説明

ダブルディファレンシャルアッセンブリ

【課題】フレキシブルなトルク分配、コンパクトな構成および簡単な製作を許可するセルフロック式デフを提案する。
【解決手段】軸線Aを中心に回転駆動可能なケース14と、ケースと共に公転するシリンドリカルギア17と、軸線に対して同軸的に配置されシリンドリカルギアと噛合する第1・第2のクラウンギア18,19とを備えた第1のディファレンシャル伝動装置15と、第1のディファレンシャル伝動装置内に軸線に対して同軸的に配置され、キャリア20と、キャリアと共に公転するデフギア26と、軸線に対して同軸的に配置されデフギアと噛合する第1・第2のサイドシャフトギア27,28とを備えた第2のディファレンシャル伝動装置16とが設けられており、第1のクラウンギアがキャリアに相対回動不能に結合され、第2のクラウンギアが、軸線に対して同軸的な中空シャフト22に相対回動不能に結合されているようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の駆動されるアクスルを有する自動車のドライブトレーン内で使用するためのディファレンシャルアッセンブリ(Differentialanordnung)に関する。
【背景技術】
【0002】
全輪駆動式の自動車は、一次のアクスルが常時駆動されており、二次のアクスルが必要なときに接続(ハングオン)されるようになっている自動切換可能な全輪駆動システムを有する自動車と、両アクスルが常時駆動されているフルタイム全輪駆動システムを有する自動車とに分類される。ドライブトレーンの構造的な構成は主に、自動車内での機関の配置、すなわちフロント配置またはリヤ配置ならびに縦置きまたは横置きにより影響される。
【0003】
駆動される両アクスル間での補償運動もしくは差動運動を可能にし、ドライブトレーンの歪みを阻止するために、一般に、センタディファレンシャルを備えたトランスファ伝動装置が使用される。駆動される両アクスルはそれぞれ、両サイドシャフト間の補償作用を有する1つのアクスルディファレンシャルを有している。独国特許出願公開第10353415号明細書は、多軸駆動式の自動車のフロントアクスルおよびリアアクスルを駆動するためのトランスファ伝動装置を示している。サイドシャフトギアはクラウンギアもしくは冠歯車の形で構成されており、クラウンギアと噛合するディファレンシャルギアはシリンドリカルギアもしくは円筒歯車である。
【0004】
独国特許出願公開第3710582号明細書から、フルタイム四輪駆動システムと、フロントに縦置きされた機関とを有する自動車が公知である。トルクを4つの車輪に分配するために、入れ子に位置する2つのベベルギア式ディファレンシャル(Kegelraddifferential)を有するダブルディファレンシャル伝動装置(Doppeldifferentialgetriebe)が設けられている。その際、ディファレンシャルの出力は、対角状に対向して位置するそれぞれ2つのサイドシャフトが互いに補償作用を有するように、サイドシャフトに結合されている。
【0005】
独国特許出願公開第3311175号明細書から、多軸駆動式の自動車のための、相前後して接続され駆動結合された2つのディファレンシャル伝動装置を備えたディファレンシャルアッセンブリが公知である。第1のディファレンシャル伝動装置によりトルクがフロントアクスルとリアアクスルとの間で分割される。第2のディファレンシャル伝動装置はトルクを所属のアクスルの両サイドシャフトに分配する。第1のディファレンシャル伝動装置は、種々異なる実施形態によれば、ベベルギア式ディファレンシャル、シリンドリカルギア式ディファレンシャル(Stirnraddifferential)またはプラネタリーギア式ディファレンシャル(Planetendifferential)として構成されている。
【特許文献1】独国特許出願公開第10353415号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第3710582号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第3311175号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、フレキシブルなトルク分配を許可し、コンパクトに構成され、かつ簡単に製作されることができる、フルタイム全輪駆動式の自動車のドライブトレーン内で使用するためのセルフロック式のディファレンシャルアッセンブリを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決した本発明の構成によれば、クラウンギア式ディファレンシャルの形の第1のディファレンシャル伝動装置が設けられており、該第1のディファレンシャル伝動装置が、回転軸線を中心として回転駆動可能なディファレンシャルケースと、該ディファレンシャルケースと共に公転する、ディファレンシャルギアとしての複数のシリンドリカルギアと、回転軸線に対して同軸的に配置されており、前記シリンドリカルギアと噛合する第1のクラウンギアおよび第2のクラウンギアとを有しており、前記第1のディファレンシャル伝動装置内に回転軸線に対して同軸的に配置された第2のディファレンシャル伝動装置が設けられており、該第2のディファレンシャル伝動装置が、ディファレンシャルキャリアと、該ディファレンシャルキャリアと共に公転する複数のディファレンシャルギアと、回転軸線に対して同軸的に配置されており、前記ディファレンシャルギアと噛合する第1のサイドシャフトギアおよび第2のサイドシャフトギアとを有しており、第1のクラウンギアが第2のディファレンシャル伝動装置のディファレンシャルキャリアに相対回動不能に結合されており、第2のクラウンギアが、回転軸線に対して同軸的な中空シャフトに相対回動不能に結合されているようにした。