説明

ダイヤモンドライクカーボン膜の製膜装置

【課題】外部電極と内部電極をボトル形プラスチック容器と相似形に成形しなくとも、該容器の内面に全体的に均一なDLC膜を形成することができ、外部電極内の空気を高速排気する際にボトル形プラスチック容器の口の付近で乱流が生じてコーティング効果が損なわれないようにする。
【解決手段】外部電極1がボトル形プラスチック容器2を該容器の底部側から収容可能な形状に成形され、該容器の軸方向と略平行に磁界Mを印加する磁界印加手段17が容器の縮径部18に対して集中的に磁界を印加するように構成され、外部電極1と排気管11との間に、複数の貫通孔12を通じて外部電極1の内部に連通せられる排気流緩和用真空チャンバ13が介装されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料用ボトルや食品用・医薬品用の容器等として使用されるボトル形プラスチック容器の内面にダイヤモンドライクカーボン膜(DLC膜)を形成する製膜装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ペットボトル等のプラスチック容器は、酸素や二酸化炭素のような低分子ガスを透過しやすいため、その容器に入れた果汁飲料や野菜ジュース等の酸化劣化が短期間で進行し、炭酸飲料は炭酸ガスが逸出して気が抜けたものとなる。特に、ビールは、酸化劣化の進行が速く、約1週間で黒く変色してしまうので、軽量・安価で再生利用が可能なペットボトル等のプラスチック容器を使用することができなかった。また、プラスチック容器は、その内容物中に人体に有害な環境ホルモン物質が溶け出すおそれがある。
【0003】
このような事情に鑑みて、プラスチック容器の内面にガスバリヤー性等に優れたDLC膜を形成する試みがなされている。
【0004】
DLC膜は、炭素間のSP結合を主体としたアモルファスな炭素で、硬度が高く、絶縁性に優れ、高屈折率で非常に滑らかなモルフォロジを有する硬質炭素膜であって、この膜が内面に形成されたペットボトルに試験的に充填したビールは、缶入りビールと遜色ない賞味期限を有することが確認されている。
【0005】
図2は、飲料用ボトルとして使用するボトル形プラスチック容器の内面にDLC膜を形成する製膜装置の従来例であって、真空チャンバとなる外部電極30の内部に収容されたボトル形プラスチック容器31の口32からその容器31内に管状の内部電極33を挿入すると共にその管状の内部電極33に連結された原料ガス供給管34から脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、含酸素炭化水素類、含窒素炭化水素類等の炭素系ガスで成る原料ガスを導入し、整合器35を介して高周波電源36に接続された外部電極30と内部電極33との間に出力50〜1000Wの高周波を印加してプラズマを発生させることにより、絶縁された外部電極30の内面に電子が蓄積してその外部電極30が負電位に自己バイアスされ、外部電極30側に蓄積電子による500〜1000V程度の電位効果が生じ、このときプラズマ中に炭素源となる原料ガスが存在することにより、プラスにイオン化された炭素源が外部電極30の内面に沿うように位置するボトル形プラスチック容器31の内面に加速的に衝突し、近接する炭素同士が結合して緻密なDLC膜が形成されるようになっている(特許文献1及び2参照)。
【特許文献1】特開平8−53116号公報
【特許文献2】特開平8−53117号公報
【0006】
図2の従来装置は、外部電極30と内部電極33との間隔をボトル形プラスチック容器31のあらゆる位置において10〜50mmの範囲内で略均一に保たなければ、容器31の内面に衝突するイオンのエネルギーが不均一となって、その内面に全体的に均一なDLC膜を形成することができないため、図示の如く、外部電極30の内部形状が、その内部に収容するボトル形プラスチック容器31と略相似形で且つ該容器31よりも僅かに大きい空所を形成する形状に成形されると共に、プラスチック容器31の内部に挿入する内部電極33の外部形状が、プラスチック容器31と略相似形で且つ該容器31の口32からその内部へ挿入可能な形状に成形されている。
【0007】
