説明

スフィンゴミエリン阻害剤としてのアミド

本発明は、式(I)
【化1】


〔式中、
Aは、水素または(C1−4)アルキルであり、
は、基Y−Rであり、
Yは、存在しないか、または(C1−4)アルキレンであり、ここで、アルキレンは、所望により、例えば1個以上のハロゲン、例えばFにより置換されており、
は、−P(O)(OH)(OH)または式(a)または(b)または(c)で示される基であり、
Xは、式(d)で示される基であり、
環Aは、(C5−12)シクロアルキレン、(C5−12)シクロアルケニレンまたはフェニレンであり、そして、
環Bは、非置換であるか、または置換されている(C5−12)シクロアルキル、(C5−12)シクロアルケニルもしくは(C6−12)アリールである〕
で示される化合物および医薬としてのその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸スフィンゴミエリナーゼ(aSMase)の調節剤に関する。
【背景技術】
【0002】
スフィンゴミエリナーゼは、セラミドおよびホスホリルコリンへのスフィンゴミエリンの加水分解を触媒するホスホジエステラーゼである。セラミドはプログラム細胞死(アポトーシス)、細胞分化および増殖の脂質セカンドメッセンジャーであり、スフィンゴミエリナーゼは細胞におけるセラミドの主な供給源である。様々なスフィンゴミエリナーゼが哺乳動物細胞で発見された。これらの中で、酸スフィンゴミエリナーゼ(aSMase、EC 3.1.4.12)が大きな注目を受けている、例えば、Goni FM et al, FEBS Lett. 531:38-46 (2002); Gulbins E et al, Subcell Biochem. 36:229-44 (2002).; Marchesini N et al, Biochem Cell Biol. 82:27-44 (2004); Stoffel W, Chem Phys Lipids. 102:107-21 (1999)参照。この酵素の名称は、至適活性がリソソーム内での局在に従ってpH〜5である事実に基づく。この酵素の活性の欠失は、AおよびB型ニーマン・ピック病、リソソームにおけるスフィンゴミエリンの蓄積を伴う常染色体劣性脂質蓄積症を引き起こす。成熟リソソームaSMaseは、分子量70kDaを有する糖タンパク質である。aSMaseは、それらのグリコシル化の差ならびにN末端の差に特徴付けられる、同じ遺伝子由来の分泌型および細胞内リソソーム型に関して記載されている。例えば、Schissel, S. L., et al, J. Biol. Chem. 273, 18250-18259, (1998)参照。哺乳動物の膜において、コレステロールおよびスフィンゴ脂質は、グリセロリン脂質の大部分とは別のラフトと呼ばれるミクロドメインと関連している。細胞を刺激すると、静止細胞のこれらの膜ラフトは、受容体分子の凝集/集合(clustering)に介在する大型膜ドメイン(プラットフォームと呼ばれる)に変換される;この受容体集合は、シグナルを細胞に伝達するための、細胞内シグナル分子の再編成の必須条件である。セラミド分子は小セラミド飽和膜ミクロドメインに自発的に自己結合する傾向を有するため、ラフト内のセラミド生成はこれらの膜ドメインの生物物理学特性で有意に変化する。これらのミクロドメインは、大型セラミド飽和プラットフォームに自発的に融合する。細胞膜内のセラミド生産は、多数の受容体、例えば、CD95、CD28、TNF、CD40、FcγRII、LFA−1、TRAIL、血小板活性化(PAF)およびIL−1受容体;ならびにバクテリア、例えば、緑膿菌、黄色ブドウ球菌、淋菌、ウイルス、例えば、シンドビスウイルスおよびライノウイルスならびに寄生物、例えば、クリプトスポリジウムの感染;またはγ線照射、紫外線または薬剤、例えば、シスプラチンおよびレスベラトロールでの処置により引き起こされる。これらの刺激により放出されたセラミドは、活性化aSMaseにより触媒される。例えば、Gulbins E et al, Am J Physiol Regul Integr Comp Physiol. 2006 290:R11-26参照。受容体分子によるaSMaseの活性化は、細胞内貯蔵(例えば、リソソーム)から細胞膜の細胞外リフレット(leaflet)への酵素の移動と関連する。
【0003】
受容体刺激の必須条件としての活性化誘導セラミド形成におけるaSMaseの重要な役割に基づいて、aSMaseの阻害剤は、セラミド形成およびそれによる受容体の誘発が病態生理学的役割をする状態および疾患の処置に役割を果たす。このような疾患は、自己免疫性疾患、例えば、多発性硬化症および関節炎;敗血症性ショック;肺気腫および慢性閉塞性肺疾患(COPD);嚢胞性線維症;異常アポトーシスが役割である疾患、例えば、神経変性、特に、卒中およびアルツハイマー病、および心筋梗塞;腫瘍増殖、特に、黒色腫の増殖を包含する。さらに、aSMaseの阻害剤は感染病原体、例えば、ウイルス、バクテリアおよび寄生体により引き起こされる疾患の処置および予防のために有用である発見によって提案された。
【0004】
特に、敗血症性ショックにおけるaSMaseの役割が証明されている。興味深いことに、aSMaseの蛋白質分解開裂を誘導するNB6と称される化合物が、致命的なLPS−ショックからマウスを保護することを示した。例えば、Claus RA et al,. FASEB J. 19:1719-21 (2005)参照。
【0005】
さらに、アテローム性動脈硬化症におけるaSMaseの役割が証明されている。例えば、Tabas I., Chem Phys Lipids. 1999 102(1-2):123-30参照。これは、低密度リポタンパク質(LDL)と関連するスフィンゴミエリンの開裂が泡沫細胞形成の重要な段階、アテローム性動脈硬化症の重要な病態生理学効果としてLDLの内皮下凝集を引き起こす観察に基づく。したがって、aSMase阻害剤はアテローム性動脈硬化症の予防および処置において有用であることを示す。
【0006】
aSMaseが鬱病の患者で増加したことが報告されている、例えば、Kornhuber J et al, J Neural Transm. 112:1583-90 (2005)参照。三環系抗鬱剤、特にイミプラミンは、鬱病の処置に使用される薬剤である。化合物のこのクラスは、また、aSMaseのタンパク質分解を誘導し、細胞aSMase活性の全ての阻害を引き起こす。したがって、aSMaseの阻害剤は、抑鬱障害、例えば、大鬱病の処置において有用であることが示されている。
【発明の概要】
【0007】
今回、驚くべきことに、aSMaseの作用を阻害する化合物を見いだした。
1つの局面において、本発明は、式
【化1】

〔式中、
Aは、水素または(C1−4)アルキルであり、
は、基Y−Rであり、
Yは、存在しないか、または(C1−4)アルキレンであり、ここで、アルキレンは所望により、例えば、1個以上のハロゲン、例えば、Fにより置換されており
は、−P(O)(OH)(OH)または式
【化2】

で示される基であり、
Xは、式
【化3】

で示される基であり、
環Aは、(C5−12)シクロアルキレン、(C5−12)シクロアルケニレンまたはフェニレンであり、そして、
環Bは、非置換であるか、または置換されている、例えば、非置換であるか、または1個以上のRにより置換されている、(C5−12)シクロアルキル、(C5−12)シクロアルケニルまたは(C6−12)アリールであり、
は、ハロゲン、ハロ(C1−4)アルキル、ハロ(C1−4)アルキルオキシ、カルボキシル、ニトロ、アミノ、リン含有基、硫黄含有基、またはCO基に加えて1から12個の炭素原子を含むアシルもしくはアシルオキシであるか、または、
は、基−ZRであり、
ここで、Zは、存在しないか、またはNH、OもしくはSであり、そして、
は、Zが存在するとき、水素であるか、または、
は、例えば、Zが存在するか、またはしないとき、
(C3−12)シクロアルキル、(C5−12)シクロアルケニル、(C6−12)アリールまたは3から12環員、例えば、5または6環員および1から4個のN、OまたはSから選択されるヘテロ原子を含む芳香族性および脂肪族ヘテロシクリルを含むヘテロシクリルであるか、または、
(C1−12)アルキルのような(C1−22)アルキル、(C2−12)アルケニルのような(C2−22)アルケニル、または(C2−12)アルキニルのような(C2−22)アルキニルであり、ここで、アルキル、アルケニルまたはアルキニルは非置換であるか、または(C6−12)アリール、例えば、フェニルにより置換されている〕
で示される化合物、または
例えば、塩形の、Rが加水分解性、例えば、インビボで加水分解性である基であるリン酸エステルまたはリン酸アミド(アミド化)基である式Iの化合物のプロドラッグ、または、
アミド基の窒素が、例えば、インビボで分離しがちな加水分解性、例えば、インビボで加水分解性である基により置換されている式Iの化合物のプロドラッグを提供する。
【0008】
さらなる局面において、本発明は、Aが水素であり、そして他の残基が上記または下記の定義のとおりである式Iの化合物を提供する。
さらなる局面において、本発明は、Aが(C1−4)アルキル、例えば、メチルまたはエチルであり、そして他の残基が上記または下記の定義のとおりである式Iの化合物を提供する。
【0009】
式Iの化合物において、好ましくは
が基Y−Rであり、そしてYが存在しないか;または、
が基Y−Rであり、そしてYが(C1−4)アルキレン、例えば、メチレンであるか;または、
が基Y−Rであり、そしてYが、例えば、1個以上のハロゲン、例えば、Fにより置換されているアルキレン、例えば、ジフルオロメチレン、テトラフルオロエチレンである。
【0010】
式Iの化合物において、好ましくは
がフェニル環のオルト位で結合しているか、または、
がフェニル環のメタ位で結合しているか、または、
がフェニル環のパラ位で結合している。
【0011】
式Iの化合物において、好ましくは
が−P(O)(OH)(OH)であるか;または、
が式
【化4】

で示される基、例えば、式
【化5】

で示される基である。
【0012】
式Iの化合物において、好ましくは
環Aが非置換フェニレンであるか、または、
環Aが非置換(C5−12)シクロアルキレンまたは(C5−12)シクロアルケニレン、例えば、アダマンチレンである。
【0013】
式Iの化合物において、好ましくは
環Bが(C6−12)アリール、例えば、フェニルであって、ここで、アリールが非置換であるか、または上記定義のとおりであるRにより置換されているか、または、
環Bが非置換(C5−12)シクロアルキルもしくは(C5−12)シクロアルケニル、または、上記定義のとおりであるRにより置換されている(C5−12)シクロアルキルもしくは(C5−12)シクロアルケニルである。
【0014】
式Iの化合物において、好ましくは
環Bが非置換フェニルであるとき、フェニルは4位で置換されている。
【0015】
式Iの化合物において、好ましくは
存在するとき、Rが−ZRであり、ここで、
Zは存在しないか、またはNH、OもしくはSであり、好ましくはZは存在しないか、またはOであり、そして、
は、Zが存在する場合、水素であるか、または、
は、Zが存在するか、または存在しないとき、アルキル、アルケニルまたはアルキニルであり、ここで、アルキルは1から22個、例えば、1から12個の炭素原子を含み、そして、アルケニルまたはアルキニルは2から22個、例えば、2から12個の炭素原子を含み、好ましくはアルキルであり、
ここで、アルキル、アルケニルまたはアルキニルは非置換であるか、または(C6−12)アリール、例えば、フェニルにより置換されている。
【0016】
式Iの化合物において、さらに好ましくは
がヒドロキシ、アルキルまたはアルコキシであり、ここで、“アルキ(alk)”は1から22個、例えば、1から12個の炭素原子を含み、ここで、アルキルまたはアルコキシは、所望により、フェニルにより置換されている。
【0017】
式Iの化合物において、Aが(C1−4)アルキル、例えば、メチルまたはエチルであるとき、環Bは好ましくはRにより置換されているフェニルであり、Rは基−ZRであり、ここで、ZはNH、OまたはSであり、そしてRは(C1−22)アルキル、例えば、(C1−12)アルキル、(C2−22)アルケニル、例えば、(C2−12)アルケニルまたは(C2−22)アルキニル、例えば、C2−12)アルキニルであり、ここで、アルキル、アルケニルまたはアルキニルは非置換であるか、または(C6−12)アリール、例えば、フェニルにより置換されている;より好ましくは、環BはRにより置換されているフェニルであり、Rは基−ZRであり、ここでZはNH、OまたはS、好ましくはOであり、そしてRは(C1−22)アルキルである。
【0018】
さらなる局面において、本発明は、
Aが、水素、メチルまたはエチルであり、
が、基Y−Rであり、
Yが、存在しないか、または−CH−、−CF−もしくはCF−CF−であり、
が、−P(O)(OH)(OH)であるか;または、
が、式
【化6】

で示される基であり、
Xが、式
【化7】

で示される基であり、
環Aが、非置換フェニレンまたはアダマンチレンであり、そして、
環Bが、非置換であるか、または、ヘキシル、ヒドロキシ、メトキシ、ブトキシ、例えばn−ブトキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、デシルオキシまたはベンジルオキシにより置換されているフェニルである、式Iの化合物を提供する。
さらなる局面において、本発明は、式Iの化合物のプロドラッグを提供する。
【0019】
式Iの化合物のプロドラッグは、好ましくは
がリン酸エステルまたはアミド(アミド化)基であり、ここで、リン酸エステルまたはアミド(アミド化)部分は加水分解性、例えば、インビボで加水分解性である基であり、そして、他の残基が上記または下記の定義のとおりである、例えば、塩形の式Iの化合物、または、
Aが(C1−4)アルキル以外であり、例えば、アミド基の窒素が加水分解性、例えば、インビボで加水分解性である基により置換されている、式Iの化合物、例えば、式
【化8】

〔式中、Xは、式
【化9】

{式中、環Aおよび環Bは上記定義のとおりである}で示される基である〕で示される化合物、または、
がリン酸エステルまたはアミド(アミド化)基であり、ここで、リン酸エステルまたはアミド(アミド化)部分は加水分解性、例えば、インビボで加水分解性である基であり、そして、他の残基が上記または下記の定義のとおりであり、そして、ここで、Aが(C1−4)アルキル以外であり、例えば、アミド基の窒素が加水分解性、例えば、インビボで加水分解性である基により置換されている、例えば、塩形の式Iの化合物、例えば、式
【化10】

〔式中、Xは、式
【化11】

{式中、環Aおよび環Bは上記定義のとおりである}で示される基である〕で示される化合物である。
【0020】
1つの好ましい態様において、式Iの化合物のプロドラッグは、好ましくは、Rが基−Y−R’であり、ここで、
R’が、−P(O)(OR)(OR)、−P(O)(NHR)(NHR)または−P(O)(NHR)(OR)、さらに好ましくは−P(O)(OR)(OR)であり、RおよびRが、互いに独立して、水素または(C1−4)アルキルであり、そしてRおよびRの少なくとも1個が(C1−4)アルキルであるか、または、
R’が、−P(O)(OR’)(OR’)、−P(O)(NHR’)(NHR’)または−P(O)(NHR’)(OR’)、より好ましくは−P(O)(OR’)(OR’)であり、R’およびR’が、互いに独立して、水素または(C1−4)アルキルであり、ここで、アルキルは(C1−6)アルキルカルボニルオキシ、例えば、tert−ブチルカルボニルオキシにより置換されており、そしてR’およびR’の少なくとも1個が水素以外であるか;または、
R’が−P(O)(O)(O−CH−CH−N(C(CH)である、式Iの化合物である。
【0021】
さらなる好ましい態様において、式Iの化合物のプロドラッグは、好ましくは、Aが(C1−4)アルキル以外であり、例えば、アミド基の窒素が加水分解性、例えば、インビボで加水分解性である基により置換されている、式Iの化合物、例えば、式
【化12】

〔式中、Xは、式
【化13】

{式中、環Aおよび環Bは上記定義のとおりである}で示される基である〕で示される化合物である。
【0022】
さらなる局面において、本発明は、式
【化14】

〔式中、Rは、基Y−Rまたは−Y−R’であり、
Yは、存在しないか、または−CH−、−CF−もしくはCF−CF−であり、
は、−P(O)(OH)(OH)であるか;または、
は、式
【化15】

で示される基であり、
R’は、−P(O)(OR)(OR)であり、ここで、RおよびRは、互いに独立して、水素または(C1−4)アルキルであり、RおよびRの少なくとも1個が(C1−4)アルキルであるか、または、
R’は、−P(O)(OR’)(OR’)であり、ここで、R’およびR’は、互いに独立して、水素または(C1−4)アルキルであり、ここで、アルキルは(C1−6)アルキルカルボニルオキシにより置換されており、ここで、R’およびR’の少なくとも1個は水素以外であるか;または、
R’は、−P(O)(O)(O−CH−CH−N(C(CH)であり、
Xは、式
【化16】

で示される基であり、
環Aは、非置換フェニレンまたはアダマンチレンであり、そして、
環Bは、フェニルであり、ここで、フェニルは、非置換であるか、またはヘキシル、デシル、ヒドロキシ、メトキシ、ブトキシ、例えば、n−ブトキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、デシルオキシまたはベンジルオキシにより置換されており、そして、
は、水素または式
【化17】

で示される基であり、環Aおよび環Bは上記定義のとおりである、
ただし、Xが水素以外であるか、またはRが−Y−R’であるか、または、
が水素以外であり、そしてRが−Y−R’である、
ただし、Rが式
【化18】

