説明

タイヤ空気圧監視システム及びタイヤ空気圧検出方法

【課題】簡易な構成ながらも、各車輪のいずれのタイヤに異常が発生したかを判別することのできるタイヤ空気圧監視システムを提供する。
【解決手段】このタイヤ空気圧監視システムは、タイヤの空気圧を検出するとともに検出された空気圧の情報を含む検出信号を無線送信するセンサユニットSU1〜SU4を有し、検出信号に含まれている空気圧の情報に基づいて各車輪W1〜W4のタイヤの空気圧を監視する。ここでは、静磁場M1,M2を形成することで、各車輪W1〜W4に異なった磁界を印加する。また、センサユニットSU1〜SU4では、印加される磁界を磁気センサを通じて検出するとともに、同磁気センサを通じて検出される磁界の情報を検出信号に含めて送信する。そして、検出信号に含まれている磁界の情報に基づいて、検出信号が各車輪W1〜W4のいずれのセンサユニットSU1〜SU4から送信されたものであるかを判別する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に設けられる各車輪のタイヤの空気圧を監視するタイヤ空気圧監視システム、及び各車輪のタイヤの空気圧を検出するタイヤ空気圧検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に設けられている各車輪のタイヤの空気圧をセンサを通じて監視するとともに、タイヤの空気圧に異常が検出されたときに運転者に対して警告を行う、いわゆるタイヤ空気圧監視システム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)が周知である。このようなシステムを車両に搭載すれば、運転者はタイヤの空気圧の異常を早期に知ることができるため、例えば車両の乗り心地や燃費を良好に保つことができるようになるとともに、トレッドの剥離やタイヤのバーストなどを未然に防止することができるようになる。
【0003】
ところで、このようなタイヤ空気圧監視システムは、当初、各車輪に設けられたセンサを通じて検出される空気圧のいずれかに異常が検出されたときに警告を行うものであった。すなわち、空気圧の異常が生じたタイヤを特定せずに、いずれかのタイヤに異常が生じたときに警告を行うものであった。このため、近年は、空気圧の異常が発生したタイヤに対して迅速且つ的確に対策を施すために、異常が発生したタイヤを運転者が判別することのできるシステムが望まれている。そして従来、このようなシステムとしては、例えば特許文献1に記載のシステムが知られている。図15は、この特許文献1に記載のシステムを含めて、従来一般に採用されているタイヤ空気圧監視システムの概要を示したものである。
【0004】
同図15に示されるように、このシステムでは、車両の各車輪W1〜W4の近傍にイニシエータ30a〜30dがそれぞれ設けられており、各イニシエータ30a〜30dから、対応する各車輪W1〜W4の周辺にトリガ信号を送信する。一方、各車輪W1〜W4には、トリガ信号を受信したときにタイヤの空気圧を検出するセンサユニット31a〜31dが設けられており、これらのセンサユニット31a〜31dは、タイヤの空気圧を検出すると、検出した空気圧の情報を含む検出信号を送信する。そして、このシステムにおいて、センサユニット31a〜31dから送信された検出信号は、車両に設けられた受信機32によって受信されるとともに、同システムにかかる各種制御を統括的に実行する制御装置33に伝達される。同制御装置33では、受信した検出信号に含まれる空気圧の情報に基づいて各タイヤの空気圧を監視するとともに、タイヤの空気圧に異常が検出された場合には、車室内に設けられているインジケータ34を通じて運転者に対して警告を行う。
【0005】
一方、このシステムでは、各イニシエータ30a〜30dから選択的にトリガ信号を送信する送信制御を制御装置33が実行する。これにより、制御装置33は、上記受信機32を介して検出信号を受信したときに、この検出信号が各車輪W1〜W4のいずれのセンサユニット31a〜31dから送信された検出信号であるかを把握することができるようになる。すなわち、検出信号に含まれるタイヤの空気圧の情報が、どの車輪のタイヤの空気圧の情報であるかを制御装置33が把握することができるようになる。したがって、インジケータ34を通じて警告を行う際に、空気圧の異常が発生したタイヤを特定するかたちで警告を行うことができるため、運転者は異常が発生したタイヤを判別することができるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−62516号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、トリガ信号を送信するためのイニシエータを各タイヤの近傍に設けるようにすれば、空気圧の異常が発生したタイヤを特定するかたちで警告を行うことができるため、運転者は異常が発生したタイヤを判別することができるようになる。ただし、このタイヤ空気圧監視システムでは、各タイヤに対応して設けられる4つのイニシエータ、及びその配線系が4組必要となり、このことが製造コストの増大などを招く一つの要因となっている。
【0008】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡易な構成ながらも、各車輪のいずれのタイヤに異常が発生したかを判別することのできるタイヤ空気圧監視システム及びタイヤ空気圧検出方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために請求項1に記載の発明は、車両の各車輪にそれぞれ設けられてタイヤの空気圧を検出するとともに、検出された空気圧の情報を含む検出信号を無線送信するセンサユニットを有し、同検出信号に含まれている空気圧の情報に基づいて前記各車輪のタイヤの空気圧を監視するタイヤ空気圧監視システムにおいて、前記各車輪に異なる磁界を印加すべく静磁場を形成する磁石を備えるとともに、前記センサユニットは、印加される磁界を検出する磁気検出素子を有して、該磁気検出素子を通じて検出される磁界の情報を前記検出信号に含めて送信するものであって、前記検出信号に含まれている磁界の情報に基づいて、同検出信号が前記各車輪のいずれのセンサユニットから送信されたものであるかを判別しつつ前記各車輪のタイヤの空気圧を監視することを要旨としている。
【0010】
また、請求項12に記載の発明は、車両の各車輪にそれぞれ設けられてタイヤの空気圧を検出するとともに、検出された空気圧の情報を含む検出信号を無線送信するセンサユニットを有し、同検出信号に含まれている空気圧の情報に基づいて前記各車輪のタイヤの空気圧を検出するタイヤ空気圧検出方法において、前記各車輪に異なる磁界を印加すべく静磁場を形成する磁石を備え、前記各車輪に印加されている磁界を前記センサユニットを通じて検出した後に、検出された磁界の情報を前記検出信号に含めて前記センサユニットから送信し、同検出信号に含まれている磁界の情報に基づいて、同検出信号が前記各車輪のいずれのセンサユニットから送信されたものであるかを判別しつつ前記各車輪のタイヤの空気圧の検出を行うことを要旨としている。
【0011】
上記システムや上記方法によれば、上述した各車輪に設けられるイニシエータを必要とすることなく、検出信号に含まれている空気圧の情報が各車輪のいずれのタイヤの空気圧を示すものであるかを判別することができるようになる。このため、イニシエータ、及びその配線系をシステムから省略してその構成を簡易なものとしつつも、各車輪のいずれのタイヤに異常が発生したかを判別することができるようになる。
【0012】
そしてこの場合、具体的には、請求項2に記載の発明によるように、前記磁石は、前記静磁場として、前記各車輪のうちの右車輪及び左車輪の各々における磁界の向きがそれぞれの車輪から見たときに互いに異なるような静磁場を形成するものであるとともに、前記センサユニットは、前記磁界の情報として、前記磁気検出素子を通じて検出される磁界の向きの情報を前記検出信号に含めて送信するものであって、前記検出信号に含まれている前記磁界の向きの情報に基づいて、同検出信号が前記右車輪及び左車輪のいずれのセンサユニットから送信されたものであるかを判別しつつ前記各車輪のタイヤの空気圧を監視する、といった構成を採用することが有効である。このような構成によれば、検出信号に含まれている空気圧の情報が右車輪及び左車輪のいずれのタイヤの空気圧を示すものであるかを容易に判別することができる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のタイヤ空気圧監視システムにおいて、前記磁石は、前記右車輪及び前記左車輪の各々における磁界の向きがそれぞれの車輪から見たときに互いに異なるような静磁場を形成すべく、前記右車輪及び前記左車輪における磁界の向きがそれぞれ、それらの回転軸に沿って前記車両の外側から内側に向かう第1の方向、及び前記車両の内側から外側に向かう第2の方向となる静磁場を形成するものであることを要旨としている。
【0014】
同システムによれば、各車輪の回転に伴ってセンサユニットが回転したとしても、各センサユニットにおける磁界の向きが変化し難くなる。換言すれば、検出信号に含まれている磁界の向きの情報が各車輪の回転に伴って変化してしまうような事態を回避することができるようになる。したがって、検出信号に含まれている空気圧の情報が右車輪及び左車輪のいずれのタイヤの空気圧を示すものであるかを正確に判別することができるようになるため、ひいては右車輪及び左車輪のいずれのタイヤに異常が発生したかを、より高い精度で判別することができるようになる。
【0015】