さらに、上記課題を解決した本発明の別の構成によれば、クラウンギア式ディファレンシャルの形の第1のディファレンシャル伝動装置が設けられており、該第1のディファレンシャル伝動装置が、回転軸線を中心として回転駆動可能なディファレンシャルケースと、該ディファレンシャルケースに固く結合された第1のクラウンギアと、前記ディファレンシャルケース内に回転軸線に対して同軸的に回転可能に保持された第2のクラウンギアと、互いに噛合するシリンドリカルギアの複数のペアとを有しており、これらのペアのそれぞれの第1のシリンドリカルギアが第1のクラウンギアと噛合し、第2のシリンドリカルギアが第2のクラウンギアと噛合し、前記第1のディファレンシャル伝動装置内に回転軸線に対して同軸的に配置された第2のディファレンシャル伝動装置が設けられており、該第2のディファレンシャル伝動装置が、ディファレンシャルキャリアと、該ディファレンシャルキャリアと共に回転軸線を中心として公転する複数のディファレンシャルギアと、回転軸線に対して同軸的に配置されており、前記ディファレンシャルギアと噛合する第1のサイドシャフトギアおよび第2のサイドシャフトギアとを有しており、クラウンギア式ディファレンシャルのシリンドリカルギアが第2のディファレンシャル伝動装置のディファレンシャルキャリアと共に回転軸線を中心として公転し、第2のクラウンギアが、回転軸線に対して同軸的な中空シャフトに相対回動不能に結合されているようにした。
【発明の効果】
【0008】
本発明による第1の解決策は、複数の駆動されるアクスルを有する自動車のドライブトレーン内で使用するためのディファレンシャルアッセンブリにおいて、クラウンギア式ディファレンシャルの形の第1のディファレンシャル伝動装置が設けられており、該第1のディファレンシャル伝動装置が、回転軸線を中心として回転駆動可能なディファレンシャルケースと、該ディファレンシャルケースと共に公転する、ディファレンシャルギアとしての複数のシリンドリカルギアと、回転軸線に対して同軸的に配置されており、前記シリンドリカルギアと噛合する第1のクラウンギアおよび第2のクラウンギアとを有しており、前記第1のディファレンシャル伝動装置内に回転軸線に対して同軸的に配置された第2のディファレンシャル伝動装置が設けられており、該第2のディファレンシャル伝動装置が、ディファレンシャルキャリアと、該ディファレンシャルキャリアと共に公転する複数のディファレンシャルギアと、回転軸線に対して同軸的に配置されており、前記ディファレンシャルギアと噛合する第1のサイドシャフトギアおよび第2のサイドシャフトギアとを有しており、第1のクラウンギアが第2のディファレンシャル伝動装置のディファレンシャルキャリアに相対回動不能に結合されており、第2のクラウンギアが、回転軸線に対して同軸的な中空シャフトに相対回動不能に結合されていることにある。
【0009】
本発明によるディファレンシャルアッセンブリの利点は、このディファレンシャルアッセンブリがコンパクトに構成されており、一方では第1および第2のアクスルへのフレキシブルなトルク分配と、他方では第1のアクスルの第1および第2のサイドシャフトへのフレキシブルなトルク分配とを許可する点にある。その際、シリンドリカルギアは第1のディファレンシャル伝動装置の入力部分として役立ち、クラウンギアは出力部分を形成する。それにより、トルクの一部は、第1のクラウンギアと、ディファレンシャルキャリアと、第2のディファレンシャル伝動装置とを介して第1のアクスルに伝達され、トルクの残りの部分は、第2のクラウンギアと出力軸とを介して第2のアクスルに伝達される。クラウンギア式ディファレンシャルを外側のディファレンシャルとして使用したことにより、このアッセンブリは特に短い軸方向の構成長さを有している。このことは横置きのフロントエンジンを有する自動車での使用時に有利である。その際、シリンドリカルギアは円筒形であり、クラウンギアの半径方向の歯列に係合する。シリンドリカルギアおよびクラウンギアはただし、軸方向の構成サイズを実質的に変えることなく、軽微に円錐形に構成されていてもよい。別の利点は、ディファレンシャルアッセンブリの僅かな部品点数にある。ディファレンシャルアッセンブリはそれにより安価に製作されることができる。ディファレンシャルキャリアおよびギアのような個々の構成部分は安価に焼結金属から製作されることができる。
【0010】
