説明

ゼロ電流スイッチングおよび任意周波数のパルス幅変調を利用した共振インバータの駆動方法

【課題】ガス放電ランプに電力を供給する電子安定器に使用されるような共振インバータの周波数変調制御で、インバータトランジスタのゼロ電圧スイッチングを確実に行う。
【解決手段】インバータ回路10は、DC源16と直列共振回路22とに接続されるハーフブリッジインバータ14を備える。ハーフブリッジインバータ14は、トップインバータスイッチ28とボトムインバータスイッチ30とを有し、トップインバータスイッチ28とボトムインバータスイッチ30との切り替えをインバータ駆動回路で行う。インバータ駆動回路は、共振インダクタ24に流れる電流ILを検出し、ゼロクロス検出回路32で、(a)共振回路22の共振周波数に近い周波数で、(b)共振インダクタ24を流れる電流の特定の変化率と同期して、トップインバータスイッチ28とボトムインバータスイッチ30との切替を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、ガス放電ランプに電力を供給する電子安定器に使用されるような共振インバータに関する。より詳細には、本発明は、ガス放電ランプの安定した駆動を実現し、ガス放電ランプへの電力を制御する共振インバータ型の電子安定器の駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子安定器は、一般に、蛍光ランプのようなガス放電ランプに電力を供給するために使用される。典型的な電子安定器は、インバータ駆動回路で駆動されるハーフブリッジ型の共振インバータを備える。インバータ駆動回路は、インバータ自身の共振周波数またはその付近でインバータが動作するように、トップインバータスイッチとボトムインバータスイッチとのスイッチングを制御する。駆動可能な共振インバータを使用すれば、インバータ周波数および/またはインバータ出力のパルス幅を変えることによって、(調光および/または安定電力の調整のために)ランプ電力を制御できる。
【0003】
電子安定器の設計・動作において、ランプを安定して駆動することは重要である。様々な用途のために、理想的な共振インバータは、インバータで生成された全ての電流がランプに流れるようにオープンループの出力インピーダンスが無限大である理想的な電流源として作用する。また、構成要素のストレスを低減しながらも最適な効率を達成するために、インバータトランジスタのゼロ電圧スイッチングを確実に行える共振インバータを設計することが好ましい。
【0004】
しかし、電流源として作用する従来技術の共振インバータには、インバータのスイッチング方法の不備に起因する様々な問題があった。例えば、インバータ出力を制御するために周波数変調を使用すると、ゼロ電圧スイッチングを行うことができない。さらに、周波数変調では、ランプの調光時に周波数およびランプ電圧を高くしていくと、回路の構成要素および寄生容量を流れる望ましくない循環電流が生じる。対称パルス幅変調(デッドタイム変調ともいう)を用いる共振インバータであっても、ゼロ電圧スイッチングにならない可能性が高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そのため、インバータを自身の共振状態に近付けてオープンループの出力インピーダンスを最大にし、インバータトランジスタのゼロ電圧スイッチングを保証する共振インバータの駆動方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の方法は、ハーフブリッジ型に配置されたトップインバータスイッチおよびボトムインバータスイッチと、インバータの出力端間に接続された直列共振回路とを有するインバータにより実現される。また、このインバータは、トップインバータスイッチとボトムインバータスイッチとの切り替えを制御する駆動回路に接続される。直列共振回路は、共振インダクタに直列接続される共振キャパシタを備える。ガス放電ランプのような負荷は、共振キャパシタの両端間に接続される。
【0007】
本発明の方法は、共振インダクタに流れる電流が増加してゼロ軸を横切るときに、直列共振ハーフブリッジインバータのボトムスイッチをオフ、トップスイッチをオンに切り替えるステップを含む。これによって、インバータスイッチのゼロ電圧スイッチングが保証される。また、この操作は、実際のインバータ周波数が直列共振回路の共振周波数に近づくように、全体的なスイッチング期間を増加させる。インバータを共振状態に近付けると、インバータのオープンループの出力インピーダンスが増加して、ガス放電ランプのような負荷がより安定して動作する。