また、請求項1〜3のいずれか一項に記載のタイヤ空気圧監視システムにあっては、請求項4に記載の発明によるように、前記磁石は、前記静磁場として、前記各車輪のうちの前輪及び後輪の各々における磁界強度が互いに異なるような静磁場を形成するものであるとともに、前記センサユニットは、前記磁界の情報として、前記磁気検出素子を通じて検出される磁界強度の情報を前記検出信号に含めて送信するものであって、前記検出信号に含まれている前記磁界強度の情報に基づいて、同検出信号が前記前輪及び前記後輪のいずれのセンサユニットから送信されたものであるかを判別しつつ前記各車輪のタイヤの空気圧を監視する、といった構成を採用することも有効である。このような構成によれば、検出信号に含まれている空気圧の情報が前輪及び後輪のいずれのタイヤの空気圧を示すものであるかを容易に判別することが可能となる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のタイヤ空気圧監視システムにおいて、前記磁石は、前記前輪の右車輪及び左車輪における磁界の向きがそれぞれの車輪から見たときに互いに異なって且つ、それぞれの車輪における磁界強度が所定値以上となるような静磁場を形成する第1の電磁石と、前記後輪の右車輪及び左車輪における磁界の向きがそれぞれの車輪から見たときに互いに異なって且つ、それぞれの車輪における磁界強度が所定値以上となるような静磁場を形成する第2の電磁石とから構成されるものであり、前記第1及び第2の電磁石への通電を選択的に行うことにより前記前輪及び前記後輪のうちのいずれか一方における磁界強度を前記所定値以上に設定し、前記検出信号が前記前輪及び前記後輪のいずれのセンサユニットから送信されたものであるかの判別を、前記第1及び第2の電磁石への通電状態、並びに前記検出信号に含まれている前記磁界強度の情報に基づいて行うことを要旨としている。
【0017】
同システムによれば、検出信号に含まれている空気圧の情報が前輪及び後輪のいずれのタイヤの空気圧を示すものであるかの判別が、検出信号に含まれている磁界強度の情報だけでなく、第1及び第2の電磁石への通電状態に基づいて行われるようになる。このため、上記判別を、より正確に行うことができるようになり、ひいては各車輪のいずれのタイヤに異常が発生したかを、より高い精度で判別することができるようになる。
【0018】
さらに、請求項1〜3のいずれか一項に記載のタイヤ空気圧監視システムにあっては、請求項6に記載の発明によるように、前記センサユニットは、前記磁気検出素子を通じて所定の閾値以上の磁界強度が検出されることを条件に前記検出信号の送信を行うものであるとともに、前記磁石は、前記各車輪のうちの前輪及び後輪のいずれか一方における磁界強度が前記閾値以上となるような静磁場を形成する第3の電磁石によって構成されるものであって、前記第3の電磁石への通電を通じて前記前輪及び前記後輪のいずれか一方における磁界強度を前記閾値以上とした上で、前記検出信号が前記前輪及び前記後輪のいずれのセンサユニットから送信されたものであるかの判別を、前記前輪及び前記後輪のいずれの磁界強度を前記閾値以上としているかに基づいて行う、といった構成を採用することも有効である。このような構成によっても、検出信号に含まれている空気圧の情報が前輪及び後輪のいずれのタイヤの空気圧を示すものであるかを容易に判別することができる。
【0019】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載のタイヤ空気圧監視システムにおいて、前記磁石は、通電によって前記静磁場を形成する電磁石であることを要旨としている。
【0020】
同システムによれば、通電量を変化させるだけで静磁場を変化させることができるため、上述した静磁場を容易に形成することができるようになる。
請求項8に記載の発明は、請求項5〜7のいずれか一項に記載のタイヤ空気圧監視システムにおいて、前記電磁石は、車両に設けられた電子キーシステムを構成すべく車室内に設けられたバーアンテナを流用したものであることを要旨としている。
【0021】
同システムによれば、電磁石を新たに設ける必要がないため、更にコストの低減を図ることができるようになる。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載のタイヤ空気圧監視システムにおいて、前記センサユニットは、前記検出信号を送信する際に、予め登録されている固有の識別コードを前記検出信号に含めて送信するものであって、前記検出信号が前記各車輪のいずれのセンサユニットから送信されたものであるかを判別した際に、その判別結果に基づいて同検出信号に含まれている識別コードと前記各車輪の位置とを一対一に対応させるかたちで記憶手段に記憶するタイヤロケーション登録処理を行い、全ての車輪の位置とセンサユニットの識別コードとを一対一に対応させるかたちで記憶手段に記憶させて以降は、前記検出信号に含まれている識別コードと前記記憶手段に記憶されている識別コードとの比較に基づいて、前記検出信号に含まれている空気圧の情報が前記各車輪のいずれのタイヤの空気圧を示すものであるかを判別しつつ前記各車輪のタイヤの空気圧を監視することを要旨としている。
【0022】
同システムによれば、各車輪に対応するセンサユニットの識別コードが判別されて以降は、静磁場を形成することなく、検出信号に含まれている空気圧の情報が各車輪のいずれのタイヤの空気圧を示すものであるかを判別することができるようになる。これにより、電磁石への通電を通じて静磁場を形成しているシステムにあっては、電磁石への通電を行う必要がなくなるため、システムとしての消費電力を低減することができるようになる。
【0023】
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれか一項に記載のタイヤ空気圧監視システムにおいて、前記センサユニットは、前記検出信号の送信を自発的に行うものであることを要旨としている。
【0024】
同システムによれば、検出信号の送信を要求するトリガ信号をセンサユニットに送信するためのイニシエータを設ける必要がなくなるため、部品点数の低減やコストの低減を図ることができるようになる。
【0025】
請求項11に記載の発明は、請求項1〜10のいずれか一項に記載のタイヤ空気圧監視システムにおいて、前記センサユニットは、前記磁気検出素子を通じて検出される磁界の情報に基づいて、自身の動作状態を切り替えるものであることを要旨としている。
【0026】
従来のセンサユニットには、通常、アンテナが内蔵されており、センサユニットは、上述したイニシエータから送信される指令信号をアンテナを介して受信することによって起動/停止したり、あるいは上記検出信号を送信するように構成されている。この点、上記システムによれば、センサユニットに印加する磁界を変化させるだけでその動作状態を切り替えることができるため、従来のイニシエータのようにアンテナを内蔵する必要がなくなる。このため、センサユニットの構造の簡素化を図ることができるようになる。
【発明の効果】
【0027】
本発明にかかるタイヤ空気圧監視システムによれば、簡易な構成ながらも、各車輪のいずれのタイヤに異常が発生したかを判別することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明にかかるタイヤ空気圧監視システムの第1の実施形態についてそのシステム構成を示すブロック図。
【図2】同第1の実施形態のタイヤ空気圧監視システムが搭載された車両に搭載される電子キーシステムのシステム構成を示すブロック図。
【図3】同第1の実施形態のタイヤ空気圧監視システムについてそのセンサユニットの斜視構造を示す斜視図。
【図4】同センサユニットのシステム構成を示すブロック図。
【図5】同センサユニットから送信される検出信号の内容を模式的に示す図。
【図6】同第1の実施形態のタイヤ空気圧監視システムによる静磁場形成処理についてその処理手順を示すフローチャート。
【図7】同第1の実施形態のタイヤ空気圧監視システムによるフロント側タイヤロケーション登録処理についてその処理手順を示すフローチャート。
【図8】同第1の実施形態のタイヤ空気圧監視システムの動作例を示すブロック図。
【図9】同第1の実施形態のタイヤ空気圧監視システムの動作例を示すブロック図。
【図10】本発明にかかるタイヤ空気圧監視システムの第2の実施形態についてそのシステム構成を示すブロック図。
【図11】同第2の実施形態のタイヤ空気圧監視システムによるタイヤロケーション登録処理についてその処理手順を示すフローチャート。
【図12】本発明にかかるタイヤ空気圧監視システムの第3の実施形態についてそのシステム構成を示すブロック図。
【図13】同第3の実施形態のタイヤ空気圧監視システムによるリア側タイヤロケーション登録処理についてその処理手順を示すフローチャート。
【図14】(a),(b)は、本発明にかかるタイヤ空気圧監視システムの変形例についてそのセンサユニットによる磁界強度の変化パターンを検出する方法を示すタイミングチャート。
【図15】従来のタイヤ空気圧監視システムについてそのシステム構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかるタイヤ空気圧監視システムを具体化した第1の実施形態について図1〜図9を参照して説明する。図1は、タイヤ空気圧監視システムのシステム構成をブロック図として示したものであり、はじめに、同図1を参照して、このタイヤ空気圧監視システムの構成について説明する。
【0030】
同図1に示されるように、このタイヤ空気圧監視システムでは、車両の各車輪W1〜W4にセンサユニットSU1〜SU4が設けられており、このセンサユニットSU1〜SU4を通じてタイヤの空気圧や温度等が検出される。ちなみに、このセンサユニットSU1〜SU4は、検出したタイヤの各種情報を含む検出信号を生成するとともに、生成した検出信号を無線送信する部分でもある。また、この車両には、センサユニットSU1〜SU4から送信された検出信号を受信する受信機11が設けられるとともに、センサユニットSU1〜SU4を通じて検出されたタイヤの各種情報を表示するインジケータ12が設けられている。このインジケータ12は、具体的には図中に拡大して示すように、タイヤに異常が生じたときに点灯する警告ランプ12a、及びタイヤの空気圧や温度を表示する表示部12bからなり、各車輪W1〜W4のタイヤの情報を個別に表示することが可能となっている。そして、上記受信機11を介して受信される検出信号の処理、並びにインジケータ12の表示処理が、マイクロコンピュータを中心に構成されるシステム制御装置13を通じて実行される。
