説明

スライド式分配装置

【課題】
ガスハイドレートペレット等の壊れやすく、かつ流動性の低い固形物を運搬庫や貯蔵庫等に分配して搬送する分配装置であって、大きな動力を必要とせずに、かつ大型化の実現が可能な回転式分配装置を提供する。
【解決手段】
外筒61の上部に固形の被搬送物を供給する供給口65を配置し、前記外筒61の下方側面に被搬送物を排出するための複数の排出口64を配置し、前記外筒61は内筒62を内包しており、前記内筒62の上部は前記供給口65から供給される前記被運搬物が前記内筒62に運ばれるよう開放されており、前記内筒62の下方側面には前記被運搬物を排出するための排出スリット63を設け、前記排出スリット63と前記複数の排出口64が選択的に係合して連通するように前記内筒62を外筒61長手方向に摺動可能に設置し、前記供給口65に供給した被運搬物が前記排出口64から排出されるよう構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスハイドレートペレット等の固形物を運搬庫や貯蔵庫等に分配して搬送する分配装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、天然ガス等の安全かつ経済的な輸送・貯蔵手段として、この天然ガスを水和させて固体状態の水和物としたガスハイドレートを用いる方法が注目されている。
【0003】
一般にガスハイドレートとは、原料ガスと原料水を低温・高圧下で反応させることにより生成される、水分子と気体分子からなる氷状の固体結晶であり、水分子が構築する立体構造の籠(ケージ)の内部に気体分子が介在する包接(クラスレート)水和物(ハイドレート)の総称である。
【0004】
天然ガスハイドレートは1mのガスハイドレートの中に天然ガスを約165Nmも包蔵している。このため、天然ガスの輸送及び貯蔵手段としてガスハイドレートを利用する研究開発が盛んに行われている。
【0005】
天然ガスをハイドレート化する利点としては、(a)天然ガスハイドレートは後述する自己保存効果を利用することで、大気圧下の平衡温度−80℃(193K)より高い温度である−20℃(253K)で安定するため、既に、実用化されている液化天然ガス(LNG)の大気圧下における貯蔵及び輸送温度(−163℃(110K))よりも緩やかな温度条件で貯蔵や輸送が可能となること、(b)また、上記のように、天然ガスハイドレートの自己保存効果を利用することで、大気圧下の平衡温度−80℃(193K)より高い温度である−20℃(253K)で貯蔵や輸送が可能なことから、貯蔵や輸送設備の耐久性や断熱性を大幅に簡略化できること等を上げることができる。
【0006】
また、このようにして得られるガスハイドレートは水分を40から60重量%程度含有するスラリ状となる。そのため、脱水や再生成などによりガスハイドレートを約90重量%まで高めて、大気圧下で圧縮成形してアーモンド状、レンズ状、球形状又は不定形状等の成形物やブロック状の大型成形物に加工することにより貯蔵しやすくするということが行われている。
【0007】
さらに、天然ガスハイドレートは、自己保存効果(Self-Preservation)と称する特殊な性能を有するため、平衡条件外でも比較的安定した状態で存在することが知られている。自己保存状態にある天然ガスハイドレートの表面には透明氷膜が形成されており、この氷膜が自己保存性を発現させていることが明らかになりつつある。
【0008】
この自己保存効果によると−20℃(253K)付近における天然ハイドレートの分解量が最も少なく、この現象を利用すれば天然ガスハイドレートを比較的安定した状態で保存することができる。
【0009】
ここで、図5に示すようにガスハイドレートを圧縮成形して球形状等にしたペレット43を、例えばトレーラ42の荷台等の箱状の貯蔵庫や運搬庫に搬送する際、前記ペレット43は粉雪を押し固めたようなものであり流動性が低いため、箱状の運搬庫の上面に設置された1つの搬入口44からペレット43を流し込んでも、運搬庫の隅々までいきわたらないため、ペレット43を運搬庫の複数の搬入口44から分配して搬送する必要がある。
【0010】
その分配をするための分配装置として、図6に示すサークルフィーダ51や、図8に示すダイバータ等の三方弁55が用いられている。
【0011】
図8はダイバータ等の三方弁55を示しており、1つの供給口12より供給されるペレット43を2つの排出口13の任意の一方から排出するよう構成している。排出口13の選択は切替レバー56により行われ、前記切替レバー56に軸58を介して接続されたフラップ板57で排出しない側の排出口13を封鎖することにより、ペレット43を任意の排出口13から排出することを可能としている。
