スピンドルモータ
【課題】本発明は、スピンドルモータに関し、より詳細には、軸固定型のスピンドルモータに関する。
【解決手段】本発明によるスピンドルモータは、ベース部材に固設される下部スラスト部材と、上記下部スラスト部材と上記ベース部材のうち少なくとも一つに固設されるシャフトと、上記下部スラスト部材の上部に配置され、上記下部スラスト部材とともに潤滑流体の気液界面を形成して下部封止部を形成し、上記シャフトに回転可能に設けられるスリーブと、上記スリーブに結合され、上記スリーブと連動して回転されるロータハブと、上記シャフトの上端部に固設され、上記スリーブとともに潤滑流体の気液界面を形成して上部封止部を形成する上部スラスト部材と、を含み、上記上部封止部と下部封止部のうち何れか一方の潤滑流体の封止容積がより大きいことができる。
【解決手段】本発明によるスピンドルモータは、ベース部材に固設される下部スラスト部材と、上記下部スラスト部材と上記ベース部材のうち少なくとも一つに固設されるシャフトと、上記下部スラスト部材の上部に配置され、上記下部スラスト部材とともに潤滑流体の気液界面を形成して下部封止部を形成し、上記シャフトに回転可能に設けられるスリーブと、上記スリーブに結合され、上記スリーブと連動して回転されるロータハブと、上記シャフトの上端部に固設され、上記スリーブとともに潤滑流体の気液界面を形成して上部封止部を形成する上部スラスト部材と、を含み、上記上部封止部と下部封止部のうち何れか一方の潤滑流体の封止容積がより大きいことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スピンドルモータに関し、より詳細には、軸固定型のスピンドルモータに関する。
【背景技術】
【0002】
サーバ(server)用のハードディスク(hard disk)駆動装置などの情報記録再生装置には、耐衝撃性が強い軸をハードディスク(hard disk)駆動装置のボックスに固定した、いわゆる軸固定型のスピンドルモータが一般的に搭載される。
【0003】
即ち、サーバ用のハードディスク駆動装置に搭載されるスピンドルモータには、サーバに記録される情報が外部衝撃により破損されたり、記録または読み取りができない状態になることを防止するためにシャフトが固設される。
【0004】
このように、固定型シャフトが設けられる場合、潤滑流体が充填される流体動圧軸受アセンブリーを構成するためには一般的に、二つのスリーブと、二つの固定部材と、固定部材の上、下部を遮蔽するための二つのカバーなどが必要である。換言すると、固設されるシャフトを備える流体動圧軸受アセンブリーを構成するためには多くの構成部品が必要であり、そのため製造コストが増大するという問題がある。
【0005】
さらに、最近は固定型シャフトを備えるスピンドルモータの回転特性を向上させるための技術開発が必要な状況であり、十分な量の潤滑流体を貯蔵することができる構造の開発が強く求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、十分な量の潤滑流体を貯蔵することができるスピンドルモータを提供することをその目的とする。即ち、意図的に十分な量の潤滑流体を貯蔵することができる容積の大きい封止部を備えて、十分な量の潤滑流体が貯蔵されるようにすることにより、動圧軸受アセンブリーの性能低下を抑制することができるスピンドルモータを提供することをその目的とする。
【0007】
勿論、これに限定されず、以下に説明する本発明の実施例によって多様な目的の実現が可能である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施例によるスピンドルモータは、ベース部材に固設される下部スラスト部材と、上記下部スラスト部材と上記ベース部材のうち少なくとも一つに固設されるシャフトと、上記下部スラスト部材の上部に配置され、上記下部スラスト部材とともに潤滑流体の気液界面を形成して下部封止部を形成し、上記シャフトに回転可能に設けられるスリーブと、上記スリーブに結合され、上記スリーブと連動して回転されるロータハブと、上記シャフトの上端部に固設され、上記スリーブとともに潤滑流体の気液界面を形成して上部封止部を形成する上部スラスト部材と、を含み、上記上部封止部と下部封止部のうち何れか一方の潤滑流体の封止容積がより大きく備えられることができる。
【0009】
本発明の一実施例によるスピンドルモータにおいて、上記スリーブの上端部に、上記上部スラスト部材とともに気液界面を形成するように上部側の外径が下部側の外径より大きく形成される上部傾斜部と、上記スリーブの下端部に、上記下部スラスト部材とともに気液界面を形成するように下部側の外径が上部側の外径より大きく形成される下部傾斜部と、を有することができる。
【0010】
本発明の一実施例によるスピンドルモータにおいて、上記上部スラスト部材及び下部スラスト部材は、内部面が上記シャフトに接合されるボディーと、上記ボディーから延長形成され、上記傾斜部とともに気液界面を形成する突出部と、を備えることができる。
【0011】
本発明の一実施例によるスピンドルモータにおいて、上記上部スラスト部材の下面及び上記スリーブの上面のうち少なくとも一つ、または上記下部スラスト部材の上面及び上記スリーブの下面のうち少なくとも一つには、スラスト動圧グルーブが形成されることができる。
【0012】
本発明の一実施例によるスピンドルモータにおいて、上記上部封止部と下部封止部のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置するスラスト動圧グルーブの潤滑流体のポンピング力が、他方に位置するスラスト動圧グルーブの潤滑流体のポンピング力より大きいことができる。
【0013】
本発明の一実施例によるスピンドルモータにおいて、上記上部封止部と下部封止部のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置するスラスト動圧グルーブの溝深さが、他方に位置するスラスト動圧グルーブの溝深さより浅いことができる。
【0014】
本発明の一実施例によるスピンドルモータにおいて、上記上部封止部と下部封止部のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置するスラスト部材とスリーブとの軸方向間隔が、他方に位置するスラスト部材とスリーブとの軸方向間隔より小さいことができる。
【0015】
本発明の一実施例によるスピンドルモータにおいて、上記スリーブの上面と下面とを連通する循環孔をさらに備えることができる。
【0016】
本発明の一実施例によるスピンドルモータにおいて、上記上部スラスト部材の下面及び上記スリーブの上面のうち少なくとも一つ、または上記下部スラスト部材の上面及び上記スリーブの下面のうち少なくとも一つには、上記循環孔が備えられる位置から半径方向外側に補助スラスト動圧グルーブが形成されることができる。
【0017】
本発明の一実施例によるスピンドルモータにおいて、上記上部封止部と下部封止部のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置する補助スラスト動圧グルーブの潤滑流体のポンピング力が、他方に位置するスラスト動圧グルーブの潤滑流体のポンピング力より大きいことができる。
【0018】
本発明の一実施例によるスピンドルモータにおいて、上記上部封止部と下部封止部のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置する補助スラスト動圧グルーブの溝深さが、他方に位置するスラスト動圧グルーブの溝深さより浅いことができる。
【0019】
本発明の一実施例によるスピンドルモータにおいて、上記循環孔の半径方向外側部分で、上記上部封止部と下部封止部のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置するスラスト部材とスリーブとの軸方向間隔が、他方に位置するスラスト部材とスリーブとの軸方向間隔より小さいことができる。
【0020】
本発明の一実施例によるスピンドルモータにおいて、上記上部封止部と下部封止部のうち潤滑流体の封止容積が大きい方に位置するスリーブの端部には上記循環孔を基準に半径方向外側方向に段差部が備えられ、上記上部封止部と下部封止部のうち潤滑流体の封止容積が大きい方に位置するスラスト部材とスリーブとの軸方向間隔が、他方に位置するスラスト部材とスリーブの軸方向間隔より大きいことができる。
【0021】
本発明の一実施例によるスピンドルモータにおいて、上記スリーブ及び上記シャフトにより形成される軸受間隙と上記循環孔とを連通する連通孔を備えることができる。
【0022】
本発明の一実施例によるスピンドルモータにおいて、上記ロータハブは、上記上部スラスト部材が内部に挿入配置される挿入部を形成するロータハブボディーと、上記ロータハブボディーの端から延長形成され、内部面にマグネットアセンブリーが装着される装着部と、上記装着部の端から半径方向外側に向かって延長形成される延長部と、を備えることができる。
【0023】
本発明の一実施例によるスピンドルモータにおいて、上記スリーブとロータハブは一体型であることができる。
【0024】
本発明の他の実施例によるスピンドルモータは、ベース部材と、上記ベース部材に固設されるシャフトと、上記シャフトに回転可能に設けられる軸受部を備え、軸方向の上下に上部溝部及び下部溝部を夫々備えるスリーブと、上記シャフトに固設され、上記上部溝部及び下部溝部に収納され、半径方向外側方向に上記スリーブの内径と潤滑流体の気液界面を形成して上部封止部及び下部封止部を形成する上部スラスト部材及び下部スラスト部材と、上記スリーブに結合され、上記スリーブと連動して回転されるロータハブと、を含み、上記上部封止部と下部封止部のうち何れか一方の潤滑流体の封止容積がより大きいことができる。
【0025】
本発明の他の実施例によるスピンドルモータにおいて、上記スリーブとロータハブは一体型であることができる。
【0026】
本発明の他の実施例によるスピンドルモータにおいて、上記上部スラスト部材に、上記スリーブとともに気液界面を形成するように上部側の外径が下部側の外径より小さく形成される上部傾斜部と、上記下部スラスト部材に、上記スリーブとともに気液界面を形成するように下部側の外径が上部側の外径より小さく形成される下部傾斜部と、を有することができる。
【0027】
本発明の他の実施例によるスピンドルモータにおいて、上記上部スラスト部材の下面及び上記スリーブの上部溝部底面のうち少なくとも一つ、または上記下部スラスト部材の上面及び上記スリーブの下部溝部底面のうち少なくとも一つには、スラスト動圧グルーブが形成されることができる。
【0028】
本発明の他の実施例によるスピンドルモータにおいて、上記上部封止部と下部封止部のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置するスラスト動圧グルーブの潤滑流体のポンピング力が、他方に位置するスラスト動圧グルーブの潤滑流体のポンピング力より大きいことができる。
【0029】
本発明の他の実施例によるスピンドルモータにおいて、上記上部封止部と下部封止部のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置するスラスト動圧グルーブの溝深さが、他方に位置するスラスト動圧グルーブの溝深さより浅いことができる。
【0030】
本発明の他の実施例によるスピンドルモータにおいて、上記上部封止部と下部封止部のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置するスラスト部材とスリーブとの軸方向間隔が、他方に位置するスラスト部材とスリーブとの軸方向間隔より小さいことができる。
【0031】
本発明の他の実施例によるスピンドルモータにおいて、上記スリーブの上部溝部と下部溝部とを連通する循環孔をさらに備えることができる。
【0032】
本発明の他の実施例によるスピンドルモータにおいて、上記上部スラスト部材の下面及び上記スリーブの上部溝部底面のうち少なくとも一つ、または上記下部スラスト部材の上面及び上記スリーブの下部溝部底面のうち少なくとも一つには、上記循環孔が備えられる位置から半径方向外側方向に補助スラスト動圧グルーブが形成されることができる。
【0033】
本発明の他の実施例によるスピンドルモータにおいて、上記上部封止部と下部封止部のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置する補助スラスト動圧グルーブの潤滑流体のポンピング力が、他方に位置するスラスト動圧グルーブの潤滑流体のポンピング力より大きいことができる。
【0034】
本発明の他の実施例によるスピンドルモータにおいて、上記上部封止部と下部封止部のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置する補助スラスト動圧グルーブの溝深さが、他方に位置するスラスト動圧グルーブの溝深さより浅いことができる。
【0035】
本発明の他の実施例によるスピンドルモータにおいて、上記循環孔の半径方向外側部分で、上記上部封止部と下部封止部のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置するスラスト部材とスリーブの溝部底面との軸方向間隔は、他方に位置するスラスト部材とスリーブの溝部底面との軸方向間隔より小さいことができる。
【0036】
本発明の他の実施例によるスピンドルモータにおいて、上記上部封止部と下部封止部のうち潤滑流体の封止容積が大きい方に位置するスリーブの溝部底面には上記循環孔を基準に半径方向外側方向に段差部が備えられ、上記上部封止部と下部封止部のうち潤滑流体の封止容積が大きい方に位置するスラスト部材とスリーブの溝部底面との軸方向間隔が、他方に位置するスラスト部材とスリーブの溝部底面との軸方向間隔より大きいことができる。
【0037】
本発明の他の実施例によるスピンドルモータにおいて、上記スリーブ及び上記シャフトによって形成される軸受間隙と上記循環孔とを連通する連通孔を備えることができる。
【0038】
本発明の他の実施例によるスピンドルモータにおいて、上記ロータハブは、上記スリーブが内部に挿入配置される挿入部を形成するロータハブボディーと、上記ロータハブボディーの端から延長形成され、内部面にマグネットアセンブリーが装着される装着部と、上記装着部の端から半径方向外側に向かって延長形成される延長部と、を備えることができる。
【0039】
本発明の一実施例による記録ディスク駆動装置は、本発明の実施例によるスピンドルモータを含むことができる。
【発明の効果】
【0040】
本発明の実施例によると、十分な量の潤滑流体を貯蔵することができる容積を有する封止部を備えるスピンドルモータが提供されるため、動圧軸受アセンブリーの性能低下を抑制することができる。
【0041】
これにより、十分な潤滑流体が持続的に提供されるため、スピンドルモータの回転特性を向上させることができる効果がある。
【0042】
勿論、本発明は上述の効果に限定されず、以下に説明する実施例によって多様な効果が発現されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の第1実施例によるスピンドルモータを示す概略断面図である。
【図2】図1のA部を示す拡大図である。
【図3】本発明の第1実施例によるスリーブと上部スラスト部材及び下部スラスト部材を示す部分切開分解斜視図である。
【図4】本発明の第1実施例によるスリーブと上部スラスト部材及び下部スラスト部材を示す部分切開分解斜視図である。
【図5】本発明の第1実施例によるスピンドルモータの作動を説明するための説明図である。
【図6】本発明の第2実施例によるスピンドルモータを示す概略断面図である。
【図7】図6のA'部を示す拡大図である。
【図8】本発明の第2実施例によるスリーブと上部スラスト部材及び下部スラスト部材を示す部分切開分解斜視図である。
【図9】本発明の第2実施例によるスリーブと上部スラスト部材及び下部スラスト部材を示す部分切開分解斜視図である。
【図10】本発明の実施例によるモータが装着された記録ディスク駆動装置を図示した概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、図面を参照して本発明の具体的な実施形態を詳細に説明する。但し、本発明の思想は提示される実施形態に制限されず、本発明の思想を理解する当業者は同一の思想の範囲内で他の構成要素の追加、変更、削除等によって、退歩的な他の発明や本発明の思想の範囲内に含まれる他の実施形態を容易に提案することができ、これも本発明の思想の範囲内に含まれる。
【0045】
また、本発明を説明するにあたり、係わる公知機能あるいは構成についての具体的な説明が本発明の要旨を不明瞭にする可能性があると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。
【0046】
