説明

スパイラル接触子および前記スパイラル接触子を備えた接続装置

【課題】 単位面積当たりの実装密度を高めることができるとともに、大きなばね定数を有するスパイラル接触子およびこれを備えたコンタクトシート等を提供する。
【解決手段】 支持部11は巻き始端部12a側にのみに設けられており、それ以外の変形部12の外側は開放領域となっているため、隣り合うスパイラル接触子10どうしを近接させた状態で配置することが可能となる。よって、ガイドフレーム21上のスパイラル接触子10の実装密度を高めることが可能となる。しかも前記開放領域にも変形部12を配置することができるため、変形部12の幅寸法を広くすることが可能となる。よって、ばね定数の大きなスパイラル接触子10を提供できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、BGAやLGA等の接続端子を備えた電子部品に対して電気的に接続されるスパイラル接触子に係わり、特にばね定数を高くすることができるとともに、単位面積当たりに実装密度を高めることを可能としたスパイラル接触子および前記スパイラル接触子を備えたコンタクトシート並びに前記コンタクトシートを備えた接続装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図7は従来のスパイラル接触子を備えたコンタクトシートの一部を示す平面図、図8は従来のスパイラル接触子を拡大して示す平面図である。
【0003】
図7に示すコンタクトシート1は薄い絶縁シートからなるガイドフレーム2を有しており、前記ガイドフレーム2上に複数のスパイラル接触子3が縦横方向に規則正しく配列されている。図8に示すように、個々のスパイラル接触子3は、略正方形状をした薄い銅板などで形成されており、外枠として機能する支持部3Aと、前記支持部3A内において渦巻き状に切り欠かれた変形部3Bとを有している。
【0004】
前記コンタクトシート1は、縦横方向に規則正しく配列された複数のスルーホールを有する絶縁基板上に設置される。個々の前記スルーホールの縁部および内面には導電部が形成されており、個々のスパイラル接触子3の支持部3Aは個々のスルーホールの縁部にそれぞれ電気的に固定されている。また前記変形部3Bは前記スルーホール上に位置しており、スルーホールの貫通方向に弾性変形可能な状態にある。
【0005】
ICなど電子部品の底面に設けられた複数の球状接触子(BGA)やコーン状接触子(CGA)などの外部接触子が、複数のスパイラル接触子3に対向する状態で押し付けられると、前記外部接触子は前記スパイラル接触子3を押圧しながら前記スルーホール内に至る。このとき前記スパイラル接触子3の変形部3Bは弾性的に変形させられ、前記外部接触子の外面に巻き付きながら接触するため、個々の球状接触子と個々のスパイラル接触子との間が電気的に接続されるようになる。
【0006】
上記のようなスパイラル接触子に関する先行技術文献としては、例えば以下に示すようなものが存在している。
【特許文献1】特開2002−175859号公報
【特許文献2】特開2003−78078号公報
【特許文献3】特開2004−12357号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のようなスパイラル接触子では、変形部が大きく弾性変形させられた状態でスルーホール内に押し込まれるため、大きなばね定数を有することが必要とされるが、そのためには前記変形部3Bの幅寸法W(図8では平均的な幅寸法をWとして示している。)を可能な限り広く形成する必要がある。
【0008】
しかし、上記従来のスパイラル接触子3は、変形部3Bの外周全域が四角形状の支持部3Aで囲まれた構成であるため、変形部3Bの幅寸法を広くすることには限界がある。
【0009】
一方、スパイラル接触子3の外形寸法そのものを大きくし、すなわち支持部3Aの縦横方向の寸法を大きくすれば、内部の変形部3Bの幅寸法を広く形成することができるため、前記変形部3Bのばね定数を高めることが可能となる。しかし、この方法では、コンタクトシート1としたときの単位面積当たりの実装密度を高めることがでないという問題が生じる。
【0010】
さらに、図7に示すように、各スパイラル接触子3は前記支持部3Aどうしが、縦横方向で隣接する状態で配置されているため、隣り合う支持部3Aどうしの間で電気的な短絡(ショート)が発生しやすいという問題がある。
【0011】
すなわち、各スパイラル接触子3は、例えば特許文献1などに記載されているように、ポリイミドなど絶縁性の基材シートの表面にニッケルや銅などのメッキ処理や前記銅メッキに対するエッチング処理など、複数の製造工程を経ることにより製造される。しかし、図7に示すように前記エッチング処理においては銅メッキ3Cが完全に除去しきれず残る場合があり、そのような場合には隣接する支持部3Aどうしが部分的に前記残存する銅メッキ3Cによって電気的に接続された状態で形成されてしまうことになる。
