説明

スプレーノズル用逆止め弁およびノズルパイプ

【課題】本発明は、パイプ形状の弁ハウジング、遮断ボディおよび弁座を有し、その場合に遮断ボディが少なくともパイプ形状の弁ハウジングの長手方向に移動可能に配置されている、スプレーノズル用の逆止め弁、及びノズルパイプに関する。
【解決手段】本発明によれば、遮断ボディが、長手方向に対して平行に配置された波形パイプを用いて弁ハウジングと結合されており、その場合に遮断ボディは、波形パイプのばね作用によって弁座上の方向に付勢されている。たとえば、スケール除去ノズルのための使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弁ハウジング、遮断ボディおよび弁座を有する、スプレーノズル用の逆止め弁に関するものであって、その場合に遮断ボディは、弁ハウジングの少なくとも長手方向に移動可能に配置されている。本発明は、また、供給導管内へ差し込むためのフィルタを有するノズルパイプに関する。
【背景技術】
【0002】
本出願人Lechler GmbHの製品プログラムから、いわゆるスケール除去ノズル用の止水弁が知られている(非特許文献1を参照)。そこに示される止水弁または逆止め弁は、パイプ形状の弁ハウジングを有しており、その中に円錐形状の遮断ボディがパイプ形状の弁ハウジングの長手方向に移動可能に配置されている。弁体は、圧縮ばねによって弁座の方向へ付勢されている。パイプ形状の弁ハウジングは、ノズルパイプの構成要素であって、弁座はフィルタ構成部分に設けられている。その場合にフィルタ構成部分は、パイプ形状の弁ハウジングの延長を形成し、その弁ハウジングがまた、反対側の端部にスプレーノズルを有している。その後、スプレーノズルを含むノズルパイプ全体は、部分的に供給導管内へ、ないしは噴射ブームの溶接ニプル内へ挿入されるので、フィルタ構成部分が噴射ブーム内に配置されて、スプレーノズルを介してスプレー液が供給導管から周囲へ達することができる。この種の既知の逆止め弁とノズルパイプは、特に圧延装置内で、熱い金属表面のスケールを除去する際に使用されて、流体圧の低下後になおかなりの流体量がスプレーノズルから流出することを、阻止しようとする。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】パンフレット WSV “Water Stop Valve for Scalumaster Nozzles”, Lechler GmbH, 1/70
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明によって、改良された逆止め弁と改良されたノズルパイプを提供しようとしている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、そのために、弁ハウジング、遮断ボディおよび弁座を有する、スプレーノズル用の逆止め弁が設けられており、その場合に遮断ボディは、弁ハウジングの少なくとも長手方向に移動可能に配置されており、遮断ボディは、長手方向に対して平行に配置された波形パイプによって弁ハウジングと結合されており、その場合に遮断ボディは、波形パイプのばね作用によって弁座の方向に付勢されている。
【0006】
波形パイプによって、遮断弁は、たとえばパイプ形状の弁ハウジングの長手方向に移動可能に、この弁ハウジングと結合することができる。別体の圧縮ばねは、省くことができ、本発明に係る逆止め弁は、簡略化することができる。
【0007】
本発明の展開において、波形パイプは、その径方向内部に位置する内側においても、その径方向外部に位置する外側においても、少なくとも逆止め弁の開放された状態において、圧力下にある、スプレーすべき流体を供給される。
【0008】
このようにして、スプレーすべき流体の圧力が、数100バールと極端に高い場合でも、波形パイプが側方へ変位しないことを、保証することができ、それによって、波形パイプによって遮断ボディへ加えられる付勢力は変化することがない。むしろ、径方向内側と径方向外側で波形パイプに作用する圧力が相互に相殺されるので、波形パイプは遮断方向およびその逆に自由に移動できるままである。この両側の圧力供給を実現するために、遮断ボディとノズルパイプの内側との間に、第1の流れ通路を形成することができ、その流れ通路が波形パイプの径方向外部に位置する側に、圧力下にある流体を供給する。波形パイプの径方向内側に位置する側に圧力下にある流体を供給するために、案内パイプの下流に位置する端部において、ノズルパイプの内側と案内パイプとの間に流れ通路を形成することができる。代替的に、波形パイプの径方向内側に位置する側が、流れ通路の一部を形成する。
【0009】
本発明の展開において、波形パイプの内部に案内パイプが設けられており、その場合に案内パイプが、逆止め弁を通る流体通路の一部を形成する。
【0010】
波形パイプの内部に案内パイプが設けられ、その場合に案内パイプが滑らかな壁を有する円筒形状に形成されていることによって、逆止め弁内でわずかな流れ損失しか生じないことを、保証することができる。というのは、案内パイプが流れ通路の一部を形成し、波形パイプはそれを形成せず、それによって乱流が減少されるからである。案内パイプを設けるにもかかわらず、流れる流体のための大きい自由な横断面を実現することができる。案内パイプは、好ましくは一定の直径を有する。
【0011】
本発明の展開において、案内パイプは、一方の端部において遮断ボディと結合されており、他方の端部においては、弁ハウジングに対して摺動可能に支承されている。
【0012】
