説明

チアゾール誘導体

【課題】 11β-HSD1阻害作用による十分な治療効果を有し、医薬品として満足できる化合物を提供する。
【解決手段】 上記課題は、例えば下記式(1)で表されるチアゾール誘導体、又はその薬学的に許容される塩などにより解決される。


[式(1)中、
R1は、アダマンタン−1イル基などであり、R2は、水素原子などであり、R3は、水素原子、メチル基、エチル基、イソブチル基、4‐メトキシベンジル基、2−ヒドロキシ−エチル基、又はカルバモイルメチル基などであり、A環はフェニル基などであり、R4〜R8は水素原子、又は置換基である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、11β-HSD1阻害剤として有用な新規チアゾール誘導体、その医薬上許容される塩、及びその溶媒和物などに関する。
【背景技術】
【0002】
11β-HSD1は、コルチゾンをコルチゾールへ変換する酵素である。11β-HSD1は、肝臓、内臓脂肪などで発現し、細胞内のコルチゾール濃度を各臓器レベルで増幅するファクターとして機能すると考えられている。11β-HSD1は、肝臓において糖の新生に関与することが示唆されている。このため、11β-HSD1の活性を阻害すると、肝臓における糖の新生を抑制できると期待される。更に11β-HSD1は、内臓脂肪の蓄積に関係していることが示唆されている。このため、11β-HSD1の活性を阻害すると、内臓脂肪の蓄積を抑制できると期待される。11β-HSD1の阻害剤として、Barf Tらの報告(J Med Chem. 2002 :3813-5)、WO 01/090090〜WO 01/090094、WO 03/043999に記載されているチアゾール誘導体が知られている。
【0003】
WO 01/090090(特許文献1)には、以下の式で表されるチアゾール誘導体を含む11β-HSD1阻害剤が開示されている。下記式において、Xは、メチレン基、又はカルボキシル基であり;−Yは、メチレン基、カルボキシル基、又は単結合であり;−R2は、C1〜C6アルキルなどである(同公報第6頁第9行目〜第8頁第11行目)。
【0004】
【化1】

【0005】
WO 01/090091(特許文献2)には、以下の式で表されるチアゾール誘導体を含む11β-HSD1阻害剤が開示されている。下記式において、Aは、アルキル基、ビニル基、又は3−(エチル−3−メチルブタネート)である。
【0006】
【化2】

【0007】
WO 01/090092(特許文献3)には、以下の式で表されるチアゾール誘導体を含む11β-HSD1阻害剤が開示されている。下記式において、Aは、置換基を有してもよいアリール基、又はヘテロアリール環である(同公報第6頁第26行目〜第8頁第7行目)。
【0008】
【化3】

【0009】
WO 01/090093(特許文献4)には、以下の式で表されるチアゾール誘導体を含む11β-HSD1阻害剤が開示されている。下記式からわかるとおり、この文献に開示されるチアゾール環の4位は無置換である。
【0010】
【化4】

【0011】
WO 01/090094(特許文献5)には、以下の式で表されるチアゾール誘導体を含む11β-HSD1阻害剤が開示されている。
【0012】
【化5】

【0013】
WO 03/043999(特許文献6)には、以下の式で表されるチアゾール誘導体を含む11β-HSD1阻害剤が開示されている。下記式において、Bは、水素原子、C1〜C6アルキル、又はジエチルアミノメチル基である(同公報第6頁第25行目〜第8頁第22行目)。
【0014】
【化6】

【0015】
すなわち、アダマンチル基を有するチアゾール誘導体を含有する11β-HSD1阻害剤は、知られていない。
【0016】
なお、11β-HSD1阻害剤ではないが、アダマンチル基を有するチアゾール誘導体として、以下の化合物が知られている(特許文献6(米国特許明細書No. 5,378,706, 第13及び第14欄)。下記式からもわかるとおり、この化合物には、スルホニル基(−SO2−)が存在しない。
【0017】
【化7】

【0018】
【特許文献1】WO 01/090090
【特許文献2】WO 01/090091
【特許文献3】WO 01/090092
【特許文献4】WO 01/090093
【特許文献5】WO 01/090094
【特許文献6】WO 03/043999
【特許文献7】米国特許明細書No. 5,378,706
【非特許文献1】J Med Chem. 2002 :3813-5
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
上記に説明した公知の11β-HSD1阻害剤は、阻害活性が十分とはいえず医薬品として満足できるものではない。このため、11β-HSD1阻害作用による十分な治療効果を有し、医薬品として満足できる化合物の開発が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、アダマンチル基を有する特定のチアゾール誘導体が優れた11β-HSD1阻害活性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0021】
すなわち、本発明は、以下の新規チアゾール誘導体、その医薬上許容される塩、及びその溶媒和物などに関する。
【0022】
【化8】

[式中、
R1は、アダマンチル基、又は「水酸基、ハロゲン原子、C1〜C5アルキル基、及びC1〜C5アルコキシ基」から選ばれる1〜3個の置換基を有するアダマンチル基を表し;
R2は、水素原子またはC1〜C5アルキル基を表し;
R3は、水素原子、C1〜C5アルキル基、C2〜C6アルケニル基、C2〜C6アルキニル基;又は「水酸基、カルバモイル基、ハロゲン原子、C1〜C5アルコキシ−フェニル基、アミノ基、C1〜C5アルキルアミノ基、C1〜C5ジアルキルアミノ基及びC1〜C5アルコキシル基」から選ばれる1〜3個の置換基を有するC1〜C5アルキル基を表し;
A環はアリール基またはヘテロアリール基を表し;
R4 、R5、R6 、R7 およびR8はそれぞれ、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、
式−X1−X2−X3(式中、X1は、単結合、酸素原子、硫黄原子、スルフィニル基、スルホニル基、カルボニル基、式−NX4−、式−CO−NX4−、式−NX4−CO−、式−SO2−NX4−、式−NX4−SO2−、式−CO−O−または式−O−CO−を表し;X2は、単結合、C1〜C5アルキレン基を表し;X3およびX4は、それぞれ、水素原子、C1〜C5アルキル基、C3〜C6シクロアルキル基、C2〜C6アルケニル基、C2〜C6アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基または脂環式へテロ環基を表す。ただし、X2、X3およびX4は、下記置換基Y群より選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよい。)、又は、
式−X1−X5−X6(式中、X1は、前記と同義であり;X5は、C1〜C5アルキレン基を表し;X6は、式−OX7、式−NX78、式−CO−NX78、式−NX7−CO−X7、式−SO2−NX78、式−NX7−SO2−X8、式−CO−O−X7または式−O−CO−X7を表し;X7およびX8は、それぞれ、水素原子またはC1〜C5アルキル基を表す。ただし、X5、X6、X7およびX8は、下記置換基Y群より選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよい。)を表すか、または
又はR4 、R5、R6 、R7 およびR8のうち隣接する2個の基が一緒になって式−X1−X5−X1−(式中、X1およびX5は、前記と同義である)で表される環構造を形成し;
置換基Y群とは、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、水酸基、メチル基、トリフルオロメチル基またはメトキシ基からなる群を表す。]で表されるチアゾール誘導体、その薬学的に許容される塩、又はその溶媒和物。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、優れた11β-HSD1阻害活性を有する新規チアゾール誘導体、その医薬上許容される塩、及びその溶媒和物などを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明のチアゾール誘導体は、下記式(1)で表される化合物である。
【0025】
【化9】