また、プラズマを発生させた際に外部電極30内に空気が存在すると、その空気が高温に熱せられてボトル形プラスチック容器31に熱変形等を生ずるおそれがあるので、外部電極30の内部に連通する排気管37を通じてその内部の空気を真空ポンプで排気するようになっている。
【0008】
しかしながら、ボトル形プラスチック容器31は、その種類によって形やサイズが様々に異なるので、外部電極30の内部形状と内部電極33の外部形状をボトル形プラスチック容器31と相似形に成形する従来技術によれば、該容器31の種類に応じて外部電極30と内部電極33の形や大きさを変えなければならず、その電極30、33の成形コストが嵩むという問題があった。
【0009】
また、ボトル形プラスチック容器31が、口32の内径に比べて胴部38の内径が著しく大きい胴太形状のものであるときは、その口32から挿入する内部電極33を容器31と相似形に成形にすることができない。つまり、胴太形状のボトル形プラスチック容器と相似形を成す内部電極は、その容器の口から挿入することができないため、胴太形状のボトル形プラスチック容器に挿入する内部電極は、外部電極との間に均一な間隔を保てない非相似形状にせざるを得ず、したがって、プラスチック容器の内面に全体的に均一なDLC膜を形成することが困難となる。
【0010】
また、図2の従来装置は、外部電極30と内部電極33とを電気的に絶縁するためにセラミック製の絶縁材39を用いているが、その絶縁材39が外部電極30内に露出していると、プラズマ発生の際に生ずる真空蒸着作用によって不純物が増加し、DLC膜の品質低下を招くおそれがある。
【0011】
また、ボトル形プラスチック容器31の内面にDLC膜を形成するDLCコーティングは、所要時間が数秒〜十数秒程度の高速コーティングであるから、外部電極30内の空気を排気管37に接続した真空ポンプで高速排気することが要求されるが、その高速排気により、外部電極30内の排気管37が連結された箇所や、プラスチック容器31の口32の付近で乱流が生じて、外部電極30内の局部プラズマ放電が悪くなるため、コーティング効果が良くないという問題があった。
【0012】
なお、DLC膜の生産効率を高めるために、外部電極の外側に該電極の長さ方向に沿って一定の間隔で配置した複数のリング状磁石により、外部電極の内部に収容されたボトル形プラスチック容器の内面近傍に磁場を発生させて、該容器の内面に形成されるDLC膜の生成速度を速める発明が提案されている(特許文献3参照)。
【0013】
また、本願発明者の一人は、図2の製膜装置によって形成されるDLC膜はその品質に問題があり、ボトル形プラスチックの内径が一様でない部分(テーパー部分)の内面には良質なDLC膜を形成することができず、その部分のDLC膜が、容器の内面から剥がれやすかったり、微小クラックを生ずるなどして、ガスバリア性が損なわれるおそれがあったことから、DLC膜の品質を高めるために、外部電極の周囲にリング状磁石を設けて、外部電極の中心軸と一致する向きの磁界を形成することにより、ボトル形プラスチック容器の内面全体に良質なDLC膜を形成する発明を提案した(特許文献4参照)。
【特許文献3】特開平11−256331号公報
【特許文献4】特開2000−185997号
【0014】
しかし、特許文献3に記載された発明は、DLC膜の高速コーティングを可能にするものであり、また、特許文献4に記載された発明は、DLC膜の品質を向上させるものであり、両文献に記載された製膜装置はいずれも、図2の製膜装置と同様、外部電極の内部形状と内部電極の外部形状をボトル形プラスチック容器の形状と略相似形に成形して、該容器と外部電極及び内部電極との距離を均等にすることにより、容器内面に全体的に均一なDLC膜を形成するものであるから、容器の種類に応じて外部電極と内部電極の形や大きさを変えなければならず、電極の成形コストが嵩むという問題は依然として未解決であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、外部電極の内部形状と内部電極の外部形状をボトル形プラスチック容器と相似形に成形して両電極の間隔を均一に保たなくても、該容器の内面に全体的に均一なDLC膜を形成できるようにすると共に、外部電極内