このようにして、移動可能な遮断ボディと、案内パイプの対向する側の移動可能な端部との間に、滑らかな壁を有するつながった流体通路を形成することができる。それぞれ案内通路の壁厚に応じて、案内パイプの移動可能な端部とノズルハウジングとの間に、案内パイプの壁厚の高さの段部のみが存在する。コイルばねを設けることに比較して、波形パイプは、同じ付勢力を有するコイルばねよりも少ないスペースしか必要としない、という利点を提供する。それによって、案内パイプの内部の流れ横断面は、より大きく形成することができ、より少ない流れ損失が実現される。
【0013】
本発明の展開において、遮断ボディは、貫流方向に見て、波形パイプの上流に位置する端部に配置されている。
【0014】
このようにして、遮断ボディの下流には、流れのための長い沈静区間を配置することができ、それが、乱流の減少とそれに伴って小さい流れ抵抗に寄与する。それによって、まさに、スケール除去ノズルのために使用されるような、極めて高い流体圧において、遮断ボディの下流および波形パイプの下流に配置されたスプレーノズルによっても、より良好なスプレーイメージを得ることができる。
【0015】
本発明の展開において、遮断ボディはリング形状に形成され、弁座は少なくとも部分的に円錐台形状に形成されており、その場合に遮断ボディは閉鎖位置において、弁座の円錐外表面上に添接する。
【0016】
リング形状の遮断ボディと円錐台形状の弁座によって、わずかな圧接圧力において、良好なシール作用が得られる。しかし特に、弁座の流れ的に好ましい形態が可能である。リング形状の遮断ボディは、波形パイプの内径に適合することができるので、リング形状の遮断ボディと波形パイプの間の移行部において、自由な流れ横断面の減少が生じることはない。
【0017】
本発明の展開において、弁座は弁座ディスクに設けられており、その弁座ディスクは、逆止め弁の流体通路内へ挿入されており、かつ少なくとも1つの通過通路を有している。
【0018】
この措置によって、弁座ディスクがパイプ形状の弁ハウジング内へ簡単に挿入できるので、本発明に係る逆止め弁の形成可能性が、簡単になる。
【0019】
本発明の展開において、少なくとも1つの通過通路は、弁座ディスク内の透孔および/または溝によって形成されている。好ましくは、少なくとも1つの通過通路は、弁座ディスク内のアーチ形状の長孔として形成されている。
【0020】
この種のアーチ形状の長孔は、弁座を同心に包囲して配置することができ、かつ円形の孔に比較して小さい流れ抵抗を準備する。というのは、より大きい流れ横断面が実現可能であって、流れをさほど激しく方向変換する必要がないからである。本発明の展開において、弁座は、流線ボディの一部である。
【0021】
このようにして、より小さい流れ抵抗を得ることができ、かつ、逆止め弁を通して案内される液体を供給されるノズルのスプレーイメージも、著しく改良することができる。まさに、スケール除去ノズルに供給される、高い流体圧において、これは、著しい利点である。
【0022】
本発明の展開において、遮断ボディはリング形状に形成されており、流線ボディは遮断ボディを通って延びている。
【0023】
この措置によって、逆止め弁が開放されている場合に、流体は、リング形状の遮断ボディを通って案内パイプ内へ案内することができる。それによって、まさに、遮断ボディとそれに続く流線ボディないし案内パイプとの間のクリティカルな移行部において、流れは、著しく沈静化することができる。
【0024】
本発明の展開において、流れ方向に見て、流線ボディは弁座の領域内で細くなり、弁座の下流側で再び拡幅する。
【0025】
驚くべきことに、流線ボディが、弁座の領域内に配置された細くなる部分に続いて、再び拡幅する場合に、流れ通路内の流れは、遮断ボディないし弁座の下流において著しく沈静化することができる。弁座が細くなった後にこのように拡幅することによって、流れが流れ通路ないし案内パイプの内壁に対して押圧されて、それによって驚くほど、小さい流れ抵抗と流れの沈静化が得られる。
【0026】
本発明の展開において、流れ方向に見て、弁座の下流に配置されている拡幅に続いて、流線ボディは再び尖端部まで細くなる。
【0027】
流線ボディが徐々に終了することにより、わずかな流れ抵抗と流れの沈静化がもたらされる。それによって流線ボディは、弁座の領域内で細くなり、その細くなるのに続いて拡幅し、その後尖端部まで徐々に終了する。弁座の上流において、流線ボディは、好ましくは流れへ向けられた尖端を有し、その尖端から始まって、その後流線ボディが円錐形状に拡幅することができる。流線ボディは、好ましくは個々のウェブによって逆止め弁のハウジングと結合されており、その場合にこれらのウェブが、たとえば弁座ディスクの一部を形成する。その後、弁座ディスクの領域内で、流線ボディは逆止め弁の中心長手軸に対して平行に延びることができる。従って流線ボディは、全体として、流れ方向に見て、尖端からまず最初に円錐形状に拡幅する形状を有している。次に、流線ボディの外壁が、弁座ディスクとその透孔の領域内では、中心長手軸に対して実質的に平行に延びている。中心長手軸に対して平行に延びるこの領域に続いて、この領域内に弁座を形成するために、流線ボディが細くなる。弁座は、細くなる領域によって形成されている。局所的に最小の直径を通過した後に、流線ボディは、再び拡幅する。細くなって新たに拡幅するこの移行部は、好ましくは面取りして形成されている。拡幅に続いて、その後再び流線ボディは、新たに尖端部まで細くなる。拡幅して新たに細くなる、この移行部も、好ましくは丸くして形成されている。その後尖端部は、徐々に終了することができ、全体として流線ボディの長さの約半分を占めることができる。
【0028】
本発明の基礎となる問題は、本発明に係る逆止め弁を有する、供給導管内へ差し込むための、フィルタを備えたノズルパイプによっても、解決される。
【0029】