【0031】
なお、車両には、このようなタイヤ空気圧監視システムと共に、運転者が携帯所持する携帯機20との間の無線通信を通じて車載エンジンを始動させる、いわゆる電子キーシステムも搭載されている。次に、図2を参照して、この電子キーシステムの構成、動作について簡単に説明する。同図2に示されるように、この電子キーシステムでは、前輪W1,W2の間に配設されるフロント側バーアンテナ14aから送信機14を介してLF帯の電波を用いてリクエスト信号を発信するとともに、後輪W3,W4の間に配設されるリア側バーアンテナ15aから送信機15を介してリクエスト信号を一様に発信することで、車室内に検知エリアBを形成する。一方、携帯機20は、検知エリアBに発信されているリクエスト信号を受信したときに識別コード(IDコード)を含む応答信号を送信する。すなわち、携帯機20を所持したユーザが上記検知エリアBに進入することによって、同携帯機20から応答信号が送信される。またこのシステムにおいて、携帯機20から送信された応答信号は、上記受信機11によって受信されるとともに、同受信機11から上記システム制御装置13に伝達される。システム制御装置13では、このようにして応答信号が伝達されると、応答信号に含まれている携帯機20の識別コードと、記憶手段としてのメモリ13aに記憶されている識別コードとの照合を行う。そして、互いの識別コードが一致している旨が判定され
て且つ、車両のステアリング装置の近傍に設けられたエンジンスイッチ16がユーザによってプッシュ操作されることを条件に車載エンジン17を始動させる。
【0032】
ところで、上記バーアンテナ14a,15aは、LF帯の電波を送出するコイル形のアンテナであるため、直流電流を流すことにより電磁石として機能させることが可能である。すなわち、図1に二点鎖線で示されるように、バーアンテナ14a,15aに直流電流を流すことによって、各車輪W1〜W4に磁界を印加することのできる静磁場M1,M2をそれぞれ形成することが可能である。そして、このような静磁場M1,M2を形成した場合、右車輪W1,W3における磁界の向きは、図中に矢印で示すように、それらの回転軸W1a,W3aに沿って車両の外側から内側に向かう第1の方向となるとともに、左車輪W2,W4における磁界の向きは、それらの回転軸W2a,W4aに沿って車両の内側から外側に向かう第2の方向となる。すなわち、右車輪W1,W3及び左車輪W2,W4の各々における磁界の向きが、それぞれの車輪から見たときに互いに異なったものとなる。したがって、上記センサユニットSU1〜SU4が各々における磁界の向きの情報を上記検出信号に含めて送信すれば、この検出信号が右車輪W1,W3及び左車輪W2,W4のいずれのセンサユニットから送信されたものであるかを判別することが可能である。ちなみに、上述のように各車輪W1〜W4における磁界の向きをそれらの回転軸に沿った方向に設定すれば、各車輪W1〜W4の回転に伴ってセンサユニットSU1〜SU4が回転したとしても、各センサユニットにおける磁界の向きが変化し難くなる。換言すれば、検出信号に含まれている磁界の向きの情報が各車輪W1〜W4の回転に伴って変化してしまうような事態を回避することができるようになる。
【0033】
さらに、バーアンテナ14a,15aへの通電を選択的に行えば、上記静磁場M1,M2のいずれか一方のみを形成することができるため、例えば静磁場M1のみを形成することによって前輪W1,W2における磁界強度のみを所定値B1以上に設定することが可能である。すなわち、前輪W1,W2及び後輪W3,W4の各々における磁界強度を、互いに異ならせることが可能である。したがって、バーアンテナ14a,15aへの通電を選択的に行うとともに、センサユニットSU1〜SU4が各々における磁界強度の情報を上記検出信号に含めて送信すれば、この検出信号が前輪W1,W2及び後輪W3,W4のいずれのセンサユニットから送信されたものであるかを判別することが可能である。
【0034】
そこで、本実施形態では、磁界の向き及び磁界強度を検出するための磁気センサを各センサユニットSU1〜SU4にそれぞれ設けた上で、この磁気センサを通じて検出される磁界の情報を上記検出信号に含めて送信するようにしている。そして、この検出信号に含まれている磁界の情報に基づいて、検出信号が各車輪W1〜W4のいずれのセンサユニットから送信されたものであるかを判別するようにしている。
【0035】
次に、図3及び図4を参照して、上記センサユニットSU1〜SU4の構造について詳述する。図3は、センサユニットSU1〜SU4の斜視構造を示したものであり、また、図4は、センサユニットSU1〜SU4のシステム構成をブロック図で示したものである。なお、各センサユニットSU1〜SU4はそれぞれ同一の構造を有しているため、以下では、便宜上、代表してセンサユニットSU1についてのみ説明する。
【0036】
同図3に示されるように、センサユニットSU1は、空気圧センサや温度センサ(図示略)などを内蔵するユニット本体21と、空気が吸入される部分としてユニット本体21に突設されるタイヤバルブ22とによって構成されている。ちなみに、ユニット本体21には、タイヤバルブ22から吸入された空気をタイヤの内部に導くための空気穴21a、及び内部の空気圧センサや温度センサにタイヤ内部の空気を導くためのセンサ穴21bが形成されている。また、先の図1に示すように、各センサユニットSU1〜SU4は、タイヤバルブ22を車両の外側に向ける態様にて各車輪W1〜W4に装着されている。
【0037】
一方、図4に示されるように、センサユニットSU1には、タイヤの状態を検出するための各種センサが設けられている。具体的には、上述した空気圧センサ23や温度センサ24と共に、タイヤの加速度(厳密に言えばタイヤの遠心加速度)を検出するための加速度センサ25、センサユニットSU1の電源である電池の残量を検出する電池残量センサ26、及びセンサユニットSU1に印加されている磁界を検出する磁気センサ27が設けられている。ここで、この磁気センサ27は、センサユニットSU1おける磁界強度を検出する磁界強度検出部27aと、同じくセンサユニットSU1における磁界の向きを検出する磁界方向検出部27bとを有している。これらのうち、前者の磁界強度検出部27aは、印加される磁界強度(磁束密度)に応じてホール効果によってホール電圧信号を出力するホール素子やその信号処理回路等からなるものであり、印加される磁界強度に応じた電圧信号を出力する。一方、後者の磁界方向検出部27bも、ホール素子やその信号処理回路等からなるものであって、センサユニットSU1における磁界の向きがタイヤバルブ22の突出方向(図3の矢印aで示す方向)と同じ方向の成分を有しているか、あるいはタイヤバルブ22の突出方向と逆方向の成分を有しているかを検出することが可能なものである。
【0038】
そして、上記各センサ23〜27の出力信号は、マイクロコンピュータを中心に構成されるセンサユニット制御装置28に取り込まれる。このセンサユニット制御装置28は、各センサ23〜27の出力信号に基づいて検出信号を生成するとともに、生成した検出信号を送信機29を介して上記受信機11に送信する。ちなみに、図5に示すように、検出信号には、各センサ23〜27を通じて検出されるタイヤの空気圧、タイヤの温度、電池残量、タイヤの加速度、及びセンサユニットSU1における磁界の情報と共に、センサユニット制御装置28に内蔵されるメモリに予め記憶されているセンサユニットSU1固有の識別コードなどの情報が含まれている。ここで、磁界の情報は、磁気センサ27の出力信号に基づいて、例えば以下の(a1)〜(a3)に示されるビット列をもって設定される。
【0039】
(a1)磁界強度検出部27aを通じて検出される磁界強度が上記所定値B1以上であって且つ、磁界方向検出部27bを通じて検出される磁界の向きが上記タイヤバルブ22の突出方向と逆方向の成分を有している場合。この場合には、磁界の情報がビット列「11」に設定される。
【0040】
(a2)磁界強度検出部27aを通じて検出される磁界強度が上記所定値B1以上であって且つ、磁界方向検出部27bを通じて検出される磁界の向きが上記タイヤバルブ22の突出方向と同じ方向の成分を有している場合。この場合には、磁界の情報がビット列「00」に設定される。
【0041】
(a3)磁界強度検出部27aを通じて検出される磁界強度が上記所定値B1未満である場合。この場合には、磁界の情報がビット列「10」に設定される。
なお、センサユニット制御装置28は、検出信号の送信を自発的に行うものであり、所定の周期Tをもって間欠的に検出信号を送信する。これにより、前述した従来のタイヤ空気圧監視システムのように、検出信号の送信を要求するトリガ信号を各センサユニットSU1〜SU4にそれぞれ送信するためのイニシエータを設ける必要がなくなるため、システムとしての部品点数の低減やコストの低減を図ることができるようになる。
【0042】
そして、各センサユニットSU1〜SU4から送信された検出信号は、上述のように、車両に設けられる受信機11を介して受信されるとともに、システム制御装置13に伝達される。このシステム制御装置13では、検出信号に含まれている磁界の情報に基づいて、同検出信号が各車輪W1〜W4のいずれのセンサユニットSU1〜SU4から送信されたものであるかを判別する。そして、その判別結果、及び検出信号に含まれている各種情報に基づいてタイヤロケーション登録処理を実行する。このタイヤロケーション登録処理は、検出信号に含まれている各センサユニットSU1〜SU4の識別コードID1〜ID4と各車輪W1〜W4の位置とを一対一で対応させるかたちで上記メモリ13aに記憶するとともに、検出信号に含まれているタイヤの各種情報をインジケータ12に表示する処理である。また、システム制御装置13は、このタイヤロケーション登録処理を実行するにあたり、上記バーアンテナ14a,15aへの通電を選択的に行うことで上記静磁場M1,M2のいずれか一方を形成する静磁場形成処理も実行する。