【0008】
オン時間制御回路を用いる場合、本発明の方法は、トップインバータスイッチのオン時間を変更することによって、負荷(例えば、ガス放電ランプ)に供給される電流を制御するステップをさらに含む。このことは、実施形態において、共振インダクタの電流が基準値に達したときにトップインバータスイッチが切り替わるように、共振インダクタに流れる電流の測定結果を次々にフィードバックすることによって実現される。実施形態2では、トップインバータスイッチがオンに切り替わったときに始動するタイマに基づいてトップインバータスイッチを切り替えることによって、トップインバータスイッチのオン時間を制御する。
【0009】
本発明の実施形態では、インバータ駆動回路は、(a)トップインバータスイッチおよびボトムインバータスイッチに接続されるスイッチング回路と、(b)共振インダクタに流れるAC負荷電流を監視するためにインバータに接続されるゼロクロス検出回路とを備える。ゼロクロス検出回路は、測定されたAC負荷電流を第1基準電流値と比較する。また、ゼロクロス検出回路は、測定されたAC負荷電流の微分を変化率基準値と比較する。測定されたAC負荷電流が第1基準電流値または第1基準電流値に近い値であり、かつ測定されたAC負荷電流の変化率が変化率基準値を上回るか下回るかのいずれか一方であるとき、ゼロクロス検出回路は、第1指示信号を生成する。好ましくは、第1参照電流値は0である。加えて、電流が正であるときに指示信号が生成されるように、変化率基準値は、好ましくは0である。
【0010】
第1指示信号は、スイッチング回路の入力に入力される。スイッチング回路は、トップインバータスイッチとボトムインバータスイッチとを切り替える動作が可能である。第1指示信号を使用することによって、スイッチング回路は、インダクタの電流が増加して共振インダクタの電流がゼロ軸と交差するときに、トップインバータスイッチをオンに切り替え、ボトムインバータスイッチをオフに切り替える。これによって、インバータスイッチのゼロ電流スイッチングが保証されるとともに全体的なスイッチング期間が増加し、その結果、インバータが共振状態に近付くように動作する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態1の概略図である。
【図2】本発明の実施形態2の概略図である。
【図3】(a)は、本発明の一形態に基づいたAC負荷電流(ILOAD)と共振インダクタ電流(ILSer)とトップインバータスイッチ(STOP)の切り替えとの間のタイミングおよび強度の関係を示すグラフ、(b)は、DC遮断キャパシタの両端間の電圧(VCser)と共振インダクタの両端間の電圧(VLSer)と共振キャパシタの両端間の電圧(VCPar)との間のタイミングおよび強度の関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本発明のインバータ回路10の実施形態1を示す。インバータ回路10は、負荷12がガス放電ランプであるときに特に有用である。好ましい実施形態は、インバータ回路のオープンループの出力インピーダンスを最大にすることによって、ランプの動作を安定させる。
【0013】
インバータ回路10は、DC源16と直列共振回路22とに接続されるハーフブリッジインバータ14を備える。インバータ14と直列共振回路22とは、通常、ガス放電ランプのような負荷12に供給される高周波・高電圧のAC電流にDC源16からのDC電圧を変換する。この実施形態では、インバータ14は、トップインバータスイッチ28とボトムインバータスイッチ30との切り替えがインバータ駆動回路によって制御される駆動式のインバータである。
【0014】
DC遮断キャパシタ19は、インバータ14と共振回路22との間に配置されていてもよい。インバータ出力18の時間と周波数と包絡線特性とは、共振回路22の特性と所望の適用例とに応じて変化する。
【0015】
好ましい実施形態では、インバータ14は、ハーフブリッジインバータ型に配置されたトップインバータスイッチ28とボトムインバータスイッチ30とを有する。好ましくは、直列共振回路22は、共振インダクタ24と共振キャパシタ26とを備える。負荷12は、共振キャパシタ26の両端間に接続されて、AC負荷電流23(図3(a)ではILOADで示す)を受け取る。
【0016】