この種のノズルパイプにおいては、波形パイプの内部に案内パイプを設けることができ、弁座は流線ボディの一部となることができ、その場合に本発明の展開においては、案内パイプ内の流線ボディの下流にビーム整え部材が配置されている。
【0030】
ビーム整え部材を設けることによって、案内パイプの内部において、場合によってはまだ完全に消えていない乱流が、さらに減少されることができ、かつ、まさに、スケール除去ノズルにおいて使用される、高い流体圧において、ノズルパイプに配置されたスプレーノズルによって、良好かつ時間的に一定のノズルイメージを得ることができる。
【0031】
本発明の展開において、ビーム整え部材は、複数の流れ案内面を有しており、その流れ案内面が径方向にビーム整え部材の中心長手軸へ向って延びており、その場合に中心長手軸を直接包囲する領域には、組込み部材は設けられていない。
【0032】
この種のビーム整え部材によって、小さい流れ抵抗において、流れの良好な指向作用が得られる。
【0033】
本発明の展開において、ビーム整え部材の下流に、一定の横断面を有する流体通路が配置されている。
【0034】
ビーム整え部材の下流かつスプレーノズルの上流の、一定の横断面を有するこの種の流体通路は、小さい流れ抵抗と良好なスプレーイメージに関して、効果的であることが明らかにされている。
【0035】
本発明の他の特徴と利点が、請求項および、本発明の好ましい実施形態の、図面に関連する以下の説明から明らかにされる。その場合に異なる実施形態の個別特徴は、本発明の枠を逸脱することなしに、任意のやり方で互いに組み合わせられる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の好ましい実施形態に基づく、本発明に係るノズルパイプとそれに配置されたスプレーノズルの側面図である。
【図2】図1の切断平面A−Aを見た図である。
【図3】図1に従って切断されたノズルパイプの斜視図である。
【図4】図1のノズルパイプを、スプレーノズルなしで示す背面図である。
【図5】図4のノズルパイプの側面図である。
【図6】図5の切断平面A−Aを見た図である。
【図7】図6に従って切断されたノズルパイプの斜視図である。
【図8】図6の切断平面B−Bを見た図である。
【図9】図6の切断平面C−Cを見た図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に基づく、本発明に係るノズルパイプとそれに配置されたスプレーノズルを示す側面図である。
【図11】図10のノズルパイプを示す上面図である。
【図12】図10の切断平面A−Aを見た図である。
【図13】図12に従って切断されたノズルパイプの斜視図である。
【図14】図10のノズルパイプを、スプレーノズルなしで示す側面図である。
【図15】図14のノズルパイプを示す上面図である。
【図16】図14のノズルパイプの切断平面A−Aを見た図であって、その場合に逆止め弁は閉鎖されている。
【図17】図14の切断平面A−Aを見た図であって、その場合に逆止め弁は開放されている。
【図18】図16の切断平面B−Bを見た図である。
【図19】図16の切断平面C−Cを見た図である。
【図20】実質的に図16に相当する、ノズルパイプであって、その場合にはっきりさせるために、遮断ボディとノズルパイプないし案内パイプとノズルパイプの間の径方向間隔が、誇張して大きく表示されている。
【図21】図20のX部分の詳細図である。
【図22】図20のY部分の詳細図である。
【図23】他の本発明に基づく実施形態の、Y部分の詳細図に相当する図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1において、ノズルパイプ10が見られ、そのノズルパイプは一方の端部に締め付けナット12を有しており、その締め付けナットは、図1では認識できないノズル口片を固定するために用いられる。締め付けナット12とノズル口片が、スプレーノズル14を形成する。
【0038】
ノズルパイプ10は、スプレーノズル14とは反対側の端部に、フィルタ構成部分16を有している。フィルタ構成部分16は、ノズルパイプ10の長手方向に延びる複数の流入スリット18を有し、かつフィルタキャップ20を有し、そのフィルタキャップも同様に流体用の流入スリットを有している。
【0039】
駆動において、ノズルパイプ10は、濾過すべき流体用の噴射ブームの溶接ニプル内へ導入されるので、少なくともフィルタ構成部分16は噴射ブームの内部に配置されており、スプレーノズル14は噴射ブームの外部に位置する。その後、スプレーすべき流体が、フィルタ構成部分16を通してノズルパイプ10内へ流入することができ、スプレーノズル14によってスプレーされる。ノズルパイプ10は、スケール除去ノズル用に設けられており、そのスケール除去ノズルにおいて、金属表面上のスケール層を除去するために、流体、たとえば水が、数10Mpaの極めて高い圧力で、圧延区間内部で熱い金属表面、たとえば鋼または銅上へスプレーされる。
【0040】
流体圧が低下した後にかなりの量の流体が、なおスプレーノズル14から流出することを防止するために、ノズルパイプ10には、図2の切断平面A−Aの図から認識されるような、逆止め弁22が設けられている。逆止め弁22は、円錐形状の弁座26を備えた弁座ディスク24と複数の通過通路28を有している。逆止め弁22は、さらに、リング形状の遮断ボディ30を有しており、その遮断ボディが波形パイプ32によってノズルパイプ10と結合されており、そのノズルパイプが逆止め弁22のための弁ハウジングを形成する。遮断ボディ30は、円筒形状の外周面によってノズルパイプ10の内壁に添接し、あるは単に内壁に対してわずかな距離を有しており、それによってノズルパイプ10の長手方向においてのみ摺動することができる。波形パイプ32によって、遮断ボディ30は、弁座26の方向に付勢される。
