タイヤ成形用金型、このタイヤ成形用金型を使用したタイヤ製造方法及びタイヤ製造方法により製造されたタイヤ
【課題】ピースブロック間の間隙を容易に調整できると共に、金型の耐久性を向上させることが出来、更に外観の良好なタイヤを製造することが出来るタイヤ成形用金型、このタイヤ成形用金型を使用したタイヤ製造方法及びタイヤ製造方法により製造されたタイヤを提供する。
【解決手段】この発明の実施形態では、前記複数のピースブロック12の各当接面に、ピースブロック12間の間隙を調整するための弾性部材18が介在させてあり、この弾性部材18としては、耐熱性,耐摩耗性を有するゴム状弾性体(シリコン樹脂,フッ素樹脂,ゴム材料または樹脂とゴムとの混合材料)、または板バネ,コイルバネから選ばれた一つを使用する。なお、前記弾性部材18は、ピースブロック12の各当接面の全面または一部に、塗布,接着或いは固定するものである。前記弾性部材18は、バックセグメント11間に0.05mm以下の隙間tを生じさせないようにバックセグメント11の端面側に位置するピースブロック12の当接面には用いないように構成することも可能である。
【解決手段】この発明の実施形態では、前記複数のピースブロック12の各当接面に、ピースブロック12間の間隙を調整するための弾性部材18が介在させてあり、この弾性部材18としては、耐熱性,耐摩耗性を有するゴム状弾性体(シリコン樹脂,フッ素樹脂,ゴム材料または樹脂とゴムとの混合材料)、または板バネ,コイルバネから選ばれた一つを使用する。なお、前記弾性部材18は、ピースブロック12の各当接面の全面または一部に、塗布,接着或いは固定するものである。前記弾性部材18は、バックセグメント11間に0.05mm以下の隙間tを生じさせないようにバックセグメント11の端面側に位置するピースブロック12の当接面には用いないように構成することも可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、タイヤ成形用金型、このタイヤ成形用金型を使用したタイヤ製造方法及びタイヤ製造方法により製造されたタイヤに係わり、更に詳しくはセクショナル構造のタイヤ成形用金型において、ピースブロック間の間隙を容易に調整できると共に、金型の耐久性を向上させることが出来、更に外観の良好なタイヤを製造することが出来るタイヤ成形用金型、このタイヤ成形用金型を使用したタイヤ製造方法及びタイヤ製造方法により製造されたタイヤに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来セクショナルモールド形式のタイヤ加硫装置は、図20及び図21に示すように、中心部に昇降可能な図示しないブラダー中心機構を備え、かつ上面に下モールド1aを備えた下部サイドプレート1と、下面に上モールド2aを備えた昇降可能な上部サイドプレート2及び支持プレート3と、前記下モールド1aと上モールド2aとの間で、周方向に複数に分割され、かつ上部サイドプレート2の昇降作動に伴って前記下部サイドプレート1上を中心方向に向かって拡縮作動する分割型(この実施形態は8分割であるが、この分割数には限定されてい)のセクターモールド4とから構成される。
【0003】
前記セクターモールド4は、タイヤWのプロファイル面を備えた複数のピースブロック5aを着脱可能に取付ける複数のバックセグメント5と、セグメント6と、前記支持プレート3に吊設され、かつ前記セグメント6の背面側に形成された傾斜面6aと係合して摺動するコンテナリング7とで構成されている。
【0004】
ところで、前記分割型のセクターモールド4には、例えば、図23〜図25(a),(b)に示すように、一体鋳造型のセクターモールド4Aと、例えば、図26〜図28(a),(b)に示すように、バックセグメント5の内面側に複数に分割されたピースブロック5aを組み込んで構成した分割型のセクターモールド4Bとがあり、一体鋳造型のセクターモールド4Aは、各セクターモールド4Aの端面4x同士をその全面で押し当てて加硫するのに対して、バックセグメント5の内面側に複数に分割されたピースブロック5aを分解、組み立て容易に並べて配設したセクターモールド4Bは、ピースブロック5a同士のみを押し当てるものである(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【0005】
前記分割型のセクターモールド4Bは、組み立て時に生じた僅かなピースブロック5a間の隙間hや、ピースブロック5aの端面にかかる面圧Pが高いことによる潰れ、摩滅等により早期にピースブロック5a間の間隙hが成長し、タイヤ加硫時に、その間隙からオーバーフローしたゴムが成形後のタイヤ表面にバリとなって残ると言う問題があり、セクターモールド4B間のオーバーフローの修理,修正作業が必要であった。
【0006】
即ち、図29(a),(b)に示すように、分割型のセクターモールド4Bは、使用初期においては、セクターモールド4B同士のみ接触で、セクターモールド4Bと上下サイドプレート1,2との割り位置Sに隙間Qが生じ、タイヤ周方向にオーバーフローが発生するが、そのオーバーフローのトリム除去は可能でそれほど問題はない。
【0007】
また図30(a),(b)に示すように、セクターモールド4Bの使用中期においては、セクターモールド4B同士、セクターモールド4Bと下部サイドプレート1及び上部サイドプレート2とが接触し、セクターモールド4B間に隙間がなくオーバーフローの問題もない。
【0008】
しかし、セクターモールド4Bの使用後期においては、図31(a),(b)に示すように、セクターモールド4Bと下部サイドプレート1及び上部サイドプレート2とが接触し、セクターモールド4B間に隙間Qがあり、オーバーフロートリムで除去が不可能となる問題があった。
