説明

スロットマシン

【課題】簡単な操作で、遊技情報を消去する記憶領域を選択できるスロットマシンを提供する。
【解決手段】設定モード中にベットボタンが操作され場合は、RAMの第1記憶領域に記憶された遊技情報と第2記憶領域に記憶された遊技情報とを消去した後、この時点で選択されている設定へペイアウト率の設定を変更する。他方、設定モード中にスタートレバーが操作された場合は、RAMの第1記憶領域に記憶された遊技情報のみを消去した後、この時点で選択されている設定へペイアウト率の設定を変更する。このように、設定変更を行う際にベットボタンを操作するかスタートレバーを操作するかといった簡単な操作により、遊技情報を消去する記憶領域を選択できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ店などの遊技場で用いられるスロットマシンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
スロットマシンは、メダル投入口にメダルを投入、または、ベットボタンを操作してメダルをベットした後、スタートレバーを操作すると遊技が開始される。遊技が開始されると、当選役抽選が行われて複数種類の当選役のいずれかまたはハズレが決定されるとともに、リールが回転を開始する。リールはストップボタンを操作することで停止され、リールが停止したときに表示された図柄の組み合わせに応じた処理が実行されて1回の遊技が終了する。
【0003】
スロットマシンは、遊技を行う遊技モードの他に、当選役抽選で当選役が当選する当選確率を変更するための設定変更モードを備えており、設定変更モードへ移行させて、当選確率を選択し、確定操作を行って選択した当選確率を確定させることで当選確率を変更できるようになっている。一般に、確定操作を行う際にはスタートレバーが操作される(スタートレバーを、遊技の開始操作を行うための操作部材、及び、確定操作を行うための操作部材(確定操作部)として兼用している)。
【0004】
また、スロットマシンは、作業用メモリを備え、この作業用メモリに、当選役抽選に当選した旨を示す当選フラグ、現在の遊技モード、現在の遊技モードで行われた遊技回数など、遊技の進行及び実行を制御するための遊技情報を一時的に記憶している。通常は、前述した当選確率が変更されると(設定変更が行われると)、作業用メモリに記憶された全ての遊技情報が消去されるようになっているが、スロットマシンのなかには、DIPスイッチを操作することにより、作業用メモリのうち遊技情報を消去する記憶領域を選択できるようにしたものもある(下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−177578号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1記載の装置は、遊技情報を消去する記憶領域を選択できるものの、DIPスイッチ設ける分コストが高くなり、また、遊技情報を消去する記憶領域を選択するための操作が煩わしいといった問題があった。
【0007】
本発明は、上記背景を鑑みてなされたものであり、簡単な操作で作業用メモリのうち遊技情報を消去する記憶領域を選択でき、かつ、コストを抑えることが可能な遊技機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明のスロットマシンは、当選役抽選を行って、複数種類の当選役のいずれかまたはハズレを決定する当選役決定手段と、前記当選役抽選で当選役が当選する当選確率を変更する設定変更手段とを備え、遊技モードから設定変更モードへと切り替え、当選確率を選択した後に確定操作を行って当選確率を確定することで当選確率が変更されるスロットマシンにおいて、遊技を開始するためのスタートレバー、クレジットされたメダルをベットするためのベットボタン、リールの回転を停止するためのストップボタンのうちいずれかが前記確定操作に兼用される確定操作部として設定されており、前記設定変更手段は、設定された確定操作部が前記設定変更モード中に操作された際に前記当選確率の変更を行うとともに、複数の記憶領域を有し、過去の