【0026】
式(1)において、R1は、アダマンチル基、又は、「水酸基、ハロゲン原子、C1〜C5アルキル基、及びC1〜C5アルコキシル基」から選ばれる1〜3個の置換基を有するアダマンチル基を表す。
【0027】
式(1)において、R2は、水素原子、又はC1〜C5アルキル基である。
【0028】
式(1)において、R3は、水素原子、C1〜C5アルキル基、C1〜C5アルケニル基、C1〜C5アルキニル基;又は、「水酸基、カルバモイル基、ハロゲン原子、C1〜C5アルコキシ−フェニル基、アミノ基、C1〜C5アルキルアミノ基、C2〜C7ジアルキルアミノ基及びC1〜C5アルコキシル基」から選ばれる1〜3個の置換基を有するC1〜C5アルキル基を表す。
【0029】
式(1)において、A環は、アリール基又はヘテロアリール基を表す。好ましいA環は、フェニル基、1−ナフチル基、又は2−ナフチル基;ピリジル基、ピリダジニル基、イミダゾリル基、ピリミジニル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、ピラジニル基、キノリル基、イソキノリル基、フリル基、イソオキサゾール基、チアゾリル基、オキサゾリル基、イソチアゾリル基、ピロリル基、キノリニル基、イソキノリニル基、インドリル基、ベンゾチオフェニル基、ベンゾトリアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、又はベンゾオキサゾリル基である。
【0030】
式(1)において、R4、R5、R6、R7、及びR8は、それぞれ、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、−X1−X2−X3(式中、X1は、単結合、酸素原子、硫黄原子、スルフィニル基、スルホニル基、カルボニル基、−NX4−、−CO−NX4−、−NX4−CO−、−SO2−NX4−、−NX4−SO2−、−CO−O−、又は−O−CO−を表し;X2は、単結合、又はC1〜C5アルキレン基を表し;X3、及びX4は、それぞれ水素原子、水酸基、C1〜C5アルキル基、C3〜C6シクロアルキル基、C2〜C6アルケニル基、C2〜C6アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、又は、脂環式へテロ環基を表す。ただし、X2、X3、及びX4は、下記置換基Y群より選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよい。)、又は、−X1−X5−X6(式中、X1は、前記と同義であり;X5は、C1〜C5アルキレン基を表し;X6は、−OX7、−NX78、−CO−NX78、−NX7−CO−X7、−SO2−NX78、−NX7−SO2−X8、−CO−O−X7、又は−O−CO−X7を表し;X7、及びX8は、それぞれ水素原子又はC1〜C5アルキル基を表す。ただし、X5、X6、X7、及びX8は、下記置換基Y群より選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよい。)を表すか、又はR4、R5、R6、R7、及びR8のうち隣接する2個の基が一緒になって、式−X1−X5−X1−(式中、X1、及びX5は、前記と同義である)で表される環構造を形成し;置換基Y群は、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、水酸基、メチル基、トリフルオロメチル基、及びメトキシ基からなる群を表す。
【0031】
以下では、本明細書において用いられる各置換基などについて説明する。「ハロゲン原子」として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子があげられる。
【0032】
「C1〜C5アルキル基」は、炭素数1〜5のアルキル基を意味し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、1,1−ジメチルエチル基、1,1−ジメチルプロピル基、又は1−エチルプロピル基などがあげられる。
【0033】
「C3〜C6シクロアルキル基」として、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基があげられる。
【0034】
「アリール基」とは、芳香族炭化水素の環に結合する水素原子が1個遊離して生ずる基であり、例えばフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基があげられる。
【0035】
「ヘテロアリール基」とは、酸素原子、硫黄原子、窒素原子から任意に選ばれる1〜4個の元素を環内に有する単環あるいは縮合芳香環であり、例えばピロリル基、フリル基、チエニル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、イミダゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、1,3,4-オキサジアゾリル基、1,2,4-オキサジアゾリル基、1,2,4-チアジアゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、1,2,4-トリアジニル基、1,2,3-トリアジニル基、1,3,5-トリアジニル基、ベンズオキサゾリル基、ベンズイソキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、チアナフテニル基、イソチアナフテニル基、ベンゾフラニル基、イソベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、イソインドリル基、インドリル基、インダゾリル基、イソキノリル基、キノリル基、フタラジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、2,1,3-ベンズオキサジアゾリル基、ベンゾキサジニル基、イソオキサゾール基、キノリニル基、ベンゾチオフェニル基、ベンゾトリアゾリル基、又はベンゾオキサゾリル基があげられる。
【0036】
「C2〜C6アルケニル基」とは、炭素数2〜6個の直鎖状、分枝状又は環状のアルケニル基を意味し、例えばビニル基、アリル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、イソプロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、イソブテニル基、4−ペンテニル基、又は5−ヘキセニル基があげられる。
【0037】
「C2〜C6アルキニル基」とは、炭素数2〜6個の直鎖状、分枝状又は環状のアルキニル基を意味し、例えばエチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、3−ブチニル基、4−ペンチニル基、又は5−ヘキシニル基があげられる。
【0038】
「C1〜C5アルキレン基」とは、前記「C1〜C5のアルキル基」からさらに任意の水素原子を1個除いて誘導される二価の基を意味し、例えばメチレン基、1,1−エチレン基、1,2−エチレン基、1,1−プロピレン基、1,3−プロピレン基、テトラメチレン基、又はペンタメチレン基があげられる。
【0039】
「脂環式へテロ環基」として、例えばアゼチジン環、ピロリジン環、ピペリジン環、テトラヒドロフラン環、テトラヒドロピラン環、モルホリン環、チオモルホリン環、ピペラジン環、チアゾリジン環、ジオキサン環、イミダゾリン環、又はチアゾリン環があげられる。
【0040】
「C1〜C5アルコキシル基」とは、炭素数1〜5個の直鎖状、分枝状又は環状のアルコキシ基を意味し、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、シクロプロポキシ基、ブトキシ基、又はtert−ブトキシ基である。
【0041】
「C1〜C5アルコキシ−フェニル基」とは、前記C1〜C5アルコキシル基で置換されたフェニル基を意味し、例えば、4−メトキシフェニル基、又は4−エトキシフェニル基があげられる。
【0042】
「C1〜C5アルキルアミノ基」とは、炭素数1〜5個の直鎖状、分枝状又は環状のアルキル基で置換されたアミノ基を意味し、例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、シクロプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、又はネオペンチルアミノ基があげられる。
【0043】
「C1〜C5ジアルキルアミノ基」とは、同一又は異なった炭素数1〜5個の直鎖状、分枝状又は環状の2つのアルキル基で置換されたアミノ基を意味し、例えば、ジメチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、ジエチルアミノ基、又はジプロピルアミノ基があげられる。
【0044】
本発明のチアゾール誘導体の具体的な例として、以下のものがあげられる。すなわち、化合物1:4−(1‐アダマンチル)−2−(1‐ナフチルスルホニルアミノ)チアゾール、
化合物2:4−(1‐アダマンチル)−2−(2,4,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ)チアゾール、
化合物3:4−(1‐アダマンチル)−2−[(2−チエニルスルホニル)アミノ]チアゾール、
化合物4:4−(1‐アダマンチル)−2−(4−ブロモフェニルスルホニルアミノ)チアゾール、
化合物5:4−(1‐アダマンチル)−2−(3−クロロ−2−メチルフェニルスルホニルアミノ)チアゾール、
化合物6:4−(1‐アダマンチル)−2−(フェニルスルホニルアミノ)チアゾール、
化合物7:4−(1‐アダマンチル)−2−[(5−ブロモ−6−クロロピリジン−3−イル)スルホニルアミノ]チアゾール、
化合物8:4−(1‐アダマンチル)−2−[(6‐モルホリノピリジン−3−イル)スルホニルアミノ]チアゾール、
化合物9:4−(1‐アダマンチル)−2−[(6‐フェノキシピリジン−3−イル)スルホニルアミノ]チアゾール、
化合物10:4−(1‐アダマンチル)−2−[(ピリジン−2−イル)スルホニルアミノ]チアゾール、
化合物11:4−(1‐アダマンチル)−2−[(ピリジン−3−イル)スルホニルアミノ]チアゾール、
化合物12:4−(1−アダマンチル)−2−[N−(4‐ビフェニルスルホニル)−N−メチルアミノ]チアゾール、
化合物13:4−(1−アダマンチル)−2−[N−[(5‐クロロ‐3‐メチルベンゾ[b]チオフェン‐2‐イル)スルホニル]−N−メチルアミノ]チアゾール、
化合物14:4−(1−アダマンチル)−2−[N−メチル−N−(4‐n‐プロピルフェニルスルホニル)アミノ]チアゾール、
化合物15:4−(1−アダマンチル)−2−[N−(4‐フルオロフェニルスルホニル)−N−メチルアミノ]チアゾール、
化合物16:4−(1−アダマンチル)−2−[N−メチル−N−(4−モルホリノフェニルスルホニル)アミノ]チアゾール、
化合物17:4−(1−アダマンチル)−2−[N−メチル−N−[4−(4‐メチルピペラジニル)フェニルスルホニル]アミノ]チアゾール、
化合物18:4−(1−アダマンチル)−2−[N−[4‐[ビス(2‐ヒドロキシエチル)アミノ]フェニルスルホニル]−N−メチルアミノ]チアゾール、
化合物19:4−(1−アダマンチル)−2−[N−[4‐[(2‐ヒドロキシエチル)アミノ]フェニルスルホニル]−N−メチルアミノ]チアゾール、
化合物20:4−(1−アダマンチル)−2−[N−[4‐(2‐ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニル]−N−メチルアミノ]チアゾール、
化合物21:4−(1−アダマンチル)−2−[N−(4‐フルオロフェニルスルホニル)−N−(4‐メトキシベンジル)アミノ]チアゾール、
化合物22:4−(1−アダマンチル)−2−[N−(4‐メトキシベンジル)−N−(4‐モルホリノフェニルスルホニル)アミノ]チアゾール、
化合物23:4−(1−アダマンチル)−2−(4‐モルホリノフェニルスルホニルアミノ)チアゾール、
化合物24:4−(1−アダマンチル)−2−[N−(4‐メトキシベンジル)−N−[4‐(2‐モルホリノエトキシ)フェニルスルホニル]アミノ]チアゾール、
化合物25:4−(1−アダマンチル)−2−[4‐(2‐モルホリノエトキシ)フェニルスルホニルアミノ]チアゾール、
化合物26:4−(1−アダマンチル)−2−[N−[4‐[2‐(ジメチルアミノ)エトキシ]フェニルスルホニル]−N−(4‐メトキシベンジル)アミノ]チアゾール、
化合物27:4−(1−アダマンチル)−2−[4‐[2‐(ジメチルアミノ)エトキシ]フェニルスルホニルアミノ]チアゾール、
化合物28:4−(1−アダマンチル)−2−[4‐[2‐(4‐ピペラジニル)エトキシ]フェニルスルホニルアミノ]チアゾール、
化合物29:4−(1−アダマンチル)−2−[N−(4‐ヒドロキシフェニルスルホニル)−N−(4‐メトキシベンジル)アミノ]チアゾール、
化合物30:4−(1−アダマンチル)−2−[4‐(カルボキシメトキシ)フェニルスルホニルアミノ]チアゾール、
化合物31:4−(1−アダマンチル)−2−[N−[4‐[(アミノカルボニル)メトキシ]フェニルスルホニル]−N−(4‐メトキシベンジル)アミノ]チアゾール、
化合物32:4−(1−アダマンチル)−2−[4‐[(アミノカルボニル)メトキシ]フェニルスルホニルアミノ]チアゾール、
化合物33:4−(1−アダマンチル)−2−[N−(3−クロロ−2−メチルフェニルスルホニル)−N−メチルアミノ]チアゾール、
化合物34:4−(1−アダマンチル)−2−[N−(3−クロロ−2−メチルフェニルスルホニル)−N−(2‐ヒドロキシエチル)アミノ]チアゾール、
化合物35:4−(1−アダマンチル)−2−[N−(アミノカルボニルメチル)−N−(3−クロロ−2−メチルフェニルスルホニル)アミノ]チアゾール、
化合物36:4−(1−アダマンチル)−2−[N−(3−クロロ−2−メチルフェニルスルホニル)−N−エチルアミノ]チアゾール、
化合物37:4−(1−アダマンチル)−2−[N−(3−クロロ−2−メチルフェニルスルホニル)−N−イソブチルアミノ]チアゾール、
化合物38:4−(1−アダマンチル)−2−[2−(ヒドロキシメチル)フェニルスルホニルアミノ]チアゾール
化合物4−1:4−(1‐アダマンチル)−2−(2,4,6−トリメチルフェニルスルホニルアミノ)チアゾール、
化合物4−2:4−(1‐アダマンチル)−2−(3−トリフルオロメチルフェニルスルホニルアミノ)チアゾール、
化合物4−3:4−(1‐アダマンチル)−2−(4−プロピルフェニルスルホニルアミノ)チアゾール、
化合物4−4:4−(1‐アダマンチル)−2−(2−メチルフェニルスルホニルアミノ)チアゾール、
化合物4−5:4−(1‐アダマンチル)−2−(4−フルオロフェニルスルホニルアミノ)チアゾール、
化合物4−6:4−(1‐アダマンチル)−2−(2,5−ジメチルフェニルスルホニルアミノ)チアゾール、
化合物4−7:4−(1‐アダマンチル)−2−(ビフェニルスルホニルアミノ)チアゾール、
化合物4−8:4−(1‐アダマンチル)−2−(4−クロロ,2,5−ジメチルフェニルスルホニルアミノ)チアゾール、
化合物4−9:4−(1‐アダマンチル)−2−(3,5−ジメチルイソオキサゾールスルホニルアミノ)チアゾール、
化合物4−10:4−(1‐アダマンチル)−2−(5−クロロ−3−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2イル−スルホニルアミノ)チアゾール、
化合物4−11:4−(1‐アダマンチル)−2−(2,5−ジクロロフェニルスルホニルアミノ)チアゾール、
化合物4−12:4−(1‐アダマンチル)−2−(4−ニトロフェニルスルホニルアミノ)チアゾール、
化合物4−13:4−(1‐アダマンチル)−2−(4−メトキシフェニルスルホニルアミノ)チアゾール、
化合物4−14:4−(1‐アダマンチル)−2−(2,4−ジメトキシフェニルスルホニルアミノ)チアゾール、
化合物4−15:4−(1‐アダマンチル)−2−(3−ニトロフェニルスルホニルアミノ)チアゾール、
化合物4−16:N−[4−(4−アダマンタン−1−イル−チアゾール−2−イル−スルファモイル)−フェニル]−アセトアミド、
化合物4−17:4−(1‐アダマンチル)−2−(4−クロロフェニルスルホニルアミノ)チアゾール、
化合物4−18:4−(1‐アダマンチル)−2−(4−フェノキシフェニルスルホニルアミノ)チアゾール、
化合物4−19:4−(1‐アダマンチル)−2−(4−ブチルフェニルスルホニルアミノ)チアゾール、
化合物4−20:4−(1‐アダマンチル)−2−(1,1−ジメチルプロピルフェニルスルホニルアミノ)チアゾール、
化合物4−21:4−(1‐アダマンチル)−2−(ベンゾ[b]チオフェン−2イル−スルホニルアミノ)チアゾール、
化合物4−22:4−(1‐アダマンチル)−2−(ベンゾ[b]チオフェン−3イル−スルホニルアミノ)チアゾール、及び
化合物4−23:2−(4−(アダマンタン−1−イル−チアゾール−2イル−スルファモイル)−ベンゼン酸メチルエステルである。
【0045】
本発明のチアゾール誘導体は、その医薬上許容される塩、又はその溶媒和物であっても良い。以下、本発明のチアゾール誘導体、その医薬上許容される塩、及びその溶媒和物を含めて、「本発明の化合物」ともいう。
【0046】
本明細書において、溶媒和物としては、水和物など医薬上許容される溶媒和物があげられる。本発明のチアゾール誘導体は、大気にさらされ、又は再結晶することなどにより、水分を吸収し、吸着水がつく場合や、水和物となる場合がある。本発明のチアゾール誘導体の医薬上許容される溶媒和物は、そのような水和物をも含む。
【0047】
本明細書において、医薬上許容される塩とは、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、硝酸塩のような鉱酸塩;メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩のようなスルホン酸塩;シュウ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、酢酸塩、安息香酸塩、マンデル酸塩、アスコルビン酸塩、乳酸塩、グルコン酸塩、リンゴ酸塩のような有機酸塩等の酸付加塩、グリシン塩、リジン塩、アルギニン塩、オルニチン塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩のようなアミノ酸塩、あるいはリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩のような無機塩又はアンモニウム塩、トリエチルアミン塩、ジイソプロピルアミン塩、シクロヘキシルアミン塩のような有機塩基との塩であり得、好適には塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、シュウ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩又はトリエチルアミン塩があげられ、好ましくはナトリウム塩、塩酸塩又は硫酸塩であり、より好ましくは塩酸塩である。なお、本明細書において、本発明の化合物には、生体内において代謝されて本発明の本発明の化合物に変換される化合物、いわゆるプロドラッグも含まれる。
【0048】
本発明のチアゾール誘導体は、不斉中心を持つことがあり、その場合種々の光学異性体又は配置のものが存在する。したがって、本発明の化合物は、(+)および(−)の別々の光学活性体として、およびラセミ体又は(±)混合物として存在し得る。また、不斉中心を2個以上持つ化合物の場合には、さらにそれぞれの光学異性によるジアステレオマーも存在する。本発明のチアゾール誘導体は、これらすべての型を、任意の割合で含む。たとえば、ジアステレオマーは当業者によく知られた方法、たとえば分別結晶法等によって分離することができ、また、光学活性体はこの目的のためによく知られた有機化学的手法によって得ることができる。また、本発明のチアゾール誘導体は、シス体、トランス体などの異性体が存在することがある。本発明のチアゾール誘導体は、それらの異性体、及びそれらの異性体を任意の割合で含んだものも含む。
【0049】
以下、本発明の化合物の製造方法に用いられる反応スキームの例を説明する。本発明の化合物は、上記特許文献、非特許文献を含めた公知文献に従い、公知の有機合成の手法を採用して製造できる。また、下記の反応式で表される各製造工程においても、公知の手法を採用することができる。なお、各工程における原材料となる化合物は、公知化合物であるか、又は公知化合物から容易に合成できる化合物である。
【0050】
【化10】