図1は本発明の第1実施例によるスピンドルモータを示す概略断面図であり、図2は図1のA部を示す拡大図であり、図3及び図4は本発明の第1実施例によるスリーブと上部スラスト部材及び下部スラスト部材を示す部分切開分解斜視図であり、図5は本発明の第1実施例によるスピンドルモータの作動を説明するための説明図である。
【0047】
図1から図5を参照すると、本発明の第1実施例によるスピンドルモータ100は、ベース部材110と、下部スラスト部材120と、シャフト130と、スリーブ140と、ロータハブ150と、上部スラスト部材160と、を含んで構成されることができる。
【0048】
ベース部材110は、ロータハブ150とともに所定空間を形成するように装着溝112を備えることができる。また、ベース部材110は、軸方向上部側に延長形成され、外周面にステータコア102が設けられる結合部114を備えることができる。
【0049】
また、結合部114の外周面には、ステータコア102が載置されて設けられる載置面114aが備えられ、結合部114に載置されたステータコア102は上記のベース部材110の装着溝112の上部に配置されることができる。
【0050】
下部スラスト部材120はベース部材110に固設される。即ち、下部スラスト部材120は結合部114に挿設され、より詳細には、下部スラスト部材120の外周面が結合部114の内周面に接合されるように設けられることができる。
【0051】
一方、下部スラスト部材120は、内部面がシャフト130に固設され、外部面がベース部材110に固設される円盤部122と、円盤部122から軸方向上側に延長形成される延長部124と、を備えることができる。
【0052】
即ち、下部スラスト部材120は中空のカップ状を有することができる。即ち、断面が「L」形状を有するように形成されることができる。
【0053】
また、円盤部122にはシャフト130を設けるための設置孔122aが形成されることができ、シャフト130は設置孔122aに挿着される。
【0054】
ここで、方向に関する用語を定義すると、軸方向は図1を参照して、上、下方向、即ち、シャフト130の上部側から下部側に向かう方向またはシャフト130の下部側から上部側に向かう方向を意味し、半径方向は図1を参照して、左、右方向、即ちシャフト130からロータハブ150の外周面に向かう方向またはロータハブ150の外周面からシャフト130に向かう方向を意味し、円周方向は、ロータハブ150の外周面に沿って回転される方向を意味する。
【0055】
また、下部スラスト部材120は、ベース部材110とともに固定部材、即ちステータに含まれる構成である。
【0056】
一方、下部スラスト部材120の外部面は、ベース部材110の内部面に接着剤または/及び熔接によって接合されることができる。換言すると、下部スラスト部材120の外部面は、ベース部材110の結合部114の内部面に固定接合される。
【0057】
また、下部スラスト部材120の上面またはスリーブ140の底面のうち少なくとも一つには、スラスト流体動圧を発生させるためのスラスト動圧グルーブ148が形成されることができる。これについては、図3及び図4を参照して詳細に後述する。
【0058】
さらに、下部スラスト部材120は、潤滑流体の漏れを防止するための封止部材としての機能を同時に果すことができる。これについても、図2から図4を参照して詳細に後述する。
【0059】
シャフト130は、下部スラスト部材120とベース部材110のうち少なくとも一つに固設される。即ち、シャフト130の下端部が下部スラスト部材120の円盤部122に形成された設置孔122aに挿入されるように設けられることができる。
【0060】
また、シャフト130の下端部は、円盤部122の内部面と接着剤または/及び熔接によって接合されることができる。これにより、シャフト130が固定されることができる。
【0061】
但し、本実施例では、シャフト130が下部スラスト部材120に固設される場合を例にとり説明しているが、これに限定されず、シャフト130はベース部材110に固設されることもできる。
【0062】
一方、シャフト130も、上記下部スラスト部材120、ベース部材110とともに固定部材、即ちステータに含まれる構成である。
【0063】
シャフト130の上面には、蓋部材(不図示)を固設するための結合手段、例えば、ねじが締結されるねじ部が備えられることができる。
【0064】
スリーブ140はシャフト130に回転可能に設けられることができる。このために、スリーブ140はシャフト130が挿入される貫通孔141を備えることができる。一方、スリーブ140がシャフト130に設けられる場合、スリーブ140の内周面とシャフト130の外周面とは所定間隔で離隔配置されて軸受間隙Bを形成し、この軸受間隙Bに潤滑流体が充填される。
【0065】
一方、スリーブ140の上端部には、上部スラスト部材160とともに気液界面を形成するように、上部側の外径が下部側の外径より大きく形成される傾斜部143が備えられることができる。
【0066】
換言すると、スリーブ140の外周面と上部スラスト部材160の内周面との間の空間に第1気液界面F1が形成されるように、スリーブ140の上端部には、上部側の外径が下部側の外径より大きく形成される傾斜部143が形成されることができる。
【0067】
一方、スリーブ140の上端部には、スリーブ140の上面に段差状に形成されて封止溝106を形成するための段差面144が形成されることができる。段差面144についての詳細な事項は後述する。
【0068】
また、スリーブ140の外周面にはロータハブ150が接合される。即ち、段差面144の下部はロータハブ150の内部面に対応する形状を有し、ロータハブ150が固設されるように形成されることができる。即ち、スリーブ140の外周面には接合面145が形成されることができる。ここで、上記スリーブ140とロータハブ150は一体型に備えられることができる。スリーブ140とロータハブ150が一体型に備えられる場合、一つの部材でスリーブ140及びロータハブ150が全て提供されるため、部品数を減らし、製品を容易に組み立てることができる。
【0069】
一方、スリーブ140の外周面下端部は、下部スラスト部材120の延長部124とともに気液界面を形成するように、半径方向内側に向かって上向きに傾斜して形成されることができる。
【0070】
即ち、スリーブ140の外周面と下部スラスト部材120の延長部124 との間の空間に第2気液界面F2が形成されるように、スリーブ140の下端部は、半径方向内側に向かって上向きに傾斜して形成されることができる。
【0071】
このように、第2気液界面F2がスリーブ140の下端部と延長部124との間の空間に形成されるため、軸受間隙Bに充填された潤滑流体は第1気液界面F1と第2気液界面F2を形成する。
【0072】
また、スリーブ140の内部面には、スリーブ140の回転時、軸受間隙Bに充填された潤滑流体を媒介として流体動圧を発生させるための動圧グルーブ146が形成されることができる。即ち、動圧グルーブ146は、図3及び図4に図示されたように、上部動圧グルーブ146a及び下部動圧グルーブ146bからなることができる。
【0073】
但し、動圧グルーブ146は、スリーブ140の内部面に形成される場合に限定されず、シャフト130の外周面に形成されることもでき、へリングボーン、スパイラル、螺旋状などの多様な形状に備えられることができる。
【0074】
また、上記スリーブ140は、上記スリーブ140の上面と下面とを連通する循環孔147をさらに備えることができる。上記循環孔147は、軸受間隙Bの潤滑流体に含まれた気泡を外部に排出させることができ、潤滑流体が容易に循環するようにすることができる。
【0075】
さらに、上記スリーブ140及び上記シャフト130によって形成される軸受間隙Bと上記循環孔147とを連通する連通孔142をさらに備えることができる。上記連通孔142により、上記動圧グルーブ146のポムピング方向を変更しても、効果的に流体動圧軸受アセンブリーを活用することができる。即ち、上記連通孔142は、上記動圧グルーブ146のポムピング方向を流動的に活用できるようにして、モータの設計多様性を高めることができる。
【0076】
ロータハブ150はスリーブ140に結合され、スリーブ140と連動して回転される。
【0077】
ロータハブ150は、上部スラスト部材160が内部に挿入配置される挿入部152aが形成されたロータハブボディー152と、ロータハブボディー152の端から延長形成され、内部面にマグネットアセンブリー180が装着される装着部154と、装着部154の端から半径方向外側に向かって延長形成される延長部156と、を備えることができる。
【0078】
一方、ロータハブボディー152の内部面下端部はスリーブ140の外部面に接合されることができる。即ち、スリーブ140の接合面145にロータハブボディー152の内部面下端部が接着剤または/及び熔接によって接合されることができる。
【0079】
これにより、ロータハブ150の回転時、スリーブ140がロータハブ150とともに回転されることができる。
【0080】
また、装着部154は、ロータハブボディー152から軸方向下側に向かって延長形成され、装着部154の内部面にマグネットアセンブリー180が固設されることができる。
【0081】
一方、マグネットアセンブリー180は、装着部154の内部面に固設されるヨーク182と、ヨーク182の内周面に設けられるマグネット184と、で構成されることができる。
【0082】
ヨーク182は、マグネット184からの磁場がステータコア102に向かうようにして、磁束密度を増加させる機能をする。一方、ヨーク182は円形の環状を有することができ、マグネット184から発生する磁場による磁束密度を向上させるために、一端部が折り曲げられた形状を有するように形成されることができる。
【0083】
マグネット184は環状を有することができ、円周方向に沿ってN極、S極が交互に着磁され、一定強さの磁場を発生させる永久磁石であることができる。
【0084】
一方、マグネット184はコイル101が巻線されるステータコア102の先端に対向配置され、コイル101が巻線されたステータコア102との電磁気的相互作用により、ロータハブ150を回転させるための駆動力を発生させる。
【0085】
即ち、コイル101に電源が供給されると、コイル101が巻線されたステータコア102とこれに対向配置されるマグネット184との電磁気的相互作用により、ロータハブ150を回転させる駆動力が発生し、これにより、ロータハブ150がスリーブ140と連動して回転されることができる。
【0086】
上部スラスト部材160はシャフト130の上端部に固設され、スリーブ140とともに気液界面を形成する。また、上部スラスト部材160は、シャフト130との締結強度を向上させるために底面がシャフト130の上面に支持され、上面が蓋部材(不図示)によって加圧される段部166を備えることができる。
【0087】
一方、上部スラスト部材160は、内部面がシャフト130に接合されるボディー162と、ボディー162から延長形成され、傾斜部143とともに気液界面を形成する突出部164と、ボディー162の内部面から半径方向内側に延長形成される段部166と、を備えることができる。
【0088】
突出部164は、ボディー162から軸方向下側に延長形成され、内部面が傾斜部143に対向配置されることができる。
【0089】
また、突出部164は、シャフト130と平行にボディー162から延長形成されることができる。
【0090】
また、上部スラスト部材160は、シャフト130の外周面上端部、スリーブ140の外部面及びロータハブ150の内部面によって形成される空間に挿入配置されることができる。
【0091】
また、上部スラスト部材160も、ベース部材110、下部スラスト部材120、シャフト130とともに固設される固定部材であり、ステータを構成する部材である。
【0092】
一方、上部スラスト部材160がシャフト130に固設され、スリーブ140がロータハブ150とともに回転されるため、スリーブ140の傾斜部143と突出部164との間の空間に形成された第1気液界面F1は、スリーブ140の回転時、図5に図示されたようにスリーブ140の傾斜部143側に傾くようになる。
【0093】
即ち、第1気液界面F1がスリーブ140の外周面側に傾くようになるため、遠心力によって潤滑流体が飛散することをより減少させることができる。
【0094】
さらに、上部スラスト部材160の外周面と、これに対向配置される上記ロータハブ150の内部面とは、ラビリンスシール(Labyrinth Seal)を形成する。即ち、上部スラスト部材160の外部面とロータハブボディー152の内部面は所定間隔で離隔配置され、蒸発された潤滑流体を含む空気が外部に流動することを抑制するために、ラビリンスシールを形成する。
【0095】
これにより、蒸発された潤滑流体を含む空気が外部に流動することを抑制し、潤滑流体の減少を抑制することができる。
【0096】
また、上部スラスト部材160の外周面とロータハブボディー152の内部面は、0.3mm以下の間隙を形成することができる。
【0097】
尚、段部166は、蓋部材(不図示)が締結手段、即ち、ねじによってシャフト130に固設される場合、蓋部材(不図示)によって加圧される。これにより、上部スラスト部材160とシャフト130との締結強度を向上させることができる。
【0098】
即ち、段部166は、底面がシャフト130に支持され、上面が蓋部材によって加圧されることにより、上部スラスト部材160がシャフト130により堅固に固定されるようにする機能をする。
【0099】
一方、上部スラスト部材160の底面または上部スラスト部材160の底面に対向配置されるスリーブ140の上面のうち少なくとも一つには、スラスト動圧を発生させるためのスラスト動圧グルーブが形成されることができる。本発明において、上記スラスト動圧グルーブは、上記スリーブ140に循環孔147が備えられていない場合には、半径方向に備えられる全ての方式のスラスト動圧グルーブを含む。例えば、半径方向に一つまたは二つ以上が備えられる場合を全て含む。一方、本発明において、上記スリーブ140に循環孔147が備えられる場合には、上記循環孔147を基準に半径方向内側に備えられるスラスト動圧グルーブ148aのみを意味することができる。
【0100】
また、上部スラスト部材160は、軸受間隙Bに充填される潤滑流体が上部側に漏れることを防止する封止部材としての機能も同時に果たすことができる。
【0101】
上部スラスト部材160とロータハブ150との間隙の間隔を狭く形成することにより、蒸発された潤滑流体を含む空気が外部に流出されることを抑制し、上部軸受間隙Bに充填される潤滑流体の減少を抑制することができる。
【0102】
一方、気液界面、即ち、第1気液界面F1及び第2気液界面F2を形成する回転部材(即ち、スリーブ)と固定部材(即ち、上、下部スラスト部材)のうち回転部材であるスリーブ140が固定部材に対して半径方向内側に配置されるため、遠心力によって潤滑流体が飛散することを減少させることができる。
【0103】
以下、図2から図4を参照して、本発明の特徴部である封止部の構成を詳細に説明する。
【0104】
図2から図4を参照すると、本発明の第1実施例による封止部S1、S2は上下に一対が備えられることができる。即ち、スリーブ140は下部スラスト部材120の上部に配置され、上記下部スラスト部材120とともに潤滑流体の気液界面F2を形成して下部封止部S2を形成する。また、スリーブ140は上部スラスト部材160の下部に配置され、上記上部スラスト部材160とともに潤滑流体の気液界面F1を形成して上部封止部S1を形成する。
【0105】
ここで、本発明の第1実施例では、上記上部封止部S1と下部封止部S2のうち何れか一方の潤滑流体の封止容積をより大きくすることができる。本発明において、封止部S1、S2は、図2にボックスで表示されたように、潤滑流体と空気が出会う部分であり、毛細管現象によって流体が封止される部分を意味する。
【0106】
さらに、本発明の第1実施例では、上記封止部S1、S2のうち潤滑流体の封止容積がより大きい封止部に潤滑流体をポムピングすることにより、モータの作動時における潤滑流体の漏れを防止することができる。
【0107】
より詳細には、本発明の第1実施例では、上記上部封止部S1と下部封止部S2のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置するスラスト動圧グルーブの潤滑流体のポンピング力が、他方に位置するスラスト動圧グルーブの潤滑流体のポンピング力より大きいようにすることができる。即ち、スラスト動圧グルーブのポンピング力が大きい方からポンピング力が小さい方にポムピングが発生することにより、封止容積がより大きい封止部に潤滑流体が貯蔵されるようにすることができる。ここで、上記スラスト動圧グルーブは、スパイラル、螺旋状などの多様な形状に備えられることができる。