【0041】
図2は、逆止め弁22の閉鎖された状態を示している。遮断ボディ30は、同心の透孔を有し、その場合に円環形状の端面と透孔との間の移行部に、円環形状のエッジがある。この円環形状のエッジによって、リング状の遮断ボディ30が弁座26の円錐台形状の外側面34上に添接し、それによって、流体が弁座26を通過して波形パイプ32の内部へ達し、かつスプレーノズル14へ達することが、防止される。
【0042】
弁座26における流体圧が上昇して、波形パイプ32の付勢力が克服されると、リング形状の遮断ボディ30が図2において左へ移動されて、流体は弁座26を通過してリング状の遮断ボディ30内の透孔を通り抜けることができる。その後弁座26における流体圧が低下すると、リング形状の遮断ボディ30が波形パイプ32のばね力によって再び弁座26に対して押圧されて、フィルタ構成部分16とスプレーノズル14の間の流れ接続が中断される。それによって、スケール除去システムの低い前充填圧が存在する間の、ノズルの望ましくないスプレー/噴射は、確実に防止することができる。その場合に前充填圧は、波形パイプ32の付勢力の下にある力を発生させる。それによってさらに、スプレーノズル14の後垂れは、確実に防止することができる。
【0043】
図2によって認識されるように、波形パイプ32によって、リング形状の遮断ボディ30の下流における自由な流れ断面は狭められない。特に、波形パイプ32の最小の内径は、遮断ボディ30内の透孔の直径よりもわずかに大きい。波形パイプ32は、さらに、かなりの長さを有しており、遮断ボディ30は、波形パイプ32の上流に位置する端部に配置されている。それによって、弁座26と遮断ボディ30を通過する際に生じる乱流は、波形パイプ32の推移においてすでに沈静化することができる。ノズルパイプ10の中心長手軸に対して同心の、円錐台形状の弁座26の配置は、逆止め弁22の流れ的に好ましい形成を可能にし、その場合にリング形状の遮断ボディ30は、弁座26の外側面上に取り付けられている。通過通路28を通過した流体は、細くなる弁座26に沿って流れ、リング形状の遮断ボディ30内の透孔を通過して、その後波形パイプ32内へ達する。明らかなように、逆止め弁22を通過する際に激しい流れ方向変換は必要なく、むしろ必要な流れ方向変換は、それぞれ90°よりずっと下にある。
【0044】
波形パイプ32の下流に、ビーム整え部材34が配置されている。ビーム整え部材34は、ノズルパイプ10と一体的に形成されており、かつ径方向内側へ延びる複数の流れ案内面を有している。流れ案内面は、ノズルパイプ10の中心長手軸36へ向って延びており、かつこの中心長手軸36に対して平行に配置されている。しかし、中心長手軸36を直接包囲する領域には、組込み部材は設けられていない。ビーム整え部材34は、この理由から、芯なしのビーム整え部材とも称される。ビーム整え部材34の下流に、一定の横断面を有する流体通路38が連続している。この流体通路38は、その後、ノズル口片40へ移行し、そのノズル口片が自由な横断面を細くし、かつ流出開口部42を有している。ノズル口片40は、締め付けナット12によってノズルパイプ10に保持される。
【0045】
ノズルパイプ10、フィルタ構成部分16およびビーム整え部材34は、焼結方法によって形成されている。その場合に金属粉末が、プラスチック結合剤と混合されて、射出成形によって所望の形状にされる。プラスチック結合剤の除去後に構成部分が焼結されるので、金属焼結構成部分が生じる。この形成方法は、ビーム整え部材34をノズルパイプ10と一緒に焼結し、弁座ディスク24もフィルタ構成部分16と一緒に焼結することを、可能にする。フィルタキャップ20は、別体の構成部分として形成することができるが、その後フィルタ構成部分16の残りの要素と一緒に焼結される。
【0046】
ノズル口片40は硬質合金からなることができ、同様に焼結構成部分として形成することができ、硬質合金挿入片とも称される。
【0047】
図4は、ノズルパイプ10をスプレーノズル14なしで、上面で示しているので、フィルタキャップ20のみが認識される。ノズルパイプ10の中心長手軸36へ向って星状に延びる全部で5つの流入スリットが、認識される。
【0048】
図5は、ノズルパイプ10を側面で示しており、その場合に、口片ハウジングとも称される、締め付けナット12は、螺合されていない。ノズルパイプ10は、その前方の、図5において左の端部に、締め付けナット12を螺合するために、外ねじ50を有している。すでに説明したように、ノズルパイプ10とフィルタ構成部分16は一緒に焼結され、あるいはレーザー溶接されるので、取り外しできないユニットが生じる。
【0049】
図6は、図5の切断平面A−Aの図であって、その場合に繰返しを避けるために、すでに説明した要素は、改めて説明はしない。
【0050】
図6によって認識されるように、波形パイプ32は、第1の端部においてリング状の遮断ボディ30に固定されており、その端部が、リング形状の遮断ボディ30の外ねじを把持する。従って、波形パイプ32とリング形状の遮断ボディ30の間の結合箇所は、流体が遮断ボディ30内の透孔を貫流する領域の外部に位置している。波形パイプ32の下流に位置する端部において、第2の端部が、ノズルパイプ10内の嵌め合い孔の内側に溶接され、その内側がその後、ビーム整え部材34へ移行する。
【0051】
図7は、図6に従って切断されたノズルパイプ10の斜視図を示している。
【0052】
図8は、図6の切断平面B−Bの図を示している。この断面図において、ビーム整え部材34の流れ案内面52が認識され、その流れ案内面はノズルパイプの中心長手軸36へ向って径方向に延びており、かつ中心長手軸36に対して平行に配置されている。その場合に、直接中心長手軸36を包囲する領域には、組込み部材は設けられていない。図8において、波形パイプ32の円筒形状の端部が認識される。