の空気を高速排気する際に、その高速排気によりボトル形プラスチック容器の口の付近で乱流が生じてコーティング効果が損なわれないようにすることを技術的課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の課題を解決するために、本発明は、真空チャンバとなる外部電極の内部に収容されたボトル形プラスチック容器の口からその容器内に内部電極を挿入すると共に原料ガスを導入し、前記外部電極と内部電極との間に高周波を印加してプラズマを発生させることにより、前記ボトル形プラスチック容器の内面にダイヤモンドライクカーボン膜を形成する製膜装置において、前記外部電極の内部形状が、前記ボトル形プラスチック容器を該容器の底部側から収容可能な形状に成形され、当該外部電極の内部に収容された前記ボトル形プラスチック容器の軸方向と略平行に磁界を印加する磁界印加手段が、前記ボトル形プラスチック容器の縮径部に対して集中的に磁界を印加するか、もしくはその縮径部に対して他の部分よりも強い磁界を印加するように構成され、前記外部電極とその内部の空気を排気する排気管との間に、複数の貫通孔を通じて前記外部電極の内部に連通せられる排気流緩和用真空チャンバが介装されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、外部電極の内部形状が、ボトル形プラスチック容器を該容器の底部側から収容可能な形状に成形されるので、従来の如く外部電極の内部形状をその内部に収容するボトル形プラスチック容器と相似形に成形する場合に比べて、外部電極の成形コストを大幅に低減することができる。また、外部電極の内部形状が、ボトル形プラスチック容器を該容器の底部側から収容可能な形状に成形されていると、外部電極の内部に収容されたボトル形プラスチック容器の縮径部は、他の部分よりも外部電極の内面から遠い距離にあるが、その縮径部に対して、ボトル形プラスチック容器の軸方向と略平行な磁界が集中的に印加されるか、もしくは他の部分よりも強く印加されることにより、他の部分と遜色のない膜厚のDLC膜が形成されて、容器の内面全体に均一なDLC膜が形成される。また、外部電極の内部の空気を排気管から高速排気する際に、その排気管と外部電極との間に介装された排気流緩和用チャンバ内で乱流が生じて、外部電極内における乱流の発生が抑制されることにより、外部電極内の局部プラズマ放電が良好となり、DLC膜のコーティング効果が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の裁量の実施形態を図面によって具体的に説明する。
図1は本発明に係る製膜装置の一例を示す断面図である。
【0019】
図1の製膜装置は、真空チャンバとなる外部電極1が、ボトル形プラスチック容器2をその底部側から収容できる一定の内径を有した円筒形のチャンバで成り、該外部電極1の内部に収容されたボトル形プラスチック容器2の口3から該容器2の内部に挿入する内部電極4が、一定の外径を有した円筒管で形成され、これら外部電極1と内部電極4は、セラミックス等で成る絶縁材5により電気的に絶縁されて、整合器6及び高周波電源7に接続されている。
【0020】
外部電極1の内部には、その内部に収容するボトル形プラスチック容器2の底部を嵌合させて該容器2を内部電極4の挿入可能な定位置に保持する位置決め用治具8が着脱自在に設けられている。
【0021】
位置決め用治具8は、ステンレス等の難真空蒸着材によって外部電極1の開口部9からその内部に挿入可能な形状及び大きさに成形されている。なお、図示は省略するが、治具8は、外形の異なる各種ボトル形プラスチック容器2の底部形状に応じて各々の底部と嵌り合う形状に成形されたものを複数個用意し、それらをボトル形プラスチック容器2の種類に応じて交換することにより、いずれのボトル形プラスチック容器2もその口3から内部電極4を挿入可能な外部電極1の中心位置に保持するようになっている。
【0022】
ボトル形プラスチック容器2を該容器の底部側から出し入れする外部電極1の開口部9は、その開口部9に対して進退自在な絶縁材5で閉塞されるようになっており、絶縁材5の外部電極1内に表出する面は、ステンレス板等の難真空蒸着材10で被覆されている。