【0012】
そして、電子部品の外部接触子が、このようなスパイラル接触子の変形部3Bに接触させられ且つ電力が与えられると、前記支持部3Aどうしの間が前記銅メッキ3Cを介して電気的に短絡するため、前記電子部品の破壊や信号の混信などの不具合を発生させるという問題がある。
【0013】
本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、単位面積当たりの実装密度を高めることができるとともに、大きなばね定数を有するスパイラル接触子およびこれを備えたコンタクトシートを提供することを目的としている。
【0014】
さらにはスパイラル接触子の支持部どうしの短絡を防止することを可能としたコンタクトシートおよびコンタクトシートを備えた接続装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、外周側の巻き始端から内周側の巻き終端向かって螺旋状に延びる変形部と、前記変形部の外周側の位置で前記巻き始端に連続する支持部と、を備えたスパイラル接触子であって、
前記支持部は前記巻き始端側に設けられており、前記巻き始端側以外の前記変形部の外側は開放されていることを特徴とするものである。
【0016】
本発明では、変形部の占める面積を大きくすることができるため、幅寸法の広い変形部とすることができる。よって、変形部のばね定数を高めることができる。
【0017】
この場合において、前記支持部の前記巻き始端を有する側とは逆側となる位置には凹部が形成されており、隣接する他の変形部が前記凹部内に部分的に配置されているものが好ましい。
【0018】
上記手段では、隣り合うスパイラル接触子間で、互いの距離を近接させた状態で配置することができるため、単位面積当たりの実装密度を高めることができる。
【0019】
また本発明は、上記に記載されたスパイラル接触子を備えたコンタクトシートであって、
複数の開口部が形成されたガイドフレームを有し、この開口部の縁部に前記支持部が固定され、かつ前記変形部が前記開口部に配置されていることを特徴とするものである。
【0020】
この場合においては、所定のピッチで配列された複数のスパイラル接触子により行および列が形成されており、一の列の行方向に並ぶ前記スパイラル接触子の各支持部と、前記一の列に隣接する他の列の行方向に並ぶ前記スパイラル接触子の各変形部とが互いに対向するように配置されているものが好ましい。
【0021】
上記発明では、スパイラル接触子の支持部どうしの近接配置を防止できる。
また本発明は、上記に記載されたコンタクトシートを備えた接続装置であって、
複数のスルーホールが形成された絶縁基板と、少なくとも前記絶縁基板の一方の面に対向配置されたコンタクトシートとが設けられており、
前記スパイラル接触子の支持部が、前記スルーホールの開口縁部に設けられた接続部に接続されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明のスパイラル接触子は、支持部が変形部の巻き始端側にのみ設けられており、それ以外の部分を開放した構造である。このため、従来は支持部であった部分、すなわち前記開放領域にも変形部を配置することが可能となるため、変形部の占める面積を多くすることが可能となる。よって、従来に比較して変形部の幅寸法を大きくすることができるため、変形部のばね定数を大きくすることが可能となる。
【0023】
また支持部に形成された凹部内に、他のスパイラル接触子の変形部を配置することにより、単位面積当たりの実装密度を高めることができる。
【0024】
さらに本発明のコンタクトシートでは、行方向において支持部と変形部とを隣接させるとともに列方向では支持部間の距離を離すように配置したことより、製造時のエッチング処理において除去しきれなかった銅メッキによって前記支持部どうしが電気的に接続されるのを防止することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
図1は本発明の第1の実施の形態としてのスパイラル接触子を示す平面図、図2は図1の2−2線における断面図である。
【0026】
図1に示すスパイラル接触子10は、支持部11と螺旋形状で形成された変形部12とを有している。前記変形部12は、外周側に巻き始端部12aが設けられ、渦巻きの中心である内周側に巻き終端部12bが設けられている。前記支持部11は前記変形部12の外周側に設けられており、前記変形部12の巻き始端部12aが前記支持部11から連続的に延出する構造である。なお、前記巻き終端部12bの先端は広い面積で形成されており、電子部品の外部接触子に対して中心的に接触する役割を果たす当接部12cとされている。
【0027】