【0053】
図9は、図6の切断平面C−Cの図を示している。フィルタ構成部分16のパイプ形状の壁内に径方向に配置された流入スリット18を有するフィルタ構成部分16が認識される。流入スリット18は、フィルタ構成部分16の周面を中心に等間隔で配置されている。
【0054】
同様に、弁座ディスク26と、弁座ディスク内の特に3本の通過通路28が認識される。3本の通過通路28は、それぞれアーチ状に延びる長孔の形式で形成されている。アーチ形状の長孔28の中心線は、ノズルパイプの中心長手軸36を同心に包囲する円上に位置している。アーチ形状の長孔28の径方向外側に位置する壁は、フィルタ構成部分16の内壁と一致する。図6の断面図において認識されるように、アーチ形状の長孔は、中心長手軸36へ向って弁座24まで内側へ延びている。
【0055】
アーチ形状の長孔28の両端部は、それぞれ半円形状に形成されており、その場合にこの半円の中心点は、互いに対して65°の角度だけ離隔している。2つの互いに隣接する長孔28の半円形状の端部の中心点は、互いに対して55°離隔している。
【0056】
3つのアーチ形状の長孔28によって、大きい自由な流れ横断面と、弁座ディスク24を通り抜けるわずかな流れ抵抗が得られ、その場合に同時に、アーチ形状の長孔28の間に残るウェブ56は、数10Mpaの極めて高い流体圧にも耐えるために、十分安定している。
【0057】
図10において、ノズルパイプ60が側面図で認識され、その下流側に位置する端部に、スプレーノズル62が配置されている。ノズルパイプ60は、スプレーすべき流体用の供給導管ないし噴射ブーム内へ導入するために、設けられており、その場合に、ノズルパイプの少なくとも1つのフィルタ部分64が、供給導管内に位置し、かつ供給導管とスプレーノズル62の間の接続を密閉するので、スプレーノズル62は部分的に供給導管の外部に位置し、かつそれを通して流体を放出することができる。
【0058】
スプレーノズル62は、ノズルパイプ60の下流側に位置する端部上に螺合されている。
【0059】
図11において、特に、複数の流入スリット66を有するフィルタ64が認識され、その場合にフィルタ64は、原理において、図1から9を用いてすでに説明したフィルタ16と等しく構成されている。
【0060】
図12の断面図において、ノズルパイプ60の内部に配置された逆止め弁が認識される。逆止め弁は、流線ボディ70を備えた弁座ディスク68を有しており、その流線ボディが流れ方向に円錐状に細くなる領域内で弁座72を形成する。図12に示す位置において、この弁座72上にリング形状の遮断ボディ74が支持され、それによってその遮断ボディがノズルパイプ60を通る流体通路を遮断する。リング形状の遮断ボディ74は、波形パイプ76および波形パイプの内部に配置された案内パイプ78と堅固に結合され、たとえば溶接されている。リング形状の遮断ボディ74は、一方で流線ボディ70の弁座72に、他方ではノズルパイプ60の内側に添接し、かつ、ノズルパイプ60の中心長手軸80に対して平行に摺動可能に配置されている。従って、遮断ボディ74は、図12に示す位置から始まって、図12において下方へ移動された場合に、弁座72から持ち上げることができる。
【0061】
波形パイプ76は、遮断ボディ74とは反対側の端部において、領域82内でノズルパイプ60と溶接されている。それに対して案内パイプ78は、その、遮断ボディ74とは反対側の端部において、領域84内でノズルパイプ60内に摺動可能に収容されている。そのために案内パイプ78は、領域84内でその外周面によってノズルパイプ60の内壁に添接し、その場合に案内パイプ78とノズルパイプ60の間の嵌め合いは、案内パイプ78が長手中心軸80に対して平行に摺動できるように、選択されている。
【0062】
波形パイプ76は、図12に示す位置において付勢されており、それによって遮断ボディ74を流線ボディ70に設けられた弁座72に対して押圧する。遮断ボディ74の上流の流体圧が、波形パイプ76の付勢力によって定められる、予め定められた値を超えて上昇した場合に、遮断ボディ74が流れ方向に、従って図12において下方へ、移動されて、流体は、遮断ボディ74と弁座72の間を通り抜けて、案内パイプ78の内部へ、そしてスプレーノズル62へ達することができる。遮断ボディ74が流れ方向に、図12において下方へ、移動する場合に、波形パイプ76が圧縮され、案内パイプ78は同様に下方へ移動されて、その場合に領域84内でノズルパイプ60の内側上で滑り移動する。ノズルパイプ60は、案内パイプ78の領域84の下流に、一周する段部86を有しており、その段部が、案内パイプ78のためのストッパとして用いられる。案内パイプ78の、遮断ボディ74とは反対側の端部が、ノズルパイプ60の、この一周するストッパ86に到着するとすぐに、流れ方向における遮断ボディ74の移動が停止されて、逆止め弁の最大の開放された横断面が得られる。
【0063】
流線ボディ70の下流において、案内パイプ78内へビーム整え部材88が挿入されている。ビーム整え部材88は、中心長手軸80を同心に包囲するパイプ形状の領域を有しているので、流体は、中心長手軸を直接同心に包囲する領域内を流れることができる。このパイプ形状の部分は、径方向に延びる全部で4つの流れ案内面によって保持され、その流れ案内面は、案内パイプ78の内側まで延びている。案内面の、案内パイプ78の内側に添接する、外側エッジは、案内パイプと、たとえば溶接されている。
【0064】
スプレーノズル62は、図1から3を用いてすでに説明したスプレーノズル14と実質的に同一であって、従って改めて説明はしない。
