スライド式携帯無線機
【課題】スライド式携帯無線機おいて、使用状態に合わせてアンテナ構成を最適化することで安定した通信品質を確保したスライド式携帯無線機を提供することを目的とするものである。
【解決手段】スライド式携帯無線機の第1の筐体に設けられた第1のアンテナ素子と、第2の筐体内部に設けられたグランドパターンを有する回路基板が、第1の筐体の伸長時に第1のアンテナ素子と空間結合することにより、第1の筐体内部に設けられた回路基板のグランドパターンが励振され、ダイポールアンテナとして動作し、また、前記第1の筐体の収納時においては、前記第1のアンテナ素子が励振器および放射素子として動作することで、それぞれの場合において、安定した通信品質を確保する。
【解決手段】スライド式携帯無線機の第1の筐体に設けられた第1のアンテナ素子と、第2の筐体内部に設けられたグランドパターンを有する回路基板が、第1の筐体の伸長時に第1のアンテナ素子と空間結合することにより、第1の筐体内部に設けられた回路基板のグランドパターンが励振され、ダイポールアンテナとして動作し、また、前記第1の筐体の収納時においては、前記第1のアンテナ素子が励振器および放射素子として動作することで、それぞれの場合において、安定した通信品質を確保する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スライド式構造を有する移動通信端末機器に関し、特に、携帯電話の使用状態に合わせて安定した通信品質を確保するための無線機内部のアンテナ構成と配置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、上部筐体と下部筐体と連結部から構成されるスライド式携帯電話機において、アンテナは下部筐体の連結部近傍に設けられ、筐体を開いた時には、筐体を伸長する動作によってアンテナが伸長され、筐体を収納する時には、筐体を収納する動作に伴い、アンテナが収納されるものが知られている。この構成により、アンテナの伸縮に手間がかからず、また使用時には必ずアンテナが伸長されるため、突出部分を設けなくても通話が確保できるので、薄型化が図れる(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003―298695号公報(第1頁、第a、b、c図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1記載のスライド式携帯電話機では、小型化と操作性は実現可能であるが、筐体の伸長状態および収納状態のいずれの場合においても安定して高品質なアンテナ性能を確保するためには、アンテナ構成および配置に課題があった。
本発明は、上記従来の問題を解決するためになされたものであり、携帯電話の使用状態によらず、安定した通信品質を維持可能な高性能なスライド式携帯無線機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明のスライド式携帯無線機は、第1の筐体と第2の筐体を有するスライド式携帯無線機であって、前記第1の筐体と前記第2の筐体とを伸長および収納自在に連結する連結部と、前記第1の筐体に設けられた第1のアンテナ素子と、前記第1の筐体内部に設けられたグランドパターンを有する第1の回路基板と、前記第2の筐体内部に設けられたグランドパターンを有する第2の回路基板とを備え、前記第1の筐体の伸長時に前記第1のアンテナ素子と前記第2の回路基板とが空間で結合することにより、前記第1の回路基板が励振されて、前記第1の回路基板のグランドパターンと前記第2の回路基板のグランドパターンとがダイポールアンテナとして動作し、前記第1の筐体の収納時には、前記第1のアンテナ素子が励振器、および放射素子として動作することを特徴とする。
【0005】
この構成により、アンテナをスイッチなどで切替えしなくても使用形態により、アンテナの動作モードが切替り、携帯無線機を手で保持した状態においても比較的高いアンテナ利得が得られ、かつ、携帯無線機の使用状態に合わせて安定した通信品質を確保できる。
【0006】
また、本発明のスライド式携帯無線機は、第1の筐体と第2の筐体を有するスライド式携帯無線機であって、前記第1の筐体と前記第2の筐体とを伸長および収納自在に連結する連結部と、前記第1の筐体に設けられた第1のアンテナ素子と、前記第1の筐体内部に設けられたグランドパターンを有する第1の回路基板と、前記第2の筐体に導電性の金属フレームとを備え、前記第1の筐体の伸長時に前記第1のアンテナ素子と前記金属フレームとが空間で結合することにより、前記第1の回路基板が励振されて、前記第1の回路基板と前記第1のアンテナ素子と前記第2の回路基板のグランドパターンとがダイポールアンテナとして動作し、前記第1の筐体の収納時には、前記第1のアンテナ素子が励振器、および放射素子として動作することを特徴とする。
【0007】
この構成により、アンテナをスイッチなどで切替えしなくても使用形態により、アンテナの動作モードが切替り、携帯無線機を手で保持した状態においても比較的高いアンテナ利得が得られ、かつ、携帯無線機の使用状態に合わせて安定した通信品質を確保できる。
【0008】
また、本発明のスライド式携帯無線機は、前記第2筐体の筐体の一部を金属フレームで構成するよう構成している。
【0009】
この構成により、簡単な構成で携帯無線機の使用状態に合わせて安定した通信品質を確保できる。
【0010】
