッジからk番目であるとすると、次の(式2)により求まる。
k=RoundUp{(x+y−M/2)/M}+k0 ・・・・(式2)
(RoundUp:小数点以下を切上げて整数とする)
【0029】
また、測定する位置xを、k番目のレーザー距離計1での位置z(k)に変換するために、k番目のレーザー距離計1のスキャンの中心を0、ラインセンター方向を+として見直すと、次の(式3)となり、k番目のレーザー距離計1がサンプリングしたN個の距離データのうちでは、エッジ側からラインセンター方向にn(k)番目であるとすると、次の(式4)から、n(k)番めの距離データをサンプリングすればよいことになる。
z(k)=(x+y)−M(k−k0) ・・・・(式3)
n(k)={z(k)/W +0.5}×N ・・・・(式4)
【0030】
ここで、本説明において、測定する位置xは1点だけであるが、測定する位置xを2点以上指定することも可能である。なお、本発明においては、スキャン型のレーザー距離計1を使用するため、スキャンした全データを使って、ある特定の瞬時におけるストリップ形状を捉えることも可能である。
【0031】
ここで、各レーザー距離計1のスキャン速度は有限である。そのため、測定対象となる鋼板ストリップ11が高速でライン内を通板される場合、ストリップ面上から見たスキャン方向は、必ずしもストリップ幅方向とは平行(図5(a)参照)とならず、実際には同図(b)〜(d)に示すように、1回スキャンする間にライン速度分のずれが生じることになる。
【0032】
このため、図5に示すように、ストリップ面上から見たスキャン方向をストリップ幅方向と平行に限定した場合は、図6に示すように、各レーザー距離計1でスキャンしたデータをつなぎ合わせても、つなぎ目においては、それぞれライン速度分ずれた位置での距離データとなり、形状としてもつながらないものとなる。なお、図5および図6において、符号13は耳伸び部、符号14−1は、エッジ側から1個目のレーザー距離計が測定する範囲(スキャン範囲)であり、同様に14−2が2個目、14−3が3個目、14−4が4個目、14−5が5個目のレーザー距離計が測定する範囲(スキャン範囲)を意味する。また、符号15−1は、1スキャン開始時のストリップ位置であり、同様に15−2が1スキャン中間時のストリップ位置、15−3が1スキャン終了時のストリップ位置を意味する(以下、図8および図9に示す例において同じ)。
【0033】
そこで、本実施形態の例においては、上述した個々のレーザー距離計1を傾動角度出力機構部8によって、図7に示すように、ライン速度情報に基づいて、レーザー距離計1のスキャン方向を、搬送方向に対して同期回転させることにより、個々のレーザー距離計1のスキャン方向を傾動角度θだけ傾動させている。その結果、図8に示すように、ストリップ面上から見たスキャン方向を傾動角度θだけ傾動させた場合は、各レーザー距離計1で検出したストリップ11の形状は、図9に示すように、各レーザー距離計1でスキャンしたデータをつなぎ合わせると、つなぎ目が連続し、ストリップ形状を静止状態同様に測定することが可能となる。
【0034】
ここで、スキャン方向を傾動させる場合に、各レーザー距離計1の傾動角度θが大きくなると、隣り合うレーザー距離計1の間に測定のすき間が出る可能性がある。そこで、本実施形態では、図10に示すように、予め、スキャン速度・ライン速度の仕様に基づいて、最大の傾き角度においても傾動によるスキャン範囲のすき間dが出ない範囲でオーバーラップをかけるように複数のレーザー距離計1を配置している。なお、同図において符号22−1は、隣接するレーザー距離計1のうち、一方のレーザー距離計1の回転中心を示し、22−2は隣接する他方のレーザー距離計1の回転中心を示している。また、符号21−1は、各レーザー距離計の傾動角度θ=0°のケースのイメージであり、同様に、21−2が0<θのケース1、21−3が0<θのケース2、21−4が0<θのケース3、21−5が0<θのケース4(但し、傾動角度θは、ケース1<ケース2<ケース3<ケース4)のイメージをそれぞれ示している。
【0035】
詳しくは、上記スキャン型のレーザー距離計1のスキャン幅W(mm),スキャン速度(一回のスキャンに要する時間)t(msec.),ライン速度(ストリップの移動速度)L(mpm)、スキャン方向の傾き角度をθとすると、傾動角度θは、次の(式5)となる。
θ=Sin-1(t・L/60W) ・・・(式5)
【0036】
具体的には、概ねスキャン幅W=70mmを、スキャン速度t=1msecでスキャン可能であり、300mpmのストリップを測定するものとすると、傾動角度θは、次の(式5')から、傾動角度θ=4.1°となる。
θ=Sin-1{(1・300)/(60・70)}=4.1° ・・・・(式5')
【0037】
エッジ位置からの距離は、スキャン方向が傾いた場合(図4(c)の例)、y,z(k)を、それぞれスキャン方向の傾き角度θにおける位置であるとすると、上記(1)式〜(4)式は、以下の(式1)、(式2')、(式3')および(式4)により、スキャン方向の傾き角度θに対して一般化することができる。
n(k0)=(y/W +0.5)×N ・・・・(式1)
k =RoundUp{(x+ycosθ−M/2)/M}+k0・・・・(式2')
z(k)={(x+ycosθ)−M(k−k0)}/cosθ ・・・・(式3')
n(k)={z(k)/W +0.5}×N ・・・・(式4)
【0038】
