説明

タイヤ加硫モールドの洗浄方法および装置

【課題】モールド組立体24の型付け面に付着している汚れをドライアイスペレットによって効果的に除去する。
【解決手段】モールド組立体24の型付け面を熱板37および加熱気体により 240度Cを超える温度まで加熱した直後に、該型付け面に対して噴射ノズル69からドライアイスペレットを噴射するようにしたので、型付け面に付着した汚れはドライアイスペレットにより急激にかつ大幅に冷却され、熱衝撃に基づくクラックや剥離が発生して、前記汚れが効果的に除去される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、タイヤ加硫モールドに付着した汚れを洗浄する洗浄方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のタイヤ加硫モールドの洗浄方法・装置としては、例えば以下の特許文献1に記載されているようなものが知られている。
【特許文献1】特表2000−516861号公報
【0003】
このものは、タイヤ加硫モールドにスチームを供給して該タイヤ加硫モールドをタイヤの硬化温度近くである約 177度Cに加熱する加熱手段と、前記加熱手段により加熱されたタイヤ加硫モールドの型付け面に対してドライアイスペレットを噴射することで、型付け面に繰り返し加硫により付着した汚れを除去する除去手段とを備え、加熱手段により加熱された型付け面に対してドライアイスペレットを噴射することで汚れを除去するようにしたものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のタイヤ加硫モールドの洗浄方法・装置にあっては、ドライアイスペレットによる洗浄に先立ってタイヤ加硫モールドを中途半端な温度までしか加熱していないため、タイヤ加硫モールドの汚れの除去が不十分となってしまうという課題があった。
【0005】
この発明は、ドライアイスペレットを用いてタイヤ加硫モールドの型付け面に付着している汚れを効果的に除去することができるタイヤ加硫モールドの洗浄方法および装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的は、第1に、タイヤ加硫モールドの型付け面を 240度Cを超え 260度C以下の温度まで加熱する工程と、前記加熱された直後の型付け面に対してドライアイスペレットを噴射することで、型付け面の汚れを除去する工程とを備えたタイヤ加硫モールドの洗浄方法により、
【0007】
第2に、タイヤ加硫モールドの型付け面を 240度Cを超え 260度C以下の温度まで加熱する加熱手段と、前記加熱手段により加熱された直後の型付け面に対してドライアイスペレットを噴射することで、型付け面の汚れを除去する除去手段とを備えたタイヤ加硫モールドの洗浄装置により、達成することができる。
【発明の効果】
【0008】
この発明においては、タイヤ加硫モールドの型付け面を 240度Cを超える温度まで加熱した直後に、該型付け面に対してドライアイスペレットを噴射するようにしたので、型付け面に付着している高温の汚れは、衝突したドライアイスペレットにより急激にかつ大幅に冷却されて、熱衝撃に基づくクラックや剥離が発生し、この結果、硬度の低いドライアイスペレットによって型付け面の洗浄を行うような場合であっても、前記汚れを効果的に除去することができる。
【0009】
ここで、前述のように加熱される型付け面の温度を 260度C以下としたのは、前記温度が 260度Cを超えると、型付け面に付着している汚れが焼き付いて除去がさらに困難となることがあるが、前述のように 260度C以下とすれば、このような汚れの焼き付きを防止することができるからである。
【0010】
また、熱板の温度を請求項2に記載のような範囲内とすれば、タイヤ加硫モールドの過大な熱歪みを阻止しながら、前記型付け面を前記温度まで効率良く加熱することができ、さらに、気体の温度を請求項3に記載のような範囲内とすれば、気体によるタイヤ加硫モールドの温度低下および汚れの固着を防止しながら、タイヤ加硫モールドを効果的に加熱することができ、また、請求項4に記載のように構成すれば、タイヤ加硫モールドに対する加熱が飽和して熱エネルギーが浪費される事態を防止しながら、洗浄時における型付け面の温度を適切な温度に保持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、この発明の実施形態1を図面に基づいて説明する。
