説明

タンク検査装置及びタンク検査方法

【課題】 断熱材を備えるタンクの探傷検査をより容易にすること。
【解決手段】 内容物を貯留する貯留槽を形成する内槽板3、4、16と、断熱材7が配置される断熱層を内槽板3、4、16との隙間に形成する外槽板と、断熱層に配置されて内槽板3、4、16を探傷する測定ユニット10と、測定ユニット10を断熱層の中で走行させる推進装置35、36とを備えていることが好ましい。このようなタンク1によれば、タンク1から断熱材7および内容物を抜き取らないで内槽板3、4、16に発生する亀裂を容易に探傷することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンク検査装置及びタンク検査方法に関し、特に、液体を貯留するタンクを検査するときに利用されるタンク検査装置及びタンク検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
LNGを貯留するLNGタンクが知られている。図9は、公知のLNGタンクを示している。そのLNGタンク200は、外槽側板202と内槽側板203と内槽アニュラー板204と底部保冷部205とを備えている。底部保冷部205は、コンクリートから形成され、地盤の上に固定されている。内槽アニュラー板204は、ステンレス鋼鈑から形成され、円盤を形成している。内槽アニュラー板204は、底部保冷部205の上に固定されている。すなわち、底部保冷部205は、その地盤と内槽アニュラー板204との間に挟まれて配置されている。
【0003】
内槽側板203は、ステンレス鋼鈑から形成され、円筒を形成している。内槽側板203は、さらに、円筒の一端が内槽アニュラー板204の底部保冷部205に接している側と反対側の面に溶接されて固定されている。すなわち、内槽側板203と内槽アニュラー板204とは、LNG210を貯留する容器を形成している。外槽側板202は、ステンレス鋼鈑から形成され、円筒を形成している。外槽側板202は、さらに、内部に内槽側板203と内槽アニュラー板204と底部保冷部205とが配置されるように、地盤に固定されている。
【0004】
外槽側板202と内槽側板203との隙間には、断熱材が配置されている。その断熱材は、パーライト206とグラスウール207とから形成されている。グラスウール207は、ガラス繊維を板状に成形されたものであり、内槽側板203の外槽側板202に対向する側の面に固定されている。パーライト206は、ガラス質の岩石から形成される粒を固めて成形されたものであり、グラスウール207と外槽側板202との間に配置されている。
【0005】
図10は、内槽側板203が内槽アニュラー板204に接合される溶接部を示している。内槽側板203は、端面が内槽アニュラー板204の表面に載せられて固定されている。内槽側板203と内槽アニュラー板204とにより形成される角には、溶接により形成されるすみ肉226が形成されている。このため、内槽アニュラー板204は、溶接部より内側の部分と溶接部より外側の部分とから形成される。溶接部より内側の部分は、LNGタンク200に貯留されるLNG210に接する。溶接部より外側の部分は、グラスウール207に接している。
【0006】
LNGタンク200は、LNG210が抜き取られて外槽側板202とパーライト206グラスウール207とが撤去されたあとに、超音波探傷装置を用いて内槽アニュラー板204に発生する亀裂227が探傷される。内槽アニュラー板204、内槽側板203またはすみ肉226に発生する亀裂をより容易に探傷することが望まれている。
【0007】
実開昭61−152955号公報には、二重殻低温タンク内外槽間に略全周に亘ってレールを配設し、該レールの一端を前記外槽に設けた閉塞可能に開口部内まで延設し、前記内槽の側板の異常を検出する異常検出装置を遠隔操作により前記レールを走行し得るよう配設してなる二重殻低温タンクの内槽検査装置が開示されている。
【0008】
特開2001−59796号公報には、例えば地震等の発生により石油タンクの側板と底端板との溶接部の亀裂発生及び側板歪み等を検知する石油タンクの強度予知装置及びその方法が開示されている。その石油タンクの強度予知装置は、石油タンクの側板と底端板との溶接部近傍の亀裂の発生及び側板歪みを検知する石油タンクの強度予知装置であって、石油タンク側板の下部近傍周囲に、軸方向に折り返しつつ連続して敷設した光ファイバと、上記光ファイバを介して外力の作用により生じた歪みを測定する歪み計測器と、上記歪み測定器で測定した歪み量から側板と底端板との溶接部近傍の塑性歪みや亀裂発生等を監視する監視装置とを具備している。
【0009】