次に、上述のストリップ形状検出装置でのストリップ形状検出処理について説明する。なお、図11に本発明のストリップ形状検出装置におけるストリップ形状検出処理のフローチャートを示す。このストリップ形状検出処理は、主に上記演算装置4のデータ収集演算部4aおよび同期出力部4bで実行する。
【0039】
詳しくは、測定開始後、演算装置4ではストリップ形状検出処理が実行されて、図11に示すように、ステップS41に移行し、まず、レーザー距離計1のスキャン方向の傾き角度θを上記(式5)により決定する。
次いで、ステップS42に移行して、ストリップ11の幅方向に配置した複数のレーザー距離計1のそれぞれを傾動角度設定部4cで設定された傾動角度θの情報に基づき回転させたうえで、同期出力部4bからの同期信号によりスキャンのタイミングを揃えて個々のレーザー距離計1によってストリップ11をその幅方向にスキャンしながら測定する。
【0040】
このとき、複数のレーザー距離計1のうち、パスラインまでの距離よりも十分大きな距離を測定している範囲はストリップ11が存在しない範囲と判定できる。そのため、そうでない範囲との境界がストリップエッジであると判定できる。そして、このような境界のある距離データを測定したレーザー距離計1が、k0番目に対応するレーザー距離計1であり、境界データが(式1)のn(k0)番目のデータであると判定することができる。
【0041】
次いで、ステップS43では、エッジから特定長さ位置(x)のデータは、どのレーザー距離計1の何個目のデータであるかを、上記(式2)',(式3)',(式4)の各式によって、n(k)を求めておく。そして、ステップS44では、ステップS43で求めたn(k)番目の距離データ(a)を測定周期毎に保存する。この距離データは測定区間(例えばストリップ進行100m)通過毎に、耳伸びの最大値・平均値,耳伸びの個数の予測等統計処理演算に使用する。
【0042】
続くステップS45では、n(k)番目のデータ(a)の絶対値がしきい値αよりも大きいか否かの判定を行う。n(k)番めのデータ(a)がしきい値αよりも小さい場合(No)は耳伸びが小さいことを示すため、そのままサンプリングデータの取り込みに戻る。一方、n(k)番めのデータがしきい値αよりも大きい場合(Yes)には耳伸びの大きいことを示すため、ステップS46に移行する。
【0043】
ステップS46では、一例として、さらに測定値がある測定時間内において最大であった場合(Yes)にはステップS47の処理を実施し、それ以外(No)は処理をステップS41に戻してサンプリングデータの取り込みを継続する。ステップS47では、ストリップ面全体のスキャンデータを全て保存する。これは、ステップS45、ステップS46を満たした条件において、その瞬間の耳伸び形状を可視化するためのものである。
【0044】
ステップS48では、ステップS47の判定に利用したMax値のデータを更新し、続くステップS49では測定区間(例えばストリップ進行100m)が終了(Yes)であれば、ステップS50に移行し、それ以外(No)は処理をステップS41に戻す。ステップS50では、データを別の場所に格納した後に一旦クリアし、続くステップS51では、測定終了の指示の有無を判定し、測定終了の指示があれば(Yes)本ストリップ形状検出処理を終了し、それ以外(No)は処理をステップS41に戻す。
【0045】
次に、このストリップ形状検出装置の作用・効果について説明する。
このストリップ形状検出装置によれば、搬送中のストリップ11の形状を検出するに際し、耳伸び形状不良等の具体的形状を検出することができる。
【0046】
すなわち、上述したように、このストリップ形状検出装置におけるレーザー距離計1では、そのスキャンレーザー光(平面光)2をある一方向にスキャンする場合と、コリメートレンズで拡幅したレーザー光2の光影をスキャン的にデータ採取する場合とが考えられるが、ある測定区間における耳伸びが最大であるといった特定のサンプリングタイミングにおいて、全幅方向のデータから、ストリップ11の形状を表現しようとすると、上述したように、例えば図5ないし6に示すように、高速で移動するストリップ11を斜めに傾いた方向にスキャンすることになる。そのため、この場合には実際の形状とは異なったものになってしまう。この点において、本実施形態によれば、ストリップ11の移動速度、即ちライン速度に応じてスキャン方向を傾動角度θだけ傾ける構造としており、さらに各々のレーザー距離計1を相互に同期を取る構成としているので、ストリップ11の瞬時の形状を検出することができる。なお、この内容は、データ処理の負荷の許す範囲で、任意のタイミングで検出可能である。
【0047】
また、このストリップ形状検出装置において、スポット型でなく、スキャン型のレーザー距離計1を、ストリップ11の幅方向に等間隔で複数台並べた場合、エッジ端位置検出を同時に行うことで、距離計群を装備する架台全体を幅方向に位置制御する機能を省略することができる。
そして、このストリップ形状検出装置において、ストリップエッジ位置を含む幅方向にスキャンするレーザー距離計1を複数配置した場合、距離計センサーからストリップ11の表面までの距離を幅方向にすき間なく測定可能なので、ストリップ11の幅に関わらず、ストリップエッジの片側もしくは両側において、1点ないし2点以上の位置での耳伸び量として統計的に評価することができる。
【0048】
以上説明したように、このストリップ形状検出装置およびこれを用いたストリップ形状検出方法によれば、搬送中のストリップの形状を検出するに際し、耳伸び形状不良等の具体的形状を検出することができる。