【0051】
(式中、R1、R2 およびR3 はそれぞれ前記と同意義である。Xaは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルホニルオキシ基またはトシルオキシ基を示す。)
【0052】
この工程は、化合物(II)と化合物(III)を縮合してアミノチアゾール誘導体(IV)を得る工程である。この反応に使用する溶媒としては、エタノール、メタノール、N,N−ジメチルホルムアミド、クロロホルム等が挙げられ、反応は0〜100℃で行うことが出来る。この際、生成する塩酸、または臭化水素酸を捕捉するために塩基を添加してもよい。添加する塩基としてトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等のアミン類または炭酸カリウムや炭酸水素ナトリウム等の無機塩基等が挙げられる。また得られた化合物(IV)を酸との塩として得た場合は、酢酸エチル等の有機溶媒に溶解し、無機塩基の水溶液で洗浄を行うことにより、フリーのアミンとして単離することも出来る。
【0053】
【化11】

【0054】
(式中、R1、R2 およびR3 はそれぞれ前記と同意義である。)
この工程は、化合物(V)のアミノ基にR3を導入し化合物(VI)を得る工程である。
例えば、脱離基で置換されたR3、即ちR3−Xa(Xaは前記と同意義である)を用い化合物(V)と反応を行う場合は、反応に使用する溶媒としてはジクロロメタン、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミド、エタノール等が挙げられ、反応は0〜100℃で行うことが出来る。この際、反応は適当な塩基を用いて行うことが出来、塩基としてとしてトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等のアミン類または炭酸カリウムや炭酸水素ナトリウム等の無機塩基等が挙げられる。
【0055】
また例えば、別の例としては、アルデヒド誘導体と還元剤を用いる還元的アミノ化反応を挙げることが出来る。還元剤にはトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムや水素化シアノホウ素ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム等が挙げられ、必要に応じて氷酢酸やトシル酸等の酸を添加することが出来る。この反応に使用する溶媒としてはジクロロメタンやクロロホルム、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2-ジクロロエタン等が挙げられ、反応は-20〜100℃で行うことが出来る。
【0056】
【化12】

【0057】
(式中、A、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8は前記と同意義である。)
この工程は、化合物(IV)のアミノ基をスルホニル化することによりスルホンアミド誘導体(VII)を得る工程である。
【0058】
例えば、スルホニルクロリドやスルホニルブロミド等のスルホニルハライドを用いることでスルホンアミド誘導体を得ることが出来る。この反応に使用する溶媒としては、ピリジン、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、酢酸エチル等が挙げられ、反応は-50〜100℃で行うことが出来る。この際反応は、適当な塩基を用いて行うことが出来、塩基の例としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、4−ジメチルアミノピリジン等のアミン類や炭酸カリウム等の無機塩基等が挙げられる。
【0059】
また例えば、スルホンアミド化反応の別の例として1−ベンゾトリアゾリルエステルやスクシンイミジルエステル等の活性エステルを用いて行うことが出来る。反応溶媒としてはジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、酢酸エチル等が挙げられる。この反応は−50〜50℃で行うことが出来る。
【0060】
【化13】

【0061】
(式中、A、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8は前記と同意義である。Xbはアミノ基の保護基を示す。)
【0062】
この工程は、化合物(VII)の保護基Xbを脱保護して化合物(VIII)を得る工程である。例えば、Xbが4−メトキシベンジル基等の酸で脱保護される基の場合は、塩酸、硫酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の酸を用い、脱保護することができる。この際、有機溶媒又は水で希釈又は溶解して行うことができ、反応温度は−50℃から50℃で行うことができる。有機溶媒としては、例えばエタノール、メタノール、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等があげられる。
【0063】
【化14】

【0064】
(式中、A、R1、R2、R3、R5、R6、R7、R8 およびXaは前記と同意義である。R4aは、式−X1−X2−X3または式−X1−X5−X6で表される基のうちX1が、酸素原子、硫黄原子または式−NX4−で表されるものを示す。X1、X2、X3、X4、X5およびX6は、前記と同意義である。)
【0065】
この工程は、脱離基を置換基に有する化合物(X)を用い置換反応を行ってR4を導入した化合物(XI)を得る工程である。
【0066】
例えば、Xaがフッ素の場合、求核置換反応を用いてアミン、アニリン、アルコール及びチオールを導入することが出来る。また例えば、2−メチルスルホニルエタノールなどを用いて同様の置換反応を行うと生成物としてハロゲン原子が水酸基に変換された化合物(XI)を得ることができる。これら反応に使用する溶媒としてジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、トルエン等が挙げられ、反応温度は0〜200℃で行うことが出来る。またこの反応は適当な塩基を添加して反応を行うことが出来、塩基として水素化ナトリウム、tert‐ブトキシカリウム、n‐ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド等や炭酸カリウム等の無機塩基が挙げられる。また必要に応じて金属触媒を添加することも出来る。金属触媒としてはトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムや酢酸パラジウム等が挙げられる。
また例えば、金属触媒と有機金属化合物を用いたクロスカップリング法により、ビアリール等の炭素−炭素結合を構築することも出来る。この反応に使用する溶媒としてテトラヒドロフラン、トルエン、1,2‐ジメトキシエタン等が挙げられ、反応温度は0〜200℃で行うことが出来る。金属触媒としてはテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムやトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムやビス(アセチルアセトナト)ニッケル等が挙げられる。有機金属化合物にはグリニャール試薬、有機アルミニウム化合物、アリールボロン酸が挙げられる。またこの反応は適当な塩基を添加して反応を行うことが出来、塩基としてはトリエチルアミン、ジイソプロピルアミン等のアミンや水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の無機塩基が挙げられる。
【0067】
【化15】

【0068】
(式中、A、R1、R2、R3、R5、R6、R7およびR8は前記と同意義である。R4bは、式−X1−X2−X3または式−X1−X5−X6で表される基のうちX1が、酸素原子で表されるものを示す。X1、X2、X3、X4、X5およびX6は、前記と同意義である。)
【0069】
この工程は、水酸基を置換基に有する化合物(XII)を用いて化合物(XIII)を得る工程である。
【0070】
例えば、ハロゲン化アルキルを用いた反応で、水酸基のアルキル化を行うことができる。この反応は適当な塩基を添加して反応を行うことが出来、塩基として水素化ナトリウム、tert‐ブトキシカリウム、n‐ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド等や炭酸カリウム等の無機塩基が挙げられる。これら反応に使用する溶媒としてジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、トルエン等が挙げられ、反応温度は0〜200℃で行うことが出来る。
【0071】
【化16】