【0065】
図13は、流線ボディ70の形状をより正確に認識させる。流れ方向に見て、流線ボディ70は、流れへ向けられた尖端90を有しており、その尖端に、流れ方向に拡幅する、円錐形状の領域92が連続している。拡幅する円錐形状の領域92は、その後領域94へ移行し、その領域内で流線ボディ70の外壁は、中心長手軸80に対して平行に延びている。流線ボディ70は、円筒形の領域94内で弁座ディスク68と結合されている。流線ボディ70は、弁座ディスク68と一体的に形成することができる。それによって領域94は、周面全体にわたって形成されておらず、むしろ流線ボディ70は、ここでは弁座ディスク68内の透孔の壁へ移行しており、その壁が、領域94内で流線ボディ70を径方向外側で包囲している。
【0066】
流線ボディ70が弁座ディスク68と結合されている領域94に、弁座72の、円錐形状に細くなる領域が連続している。従って円錐形状に拡幅する領域92は、領域94への移行部において、遮断ボディ74の内径よりも大きい半径を有している。円錐状に細くなる弁座72に連続して、流れ方向に見て拡幅する領域96が接続されている。流れ方向に見て細くなる弁座72と拡幅する領域96の間の移行部は、面取りされている。拡幅する領域96は、その後再び円錐形状に細くなる領域98へ移行し、その領域が尖端部100で終了しており、その尖端部は中心長手軸80上に位置している。流線ボディ70のこの形状付与によって、驚くべきことに、逆止め弁を通る小さい流れ抵抗が得られ、良好かつ時間的に見て一定の、ノズル72のスプレーイメージが得られる。その場合に、まず拡幅する領域96とその後ゆっくりと細くなって、尖端部100で終了する領域98とを有する、流れ抵抗とスプレーイメージにポジティブに作用する、弁座72の下流における流線ボディ70の形状付与は、驚くべきものである。その場合に細くなる領域98は、流星ボディ70全体のほぼ半分の長さを占める。それに対して、尖端90から始まって円錐状に拡幅する領域92は、全流線ボディ70の約5分の1しか占めない。
【0067】
図14は、ノズルパイプ60を、スプレーノズルを取り外して示している。図15は、図14に示すノズルパイプ60の上面を示している。図16の断面図において、逆止め弁は、閉鎖した状態で示されており、従ってその状態においてリング状の遮断ボディ74が、流線ボディ70に設けられた弁座72に添接している。
【0068】
図17は、逆止め弁を開放された状態で示している。その場合に、リング形状の遮断ボディ74は、もはや弁座72に添接していないので、流体は流線ボディ70を通過して、ビーム整え部材88を通ってスプレーノズルへ達することができる。従って、供給導管内に存在する流体は、フィルタ64を通してノズルパイプ60内へ流入し、流線ボディ70の尖端90へ当接する。その後、流体は、円錐状に拡幅する領域92によって弁座ディスク68上へ案内され、その後、弁座ディスク68内の透孔102を通過することができる。弁座ディスク68内の透孔102は、図20の断面図において認識される。流線ボディ70を包囲する、全部で14の円筒形状の透孔102が設けられている。その場合に透孔102は、流線ボディの領域94に当接し、他方ではノズルボディ60の内壁まで延びるように、寸法設計されている。それによって透孔102の間において弁座ディスク68に、流線ボディ70の位置を保持する、スポークが形成されている。
【0069】
円筒形状の透孔102の代わりに、透孔を彎曲した長孔の形式で形成することもでき、たとえば、自由な流れ横断面をさらに増大させるために、それぞれ2つの透孔102の間のスポークに同様に孔をあけることができる。彎曲した長孔の形式の、この種の透孔は、すでに図9を用いて説明されている。
【0070】
弁座ディスク68内の透孔102を通過した後に、流体は、弁座72とリング形状の遮断ボディ74との間を通り抜ける。その場合に、図17によって良く認識されるように、流体は、中心長手軸80の方向へ内側へ向って方向変換されて、その後、細くなる弁座72とそれに連続して再び拡幅する領域96との間の面取りされた移行部を通って、再び徐々に外側へ向って案内パイプ78の内壁へ向う方向に方向変換される。流線ボディ70の領域96と98の間の局所的最大を通過した後に、自由な流れ横断面が再び大きくなって、その後流体は、細くなる領域98に対して平行、ないし案内パイプ78に対して平行に、さらに移動することができる。
【0071】
流体は、流線ボディ70の尖端部100を通過した後に、ビーム整え部材88へ当接するまで、案内パイプ78の完全な内部空間を占めることができる。ビーム整え部材88の形状は、図19の側面図において良く認識することができる。ビーム整え部材88は、丸パイプ形状の領域104を有し、その領域が、中心長手軸80に直接隣接する領域内の流体通過を可能にする。丸パイプ形状の領域104から径方向に、互いに対して等間隔で配置された、全部で4つの流れ案内面106が出ている。それぞれ2つの流れ案内面106が、90°の角度を形成する。流れ案内面106の外側に位置するエッジが、案内パイプ78の内側に固定されている。
【0072】
ビーム整え部材88を通過した後に、案内パイプ78の内径によって定められる、一定の横断面を有する流れ通路部分が連続している。この一定の横断面を有する流れ通路は、ノズル口片108内で円錐形状に細くなるところまで延びており(図12を参照)、そのノズル口片に流出開口部110が連続している。この一定の横断面を有する流れ通路部分は、案内パイプ78の下流側に位置する端部とノズルパイプ60に設けられた段部86との間の小さい間隙112のみによって中断される。この一定の横断面を有する流れ通路部分は(図12を参照)、ビーム整え部材88より長く、かつ流線ボディ70よりも長い。それによって、ビーム整え部材88から流出開口部110までのノズルパイプ60内の流れを沈静化することができ、それによってノズル62の極めて良好なスプレーイメージが生じる。