また、本発明のスライド式携帯無線機は、前記第1のアンテナ素子を内蔵アンテナで構成している。
【0011】
この構成により、デザインの自由度を維持しつつ、携帯無線機の使用状態に合わせて安定した通信品質を確保できる。
【0012】
また、本発明のスライド式携帯無線機は、前記第1のアンテナ素子を外付けアンテナで構成している。
【0013】
この構成により、本体筐体を大型化することなく、携帯無線機の使用状態に合わせて安定した通信品質を確保できる。
【0014】
また、本発明のスライド式携帯無線機は、請求項4記載のスライド式携帯無線機であって、前記第1のアンテナ素子が引き出し可能なホイップアンテナであって、前記第2の筐体内部に設けられたグランドパターンを有する回路基板および、筐体外部に導電性の金属が具備された筐体構造を有し状態においては、前記第2の筐体が反射器として動作するよう構成している。
【0015】
この構成により、人体とは反対方向にアンテナの指向性が向くため、アンテナ伸長時は利得が向上し、高性能で安定した通話性能を提供することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明のスライド式携帯無線機は、前記第1の筐体に第1のアンテナ素子と、第2の筐体内部にグランドパターンを有する回路基板を備えたものであり、前記第1の筐体の伸長時において、第1の筐体に設けられた第1のアンテナ素子と第2筐体内部の回路基板とが空間で結合することにより、前記第1の筐体内部に設けられたグランドパターンを有する回路基板が励振されて、ダイポールアンテナとして動作する。また、前記第1の筐体の収納時には、第1のアンテナ素子が励振および放射素子として動作する。この構成によって、アンテナをスイッチなどで切替えしなくても使用形態により、アンテナの動作モードが切替り、携帯無線機を手で保持した状態においても比較的高いアンテナ利得が得られ、かつ、携帯電話の使用状態に合わせて安定した通信品質を確保できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態における、スライド式携帯無線機の正面図であり、図2および図3は本発明の第1の実施形態における側面図である。図1において、第1の筐体6は、マイクロホン14と操作部13を備え、第2筐体7は、カメラ部10とレシーバ11と表示部12を備えている。また、図示していないが、第1筐体6の内部には第1のアンテナ素子を備えている。
【0018】
図2(a)は第1の実施形態におけるスライド式携帯無線機を収納した状態の概略構成を示す側面図である。図2(b)は第1の実施形態におけるスライド式携帯無線機を収納した状態の連結部分を拡大した側面図である。
【0019】
図2(a)において、第1の筐体6には第1のアンテナ素子1と、第1の筐体6内部にグランドパターンを有する回路基板4と、回路基板4上の無線回路に接続されて第1のアンテナ素子1に給電を行うアンテナ給電部3を備えている。第2の筐体7に内部には、グランドパターンを有する回路基板5を備えている。
【0020】
図2(b)に示すように、第2の筐体7に内蔵されたグランドパターンを有する回路基板5と、第1の筐体6に内蔵されたアンテナ素子1は、スライド式携帯無線機が収納状態においては、筐体の長手方向で重ならないよう、回路基板5とアンテナ素子1との距離20をもって配置している。この構成により、第2の筐体7を収納した状態において、安定した通話性能を確保することができる。
【0021】
図3(a)は第1の実施形態におけるスライド式携帯無線機を伸長した状態の概略構成を示す側面図である。図3(b)は第1の実施形態におけるスライド式携帯無線機を伸長した状態の連結部分を拡大した側面図である。図3において、図2と同じ構成要素については、その説明を省略する。図3に示すように第2の筐体7に内蔵されたグランドパターンを有する回路基板5と、第1の筐体6に内蔵されたアンテナ素子1は、スライド式携帯無線機が伸長状態においては、筐体の厚さ方向で、第2の筐体7内部に設けられた回路基板5のグランドパターンと、第1の筐体6に内蔵されたアンテナ素子1との距離30を3mm以下になるよう構成し、かつ、筐体の長手方向について、回路基板5とアンテナ素子1が1mm以上重なるよう構成している。この構成により、第2の筐体7に内蔵された回路基板5と第1の筐体6に内蔵されたアンテナ素子1とが空間で結合(容量結合)し、第2の筐体7に内蔵されたグランドパターンを有する回路基板5が励振され、第1の筐体6に内蔵されたグランドパターンを有する回路基板4とのグランドパターンと、第2の筐体7に内蔵された回路基板5のグランドパターンが、ダイポールアンテナとして動作する。この構成により、アンテナスイッチなどで切り替えをしなくても、スライド式携帯無線機の使用状態に合わせて、アンテナの動作モードが切り替わり、安定した通話性能を提供することができる。
【0022】
また、図9は従来のスライド式携帯無線機の伸長時におけるアンテナの放射特性(指向性)を示す図であり、図10は本発明の第1の実施形態の伸長時におけるアンテナの放射特性(指向性)を示す図である。図9、図10において、実線は電界のθ成分(Eθ)、点線は電界のφ成分(Eφ)を表している。
【0023】