図1に示す第1の実施の形態では、前記支持部11は前記巻き始端部12aが設けられたX2側にのみ設けられており、前記巻き始端部12aが設けられていないX1側では変形部12の外側が開放された状態にある。また図1では前記支持部11が、前記当接部12cの中心を通りY方向に平行となる中心線O−Oまで形成されている。
【0028】
このため、前記中心線O−OよりもX1側の開放領域(変形部12の外側の領域)に前記変形部12を配置することができる。さらには支持部11を前記中心線O−Oよりも巻き始端部12a(X2)側の領域に形成することにより、前記変形部12がY方向に占める面積をも大きくすることが可能である。
【0029】
よって、前記巻き始端部12aから巻き終端部12bまでの間の前記変形部12の幅寸法W1を全体的に広く形成することができる。よって、全体的な外形寸法、巻き数、板厚寸法および材質を同じくするスパイラル接触子どうしを比較したときに、従来よりも大きなばね定数を発揮することが可能なスパイラル接触子10とすることができる。すなわち、スパイラル接触子10の全体的な外形寸法を大型化することなく、従来よりも大きなばね定数を得ることができる。よって、ばね定数の大きな前記スパイラル接触子10とした場合でも、全体的な外形寸法を大きくする必要がなくなるため、スパイラル接触子を複数配置した場合においては単位面積当たりの実装密度の低下を防止できる。
【0030】
また前記支持部11は巻き始端部12a側にのみに設けられ、それ以外の変形部12の外側は開放領域となっているため、隣り合うスパイラル接触子10を従来よりも近接させた状態で配置することが可能となる。よって、この点ではスパイラル接触子の実装密度を高めることが可能となる。
【0031】
なお、前記幅寸法W1はスパイラル接触子10の平均的な幅寸法を示すものであり、上記従来のスパイラル接触子3の平均的な幅寸法W(図8参照)に対応するものである。
【0032】
スパイラル接触子10は、図2に実線で示すような平面形状で形成されている。あるいは図2に点線で示すように前記当接部12cが図示Z1方向に突出する立体凸型形状に塑性変形させられた状態で形成されている。そして、このような前記スパイラル接触子10の支持部11は、ポリイミドなどの絶縁シートなどからなるガイドフレーム21に固定されている。すなわち、前記ガイドフレーム21には開口部22が形成されており、前記支持部11は前記開口部22の縁周部の裏面(Z2側の面)に対して接着剤などを介して固着されている。なお、図1にて点線のハッチングで示す部分が接着剤ののりしろ部分である。
【0033】
図2に示すように、スパイラル接触子10が平面形状である場合には、前記変形部12は前記開口部22に平行に対向するように固定されている。また前記スパイラル接触子10が立体凸型形状である場合には、前記変形部12の巻き始端部12aよりも先端側が、前記開口部22を通じて前記ガイドフレーム21の表面(Z1)方向に突出するように固定されている。
【0034】
図3は図1のスパイラル接触子を用いて形成したコンタクトシートを示す平面図である。なお、以下においては、横(X)方向を行、縦(Y)方向を列として規定し説明する。
【0035】
図3に示すように、ガイドフレーム21には複数の開口部22が行方向および列方向に所定のピッチで規則正しく並ぶように形成されている。そして、一つの開口部22に一つの前記スパイラル接触子10が対応して固定されることにより、コンタクトシート20が形成されている。
【0036】
図4は絶縁基板上に配置されたコンタクトシートを部分的に示す断面図である。前記コンタクトシート20は絶縁基板30上に配置される。前記絶縁基板30には、複数のスルーホール31が縦横方向に規則正しく配列されており、隣り合うスルーホール間の縦横方向のピッチ寸法は、前記ガイドフレーム21に設けられたスパイラル接触子10の縦横方向のピッチ寸法と同じである。よって、一つのスルーホール31には一つのスパイラル接触子10が対向している。
【0037】
図4に示すように、スルーホール31の内面には銅メッキなどにより形成された導電部32が形成されている。また前記スルーホール31の上下の開口縁部には前記導電部32に導通する接続部33,34が周設されている。そして、一方の接続部33とスパイラル接触子10の前記支持部11とが導電性接着剤などにより接続固定されている。
【0038】
また他方の接続部34には接続端子35が固定されており、絶縁基板30の下方に設けられて配線基板40上に形成された複数のパターン線41の個々のパターン線41に対し、導電性接着剤または半田付けなどの手段により接続されている。よって、前記スパイラル接触子10とパターン線41とは一方の接続部33、導電部32、他方の接続部34および接続端子35を介して電気的に導通されている。すなわち、前記コンタクトシートおよびスルーホールを有する絶縁基板とは,前記外部接触子と配線基板40のパターン線41とを電気的に接続するための接続装置として機能している。なお、前記パターン線41は外部に設けられる図示しない外部回路に接続されており、電子部品50と外部回路とが接続されるようになっている。