【0009】
このため、成形後のタイヤ表面から突出したオーバーフロートリムの除去には、多くの手間と時間がかかり、またピースブロック5aの端面にかかる面圧が高いことによる潰れや、摩滅等により早期にピースブロック5a間の間隙が成長し、金型の耐久性を向上させることが出来ず、更に外観の良好なタイヤを製造することが出来ないと言う問題があった。
【特許文献1】特開平5−220748号公報
【特許文献2】特開平8−72061号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
この発明はかかる従来の問題点に着目し、ピースブロック間の間隙を容易に調整できると共に、金型の耐久性を向上させることが出来、更に外観の良好なタイヤを製造することが出来るタイヤ成形用金型、このタイヤ成形用金型を使用したタイヤ製造方法及びタイヤ製造方法により製造されたタイヤを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明は上記目的を達成するため、この発明のタイヤ成形用金型は、複数のピースブロックの各当接面に、ピースブロック間の間隙を調整するための弾性部材を介在させたことを要旨とするものである。
【0012】
ここで、前記バックセグメントに対して、ピースブロックをバックセグメントに対して移動可能に組み込んで構成するものである。また、前記弾性部材が、耐熱性,耐摩耗性を有するゴム状弾性体、または板バネ,コイルバネから選ばれた一つを使用し、前記弾性部材は、ピースブロックの各当接面の全面または一部に、塗布,接着或いは固定するものである。
【0013】
更に、前記弾性部材は、ピースブロックの各当接面に形成した凹部に、当接面から所定の高さ突出させて埋設し、また前記弾性部材は、バックセグメントの各当接面に介在させて構成するものである。
【0014】
また、この発明のタイヤ製造方法は、タイヤの加硫成形時に、複数のピースブロックの各当接面に介在させた弾性部材により、各ピースブロック間の間隙を調整しながらタイヤを製造することを要旨とするものである。
【0015】
ここで、前記バックセグメントの各当接面に弾性部材を介在させて、ピースブロック間の間隙を調整しながらタイヤを製造するものである。
【0016】
更に、上記のようなタイヤ製造方法により製造したタイヤは、タイヤ表面にバリの無い表面が平滑なタイヤであることを要旨とするものである。
【0017】
このように、複数のピースブロックの各当接面に、ピースブロック間の間隙を調整するための弾性部材を介在させ、更にバックセグメントに対して、ピースブロックを移動可能に組み込んで構成したので、成形後のタイヤ表面にはオーバーフロートリムがなく、従ってオーバーフロートリムの除去作業を省略でき、またピースブロック間の間隙を容易に調整できると共に、金型の耐久性を向上させることが出来、更に外観の良好なタイヤを製造することが出来るものである。
【発明の効果】
【0018】
この発明は上記のように構成したので、以下のような優れた効果を奏するものである。(a).成形後のタイヤ表面にはオーバーフロートリムがなく、従ってオーバーフロートリムの除去作業を省略でき、生産性の向上を図ることが出来る。
(b).ピースブロック間の間隙を容易に調整できる。
(c).金型の耐久性を向上させることが出来る。
(d).外観の良好なタイヤを製造することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、添付図面に基づき、この発明の実施形態を説明する。
【0020】
図1は、この発明を実施したセクショナル構造のタイヤ成形用金型における一つのセクターモールドの拡大斜視図を示し、このセクターモールド10は、アルミやスチール等で形成されたバックセグメント11の内面側に複数(この実施形態では7分割であるが、分割数については特に限定されない)に分割されたアルミやスチールで一体的に形成されたピースブロック12が着脱、かつ移動可能に組み込んで構成してある。
【0021】
即ち、複数に分割されたピースブロック12は、バックセグメント11の内面側に形成された凹部11aに左右方向に移動可能に組み込まれ、ピースブロック12の上下端部は、円弧状に形成された固定プレート13a,13bと、複数本の固定ボルト14により支持され、またバックセグメント11の左右端面側に位置するピースブロック12は、このピースブロック12に形成された凹部12aに、バックセグメント11からピースブロック12が脱落しないように上下固定プレート15a,15b,中央固定プレート15cを嵌合させて、固定ボルト16a,16bによりバックセグメント11に対して固定されている。
【0022】
なお、凹部12aに嵌合させる上下固定プレート15a,15b及び中央固定プレート15cは、図3(a),(b)及び図4(a),(b)に示すように、金型全閉時に凹部12aとの間に微小な間隙tを設けて取付けることが好ましい。
【0023】
また、この実施形態では、前記複数に分割されたピースブロック12のうち、中央に位置するピースブロック12xは、図2に示すように固定ボルト17によりバックセグメント11の裏面側から固定され、その両側に位置する複数のピースブロック12は、上記のようにバックセグメント11の内面側に形成された凹部11aに左右方向に移動可能に組み込まれている。なお、複数に分割されたピースブロック12の全てをバックセグメント11の凹部11aに左右方向に移動可能に組み込むことも可能である。