遊技結果と現在の遊技状態との少なくとも一方を含む複数種類の遊技情報を、遊技情報の種類に対応する記憶領域に一時的に記憶する作業用メモリと、前記当選確率の変更が行われた際に、記憶領域に記憶された遊技情報を消去する記憶制御手段とを備え、前記記憶制御手段は、所定条件下で確定操作部を操作した場合と、所定条件下以外で確定操作部を操作した場合とで、消去する記憶領域の範囲を異ならせていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、当選確率を確定するための確定操作部を所定条件下で操作するか否かといった簡単な操作により、作業用メモリのうち遊技情報を消去する記憶領域を選択できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】スロットマシンの外観図である。
【図2】下扉を開放した状態を示すスロットマシンの外観図である。
【図3】設定変更モードへ移行させる際や設定変更モードで操作される操作部材の説明図である。
【図4】スロットマシンの電気的な構成を示すブロック図である。
【図5】RAMが複数の記憶領域に区画され、各記憶領域に予め定められた種類の遊技情報が記憶されている様子を示す説明図である。
【図6】設定変更時に操作された確定操作部の種類に対応した遊技情報が消去される流れを示すフローチャートである
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1に示すように、スロットマシン10は、収納箱12と前面扉14とを備えている。収納箱12は、前面に開口が形成されており、内部にはスロットマシン10を構成する各種部品が収められている。前面扉14は、上扉14aと下扉14bとからなる。上扉14a、及び、下扉14bは、収納箱12の前面に軸着されており、開き位置と閉じ位置との間で開閉自在に保持されている。
【0012】
上扉14aには、表示窓16が設けられている。表示窓16の奥には第1リール18a、第2リール18b、第3リール18cが設けられている。第1〜第3リール18a〜18cの外周面には複数種類の図柄が配列されており、リールが停止すると表示窓16を通して1リール当たり3個の図柄が表示される。スロットマシン10では、各リールの図柄を1個ずつ組み合わせた直線状の入賞ラインが横に3本、斜めに2本の合計5本設定されている。そして、第1〜第3リール18a〜18cが停止したときに入賞ライン上に停止した図柄の組み合わせによって当選役が入賞したか否かが報知される。
【0013】
また、上扉14aには、表示装置20が設けられている。スロットマシン10は、第1〜第3リール18a〜18cを回転させて遊技を行う遊技モードと、ベット枚数に対する払い出し枚数の比率(ペイアウト率)の設定を変更する設定モード(設定変更モード)とを備えている。そして、設定モードでは、表示装置20にペイアウト率の設定が表示されるようになっている。スロットマシン10では、ペイアウト率の設定として、設定1〜6の6段階の設定が用意されており、表示装置20には、設定1〜6に対応する「1」〜「6」の数値のいずれかが表示される。
【0014】
下扉14bには、メダルを投入するためのメダル投入口22、メダルの払い出される払い出し口24、払い出し口24から払い出されたメダルを貯留する受け皿26が設けられている。また、下扉14bには、ベットボタン30、スタートレバー32、第1ストップボタン34a、第2ストップボタン34b、第3ストップボタン34cが設けられている。
【0015】
ベットボタン30は、遊技モードではクレジットされたメダルをベットするための操作部材として機能し、設定モードでは選択されたペイアウト率を確定するための確定操作部として機能する。スタートレバー32は、遊技モードでは遊技を開始するための操作部材として機能し、設定モードではベットボタン30と同様に選択されたペイアウト率を確定するための確定操作部として機能する。このように、ベットボタン30とスタートレバー32は、操作に割り当てられた機能が遊技モードと設定モードとで異なっている。一方、各ストップボタン34a〜34cは、遊技モードでのみ機能し、各リール18a〜18cを停止する際に操作される。