【0023】
また、外部電極1とその内部の空気を真空ポンプで排気する排気管11との間には、絶縁材5に穿設された複数の貫通孔12を通じて外部電極1の内部に連通せられる排気流緩和用真空チャンバ13が介装されている。なお、該チャンバ13は、絶縁材5と一体的に設けられ、これらチャンバ13と絶縁材5の中心を貫通するように管状の内部電極4が取り付けられている。
【0024】
絶縁材5の中心には、内部電極4を非接触に挿通する貫通孔14が穿設され、排気流緩和用真空チャンバ13の中心には、内部電極4を貫通状態で気密に固定する貫通孔15が設けられている。また、チャンバ13の貫通孔15から突出する内部電極4の端部には、その内部電極4の管内を通じてプラスチック容器2の内部に炭素系ガスと水素ガスとの混合ガスで成る原料ガスを導入する原料ガス供給管16が接続されている。
【0025】
そして、これら内部電極4、排気流緩和用真空チャンバ13及び絶縁材5は、複動型シリンダ等により外部電極1の開口部9に対して一体的に進退せられるようになっている。
【0026】
更に、図1に示す製膜装置は、外部電極1の内部に収容されたボトル形プラスチック容器2の軸方向と略平行に磁界Mを印加する磁界印加手段17を備えている。この磁界印加手段17は、外部電極1の外周を囲うように配設された環状の永久磁石もしくは直流コイルで成り、外部電極1と内部電極4との間に高周波を印加する際に、円筒形チャンバで成る外部電極1の内面から比較的遠い距離にあるボトル形プラスチック容器2の縮径部18に対して集中的に磁界Mを印加するか、あるいは縮径部18に対して磁界を強く印加し、その他の部分に対して磁界を弱く印加するようになっている。
【0027】
以上が、図1に示す製膜装置の構成であり、次にその使用方法について説明する。まず、ボトル形プラスチック容器2を外部電極1の内部に収容する際は、一体化構造の内部電極4、絶縁材5及び排気流緩和用真空チャンバ13を図1で見て上方に後退させて外部電極1の開口部9を開放し、その開口部9から外部電極1の内部に予め位置決め用治具8を装填しておく。
【0028】
この状態で、ボトル形プラスチック容器2をその底部側から外部電極1の内部に入れると、該容器2の底部が位置決め用治具8に嵌合して、該容器2は、その口3から内部電極4を挿入できる外部電極1内の中心位置に自動的に保持される。
【0029】
このようにして、ボトル形プラスチック容器2を外部電極1の内部に収容すると、上方に後退させていた内部電極4、絶縁材5及び排気流緩和用真空チャンバ13を下方に進出させて、図1の如く、内部電極4をボトル形プラスチック容器2の口3からその内部に挿入すると同時に、絶縁材5を外部電極1の開口部9の周囲に圧し当ててその絶縁材5で開口部9を閉塞すると同時に、その絶縁材と排気流緩和用真空チャンバ13とで外部電極1の内部を気密状態にする。
【0030】
次いで、真空ポンプに接続した排気管11から排気流緩和用真空チャンバ13を介して外部電極1内の空気を高速排気すると共に、原料ガス供給管16から管状の内部電極4を通じてボトル形プラスチック容器2の内部に原料ガスを供給する。
【0031】
そして、高周波電源7により外部電極1と内部電極4との間に高周波を印加すると共に、磁界印加手段17により外部電極1の内部に収容されたボトル形プラスチック容器2の軸方向と平行に磁界Mを印加する。
【0032】
これにより、外部電極1と内部電極4との間にプラズマが発生して外部電極1の内面が負電位に自己バイアスされ、ボトル形プラスチック容器2の内部に導入した原料ガス中のプラスにイオン化された炭素源が該容器2の内面に衝突して、その内面にDLC膜が形成される。
【0033】
また、この際、ボトル形プラスチック容器2の縮径部18に磁界Mを印加して、該縮径部18の内面に向かうイオンのエネルギーを増大させることにより、外部電極1の内面から比較的遠い距離にある縮径部18にも他の部分と遜色のない均一なDLC膜を形成することができるので、図2の従来例の如く外部電極の内部形状や内部電極の外部形状をボトル形プラスチック容器と相似形に成形する必要がない。
【0034】