【0073】
波形パイプ76は、ノズルパイプ60の駆動中に、図16の閉鎖された状態においても、図17の開放された状態においても、圧力下にある流体によって両側を包囲されている。それによって波形パイプは、図16と17に示す位置に留まり、側方において案内パイプ78またはノズルパイプ60の内壁に対して押圧されることがない。それによって、まさに、スケール除去ノズルにおいては、数100バールの極めて高い圧力によって加工が行なわれるので、コイルばねの代りに波形パイプ76の使用が主として可能になる。図16の閉鎖された状態において、流体は、リング形状の遮断ボディ74の外側を通過して、その後、遮断ボディ74の外周面とフィルタハウジング64の内周面ないしノズルパイプ60の内周面との間において、波形パイプ76とノズルパイプ60の間の間隙内へ流入する。しかしその後、波形パイプ76の、図16において下方の端部の領域内では、流体はもはやこの間隙から流出できない。というのは、波形パイプ76の、遮断ボディ74とは反対側の端部が、この領域82内でノズルパイプ60と溶接されているからである。それによって、波形パイプ76は、その径方向外側に位置する側から圧力下にある流体を供給されるが、その流体は、ノズルパイプを通らず、かつ特にスプレーノズル62へ達することはできない。
【0074】
波形パイプ76は、その径方向内部に位置する側において、同様に圧力下にある流体を供給される。圧力下にある流体は、案内パイプ78とノズルパイプ60の領域84(図12を参照)の間において、案内パイプ78と波形パイプ76の間の間隙内へ侵入することができる。それによって同様に、図17の開放された位置において、波形パイプ76は、その径方向内部に位置する側においても、その径方向外部に位置する側においても、圧力下にある流体を供給されている。それによって、波形パイプ76の径方向内部に位置する側と径方向外部に位置する側の流体圧は、釣り合って、相殺されるので、波形パイプ76は遮断ボディ74を予め定められたばね力で弁座72の方向へ付勢することができる。
【0075】
図20は、図16と比較可能であって、その場合にXとYの領域内で、ノズルパイプ60の内周面と遮断ボディ74ないし案内パイプ78との間の径方向の間隔は、誇張して表示されている。これは、流体が、ノズルパイプ60の内側と波形パイプ76との間の領域内へも、波形パイプ76と案内パイプ78の間の領域内へも、侵入できることを、明らかにするためである。
【0076】
図21は、図20のXを拡大して示している。遮断ボディ74は、その径方向内部に位置する側において、図21内で上に位置するそのエッジによって弁座72に添接している。流れ方向に見て、遮断ボディ74に案内パイプ78が接続され、そしてまた波形パイプ76も接続されており、その波形パイプは中間リング75を介して遮断ボディ74と結合されており、その場合に案内パイプ78の上流に位置する端部も、中間リング75と結合されている。圧力下にある流体は、矢印77に従って、遮断ボディ74の径方向外側に位置する周面とフィルタ部分64ないしノズルパイプ60の径方向内部に位置する内側との間を通って流れることができ、それによって波形パイプ76の径方向外側に位置する側に圧力が供給される。説明したように、矢印77に示す流体の流れは、ノズルパイプ60と波形パイプ76の間の間隙が流体で完全に満たされるまでの間だけ、行なわれる。それに対してノズルパイプの下流に位置する端部の方向における流体の貫流は、不可能である。
【0077】
図22は、波形パイプ76の下流に位置する端部を示している。すでに説明したように、波形パイプ76の下流に位置する端部は、固定リング79に液密に固定され、たとえば溶接されており、その場合に固定リング79がその後(図12を参照)、同様に液密にノズルパイプ60と結合され、特に溶接されている。
【0078】
図22において良好に認識されるように、ノズルハウジング60の内側と案内パイプ78の外側との間に間隔が存在するので、リング形状の間隙が画成され、その間隙を通って矢印81の方向に流体が案内パイプ78とノズルハウジング60の間で、案内パイプ78と波形パイプ76の間の領域内へ達することができる。それによって、いずれにしても弁の開放された状態において、波形パイプ76は、径方向外側においても、径方向内側でも、圧力下にある流体を供給されるので、径方向には実質的な、もたらされる力は生じない。図21によって認識されるように、矢印81に示す流体は、案内パイプ78と波形パイプ76の間の間隙が流体によって完全に満たされるまでの間だけ、その間隙内へ流入することができる。というのは(図21を参照)、波形パイプ76が中間リング75と液密に結合されており、案内パイプ78も中間リング75と液密に結合されているからである。
【0079】
図22によれば、固定リング79は、ノズルハウジング60の段部上に支持され、固定リング79の径方向内部に位置する側には、リング形状の切欠き83が設けられている。切欠き83によって、固定リング79がノズルハウジング60の段部上に直接支持されることが、保証される。というのは、ノズルハウジング60における固定リング79の支持に影響を与えることなしに、波形パイプ76が切欠き83内へわずかに突出することができるからである。
【0080】