図9では伸長時において、第2の筐体7に内蔵された回路基板5と第1の筐体6に内蔵されたアンテナ素子1とが空間で結合していない。これに対し、図10では、第2の筐体7に内蔵された回路基板5と第1の筐体6に内蔵されたアンテナ素子1とが空間で結合する。この構成により、従来と比較すると、放射特性が高くなるとともに、人体の反対側である−X軸方向に電界のθ成分が広帯域に放射されており、通話時において、人体による電磁波の吸収が低減され、アンテナ性能が高くなる。
(第2の実施形態)
図4(a)は、本発明の第2の実施の形態におけるスライド式携帯無線機を収納した状態の概略構成を示す側面図である。図4(b)は第2の実施形態におけるスライド式携帯無線機を収納した状態の連結部分を拡大した側面図である。また、図5(a)は、第2の実施形態におけるスライド式携帯無線機を伸長した状態の概略構成を示す側面図である。図5(b)は第2の実施形態におけるスライド式携帯無線機を伸長した状態の連結部分を拡大した側面図である。
【0024】
図4(a)において、第1の筐体6には第1のアンテナ素子1と、第1の筐体6内部にグランドパターンを有する回路基板4と、回路基板4上の無線回路に接続されて第1のアンテナ素子1に給電を行うアンテナ給電部3を備えている。第2の筐体7には、導電性の金属で成型された筐体あるいは樹脂筐体に導電性の金属を組み込んだ筐体である金属フレーム8を備えている。なお、金属フレームは、筐体内部に備えることに限定するものではなく、筐体の一部分であってもよい。
【0025】
図4(b)に示すように、第2の筐体7と、第1の筐体6に内蔵されたアンテナ素子1は、スライド式携帯無線機が収納状態においては、筐体の長手方向で重ならないよう配置している。この構成により、第2の筐体7の収納時において、アンテナ素子1がアンテナとして安定して動作し、安定した通話性能を提供することができる。
【0026】
図5(a)は、第2の筐体7をスライドさせ伸長した状態である。図5(b)は第2の実施形態におけるスライド式携帯無線機を伸長した状態の連結部分を拡大した側面図である。図5(b)に示すように、第2の筐体7と、第1の筐体6に内蔵されたアンテナ素子は、スライド式携帯無線機が伸長状態において、筐体の厚み方向に、金属フレーム8と第1の筐体6に内蔵されたアンテナ素子の距離31を3mm以下とし、金属フレーム8と下筐体に内蔵されたアンテナ素子とを空間で結合(容量結合)させることにより、金属フレーム8が励振され、第1の筐体6に内蔵された回路基板4のグランドパターンと金属フレーム8で、ダイポールアンテナとして動作する。この構成により、アンテナスイッチなどで切り替えしなくても、スライド式携帯無線機の使用状態に合わせて、アンテナの動作モードが切り替わり、安定した通話性能を提供することができる。
(第3の実施形態)
図6(a)は、本発明の第3の実施の形態におけるスライド式携帯無線機を収納した状態の概略構成を示す側面図である。図6(b)は第2の実施形態におけるスライド式携帯無線機を収納した状態の連結部分を拡大した側面図である。図6(a)において、第1の筐体6は、外付けされた第1のアンテナ素子2、アンテナ素子の給電部3、第1の筐体6に内蔵されたグランドパターンを有する回路基板4で構成されている。図6(b)において、第1の筐体6に外付けされた第1のアンテナ素子2と、第2の筐体7に内蔵された回路基板5との筐体厚さ方向の距離40は、スライド式携帯無線機が伸長状態においては、最も離れた距離が3mm以下とし、かつ、長手方向について、回路基板5と外付けアンテナ素子2とが1mm以上重なるよう構成している。この構成により、伸長時において、回路基板5と外付けされたアンテナ素子2とが空間で結合(容量結合)し、回路基板5が励振されて、第1の筐体6に内蔵された回路基板4のグランドパターンと回路基板5のグランドパターンが、ダイポールアンテナとして動作する。この構成により、アンテナスイッチなどで切り替えをしなくても、スライド式携帯無線機の使用状態に合わせて、アンテナの動作モードが切り替わり、安定した通話性能を提供することができる。
なお、図7(a)に示すように、樹脂筐体に導電性の金属フレームを組み込んで構成してもよい。図7(a)において、第1の筐体6には第1のアンテナ素子1と、第1の筐体6内部にグランドパターンを有する回路基板4と、回路基板4上の無線回路に接続されて第1のアンテナ素子1に給電を行うアンテナ給電部3を備えている。第2の筐体7は、樹脂筐体に導電性の金属を組み込んだ筐体である金属フレーム8を備えている。なお、金属フレーム8は、筐体内部に備えることに限定するものではなく、筐体の一部分であってもよい。筐体の伸長時において、金属フレーム8とアンテナ素子2が空間で結合し、金属フレームが励振されて、第1の筐体6に内蔵された回路基板4のグランドパターンと、金属フレームがダイポールアンテナとして動作する。
(第4の実施形態)