【0108】
このために、本発明の第1実施例では、上記上部封止部S1と下部封止部S2のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置するスラスト動圧グルーブの溝深さが、他方に位置するスラスト動圧グルーブの溝深さより浅いようにすることができる。スラスト動圧グルーブの溝深さが浅いとポンピング力が強いため、流体を封止容積が大きい封止部側にポムピングすることができる。
【0109】
また、本発明の第1実施例では、上記上部封止部S1と下部封止部S2のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置するスラスト部材とスリーブ140との軸方向間隔が、他方に位置するスラスト部材とスリーブ140との軸方向間隔より小さいようにすることができる。即ち、回転部材と隣接する部材間の間隔が狭いほど動圧グルーブによるポンピング力が強いため、スラスト部材とスリーブ140との間隔を調節して、潤滑流体を封止容積が大きい封止部側にポムピングすることができる。
【0110】
一方、本発明の第1実施例によるスリーブ140に上記スリーブ140の上面と下面とを連通する循環孔147が備えられる場合には、封止部の容積が大きい方に流体をポムピングするためのスリーブまたはスラスト部材の構造が異なることができる。
【0111】
即ち、上記循環孔147が備えられる場合には、上記スラスト動圧グルーブ148は、上記循環孔147を基準に、半径方向内側のスラスト動圧グルーブ148aと半径方向外側の補助スラスト動圧グルーブ148bとを含むことができる。
【0112】
即ち、上記循環孔147を基準に半径方向外側に備えられる補助スラスト動圧グルーブ148bによって、潤滑流体の上下のポンピング力が異なるようにすることができる。上記循環孔147の半径方向内側に備えられるスラスト動圧グルーブ148aは、潤滑流体の上下のポンピング力に差を与えることよりは、回転部材の浮上力を発生させたり、潤滑流体を循環させるために活用されることができる。勿論、これに限定されず、多様な活用が可能である。
【0113】
より詳細には、上記上部封止部S1と下部封止部S2のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置する補助スラスト動圧グルーブ148bの潤滑流体のポンピング力が、他方に位置するスラスト動圧グルーブの潤滑流体のポンピング力より大きいようにすることができる。これにより、封止容積が大きい封止部の方に上記潤滑流体がポムピングされ貯蔵されることができる。
【0114】
また、上記上部封止部S1と下部封止部S2のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置する補助スラスト動圧グルーブ148bの溝深さが、他方に位置するスラスト動圧グルーブの溝深さより浅いようにし、封止容積が大きい封止部の方に上記潤滑流体がポムピングされるようにすることができる。
【0115】
さらに、上記循環孔147の半径方向外側部分で、上記上部封止部S1と下部封止部S2のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置するスラスト部材とスリーブとの軸方向間隔が、他方に位置するスラスト部材とスリーブとの軸方向間隔より小さいようにし、封止容積が大きい封止部の方に上記潤滑流体がポムピングされるようにすることができる。
【0116】
具体的には、図4を参照すると、封止部の潤滑流体の封止容積が、軸方向下部に備えられた下部封止部S2がより大きいと仮定する場合、上記上部封止部S1と下部封止部S2のうち潤滑流体の封止容積がより大きい下部封止部S2の方に位置するスリーブの端部には上記循環孔147を基準に半径方向外側方向に段差部149が備えられ、下部スラスト部材120とスリーブ140との軸方向間隔は上部スラスト部材160とスリーブ140との軸方向間隔より大きく備えられることができる。このような構成により、上側に備えられる補助スラスト動圧グルーブ148bのポンピング力がより大きく作用することができるため、潤滑流体が下部封止部S2側にポムピングされることができる。
【0117】
図6は本発明の第2実施例によるスピンドルモータを示す概略断面図であり、図7は図6のA'部を示す拡大図であり、図8及び図9は本発明の第2実施例によるスリーブと上部スラスト部材及び下部スラスト部材を示す部分切開分解斜視図である。
【0118】
図6から図9を参照すると、本発明の第2実施例によるスピンドルモータ200は、ベース部材210と、下部スラスト部材220と、シャフト230と、スリーブ240と、ロータハブ250と、上部スラスト部材260と、を含んで構成されることができる。
【0119】
ここで、方向に関する用語を定義すると、軸方向は図6を参照して、上、下方向、即ち、シャフト230の上部側から下部側に向かう方向またはシャフト230の下部側から上部側に向かう方向を意味し、半径方向は図6を参照して、左、右方向、即ちシャフト230からロータハブ250の外周面に向かう方向またはロータハブ250の外周面からシャフト230に向かう方向を意味し、円周方向は、ロータハブ250の外周面に沿って回転される方向を意味する。
【0120】
ベース部材210は、ロータハブ250とともに所定空間を形成するように装着溝212を備えることができる。また、ベース部材210は、軸方向上部側に延長形成され、外周面にステータコア202が設けられる結合部214を備えることができる。
【0121】
また、結合部214の外周面にはステータコア202が載置されて設けられる載置面214aが備えられることができ、結合部214に載置されたステータコア202は上記ベース部材210の装着溝212の上部に配置されることができる。
【0122】
シャフト230はベース部材210に固設される。即ち、シャフト230の下端部がベース部材210に形成された設置孔210aに挿入されるように設けられることができる。また、シャフト230の下端部は、ベース部材210の内部面と接着剤または/及び熔接によって接合されることができる。これにより、シャフト230が固定されることができる。
【0123】
一方、シャフト230は、以下に説明する上部スラスト部材260及び下部スラスト部材220、ベース部材210とともに固定部材、即ち、ステータに含まれる構成である。
【0124】
シャフト230の上面には、蓋部材(不図示)を固設するための結合手段、例えば、ねじが締結されるねじ部が備えられることができる。
【0125】
スリーブ240はシャフト230に回転可能に設けられることができる。このために、スリーブ240は、シャフト230が挿入される貫通孔241に備えられる軸受部を備えることができる。一方、スリーブ240がシャフト230に設けられる場合、スリーブ240の内周面とシャフト230の外周面とは所定間隔で離隔配置されて軸受間隙B'を形成し、この軸受間隙B'に潤滑流体が充填される。
【0126】
尚、上記スリーブ240は、以下に説明する上部スラスト部材260及び下部スラスト部材220が収納される上部溝部248及び下部溝部249を備えることができる。上記上部溝部248及び下部溝部249は、夫々溝部底面248a、249a及び溝部側壁248b、249bによって形成されることができる。本実施例における溝部底面という用語は、上記溝部248、249において軸方向と垂直に形成される面を意味し、溝部側壁は上記軸方向と平行に形成される面を意味することができる。
【0127】
また、スリーブ240の内部面には、スリーブ240の回転時、軸受間隙B'に充填された潤滑流体を媒介として流体動圧を発生させるための動圧グルーブ246が形成されることができる。即ち、動圧グルーブ246は、図8及び図9に図示されたように、上部動圧グルーブ246a及び下部動圧グルーブ246bからなることができる。
【0128】
但し、動圧グルーブ246は、スリーブ240の内部面に形成される場合に限定されず、シャフト230の外周面に形成されることもでき、へリングボーン、スパイラル、螺旋状などの多様な形状に備えられることができる。
【0129】
また、上記スリーブ240は、上記スリーブ240の上部溝部248と下部溝部249とを連通する循環孔247をさらに備えることができる。上記循環孔247は、軸受間隙B'の潤滑流体に含まれた気泡を外部に排出させることができ、潤滑流体が容易に循環するようにすることができる。
【0130】
さらに、上記スリーブ240及び上記シャフト230によって形成される軸受間隙B'と上記循環孔247とを連通する連通孔242をさらに備えることができる。上記連通孔242により、上記動圧グルーブ246のポムピング方向を変更しても、効果的に流体動圧軸受アセンブリーを活用することができる。即ち、上記連通孔242は、上記動圧グルーブ246のポムピング方向を流動的に活用できるようにして、モータの設計多様性を高めることができる。
【0131】
ロータハブ250はスリーブ240に結合され、スリーブ240と連動して回転される。
【0132】
ロータハブ250は、スリーブ240が内部に挿入配置される挿入部252aが形成されたロータハブボディー252と、ロータハブボディー252の端から延長形成され、内部面にマグネットアセンブリー280が装着される装着部254と、装着部254の端から半径方向外側に向かって延長形成される延長部256と、を備えることができる。
【0133】
一方、ロータハブボディー252の内部面下端部はスリーブ240の外部面に接合されることができる。即ち、スリーブ240の接合面245に、ロータハブボディー252の内部面下端部が接着剤によってまたは/及び熔接によって接合されることができる。
【0134】
これにより、ロータハブ250の回転時、スリーブ240がロータハブ250とともに回転されることができる。
【0135】
また、装着部254は、ロータハブボディー252から軸方向下側に向かって延長形成され、装着部254の内部面にマグネットアセンブリー280が固設されることができる。
【0136】
一方、マグネットアセンブリー280は、装着部254の内部面に固設されるヨーク282と、ヨーク282の内周面に設けられるマグネット284と、で構成されることができる。
【0137】
ヨーク282は、マグネット284からの磁場がステータコア202に向かうようにして、磁束密度を増加させる機能をする。一方、ヨーク282は円形の環状を有することができ、マグネット284から発生する磁場による磁束密度を向上させるために、一端部が折り曲げられた形状を有するように形成されることができる。
【0138】
マグネット284は環状を有することができ、円周方向に沿ってN極、S極が交互に着磁され、一定強さの磁場を発生させる永久磁石であることができる。
【0139】
一方、マグネット284はコイル201が巻線されるステータコア202の先端に対向配置され、コイル201が巻線されたステータコア202との電磁気的相互作用により、ロータハブ250を回転させるための駆動力を発生させる。
【0140】
即ち、コイル201に電源が供給されると、コイル201が巻線されたステータコア202とこれに対向配置されるマグネット284との電磁気的相互作用により、ロータハブ250を回転させる駆動力が発生し、これにより、ロータハブ250がスリーブ240と連動して回転されることができる。
【0141】
上部スラスト部材260はシャフト230の上端部に固設され、スリーブ240の上部溝部側壁248bとともに上部気液界面F3を形成する。上部スラスト部材260は、内部面がシャフト230に接合される内側面262と、上記上部スラスト部材260の半径方向外側に備えられ、上記上部溝部側壁248bとともに気液界面を形成する外側面264と、を含むことができる。ここで、上記外側面264は、上部側の外径が下部側の外径より小さく形成される上部傾斜部261に備えられることができる。
【0142】
一方、上部スラスト部材260の底面または上部スラスト部材260の底面に対向配置されるスリーブ240の上部溝部底面248aのうち少なくとも一つには、スラスト動圧を発生させるためのスラスト動圧グルーブが形成されることができる。本発明において、上記スラスト動圧グルーブは、上記スリーブ240に循環孔247が備えられていない場合には、半径方向に備えられる全ての方式のスラスト動圧グルーブを含む。例えば、半径方向に一つまたは二つ以上が備えられる場合を全て含む。一方、本発明において、上記スリーブ240に循環孔247が備えられる場合には、上記循環孔247を基準に半径方向内側に備えられるスラスト動圧グルーブ243aのみを意味することができる。
【0143】
また、上部スラスト部材260の上部には、軸受間隙B'に充填される潤滑流体が上部側に漏れることを防止する封止部材として上部キャップ291を備えることができる。上記上部キャップ291は、上記上部溝部248を軸方向上部で仕上げることにより、上記上部溝部248を介して潤滑流体が飛散して漏れることを防止する機能をすることができる。即ち、上記上部キャップ291は、スリーブ240の上部溝部側壁248bに圧入または接着剤結合方式により固定されることができ、シャフト230が上部に突出するように備えられる上部キャップ291の軸孔とシャフト230との間隙の間隔を狭く形成することにより、蒸発された潤滑流体を含む空気が外部に流出されることを抑制し、上部軸受間隙B'に充填される潤滑流体の減少を抑制することができる。
【0144】
下部スラスト部材220はシャフト230の下端部に固設され、スリーブ240の下部溝部側壁249bとともに下部気液界面F4を形成する。下部スラスト部材220は、内部面がシャフト230に接合される内側面222と、下部スラスト部材220の半径方向外側に備えられ、上記下部溝部側壁249bとともに気液界面を形成する外側面224と、を含むことができる。ここで、上記外側面224は、下部側の外径が上部側の外径より小さく形成される下部傾斜部221に備えられることができる。
【0145】
一方、下部スラスト部材220の上面または下部スラスト部材220の上面に対向配置されるスリーブ240の下部溝部底面249aのうち少なくとも一つには、スラスト動圧を発生させるためのスラスト動圧グルーブが形成されることができる。本発明において、上記スラスト動圧グルーブは、上記スリーブ240に循環孔247が備えられていない場合には、半径方向に備えられる全ての方式のスラスト動圧グルーブを含む。例えば、半径方向に一つまたは二つ以上が備えられる場合を全て含む。一方、本発明において、上記スリーブ240に循環孔247が備えられる場合には、上記循環孔247を基準に半径方向内側に備えられるスラスト動圧グルーブ243aのみを意味することができる。
【0146】
また、下部スラスト部材220の下部には、軸受間隙B'に充填される潤滑流体が下部側に漏れることを防止する封止部材として下部キャップ293を備えることができる。上記下部キャップ293は、上記下部溝部249を軸方向上部で仕上げることにより、上記下部溝部249を介して潤滑流体が飛散して漏れることを防止する機能をすることができる。即ち、上記下部キャップ293は、スリーブ240の下部溝部側壁249bに圧入または接着剤結合方式により固定されることができ、シャフト230が下部に突出するように備えられる下部キャップ293の軸孔とシャフト230との間隙の間隔を狭く形成することにより、蒸発された潤滑流体を含む空気が外部に流出されることを抑制し、上部軸受間隙B'に充填される潤滑流体の減少を抑制することができる。
【0147】
以下、図7から図9を参照して本発明の特徴部である封止部の構成を詳細に説明する。
【0148】
図7から図9を参照すると、本発明の第2実施例による封止部S3、S4は上下に一対が備えられることができる。即ち、スリーブ240は上部及び下部に夫々上部溝部248及び下部溝部249を備え、上記上部溝部248及び下部溝部249に上部スラスト部材260及び下部スラスト部材220を夫々収納させて封止部が備えられるようにすることができる。
【0149】
即ち、上記上部スラスト部材260の外側面264と上記上部溝部248の溝部側壁248bとの間に潤滑流体の上部気液界面F3を形成して上部封止部S3を形成する。同様の方式で、上記下部スラスト部材220の外側面224と上記下部溝部249の溝部側壁249bとの間に潤滑流体の下部気液界面F4を形成して下部封止部S4を形成する。
【0150】
ここで、本発明の第2実施例では、上記上部封止部S3と下部封止部S4のうち何れか一方の潤滑流体の封止容積をより大きくすることができる。本発明において、封止部S3、S4は、図7にボックスで表示されたように、潤滑流体と空気が出会う部分であり、毛細管現象によって流体が封止される部分を意味する。
【0151】
さらに、本発明の第2実施例では、上記封止部S3、S4のうち潤滑流体の封止容積がより大きい封止部に潤滑流体をポムピングすることにより、モータの作動時における潤滑流体の漏れを防止することができる。
【0152】