【0016】
スロットマシン10は、遊技モードにおいてメダル投入口22メダルを投入、または、ベットボタン30を操作すると、メダルがベットされてスタートレバー32が有効化される。そして、有効化されたスタートレバー32が操作されると、これに伴って遊技が開始される。
【0017】
遊技が開始されると、当選役抽選が行われて複数種類の当選役のいずれか又はハズレが決定されるとともに、各リール18a〜18cが一斉に回転を開始する。この後、各ストップボタン34a〜34cが有効化され、この有効化の後、ストップボタン34a〜34cが操作されると、操作されたストップボタンに対応するリールの回転が停止される。そして、全てのリールが停止することで1回の遊技が終了し、この遊技の結果、当選役抽選で決定された当選役が入賞(当選役抽選で決定された当選役に対応する図柄が入賞ライン上に停止)すると、入賞した当選役に対応付けされた処理が実行される。
【0018】
スロットマシン10には、当選役として、リプレイ、小役、BB(ビックボーナス)、が設けられており、リプレイが入賞すると、メダルのベットなしに次回の遊技が可能な状態となる。また、小役が入賞すると、入賞した小役の種類に対応する枚数のメダルが払い出し口24から受け皿26に払い出される。さらに、BBが入賞すると、遊技モードの1つであるBBモードへと移行する。
【0019】
BBモードは、後述する他の遊技モードよりも所定の小役の当選確率(当選役抽選で決定される確率)が高く設定されたモードであり、所定枚数のメダルが払い出されると終了する。なお、リプレイと小役は、当選役抽選に当選した回の遊技で入賞させることができないと入賞の権利が消滅し(いわゆる取りこぼしとなり)、BBは、当選役抽選に当選した回の遊技で入賞させることができなかった場合でも次回以降の遊技に入賞の権利が持ち越される。
【0020】
スロットマシン10には、遊技モードとして前述したBBモードの他、通常モード、第1RT(リプレイタイム)モード、第2RTモード(不利モード)が設けられている。通常モードは、リプレイの当選確率が第2RTモードよりも高く設定されたモードであり、第2RTモードの終了後に移行され、BBが入賞すると終了する。
【0021】
第1RTモードは、通常モードと同様にリプレイの当選確率が第2RTモードよりも高く設定されるとともに、当選役抽選で当選した小役の種類を報知して取りこぼしを防止できるモードであり、BBモードの終了後に移行され、BBが入賞するか第1所定回数(例えば、100回)の遊技が行われると終了する。第2RTモードは、第1RTモードの終了後に移行され、BBが入賞するか第1所定回数よりも多い第2所定回数(例えば、1000回)の遊技が行われると終了する。
【0022】
第2RTモードは、BBモードと比較すると所定の小役の当選確率が低く、通常モードや第2RTモードと比較するとリプレイの当選確率が低いので、遊技モードの中では最も遊技者にとって不利なモードである。また、第2RTモードは、通常モードへ移行する前に移行することや一端移行するとBBが入賞するか第1RTモードよりも多い第2所定回数の遊技が実行されないと終了しないので、遊技者はほとんどの時間第2RTモードで遊技を行うこととなる(遊技者は、第2RTモードがあたかも通常状態のように感じ、通常モードがチャンス状態のように感じる)。一方で、第2RTモードは、BBが入賞しなくても第2所定回数の遊技を行えば終了し、より有利な遊技モード(本実施形態では通常モード)へと移行する。このため、遊技者は、第2RTモードでの遊技回数が第2所定回数に近づくほど期待をもって遊技を行うことができる。
【0023】
図2、図3に示すように、下扉14bの背後には、設定モードへ移行させる際に操作されるキースイッチ40、電源のオンオフを行うための電源スイッチ42、ペイアウト率の設定を選択するための設定選択ボタン44が設けられている。スロットマシン10は、キースイッチ40に設定変更キー46を差し込んで回動することによってキースイッチ40をオンにし、この状態で電源スイッチ42をオンにすることによって設定モードへと移行する。