図1、2、3、4において、11はタイヤ加硫モールド12、例えば矩形をしたセクターセグメントの型付け面13を洗浄する洗浄装置であり、このタイヤ加硫モールド12は周方向に複数個並べられることで環状を呈するセクターモールドを構成するとともに、タイヤのトレッドを主に型付けする。そして、前述のようなタイヤ加硫モールド12の型付け面13を洗浄装置11において洗浄する際、該タイヤ加硫モールド12は把持体14によって外側から把持されている。
【0012】
前記把持体14は、前後方向に延びる一対のL形部材17と、これらL形部材17の前後端同士を連結する一対の連結部材18およびねじ軸19を有し、これらL形部材17、連結部材18、ねじ軸19により囲まれた矩形の空間には前記タイヤ加硫モールド12が収納される。これらねじ軸19にはL形部材17に平行に延びる可動部材20が摺動可能に係合している。
【0013】
23は前記ねじ軸19に嵌合された一対の早締めナットであり、一側のL形部材17と前記可動部材20との間にタイヤ加硫モールド12を配置した後、これらの早締めナット23をねじ込むと、前記タイヤ加硫モールド12は一側のL形部材17と可動部材20とにより挟持されて把持される。前述したL形部材17、連結部材18、ねじ軸19、可動部材20、早締めナット23は全体として、タイヤ加硫モールド12を外側から把持する前記把持体14を構成し、また、前記タイヤ加硫モールド12および該タイヤ加硫モールド12を把持している把持体14は全体として、モールド組立体24を構成する。
【0014】
前記洗浄装置11は床面26上に設置された後側フレーム27を有し、この後側フレーム27上には内部に加熱空間が形成された加熱カバー28が取り付けられている。ここで、この加熱カバー28の前後壁には図示していない開閉可能な扉が設置されており、また、この加熱カバー28内には前記モールド組立体24を下方から支持する支持機構29が収納されている。この支持機構29は、後側フレーム27の前後端部にそれぞれ回転可能に支持された2対のスプロケット30と、前後のスプロケット30間に掛け渡された2本のチェーン31と、前記スプロケット30を駆動回転する図示していないモータとから構成されている。
【0015】
そして、前記モールド組立体24が加熱カバー28の後壁に設けられた開閉扉を通過して加熱カバー28内に図示していない搬入手段により搬入されるとともに、前記支持機構29上に載置されると、支持機構29のチェーン31にモールド組立体24のL形部材17がそれぞれ接触し、該モールド組立体24は支持機構29により下方から支持される。34は前記加熱カバー28の内部でその上端部に取り付けられた加熱配管であり、この加熱配管34には図示していない加熱気体源が接続されている。
【0016】
そして、前記加熱気体源から加熱配管34を通じて加熱気体が加熱カバー28内に供給されると、該加熱カバー28内には高温の加熱気体(ここでは加熱空気)が充満する。この結果、加熱カバー28内の支持機構29上に載置されているモールド組立体24(タイヤ加硫モールド12)に前記加熱気体が接触し、これにより、該タイヤ加硫モールド12は全体が高温の加熱気体により加熱されることになる。なお、この実施形態では加熱気体として空気を用いたが、窒素ガス、ヘリウムガス等の不活性ガスを用いてもよい。
【0017】
37は前記加熱カバー28の内部でその下端部に設置された水平な熱板であり、この熱板37内に形成された図示していない蒸気室には高温蒸気源から高温の蒸気が供給され、この結果、前記熱板37は高温に加熱される。前記熱板37の下面には前記後側フレーム27に取り付けられた上下方向に延びるシリンダ38のピストンロッド39の先端(上端)が連結されている。40は熱板37に固定された複数のガイドロッドであり、これらのガイドロッド40は後側フレーム27に摺動可能に挿入されている。
【0018】
この結果、前記シリンダ38が作動すると、熱板37は支持機構29によって支持されているモールド組立体24に対し下方から接近離隔する。前述したシリンダ38、ガイドロッド40は全体として、熱板37と後側フレーム27との間に設けられ、熱板37を昇降させる昇降機構45を構成する。そして、この昇降機構45の作動により熱板37が上昇してタイヤ加硫モールド12の下面に押し付けられると、該タイヤ加硫モールド12は高温の熱板37から熱伝導により熱を受けて加熱される。前述した加熱配管34、熱板37、加熱空気源、高温蒸気源は全体として、タイヤ加硫モールド12の型付け面13を加熱する加熱手段46を構成する。
【0019】