【0072】
(式中、A、R1、R2、R3、R5、R6、R7、R8、X1、X5およびX7は前記と同意義である。Xbは、アミノ基の保護基を表す。)
【0073】
この工程は、A環置換基に保護されたアミノ基を有する化合物(XIV)を用いて脱保護を行い、アミン誘導体(XV)を得る工程である。この脱保護については PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIC SYNTHESIS,THEODORA W. GREENE and PETER G. M WUTS著に記載の方法を用いることが出来る。例えばXbがtert-ブトキシカルボニル基、トリチル基、o−ニトロベンゼンスルフェニル基等の酸で脱保護される基の場合は、塩酸、硫酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の酸を用い、脱保護することができる。この際、有機溶媒又は水で希釈又は溶解して行うことができ、反応温度は−50℃から50℃で行うことができる。有機溶媒としては、例えばエタノール、メタノール、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等があげられる。更に例えば、X9がベンジルオキシカルボニル基等の加水素分解反応により脱保護される基の場合は、パラジウム等の金属触媒を用いた加水素分解反応により脱保護することができる。溶媒としては、エタノール、メタノール、テトラヒドロフラン、酢酸エチル等の反応に関与しない溶媒中を用いることができる。反応温度は0〜100℃で行うことができる。また、この反応に水素ガスを用いることもできるし、ぎ酸−ぎ酸アンモニウムを例とする試薬の組み合わせで行うこともできる。更に例えば、Rbが塩基で脱保護されるフルオレニルオキシカルボニル基等の保護基の場合は、ジエチルアミン、ピペリジン、アンモニア、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム等の塩基を用いて脱保護することができる。これらの塩基は、単独で、あるいは溶媒に希釈又は懸濁してして用いることができる。この際、溶媒としては水、エタノール、メタノール、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等を用いることができる。反応温度は0〜100℃で行うことができる。更に例えば、X9がアリルオキシカルボニル基等の金属触媒により脱保護される基の場合は、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム等を触媒又は試薬として用いることにより脱保護することができる。この際、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン等の反応に関与しない溶媒中で行うことができる。反応温度は0〜100℃で行うことができる。
【0074】
【化17】

【0075】
(式中、A、R1、R2、R3、R5、R6、R7およびR8は前記と同意義である。Xcは、水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を表す。)
【0076】
この工程は、化合物(XVI)を用いて還元反応を行い、ヒドロキシメチル体(XVII)を得る工程である。この反応は、適当な還元法を用いた条件下で反応を行うことができる。用いる還元法としては、例えば水素化リチウムアルミニウムを用いる方法があげられる。用いる溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の反応に関与しない溶媒を用いることができる。反応は−20〜100℃で行うことができる。
【0077】
本発明の化合物は、後述の実施例により示されるとおり、11β-HSD1活性阻害作用を有する。したがって、本発明の化合物は、11β-HSD1の関与する疾患、例えば、肝臓における糖新生抑制、又は内臓脂肪の蓄積抑制に有効に使用できる。すなわち、本発明の化合物は、11β-HSD1の阻害剤;肝臓における糖新生抑制、又は内臓脂肪の蓄積抑制などの医薬として利用できる。本発明の化合物は、単独又は薬学的あるいは薬剤学的に許容される担体又は希釈剤と共に投与することができる。本発明の化合物を11β-HSD1阻害剤などとして使用する場合は、本発明の化合物をそのまま経口投与、又は非経口投与してもよい。また、本発明の化合物を有効成分として含む剤として経口投与、又は非経口投与してもよい。非経口投与としては、注射による静脈内投与があげられる。
【0078】
上記の剤を経口投与する場合は、希釈剤、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、抗酸化剤、コーティング剤、界面活性剤、可塑剤、着色剤、矯味矯臭剤などを混合して、本発明の化合物を有効成分として含む顆粒剤、カプセル剤、錠剤、薬用ドロップ、トローチ、硬質キャンディ、粉末剤、噴霧剤、などの製剤として投与されてもよい。また、適宜に甘味付け、又は香味付けを行っても良い。上記の剤を非経口投与する場合は、本発明の化合物を有効成分として含む注射剤、点滴剤、点眼剤、クリーム、膏薬、坐薬、ゼリー、ジェル、ペースト、ローション、軟膏、水性懸濁液などの製剤として投与されてもよい。製剤化する際には、通常の製剤化の方法を使用できる。
【0079】
本発明の化合物は経口投与又は非経口投与でき、例えば1回につき1mg〜1000mg、好ましくは10mg〜200mg投与でき、例えば1日当り1回〜3回投与すればよい。本発明の化合物の投与量は、患者の年齢、体重及び症状によって適宜調整することができる。
【0080】
本発明の化合物の11β-HSD1活性阻害を評価するには、例えば、実施例に記載した方法など、公知の手法に従って行なうことができる。
【0081】
以下に、参考例、実施例、及び試験例を示して本発明を具体的に説明する。しかしながら、本発明は以下の実施例などに限られるものではない。
【0082】
(参考例1) 4−(1‐アダマンチル)−2−アミノチアゾール臭化水素酸塩の合成
1−アダマンチルブロモメチルケトン(4.93g)をエタノール(110ml)に溶解し、チオウレア(1.46g)を加え、室温で2時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、得られた残渣にイソプロピルエーテルとエタノールの10:1混合溶媒(60ml)を加え、懸濁させて2時間攪拌した。無色粉末として表題化合物(6.06g)を得た。1H-NMRの結果は、以下のとおりであった。1H-NMR (300MHz, DMSO - d6) δ: 8.74(2H,brs), 6.43(1H, s), 2.08-1.98(3H, m),1.88-1.60(12H, m).
【0083】
(参考例2) 4−(1‐アダマンチル)−2−アミノチアゾールの合成
参考例1と同様の方法で合成した4−(1‐アダマンチル)−2−アミノチアゾール臭化水素酸塩(700mg)を1M水酸化ナトリウム水溶液(80ml)に懸濁させ、酢酸エチル(200ml×3)で抽出した。集めた有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、乾燥剤を濾去し、溶媒を減圧留去した。無色アモルファスとして表題化合物(484mg)を得た。1H-NMRの結果は、以下のとおりであった。1H-NMR ( 300 MHz, DMSO - d6 ) δ: 6.78 (2H, brs), 6.00 ( 1H, s), 2.10-1.98(3H, m),1.83-1.58(12H, m).
【0084】
(参考例3) 4−(1‐アダマンチル)−2−(メチルアミノ)チアゾールの合成
1−アダマンチルブロモメチルケトン(4.93g)をエタノール(58ml)に懸濁し、N−メチルチオウレア(1.73g)を加え、室温で0.5時間攪拌後、イソプロピルエーテル(60ml)を加えて室温で更に1.5時間攪拌した。析出した固体を吸引濾取して回収し、無色粉末として表題化合物の臭化水素酸塩(3.95g)得た。母液から同様に0.51g得た。続いて、これらの固体を併せて、水(170ml)に懸濁させ、炭酸水素ナトリウム(1.61g)を加えて室温で2時間攪拌した。固体を吸引濾取し、水(200ml)で洗浄し、無色粉末として表題化合物(3.04g)を得た。1H-NMRの結果は、以下のとおりであった。1H-NMR ( 300 MHz, DMSO - d6) δ: 7.34-7.24 (1H,m), 6.08 (1H, s),2.75(3H,d,J=4.8Hz), 2.02-1.95(3H,m),1.85-1.79(6H,m),1.76-1.62 (6H, m).
【実施例1】
【0085】
4−(1‐アダマンチル)−2−(1‐ナフチルスルホニルアミノ)チアゾールの合成
4−(1‐アダマンチル)−2−アミノチアゾール臭化水素酸塩(200mg)をピリジン(1.2ml)に溶解し、氷冷下で1−ナフタレンスルホニルクロリド(144mg)を加え、その後、室温に戻して一晩攪拌した。反応液を氷冷した6M塩酸水溶液(10ml)に滴下して、2時間攪拌後、析出した固体を濾取し、6MHCl塩酸水溶液(10ml)、水(10ml)で洗浄し、乾燥して薄茶色固体として表題化合物(225mg)を得た。1H-NMRの結果は、以下のとおりであった。1H-NMR ( 300 MHz, DMSO - d6 ) δ: 12.66(1H, brs), 8.75 (1H, dd, J =8.3, 0.8Hz), 8.22-8.14 ( 2H, m), 8.08-8.03(1H, m), 7.73-7.59 (3H, m), 6.30 (1H, s), 2.04-1.88(3H,m),1.82-1.54 (12H, m).
【実施例2】
【0086】
4−(1‐アダマンチル)−2−(2,4,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ)チアゾールの合成
実施例1と同様の方法で4−(1‐アダマンチル)−2−アミノチアゾール臭化水素酸塩(200mg)と2,4,5‐トリクロロベンゼンスルホニルクロリド(178mg)から、薄桃色固体として表題化合物(11mg)を得た。1H-NMRの結果は、以下のとおりであった。1H-NMR ( 300 MHz, DMSO - d6 ) δ: 12.99(1H, brs), 8.14 (1H, s), 8.07 (1H, s), 6.41 (1H, s), 2.04-1.95(3H, m),1.84-1.76(6H, m),1.74-1.58 (6H, m).
【実施例3】
【0087】
4−(1‐アダマンチル)−2−[(2−チエニルスルホニル)アミノ]チアゾールの合成
実施例1と同様の方法で4−(1‐アダマンチル)−2−アミノチアゾール臭化水素酸塩(200mg)と2‐チオフェンスルホニルクロリド(116mg)から、薄茶色粉末として表題化合物(90mg)を得た。1H-NMRの結果は、以下のとおりであった。1H-NMR ( 300 MHz, DMSO - d6 ) δ: 12.84(1H, brs), 7.82 (1H, dd, J =5.0, 1.4Hz), 7.55 ( 1H, dd, J = 3.7, 1.4 Hz), 7.11 (1H, dd, J = 5.0, 3.7 Hz), 6.40 (1H, s), 2.10-1.94(3H, m),1.85-1.54 (12H, m).
【実施例4】
【0088】
4−(1‐アダマンチル)−2−(4−ブロモフェニルスルホニルアミノ)チアゾールの合成
4−(1‐アダマンチル)−2−アミノチアゾール臭化水素酸塩(200mg)をピリジン(1.2ml)に溶解し、4−ジメチルアミノピリジン(7.7mg)を加えた後、氷冷下で4−ブロモベンゼンスルホニルクロリド(178mg)を加え、その後、室温に戻して一晩攪拌した。反応液を氷冷した6M塩酸水溶液(10ml)に滴下して、2時間攪拌後、析出した固体を濾取し、6M塩酸水溶液(10ml)、水(10ml)で洗浄し、乾燥して無色粉末の表題化合物(239mg)を得た。1H-NMRの結果は、以下のとおりであった。1H-NMR ( 300 MHz, DMSO - d6 ) δ: 12.78(1H, brs), 7.79-7.70(4H, m), 6.36 (1H, s), 2.02-1.94(3H, m),1.84-1.58 (12H, m).
【0089】
(実施例4−1〜実施例4−23)
以下、実施例4と同様の方法で、化合物4−1〜化合物4−23を得た。これらの化合物の構造式と、得られた1H-NMRの結果を表1に示す。化合物4−1〜化合物4−23は、以下のとおりである。化合物4−1は、4−(1‐アダマンチル)−2−(2,4,6−トリメチルフェニルスルホニルアミノ)チアゾールであり、化合物4−2は、4−(1‐アダマンチル)−2−(3−トリフルオロメチルフェニルスルホニルアミノ)チアゾールであり、化合物4−3は、4−(1‐アダマンチル)−2−(4−プロピルフェニルスルホニルアミノ)チアゾールであり、化合物4−4は、4−(1‐アダマンチル)−2−(2−メチルフェニルスルホニルアミノ)チアゾールであり、化合物4−5は、4−(1‐アダマンチル)−2−(4−フルオロフェニルスルホニルアミノ)チアゾールであり、化合物4−6は、4−(1‐アダマンチル)−2−(2,5−ジメチルフェニルスルホニルアミノ)チアゾールであり、化合物4−7は、4−(1‐アダマンチル)−2−(ビフェニルスルホニルアミノ)チアゾールであり、化合物4−8は、4−(1‐アダマンチル)−2−(4−クロロ,2,5−ジメチルフェニルスルホニルアミノ)チアゾールであり、化合物4−9は、4−(1‐アダマンチル)−2−(3,5−ジメチルイソオキサゾールスルホニルアミノ)チアゾールであり、化合物4−10は、4−(1‐アダマンチル)−2−(5−クロロ−3−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2イル−スルホニルアミノ)チアゾールであり、化合物4−11は、4−(1‐アダマンチル)−2−(2,5−ジクロロフェニルスルホニルアミノ)チアゾールであり、化合物4−12は、4−(1‐アダマンチル)−2−(4−ニトロフェニルスルホニルアミノ)チアゾールであり、化合物4−13は、4−(1‐アダマンチル)−2−(4−メトキシフェニルスルホニルアミノ)チアゾールであり、化合物4−14は、4−(1‐アダマンチル)−2−(2,4−ジメトキシフェニルスルホニルアミノ)チアゾールであり、化合物4−15は、4−(1‐アダマンチル)−2−(3−ニトロフェニルスルホニルアミノ)チアゾールであり、化合物4−16は、N−[4−(4−アダマンタン−1−イル−チアゾール−2−イル−スルファモイル)−フェニル]−アセトアミドであり、化合物4−17は、4−(1‐アダマンチル)−2−(4−クロロフェニルスルホニルアミノ)チアゾールであり、化合物4−18は、4−(1‐アダマンチル)−2−(4−フェノキシフェニルスルホニルアミノ)チアゾールであり、化合物4−19は、4−(1‐アダマンチル)−2−(4−ブチルフェニルスルホニルアミノ)チアゾールであり、化合物4−20は、4−(1‐アダマンチル)−2−(1,1−ジメチルプロピルフェニルスルホニルアミノ)チアゾールであり、化合物4−21は、4−(1‐アダマンチル)−2−(ベンゾ[b]チオフェン−2イル−スルホニルアミノ)チアゾールであり、化合物4−22は、4−(1‐アダマンチル)−2−(ベンゾ[b]チオフェン−3イル−スルホニルアミノ)チアゾールであり、そして化合物4−23は、2−(4−(アダマンタン−1−イル−チアゾール−2イル−スルファモイル)−ベンゼン酸メチルエステルである。
【0090】
表1.化合物4−1〜4−23の化合物の構造式と、得られた1H-NMRの結果