【0043】
次に、図6及び図7を参照して、これらタイヤロケーション登録処理、及び静磁場形成処理の具体的な手順を説明する。
図6は、システム制御装置13を通じて実行される静磁場形成処理の処理手順をフローチャートで示したものであり、始めに、この静磁場形成処理について説明する。なお、この処理は、上記エンジンスイッチ16のプッシュ操作に基づいて車載エンジン17を始動させた時点で実行される。
【0044】
同図6に示されるように、この静磁場形成処理では、はじめに、上記フロント側バーアンテナ14aに直流電流を流して上記静磁場M1を形成するとともに(ステップS10)、続くステップS11の処理として、フロント側バーアンテナ14aへの通電を開始した時点から上記検出信号の送信周期Tが経過したか否かが判断される。具体的には、フロント側バーアンテナ14aに直流電流を流し始めた時点からの経過時間がシステム制御装置13の内部タイマを通じて計測されるとともに、この経過時間が検出信号の送信周期Tに達したか否かに基づいて判断される。ここで、ステップS10のフロント側バーアンテナ14aによる静磁場の形成処理は、同バーアンテナ14aへの通電を開始した時点から上記検出信号の送信周期Tが経過していない期間(ステップS11:NO)に限って維持される。そして、検出信号の送信周期Tが経過した時点で(ステップS11:YES)、今度はリア側バーアンテナ15aに対して同様の通電処理が実行される。
【0045】
すなわち、上記リア側バーアンテナ15aに直流電流を流して上記静磁場M2を形成するとともに(ステップS12)、続くステップS13の処理として、リア側バーアンテナ15aへの通電を開始した時点から上記検出信号の送信周期Tが経過したか否かが判断される。ここで、ステップS12のリア側バーアンテナ15aによる静磁場M2の形成処理も、同バーアンテナ15aへの通電を開始した時点から上記検出信号の送信周期Tが経過していない期間(ステップS13:NO)に限って維持される。そして、検出信号の送信周期Tが経過した時点で(ステップS13:YES)、システム制御装置13は、この一連の処理を終了する。
【0046】
次に、上記タイヤロケーション登録処理について説明する。
このタイヤロケーション登録処理は、大きくは、次の(b1),(b2)に示される2つの処理からなる。
【0047】
(b1)上記静磁場形成処理を通じてフロント側バーアンテナ14aによって静磁場M1が形成されている期間に、所定の演算周期をもって繰り返し実行されるフロント側タイヤロケーション登録処理。
【0048】
(b2)上記静磁場形成処理を通じてリア側バーアンテナ15aによって静磁場M2が形成されている期間に、所定の演算周期をもって繰り返し実行されるリア側タイヤロケーション登録処理。
【0049】
なお、後者のリア側タイヤロケーション登録処理は、前者のフロント側タイヤロケーション登録処理に準じた処理であるため、以下では、説明の便宜上、フロント側タイヤロケーション登録処理についてのみ説明する。
【0050】
図7は、システム制御装置13を通じて実行されるフロント側タイヤロケーション登録処理の処理手順をフローチャートで示したものである。
同図7に示されるように、このフロント側タイヤロケーション登録処理では、はじめに、上記受信機11を介して検出信号を受信したか否かが判断される(ステップS20)。そして、検出信号を受信した場合には(ステップS20:YES)、続くステップS21の処理として、検出信号に含まれている静磁場の情報がビット列「11」であるか否かが判断される(ステップS21)。ここで、検出信号に含まれている静磁場の情報がビット列「11」である場合には(ステップS21:YES)、この検出信号は右前輪W1のセンサユニットから送信されたものであると判別されて、同検出信号に含まれている識別コードが右前輪W1のセンサユニットの識別コードとしてメモリ13aに記憶される(ステップS22)。続いて、検出信号に含まれているタイヤの各種情報が右前輪W1のタイヤの情報として上記インジケータ12に表示されて(ステップS23)、システム制御装置13は、この一連の処理を終了する。
【0051】
一方、ステップS21の処理において、検出信号に含まれている磁界の情報がビット列「11」でない旨が判断された場合には(ステップS21:NO)、今度は検出信号に含まれている磁界の情報がビット列「00」であるか否かが判断される(ステップS24)。ここで、検出信号に含まれている磁界の情報がビット列「00」である場合には(ステップS24:YES)、この検出信号は左前輪W2のセンサユニットから送信されたものであると判別されて、同検出信号に含まれている識別コードが左前輪W2のセンサユニットの識別コードとしてメモリ13aに記憶される(ステップS25)。また、検出信号に含まれているタイヤの各種情報が左前輪W2のタイヤの情報として上記インジケータ12に表示されて(ステップS26)、システム制御装置13はこの一連の処理を終了する。
【0052】
なお、ステップS24の処理で、検出信号に含まれている磁界の情報がビット列「00」でない旨が判断された場合(ステップS24:NO)、すなわち、磁界の情報がビット列「10」である場合にも、システム制御装置13はこの一連の処理を終了する。
【0053】
次に、図8及び図9を参照して、このような静磁場形成処理及びタイヤロケーション登録処理に基づきインジケータ12の表示、並びに各センサユニットSU1〜SU4の識別コードの登録が行われる様子について説明する。
【0054】
同図8に示されるように、静磁場形成処理を通じてフロント側バーアンテナ14aへの通電を行っている期間、すなわち上記静磁場M1が形成されている期間にあっては、前輪W1,W2における磁界強度のみが上記所定値B1以上となる。またこのとき、右前輪W1における磁界の向きは、車両の外側から内側に向かう方向、すなわちタイヤバルブ22の突出方向と逆の方向となるため、右前輪W1のセンサユニットSU1から送信される検出信号は、磁界の情報としてビット列「11」を含む信号となる。したがって、この検出信号が受信機11を介して受信されると、同検出信号に含まれている識別コードID1が右前輪W1のセンサユニットSU1の識別コードとして上記メモリ13aに記憶されるとともに、同じく検出信号に含まれているタイヤの各種情報が右前輪W1のタイヤの情報としてインジケータ12に表示される。一方、左前輪W2における磁界の向きは、車両の内側から外側に向かう方向、すなわちタイヤバルブ22の突出方向と同じ方向となるため、左前輪W2のセンサユニットSU2から送信される検出信号は、磁界の情報としてビット列「00」を含む信号となる。したがって、この検出信号が受信機11を介して受信されると、同検出信号に含まれている識別コードID2が左前輪W2のセンサユニットSU2の識別コードとして上記メモリ13aに記憶されるとともに、同じく検出信号に含まれているタイヤの各種情報が左前輪W2のタイヤの情報としてインジケータ12に表示される。なお、後輪W3,W4における磁界強度は上記所定値B1以下となるため、センサユニットSU3,SU4から送信される検出信号は、磁界の情報としてビット列「10」を含む信号となり、これらの検出信号に基づいて識別コードの登録処理やインジケータ12の表示処理は行われない。
【0055】
続いて、図9に示されるように、静磁場形成処理を通じてリア側バーアンテナ15aへの通電を行っている期間、すなわち静磁場M2を形成している期間にあっては、今度は後輪W3,W4について同様の処理が行われて、センサユニットSU3,SU4の識別コードID3,ID4がメモリ13aに記憶されるとともに、後輪W3,W4のタイヤの情報がインジケータ12に表示される。
【0056】
タイヤ空気圧監視システムとしてのこうした構成によれば、従来のシステムに設けられているイニシエータ、及びその配線系を省略しつつも、各車輪W1〜W4のタイヤの情報をインジケータ12に表示することができるようになる。このため、インジケータ12を通じて各車輪W1〜W4のいずれのタイヤに異常が発生したかを判別することができるようになる。
【0057】
ちなみに、上記システム制御装置13は、各センサユニットSU1〜SU4の識別コードID1〜ID4と各車輪W1〜W4の位置とを一対一に対応させるかたちでメモリ13aに記憶して以降、検出信号に含まれているタイヤの各種情報が各車輪W1〜W4のいずれのタイヤの情報であるかを次のように判断する。まず、検出信号を上記受信機11を介して受信したとき、同検出信号に含まれている識別コードとメモリ13aに記憶されている識別コードとを比較し、その比較結果に基づいて、この検出信号が各車輪W1〜W4のいずれのセンサユニットから送信されたものであるかを判別する。具体的には、検出信号に含まれている識別コードがID1である場合には、この検出信号は右前輪W1のセンサユニットから送信されたものであると判別する。また、その判別結果に基づいて、検出信号に含まれているタイヤの各種情報をインジケータ12に表示する処理を行う。このような構成によれば、各車輪W1〜W4に対応するセンサユニットSU1〜SU4の識別コードID1〜ID4が判別されて以降は、上記静磁場M1,M2を形成することなく、検出信号が各車輪W1〜W4のいずれのセンサユニットから送信されたものであるかを判別することができるようになる。したがって、バーアンテナ14a,15aへの通電を行う必要がなくなるため、システムとしての消費電力を低減することができるようになる。
【0058】
一方、車両に搭載されているタイヤは、通常、その摩耗を均一化させて寿命を延ばすために、例えば車両の走行距離などに応じてローテーション(位置交換)が行われる。ここで、このようなローテーションが行われた場合には、各センサユニットSU1〜SU4の位置が変化してしまうため、上述したタイヤロケーション登録処理を改めて実行する必要がある。この点、本実施形態にかかるタイヤ空気圧監視システムによれば、運転者の手動操作によることなく、車載エンジン17が始動する度にタイヤロケーション登録処理が自動的に実行されるため、運転者の利便性が向上するようになる。