で示される基であるとき、Rは−Y−R’である化合物である式Iの化合物のプロドラッグを提供する。
【0023】
式Iの化合物において、定義されている個々の置換基群または個々の置換基は、各々、好ましいひとつの置換基群またはひとつの置換基であってよく、各々、例えば、他の置換基群または他の置換基と無関係であってよい。
【0024】
さらなる局面において、本発明は、
1.4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボン酸[3−(1,1,4−トリオキソ−1λ*6*−[1,2,5]チアジアゾリジン−2−イル)−フェニル]−アミド、
2.{2−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−ベンジル}−ホスホン酸、
3.{2−[(4’−ヘキシル−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−ベンジル}−ホスホン酸、
4.{2−[(3−フェニル−アダマンタン−1−カルボニル)−アミノ]−ベンジル}−ホスホン酸、
5.{2−[(4’−メトキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−ベンジル}−ホスホン酸、
6.(ジフルオロ−{2−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸、
7.(ジフルオロ−{3−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸、
8.(ジフルオロ−{4−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸、
9.(ジフルオロ−{2−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸ジエチルエステル、
10.(ジフルオロ−{3−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸ジエチルエステル、
11.(ジフルオロ−{4−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸ジエチルエステル、
12.(ジフルオロ−{2−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸モノエチルエステル、
13.(ジフルオロ−{3−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸モノエチルエステル、
14.(ジフルオロ−{4−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸モノエチルエステル、
15.(1,1,2,2−テトラフルオロ−2−{4−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−エチル)−ホスホン酸ジエチルエステル、
16.(1,1,2,2−テトラフルオロ−2−{4−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−エチル)−ホスホン酸モノエチルエステル、
17.(1,1,2,2−テトラフルオロ−2−{4−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−エチル)−ホスホン酸、
18.{2−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−ホスホン酸、
19.{2−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−ホスホン酸モノエチルエステル、
20.{2−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−ホスホン酸ジエチルエステル、
21.{3−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−ホスホン酸、
22.{3−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−ホスホン酸モノエチルエステル、
23.{3−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−ホスホン酸ジエチルエステル、
24.[3−(4−ヘプチルオキシ−ベンゾイルアミノ)−フェニル]−ホスホン酸、
25.{4−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−ホスホン酸モノエチルエステル、
26.{4−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−ホスホン酸ジエチルエステル、
27.3−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−ベンジル}−ホスホン酸、
28.{3−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−ベンジル}−ホスホン酸モノエチルエステル、
29.{2−[(4’−デシルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−ベンジル}−ホスホン酸ジエチルエステル、
30.{2−[(4’−デシルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−ベンジル}−ホスホン酸、
31.{2−[(4’−ベンジルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−ベンジル}−ホスホン酸、
32.{2−[(4’−ヒドロキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−ベンジル}−ホスホン酸、
33.{4−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−ベンジル}−ホスホン酸、
34.{2−[(ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−ベンジル}−ホスホン酸、
35.{2−[(4’−ブトキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−ベンジル}−ホスホン酸、
36.[2−({2−[(4’−ヘキシル−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−ベンジル}−ヒドロキシ−ホスフィノイルオキシ)−エチル]−トリメチル−アンモニウム、
37.(ジフルオロ−{2−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸エチルエステルメチルエステル、
38.(1,1,2,2−テトラフルオロ−2−{4−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニルオキシ)−アミノ]−フェニル}−エチル)−ホスホン酸ジエチルエステル、
39.2,2−ジメチル−プロピオン酸ヒドロキシ−{2−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−ベンジル}−ホスフィノイルオキシメチルエステル、
40.2,2−ジメチル−プロピオン酸(2,2−ジメチル−プロピオニルオキシメトキシ)−{2−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−ベンジル}−ホスフィノイルオキシメチルエステル、
41.(ジフルオロ−{4−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニルオキシ)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸ジエチルエステル、
42.(1,1,2,2−テトラフルオロ−2−{2−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−エチル)−ホスホン酸ジエチルエステル、
43.(1,1,2,2−テトラフルオロ−2−{3−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−エチル)−ホスホン酸ジエチルエステル、
44.(ジフルオロ−{4−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニルオキシ)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸、
45.(1,1,2,2−テトラフルオロ−2−{3−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−エチル)−ホスホン酸、
46.(1,1,2,2−テトラフルオロ−2−{2−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−エチル)−ホスホン酸
47.(2−{2−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−エチル)−ホスホン酸ジエチルエステル、
48.(2−{3−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−エチル)−ホスホン酸ジエチルエステル、
48a.(2−{4−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−エチル)−リン酸ジエチルエステル、
49.(2−{2−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−エチル)−ホスホン酸、
50.(2−{3−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−エチル)−ホスホン酸、
51.(2−{4−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−エチル)−ホスホン酸、
52.{4−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−ホスホン酸、
53.{3−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−ベンジル}−ホスホン酸ジエチルエステル、
54.({2−[エチル−(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−ジフルオロ−メチル)−ホスホン酸ジエチルエステル、
55.(ジフルオロ−{2−[メチル−(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸ジエチルエステル、
56.(ジフルオロ−{2−[メチル−(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸エチルエステルメチルエステル、
57.(ジフルオロ−{4−[メチル−(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸ジエチルエステル、
58.(ジフルオロ−{4−[メチル−(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸エチルエステルメチルエステル、
59.(ジフルオロ−{3−[メチル−(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸ジエチルエステル、
60.(ジフルオロ−{3−[メチル−(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸エチルエステルメチルエステル、
61.(ジフルオロ−{3−[メチル−(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸モノエチルエステル、
62.(ジフルオロ−{4−[メチル−(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸、
63.(ジフルオロ−{2−[メチル−(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸、および、
64.(ジフルオロ−{3−[メチル−(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸;
例えば、実施例1から62、下記実施例の部の表1および表2で示される式I’または式Iの化合物からなる群から選択される式Iの化合物を提供する。
【0025】
本発明により提供される化合物は、“本発明の(による)化合物”と以下で称される。本発明の化合物は、何らかの形態、例えば、遊離形、塩形、溶媒和物形ならびに塩および溶媒和物形の化合物を含む。
【0026】
他の局面において、本発明は、塩形の本発明の化合物を提供する。
このような塩は、好ましくは、薬学的に許容される塩を含むが、例えば、製造/単離/精製の目的のために薬学的に許容されない塩を含む。
【0027】
遊離形の本発明の化合物は、塩形の対応する化合物に変換できる;逆も同様である。遊離形または塩形および溶媒和物形の本発明の化合物は、遊離形または塩形および非溶媒和物形の対応する化合物に変換できる;逆も同様である。
【0028】
本発明の化合物は、異性体の形態およびそれらの混合物;例えば、光学異性体、ジアステレオ異性体、シス/トランス配座異性体で存在してもよい。本発明の化合物は、例えば、不斉炭素原子またはリン原子を含んでよく、したがってエナンチオマーまたはジアステレオ異性体の形態およびそれらの混合物、例えばラセミ体で存在してもよい。本発明の化合物は、本発明の化合物の特定の位置に関して(R)−、(S)−または(R,S)−立体配置、好ましくは(R)−または(S)−立体配置で存在してもよい。
異性体混合物は適当なとき、例えば、慣用の方法にしたがって、例えば、準じて分離し、純粋な異性体を得ることができる。本発明は、すべての異性体およびすべての異性体の混合物の本発明の化合物を含む。
本発明はまた互変異性体が存在できるとき、本発明の化合物の互変異性体を含む。
【0029】
さらなる局面において、本発明は、
i)式
【化19】

で示される化合物を式
【化20】

で示される化合物、例えば、式
【化21】

〔式中、XおよびR、例えば、環Aおよび環Bは上記定義のとおりであり、そして、官能基は、所望により、保護されている〕と、有機溶媒、例えば、極性有機溶媒、例えば、DMF中で、例えば、カップリング剤、例えば、N−エチル、N’−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド、1−ヒドロキシ−7−アザ−1,2,3−ベンゾトリアゾール)および塩基、例えば、アミン、例えば、三級アミン、例えば、ジイソプロピルエチルアミンの存在下で反応させ、
ii)所望により保護基を除去し、
iii)XおよびRが上記定義のとおりである式Iの化合物またはそのプロドラッグを反応混合物から単離し、そして、
iv)所望により、さらに反応させ、さらなる式Iの化合物またはそのプロドラッグを得る、
例えば、アミン基をハロゲン化(C1−4)アルキル、例えば、ヨウ化(C1−4)アルキルでヘキサメチルジシラザンリチウム(LiHMDS)の存在下でアルキル化し、例えば、工程ii)の前後で、Aが(C1−4)アルキルである式Iの化合物またはそのプロドラッグを得る、
工程を含む、上記定義の式Iの化合物またはそのプロドラッグの製造方法を提供する。
【0030】
式IIまたは式IIIの中間体(出発物質)において、存在するとき、官能基は所望により保護されている形態または塩形成基が存在するとき塩形態であってよい。所望により存在する保護基は、例えば、慣用の方法に、例えば、したがって、または準じて適当な段階で除去されてよい。例えば、式IIの化合物がホスホン酸基を含むとき、式IIの化合物のホスホン酸基はホスホン酸アルキルエステル基の形態であってよい。アルコキシ基は、例えば、有機溶媒、例えば、極性有機溶媒、例えば、ハロゲン化炭水化物、例えば、CHCl中でヨウ化トリアルキルシリル、例えば、ヨウ化トリメチルシリルと処理することにより、例えば、工程ii)で除去されてもよい。
【0031】
したがって、得られる本発明の化合物は他の本発明の化合物に変換でき、例えば、遊離形得られる本発明の化合物は本発明の化合物の塩に変換でき、逆も同様である。
上記反応はアミンアシル化反応であり、そして適当なとき、有機化学で実施されているアミンアシル化反応に、例えば、したがって、または準じて実施してもよい。
式IIまたは式III(III’)の中間体(出発物質)は既知であるか、または慣用の方法または本明細書に記載されている方法にしたがって、例えば準じて製造できる。
【0032】
例えば、エステル化形態、例えば、−POジエチルエステル、すなわち、−CH−P(O)(OC形態の、例えば、Rが−Y−P(O)(OH)(OH)である式IIの化合物は、例えば、触媒としてPd−Cの存在下で、有機溶媒、例えば、極性有機溶媒、例えば、アルコール、例えば、エタノール中で、例えば、水素化により、式
【化22】

で示される化合物のニトロ基を還元し、反応混合物からホスホン酸基が保護された形態である式IIの化合物を単離することにより得てもよい。
【0033】
式IVの化合物は、例えば、式
【化23】

〔式中、Halはハロゲン、例えば、BrまたはIである〕で示される化合物を、亜リン酸トリエチルと、有機溶媒、例えば、極性有機溶媒、例えば、トルエン中で反応させ、反応混合物から得られた式IVの化合物を単離することにより得てもよい。
【0034】
例えば、Rが−CF−P(O)(OCまたは−CF−CF−P(O)(OCである式IIの化合物は、式
【化24】

で示される化合物を亜鉛と触媒量のトリメチルクロロシランの存在下で、有機溶媒、例えば、極性有機溶媒、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド中で反応させ、式
【化25】

で示される化合物を得、この化合物をさらに、Cu(I)Brの存在下で、式
【化26】

で示される化合物と反応させ、式
【化27】

で示される化合物の混合物を得、この混合物を、例えば、クロマトグラフィーにより分離し、得られた分離した化合物を触媒としてPd−Cの存在下で、有機溶媒、例えば、極性有機溶媒、例えば、アルコール、例えば、エタノール中で水素化し、Rがそれぞれ−CF−P(O)(OCまたは−CF−CF−P(O)(OCである式IIの化合物を単離することにより得てもよい。
【0035】
例えば、Rが式
【化28】

で示される基、例えば、式
【化29】

で示される基である式IIの化合物は、式
【化30】

例えば、
【化31】

で示される化合物のニトロ基を、例えば、触媒としてPd−Cの存在下で、有機溶媒、例えば、極性有機溶媒、例えば、アルコール、例えば、メタノール中で水素化することにより還元し、反応混合物から式IIの化合物を単離することにより得てもよい。
【0036】
式VIの化合物は、例えば、有機溶媒、例えば、極性有機溶媒、例えば、テトラヒドロフラン中で、NaN[Si(CHの存在下で、例えば、式
【化32】

で示されるニトロベンゼンに結合している残基を閉環することにより得てもよい。
【0037】
式VIIの化合物は、例えば、希釈したトリフルオロ酢酸で有機溶媒、例えば、HO中で処理することにより、式
【化33】

で示される化合物のtert−ブトキシカルボニル(BOC)基を除去することにより得てもよい。
【0038】
式VIIIの化合物は、例えば、式
【化34】

で示される化合物のアミン基をClSONCOとtert−ブタノールの反応生成物と、有機溶媒、例えば、極性有機溶媒、例えば、ハロゲン化炭水化物、例えば、CHCl中で、三級アミン、例えば、トリエチルアミンの存在下で反応させ、得られた式VIIIの化合物を反応混合物から単離することにより得てもよい。
【0039】
上記すべての化合物、例えば、本発明の化合物、および、式II、III、III’、IV、V、VI、VII、VIIIおよびIXの中間体は、慣用の方法または本明細書に記載されている方法に、例えばしたがって、例えば準じて製造してもよい。
【0040】
本発明の化合物の製造における中間体は、また、本明細書で本発明の(による)中間体として示す。本発明の中間体は、本発明の一部であり、かかる新規中間体は、また、本発明の一部を形成する。
【0041】
さらなる局面において、本発明は、本発明の化合物、例えば、本発明の化合物を製造するために有用である、例えば、中間体、
[1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(2−ニトロ−フェニル)−エチル]−ホスホン酸ジエチルエステル、
例えば、式
【化35】

で示されるもの、
[ジフルオロ−(3−ニトロ−フェニル)−メチル]−ホスホン酸ジエチルエステル、
例えば、式
【化36】

で示されるもの、
[1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(3−ニトロ−フェニル)−エチル]−ホスホン酸ジエチルエステル、
例えば、式
【化37】

[1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(4−ニトロ−フェニル)−エチル]−ホスホン酸ジエチルエステル、
例えば、式
【化38】