【0012】
図6に示すサークルフィーダ51は供給口12より例えば直径10mmから30mmの球形状のペレット43を投入し、前記サークルフィーダ51の底部に設けられた回転羽根52が回転することにより、ペレット43を分配するよう構成している。
【0013】
図7は前記サークルフィーダ51の底部の側面図を示しており、供給口12より供給されたペレット43は回転羽根52上に落下し、駆動装置53で回転する回転羽根52により底部の外周方向に設けられた複数の排出口13に分配されるよう構成されている。図10に示す矢印はペレット43の搬送方向を示しており、分配を行わない排出口13は振り分け板54で封鎖することにより、ペレット43を任意の排出口13から排出可能となっている。
【0014】
ここで前記サークルフィーダ51は供給口12から大量のペレット43を投入可能としているため、ペレット43の自重により圧密が発生し、前記サークルフィーダ51を閉塞してしまう問題があった。
【0015】
上記の問題に対して、サークルフィーダ51の内壁を下方に向かって広がるよう構成することで、被運搬物の内壁への付着や圧密によるサークルフィーダ51の閉塞を防止することが行われている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−302374号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、特許文献1に記載のサークルフィーダは第1に被搬送物をガスハイドレートペレット43とした場合、ペレット43はシャーベット状の粉雪のような粉体を圧縮成形したものであるため、内壁への付着が発生しやすいため閉塞を防止することはできない。つまり、サークルフィーダ内に、ペレット43の付着と圧密によりブリッジを形成することで閉塞を引き起こす問題が発生する。
【0017】
第2に図6及び図7に示すようにサークルフィーダ51は回転羽根52を供えており、前記回転羽根52を回転させることでペレット43の分配を行っているため、常に回転羽根52を回転させている必要があり、そのための動力を確保する必要がある。
【0018】
第3にペレット43の処理量を増加させるためにサークルフィーダ51の大型化を考えた際、巨大な回転羽根52を回転させることは困難であり、エネルギ効率も悪化するため大型化の実現は困難となる。
【0019】
第4に回転羽根52で分配を行う際、ペレット43は前記回転羽根52上で滞留するため、サークルフィーダ51にペレット43を供給してから排出されるまでに時間差が生じてしまう。そのため、例えばトレーラ等の運搬庫内へ分配搬送を行う際、運搬庫内の状況を見ながら直接的にペレット43の供給量を制御することは困難となり、トレーラ等へのペレット43積み込み作業を行う現場での作業性の低下が問題となっている。
【0020】
第5にペレット43は壊れやすいため、回転羽根52の回転により破壊されてしまうことも多く、破壊に伴い発生するペレット43の粒体粉が堆積しサークルフィーダ51の閉塞の原因となる。また、ペレット43が破壊されることで前述した自己保存効果を発揮するための水膜も破壊され、ペレット43の保存性が悪化し、前記ペレットの分解が進むため貯蔵又は運搬の効率が大幅に低下する原因となる。
【0021】
一方、ダイバータ等の三方弁55は回転羽根52等の動力を必要としないが、分岐が2つのみとなるため、複数個所へのペレット43の分配をする際は、複数個の三方弁55を多段的に組み合わせて使用する必要があり、非効率的であった。
【0022】
また、ペレット43を分配する処理量を増加するためには大型化が必要となるが、図8に示すように三方弁55は、フラップ板57を軸58で支えているため、フラップ板57が大型となると軸58で支えきれなくなる問題がある。
【0023】
そこで、本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、ガスハイドレートペレット等の壊れやすく、かつ流動性の低い固形物を運搬庫や貯蔵庫等に分配して搬送する分配装置であって、大きな動力を必要とせずに、かつ大型化の実現が可能なスライド式分配装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0024】
上記の課題を解決するため、請求項1に記載の発明に係る被運搬物を分配するためのスライド式分配装置は、外筒61の上部に固形の被搬送物を供給する供給口65を配置し、前記外筒61の下方側面に被搬送物を排出するための複数の排出口64を配置し、前記外筒61は内筒62を内包しており、前記内筒62の上部は前記供給口65から供給される前記被運搬物が前記内筒62に運ばれるよう開放されており、前記内筒62の下方側面には前記被運搬物を排出するための排出スリット63を設け、前記排出スリット63と前記複数の排出口64が選択的に係合して連通するように前記内筒62を外筒61長手方向に摺動可能に設置し、前記供給口65に供給した被運搬物が前記排出口64から排出されるよう構成したことを特徴とする。