【実施例5】
【0091】
4−(1‐アダマンチル)−2−(3−クロロ−2−メチルフェニルスルホニルアミノ)チアゾールの合成
4−(1‐アダマンチル)−2−アミノチアゾール(200mg)をピリジン(1.2ml)に溶解し、氷冷下で3−クロロ−2−メチルベンゼンスルホニルクロリド(213mg)を加え、その後、室温に戻して一晩攪拌した。反応液を氷冷した6M塩酸水溶液(10ml)に滴下して、2時間攪拌後、析出した固体を濾取し、6M塩酸水溶液(10ml)、水(10ml)で洗浄した。粗結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 クロロホルム:メタノール=100:1)で精製し、薄茶色アモルファスとして表題化合物(309mg)を得た。1H-NMRの結果は、以下のとおりであった。1H-NMR ( 300 MHz, DMSO - d6 ) δ: 12.73(1H, brs), 7.91 (1H, dd, J = 8.0, 1.2 Hz), 7.68 (1H, dd, J = 8.0, 1.2 Hz), 7.39 (1H, t, J = 8.0 Hz), 6.33 (1H, s), 2.65 (3H, s), 2.02-1.95(3H,m),1.83-1.74(6H,m),1.73-1.58(6H,m).
【実施例6】
【0092】
4−(1‐アダマンチル)−2−(フェニルスルホニルアミノ)チアゾールの合成
実施例5と同様の方法で4−(1‐アダマンチル)−2−アミノチアゾール(70mg)とベンゼンスルホニルクロリド(53mg)から、薄黄色アモルファスとして表題化合物(64mg)を得た。1H-NMRの結果は、以下のとおりであった。1H-NMR ( 300 MHz, DMSO - d6 ) δ:12.69(1H, brs), 7.84-7.78 (2H, m), 7.64-7.50 ( 3H, m), 6.32 (1H, s), 2.02-1.95(3H,m),1.83-1.74(6H,m),1.73-1.58(6H,m).
【実施例7】
【0093】
4−(1‐アダマンチル)−2−[(5−ブロモ−6−クロロピリジン−3−イル)スルホニルアミノ]チアゾールの合成
4−(1‐アダマンチル)−2−アミノチアゾール臭化水素酸塩(200mg)をクロロホルム(1.2ml)に溶解し、室温で4−ジメチルアミノピリジン(7.7mg)を加えた後、氷冷下でトリエチルアミン(177μl)と3−ブロモ−2−クロロピリジン−5−スルホニルクロリド(240mg)を加え、その後、室温に戻して一晩攪拌した。更に3−ブロモ−2−クロロピリジン−5−スルホニルクロライド(74mg)を加えて、室温で2日間攪拌した。水で冷却しながら反応液にクロロホルム(10ml)と0.5%炭酸水素ナトリウム水溶液(10ml)を加えて、析出した結晶を濾取し、無色粉末として表題化合物(50mg)を得た。1H-NMRの結果は、以下のとおりであった。1H-NMR ( 300 MHz, DMSO - d6 ) δ:13.01(1H, brs), 8.78 (1H, d, J = 2.2 Hz), 8.46 (1H, d, J = 2.2 Hz), 6.45 (1H, s), 2.04-1.95(3H,m),1.83-1.76(6H,m),1.74-1.58(6H,m).
【実施例8】
【0094】
4−(1‐アダマンチル)−2−[(6‐モルホリノピリジン−3−イル)スルホニルアミノ]チアゾールの合成
実施例7と同様の方法で4−(1‐アダマンチル)−2−アミノチアゾール臭化水素酸塩(200mg)と6‐モルホリノ−3‐ピリジンスルホニルクロリド(366mg)から、無色粉末として表題化合物(134mg)を得た。1H-NMRの結果は、以下のとおりであった。1H-NMR ( 300 MHz, DMSO - d6 ),δ:12.64(1H,brs), 8.47(1H,d,J=2.5Hz), 7.81(1H,dd,J=9.0,2.5Hz), 6.89(1H,d,J=9.0Hz), 6.29(1H,s), 3.70-3.63(4H,m), 3.60-3.53(4H,m), 2.02-1.93(3H,m), 1.82-1.74(6H,m) ,1.73-1.58(6H,m).
【実施例9】
【0095】
4−(1‐アダマンチル)−2−[(6‐フェノキシピリジン−3−イル)スルホニルアミノ]チアゾールの合成
実施例7と同様の方法で4−(1‐アダマンチル)−2−アミノチアゾール臭化水素酸塩(200mg)と6‐フェノキシ−3‐ピリジンスルホニルクロリド(376mg)から、薄黄色粉末として表題化合物(199mg)を得た。1H-NMRの結果は、以下のとおりであった。1H-NMR ( 300 MHz, DMSO - d6) δ:12.83(1H,brs), 8.52(1H,dd,J=2.5,0.6Hz), 8.17(1H,dd,J=8.6,2.5Hz), 7.49-7.41(2H,m), 7.30-7.23(1H,m), 7.22-7.17(2H,m), 7.15(1H,dd,J=8.6,0.6Hz), 6.37(1H,s),2.02-1.93(3H,m), 1.82-1.74(6H,m), 1.73-1.58(6H,m).
【実施例10】
【0096】
4−(1‐アダマンチル)−2−[(ピリジン−2−イル)スルホニルアミノ]チアゾールの合成
実施例7と同様の方法で4−(1‐アダマンチル)−2−アミノチアゾール臭化水素酸塩(200mg)と2‐ピリジンスルホニルクロリド(314mg)から、無色アモルファスとして表題化合物(142mg)を得た。1H-NMRの結果は、以下のとおりであった。
1H-NMR ( 300 MHz, DMSO - d6 ) δ:12.79(1H,brs), 8.67-8.63(1H,m), 8.03(1H,td,J=7.7,1.8Hz), 7.94(1H,dt,J=7.7,1.1Hz), 7.60(1H,ddd,J=7.5,4.7,1.3Hz), 6.36(1H,s), 2.02-1.94(3H,m), 1.83-1.76(6H,m), 1.73-1.58(6H,m).
【実施例11】
【0097】
4−(1‐アダマンチル)−2−[(ピリジン−3−イル)スルホニルアミノ]チアゾールの合成
実施例7と同様の方法で4−(1‐アダマンチル)−2−アミノチアゾール臭化水素酸塩(200mg)と3‐ピリジンスルホニルクロリド(299mg)から、無色アモルファスとして表題化合物(159mg)を得た。1H-NMRの結果は、以下のとおりであった。
【0098】
1H-NMR ( 300 MHz, DMSO - d6 ):
δ:12.87(1H,brs),8.96(1H,d,J=2.2Hz),8.78(1H,dd,J=4.8,1.6Hz),8.17(1H,ddd,J=8.0,2.2,1.6Hz),7.60(1H,dd,J=8.0,4.8Hz),6.39(1H,s),2.02-1.94(3H,m),1.83-1.76(6H,m),1.73-1.58(6H,m).
【実施例12】
【0099】
4−(1−アダマンチル)−2−[N−(4‐ビフェニルスルホニル)−N−メチルアミノ]チアゾールの合成
4−(1‐アダマンチル)−2−(メチルアミノ)チアゾール(200mg)をピリジン(3.2ml)に溶解し、4−ジメチルアミノピリジン(98mg)を加えた後、氷冷下で4‐ビフェニルスルホニルクロリド(407mg)を加え、その後、室温に戻して一晩攪拌した。反応液を氷冷した6M塩酸水溶液(15ml)に滴下して、2時間攪拌後、析出した固体を濾取し、6M塩酸水溶液(10ml)、水(10ml)で洗浄し、乾燥して得られた固体をプレパラティブTLC(展開溶媒 クロロホルム)で精製し、無色アモルファスとして表題化合物(116mg)を得た。1H-NMRの結果は、以下のとおりであった。
【0100】
1H-NMR(300MHz,DMSO-d6)
δ:7.96-7.86(4H,m),7.76-7.70(2H,m),7.55-7.42(3H,m),6.86(1H,s),3.39(3H,s),2.02-1.94(3H,m),1.83-1.76(6H,m),1.73-1.58(6H,m).
【実施例13】
【0101】
4−(1−アダマンチル)−2−[N−[(5‐クロロ‐3‐メチルベンゾ[b]チオフェン‐2‐イル)スルホニル]−N−メチルアミノ]チアゾールの合成
実施例12と同様の方法で4−(1‐アダマンチル)−2−(メチルアミノ)チアゾール(200mg)と5‐クロロ‐3‐メチルベンゾ[b]チオフェン‐2‐スルホニルクロリド(453mg)から、無色アモルファスとして表題化合物(42mg)を得た。1H-NMRの結果は、以下のとおりであった。
【0102】
1H-NMR(300MHz,DMSO-d6)
δ:8.15(1H,dd,J=8.7,0.5Hz),8.11(1H,dd,J=2.2,0.5Hz),7.64(1H,dd,J=8.7,2.2Hz),6.97(1H,s),3.41(3H,s),2.46(3H,s), 2.02-1.94(3H, m), 1.77-1.58(12H,m),.
【実施例14】
【0103】
4−(1−アダマンチル)−2−[N−メチル−N−(4‐n‐プロピルフェニルスルホニル)アミノ]チアゾールの合成
4−(1‐アダマンチル)−2−(メチルアミノ)チアゾール(200mg)をクロロホルム(1.2ml)に溶解し、4−ジメチルアミノピリジン(98mg)を加えた後、水冷下で4‐n‐プロピルベンゼンスルホニルクロライド(352mg)を加え、その後、室温に戻して一晩攪拌した。水で冷却しながら、反応液に3M塩酸水溶液(5ml)を加えて、クロロホルム(18ml)で抽出し、有機相を3M塩酸水溶液(5ml)、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(5ml)、水(5ml)、飽和食塩水(5ml)で順次洗浄した。有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をプレパラティブTLC(展開溶媒 クロロホルム)で精製し、無色固体として表題化合物(95mg)を得た。1H-NMRの結果は、以下のとおりであった。
【0104】
1H-NMR(300MHz,DMSO-d6)