[(2−エチルアミノ−フェニル)−ジフルオロ−メチル]−ホスホン酸ジエチルエステル、
[ジフルオロ−(2−ヒドロキシアミノ−フェニル)−メチル]−ホスホン酸ジエチルエステル、
[(3−エチルアミノ−フェニル)−ジフルオロ−メチル]−ホスホン酸ジエチルエステル、および、
(3−ニトロ−フェニルエチニル)−ホスホン酸ジエチルエステル
からなる群から選択されるものを提供する。
【0042】
例えば、式Iの化合物を含む本発明の化合物は、薬理学的活性を示し、したがって、医薬として有用である。例えば、本発明の化合物が、スフィンゴミエリナーゼ(aSMase)活性を阻害することを見いだした。
【0043】
スフィンゴミエリナーゼ(aSMase)活性は、例えば、下記スフィンゴミエリナーゼ(aSMase)試験アッセイにしたがって決定してもよい:
スフィンゴミエリナーゼ(aSMase)試験アッセイ
酸スフィンゴミエリナーゼ(aSMase)の阻害剤としての化合物の活性は、下記プロトコールにしたがって測定する:
−組み換えヒトaSMase(EC 3.1.4.12)をトランスフェクトしたHEKfreestyle293細胞の上清から生成する
−酵素基質Bodipy−C12スフィンゴミエリン(MolecularProbesから購入)を1mMの濃度でDMSOに溶解する。1容量のこの貯蔵溶液を9容量の0.5%のTriton X−100と水中で混合する。この混合物を10分超音波に付し、基質のミセル生成物を得る
−阻害剤を段階濃度でDMSOに溶解する
−反応混合物を27.5μlのバッファー(250mMの酢酸ナトリウム、pH5、1mMのEDTAを含む)と10μlの基質溶液(基質の最終濃度20μMとなる)および2.5μlの阻害剤希釈剤または阻害しない対照としてDMSOを混合することにより提供する
−反応を10μlの酵素溶液の添加により開始する(25nMの最終濃度にする)
−反応を1時間37℃で続ける
−反応を125μlのイソプロパノール/ヘプタン/5Mの硫酸(40:10:1)の添加により停止する
−75μlのヘプタンおよび67μlの水を加える。サンプルを混合し、簡単に遠心し、層を分離する
−抽出したサンプルの上層から4μlを取り、白色96−ウェルプレートのウェルに含まれている200μlのイソプロパノールに移す
−蛍光を励起485nmおよび発光538nmでブランクとしてイソプロパノールに対してSpectramaxプレートリーダー(Molecular Devices)で測定する
−阻害しない対照サンプルvs.段階濃度の阻害剤を含むサンプルで蛍光単位を比較して、酵素を50%阻害する濃度(IC50)を決定する。
【0044】
スフィンゴミエリナーゼ(aSMase)試験アッセイにおいて、本発明の化合物は、低マイクロモル範囲まででナノモルのIC50値を示す。
【0045】
本発明の化合物は、スフィンゴミエリナーゼ(aSMase)試験アッセイで活性を示し、したがって、スフィンゴミエリナーゼ(aSMase)活性が介在する障害(疾患)の処置に適用される。
【0046】
スフィンゴミエリナーゼ(aSMase)活性が介在する、および、スフィンゴミエリナーゼ(aSMase)活性の阻害剤、例えば、本発明の化合物の処置で成功しそうである、例えば、疾患を含む障害は、スフィンゴミエリナーゼ(aSMase)の活性が原因であるか、または寄与する役割を果たす障害を含む。
【0047】
このような障害は、好ましくは
−敗血症性ショック、
−多発性硬化症および関節炎を含む自己免疫性疾患、
−肺気腫および慢性閉塞性肺疾患(COPD)、
−嚢胞性線維症、
−アテローム性動脈硬化症、
−神経変性、特に卒中およびアルツハイマー病、
−鬱病、
−病原体、例えば、ウイルス、バクテリアおよび寄生体により引き起こされる感染症
−腫瘍増殖、特に黒色腫の増殖
である。
【0048】
スフィンゴミエリナーゼ(aSMase)が介在する疾患は、例えば、下記を含むことが期待される
−免疫系の状態と関連する障害、
例えば、グレーブス病、橋本病(慢性甲状腺炎)、多発性硬化症、リウマチ性関節炎、関節炎、痛風、骨関節症、強皮症、狼瘡症候群、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、乾癬、炎症性腸疾患、クローン病、大腸炎、例えば、潰瘍性大腸炎を含む炎症性腸疾患;敗血症、敗血症性ショック、自己免疫性溶血性貧血(AHA)、自己抗体誘発蕁麻疹、天疱瘡、腎炎、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、強直性脊椎炎、ライター症候群、多発筋炎、皮膚筋炎、サイトカイン介在毒性、インターロイキン−2毒性、脱毛症、ブドウ膜炎、扁平苔癬、類天疱瘡、重症筋無力症、I型糖尿病、免疫介在不妊症、例えば、早発閉経、多内分泌性機能障害、甲状腺機能低下症、尋常性天疱瘡、落葉状天疱瘡、腫瘍随伴性天疱瘡、B型肝炎ウイルス(HBV)およびC型肝炎ウイルス(HCV)と関連する自己免疫性肝炎、アジソン病、自己免疫性皮膚疾患、例えば、乾癬、疱疹状皮膚炎、表皮水疱症、線状IgA水疱性皮膚症、後天性表皮水疱症、子供の慢性水疱性疾患、悪性貧血、溶血性貧血、白斑症、I型、II型およびIII型自己免疫性多腺症候群、自己免疫性副甲状腺機能低下症、自己免疫性下垂体炎、自己免疫性卵巣炎、自己免疫性精巣炎、妊娠類天疱瘡、瘢痕性類天疱瘡、混合本態性クリオグロブリン血症、免疫性血小板減少性紫斑病、グッドパスチャー症候群、自己免疫性好中球減少症、イートン・ランバート筋無力症候群、スティッフマン症候群、脳脊髄炎、急性播種性脳脊髄炎、ギランバレー症候群、小脳変性、網膜症、原発性胆汁性硬化症、硬化性胆管炎、自己免疫性肝炎、グルテン過敏性腸症、反応性関節炎、多発筋炎/皮膚筋炎、混合性結合組織病、ベーチェット症候群、結節性多発動脈炎、アレルギー性血管炎および肉芽腫症(チャーグ・ストラウス症候群)、多発性血管炎重複症候群(過敏性)脈管炎、ウェゲナー肉芽腫症、側頭動脈炎、川崎病、サルコイドーシス、寒冷症、セリアック病を含む免疫、例えば、自己免疫性疾患、
【0049】
−炎症と関連する障害、
例えば、(慢性)炎症性障害、気管支(例えば、気管支炎を含む)、子宮頸部(例えば、子宮頸管炎を含む)、結膜(例えば、結膜炎)、食道(例えば、食道炎)、心筋(例えば、心筋炎)、直腸(例えば、直腸炎)、骨を含む歯肉の炎症、肺炎症(肺胞炎)、気道の炎症(例えば、喘息、例えば、気管支喘息、急性呼吸促迫症候群(ARDS))、炎症性皮膚障害(例えば、接触過敏症、アトピー性皮膚炎)が関連する疾患;線維症(例えば、肺線維症)、脳炎、炎症性骨溶解を含む、
【0050】
−脳および神経と関連する障害、
−例えば、中枢神経系の障害ならびに末梢神経系の障害、例えば、中枢神経系感染を含むCNS障害、脳損傷、脳血管障害およびそれらの結果、パーキンソン病、大脳皮質基底核変性症、運動ニューロン疾患、ALSを含む認知症、多発性硬化症、外傷および外傷の結果による炎症を含む外傷性疾患、外傷性脳損傷、卒中、卒中後の、外傷性後の脳損傷を含む、神経変性障害、
小血管脳血管疾患、摂食障害;さらに、例えば、アルツハイマー病、血管性認知症、レビー小体型認知症、17番染色体と関連した前頭側頭骨性認知症およびパーキンソニズム、ピック病を含む前頭側頭骨性認知症、進行性核麻痺、大脳皮質基底核変性症、ハンチントン病、視床変性、クロイツフェルトヤコブ認知症、HIV認知症、認知症を伴う統合失調症、コルサコフ精神病、
認識関連障害、例えば、軽度認識障害、加齢による記憶障害、加齢による認識衰退、血管性認識機能障害、注意力欠損障害、注意欠陥過活動性障害、および学習障害を有する子供の記憶障害を含む、さらなる認知症;視床下部・下垂体・副腎系関連状態、
−例えば、神経細胞の遊走異常、筋緊張低下(減弱した筋緊張)、筋力低下、発作、発育遅延(肉体的または精神的発育障害)、知的障害、成長機能不全、食事困難、リンパ水腫、小頭症、頭および脳に影響する症状、運動機能障害を含む神経障害;
−呼吸管および肺と関連する障害、
例えば、肺障害、慢性肺疾患、線維化性肺胞炎、肺線維症、
【0051】
−癌および細胞過増殖と関連する障害、
例えば、前癌状態、過増殖性障害、原発性または転移性のいずれかの癌、子宮頸および転移性癌、非制御の細胞増殖起源の癌、固形腫瘍、WO02066019に記載のもののような固形腫瘍;腫瘍増殖、リンパ腫、B細胞またはT細胞リンパ腫、良性腫瘍、良性の異常増殖障害、腎臓癌腫、食道癌、胃の癌、腎臓癌腫、膀胱癌、乳癌、大腸癌、肺癌、黒色腫、鼻咽腔癌、骨肉腫(osteocarcinoma)、卵巣癌、子宮癌;前立腺癌、皮膚癌、白血病、腫瘍新血管形成、血管腫、骨髄異形成障害、正常細胞死誘導シグナルの非応答(不死化)、細胞運動性および侵襲性の増加、遺伝的不安定性、無調節な遺伝子発現、(神経)内分泌腺癌(カルチノイド)、血液癌、リンパ性白血病、神経芽腫;軟組織の癌、転移の予防を含む、
【0052】
−血管形成と関連する障害、
例えば、血液を補充する不十分な能力、改変された血管形成により特徴付けられる障害、腫瘍関連血管形成を含む、
−感染症と関連する障害、
例えば、細菌性障害、中耳炎、ライム病、甲状腺炎、ウイルス障害、寄生虫病、真菌病、マラリア、例えば、マラリア貧血、敗血症、重度の敗血症、敗血症性ショック、例えば、エンドトキシン誘導敗血症性ショック、エキソトキシン誘導毒素ショック、感染性(典型的な腐敗)ショック、グラム陰性菌により引き起こされる敗血症性ショック、骨盤内炎症性疾患、AIDS、腸炎、肺炎;髄膜炎、脳炎を含む;
【0053】
−リウマチ性障害と関連する障害、
例えば、関節炎、リウマチ性関節炎、骨関節症、乾癬性関節炎、結晶性関節症、痛風、偽痛風、カルシウムピロリン酸沈着症、狼瘡症候群、全身性エリテマトーデス、硬化症、強皮症、多発性硬化症、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、脊椎関節症、全身性硬化症、反応性関節炎、ライター症候群、強直性脊椎炎、多発筋炎、
−移植と関連する障害、
例えば、移植後の移植拒絶反応危機および他の障害、例えば、臓器または組織(異種)移植拒絶反応、例えば、心臓、肺、複合心肺、肝臓、腎臓、膵臓、皮膚、角膜移植レシピエントの、例えば処置のための、例えば、骨髄移植後の移植片対宿主拒絶反応、虚血性再灌流傷害を含む、
【0054】
さらなる局面において、本発明は、
例えば、スフィンゴミエリナーゼ(aSMase)活性が介在する障害の処置するための
−医薬として使用するための本発明の化合物
−医薬としての本発明の化合物の使用
を提供する。
【0055】
医薬的使用において、1種またはそれ以上の本発明の化合物は、例えば、1種の本発明の化合物または2種もしくはそれ以上の本発明の化合物の組合せで使用でき、好ましくは、1種の本発明の化合物で使用する。
本発明の化合物は、医薬組成物の形態で医薬として使用できる。
【0056】
さらなる局面において、本発明は、本発明の化合物、少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤、例えば、適当な担体および/または希釈剤、例えば、増量剤、結合剤、崩壊剤、流動調節剤、滑剤、糖または甘味剤、芳香剤、防腐剤、安定剤、湿潤剤および/または乳化剤、可溶化剤、浸透圧を調節するための塩および/バッファーを共に含む医薬組成物を提供する。
【0057】
さらなる局面において、本発明は、
−スフィンゴミエリナーゼ(aSMase)活性が介在する障害を処置するために使用するための本発明の医薬組成物;
−スフィンゴミエリナーゼ(aSMase)活性が介在する障害を処置するための本発明の医薬組成物の使用
を提供する。
【0058】
さらなる局面において、本発明は、スフィンゴミエリナーゼ(aSMase)活性が介在する障害を処置する方法であって、このような処置を必要とする対象に有効量の、例えば、医薬組成物の形態の本発明の化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0059】
さらなる局面において、本発明は、スフィンゴミエリナーゼ(aSMase)活性が介在する障害を処置するための、
薬剤の製造のための本発明の化合物、
または
例えば、医薬組成物の薬剤の製造のための本発明の化合物の使用
を提供する。
【0060】
処置は処置および防止(予防)を含む。
このような処置において、適当な用量はもちろん、例えば、使用される本発明の化合物の化学的性質および薬物動態学的データ、個々の宿主、投与経路および処置される状態の性質および重症度に依存して変化する。しかしながら、一般に、大型哺乳類、例えばヒトにおいて満足のいく結果のための指示される1日用量は
−約0.0001gから約1.5g、例えば0.001gから1.5g;
−約0.001mg/kg体重から約20mg/kg体重、例えば0.01mg/kg体重から20mg/kg体重、
例えば1日に4回までの分割用量で投与される。
【0061】
本発明の化合物は、スフィンゴミエリナーゼ(aSMase)活性の他のメディエーター、例えば、低分子量の阻害剤で慣用に使用される同量で同様の投与形態により大型哺乳類、例えば、ヒトに投与してもよい。
【0062】
本発明の化合物は、なんらかの慣用の経路で、例えば、経鼻、経口内、経直腸、経口投与を例えば含む経腸;例えば静脈内、動脈内、筋肉内、心臓内、皮下、骨内注入、経皮(無傷の皮膚を介する拡散)、経粘膜(粘膜を介する拡散)、吸入投与を含む非経腸;または局所的;例えば、経皮、経粘膜、気管内投与;
例えば、経皮、経鼻、気管内投与;腹腔内(腹腔への注入または注射)に;硬膜外(epidural)硬膜外(peridural)(硬膜上腔への注射または注入)に;髄腔内(髄液への注射または注入)に;硝子体内(眼を介する投与)に;または、例えば、局所送達のための医療デバイス、例えば、ステントを介して、
例えば、被覆または非被覆錠剤、カプセル、(注射)溶液、注入溶液、固溶体、懸濁液、分散体、固体分散体の形態で;例えば、アンプル剤、バイアルの形態で、クリーム、ゲル、ペースト、吸入粉末、泡状物、チンキ剤、リップスティック、ドロップ、スプレー状の形態で、または座薬の形態で投与できる。
例えば、眼への投与を含む局所的使用において、満足な結果が、1日に数回、例えば、1日に2から5回までの0.5−10%、例えば、1−3%の活性物質の濃度の局所投与で得ることができる。
【0063】
本発明の化合物は、薬学的に許容される塩形または遊離形;所望により溶媒和物の形態で投与できる。塩形および/または溶媒和物の形態の本発明の化合物は、遊離形の本発明の化合物と同程度の活性を示す。
【0064】
本発明の化合物は、単独でまたは1種またはそれ以上の、少なくとも1種の、他の第2の薬剤と共に本明細書に記載のとおりのいずれかの方法または使用のために使用できる。
【0065】
他の局面において、本発明は、下記を提供する:
−少なくとも1種の第2の薬剤と組み合わせた本発明の化合物の組合せ;
−少なくとも1種の第2の薬剤と組み合わせた本発明の化合物を含む医薬組合せ;
−少なくとも1種の第2の薬剤と組み合わせた本発明の化合物および1種またはそれ以上の薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物;
−本明細書に記載のとおりのなんらかの方法で使用するための、例えば、医薬組合せまたは組成物の形態の少なくとも1種の第2の薬剤と組み合わせた本発明の化合物;
−医薬として使用するための本発明の化合物および少なくとも1種の第2の薬剤を含む組合せ、医薬組合せまたは医薬組成物;
−例えば、医薬組合せまたは組成物の形態の少なくとも1種の第2の薬剤と組み合わせた本発明の化合物の医薬としての使用;
−スフィンゴミエリナーゼ(aSMase)活性が介在する障害を処置する方法であって、このような処置を必要とする対象に治療有効量の、例えば、医薬組合せまたは組成物の形態の本発明の化合物および少なくとも1種の第2の薬剤を同時にまたは連続して共投与することを含む方法;
−スフィンゴミエリナーゼ(aSMase)活性が介在する障害において使用するための薬剤の製造において使用するための、例えば、医薬組合せまたは組成物の形態の少なくとも1種の第2の薬剤と組み合わせた本発明の化合物。
【0066】
組合せは、本発明の化合物および少なくとも1種の第2の薬剤が同じ製剤である固定された組合せ;別々の製剤の本発明の化合物および少なくとも1種の第2の薬剤が例えば、共投与のための指示書と共に同じパッケージ中で提供されるキット;ならびに本発明の化合物および少なくとも1種の第2の薬剤が別々にパッケージングされるが、同時にまたは別々に投与するための指示書を付与する自由な組合せを含む。
【0067】
他の局面において、本発明は、下記を提供する:
−本発明の化合物である第1の薬剤および少なくとも1種の第2の薬剤に加えて組合せ投与のための指示書を含む医薬パッケージ;
−本発明の化合物に加えて少なくとも1種の第2の薬剤との組合せ投与のための指示書を含む医薬パッケージ;
−少なくとも1種の第2の薬剤に加えて本発明の化合物との組合せ投与のための指示書を含む医薬パッケージ。
【0068】
本発明の組合せ処置は、単剤処置と比較して改良を提供し得る。
他の局面において、本発明は、下記を提供する:
−相乗治療効果を得るために適当である量の本発明の化合物および第2の薬剤を含む医薬組合せ;
−例えば、同時にまたは連続して、治療有効量の本発明の化合物および第2の薬剤の共投与を含む、本発明の化合物の治療的有用性を改良するための方法;
−例えば、同時にまたは連続して、治療有効量の本発明の化合物および第2の薬剤の共投与を含む、第2の薬剤の治療的有用性を改良するための方法。
【0069】
本発明の組合せおよび組合せパートナーとしての第2の薬剤は、例えば、本発明の化合物に対して記載のとおりのなんらかの慣用の経路により投与できる。第2の薬剤は、適当なとき、例えば、単剤処置に対して使用される用量と同じか、または、例えば、相乗効果の場合、慣用の用量未満で投与できる。
【0070】
本発明の医薬組成物は、慣用の方法にしたがって、例えば、準じて、例えば、混合、造粒、被覆、溶解または凍結乾燥法により製造できる。単位用量形は、例えば、約0.1mgから約1500mg、例えば、1mgから約1000mgを含んでもよい。
【0071】
本発明の組合せを含む医薬組成物および本明細書に記載のとおりの第2の薬剤を含む医薬組成物は、適当なとき、例えば、慣用の方法にしたがって、例えば、準じて、または本発明の医薬組成物に対して本明細書で記載のとおりで提供され得る。
【0072】
“第2の薬剤”なる用語は化学療法剤、とりわけ本発明の化合物、例えば式Iの化合物以外の化学療法剤を意味する。
例えば、本明細書で使用される第2の薬剤は、
−抗炎症剤
−抗癌剤
−例えば、抗体および低分子量化合物を含む、本発明の化合物以外のスフィンゴミエリナーゼ(aSMase)活性の阻害剤
を含む。
【0073】
本発明の化合物と組み合わせて有用でありそうな抗炎症剤および/または免疫調節剤は、例えば、下記を含む、
−mTOR活性のメディエーター、例えば阻害剤、式
【化39】