より詳細には、本発明の第3実施例では、上記上部封止部S3と下部封止部S4のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置するスラスト動圧グルーブの潤滑流体のポンピング力が、他方に位置するスラスト動圧グルーブの潤滑流体のポンピング力より大きいようにすることができる。即ち、スラスト動圧グルーブのポンピング力が大きい方からポンピング力が小さい方にポムピングが発生することにより、封止容積がより大きい封止部に潤滑流体が貯蔵されるようにすることができる。ここで、上記スラスト動圧グルーブは、スパイラル、螺旋状などの多様な形状に備えられることができる。
【0153】
このために、本発明の第2実施例では、上記上部封止部S3と下部封止部S4のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置するスラスト動圧グルーブの溝深さが、他方に位置するスラスト動圧グルーブの溝深さより浅いようにすることができる。スラスト動圧グルーブの溝深さが浅いとポンピング力が強いため、流体を封止容積が大きい封止部の方にポムピングすることができる。
【0154】
また、本発明の第2実施例では、上記上部封止部S3と下部封止部S4のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置するスラスト部材とスリーブ240の溝部底面との軸方向間隔が、他方に位置するスラスト部材とスリーブ240の溝部底面との軸方向間隔より小さいようにすることができる。即ち、回転部材と隣接する部材間の間隔が狭いほど動圧グルーブによるポンピング力が強いため、スラスト部材とスリーブ240の溝部底面との間隔を調節して、潤滑流体を封止容積が大きい封止部の方にポムピングが発生するようにすることができる。
【0155】
一方、本発明の第2実施例によるスリーブ240に上記スリーブ240の上部溝部248と下部溝部249とを連通する循環孔247が備えられる場合には、封止部の容積が大きい方に流体をポムピングするためのスリーブまたはスラスト部材の構造が異なることができる。
【0156】
即ち、上記循環孔247が備えられる場合には、上記スラスト動圧グルーブ243は、上記溝部底面248、249に、上記循環孔247を基準に半径方向内側のスラスト動圧グルーブ243aと、半径方向外側の補助スラスト動圧グルーブ243bと、を含むことができる。
【0157】
即ち、上記溝部底面248、249に、上記循環孔247を基準に半径方向外側に備えられる補助スラスト動圧グルーブ243bによって、潤滑流体の上下のポンピング力が異なるようにすることができる。上記循環孔247の半径方向内側に備えられるスラスト動圧グルーブ243aは、潤滑流体の上下のポンピング力に差を与えることよりは、回転部材の浮上力を発生させたり、潤滑流体を循環させるために活用されることができる。勿論、これに限定されず、多様な活用が可能である。
【0158】
より詳細には、上記上部封止部S3と下部封止部S4のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置する補助スラスト動圧グルーブ243bの潤滑流体のポンピング力が、他方に位置するスラスト動圧グルーブの潤滑流体のポンピング力より大きいようにすることができる。これにより、封止容積が大きい封止部の方に上記潤滑流体がポムピングされ貯蔵されることができる。
【0159】
また、上記上部封止部S3と下部封止部S4のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置する補助スラスト動圧グルーブ243bの溝深さが、他方に位置するスラスト動圧グルーブの溝深さより浅いようにし、封止容積が大きい封止部の方に上記潤滑流体がポムピングされるようにすることができる。
【0160】
さらに、上記循環孔247の半径方向外側部分の溝部底面で、上記上部封止部S3と下部封止部S4のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置するスラスト部材とスリーブ溝部底面との軸方向間隔が、他方に位置するスラスト部材とスリーブ溝部底面との軸方向間隔より小さいようにし、封止容積が大きい封止部の方に上記潤滑流体がポムピングされるようにすることができる。
【0161】
具体的には、図9を参照すると、封止部の潤滑流体の封止容積が、軸方向下部に備えられた下部封止部S4がより大きいと仮定する場合、上記上部封止部S3と下部封止部S4のうち潤滑流体の封止容積がより大きい下部封止部S4の方に位置するスリーブの溝部底面249aには上記循環孔247を基準に半径方向外側方向に段差部244が備えられ、下部スラスト部材220と下部溝部底面249aとの軸方向間隔は上部スラスト部材160と上部溝部底面248aとの軸方向間隔より大きく備えられることができる。このような構成により、上側に備えられる補助スラスト動圧グルーブ243bのポンピング力がより大きく作用することができるため、潤滑流体が下部封止部S4側にポムピングされることができる。
【0162】
本発明では、スピンドルモータの実施例を大きく第1及び第2の二つに区分して説明したが、これに限定されず、本発明の思想に含まれることができる多様な実施例のスピンドルモータに本発明の特徴が適用されることができる。
【0163】
図10は本発明によるモータが装着された記録ディスク駆動装置を図示した概略断面図である。
【0164】
図10を参照すると、本発明によるモータ100、200が装着された記録ディスク駆動装置800はハードディスク駆動装置であり、モータ100、200と、ヘッド移送部810と、ハウジング820と、を含むことができる。
【0165】
上記モータ100、200は、上記で説明した本発明のモータの特徴を全て有し、記録ディスク830を搭載することができる。
【0166】
上記ヘッド移送部810は、上記モータ100、200に搭載された記録ディスク830の情報を検出するヘッド815を、検出しようとする記録ディスクの面に移送させることができる。
【0167】
ここで、上記ヘッド815は上記ヘッド移送部810の支持部817上に配置されることができる。
【0168】
上記ハウジング820は、上記モータ100、200と上記ヘッド移送部810とを収容する内部空間を形成するために、モータ搭載プレート822と、上記モータ搭載プレート822の上部を遮蔽するトップカーバー824と、を含むことができる。
【符号の説明】
【0169】
100、200 スピンドルモータ
110、210 ベース部材
120、220 下部スラスト部材
130、230 シャフト
140、240 スリーブ
150、250 ロータハブ
160、260 上部スラスト部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、スピンドルモータに関し、より詳細には、軸固定型のスピンドルモータに関する。
【背景技術】
【0002】
サーバ(server)用のハードディスク(hard disk)駆動装置などの情報記録再生装置には、耐衝撃性が強い軸をハードディスク(hard disk)駆動装置のボックスに固定した、いわゆる軸固定型のスピンドルモータが一般的に搭載される。
【0003】
即ち、サーバ用のハードディスク駆動装置に搭載されるスピンドルモータには、サーバに記録される情報が外部衝撃により破損されたり、記録または読み取りができない状態になることを防止するためにシャフトが固設される。
【0004】
このように、固定型シャフトが設けられる場合、潤滑流体が充填される流体動圧軸受アセンブリーを構成するためには一般的に、二つのスリーブと、二つの固定部材と、固定部材の上、下部を遮蔽するための二つのカバーなどが必要である。換言すると、固設されるシャフトを備える流体動圧軸受アセンブリーを構成するためには多くの構成部品が必要であり、そのため製造コストが増大するという問題がある。
【0005】
さらに、最近は固定型シャフトを備えるスピンドルモータの回転特性を向上させるための技術開発が必要な状況であり、十分な量の潤滑流体を貯蔵することができる構造の開発が強く求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、十分な量の潤滑流体を貯蔵することができるスピンドルモータを提供することをその目的とする。即ち、意図的に十分な量の潤滑流体を貯蔵することができる容積の大きい封止部を備えて、十分な量の潤滑流体が貯蔵されるようにすることにより、動圧軸受アセンブリーの性能低下を抑制することができるスピンドルモータを提供することをその目的とする。
【0007】
勿論、これに限定されず、以下に説明する本発明の実施例によって多様な目的の実現が可能である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施例によるスピンドルモータは、ベース部材に固設される下部スラスト部材と、上記下部スラスト部材と上記ベース部材のうち少なくとも一つに固設されるシャフトと、上記下部スラスト部材の上部に配置され、上記下部スラスト部材とともに潤滑流体の気液界面を形成して下部封止部を形成し、上記シャフトに回転可能に設けられるスリーブと、上記スリーブに結合され、上記スリーブと連動して回転されるロータハブと、上記シャフトの上端部に固設され、上記スリーブとともに潤滑流体の気液界面を形成して上部封止部を形成する上部スラスト部材と、を含み、上記上部封止部と下部封止部のうち何れか一方の潤滑流体の封止容積がより大きく備えられることができる。
【0009】
本発明の一実施例によるスピンドルモータにおいて、上記スリーブの上端部に、上記上部スラスト部材とともに気液界面を形成するように上部側の外径が下部側の外径より大きく形成される上部傾斜部と、上記スリーブの下端部に、上記下部スラスト部材とともに気液界面を形成するように下部側の外径が上部側の外径より大きく形成される下部傾斜部と、を有することができる。
【0010】
本発明の一実施例によるスピンドルモータにおいて、上記上部スラスト部材及び下部スラスト部材は、内部面が上記シャフトに接合されるボディーと、上記ボディーから延長形成され、上記傾斜部とともに気液界面を形成する突出部と、を備えることができる。
【0011】
本発明の一実施例によるスピンドルモータにおいて、上記上部スラスト部材の下面及び上記スリーブの上面のうち少なくとも一つ、または上記下部スラスト部材の上面及び上記スリーブの下面のうち少なくとも一つには、スラスト動圧グルーブが形成されることができる。
【0012】
本発明の一実施例によるスピンドルモータにおいて、上記上部封止部と下部封止部のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置するスラスト動圧グルーブの潤滑流体のポンピング力が、他方に位置するスラスト動圧グルーブの潤滑流体のポンピング力より大きいことができる。
【0013】
本発明の一実施例によるスピンドルモータにおいて、上記上部封止部と下部封止部のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置するスラスト動圧グルーブの溝深さが、他方に位置するスラスト動圧グルーブの溝深さより浅いことができる。
【0014】
本発明の一実施例によるスピンドルモータにおいて、上記上部封止部と下部封止部のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置するスラスト部材とスリーブとの軸方向間隔が、他方に位置するスラスト部材とスリーブとの軸方向間隔より小さいことができる。
【0015】
本発明の一実施例によるスピンドルモータにおいて、上記スリーブの上面と下面とを連通する循環孔をさらに備えることができる。
【0016】
本発明の一実施例によるスピンドルモータにおいて、上記上部スラスト部材の下面及び上記スリーブの上面のうち少なくとも一つ、または上記下部スラスト部材の上面及び上記スリーブの下面のうち少なくとも一つには、上記循環孔が備えられる位置から半径方向外側に補助スラスト動圧グルーブが形成されることができる。
【0017】
本発明の一実施例によるスピンドルモータにおいて、上記上部封止部と下部封止部のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置する補助スラスト動圧グルーブの潤滑流体のポンピング力が、他方に位置するスラスト動圧グルーブの潤滑流体のポンピング力より大きいことができる。
【0018】
本発明の一実施例によるスピンドルモータにおいて、上記上部封止部と下部封止部のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置する補助スラスト動圧グルーブの溝深さが、他方に位置するスラスト動圧グルーブの溝深さより浅いことができる。
【0019】
本発明の一実施例によるスピンドルモータにおいて、上記循環孔の半径方向外側部分で、上記上部封止部と下部封止部のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置するスラスト部材とスリーブとの軸方向間隔が、他方に位置するスラスト部材とスリーブとの軸方向間隔より小さいことができる。
【0020】
本発明の一実施例によるスピンドルモータにおいて、上記上部封止部と下部封止部のうち潤滑流体の封止容積が大きい方に位置するスリーブの端部には上記循環孔を基準に半径方向外側方向に段差部が備えられ、上記上部封止部と下部封止部のうち潤滑流体の封止容積が大きい方に位置するスラスト部材とスリーブとの軸方向間隔が、他方に位置するスラスト部材とスリーブの軸方向間隔より大きいことができる。
【0021】
本発明の一実施例によるスピンドルモータにおいて、上記スリーブ及び上記シャフトにより形成される軸受間隙と上記循環孔とを連通する連通孔を備えることができる。
【0022】
本発明の一実施例によるスピンドルモータにおいて、上記ロータハブは、上記上部スラスト部材が内部に挿入配置される挿入部を形成するロータハブボディーと、上記ロータハブボディーの端から延長形成され、内部面にマグネットアセンブリーが装着される装着部と、上記装着部の端から半径方向外側に向かって延長形成される延長部と、を備えることができる。
【0023】
本発明の一実施例によるスピンドルモータにおいて、上記スリーブとロータハブは一体型であることができる。
【0024】
本発明の他の実施例によるスピンドルモータは、ベース部材と、上記ベース部材に固設されるシャフトと、上記シャフトに回転可能に設けられる軸受部を備え、軸方向の上下に上部溝部及び下部溝部を夫々備えるスリーブと、上記シャフトに固設され、上記上部溝部及び下部溝部に収納され、半径方向外側方向に上記スリーブの内径と潤滑流体の気液界面を形成して上部封止部及び下部封止部を形成する上部スラスト部材及び下部スラスト部材と、上記スリーブに結合され、上記スリーブと連動して回転されるロータハブと、を含み、上記上部封止部と下部封止部のうち何れか一方の潤滑流体の封止容積がより大きいことができる。
【0025】
本発明の他の実施例によるスピンドルモータにおいて、上記スリーブとロータハブは一体型であることができる。
【0026】
本発明の他の実施例によるスピンドルモータにおいて、上記上部スラスト部材に、上記スリーブとともに気液界面を形成するように上部側の外径が下部側の外径より小さく形成される上部傾斜部と、上記下部スラスト部材に、上記スリーブとともに気液界面を形成するように下部側の外径が上部側の外径より小さく形成される下部傾斜部と、を有することができる。
【0027】
本発明の他の実施例によるスピンドルモータにおいて、上記上部スラスト部材の下面及び上記スリーブの上部溝部底面のうち少なくとも一つ、または上記下部スラスト部材の上面及び上記スリーブの下部溝部底面のうち少なくとも一つには、スラスト動圧グルーブが形成されることができる。
【0028】
本発明の他の実施例によるスピンドルモータにおいて、上記上部封止部と下部封止部のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置するスラスト動圧グルーブの潤滑流体のポンピング力が、他方に位置するスラスト動圧グルーブの潤滑流体のポンピング力より大きいことができる。
【0029】
本発明の他の実施例によるスピンドルモータにおいて、上記上部封止部と下部封止部のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置するスラスト動圧グルーブの溝深さが、他方に位置するスラスト動圧グルーブの溝深さより浅いことができる。
【0030】
本発明の他の実施例によるスピンドルモータにおいて、上記上部封止部と下部封止部のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置するスラスト部材とスリーブとの軸方向間隔が、他方に位置するスラスト部材とスリーブとの軸方向間隔より小さいことができる。
【0031】