インバータ駆動回路は、共振回路22に接続されるゼロクロス検出回路32を備える。ゼロクロス検出回路32は、(a)共振回路22の共振周波数に近い周波数で、(b)共振インダクタ24を流れる電流の特定の変化率と同期して、インバータスイッチ28,30の切り替えが起こるように、共振インダクタ24に流れる電流ILSerを監視する。電流と電流の変化率基準値とを適宜選択すれば、ゼロクロス検出回路32によって、トップインバータトランジスタ(トップインバータスイッチ)28およびボトムインバータトランジスタ(ボトムインバータスイッチ)30のゼロ電圧スイッチングが確実に行われる。
【0017】
ゼロクロス検出回路32は、共振インダクタ24に流れる電流ILSerに対応するAC電流信号25を受ける。AC電流信号25は、AC電流信号25の周波数および強度がAC負荷電流23の周波数および強度とおおよそ比例している限り、AC負荷電流23と関連したどんな電流信号であってもよい。しかしながら、AC電流信号25とAC負荷電流23とは周波数で同じであることが好ましい。共振インダクタとの誘導結合または電流検出抵抗(図示せず)の両端間の電圧の測定などの様々な周知の方法でAC電流信号25を生成できる。このことは、当業者にとって自明なことである。
【0018】
ゼロクロス検出回路32は、AC電流信号25を第1基準電流値34と比較する動作を行う。図1,2に示すように、この動作は、第1比較器35を用いることで実現される。第1比較器35は、AC電流信号25が第1基準電流値34または第1基準電流値34に近い値になったときに、電流値交差信号を出力する。
【0019】
また、ゼロクロス検出回路32は、AC電流信号25の変化率を変化率基準値36と比較する動作を行う。この動作は、電流微分(変化率)検出器42および第2比較器44を利用することで実現される。電流微分検出器42は、AC電流信号25の変化率に対応する信号を生成する。電流微分検出器42は、受動素子と能動素子とを組み合わせて構成される。例えば、電流微分検出器42は、他の受動素子または能動素子に接続されるインダクタを備えていても良い。あるいは、電流微分検出器42は、AC電流信号25の微分を算出して電流信号のおおよその変化率を出力する処理装置であっても良い。その後、この信号(電流微分検出器42で生成された信号)は、第2比較器44の一方の入力に与えられる。
【0020】
第2比較器44は、AC電流信号25の変化率を変化率基準値36と比較する。ゼロクロス検出回路32は、AC電流信号25の変化率がおおよそ変化率基準値36を上回るか下回るかのいずれか一方であれば、変化率交差信号39を生成する。論理装置33は、比較器35,44の出力に接続される。論理装置33は、電流値交差信号37が第1比較器35によって生成されるとともに変化率交差信号39が第2比較器44によって生成されたときに、第1指示信号49を生成する機能を有する。好ましくは、論理装置33は、ANDゲートである。
【0021】
ゼロクロス検出回路32は、ゼロ電圧スイッチングに必要な全ての測定結果を提供する。ゼロ電圧スイッチングは、電流が0又は0付近でインバータスイッチ28,30が切り替わるとき、および、電流の変化率が正であるときに、起こる。そのため、第1基準値34と変化率基準値36とは、0または0付近である。さらに、AC電流信号25の変化がおおよそ変化率基準値36を上回ったときに、第1指示信号49が出力される。このように、AC負荷電流23が0または0付近であり、かつAC負過電流の変化率が正であるときに、指示信号49が出力される。
【0022】
AC電流信号25の周波数は、AC負荷電流23の周波数と同じである必要はない。AC電流信号25の周波数は、AC負荷電流23の周波数とおおよそ比例する必要はある。そのため、AC負荷電流23の周波数とAC電流信号25の周波数との間の既知の比に応じて第1指示信号49が出力されるように、インバータ回路10は、追加の装置(図示せず)を備えていても良い。例えば、回路は、AC電流信号の周波数がAC負過電流23の周波数の約2倍であるなら、ゼロクロスひとつおきに指示信号49を出力させてもよい。しかしながら、好ましい実施形態では、AC電流信号は、AC負荷電流23と同じ周波数を有する。
【0023】
再び図1,2を参照すると、インバータ駆動回路は、インバータ14とゼロクロス検出回路32とに接続されるスイッチング回路38を備える。スイッチング回路38は、ゼロクロス検出回路32から出力される第1指示信号49に応答して、トップインバータスイッチ28とボトムインバータスイッチ30とを切り替える。上述したように、AC電流信号25のゼロクロス時かつAC電流信号25の変化率が正であるときに第1指示信号49を生成することが好ましい。
【0024】
図1,2に示すように、スイッチング回路38は、一方のスイッチ28,30がオンであるときに他方のスイッチ30,28がオフとなるように、トップインバータスイッチ28とボトムインバータスイッチ30とに接続される。そのため、スイッチング回路38は、セット入力Sが第1指示信号49を受け取る周知のSRフリップフロップ装置であっても良い。