なお、本発明に係るストリップ形状検出装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、測定が必要な領域が狭ければ、レーザー距離計1は一台でもよく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能なことは勿論である。
【符号の説明】
【0049】
1 レーザー距離計(センサー部)
2 (レーザー距離計の)スキャンレーザー光(平面光)
3 レーザー距離計の)コントロール部
4 演算装置
4a (演算装置の)データ収集演算部
4b (演算装置の)同期出力部
4c (演算装置の)傾動角度設定部
5 ライン速度情報
6 レーザー距離計仕様情報
7 サーボモータ
8 傾動角度出力機構部
8a リンク機構
8b 回転盤
9 外部実績収集装置
10 レーザー距離計取付け部
11 連続鋼板ストリップ(測定対象)
13 (ストリップの)耳伸び部
14−1 エッジ側から1個目のレーザー距離計が測定する範囲(スキャン範囲)
14−2 同上2個目
14−3 同上3個目
14−4 同上4個目
14−5 同上5個目
15−1 1スキャン開始時のストリップ位置
15−2 1スキャン中間時のストリップ位置
15−3 1スキャン終了時のストリップ位置
21−1 レーザー距離計の傾動角度θ=0°のケース
21−2 0<θのケース1
21−3 0<θのケース2
21−4 0<θのケース3
21−5 0<θのケース4
22−1 隣接する一方のレーザー距離計の回転中心
22−2 隣接する他方のレーザー距離計の回転中心
31 ロール
d 傾動によるスキャン範囲のすき間
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷延鋼板を製造する際における品質評価のためのストリップ形状検出装置およびストリップ形状検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ストリップ形状(腹伸び,耳伸び)を検出する方法としては、ストリップを電磁石で吸着しつつ磁気歪を検出する方法や、ロールの表面長手方向にロードセルを複数配置し、ロールに巻きつくストリップの荷重分布からストリップの形状を測定する方法が行われている。
また、スポット型のレーザー距離計を複数用いて、これら複数のレーザー距離計を、ロールでストリップを拘束しない位置に且つ板面垂直方向に配置し、同距離計からの絶対値の変位を測定した後に、信号処理でバタツキ分を相殺するという方法もある(例えば特許文献1参照)。
【0003】
また、レーザー光をストリップの一方向(幅方向)の端部から他方向の端部まで照射し、CCDカメラによってレーザー光の遮断形状を検出しようとする方法では、特許文献2ないし4に記載の技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−071948号公報
【特許文献2】特開平6−273133号公報
【特許文献3】特開2006−38680号公報
【特許文献4】特開2007−18927号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のストリップ形状検出方法のうち、電磁石での吸着や、ロールでストリップを拘束してロール表面での荷重を測定する方法では、これを圧延制御に適用して耳伸びや腹伸びを取り除く上では実用上問題ないものの、このような設備が無い場合に、具体的な耳伸びや腹伸びの大きさを評価する必要があるときはその評価が難しい。
【0006】
例えば、特許文献1記載の技術は、ストリップの伸びの大きさを最も定量的に評価できるものの、複数のレーザー距離計を、エッジ端からの測定位置を異なる幅のストリップに対して一様(一例としてエッジ端から10cmの位置)に維持する必要がある。また、エッジ端の検出を行って距離計群を自動的に位置制御しなければならないため、構造が複雑となる。また、測定ポイントは、複数のスポット型のレーザー距離計相互を、幅方向にある程度の間隔をおかなければならない。そのため、測定によって得られる形状そのものは、各スポット型のレーザー距離計から取得された測定ポイントをつないだ、やや粗い形状しか測定できない。
【0007】
また、特許文献2および特許文献3に記載の技術は、板面に発生した絞り等の形状不良を、ストリップ側のエッジからレーザー光もしくはレーザー平行光を照射し、逆のエッジ側に配した受光器で検出するものであり、ストリップの形状不良部の検出には有効である。しかし、耳伸び形状不良等の具体的形状を検出するには至らず、不十分である。
また、特許文献4は、ストリップ側のエッジからレーザー光もしくはレーザー平行光を、角度を変えて複数照射し、逆のエッジ側に配した受光器で検出するものであり、これにより耳伸びおよび腹伸び形状を捕らえようとしたものであるが、形状不良が大きくなると、その形状不良によって隠れて見えない部分が発生するため、具体的形状を確実に評価する上では上記同様不十分である。
【0008】
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、搬送中のストリップの形状を検出するに際し、耳伸び形状不良等の具体的形状を検出可能なストリップ形状検出装置およびストリップ形状検出方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のうち第一の態様は、搬送中のストリップの形状を検出するストリップ形状検出装置であって、前記ストリップをその幅方向にスキャン可能且つ自身のセンサーヘッドから前記ストリップまでの距離を測定することにより耳伸び量を測定可能なレーザー距離計を備えており、該レーザー距離計は、前記耳伸び量を測定する際に、前記ストリップの移動速度に応じて、前記ストリップの搬送方向での同一位置についてストリップ幅方向にスキャンするようにストリップ幅方向に対してスキャン方向を傾けて測定可能に配置されていることを特徴としている。