【0024】
次に、この発明の実施形態では、図2,図5〜図7に示すように、前記複数のピースブロック12の各当接面に、ピースブロック12間の間隙を調整するための弾性部材18が介在させてあり、この弾性部材18としては、耐熱性,耐摩耗性を有するゴム状弾性体(シリコン樹脂,フッ素樹脂,ゴム材料または樹脂とゴムとの混合材料)、または板バネ,コイルバネから選ばれた一つを使用する。なお、前記弾性部材18は、ピースブロック12の各当接面の全面または一部に、塗布,接着或いは固定するものである。
【0025】
また、前記弾性部材18は、バックセグメント11間に0.05mm以下の隙間tを生じさせないようにバックセグメント11の端面側に位置するピースブロック12の当接面には用いないように構成することも可能である。
【0026】
図8及び図9は、ピースブロック12の各当接面に弾性部材18を配設する場合の実施形態を示し、図8のC−C矢視側面図で示した図9の実施形態は、ピースブロック12の各当接面の全面に耐熱性,耐摩耗性を有するゴム状弾性体から成る弾性部材18を塗布,接着或いは固定したものである。
【0027】
この他の実施形態としては、図10(a)に示すように、ピースブロック12の各当接面の周囲に沿って帯状の弾性部材18aを連続的に形成したり、また図10(b)に示すように、ピースブロック12の各当接面に帯状の弾性部材18bを断片的に形成したり、更に図10(c)に示すように、円形状の弾性部材18cを所定の間隔を隔てて形成することも可能である。
【0028】
また、ピースブロック12の各当接面に弾性部材18を取付ける断面形状としては、図8のD−D矢視断面図で各実施形態を表した図11(a)〜(d)が考えられる。
【0029】
即ち、図11(a)に示すように、ピースブロック12の各当接面に弾性部材18を塗布または接着等により固定する方法や、図11(b)に示すように、ピースブロック12の各当接面に形成した凹部19に、断面円形状に形成した弾性部材18を当接面から所定の高さ突出させて埋設固定する方法、また図11(c)に示すように、ピースブロック12の片側の当接面に形成した凹部19aに断面円形状に形成した弾性部材18を当接面から所定の高さ突出させて埋設固定する方法、更に図11(d)に示すように、ピースブロック12の各当接面に形成した長溝状の凹部19bに、断面長方形状に形成した弾性部材18を当接面から所定の高さ突出させて埋設固定する方法等である。
【0030】
このような固定構造にして、ピースブロック12の各当接面を当接させた場合、各弾性部材18は、図11(e)〜(h)のようにそれぞれ変形して、ピースブロック12間の間隙を調整することが出来るものである。
【0031】
次に、バックセグメント11の内面側に移動可能に組み込む複数のピースブロック12の形態の各実施形態を示し、図12及び図13は、周方向に対して複数に分割するピースブロック12はストレート状に形成し、ピースブロック12の各当接面には、上述した弾性部材18を介在させたものである。
【0032】
また、図14及び図15は、周方向に対して複数に分割するピースブロック12はストレート状に形成すると共に、その長手方向を上下方向に所定の割合で二分割に構成したもので、この各ピースブロック12の各当接面には、上述した弾性部材18を介在させたものである。
【0033】
また、図16及び図17は、周方向に対して複数に分割するピースブロック12は中央部を一定の方向に湾曲または屈曲させて形成し、この各ピースブロック12の各当接面には、上述した弾性部材18を介在させたものである。
【0034】
更に、図18及び図19は、周方向に対して複数に分割するピースブロック12は中央部を一定の方向に傾斜させて形成し、この各ピースブロック12の各当接面には、上述した弾性部材18を介在させたものである。
【0035】
なお、各ピースブロック12の分割する形態は上記の実施形態に限定されるものではなく、相互に当接出来るように構成するものであれば、特に形状には限定されるものではない。
【0036】
このように構成するタイヤ成形用金型の製造方法としては、予めバックセグメント11に分割された複数のピースブロック12を着脱可能に組み込んだ複数のセクターモールド10を周上に配設し、このセクターモールド10の拡径時に未加硫タイヤWを投入し、縮径時にバックセグメント11及びピースブロック12を閉じてグリーンタイヤを加硫成形する。
【0037】
このタイヤの加硫成形時に、複数のピースブロック12の各当接面に介在させた弾性部材18により、各ピースブロック12間の間隙tを調整しながらタイヤを製造するもので、前記バックセグメント11の各当接面に弾性部材18を介在させる場合にも、ピースブロック12間の間隙tを調整しながらタイヤを製造する。
【0038】
このような製造方法によりタイヤを加硫成形すると、タイヤ表面にバリの無い外観の良好なタイヤを製造することが出来るものである。
【0039】
以上のように、複数の周方向に分割されたピースブロック12の各当接面に、ピースブロック12間の間隙を調整するための弾性部材18を介在させ、更にバックセグメント11に対して、ピースブロック12を移動可能に組み込んで構成したので、成形後のタイヤ表面にはオーバーフロートリムがなく、従ってオーバーフロートリムの除去作業を省略でき、またピースブロック間の間隙を容易に調整できると共に、金型の耐久性を向上させることが出来、更に外観の良好なタイヤを製造することが出来るものである。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】この発明を実施したセクショナル構造のタイヤ成形用金型における一つのセクターモールドの拡大斜視図である。