本発明の他の実施例によるスピンドルモータにおいて、上記スリーブの上部溝部と下部溝部とを連通する循環孔をさらに備えることができる。
【0032】
本発明の他の実施例によるスピンドルモータにおいて、上記上部スラスト部材の下面及び上記スリーブの上部溝部底面のうち少なくとも一つ、または上記下部スラスト部材の上面及び上記スリーブの下部溝部底面のうち少なくとも一つには、上記循環孔が備えられる位置から半径方向外側方向に補助スラスト動圧グルーブが形成されることができる。
【0033】
本発明の他の実施例によるスピンドルモータにおいて、上記上部封止部と下部封止部のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置する補助スラスト動圧グルーブの潤滑流体のポンピング力が、他方に位置するスラスト動圧グルーブの潤滑流体のポンピング力より大きいことができる。
【0034】
本発明の他の実施例によるスピンドルモータにおいて、上記上部封止部と下部封止部のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置する補助スラスト動圧グルーブの溝深さが、他方に位置するスラスト動圧グルーブの溝深さより浅いことができる。
【0035】
本発明の他の実施例によるスピンドルモータにおいて、上記循環孔の半径方向外側部分で、上記上部封止部と下部封止部のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置するスラスト部材とスリーブの溝部底面との軸方向間隔は、他方に位置するスラスト部材とスリーブの溝部底面との軸方向間隔より小さいことができる。
【0036】
本発明の他の実施例によるスピンドルモータにおいて、上記上部封止部と下部封止部のうち潤滑流体の封止容積が大きい方に位置するスリーブの溝部底面には上記循環孔を基準に半径方向外側方向に段差部が備えられ、上記上部封止部と下部封止部のうち潤滑流体の封止容積が大きい方に位置するスラスト部材とスリーブの溝部底面との軸方向間隔が、他方に位置するスラスト部材とスリーブの溝部底面との軸方向間隔より大きいことができる。
【0037】
本発明の他の実施例によるスピンドルモータにおいて、上記スリーブ及び上記シャフトによって形成される軸受間隙と上記循環孔とを連通する連通孔を備えることができる。
【0038】
本発明の他の実施例によるスピンドルモータにおいて、上記ロータハブは、上記スリーブが内部に挿入配置される挿入部を形成するロータハブボディーと、上記ロータハブボディーの端から延長形成され、内部面にマグネットアセンブリーが装着される装着部と、上記装着部の端から半径方向外側に向かって延長形成される延長部と、を備えることができる。
【0039】
本発明の一実施例による記録ディスク駆動装置は、本発明の実施例によるスピンドルモータを含むことができる。
【発明の効果】
【0040】
本発明の実施例によると、十分な量の潤滑流体を貯蔵することができる容積を有する封止部を備えるスピンドルモータが提供されるため、動圧軸受アセンブリーの性能低下を抑制することができる。
【0041】
これにより、十分な潤滑流体が持続的に提供されるため、スピンドルモータの回転特性を向上させることができる効果がある。
【0042】
勿論、本発明は上述の効果に限定されず、以下に説明する実施例によって多様な効果が発現されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の第1実施例によるスピンドルモータを示す概略断面図である。
【図2】図1のA部を示す拡大図である。
【図3】本発明の第1実施例によるスリーブと上部スラスト部材及び下部スラスト部材を示す部分切開分解斜視図である。
【図4】本発明の第1実施例によるスリーブと上部スラスト部材及び下部スラスト部材を示す部分切開分解斜視図である。
【図5】本発明の第1実施例によるスピンドルモータの作動を説明するための説明図である。
【図6】本発明の第2実施例によるスピンドルモータを示す概略断面図である。
【図7】図6のA'部を示す拡大図である。
【図8】本発明の第2実施例によるスリーブと上部スラスト部材及び下部スラスト部材を示す部分切開分解斜視図である。
【図9】本発明の第2実施例によるスリーブと上部スラスト部材及び下部スラスト部材を示す部分切開分解斜視図である。
【図10】本発明の実施例によるモータが装着された記録ディスク駆動装置を図示した概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、図面を参照して本発明の具体的な実施形態を詳細に説明する。但し、本発明の思想は提示される実施形態に制限されず、本発明の思想を理解する当業者は同一の思想の範囲内で他の構成要素の追加、変更、削除等によって、退歩的な他の発明や本発明の思想の範囲内に含まれる他の実施形態を容易に提案することができ、これも本発明の思想の範囲内に含まれる。
【0045】
また、本発明を説明するにあたり、係わる公知機能あるいは構成についての具体的な説明が本発明の要旨を不明瞭にする可能性があると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。
【0046】
図1は本発明の第1実施例によるスピンドルモータを示す概略断面図であり、図2は図1のA部を示す拡大図であり、図3及び図4は本発明の第1実施例によるスリーブと上部スラスト部材及び下部スラスト部材を示す部分切開分解斜視図であり、図5は本発明の第1実施例によるスピンドルモータの作動を説明するための説明図である。
【0047】
図1から図5を参照すると、本発明の第1実施例によるスピンドルモータ100は、ベース部材110と、下部スラスト部材120と、シャフト130と、スリーブ140と、ロータハブ150と、上部スラスト部材160と、を含んで構成されることができる。
【0048】
ベース部材110は、ロータハブ150とともに所定空間を形成するように装着溝112を備えることができる。また、ベース部材110は、軸方向上部側に延長形成され、外周面にステータコア102が設けられる結合部114を備えることができる。
【0049】
また、結合部114の外周面には、ステータコア102が載置されて設けられる載置面114aが備えられ、結合部114に載置されたステータコア102は上記のベース部材110の装着溝112の上部に配置されることができる。
【0050】
下部スラスト部材120はベース部材110に固設される。即ち、下部スラスト部材120は結合部114に挿設され、より詳細には、下部スラスト部材120の外周面が結合部114の内周面に接合されるように設けられることができる。
【0051】
一方、下部スラスト部材120は、内部面がシャフト130に固設され、外部面がベース部材110に固設される円盤部122と、円盤部122から軸方向上側に延長形成される延長部124と、を備えることができる。
【0052】
即ち、下部スラスト部材120は中空のカップ状を有することができる。即ち、断面が「L」形状を有するように形成されることができる。
【0053】
また、円盤部122にはシャフト130を設けるための設置孔122aが形成されることができ、シャフト130は設置孔122aに挿着される。
【0054】
ここで、方向に関する用語を定義すると、軸方向は図1を参照して、上、下方向、即ち、シャフト130の上部側から下部側に向かう方向またはシャフト130の下部側から上部側に向かう方向を意味し、半径方向は図1を参照して、左、右方向、即ちシャフト130からロータハブ150の外周面に向かう方向またはロータハブ150の外周面からシャフト130に向かう方向を意味し、円周方向は、ロータハブ150の外周面に沿って回転される方向を意味する。
【0055】
また、下部スラスト部材120は、ベース部材110とともに固定部材、即ちステータに含まれる構成である。
【0056】
一方、下部スラスト部材120の外部面は、ベース部材110の内部面に接着剤または/及び熔接によって接合されることができる。換言すると、下部スラスト部材120の外部面は、ベース部材110の結合部114の内部面に固定接合される。
【0057】
また、下部スラスト部材120の上面またはスリーブ140の底面のうち少なくとも一つには、スラスト流体動圧を発生させるためのスラスト動圧グルーブ148が形成されることができる。これについては、図3及び図4を参照して詳細に後述する。
【0058】
さらに、下部スラスト部材120は、潤滑流体の漏れを防止するための封止部材としての機能を同時に果すことができる。これについても、図2から図4を参照して詳細に後述する。
【0059】
シャフト130は、下部スラスト部材120とベース部材110のうち少なくとも一つに固設される。即ち、シャフト130の下端部が下部スラスト部材120の円盤部122に形成された設置孔122aに挿入されるように設けられることができる。
【0060】
また、シャフト130の下端部は、円盤部122の内部面と接着剤または/及び熔接によって接合されることができる。これにより、シャフト130が固定されることができる。
【0061】
但し、本実施例では、シャフト130が下部スラスト部材120に固設される場合を例にとり説明しているが、これに限定されず、シャフト130はベース部材110に固設されることもできる。
【0062】
一方、シャフト130も、上記下部スラスト部材120、ベース部材110とともに固定部材、即ちステータに含まれる構成である。
【0063】
シャフト130の上面には、蓋部材(不図示)を固設するための結合手段、例えば、ねじが締結されるねじ部が備えられることができる。
【0064】
スリーブ140はシャフト130に回転可能に設けられることができる。このために、スリーブ140はシャフト130が挿入される貫通孔141を備えることができる。一方、スリーブ140がシャフト130に設けられる場合、スリーブ140の内周面とシャフト130の外周面とは所定間隔で離隔配置されて軸受間隙Bを形成し、この軸受間隙Bに潤滑流体が充填される。
【0065】
一方、スリーブ140の上端部には、上部スラスト部材160とともに気液界面を形成するように、上部側の外径が下部側の外径より大きく形成される傾斜部143が備えられることができる。
【0066】
換言すると、スリーブ140の外周面と上部スラスト部材160の内周面との間の空間に第1気液界面F1が形成されるように、スリーブ140の上端部には、上部側の外径が下部側の外径より大きく形成される傾斜部143が形成されることができる。
【0067】
一方、スリーブ140の上端部には、スリーブ140の上面に段差状に形成されて封止溝106を形成するための段差面144が形成されることができる。段差面144についての詳細な事項は後述する。
【0068】
また、スリーブ140の外周面にはロータハブ150が接合される。即ち、段差面144の下部はロータハブ150の内部面に対応する形状を有し、ロータハブ150が固設されるように形成されることができる。即ち、スリーブ140の外周面には接合面145が形成されることができる。ここで、上記スリーブ140とロータハブ150は一体型に備えられることができる。スリーブ140とロータハブ150が一体型に備えられる場合、一つの部材でスリーブ140及びロータハブ150が全て提供されるため、部品数を減らし、製品を容易に組み立てることができる。
【0069】
一方、スリーブ140の外周面下端部は、下部スラスト部材120の延長部124とともに気液界面を形成するように、半径方向内側に向かって上向きに傾斜して形成されることができる。
【0070】
即ち、スリーブ140の外周面と下部スラスト部材120の延長部124 との間の空間に第2気液界面F2が形成されるように、スリーブ140の下端部は、半径方向内側に向かって上向きに傾斜して形成されることができる。
【0071】
このように、第2気液界面F2がスリーブ140の下端部と延長部124との間の空間に形成されるため、軸受間隙Bに充填された潤滑流体は第1気液界面F1と第2気液界面F2を形成する。
【0072】
また、スリーブ140の内部面には、スリーブ140の回転時、軸受間隙Bに充填された潤滑流体を媒介として流体動圧を発生させるための動圧グルーブ146が形成されることができる。即ち、動圧グルーブ146は、図3及び図4に図示されたように、上部動圧グルーブ146a及び下部動圧グルーブ146bからなることができる。
【0073】
但し、動圧グルーブ146は、スリーブ140の内部面に形成される場合に限定されず、シャフト130の外周面に形成されることもでき、へリングボーン、スパイラル、螺旋状などの多様な形状に備えられることができる。
【0074】
また、上記スリーブ140は、上記スリーブ140の上面と下面とを連通する循環孔147をさらに備えることができる。上記循環孔147は、軸受間隙Bの潤滑流体に含まれた気泡を外部に排出させることができ、潤滑流体が容易に循環するようにすることができる。
【0075】
さらに、上記スリーブ140及び上記シャフト130によって形成される軸受間隙Bと上記循環孔147とを連通する連通孔142をさらに備えることができる。上記連通孔142により、上記動圧グルーブ146のポムピング方向を変更しても、効果的に流体動圧軸受アセンブリーを活用することができる。即ち、上記連通孔142は、上記動圧グルーブ146のポムピング方向を流動的に活用できるようにして、モータの設計多様性を高めることができる。
【0076】
ロータハブ150はスリーブ140に結合され、スリーブ140と連動して回転される。
【0077】
ロータハブ150は、上部スラスト部材160が内部に挿入配置される挿入部152aが形成されたロータハブボディー152と、ロータハブボディー152の端から延長形成され、内部面にマグネットアセンブリー180が装着される装着部154と、装着部154の端から半径方向外側に向かって延長形成される延長部156と、を備えることができる。
【0078】
一方、ロータハブボディー152の内部面下端部はスリーブ140の外部面に接合されることができる。即ち、スリーブ140の接合面145にロータハブボディー152の内部面下端部が接着剤または/及び熔接によって接合されることができる。
【0079】
これにより、ロータハブ150の回転時、スリーブ140がロータハブ150とともに回転されることができる。
【0080】
また、装着部154は、ロータハブボディー152から軸方向下側に向かって延長形成され、装着部154の内部面にマグネットアセンブリー180が固設されることができる。
【0081】
一方、マグネットアセンブリー180は、装着部154の内部面に固設されるヨーク182と、ヨーク182の内周面に設けられるマグネット184と、で構成されることができる。
【0082】
ヨーク182は、マグネット184からの磁場がステータコア102に向かうようにして、磁束密度を増加させる機能をする。一方、ヨーク182は円形の環状を有することができ、マグネット184から発生する磁場による磁束密度を向上させるために、一端部が折り曲げられた形状を有するように形成されることができる。
【0083】
マグネット184は環状を有することができ、円周方向に沿ってN極、S極が交互に着磁され、一定強さの磁場を発生させる永久磁石であることができる。
【0084】
一方、マグネット184はコイル101が巻線されるステータコア102の先端に対向配置され、コイル101が巻線されたステータコア102との電磁気的相互作用により、ロータハブ150を回転させるための駆動力を発生させる。
【0085】
即ち、コイル101に電源が供給されると、コイル101が巻線されたステータコア102とこれに対向配置されるマグネット184との電磁気的相互作用により、ロータハブ150を回転させる駆動力が発生し、これにより、ロータハブ150がスリーブ140と連動して回転されることができる。
【0086】
上部スラスト部材160はシャフト130の上端部に固設され、スリーブ140とともに気液界面を形成する。また、上部スラスト部材160は、シャフト130との締結強度を向上させるために底面がシャフト130の上面に支持され、上面が蓋部材(不図示)によって加圧される段部166を備えることができる。
【0087】
一方、上部スラスト部材160は、内部面がシャフト130に接合されるボディー162と、ボディー162から延長形成され、傾斜部143とともに気液界面を形成する突出部164と、ボディー162の内部面から半径方向内側に延長形成される段部166と、を備えることができる。
【0088】
突出部164は、ボディー162から軸方向下側に延長形成され、内部面が傾斜部143に対向配置されることができる。
【0089】
また、突出部164は、シャフト130と平行にボディー162から延長形成されることができる。
【0090】
また、上部スラスト部材160は、シャフト130の外周面上端部、スリーブ140の外部面及びロータハブ150の内部面によって形成される空間に挿入配置されることができる。
【0091】