特開2001−74713号公報には、タンク内の石油等の内容物を抜き取ることなく、簡単な方法でタンク外面からタンクの底板及び側板の検査をすることのできるタンク検査装置が開示されている。そのタンク検査装置は、計測・制御装置を有する装置本体と、該装置本体に取り付けられた伸縮保持手段と、該伸縮保持手段に保持されたタイヤ型超音波探触子と、前記装置本体をタンクの側板又は底板に設置した走行レールに沿って移動させる移動手段とを備え、前記計測・制御装置は、前記タイヤ型超音波探触子の信号に基づいて減肉部の検出を行う超音波探傷器と、前記装置本体の移動距離を検出する距離計と、該距離計及び前記超音波探傷器の信号を入力して減肉部の位置を特定する演算制御手段と、該演算制御手段の演算結果を記憶する記憶手段とを備えている。
【0010】
特開2000−85886号公報には、貯留液排出の必要がなく、フランジ蓋を取り外す必要がなく、少ない工数で安全に実施することのできるタンク内部検査方法およびそのための検査装置が開示されている。その内部検査方法は、液体を貯留し蓋付きの開口を有するタンクの内部検査方法において、投光手段と撮像手段を備えた検査ヘッドを前記蓋を通してタンク内に挿入し、ケーブルを介して前記検査ヘッドをタンク外から操作して行う。
【0011】
特開2000−33994号公報には、各種タンク類を長期間使用中に腐食や熱応力や地震等により溶接線が損傷することがあるが、タンク類の使用開始後は検査するのが難しく、検査の為にタンクの稼働を停止させると種々の支障が起こり、検査費用も高価になる欠点を解消するタンク内面溶接線の検査システムが開示されている。そのタンク内面溶接線の検査システムは、タンクを使用中にタンク内面の溶接線を検査する検査システムであって、前記タンク内面の所定の溶接線に沿って延びるレール部材と、前記レール部材で案内支持され且つ溶接線を検査する検査用機器を装備したキャリッジと、前記レール部材で案内されてレール部材に沿って延びるように配設され且つキャリッジに連結されたワイヤと、前記ワイヤをレール部材に沿って所定の方向へ移動駆動することでキャリッジをレール部材に沿って移動駆動するワイヤ駆動手段と、を備えている。
【0012】
特開2000−2798号公報には、ライニング貯槽内のプール水を排出することなく、水面上から欠陥部の位置、形状、大きさ、深さ等を三次元的に検査するライニング貯槽の水中欠陥検査装置が開示されている。そのライニング貯槽の水中欠陥検査装置は、水が貯留され内壁面および底面に金属板ライニングを有するライニング貯槽内に設置する水中装置と、この水中装置を制御する制御装置と、前記水中装置からの画像信号を処理する画像処理装置とを主体とし、前記水中装置は検査機構部、駆動機構部、吸着機構部および本体機構部からなり、前記制御装置は前記水中装置を前記金属板ライニングに取着させて、前記駆動機構部の位置制御を行う制御機構を有し、前記画像処理装置は前記検査機構部からのデータを入力するデータ処理機能、三次元画像表示機能、画像表示角度任意変更機能および欠陥部形状画像表示機能を有している。
【0013】
特開2000−187004号公報には、LNG等の可燃性液化ガス中で安全に使用することができ、かつ液化ガス中を自由に移動でき、液化ガスタンクの内面をその稼働中に精密に観察することができる液化ガスタンクの内部検査装置が開示されている。その液化ガスタンクの内部検査装置は、液化ガスタンクをその内部から検査する検査ヘッドと、前記検査ヘッドを低温液化ガス中で移動させる液中推進装置とを備え、該液中推進装置は、液化ガスタンク内の低温液化ガスを加熱してガス化し、ガス化したガスを低温液化ガス中に噴射して推力を発生する。
【0014】
特開平10−238699号公報には、LNG等の低温タンクに対する検査装置の搬出入及び固定を容易に行うとともに、検査装置を遠隔から任意に走査させ、供用中の内部検査を可能にするタンク内部検査装置が開示されている。そのタンク内部検査装置は、タンクの内面に固定される固定装置及びタンクの内面を走行する走行装置を備えた円筒形本体と、前記円筒形本体に支持され検査プローブを走査すると共に電源喪失時には自由状態になる自在関節を有し前記円筒体本体と直線状態になるアーム装置と、ケーブルによって前記円筒形本体側につながり前記検査プローブの動作を制御する制御装置とからなり、前記円筒形本体及び前記アーム装置からなる装置本体は、円筒状の縦アーム及び関節を介して前記縦アームに基端が接続される円筒状の横アーム及び関節を介して前記横アームの先端に接続される円筒状の直立アームで構成され、前記縦アームと前記横アームとは前記関節を折り曲げてL字型を形成し、前記直立アームの先端に関節を介して前記検査プローブを備えたマニピュレータアームを設け、前記走行装置は、前記縦アームと前記横アームとがL字型になった時に三角形の頂点をなす位置における前記縦アーム及び前記横アームに設けられる車輪ユニットで構成されることを特徴としている。
【0015】
【特許文献1】実開昭61−152955号公報
【特許文献2】特開2001−59796号公報
【特許文献3】特開2001−74713号公報
【特許文献4】特開2000−85886号公報
【特許文献5】特開2000−33994号公報