有利な構成では、ディファレンシャルケースが複数部分から構成されており、かつ第1のケース部分と、第2のケース部分と、軸方向で両ケース部分の間に保持されたリングディスク状のドライブギアとを有しており、該ドライブギア内にシリンドリカルギアが収容されている。その際、ドライブギアは有利には、自由な内周面から半径方向外側に向かって延在する切欠きを有しており、この切欠き内にはシリンドリカルギアが回転可能に保持されている。換言すれば、シリンドリカルギアは、リングディスク状のドライブギア内で、内周面を起点とする半径方向の切欠き内に回転可能に保持されている。ギア間に形成される中空室はほぼ満たされている。その結果、ギア相互の相対回動時に、歯頂部における摩擦力に基づくロック作用が生じる。
【0011】
有利な構成では、クラウンギアが軸方向で移動可能であり、クラウンギア歯列に対して軸方向で逆向きに方向付けられたそれぞれ1つの当付け面を有しており、第1のクラウンギアの当付け面とディファレンシャルケースとの間に第1の摩擦クラッチが、かつ第2のクラウンギアの当付け面とディファレンシャルケースとの間に第2の摩擦クラッチが、ロックモーメントを生ぜしめるために設けられている。有利には、第1および第2の摩擦クラッチが多板クラッチであり、アウタディスクおよびインナディスクを有しており、両ディスクが軸方向で交互に配置されており、かつ軸方向で移動可能である。有利には、第1の摩擦クラッチのインナディスクが内歯列でもってディファレンシャルキャリアの外歯列に相対回動不能に、かつ軸方向で移動可能に係合し、アウタディスクが外歯列でもって、ディファレンシャルケースに設けられた内歯列に相対回動不能に、かつ軸方向で移動可能に係合する。それに対して、有利には、第2の摩擦クラッチのインナディスクが内歯列でもってリングギアの外歯列に相対回動不能に、かつ軸方向で移動可能に係合し、アウタディスクが外歯列でもって、ディファレンシャルケースに設けられた内歯列に相対回動不能に、かつ軸方向で移動可能に係合する。つまり平易に言えば、クラウンギアはそれぞれ、クラウンギア歯列に対して軸方向で逆向きに方向付けられた1つの当付け面を有しており、当付け面とディファレンシャルケースとの間には、それぞれ1つの摩擦クラッチが配置されている。両アクスル間で回転数差が発生すると、クラウンギアは互いに相対的に回転する。その際、ディファレンシャルギアとクラウンギアとの間で有効な軸方向の拡開力(Spreizkraft)が、摩擦クラッチの負荷を生ぜしめる。ロック効果は両アクスルの回転数差の同化に至る。有利には、摩擦クラッチは少なくとも1つの、ディファレンシャルケースに相対回動不能に結合されたアウタディスクと、少なくとも1つの、所属のクラウンギアに相対回動不能に結合されたインナディスクとを有している。その際、複数のアウタディスクおよびインナディスクの使用時、両ディスクは軸方向で交互に配置されている。ロック値(Sperrwert)は、より多数の摩擦ディスクにより高められる。
【0012】
摩擦クラッチを備えた実施形態に対して択一的に、クラウンギアが軸方向で移動可能であり、かつクラウンギア歯列に対して軸方向で逆向きに方向付けられたそれぞれ1つの円錐形の当付け面を有しており、第1のクラウンギアの円錐形の当付け面とディファレンシャルケースとの間に少なくとも1つの第1の摩擦面対が、第2のクラウンギアの円錐形の当付け面とディファレンシャルケースとの間に少なくとも1つの第2の摩擦面対が、ロックモーメントを生ぜしめるために設けられていることができる。第1および第2の摩擦面対は直接的な当付け接触によりまたは介在する摩擦ディスクにより形成されていることができる。
【0013】
有利な構成では、第1のクラウンギアがリングディスク状に構成されており、かつ内歯列を有しており、該内歯列が、第2のディファレンシャル伝動装置のディファレンシャルキャリアの相応の外歯列に相対回動不能に係合する。有利な構成では、第2のクラウンギアがリングディスク状に構成されており、かつ内歯列を有しており、該内歯列が、中空シャフトに結合されているリングギアの相応の外歯列に相対回動不能に係合する。ここから駆動トルクは第2のアクスルに伝達される。
【0014】
第2の解決策は、複数の駆動されるアクスルを有する自動車のドライブトレーン内で使用するためのディファレンシャルアッセンブリであって、クラウンギア式ディファレンシャルの形の第1のディファレンシャル伝動装置が設けられており、該第1のディファレンシャル伝動装置が、回転軸線を中心として回転駆動可能なディファレンシャルケースと、該ディファレンシャルケースに固く結合された第1のクラウンギアと、前記ディファレンシャルケース内に回転軸線に対して同軸的に回転可能に保持された第2のクラウンギアと、互いに噛合するシリンドリカルギアの複数のペアとを有しており、これらのペアのそれぞれの第1のシリンドリカルギアが第1のクラウンギアと噛合し、第2のシリンドリカルギアが第2のクラウンギアと噛合し、前記第1のディファレンシャル伝動装置内に回転軸線に対して同軸的に配置された第2のディファレンシャル伝動装置が設けられており、該第2のディファレンシャル伝動装置が、ディファレンシャルキャリアと、該ディファレンシャルキャリアと共に回転軸線を中心として公転する複数のディファレンシャルギアと、回転軸線に対して同軸的に配置されており、前記ディファレンシャルギアと噛合する第1のサイドシャフトギアおよび第2のサイドシャフトギアとを有しており、クラウンギア式ディファレンシャルのシリンドリカルギアが第2のディファレンシャル伝動装置のディファレンシャルキャリアと共に回転軸線を中心として公転し、第2のクラウンギアが、回転軸線に対して同軸的な中空シャフトに相対回動不能に結合されていることにある。