また、上部スラスト部材160も、ベース部材110、下部スラスト部材120、シャフト130とともに固設される固定部材であり、ステータを構成する部材である。
【0092】
一方、上部スラスト部材160がシャフト130に固設され、スリーブ140がロータハブ150とともに回転されるため、スリーブ140の傾斜部143と突出部164との間の空間に形成された第1気液界面F1は、スリーブ140の回転時、図5に図示されたようにスリーブ140の傾斜部143側に傾くようになる。
【0093】
即ち、第1気液界面F1がスリーブ140の外周面側に傾くようになるため、遠心力によって潤滑流体が飛散することをより減少させることができる。
【0094】
さらに、上部スラスト部材160の外周面と、これに対向配置される上記ロータハブ150の内部面とは、ラビリンスシール(Labyrinth Seal)を形成する。即ち、上部スラスト部材160の外部面とロータハブボディー152の内部面は所定間隔で離隔配置され、蒸発された潤滑流体を含む空気が外部に流動することを抑制するために、ラビリンスシールを形成する。
【0095】
これにより、蒸発された潤滑流体を含む空気が外部に流動することを抑制し、潤滑流体の減少を抑制することができる。
【0096】
また、上部スラスト部材160の外周面とロータハブボディー152の内部面は、0.3mm以下の間隙を形成することができる。
【0097】
尚、段部166は、蓋部材(不図示)が締結手段、即ち、ねじによってシャフト130に固設される場合、蓋部材(不図示)によって加圧される。これにより、上部スラスト部材160とシャフト130との締結強度を向上させることができる。
【0098】
即ち、段部166は、底面がシャフト130に支持され、上面が蓋部材によって加圧されることにより、上部スラスト部材160がシャフト130により堅固に固定されるようにする機能をする。
【0099】
一方、上部スラスト部材160の底面または上部スラスト部材160の底面に対向配置されるスリーブ140の上面のうち少なくとも一つには、スラスト動圧を発生させるためのスラスト動圧グルーブが形成されることができる。本発明において、上記スラスト動圧グルーブは、上記スリーブ140に循環孔147が備えられていない場合には、半径方向に備えられる全ての方式のスラスト動圧グルーブを含む。例えば、半径方向に一つまたは二つ以上が備えられる場合を全て含む。一方、本発明において、上記スリーブ140に循環孔147が備えられる場合には、上記循環孔147を基準に半径方向内側に備えられるスラスト動圧グルーブ148aのみを意味することができる。
【0100】
また、上部スラスト部材160は、軸受間隙Bに充填される潤滑流体が上部側に漏れることを防止する封止部材としての機能も同時に果たすことができる。
【0101】
上部スラスト部材160とロータハブ150との間隙の間隔を狭く形成することにより、蒸発された潤滑流体を含む空気が外部に流出されることを抑制し、上部軸受間隙Bに充填される潤滑流体の減少を抑制することができる。
【0102】
一方、気液界面、即ち、第1気液界面F1及び第2気液界面F2を形成する回転部材(即ち、スリーブ)と固定部材(即ち、上、下部スラスト部材)のうち回転部材であるスリーブ140が固定部材に対して半径方向内側に配置されるため、遠心力によって潤滑流体が飛散することを減少させることができる。
【0103】
以下、図2から図4を参照して、本発明の特徴部である封止部の構成を詳細に説明する。
【0104】
図2から図4を参照すると、本発明の第1実施例による封止部S1、S2は上下に一対が備えられることができる。即ち、スリーブ140は下部スラスト部材120の上部に配置され、上記下部スラスト部材120とともに潤滑流体の気液界面F2を形成して下部封止部S2を形成する。また、スリーブ140は上部スラスト部材160の下部に配置され、上記上部スラスト部材160とともに潤滑流体の気液界面F1を形成して上部封止部S1を形成する。
【0105】
ここで、本発明の第1実施例では、上記上部封止部S1と下部封止部S2のうち何れか一方の潤滑流体の封止容積をより大きくすることができる。本発明において、封止部S1、S2は、図2にボックスで表示されたように、潤滑流体と空気が出会う部分であり、毛細管現象によって流体が封止される部分を意味する。
【0106】
さらに、本発明の第1実施例では、上記封止部S1、S2のうち潤滑流体の封止容積がより大きい封止部に潤滑流体をポムピングすることにより、モータの作動時における潤滑流体の漏れを防止することができる。
【0107】
より詳細には、本発明の第1実施例では、上記上部封止部S1と下部封止部S2のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置するスラスト動圧グルーブの潤滑流体のポンピング力が、他方に位置するスラスト動圧グルーブの潤滑流体のポンピング力より大きいようにすることができる。即ち、スラスト動圧グルーブのポンピング力が大きい方からポンピング力が小さい方にポムピングが発生することにより、封止容積がより大きい封止部に潤滑流体が貯蔵されるようにすることができる。ここで、上記スラスト動圧グルーブは、スパイラル、螺旋状などの多様な形状に備えられることができる。
【0108】
このために、本発明の第1実施例では、上記上部封止部S1と下部封止部S2のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置するスラスト動圧グルーブの溝深さが、他方に位置するスラスト動圧グルーブの溝深さより浅いようにすることができる。スラスト動圧グルーブの溝深さが浅いとポンピング力が強いため、流体を封止容積が大きい封止部側にポムピングすることができる。
【0109】
また、本発明の第1実施例では、上記上部封止部S1と下部封止部S2のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置するスラスト部材とスリーブ140との軸方向間隔が、他方に位置するスラスト部材とスリーブ140との軸方向間隔より小さいようにすることができる。即ち、回転部材と隣接する部材間の間隔が狭いほど動圧グルーブによるポンピング力が強いため、スラスト部材とスリーブ140との間隔を調節して、潤滑流体を封止容積が大きい封止部側にポムピングすることができる。
【0110】
一方、本発明の第1実施例によるスリーブ140に上記スリーブ140の上面と下面とを連通する循環孔147が備えられる場合には、封止部の容積が大きい方に流体をポムピングするためのスリーブまたはスラスト部材の構造が異なることができる。
【0111】
即ち、上記循環孔147が備えられる場合には、上記スラスト動圧グルーブ148は、上記循環孔147を基準に、半径方向内側のスラスト動圧グルーブ148aと半径方向外側の補助スラスト動圧グルーブ148bとを含むことができる。
【0112】
即ち、上記循環孔147を基準に半径方向外側に備えられる補助スラスト動圧グルーブ148bによって、潤滑流体の上下のポンピング力が異なるようにすることができる。上記循環孔147の半径方向内側に備えられるスラスト動圧グルーブ148aは、潤滑流体の上下のポンピング力に差を与えることよりは、回転部材の浮上力を発生させたり、潤滑流体を循環させるために活用されることができる。勿論、これに限定されず、多様な活用が可能である。
【0113】
より詳細には、上記上部封止部S1と下部封止部S2のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置する補助スラスト動圧グルーブ148bの潤滑流体のポンピング力が、他方に位置するスラスト動圧グルーブの潤滑流体のポンピング力より大きいようにすることができる。これにより、封止容積が大きい封止部の方に上記潤滑流体がポムピングされ貯蔵されることができる。
【0114】
また、上記上部封止部S1と下部封止部S2のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置する補助スラスト動圧グルーブ148bの溝深さが、他方に位置するスラスト動圧グルーブの溝深さより浅いようにし、封止容積が大きい封止部の方に上記潤滑流体がポムピングされるようにすることができる。
【0115】
さらに、上記循環孔147の半径方向外側部分で、上記上部封止部S1と下部封止部S2のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置するスラスト部材とスリーブとの軸方向間隔が、他方に位置するスラスト部材とスリーブとの軸方向間隔より小さいようにし、封止容積が大きい封止部の方に上記潤滑流体がポムピングされるようにすることができる。
【0116】
具体的には、図4を参照すると、封止部の潤滑流体の封止容積が、軸方向下部に備えられた下部封止部S2がより大きいと仮定する場合、上記上部封止部S1と下部封止部S2のうち潤滑流体の封止容積がより大きい下部封止部S2の方に位置するスリーブの端部には上記循環孔147を基準に半径方向外側方向に段差部149が備えられ、下部スラスト部材120とスリーブ140との軸方向間隔は上部スラスト部材160とスリーブ140との軸方向間隔より大きく備えられることができる。このような構成により、上側に備えられる補助スラスト動圧グルーブ148bのポンピング力がより大きく作用することができるため、潤滑流体が下部封止部S2側にポムピングされることができる。
【0117】
図6は本発明の第2実施例によるスピンドルモータを示す概略断面図であり、図7は図6のA'部を示す拡大図であり、図8及び図9は本発明の第2実施例によるスリーブと上部スラスト部材及び下部スラスト部材を示す部分切開分解斜視図である。
【0118】
図6から図9を参照すると、本発明の第2実施例によるスピンドルモータ200は、ベース部材210と、下部スラスト部材220と、シャフト230と、スリーブ240と、ロータハブ250と、上部スラスト部材260と、を含んで構成されることができる。
【0119】
ここで、方向に関する用語を定義すると、軸方向は図6を参照して、上、下方向、即ち、シャフト230の上部側から下部側に向かう方向またはシャフト230の下部側から上部側に向かう方向を意味し、半径方向は図6を参照して、左、右方向、即ちシャフト230からロータハブ250の外周面に向かう方向またはロータハブ250の外周面からシャフト230に向かう方向を意味し、円周方向は、ロータハブ250の外周面に沿って回転される方向を意味する。
【0120】
ベース部材210は、ロータハブ250とともに所定空間を形成するように装着溝212を備えることができる。また、ベース部材210は、軸方向上部側に延長形成され、外周面にステータコア202が設けられる結合部214を備えることができる。
【0121】
また、結合部214の外周面にはステータコア202が載置されて設けられる載置面214aが備えられることができ、結合部214に載置されたステータコア202は上記ベース部材210の装着溝212の上部に配置されることができる。
【0122】
シャフト230はベース部材210に固設される。即ち、シャフト230の下端部がベース部材210に形成された設置孔210aに挿入されるように設けられることができる。また、シャフト230の下端部は、ベース部材210の内部面と接着剤または/及び熔接によって接合されることができる。これにより、シャフト230が固定されることができる。
【0123】
一方、シャフト230は、以下に説明する上部スラスト部材260及び下部スラスト部材220、ベース部材210とともに固定部材、即ち、ステータに含まれる構成である。
【0124】
シャフト230の上面には、蓋部材(不図示)を固設するための結合手段、例えば、ねじが締結されるねじ部が備えられることができる。
【0125】
スリーブ240はシャフト230に回転可能に設けられることができる。このために、スリーブ240は、シャフト230が挿入される貫通孔241に備えられる軸受部を備えることができる。一方、スリーブ240がシャフト230に設けられる場合、スリーブ240の内周面とシャフト230の外周面とは所定間隔で離隔配置されて軸受間隙B'を形成し、この軸受間隙B'に潤滑流体が充填される。
【0126】
尚、上記スリーブ240は、以下に説明する上部スラスト部材260及び下部スラスト部材220が収納される上部溝部248及び下部溝部249を備えることができる。上記上部溝部248及び下部溝部249は、夫々溝部底面248a、249a及び溝部側壁248b、249bによって形成されることができる。本実施例における溝部底面という用語は、上記溝部248、249において軸方向と垂直に形成される面を意味し、溝部側壁は上記軸方向と平行に形成される面を意味することができる。
【0127】
また、スリーブ240の内部面には、スリーブ240の回転時、軸受間隙B'に充填された潤滑流体を媒介として流体動圧を発生させるための動圧グルーブ246が形成されることができる。即ち、動圧グルーブ246は、図8及び図9に図示されたように、上部動圧グルーブ246a及び下部動圧グルーブ246bからなることができる。
【0128】
但し、動圧グルーブ246は、スリーブ240の内部面に形成される場合に限定されず、シャフト230の外周面に形成されることもでき、へリングボーン、スパイラル、螺旋状などの多様な形状に備えられることができる。
【0129】
また、上記スリーブ240は、上記スリーブ240の上部溝部248と下部溝部249とを連通する循環孔247をさらに備えることができる。上記循環孔247は、軸受間隙B'の潤滑流体に含まれた気泡を外部に排出させることができ、潤滑流体が容易に循環するようにすることができる。
【0130】
さらに、上記スリーブ240及び上記シャフト230によって形成される軸受間隙B'と上記循環孔247とを連通する連通孔242をさらに備えることができる。上記連通孔242により、上記動圧グルーブ246のポムピング方向を変更しても、効果的に流体動圧軸受アセンブリーを活用することができる。即ち、上記連通孔242は、上記動圧グルーブ246のポムピング方向を流動的に活用できるようにして、モータの設計多様性を高めることができる。
【0131】
ロータハブ250はスリーブ240に結合され、スリーブ240と連動して回転される。
【0132】
ロータハブ250は、スリーブ240が内部に挿入配置される挿入部252aが形成されたロータハブボディー252と、ロータハブボディー252の端から延長形成され、内部面にマグネットアセンブリー280が装着される装着部254と、装着部254の端から半径方向外側に向かって延長形成される延長部256と、を備えることができる。
【0133】
一方、ロータハブボディー252の内部面下端部はスリーブ240の外部面に接合されることができる。即ち、スリーブ240の接合面245に、ロータハブボディー252の内部面下端部が接着剤によってまたは/及び熔接によって接合されることができる。
【0134】
これにより、ロータハブ250の回転時、スリーブ240がロータハブ250とともに回転されることができる。
【0135】
また、装着部254は、ロータハブボディー252から軸方向下側に向かって延長形成され、装着部254の内部面にマグネットアセンブリー280が固設されることができる。
【0136】
一方、マグネットアセンブリー280は、装着部254の内部面に固設されるヨーク282と、ヨーク282の内周面に設けられるマグネット284と、で構成されることができる。
【0137】
ヨーク282は、マグネット284からの磁場がステータコア202に向かうようにして、磁束密度を増加させる機能をする。一方、ヨーク282は円形の環状を有することができ、マグネット284から発生する磁場による磁束密度を向上させるために、一端部が折り曲げられた形状を有するように形成されることができる。
【0138】
マグネット284は環状を有することができ、円周方向に沿ってN極、S極が交互に着磁され、一定強さの磁場を発生させる永久磁石であることができる。
【0139】
一方、マグネット284はコイル201が巻線されるステータコア202の先端に対向配置され、コイル201が巻線されたステータコア202との電磁気的相互作用により、ロータハブ250を回転させるための駆動力を発生させる。
【0140】
即ち、コイル201に電源が供給されると、コイル201が巻線されたステータコア202とこれに対向配置されるマグネット284との電磁気的相互作用により、ロータハブ250を回転させる駆動力が発生し、これにより、ロータハブ250がスリーブ240と連動して回転されることができる。
【0141】
上部スラスト部材260はシャフト230の上端部に固設され、スリーブ240の上部溝部側壁248bとともに上部気液界面F3を形成する。上部スラスト部材260は、内部面がシャフト230に接合される内側面262と、上記上部スラスト部材260の半径方向外側に備えられ、上記上部溝部側壁248bとともに気液界面を形成する外側面264と、を含むことができる。ここで、上記外側面264は、上部側の外径が下部側の外径より小さく形成される上部傾斜部261に備えられることができる。