【0024】
設定モードにおいて設定選択ボタン44を押下すると、押下毎にペイアウト率の設定が設定1→設定2→設定3→設定4→設定5→設定6→設定1・・・の順番で順次選択されていく。そして、このようにペイアウト率の設定を選択した後、ベットボタン30、または、スタートレバー32のいずれか一方を操作すると選択された設定が確定され、確定された設定へと変更される。この後、設定変更キー46を回動させてキースイッチ40をオフにすると、遊技モードへと移行される。
【0025】
図4に示すように、スロットマシン10の内部には、スロットマシン10の各部を統括的に制御する制御部(当選役決定手段、設定変更手段、記憶制御手段)50が設けられている。制御部50には、前述した表示装置20や、ベットボタン30、スタートレバー32、ストップボタン34a〜34c、キースイッチ40、電源スイッチ42、設定選択ボタン44の他、メモリ52が接続されている。
【0026】
メモリ52には、ROM54と、RAM56とが設けられている。ROM54には、遊技の実行処理で使用される遊技実行プログラムや遊技実行データ、各種設定情報などが記憶されており、制御部50は、遊技実行プログラムや遊技実行データに基づいて、スロットマシン10の各部の駆動制御を行う。また、ROM54には、ペイアウト率の設定に対応する複数の抽選テーブルが設けられており、制御部50は、現在のペイアウト率の設定に対応する抽選テーブルを用いて当選役抽選を行う。
【0027】
RAM56は、現在の遊技状態と過去の遊技状態との少なくとも一方を含む複数種類の遊技情報を一時的に記憶するための作業用メモリであり、第1RTモードの残り遊技回数や第2RTモードの残り遊技回数、ペイアウト率の設定、エラー履歴などが遊技情報として記憶される。RAM56は、複数の記憶領域を備えており、各記憶領域には予め定められた種類の遊技情報が記憶されるようになっている。
【0028】
本実施形態では、RAM56として、電気的にデータの記録及び消去が可能であるとともに、通電を停止(スロットマシン10の電源をオフ)しても記憶内容が保存される不揮発性メモリ(例えば、フラッシュメモリ)を用いている。また、本実施形態では、図5に示すように、RAM56に、第1、第2、第3の3つの記憶領域56a、56b、56cを設け、第1記憶領域56aに第1RTモードの残り遊技回数を記憶させ、第2記憶領域56bに第2RTモードの残り遊技回数を記憶させ、第3記憶領域56cにペイアウト率の設定とエラー履歴とを記憶させている。
【0029】
図6に示すように、制御部50は、キースイッチ40がオンされた状態で電源スイッチ42がオンされると、スロットマシン10を設定モードへと移行させる。設定変更モードにおいて制御部50は、選択されているペイアウト率の設定の表示を開始するとともに、ベットボタン30、もしくは、スタートレバー32が操作されたか否かの監視を開始する。
【0030】
そして、制御部50は、設定モード中にベットボタン30が操作されると、RAM56の第1記憶領域56aに記憶された遊技情報と第2記憶領域56bに記憶された遊技情報とを消去する。この後、制御部50は、この時点で選択されている設定(表示装置20に表示されている設定)へ、ペイアウト率の設定を変更する(RAM56の第3記憶領域56cの内容を書き換える)。
【0031】
他方、設定モード中にスタートレバー32が操作されると、制御部50は、RAM56の第1記憶領域56aに記憶された遊技情報のみを消去し、第2、第3記憶領域56b、56cに記憶された遊技情報を消去することなく保持する。この後、制御部50は、この時点で選択されている設定へ、ペイアウト率の設定を変更する。
【0032】
また、制御部50は、設定モード中にキースイッチ40がオフとなった場合、スロットマシン10を遊技モードへと移行させるとともに、このモード移行時にRAM56を参照し、遊技の途中経過が記録されている場合、中断されていた状態から遊技を再開させる。すなわち、RAM56の第2記憶領域56bに第2RTモードの残り遊技回数が記憶されている場合、第2RTモードの途中から遊技を再開させる。一方、遊技の途中結果が記憶されていない場合、制御部50は、通常モードで新たな遊技を開始させる。