【0015】
この実施形態は、上に挙げた解決策と同じ利点を提供する。この実施形態では、第1のクラウンギアが第1のディファレンシャル伝動装置の入力部分として役立ち、第2のクラウンギアおよびシリンドリカルギアのペアが出力部分である。第1のトルク伝達経路は、シリンドリカルギアのペアと、ディファレンシャルキャリアと、第2のディファレンシャル伝動装置とを介して第1のアクスルに延び、第2のトルク伝達経路は、第2のクラウンギアと中空シャフトとを介して第2のアクスルに伝達される。アクスル間で回転数差が発生すると、クラウンギアは互いに相対的に回転する。その際、互いに噛合するギア歯列のポンプ作用(Pumpwirkung)および摩擦力が、両アクスルの回転数差の同化に至るロック効果を生ぜしめる。
【0016】
有利な構成では、両シリンドリカルギアが円筒形であり、すぐ歯の歯列を有している。両シリンドリカルギアのうちの少なくとも一方のシリンドリカルギアは回転軸線に間隔を置いて交差し、相応のシリンドリカルギアと噛合するクラウンギアははす歯の歯列を有している。他方のシリンドリカルギアは回転軸線に対して半径方向で配置されていることができ、所属のクラウンギアはその際半径方向の歯列を有している。第1のクラウンギアは有利にはディファレンシャルケースと一体的であり、厳密に言えばディファレンシャルケースの第1のケース部分と一体的に構成されている。それにより、特に少ない部品点数および簡単な組立が得られる。有利には、ディファレンシャルケースが複数部分から構成されており、かつ第1のケース部分と、第2のケース部分と、軸方向で両ケース部分の間に保持されたリングディスク状のドライブギアとを有している。
【0017】
ディファレンシャルキャリアは半径方向外側に、シリンドリカルギアのペアを保持するリングディスク状の区分を有しており、かつ半径方向内側に、ディファレンシャルギアを収容するスリーブ状の区分を有している。その際、リングディスク状の区分は、軸方向でクラウンギアの間に形成される中空室をほぼ満たす。それにより、クラウンギアの相対回動時の歯列係合のポンプ作用もしくはシリンドリカルギアの歯における摩擦力は、ロック作用の上昇のために使用されることができる。有利な構成では、第1および第2のクラウンギアが内側の円筒面でもって、スリーブ状の区分上、厳密に言えばスリーブ状の区分の外面上に回転可能に支承されている。付加的な軸受部分はそれにより不要である。
【0018】
両解決策において、シリンドリカルギアが、回転軸線に関して、軸方向で第2のディファレンシャル伝動装置のディファレンシャルギアの領域に位置していると有利である。それにより、短い軸方向の長さを有する対称的な構造が得られる。有利には、第1のクラウンギアおよび第2のクラウンギアが、同じ歯数または異なる歯数を有していることができる。第1および第2のクラウンギアが同じ歯数を有していると、均等なトルク分割が実施される。また、第1および第2のクラウンギアが異なる歯数を有していると、このことはアクスル間の非対称的なトルク分割に至る。有利には、第2のディファレンシャル伝動装置が第1のディファレンシャル伝動装置のディファレンシャルケース内に収容されており、サイドシャフトギアが当付け面でもってディファレンシャルケースに少なくとも間接的に軸方向で支持されている。
【0019】
本発明の有利な実施例について以下に図面を参照しながら説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は、ここではそれ以上の図示はしない全輪駆動式の自動車のフロントアクスル2を示している。フロントアクスル2には、1つのダブルディファレンシャルアッセンブリ3と、1つの変向装置4と、2つのサイドシャフト5,6と、サイドシャフト5,6に接続されている2つのジョイントシャフト7,8と、2つの車輪9,10とが見て取れる。ダブルディファレンシャルアッセンブリ3は、ピニオン12を備えたドライブシャフト11を介して、ここには図示しない機関/伝動装置ユニットにより駆動される。ピニオン12は、相対回動不能にディファレンシャルケース14に取り付けられているドライブギア13に歯列を介して係合している。ダブルディファレンシャルアッセンブリ3は、導入されたトルクをフロントアクスルとリアアクスルとに分割するための外側の第1のディファレンシャル伝動装置15と、フロントアクスル2に伝達されたトルクを両サイドシャフト5,6の間で分割するための、同軸的に第1のディファレンシャル伝動装置15内に位置する第2のディファレンシャル伝動装置16とを有している。その際、第1のディファレンシャル伝動装置15はフロントアクスルとリアアクスルとの間の補償作用を可能にし、第2のディファレンシャル伝動装置16は両サイドシャフト5,6の間の補償作用を有している。それにより、ドライブトレーン内の歪みは回避されることができる。
【0021】