【図2】セクターモールドの平面図である。
【図3】(a)はモールド全閉時における図1のA−A矢視断面図、(b)はモールド全開時における図1のA−A矢視断面図である。
【図4】(a)はモールド全閉時における図1のB−B矢視断面図、(b)はモールド全開時における図1のB−B矢視断面図である。
【図5】モールド全開時におけるバックセグメントとピースブロックとの関係を示す一部拡大平面図である。
【図6】モールド全閉時におけるバックセグメントとピースブロックとの関係を示す一部拡大平面図である。
【図7】モールド全開時におけるバックセグメントとピースブロックとの関係を示す他の実施形態の一部拡大平面図である。
【図8】バックセグメントに組み込まれたこの発明のピースブロックの正面図である。
【図9】図8のC−C矢視における弾性部材を取付けたピースブロックの拡大側面図である。
【図10】(a)〜(c)は、ピースブロックの側面に取付けた弾性部材の他の実施形態の拡大側面図である。
【図11】(a)〜(c)は、ピースブロックの側面に取付けた弾性部材の各実施形態を示す断面図であり、(e)〜(h)は、ピースブロックの側面に取付けた弾性部材の圧縮時の各実施形態を示す断面図である。
【図12】この発明のピースブロックの第1実施形態を示す側面図である。
【図13】この発明のピースブロックの第1実施形態を示す正面図である。
【図14】この発明のピースブロックの第2実施形態を示す側面図である。
【図15】この発明のピースブロックの第2実施形態を示す正面図である。
【図16】この発明のピースブロックの第3実施形態を示す側面図である。
【図17】この発明のピースブロックの第3実施形態を示す正面図である。
【図18】この発明のピースブロックの第4実施形態を示す側面図である。
【図19】この発明のピースブロックの第4実施形態を示す正面図である。
【図20】従来のセクショナルモールド形式のタイヤ加硫装置の説明図である。
【図21】従来のセクショナルモールドの平面説明図である。
【図22】従来のバックセグメントとピースブロックとの一部拡大平面図である。
【図23】従来の一体型のバックセグメントとピースブロックとの一部拡大正面図である。
【図24】従来の一体型のバックセグメントとピースブロックとの一部拡大側面図である。
【図25】(a),(b)は、従来のセクターモールドの端面における面圧状態の説明図である。
【図26】従来の分割型のバックセグメントとピースブロックとの一部拡大正面図である。
【図27】従来の分割型のバックセグメントとピースブロックとの一部拡大側面図である。
【図28】(a),(b)は、従来の分割型セクターモールドの端面における面圧状態の説明図である。
【図29】(a),(b)は、セクターモールドとサイドプレートとのクリアランスの成長過程の説明図であって、本図は初期状態を示している。
【図30】(a),(b)は、セクターモールドとサイドプレートとのクリアランスの成長過程の説明図であって、本図は中期状態を示している。
【図31】(a),(b)は、セクターモールドとサイドプレートとのクリアランスの成長過程の説明図であって、本図は中期後期を示している。
【符号の説明】
【0041】
1 下部サイドプレート 1a 下モールド
2 上部サイドプレート 2a 上モールド
3 支持プレート 4 セクターモールド
5a ピースブロック 5 バックセグメント
6 セグメント 6a 傾斜面
7 コンテナリング
4A 体鋳造型のセクターモールド 4B 分割型のセクターモールド
P 面圧 h 間隙
S 割り位置 Q 隙間
10 セクターモールド 11 バックセグメント
12 ピースブロック 11a 凹部
12a 凹部 12x ピースブロック
13a,13b 固定プレート 14 固定ボルト
15a,15b 上下固定プレート 15c 中央固定プレート
16a,16b 固定ボルト 17 固定ボルト
t 間隙 18 弾性部材
18a,18b,18c 弾性部材
19 凹部 19a,19b 凹部
【技術分野】
【0001】
この発明は、タイヤ成形用金型、このタイヤ成形用金型を使用したタイヤ製造方法及びタイヤ製造方法により製造されたタイヤに係わり、更に詳しくはセクショナル構造のタイヤ成形用金型において、ピースブロック間の間隙を容易に調整できると共に、金型の耐久性を向上させることが出来、更に外観の良好なタイヤを製造することが出来るタイヤ成形用金型、このタイヤ成形用金型を使用したタイヤ製造方法及びタイヤ製造方法により製造されたタイヤに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来セクショナルモールド形式のタイヤ加硫装置は、図20及び図21に示すように、中心部に昇降可能な図示しないブラダー中心機構を備え、かつ上面に下モールド1aを備えた下部サイドプレート1と、下面に上モールド2aを備えた昇降可能な上部サイドプレート2及び支持プレート3と、前記下モールド1aと上モールド2aとの間で、周方向に複数に分割され、かつ上部サイドプレート2の昇降作動に伴って前記下部サイドプレート1上を中心方向に向かって拡縮作動する分割型(この実施形態は8分割であるが、この分割数には限定されてい)のセクターモールド4とから構成される。
【0003】
前記セクターモールド4は、タイヤWのプロファイル面を備えた複数のピースブロック5aを着脱可能に取付ける複数のバックセグメント5と、セグメント6と、前記支持プレート3に吊設され、かつ前記セグメント6の背面側に形成された傾斜面6aと係合して摺動するコンテナリング7とで構成されている。