【0025】
オン時間制御回路を利用してトップインバータスイッチ28のオン時間を変えることによって、負荷12に供給される電力が制御される。図1に示す実施形態では、トップインバータスイッチ28のオン時間は、共振回路22に接続された比較回路40によって制御される。比較回路40は、共振インダクタ24に接続される信号入力と、第2基準電流値41が入力される基準入力とを有する。比較回路40は、AC電流信号25を第2基準電流値41と比較する。AC電流信号25が第2基準電流値41に等しい又は第2基準電流値41に近い場合、第2指示信号50がスイッチング回路38のリセット入力Rに送られる。スイッチング回路38は、第2指示信号50に応答して、インバータスイッチ28,30の切り替えを行う。さらに詳しくは、スイッチング回路38の出力Qは、トップインバータスイッチ28に接続される。相補出力Q’は、ボトムインバータスイッチ30に接続される。一実施形態では、トップインバータスイッチ28およびボトムインバータスイッチ30は、トランジスタのベース(またはゲート)がフリップフロップの出力QおよびQ’に接続されたスイッチングトランジスタであっても良い。セット入力Sが第1指示信号49を受け取ると、出力(通常出力)Qがハイに切り替わるとともに相補出力Q’がロウに切り替わる。図3(a)では、この信号をSTOPとして示す。これによって、トップインバータスイッチ28がオンになり、ボトムインバータスイッチ30がオフになる。リセット入力Rが第2指示信号50を受け取ると、通常出力Qがロウに切り替わるとともに相補出力Q’がハイに切り替わる。これによって、トップインバータスイッチ28がオフになり、ボトムインバータスイッチ30がオンになる。
【0026】
図2に示されるインバータ回路10の第2実施形態では、トップインバータスイッチ28のオン時間は、タイマ回路41によって制御される。タイマ回路41は、好ましくは、トップインバータスイッチ28がオンになったときに起動される。その後、遅延時間後に第2指示信号50が生成されて、トップインバータスイッチ28がオフになる。好ましくは、図3(b)に示されるように、遅延時間は、AC電流信号25のピーク電流値またはその付近でトップインバータスイッチ28がオフになる時間に合わせられる。上述したように、ゼロクロス検出器32は、負荷電流が増加して0または0近くになったときに確実に切り替えを行う。
【0027】
図3(a),(b)は、インバータ回路20の動作を説明するグラフである。特に図3(a)を参照すれば、グラフは、スイッチング回路38の通常出力Qからの出力31を描いている。出力31がロウであるとき、トップインバータスイッチ28はオフになる。AC電流信号25の変化率が正であり且つAC電流信号25が0または0近くであるとゼロクロス検出回路21で決定されると、セット入力Sに第1指示信号49が入力され、出力31がハイに切り替わる。これによって、トップインバータスイッチ28がオンになる。リセット入力Rが第2指示信号を受け取ると、トップインバータスイッチ28はオフになる。図3(a)に示すように、出力31は、AC電流信号25のピーク値またはピーク値近くでロウに戻る。グラフには、結果として生じるAC負荷電流23が示されている。
【0028】
図3(b)は、インバータ回路10から結果として得られる電圧出力とDC遮断キャパシタ19の両端間の電圧59とのグラフを示す。また、共振インダクタ24の両端間の電圧60が示される。また、負荷12の両端間のAC電圧に等しい共振キャパシタ26の両端間の電圧61が示される。
【0029】
本明細書では、インバータ回路10の様々な動作が開始されるとき又は実行されるタイミングを、”おおよそ”および”近く”という語句を用いて記述している。これらの語句は、どのような電子機器であっても特定の瞬間に特定の動作を正確に行うものではないことを意味している。どれだけ正確に設計されていても実際には電子機器が100%正確に動作することはないという認識を当業者は持っている。”おおよそ”および”近く”という語句は、全ての電子機器にこのような不正確さがあることを意味する。インバータ回路10の特定の動作が基準値の”おおよそ”および”近く”で実行されるかどうかを考える際には、これらの誤差を修正するために電子回路および技術で用いられる標準誤差を考慮すべきである。
【0030】