第1のディファレンシャル伝動装置15はクラウンギア式ディファレンシャルの形で構成されており、ディファレンシャルケース14の他に、ディファレンシャルケース14と共に回転軸線Aを中心として公転する、ディファレンシャルギアとしての複数のシリンドリカルギア17と、シリンドリカルギア17に歯列を介して係合し、ディファレンシャルケース14内で回転軸線Aに対して同軸的に回転可能に支承されている、サイドシャフトギアとしての第1および第2のクラウンギア18,19とを有している。シリンドリカルギア17は円筒形であり、それぞれクラウンギア18,19の半径方向の歯列に係合する。シリンドリカルギア17およびクラウンギア18,19はただし軽微に円錐形に構成されていてもよい。第1のクラウンギア18はディファレンシャルキャリア20に固く結合されている。ディファレンシャルキャリア20は第2のディファレンシャル伝動装置16のためのディファレンシャルケースとして役立つ。第2のクラウンギア19は、回転軸線Aに対して同軸的な、出力軸としての中空シャフト22に駆動結合されている。中空シャフト22は変向装置4の入力ギア23を駆動する。入力ギア23は出力ピニオン24に歯列を介して係合している。出力ピニオン24はさらにリアアクスルへのトルク伝達のために縦方向ドライブシャフト25に結合されている。縦方向ドライブシャフト25の一部のみがここでは可視である。
【0022】
第2のディファレンシャル伝動装置16は、ディファレンシャルキャリア20の他に、ディファレンシャルキャリア20と共に回転軸線Aを中心として公転する複数のディファレンシャルギアもしくは補償歯車26と、第1および第2のサイドシャフトギア27,28とを有している。両サイドシャフトギア27,28は回転軸線Aに対して同軸的に、互いに対向してディファレンシャルキャリア20内に配置されており、ディファレンシャルギア26に噛合する。第2のディファレンシャル伝動装置16はベベルギア式ディファレンシャルとして構成されている。すなわち、ディファレンシャルギア26およびサイドシャフトギア27はベベルギアもしくは傘歯車である。第1のサイドシャフトギア27は第1のサイドシャフト5に結合されており、第2のサイドシャフトギア28は第2のサイドシャフト6に結合されている。第2のサイドシャフト6は回転軸線上に中空シャフト22内に位置しており、変向装置4を貫通する。第2のディファレンシャル伝動装置16を同軸的に第1のディファレンシャル伝動装置15内に、クラウンギア式ディファレンシャルの形で構成した第1のディファレンシャル伝動装置との組み合わせの下で配置したことは、アッセンブリ全体が軸方向で短く構成されるという利点を有している。このことは特に、横置きされた機関との使用時に有利である。
【0023】
図2に示したダブルディファレンシャルアッセンブリ3は、図1に原理図として示したダブルディファレンシャルアッセンブリにほぼ相当する。その点については上記説明を参照されたい。その際、同じ構成部分には同じ符号を付し、改変された構成部分には、「2」を下付きした符号を付した。
【0024】
ディファレンシャルケース14が複数部分から構成されており、第1のケース部分29と、第2のケース部分30と、軸方向で両者の間に位置するドライブギア13とを有していることが見て取れる。ドライブギア13はリングディスク状に構成されており、軸方向で逆向きに方向付けられた2つの凹部32,33を有している。凹部32,33には第1および第2のケース部分29,30のフランジ34,35が係合する。フランジおよびドライブギア内には、上記構成部分をねじ31により結合するための、周囲にわたって分配された複数の孔が設けられている。ドライブギア13は、自由な内周面から延在する半径方向の切欠き36を有している。切欠き36内にはそれぞれ1つのシリンドリカルギア17が収容されている。その結果、シリンドリカルギア17はドライブギア13と共に回転軸線Aを中心として公転する。第1のディファレンシャル伝動装置15の出力部分を形成するクラウンギア18,19はそれぞれ、クラウンギア歯列に対して軸方向で逆向きに方向付けられた1つの当付け面を有している。当付け面はディファレンシャルケース14に軸方向で支持されている。
【0025】
第1のクラウンギア18はトルク伝達のために半径方向内側に内歯列を有している。内歯列は相対回動不能に管形のディファレンシャルキャリア20の外歯列43に係合する。それにより、第1のクラウンギア18はディファレンシャルキャリア20と共に回転軸線Aを中心として回転する。ディファレンシャルキャリア20は、ディファレンシャルの中央平面M側の端部に、半径方向の切欠き21を有している。切欠き21内には、ディファレンシャルキャリア20と共に回転軸線Aを中心として公転するために、ディファレンシャルギア26を収容するためのジャーナル44が保持されている。提示の縦断面半図には1つだけが可視のディファレンシャルギア26は、サイドシャフトギア27,28と噛合する。サイドシャフトギア27,28はサイドシャフト5,6に差込結合部を介して相対回動不能に結合されており、リテーナリング45により軸方向で固定されている。
【0026】