【0010】
そして、本発明において、前記レーザー距離計を、ストリップ幅方向に少なくとも2台以上複数配置することは好ましい。なお、各レーザー距離計のスキャン方向を、スキャン速度とライン速度に応じて傾けることは好ましい。この場合に、予めスキャン速度・ライン速度の仕様に基づいて、最大の傾き角度においても傾動によるスキャン範囲にすき間が出ない範囲でオーバーラップをかけるように複数のレーザー距離計を配置しておくのが好ましい。
【0011】
また、本発明のうち第二の態様は、搬送中のストリップの形状を検出する方法であって、前記ストリップをその幅方向にスキャン可能且つ自身のセンサーヘッドから前記ストリップまでの距離を測定することにより耳伸び量を測定可能なレーザー距離計を用いて、前記耳伸び量を測定する際に、前記ストリップの移動速度に応じて、前記ストリップの搬送方向での同一位置についてストリップ幅方向にスキャンするようにストリップ幅方向に対してスキャン方向を傾けて測定することを特徴としている。
【0012】
そして、このレーザー距離計を、前記ストリップ幅方向に2台以上複数配置して測定することは好ましい。なお、各レーザー距離計のスキャン方向を、スキャン速度とライン速度に応じて傾けることは好ましい。この場合に、予めスキャン速度・ライン速度の仕様に基づいて、最大の傾き角度においても傾動によるスキャン範囲にすき間が出ない範囲でオーバーラップをかけるように複数のレーザー距離計を配置することが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るストリップ形状検出装置およびストリップ形状検出方法によれば、搬送中のストリップの形状を検出するに際し、耳伸び形状不良等の具体的形状を検出可能である。
すなわち、本発明によれば、スキャンに費やす微小時間においてもストリップが高速に移動することを考慮して、レーザー距離計で、耳伸び量を測定する際に、ストリップの移動速度に応じて、ストリップの搬送方向での同一位置についてストリップ幅方向にスキャンするようにスキャン方向を傾けて測定するので、静止時の形状と同等の形状をストリップが高速に移動している際にも測定可能であり、また、幅方向にスキャンした距離計データを全て使って詳細形状を捉えることもできる。
【0014】
さらに、本発明において、スキャン型のレーザー距離計を幅方向に等間隔で複数台配置すれば、各レーザー距離計で、連続するストリップのエッジ位置を検出できる。そして、各レーザー距離計が、スキャン型のレーザー距離計であるから、瞬時におけるストリップの形状そのものを検出可能であり、さらに、スキャン型のレーザー距離計を使ってストリップのエッジ位置を検出するので、例えば重量物であるレーザー距離計の架台を幅方向に位置制御することなく、エッジ位置から特定長さ位置での耳伸び量をサンプリングすることができる。そのため、エッジ位置から特定の幅方向位置におけるストリップの耳伸び量を統計的に評価する上で好適である。
【0015】
なお、本発明において、各レーザー距離計のスキャン方向を、スキャン速度とライン速度に応じて傾けるようにすれば、各レーザー距離計で検出したストリップの形状を、ストリップが静止時にエッジに垂直方向のストリップ幅方向にスキャンした形状と同等とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明のストリップ形状検出装置の設置例を模式的に示す斜視図である。
【図2】本発明のストリップ形状検出装置のレーザー距離計取付け部の構成を模式的に示す斜視図である。
【図3】本発明のストリップ形状検出装置の全体構成を模式的に示す図である。
【図4】本発明に係るスキャン型のレーザー距離計によるストリップ形状測定の概念図であり、同図(a)は各レーザー距離計を搬送方向正面から見た図、(b)は(a)の平面図(ストリップ静止時)、(c)は(a)の平面図(ストリップ移動時)のイメージを示す図である。
【図5】ストリップ移動時のストリップ形状(耳伸び)測定において、各レーザー距離計に傾動のない場合の例を示す図((a)〜(d))である。
【図6】ストリップ移動時のストリップ形状(耳伸び)測定において、各レーザー距離計に傾動のない場合のスキャンデータをつなぎ合わせた例を示す図である。
【図7】個々のレーザー距離計を同期回転させ、傾動した例を示す図である。
【図8】ストリップ移動時のストリップ形状(耳伸び)測定において、各レーザー距離計に傾動のある場合の例を示す図((a)〜(d))である。
【図9】ストリップ移動時のストリップ形状(耳伸び)測定において、各レーザー距離計に傾動のある場合のスキャンデータをつなぎ合わせた例を示す図である。
【図10】個々のレーザー距離計を傾動させたときのスキャン範囲の変化を示す図である。
【図11】本発明のストリップ形状検出装置におけるストリップ形状検出処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。