【特許文献6】特開2000−2798号公報
【特許文献7】特開2000−187004号公報
【特許文献8】特開平10−238699号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の課題は、タンクをより容易に探傷するタンク検査装置及びタンク検査方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
以下に、発明を実施するための最良の形態・実施例で使用される符号を括弧付きで用いて、課題を解決するための手段を記載する。この符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための最良の形態・実施例の記載との対応を明らかにするために付加されたものであり、特許請求の範囲に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0018】
本発明によるタンク検査装置は、液体を貯留する貯留槽を形成する内槽板(3、4、16)と、断熱材(7)が配置される断熱層を内槽板(3、4、16)との隙間に形成する外槽板とを備えているタンク(1)で、内槽板(3、4、16)に発生する亀裂を探傷するときに利用される。本発明によるタンク検査装置は、断熱層に配置されて内槽板(3、4、16)を探傷する測定ユニット(10)(50)と、測定ユニット(10)(50)を断熱層の中で走行させる推進装置(35、36)(65、66)とを備えていることが好ましい。このようなタンク検査装置によれば、タンク(1)から断熱材(7)と液体とを取らないで内槽板(3、4、16)に発生する亀裂を容易に探傷することができる。
【0019】
測定ユニット(10)(50)は、接触媒質を貯留する接触媒質タンク(67)と、内槽板(3、4、16)と超音波を発振するセンサ(34)(64)との隙間にその接触媒質を供給するポンプ(38)(68)とを備えていることが好ましい。
【0020】
測定ユニット(10)は、先頭が尖っている。このとき、測定ユニット(10)は、断熱層に充填された断熱材(7)を押しのけて、断熱材(7)の中をスムーズに移動することができる。
【0021】
測定ユニット(10)は、断熱材(7)に接触する表面が角々しくなく、なだらかであり、流体中を移動することに適した、いわゆる流線型を形成している。このとき、測定ユニット(10)は、断熱材(7)の中を推進するときに、断熱材(7)を押し退けて測定ユニット(10)が通る空間を生成する抵抗が小さくて断熱材(7)の中をスムーズに移動することができる。すなわち、その「なだらか」という表現は、いわゆる「表面粗さ」のように微少な凹凸には頓着していない。
測定ユニット(10)の断熱材(7)に接触する表面は、さらに、断熱材(7)との摩擦が所定の値まで小さくなるように、小さいことが好ましい。
【0022】
推進装置(35、36)は、リニアモータにより推進力を生成する。このとき、測定ユニット(10)は、車輪を用いて走行することより推進装置(35、36)が断熱材(7)に引っ掛かり難く、断熱材(7)の中をスムーズに移動することができる。
【0023】
本発明によるタンク検査装置は、測定ユニット(50)が走行する通路を断熱材(7)から隔離するトンネル(19)を更に備えている。このとき、測定ユニット(50)は、断熱材(7)に邪魔されないで、断熱層の中をスムーズに移動することができる点で好ましい。
【0024】
本発明によるタンク検査装置は、測定ユニット(10)(50)が通る通路と外槽板に形成された扉(12)とを接続するセンサ点検交換口(13)を更に備えている。このようなセンサ点検交換口によれば、測定ユニット(10)(50)を断熱層の外部に摘出することができる。
【0025】
測定ユニット(50)は、内槽板(3、4、16)の画像を撮影するカメラ(70)を備えていることが好ましい。
【0026】
本発明によるタンク(1)は、液体を貯留する貯留槽を形成する内槽板(3、4、16)と、断熱材(7)が配置される断熱層を内槽板(3、4、16)との隙間に形成する外槽板と、断熱層に配置されて内槽板(3、4、16)を探傷する測定ユニット(10)(50)と、測定ユニット(10)(50)を断熱層の中で走行させる推進装置(35、36)(65、66)とを備えていることが好ましい。このようなタンク(1)によれば、タンク(1)から断熱材(7)と液体とを取らないで内槽板(3、4、16)に発生する亀裂を容易に探傷することができる。
【0027】
本発明によるタンク(1)は、測定ユニット(50)が走行する通路を断熱材(7)から隔離するトンネル(19)を更に備えている。このようなタンク(1)は、測定ユニット(50)が断熱材(7)に邪魔されないで断熱層の中をスムーズに移動することができる点で好ましい。
【0028】
本発明によるタンク(1)は、測定ユニット(10)(50)が通る通路と外槽板に形成された扉(12)とを接続するセンサ点検交換口(13)を更に備えている。このようなタンク(1)は、測定ユニット(10)(50)を断熱層の外部に摘出することができる点で好ましい。