δ:7.70(2H,d,J=8.6Hz),7.44(2H,d,J=8.6Hz),6.84(1H,s),3.23(3H,s), 2.63(2H,t,J=7.4 Hz), 2.01-1.93(3H, m), 1.78-1.52(14H,m),0.86(3H,t,J=7.4 Hz).
【実施例15】
【0105】
4−(1−アダマンチル)−2−[N−(4‐フルオロフェニルスルホニル)−N−メチルアミノ]チアゾールの合成
実施例14と同様の方法で4−(1‐アダマンチル)−2−(メチルアミノ)チアゾール(500mg)と4‐フルオロベンゼンスルホニルクロリド(588mg)から、無色固体として表題化合物(403mg)を得た。1H-NMRの結果は、以下のとおりであった。
【0106】
1H-NMR(300MHz,DMSO-d6)
δ:7.89(2H,dd,J=8.9,5.0Hz),7.49(2H,t,J=8.9Hz),6.87(1H,s),3.35(3H,s),2.02-1.93(3H,m),1.82-1.58(12H,m).
【実施例16】
【0107】
4−(1−アダマンチル)−2−[N−メチル−N−(4−モルホリノフェニルスルホニル)アミノ]チアゾールの合成
実施例15で得られた4−(1−アダマンチル)−2−[N−(4‐フルオロフェニルスルホニル)−N−メチルアミノ]チアゾール(110mg)のDMSO懸濁液(1ml)にモルホリン(236mg)と炭酸カリウム(41mg)を加えて160℃で2時間攪拌した。水で冷却しながら、反応液に水と飽和食塩水の1:1混合液(5ml)を加えて攪拌し、クロロホルム(15ml)で抽出後、有機相を水と飽和食塩水の1:1混合液(5ml×3)、飽和食塩水(5ml)で順次洗浄した。有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 クロロホルム)で精製し、無色固体として表題化合物(90mg)を得た。1H-NMRの結果は、以下のとおりであった。
【0108】
1H-NMR(300MHz,DMSO-d6)
δ:7.60(2H,d,J=9.2Hz),7.05(2H,d,J=9.2Hz),6.78(1H,s),3.74-3.67(4H,m),3.32-3.25(7H,m), 2.02-1.93(3H,m),1.82-1.74(6H,m),1.73-1.58(6H,m).
【実施例17】
【0109】
4−(1−アダマンチル)−2−[N−メチル−N−[4−(4‐メチルピペラジニル)フェニルスルホニル]アミノ]チアゾールの合成
実施例16と同様の方法で4−(1−アダマンチル)−2−[N−(4‐フルオロフェニルスルホニル)−N−メチルアミノ]チアゾール(110mg)と1‐メチルピペラジン(271mg)から、薄黄色アモルファスとして表題化合物(126mg)を得た。1H-NMRの結果は、以下のとおりであった。
【0110】
1H-NMR(300MHz,DMSO-d6)
δ:7.56(2H,d,J=9.2Hz),7.03(2H,d,J=9.2Hz),6.78(1H,s),3.37-3.26(7H,m),2.41-2.38(4H,m),2.20(3H,s), 2.02-1.94(3H,m),1.80-1.75(6H,m),1.74-1.59(6H,m).
【実施例18】
【0111】
4−(1−アダマンチル)−2−[N−[4‐[ビス(2‐ヒドロキシエチル)アミノ]フェニルスルホニル]−N−メチルアミノ]チアゾールの合成
実施例16と同様の方法で4−(1−アダマンチル)−2−[N−(4‐フルオロフェニルスルホニル)−N−メチルアミノ]チアゾール(120mg)とジエタノールアミン(310mg)から、無色粉末として表題化合物(28mg)を得た。1H-NMRの結果は、以下のとおりであった。
【0112】
1H-NMR(300MHz,DMSO-d6)
δ:7.50(2H,d,J=9.0Hz),6.79(2H,d,J=9.0Hz),6.76(1H,s),4.79(2H,t,J=5.0Hz),3.59-3.44(8H,m),3.28(3H,s),2.04-1.93(3H,m),1.86-1.60(12H,m).
【実施例19】
【0113】
4−(1−アダマンチル)−2−[N−[4‐[(2‐ヒドロキシエチル)アミノ]フェニルスルホニル]−N−メチルアミノ]チアゾールの合成
実施例16と同様の方法で4−(1−アダマンチル)−2−[N−(4‐フルオロフェニルスルホニル)−N−メチルアミノ]チアゾール(120mg)と2‐アミノエタノール(90mg)から、薄黄色アモルファスとして表題化合物(100mg)を得た。1H-NMRの結果は、以下のとおりであった。
【0114】
1H-NMR(300MHz,DMSO-d6)
δ:7.46(2H,d,J=9.0Hz),6.81(1H,t,J=5.5Hz),6.76(1H,s),6.65(2H,d,J=9.0Hz),4.75(1H,t,J=5.4Hz),3.53(2H,td,J=5.8,5.4Hz),3.27(3H,s),3.14(2H,td,J=5.8,5.5Hz),2.02-1.94(3H,m),1.82-1.76(6H,m) ,1.75-1.60(6H,m).
【実施例20】
【0115】
4−(1−アダマンチル)−2−[N−[4‐(2‐ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニル]−N−メチルアミノ]チアゾールの合成
実施例15で得られた4−(1−アダマンチル)−2−[N−(4‐フルオロフェニルスルホニル)−N−メチルアミノ]チアゾール(120mg)とエチレングリコール(0.3ml)のDMF溶液(0.9ml)を水で冷却しながら、水素化ナトリウム(60%オイル 26mg)を加え、反応温度を90℃に昇温して1.5時間攪拌した。水で冷却しながら、反応液に塩化アンモニウム水溶液(5ml)を加えて攪拌し、クロロホルム(15ml)で抽出し、有機相を塩化アンモニウム水溶液(5ml)、水と飽和食塩水の1:1混合液(5ml×2)、飽和食塩水(5ml)で順次洗浄した。有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 クロロホルム:メタノール=160:1)で精製した。更にプレパラティブTLC(展開溶媒 クロロホルム)で精製し、無色アモルファスとして表題化合物(100mg)を得た。1H-NMRの結果は、以下のとおりであった。
【0116】
1H-NMR(300MHz,DMSO-d6)
δ:7.73(2H,d,J=9.0Hz),7.14(2H,d,J=9.0Hz),6.82(1H,s),4.92(1H,t,J=5.4Hz),4.07(2H,t,J=4.8),3.72(2H,td,J=5.4,4.8Hz),3.32(3H,s),2.02-1.94(3H,m),1.82-1.76(6H,m),1.75-1.60(6H,m).
【実施例21】
【0117】
4−(1−アダマンチル)−2−[N−(4‐フルオロフェニルスルホニル)−N−(4‐メトキシベンジル)アミノ]チアゾールの合成
実施例番号4‐5で得られた4−(1−アダマンチル)−2−[(4‐フルオロフェニルスルホニル)アミノ]チアゾール(200mg)のDMF溶液(4.0ml)に水冷下で水素化ナトリウム(60%オイル 22mg)を加え、続いてp‐メトキシベンジルクロライド(0.11ml)とヨウ化カリウム(127mg)を加え、室温で2時間攪拌した。氷冷下で水(10ml)を加えて攪拌し、酢酸エチル(20ml)で抽出した後、有機相を水(10ml×4)、飽和食塩水(10ml)で順次洗浄した。有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 クロロホルム〜クロロホルム:メタノール=200:1)で精製し、薄黄色油状物質として表題化合物(211mg)を得た。1H-NMRの結果は、以下のとおりであった。
【0118】
1H-NMR(300MHz,DMSO-d6)
δ:7.89(2H,dd,J=8.9,5.1Hz),7.47(2H,t,J=8.9Hz),7.26(2H,d,J=8.7Hz),6.89-6.83(3H,m),4.98(2H,s),3.71(3H,s),2.02-1.94(3H,m),1.78-1.61(12H,m).
【実施例22】
【0119】
4−(1−アダマンチル)−2−[N−(4‐メトキシベンジル)−N−(4‐モルホリノフェニルスルホニル)アミノ]チアゾールの合成
実施例16と同様の方法で4−(1−アダマンチル)−2−[N−(4‐フルオロフェニルスルホニル)−N−(4‐メトキシベンジル)アミノ]チアゾール(200mg)とモルホリン(0.3ml)から、無色アモルファスとして表題化合物(170mg)を得た。1H-NMRの結果は、以下のとおりであった。
【0120】
1H-NMR(300MHz,DMSO-d6)
δ:7.61(2H,d,J=9.2Hz),7.30(2H,d,J=8.8Hz),7.02(2H,d,J=9.2Hz),6.85(2H,d,J=8.8Hz),6.76(1H,s),4.94(2H,s),3.74-3.67(7H,m),3.32-3.26(4H,m),2.02-1.94(3H,m),1.78-1.61(12H,m).
【実施例23】
【0121】
4−(1−アダマンチル)−2−(4‐モルホリノフェニルスルホニルアミノ)チアゾールの合成
実施例22で得られた4−(1−アダマンチル)−2−[N−(4‐メトキシベンジル)−N−(4‐モルホリノフェニルスルホニル)アミノ]チアゾール(102mg)に水で冷却しながらトリフルオロ酢酸(0.5ml)とアニソール(50μl)を加え、5分間攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 クロロホルム:メタノール=80:1)で精製し、無色アモルファスとして表題化合物(44mg)を得た。1H-NMRの結果は、以下のとおりであった。
【0122】
1H-NMR(300MHz,DMSO-d6)
δ:12.52(1H,brs),7.62(2H,d,J=9.0Hz),7.00(2H,d,J=9.0Hz),6.26(1H,s),3.75-3.68(4H,m),3.25-3.18(4H,m),2.02-1.94(3H,m),1.80-1.75(6H,m),1.74-1.59(6H,m).
【実施例24】
【0123】
4−(1−アダマンチル)−2−[N−(4‐メトキシベンジル)−N−[4‐(2‐モルホリノエトキシ)フェニルスルホニル]アミノ]チアゾールの合成