第2のクラウンギア19は半径方向内側で内歯列によりリングギア48の相応の外歯列47に相対回動不能に係合する。リングギア48は中空シャフト22に結合されている。リングギア48と、中空シャフト22と、両者の間に位置する段階的な移行区分49とは一体的かつ鐘形に構成されている。その際、サイドシャフトギア28は、摩擦を減じる当接ディスク50を介して、半径方向の移行区分49に軸方向で支持されている。移行区分49自体はスラスト軸受52を介してディファレンシャルケース14の半径方向面に軸方向で支持されている。対向して位置するサイドシャフトギア27は、摩擦を減じる当接ディスク53を介して、直接ディファレンシャルケース14の半径方向面に軸方向で支持されている。ディファレンシャルケース14は転がり軸受54,55により、ここでは部分的に図示したにすぎない定置のハウジング56内で回転可能に支承されている。
【0027】
本実施形態では、ディファレンシャルケース14もしくはディファレンシャルケース14と共に回転軸線Aを中心として公転するシリンドリカルギア17は、第1のディファレンシャル伝動装置15の入力部分として役立ち、クラウンギア18,19は、出力部分を形成する。その際、トルクの一部は、第1のクラウンギア18と、ディファレンシャルケース20と、第2のディファレンシャル伝動装置16とを介してフロントアクスル2に伝達され、トルクの残りの部分は、第2のクラウンギア19と出力軸22とを介してリアアクスルに伝達される。
【0028】
図3に示したダブルディファレンシャルアッセンブリ3は、図2に示したダブルディファレンシャルアッセンブリにほぼ相当する。その点については上記説明を参照されたい。その際、本実施形態の改変された構成部分には、「3」を下付けした符号を付した。
【0029】
図2に示した実施形態に対する唯一の変更点として、本実施形態では、摩擦クラッチ37,38がクラウンギア18,19の当付け面51,61とディファレンシャルケース30との間に配置されている。摩擦クラッチ37,38はそれぞれ、半径方向外側でディファレンシャルケース14の歯列輪郭に相対回動不能に係合する複数のアウタディスク39,40と、アウタディスク39,40に対して交互に、複数のインナディスク41,42とを有している。その際、第1の摩擦クラッチ37のインナディスク41は内歯列でもってディファレンシャルキャリア20の外歯列43に係合する。第2の摩擦クラッチ38のインナディスク42はその内歯列でもってリングギア48の外歯列47に相対回動不能に係合する。リングギア48は中空シャフト22に結合されている。
【0030】
フロントアクスルとリアアクスルとの間で回転数差が発生すると、クラウンギア18,19は互いに相対的に回転する。その際、ディファレンシャルギア17とクラウンギア18,19との間で有効な軸方向の拡開力は、中央平面Mから離れる方向での摩擦クラッチ37,38の負荷を生ぜしめる。それによりロック効果が達成される。ロック効果は両アクスルの回転数差の同化に至る。
【0031】
図4に示したダブルディファレンシャルアッセンブリ3は、図2および図3に示したダブルディファレンシャルアッセンブリにほぼ相当する。共通事項については上記説明を参照されたい。その際、本実施形態の改変された構成部分には、「4」を下付けした符号を付した。
【0032】
本実施形態は、クラウンギア18,19が、中央平面から離れた面に、それぞれ1つの円錐形の当付け面51,61を有しており、当付け面51,61でもってクラウンギア18,19がディファレンシャルケース14に支持されていることにより特徴付けられている。その際、当付け面51,61とディファレンシャルケース14の所属の支持面との間には、それぞれ1つの摩擦ディスク62,63が介在されている。摩擦ディスク62,63はそれにより摩擦面対37,38を形成する。その結果、回転数差の発生時、ロック作用を有する摩擦力が生ぜしめられる。
【0033】
図5は、本発明によるダブルディファレンシャルアッセンブリ3の別の実施形態を示している。このダブルディファレンシャルアッセンブリ3は大部分、図1および図2に示した実施形態に相当する。共通事項については上記説明を参照されたい。その際、本実施形態の改変された構成部分には、「5」を下付けした符合を付した。図面の上半分には、ダブルディファレンシャルアッセンブリの縦断面半図を示し、図面の下半分には、ダブルディファレンシャルアッセンブリの、断面線V−Vに沿った周方向断面図を示す。
【0034】
ディファレンシャルケース14は複数部分から構成されており、第1のケース部分29と、第2のケース部分30と、軸方向で両者の間に位置するドライブギア13とを有している。ドライブギア13はリングディスク状に構成されており、軸方向で逆向きに方向付けられた2つの凹部を有している。凹部には第1および第2のケース部分29,30のフランジが係合する。上記構成部分はねじ36により結合されている。第1のケース部分29は第1のクラウンギア18と一体的に構成されている。クラウンギア18は入力部分として役立つ。トルクは複数のペアのシリンドリカルギア57,58を介して、一方ではリアアクスルを駆動するために第2のクラウンギア19に伝達され、他方ではフロントアクスルを駆動するためにディファレンシャルキャリア20に伝達される。このために、シリンドリカルギア57,58のペアは回転可能にディファレンシャルキャリア20に保持されており、ディファレンシャルキャリア20と共に回転軸線Aを中心として公転する。その際、第1のシリンドリカルギア57は第1のクラウンギア18と噛合し、第2のシリンドリカルギア58は第2のクラウンギア19と噛合し、かつ両シリンドリカルギアは互いに噛合する。第2のクラウンギア19はリングギア48、区分49および出力軸22と一体的に構成されている。