【0029】
本発明によるタンク検査方法は、センサ点検交換口(13)を更に備えているタンク(1)の内槽板(3、4、16)を探傷するタンク検査方法であり、測定ユニット(10)(50)を用いて探傷するステップと、センサ点検交換口(13)を介して測定ユニット(10)(50)を他の測定ユニット(10)(50)に交換するステップとを備えていることが好ましい。
【発明の効果】
【0030】
本発明によるタンク検査装置及びタンク検査方法によれば、断熱材を備えるタンクの探傷検査をより容易にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
図面を参照して、本発明によるタンク検査装置の実施の形態を記載する。そのタンク検査装置は、図1に示されているように、LNGを貯留するタンク1を検査するときに利用される。タンク1は、内槽側板3と内槽アニュラー板4と図1に図示されていない外槽側板とを備えている。内槽アニュラー板4は、ステンレス鋼鈑から形成され、円盤を形成している。内槽側板3は、ステンレス鋼鈑から形成され、円筒を形成している。内槽側板3は、さらに、円筒の一端が内槽アニュラー板4の鉛直上側の面に溶接されて固定されている。すなわち、内槽側板3と内槽アニュラー板4とは、LNGを貯留する貯留槽を形成している。
【0032】
その外槽側板は、ステンレス鋼鈑から形成され、円筒を形成している。外槽側板は、さらに、内槽側板3と内槽アニュラー板4とが内部に配置されるように、地盤に固定されている。外槽側板と内槽側板3との隙間には、断熱材が配置される断熱層が形成されている。
【0033】
本発明によるタンク検査装置は、測定ユニット10とレール11と扉12とセンサ点検交換口13とを備えている。レール11は、内槽側板3の内槽アニュラー板4との溶接部に沿って配置され、測定ユニット10が走行する通路を定めている。レール11は、タンク1を構成する内槽側板3に電気的に接続されないで、電線を介してタンク1の外部に配置される装置に電気的に接続されている。扉12は、その外槽側板の測定ユニット10が走行する通路と同じ高さの位置に形成されている。センサ点検交換口13は、径が測定ユニット10より大きいトンネルであり、扉12と測定ユニット10が走行する通路とを接続している。
【0034】
図2は、内槽側板3の外側に配置される断熱材を示している。その断熱材は、パーライト6とグラスウール7とから形成されている。グラスウール7は、ガラス繊維を板状に成形されたものであり、内槽側板3の外槽側板に対向する側の面に接触して配置されている。パーライト6は、ガラス質の岩石から形成される粒を固めて成形されたものであり、グラスウール7と外槽側板との間に配置されている。
【0035】
図2は、さらに、内槽側板3が内槽アニュラー板4に接合される溶接部を示している。内槽側板3は、端面が内槽アニュラー板4の表面に載せられて固定されている。内槽側板3と内槽アニュラー板4とにより形成される角には、溶接により形成されるすみ肉16が形成されている。このため、内槽アニュラー板4は、溶接部より内側の部分と溶接部より外側の部分とから形成される。内槽アニュラー板4の溶接部より内側の部分は、タンク1に貯留されるLNGに接している。内槽アニュラー板4の溶接部より外側の部分は、グラスウール7に接している。
【0036】
タンク1は、さらに、底部保冷部5を備えている。底部保冷部5は、コンクリートから形成され、地盤の上に固定されている。内槽アニュラー板4は、底部保冷部5の上に固定されている。すなわち、底部保冷部5は、その地盤と内槽アニュラー板4との間に挟まれて配置されている。
【0037】
図2は、さらに、測定ユニット10を示している。測定ユニット10の表面は、内槽側板3に面する表面と内槽アニュラー板4に面する表面とグラスウール7に接する表面とから形成されている。測定ユニット10は、グラスウール7に接する表面のレール11の延長方向に垂直である平面で切断した断面が円弧を形成し、グラスウール7に接する表面が角張っていないで、なだらかである。測定ユニット10のグラスウール7に接する表面は、さらに、グラスウール7との摩擦が所定の値まで小さくなるように表面粗さが小さい。
【0038】
測定ユニット10は、図3に示されているように、ヘッド部分21と本体部分22とから形成されている。ヘッド部分21は、一端が本体部分22に接合され、その他端に至るにしたがって次第に細くなる楔形に形成されている。本体部分22は、レール11の延長方向を軸とする柱状を形成している。さらに、ヘッド部分21と本体部分22との接合部分は、角張っていないで、なだらかであり、測定ユニット10は、いわゆる流線型を形成している。すなわち、測定ユニット10は、いわゆる弾頭形の弾頭が中心軸を通る2平面で4等分した形状をしている。このため、測定ユニット10は、グラスウール7を押し広げて走行するときに、表面が角張っている形状(たとえば、柱体)よりグラスウール7を押し退けやすくてスムーズに走行することができる。