図23には、図22の詳細Yに相当する、詳細が示されている。図22の実施形態とは異なり、図23によれば、固定リング79はもはやノズルハウジング60の段部上に支持されておらず、単にノズルハウジング60の内側と、溶接継目を用いて結合されている。図23から読み取れるように、固定リング79は、逆止め弁を通る流れ方向およびそれとは逆に摺動することができる。これは、逆止め弁を組み立てる場合に、波形パイプ76の付勢を設定された値に正確に調節するために、利用される。組み立てる場合に、ノズルパイプ60の下流に位置する下部61が溶接されるまえに、固定リング79は、それに溶接された波形パイプ76と共に、ノズルパイプ60内へ挿入される。その後固定リング79は、波形パイプ76の定められた付勢が達成されるまで、ノズルパイプ60の長手方向へ摺動されて、その後ノズルパイプ60と溶接される。
【符号の説明】
【0081】
24,88 弁座ディスク
26,72 弁座
28,102 通過通路
30,74 遮断ボディ
32,76 波形パイプ
34,88 ビーム整え部材
36,80 中心長手軸
38 流体通路
52,102 流れ案内面
70 流線ボディ
96 拡幅部
100 尖端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁ハウジング、遮断ボディ(30,74)および弁座(26,72)を有し、その場合に遮断ボディ(30,74)が少なくとも弁ハウジングの長手方向に移動可能に配置されている、スプレーノズル用の逆止め弁において、
遮断ボディ(30,74)が、長手軸に対して平行に配置された波形パイプ(32,76)を用いて弁ハウジングと結合されており、その場合に遮断ボディ(30,74)が、波形パイプ(32,76)のばね作用によって弁座(26,72)上の方向へ付勢されている、ことを特徴とするスプレーノズル用の逆止め弁。
【請求項2】
少なくとも逆止め弁の開放された状態において、波形パイプ(32,76)が、その径方向内部に位置する内側においても、その径方向外部に位置する外側においても、圧力下にある、スプレーすべき流体を供給されている、ことを特徴とする請求項1に記載の逆止め弁。
【請求項3】
波形パイプ(76)の内部に案内パイプ(78)が設けられており、その場合に案内パイプ(78)が、逆止め弁を通る流体通路の一部を形成する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の逆止め弁。
【請求項4】
案内パイプ(78)が、一方の端部において遮断ボディ(74)と堅固に結合されており、他方の端部においては、弁ハウジングに対して摺動可能に支承されている、ことを特徴とする請求項3に記載の逆止め弁。
【請求項5】
遮断ボディ(30,74)が、貫流方向に見て、波形パイプ(76)の上流に位置する端部に配置されている、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の逆止め弁。
【請求項6】
弁座(26,72)が弁座ディスク(24,68)に設けられており、弁座ディスクが逆止め弁の流体通路内へ挿入されており、かつ、少なくとも1つの通過通路(28,102)を有している、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の逆止め弁。
【請求項7】
少なくとも1つの通過通路(28,102)が弁座ディスク(24,68)内の透孔および/または溝によって形成されている、ことを特徴とする請求項6に記載の逆止め弁。
【請求項8】
弁座(72)が、流線ボディ(70)の一部である、ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の逆止め弁。
【請求項9】
遮断ボディ(74)が、リング形状に形成されており、かつ、流線ボディ(70)が遮断ボディを通って延びている、ことを特徴とする請求項8に記載の逆止め弁。
【請求項10】
流線ボディ(70)が弁座(72)の領域内で流れ方向に細くなって、弁座(72)の下流で再び拡幅する、ことを特徴とする請求項8または9に記載の逆止め弁。
【請求項11】
流線ボディ(70)が弁座(72)の下流に配置された拡幅部(96)に連続して再び尖端部(100)まで細くなる、ことを特徴とする請求項10に記載の逆止め弁。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか一項に記載の逆止め弁を有する、供給導管内へ差し込むための、フィルタを有するノズルパイプ。
【請求項13】
波形パイプ(76)の内部に、案内パイプ(78)が設けられており、かつ弁座(72)が流線ボディ(70)の一部であって、かつ、案内パイプ(78)内で流線ボディ(70)の下流に、ビーム整え部材(88)が配置されている、ことを特徴とする請求項12に記載のノズルパイプ。
【請求項14】
ビーム整え部材(34,88)が、複数の流れ案内面(52,102)を有しており、流れ案内面が、ビーム整え部材(34,88)の中心長手軸(36,80)へ向って径方向に延びており、その場合に中心長手軸(36,80)を直接包囲する領域には、組込み部材が設けられていない、ことを特徴とする請求項12または13に記載のノズルパイプ。
【請求項15】
ビーム整え部材(34,88)の下流に、一定の横断面を有する流体通路(38)が配置されている、ことを特徴とする請求項12〜14の何れか一項に記載のノズルパイプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2012−247060(P2012−247060A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−120023(P2012−120023)
【出願日】平成24年5月25日(2012.5.25)
【出願人】(500181832)レヒラー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (5)
【Fターム(参考)】