【0059】
以上説明したように、本実施形態にかかるタイヤ空気圧監視システムによれば、以下のような効果が得られるようになる。
(1)右車輪W1,W3及び左車輪W2,W4における磁界の向きがそれぞれの車輪から見たときに互いに異なって且つ、前輪W1,W2及び後輪W3,W4における磁界強度が互いに異なるような静磁場M1,M2をバーアンテナ14a,15aによって選択的に形成するようにした。また、センサユニットSU1〜SU4では、磁気センサ27を通じて検出される磁界の情報を検出信号に含めて送信するようにした。そして、検出信号に含まれている磁界の情報、並びにバーアンテナ14a,15aへの通電状態に基づいて、この検出信号が各車輪W1〜W4のいずれのセンサユニットから送信されたものであるかを判別するようにした。これにより、イニシエータ、及びその配線系をシステムから省略してその構成を簡易なものとしつつも、各車輪W1〜W4のいずれのタイヤに異常が発生したかを判別することができるようになる。
【0060】
(2)右車輪W1,W3における磁界の方向がそれらの回転軸W1a,W3aに沿って車両の外側から内側に向かう第1の方向となって且つ、左車輪W2,W4における磁界の方向がそれらの回転軸W2a,W4aに沿って車両の内側から外側に向かう第2の方向となるような静磁場M1,M2を形成するようにした。これにより、各車輪W1〜W4の回転に伴ってセンサユニットSU1〜SU4が回転したとしても、センサユニットSU1〜SU4における磁界の向きが変化し難くなるため、右車輪W1,W3及び左車輪W2,W4のいずれのタイヤに異常が発生したかを、より高い精度で判別することができるようになる。
【0061】
(3)静磁場M1,M2を形成するにあたり、電子キーシステムで用いられているバーアンテナ14a,15aを電磁石として利用するようにした。これにより、電磁石を新たに設ける必要がなくなるため、更にコストの低減を図ることができるようになる。
【0062】
(4)検出信号が各車輪のいずれのセンサユニットから送信されたものであるかを判別した際に、その判別結果に基づいて検出信号に含まれている識別コードと各車輪W1〜W4の位置とを一対一に対応させるかたちでメモリ13aに記憶させるようにした。そして、全ての車輪W1〜W4の位置とセンサユニットSU1〜SU4の識別コードID1〜ID4を一対一に対応させるかたちでメモリ13aに記憶させて以降は、検出信号に含まれている識別コードとメモリ13aに記憶されている識別コードとの比較に基づいて、検出信号に含まれているタイヤの各種情報が各車輪のいずれのタイヤの情報を示すものであるかを判別するようにした。これにより、各車輪W1〜W4に対応するセンサユニットSU1〜SU4の識別コードが判別されて以降は、バーアンテナ14a,15aへの通電を行う必要がなくなるため、システムとしての消費電力を低減することができるようになる。
【0063】
(5)タイヤロケーション登録処理を、車載エンジン17が始動する度に実行するようにした。これにより、運転者の手動操作によることなく、タイヤロケーション登録処理が自動的に実行されるようになるため、運転者の利便性が向上するようになる。
【0064】
(6)センサユニットSU1〜SU4からの検出信号の送信を自発的に行うようにした。これにより、従来のシステムのように、検出信号の送信を要求するトリガ信号をセンサユニットに送信するためのイニシエータを設ける必要がなくなるため、部品点数の低減やコストの低減を図ることができるようになる。
【0065】
(第2の実施形態)
続いて、本発明にかかるタイヤ空気圧監視システムの第2の実施形態について図10及び図11を参照して説明する。なお、この第2の実施形態にかかるタイヤ空気圧監視システムも、その基本構造は先の図1に示した構造に準ずるものであり、ここでは、先の図1に対応する図として、同システムのシステム構成を図10に示す。また、この図10において、先の図1に示した要素と同一の要素にはそれぞれ同一の符号を付すことにより重複する説明を割愛し、以下では、両者の相違点を中心に説明する。
【0066】
同図10に示されるように、本実施形態にかかるタイヤ空気圧監視システムでは、上述したバーアンテナ14a,15aのうち、フロント側バーアンテナ14aのみによって静磁場を形成するようにしている。また、フロント側バーアンテナ14aへの通電量を適宜変更することで、同アンテナ14aによって形成される静磁場M1の磁界強度を強くするようにしている。そして、このような磁界強度の強い静磁場M1を形成することによって、全ての車輪W1〜W4に磁界を印加するようにしている。なおこのとき、前輪W1,W2における磁界強度が第1の閾値B21よりも大きくなるとともに、後輪W3,W4における磁界強度が第2の閾値B22(<B1)よりも大きくなる。
【0067】
一方、本実施形態におけるセンサユニットSU1〜SU4は、磁界強度検出部27aを通じて検出される磁界強度が上記第1の閾値B21を超えたときに、あるいは上記第2の閾値B22を超えたときに上記検出信号の送信を行うように構成されている。すなわち、本実施形態では、上記フロント側バーアンテナ14aによって静磁場M1を形成したとすると、全てのセンサユニットSU1〜SU4から検出信号が送信される。
【0068】
ところで、従来のセンサユニットは、通常、アンテナを有しており、上述したイニシエータから送信される指令信号をアンテナを介して受信することによって検出信号を送信するように構成されている。これに対し、本実施形態では、センサユニットSU1〜SU4にアンテナを内蔵することなく、センサユニットSU1〜SU4に磁界を印加するだけでそれらが検出信号の送信を行うため、センサユニットSU1〜SU4の構造の簡素化を図ることができるようになる。
【0069】
なお、この検出信号に含まれている上記磁界の情報は、上記磁気センサ27の出力信号に基づいて、以下の(c1)〜(c4)に示されるビット列をもって設定される。
(c1)磁界強度検出部27aを通じて検出される磁界強度が第1の閾値B21に達することを条件に検出信号を送信する状況において、上記磁界方向検出部27bを通じて検出される磁界の向きが上記タイヤバルブ22の突出方向と逆方向の成分を有している場合。この場合には、磁界の情報がビット列「10」に設定される。
【0070】
(c2)磁界強度検出部27aを通じて検出される磁界強度が第1の閾値B21に達することを条件に検出信号を送信する状況において、上記磁界方向検出部27bを通じて検出される磁界の向きが上記タイヤバルブ22の突出方向と同じ方向の成分を有している場合。この場合には、磁界の情報がビット列「01」に設定される。
【0071】
(c3)磁界強度検出部27aを通じて検出される磁界強度が第2の閾値B22に達することを条件に検出信号を送信する状況において、上記磁界方向検出部27bを通じて検出される磁界の向きが上記タイヤバルブ22の突出方向と逆方向の成分を有している場合。この場合には、磁界の情報がビット列「11」に設定される。
【0072】
(c4)磁界強度検出部27aを通じて検出される磁界強度が第2の閾値B22に達することを条件に検出信号を送信する状況において、上記磁界方向検出部27bを通じて検出される磁界の向きが上記タイヤバルブ22の突出方向と同じ方向の成分を有している場合。この場合には、磁界の情報がビット列「00」に設定される。
【0073】
また、センサユニットとしてのこうした構成は、センサユニットSU2〜SU4についても同様である。
ところで、各センサユニットSU1〜SU4をこのように構成すれば、フロント側バーアンテナ14aによって静磁場M1を形成したとすると、各車輪W1〜W4のセンサユニットSU1〜SU4から送信される検出信号は、図10に示すように、磁界の情報としてビット列「11」,「00」,「10」,「01」をそれぞれ含む信号となる。すなわち、検出信号に含まれている磁界の情報が、各センサユニットSU1〜SU4の配設される車輪の位置に応じて互いに異なったものとなるため、検出信号に含まれている磁界の情報に基づいて、同検出信号が各車輪のいずれのセンサユニットから送信されたものであるかを判別することが可能である。
【0074】
そこで、本実施形態では、検出信号に含まれている磁界の情報に基づいて、同検出信号が各車輪W1〜W4のいずれのセンサユニットから送信されたものであるかを判別しつつ、上記タイヤロケーション登録処理を実行するようにしている。なお、上記システム制御装置13は、このタイヤロケーション登録処理を実行するにあたり、上述した静磁場形成処理として、上記車載エンジン17を始動させた時点から所定時間が経過するまでの期間、フロント側バーアンテナ14aへの通電を行って静磁場M1を形成する処理を行う。
【0075】
図11は、先の図7に対応する図として、本実施形態においてシステム制御装置13を通じて実行されるタイヤロケーション登録処理の処理手順をフローチャートで示したものである。なお、図11において、図7と同様の処理についてはそれぞれ同一の符号を付すことにより重複する説明を割愛する。
【0076】
同図11に示されるように、本実施形態のタイヤロケーション登録処理では、ステップS24の処理において、検出信号に含まれている磁界の情報がビット列「00」でない旨が判断された場合には(ステップS24:NO)、同磁界の情報がビット列「10」であるか否かが判断される(ステップS30)。ここで、検出信号に含まれている磁界の情報がビット列「10」である場合には(ステップS30:YES)、この検出信号は右後輪W3のセンサユニットから送信されたものであると判別されて、同検出信号に含まれている識別コードが右後輪W3のセンサユニットの識別コードとしてメモリ13aに記憶される(ステップS31)。続いて、検出信号に含まれているタイヤの各種情報が右後輪W3の情報として上記インジケータ12に表示されて(ステップS32)、システム制御装置13はこの一連の処理を終了する。