なお、測定ユニット10は、このような形状と異なる形状を適用することもできる。その形状は、グラスウール7を押し退けて走行する抵抗が極端に大きくならないで、突起に例示されるようなグラスウール7に引っ掛かり易い形状が形成されていない形状である。その形状としては、いわゆる楔形が例示される。
【0039】
測定ユニット10は、図4に示されているように、ボードコンピュータ31と発振器32とアンプ33と圧電素子34とインバータ35とリニアモータ36とタンク37とポンプ38と電源39とを備えている。ボードコンピュータ31は、CPUと入出力装置と記憶装置とを備えた情報処理装置であり、発振器32とインバータ35とポンプ38と電源39とを制御する。発振器32は、ボードコンピュータ31により制御され、圧電素子34から発振される超音波の周波数を示す電気信号を生成する。
【0040】
アンプ33は、発振器32により生成された電気信号を増幅して、圧電素子34に印加される電気信号を生成する。アンプ33は、さらに、圧電素子34から伝送される電気信号を増幅して、圧電素子34により検出された反射波を示す電気信号をボードコンピュータ31に出力する。圧電素子34は、電圧が印加されることによりひずみが発生し、外力が加わると電圧が発生する物質から形成されている。圧電素子34は、内槽アニュラー板4に超音波を発振することができるように、測定ユニット10の底に配置されている。圧電素子34は、アンプ33から出力される電気信号に基づいて超音波を発振し、内槽アニュラー板4から反射する反射波を示す電気信号をアンプ33に出力する。なお、圧電素子34は、測定ユニット10の底以外に配置されることもできる。たとえば、圧電素子34は、内槽側板3を探傷するときに、測定ユニット10の内槽側板3に面する部分に配置される。圧電素子34は、すみ肉16を探傷するときに、測定ユニット10のすみ肉16に面する部分に配置される。
【0041】
インバータ35は、ボードコンピュータ31により制御され、リニアモータ36に電気信号を出力する。リニアモータ36は、コイルから形成され、インバータ35から出力される電気信号により移動磁界を生成して測定ユニット10の推進力またはブレーキ力を生成する。
【0042】
タンク37は、接触媒質を貯留している。接触媒質としては、水、油、グリース、グリセリンが例示される。ポンプ38は、圧電素子34と内槽アニュラー板4との間にタンク37から接触媒質を供給する。このとき、接触媒質は、圧電素子34と内槽アニュラー板4との間に浸入し、圧電素子34から発振される超音波を内槽アニュラー板4に伝播しやすくする。
【0043】
電源39は、充電可能である電池であり、ボードコンピュータ31と発振器32とアンプ33と圧電素子34とインバータ35とリニアモータ36とタンク37とポンプ38とに電力を供給する。電源39は、さらに、レール11から発振された電波を電力に変換して充電する。
【0044】
本発明によるタンク検査方法の実施の形態は、本発明によるタンク検査装置を用いてタンク1の内槽アニュラー板4に発生する亀裂を探傷する方法であり、内槽アニュラー板4を探傷する動作と測定ユニット10を点検・交換する動作とを備えている。
【0045】
内槽アニュラー板4を探傷する動作は、間欠的に定期的に繰り返して実行される。まず、本発明によるタンク検査装置を使用する作業者は、レール11に電圧を印可することにより、測定ユニット10を制御して、内槽アニュラー板4に発生する亀裂を探傷する。このとき、測定ユニット10は、レール11に印可される電圧により発振される電波から変換される電力を充電し、レール11に印可される電圧により発振される電波により制御されて、その電力を用いて動作する。
【0046】
すなわち、測定ユニット10は、レール11により定められる通路を走行し、検査部位で停止する。測定ユニット10は、停止した後に、その検査部位で圧電素子34と内槽アニュラー板4との間に接触媒質を供給し、圧電素子34を用いて内槽アニュラー板4に超音波を発振する。その超音波は、内槽アニュラー板4に入射すると、内槽アニュラー板4に発生している亀裂により反射する。測定ユニット10は、その超音波の反射波を検出し、その反射波に関する情報を記録し、レール11を介してその情報を外部に出力する。
【0047】
作業者は、レール11を介して出力された情報をパーソナルコンピュータに入力し、その反射波を分析して、内槽アニュラー板4に亀裂が発生しているかどうかを判別する。パーソナルコンピュータは、亀裂が検出されたときに、その反射波を分析することにより亀裂の存在位置と亀裂の大きさとをさらに算出する。
【0048】