【0025】
請求項2に記載の発明に係るスライド式分配装置は、前記複数の排出口64が前記外筒61の底部から異なる高さに設けられていることを特徴とする。
【0026】
請求項3に記載の発明に係るスライド式分配装置は、前記外筒61に側面にシリンダを固定し、前記シリンダには動力により前記外筒61の軸方向に伸縮するピストンを設置し、前記ピストンから側方に向かって連結具75を固定し、前記連結具75に固定した軸が前記外筒61を貫通し、前記内筒62に固定されるよう構成した移動装置70を具備し、前記移動装置70により前記内筒62を前記外筒61内壁に沿うように摺動可能としたことを特徴とする。
【0027】
請求項4に記載の発明に係るスライド式分配装置は、前記外筒61の上部を二重管とし鞘部68を形成し、前記鞘部68に前記内筒62の上部が勘合しながら摺動するように構成したことを特徴とする。
【0028】
請求項5に記載の発明に係るスライド式分配装置は、前記複数の排出口62から被運搬物を輸送するための輸送管を、複数の搬入口44を持つ運搬装置であるトレーラ42の前記搬入口44にそれぞれ接続し、かつ前記スライド式分配装置60を前記排出口64のある下部が下になるように傾斜させて設置し、前記内筒61を摺動させることで任意の搬入口44に被運搬物を搬入するよう構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
分配装置における排出口13の位置の切替を、内管61の移動により行うことで、大きな動力を必要とせずに、かつ大型化の容易なスライド式分配装置10を提供することを可能にした。
【0030】
即ち、第1に本発明のスライド式分配装置60は、ペレット43の搬送時には、供給口65と複数の排出口64は、内筒61と前記内筒61に設けられた排出スリット63を介して連通されているため、ペレット43は前記サークルフィーダ51や三方弁55と異なり機械的な部分を通過することがなく、外筒62及び内筒61の内部を搬送されるに過ぎないため、スライド式分配装置60内におけるペレット43の付着や圧密によるブリッジの形成がほとんど発生せず、スライド式分配装置60の閉塞を抑制することを可能にした。
【0031】
第2に、ペレット43を排出する複数の排出口64の切替時のみ内筒61をスライド移動させればよいため、常に回転羽根52を回転させる必要のあるサークルフィーダ51と比べ少ない動力で分配を行うことを可能にした。
【0032】
第3に、排出口64の切替時のみ内筒61がスライド移動するよう構成しているため、分配装置の大型化も用意であり、大型化に伴うエネルギ効率の低下も抑制することを可能にした。
【0033】
第4に、供給口65と排出口64は、内筒61と内筒61の側壁に設けられた排出スリット63を介して連通しているため、ペレット43の供給に対して排出が即行われ、スライド式分配装置60におけるペレット43の滞留等の移動抵抗がないため、ペレット43の供給量を調整することで、ペレット43の分配搬送先である例えばトレーラ等の運搬庫内への運搬状態を制御することが可能となる。
【0034】
第5に、本発明のスライド式分配装置60内のペレット43の搬送路は、直線状の管である外筒62及び内筒61となり、サークルフィーダ51の回転羽根52や三方弁55のフラップ板57等の機械的な部分を通過することがないため、ペレット43の破壊及び分解が抑制され、ハイドレートガス充填率の高い高品質なペレット43を貯蔵、運搬することを可能にした。
【0035】
上述のように、ペレット43を貯蔵庫及び運搬庫等に搬送する際に使用する分配器を外筒62内部に内筒61を摺動可能に設置することで、大きな動力を必要とせず、かつ大型化の実現が容易なスライド式分配装置60を実現した。よって、ペレット43を効率的に貯蔵庫及び運搬庫等への分配搬送を実現し、さらに分配器の大型化によってペレット43の処理量の増加が可能となり、大規模なガスハイドレート製造プラントの実現の一助となるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、本発明を図に示す実施例を参照して具体的に説明する。
【0037】