【0142】
一方、上部スラスト部材260の底面または上部スラスト部材260の底面に対向配置されるスリーブ240の上部溝部底面248aのうち少なくとも一つには、スラスト動圧を発生させるためのスラスト動圧グルーブが形成されることができる。本発明において、上記スラスト動圧グルーブは、上記スリーブ240に循環孔247が備えられていない場合には、半径方向に備えられる全ての方式のスラスト動圧グルーブを含む。例えば、半径方向に一つまたは二つ以上が備えられる場合を全て含む。一方、本発明において、上記スリーブ240に循環孔247が備えられる場合には、上記循環孔247を基準に半径方向内側に備えられるスラスト動圧グルーブ243aのみを意味することができる。
【0143】
また、上部スラスト部材260の上部には、軸受間隙B'に充填される潤滑流体が上部側に漏れることを防止する封止部材として上部キャップ291を備えることができる。上記上部キャップ291は、上記上部溝部248を軸方向上部で仕上げることにより、上記上部溝部248を介して潤滑流体が飛散して漏れることを防止する機能をすることができる。即ち、上記上部キャップ291は、スリーブ240の上部溝部側壁248bに圧入または接着剤結合方式により固定されることができ、シャフト230が上部に突出するように備えられる上部キャップ291の軸孔とシャフト230との間隙の間隔を狭く形成することにより、蒸発された潤滑流体を含む空気が外部に流出されることを抑制し、上部軸受間隙B'に充填される潤滑流体の減少を抑制することができる。
【0144】
下部スラスト部材220はシャフト230の下端部に固設され、スリーブ240の下部溝部側壁249bとともに下部気液界面F4を形成する。下部スラスト部材220は、内部面がシャフト230に接合される内側面222と、下部スラスト部材220の半径方向外側に備えられ、上記下部溝部側壁249bとともに気液界面を形成する外側面224と、を含むことができる。ここで、上記外側面224は、下部側の外径が上部側の外径より小さく形成される下部傾斜部221に備えられることができる。
【0145】
一方、下部スラスト部材220の上面または下部スラスト部材220の上面に対向配置されるスリーブ240の下部溝部底面249aのうち少なくとも一つには、スラスト動圧を発生させるためのスラスト動圧グルーブが形成されることができる。本発明において、上記スラスト動圧グルーブは、上記スリーブ240に循環孔247が備えられていない場合には、半径方向に備えられる全ての方式のスラスト動圧グルーブを含む。例えば、半径方向に一つまたは二つ以上が備えられる場合を全て含む。一方、本発明において、上記スリーブ240に循環孔247が備えられる場合には、上記循環孔247を基準に半径方向内側に備えられるスラスト動圧グルーブ243aのみを意味することができる。
【0146】
また、下部スラスト部材220の下部には、軸受間隙B'に充填される潤滑流体が下部側に漏れることを防止する封止部材として下部キャップ293を備えることができる。上記下部キャップ293は、上記下部溝部249を軸方向上部で仕上げることにより、上記下部溝部249を介して潤滑流体が飛散して漏れることを防止する機能をすることができる。即ち、上記下部キャップ293は、スリーブ240の下部溝部側壁249bに圧入または接着剤結合方式により固定されることができ、シャフト230が下部に突出するように備えられる下部キャップ293の軸孔とシャフト230との間隙の間隔を狭く形成することにより、蒸発された潤滑流体を含む空気が外部に流出されることを抑制し、上部軸受間隙B'に充填される潤滑流体の減少を抑制することができる。
【0147】
以下、図7から図9を参照して本発明の特徴部である封止部の構成を詳細に説明する。
【0148】
図7から図9を参照すると、本発明の第2実施例による封止部S3、S4は上下に一対が備えられることができる。即ち、スリーブ240は上部及び下部に夫々上部溝部248及び下部溝部249を備え、上記上部溝部248及び下部溝部249に上部スラスト部材260及び下部スラスト部材220を夫々収納させて封止部が備えられるようにすることができる。
【0149】
即ち、上記上部スラスト部材260の外側面264と上記上部溝部248の溝部側壁248bとの間に潤滑流体の上部気液界面F3を形成して上部封止部S3を形成する。同様の方式で、上記下部スラスト部材220の外側面224と上記下部溝部249の溝部側壁249bとの間に潤滑流体の下部気液界面F4を形成して下部封止部S4を形成する。
【0150】
ここで、本発明の第2実施例では、上記上部封止部S3と下部封止部S4のうち何れか一方の潤滑流体の封止容積をより大きくすることができる。本発明において、封止部S3、S4は、図7にボックスで表示されたように、潤滑流体と空気が出会う部分であり、毛細管現象によって流体が封止される部分を意味する。
【0151】
さらに、本発明の第2実施例では、上記封止部S3、S4のうち潤滑流体の封止容積がより大きい封止部に潤滑流体をポムピングすることにより、モータの作動時における潤滑流体の漏れを防止することができる。
【0152】
より詳細には、本発明の第3実施例では、上記上部封止部S3と下部封止部S4のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置するスラスト動圧グルーブの潤滑流体のポンピング力が、他方に位置するスラスト動圧グルーブの潤滑流体のポンピング力より大きいようにすることができる。即ち、スラスト動圧グルーブのポンピング力が大きい方からポンピング力が小さい方にポムピングが発生することにより、封止容積がより大きい封止部に潤滑流体が貯蔵されるようにすることができる。ここで、上記スラスト動圧グルーブは、スパイラル、螺旋状などの多様な形状に備えられることができる。
【0153】
このために、本発明の第2実施例では、上記上部封止部S3と下部封止部S4のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置するスラスト動圧グルーブの溝深さが、他方に位置するスラスト動圧グルーブの溝深さより浅いようにすることができる。スラスト動圧グルーブの溝深さが浅いとポンピング力が強いため、流体を封止容積が大きい封止部の方にポムピングすることができる。
【0154】
また、本発明の第2実施例では、上記上部封止部S3と下部封止部S4のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置するスラスト部材とスリーブ240の溝部底面との軸方向間隔が、他方に位置するスラスト部材とスリーブ240の溝部底面との軸方向間隔より小さいようにすることができる。即ち、回転部材と隣接する部材間の間隔が狭いほど動圧グルーブによるポンピング力が強いため、スラスト部材とスリーブ240の溝部底面との間隔を調節して、潤滑流体を封止容積が大きい封止部の方にポムピングが発生するようにすることができる。
【0155】
一方、本発明の第2実施例によるスリーブ240に上記スリーブ240の上部溝部248と下部溝部249とを連通する循環孔247が備えられる場合には、封止部の容積が大きい方に流体をポムピングするためのスリーブまたはスラスト部材の構造が異なることができる。
【0156】
即ち、上記循環孔247が備えられる場合には、上記スラスト動圧グルーブ243は、上記溝部底面248、249に、上記循環孔247を基準に半径方向内側のスラスト動圧グルーブ243aと、半径方向外側の補助スラスト動圧グルーブ243bと、を含むことができる。
【0157】
即ち、上記溝部底面248、249に、上記循環孔247を基準に半径方向外側に備えられる補助スラスト動圧グルーブ243bによって、潤滑流体の上下のポンピング力が異なるようにすることができる。上記循環孔247の半径方向内側に備えられるスラスト動圧グルーブ243aは、潤滑流体の上下のポンピング力に差を与えることよりは、回転部材の浮上力を発生させたり、潤滑流体を循環させるために活用されることができる。勿論、これに限定されず、多様な活用が可能である。
【0158】
より詳細には、上記上部封止部S3と下部封止部S4のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置する補助スラスト動圧グルーブ243bの潤滑流体のポンピング力が、他方に位置するスラスト動圧グルーブの潤滑流体のポンピング力より大きいようにすることができる。これにより、封止容積が大きい封止部の方に上記潤滑流体がポムピングされ貯蔵されることができる。
【0159】
また、上記上部封止部S3と下部封止部S4のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置する補助スラスト動圧グルーブ243bの溝深さが、他方に位置するスラスト動圧グルーブの溝深さより浅いようにし、封止容積が大きい封止部の方に上記潤滑流体がポムピングされるようにすることができる。
【0160】
さらに、上記循環孔247の半径方向外側部分の溝部底面で、上記上部封止部S3と下部封止部S4のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置するスラスト部材とスリーブ溝部底面との軸方向間隔が、他方に位置するスラスト部材とスリーブ溝部底面との軸方向間隔より小さいようにし、封止容積が大きい封止部の方に上記潤滑流体がポムピングされるようにすることができる。
【0161】
具体的には、図9を参照すると、封止部の潤滑流体の封止容積が、軸方向下部に備えられた下部封止部S4がより大きいと仮定する場合、上記上部封止部S3と下部封止部S4のうち潤滑流体の封止容積がより大きい下部封止部S4の方に位置するスリーブの溝部底面249aには上記循環孔247を基準に半径方向外側方向に段差部244が備えられ、下部スラスト部材220と下部溝部底面249aとの軸方向間隔は上部スラスト部材160と上部溝部底面248aとの軸方向間隔より大きく備えられることができる。このような構成により、上側に備えられる補助スラスト動圧グルーブ243bのポンピング力がより大きく作用することができるため、潤滑流体が下部封止部S4側にポムピングされることができる。
【0162】
本発明では、スピンドルモータの実施例を大きく第1及び第2の二つに区分して説明したが、これに限定されず、本発明の思想に含まれることができる多様な実施例のスピンドルモータに本発明の特徴が適用されることができる。
【0163】
図10は本発明によるモータが装着された記録ディスク駆動装置を図示した概略断面図である。
【0164】
図10を参照すると、本発明によるモータ100、200が装着された記録ディスク駆動装置800はハードディスク駆動装置であり、モータ100、200と、ヘッド移送部810と、ハウジング820と、を含むことができる。
【0165】
上記モータ100、200は、上記で説明した本発明のモータの特徴を全て有し、記録ディスク830を搭載することができる。
【0166】
上記ヘッド移送部810は、上記モータ100、200に搭載された記録ディスク830の情報を検出するヘッド815を、検出しようとする記録ディスクの面に移送させることができる。
【0167】
ここで、上記ヘッド815は上記ヘッド移送部810の支持部817上に配置されることができる。
【0168】
上記ハウジング820は、上記モータ100、200と上記ヘッド移送部810とを収容する内部空間を形成するために、モータ搭載プレート822と、上記モータ搭載プレート822の上部を遮蔽するトップカーバー824と、を含むことができる。
【符号の説明】
【0169】
100、200 スピンドルモータ
110、210 ベース部材
120、220 下部スラスト部材
130、230 シャフト
140、240 スリーブ
150、250 ロータハブ
160、260 上部スラスト部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース部材に固設される第1スラスト部材と、
前記第1スラスト部材と前記ベース部材のうち少なくとも一方に一端が固設されるシャフトと、
前記第1スラスト部材と対向して配置され、前記第1スラスト部材とともに潤滑流体の気液界面を形成して第1封止部を形成し、前記シャフトに対して回転可能に設けられるスリーブと、
前記スリーブに結合され、前記スリーブと連動して回転されるロータハブと、
前記シャフトの他端部に固設され、前記スリーブとともに潤滑流体の気液界面を形成して第2封止部を形成する第2スラスト部材と
を含み、
前記第1封止部と前記第2封止部の一方が他方よりも潤滑流体の封止容積が大きいスピンドルモータ。
【請求項2】
前記スリーブの一方の端部に、前記第1スラスト部材とともに気液界面を形成するように、外径が端に近付くほど大きく形成される第1傾斜部と、
前記スリーブの他方の端部に、前記第2スラスト部材とともに気液界面を形成するように、外径が端に近付くほど大きく形成される第2傾斜部と、を有する請求項1に記載のスピンドルモータ。
【請求項3】
前記第1スラスト部材及び前記第2スラスト部材の各々は、内部面が前記シャフトに接合されるボディーと、前記ボディーから延長形成され、前記傾斜部とともに気液界面を形成する突出部と、を備える請求項2に記載のスピンドルモータ。
【請求項4】
前記第1スラスト部材及び前記スリーブが対向する対向面のうち少なくとも一方、または前記第2スラスト部材及び前記スリーブが対向する対向面のうち少なくとも一方には、スラスト動圧グルーブが形成される請求項1から3の何れか1項に記載のスピンドルモータ。
【請求項5】
前記第1封止部と前記第2封止部のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置するスラスト動圧グルーブの潤滑流体のポンピング力が、他方に位置するスラスト動圧グルーブの潤滑流体のポンピング力より大きい請求項4に記載のスピンドルモータ。
【請求項6】
前記第1封止部と第2封止部のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置するスラスト動圧グルーブの溝深さが、他方に位置するスラスト動圧グルーブの溝深さより浅い請求項5に記載のスピンドルモータ。
【請求項7】
前記第1封止部と第2封止部のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置するスラスト部材とスリーブとの軸方向間隔が、他方に位置するスラスト部材とスリーブとの軸方向間隔より小さい請求項5または6に記載のスピンドルモータ。
【請求項8】
前記スリーブの前記第1スラスト部材との対向面と前記第2スラスト部材との対向面とを連通する循環孔をさらに備える請求項1から7の何れか1項に記載のスピンドルモータ。
【請求項9】
前記第1スラスト部材及び前記スリーブが対向する対向面のうち少なくとも一方、または前記第2スラスト部材及び前記スリーブが対向する対向面のうち少なくとも一方には、前記循環孔が備えられる位置から半径方向外側に補助スラスト動圧グルーブが形成される請求項8に記載のスピンドルモータ。
【請求項10】
前記第1封止部と前記第2封止部のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置する補助スラスト動圧グルーブの潤滑流体のポンピング力が、他方に位置するスラスト動圧グルーブの潤滑流体のポンピング力より大きい請求項9に記載のスピンドルモータ。
【請求項11】
前記第1封止部と前記第2封止部のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置する補助スラスト動圧グルーブの溝深さが、他方に位置するスラスト動圧グルーブの溝深さより浅い請求項10に記載のスピンドルモータ。
【請求項12】
前記循環孔の半径方向外側部分で、前記第1封止部と前記第2封止部のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置するスラスト部材とスリーブとの軸方向間隔が、他方に位置するスラスト部材とスリーブとの軸方向間隔より小さい請求項10または11に記載のスピンドルモータ。
【請求項13】
前記第1封止部と前記第2封止部のうち潤滑流体の封止容積が大きい方に位置するスリーブの端部には前記循環孔を基準に半径方向外側方向に段差部が備えられ、前記第1封止部と前記第2封止部のうち潤滑流体の封止容積が大きい方に位置するスラスト部材とスリーブとの軸方向間隔が、他方に位置するスラスト部材とスリーブの軸方向間隔より大きい請求項10から12の何れか1項に記載のスピンドルモータ。
【請求項14】
前記スリーブ及び前記シャフトにより形成される軸受間隙と前記循環孔とを連通する連通孔を備える請求項8から13の何れか1項に記載のスピンドルモータ。
【請求項15】
前記ロータハブは、
前記第2スラスト部材が内部に挿入配置される挿入部を形成するロータハブボディーと、
前記ロータハブボディーの端から延長形成され、内部面にマグネットアセンブリーが装着される装着部と、