図1に示すように、本発明のストリップ形状検出装置は、連続鋼板ストリップ(以下、「ストリップ」ともいう)11の上方に且つ幅方向に沿って配置されたレーザー距離計取付け部10を有する(同図の例では二組)。このレーザー距離計取付け部10の上流側および下流側には、ストリップ11を支持する複数のロール31がそれぞれ設置されており、これら複数のロール31により、パスラインの振動およびストリップ11自身の重みによるたわみが極力除去されている。一方、上記レーザー距離計取付け部10においては、ストリップ11をフリーにして、その耳伸び形状を拘束することがないようにしている。
【0018】
そして、図2に示すように、レーザー距離計取付け部10内には、ストリップ11の板面までの距離を、スキャンレーザー光2により2次元で測定可能なスキャン型のレーザー距離計1が、ストリップ11幅方向に沿って複数取付けられている。各々のレーザー距離計1は、例えば測定対象であるストリップ11の幅方向に等間隔に配設されている。
そして、図3に、このストリップ形状検出装置の全体構成を示すように、このストリップ形状検出装置は、上記レーザー距離計取付け部10内の複数のレーザー距離計1と、演算装置4と、外部実績収集装置9とを有して構成されている。
【0019】
同図に示すように、上述のように、レーザー距離計取付け部10内には、複数のレーザー距離計1が、測定対象であるストリップ11の幅方向に等間隔に配設されている。さらに、レーザー距離計取付け部10内には、傾動角度出力機構部8が設けられ、各レーザー距離計1は、この傾動角度出力機構部8のサーボモータ7によって回転可能に構成されている。
【0020】
さらに、演算装置4は、データ収集演算部4a、同期出力部4bおよび傾動角度設定部4cを有する。そして、この演算装置4は、その同期出力部4bから同期信号を送出し、この同期信号により、複数のレーザー距離計1相互のスキャンのタイミングを、各レーザー距離計1に設けたコントロール部3によって揃える。
【0021】
演算装置4の傾動角度設定部4cは、ライン速度情報5およびレーザー距離計仕様データ6を取得可能に構成され、その取得されたライン速度情報5およびレーザー距離計仕様データ6に基づいて、各レーザー距離計1に対する傾き角度θを設定する。そして、上記傾動角度設定部4cで設定された傾動角度θの情報に基づいて、傾動角度出力機構部8のサーボモータ7によって各レーザー距離計1を所望の傾動角度θに揃えつつ回転させるようになっている。
【0022】
詳しくは、傾動角度出力機構部8は、各々のレーザー距離計1を連動させつつ回転駆動させるためにサーボモータ7の動力を伝達するリンク機構8aおよび回転盤8bを有する。
一方、各レーザー距離計1はコントロール部3をそれぞれ有し、各コントロール部3は演算装置4のデータ収集演算部4aに必要な信号の授受が可能に接続されている。そして、各レーザー距離計1のコントロール部3は実績データ(ストリップ11の形状データ)を取得し、各レーザー距離計1の実績データは、各コントロール部3から演算装置4のデータ収集演算部4aに取り込まれる。また、各コントロール部3は、各レーザー距離計1におけるスキャンのタイミングが揃うように、同期出力部4bとの同期信号の授受を可能に接続されている。
【0023】
そして、データ収集演算部4aにおいては、ストリップ11のエッジ位置から特定長さ位置xにおける実績データを、毎サンプリングタイミング毎にサンプリングして統計データを生成する。さらに、データ収集演算部4aは、この統計データの生成と同時に、その値の一定期間毎で最大値になった場合などの特定のタイミングにおいて、全データをサンプリングして、ストリップ11の形状そのものを測定する。さらに、演算装置4は、上記外部実績収集装置9に接続され、外部実績収集装置9は、データ収集演算部4aからの実績データ、統計データ、および全データをサンプリングして得られたストリップ11の形状データ等を収集するようになっている。
【0024】
次に、図4を参照しつつ、ストリップ11のエッジ位置からラインセンター方向に向かった特定長さ位置xにおけるストリップ形状を測定する方法について説明する。なお、以下の説明は、ストリップ11のエッジの片側のみについて説明するが、両側をそれぞれ測定することも勿論可能である。
【0025】
ここで、図4以降において、符号Wは、レーザー距離計1のスキャンレーザー光(平面光)2のスキャン基準幅、符号Mは、複数配置するレーザー距離計1の間隔(中心から中心までの距離)、符号θは、スキャンレーザー光2の傾き角度、符号xは、測定する位置(ストリップ11のエッジ位置からラインセンター方向に向かった特定長さ位置)である。また、以下の説明中、符号Nは、レーザー距離計1台における1スキャンあたりのデータ個数である。
【0026】
いま、ストリップエッジを検出したレーザー距離計1が、エッジ側からk0番目であるとする(図4(a)の例で同図左から二番目)。そして、このk0番目のレーザー距離計1内でエッジを検出した位置が該当するレーザー距離計1の中心からラインセンター方向に向かって、yの長さであることを検出したとする。このとき、エッジ位置でストリップ11のない側のレーザー距離計1は、パスラインで既定される距離よりも十分遠い距離しか測定されない(図4(a)の例で同図左から一番目)。そのため、エッジ位置と判定することができる。
【0027】
つまり、エッジ位置を検出したのは、ストリップ幅方向に複数個配置したレーザー距離計1のうち、ストリップエッジ側からk0番目のレーザー距離計1であり、さらに、そのレーザー距離計1のスキャンの中心を0としてラインセンター方向に+yの位置がストリップ11のエッジであったとする。このとき、k0番目のレーザー距離計1がエッジ側からラインセンター方向にサンプリングしたN個の距離データのうち、n(k0)番目であるとすると、次の(式1)に対応するデータがエッジ位置に相当すると判定できる。