図8は、本発明の第4の実施の形態におけるスライド式携帯無線機の概略構成を示す側面図である。図8において、第1の筐体6は外付けされた第1のアンテナ素子2bと、アンテナ素子の給電部3と、グランドパターンを有する回路基板4とを備え、第2の筐体7には、グランドパターンを有する回路基板5から構成される。図8に示すように、第1のアンテナ素子は第1の筐体に外付けされた引き出し式のホイップアンテナで構成している。この場合、第1の筐体7、あるいは、第2の筐体8が反射器として動作する。図11は、本発明の第4の実施形態におけるスライド式携帯無線機の伸長時におけるアンテナ放射特性を示す図である。図11に示すように、人体とは反対側にアンテナの放射指向性を向けることができるため、アンテナ伸長時は利得が向上し、高性能なアンテナで、かつ、安定した通話性能を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明は、第1の筐体と第2の筐体を有するスライド式携帯無線機において、第1の筐体に設けられた第1のアンテナ素子と、前記第2の筐体内部の回路基板上のグランドパターンが、前記第1の筐体の伸長時に空間で結合することにより、回路基板のグランドパターンが励振され、ダイポールアンテナとして動作する。第1の筐体を収納した状態においては、第1のアンテナ素子が励振および放射素子として動作する。したがって、アンテナをスイッチなどで切替えしなくても使用形態により、アンテナの動作モードが切り替わり、携帯無線機を手で保持した状態においても比較的高いアンテナ利得が得られるので、スライド式携帯電話機のアンテナ構造として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1の実施形態におけるスライド式携帯無線機を伸長した場合の正面図
【図2】(a)本発明の第1の実施形態におけるスライド式携帯無線機の収納時の概略構成を示す側面図(b)本発明の第1の実施形態におけるスライド式携帯無線機の収納時の連結部を拡大した側面図
【図3】(a)本発明の第1の実施形態におけるスライド式携帯無線機の伸長時の概略構成を示す側面図(b)本発明の第1の実施形態におけるスライド式携帯無線機の伸長時の連結部を拡大した側面図
【図4】(a)本発明の第2の実施形態におけるスライド式携帯無線機の収納時の概略構成を示す側面図(b)本発明の第2の実施形態におけるスライド式携帯無線機の収納時の連結部を拡大した側面図
【図5】(a)本発明の第2の実施形態におけるスライド式携帯無線機の伸長時の概略構成を示す側面図(b)本発明の第2の実施形態におけるスライド式携帯無線機の伸長時の連結部を拡大した側面図
【図6】(a)本発明の第3の実施形態におけるスライド式携帯無線機の伸長時の概略構成を示す側面図(b)本発明の第3の実施形態におけるスライド式携帯無線機の伸長時の連結部を拡大した側面図
【図7】(a)本発明の第3の実施形態におけるスライド式携帯無線機の伸長時の概略構成を示す側面図(b)本発明の第3の実施形態におけるスライド式携帯無線機の伸長時の連結部を拡大した側面図
【図8】本発明の第4の実施形態におけるスライド式携帯無線機の概略構成を示す側面図
【図9】従来のスライド式無線機における伸長時のアンテナ指向性を示す図
【図10】本発明の第1の実施形態におけるスライド式無線機の伸長時のアンテナ放射特性を示す図
【図11】本発明の第4の実施形態におけるスライド式無線機の伸長時のアンテナ放射特性を示す図
【符号の説明】
【0029】
1 アンテナ素子
2 外付けアンテナ
2b 引き出し式のホイップアンテナ
3 アンテナ給電部
4 回路基板
5 回路基板
6 第1の筐体
7 第2の筐体
8 金属フレーム
10 カメラ部
11 レシーバ
12 LCD(表示部)
13 キー操作部
14 マイクロホン
20 アンテナ素子と第2の筐体内部の回路基板のグランドパターンとの筐体長手方向の距離
30 アンテナ素子と第2の筐体内部の回路基板のグランドパターンとの筐体厚さ方向の距離
【技術分野】
【0001】
本発明は、スライド式構造を有する移動通信端末機器に関し、特に、携帯電話の使用状態に合わせて安定した通信品質を確保するための無線機内部のアンテナ構成と配置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、上部筐体と下部筐体と連結部から構成されるスライド式携帯電話機において、アンテナは下部筐体の連結部近傍に設けられ、筐体を開いた時には、筐体を伸長する動作によってアンテナが伸長され、筐体を収納する時には、筐体を収納する動作に伴い、アンテナが収納されるものが知られている。この構成により、アンテナの伸縮に手間がかからず、また使用時には必ずアンテナが伸長されるため、突出部分を設けなくても通話が確保できるので、薄型化が図れる(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003―298695号公報(第1頁、第a、b、c図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1記載のスライド式携帯電話機では、小型化と操作性は実現可能であるが、筐体の伸長状態および収納状態のいずれの場合においても安定して高品質なアンテナ性能を確保するためには、アンテナ構成および配置に課題があった。
本発明は、上記従来の問題を解決するためになされたものであり、携帯電話の使用状態によらず、安定した通信品質を維持可能な高性能なスライド式携帯無線機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明のスライド式携帯無線機は、第1の筐体と第2の筐体を有するスライド式携帯無線機であって、前記第1の筐体と前記第2の筐体とを伸長および収納自在に連結する連結部と、前記第1の筐体に設けられた第1のアンテナ素子と、前記第1の筐体内部に設けられたグランドパターンを有する第1の回路基板と、前記第2の筐体内部に設けられたグランドパターンを有する第2の回路基板とを備え、前記第1の筐体の伸長時に前記第1のアンテナ素子と前記第2の回路基板とが空間で結合することにより、前記第1の回路基板が励振されて、前記第1の回路基板のグランドパターンと前記第2の回路基板のグランドパターンとがダイポールアンテナとして動作し、前記第1の筐体の収納時には、前記第1のアンテナ素子が励振器、および放射素子として動作することを特徴とする。