以上、ゼロ電流スイッチングおよび任意の周波数パルス幅変調を用いる共振インバータの新規で有用な駆動方法の本発明の特定の実施形態を説明してきたが、このような言及によって、請求の範囲の記載を除いて本発明の範囲が限定されることはない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インバータ回路であって、
共振回路に接続されるインバータスイッチを備え、AC負荷電流を負荷に供給するインバータと、
上記インバータに接続され、上記インバータスイッチの切り替えを行うインバータ駆動回路とを備え、
上記インバータ駆動回路は、上記共振回路に接続され、AC電流信号を受け取るゼロクロス検出回路を備え、
上記ゼロクロス検出回路は、上記AC電流信号を第1基準電流値と比較する動作と、上記AC電流信号の変化率を変化率基準値と比較する動作と、上記AC電流信号が上記第1基準値または上記第1基準値近くであり且つ上記AC電流信号の変化率が上記変化率基準値または上記変化率基準値近くであるときに第1指示信号を生成する動作とを行うように構成され、
上記インバータ駆動回路は、さらに、上記インバータスイッチと上記ゼロクロス検出回路とに接続されるスイッチング回路を備え、
上記スイッチング回路は、上記第1指示信号に応答して上記AC電流信号の増加時に上記インバータスイッチをゼロ電流で切り替えるように構成されることを特徴とするインバータ回路。
【請求項2】
上記共振回路に接続される比較回路を備え、
上記比較回路は、上記AC電流信号を第2基準値と比較し、上記AC電流信号が上記第2基準値または上記第2基準値近くであるときに第2指示信号を生成するように動作し、
上記スイッチング回路は、上記比較回路に接続され、上記第2指示信号に応答して上記少なくとも1つの上記インバータスイッチのオン時間を制御することを特徴とする請求項1記載のインバータ回路。
【請求項3】
上記第1基準値は約0であり、
上記変化率基準値は0または0近くであり、
上記第1指示信号は、上記AC電流信号の上記変化率が上記変化率基準値を上回ったときに生成されることを特徴とする請求項1または2記載のインバータ回路。
【請求項4】
上記第2基準値は、上記AC電流信号のピーク電流値または上記ピーク電流値近くであることを特徴とする請求項2記載のインバータ回路。
【請求項5】
上記共振回路に接続され、遅延時間の後に第2指示信号を生成するタイマ回路を備え、
上記スイッチング回路は、上記タイマ回路に接続され、上記第2指示信号に対応して少なくとも1つの上記インバータスイッチのオン時間を制御することを特徴とする請求項1記載のインバータ回路。
【請求項6】
上記遅延時間は、上記AC電流信号のピーク電流値または上記ピーク電流値近くで上記少なくとも1つのインバータスイッチがオフになる時間に合わせられることを特徴とする請求項5記載のインバータ回路。
【請求項7】
上記スイッチング回路は、フリップフロップ装置であることを特徴とする請求項1記載のインバータ回路。
【請求項8】
上記ゼロクロス検出回路は、上記AC電流信号の変化率に応答する電流微分回路を備えることを特徴とする請求項1記載のインバータ回路。
【請求項9】
上記ゼロクロス検出回路は、上記AC電流信号の上記変化率と上記変化率基準値とを比較して、上記AC電流信号の上記変化率が上記変化率基準値をおおよそ上回ったときに変化率交差信号を生成する第1比較器を備えることを特徴とする請求項1記載のインバータ回路。
【請求項10】
上記変化率基準値は、上記変化率交差信号が送信されたときに上記AC電流信号の上記変化率がおおよそ正となるように、おおよそ0であることを特徴とする請求項9記載のインバータ回路。
【請求項11】
上記ゼロクロス検出回路は、
上記AC電流信号と上記第1基準電流値とを比較して、上記AC電流信号が上記第1基準電流値または上記第1基準電流値近くであるときに電流値交差信号を生成する第2比較器と、
上記第1比較器と上記第2比較器とに接続され、上記電流値交差信号と上記変化率交差信号とが上記第1比較器と上記第2比較器とで生成されたときに上記第1指示信号を生成する動作を行う論理装置とを備えることを特徴とする請求項10記載のインバータ回路。
【請求項12】
上記共振回路は、キャパシタに直列接続される共振インダクタと、上記共振インダクタに流れるAC電流に対応する上記AC電流信号とを備えることを特徴とする請求項1記載のインバータ回路。
【請求項13】
上記インバータは、トップインバータスイッチとボトムインバータスイッチとを有するハーフブリッジインバータであることを特徴とする請求項12記載のインバータ回路。
【請求項14】
ガス放電ランプに電力を供給するための電子安定器であって、以下の(a)〜(h)を備えることを特徴とする電子安定器、