【0039】
また前記接続端子35の代わりに、絶縁基板30の下側にもコンタクトシート20を配置し、前記コンタクトシート20に設けられているスパイラル接触子10を用いて前記他方の接続部34とパターン線41とが接続される構成としたものであってもよい。
【0040】
図4に示すように、電子部品50に設けられた球状接触子(BGA)などの外部接触子51が、前記スパイラル接触子10に図示Z2方向に押し付けられると、前記スパイラル接触子10の変形部12が凹状に弾性変形しつつ前記外部接触子51の外面を抱き込むように接触させられる。よって、前記電子部品50の外部接触子51とパターン線41とを電気的に接続することが可能となる。
【0041】
図3に示すように、前記コンタクトシート20は、第1行目のすべてのスパイラル接触子10が支持部11をX2側に向けた状態で並べられている。また前記第1行目に隣接する第2行目は、すべてのスパイラル接触子10が支持部11をX1側に向けた状態で並べられている。そして、第3行目は、すべてのスパイラル接触子10が支持部11をX2側に向けた状態で並べられている。以下同様に、スパイラル接触子10は、その向きが隣接する行ごとに交互に異なるように前記ガイドフレーム21に設けられている。すなわち、コンタクトシート20では、スパイラル接触子10の向きが上下左右で異なるように、いわゆる千鳥掛け状に配置されている。
【0042】
このため、行方向に隣り合うスパイラル接触子10どうしの間では、支持部11どうしが互いに近接する状態でガイドフレーム21上に固定されることがない。また列方向に隣り合うスパイラル接触子10どうしの間においても、支持部11どうしが互いに近接して並ぶ状態を避けることが可能となる。すなわち、隣り合うスパイラル接触子10の支持部11どうしが行方向および列方向において近接することがなく、支持部11間の距離を上記図7の従来の場合以上に離すことが可能である。
【0043】
よって、たとえ製造時のエッチング処理の際に、銅メッキが除去し切れずガイドフレーム上に部分的に残存することがあるとしても、支持部11間の距離が長く、しかも支持部11どうしが隣り合って並ぶことがないため、前記支持部11どうしが電気的に接続されるのを防止することが可能となる。
【0044】
また、仮に近接する支持部11と変形部12との間が残存する銅メッキで接続されたとしても、上記のように電子部品50の外部接触子51が変形部12を押圧したときに前記変形部12が変形させられるため、銅メッキ部分が切断されて前記支持部11と変形部12との間の接続を分離することが可能である。よって、その後に電源が投入されても電子部品50の破壊や信号の混信等の不具合を防止することができる。
【0045】
図5は、本発明の第2の実施の形態としてのスパイラル接触子を示す平面図、図6は図5のスパイラル接触子並べた状態を示す平面図である。
【0046】
図5に第2の実施の形態として示すスパイラル接触子60は、前記第1の実施の形態で示すスパイラル接触子10とほぼ同じ構成である。すなわち、スパイラル接触子60は、変形部62と、前記変形部62の巻き始端部62aに連続する支持部61とを有するとともに、前記支持部61は前記巻き始端部62a側(図示左側)にのみ設けられ、右側の変形部62は開放状態となっている。ただし、変形部62の図示左端(変形部12が設けられている側とは逆側の端部)には、前記変形部12方向(図示右方向)に凹部61aが形成されている点で異なっている。
【0047】
前記凹部61aは、変形部12の最外周部の曲率半径r1よりも大きな曲率半径r2からなる円弧に沿って形成されている。このため、図6に示すように、複数のスパイラル接触子60を並べたときに、隣り合うスパイラル接触子60の一方の凹部61aに他方のスパイラル接触子60の変形部62を部分的に配置することができる。このため、スパイラル接触子60では、スパイラル接触子60の行方向の距離を密接させた状態で配置することが可能となり、単位面積当たりの実装密度を高めることができるため、ガイドフレーム上に配置可能なスパイラル接触子60の数を増やすことが可能となる。
【0048】
また第1の実施の形態同様に千鳥掛け状に配置することにより、製造時において隣り合うスパイラル接触子60の支持部61どうしが接続されるのを防止しやすくできるとともに、支持部61と変形部62とが接続状態にある場合にはその分離をすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の第1の実施の形態としてのスパイラル接触子を示す平面図、
【図2】図1の2−2線における断面図、
【図3】図1のスパイラル接触子を用いて形成したコンタクトシートを示す平面図、
【図4】絶縁基板上に配置されたコンタクトシートを部分的に示す断面図、
【図5】本発明の第2の実施の形態としてのスパイラル接触子を示す平面図、