【0004】
ところで、前記分割型のセクターモールド4には、例えば、図23〜図25(a),(b)に示すように、一体鋳造型のセクターモールド4Aと、例えば、図26〜図28(a),(b)に示すように、バックセグメント5の内面側に複数に分割されたピースブロック5aを組み込んで構成した分割型のセクターモールド4Bとがあり、一体鋳造型のセクターモールド4Aは、各セクターモールド4Aの端面4x同士をその全面で押し当てて加硫するのに対して、バックセグメント5の内面側に複数に分割されたピースブロック5aを分解、組み立て容易に並べて配設したセクターモールド4Bは、ピースブロック5a同士のみを押し当てるものである(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【0005】
前記分割型のセクターモールド4Bは、組み立て時に生じた僅かなピースブロック5a間の隙間hや、ピースブロック5aの端面にかかる面圧Pが高いことによる潰れ、摩滅等により早期にピースブロック5a間の間隙hが成長し、タイヤ加硫時に、その間隙からオーバーフローしたゴムが成形後のタイヤ表面にバリとなって残ると言う問題があり、セクターモールド4B間のオーバーフローの修理,修正作業が必要であった。
【0006】
即ち、図29(a),(b)に示すように、分割型のセクターモールド4Bは、使用初期においては、セクターモールド4B同士のみ接触で、セクターモールド4Bと上下サイドプレート1,2との割り位置Sに隙間Qが生じ、タイヤ周方向にオーバーフローが発生するが、そのオーバーフローのトリム除去は可能でそれほど問題はない。
【0007】
また図30(a),(b)に示すように、セクターモールド4Bの使用中期においては、セクターモールド4B同士、セクターモールド4Bと下部サイドプレート1及び上部サイドプレート2とが接触し、セクターモールド4B間に隙間がなくオーバーフローの問題もない。
【0008】
しかし、セクターモールド4Bの使用後期においては、図31(a),(b)に示すように、セクターモールド4Bと下部サイドプレート1及び上部サイドプレート2とが接触し、セクターモールド4B間に隙間Qがあり、オーバーフロートリムで除去が不可能となる問題があった。
【0009】
このため、成形後のタイヤ表面から突出したオーバーフロートリムの除去には、多くの手間と時間がかかり、またピースブロック5aの端面にかかる面圧が高いことによる潰れや、摩滅等により早期にピースブロック5a間の間隙が成長し、金型の耐久性を向上させることが出来ず、更に外観の良好なタイヤを製造することが出来ないと言う問題があった。
【特許文献1】特開平5−220748号公報
【特許文献2】特開平8−72061号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
この発明はかかる従来の問題点に着目し、ピースブロック間の間隙を容易に調整できると共に、金型の耐久性を向上させることが出来、更に外観の良好なタイヤを製造することが出来るタイヤ成形用金型、このタイヤ成形用金型を使用したタイヤ製造方法及びタイヤ製造方法により製造されたタイヤを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明は上記目的を達成するため、この発明のタイヤ成形用金型は、複数のピースブロックの各当接面に、ピースブロック間の間隙を調整するための弾性部材を介在させたことを要旨とするものである。
【0012】
ここで、前記バックセグメントに対して、ピースブロックをバックセグメントに対して移動可能に組み込んで構成するものである。また、前記弾性部材が、耐熱性,耐摩耗性を有するゴム状弾性体、または板バネ,コイルバネから選ばれた一つを使用し、前記弾性部材は、ピースブロックの各当接面の全面または一部に、塗布,接着或いは固定するものである。
【0013】
更に、前記弾性部材は、ピースブロックの各当接面に形成した凹部に、当接面から所定の高さ突出させて埋設し、また前記弾性部材は、バックセグメントの各当接面に介在させて構成するものである。
【0014】
また、この発明のタイヤ製造方法は、タイヤの加硫成形時に、複数のピースブロックの各当接面に介在させた弾性部材により、各ピースブロック間の間隙を調整しながらタイヤを製造することを要旨とするものである。
【0015】
ここで、前記バックセグメントの各当接面に弾性部材を介在させて、ピースブロック間の間隙を調整しながらタイヤを製造するものである。
【0016】
更に、上記のようなタイヤ製造方法により製造したタイヤは、タイヤ表面にバリの無い表面が平滑なタイヤであることを要旨とするものである。
【0017】
このように、複数のピースブロックの各当接面に、ピースブロック間の間隙を調整するための弾性部材を介在させ、更にバックセグメントに対して、ピースブロックを移動可能に組み込んで構成したので、成形後のタイヤ表面にはオーバーフロートリムがなく、従ってオーバーフロートリムの除去作業を省略でき、またピースブロック間の間隙を容易に調整できると共に、金型の耐久性を向上させることが出来、更に外観の良好なタイヤを製造することが出来るものである。
【発明の効果】
【0018】
この発明は上記のように構成したので、以下のような優れた効果を奏するものである。(a).成形後のタイヤ表面にはオーバーフロートリムがなく、従ってオーバーフロートリムの除去作業を省略でき、生産性の向上を図ることが出来る。
(b).ピースブロック間の間隙を容易に調整できる。
(c).金型の耐久性を向上させることが出来る。