測定ユニット10は、図5に示されているように、レールに案内されて内槽側板3と内槽アニュラー板4とから形成される角に沿って走行する。このとき、グラスウール7は、測定ユニット10のヘッド部分21に押されて繊維が弾性変形して、グラスウール7と内槽側板3との隙間が広がり、グラスウール7と内槽アニュラー板4との隙間が広がる。測定ユニット10は、その隙間を走行する。グラスウール7は、測定ユニット10が通過した後に、弾性変形して測定ユニット10が通過する前の状態に戻る。測定ユニット10は、グラスウール7に接触する表面の表面粗さが小さい。このため、測定ユニット10は、グラスウール7を押し広げて走行するときに、グラスウール7との摩擦が小さく、スムーズに走行することができる。測定ユニット10は、さらに、グラスウール7に接触する表面が角張っていないで、なだらかである。このため、測定ユニット10は、グラスウール7を押し広げて走行するときに、表面がグラスウール7に引っ掛かり難く、スムーズに走行することができる。
【0049】
測定ユニット10を点検・交換する動作では、まず、測定ユニット10をレール11により定められる通路を走行させて、センサ点検交換口13との交差点で停止させる。作業者は、扉12を開放し、センサ点検交換口13を介して測定ユニット10をタンク1の外に取り出す。測定ユニット10は、取り出された後に、正常に動作するかどうか点検される。測定ユニット10は、正常に動作しないときに、修理され、または、正常に動作する測定ユニットに交換される。正常に動作する測定ユニット10は、タンク37に接触媒質が充填されて、センサ点検交換口13を介してレール11により定められる通路に挿入される。その通路に挿入された測定ユニット10は、再度、内槽アニュラー板4を探傷する動作で用いられる。
【0050】
このようなタンク検査方法によれば、タンク1から断熱材を取らないで、かつ、タンク1からLNGを抜き取らないで、内槽アニュラー板4に発生する亀裂を容易に探傷することができる。
【0051】
図6は、本発明によるタンク検査装置の実施の他の形態を示している。そのタンク検査装置は、既述の実施の形態におけるタンク1がトンネルをさらに備えている。すなわち、そのタンク1は、測定ユニット50とレール11と扉12とセンサ点検交換口13とトンネル19とを備えている。トンネル19は、内槽側板3の内槽アニュラー板4との溶接部に沿って配置され、測定ユニット50が走行する通路を定めている。レール11は、内槽側板3のトンネル19の内部に配置されている。レール11は、タンク1を構成する内槽側板3に電気的に接続されないで、電線を介してタンク1の外部に配置される装置に電気的に接続されている。扉12は、その外槽側板の測定ユニット50が走行する通路と同じ高さの位置に形成されている。センサ点検交換口13は、径が測定ユニット50より大きいトンネルであり、扉12と測定ユニット50が走行するトンネル19とを接続している。
【0052】
図7は、内槽側板3が内槽アニュラー板4に接合される溶接部を示している。内槽側板3の外側に配置される断熱材は、パーライト6とグラスウール7とから形成されている。グラスウール7は、ガラス繊維を板状に成形されたものであり、内槽側板3の外槽側板に対向する側の面に接触して配置されている。パーライト6は、ガラス質の岩石から形成される粒を固めて成形されたものであり、グラスウール7と外槽側板との間に配置されている。
【0053】
内槽側板3は、端面が内槽アニュラー板4の表面に載せられて固定されている。内槽側板3と内槽アニュラー板4とにより形成される角には、溶接により形成されるすみ肉16が形成されている。このため、内槽アニュラー板4は、溶接部より内側の部分と溶接部より外側の部分とから形成される。内槽アニュラー板4の溶接部より内側の部分は、タンク1に貯留されるLNGに接している。内槽アニュラー板4の溶接部より外側の部分は、グラスウール7に接している。
【0054】
タンク1は、さらに、底部保冷部5を備えている。底部保冷部5は、コンクリートから形成され、地盤の上に固定されている。内槽アニュラー板4は、底部保冷部の上に固定されている。すなわち、底部保冷部5は、その地盤と内槽アニュラー板4との間に挟まれて配置されている。
【0055】
図7は、さらに、トンネル19を示している。トンネル19は、内槽側板3の下端部分と内槽アニュラー板4の溶接部より外側の部分と壁18とから形成されている。壁18は、パーライト7とガラスウール7とが測定ユニット50が走行する通路に漏洩しないように、その通路と断熱槽とを隔離している。
【0056】
測定ユニット50は、図8に示されているように、ボードコンピュータ61と発振器62とアンプ63と圧電素子64とインバータ65とリニアモータ66とタンク67とポンプ68と電源69とカメラ70とを備えている。ボードコンピュータ61は、CPUと入出力装置と記憶装置とを備えた情報処理装置であり、発振器62とインバータ65とポンプ68と電源69とカメラ70とを制御する。発振器62は、ボードコンピュータ61により制御され、圧電素子64から発振される超音波の周波数を示す電気信号を生成する。
