説明

センサ装置

【課題】改良されたセンサ装置を提供することである。
【解決手段】センサ装置は、タイプ、計測範囲、較正日時、通し番号、製造業者などのような圧電センサの特有なデータが格納されるデータ媒体を備える。評価デバイスの調整のために、データ媒体から評価デバイスへデータを直接伝送することができる。圧電センサからの計測信号およびデータ媒体からのデータ信号は、プラグを介して評価デバイスへ伝送される。データ媒体は、プラグに接続された、すなわちプラグ格納部内の圧電センサから離して配置され、その後、圧電センサに接続される。したがって、圧力、加速度または力を決定するための圧電センサは温度が上がる領域内での使用に適する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立請求項1の前書き部分によるセンサ装置に関し、ならびに、こうしたセンサ装置を有する燃焼機関に関する。
【背景技術】
【0002】
圧力、力、加速度、温度を計測するセンサは、計測技術においてしばしば適用され、また使用される。これらのセンサは、しばしばそれ自体の個性を有する。すなわち、同じタイプおよび同じ構造のセンサ自体が異なる感度または他の特性を有する。単一タイプのセンサのみが特定の計測セットアップにおいて使用される限りは、個々のセンサに合わせた評価デバイスの個別の調整は、依然として良好にまた確実に行うことができる。
【0003】
同じ構造サイズの複数のセンサが使用される場合、または、取り付けられた状態で、コネクタ・プラグだけがアクセス可能である場合、たとえば、燃焼機関、ガスまたは蒸気タービン、ダイカスト装置、ダイカスト・ツール、押し出し加工機、または打ち抜き加工機などの場合、またはそうでない場合は力、圧力および/または加速度を計測する際に、混乱を防ぐのはますます難しい。したがって、センサ自体の個別データを混乱させることが不可能であることは重要である。データ・シートは、その形態において常に、明確にかつ混乱させないように割り当てられるべきである。
【0004】
したがって、今日、加速度センサ、圧力センサまたは力センサなどのセンサ、たとえば、圧電センサに電子媒体の形態でデータ・シートを割り当てることが公知である。感度、較正日、センサ・タイプ、通し番号、較正を行った人などのデータを、この電子媒体、たとえば、EPROMに格納することが可能である。さらに、センサの計測データが評価のために伝送される評価デバイスのための調整パラメータを、媒体上に直接格納することも可能である。媒体からのこれらのデータによって、センサは、センサ自体によって直接に評価デバイスを調整する。
【0005】
計測データを評価する際に必要とされる安全性を得るために、これらの電子媒体に関してもまた、明確に相互にセンサとデータ媒体を割り当てることが当然必要とされ、それは、たとえば、データ媒体をセンサの格納部に一体にする、すなわち、組み込むことによって達成できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
高温を受ける環境において、圧電式圧力センサのようなセンサを使用する時、センサ格納部に組み込まれたデータ媒体を有するセンサはもはや適さない。EPROMのような電子データ・メモリは、150℃から200℃を超える温度ではもはや動作せず、破壊される。
【0007】
したがって、データ媒体は、可能であれば、センサに不可分に接続されている高温領域の外側で、実際のセンサから離して取り付けなければならない。
【0008】
圧力センサのような圧電センサにおいて、計測信号の伝送は高抵抗の方法で行われる。通常、データ媒体のデータは、低抵抗の方法で伝送される。したがって、計測データと媒体のデータの伝送は、有利には、個別の導電体を介して運ばれなければならない。このことによって、複数の接続ケーブルを使用することになり、適度な価格での小型化ができなくなる。さらに、データ媒体がセンサ収納部の外側に不可分な方法で配置されなければならない場合には、別の困難さが生ずる。
【0009】
この点で、本発明の目的は、改良されたセンサ装置を提供することである。構成原理は、計測信号、および評価デバイスへの接続を有するデータ媒体からのデータ信号を伝送することを可能にし、かなりの小型化を可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、この目的は、独立請求項1の特徴部分の特徴を有するセンサ装置によって解決される。本発明によれば、エンジンには、少なくとも1つのこうしたセンサ装置が装備されている。従属請求項は、本発明の有利な実施形態に関する。
【発明の効果】
【0011】
センサによって生成された計測信号およびデータ信号を、特殊な方法でセンサ装置のプラグのピン部および耳部(ears)に導くことによって、接続線およびセンサ装置のプラグを小型化した構成で設計することができる。たとえば、センサが高温領域で使用されるために、データ媒体をセンサに一体化することが不可能な場合、データ媒体は、より大きな寸法を有するプラグを選択することを要求することなく、プラグ領域に一体化することができる。一方、このことは、ソケット・スパナのような、通常の取り付けツールの使用を可能にする。それは、据付の際にソケット・スパナによって、センサ装置のプラグとケーブルを案内することによってである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明によるデータ媒体を有するセンサ装置のための接続図である。