50は前記後側フレーム27より前方の床面26上に設置された前側フレームであり、この前側フレーム50上には内部に洗浄空間が形成された洗浄ケース51が取り付けられ、この洗浄ケース51の前後壁には図示していない開閉可能な扉が設置されている。また、前記洗浄ケース51には前後方向に延びる移送機構52の長手方向中央部が収納されている。
【0020】
前記移送機構52は前側フレーム50の前後端部にそれぞれ回転可能に支持された2対のスプロケット53と、前後のスプロケット53間に掛け渡された2本のチェーン54と、前記スプロケット53を駆動回転する図示していないモータとから構成されている。そして、前記支持機構29、移送機構52からなる搬送手段55が作動してチェーン31、54が前方に同期走行すると、モールド組立体24は前方に搬送されて支持機構29から移送機構52に受け渡され、その後、洗浄ケース51内に搬入される。
【0021】
前記洗浄ケース51の内部にはピンプレート57が設置され、このピンプレート57の上面には把持体14(L形部材17)に形成されたピン孔58に下側から挿入される複数の位置決めピン59が固定されている。また、前記ピンプレート57と前側フレーム50との間には前述した昇降機構45と同様の昇降機構62が設けられており、この昇降機構62が作動してピンプレート57が上昇すると、位置決めピン59はモールド組立体24のピン孔58に挿入される。
【0022】
65は前記洗浄ケース51の頂壁上面に敷設された一対のガイドレールであり、これらのガイドレール65にはスライドプレート66が摺動可能に支持されている。67は前記スライドプレート66の下面に固定された支柱であり、この支柱67はガイドレール65間の前記頂壁に形成されスリット68を貫通しながら下方に向かって延びている。
【0023】
前記支柱67の下端部には1本以上、ここでは2本の噴射ノズル69が回動可能に支持され、これらの噴射ノズル69とドライアイス(凍結 CO2)のペレットを送出する図示していないペレット源とはホース71によって接続されている。そして、ペレット源からホース71を通じて噴射ノズル69にドライアイスペレットが供給されると、該ドライアイスペレットは噴射ノズル69の先端(下端)からタイヤ加硫モールド12の型付け面13に向かって噴射される。
【0024】
74は洗浄ケース51の頂壁に回転可能に支持されたねじ軸であり、このねじ軸74は前記スライドプレート66に固定されたねじブロック75にねじ込まれている。76は洗浄ケース51の頂壁に取り付けられたモータであり、このモータ76の回転はベルト77を介して前記ねじ軸74に伝達される。この結果、前記モータ76が作動してねじ軸74が回転すると、スライドプレート66、支柱67、噴射ノズル69は一体となってガイドレール65に沿って移動する。
【0025】
80は前記スライドプレート66に取り付けられた首振り機構であり、この首振り機構80は前記噴射ノズル69を支柱67に対する連結点を中心として垂直面内で首振りさせることができる。そして、前述のようにスライドプレート66、噴射ノズル69がガイドレール65に沿って移動しているとき、首振り機構80によって噴射ノズル69を首振りさせれば、噴射ノズル69から噴射されたドライアイスペレットは型付け面13の全面にほぼ均一に吹き付けられる。前述したスライドプレート66、支柱67、噴射ノズル69、ホース71、ペレット源は全体として、加熱手段46により加熱された直後のタイヤ加硫モールド12の型付け面13に対してドライアイスペレットを噴射することで、型付け面13の汚れを除去する除去手段81を構成する。
【0026】
そして、この実施形態においては、タイヤ加硫モールド12を加熱手段46により加熱した直後に、該タイヤ加硫モールド12の型付け面13に対し除去手段81から零度未満のドライアイスペレット(通常−80度C程度)を噴射するようにしているが、このとき、前記型付け面13を加熱手段46により 240度Cを超える温度まで加熱しておくと、型付け面13と実質上同一温度まで加熱された高温の汚れは、衝突したドライアイスペレットにより急激にかつ大幅に( 320度C以上も)冷却されて、熱衝撃に基づくクラックや剥離が発生し、この結果、硬度の低いドライアイスペレットによって型付け面13の洗浄を行うような場合であっても、前記汚れを効果的に除去することができる。
【0027】
但し、型付け面13を加熱手段46により 260度Cを超える温度まで加熱すると、型付け面13に付着している汚れが焼き付いて除去がさらに困難となることが多いが、前記型付け面13の加熱温度を 260度C以下とすれば、このような汚れの焼き付きを防止することができるため、型付け面13の加熱温度は 260度C以下とする必要がある。このように前記型付け面13は 240度Cを超え 260度C以下の温度まで加熱する必要があるが、前述の効果を確実にするには、 240度Cを超え 250度C以下の温度まで加熱することが好ましい。