【0057】
アンプ63は、発振器62により生成された電気信号を増幅して、圧電素子64に印加される電気信号を生成する。アンプ63は、さらに、圧電素子64から伝送される電気信号を増幅して、圧電素子64により検出された反射波を示す電気信号をボードコンピュータ61に出力する。圧電素子64は、電圧が印加されることによりひずみが発生し、外力が加わると電圧が発生する物質から形成されている。圧電素子64は、内槽アニュラー板4に超音波を発振することができるように、測定ユニット50の底に配置されている。圧電素子64は、アンプ63から出力される電気信号に基づいて超音波を発振し、内槽アニュラー板4から反射する反射波を示す電気信号をアンプ63に出力する。
【0058】
インバータ65は、ボードコンピュータ61により制御され、リニアモータ66に電気信号を出力する。リニアモータ66は、コイルから形成され、インバータ65から出力される電気信号により移動磁界を生成して測定ユニット50の推進力またはブレーキ力を生成する。
【0059】
タンク67は、接触媒質を貯留している。ポンプ68は、圧電素子64と内槽アニュラー板4との間にタンク67から接触媒質を供給する。このとき、接触媒質は、圧電素子64と内槽アニュラー板4との間に浸入し、圧電素子64から発振される超音波を内槽アニュラー板4に伝播しやすくする。
【0060】
電源69は、充電可能である電池であり、ボードコンピュータ61と発振器62とアンプ63と圧電素子64とインバータ65とリニアモータ66とタンク67とポンプ68とカメラ70とに電力を供給する。電源69は、さらに、レール11から発振された電波を電力に変換して充電する。
【0061】
カメラ70は、ボードコンピュータ61により制御され、測定ユニット50の近傍の内槽側板3と内槽アニュラー板4とすみ肉16との画像を撮像し、その画像を示す電気信号をボードコンピュータ61に出力する。
【0062】
本発明によるタンク検査方法の実施の他の形態は、このようなタンク検査装置を用いてタンク1の内槽アニュラー板4に発生する亀裂を探傷する方法であり、内槽アニュラー板4を探傷する動作と測定ユニット50を点検・交換する動作とを備えている。
【0063】
内槽アニュラー板4を探傷する動作は、間欠的に定期的に繰り返して実行される。まず、そのタンク検査装置を使用する作業者は、レール11に電圧を印可することにより、測定ユニット50を制御して、内槽アニュラー板4に発生する亀裂を探傷する。このとき、測定ユニット50は、レール11に印可される電圧により発振される電波から変換される電力を充電し、レール11に印可される電圧により発振される電波により制御されて、その電力を用いて動作する。
【0064】
すなわち、測定ユニット50は、トンネル19により定められる通路を走行し、検査部位で停止する。測定ユニット50は、停止した後に、その検査部位で圧電素子64と内槽アニュラー板4との間に接触媒質を供給し、圧電素子64を用いて内槽アニュラー板4に超音波を発振する。その超音波は、内槽アニュラー板4に入射すると、内槽アニュラー板4に発生している亀裂により反射する。測定ユニット50は、その超音波の反射波を検出し、その反射波に関する情報を記録し、レール11を介してその情報を外部に出力する。測定ユニット50は、さらに、カメラ70を用いて測定ユニット50の近傍の内槽側板3と内槽アニュラー板4とすみ肉16との画像を撮像し、レール11を介してその画像を外部に出力する。
【0065】
作業者は、レール11を介して出力された情報をパーソナルコンピュータに入力し、その反射波を分析して、内槽アニュラー板4に亀裂が発生しているかどうかを判別する。パーソナルコンピュータは、亀裂が検出されたときに、その反射波を分析することにより亀裂の存在位置と亀裂の大きさとをさらに算出する。作業者は、さらに、測定ユニット50により撮像された内槽側板3と内槽アニュラー板4とすみ肉16との画像に基づいて目視検査をする。
【0066】
測定ユニット50を点検・交換する動作では、まず、測定ユニット50をトンネル19を走行させて、センサ点検交換口13との交差点で停止させる。作業者は、扉12を開放し、センサ点検交換口13を介して測定ユニット50をタンク1の外に取り出す。測定ユニット50は、取り出された後に、正常に動作するかどうか点検される。測定ユニット50は、正常に動作しないときに、修理され、または、正常に動作する測定ユニットに交換される。正常に動作する測定ユニット50は、タンク67に接触媒質が充填されて、センサ点検交換口13を介してトンネル19に挿入される。そのトンネル19に挿入された測定ユニット50は、再度、内槽アニュラー板4を探傷する動作で用いられる。
【0067】
このようなタンク検査方法によれば、タンク1から断熱材を取らないで、かつ、タンク1からLNGを抜き取らないで内槽アニュラー板4に発生する亀裂を容易に探傷することができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】図1は、本発明によるタンク検査装置の実施の形態を示す分解斜視図である。