【図2】データ媒体と、センサからプラグへの同軸ケーブルの、また前記プラグから評価デバイスへの3軸ケーブルの接続とを有するセンサ装置を概略的に示す図である。
【図3】図2の、評価デバイスへ向かう、センサ、同軸ケーブル、プラグおよび3軸ケーブルの配置を示す外面略図である。
【図4】3軸ケーブルの構造を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下において、本発明の実施形態およびその一部を示す略図に関して本発明の詳細が述べられる。
【0014】
センサ装置1のセンサ11から、接地線12および計測信号線13がプラグ14に通じる。データ媒体10、たとえばEPROMチップ上に、センサ11に特有のデータが格納される。データ媒体10は、センサ11と接地線12を共有する。データ媒体10からのデータ線15もまたプラグ14に通じる。接地線12および計測信号線13は、同軸ケーブルの導電体とシールドであってもよい。
【0015】
一方、図2および図3において、計測信号線13および接地線12は、たとえばシールドされた同軸ケーブル16を通して、プラグ14のピンおよび接点に案内される。プラグ14の部品141にデータ媒体10が配置される。プラグ格納部の部品141は導電性を有し、接地線12に接続される。3軸出力を有する第1プラグ14から、計測信号およびデータ信号が、たとえば3軸ケーブル17によって別のプラグ18に案内され、別のプラグ18は、示されている実施例において、評価デバイス19の入力に接続される。
【0016】
最後に、図4は、導電体41、第1絶縁層42、第1シールド43、第2絶縁層44、第2シールド45および外部第3絶縁層46を有する3軸ケーブル4の構造を示す。
【0017】
センサ装置の一部は、データ媒体であり、データ媒体上には、タイプ、計測範囲、較正日時、通し番号、製造業者などのようなセンサの特有なデータが格納される。評価デバイスの調整のために、データ媒体から評価デバイスへデータを直接伝送することができる。センサからの計測信号およびデータ媒体からのデータ信号は、ケーブル及びプラグを介して評価デバイスへ伝送される。データ媒体は、プラグに接続されたセンサから離れて、たとえばプラグ収納部内に配置され、その後、センサにしっかりと接続される。したがって、圧力、加速度または力を決定するためのセンサ、たとえば圧電センサは、温度が上がる環境内での使用に適する。前記プラグおよび前記ケーブルの最大直径は、センサ取り付け領域におけるセンサ格納部の直径と多くとも同じかまたは、それより小さいことが好ましい。前記センサ取り付け領域における前記センサ格納部の直径は、多くとも10mm、好ましくは多くとも5mmまたは6mmである。
【符号の説明】
【0018】
1 センサ装置
4 3軸ケーブル
10 データ媒体
11 センサ
12 接地線
13 計測信号線
14、18 プラグ
15 データ線
16 同軸ケーブル
17 3軸ケーブル
19 評価デバイス
41 導電体
42 第1絶縁層
43 第1シールド
44 第2絶縁層
45 第2シールド
46 外部第3絶縁層
141 部品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電センサと、付属データ媒体と、前記圧電センサからの計測信号および前記データ媒体からのデータ信号をプラグを介して評価デバイスへ伝送する接続部とを有するセンサ装置において、前記データ媒体は、前記接続部において前記圧電センサから離して配置されていることを特徴とするセンサ装置。
【請求項2】
前記圧電センサが加速度センサ、荷重センサまたは圧力センサである請求項1によるセンサ装置。
【請求項3】
前記圧電センサから前記評価デバイスへの前記接続部は、前記圧電センサと前記プラグの間の同軸ケーブルと、前記プラグと前記評価デバイスの間の3軸ケーブルとを有している、請求項1又は2によるセンサ装置。
【請求項4】
前記データ媒体は、前記圧電センサに接続されたプラグ内に配置され、前記計測信号および前記データ信号は、前記プラグを介して導かれる、請求項1から3のいずれか一項によるセンサ装置。
【請求項5】
前記プラグおよび前記ケーブルの最大直径は、圧電センサを格納している部分の直径以下である、請求項1から4のいずれか一項によるセンサ装置。
【請求項6】
圧電センサを格納している部分の直径は10mm以下である、請求項1から5のいずれか一項によるセンサ装置。
【請求項7】
前記圧電センサからの計測信号線および前記データ媒体からのデータ信号線は、共通接地線を有する、請求項1から6のいずれか一項によるセンサ装置。
【請求項8】
前記データ媒体において、製造業者、計測範囲および/または較正データなど前記付属センサの特定データが、読み出し可能な態様で格納されている、請求項1から7のいずれか一項によるセンサ装置。
【請求項9】
シリンダ圧力を決定するための、請求項1から8のいずれか一項によるセンサ装置を有する燃焼機関。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−2461(P2011−2461A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−166828(P2010−166828)
【出願日】平成22年7月26日(2010.7.26)
【分割の表示】特願2002−298119(P2002−298119)の分割
【原出願日】平成14年10月11日(2002.10.11)
【出願人】(502281471)キストラー ホールディング アクチエンゲゼルシャフト (45)
【Fターム(参考)】