n(k0)={(y/W +0.5)×N} ・・・・(式1)
【0028】
次に、測定する位置xにおけるサンプリングデータを抽出するために使用するレーザー距離計1は、ストリップ11のエッジからk番目であるとすると、次の(式2)により求まる。
k=RoundUp{(x+y−M/2)/M}+k0 ・・・・(式2)
(RoundUp:小数点以下を切上げて整数とする)
【0029】
また、測定する位置xを、k番目のレーザー距離計1での位置z(k)に変換するために、k番目のレーザー距離計1のスキャンの中心を0、ラインセンター方向を+として見直すと、次の(式3)となり、k番目のレーザー距離計1がサンプリングしたN個の距離データのうちでは、エッジ側からラインセンター方向にn(k)番目であるとすると、次の(式4)から、n(k)番めの距離データをサンプリングすればよいことになる。
z(k)=(x+y)−M(k−k0) ・・・・(式3)
n(k)={z(k)/W +0.5}×N ・・・・(式4)
【0030】
ここで、本説明において、測定する位置xは1点だけであるが、測定する位置xを2点以上指定することも可能である。なお、本発明においては、スキャン型のレーザー距離計1を使用するため、スキャンした全データを使って、ある特定の瞬時におけるストリップ形状を捉えることも可能である。
【0031】
ここで、各レーザー距離計1のスキャン速度は有限である。そのため、測定対象となる鋼板ストリップ11が高速でライン内を通板される場合、ストリップ面上から見たスキャン方向は、必ずしもストリップ幅方向とは平行(図5(a)参照)とならず、実際には同図(b)〜(d)に示すように、1回スキャンする間にライン速度分のずれが生じることになる。
【0032】
このため、図5に示すように、ストリップ面上から見たスキャン方向をストリップ幅方向と平行に限定した場合は、図6に示すように、各レーザー距離計1でスキャンしたデータをつなぎ合わせても、つなぎ目においては、それぞれライン速度分ずれた位置での距離データとなり、形状としてもつながらないものとなる。なお、図5および図6において、符号13は耳伸び部、符号14−1は、エッジ側から1個目のレーザー距離計が測定する範囲(スキャン範囲)であり、同様に14−2が2個目、14−3が3個目、14−4が4個目、14−5が5個目のレーザー距離計が測定する範囲(スキャン範囲)を意味する。また、符号15−1は、1スキャン開始時のストリップ位置であり、同様に15−2が1スキャン中間時のストリップ位置、15−3が1スキャン終了時のストリップ位置を意味する(以下、図8および図9に示す例において同じ)。
【0033】
そこで、本実施形態の例においては、上述した個々のレーザー距離計1を傾動角度出力機構部8によって、図7に示すように、ライン速度情報に基づいて、レーザー距離計1のスキャン方向を、搬送方向に対して同期回転させることにより、個々のレーザー距離計1のスキャン方向を傾動角度θだけ傾動させている。その結果、図8に示すように、ストリップ面上から見たスキャン方向を傾動角度θだけ傾動させた場合は、各レーザー距離計1で検出したストリップ11の形状は、図9に示すように、各レーザー距離計1でスキャンしたデータをつなぎ合わせると、つなぎ目が連続し、ストリップ形状を静止状態同様に測定することが可能となる。
【0034】
ここで、スキャン方向を傾動させる場合に、各レーザー距離計1の傾動角度θが大きくなると、隣り合うレーザー距離計1の間に測定のすき間が出る可能性がある。そこで、本実施形態では、図10に示すように、予め、スキャン速度・ライン速度の仕様に基づいて、最大の傾き角度においても傾動によるスキャン範囲のすき間dが出ない範囲でオーバーラップをかけるように複数のレーザー距離計1を配置している。なお、同図において符号22−1は、隣接するレーザー距離計1のうち、一方のレーザー距離計1の回転中心を示し、22−2は隣接する他方のレーザー距離計1の回転中心を示している。また、符号21−1は、各レーザー距離計の傾動角度θ=0°のケースのイメージであり、同様に、21−2が0<θのケース1、21−3が0<θのケース2、21−4が0<θのケース3、21−5が0<θのケース4(但し、傾動角度θは、ケース1<ケース2<ケース3<ケース4)のイメージをそれぞれ示している。
【0035】
詳しくは、上記スキャン型のレーザー距離計1のスキャン幅W(mm),スキャン速度(一回のスキャンに要する時間)t(msec.),ライン速度(ストリップの移動速度)L(mpm)、スキャン方向の傾き角度をθとすると、傾動角度θは、次の(式5)となる。
θ=Sin-1(t・L/60W) ・・・(式5)
【0036】
具体的には、概ねスキャン幅W=70mmを、スキャン速度t=1msecでスキャン可能であり、300mpmのストリップを測定するものとすると、傾動角度θは、次の(式5')から、傾動角度θ=4.1°となる。
θ=Sin-1{(1・300)/(60・70)}=4.1° ・・・・(式5')
【0037】
エッジ位置からの距離は、スキャン方向が傾いた場合(図4(c)の例)、y,z(k)を、それぞれスキャン方向の傾き角度θにおける位置であるとすると、上記(1)式〜(4)式は、以下の(式1)、(式2')、(式3')および(式4)により、スキャン方向の傾き角度θに対して一般化することができる。
n(k0)=(y/W +0.5)×N ・・・・(式1)