【0033】
このように、スロットマシン10は、設定変更を行う際にベットボタンを操作するか、スタートレバーを操作するかといった簡単な操作により、作業用メモリのうち遊技情報を消去する記憶領域を選択できる。また、遊技モードで用いられるベットボタンとスタートレバーを、遊技情報を消去する記憶領域の選択に兼用したので、遊技情報を消去する記憶領域を選択するための専用の操作部材を設ける場合と比較してコストを抑えることができる。
【0034】
また、前述のようにスロットマシン10では第2RTモードの残り遊技回数が少なくなるほどより有利な状態へと近づくので、設定変更時に第2RTモードの残り遊技回数が消去されてしまうと遊技者の興趣を低下させてしまうといった問題があるが、スロットマシン10によれば、スタートレバーを操作して設定変更を行うことで第2RTモードの残り遊技回数が消去されることなく保持されるので、上述した問題を防止できる。また、遊技店側の事情などにより第2RTモードの残り遊技回数を消去したい場合は、ベットボタンを操作して設定変更することで第2RTモードの残り遊技回数を消去できるので便利である。
【0035】
なお、本発明の細部の構成は、上記実施形態に限定されず適宜変更できる。例えば、RAMに設ける記憶領域の数、各記憶領域に記憶させる遊技情報の数や種類、及び、設定変更時に操作された確定操作部の種類と設定変更に伴って消去するRAMの記憶領域の種類や数との対応関係は適宜変更できる。そして、これらを変更することで、設定変更時に操作された確定操作部の種類と、このとき消去される遊技情報の種類や数との関係を自由に設定できる。
【0036】
例えば、上記実施形態では、設定変更時にいずれの確定操作部を操作するかによって、第2RTモードの残り遊技回数を消去するか否かを選択させる例で説明をしたが、本発明はこれに限定されるものではない。設定変更時にいずれの確定操作部を操作するかによって、第1RTモードの残り遊技回数を消去するか否かを選択させてもよい。
【0037】
この場合、RAMの第1記憶領域に第2RTモードの残り遊技回数を記憶させ、RAMの第2記憶領域に第1RTモードの残り遊技回数を記憶させればよい。また、RAMの各記憶領域に記憶する遊技情報の種類は上記実施形態と同じとし、設定変更時に一方の確定操作部(例えば、ベットボタン)が操作された場合は、RAMの第1、第2の両記憶領域に記憶された遊技情報を消去し、設定変更時に他方の確定操作部(例えば、スタートレバー)が操作された場合は、RAMの第2記憶領域に記憶された遊技情報を消去してもよい。
【0038】
同様に、RAMの各記憶領域に記憶させる遊技情報の数や種類、及び、設定変更時に操作された確定操作部の種類と設定変更に伴って消去するRAMの記憶領域の種類や数との対応関係を変更し、設定変更時にいずれの確定操作部を操作するかによって、BBモードの残り遊技回数を消去するか否かを選択させてもよい。さらに、設定変更時に一方の確定操作部が操作された場合は、第1、第2の両RTモードの残り遊技回数を消去し、設定変更時に他方の確定操作部が操作された場合は、第1、第2の両RTモードの残り遊技回数を消去することなく保持するといったように、設定変更時にいずれの確定操作部を操作するかによって、2種類以上の遊技情報をまとめて消去するか否かを選択させてもよい。
【0039】
また、上記実施形態では、ベットボタンとスタートレバーを確定操作部として兼用する例で説明をしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ベットボタンとストップボタンを確定操作部として兼用し、これらのいずれを操作するかによって所定の遊技情報(上記実施形態では、RAMの第2記憶領域に記憶された遊技情報)を消去するか否かを選択させてもよい。また、スタートレバーとストップボタンを確定操作部として兼用し、これらのいずれを操作するかによって前記選択を行ってもよい。もちろん、ストップボタンが複数設けられている場合は、いずれのストップボタンが操作されたかによって前記選択を行ってもよい。
【0040】