で示されるラパマイシンおよびラパマイシン誘導体、例えば下記を含む、
40−O−アルキル−ラパマイシン誘導体、例えば40−O−ヒドロキシアルキル−ラパマイシン誘導体、例えば40−O−(2−ヒドロキシ)−エチル−ラパマイシン(エバロリムス)、40−O−アルコキシアルキル−ラパマイシン誘導体、例えば、40−O−エトキシエチル−ラパマイシン(Biolomus A9)、
32−デオキソ−ラパマイシン誘導体および32−ヒドロキシ−ラパマイシン誘導体、例えば32−デオキソラパマイシン、
16−O−置換ラパマイシン誘導体、例えば16−ペンタ−2−イニルオキシ−32−デオキソラパマイシン、16−ペンタ−2−イニルオキシ−32(SまたはR)−ジヒドロ−ラパマイシン、16−ペンタ−2−イニルオキシ−32(SまたはR)−ジヒドロ−40−O−(2−ヒドロキシエチル)−ラパマイシン、
40位で酸素基でアシル化されているラパマイシン誘導体、例えば40−[3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシ−メチル)−2−メチルプロパノエート]−ラパマイシン(CCI779としても既知)、
40位でヘテロシクリルにより置換されているラパマイシン誘導体、例えば40−エピ−(テトラゾリル)−ラパマイシン(ABT578としても既知)、
例えばWO9802441、WO0114387およびWO0364383に記載されているいわゆるラパログ、例えばAP23573、および、
TAFA−93、AP23464、AP23675およびAP23841の名の下に記載されている化合物;
−カルシニューリンのメディエーター、例えば、阻害剤、例えば、シクロスポリンA、FK506(tacrolimus、Prograf(登録商標)、Advagraf(登録商標))、ISA−247(voclosporin);
−免疫抑制特性を有するアスコマイシン、例えば、ABT−281、ASM981;
−コルチコステロイド;例えば、プラステロン(デヒドロエピアンドロステロン)、シクロホスファミド;シクロホスファミドIV(Revimmune(登録商標))、アザチオプレン;レフルノミド;FK778、ミゾルビン;
−ミコフェノール酸または塩;例えば、ナトリウム、ミコフェノール酸モフェチル(CellCept(登録商標));
−15−デオキシスペルグアリンまたはそれらの免疫抑制性相同物、類似体もしくは誘導体;
−bcr−ablチロシンキナーゼ活性のメディエーター、例えば、阻害剤;
−c−kit受容体チロシンキナーゼ活性のメディエーター、例えば、阻害剤;
−PDGF受容体チロシンキナーゼ活性のメディエーター、例えば、阻害剤、例えば、グリーベック(イマチニブ);
−p38MAPキナーゼ活性のメディエーター、例えば、阻害剤、
−VEGF受容体チロシンキナーゼ活性のメディエーター、例えば、阻害剤、
−PKC活性のメディエーター、例えば、阻害剤、例えば、WO0238561またはWO0382859に記載されているような、例えば、実施例56または70の化合物;
−JAK3キナーゼ活性のメディエーター、例えば、阻害剤、例えば、N−ベンジル−3,4−ジヒドロキシ−ベンジリデン−シアノアセトアミドα−シアノ−(3,4−ジヒドロキシ)−]N−ベンジルシンナムアミド(チルホスチンAG490)、プロジギオシン25−C(PNU156804)、[4−(4’−ヒドロキシフェニル)−アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリン](WHI−P131)、[4−(3’−ブロモ−4’−ヒドロキシルフェニル)−アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリン](WHI−P154)、[4−(3’,5’−ジブロモ−4’−ヒドロキシルフェニル)−アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリン]WHI−P97、KRX−211、遊離形または薬学的に許容される塩形の、例えば、一クエン酸塩の3−{(3R,4R)−4−メチル−3−[メチル−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−アミノ]−ピペリジン−1−イル}−3−オキソ−プロピオニトリル(CP−690,550とも呼ばれる)、またはWO2004052359またはWO2005066156に記載されているような化合物;
−S1P受容体活性のメディエーター、例えば、アゴニストまたはモジュレーター、例えば、所望によりリン酸化されているFTY720またはそれらの類似体、例えば、所望によりリン酸化されている2−アミノ−2−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]エチル−1,3−プロパンジオールまたは1−{4−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−2−エチル−ベンジル}−アゼチジン−3−カルボン酸またはその薬学的に許容される塩;
−免疫抑制性モノクローナル抗体、例えば、白血球受容体に対するモノクローナル抗体、例えば、Blys受容体、例えば、ベリムマブ、lymphostatB、BAFF受容体、MHC、CD2、CD3、例えば、ベジリズマブ、CD4、例えば、ザノリブマブ、CD7、CD8、CD11a、例えば、エファリズマブ(Raptiva(登録商標))、CD20、例えば、リツキシマブ(Rituxan(登録商標)、Mabthera)、111Inまたは90Yへ結合したイブリツモマブチウキセタン(Zevalin(登録商標))、131Iトシツムマブ(Bexxar(登録商標))、CD25、CD28、CD33、例えば、ゲムツズマブ(Mylotarg(登録商標)、CD40、例えば、抗CD40Lまたは抗CD154、例えば、IDEC−131、CD45、CD52、CD54、例えば、アレムツズマブ(Campath−I(登録商標))、CD58、CD80、CD86、IL−2受容体、例えば、ダクルズイマブ(Zenapax(登録商標))、IL6受容体(例えば、トシリズマブ、Actemra(登録商標))、IL−12受容体、IL−17受容体、IL−23受容体またはそれらのリガンド;例えば、IL−12、IL−23に対する抗体、例えば、ABT−874、CNTO 1275(IL−12/IL23 mAb)、IL−10、例えば、B−N10、例えば、二重らせんDNA(dsDNA)に対する抗体、例えば、アベチムスナトリウム(Riquent(登録商標)))、
−免疫系に影響する他の化合物、例えば、CTLA4の少なくとも細胞外部分またはそれらの変異体を有する、例えば、非CTLA4タンパク質配列に結合しているCTLA4の少なくとも細胞外ドメイン部分またはそれらの変異体を有する、組み換え結合分子、例えば、CTLA4Ig(例えば、ATCC68629で示される)またはそれらの変異体、例えば、LEA29Y;または抗CTLA4剤、例えば、イピリムマブ、チシリムマブ:
【0074】
−酢酸グラチラマー(コポリマー−1、Copaxone(登録商標))、
−MBP8298(合成ペプチド)、
−ラキニモド(ABR−215062)、
−免疫調節活性を有するワクチン、例えば、Tovaxin(登録商標)、NeuroVax(登録商標)、
−パーフェニドン、
−BG−12(経口フマル酸塩)、
−接着分子活性のメディエーター、例えば、阻害剤、例えば、LFA−1アンタゴニスト、ICAM−1または−3アンタゴニスト、VCAM−4アンタゴニストまたはVLA−4アンタゴニスト、
−CCR9活性のメディエーター、例えば、アンタゴニスト、
−MIF活性のメディエーター、例えば、阻害剤、
−5−アミノサリチル酸(5−ASA)剤、例えば、スルファサラジン、アザルフィジン(登録商標)、アサコール(登録商標)、ジペンタム(登録商標)、ペンタサ(登録商標)、ロワサ(登録商標)、カナサ(登録商標)、コラザール(登録商標)、例えば、メサラジン含有薬剤;例えば、ヘパリンと組み合わせたメサラジン;
−TNF−α活性のメディエーター、例えば、阻害剤、例えば、RPL228(Rosanto、York Pharma)、例えば、TNF−αに結合する抗体、例えば、インフリキシマブ(レミケード(登録商標))、サリドマイド、レナリドマイド、ゴリムマブ、アダリムマブ(ヒュミラ(登録商標)、ヒトTNFαに対して特異的な完全ヒト免疫グロブリンG(IgG1)モノクローナル抗体)、エタネルセプト(エンブレル(登録商標))、アレファセプト(Amevive(登録商標))、セルトリズマブペゴル(シムジア(登録商標)、CDP 870)、アフェリモマブ、AME527(Lilly)、抗TNFドメイン抗体PN0621、
−酸化窒素放出非ステロイド系抗炎症剤(NSAID)、例えば、NO供与型COX阻害剤(CINOD);
−ホスホジエステラーゼ、例えば、PDE4B活性のメディエーター、例えば、阻害剤、
−カスパーゼ活性のメディエーター、例えば、阻害剤、
−Gタンパク質共役受容体、GPBAR1のメディエーター、例えば、アゴニスト、
−セラミドキナーゼ活性のメディエーター、例えば、阻害剤、
−‘多機能性抗炎症’剤(MFAID)、例えば、グリコサミノグリカンと関連している細胞質型ホスホリパーゼA2(cPLA2)阻害剤、例えば、膜結合型ホスホリパーゼA2阻害剤;
−抗生物質および抗真菌剤、例えば、ペニシリン、セファロスポリン、エリスロマイシン、テトラシクリン、スルホンアミド、例えば、スルファジアジン、スルフイソキサゾール;スルホン、例えば、ダプソーン;プレウロムチリン、フルオロキノロン、例えば、メトロニダゾール、キノロン、例えば、シプロフロキサシン;レボフロキサシン;プロバイオティクスおよび共生細菌、例えば、乳酸菌;ミカファンギン、
−抗ウイルス剤、例えば、リビビリン、ビダラビン、アシクロビア、ガンシクロビル、ザナミビル、リン酸オセルタミビル、ファムシクロビル、アタザナビル、アマンタジン、ディダノシン、エファビレンツ、フォスカルネット、インジナビル、ラミブジン、ネルフィナビル、リトナビル、サクイナビル、スタブジン、バラシクロビル、バルガンシクロビル、シバシル(civacir)、ジドブジン、RSVタンパク質に対する抗体、例えば、RSV Fタンパク質、例えば、パリビズマブ(Synagis(登録商標))、モタビズマブ、
−血液タンパク質“錯体5a”の調節剤、例えば、阻害剤、例えば、エクリズマブ、ペキセリズマブ、
−血清リン調節剤、例えば、炭酸セベラマー(Renagel(登録商標))、;腎臓疾患の患者における高い血清リンレベルを減少させるリン結合剤、例えば、炭酸ランタン(フォスレノール(登録商標))、
−例えば抗体および低分子量化合物を含むGPBAR1メディエーター活性のメディエーター、例えばアゴニスト;
−セラミドキナーゼ調節剤、例えば、阻害剤、例えば、抗体および低分子量化合物、
−α−4−インテグリン抗体、例えば、ナタリズマブ(Tysabri(登録商標)、
−赤血球生成刺激タンパク質、例えば、エポエチン(Procrit(登録商標))、EPOETIN ALFA、(Epogen(登録商標))、ダルベポエチンα(Aranesp(登録商標))、
−T−細胞共刺激調節剤、例えば、アバタセプト(Orencia(登録商標))、
−本発明の化合物とは異なっている酸スフィンゴミエリナーゼ(aSMase)の調節剤、例えば、阻害剤。
【0075】
本発明の化合物と組み合わせて有用でありそうな抗炎症剤は、例えば、非ステロイド系抗炎症剤(NSAID)、例えば、プロピオン酸誘導体(アルミノプロフェン、ベノキサプロフェン、ブクロクス酸、カルプロフェン、フェンブフェン、フェノプロフェン、フルプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドプロフェン、ケトプロフェン、ミロプロフェン、ナプロキセン、オキサプロジン、ピルプロフェン、プラノプロフェン、スプロフェン、チアプロフェン酸、およびチオキサプロフェン)、酢酸誘導体(インドメタシン、アセメタシン、アルクロフェナック、クリダナク、ジクロフェナク、フェンクロフェナック、フェンクロジン酸、フェンチアザク、フロフェナック、イブフェナック、イソキセパク、オキシピナク、スリンダク、チオピナク、トルメチン、ジドメタシン、およびゾメピラック)、フェナム酸誘導体(フルフェナム酸、メクロフェナミン酸、メフェナム酸、ニフルム酸およびトルフェナム酸)、ビフェニルカルボン酸誘導体(ジフルニサルおよびフルフェニサール)、オキシカム(イソキシカム、ピロキシカム、スドキシカムおよびテノキシカン)、サリチレート(アセチルサリチル酸、スルファサラジン)およびピラゾロン(アパゾン、ベズピペリロン、フェプラゾン、モフェブタゾン、オキシフェンブタゾン、フェニルブタゾン);シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害剤、例えば、セレコキシブ;ホスホジエステラーゼIV型(PDE−IV)の阻害剤;例えば、MN−166、ケモカイン受容体のアンタゴニスト、とりわけCCR−1、例えば、ZK811752(BX−471)、CCR−2、およびCCR−3;コレステロール低下剤、例えば、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤(ロバスタチン、シンバスタチンおよびプラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、および他のスタチン)、金属イオン封鎖剤(コレスチラミンおよびコレスチポール)、ニコチン酸、フェノフィブリック酸誘導体(ジェムフィブロジル、クロフィブラート、フェノフィブレートおよびベンザフィブレート)、およびプロブコール;抗コリン剤、例えば、ムスカリン性アンタゴニスト(臭化イプラトロピウム);他の化合物、例えば、テオフィリン、スルファサラジンおよびアミノサリチル酸、例えば、5−アミノサリチル酸およびそれらのプロドラッグ、抗リウマチ剤、IgE抗体、例えば、オマリズマブ(Xolair(登録商標)を含む。
【0076】
本発明の化合物との組合せパートナーとして有用でありそうな、例えば、本発明によって有用でありそうな抗癌剤は、例えば、下記を含む
i.ステロイド;例えば、プレドニゾン。
ii.アデノシンキナーゼ阻害剤;これは核酸塩基、ヌクレオシド、ヌクレオチドおよび核酸代謝物を標的、減少または阻害する、例えば、7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン、5−ヨード−7−β−D−リボフラノシル−(9Cl)としても既知である5−ロドツベルシジン(lodotubercidin)。
iii.アジュバント;これは5−FU−TS結合ならびにアルカリホスファターゼを標的、減少または阻害する化合物を増強する、例えば、ロイコボリン、レバミゾール;および、癌化学療法アジュバントで使用される他のアジュバント、例えば、mesna(Uromitexan(登録商標)、Mesnex(登録商標))。
【0077】
iv.副腎皮質アンタゴニスト;これは副腎皮質の活性を標的、減少または阻害し、コルチコステロイドの末梢代謝を変化させ、17−ヒドロキシコルチコステロイドの減少をもたらす、例えば、ミトタン。
v.AKT経路阻害剤;例えば、タンパク質キナーゼB(PKB)としても既知であるAktを標的、減少または阻害する化合物;例えば、3H−ビス[1]ベンゾピラノ[3,4−b:6’,5’−e]ピラン−7(7aH)−オン、13,13a−ジヒドロ−9,10−ジメトキシ−3,3−ジメチル−、(7aS、13aS)−(9Cl)としても既知であるデグエリンおよび1,4,5,6,8−ペンタアザアセナフチレン−3−アミン、1,5−ジヒドロ−5−メチル−1−β−D−リボフラノシル;KP372−1(QLT394)としても既知であるトリシリビン。
【0078】
vi.アルキル化剤;これはDNAのアルキル化を中断し、DNA分子ならびに二重らせんの架橋の破壊をもたらし、DNA複製およびRNAの転写を妨げる、例えば、クロラムブシル、クロルメチン、シクロホスファミド、イフォスファミド、メルファラン、エストラムスチン;ニトロソウレア、例えば、カルムスチン、ホテムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン(ストレプトゾトシン、STZ)、BCNU;Gliadel;ダカルバジン、例えば、塩酸塩形態のメクロレタミン、例えば、塩酸塩形態のプロカルバジン、チオテパ、テモゾロマイド、窒素マスタード、マイトマイシン、アルトレタミン、ブスルファン、エストラムスチン、ウラムスチン。シクロホスファミドはCYCLOSTIN(登録商標);イフォスファミドは、HOLOXAN(登録商標)の下に、テモゾロマイドは、TEMODAR(登録商標)の下に、窒素マスタードは、MUSTARGEN(登録商標)の下に、エストラムスチンは、EMYCT(登録商標)の下に、ストレプトゾシンは、ZANOSAR(登録商標)の下に、例えば市販の形態で投与できる。
【0079】
vii.血管形成阻害剤;これは新規血管の製造を標的、減少または阻害するか、例えば、これはメチオニンアミノペプチダーゼ−2(MetAP−2)、マクロファージ炎症性タンパク質−1(MIP−1α)、CCL5、TGF−β、リポキシゲナーゼ、シクロオキシゲナーゼ、およびトポイソメラーゼを標的とするか、またはこれはp21、p53、CDK2およびコラーゲン合成を間接的に標的とする、例えば、2,4,6,8−デカテトラエン二酸、モノ[(3R,4S,5S,6R)−5−メトキシ−4−[(2R,3R)−2−メチル−3−(3−メチル−2−ブテニル)オキシラニル]−1−オキサスピロ[2.5]オクタ−6−イル]エステル、(2E,4E,6E,8E)−(9CI)としても既知であるフマギリン;1,4−ナフタレンジオン、5,8−ジヒドロキシ−2−[(1R)−1−ヒドロキシ−4−メチル−3−ペンテニル]−(9CI)としても既知であるシコニン;安息香酸、2−[[3−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−オキソ−2−プロペニル]アミノ]としても既知であるトラニラスト;スラミン;ベンガミドまたはその誘導体、サリドマイド、TNP−470を含む。
【0080】
viii.抗アンドロゲン;これは良性および悪性前立腺組織の増殖を刺激する副腎および精巣起源のアンドロゲンの作用をブロックする、例えば、ニルタミド;例えば、US4636505に記載のとおりに製造できるビカルタミド(CASODEX(登録商標))。
【0081】
ix.抗エストロゲン;これはエストロゲン受容体濃度でエストロゲンの作用に拮抗する、例えば、エストロゲン生産、例えば、エストロンおよびエストラジオール各々に対する基質であるアンドロステンジオンおよびテストステロンの変換を阻害するアロマターゼ阻害剤、例えば、アタメスタン、エキセメスタン、フォルメスタン、アミノグルテチミド、ログレチミド、ピリドグルテチミド、トリロスタン、テストラクトン、ケトコナゾール、ボロゾール、ファドロゾール、アナストロゾール、レトロゾール、トレミフェン;ビカルタミド;フルタミド;タモキシフェン、クエン酸タモキシフェン;タモキシフェン;フルベストラント;ラロキシフェン、塩酸ラロキシフェン。タモキシフェンは、例えば、市販されている形態、例えば、NOLVADEX(登録商標)で;および塩酸ラロキシフェンはEVISTA(登録商標)として投与できる。フルベストラントはUS4659516に記載のとおりに製剤でき、FASLODEX(登録商標)として販売されている。
【0082】
x.抗高カルシウム血症剤;これは高カルシウム血症を処置するために使用する、例えば、硝酸ガリウム(III)水和物;およびパミドロン酸ナトリウム。
【0083】
xi.代謝拮抗剤;これは細胞死をもたらすDNAの合成を阻害または崩壊させる。代謝拮抗剤の例は、限定はしないが、DNA脱メチル化剤および葉酸アンタゴニスト、例えばメトトレキサート、ペメトレキセド(permetrexed、Alimta(登録商標))、ラルチトレキセド ;プリン、例えば6−メルカプトプリン、クラドリビン、クロフォラビン;フルダラビン、チオグアニン、6−チオグアニン、ネララビン(化合物506)、チアゾフリン(イノシン一リン酸脱水素酵素およびグアノシン三リン酸貯蔵を阻害する)、ペントスタチン(デオキシコフォルマイシン);シタラビン;フレクスリジン;フルオロウラシル;5−フルオロウラシル(5−FU)、フロクスリジン(5−FUdR)、カペシタビン;ゲムシタビン;塩酸ゲムシタビン;ヒドロキシウレア(例えばHydrea(登録商標));DNA脱メチル化剤、例えば、5−アザシチジン(Vidaza(登録商標))およびデシタビン;フルオロメチレンデオキシシチジン(FmdC)、5−アザ−2’−デオキシシチジン、トロキサシタビン(L−異性体シトシン類似体)、エダトレキサートを含む;カペシタビンおよびゲムシタビンは、例えば、市販の形態、例えば、XELODA(登録商標)およびGEMZAR(登録商標)で投与できる。
【0084】
xii.アポトーシス誘導物;これは、例えば、X連鎖アポトーシスタンパク質の哺乳動物の阻害剤(XIAP)を選択的に誘導するか、または、例えば、BCL−xLを下方制御し細胞死へ導く細胞の正常な一組の事象を誘導する;例えば、エタノール、2−[[3−(2,3−ジクロロフェノキシ)プロピル]アミノ];ガンボジック酸;2,5−シクロヘキサジエン−1,4−ジオン、2,5−ジヒドロキシ−3−ウンデシルとしても既知であるエンベリン;三酸化ヒ素(TRISENOX(登録商標))。
【0085】
xiii.オーロラキナーゼ阻害剤;これはG2/Mチェックポイントから有糸分裂チェックポイントおよび後期有糸分裂までの細胞周期の後期を標的、減少または阻害する;例えば、メタンイミドアミド、N’−[1−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−4−シアノ−1H−ピラゾール−5−イル]−N,N−ジメチルとしても既知であるビヌクレイン(binucleine)2。
xiv.ブルートンチロシンキナーゼ(BTK)阻害剤;これはヒトおよびマウスB細胞成長を標的、減少または阻害する;例えば、テレイック酸。
【0086】
xv.カルシニューリン阻害剤;これはT細胞活性化経路を標的、減少または阻害する、例えば、シクロプロパンカルボン酸、3−(2,2−ジクロロエテニル)−2,2−ジメチル−,シアノ(3−フェノキシフェニル)メチルエステルとしても既知であるシペルメトリン;シクロプロパンカルボン酸、3−(2,2−ジブロモエテニル)−2,2−ジメチル−(S)−シアノ(3−フェノキシフェニル)メチルエステル、(1R,3R)としても既知であるデルタメトリン;ベンゼン酢酸、4−クロロ−α−(1−メチルエチル)−シアノ(3−フェノキシフェニル)メチルエステルとしても既知であるフェンバレレート;およびチルホスチン8(ただし、シクロスポリンまたはFK506を除く)。
【0087】
xvi.CaMキナーゼII阻害剤;これはホスホリラーゼキナーゼ、ミオシン軽鎖キナーゼ、およびCaMキナーゼI−IVを含む構造的に関連のある酵素のファミリーを構成するCaMキナーゼを標的、減少または阻害する;例えば、5−イソキノリンスルホン酸、4−[(2S)−2−[(5−イソキノリニルスルホニル)メチルアミノ]−3−オキソ−3−(4−フェニル−1−ピペラジニル)プロピル]フェニルエステル(9CI);ベンゼンスルホンアミド、N−[2−[[[3−(4−クロロフェニル)−2−プロペニル]メチル]アミノ]メチル]フェニル]−N−(2−ヒドロキシエチル)−4−メトキシ。
【0088】
xvii.CD45チロシンホスファターゼ阻害剤;これは様々な炎症性および免疫性障害の処置において働くSrc−ファミリータンパク質−チロシンキナーゼにおける脱リン酸調節pTyr残基を標的、減少または阻害する;例えば、ホスホン酸、[[2−(4−ブロモフェノキシ)−5−ニトロフェニル]ヒドロキシメチル]。
xviii.CDC25ホスファターゼ阻害剤;これは腫瘍において過剰発現した脱リン酸化サイクリン依存性キナーゼを標的、減少または阻害する;例えば、1,4−ナフタレンジオン、2,3−ビス[(2−ヒドロキシエチル)チオ]。
【0089】
xix.CHKキナーゼ阻害剤;これは抗アポトーシスタンパク質Bcl−2の過剰発現を標的、減少または阻害する;例えば、デブロモヒメニアルジシン。CHKキナーゼ阻害剤の標的はCHK1および/またはCHK2である。CHKキナーゼ阻害剤の例は、限定はしないが、デブロモヒメニアルジシンを含む。
xx.ゲニステイン、オロモウシンおよび/またはチルホスチンを調節するための調節剤;例えば、4H−1−ベンゾピラン−4−オン、7−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシフェニル)としても既知であるダイゼイン;イソ−オロモウシン、およびチルホスチン1。
【0090】
xxi.シクロオキシゲナーゼ阻害剤;例えば、Cox−2阻害剤;これは酵素Cox−2(シクロオキシゲナーゼ−2)を標的、減少または阻害する;例えば、1H−インドール−3−アセトアミド、1−(4−クロロベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチル−N−(2−フェニルエチル);5−アルキル置換2−アリールアミノフェニル酢酸および誘導体、例えば、セレコキシブ(CELEBREX(登録商標))、ロフェコキシブ(VIOXX(登録商標))、エトリコキシブ、バルデコキシブ;または5−アルキル−2−アリールアミノフェニル酢酸、例えば、5−メチル−2−(2’−クロロ−6’−フルオロアニリノ)フェニル酢酸、ルミラコキシブ;およびセレコキシブ。
【0091】
xxii.cRAFキナーゼ阻害剤;これはTNFにより誘導されるEセレクチンおよび血管接着分子1の上方制御を標的、減少または阻害する;例えば、3−(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシベンジリデン)−5−ヨード−1,3−ジヒドロインドル−2−オン;およびベンズアミド、3−(ジメチルアミノ)−N−[3−[(4−ヒドロキシベンゾイル)アミノ]−4−メチルフェニル]。Rafキナーゼは細胞分化、増殖およびアポトーシスにおいて細胞外シグナル調節キナーゼとして重要な役割を果たす。cRAFキナーゼ阻害剤の標的は、限定はしないが、RAF1を含む。RAFキナーゼ阻害剤は、例えば、WO2005028444またはWO0009495に記載されている化合物を含む。
【0092】
xxiii.サイクリン依存性キナーゼ阻害剤;これは哺乳動物細胞周期の調節において役割を果たすサイクリン依存性キナーゼを標的、減少または阻害する;例えば、N9−イソプロピル−オロモウシン;オロモウシン;安息香酸、2−クロロ−4−[[2−[[(1R)−1−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロピル]アミノ]−9−(1−メチルエチル)−9H−プリン−6−イル]アミノ]−(9CI)としても既知であるプラバラノールB;ロスコビチン(roascovitine);2H−インドル−2−オン、3−(1,3−ジヒドロ−3−オキソ−2H−インドル−2−イリデン)−1,3−ジヒドロ−としても既知であるインディルビン;インドロ[3,2−d][1]ベンズアゼピン−6(5H)−オン、9−ブロモ−7,12−ジヒドロ−としても既知であるケンパウロン;1−ブタノール、2−[[6−[(3−クロロフェニル)アミノ]−9−(1−メチルエチル)−9H−プリン−2−イル]アミノ]−3−メチル−、(2R)−としても既知であるプラバラノールA;インディルビン−3’−モノオキシム。細胞周期進行はサイクリン依存性キナーゼ(Cdks)およびサイクリンの活性化そしてその後不活性化を含む一連の事象により調節される。Cdksはサイクリンである制御サブユニットに結合することにより活性ヘテロ二量体複合体を形成するセリン/スレオニンキナーゼのグループである。サイクリン依存性キナーゼ阻害剤の標的の例は、限定はしないが、CDK、AHR、CDK1、CDK2、CDK5、CDK4/6、GSK3βおよびERKを含む。
【0093】
xxiv.システインプロテアーゼ阻害剤;これは哺乳動物の細胞代謝回転およびアポトーシスにおける不可欠な役割を果たすシステインプロテアーゼを標的、減少または阻害する;例えば、4−モルホリンカルボキサミド,N−[(1S)−3−フルオロ−2−オキソ−1−(2−フェニルエチル)プロピル]アミノ]−2−オキソ−1−(フェニルメチル)エチル]。
xxv.DNA挿入剤;これはDNAに結合し、DNA、RNAおよびタンパク質合成を阻害する;例えば、プリカマイシン、ダクチノマイシン。
【0094】
xxvi.DNA鎖破壊剤;これはDNA鎖切断を引き起こし、DNA合成の阻害、RNAおよびタンパク質合成の阻害をする;例えば、ブレオマイシン。
xxvii.E3リガーゼ阻害剤;これはプロテアソームでそれらを崩壊するためにマーキングするユビキチン鎖のタンパク質への移動を阻害するE3リガーゼを標的、減少または阻害する;例えば、N−((3,3,3−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル)プロピオニル)スルファニルアミド。
xxviii.内分泌ホルモン;主に下垂体腺において作用するこれは男性において、正味の影響は去勢レベルまでのテストステロンの減少であるホルモンの抑制を引き起こす、;女性において、卵巣エストロゲンおよびアンドロゲン両方の合成が阻害される;例えば、ロイプロライド;メゲストロール、酢酸メゲストロール。
【0095】
xxix.上皮細胞増殖因子ファミリーの受容体チロシンキナーゼ(ホモまたはヘテロ二量体としてのEGFR、ErbB2、(HER−2)、ErbB3、ErbB4)の活性を標的、減少または阻害する化合物、例えば、EGF受容体チロシンキナーゼファミリー、例えば、EGF受容体、ErbB1、ErbB2、ErbB3およびErbB4のメンバーを阻害するか、またはEGFまたはEGF関連リガンドに結合する化合物、タンパク質または抗体、特にWO9702266、例えば、実施例39の化合物に一般的に具体的に記載されている化合物、タンパク質またはモノクローナル抗体、EP0564409、WO9903854、EP0520722、EP0566226、EP0787722、EP0837063、US5747498、WO9810767、WO9730034、WO9749688、WO9738983および、とりわけ、WO9630347、例えば、CP358774として既知の化合物、WO9633980、例えば、ZD1839として既知の化合物;およびWO9503283、例えば、ZM105180、Zemab(登録商標)として既知の化合物に記載されているもの、例えば、二重機能チロシンキナーゼ阻害剤(ErbB1およびErbB2)ラパチニブ(GSK572016)、例えばトシル酸ラパチニブ;AEE788、パニツズマブ、トラスツマブ(HERCEPTIN(登録商標))、セツキシマブ(Erbitux(登録商標))、ゲフェチニブ、OSI−774、CI1033、EKB8569、GW−2016、E1.1、E2.4、E2.5、E6.2、E6.4、E2.11、E6.3またはE7.6.3、例えば、WO03013541に記載されている7H−ピロロ−[2,3−d]ピリミジン誘導体、エルロチニブ、バタナリブ(vatanalib)、ゲフィチニブ。エルロチニブは、例えば、TARCEVA(登録商標)として、ゲフィチニブはイレッサ(登録商標)として市販されている形態、ABX−EGFRを含む上皮細胞増殖因子受容体に対するヒトモノクローナル抗体を投与できる。
【0096】
xxx.EGFR、PDGFRチロシンキナーゼ阻害剤;例えば、EGFRキナーゼ阻害剤、例えば、ザルツズマブ、チルホスチン23、チルホスチン25、チルホスチン47、チルホスチン51およびチルホスチンAG825を含むEGFRキナーゼ阻害剤;2−プロペンアミド、2−シアノ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−N−フェニル−(2E);チルホスチンAg1478;ラベンダスチンA;3−ピリジンアセトニトリル、α−[(3,5−ジクロロフェニル)メチレン]−、(αZ);EGFR、PDGFRチロシンキナーゼ阻害剤の例は、例えば、チルホスチン46、ZK222584を含む。PDGFRチロシンキナーゼ阻害剤はチルホスチン46、SU101を含む。EGFRキナーゼ阻害剤の標的はグアニル酸シクラーゼ(GC−C)HER2、EGFR、PTKおよびチューブリンを含む。
【0097】
xxxi.ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤;これはRasタンパク質を標的、減少または阻害する;例えば、a−ヒドロキシファーネシルホスホン酸;ブタン酸、2−[[(2S)−2−[[(2S,3S)−2−[[(2R)−2−アミノ−3−メルカプトプロピル]アミノ]−3−メチルペンチル]オキシ]−1−オキソ−3−フェニルプロピル]アミノ]−4−(メチルスルホニル)−,1−メチルエチルエステル、(2S);マヌマイシンA;L−744,832またはDK8G557、ティピファニブ(R115777)、SCH66336(ロナファニブ)、BMS−214662。
【0098】
xxxii.Flk−1キナーゼ阻害剤;これはFlk−1チロシンキナーゼ活性を標的、減少または阻害する;例えば、2−プロペンアミド、2−シアノ−3−[4−ヒドロキシ−3,5−ビス(1−メチルエチル)フェニル]−N−(3−フェニルプロピル)−(2E)。Flk−1キナーゼ阻害剤の標的は、限定はしないが、KDRを含む。
【0099】
xxxiii.グリコーゲン合成キナーゼ−3(GSK3)阻害剤;これはグリコーゲン合成キナーゼ−3(GSK3)を標的、減少または阻害する;例えば、インディルビン−3’−モノオキシム。高度に保存され、普遍的に発現するセリン/スレオニンタンパク質キナーゼであるグリコーゲン合成キナーゼ−3(GSK−3;タウタンパク質キナーゼI)は多数の細胞過程のシグナル形質導入カスケードに関連する。これらはタンパク質合成、細胞増殖、細胞分化、微小管重合/分解、およびアポトーシスを含む様々な細胞機能の調節に関することを示したタンパク質キナーゼである。
【0100】