【0028】
ここで、前記タイヤ加硫モールド12を接触によって加熱する熱板37は 280〜 290度Cの範囲内まで加熱することが好ましい。その理由は、熱板37の温度が 280度C未満であると、タイヤ加硫モールド12(型付け面13)を 240度Cを超える温度まで加熱するのに長時間が必要となり、一方、 290度Cを超えると、タイヤ加硫モールド12に過大な熱歪みが生じるおそれがあるが、前述の範囲内とすると、タイヤ加硫モールド12の過大な熱歪みを阻止しながら、前記型付け面13を前記温度まで効率良く加熱することができるからである。
【0029】
また、前記加熱カバー28内に充満している加熱気体の温度は 210〜 250度Cの範囲内とすることが好ましい。その理由は、前記温度が 210度C未満であると、該加熱気体がタイヤ加硫モールド12から熱を奪い取ってタイヤ加硫モールド12の温度を低下させるおそれがあり、一方、 250度Cを超えると、加熱気体に炙られて汚れが型付け面13に固着するおそれがあるが、前述の範囲内とすると、加熱気体によるタイヤ加硫モールド12の温度低下および汚れの固着を防止しながら、タイヤ加硫モールド12を効果的に加熱することができるからである。なお、前記加熱気体の温度はほぼ 230度Cがさらに好ましい。また、この実施形態においては、前記加熱配管34から吹き出されるときの加熱気体の温度を約 270度Cとしている。
【0030】
さらに、前記熱板37、加熱気体によってタイヤ加硫モールド12(型付け面13)を 5分未満で加熱するようにすると、タイヤ加硫モールド12の表面部のみが前記温度範囲に加熱される一方、中心部は低温のままであるため、洗浄開始までに型付け面13の温度が洗浄に適する温度より低下することがあり、一方、15分を超えて加熱すると、加熱が飽和して熱エネルギーが浪費することがあるが、加熱時間を 5〜15分の範囲内とすると、タイヤ加硫モールド12に対する加熱が飽和して熱エネルギーが浪費される事態を防止しながら、洗浄時における型付け面13の温度を適切な温度に保持することができるため、好ましい。また、前記加熱時間は 8分以上とすることがさらに好ましく、10分以上とすることがさらに望ましい。
【0031】
次に、前記実施形態の作用について説明する。
まず、タイヤ加硫モールド12を把持体14により予め把持することで構成したモールド組立体24を、図示していない搬入手段により加熱カバー28内に搬入し、支持機構29上に載置する。次に、熱板37を昇降機構45により上昇させて支持機構29上のタイヤ加硫モールド12に下側から押し付けるが、この熱板37は内部に高温の蒸気が供給され 280〜 290度Cに加熱されているため、前記タイヤ加硫モールド12(型付け面13)は熱板37から伝導により熱を受けて加熱される。
【0032】
このとき、加熱気体源から加熱配管34を通じて加熱カバー28内に加熱気体を供給し、該加熱カバー28内を 210〜 250度Cの加熱気体で充満させるとともに、タイヤ加硫モールド12の型付け面13に前記加熱気体を接触させて補助的に加熱する。そして、このような加熱手段46によるモールド組立体24(タイヤ加硫モールド12)への加熱は 5〜15分間行われ、これにより、タイヤ加硫モールド12(型付け面13)は 240度Cを超え 260度C以下まで温度が上昇する。
【0033】
このようにしてタイヤ加硫モールド12(型付け面13)に対する加熱が完了すると、熱板37が昇降機構45により初期位置まで下降した後、前記支持機構29、移送機構52が同期作動し、高温に加熱されたモールド組立体24は、支持機構29から移送機構52に受け渡され、その後、移送機構52のチェーン54の走行により洗浄ケース51内に搬入される。
【0034】
その後、昇降機構62が作動してピンプレート57が上昇し、位置決めピン59がモールド組立体24のピン孔58に挿入される。これにより、モールド組立体24(タイヤ加硫モールド12)は洗浄ケース51内において確実かつ強固に位置決めされることになり、この結果、洗浄時においてモールド組立体24が位置ずれを起こすような事態が防止される。
【0035】
次に、ペレット源からホース71を通じて噴射ノズル69にドライアイスペレットが供給されると、該ドライアイスペレットは、加熱カバー28内において加熱された直後のタイヤ加硫モールド12の型付け面13に向かって、噴射ノズル69の先端から噴射される。このようにタイヤ加硫モールド12の加熱直後にドライアイスペレットを型付け面13に噴射するようにしたので、汚れに対し大きな熱衝撃を与えることができ、汚れの除去を効果的に行うことができる