さらに、上記実施形態では、2つの確定操作部のいずれを操作するかによって2通りの選択を行う例で説明をしたが、3つ確定操作部を設け3通り以上の選択を行ってもよい。この場合、例えば、ベットボタン、スタートレバー、ストップボタンのいずれを操作するかによって3通りの選択を行うことや、3つのストップボタンのいずれを操作するかによって3通りの選択を行うことが考えられる。また、ベットボタンと、スタートレバーと、3つストップボタンとのいずれを操作するかによって5通りの選択を行ってもよい。こうすることによって、より多くの種類の遊技情報について、消去するか否かを選択できるようになるので便利である。
【0041】
また、上記実施形態では、設定変更時に操作された確定操作部の種類がいずれであるかといった条件に基づいて、所定の遊技情報を消去するか否かが決定される例で説明をしたが、本発明はこれに限定されるものではない。上記実施形態以外の条件を満たしているか否かに基づいて、所定の遊技情報を消去するか否かを決定してもよい。
【0042】
この場合、例えば、設定変更直前の遊技モードが第1、第2RTモードのいずれかであった場合は、第2RTモードの残り遊技回数を消去することなく保持し、設定変更直前の遊技モードが第1、第2RTモードのいずれでもない場合は、第2RTモードの残り遊技回数を消去するといったように、設定変更直前の遊技状態に基づいて、所定の遊技情報を消去するか否かを決定するといったことが考えられる。
【0043】
さらに、設定変更前後でペイアウト率の設定が同じである場合(同一設定への打ち変えがなされた場合)は、第2RTモードの残り遊技回数を消去せずに保持し、これ以外の場合は、第2RTモードの残り遊技回数を消去したり、ペイアウト率の設定が設定1に変更された場合は、第2RTモードの残り遊技回数を消去せずに保持し、これ以外の場合は、第2RTモードの残り遊技回数を消去するといったように、設定変更前後のペイアウト率の設定に基づいて、所定の遊技情報を消去するか否かを決定してもよい。
【0044】
また、BBモードが終了すると一端遊技の進行が停止され、遊技店の店員がこの状態を解除するまで遊技を再開できなくする止め打ち機能を備えるとともに、この止め打ち機能の有効/無効を切り替えることが可能なスロットマシンにおいて、止め打ち機能が有効化されている場合は、第2RTモードの残り遊技回数を消去せずに保持し、止め打ち機能が無効化されている場合は、第2RTモードの残り遊技回数を消去するといったことも考えられる。
【0045】
もちろん、上記実施形態の条件(設定変更時にいずれの確定操作部が操作されたか)や、これ以外の条件(設定変更直前の遊技状態や、設定変更前後のペイアウト率の設定や、止め打ち機能が有効化されているか否かなど)のなかから2つ以上の条件を組み合わせ、組み合わせた条件の全てを満たした場合にのみ、所定の遊技情報を消去してもよい。この場合、例えば、設定モードに移行される直前の遊技モードが第2RTモードであり、かつ、設定変更時に一方の確定操作部(例えば、ベットボタン)が操作された場合にのみ、第2RTモードの残り遊技回数を消去せずに保持するなどといったことが考えられる。
【0046】
また、同一設定への打ち変えがなされ、かつ、設定変更時に一方の確定操作部が操作された場合にのみ、第2RTモードの残り遊技回数を消去せずに保持してもよい。さらに、止め打ち機能が有効化されており、かつ、設定変更時に確定操作部の一方が操作された場合にのみ、第2RTモードの残り遊技回数を消去せずに保持してもよい。なお、同一設定への打ち変えがなされ、かつ、止め打ち機能が有効化されており、さらに、設定変更時に確定操作部の一方が操作された場合にのみ、第2RTモードの残り遊技回数を消去するといったように、組み合わせる条件は3つ以上であってもよい。
【0047】