xxxiv.ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤;これはヒストンデアセチラーゼを阻害し、抗増殖活性を有する;例えば、WO0222577に記載の化合物、とりわけN−ヒドロキシ−3−[4−[[(2−ヒドロキシエチル)[2−(1H−インドル−3−イル)エチル]−アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミド、およびN−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドル−3−イル)−エチル]−アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミドおよびそれらの薬学的に許容される塩;スベロイルアニリドヒドロキサム酸(SAHA);[4−(2−アミノ−フェニルカルバモイル)−ベンジル]−カルバミン酸ピリジン−3−イルメチルエステルおよびその誘導体;酪酸、ペロキサミド、トリコスタチンA、オキサムフラチン、アピシジン、デプシペプチド(FK228);デプデシン;トラポキシン、HCトキシン、環状テトラペプチド(シクロ−[プロリル−アルキニル−アラニル−2−アミノ−8−オキソ−9,10−エポキシデカノイル]);フェニル酪酸ナトリウム、スベロイルアニリドヒドロキサム酸、ビスヒドロキサム酸スベロイル;トリコスタチンA、BMS−27275、ピロキサミド、FR−901228、バルプロ酸、PXD101、Savicol(登録商標)。
【0101】
xxxv.HSP90阻害剤;これはHSP90の内因性ATPアーゼ活性を標的、減少または阻害する;ユビキチンプロテアソーム経路を介してHSP90クライアントタンパク質を分解、標的、減少または阻害する。HSP90の内因性ATPアーゼ活性を標的、減少または阻害する化合物は、とりわけHSP90のATPアーゼ活性を阻害する化合物、タンパク質または抗体、例えば、ゲルダナマイシン誘導体;17−アリルアミノ−ゲルダナマイシン、17−デメトキシゲルダナマイシン(17AAG)、他のゲルダナマイシン関連化合物;ラジシコールおよびHDAC阻害剤である。HSP90阻害剤の他の例はゲルダナマイシン、17−デメトキシ−17−(2−プロペニルアミノ)を含む。HSP90阻害剤の可能性のある間接的な標的は、FLT3、BCR−ABL、CHK1、CYP3A5*3および/またはNQ01*2を含む。ニロチニブがBCR−ABLチロシンキナーゼ阻害剤の例である。
【0102】
xxxvi.I−κB−αキナーゼ阻害剤(IKK);これはNF−κBを標的、減少または阻害する、例えば、2−プロペンニトリル、3−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−(2E)。
xxxvii.インスリン受容体チロシンキナーゼ阻害剤;これはホスファチジルイノシトール3−キナーゼ、微小管関連タンパク質およびS6キナーゼの活性を調節する;例えば、ヒドロキシル−2−ナフタレニルメチルホスホン酸、LY294002。
【0103】
xxxviii.c−Jun N−末端キナーゼ(JNK)阻害剤;これはJun N−末端キナーゼを標的、減少または阻害する;例えば、ピラゾールアントロンおよび/またはエピガロカテキンガレート。Jun N−末端キナーゼ(JNK)、セリン−指向性タンパク質キナーゼはc−JunおよびATF2のリン酸化および活性化に関連し、代謝、成長、細胞分化およびアポトーシスにおける重要な役割を果たす。JNKキナーゼ阻害剤に対する対象は、限定はしないが、DNMTを含む。
【0104】
xxxix.微小管結合剤;これは有糸分裂および間期細胞機能に対して必須である微少管ネットワークを崩壊させることにより作用する;例えば、ビンカアルカロイド、例えば、ビンブラスチン、硫酸ビンブラスチン;ビンクリスチン、硫酸ビンクリスチン;ビンデシン;ビノレルビン;タキサン類、例えば、ドセタキセル;パクリタキセル;ディスコデルモライド;コルヒチン、エポチロンおよびその誘導体、例えば、エポチロンBまたはその誘導体。パクリタキセルはTAXOL(登録商標)として;ドセタキセルはTAXOTERE(登録商標)として;硫酸ビンブラスチンはVINBLASTIN R.P(登録商標)として;および硫酸ビンクリスチンはFARMISTIN(登録商標)として市販されている。また、一般形式のパクリタキセルならびに様々な投与形のパクリタキセルを含む。一般形式のパクリタキセルは、限定はしないが、塩化ベタキソロールを含む。様々な投与形のパクリタキセルは、限定はしないが、ABRAXANE(登録商標);ONXOL(登録商標)、CYTOTAX(登録商標)として市販されているアルブミンナノ粒子パクリタキセルを含む。ディスコデルモライドは、例えば、US5010099に記載のとおりに得ることができる。また、US6194181、WO98/0121、WO9825929、WO9808849、WO9943653、WO9822461およびWO0031247に記載されているエポチロン誘導体を含む。とりわけ好ましくはエポチロンAおよび/またはBである。
【0105】
xl.マイトージェン−活性タンパク質(MAP)キナーゼ−阻害剤;これはマイトージェン−活性タンパク質を標的、減少または阻害する、例えば、ベンゼンスルホンアミド、N−[2−[[[3−(4−クロロフェニル)−2−プロペニル]メチル]アミノ]メチル]フェニル]−N−(2−ヒドロキシエチル)−4−メトキシ。マイトージェン−活性タンパク質(MAP)キナーゼは様々な細胞外刺激に対する応答において活性化するタンパク質セリン/スレオニンキナーゼのグループであり、細胞表面から核へのシグナル伝達を仲介する。それらは炎症、アポトーシス細胞死、発癌性形質転換、腫瘍細胞浸潤および転移を含むいくつかの生理学および病理学細胞現象を調節する。
【0106】
xli.MDM2阻害剤;これはMDM2とp53腫瘍サプレッサーの相互作用を標的、減少または阻害する;例えば、トランス−4−ヨード、4’−ボラニル−カルコン。
xlii.MEK阻害剤;これはMAPキナーゼMEKのキナーゼ活性を標的、減少または阻害する;例えば、ソラフェニブ、例えばNexavar(登録商標)(ソラフェニブ トシラート)、ブタンジニトリル、ビス[アミノ[2−アミノフェニル)チオ]メチレン]。MEK阻害剤の標的は、限定はしないが、ERKを含む。MEK阻害剤の間接的な標的は、限定はしないが、サイクリンD1を含む。
【0107】
xliii:マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)阻害剤;これは腫瘍の周りの組織構造の喪失の促進ならびに腫瘍増殖、血管形成および転移の促進に関連する酵素MMP−2およびMMP−9を含むポリペプチド結合の加水分解を選択的に触媒するプロテアーゼ酵素のクラスを標的、減少または阻害する、例えば、ブタンジアミド、N−4−ヒドロキシ−N1−[(1S)−1−[[(2S)−2−(ヒドロキシメチル)−1−ピロリジニル]カルボニル]−2−メチルプロピル]−2−ペンチル−、(2R)−(9CI);エピガロカテキンガレートとしても既知であるアクチノニン;コラーゲンペプチド模倣および非ペプチド模倣阻害剤;テトラシクリン誘導体、例えば、ヒドロキサメートペプチド模倣薬阻害剤、バチマスタット;およびその生物学的に経口利用可能な類似体、マリマスタット、プリノマスタット、メタスタット、ネオバスタット、タノマスタット、TAA211、BMS−279251、BAY12−9566、MMI270BまたはAAJ996. MMP阻害剤の標的は、限定はしないが、ポリペプチド脱ホルミル酵素を含む。
【0108】
xliv.NGFRチロシン−キナーゼ−阻害剤;これは神経増殖因子依存p140c−trkチロシンリン酸化を標的、減少または阻害する;例えば、チルホスチンAG879。NGFRチロシン−キナーゼ−阻害剤の標的は、限定はしないが、HER2、FLK1、FAK、TrkA、および/またはTrkCを含む。間接的な目的はRAF1の発現を阻害する。
xlv.SAPK2/p38キナーゼ阻害剤を含むp38MAPキナーゼ阻害剤;これはMAPKファミリーメンバーであるp38−MAPKを標的、減少または阻害する、例えば、フェノール、4−[4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジニル)−1H−イミダゾール−2−イル]。SAPK2/p38キナーゼ阻害剤の例は、限定はしないが、ベンズアミド、3−(ジメチルアミノ)−N−[3−[(4−ヒドロキシベンゾイル)アミノ]−4−メチルフェニル]を含む。MAPKファミリーメンバーはチロシンおよびスレオニン残基のリン坂により活性化されるセリン/スレオニンキナーゼである。このキナーゼはリン酸化され、多数の細胞ストレスおよび炎症性刺激により活性化され、重要な細胞応答、例えば、アポトーシスおよび炎症応答の調節に関連すると考えられる。
【0109】
xlvi.p56チロシンキナーゼ阻害剤;これはT細胞成長および活性化に対して重要であるリンパ特異的srcファミリーチロシンキナーゼである酵素であるp56チロシンキナーゼを標的、減少または阻害する;例えば、2−アントラセンカルボキシアルデヒド,9,10−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−1メトキシ−9,10−ジオキソ、チルホスチン46としても既知であるダムナカンタール。p56チロシンキナーゼ阻害剤の標的は、限定はしないが、Lckを含む。LckはCD4、CD8およびIL−2受容体のβ鎖の細胞質ドメインと関連し、そしてTCR介在T細胞活性化の最初の工程に関連すると考えられる。
【0110】
xlvii.PDGFRチロシンキナーゼ阻害剤;C−kit受容体チロシンキナーゼ(PDGFRファミリーの一部)の活性を標的、減少または阻害する、例えば、c−Kit受容体チロシンキナーゼファミリーの活性を標的、減少または阻害する、とりわけc−Kit受容体を阻害する。PDGFRチロシンキナーゼ阻害剤の標的の例は、限定はしないが、PDGFR、FLT3および/またはc−KIT;例えば、チルホスチンAG1296;チルホスチン9;1,3−ブタジエン−1,1,3−トリカルボニトリル,2−アミノ−4−(1H−インドル−5−イル);N−フェニル−2−ピリミジン−アミン誘導体、例えば、イマチニブ、イレッサ(登録商標)、MLN518を含む。PDGFは細胞増殖、走化性、および正常細胞の生存ならびに様々な疾患状態、例えば、癌、アテローム性動脈硬化症および線維症の調節において中心的な役割を果たす。PDGFファミリーは二量体アイソフォーム(PDGF−AA、PDGF−BB、PDGF−AB、PDGF−CCおよびPDGF−DD)からなり、これは特異的に2個の受容体チロシンキナーゼに結合することによりこれらの細胞性効果を発揮する。PDGFR−およびPDGFR−βはそれぞれ170および180kDaの分子量を有する。
【0111】
xlviii.ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ阻害剤;これはPI3−キナーゼを標的、減少または阻害する;例えば、3H−フロ[4,3,2−de]インデノ[4,5−h]−2−ベンゾピラン−3,6,9−トリオン、11−(アセチルオキシ)−1,6b,7,8,9a,10,11,11b−オクタヒドロ−1−(メトキシメチル)−9a,11b−ジメチル−、(1S,6bR,9aS,11R,11bR)−(9CI)としても既知であるウォルトマンニン;8−フェニル−2−(モルホリン−4−イル)−クロメン−4−オン;ケルセチン、ケルセチン二水和物。PI3−キナーゼ活性は、インスリン、血小板由来増殖因子、インシュリン様増殖因子、上皮細胞増殖因子、コロニー刺激因子および肝細胞増殖因子を含む多くのホルモンおよび成長因子刺激に対する応答の増加を示し、細胞増殖および形質転換に関連するプロセスに影響を与えている。ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ阻害剤の標的の例は、限定はしないが、Pi3Kを含む。
【0112】
xlix.ホスファターゼ阻害剤;これはホスファターゼを標的、減少または阻害する;例えば、カンタリジン酸;カンタリジン;およびL−ロイシンアミド、N−[4−(2−カルボキシエテニル)ベンゾイル]グリシル−L−α−グルタミル−(E)。ホスファターゼはホスホリル基を除去し、タンパク質を最初の脱リン酸化状態に戻す。したがって、リン酸化−脱リン酸化サイクルは分子の“オン−オフ”のスイッチと見なすことができる。
【0113】
l.白金剤;これは白金を含み、DNA分子のインターストランドおよびインターストランド架橋を形成することによるDNA合成を阻害する;例えば、カルボプラチン;シスプラチン;オキサリプラチン;シスプラスチン;サトラプラチンおよびZD0473、BBR3464のような白金剤。例えば、カルボプラチンは、例えば、CARBOPLAT(登録商標)の下に、例えば市販の形態で;および、オキサリプラチンは、ELOXATIN(登録商標)の下に、例えば市販の形態で投与できる。
【0114】
li.PP1およびPP2阻害剤ならびにチロシンホスファターゼ阻害剤を含むタンパク質ホスファターゼ阻害剤;これはタンパク質ホスファターゼを標的、減少または阻害する。PP1およびPP2A阻害剤の例はカンタリジン酸および/またはカンタリジンを含む。チロシンホスファターゼ阻害剤の例は、限定はしないが、シュウ酸L−P−ブロモテトラミソール;2(5H)−フラノン,4−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)−3−(1−オキソヘキサデシル)−、(5R);およびベンジルホスホン酸を含む。
【0115】
本明細書で使用される“PP1またはPP2阻害剤”なる用語は、Ser/Thrタンパク質ホスファターゼを標的、減少または阻害する化合物に関する。PP1を含むI型ホスファターゼは阻害剤1(I−1)および阻害剤2(I−2)として既知である2つの熱安定なタンパク質により阻害される。これらは選択的にホスホリラーゼキナーゼのサブユニットを脱リン酸化する。II型ホスファターゼは自然反応性(PP2A)、CA2+依存(PP2B)およびMg2+依存(PP2C)ホスファターゼクラスに分類される。
【0116】
本明細書で使用される“チロシンホスファターゼ阻害剤”なる用語は、チロシンホスファターゼを標的、減少または阻害する化合物に関する。タンパク質チロシンホスファターゼ(PTP)は比較的最近ホスファターゼファミリーに加えられた。それらはタンパク質のリン酸化チロシン残基由来のリン酸基を除去する。PTPは様々な構造特性を示し、細胞増殖、分化、細胞接着および運動の制御、ならびに細胞骨格機能における重要な役割を果たす。チロシンホスファターゼ阻害剤の標的の例は、限定はしないが、アルカリホスファターゼ(ALP)、ヘパラナーゼ、PTPase、および/または前立腺酸性ホスファターゼを含む。
【0117】
lii.PKC阻害剤およびPKCδキナーゼ阻害剤:本明細書で使用される“PKC阻害剤”なる用語は、タンパク質キナーゼCならびにそのイソ酵素を標的、減少または阻害する化合物に関する。遍在するリン脂質依存酵素であるタンパク質キナーゼC(PKC)は、細胞増殖、分化およびアポトーシスと関連するシグナル形質導入に関連する。PKC阻害剤の標的の例は、限定はしないが、MAPKおよび/またはNF−κBを含む。PKC阻害剤の例は、限定はしないが、1−H−ピロロ−2,5−ジオン,3−[1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−1H−インドル−3−イル]−4−(1H−インドル−3−イル);ビスインドリルマレイミドIX;4−オクタデカン−1,3−ジオール、2−アミノ−、(2S,3R,4E)−(9CI)としても既知であるスフィンゴシン;9,13−エポキシ−1H,9H−ジインドロ[1,2,3−gh:3’,2’,1’−lm]ピロロ[3,4−j][1,7]ベンゾジアゾニン−1−オンとしても既知であるスタウロスポリン、例えば、EP0296110に記載のスタウロスポリン誘導体、例えば、ミドスタウリン;2,3,10,11,12,13−ヘキサヒドロ−10−メトキシ−9−メチル−11−(メチルアミノ)−、(9S,10R,11R,13R)−(9CI);チルホスチン51;フェナントロ[1,10,9,8−opqra]ペリレン−7,14−ジオン、1,3,4,6,8,13−ヘキサヒドロキシ−10,11−ジメチル−、エンザスタウリン(LY317615)立体異性体としても既知であるヒペリシン、UCN−01、サフィンゴール、BAY43−9006、ブリオスタチン1、ペリフォシン;イルモフォジン;RO318220およびRO320432;GO6976;Isis3521;LY333531/LY379196を含む。本明細書で使用される“PKCδキナーゼ阻害剤”なる用語は、PKCのδイソ酵素を標的、減少または阻害する化合物に関する。δイソ酵素は慣用のPKCイソ酵素であり、Ca2+依存である。PKCδキナーゼ阻害剤の例は、限定はしないが、2−プロペン−1−オン、1−[6−[(3−アセチル−2,4,6−トリヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル]−5,7−ジヒドロキシ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−8−イル]−3−フェニル−、(2E)としても既知であるロッテルリンを含む。
【0118】
liii.ポリアミノ合成阻害剤;これはポリアミンスペルミジンを標的、減少または阻害する;例えば、(−)−2−ジフルオロメチルオルニチンとしても既知であるDMFO;N1、N12−ジエチルスペルミン4HCl。ポリアミンスペルミジンおよびスペルミンは細胞増殖に対して非常に重要であるが、それらの作用の正確なメカニズムは明らかでない。腫瘍細胞は生合成酵素の活性を増加することおよびポリアミンプールを増加することにより影響する変化したポリアミンホメオスタシスを有する。
【0119】
liv.プロテアソーム阻害剤;これはプロテアソームを標的、減少または阻害する、例えば、アクラシノマイシンA;グリオトキシン;PS−341;MLN341;ボルテゾミブ;ベルケイド。プロテアソーム阻害剤の標的の例は、限定はしないが、O(2)(−)−産生NADPHオキシダーゼ、NF−カッパB、および/またはファーネシルトランスフェラーゼ、ゲラニルトランスフェラーゼIを含む。
【0120】
lv.PTP1B阻害剤;これはPTP1Bを標的、減少または阻害するタンパク質チロシンキナーゼ阻害剤;例えば、L−ロイシンアミド、N−[4−(2−カルボキシエテニル)ベンゾイル]グリシル−L−α−グルタミル−,(E)。
【0121】
lvi.SRCファミリーチロシンキナーゼ阻害剤;Sykチロシンキナーゼ阻害剤;ならびにJAK−2および/またはJAK−3チロシンキナーゼ阻害剤を含むタンパク質チロシンキナーゼ阻害剤。
本明細書で使用される“タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤”なる用語は、タンパク質チロシンキナーゼを標的、減少または阻害する化合物に関する。タンパク質チロシンキナーゼ(PTK)は細胞増殖、分化、代謝、遊走および生存の調節において重要な役割を果たす。それらは受容体PTKおよび非受容体PTKとして分類されている。受容体PTKは膜貫通領域を有する単ポリペプチド鎖を含む。この細胞外末端部分は高い親和力のリガンド結合ドメインを含み、一方、細胞質末端は触媒コアおよび調節塩基配列を含む。チロシンキナーゼ阻害剤の標的の例は、限定はしないが、ERK1、ERK2、ブルートンチロシンキナーゼ(Btk)、JAK2、ERK1/2、PDGFR、および/またはFLT3を含む。間接的な標的の例は、限定はしないが、TNFα、NO、PGE2、IRAK、iNOS、ICAM−1、および/またはE−セレクチンを含む。チロシンキナーゼ阻害剤の例は、限定はしないが、チルホスチンAG126;チルホスチンAg1288;チルホスチンAg1295;ゲルダナマイシン;およびゲニステインを含む。
【0122】
非受容体チロシンキナーゼはSrc、Tec、JAK、Fes、Abl、FAK、CskおよびSykファミリーメンバーを含む。それらは細胞質ならびに核に位置する。それらは明確なキナーゼ制御、基質リン酸化および機能を示す。これらのキナーゼの脱制御はまたいくつかのヒト疾患に関連付けられている。
【0123】
本明細書で使用される“SRCファミリーチロシンキナーゼ阻害剤”なる用語は、SRCを標的、減少または阻害する化合物に関する。SRCファミリーチロシンキナーゼ阻害剤の例は、限定はしないが、1H−ピラゾール[3,4−d]ピリミジン−4−アミン、1−(1,1−ジメチルエチル)−3−(1−ナフタレニル)としても既知であるPP1;および1H−ピラゾール[3,4−d]ピリミジン−4−アミン、3−(4−クロロフェニル)−1−(1,1−ジメチルエチル)としても既知であるPP2を含む。
【0124】
本明細書で使用される“Sykチロシンキナーゼ阻害剤”なる用語は、Sykを標的、減少または阻害する化合物に関する。Sykチロシンキナーゼ阻害剤に対する標的の例は、限定はしないが、Syk、STAT3、および/またはSTAT5を含む。Sykチロシンキナーゼ阻害剤の例は、限定はしないが、1,2−ベンゼンジオール、4−[(1E)−2−(3,5−ジヒドロキシフェニル)エテニル]としても既知であるピセアタンノールを含む。
【0125】
本明細書で使用される“Janus(JAK−2および/またはJAK−3)チロシンキナーゼ阻害剤”なる用語は、janusチロシンキナーゼを標的、減少または阻害する化合物に関する。Janusチロシンキナーゼ阻害剤は抗血栓、抗アレルギーおよび免疫抑制特性を有する抗白血病剤を示す。JAK−2および/またはJAK−3チロシンキナーゼ阻害剤の標的は、限定はしないが、JAK2、JAK3、STAT3を含む。JAK−2および/またはJAK−3チロシンキナーゼ阻害剤の間接的な標的は、限定はしないが、CDK2を含む。JAK−2および/またはJAK−3チロシンキナーゼ阻害剤の例は、限定はしないが、チルホスチンAG490;および2−ナフチルビニルケトンを含む。
c−Ablファミリーメンバーおよびそれらの遺伝子融合生成物の活性を標的、減少または阻害する化合物は、例えば、PD180970;AG957;またはNSC680410を含む。
【0126】
lvii.レチノイド;これはレチノイド依存性受容体を標的、減少または阻害する;例えば、イソトレチノイン、トレチノイン、アリトレチノイン、ベキサロテン、例えば、DNAのレチノイン酸応答因子と相互作用する薬剤、例えば、イソトレチノイン(13−シス−レチノイン酸)を含む。
【0127】
lviii.RNAポリメラーゼII伸長阻害剤;これはCHO細胞のインスリン刺激核および細胞質p70S6キナーゼを標的、減少または阻害する;カゼインキナーゼIIに依存しているRNAポリメラーゼII転写を標的、減少または阻害する;そしてウシ卵母細胞の卵核胞崩壊を標的、減少または阻害する;例えば、5,6−ジクロロ−1−β−D−リボフラノシルベンゾイミダゾール。
【0128】
lvix.セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤;これはセリン/スレオニンキナーゼを阻害する;例えば、2−アミノプリン。セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤の標的の例は、限定はしないが、dsRNA依存性タンパク質キナーゼ(PKR)を含む。セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤の間接的な標的の例は、限定はしないが、MCP−1、NF−κB、elF2α、COX2、RANTES、IL8,CYP2A5、IGF−1、CYP2B1、CYP2B2、CYP2H1、ALAS−1、HIF−1、エリスロポエチン、および/またはCYP1A1を含む。
【0129】
lx.ステロール生合成阻害剤;これはステロール、例えば、コレステロールの生合成を阻害する;例えば、テルビナフォン(terbinadine)。ステロール生合成阻害剤の標的の例は、限定はしないが、スクアレンエポキシダーゼ、およびCYP2D6を含む。ステロール生合成阻害剤の例は、限定はしないが、テルビナフィンを含む。
【0130】
lxi.トポイソメラーゼ阻害剤;トポイソメラーゼI阻害剤およびトポイソメラーゼII阻害剤を含む。トポイソメラーゼI阻害剤の例は、限定はしないが、トポテカン、ギマテカン、イリノテカン、カンプトテカンおよびその類似体、9−ニトロカンプトテシンおよび巨大分子カンプトセシン接合体PNU−166148(WO99/17804のA1化合物);10−ヒドロキシカンプトテシン、例えば酢酸塩;エトポシド;イダルビシン、例えば塩酸;イリノテカン、例えば塩酸;エトポシド;テニポシド;トポテカン、塩酸トポテカン;ドキソルビシン;エピルビシン、塩酸エピルビシン;4’−エピドキソルビシン、ミトキサントロン、ミトキサントロン、例えば塩酸;ダウノルビシン、塩酸ダウノルビシン、バルルビシン、ダサチニブ(BMS−354825)を含む。イリノテカンは、例えば、CAMPTOSAR(登録商標)の名の下に販売されている形態で投与できる。トポテカンは、例えば、HYCAMTIN(登録商標)の名の下に販売されている形態で投与できる。本明細書で使用する“トポイソメラーゼII阻害剤”は、限定はしないが、アントラサイクリン、例えば、ドキソルビシン(リポソーム製剤、例えばCAELYX(登録商標)を含む)、ダウノルビシン(リポソーム製剤、例えば、DAUNOSOME(登録商標)を含む)、エピルビシン、イダルビシンおよびネモルビシン;アントラキノン類ミトキサントロンおよびロソキサントロン;ならびにポドフィロトキシン類エトポシドおよびテニポシドを含む。エトポシドはETOPOPHOS(登録商標)として;テニポシドはVM26−BRISTOL(登録商標)は;ドキソルビシンはADRIBLASTIN(登録商標)またはADRIAMYCIN(登録商標)として;エピルビシンはFARMORUBICIN(登録商標)として、イダルビシンはZAVEDOS(登録商標)として;およびミトキサントロンはNOVANTRON(登録商標)として販売されている。
【0131】
lxii.VEGFRチロシンキナーゼ阻害剤;これは既知の血管生成成長因子ならびに正常なおよび病的な血管形成の調節に関与しているサイトカインを標的、減少および/または阻害する。VEGFファミリー(VEGF−A、VEGF−B、VEGF−C、VEGF−D)およびそれらの対応する受容体チロシンキナーゼ[VEGFR−1(Flt−1)、VEGFR−2(Flk−1、KDR)、およびVEGFR−3(Flt−4)]は血管生成およびリンパ管生成過程の多相の調節における主要なおよび必要不可欠な役割を果たす。VEGFRチロシンキナーゼ阻害剤の例は3−(4−ジメチルアミノベンジリデニル)−2−インドリノンを含む。VEGFRの活性を標的、減少または増加する化合物は、とりわけVEGF受容体チロシンキナーゼを阻害するか、VEGF受容体を阻害するか、またはVEGFに結合する化合物、タンパク質または抗体であり、特にWO9835958に一般的に具体的に記載されている化合物、タンパク質またはモノクローナル抗体であり、例えば、1−(4−クロロアニリノ)−4−(4−ピリジルメチル)フタラジンまたはその医薬的に許容される塩、例えば、コハク酸塩、またはWO0009495、WO0027820、WO0059509、WO9811223、WO0027819およびEP0769947に記載のもの;例えば、M. Prewett et al in Cancer Research 59 (1999) 5209-5218、F. Yuan et al in Proc. Natl. Acad. Sci. USA, vol. 93, pp. 14765-14770, Dec. 1996、Z. Zhu et al in Cancer Res. 58,1998,3209-3214、およびJ. Mordenti et al in Toxicologic Pathology, Vol. 27, no. 1, pp 14-21,1999;WO0037502およびWO9410202に記載のもの; M. S. O'Reilly et al, Cell 79,1994,315-328に記載のアンジオスタチン; M. S. O'Reilly et al, Cell 88,1997,277-285に記載のエンドスタチン;アントラニル酸アミド;ZD4190;ZD6474(バンデタニブ);SU5416;SU6668、AZD2171(Recentin(登録商標));または抗VEGF抗体、例えば、抗−VEGF−α抗体ラニビズマブ(Lucentis(登録商標))、または抗VEGF受容体抗体、例えば、RhuMab(ベバシズマブ、Avastin(登録商標))である。それらが所望の生物学的活性を示す限り、抗体は完全モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、少なくとも2個の完全抗体から形成される多特異的抗体、および抗体フラグメントを意味する。VEGF−R2阻害剤の例は、例えば、アクシチニブを含む。
【0132】
lxiii.ゴナドレリンアゴニスト、例えば、アバレリクス、ゴセレリン、酢酸ゴセレリン。
lxiv.細胞分化工程を誘導する化合物、例えば、レチノイン酸、α−、γ−もしくは8−トコフェロールまたはα−、γ−もしくは8−トコトリエノール。
lxv.ビスホスホネート、例えば、エトリドン酸、クロドロン酸、チルドロン酸、パミドロン酸、アレンドロン酸、イバンドロン酸、リセドロン酸およびゾレドロン酸。
lxvi.ヘパラナーゼ阻害剤、これは硫酸ヘパリン分解を阻害する、例えば、PI−88。
【0133】
lxvii.生体応答修飾物質、好ましくはリンホカインまたはインターフェロン、例えば、インターフェロンα。
lxviii.テロメラーゼ阻害剤、例えば、テロメスタチン。
lxix.カテコール−O−メチルトランスフェラーゼのメディエーター、例えば、阻害剤、例えば、エンタカポン。
lxx:キネシンスピンドルタンパク質(KSP)の阻害剤、例えば、イスペネシブ、
lxxi.ソマトスタチンまたはソマトスタチン類似体、例えば、オクトレオチド(サンドスタチン(登録商標)またはサンドスタチンLAR(登録商標))。
【0134】
lxxii.成長ホルモン受容体アンタゴニスト、例えば、ペグビソマント、フィルグラスチムまたはペグフィルグラスチム、またはインターフェロンα。
lxxiii.例えば白血病(AML)処置に有用なモノクローナル抗体、例えばアレムツズマブ(Campath(登録商標))、ゲムツズマブ、(ozogamicin、Mylotarg(登録商標))、エプラツズマブ。
lxxiv.アルトレタミン、アムサクリン、アスパラギナーゼ(Elspar(登録商標))、ペガスパルガーゼ(PEG−L−asparaginase、Oncaspar(登録商標)))、デニロイキンジフチトクス(Ontak(登録商標)))、マソプロコールを含む細胞毒性抗新生物剤。
lxxv.ホスホジエステラーゼ阻害剤、例えばアナグレリド(Agrylin(登録商標)、Xagrid(登録商標))。
lxxvi.癌ワクチン、例えばMDX−1379。
lxxvii.免疫抑制モノクローナル抗体、例えば、白血球受容体またはそれらのリガンドに対するモノクローナル抗体、
例えばCD20、例えば、リツキシマブ(Rituxan(登録商標)、111Inまたは90Yに結合したイブリツモマブチウキセタン(Zevalin(登録商標))、131Iトシツムマブ(Bexxar(登録商標)))、オファツムマブ(HuMax−CD20(R))、オクレリツマブ、hA20(Immunomedics)、
CD22、例えば、エプラツズマブ、イノツズマブオゾガミシン(CMC544)、CAT−3888、
CD33、例えば、ゲムツズマブ(Mylotarg(登録商標)、
CD52、例えば、アレムツズマブ(Campath−I(登録商標))、
またはそれらのリガンド;
CD11a、例えば、エファリズマブ(Raptiva(登録商標)),
CD3、例えば、ビジリズマブ。
【0135】
lxxviii.癌胎児性抗原(CEA)に対する抗体、例えば、ラベツズマブ(lapetuzumab)、例えば、ラベツズマブ−イットリウム90、KSB−303、MFECP1、MFE−23。
lxxix.腫瘍増殖および血管形成と関連する多重受容体チロシンキナーゼの調節剤、例えば、阻害剤、例えば、スニチニブ(SU11248)。
lxxx.合成非ステロイドエストロゲン、例えば、ジエチルスチルベストロール(DES、Stilboestrol(登録商標)))。
【0136】
lxxxi.少なくともCTLA4の細胞外ドメインの部分またはその変異体を有する組み換え結合分子、または、例えば、非CTLA4タンパク質配列へ結合する少なくともCTLA4の細胞外部分またはその変異体を含む“抗CLA4剤”、例えば、CTLA4Ig(例えば、ATCC 68629)またはその変異体、限定はしないが、LEA29Y(belatacept)を含む;抗CTLA4剤は、限定はしないが、イピリムマブ、チシリムマブを含む。
lxxxii.αVβ3およびαVβ5インテグリン受容体阻害剤、例えば、シレンギチド(cilengitide)(EMD121974)。
【0137】
所望により、抗癌剤と組み合わせられる癌処置は、例えば、DOTATATE治療、例えば、Y90−DOTATATE治療を含む放射線治療と関連してもよい。
癌処置は、また、ビタミンまたはビタミン誘導体(例えば、ロイコボリン(登録商標))処置と関連してもよい。
抗癌剤は、例えば、薬剤放出を改良し、さらに薬剤の有効性を増強するアブラキサン(登録商標)と組み合わせて使用してもよい。
【0138】
本発明の化合物を他の薬剤と組み合わせて投与するとき、共投与される第2の薬剤の用量は、本発明の化合物の場合、もちろん使用される共薬剤の型、使用される特定の薬剤、処置される状態に依存して変化する。一般的に、供給者に第2の薬剤を供給するときと同じ用量が適当である。
【0139】
本明細書に記載の本発明の化合物の化学名は、ISIS、version 2.5(AutoNom 2000 Name)から取っている。
【0140】
本明細書で引用されている特許出願はいつでも、その内容、特に本明細書に記載の化学化合物を出典明示により本明細書に包含させる。
【0141】
下記実施例において、すべての温度は摂氏(℃)である。
下記の略語を使用する:
【表1】