【0035】
ディファレンシャルキャリア20は、シリンドリカルギア57,58が収容されているリングディスク状の区分59と、半径方向内側で区分59に接続されているスリーブ状の区分60とから成っている。区分60内にはジャーナル44が収容されている。両区分59,60は一体的に構成されているか、またはまず別個に製作され、事後的に互いに結合、例えば溶接により結合されていることができる。スリーブ状の区分60は円筒形の外面を有している。この外面に第1および第2のクラウンギア18,19が円筒形の内面でもって支承されている。その際、スリーブ状の区分60は第2のディファレンシャル伝動装置16の長さにわたって延在しており、軸方向でサイドシャフトギア27,28の当付け面と面一に終わっている。第1のサイドシャフトギア27は軸方向でディファレンシャルケース14に支持されており、第2のサイドシャフトギア28は中空シャフト22の半径方向の区分49に支持されている。ディファレンシャルキャリア20のリングディスク状の区分59は半径方向外側に、重なり合う円により形成されるポケット62を有している。ポケット62内にはシリンドリカルギア57,58が装入される。その際、リングディスク状の区分59は、クラウンギア18,19の間に形成されるリング室をほぼ満たす。両シリンドリカルギア57,58は円筒形であり、互いに平行な軸線Bを有している。一方の軸線は回転軸線A上に垂直に立っており、回転軸線Aと交わる。他方の軸線は回転軸線Aに垂直に、ただし間隔を置いて交差、すなわち立体交差する。第1のクラウンギア18および両シリンドリカルギア57,58はすぐ歯に切られており、第2のクラウンギア19は第2のシリンドリカルギアの軸線のずれに基づいてはす歯に切られている。
【0036】
本実施形態では、第1のクラウンギア18が第1のディファレンシャル伝動装置15の入力部分として役立ち、第2のクラウンギア19およびシリンドリカルギア57,58のペアが出力部分として役立つ。その際、トルクは部分的にシリンドリカルギアのペアと、ディファレンシャルキャリア20と、第2のディファレンシャル伝動装置16とを介してフロントアクスルに伝達され、トルクの残りの部分は第2のクラウンギア19と出力軸22とを介してリアアクスルに伝達される。リアアクスルとフロントアクスルとの間で回転数差が発生すると、クラウンギア18,19は互いに相対的に回転する。その際、互いに噛合するギア歯列のポンプ作用およびポケット内の歯の摩擦は、両アクスルの回転数差の減少に至るロック効果を有している。
【0037】
図6に示したダブルディファレンシャルアッセンブリ3は、図5に示したダブルディファレンシャルアッセンブリにほぼ相当する。それゆえ上記説明を参照されたい。唯一の相違点はディファレンシャルキャリア20の構成にあり、ディファレンシャルキャリア20はここではケース状に構成されており、そのスリーブ状の区分60に接続されているフランジ状の区分63,64を有している。区分63,64にサイドシャフトギア27,28が軸方向で支持されている。それにより、第2のディファレンシャル伝動装置16の拡開力はディファレンシャルキャリア20にのみ作用し、ケース14には伝達されない。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明による第1の実施形態のディファレンシャルアッセンブリを備えた全輪駆動式の自動車のドライブアクスルの原理図である。
【図2】図1に示したディファレンシャルアッセンブリの、改変された第2の実施形態の縦断面図である。
【図3】本発明による第3の実施形態のディファレンシャルアッセンブリの縦断面図である。
【図4】本発明による第4の実施形態のディファレンシャルアッセンブリの縦断面図である。
【図5】本発明による第5の実施形態のディファレンシャルアッセンブリの縦断面半図(図面上半分)および周方向断面図(図面下半分)である。
【図6】本発明による第6の実施形態のディファレンシャルアッセンブリの縦断面半図(図面上半分)および周方向断面図(図面下半分)である。
【符号の説明】
【0039】
2 フロントアクスル
3 ダブルディファレンシャルアッセンブリ
4 変向装置
5 サイドシャフト
6 サイドシャフト
7 ジョイントシャフト
8 ジョイントシャフト
9 駆動輪
10 駆動輪
12 ピニオン
13 ドライブギア
14 ディファレンシャルケース
15 第1のディファレンシャル伝動装置
16 第2のディファレンシャル伝動装置
17 シリンドリカルギア
18 ベベルギア
19 ベベルギア
20 ディファレンシャルキャリア
21 切欠き
22 中空シャフト
23 入力ギア
24 出力ピニオン
25 縦方向ドライブシャフト
26 ディファレンシャルギア
27 サイドシャフトギア
28 サイドシャフトギア
29 第1のケース部分
30 第2のケース部分
31 ねじ