【0005】
この構成により、アンテナをスイッチなどで切替えしなくても使用形態により、アンテナの動作モードが切替り、携帯無線機を手で保持した状態においても比較的高いアンテナ利得が得られ、かつ、携帯無線機の使用状態に合わせて安定した通信品質を確保できる。
【0006】
また、本発明のスライド式携帯無線機は、第1の筐体と第2の筐体を有するスライド式携帯無線機であって、前記第1の筐体と前記第2の筐体とを伸長および収納自在に連結する連結部と、前記第1の筐体に設けられた第1のアンテナ素子と、前記第1の筐体内部に設けられたグランドパターンを有する第1の回路基板と、前記第2の筐体に導電性の金属フレームとを備え、前記第1の筐体の伸長時に前記第1のアンテナ素子と前記金属フレームとが空間で結合することにより、前記第1の回路基板が励振されて、前記第1の回路基板と前記第1のアンテナ素子と前記第2の回路基板のグランドパターンとがダイポールアンテナとして動作し、前記第1の筐体の収納時には、前記第1のアンテナ素子が励振器、および放射素子として動作することを特徴とする。
【0007】
この構成により、アンテナをスイッチなどで切替えしなくても使用形態により、アンテナの動作モードが切替り、携帯無線機を手で保持した状態においても比較的高いアンテナ利得が得られ、かつ、携帯無線機の使用状態に合わせて安定した通信品質を確保できる。
【0008】
また、本発明のスライド式携帯無線機は、前記第2筐体の筐体の一部を金属フレームで構成するよう構成している。
【0009】
この構成により、簡単な構成で携帯無線機の使用状態に合わせて安定した通信品質を確保できる。
【0010】
また、本発明のスライド式携帯無線機は、前記第1のアンテナ素子を内蔵アンテナで構成している。
【0011】
この構成により、デザインの自由度を維持しつつ、携帯無線機の使用状態に合わせて安定した通信品質を確保できる。
【0012】
また、本発明のスライド式携帯無線機は、前記第1のアンテナ素子を外付けアンテナで構成している。
【0013】
この構成により、本体筐体を大型化することなく、携帯無線機の使用状態に合わせて安定した通信品質を確保できる。
【0014】
また、本発明のスライド式携帯無線機は、請求項4記載のスライド式携帯無線機であって、前記第1のアンテナ素子が引き出し可能なホイップアンテナであって、前記第2の筐体内部に設けられたグランドパターンを有する回路基板および、筐体外部に導電性の金属が具備された筐体構造を有し状態においては、前記第2の筐体が反射器として動作するよう構成している。
【0015】
この構成により、人体とは反対方向にアンテナの指向性が向くため、アンテナ伸長時は利得が向上し、高性能で安定した通話性能を提供することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明のスライド式携帯無線機は、前記第1の筐体に第1のアンテナ素子と、第2の筐体内部にグランドパターンを有する回路基板を備えたものであり、前記第1の筐体の伸長時において、第1の筐体に設けられた第1のアンテナ素子と第2筐体内部の回路基板とが空間で結合することにより、前記第1の筐体内部に設けられたグランドパターンを有する回路基板が励振されて、ダイポールアンテナとして動作する。また、前記第1の筐体の収納時には、第1のアンテナ素子が励振および放射素子として動作する。この構成によって、アンテナをスイッチなどで切替えしなくても使用形態により、アンテナの動作モードが切替り、携帯無線機を手で保持した状態においても比較的高いアンテナ利得が得られ、かつ、携帯電話の使用状態に合わせて安定した通信品質を確保できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態における、スライド式携帯無線機の正面図であり、図2および図3は本発明の第1の実施形態における側面図である。図1において、第1の筐体6は、マイクロホン14と操作部13を備え、第2筐体7は、カメラ部10とレシーバ11と表示部12を備えている。また、図示していないが、第1筐体6の内部には第1のアンテナ素子を備えている。
【0018】
図2(a)は第1の実施形態におけるスライド式携帯無線機を収納した状態の概略構成を示す側面図である。図2(b)は第1の実施形態におけるスライド式携帯無線機を収納した状態の連結部分を拡大した側面図である。
【0019】
図2(a)において、第1の筐体6には第1のアンテナ素子1と、第1の筐体6内部にグランドパターンを有する回路基板4と、回路基板4上の無線回路に接続されて第1のアンテナ素子1に給電を行うアンテナ給電部3を備えている。第2の筐体7に内部には、グランドパターンを有する回路基板5を備えている。
【0020】
図2(b)に示すように、第2の筐体7に内蔵されたグランドパターンを有する回路基板5と、第1の筐体6に内蔵されたアンテナ素子1は、スライド式携帯無線機が収納状態においては、筐体の長手方向で重ならないよう、回路基板5とアンテナ素子1との距離20をもって配置している。この構成により、第2の筐体7を収納した状態において、安定した通話性能を確保することができる。