【実施例】
【0142】
製造実施例1
4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボン酸[3−(1,1,4−トリオキソ−1,2,5−チアジアゾリジン−2−イル)−フェニル]−アミド(下記表1の実施例1の化合物)
A)(3−ニトロ−フェニルアミノ)−酢酸エチルエステル
50mlのDMFに溶解した14.2mmolの3−ニトロアニリンに35.5mmolのKCO、触媒量の18−クラウン−6および14.2mmolのブロモ酢酸を加え、得られた混合物を22時間60°で撹拌する。得られた混合物をEtOAcで希釈し、水および1NのHClで抽出する。得られた有機層を乾燥させ、溶媒を蒸発させる。(3−ニトロ−フェニルアミノ)−酢酸エチルエステルを得る。
【0143】
B)(3−ニトロ−フェニル−N−(t−ブチルアミノスルホニル)アミノ)−酢酸エチルエステル
25.7mmolのtert.ブタノールおよび20mlのCHClの混合物に10.3mmolのClSONCOを加え、得られた混合物を室温で45分撹拌する。得られた混合物を50mlのCHCl中の5.14mmolの(3−ニトロ−フェニルアミノ)−酢酸エチルエステルおよび15.4mmolのトリエチルアミンの溶液に0°でゆっくり加え、得られた混合物を0°で2.5時間撹拌する。得られた混合物をCHClで希釈し、希釈物をHCl(0.1N)で抽出する。得られた有機層を乾燥させ、溶媒を蒸発させる。(3−ニトロ−フェニル−N−(t−ブチルアミノスルホニル)アミノ)−酢酸エチルエステルを得る。
【0144】
C)トリフルオロ酢酸形態の(3−ニトロ−フェニル−N−(アミノスルホニル)アミノ)−酢酸エチルエステル
5mmolの(3−ニトロ−フェニル−N−(t−ブチルアミノスルホニル)アミノ)−酢酸エチルエステルを20mlの90%の水性TFAに溶解させ、得られた混合物を1時間室温で撹拌する。得られた混合物をジオキサンで希釈し、溶媒を蒸発させる。トリフルオロ酢酸形態の(3−ニトロ−フェニル−N−(アミノスルホニル)アミノ)−酢酸エチルエステルを得る。
【0145】
D)5−(3−ニトロ−フェニル)−1,1−ジオキソ−1,2,5−チアジアゾリジン−3−オン
4.56mmolのトリフルオロ酢酸形態の(3−ニトロ−フェニル−N−(アミノスルホニル)アミノ)−酢酸エチルエステルを50mlのTHFに溶解し、得られた混合物に13.7mmolのNaN[Si(CHを加え、得られた混合物を室温でアルゴン下で1.5時間撹拌する。得られた混合物をEtOAcで希釈し、得られた希釈物を1MのHClおよび塩水の1:1混合物で抽出し、得られた有機層を乾燥させ、溶媒を蒸発させる。5−(3−ニトロ−フェニル)−1,1−ジオキソ−1,2,5−チアジアゾリジン−3−オンを得る。
【0146】
E)5−(3−アミノ−フェニル)−1,1−ジオキソ−1,2,5−チアジアゾリジン−3−オン
3.32mmolの5−(3−ニトロ−フェニル)−1,1−ジオキソ−1,2,5−チアジアゾリジン−3−オンをメタノールに溶解し、得られた混合物に1.18mmolのPd/Cを加え、反応フラスコにH−バルーンを装着させる。反応混合物をH雰囲気下で5時間撹拌する。得られた混合物から触媒を濾過により除去する。濾液から溶媒を蒸発させる。5−(3−アミノ−フェニル)−1,1−ジオキソ−1,2,5−チアジアゾリジン−3−オンを得る。
【0147】
F)4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボン酸[3−(1,1,4−トリオキソ−1,2,5−チアジアゾリジン−2−イル)−フェニル]−アミド
1.06mmolの4’−(オクチルオキシ)−4−ビフェニル−カルボン酸、1.06mmolのEDCおよび1.06mmolのDIPEAを、6mlのDMF/トルエン−混合物中の0.53mmolの5−(3−アミノ−フェニル)−1,1−ジオキソ−1,2,5−チアジアゾリジン−3−オンおよび0.11mmolのHOAtの混合物に加える。得られた混合物を室温で18時間撹拌し、EtOAcおよびトルエンで希釈し、沈殿を得、濾取する。固体形態の4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボン酸[3−(1,1,4−トリオキソ−1,2,5−チアジアゾリジン−2−イル)−フェニル]−アミドを得る。得られた濾液をHCl(1M)および塩水で洗浄し、有機層を乾燥させ、溶媒を蒸発させる。さらなる4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボン酸[3−(1,1,4−トリオキソ−1,2,5−チアジアゾリジン−2−イル)−フェニル]−アミドを得る。
【0148】
製造実施例2
{2−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−ベンジル}−ホスホン酸(下記表1の実施例2の化合物)
A)(2−ニトロ−ベンジル)−ホスホン酸ジエチルエステル
10mlのトルエン中の1.02gのニトロベンジルブロマイドおよび1.08mlの亜リン酸トリエチルの混合物を還流温度で12時間に加熱する。得られた混合物から溶媒を蒸発させる。(2−ニトロ−ベンジル)−ホスホン酸ジエチルエステルを得る。
【0149】
B)(2−アミノ−ベンジル)−ホスホン酸ジエチルエステル
エタノール中の1.13gの(2−ニトロ−ベンジル)−ホスホン酸ジエチルエステル)を触媒としてPd−Cで5時間室温で常圧で水素化する。触媒を濾過により除去し、得られた濾液から溶媒を蒸発させる。(2−アミノ−ベンジル)−ホスホン酸ジエチルエステルを得る。
【0150】
C){2−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−ベンジル}−ホスホン酸ジエチルエステル
1gの(2−アミノ−ベンジル)−ホスホン酸ジエチルエステル、2gの4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボン酸、1.4mlのEDC、0.9mlのDIEAおよび100mgのHOAtを30mlのDMFに溶解し、得られた混合物を室温で2日間撹拌する。得られた混合物をEtOAcで希釈し、得られた溶液を水性希釈HClおよび水性NaHCO溶液で洗浄する。得られた有機層を乾燥させ、溶媒を蒸発させる。{2−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−ベンジル}−ホスホン酸ジエチルエステルを結晶形態で得、イソプロパノール/水から再結晶する。
【0151】
D){2−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−ベンジル}−ホスホン酸
{2−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−ベンジル}−ホスホン酸ジエチルエステルをCHClに溶解し、得られた混合物をヨウ化トリメチルシリルで0°で処理する。得られた混合物を0°で数時間撹拌し、トルエンで希釈する。得られた混合物から溶媒を蒸発させる。得られた蒸発残渣を1NのNaOH溶液に溶解し、EtOAcで洗浄し、HClを加え、沈殿を発生させ、得られた沈殿を回収する。{2−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−ベンジル}−ホスホン酸を得る。
【0152】
製造実施例3
{2−[(4’−ベンジルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−ベンジル}−ホスホン酸((下記表1の実施例31の化合物)および{2−[(4’−ヒドロキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−ベンジル}−ホスホン酸(下記表1の実施例32の化合物)
10mgの[2−(4−ブロモ−ベンゾイルアミノ)−ベンジル]−ホスホン酸および1.4当量の4−ベンジルオキシベンゼンボロン酸をDMF/水 1:1、KCOに懸濁し、1.4当量の触媒(Pd(OAc))を加え、得られた混合物をマイクロ照射により150℃に10分加熱する。得られた混合物を水性アンモニアで希釈し、C−18 RPカートッリジを適用し、NHOH(0.1%)/MeOHグラジエントで段階的に溶離する。
2−[(4’−ベンジルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−ベンジル}−ホスホン酸および{2−[(4’−ヒドロキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−ベンジル}−ホスホン酸をアンモニウム塩形態で得る。
【0153】
製造実施例4
[2−({2−[(4’−ヘキシル−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−ベンジル}−ヒドロキシ−ホスフィノイルオキシ)−エチル]−トリメチル−アンモニウム、内部塩(下記表1の実施例36の化合物)
40mgの{2−[(4’−ヘキシル−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−ベンジル}−ホスホン酸(製造実施例3の化合物)を10mlのピリジンに溶解し、111mgの乾燥コリンp−トルエンスルホン酸塩および2mlのトリクロロアセトニトリルを加える。得られた混合物を50℃で76時間撹拌する。得られた混合物から溶媒を蒸発させ、蒸発残渣をRP−18クロマトグラフィー(0,1%のTFA−水/メタノール グラジエント)に付す。[2−({2−[(4’−ヘキシル−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−ベンジル}−ヒドロキシ−ホスフィノイルオキシ)−エチル]−トリメチル−アンモニウム、内部塩を得る。
【0154】
製造実施例5
2,2−ジメチル−プロピオン酸ヒドロキシ−{2−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−ベンジル}−ホスフィノイルオキシメチルエステル(下記表1の実施例40の化合物)
50mgの{2−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−ベンジル}−ホスホン酸(製造実施例2の化合物)を10mlのDMFに懸濁し、得られた懸濁液に145μLのピバル酸クロロメチルおよび70μLのトリエチルアミンおよび触媒量のヨウ化ナトリウムを加える。得られた混合物を65℃で24時間加熱し、さらなるピバル酸クロロメチルおよびトリエチルアミン(それぞれ20当量)を加える。得られた混合物をさらに46時間加熱する。得られた混合物をDCMで希釈し、HCl(0.1M)、NaHCO(5%)および水(n−ブタノールの添加)抽出する。得られた有機相から溶媒を蒸発させる。2,2−ジメチル−プロピオン酸ヒドロキシ−{2−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−ベンジル}−ホスフィノイルオキシメチルエステルを無色固体形態で得る。
【0155】
製造実施例6
(ジフルオロ−{4−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニルオキシ)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸ジエチルエステル(下記表1の実施例41の化合物)および(ジフルオロ−{4−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸ジエチルエステル(下記表1の実施例11の化合物)
ETOAc中の[ジフルオロ−(4−ニトロ−フェニル)−メチル]−ホスホン酸ジエチルエステルの溶液を10w/w%のパラジウム炭素で水素化する。得られた混合物からPd/Cを濾取し、得られた濾液を蒸発させ、乾燥させる。得られた油状物をCHClに再溶解し、5当量のピリジンおよび1当量の4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニルクロライドで撹拌下で処理する。得られた混合物にEtOAcを加え、得られた混合物をNaHCOで抽出する。得られた有機相から溶媒を蒸発させ、蒸発残渣をカラムクロマトグラフィーに付す。
(ジフルオロ−{4−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニルオキシ)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸ジエチルエステルおよび(ジフルオロ−{4−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸ジエチルエステルを無色粉末形態で得る。
【0156】
製造実施例7
(ジフルオロ−{2−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸ジエチルエステル(下記表1の実施例9の化合物)
CHCl中の[(2−アミノ−フェニル)−ジフルオロ−メチル]−ホスホン酸ジエチルエステルNVP−VAV664の溶液に5当量のピリジン、次に1当量の4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニルクロライドを室温で加え、得られた混合物を約10から20分撹拌する。得られた混合物にEtOAcを加え、得られた混合物をNaHCOで抽出する。得られた有機相から溶媒を蒸発させ、蒸発残渣をカラムクロマトグラフィーに付す。(ジフルオロ−{2−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸ジエチルエステルを無色粉末形態で得る。
【0157】
製造実施例8
(ジフルオロ−{2−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸エチルエステルメチルエステル(下記表1の実施例37の化合物)
(ジフルオロ−{2−[メチル−(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸ジエチルエステル(下記表2の実施例55の化合物)および(ジフルオロ−{2−[メチル−(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸エチルエステルメチルエステル(下記表2の実施例56の化合物)
室温でTHF中の0.5mlの1MのLiHMDSを200mgの(ジフルオロ−{2−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸ジエチルエステルの溶液に加え、得られた混合物に30mlのTHF中の0.1mlのヨウ化メチルを加える。得られた混合物を3時間室温で撹拌し、ETOAcと1Nの水性HClで分配する。有機相を分離し、乾燥させ、ヂアゾメタンのエーテル溶液を特有の黄色が残るまで加える。溶媒を蒸発させ、蒸発残渣をクロマトグラフィーに付す。
(ジフルオロ−{2−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸エチルエステルメチルエステル、(ジフルオロ−{2−[メチル−(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸ジエチルエステルおよび(ジフルオロ−{2−[メチル−(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸エチルエステルメチルエステルを無色粉末形態で得る。
【0158】
製造実施例9
(ジフルオロ−{2−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸モノエチルエステル(下記表1の実施例12の化合物)
THF中の(ジフルオロ−{2−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸ジエチルエステルの溶液に、室温で、1.5当量のLiHMDSを加え、得られた混合物を室温で約24時間撹拌する。得られた混合物をEtOAcと1N−水性HClで分配し、得られた有機相を1Nの水性HClで洗浄し、分離し、蒸発させ、乾燥させる。得られた蒸発残渣を逆相クロマトグラフィー(RP−18)に付す。(ジフルオロ−{2−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸モノエチルエステルをわずかに黄色の粉末形態で得る。
【0159】
製造実施例10
(ジフルオロ−{4−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸モノエチルエステル(下記表1の実施例14の化合物)
アセトン/アセトニトリル中の(ジフルオロ−{4−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸ジエチルエステルおよび約5から7当量のNaIの溶液を150℃にマイクロ波反応器で40分以内に加熱する。得られた混合物をEtOAcと1Nの水性HClで分配し、得られた有機相を1Nの水性HClで洗浄し、分離し、蒸発させ、乾燥させる。
(ジフルオロ−{4−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸モノエチルエステルを得る。
【0160】
製造実施例11
(ジフルオロ−{3−[メチル−(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸モノエチルエステル(下記表2の実施例61の化合物)
アセトニトリル溶液中の(ジフルオロ−{3−[メチル−(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸ジエチルエステル(下記表2の実施例59の化合物)および約3から5当量のDABCOの溶液を150℃にマイクロ波反応器で40分以内に加熱する。得られた混合物をEtOAcと1Nの水性HClで分配する。得られた混合物から有機相を分離し、1Nの水性HClで洗浄し、蒸発させ、乾燥させる。(ジフルオロ−{3−[メチル−(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸モノエチルエステルを得る。
【0161】
製造実施例12
(ジフルオロ−{4−[メチル−(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸(下記表2の実施例62の化合物)
4mlのCHCl中の43mgの(ジフルオロ−{4−[メチル−(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸エチルエステルメチルエステル(表2の実施例58の化合物)の冷却(0から5℃)溶液に9当量のTMSIを加え、得られた混合物を0から5℃でTLCが反応完了を示すまで撹拌する。得られた混合物を1Nの水性HClとEtOAcで分配し、有機層を分離し、乾燥させ、溶媒を蒸発させる。得られた蒸発残渣をEtOAcに再懸濁し、再び溶媒を蒸発させ、最後の製造法を数回繰り返し、TMSI由来の不純物を除去する。
(ジフルオロ−{4−[メチル−(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸を無色固体形態で得る。
【0162】
製造実施例13
(2−{2−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−エチル)−ホスホン酸ジエチルエステル(下記表1の実施例47の化合物)
158mgの(2−ニトロ−フェニルエチニル)−ホスホン酸ジエチルエステルを室温で15mlのEtOH中で10w/w%のパラジウム炭素で水素化する。得られた混合物から触媒を濾取し、得られた濾液から溶媒を蒸発させ、乾燥させる。わずかに橙色の油状物を得、15mlのEtOAcおよび0.3mlのピリジンに溶解する。得られた混合物に190mgの4’−n−オクチルオキシ−ビフェニル−カルボニルクロライドを加え、反応混合物を撹拌する。後処理のため、得られた混合物を水性飽和NaHCO−溶液とEtOAcで分配し、有機層を分離し、塩水、1Nの水性HClおよび塩水で洗浄し、乾燥させ、乾燥溶液から溶媒を減圧下で蒸発させる。固体を得、これを溶解し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン:アセトニトリル=3:1)に付す。(2−{2−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−エチル)−ホスホン酸ジエチルエステルを無色固体形態で得る。
【0163】
製造実施例14
{2−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−ホスホン酸ジエチルエステル(下記表1の実施例20の化合物)
室温で、EtOAc中の(2−アミノ−フェニル)−ホスホン酸ジエチルエステルの溶液に10当量のピリジン、次に1当量の4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニルクロライド(VAW132)を加え、得られた混合物を約25分撹拌する。得られた混合物を水性後処理(NaHCO/EtOAc)に付し、得られた有機相を乾燥させ、溶媒を蒸発させ、蒸発残渣をカラムクロマトグラフィーに付す。{2−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−ホスホン酸ジエチルエステルを得る。
【0164】
中間体の製造
製造実施例A
[ジフルオロ−(2−ニトロ−フェニル)−メチル]−ホスホン酸ジエチルエステルおよび
1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(2−ニトロ−フェニル)−エチル]−ホスホン酸ジエチルエステル
式の化合物
【化40】