図1は本発明の実施例の1つであるスライド式分配装置60を示しており、外筒61の上部にペレット43を供給する供給口65を配置し、前記外筒61の下方側面にペレット43を排出するための複数の排出口64を配置し、前記外筒61は内筒62を内包しており、前記内筒62の上部は前記供給口65から供給される前記ペレット43が前記内筒62に運ばれるよう開放されており、前記内筒62の下方側面には前記ペレット43を排出するための排出スリット63を設け、前記排出スリット63と前記複数の排出口64が選択的に係合して連通するように前記内筒62を外筒61長手方向に摺動可能に設置し、前記供給口65に供給したペレット43が前記排出口64から排出されるよう構成している。
【0038】
前記スライド式分配装置60は使用時には供給口65を上方にして、装置全体が傾斜した状態で使用するため、ペレット搬送路41から供給されたペレット43は供給口65を通過し、外筒62を経由して内筒61に転がりながら移動し、内筒61に設けられた排出スリット63と外筒61に設けられた任意の位置の排出口64が連通して形成された搬送路を通過し排出されるよう構成されている。
【0039】
ペレット43を排出する排出口64を切り替える際は、移動装置70により外筒62内部に設置された内筒61を長手方向にスライド移動させ、前記排出スリット63を異なる排出口64と連通させることで行う。
【0040】
図2は前記内筒61をスライド移動させた状態を示している。内筒61を移動させることで、内筒61に設置された排出スリット63と連通される排出口64が変更され、ペレット43の排出される位置が変更される。
【0041】
本実施例において、移動装置70はシリンダを利用したものを採用しており、シリンダケース72に内包した移動シリンダ71を、駆動モータ67により摺動可能に構成している。前記移動シリンダ71の端部と、前記外筒62を貫通させて前記内筒61に固定した軸66を連結具75により連結することで、前記移動シリンダ71のスライドに伴い、内筒61が移動するよう構成している。
【0042】
即ち、移動シリンダ71がスライド移動することで、連結具75を移動させ、前記連結具75の移動により前記移動シリンダ71と略平行に設置された軸66がスライド移動し、前記軸66の移動により内筒61がスライド移動する。
【0043】
また、前記移動シリンダ71を内包している前記シリンダケース72は、外筒62に固定されており、さらに前記移動シリンダ71と略平行に設けたスライド軸73を前記連結具75に固定し、外筒62に固定されたスライドケース74内を摺動するよう構成したことにより、前記移動シリンダ71のスライド移動をガイドし、前記移動シリンダ71と軸66に発生するねじれを抑制している。
【0044】
前記移動装置70は、ペレット43の排出される排出口64の位置を変更する時のみ作動させればよいため、常に動力を必要とする前記サークルフィーダ51と比べ、必要とする動力を大幅に抑制することが可能となっている。
【0045】
さらに、スライド式分配装置60におけるペレット43の搬送路は、外筒62と内筒61の内側となるため、通常のペレット搬送路41に利用される管と見かけ上は同じ搬送状態となるため、搬送抵抗等の発生がなく、供給口65から供給されたペレット43は直ちに任意の排出口64から排出される。
【0046】
ここで、外筒62の供給口65の設置されている端部には、外筒62を内側に折り返したように構成した鞘部68を設けてあり、前記鞘部68の溝に嵌合したまま状態で、内筒61はスライド移動を可能としている。
【0047】
前記鞘部68を設置することで、前記外筒62と内筒61の隙間に被運搬物であるペレット43やペレット43の破壊により発生する粉粒体等が入り込み、閉塞させることで内筒61の移動が阻害されることを防止している。即ち、鞘部68を設けることで、外筒62及び内筒61の間に形成される隙間及び空間に、被搬送物が流入することを防止している。
【0048】
図3は前記内筒61及び移動装置70の連結の様子を示した斜視図であり、図4は前記外筒62及び排出口64を示した斜視図である。
【0049】
図5は本発明のスライド式分配装置60によりペレット43を、運搬装置であるトレーラ42の運搬庫に搬送する様子を示している。図5に示す矢印からペレット43が供給されペレット搬送路41を経由して、スライド式分配装置60の供給口65に供給され、分配されたペレット43はペレット搬送路41を経由してトレーラ42の搬入口44から運搬庫内に搬送される。前記スライド式分配装置60は図示しない櫓等で支持されている。
【0050】
ここで、ペレット43等の流動性の低い被搬送物は、例えばトレーラ42の最後尾に位置する搬入口44から搬入すると、運搬庫内で小山状に堆積し、前方まで流れて行かず、運搬庫内に均一に被搬送物を搬送することが困難となる。
【0051】