【図6】図5のスパイラル接触子並べた状態を示す平面図、
【図7】従来のスパイラル接触子を備えたコンタクトシートの一部を示す平面図、
【図8】従来のスパイラル接触子を拡大して示す平面図、
【符号の説明】
【0050】
10 スパイラル接触子
11 支持部
12 変形部
12a 巻き始端部
12b 巻き終端部
12c 当接部
20 コンタクトシート
21 ガイドフレーム
22 開口部
30 絶縁基板
31 スルーホール
32 導電部
33,34 接続部
40 配線基板
41 パターン線
50 電子部品
51 外部接触子
60 スパイラル接触子
61 支持部
61a 凹部
62 変形部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周側の巻き始端から内周側の巻き終端向かって螺旋状に延びる変形部と、前記変形部の外周側の位置で前記巻き始端に連続する支持部と、を備えたスパイラル接触子であって、
前記支持部は前記巻き始端側に設けられており、前記巻き始端側以外の前記変形部の外側は開放されていることを特徴とするスパイラル接触子。
【請求項2】
前記支持部の前記巻き始端を有する側とは逆側となる位置には凹部が形成されており、隣接する他の変形部が前記凹部内に部分的に配置されている請求項1記載のスパイラル接触子。
【請求項3】
前記請求項1または2に記載されたスパイラル接触子を備えたコンタクトシートであって、
複数の開口部が形成されたガイドフレームを有し、この開口部の縁部に前記支持部が固定され、かつ前記変形部が前記開口部に配置されていることを特徴とするコンタクトシート。
【請求項4】
所定のピッチで配列された複数のスパイラル接触子により行および列が形成されており、一の列の行方向に並ぶ前記スパイラル接触子の各支持部と、前記一の列に隣接する他の列の行方向に並ぶ前記スパイラル接触子の各変形部とが互いに対向するように配置されている請求項3記載のコンタクトシート。
【請求項5】
前記請求項3または請求項4に記載されたコンタクトシートを備えた接続装置であって、
複数のスルーホールが形成された絶縁基板と、少なくとも前記絶縁基板の一方の面に対向配置されたコンタクトシートとが設けられており、
前記スパイラル接触子の支持部が、前記スルーホールの開口縁部に設けられた接続部に接続されていることを特徴とする接続装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性の接続部に固定される部分である支持部と、外周側の巻き始端から内周側の巻き終端向かって螺旋状に延びて弾性変形可能な変形部と、が導電性材料で一体に形成されたスパイラル接触子において、
前記支持部は、前記巻き終端の中心を通る中心線を挟んで一方の側にのみ設けられ、前記支持部は、前記中心線から離れた位置で前記中心線と平行に延びる縦縁部と、前記縦縁部と前記中心線との間に位置して前記中心線と垂直に延びる2つの横縁部とを有し、
前記変形部は、前記巻き始端が、2つの前記横縁部に挟まれた領域内で前記支持部から連続して延び、且つ前記変形部の外周縁の一部が2つの前記横縁部に挟まれた領域内に位置しており、前記中心から最も離れた位置にある前記変形部の外周縁が、前記中心線を挟んで他方の側に露出していることを特徴とするスパイラル接触子。
【請求項2】
請求項1に記載のスパイラル接触子が基板に複数設けられて、それぞれのスパイラル接触子の前記接続部が、前記基板の表面に設けられた前記接続部に固定されており、
それぞれのスパイラル接触子の他方の側に露出している前記外周縁が、隣接するスパイラル接触子の前記支持部に対向し、複数のスパイラル接触子が、前記縦縁部が互いに平行となる向きで、直線状に並べられている接続装置。
【請求項3】
複数のスパイラル接触子が、直線状に並べられて行が形成され、複数の前記行が、前記行が延びる方向と直交する方向である列方向に間隔を向けて、平行に配置されている請求項2記載の接続装置。
【請求項4】
隣り合う行間では、前記横縁部が互いに平行に配置されている請求項3記載の接続装置。
【請求項5】
スパイラル接触子の前記支持体と、他方の側に露出している前記外周縁とが、隣り合う行間で、互いに180度逆向きである請求項4記載の接続装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−339166(P2006−339166A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−202840(P2006−202840)
【出願日】平成18年7月26日(2006.7.26)
【分割の表示】特願2004−79745(P2004−79745)の分割
【原出願日】平成16年3月19日(2004.3.19)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】