50mlのDMF中の8.5gのZn粉末の懸濁液に5gのジエチル、(ブロモジフルオロメチル)−ホスホン酸、次に約0.4mlのトリメチルシリルクロライド(亜鉛の活性化)を加える。発熱反応を起こし、混合物にさらに27gのジエチル、(ブロモジフルオロメチル)−ホスホン酸を温度が50℃以下を維持する速度で加える。得られた混合物に、室温で1時間後、18gのCu(I)Brを一度に加える。得られた混合物に、室温で1時間後、DMFに溶解した14.9gの1−ヨード−2−ニトロ−ベンゼンを40℃を超えない速度で加える。得られた再懸濁液を15時間室温で撹拌する。得られた混合物を水とTBMEで分配する。得られた水性相をTBMEで抽出し、合わせた有機相を乾燥させる。得られた混合物から溶媒を蒸発させ、褐色がかった油状物を得、これをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、トルエン:酢酸エチル=3.2から1:1)に付し、[ジフルオロ−(2−ニトロ−フェニル)−メチル]−ホスホン酸ジエチルエステル(MS MNa 332)および1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(2−ニトロ−フェニル)−エチル]−ホスホン酸ジエチルエステル(MS MNa 382)を黄色油状物形態で得る。
【0165】
製造実施例1に記載の方法に準じて、出発物質として1−ヨード−2−ニトロ−ベンゼンの代わりに1−ヨード−3−ニトロベンゼン1−ヨード−2−ニトロ−ベンゼンを使用して、化合物ジフルオロ−(3−ニトロ−フェニル)−メチル]−ホスホン酸ジエチルエステル(MSMNa332)および[1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(3−ニトロ−フェニル)−エチル]−ホスホン酸ジエチルエステル(MS MNa 382)を得る。
【0166】
製造実施例1に記載の方法に準じて、出発物質として1−ヨード−2−ニトロ−ベンゼンの代わりに1−ヨード−4−ニトロベンゼンを使用して、化合物[ジフルオロ−(4−ニトロ−フェニル)−メチル]−ホスホン酸ジエチルエステル(MS MNa 332)および[1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(4−ニトロ−フェニル)−エチル]−ホスホン酸ジエチルエステル(MS MNa 382)を得る。
【0167】
製造実施例B
[(2−アミノ−フェニル)−ジフルオロ−メチル]−ホスホン酸ジエチルエステル NVP−VAV664