したがって、図1の如く、外部電極1の内部形状をボトル形プラスチック容器2をその底部側から収容可能で且つ外形が異なる他種ボトル形プラスチック容器も収容可能な円筒形に成形することによって、その外部電極1の成形コストを従来に比べて大幅に低減することができる。また、内部電極4の外部形状も単純な管状に成形して、その成形コストを低減することができる。
【0035】
また、外部電極1内に挿入する位置決め用治具8は、難真空蒸着材で成形され、絶縁材5も、外部電極1内に表出する面が難真空蒸着材10で被覆されているので、プラズマ発生の際にDLC膜の品質を損なわしめる不純物を生ずるおそれがない。
【0036】
また、外部電極1とその内部の空気を高速排気する排気管11との間に排気流緩和用真空チャンバ13が介装されているため、外部電極1内やボトル形プラスチック容器2の口3付近でプラズマ放電及び高速コーティングに悪影響を及ぼす乱流を生ずるおそれがなくなる。
【0037】
また、炭素系ガスと水素ガスとの混合ガスを用いて製膜したDLC膜は、炭素系ガスのみで製膜したものに比べてガスバリア性が優れており、例えば、炭素系ガスCHと水素ガスHの混合比が1:1の原料ガスを用いてDLC膜を製膜したペットボトルは、酸素透過率が約1/15となる。また、CH:H=3:1では、酸素透過率が約1/12となり、CH:H=1:3では、約1/8となり、炭素系ガスのみで製膜されたダイヤモンドライクカーボン膜よりもガスバリア性が良い。
【0038】
なお、水素ガスの比率が、CH:H=3:1より小さくなるに従って、ガスバリア性が急速に低下し、炭素系ガスのみで成るDLC膜と格段の差はなくなる。また、水素ガスの比率が、CH:H=1:3より大きくなるに従って製膜が困難となる傾向を示し、1:6では製膜不能となる。したがって、炭素系ガスと水素ガスとの混合比は、3:1〜1:3の範囲内に選定するのが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、DLC膜の生産性向上と加工コスト低減に資するものである。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係る製膜装置の一例を示す図
【図2】従来の製膜装置を示す図
【符号の説明】
【0041】
1 外部電極
2 ボトル形プラスチック容器
3 ボトル形プラスチック容器の口
4 内部電極
5 絶縁材
11 排気管
12 貫通孔
13 排気流緩和用真空チャンバ
17 磁界印加手段
M 磁界
18 ボトル形プラスチック容器の縮径部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空チャンバとなる外部電極の内部に収容されたボトル形プラスチック容器の口からその容器内に内部電極を挿入すると共に原料ガスを導入し、前記外部電極と内部電極との間に高周波を印加してプラズマを発生させることにより、前記ボトル形プラスチック容器の内面にダイヤモンドライクカーボン膜を形成する製膜装置において、前記外部電極の内部形状が、前記ボトル形プラスチック容器を該容器の底部側から収容可能な形状に成形され、当該外部電極の内部に収容された前記ボトル形プラスチック容器の軸方向と略平行に磁界を印加する磁界印加手段が、前記ボトル形プラスチック容器の縮径部に対して集中的に磁界を印加するか、もしくはその縮径部に対して他の部分よりも強い磁界を印加するように構成され、前記外部電極とその内部の空気を排気する排気管との間に、複数の貫通孔を通じて前記外部電極の内部に連通せられる排気流緩和用真空チャンバが介装されていることを特徴とする製膜装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−316354(P2006−316354A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−222230(P2006−222230)
【出願日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【分割の表示】特願2001−4490(P2001−4490)の分割
【原出願日】平成13年1月12日(2001.1.12)
【出願人】(502435834)ふくはうちテクノロジー株式会社 (5)
【Fターム(参考)】