実施例21で得られた4−(1−アダマンチル)−2−[N−(4‐フルオロフェニルスルホニル)−N−(4‐メトキシベンジル)アミノ]チアゾール(210mg)とN‐(2‐ヒドロキシエチル)モルホリン(0.1ml)のDMF溶液(2.0ml)に、水素化ナトリウム(60%オイル 36mg)を加え、室温で15分間攪拌した。氷冷下で水と飽和食塩水の1:1混合液(5ml)を加えて攪拌し、クロロホルム(15ml)で抽出し、有機相を水と飽和食塩水の1:1混合液(5ml×3)、飽和食塩水(5ml)で順次洗浄した。有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 n‐ヘキサン:酢酸エチル=1:1 〜 酢酸エチル)で精製し、薄黄色油状物質として表題化合物(149mg)を得た。1H-NMRの結果は、以下のとおりであった。
【0124】
1H-NMR(300MHz,DMSO-d6)
δ:7.73(2H,d,J=9.0Hz),7.28(2H,d,J=8.9Hz),7.13(2H,d,J=9.0Hz),6.85(2H,d,J=8.9Hz),6.80(1H,s),4.95(2H,s),4.17(2H,t,J=5.6Hz),3.70(3H,s),3.59-3.53(4H,m),2.69(2H,t,J=5.6Hz),2.48-2.42(4H,m),2.02-1.94(3H,m),1.78-1.61(12H,m).
【実施例25】
【0125】
4−(1−アダマンチル)−2−[4‐(2‐モルホリノエトキシ)フェニルスルホニルアミノ]チアゾール・トリフルオロ酢酸塩の合成
実施例23と同様の方法で4−(1−アダマンチル)−2−[N−(4‐メトキシベンジル)−N−[4‐(2‐モルホリノエトキシ)フェニルスルホニル]アミノ]チアゾール(143mg)から、無色アモルファスとして表題化合物(144mg)を得た。1H-NMRの結果は、以下のとおりであった。
【0126】
1H-NMR(300MHz,DMSO-d6)
δ:12.63(1H,brs),7.77(2H,d,J=9.0Hz),7.12(2H,d,J=9.0Hz),6.31(1H,s),4.40(2H,brs),4.10-3.00(m), 2.02-1.94(3H,m),1.80-1.75(6H,m),1.74-1.59(6H,m).
【実施例26】
【0127】
4−(1−アダマンチル)−2−[N−[4‐[2‐(ジメチルアミノ)エトキシ]フェニルスルホニル]−N−(4‐メトキシベンジル)アミノ]チアゾールの合成
実施例24と同様の方法で4−(1−アダマンチル)−2−[N−(4‐フルオロフェニルスルホニル)−N−(4‐メトキシベンジル)アミノ]チアゾール(204mg)とN,N−ジメチルエタノールアミン(80μl)から、無色粉末として表題化合物(147mg)を得た。1H-NMRの結果は、以下のとおりであった。
【0128】
1H-NMR(300MHz,DMSO-d6)
δ:7.73(2H,d,J=9.0Hz),7.28(2H,d,J=8.7Hz),7.13(2H,d,J=9.0Hz),6.85(2H,d,J=8.7Hz),6.79(1H,s),4.96(2H,s),4.17(2H,t,J=5.7Hz),3.71(3H,s),2.63(2H,t,J=5.7Hz),2.20(6H,s),2.02-1.94(3H,m),1.78-1.60(12H,m).
【実施例27】
【0129】
4−(1−アダマンチル)−2−[4‐[2‐(ジメチルアミノ)エトキシ]フェニルスルホニルアミノ]チアゾール・トリフルオロ酢酸塩の合成
実施例23と同様の方法で4−(1−アダマンチル)−2−[N−[4‐[2‐(ジメチルアミノ)エトキシ]フェニルスルホニル]−N−(4‐メトキシベンジル)アミノ]チアゾール(133mg)から、薄桃色アモルファスとして表題化合物(111mg)を得た。1H-NMRの結果は、以下のとおりであった。
【0130】
1H-NMR(300MHz,DMSO-d6)
δ:7.77(2H,d,J=9.0Hz),7.12(2H,d,J=9.0Hz),6.31(1H,s),4.37(2H,t,J=5.0Hz),3.51(2H,t,J=5.0Hz),2.84(6H,s),2.02-1.94(3H,m),1.78-1.60(12H,m).
【実施例28】
【0131】
4−(1−アダマンチル)−2−[4‐[2‐(4‐ピペラジニル)エトキシ]フェニルスルホニルアミノ]チアゾールの合成
(1) 4−(1−アダマンチル)−2−[N−[4‐[2‐[4‐(t‐ブトキシカルボニル)ピペラジニル]エトキシ] フェニルスルホニル−N−(4‐メトキシベンジル)アミノ]チアゾールの合成
実施例24と同様の方法で4−(1−アダマンチル)−2−[N−(4‐フルオロフェニルスルホニル)−N−(4‐メトキシベンジル)アミノ]チアゾール(250mg)とt‐ブチル4‐(2‐ヒドロキシエチル)ピペラジン‐1‐カルボキシレート(225mg)から黄色油状物質として表題化合物(128mg)を得た。1H-NMRの結果は、以下のとおりであった。
【0132】
1H-NMR(300MHz,DMSO-d6)
δ:7.73(2H,d,J=9.0Hz),7.28(2H,d,J=8.7Hz),7.13(2H,d,J=9.0Hz),6.85(2H,d,J=8.7Hz),6.79(1H,s),4.95(2H,s),4.18(2H,t,J=5.4Hz),3.71(3H,s),3.34-3.27(4H,m),2.72(2H,t,J=5.4Hz),2.45-2.38(4H,m),2.02-1.94(3H,m),1.78-1.60(12H,m),1.39(9H,s).
【0133】
(2) 4−(1−アダマンチル)−2−[4‐[2‐(4‐ピペラジニル)エトキシ]フェニルスルホニルアミノ]チアゾールの合成
実施例23と同様の方法で4−(1−アダマンチル)−2−[N−[4‐[2‐[4‐(t‐ブトキシカルボニル)ピペラジニル]エトキシ] フェニルスルホニル−N−(4‐メトキシベンジル)アミノ]チアゾール(114mg)から粗生成物を得た後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水溶液=15:1:0.1 〜 10:1:0.1)で精製し、無色粉末として表題化合物(50mg)を得た。1H-NMRの結果は、以下のとおりであった。
【0134】
1H-NMR(300MHz,DMSO-d6)
δ:7.68(2H,d,J=8.7Hz),6.97(2H,d,J=8.7Hz),6.06(1H,s),4.10(2H,t,J=5.5Hz),2.93-2.86(4H,m),2.73(2H, t,J=5.5Hz),2.58-2.47(4H,m),2.01-1.92(3H,m),1.79-1.58(12H,m).
【実施例29】
【0135】
4−(1−アダマンチル)−2−[N−(4‐ヒドロキシフェニルスルホニル)−N−(4‐メトキシベンジル)アミノ]チアゾールの合成
4−(1−アダマンチル)−2−[N−(4‐フルオロフェニルスルホニル)−N−(4‐メトキシベンジル)アミノ]チアゾール(496mg)と2‐(メチルスルホニル)エタノールのDMF溶液(1.5ml)に氷冷下で水素化ナトリウム(60%オイル 116mg)を加え、氷冷下で5分間攪拌した後、室温に戻して30分間攪拌した。氷冷下、1M塩酸水溶液(10ml)を加えて発泡が止むまで攪拌し、酢酸エチル(20ml)で抽出した。有機相を水(10ml×3)、飽和食塩水(10ml)で順次洗浄した。有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 クロロホルム:メタノール=100:1)で精製し、薄黄色アモルファスとして表題化合物(211mg)を得た。1H-NMRの結果は、以下のとおりであった。
【0136】
1H-NMR(300MHz,DMSO-d6)
δ:10.70(1H,brs),7.64(2H,d,J=8.9Hz),7.28(2H,d,J=8.9Hz),6.90(2H,d,J=8.9Hz),6.85(2H,d,J=8.9Hz),6.78(1H,s),4.94(2H,s),3.71(3H,s),2.02-1.94(3H,m),1.78-1.61(12H,m).
【実施例30】
【0137】
4−(1−アダマンチル)−2−[4‐(カルボキシメトキシ)フェニルスルホニルアミノ]チアゾールの合成
(1) 4−(1−アダマンチル)−2−[N−[4‐[(t‐ブトキシカルボニル)メトキシ]フェニルスルホニル]−N−(4‐メトキシベンジル)アミノ]チアゾールの合成
実施例29で得られた4−(1−アダマンチル)−2−[N−(4‐ヒドロキシフェニルスルホニル)−N−(4‐メトキシベンジル)アミノ]チアゾール(243mg)のDMF溶液(2.5ml)に氷冷下で水素化ナトリウム(60%オイル 116mg)を加え、5分間攪拌した後、クロロ酢酸t -ブチル(143mg)を加えて室温に戻し、2時間攪拌した。氷冷下、水(10ml)を加えて発泡が止むまで攪拌し、酢酸エチル(20ml)で抽出した。有機相を水(10ml×4)、飽和食塩水(10ml)で順次洗浄した。有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 n‐ヘキサン:酢酸エチル=9:1)で精製し、無色アモルファスとして表題化合物(254mg)を得た。1H-NMRの結果は、以下のとおりであった。
【0138】
1H-NMR(300MHz,DMSO-d6)
δ:7.75(2H,d,J=9.0Hz),7.28(2H,d,J=8.8Hz),7.09(2H,d,J=9.0Hz),6.85(2H,d,J=8.8Hz),6.80(1H,s),4.96(2H,s),4.80(2H,s),3.71(3H,s), 2.02-1.94(3H,m),1.78-1.60(12H,m),1.41(9H,s).
【0139】
(2)4−(1−アダマンチル)−2−[4‐(カルボキシメトキシ)フェニルスルホニルアミノ]チアゾールの合成
実施例23と同様の方法で4−(1−アダマンチル)−2−[N−[4‐[(t‐ブトキシカルボニル)メトキシ]フェニルスルホニル]−N−(4‐メトキシベンジル)アミノ]チアゾール(209mg)から、白色粉末として表題化合物(145mg)を得た。1H-NMRの結果は、以下のとおりであった。
【0140】
1H-NMR(300MHz,DMSO-d6)