【0021】
図3(a)は第1の実施形態におけるスライド式携帯無線機を伸長した状態の概略構成を示す側面図である。図3(b)は第1の実施形態におけるスライド式携帯無線機を伸長した状態の連結部分を拡大した側面図である。図3において、図2と同じ構成要素については、その説明を省略する。図3に示すように第2の筐体7に内蔵されたグランドパターンを有する回路基板5と、第1の筐体6に内蔵されたアンテナ素子1は、スライド式携帯無線機が伸長状態においては、筐体の厚さ方向で、第2の筐体7内部に設けられた回路基板5のグランドパターンと、第1の筐体6に内蔵されたアンテナ素子1との距離30を3mm以下になるよう構成し、かつ、筐体の長手方向について、回路基板5とアンテナ素子1が1mm以上重なるよう構成している。この構成により、第2の筐体7に内蔵された回路基板5と第1の筐体6に内蔵されたアンテナ素子1とが空間で結合(容量結合)し、第2の筐体7に内蔵されたグランドパターンを有する回路基板5が励振され、第1の筐体6に内蔵されたグランドパターンを有する回路基板4とのグランドパターンと、第2の筐体7に内蔵された回路基板5のグランドパターンが、ダイポールアンテナとして動作する。この構成により、アンテナスイッチなどで切り替えをしなくても、スライド式携帯無線機の使用状態に合わせて、アンテナの動作モードが切り替わり、安定した通話性能を提供することができる。
【0022】
また、図9は従来のスライド式携帯無線機の伸長時におけるアンテナの放射特性(指向性)を示す図であり、図10は本発明の第1の実施形態の伸長時におけるアンテナの放射特性(指向性)を示す図である。図9、図10において、実線は電界のθ成分(Eθ)、点線は電界のφ成分(Eφ)を表している。
【0023】
図9では伸長時において、第2の筐体7に内蔵された回路基板5と第1の筐体6に内蔵されたアンテナ素子1とが空間で結合していない。これに対し、図10では、第2の筐体7に内蔵された回路基板5と第1の筐体6に内蔵されたアンテナ素子1とが空間で結合する。この構成により、従来と比較すると、放射特性が高くなるとともに、人体の反対側である−X軸方向に電界のθ成分が広帯域に放射されており、通話時において、人体による電磁波の吸収が低減され、アンテナ性能が高くなる。
(第2の実施形態)
図4(a)は、本発明の第2の実施の形態におけるスライド式携帯無線機を収納した状態の概略構成を示す側面図である。図4(b)は第2の実施形態におけるスライド式携帯無線機を収納した状態の連結部分を拡大した側面図である。また、図5(a)は、第2の実施形態におけるスライド式携帯無線機を伸長した状態の概略構成を示す側面図である。図5(b)は第2の実施形態におけるスライド式携帯無線機を伸長した状態の連結部分を拡大した側面図である。
【0024】
図4(a)において、第1の筐体6には第1のアンテナ素子1と、第1の筐体6内部にグランドパターンを有する回路基板4と、回路基板4上の無線回路に接続されて第1のアンテナ素子1に給電を行うアンテナ給電部3を備えている。第2の筐体7には、導電性の金属で成型された筐体あるいは樹脂筐体に導電性の金属を組み込んだ筐体である金属フレーム8を備えている。なお、金属フレームは、筐体内部に備えることに限定するものではなく、筐体の一部分であってもよい。
【0025】
図4(b)に示すように、第2の筐体7と、第1の筐体6に内蔵されたアンテナ素子1は、スライド式携帯無線機が収納状態においては、筐体の長手方向で重ならないよう配置している。この構成により、第2の筐体7の収納時において、アンテナ素子1がアンテナとして安定して動作し、安定した通話性能を提供することができる。
【0026】
図5(a)は、第2の筐体7をスライドさせ伸長した状態である。図5(b)は第2の実施形態におけるスライド式携帯無線機を伸長した状態の連結部分を拡大した側面図である。図5(b)に示すように、第2の筐体7と、第1の筐体6に内蔵されたアンテナ素子は、スライド式携帯無線機が伸長状態において、筐体の厚み方向に、金属フレーム8と第1の筐体6に内蔵されたアンテナ素子の距離31を3mm以下とし、金属フレーム8と下筐体に内蔵されたアンテナ素子とを空間で結合(容量結合)させることにより、金属フレーム8が励振され、第1の筐体6に内蔵された回路基板4のグランドパターンと金属フレーム8で、ダイポールアンテナとして動作する。この構成により、アンテナスイッチなどで切り替えしなくても、スライド式携帯無線機の使用状態に合わせて、アンテナの動作モードが切り替わり、安定した通話性能を提供することができる。
(第3の実施形態)
図6(a)は、本発明の第3の実施の形態におけるスライド式携帯無線機を収納した状態の概略構成を示す側面図である。図6(b)は第2の実施形態におけるスライド式携帯無線機を収納した状態の連結部分を拡大した側面図である。図6(a)において、第1の筐体6は、外付けされた第1のアンテナ素子2、アンテナ素子の給電部3、第1の筐体6に内蔵されたグランドパターンを有する回路基板4で構成されている。図6(b)において、第1の筐体6に外付けされた第1のアンテナ素子2と、第2の筐体7に内蔵された回路基板5との筐体厚さ方向の距離40は、スライド式携帯無線機が伸長状態においては、最も離れた距離が3mm以下とし、かつ、長手方向について、回路基板5と外付けアンテナ素子2とが1mm以上重なるよう構成している。この構成により、伸長時において、回路基板5と外付けされたアンテナ素子2とが空間で結合(容量結合)し、回路基板5が励振されて、第1の筐体6に内蔵された回路基板4のグランドパターンと回路基板5のグランドパターンが、ダイポールアンテナとして動作する。この構成により、アンテナスイッチなどで切り替えをしなくても、スライド式携帯無線機の使用状態に合わせて、アンテナの動作モードが切り替わり、安定した通話性能を提供することができる。