【化41】

で示される化合物
EtOH中のジフルオロ−(3−ニトロ−フェニル)−メチル]−ホスホン酸ジエチルエステルを溶液を10w/w%のパラジウム炭素で水素化する。ハロゲン化後、得られた混合物からPd/Cを濾取し、溶媒を蒸発させ、得られた蒸発残渣をカラムクロマトグラフィーに付す。[(2−アミノ−フェニル)−ジフルオロ−メチル]−ホスホン酸ジエチルエステルを無色油状物形態で得る。MS MNa 302.
【0168】
製造実施例Bに記載の方法に準じて、下記化合物を得る:
[(2−エチルアミノ−フェニル)−ジフルオロ−メチル]−ホスホン酸ジエチルエステル、
例えば、式
【化42】

MS MNa 330
[ジフルオロ−(2−ヒドロキシアミノ−フェニル)−メチル]−ホスホン酸ジエチルエステル、
例えば、式
【化43】

MS MNa 318
[(3−アミノ−フェニル)−ジフルオロ−メチル]−ホスホン酸ジエチルエステル、
例えば、式
【化44】

MS MNa 302
[(3−エチルアミノ−フェニル)−ジフルオロ−メチル]−ホスホン酸ジエチルエステル、
例えば、式
【化45】

MS MNa 330
[2−(3−アミノ−フェニル)−1,1,2,2−テトラフルオロ−エチル]−ホスホン酸ジエチルエステル、
例えば、式
【化46】

MS MNa 352
および、
[2−(3−エチルアミノ−フェニル)−1,1,2,2−テトラフルオロ−エチル]−ホスホン酸ジエチルエステル、
例えば、式
【化47】

MS MNa 380。
【0169】
製造実施例C
エチニル−ホスホン酸ジエチルエステル
THF中の50mlの0.5Mのエチニル−臭化マグネシウムの溶液にクロロホスホン酸ジエチルエステルの冷却溶液を加える。温度が8℃を越えない速度で、得られた混合物を30分5℃で維持し、2時間室温で撹拌する。酸後処理し、次にカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、トルエン:酢酸エチル=1:1)に付し、エチニル−ホスホン酸ジエチルエステルを無色油状物形態で得る。MS:MNa 185。
【0170】
製造実施例D
(2−ニトロ−フェニルエチニル)−ホスホン酸ジエチルエステル
15mlのTHF中の300mgのエチニル−ホスホン酸ジエチルエステルの溶液に、494mgの1−ヨード−2−ニトロベンゼンおよび0.28mlのジ−イソプロピルアミン、43mgの二塩化ビス−(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(II)および12mgのヨウ化銅(I)を連続して加え、得られた混合物を約2時間還流する。酸後処理(1Nの水性HClおよびEtOAc)し、次にカラムクロマトグラフィーに付し、(2−ニトロ−フェニルエチニル)−ホスホン酸ジエチルエステルをわずかに褐色がかった油状物形態で得る。
製造実施例Dに記載の方法に準じて、1−ヨード−2−ニトロベンゼンの代わりに1−ヨード−3−ニトロベンゼンを使用して、式
【化48】

の化合物(3−ニトロ−フェニルエチニル)−ホスホン酸ジエチルエステル(MNa+306)を得る。
【0171】
製造実施例E
塩化4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル
20gの4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボン酸を140mlのCHClに懸濁し、得られた懸濁液に23mlの塩化チオニルおよび触媒量のDMFを加える。得られた混合物を21時間室温にする。透明な溶液を得、これを50mlのトルエンで希釈し、希釈された混合物を減圧下で濃縮する。得られた濃縮した溶液(約50ml)を再び50mlのトルエンで希釈し、蒸発させ、乾燥させる。塩化4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニルを結晶形態で得る。
【0172】
製造実施例F
(2−ニトロ−フェニル)−ホスホン酸ジエチルエステル
3.9gの酢酸Cu(II)を20mlのEtOH中の5gの1−ヨード−2−ニトロベンゼンおよび5gの亜リン酸トリエチルの溶液に加え、得られた混合物を24時間還流し、室温に冷却し、EtOAcと半飽和水性NaCl−溶液で分配する。得られた有機層を乾燥させ、溶媒を蒸発させ、蒸発残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、トルエン:アセトニトリル=3:1)に付す。(2−ニトロ−フェニル)−ホスホン酸ジエチルエステルを橙色油状物で得る。MS:MNa 282
【0173】
製造実施例G
(2−アミノ−フェニル)−ホスホン酸ジエチルエステル
メタノール中の(2−ニトロ−フェニル)−ホスホン酸ジエチルエステルの溶液を10w/w%のパラジウム炭素で水素化する。得られた混合物からPd/Cを濾取し、得られた濾液から溶媒を蒸発させ、蒸発残渣カラムクロマトグラフィーに付す。(2−アミノ−フェニル)−ホスホン酸ジエチルエステルを無色油状物形態で得る。MS:MNa 252
【0174】
前記製造実施例に記載の方法に準じて、“データ”の下に下記表1で定義されている特徴データを有する、式
【化49】

〔式中、RおよびXは下記表1に記載のとおりである〕で示される適当な出発物質(中間体)化合物を使用して、得る。表1の特徴データはHNMRデータまたは質量分析データ(MS)である。
【0175】
実施例1から37、39、40、42、43、45および46から52の化合物においてXは水素があり;実施例38、41および44においてXは式
【化50】

で示される基である。
【0176】
実施例2から6、9、12、18から20、29から32、34から37、39、40、42、46、47および49の化合物においてRはフェニル環の2位に結合している。
実施例1、7、10、13、21から24、27、28、43、45、48、50および53の化合物においてRはフェニル環の3位に結合している。
実施例8、11、14から17、25、26、33、38、41、44、48a、51および52の化合物においてRはフェニル環の4位に結合している。
【0177】
表1
【表2】

【表3】

【0178】
【表4】

【表5】

【0179】
【表6】

【表7】

【0180】
【表8】

【表9】

【0181】
【表10】

【表11】

【0182】
【表12】

【表13】

【0183】
【表14】

【表15】

【0184】
表1実施例1から53の化合物の化合物構造を、また、H−NMRおよび/または13C−NMRデータにより確認する。
【0185】
前記製造実施例に記載の方法に準じて、“データ”の下に下記表2で定義されている特徴データを有する、式
【化51】

〔式中、RおよびXは下記表2に記載されている〕で示される適当な出発物質(中間体)化合物を使用して、得る。表2の特徴データは質量分析データ(MS)である。
【0186】
Aは、実施例54の化合物においてエチルであり、そして表2の他の全ての化合物においてメチルである。
は、実施例55、56および63において、フェニル環の2位である。
は、実施例54、59から61および64において、フェニル環の3位である。
は、実施例57、58および62において、フェニル環の4位である。
【0187】
表2
【表16】

【表17】

【表18】

【0188】
表2の実施例54から64の化合物の化合物構造を、また、H−NMRおよび/または13C−NMRデータにより確認する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】

【化1】

〔式中、
Aは、水素または(C1−4)アルキルであり、
は、基Y−Rであり、
Yは、存在しないか、または(C1−4)アルキレンであり、ここで、アルキレンは所望によりハロゲンにより置換されており、
は、−P(O)(OH)(OH)または式
【化2】

で示される基であり、
Xは、式
【化3】

で示される基であり、
環Aは、(C5−12)シクロアルキレン、(C5−12)シクロアルケニレンまたはフェニレンであり、そして、
環Bは、非置換(C5−12)シクロアルキル、(C5−12)シクロアルケニルもしくは(C6−12)アリールであるか、
または、Rにより置換されている(C5−12)シクロアルキル、(C5−12)シクロアルケニルもしくは(C6−12)アリールであり、
は、ハロゲン、ハロ(C1−4)アルキル、ハロ(C1−4)アルキルオキシ、カルボキシル、ニトロ、アミノ、リン含有基、硫黄含有基、またはCO基に加えて1から12個の炭素原子を含むアシルもしくはアシルオキシであるか、または、
は、基−ZRであり、
ここで、Zは、存在しないか、またはNH、OもしくはSであり、そして、
は、Zが存在するとき、水素であるか、または、
は、例えば、Zが存在するか、または存在しないとき、
(C3−12)シクロアルキル、(C5−12)シクロアルケニル、(C6−12)アリールまたは3から12環員、例えば、5または6環員および1から4個のN、OまたはSから選択されるヘテロ原子を含む芳香族性および脂肪族ヘテロシクリルを含むヘテロシクリルであるか、または、
(C1−12)アルキルのような(C1−22)アルキル、(C2−12)アルケニルのような(C2−22)アルケニル、または(C2−12)アルキニルのような(C2−22)アルキニルであり、ここで、アルキル、アルケニルまたはアルキニルは非置換であるか、または(C6−12)アリールにより置換されている〕
で示される化合物、または
所望により塩形の、Rが加水分解性である基であるリン酸エステルまたはリン酸アミド(アミド化)基である式Iの化合物のプロドラッグ、または、
アミド基の窒素が加水分解性である基により置換されている式Iの化合物のプロドラッグ。
【請求項2】
Aが、水素、メチルまたはエチルであり、
が、基Y−Rであり、
Yが、存在しないか、または−CH−、−CF−もしくはCF−CF−であり、
が、−P(O)(OH)(OH)であるか;または、
が、式
【化4】

で示される基であり、
Xが、式
【化5】

で示される基であり、
環Aが、非置換フェニレンまたはアダマンチレンであり、そして、
環Bが、非置換であるか、または、ヘキシル、ヒドロキシ、メトキシ、ブトキシ、オクチルオキシ、デシルオキシまたはベンジルオキシにより置換されているフェニルである、請求項1に記載の式Iの化合物。
【請求項3】
Aが水素である、請求項1または2のいずれかに記載の式Iの化合物。
【請求項4】
Aが(C1−4)アルキルである、請求項1または2のいずれかに記載の式Iの化合物。
【請求項5】

【化6】

〔式中、Rは、基Y−Rまたは−Y−R’であり、
Yは、存在しないか、または−CH−、−CF−もしくはCF−CF−であり、
は、−P(O)(OH)(OH)であるか;または、
は、式
【化7】

で示される基であり、
R’は、−P(O)(OR)(OR)であり、ここで、RおよびRは、互いに独立して、水素または(C1−4)アルキルであり、RおよびRの少なくとも1個が(C1−4)アルキルであるか、または、
R’は、−P(O)(OR’)(OR’)であり、ここで、R’およびR’は、互いに独立して、水素または(C1−4)アルキルであり、ここで、アルキルは(C1−6)アルキルカルボニルオキシにより置換されており、ここで、R’およびR’の少なくとも1個は水素以外であるか;または、
R’は、−P(O)(O)(O−CH−CH−N(C(CH)であり、
Xは、式
【化8】

で示される基であり、
環Aは、非置換フェニレンまたはアダマンチレンであり、そして、
環Bは、フェニルであり、ここで、フェニルは、非置換であるか、またはヘキシル、デシル、ヒドロキシ、メトキシ、ブトキシ、例えば、n−ブトキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、デシルオキシまたはベンジルオキシにより置換されており、そして、
は、水素または式
【化9】

で示される基であり、環Aおよび環Bは上記定義のとおりである、
ただし、Xが水素以外であるか、またはRが−Y−R’であるか、または、
が水素以外であり、そしてRが−Y−R’である、
ただし、Rが式
【化10】

で示される基であるとき、Rは−Y−R’である、式Iの化合物。
【請求項6】
1.4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボン酸[3−(1,1,4−トリオキソ−1λ*6*−[1,2,5]チアジアゾリジン−2−イル)−フェニル]−アミド、
2.{2−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−ベンジル}−ホスホン酸、
3.{2−[(4’−ヘキシル−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−ベンジル}−ホスホン酸、
4.{2−[(3−フェニル−アダマンタン−1−カルボニル)−アミノ]−ベンジル}−ホスホン酸、
5.{2−[(4’−メトキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−ベンジル}−ホスホン酸、
6.(ジフルオロ−{2−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸、
7.(ジフルオロ−{3−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸、
8.(ジフルオロ−{4−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸、
9.(ジフルオロ−{2−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸ジエチルエステル、
10.(ジフルオロ−{3−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸ジエチルエステル、
11.(ジフルオロ−{4−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸ジエチルエステル、
12.(ジフルオロ−{2−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸モノエチルエステル、
13.(ジフルオロ−{3−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸モノエチルエステル、
14.(ジフルオロ−{4−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸モノエチルエステル、
15.(1,1,2,2−テトラフルオロ−2−{4−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−エチル)−ホスホン酸ジエチルエステル、
16.(1,1,2,2−テトラフルオロ−2−{4−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−エチル)−ホスホン酸モノエチルエステル、
17.(1,1,2,2−テトラフルオロ−2−{4−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−エチル)−ホスホン酸、
18.{2−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−ホスホン酸、
19.{2−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−ホスホン酸モノエチルエステル、
20.{2−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−ホスホン酸ジエチルエステル、
21.{3−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−ホスホン酸、
22.{3−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−ホスホン酸モノエチルエステル、
23.{3−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−ホスホン酸ジエチルエステル、
24.[3−(4−ヘプチルオキシ−ベンゾイルアミノ)−フェニル]−ホスホン酸、
25.{4−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−ホスホン酸モノエチルエステル、
26.{4−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−ホスホン酸ジエチルエステル、
27.3−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−ベンジル}−ホスホン酸、
28.{3−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−ベンジル}−ホスホン酸モノエチルエステル、
29.{2−[(4’−デシルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−ベンジル}−ホスホン酸ジエチルエステル、
30.{2−[(4’−デシルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−ベンジル}−ホスホン酸、
31.{2−[(4’−ベンジルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−ベンジル}−ホスホン酸、
32.{2−[(4’−ヒドロキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−ベンジル}−ホスホン酸、
33.{4−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−ベンジル}−ホスホン酸、
34.{2−[(ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−ベンジル}−ホスホン酸、
35.{2−[(4’−ブトキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−ベンジル}−ホスホン酸、
36.[2−({2−[(4’−ヘキシル−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−ベンジル}−ヒドロキシ−ホスフィノイルオキシ)−エチル]−トリメチル−アンモニウム、
37.(ジフルオロ−{2−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸エチルエステルメチルエステル、
38.(1,1,2,2−テトラフルオロ−2−{4−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニルオキシ)−アミノ]−フェニル}−エチル)−ホスホン酸ジエチルエステル、
39.2,2−ジメチル−プロピオン酸ヒドロキシ−{2−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−ベンジル}−ホスフィノイルオキシメチルエステル、
40.2,2−ジメチル−プロピオン酸(2,2−ジメチル−プロピオニルオキシメトキシ)−{2−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−ベンジル}−ホスフィノイルオキシメチルエステル、
41.(ジフルオロ−{4−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニルオキシ)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸ジエチルエステル、
42.(1,1,2,2−テトラフルオロ−2−{2−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−エチル)−ホスホン酸ジエチルエステル、
43.(1,1,2,2−テトラフルオロ−2−{3−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−エチル)−ホスホン酸ジエチルエステル、
44.(ジフルオロ−{4−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニルオキシ)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸、
45.(1,1,2,2−テトラフルオロ−2−{3−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−エチル)−ホスホン酸、
46.(1,1,2,2−テトラフルオロ−2−{2−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−エチル)−ホスホン酸
47.(2−{2−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−エチル)−ホスホン酸ジエチルエステル、
48.(2−{3−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−エチル)−ホスホン酸ジエチルエステル、
48a.(2−{4−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−エチル)−リン酸ジエチルエステル、
49.(2−{2−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−エチル)−ホスホン酸、
50.(2−{3−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−エチル)−ホスホン酸、
51.(2−{4−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−エチル)−ホスホン酸、
52.{4−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−ホスホン酸、
53.{3−[(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−ベンジル}−ホスホン酸ジエチルエステル、
54.({2−[エチル−(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−ジフルオロ−メチル)−ホスホン酸ジエチルエステル、
55.(ジフルオロ−{2−[メチル−(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸ジエチルエステル、
56.(ジフルオロ−{2−[メチル−(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸エチルエステルメチルエステル、
57.(ジフルオロ−{4−[メチル−(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸ジエチルエステル、
58.(ジフルオロ−{4−[メチル−(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸エチルエステルメチルエステル、
59.(ジフルオロ−{3−[メチル−(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸ジエチルエステル、
60.(ジフルオロ−{3−[メチル−(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸エチルエステルメチルエステル、
61.(ジフルオロ−{3−[メチル−(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸モノエチルエステル、
62.(ジフルオロ−{4−[メチル−(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸、
63.(ジフルオロ−{2−[メチル−(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸、および、
64.(ジフルオロ−{3−[メチル−(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−メチル)−ホスホン酸;
からなる群から選択される請求項1から3のいずれかに記載の化合物。
【請求項7】
塩形態の請求項1から6のいずれかに記載の化合物。
【請求項8】
医薬として使用するための、請求項1から7のいずれかに記載の化合物。
【請求項9】
請求項1から7のいずれかに記載の化合物と少なくとも1種の医薬賦形剤を組み合わせて含む医薬組成物。
【請求項10】
スフィンゴミエリナーゼ(aSMase)活性が介在する障害を処置するための方法であって、このような処置を必要とする対象に有効量の請求項1から7のいずれかに記載の化合物を投与することを含む方法。
【請求項11】
スフィンゴミエリナーゼ(aSMase)活性が介在する障害を処置するための薬剤の製造のための請求項1から7のいずれかに記載の化合物。
【請求項12】
請求項1から7のいずれかに記載の化合物と少なくとも1種の第2の薬物の組合せ。
【請求項13】
請求項8、10または11のいずれかで使用するための、少なくとも1種の第2の薬物と組み合わさった請求項1から7のいずれかに記載の化合物。
【請求項14】
[1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(2−ニトロ−フェニル)−エチル]−ホスホン酸ジエチルエステル、
[ジフルオロ−(3−ニトロ−フェニル)−メチル]−ホスホン酸ジエチルエステル、
[1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(3−ニトロ−フェニル)−エチル]−ホスホン酸ジエチルエステル、
[1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(4−ニトロ−フェニル)−エチル]−ホスホン酸ジエチルエステル、
[(2−エチルアミノ−フェニル)−ジフルオロ−メチル]−ホスホン酸ジエチルエステル、
[ジフルオロ−(2−ヒドロキシアミノ−フェニル)−メチル]−ホスホン酸ジエチルエステル、
[(3−エチルアミノ−フェニル)−ジフルオロ−メチル]−ホスホン酸ジエチルエステル、および、
(3−ニトロ−フェニルエチニル)−ホスホン酸ジエチルエステル
からなる群から選択される化合物。

【公表番号】特表2010−501500(P2010−501500A)
【公表日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−524954(P2009−524954)
【出願日】平成19年8月21日(2007.8.21)
【国際出願番号】PCT/EP2007/007360
【国際公開番号】WO2008/022771
【国際公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】