さらに、上記実施形態の条件や、これ以外の条件、または、複数の条件の組み合わせに基づいて、消去する遊技情報の種類(作業用メモリの記憶領域のうち遊技情報を消去する遊技領域の種類)を決定するといったことも考えられる。この場合、例えば、設定変更で設定1に変更された場合は、第1RTモードの残り遊技回数を消去して第2RTモードの残り遊技回数を保持し、設定2に変更された場合は、第1RTモードの残り遊技回数を保持して第2RTモードの残り遊技回数を消去し、設定3に変更された場合は、第1、第2RTモードの残り遊技回数を両方とも消去し、設定4に変更された場合は、第1、第2RTモードの残り遊技回数を両方とも保持するといったように、設定変更後のペイアウト率の設定に基づいて、消去する遊技情報の種類を決定するといったことが考えられる。
【0048】
また、設定変更直前の遊技モードが第1RTモードであり、かつ、設定変更時に一方の確定操作部が操作された場合は、第1RTモードの残り遊技回数を消去せずに保持し、設定変更直前の遊技モードが第1RTモードであり、かつ、設定変更時に他方の確定操作部が操作された場合は、第1RTモードの残り遊技回数を消去し、設定変更直前の遊技モードが第2RTモードであり、かつ、設定変更時に一方の確定操作部が操作された場合は、第2RTモードの残り遊技回数を消去せずに保持し、設定変更直前の遊技モードが第2RTモードであり、かつ、設定変更時に他方の確定操作部が操作された場合は、第2RTモードの残り遊技回数を消去してもよい。もちろん、上述した例に限定されず、組み合わせる条件の種類や数、並びに、条件を満たしたときに消去する遊技情報の種類は適宜変更できる。
【0049】
なお、上記実施形態では、機械式のリールを備え、このリールを実際に回転させるスロットマシンに本発明を適用したが、例えば、液晶ディスプレイ上でリールの回転表示を行うスロットマシンや、遊技球を遊技媒体として用いるスロットマシンなどに本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0050】
10 スロットマシン
20 表示装置
30 ベットボタン
32 スタートレバー
34a、34b、34c ストップボタン
40 キースイッチ
42 電源スイッチ
44 設定選択ボタン
46 設定変更キー
50 制御部(当選役決定手段、設定変更手段、記憶制御手段)
52 メモリ
56 RAM(作業用メモリ)
56a、56b、56c 記憶領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
当選役抽選を行って、複数種類の当選役のいずれかまたはハズレを決定する当選役決定手段と、前記当選役抽選で当選役が当選する当選確率を変更する設定変更手段とを備え、遊技モードから設定変更モードへと切り替え、当選確率を選択した後に確定操作を行って当選確率を確定することで当選確率が変更されるスロットマシンにおいて、
遊技を開始するためのスタートレバー、クレジットされたメダルをベットするためのベットボタン、リールの回転を停止するためのストップボタンのうちいずれかが前記確定操作に兼用される確定操作部として設定されており、前記設定変更手段は、設定された確定操作部が前記設定変更モード中に操作された際に前記当選確率の変更を行うとともに、
複数の記憶領域を有し、過去の遊技結果と現在の遊技状態との少なくとも一方を含む複数種類の遊技情報を、遊技情報の種類に対応する記憶領域に一時的に記憶する作業用メモリと、
前記当選確率の変更が行われた際に、記憶領域に記憶された遊技情報を消去する記憶制御手段とを備え、
前記記憶制御手段は、所定条件下で確定操作部を操作した場合と、所定条件下以外で確定操作部を操作した場合とで、消去する記憶領域の範囲を異ならせていることを特徴とするスロットマシン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−107015(P2013−107015A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−51780(P2013−51780)
【出願日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【分割の表示】特願2009−109022(P2009−109022)の分割
【原出願日】平成21年4月28日(2009.4.28)
【出願人】(390031772)株式会社オリンピア (2,719)
【Fターム(参考)】