(d).外観の良好なタイヤを製造することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、添付図面に基づき、この発明の実施形態を説明する。
【0020】
図1は、この発明を実施したセクショナル構造のタイヤ成形用金型における一つのセクターモールドの拡大斜視図を示し、このセクターモールド10は、アルミやスチール等で形成されたバックセグメント11の内面側に複数(この実施形態では7分割であるが、分割数については特に限定されない)に分割されたアルミやスチールで一体的に形成されたピースブロック12が着脱、かつ移動可能に組み込んで構成してある。
【0021】
即ち、複数に分割されたピースブロック12は、バックセグメント11の内面側に形成された凹部11aに左右方向に移動可能に組み込まれ、ピースブロック12の上下端部は、円弧状に形成された固定プレート13a,13bと、複数本の固定ボルト14により支持され、またバックセグメント11の左右端面側に位置するピースブロック12は、このピースブロック12に形成された凹部12aに、バックセグメント11からピースブロック12が脱落しないように上下固定プレート15a,15b,中央固定プレート15cを嵌合させて、固定ボルト16a,16bによりバックセグメント11に対して固定されている。
【0022】
なお、凹部12aに嵌合させる上下固定プレート15a,15b及び中央固定プレート15cは、図3(a),(b)及び図4(a),(b)に示すように、金型全閉時に凹部12aとの間に微小な間隙tを設けて取付けることが好ましい。
【0023】
また、この実施形態では、前記複数に分割されたピースブロック12のうち、中央に位置するピースブロック12xは、図2に示すように固定ボルト17によりバックセグメント11の裏面側から固定され、その両側に位置する複数のピースブロック12は、上記のようにバックセグメント11の内面側に形成された凹部11aに左右方向に移動可能に組み込まれている。なお、複数に分割されたピースブロック12の全てをバックセグメント11の凹部11aに左右方向に移動可能に組み込むことも可能である。
【0024】
次に、この発明の実施形態では、図2,図5〜図7に示すように、前記複数のピースブロック12の各当接面に、ピースブロック12間の間隙を調整するための弾性部材18が介在させてあり、この弾性部材18としては、耐熱性,耐摩耗性を有するゴム状弾性体(シリコン樹脂,フッ素樹脂,ゴム材料または樹脂とゴムとの混合材料)、または板バネ,コイルバネから選ばれた一つを使用する。なお、前記弾性部材18は、ピースブロック12の各当接面の全面または一部に、塗布,接着或いは固定するものである。
【0025】
また、前記弾性部材18は、バックセグメント11間に0.05mm以下の隙間tを生じさせないようにバックセグメント11の端面側に位置するピースブロック12の当接面には用いないように構成することも可能である。
【0026】
図8及び図9は、ピースブロック12の各当接面に弾性部材18を配設する場合の実施形態を示し、図8のC−C矢視側面図で示した図9の実施形態は、ピースブロック12の各当接面の全面に耐熱性,耐摩耗性を有するゴム状弾性体から成る弾性部材18を塗布,接着或いは固定したものである。
【0027】
この他の実施形態としては、図10(a)に示すように、ピースブロック12の各当接面の周囲に沿って帯状の弾性部材18aを連続的に形成したり、また図10(b)に示すように、ピースブロック12の各当接面に帯状の弾性部材18bを断片的に形成したり、更に図10(c)に示すように、円形状の弾性部材18cを所定の間隔を隔てて形成することも可能である。
【0028】
また、ピースブロック12の各当接面に弾性部材18を取付ける断面形状としては、図8のD−D矢視断面図で各実施形態を表した図11(a)〜(d)が考えられる。
【0029】
即ち、図11(a)に示すように、ピースブロック12の各当接面に弾性部材18を塗布または接着等により固定する方法や、図11(b)に示すように、ピースブロック12の各当接面に形成した凹部19に、断面円形状に形成した弾性部材18を当接面から所定の高さ突出させて埋設固定する方法、また図11(c)に示すように、ピースブロック12の片側の当接面に形成した凹部19aに断面円形状に形成した弾性部材18を当接面から所定の高さ突出させて埋設固定する方法、更に図11(d)に示すように、ピースブロック12の各当接面に形成した長溝状の凹部19bに、断面長方形状に形成した弾性部材18を当接面から所定の高さ突出させて埋設固定する方法等である。
【0030】
このような固定構造にして、ピースブロック12の各当接面を当接させた場合、各弾性部材18は、図11(e)〜(h)のようにそれぞれ変形して、ピースブロック12間の間隙を調整することが出来るものである。
【0031】
次に、バックセグメント11の内面側に移動可能に組み込む複数のピースブロック12の形態の各実施形態を示し、図12及び図13は、周方向に対して複数に分割するピースブロック12はストレート状に形成し、ピースブロック12の各当接面には、上述した弾性部材18を介在させたものである。
【0032】
また、図14及び図15は、周方向に対して複数に分割するピースブロック12はストレート状に形成すると共に、その長手方向を上下方向に所定の割合で二分割に構成したもので、この各ピースブロック12の各当接面には、上述した弾性部材18を介在させたものである。
【0033】