なお、図7(a)に示すように、樹脂筐体に導電性の金属フレームを組み込んで構成してもよい。図7(a)において、第1の筐体6には第1のアンテナ素子1と、第1の筐体6内部にグランドパターンを有する回路基板4と、回路基板4上の無線回路に接続されて第1のアンテナ素子1に給電を行うアンテナ給電部3を備えている。第2の筐体7は、樹脂筐体に導電性の金属を組み込んだ筐体である金属フレーム8を備えている。なお、金属フレーム8は、筐体内部に備えることに限定するものではなく、筐体の一部分であってもよい。筐体の伸長時において、金属フレーム8とアンテナ素子2が空間で結合し、金属フレームが励振されて、第1の筐体6に内蔵された回路基板4のグランドパターンと、金属フレームがダイポールアンテナとして動作する。
(第4の実施形態)
図8は、本発明の第4の実施の形態におけるスライド式携帯無線機の概略構成を示す側面図である。図8において、第1の筐体6は外付けされた第1のアンテナ素子2bと、アンテナ素子の給電部3と、グランドパターンを有する回路基板4とを備え、第2の筐体7には、グランドパターンを有する回路基板5から構成される。図8に示すように、第1のアンテナ素子は第1の筐体に外付けされた引き出し式のホイップアンテナで構成している。この場合、第1の筐体7、あるいは、第2の筐体8が反射器として動作する。図11は、本発明の第4の実施形態におけるスライド式携帯無線機の伸長時におけるアンテナ放射特性を示す図である。図11に示すように、人体とは反対側にアンテナの放射指向性を向けることができるため、アンテナ伸長時は利得が向上し、高性能なアンテナで、かつ、安定した通話性能を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明は、第1の筐体と第2の筐体を有するスライド式携帯無線機において、第1の筐体に設けられた第1のアンテナ素子と、前記第2の筐体内部の回路基板上のグランドパターンが、前記第1の筐体の伸長時に空間で結合することにより、回路基板のグランドパターンが励振され、ダイポールアンテナとして動作する。第1の筐体を収納した状態においては、第1のアンテナ素子が励振および放射素子として動作する。したがって、アンテナをスイッチなどで切替えしなくても使用形態により、アンテナの動作モードが切り替わり、携帯無線機を手で保持した状態においても比較的高いアンテナ利得が得られるので、スライド式携帯電話機のアンテナ構造として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1の実施形態におけるスライド式携帯無線機を伸長した場合の正面図
【図2】(a)本発明の第1の実施形態におけるスライド式携帯無線機の収納時の概略構成を示す側面図(b)本発明の第1の実施形態におけるスライド式携帯無線機の収納時の連結部を拡大した側面図
【図3】(a)本発明の第1の実施形態におけるスライド式携帯無線機の伸長時の概略構成を示す側面図(b)本発明の第1の実施形態におけるスライド式携帯無線機の伸長時の連結部を拡大した側面図
【図4】(a)本発明の第2の実施形態におけるスライド式携帯無線機の収納時の概略構成を示す側面図(b)本発明の第2の実施形態におけるスライド式携帯無線機の収納時の連結部を拡大した側面図
【図5】(a)本発明の第2の実施形態におけるスライド式携帯無線機の伸長時の概略構成を示す側面図(b)本発明の第2の実施形態におけるスライド式携帯無線機の伸長時の連結部を拡大した側面図
【図6】(a)本発明の第3の実施形態におけるスライド式携帯無線機の伸長時の概略構成を示す側面図(b)本発明の第3の実施形態におけるスライド式携帯無線機の伸長時の連結部を拡大した側面図
【図7】(a)本発明の第3の実施形態におけるスライド式携帯無線機の伸長時の概略構成を示す側面図(b)本発明の第3の実施形態におけるスライド式携帯無線機の伸長時の連結部を拡大した側面図
【図8】本発明の第4の実施形態におけるスライド式携帯無線機の概略構成を示す側面図
【図9】従来のスライド式無線機における伸長時のアンテナ指向性を示す図
【図10】本発明の第1の実施形態におけるスライド式無線機の伸長時のアンテナ放射特性を示す図
【図11】本発明の第4の実施形態におけるスライド式無線機の伸長時のアンテナ放射特性を示す図
【符号の説明】
【0029】
1 アンテナ素子
2 外付けアンテナ
2b 引き出し式のホイップアンテナ
3 アンテナ給電部
4 回路基板
5 回路基板
6 第1の筐体
7 第2の筐体
8 金属フレーム
10 カメラ部
11 レシーバ
12 LCD(表示部)
13 キー操作部
14 マイクロホン
20 アンテナ素子と第2の筐体内部の回路基板のグランドパターンとの筐体長手方向の距離
30 アンテナ素子と第2の筐体内部の回路基板のグランドパターンとの筐体厚さ方向の距離
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の筐体と第2の筐体を有するスライド式携帯無線機であって、