そこで、本発明のスライド式分配装置60を使用することで、2台のトレーラ42の6つの搬入口44に分配しながらペレット43を搬入することで、前記運搬庫内に均一にペレット43を供給することが可能となり、ペレット43の積み込み作業を効率的に行うことを可能とした。
【0052】
上述のように、本発明のスライド式分配装置60により、ガスハイドレートペレット等の壊れやすく、かつ流動性の低い固形物を運搬庫や貯蔵庫に分配して搬送する分配装置であって、大きな動力を必要とせずに、かつ大型化の実現が可能なスライド式分配装置60の提供を実現した。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明のスライド式分配装置の実施例の1つを示した概略の断面図である。
【図2】本発明のスライド式分配装置の実施例の1つを示した概略の断面図である。
【図3】スライド式分配装置の内筒及び移動装置の概観図である。
【図4】スライド式分配装置の外筒の概観図である。
【図5】スライド式分配装置の使用状態を示した概略図である。
【図6】サークルフィーダの概略図である。
【図7】サークルフィーダの下部の側面図である。
【図8】ダイバータの概略図である。
【符号の説明】
【0054】
41 ペレット搬送路
43 ペレット
44 搬入口
60 スライド式分配装置
61 外筒
62 内筒
63 排出スリット
64 排出口
65 供給口
66 軸
67 駆動モータ
68 鞘部
70 移動装置
71 移動シリンダ
72 シリンダケース
73 スライド軸
74 スライドケース
75 連結具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外筒の上部に固形の被搬送物を供給する供給口を配置し、前記外筒の下方側面に被搬送物を排出するための複数の排出口を配置し、前記外筒は内筒を内包しており、前記内筒の上部は前記供給口から供給される前記被運搬物が前記内筒に運ばれるよう開放されており、前記内筒の下方側面には前記被運搬物を排出するための排出スリットを設け、前記排出スリットと前記複数の排出口が選択的に係合して連通するように前記内筒を外筒長手方向に摺動可能に設置し、前記供給口に供給した被運搬物が前記排出口から排出されるよう構成したことを特徴とする被運搬物を分配するためのスライド式分配装置。
【請求項2】
前記複数の排出口が前記外筒の底部から異なる高さに設けられていることを特徴とする請求項1に記載のスライド式分配装置。
【請求項3】
前記外筒に側面にシリンダを固定し、前記シリンダには動力により前記外筒の軸方向に伸縮するピストンを設置し、前記ピストンから側方に向かって連結具を固定し、前記連結具に固定した軸が前記外筒を貫通し、前記内筒に固定されるよう構成した移動装置を具備し、前記移動装置により前記内筒を前記外筒内壁に沿うように摺動可能としたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のスライド式分配装置。
【請求項4】
前記外筒の上部を二重管とし鞘部を形成し、前記鞘部に前記内筒の上部が勘合しながら摺動するように構成したことを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載のスライド式分配装置。
【請求項5】
前記複数の排出口から被運搬物を輸送するための輸送管を、複数の搬入口を持つ運搬装置であるトレーラの前記搬入口にそれぞれ接続し、かつ前記スライド式分配装置を前記排出口のある下部が下になるように傾斜させて設置し、前記内筒を摺動させることで任意の搬入口に被運搬物を搬入するよう構成したことを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載のスライド式分配装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−242023(P2009−242023A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−88469(P2008−88469)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成18〜19年度、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、高効率天然ガスハイドレート製造利用システム技術実証研究の委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000005902)三井造船株式会社 (1,723)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】