また、図16及び図17は、周方向に対して複数に分割するピースブロック12は中央部を一定の方向に湾曲または屈曲させて形成し、この各ピースブロック12の各当接面には、上述した弾性部材18を介在させたものである。
【0034】
更に、図18及び図19は、周方向に対して複数に分割するピースブロック12は中央部を一定の方向に傾斜させて形成し、この各ピースブロック12の各当接面には、上述した弾性部材18を介在させたものである。
【0035】
なお、各ピースブロック12の分割する形態は上記の実施形態に限定されるものではなく、相互に当接出来るように構成するものであれば、特に形状には限定されるものではない。
【0036】
このように構成するタイヤ成形用金型の製造方法としては、予めバックセグメント11に分割された複数のピースブロック12を着脱可能に組み込んだ複数のセクターモールド10を周上に配設し、このセクターモールド10の拡径時に未加硫タイヤWを投入し、縮径時にバックセグメント11及びピースブロック12を閉じてグリーンタイヤを加硫成形する。
【0037】
このタイヤの加硫成形時に、複数のピースブロック12の各当接面に介在させた弾性部材18により、各ピースブロック12間の間隙tを調整しながらタイヤを製造するもので、前記バックセグメント11の各当接面に弾性部材18を介在させる場合にも、ピースブロック12間の間隙tを調整しながらタイヤを製造する。
【0038】
このような製造方法によりタイヤを加硫成形すると、タイヤ表面にバリの無い外観の良好なタイヤを製造することが出来るものである。
【0039】
以上のように、複数の周方向に分割されたピースブロック12の各当接面に、ピースブロック12間の間隙を調整するための弾性部材18を介在させ、更にバックセグメント11に対して、ピースブロック12を移動可能に組み込んで構成したので、成形後のタイヤ表面にはオーバーフロートリムがなく、従ってオーバーフロートリムの除去作業を省略でき、またピースブロック間の間隙を容易に調整できると共に、金型の耐久性を向上させることが出来、更に外観の良好なタイヤを製造することが出来るものである。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】この発明を実施したセクショナル構造のタイヤ成形用金型における一つのセクターモールドの拡大斜視図である。
【図2】セクターモールドの平面図である。
【図3】(a)はモールド全閉時における図1のA−A矢視断面図、(b)はモールド全開時における図1のA−A矢視断面図である。
【図4】(a)はモールド全閉時における図1のB−B矢視断面図、(b)はモールド全開時における図1のB−B矢視断面図である。
【図5】モールド全開時におけるバックセグメントとピースブロックとの関係を示す一部拡大平面図である。
【図6】モールド全閉時におけるバックセグメントとピースブロックとの関係を示す一部拡大平面図である。
【図7】モールド全開時におけるバックセグメントとピースブロックとの関係を示す他の実施形態の一部拡大平面図である。
【図8】バックセグメントに組み込まれたこの発明のピースブロックの正面図である。
【図9】図8のC−C矢視における弾性部材を取付けたピースブロックの拡大側面図である。
【図10】(a)〜(c)は、ピースブロックの側面に取付けた弾性部材の他の実施形態の拡大側面図である。
【図11】(a)〜(c)は、ピースブロックの側面に取付けた弾性部材の各実施形態を示す断面図であり、(e)〜(h)は、ピースブロックの側面に取付けた弾性部材の圧縮時の各実施形態を示す断面図である。
【図12】この発明のピースブロックの第1実施形態を示す側面図である。
【図13】この発明のピースブロックの第1実施形態を示す正面図である。
【図14】この発明のピースブロックの第2実施形態を示す側面図である。
【図15】この発明のピースブロックの第2実施形態を示す正面図である。
【図16】この発明のピースブロックの第3実施形態を示す側面図である。
【図17】この発明のピースブロックの第3実施形態を示す正面図である。
【図18】この発明のピースブロックの第4実施形態を示す側面図である。
【図19】この発明のピースブロックの第4実施形態を示す正面図である。
【図20】従来のセクショナルモールド形式のタイヤ加硫装置の説明図である。
【図21】従来のセクショナルモールドの平面説明図である。
【図22】従来のバックセグメントとピースブロックとの一部拡大平面図である。
【図23】従来の一体型のバックセグメントとピースブロックとの一部拡大正面図である。
【図24】従来の一体型のバックセグメントとピースブロックとの一部拡大側面図である。
【図25】(a),(b)は、従来のセクターモールドの端面における面圧状態の説明図である。
【図26】従来の分割型のバックセグメントとピースブロックとの一部拡大正面図である。
【図27】従来の分割型のバックセグメントとピースブロックとの一部拡大側面図である。
【図28】(a),(b)は、従来の分割型セクターモールドの端面における面圧状態の説明図である。
【図29】(a),(b)は、セクターモールドとサイドプレートとのクリアランスの成長過程の説明図であって、本図は初期状態を示している。
【図30】(a),(b)は、セクターモールドとサイドプレートとのクリアランスの成長過程の説明図であって、本図は中期状態を示している。
【図31】(a),(b)は、セクターモールドとサイドプレートとのクリアランスの成長過程の説明図であって、本図は中期後期を示している。
【符号の説明】
【0041】
1 下部サイドプレート 1a 下モールド
2 上部サイドプレート 2a 上モールド
3 支持プレート 4 セクターモールド