k =RoundUp{(x+ycosθ−M/2)/M}+k0・・・・(式2')
z(k)={(x+ycosθ)−M(k−k0)}/cosθ ・・・・(式3')
n(k)={z(k)/W +0.5}×N ・・・・(式4)
【0038】
次に、上述のストリップ形状検出装置でのストリップ形状検出処理について説明する。なお、図11に本発明のストリップ形状検出装置におけるストリップ形状検出処理のフローチャートを示す。このストリップ形状検出処理は、主に上記演算装置4のデータ収集演算部4aおよび同期出力部4bで実行する。
【0039】
詳しくは、測定開始後、演算装置4ではストリップ形状検出処理が実行されて、図11に示すように、ステップS41に移行し、まず、レーザー距離計1のスキャン方向の傾き角度θを上記(式5)により決定する。
次いで、ステップS42に移行して、ストリップ11の幅方向に配置した複数のレーザー距離計1のそれぞれを傾動角度設定部4cで設定された傾動角度θの情報に基づき回転させたうえで、同期出力部4bからの同期信号によりスキャンのタイミングを揃えて個々のレーザー距離計1によってストリップ11をその幅方向にスキャンしながら測定する。
【0040】
このとき、複数のレーザー距離計1のうち、パスラインまでの距離よりも十分大きな距離を測定している範囲はストリップ11が存在しない範囲と判定できる。そのため、そうでない範囲との境界がストリップエッジであると判定できる。そして、このような境界のある距離データを測定したレーザー距離計1が、k0番目に対応するレーザー距離計1であり、境界データが(式1)のn(k0)番目のデータであると判定することができる。
【0041】
次いで、ステップS43では、エッジから特定長さ位置(x)のデータは、どのレーザー距離計1の何個目のデータであるかを、上記(式2)',(式3)',(式4)の各式によって、n(k)を求めておく。そして、ステップS44では、ステップS43で求めたn(k)番目の距離データ(a)を測定周期毎に保存する。この距離データは測定区間(例えばストリップ進行100m)通過毎に、耳伸びの最大値・平均値,耳伸びの個数の予測等統計処理演算に使用する。
【0042】
続くステップS45では、n(k)番目のデータ(a)の絶対値がしきい値αよりも大きいか否かの判定を行う。n(k)番めのデータ(a)がしきい値αよりも小さい場合(No)は耳伸びが小さいことを示すため、そのままサンプリングデータの取り込みに戻る。一方、n(k)番めのデータがしきい値αよりも大きい場合(Yes)には耳伸びの大きいことを示すため、ステップS46に移行する。
【0043】
ステップS46では、一例として、さらに測定値がある測定時間内において最大であった場合(Yes)にはステップS47の処理を実施し、それ以外(No)は処理をステップS41に戻してサンプリングデータの取り込みを継続する。ステップS47では、ストリップ面全体のスキャンデータを全て保存する。これは、ステップS45、ステップS46を満たした条件において、その瞬間の耳伸び形状を可視化するためのものである。
【0044】
ステップS48では、ステップS47の判定に利用したMax値のデータを更新し、続くステップS49では測定区間(例えばストリップ進行100m)が終了(Yes)であれば、ステップS50に移行し、それ以外(No)は処理をステップS41に戻す。ステップS50では、データを別の場所に格納した後に一旦クリアし、続くステップS51では、測定終了の指示の有無を判定し、測定終了の指示があれば(Yes)本ストリップ形状検出処理を終了し、それ以外(No)は処理をステップS41に戻す。
【0045】
次に、このストリップ形状検出装置の作用・効果について説明する。
このストリップ形状検出装置によれば、搬送中のストリップ11の形状を検出するに際し、耳伸び形状不良等の具体的形状を検出することができる。
【0046】
すなわち、上述したように、このストリップ形状検出装置におけるレーザー距離計1では、そのスキャンレーザー光(平面光)2をある一方向にスキャンする場合と、コリメートレンズで拡幅したレーザー光2の光影をスキャン的にデータ採取する場合とが考えられるが、ある測定区間における耳伸びが最大であるといった特定のサンプリングタイミングにおいて、全幅方向のデータから、ストリップ11の形状を表現しようとすると、上述したように、例えば図5ないし6に示すように、高速で移動するストリップ11を斜めに傾いた方向にスキャンすることになる。そのため、この場合には実際の形状とは異なったものになってしまう。この点において、本実施形態によれば、ストリップ11の移動速度、即ちライン速度に応じてスキャン方向を傾動角度θだけ傾ける構造としており、さらに各々のレーザー距離計1を相互に同期を取る構成としているので、ストリップ11の瞬時の形状を検出することができる。なお、この内容は、データ処理の負荷の許す範囲で、任意のタイミングで検出可能である。
【0047】
また、このストリップ形状検出装置において、スポット型でなく、スキャン型のレーザー距離計1を、ストリップ11の幅方向に等間隔で複数台並べた場合、エッジ端位置検出を同時に行うことで、距離計群を装備する架台全体を幅方向に位置制御する機能を省略することができる。
そして、このストリップ形状検出装置において、ストリップエッジ位置を含む幅方向にスキャンするレーザー距離計1を複数配置した場合、距離計センサーからストリップ11の表面までの距離を幅方向にすき間なく測定可能なので、ストリップ11の幅に関わらず、ストリップエッジの片側もしくは両側において、1点ないし2点以上の位置での耳伸び量として統計的に評価することができる。