前記装着部の端から半径方向外側に向かって延長形成される延長部と、
を備える請求項1から14の何れか1項に記載のスピンドルモータ。
【請求項16】
前記スリーブと前記ロータハブは一体型である請求項1から15の何れか1項に記載のスピンドルモータ。
【請求項17】
ベース部材と、
前記ベース部材に固設されるシャフトと、
前記シャフトに回転可能に設けられる軸受部を備え、軸方向の両端に第1溝部及び第2溝部を夫々備えるスリーブと、
前記シャフトに固設され、前記第1溝部に収納され、半径方向外側方向に前記スリーブの内径と潤滑流体の気液界面を形成して第1封止部を形成する第1スラスト部材と、
前記シャフトに固設され、前記第2溝部に収納され、半径方向外側方向に前記スリーブの内径と潤滑流体の気液界面を形成して第2封止部を形成する第2スラスト部材と、
前記スリーブに結合され、前記スリーブと連動して回転されるロータハブと
を含み、
前記第1封止部と前記第2封止部の一方が他方よりも潤滑流体の封止容積が大きいスピンドルモータ。
【請求項18】
前記スリーブと前記ロータハブは一体型である請求項17に記載のスピンドルモータ。
【請求項19】
前記第1スラスト部材に、前記スリーブとともに気液界面を形成するように、前記スリーブとの対向側から遠ざかるほど外形が小さく形成される第1傾斜部と、
前記第2スラスト部材に、前記スリーブとともに気液界面を形成するように、前記スリーブとの対向側から遠ざかるほど外形が小さく形成される第2傾斜部と、を有する請求項17に記載のスピンドルモータ。
【請求項20】
前記第1スラスト部材及び前記スリーブが対向する対向面のうち少なくとも一方、または前記第2スラスト部材及び前記スリーブが対向する対向面のうち少なくとも一方には、スラスト動圧グルーブが形成される請求項17に記載のスピンドルモータ。
【請求項21】
前記第1封止部と前記第2封止部のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置するスラスト動圧グルーブの潤滑流体のポンピング力が、他方に位置するスラスト動圧グルーブの潤滑流体のポンピング力より大きい請求項20に記載のスピンドルモータ。
【請求項22】
前記第1封止部と前記第2封止部のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置するスラスト動圧グルーブの溝深さが、他方に位置するスラスト動圧グルーブの溝深さより浅い請求項21に記載のスピンドルモータ。
【請求項23】
前記第1封止部と前記第2封止部のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置するスラスト部材とスリーブとの軸方向間隔が、他方に位置するスラスト部材とスリーブとの軸方向間隔より小さい請求項21または22に記載のスピンドルモータ。
【請求項24】
前記スリーブの前記第1溝部と前記第2溝部とを連通する循環孔をさらに備える請求項17に記載のスピンドルモータ。
【請求項25】
前記第1スラスト部材及び前記スリーブの前記第1溝部が対向する対向面のうち少なくとも一方、または前記第2スラスト部材及び前記スリーブの前記第2溝部が対向する対向面のうち少なくとも一方には、前記循環孔が備えられる位置から半径方向外側方向に補助スラスト動圧グルーブが形成される請求項24に記載のスピンドルモータ。
【請求項26】
前記第1封止部と前記第2封止部のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置する補助スラスト動圧グルーブの潤滑流体のポンピング力が、他方に位置するスラスト動圧グルーブの潤滑流体のポンピング力より大きい請求項25に記載のスピンドルモータ。
【請求項27】
前記第1封止部と前記第2封止部のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置する補助スラスト動圧グルーブの溝深さが、他方に位置するスラスト動圧グルーブの溝深さより浅い請求項26に記載のスピンドルモータ。
【請求項28】
前記循環孔の半径方向外側部分で、前記第1封止部と前記第2封止部のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置するスラスト部材とスリーブの溝部底面との軸方向間隔は、他方に位置するスラスト部材とスリーブの溝部底面との軸方向間隔より小さい請求項26または27に記載のスピンドルモータ。
【請求項29】
前記第1封止部と前記第2封止部のうち潤滑流体の封止容積が大きい方に位置するスリーブの溝部底面には前記循環孔を基準に半径方向外側方向に段差部が備えられ、前記第1封止部と前記第2封止部のうち潤滑流体の封止容積が大きい方に位置するスラスト部材とスリーブの溝部底面との軸方向間隔が、他方に位置するスラスト部材とスリーブの溝部底面との軸方向間隔より大きい請求項26から28の何れか1項に記載のスピンドルモータ。
【請求項30】
前記スリーブ及び前記シャフトによって形成される軸受間隙と前記循環孔とを連通する連通孔を備える請求項24に記載のスピンドルモータ。
【請求項31】
前記ロータハブは、
前記スリーブが内部に挿入配置される挿入部を形成するロータハブボディーと、
前記ロータハブボディーの端から延長形成され、内部面にマグネットアセンブリーが装着される装着部と、
前記装着部の端から半径方向外側に向かって延長形成される延長部と
を備える請求項17から30の何れか1項に記載のスピンドルモータ。
【請求項32】
請求項1から31の何れか一項に記載のスピンドルモータを含む記録ディスク駆動装置。
【請求項1】
ベース部材に固設される第1スラスト部材と、
前記第1スラスト部材と前記ベース部材のうち少なくとも一方に一端が固設されるシャフトと、
前記第1スラスト部材と対向して配置され、前記第1スラスト部材とともに潤滑流体の気液界面を形成して第1封止部を形成し、前記シャフトに対して回転可能に設けられるスリーブと、
前記スリーブに結合され、前記スリーブと連動して回転されるロータハブと、
前記シャフトの他端部に固設され、前記スリーブとともに潤滑流体の気液界面を形成して第2封止部を形成する第2スラスト部材と
を含み、
前記第1封止部と前記第2封止部の一方が他方よりも潤滑流体の封止容積が大きいスピンドルモータ。
【請求項2】
前記スリーブの一方の端部に、前記第1スラスト部材とともに気液界面を形成するように、外径が端に近付くほど大きく形成される第1傾斜部と、
前記スリーブの他方の端部に、前記第2スラスト部材とともに気液界面を形成するように、外径が端に近付くほど大きく形成される第2傾斜部と、を有する請求項1に記載のスピンドルモータ。
【請求項3】
前記第1スラスト部材及び前記第2スラスト部材の各々は、内部面が前記シャフトに接合されるボディーと、前記ボディーから延長形成され、前記傾斜部とともに気液界面を形成する突出部と、を備える請求項2に記載のスピンドルモータ。
【請求項4】
前記第1スラスト部材及び前記スリーブが対向する対向面のうち少なくとも一方、または前記第2スラスト部材及び前記スリーブが対向する対向面のうち少なくとも一方には、スラスト動圧グルーブが形成される請求項1から3の何れか1項に記載のスピンドルモータ。
【請求項5】
前記第1封止部と前記第2封止部のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置するスラスト動圧グルーブの潤滑流体のポンピング力が、他方に位置するスラスト動圧グルーブの潤滑流体のポンピング力より大きい請求項4に記載のスピンドルモータ。
【請求項6】
前記第1封止部と第2封止部のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置するスラスト動圧グルーブの溝深さが、他方に位置するスラスト動圧グルーブの溝深さより浅い請求項5に記載のスピンドルモータ。
【請求項7】
前記第1封止部と第2封止部のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置するスラスト部材とスリーブとの軸方向間隔が、他方に位置するスラスト部材とスリーブとの軸方向間隔より小さい請求項5または6に記載のスピンドルモータ。
【請求項8】
前記スリーブの前記第1スラスト部材との対向面と前記第2スラスト部材との対向面とを連通する循環孔をさらに備える請求項1から7の何れか1項に記載のスピンドルモータ。
【請求項9】
前記第1スラスト部材及び前記スリーブが対向する対向面のうち少なくとも一方、または前記第2スラスト部材及び前記スリーブが対向する対向面のうち少なくとも一方には、前記循環孔が備えられる位置から半径方向外側に補助スラスト動圧グルーブが形成される請求項8に記載のスピンドルモータ。
【請求項10】
前記第1封止部と前記第2封止部のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置する補助スラスト動圧グルーブの潤滑流体のポンピング力が、他方に位置するスラスト動圧グルーブの潤滑流体のポンピング力より大きい請求項9に記載のスピンドルモータ。
【請求項11】
前記第1封止部と前記第2封止部のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置する補助スラスト動圧グルーブの溝深さが、他方に位置するスラスト動圧グルーブの溝深さより浅い請求項10に記載のスピンドルモータ。
【請求項12】
前記循環孔の半径方向外側部分で、前記第1封止部と前記第2封止部のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置するスラスト部材とスリーブとの軸方向間隔が、他方に位置するスラスト部材とスリーブとの軸方向間隔より小さい請求項10または11に記載のスピンドルモータ。
【請求項13】
前記第1封止部と前記第2封止部のうち潤滑流体の封止容積が大きい方に位置するスリーブの端部には前記循環孔を基準に半径方向外側方向に段差部が備えられ、前記第1封止部と前記第2封止部のうち潤滑流体の封止容積が大きい方に位置するスラスト部材とスリーブとの軸方向間隔が、他方に位置するスラスト部材とスリーブの軸方向間隔より大きい請求項10から12の何れか1項に記載のスピンドルモータ。
【請求項14】
前記スリーブ及び前記シャフトにより形成される軸受間隙と前記循環孔とを連通する連通孔を備える請求項8から13の何れか1項に記載のスピンドルモータ。
【請求項15】
前記ロータハブは、
前記第2スラスト部材が内部に挿入配置される挿入部を形成するロータハブボディーと、
前記ロータハブボディーの端から延長形成され、内部面にマグネットアセンブリーが装着される装着部と、
前記装着部の端から半径方向外側に向かって延長形成される延長部と、
を備える請求項1から14の何れか1項に記載のスピンドルモータ。
【請求項16】
前記スリーブと前記ロータハブは一体型である請求項1から15の何れか1項に記載のスピンドルモータ。
【請求項17】
ベース部材と、
前記ベース部材に固設されるシャフトと、
前記シャフトに回転可能に設けられる軸受部を備え、軸方向の両端に第1溝部及び第2溝部を夫々備えるスリーブと、
前記シャフトに固設され、前記第1溝部に収納され、半径方向外側方向に前記スリーブの内径と潤滑流体の気液界面を形成して第1封止部を形成する第1スラスト部材と、
前記シャフトに固設され、前記第2溝部に収納され、半径方向外側方向に前記スリーブの内径と潤滑流体の気液界面を形成して第2封止部を形成する第2スラスト部材と、
前記スリーブに結合され、前記スリーブと連動して回転されるロータハブと
を含み、
前記第1封止部と前記第2封止部の一方が他方よりも潤滑流体の封止容積が大きいスピンドルモータ。
【請求項18】
前記スリーブと前記ロータハブは一体型である請求項17に記載のスピンドルモータ。
【請求項19】
前記第1スラスト部材に、前記スリーブとともに気液界面を形成するように、前記スリーブとの対向側から遠ざかるほど外形が小さく形成される第1傾斜部と、
前記第2スラスト部材に、前記スリーブとともに気液界面を形成するように、前記スリーブとの対向側から遠ざかるほど外形が小さく形成される第2傾斜部と、を有する請求項17に記載のスピンドルモータ。
【請求項20】
前記第1スラスト部材及び前記スリーブが対向する対向面のうち少なくとも一方、または前記第2スラスト部材及び前記スリーブが対向する対向面のうち少なくとも一方には、スラスト動圧グルーブが形成される請求項17に記載のスピンドルモータ。
【請求項21】
前記第1封止部と前記第2封止部のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置するスラスト動圧グルーブの潤滑流体のポンピング力が、他方に位置するスラスト動圧グルーブの潤滑流体のポンピング力より大きい請求項20に記載のスピンドルモータ。
【請求項22】
前記第1封止部と前記第2封止部のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置するスラスト動圧グルーブの溝深さが、他方に位置するスラスト動圧グルーブの溝深さより浅い請求項21に記載のスピンドルモータ。
【請求項23】
前記第1封止部と前記第2封止部のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置するスラスト部材とスリーブとの軸方向間隔が、他方に位置するスラスト部材とスリーブとの軸方向間隔より小さい請求項21または22に記載のスピンドルモータ。
【請求項24】
前記スリーブの前記第1溝部と前記第2溝部とを連通する循環孔をさらに備える請求項17に記載のスピンドルモータ。
【請求項25】
前記第1スラスト部材及び前記スリーブの前記第1溝部が対向する対向面のうち少なくとも一方、または前記第2スラスト部材及び前記スリーブの前記第2溝部が対向する対向面のうち少なくとも一方には、前記循環孔が備えられる位置から半径方向外側方向に補助スラスト動圧グルーブが形成される請求項24に記載のスピンドルモータ。
【請求項26】
前記第1封止部と前記第2封止部のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置する補助スラスト動圧グルーブの潤滑流体のポンピング力が、他方に位置するスラスト動圧グルーブの潤滑流体のポンピング力より大きい請求項25に記載のスピンドルモータ。
【請求項27】
前記第1封止部と前記第2封止部のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置する補助スラスト動圧グルーブの溝深さが、他方に位置するスラスト動圧グルーブの溝深さより浅い請求項26に記載のスピンドルモータ。
【請求項28】
前記循環孔の半径方向外側部分で、前記第1封止部と前記第2封止部のうち潤滑流体の封止容積が小さい方に位置するスラスト部材とスリーブの溝部底面との軸方向間隔は、他方に位置するスラスト部材とスリーブの溝部底面との軸方向間隔より小さい請求項26または27に記載のスピンドルモータ。
【請求項29】
前記第1封止部と前記第2封止部のうち潤滑流体の封止容積が大きい方に位置するスリーブの溝部底面には前記循環孔を基準に半径方向外側方向に段差部が備えられ、前記第1封止部と前記第2封止部のうち潤滑流体の封止容積が大きい方に位置するスラスト部材とスリーブの溝部底面との軸方向間隔が、他方に位置するスラスト部材とスリーブの溝部底面との軸方向間隔より大きい請求項26から28の何れか1項に記載のスピンドルモータ。
【請求項30】
前記スリーブ及び前記シャフトによって形成される軸受間隙と前記循環孔とを連通する連通孔を備える請求項24に記載のスピンドルモータ。
【請求項31】
前記ロータハブは、
前記スリーブが内部に挿入配置される挿入部を形成するロータハブボディーと、
前記ロータハブボディーの端から延長形成され、内部面にマグネットアセンブリーが装着される装着部と、
前記装着部の端から半径方向外側に向かって延長形成される延長部と
を備える請求項17から30の何れか1項に記載のスピンドルモータ。
【請求項32】
請求項1から31の何れか一項に記載のスピンドルモータを含む記録ディスク駆動装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2013−79713(P2013−79713A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−267148(P2011−267148)
【出願日】平成23年12月6日(2011.12.6)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年12月6日(2011.12.6)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】
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