5a ピースブロック 5 バックセグメント
6 セグメント 6a 傾斜面
7 コンテナリング
4A 体鋳造型のセクターモールド 4B 分割型のセクターモールド
P 面圧 h 間隙
S 割り位置 Q 隙間
10 セクターモールド 11 バックセグメント
12 ピースブロック 11a 凹部
12a 凹部 12x ピースブロック
13a,13b 固定プレート 14 固定ボルト
15a,15b 上下固定プレート 15c 中央固定プレート
16a,16b 固定ボルト 17 固定ボルト
t 間隙 18 弾性部材
18a,18b,18c 弾性部材
19 凹部 19a,19b 凹部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バックセグメントの内面側に複数に分割されたピースブロックを着脱可能に組み込んだ複数のセクターモールドを周上に配設して成るセクショナル構造のタイヤ成形用金型において、
前記複数のピースブロックの各当接面に、ピースブロック間の間隙を調整するための弾性部材を介在させたことを特徴とするタイヤ成形用金型。
【請求項2】
前記バックセグメントに対して、複数に分割されたピースブロックを移動可能に組み込んだ請求項1に記載のタイヤ成形用金型。
【請求項3】
前記弾性部材が、耐熱性,耐摩耗性を有するゴム状弾性体、または板バネ,コイルバネから選ばれた一つを使用する請求項1または2に記載のタイヤ成形用金型。
【請求項4】
前記弾性部材は、ピースブロックの各当接面の全面または一部に、塗布,接着或いは固定した請求項1,2または3に記載のタイヤ成形用金型。
【請求項5】
前記弾性部材は、ピースブロックの各当接面に形成した凹部に、当接面から所定の高さ突出させて埋設した請求項1,2,3または4に記載のタイヤ成形用金型。
【請求項6】
前記弾性部材を、バックセグメントの各当接面に介在させた請求項1,2,3,4または5に記載のタイヤ成形用金型。
【請求項7】
バックセグメントに分割された複数のピースブロックを着脱可能に組み込んだ複数のセクターモールドを周上に配設し、このセクターモールドの拡径時に未加硫タイヤを投入し、縮径時にバックセグメント及びピースブロックを閉じてグリーンタイヤを加硫成形するタイヤ製造方法において、
前記タイヤの加硫成形時に、複数のピースブロックの各当接面に介在させた弾性部材により、各ピースブロック間の間隙を調整しながらタイヤを製造することを特徴とするタイヤ製造方法。
【請求項8】
前記バックセグメントの各当接面に弾性部材を介在させて、ピースブロック間の間隙を調整しながらタイヤを製造する請求項7に記載のタイヤ製造方法。
【請求項9】
前記請求項7または請求項8に記載のタイヤ製造方法により、タイヤ表面を平滑に形成したタイヤ。
【請求項1】
バックセグメントの内面側に複数に分割されたピースブロックを着脱可能に組み込んだ複数のセクターモールドを周上に配設して成るセクショナル構造のタイヤ成形用金型において、
前記複数のピースブロックの各当接面に、ピースブロック間の間隙を調整するための弾性部材を介在させたことを特徴とするタイヤ成形用金型。
【請求項2】
前記バックセグメントに対して、複数に分割されたピースブロックを移動可能に組み込んだ請求項1に記載のタイヤ成形用金型。
【請求項3】
前記弾性部材が、耐熱性,耐摩耗性を有するゴム状弾性体、または板バネ,コイルバネから選ばれた一つを使用する請求項1または2に記載のタイヤ成形用金型。
【請求項4】
前記弾性部材は、ピースブロックの各当接面の全面または一部に、塗布,接着或いは固定した請求項1,2または3に記載のタイヤ成形用金型。
【請求項5】
前記弾性部材は、ピースブロックの各当接面に形成した凹部に、当接面から所定の高さ突出させて埋設した請求項1,2,3または4に記載のタイヤ成形用金型。
【請求項6】
前記弾性部材を、バックセグメントの各当接面に介在させた請求項1,2,3,4または5に記載のタイヤ成形用金型。
【請求項7】
バックセグメントに分割された複数のピースブロックを着脱可能に組み込んだ複数のセクターモールドを周上に配設し、このセクターモールドの拡径時に未加硫タイヤを投入し、縮径時にバックセグメント及びピースブロックを閉じてグリーンタイヤを加硫成形するタイヤ製造方法において、
前記タイヤの加硫成形時に、複数のピースブロックの各当接面に介在させた弾性部材により、各ピースブロック間の間隙を調整しながらタイヤを製造することを特徴とするタイヤ製造方法。
【請求項8】
前記バックセグメントの各当接面に弾性部材を介在させて、ピースブロック間の間隙を調整しながらタイヤを製造する請求項7に記載のタイヤ製造方法。
【請求項9】
前記請求項7または請求項8に記載のタイヤ製造方法により、タイヤ表面を平滑に形成したタイヤ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【公開番号】特開2006−159669(P2006−159669A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−355106(P2004−355106)
【出願日】平成16年12月8日(2004.12.8)
【出願人】(000006714)横浜ゴム株式会社 (4,905)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月8日(2004.12.8)
【出願人】(000006714)横浜ゴム株式会社 (4,905)
【Fターム(参考)】
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