【0077】
一方、ステップ30の処理において、検出信号に含まれている磁界の情報がビット列「10」でない旨が判断された場合(ステップS30:NO)、すなわち磁界の情報がビット列「01」である場合には、この検出信号は左後輪W4のセンサユニットから送信されたものであると判別されて、検出信号に含まれている識別コードが左後輪W4のセンサユニットの識別コードとしてメモリ13aに記憶される(ステップS33)。また、検出信号に含まれているタイヤの各種情報が左後輪W4のタイヤの情報としてインジケータ12に表示されて(ステップS34)、システム制御装置13はこの一連の処理を終了する。
【0078】
タイヤ空気圧監視システムとしてのこうした構成によっても、従来のシステムに設けられているイニシエータ、及びその配線系を省略しつつも、各車輪W1〜W4のタイヤの情報をインジケータ12に表示することができるようになる。このため、インジケータ12を通じて各車輪W1〜W4のいずれのタイヤに異常が発生したかを判別することができるようになる。
【0079】
以上説明したように、本実施形態によれば、先の第1の実施形態による上記(2)〜(5)のそれぞれの効果に加え、上記(1)及び(6)の効果に代わる効果として以下の効果が得られるようになる。
【0080】
(7)右車輪W1,W3及び左車輪W2,W4における磁界の向きがそれぞれの車輪から見たときに互いに異なって且つ、前輪W1,W2及び後輪W3,W4における磁界強度が互いに異なるような静磁場M1をフロント側バーアンテナ14aによって形成するようにした。また、センサユニットSU1〜SU4では、磁気センサ27を通じて検出される磁界の情報を検出信号に含めて送信するようにした。そして、検出信号に含まれている磁界の情報に基づいて、この検出信号が各車輪W1〜W4のいずれのセンサユニットから送信されたものであるかを判別するようにした。これにより、イニシエータ、及びその配線系をシステムから省略してその構成を簡易なものとしつつも、各車輪W1〜W4のいずれのタイヤに異常が発生したかを判別することができるようになる。
【0081】
(8)磁界強度検出部27aを通じて検出される磁界強度に基づいてセンサユニットSU1〜SU4から検出信号を送信するようにした。これにより、従来のタイヤ空気圧監視システムのようにセンサユニットにアンテナを内蔵する必要がなくなるため、センサユニットSU1〜SU4の構造の簡素化を図ることができるようになる。
【0082】
(第3の実施形態)
続いて、本発明にかかるタイヤ空気圧監視システムの第3の実施形態について図12及び図13を参照して説明する。なお、この第3の実施形態にかかるタイヤ空気圧監視システムも、その基本構造は先の図10に示した構造に準ずるものであり、ここでは、先の図10に対応する図として、同システムのシステム構成を図12に示す。なお、この図12において、先の図10に示した要素と同一の要素にはそれぞれ同一の符号を付すことにより重複する説明を割愛し、以下では、両者の相違点を中心に説明する。
【0083】
本実施形態にかかるタイヤ空気圧監視システムでは、フロント側バーアンテナ14aへの通電量を適宜変更することで、同アンテナ14aによって形成される静磁場M1の磁界強度を強弱させるようにしている。具体的には、静磁場M1の磁界強度を強めた場合には、先の図10に例示した静磁場が形成される。一方、静磁場M1の磁界強度を弱めた場合には、図12に示されるように、前輪W1,W2にのみ磁界が印加される。なお、静磁場M1の磁界強度を弱めている状況では、前輪W1,W2における磁界強度が上記第2の閾値B22よりも大きくなるように設定されている。
【0084】
一方、本実施形態におけるセンサユニットSU1〜SU4は、磁界強度検出部27aを通じて検出される磁界強度が上記第2の閾値B22を超えたときに上記検出信号の送信を行うように構成されている。
【0085】
なお、この検出信号に含まれている上記磁界の情報は、上記磁気センサ27の出力信号に基づいて、以下の(d1),(d2)に示されるビット列に設定される。
(d1)上記磁界方向検出部27bを通じて検出される磁界の向きが上記タイヤバルブ22の突出方向と逆方向の成分を有している場合。この場合には、磁界の情報がビット列「11」に設定される。
【0086】
(d2)上記磁界方向検出部27bを通じて検出される磁界の向きが上記タイヤバルブ22の突出方向と同じ方向の成分を有している場合。この場合には、磁界の情報がビット列「00」に設定される。
【0087】
また、センサユニットとしてのこうした構成は、センサユニットSU2〜SU4についても同様である。
ところで、各センサユニットSU1〜SU4をこのように構成すれば、フロント側バーアンテナ14aによって先の図12に例示したような磁界強度の弱い静磁場M1を形成したとすると、前輪W1,W2のセンサユニットSU1,SU2からのみ検出信号が送信される。したがって、受信機11を介して検出信号を受信したときに、この検出信号は前輪W1,W2のセンサユニットSU1,SU2から送信されたものであると判別することが可能であるため、前輪W1,W2のセンサユニットSU1,SU2の識別コードID1,ID2をシステム制御装置13が把握することが可能である。
【0088】
一方、フロント側バーアンテナ14aによって先の図10に例示したような磁界強度の強い静磁場M1を形成したとすると、今度は全てのセンサユニットSU1〜SU4から検出信号が送信される。ただしこのとき、既に前輪W1,W2のセンサユニットSU1,SU2の識別コードID1,ID2を把握していれば、それ以外の識別コードを含む検出信号が後輪W3,W4のセンサユニットSU3,SU4から送信されたものであると判別することが可能である。すなわち、前輪W1,W2のセンサユニットSU1,SU2の識別コードID1,ID2が予め判別できていれば、検出信号が後輪W3,W4のセンサユニットSU3,SU4から送信されたものであるかを排他的に判別することが可能である。
【0089】
そこで、本実施形態では、上記静磁場形成処理として、まずは、上記車載エンジン17を始動させた時点から所定時間が経過するまでの期間、フロント側バーアンテナ14aへの通電を行って先の図12に例示した磁界強度の弱い静磁場M1を形成する。そして、所定時間が経過した後に、今度はフロント側バーアンテナ14aへの通電を行って先の図10に例示した磁界強度の強い静磁場M1を所定時間だけ形成するようにしている。
【0090】
一方、本実施形態では、上記タイヤロケーション登録処理として、次の(e1),(e2)に示される2つの処理を実行するようにしている。
(e1)上記静磁場形成処理を通じて磁界強度の弱い静磁場M1を形成している期間に、所定の演算周期をもって繰り返し実行されるフロント側タイヤロケーション登録処理。
【0091】
(e2)上記静磁場形成処理を通じて磁界強度の強い静磁場M1を形成している期間に、所定の演算周期をもって繰り返し実行されるリア側タイヤロケーション登録処理。
なお、前者のフロント側タイヤロケーション登録処理は、先の図9に例示した処理と同様の処理である。すなわち、上記システム制御装置13は、このフロント側タイヤロケーション登録処理を通じて、前輪W1,W2のセンサユニットSU1,SU2の識別コードをメモリ13aに記憶するとともに、前輪W1,W2のタイヤの情報を上記インジケータ12に表示する。
【0092】
図13は、システム制御装置13を通じて実行されるリア側タイヤロケーション登録処理の処理手順をフローチャートで示したものである。
同図13に示されるように、このリア側タイヤロケーション登録処理では、はじめに、上記受信機11を介して検出信号を受信したか否かが判断される(ステップS40)。そして、検出信号を受信した場合には(ステップS40:YES)、続くステップS41の処理として、検出信号に含まれている識別コードが前輪W1,W2のセンサユニットの識別コードとしてメモリ13aに記憶されているか否かが判断される。ここで、検出信号に含まれている識別コードが前輪W1,W2のセンサユニットの識別コードとしてメモリ13aに記憶されている場合には(ステップS41:YES)、この検出信号は前輪W1,W2のセンサユニットから送信されたものであると判別して、システム制御装置13は、この一連の処理を終了する。
【0093】
一方、ステップS41の処理において、検出信号に含まれている識別コードが前輪W1,W2のセンサユニットの識別コードとしてメモリ13aに記憶されていなかった場合には(ステップS41:NO)、続くステップS42の処理として、検出信号に含まれている磁界の情報がビット列「11」であるか否かが判断される(ステップS42)。ここで、検出信号に含まれている磁界の情報がビット列「11」である場合には(ステップS42:YES)、この検出信号は右後輪W3のセンサユニットから送信されたものであると判別されて、同検出信号に含まれている識別コードが右後輪W3のセンサユニットの識別コードとしてメモリ13aに記憶される(ステップS43)。続いて、検出信号に含まれているタイヤの各種情報が右後輪W3のタイヤ情報として上記インジケータ12に表示されて(ステップS44)、システム制御装置13は、この一連の処理を終了する。
【0094】
また一方、ステップS42の処理において、検出信号に含まれている磁界の情報がビット列「11」でない場合には(ステップS42:NO)、すなわち検出信号に含まれている磁界の情報がビット列「00」である場合には、この検出信号は左後輪W4のセンサユニットから送信されたものであると判別されて、同検出信号に含まれている識別コードが左後輪W4のセンサユニットの識別コードとしてメモリ13aに記憶される(ステップS45)。続いて、検出信号に含まれているタイヤの各種情報が左後輪W4のタイヤ情報として上記インジケータ12に表示されて(ステップS44)、システム制御装置13は、この一連の処理を終了する。