【0048】
以上説明したように、このストリップ形状検出装置およびこれを用いたストリップ形状検出方法によれば、搬送中のストリップの形状を検出するに際し、耳伸び形状不良等の具体的形状を検出することができる。
なお、本発明に係るストリップ形状検出装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、測定が必要な領域が狭ければ、レーザー距離計1は一台でもよく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能なことは勿論である。
【符号の説明】
【0049】
1 レーザー距離計(センサー部)
2 (レーザー距離計の)スキャンレーザー光(平面光)
3 レーザー距離計の)コントロール部
4 演算装置
4a (演算装置の)データ収集演算部
4b (演算装置の)同期出力部
4c (演算装置の)傾動角度設定部
5 ライン速度情報
6 レーザー距離計仕様情報
7 サーボモータ
8 傾動角度出力機構部
8a リンク機構
8b 回転盤
9 外部実績収集装置
10 レーザー距離計取付け部
11 連続鋼板ストリップ(測定対象)
13 (ストリップの)耳伸び部
14−1 エッジ側から1個目のレーザー距離計が測定する範囲(スキャン範囲)
14−2 同上2個目
14−3 同上3個目
14−4 同上4個目
14−5 同上5個目
15−1 1スキャン開始時のストリップ位置
15−2 1スキャン中間時のストリップ位置
15−3 1スキャン終了時のストリップ位置
21−1 レーザー距離計の傾動角度θ=0°のケース
21−2 0<θのケース1
21−3 0<θのケース2
21−4 0<θのケース3
21−5 0<θのケース4
22−1 隣接する一方のレーザー距離計の回転中心
22−2 隣接する他方のレーザー距離計の回転中心
31 ロール
d 傾動によるスキャン範囲のすき間
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送中のストリップの形状を検出するストリップ形状検出装置であって、
前記ストリップをその幅方向にスキャン可能且つ自身のセンサーヘッドから前記ストリップまでの距離を測定することにより耳伸び量を測定可能なレーザー距離計を備え、該レーザー距離計は、前記耳伸び量を測定する際に、前記ストリップの移動速度に応じて、前記ストリップの搬送方向での同一位置についてストリップ幅方向にスキャンするようにストリップ幅方向に対してスキャン方向を傾けて測定可能に配置されていることを特徴とするストリップ形状検出装置。
【請求項2】
前記レーザー距離計は、ストリップ幅方向に少なくとも2台以上が配置されていることを特徴とする請求項1に記載のストリップ形状検出装置。
【請求項3】
搬送中のストリップの形状を検出する方法であって、
前記ストリップをその幅方向にスキャン可能且つ自身のセンサーヘッドから前記ストリップまでの距離を測定することにより耳伸び量を測定可能なレーザー距離計を用いて、前記耳伸び量を測定する際に、前記ストリップの移動速度に応じて、前記ストリップの搬送方向での同一位置についてストリップ幅方向にスキャンするようにストリップ幅方向に対してスキャン方向を傾けて測定することを特徴とするストリップ形状検出方法。
【請求項4】
前記レーザー距離計を、ストリップ幅方向に少なくとも2台以上配置することを特徴とする請求項3に記載のストリップ形状検出方法。
【請求項1】
搬送中のストリップの形状を検出するストリップ形状検出装置であって、
前記ストリップをその幅方向にスキャン可能且つ自身のセンサーヘッドから前記ストリップまでの距離を測定することにより耳伸び量を測定可能なレーザー距離計を備え、該レーザー距離計は、前記耳伸び量を測定する際に、前記ストリップの移動速度に応じて、前記ストリップの搬送方向での同一位置についてストリップ幅方向にスキャンするようにストリップ幅方向に対してスキャン方向を傾けて測定可能に配置されていることを特徴とするストリップ形状検出装置。
【請求項2】
前記レーザー距離計は、ストリップ幅方向に少なくとも2台以上が配置されていることを特徴とする請求項1に記載のストリップ形状検出装置。
【請求項3】
搬送中のストリップの形状を検出する方法であって、
前記ストリップをその幅方向にスキャン可能且つ自身のセンサーヘッドから前記ストリップまでの距離を測定することにより耳伸び量を測定可能なレーザー距離計を用いて、前記耳伸び量を測定する際に、前記ストリップの移動速度に応じて、前記ストリップの搬送方向での同一位置についてストリップ幅方向にスキャンするようにストリップ幅方向に対してスキャン方向を傾けて測定することを特徴とするストリップ形状検出方法。
【請求項4】
前記レーザー距離計を、ストリップ幅方向に少なくとも2台以上配置することを特徴とする請求項3に記載のストリップ形状検出方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−243248(P2010−243248A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−90204(P2009−90204)
【出願日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【Fターム(参考)】
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