【0036】
このとき、予め入力されたタイヤ加硫モールド12の寸法データ等に基づき、スライドプレート66、噴射ノズル69をモータ76によりガイドレール65に沿って移動させるとともに、噴射ノズル69を首振り機構80によって首振りさせる。これにより、型付け面13の全面に噴射ノズル69から噴射されたドライアイスペレットがほぼ均一に吹き付けられ、型付け面13の全面に亘って汚れが容易かつ効果的に除去される。ここで、前述した洗浄は洗浄ケース51により周囲が覆われた状態で行われるでの、騒音や汚れの周囲への飛散等が抑制される。
【0037】
このようにして型付け面13に付着していた汚れが洗浄ケース51内において除去されると、移送機構52の作動により洗浄ケース51内のモールド組立体24(タイヤ加硫モールド12)は前方に向かって搬送される。その後、前記モールド組立体24を図示していない搬出手段により移送機構52から次工程に搬出する。
【0038】
なお、前述の実施形態においては、タイヤ加硫モールド12がセクターモールドを構成するセクターセグメントであったが、この発明においては、タイヤ加硫モールドは上または下サイドモールドであってもよく、あるいは、2分割モールドの上または下モールドであってもよい。また、前述の実施形態においては、噴射ノズル69を首振りさせることで型付け面13における洗浄位置を前後方向に変化させたが、この発明においては、タイヤ加硫モールドを搬送手段により前後方向に移動させたり、あるいは、噴射ノズルを前後方向に移動させることで洗浄位置を前後方向に変化させるようにしてもよい。
【0039】
さらに、前述の実施形態においては、加熱カバー28内において1個のモールド組立体24(タイヤ加硫モールド12)を加熱するようにしたが、この発明においては、加熱カバー内において複数個のモールド組立体(タイヤ加硫モールド)を同時に加熱するようにしてもよく、この場合には、加熱カバー、支持機構を前後方向に延長するとともに、支持機構を間欠的に作動させ、複数箇所で停止させながら加熱するようにすればよい。
【産業上の利用可能性】
【0040】
この発明は、タイヤ加硫モールドに付着した汚れを洗浄する産業分野に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】この発明の実施形態1を示す一部が破断された正面図である。
【図2】その平面図である。
【図3】モールド組立体の平面図である。
【図4】図3のI−I矢視図である。
【符号の説明】
【0042】
11…洗浄装置 12…タイヤ加硫モールド
13…型付け面 37…熱板
46…加熱手段 81…除去手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤ加硫モールドの型付け面を 240度Cを超え 260度C以下の温度まで加熱する工程と、前記加熱された直後の型付け面に対してドライアイスペレットを噴射することで、型付け面の汚れを除去する工程とを備えたことを特徴とするタイヤ加硫モールドの洗浄方法。
【請求項2】
前記加熱は、タイヤ加硫モールドに 280〜 290度Cの範囲内である熱板を押し付けることで行うようにした請求項1記載のタイヤ加硫モールドの洗浄方法。
【請求項3】
前記加熱は、タイヤ加硫モールドに 210〜 250度Cの範囲内である気体をさらに接触させることで行うようにした請求項2記載のタイヤ加硫モールドの洗浄方法。
【請求項4】
前記加熱時間は、 5〜15分の範囲内である請求項3記載のタイヤ加硫モールドの洗浄方法。
【請求項5】
タイヤ加硫モールドの型付け面を 240度Cを超え 260度C以下の温度まで加熱する加熱手段と、前記加熱手段により加熱された直後の型付け面に対してドライアイスペレットを噴射することで、型付け面の汚れを除去する除去手段とを備えたことを特徴とするタイヤ加硫モールドの洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−114479(P2008−114479A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−300074(P2006−300074)
【出願日】平成18年11月6日(2006.11.6)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】