【0095】
タイヤ空気圧監視システムとしてのこうした構成によっても、従来のシステムに設けられているイニシエータ、及びその配線系を省略しつつも、各車輪W1〜W4のタイヤの情報をインジケータ12に表示することができるようになる。このため、インジケータ12を通じて各車輪W1〜W4のいずれのタイヤに異常が発生したかを判別することができるようになる。
【0096】
以上説明したように、本実施形態によれば、先の第1及び第2の実施形態による上記(2)〜(5)、及び(8)のそれぞれの効果に加え、上記(1)及び(7)の効果に代わる効果として以下の効果が得られるようになる。
【0097】
(9)磁界強度検出部27aを通じて検出される磁界強度が第2の閾値B22を超えることを条件にセンサユニットSU1〜SU4から検出信号を送信ようにした。また、フロント側バーアンテナ14aによって磁界強度の弱い静磁場M1を形成することによって、前輪W1,W2における磁界強度のみが第2の閾値B22以上となるように設定した。そして、フロント側バーアンテナ14aによって磁界強度の弱い静磁場M1を形成している際に受信機11を介して検出信号を受信したとき、この検出信号を前輪W1,W2のセンサユニットSU1,SU2から送信されたものであると判別するようにした。さらに、検出信号に含まれている磁界の情報に基づいて、検出信号が右車輪及び左車輪のいずれのセンサユニットから送信されたものであるかを判別するようにした。これにより、イニシエータ、及びその配線系をシステムから省略してその構成を簡易なものとしつつも、各車輪W1〜W4のいずれのタイヤに異常が発生したかを判別することができるようになる。
【0098】
(他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、これらを適宜変更した以下の形態で実施することもできる。
・上記第1の実施形態では、センサユニットSU1〜SU4から検出信号を自発的に送信するようにしたが、これに代えて、例えば第2及び第3の実施形態のように、磁界強度検出部27aを通じて検出される磁界強度に基づいて検出信号を送信するようにしてもよい。
【0099】
・上記第2の実施形態では、フロント側バーアンテナ14aを電磁石として利用することで静磁場M1を形成するようにしたが、これに変えて、例えば永久磁石を利用して静磁場M1を形成するようにしてもよい。なおこの場合には、センサユニットSU1〜SU4を次のように構成することが有効である。まず、センサユニットSU1〜SU4を、第1の実施形態のように、検出信号を自発的に送信する構成とする。また、上記(c1)〜(c4)に示した磁界の情報の設定処理を、磁界強度検出部27aを通じて検出される磁界強度が第1の閾値B21以上であるか、あるいは第2の閾値B22以上であるかに基づいて行うようにする。
【0100】
・上記第2及び第3の実施形態では、フロント側バーアンテナ14aのみによって静磁場を形成するようにしたが、これに代えて、例えばリア側バーアンテナ15aのみによって静磁場を形成するようにしてもよい。
【0101】
・上記第2及び第3の実施形態では、センサユニットSU1〜SU4からの検出信号の送信を行うための条件として、磁界強度検出部27aを通じて検出される磁界強度が第1の閾値B21に達すること、あるいは第2の閾値B22に達することを条件としたが、これに代えて、例えば以下の(f1)〜(f3)に示すいずれかの条件を採用してもよい。
【0102】
(f1)磁界強度検出部27aを通じて検出される磁界強度が所定のパターンをもって変化すること。具体的には、図14(a),(b)に示すように、例えば磁界強度検出部27aの出力信号Vを比較器を通じて閾値電圧Vthのもとに2値化する。なお、この閾値電圧Vthは、磁界強度に対して設定された上記第1及び第2の閾値B21,B22に基づいて設定する。そして、2値化された信号Aが所定のパターンをもって変化することを条件とする。
【0103】
(f2)磁界強度検出部27aを通じて検出される強度が上記第1の閾値B21、あるいは第2の閾値B22を超えて且つ、上記加速度センサ25を通じて検出される加速度が所定値を超えること。
【0104】
(f3)(f1)及び(f2)の条件がそれぞれ満たされること。
このような構成によれば、例えばセンサユニットSU1〜SU4の近くに磁石が存在しているような状況下で検出信号の送信が誤って行われてしまうような事態を回避することができるようになる。要は、センサユニットSU1〜SU4が、磁界強度検出部27aを通じて検出される磁界強度に基づいて検出信号の送信を行うものであればよい。
【0105】
・上記第2及び第3の実施形態、及びその変形例では、センサユニットSU1〜SU4が、磁界強度検出部27aを通じて検出される磁界強度に基づいて検出信号の送信を行うものであったが、例えば磁界強度検出部27aを通じて検出される磁界強度に基づいて検出信号の自発的な送信を開始するものであってもよい。すなわち、センサユニットSU1〜SU4が、磁界強度検出部27aを通じて検出される磁界強度に基づいて起動/停止するものであってもよい。なお、センサユニットSU1〜SU4の動作を停止するための条件として、例えば上記検出信号を送信した後に磁界強度検出部27aを通じて検出される磁界強度が所定の閾値に達することを条件とすることも可能である。
【0106】
・センサユニットSU1〜SU4が、上述したイニシエータから送信されるトリガ信号を受信することを条件に検出信号の送信を行うものであってもよい。このような構成によれば、イニシエータからトリガ信号を送信すればセンサユニットSU1〜SU4から検出信号が即座に送信されるため、上述した自発式のセンサユニットと比較すると、センサユニットSU1〜SU4の応答性を向上させることができるようになる。ただしこの場合には、車両に少なくとも1つのイニシエータを設ける必要がある。
【0107】
・上記各実施形態では、タイヤロケーション登録処理を、車載エンジン17が始動する度に実行するようにしたが、例えば車載エンジン17が始動してから所定時間が経過した後に実行するようにしてもよい。
【0108】
・上記各実施形態では、各車輪W1〜W4のセンサユニットSU1〜SU4の識別コードをメモリ13aに記憶する処理を実行するようにしたが、同処理は割愛することも可能である。この場合には、検出信号を受信機11を介して受信する都度、検出信号に含まれている磁界の情報に基づいて同検出信号が各車輪W1〜W4のいずれのセンサユニットSU1〜SU4から送信されたものであるかを判別すればよい。
【0109】
・上記各実施形態では、バーアンテナ14a,15aによって静磁場M1,M2を形成することで、右車輪W1,W3における磁界の方向を車両の外側から内側に向かう第1の方向に設定して且つ、左車輪W2,W4における磁界の方向を車両の内側から外側に向かう第2の方向に設定した。これに代えて、例えば右車輪W1,W3における磁界の方向を車両の内側から外側に向かう方向に設定して且つ、左車輪W2,W4における磁界の方向が車両の外側から内側に向かう方向に設定してもよい。要は、各車輪W1〜W4における磁界の向きが、回転軸に沿った方向に平行な成分を有するように設定されていればよい。このような構成であっても、検出信号が右車輪及び左車輪のいずれのセンサユニットから送信されたものであるかを判別することは可能である。
【0110】
・上記各実施形態では、電子キーシステムのバーアンテナ14a,15aを利用して静磁場M1,M2を形成するようにしたが、これに代えて、例えば新たなバーアンテナを車両に設けた上で、このバーアンテナを用いて静磁場M1,M2を形成するようにしてもよい。このような構成は、電子キーシステムが搭載されていない車両に対して特に有効である。
【0111】
・上記各実施形態では、センサユニットSU1〜SU4に印加される磁界を検出するための磁気検出素子として、ホール素子を採用するようにしたが、例えば印加される磁界に応じて磁気抵抗効果によって抵抗値が変化する磁気抵抗効果(MRE)素子を採用してもよい。
(付記)
次に、上記実施形態及びその変形例から把握できる技術的思想について追記する。
【0112】
(イ)請求項4に記載のタイヤ空気圧監視システムにおいて、前記前輪及び前記後輪の各々における磁界強度が互いに異なるような静磁場を形成すべく、前記磁石を前記前輪及び前記後輪のいずれか一方寄りに配置するようにしたことを特徴とするタイヤ空気圧監視システム。同システムによれば、磁石を前後輪のいずれか一方寄りに配置するだけで、前輪及び後輪の各々における磁界強度が互いに異なるようになるため、請求項4に記載の発明を容易に実現することができるようになる。
【0113】
(ロ)請求項9に記載のタイヤ空気圧監視システムにおいて、前記タイヤロケーション登録処理が、車載エンジンを始動する度に実行されることを特徴とするタイヤ空気圧監視システム。車両に装着されているタイヤは、通常、その摩耗を均一化させて寿命を延ばすために、例えば車両の走行距離などに応じてローテーション(位置交換)が行われる。ここで、このようなローテーションが行われた場合には、センサユニットの位置が変化してしまうため、上述したタイヤロケーション登録処理を改めて実行する必要がある。この点、上記システムによるように、車載エンジンを始動する度にタイヤロケーション登録処理を実行するようにすれば、同処理が運転者の手動操作によることなく自動的に行われるため、運転者の利便性が向上するようになる。
【0114】
(ハ)請求項1〜9、付記イ、及び付記ロのいずれか一項に記載のタイヤ空気圧監視システムにおいて、前記車両には、前記検出信号の送信を要求するトリガ信号を前記センサユニットに送信する1つのイニシエータが設けられ、前記センサユニットは、前記トリガ信号の受信に基づいて前記検出信号を送信を行うものであることを特徴とするタイヤ空気圧監視システム。同システムによれば、イニシエータからトリガ信号を送信するタイミングを調整するだけで、センサユニットから検出信号が送信されるタイミングを自由に調整することができるため、システムとしての設計の自由度を向上させることができるようになる。