【図2】図2は、内槽側板が内槽アニュラー板に接合される溶接部と測定ユニットとを示す断面図である。
【図3】図3は、測定ユニットを示す断面図である。
【図4】図4は、測定ユニットを示す断面図であり、測定ユニットを示すブロック図である。
【図5】図5は、測定ユニットを示す分解斜視図である。
【図6】図6は、本発明によるタンク検査装置の実施の他の形態を示す分解斜視図である。
【図7】図7は、内槽側板が内槽アニュラー板に接合される溶接部と測定ユニットとを示す断面図である。
【図8】図8は、測定ユニットを示す断面図であり、測定ユニットを示すブロック図である。
【図9】図9は、公知のタンクを示す断面図である。
【図10】図10は、公知のタンクの内槽側板が内槽アニュラー板に接合される溶接部を示す断面図である。
【符号の説明】
【0069】
1 :タンク
2 :外槽側板
3 :内槽側板
4 :内槽アニュラー板
6 :パーライト
7 :グラスウール
10:測定ユニット
11:レール
12:扉
13:センサ点検検査口
16:すみ肉
21:ヘッド部分
22:本体部分
31:ボードコンピュータ
32:発振器
33:アンプ
34:圧電素子
35:インバータ
36:リニアモータ
37:タンク
38:ポンプ
39:電源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を貯留する貯留槽を形成する内槽板と、
断熱材が配置される断熱層を前記内槽板との隙間に形成する外槽板とを備えるタンクで、前記内槽板に発生する亀裂を探傷するときに利用されるタンク検査装置であり、
前記断熱層に配置されて前記内槽板を探傷するセンサユニットと、
前記センサユニットを前記断熱層の中で走行させる推進装置
とを具備するタンク検査装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記測定ユニットは、
接触媒質を貯留する接触媒質タンクと、
前記内槽板と前記超音波を発振するセンサとの隙間に前記接触媒質を供給するポンプとを備える
タンク検査装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2のいずれかにおいて、
前記センサユニットは、先頭が尖っている
タンク検査装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかにおいて、
前記センサユニットは、前記断熱材に接触する表面がなだらかである
タンク検査装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれかにおいて、
前記推進装置は、リニアモータにより推進力を生成する
タンク検査装置。
【請求項6】
請求項1または請求項2のいずれかにおいて、
前記測定ユニットが走行する通路を前記断熱材から隔離するトンネル
を更に具備するタンク検査装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のいずれかにおいて、
前記測定ユニットが通る通路と前記外槽板に形成された扉とを接続するセンサ点検交換口
を更に具備するタンク検査装置。
【請求項8】
請求項6または請求項7のいずれかにおいて、
前記測定ユニットは、前記内槽板の画像を撮影するカメラを備える
タンク検査装置。
【請求項9】
液体を貯留する貯留槽を形成する内槽板と、
断熱材が配置される断熱層を前記内槽板との隙間に形成する外槽板と、
前記断熱層に配置されて前記内槽板を探傷するセンサユニットと、
前記センサユニットを前記断熱層の中で走行させる推進装置
とを具備するタンク。
【請求項10】
請求項9において、
前記測定ユニットが走行する通路を前記断熱材から隔離するトンネル
を更に具備するタンク。
【請求項11】
請求項9または請求項10のいずれかにおいて、
前記測定ユニットが通る通路と前記外槽板に形成された扉とを接続するセンサ点検交換口
を更に具備するタンク。
【請求項12】
請求項11に記載されるタンクの前記内槽板を探傷するタンク検査方法であり、
前記測定ユニットを用いて探傷するステップと、
前記センサ点検交換口を介して前記測定ユニットを他の測定ユニットに交換するステップ
とを具備するタンク検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−177738(P2006−177738A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−370276(P2004−370276)
【出願日】平成16年12月21日(2004.12.21)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】