(a)ハーフブリッジインバータ、上記インバータ(ハーフブリッジインバータ)は、共振キャパシタに直列接続された共振インダクタに接続されたトップインバータスイッチおよびボトムインバータスイッチを有する、
(b)ゼロクロス検出回路とスイッチング回路とを備えるインバータ駆動回路、上記スイッチング回路は、第1および第2制御入力を有する、
(c)上記ゼロクロス検出回路は、上記スイッチング回路の上記第1制御入力に接続される出力を有し、上記共振インダクタに接続される、
(d)上記スイッチング回路の上記第2制御入力に接続されて第2指示信号を出力する出力を有するオン時間制御回路、
(e)上記トップインバータスイッチとボトムインバータスイッチとにそれぞれ接続されるトップ制御出力とボトム制御出力とを有する上記スイッチング回路、
(f)上記共振インダクタに流れるAC電流に応答して、上記共振インダクタの電流が増加してゼロ電流軸と交差するときに、上記スイッチング回路の上記第1制御入力に第1指示信号を与える上記ゼロクロス検出回路、
(g)上記第1指示信号に応答して、上記共振インダクタの電流が増加して上記ゼロ電流軸と交差するときに、上記トップインバータスイッチをオンにし、上記ボトムインバータスイッチをオフにする上記スイッチング回路、
(h)上記第2指示信号に応答して上記トップインバータスイッチの上記オン時間を制御する上記スイッチング回路。
【請求項15】
上記オン時間制御回路は、基準入力と、上記共振インダクタに接続される信号入力と、上記スイッチング回路の上記第2制御入力に接続される出力とを備え、
比較回路は、上記共振インダクタに流れる上記AC電流に応答し、上記共振インダクタの電流が上記基準入力に与えられる基準レベルを超えるときに上記スイッチング回路の上記第2制御入力に上記第2指示信号を与えるように構成されることを特徴とする請求項14記載の電子安定器。
【請求項16】
上記オン時間制御回路は、タイマ回路を備え、
上記タイマ回路は、上記タイマ回路が、上記トップインバータスイッチがオンになったときに上記第2指示信号を与え、遅延時間後に上記第2指示信号を終了させるように上記共振インダクタに接続されることを特徴とする請求項14記載の電子安定器。
【請求項17】
上記スイッチング回路はフリップフロップ装置であることを特徴とする請求項15または16記載の電子安定器。
【請求項18】
トップインバータスイッチとボトムインバータスイッチと直列インダクタとを備えるインバータのオープンループ出力インピーダンスを最大にして負荷に供給される電力を制御するための直列共振、ハーフブリッジインバータの駆動方法であって、
上記インダクタ電流が増加して上記ゼロ電流軸に交差する時を決定するために上記共振インダクタに流れる電流を監視するステップと、
上記インダクタ電流が増加して上記ゼロ電流軸に交差する時に上記トップインバータスイッチをオンにするとともに上記ボトムインバータスイッチをオフにするステップとを備えることを特徴とする駆動方法。
【請求項19】
測定された上記共振インダクタに流れる電流を基準レベルと比較して、上記測定された共振インダクタの電流が上記基準レベルと超えたときに上記トップインバータスイッチをオフにするとともに上記ボトムインバータスイッチをオンにすることによって、上記トップインバータスイッチのオン時間を制御するステップを備えることを特徴とする請求項18記載の駆動方法。
【請求項20】
上記トップインバータスイッチがオンになるとタイマ回路を動作させ、遅延時間後に上記タイマ回路を停止させて上記トップインバータスイッチをオフにするとともに上記ボトムインバータスイッチをオンにすることによって、上記トップインバータスイッチのオン時間を制御するステップを備えることを特徴とする請求項18記載の駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−283998(P2010−283998A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−135416(P2009−135416)
【出願日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【出願人】(508057438)ユニバーサル ライティング テクノロジーズ, インコーポレイテッド (6)
【氏名又は名称原語表記】Universal Lighting Technologies, Inc.
【住所又は居所原語表記】26 Century Boulevard, Suite 500, Nashville, Tennessee 37214, U.S.A.
【Fターム(参考)】