【0115】
(ニ)請求項11に記載のタイヤ空気圧監視システムにおいて、前記センサユニットの動作状態の切り替えが、前記磁気検出素子を通じて検出される磁界強度が所定のパターンをもって変化することに基づいて行われることを特徴とするタイヤ空気圧監視システム。同システムによれば、磁気を発生する何らかの物体がセンサユニットに近づいただけでその動作状態が切り替わってしまうような状況を回避することができるため、センサユニットの誤動作を未然に防止することができるようになる。
【0116】
(ホ)請求項11及び付記ニのいずれか一項に記載のタイヤ空気圧監視システムにおいて、前記センサユニットは、前記タイヤの遠心加速度を検出する加速度センサを更に有し、前記磁気検出素子を通じて検出される磁界強度に加え、更に前記加速度センサを通じて検出される前記タイヤの遠心加速度に基づいて、自身の動作状態を切り替えるものであることを特徴とするタイヤ空気圧監視システム。同システムによれば、磁気を発生する何らかの物体がセンサユニットに近づいただけでその動作状態が切り替わってしまうような状況を回避することができるため、センサユニットの誤動作を未然に防止することができるようになる。
【0117】
(ヘ)請求項11、付記ニ、及び付記ホのいずれか一項に記載のタイヤ空気圧監視システムにおいて、前記センサユニットは、前記検出信号を受信してから所定時間が経過するまでに、前記磁気検出素子を通じて所定の閾値以上の磁界強度が検出されることに基づいて、前記検出信号の送信を停止するものであることを特徴とするタイヤ空気圧監視システム。同システムによれば、磁気を発生する何らかの物体がセンサユニットに近づいただけでその動作状態が切り替わってしまうような状況を回避することができるため、センサユニットの誤動作を未然に防止することができるようになる。
【符号の説明】
【0118】
B…検知エリア、M1,M2…静磁場、W1…右前輪、W2…左前輪、W3…右後輪、W4…左後輪、SU1〜SU4…センサユニット、W1a〜W4a…回転軸、11,32…受信機、12,34…インジケータ、12a…警告ランプ、12b…表示部、13…システム制御装置、13a…メモリ、14…送信機、14a…フロント側バーアンテナ、15…送信機、15a…リア側バーアンテナ、16…エンジンスイッチ、17…車載エンジン、20…携帯機、21…ユニット本体、21a…空気穴、21b…センサ穴、22…タイヤバルブ、23…空気圧センサ、24…温度センサ、25…加速度センサ、26…電池残量センサ、27…磁気センサ、27a…磁界強度検出部、27b…磁界方向検出部、28…センサユニット制御装置、29…送信機、30a〜30d…イニシエータ、31a〜31d…センサユニット、33…制御装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の各車輪にそれぞれ設けられてタイヤの空気圧を検出するとともに、検出された空気圧の情報を含む検出信号を無線送信するセンサユニットを有し、同検出信号に含まれている空気圧の情報に基づいて前記各車輪のタイヤの空気圧を監視するタイヤ空気圧監視システムにおいて、
前記各車輪に異なる磁界を印加すべく静磁場を形成する磁石を備えるとともに、前記センサユニットは、印加される磁界を検出する磁気検出素子を有して、該磁気検出素子を通じて検出される磁界の情報を前記検出信号に含めて送信するものであって、前記検出信号に含まれている磁界の情報に基づいて、同検出信号が前記各車輪のいずれのセンサユニットから送信されたものであるかを判別しつつ前記各車輪のタイヤの空気圧を監視する
ことを特徴とするタイヤ空気圧監視システム。
【請求項2】
前記磁石は、前記静磁場として、前記各車輪のうちの右車輪及び左車輪の各々における磁界の向きがそれぞれの車輪から見たときに互いに異なるような静磁場を形成するものであるとともに、前記センサユニットは、前記磁界の情報として、前記磁気検出素子を通じて検出される磁界の向きの情報を前記検出信号に含めて送信するものであって、前記検出信号に含まれている前記磁界の向きの情報に基づいて、同検出信号が前記右車輪及び左車輪のいずれのセンサユニットから送信されたものであるかを判別しつつ前記各車輪のタイヤの空気圧を監視する
請求項1に記載のタイヤ空気圧監視システム。
【請求項3】
前記磁石は、前記右車輪及び前記左車輪の各々における磁界の向きがそれぞれの車輪から見たときに互いに異なるような静磁場を形成すべく、前記右車輪及び前記左車輪における磁界の向きがそれぞれ、それらの回転軸に沿って前記車両の外側から内側に向かう第1の方向、及び前記車両の内側から外側に向かう第2の方向となる静磁場を形成するものである
請求項2に記載のタイヤ空気圧監視システム。
【請求項4】
前記磁石は、前記静磁場として、前記各車輪のうちの前輪及び後輪の各々における磁界強度が互いに異なるような静磁場を形成するものであるとともに、前記センサユニットは、前記磁界の情報として、前記磁気検出素子を通じて検出される磁界強度の情報を前記検出信号に含めて送信するものであって、前記検出信号に含まれている前記磁界強度の情報に基づいて、同検出信号が前記前輪及び前記後輪のいずれのセンサユニットから送信されたものであるかを判別しつつ前記各車輪のタイヤの空気圧を監視する
請求項1〜3のいずれか一項に記載のタイヤ空気圧監視システム。
【請求項5】
前記磁石は、前記前輪の右車輪及び左車輪における磁界の向きがそれぞれの車輪から見たときに互いに異なって且つ、それぞれの車輪における磁界強度が所定値以上となるような静磁場を形成する第1の電磁石と、前記後輪の右車輪及び左車輪における磁界の向きがそれぞれの車輪から見たときに互いに異なって且つ、それぞれの車輪における磁界強度が所定値以上となるような静磁場を形成する第2の電磁石とから構成されるものであり、
前記第1及び第2の電磁石への通電を選択的に行うことにより前記前輪及び前記後輪のうちのいずれか一方における磁界強度を前記所定値以上に設定し、前記検出信号が前記前輪及び前記後輪のいずれのセンサユニットから送信されたものであるかの判別を、前記第1及び第2の電磁石への通電状態、並びに前記検出信号に含まれている前記磁界強度の情報に基づいて行う
請求項4に記載のタイヤ空気圧監視システム。
【請求項6】
前記センサユニットは、前記磁気検出素子を通じて所定の閾値以上の磁界強度が検出されることを条件に前記検出信号の送信を行うものであるとともに、
前記磁石は、前記各車輪のうちの前輪及び後輪のいずれか一方における磁界強度が前記閾値以上となるような静磁場を形成する第3の電磁石によって構成されるものであって、
前記第3の電磁石への通電を通じて前記前輪及び前記後輪のいずれか一方における磁界強度を前記閾値以上とした上で、前記検出信号が前記前輪及び前記後輪のいずれのセンサユニットから送信されたものであるかの判別を、前記前輪及び前記後輪のいずれの磁界強度を前記閾値以上としているかに基づいて行う
請求項1〜3のいずれか一項に記載のタイヤ空気圧監視システム。
【請求項7】
前記磁石は、通電によって前記静磁場を形成する電磁石である
請求項1〜4のいずれか一項に記載のタイヤ空気圧監視システム。
【請求項8】
前記電磁石は、車両に設けられた電子キーシステムを構成すべく車室内に設けられたバーアンテナを流用したものである
請求項5〜7のいずれか一項に記載のタイヤ空気圧監視システム。
【請求項9】
前記センサユニットは、前記検出信号を送信する際に、予め登録されている固有の識別コードを前記検出信号に含めて送信するものであって、
前記検出信号が前記各車輪のいずれのセンサユニットから送信されたものであるかを判別した際に、その判別結果に基づいて同検出信号に含まれている識別コードと前記各車輪の位置とを一対一に対応させるかたちで記憶手段に記憶するタイヤロケーション登録処理を行い、全ての車輪の位置とセンサユニットの識別コードとを一対一に対応させるかたちで記憶手段に記憶させて以降は、前記検出信号に含まれている識別コードと前記記憶手段に記憶されている識別コードとの比較に基づいて、前記検出信号に含まれている空気圧の情報が前記各車輪のいずれのタイヤの空気圧を示すものであるかを判別しつつ前記各車輪のタイヤの空気圧を監視する
請求項1〜8のいずれか一項に記載のタイヤ空気圧監視システム。
【請求項10】
前記センサユニットは、前記検出信号の送信を自発的に行うものである
請求項1〜9のいずれか一項に記載のタイヤ空気圧監視システム。
【請求項11】
前記センサユニットは、前記磁気検出素子を通じて検出される磁界の情報に基づいて、自身の動作状態を切り替えるものである
請求項1〜10のいずれか一項に記載のタイヤ空気圧監視システム。
【請求項12】
車両の各車輪にそれぞれ設けられてタイヤの空気圧を検出するとともに、検出された空気圧の情報を含む検出信号を無線送信するセンサユニットを有し、同検出信号に含まれている空気圧の情報に基づいて前記各車輪のタイヤの空気圧を検出するタイヤ空気圧検出方法において、
前記各車輪に異なる磁界を印加すべく静磁場を形成する磁石を備え、
前記各車輪に印加されている磁界を前記センサユニットを通じて検出した後に、検出された磁界の情報を前記検出信号に含めて前記センサユニットから送信し、同検出信号に含まれている磁界の情報に基づいて、同検出信号が前記各車輪のいずれのセンサユニットから送信されたものであるかを判別しつつ前記各車輪のタイヤの空気圧の検出を行う
ことを特徴とするタイヤ空気圧検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−126371(P2011−126371A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−285245(P2009−285245)
【出願日】平成21年12月16日(2009.12.16)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】