前記第1の筐体と前記第2の筐体とを伸長および収納自在に連結する連結部と、
前記第1の筐体に設けられた第1のアンテナ素子と、
前記第1の筐体内部に設けられたグランドパターンを有する第1の回路基板と
前記第2の筐体内部に設けられたグランドパターンを有する第2の回路基板とを備え、
前記第1の筐体の伸長時に前記第1のアンテナ素子と前記第2の回路基板とが空間で結合することにより、前記第1の回路基板が励振されて、前記第1の回路基板のグランドパターンと前記第2の回路基板のグランドパターンとがダイポールアンテナとして動作し、前記第1の筐体の収納時には、前記第1のアンテナ素子が励振器、および放射素子として動作することを特徴とするスライド式携帯無線機。
【請求項2】
第1の筐体と第2の筐体を有するスライド式携帯無線機であって、
前記第1の筐体と前記第2の筐体とを伸長および収納自在に連結する連結部と、
前記第1の筐体に設けられた第1のアンテナ素子と、
前記第1の筐体内部に設けられたグランドパターンを有する第1の回路基板と
前記第2の筐体に導電性の金属フレームとを備え、
前記第1の筐体の伸長時に前記第1のアンテナ素子と前記金属フレームとが空間で結合することにより、前記第1の回路基板が励振されて、前記第1の回路基板と前記第1のアンテナ素子と前記第2の回路基板のグランドパターンとがダイポールアンテナとして動作し、前記第1の筐体の収納時には、前記第1のアンテナ素子が励振器、および放射素子として動作することを特徴とする請求項1記載のスライド式携帯無線機。
【請求項3】
前記金属フレームは、前記第2筐体の筐体の一部を構成することを特徴とする請求項2記載のスライド式携帯無線機。
【請求項4】
請求項1ないし2のいずれかに記載のスライド式携帯無線機であって、
前記第1のアンテナ素子が内蔵アンテナであることを特徴とするスライド式携帯無線機。
【請求項5】
請求項1ないし2のいずれかに記載のスライド式携帯無線機であって、
前記第1のアンテナ素子が外付けアンテナであることを特徴とするスライド式携帯無線機。
【請求項6】
請求項4記載のスライド式携帯無線機であって、前記第1のアンテナ素子が引き出し可能なホイップアンテナであって、前記第2の筐体内部に設けられたグランドパターンを有する回路基板および、筐体外部に導電性の金属が具備された筐体構造を有し状態においては、前記第2の筐体が反射器として動作することを特徴とするスライド式携帯無線機。
【請求項1】
第1の筐体と第2の筐体を有するスライド式携帯無線機であって、
前記第1の筐体と前記第2の筐体とを伸長および収納自在に連結する連結部と、
前記第1の筐体に設けられた第1のアンテナ素子と、
前記第1の筐体内部に設けられたグランドパターンを有する第1の回路基板と
前記第2の筐体内部に設けられたグランドパターンを有する第2の回路基板とを備え、
前記第1の筐体の伸長時に前記第1のアンテナ素子と前記第2の回路基板とが空間で結合することにより、前記第1の回路基板が励振されて、前記第1の回路基板のグランドパターンと前記第2の回路基板のグランドパターンとがダイポールアンテナとして動作し、前記第1の筐体の収納時には、前記第1のアンテナ素子が励振器、および放射素子として動作することを特徴とするスライド式携帯無線機。
【請求項2】
第1の筐体と第2の筐体を有するスライド式携帯無線機であって、
前記第1の筐体と前記第2の筐体とを伸長および収納自在に連結する連結部と、
前記第1の筐体に設けられた第1のアンテナ素子と、
前記第1の筐体内部に設けられたグランドパターンを有する第1の回路基板と
前記第2の筐体に導電性の金属フレームとを備え、
前記第1の筐体の伸長時に前記第1のアンテナ素子と前記金属フレームとが空間で結合することにより、前記第1の回路基板が励振されて、前記第1の回路基板と前記第1のアンテナ素子と前記第2の回路基板のグランドパターンとがダイポールアンテナとして動作し、前記第1の筐体の収納時には、前記第1のアンテナ素子が励振器、および放射素子として動作することを特徴とする請求項1記載のスライド式携帯無線機。
【請求項3】
前記金属フレームは、前記第2筐体の筐体の一部を構成することを特徴とする請求項2記載のスライド式携帯無線機。
【請求項4】
請求項1ないし2のいずれかに記載のスライド式携帯無線機であって、
前記第1のアンテナ素子が内蔵アンテナであることを特徴とするスライド式携帯無線機。
【請求項5】
請求項1ないし2のいずれかに記載のスライド式携帯無線機であって、
前記第1のアンテナ素子が外付けアンテナであることを特徴とするスライド式携帯無線機。
【請求項6】
請求項4記載のスライド式携帯無線機であって、前記第1のアンテナ素子が引き出し可能なホイップアンテナであって、前記第2の筐体内部に設けられたグランドパターンを有する回路基板および、筐体外部に導電性の金属が具備された筐体構造を有し状態においては、前記第2の筐体が反射器として動作することを特徴とするスライド式携帯無線機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−109167(P2008−109167A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−27588(P2005−27588)
【出願日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]