32 凹部
33 凹部
34 フランジ
35 フランジ
36 切欠き
37 摩擦クラッチ
38 摩擦クラッチ
39 アウタディスク
40 アウタディスク
41 インナディスク
42 インナディスク
43 外歯列
44 ジャーナル
45 リテーナリング
46 内歯列
47 外歯列
48 リングギア
49 移行区分
50 当接ディスク
51 当付け面
52 スラスト軸受
53 当接ディスク
54 転がり軸受
55 転がり軸受
56 ハウジング
57 シリンドリカルギア
58 シリンドリカルギア
59 区分
60 区分
61 当付け面
62 ポケット
A 軸線
B 軸線
M 中央平面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の駆動されるアクスルを有する自動車のドライブトレーン内で使用するためのディファレンシャルアッセンブリにおいて、
クラウンギア式ディファレンシャルの形の第1のディファレンシャル伝動装置(15)が設けられており、該第1のディファレンシャル伝動装置(15)が、回転軸線(A)を中心として回転駆動可能なディファレンシャルケース(14)と、該ディファレンシャルケース(14)と共に公転する、ディファレンシャルギアとしての複数のシリンドリカルギア(17)と、回転軸線(A)に対して同軸的に配置されており、前記シリンドリカルギア(17)と噛合する第1のクラウンギア(18)および第2のクラウンギア(19)とを有しており、
前記第1のディファレンシャル伝動装置(15)内に回転軸線(A)に対して同軸的に配置された第2のディファレンシャル伝動装置(16)が設けられており、該第2のディファレンシャル伝動装置(16)が、ディファレンシャルキャリア(20)と、該ディファレンシャルキャリア(20)と共に公転する複数のディファレンシャルギア(26)と、回転軸線(A)に対して同軸的に配置されており、前記ディファレンシャルギア(26)と噛合する第1のサイドシャフトギア(27)および第2のサイドシャフトギア(28)とを有しており、
第1のクラウンギア(18)が第2のディファレンシャル伝動装置(16)のディファレンシャルキャリア(20)に相対回動不能に結合されており、第2のクラウンギア(19)が、回転軸線(A)に対して同軸的な中空シャフト(22)に相対回動不能に結合されている
ことを特徴とするディファレンシャルアッセンブリ(図1、図2、図3、図4)。
【請求項2】
複数の駆動されるアクスルを有する自動車のドライブトレーン内で使用するためのディファレンシャルアッセンブリであって、
クラウンギア式ディファレンシャルの形の第1のディファレンシャル伝動装置(15)が設けられており、該第1のディファレンシャル伝動装置(15)が、回転軸線(A)を中心として回転駆動可能なディファレンシャルケース(14)と、該ディファレンシャルケース(14)に固く結合された第1のクラウンギア(18)と、前記ディファレンシャルケース(14)内に回転軸線(A)に対して同軸的に回転可能に保持された第2のクラウンギア(19)と、互いに噛合するシリンドリカルギア(57,58)の複数のペアとを有しており、これらのペアのそれぞれの第1のシリンドリカルギアが第1のクラウンギア(18)と噛合し、第2のシリンドリカルギアが第2のクラウンギア(19)と噛合し、
前記第1のディファレンシャル伝動装置(15)内に回転軸線(A)に対して同軸的に配置された第2のディファレンシャル伝動装置(16)が設けられており、該第2のディファレンシャル伝動装置(16)が、ディファレンシャルキャリア(20)と、該ディファレンシャルキャリア(20)と共に回転軸線(A)を中心として公転する複数のディファレンシャルギア(26)と、回転軸線(A)に対して同軸的に配置されており、前記ディファレンシャルギア(26)と噛合する第1のサイドシャフトギア(27)および第2のサイドシャフトギア(28)とを有しており、
クラウンギア式ディファレンシャルのシリンドリカルギア(57,58)が第2のディファレンシャル伝動装置のディファレンシャルキャリア(20)と共に回転軸線(A)を中心として公転し、第2のクラウンギア(19)が、回転軸線(A)に対して同軸的な中空シャフト(22)に相対回動不能に結合されている
ことを特徴とするディファレンシャルアッセンブリ(図5、図6)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−239989(P2007−239989A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−23237(P2007−23237)
【出願日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【出願人】(504467521)ゲー カー エヌ ドライブライン インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (55)
【氏名又は名称原語表記】GKN Driveline International GmbH
【住所又は居所原語表記】Hauptstrasse 130, D−53797 Lohmar, Germany
【Fターム(参考)】