δ:12.61(1H,brs),7.72(2H,d,J=9.0Hz),7.03(2H,d,J=9.0Hz),6.30(1H,s),4.76(2H,s),2.02-1.94(3H,m),1.78-1.60(12H,m).
【実施例31】
【0141】
4−(1−アダマンチル)−2−[N−[4‐[(アミノカルボニル)メトキシ]フェニルスルホニル]−N−(4‐メトキシベンジル)アミノ]チアゾールの合成
実施例29で得られた4−(1−アダマンチル)−2−[N−(4‐ヒドロキシフェニルスルホニル)−N−(4‐メトキシベンジル)アミノ]チアゾール(210mg)のDMF溶液(2.0ml)に氷冷下で水素化ナトリウム(60%オイル 18mg)を加え、5分間攪拌した後、2‐クロロアセトアミド(77mg)を加えて室温に戻し、2時間攪拌した。更にヨウ化カリウム(136mg)を加えて、室温で3時間攪拌した後、80℃に昇温して3時間攪拌した。氷冷下、水と飽和食塩水の1:1混合液(5ml)を加えて発泡が止むまで攪拌し、クロロホルム(20ml)で抽出した。有機相を水と飽和食塩水の1:1混合液(10ml×2)、飽和食塩水(10ml)で順次洗浄した。有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 クロロホルム:メタノール=80:1)で精製し、薄茶色油状物質として表題化合物(160mg)を得た。1H-NMRの結果は、以下のとおりであった。
【0142】
1H-NMR(300MHz,DMSO-d6)
δ:7.77(2H,d,J=9.0Hz),7.62(1H,brs),7.43(1H,brs),7.29(2H,d,J=8.8Hz),7.12(2H,d,J=9.0Hz),6.85(2H,d,J=8.8Hz),6.79(1H,s),4.96(2H,s),4.55(2H,s),3.71(3H,s),2.02-1.94(3H,m),1.79-1.61(12H,m).
【実施例32】
【0143】
4−(1−アダマンチル)−2−[4‐[(アミノカルボニル)メトキシ]フェニルスルホニルアミノ]チアゾールの合成
実施例23と同様の方法で4−(1−アダマンチル)−2−[N−[4‐[(アミノカルボニル)メトキシ]フェニルスルホニル]−N−(4‐メトキシベンジル)アミノ]チアゾール(160mg)から、無色粉末として表題化合物(108mg)を得た。1H-NMRの結果は、以下のとおりであった。
【0144】
1H-NMR(300MHz,DMSO-d6)
δ:12.61(1H,brs),7.77(2H,d,J=9.0Hz),7.58(1H,brs),7.41(1H,brs),7.05(2H,d,J=9.0Hz),6.30(1H,s),4.51(2H,s),2.02-1.92(3H,m) ,1.84-1.56(12H,m).
【実施例33】
【0145】
4−(1−アダマンチル)−2−[N−(3−クロロ−2−メチルフェニルスルホニル)−N−メチルアミノ]チアゾールの合成
実施例5で得られた4−(1−アダマンチル)−2−(3−クロロ−2−メチルフェニルスルホニルアミノ)チアゾール(100mg)のDMF溶液(1.0ml)に氷冷下で水素化ナトリウム(60%オイル 11mg)を加え、30分間攪拌した後、ヨウ化メチル(15μl)を加えて室温に戻し、一晩攪拌した。氷冷下、水(5ml)をを加えて発泡が止むまで攪拌し、酢酸エチル(10ml)で抽出した。有機相を水と飽和食塩水の1:1混合液(5ml×2)、飽和食塩水(5ml)で順次洗浄した。有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 n‐ヘキサン:酢酸エチル=20:1)で精製し、無色油状物質として表題化合物(57mg)を得た。1H-NMRの結果は、以下のとおりであった。
【0146】
1H-NMR(300MHz,DMSO-d6)
δ:7.92(1H,d,J=8.0Hz),7.83(1H,d,J=8.0Hz),7.50(1H,t,J=8.0Hz),6.87(1H,s),3.39(3H,s),2.43(3H,s),2.02-1.94(3H,m) ,1.78-1.61(12H,m).
【実施例34】
【0147】
4−(1−アダマンチル)−2−[N−(3−クロロ−2−メチルフェニルスルホニル)−N−(2‐ヒドロキシエチル)アミノ]チアゾールの合成
(1) 4−(1−アダマンチル)−2−[N−(3−クロロ−2−メチルフェニルスルホニル)−N−[2‐(テトラヒドロ‐2H−ピラン‐2‐イルオキシ)エチル]アミノ]チアゾールの合成
実施例33と同様の方法で4−(1−アダマンチル)−2−(3−クロロ−2−メチルフェニルスルホニルアミノ)チアゾール(90mg)と2‐(2‐ブロモエトキシ)テトラヒドロ‐2H‐ピラン(32μl)から無色油状物質として表題化合物(55mg)を得た。1H-NMRの結果は、以下のとおりであった。
【0148】
1H-NMR(300MHz,DMSO-d6)
δ:7.93(1H,d,J=8.0Hz),7.81(1H,d,J=8.0Hz),7.47(1H,t,J=8.0Hz),6.93(1H,s),4.53-4.47(1H,m),4.18-3.96(2H,m),3.82-3.72(1H,m),3.66-3.52(2H,m),3.40-3.28(1H,m),2.44(3H,s),2.02-1.94(3H,m),1.78-1.26(18H,m).
【0149】
(2) 4−(1−アダマンチル)−2−[N−(3−クロロ−2−メチルフェニルスルホニル)−N−(2‐ヒドロキシエチル)アミノ]チアゾールの合成
4−(1−アダマンチル)−2−[N−(3−クロロ−2−メチルフェニルスルホニル)−N−[2‐(テトラヒドロ‐2H−ピラン‐2‐イルオキシ)エチル]アミノ]チアゾール(41mg)のエタノール溶液(1ml)に硫酸(10μl)を加え、室温で一晩攪拌した。氷冷下、反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(5ml)と酢酸エチル(15ml)の混合液に注いだ。分液後、有機相を飽和食塩水(5ml)で洗浄した。有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をプレパラティブTLC(展開溶媒 クロロホルム:メタノール=80:1)で精製し、無色油状物質として表題化合物(57mg)を得た。1H-NMRの結果は、以下のとおりであった。
【0150】
1H-NMR(300MHz,DMSO-d6)
δ:7.92(1H,d,J=8.0Hz),7.81(1H,d,J=8.0Hz),7.43(1H,t,J=8.0Hz),6.90(1H,s),4.94(1H,t,J=5.4Hz),3.91(2H,t,J=6.2Hz),3.57(2H,td,J=6.2,5.4Hz),2.42(3H,s),2.02-1.94(3H,m),1.78-1.61(12H,m).
【実施例35】
【0151】
4−(1−アダマンチル)−2−[N−(アミノカルボニルメチル)−N−(3−クロロ−2−メチルフェニルスルホニル)アミノ]チアゾールの合成
実施例5で得られた4−(1−アダマンチル)−2−(3−クロロ−2−メチルフェニルスルホニルアミノ)チアゾール(49mg)のDMF溶液(0.5ml)に氷冷下で水素化ナトリウム(60%オイル 19mg)を加え、30分間攪拌した後、2‐クロロアセトアミド(11mg)とヨウ化カリウム(19mg)を加えて室温に戻し、1.5時間攪拌した。反応温度を100℃に昇温し、4時間攪拌した。2‐クロロアセトアミド(11mg)とヨウ化カリウム(19mg)を加えて、100℃で3時間攪拌した後、反応温度を130℃に昇温して、6時間攪拌した。更に2‐クロロアセトアミド(11mg)とヨウ化カリウム(19mg)を加えて、130℃で3時間攪拌した。氷冷下、水と飽和食塩水の1:1混合液(5ml)を加えて、酢酸エチル(15ml)で抽出した。有機相を水と飽和食塩水の1:1混合液(5ml×2)、飽和食塩水(5ml)で順次洗浄した。有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 クロロホルム:メタノール=80:1)で精製し、黄色油状物質として表題化合物(27mg)を得た。1H-NMRの結果は、以下のとおりであった。
【0152】
1H-NMR(300MHz,DMSO-d6)
δ:8.02(1H,d,J=8.0Hz),7.82(1H,d,J=8.0Hz),7.54(1H,brs),7.48(1H,t,J=8.0Hz),7.18(1H,brs),6.81(1H,s)4.49(2H,s),2.02-1.94(3H,m),1.78-1.61(12H,m).
【実施例36】
【0153】
4−(1−アダマンチル)−2−[N−(3−クロロ−2−メチルフェニルスルホニル)−N−エチルアミノ]チアゾールの合成
実施例33と同様の方法で4−(1−アダマンチル)−2−(3−クロロ−2−メチルフェニルスルホニルアミノ)チアゾール(88mg)とヨウ化エチル(23μl)から黄色油状物質として表題化合物(49mg)を得た。1H-NMRの結果は、以下のとおりであった。
【0154】
1H-NMR(300MHz,DMSO-d6)
δ:7.91(1H,d,J=8.0Hz),7.82(1H,d,J=8.0Hz),7.49(1H,t,J=8.0Hz),6.91(1H,s),3.90(2H,q,J=7.0Hz),2.42(3H,s),2.02-1.96(3H,m),1.78-1.61(12H,m),1.19(3H,t,J=7.0Hz).
【実施例37】
【0155】
4−(1−アダマンチル)−2−[N−(3−クロロ−2−メチルフェニルスルホニル)−N−イソブチルアミノ]チアゾールの合成
実施例33と同様の方法で4−(1−アダマンチル)−2−(3−クロロ−2−メチルフェニルスルホニルアミノ)チアゾール(90mg)とヨウ化イソブチル(122μl)から黄色油状物質として表題化合物(28mg)を得た。1H-NMRの結果は、以下のとおりであった。
【0156】
1H-NMR(300MHz,DMSO-d6)
δ:7.88(1H,d,J=8.0Hz),7.80(1H,d,J=8.0Hz),7.46(1H,t,J=8.0Hz),6.94(1H,s),3.71(2H,d,J=7.0Hz),2.38(3H,s),2.02-1.92(3H,m),1.91-1.80(1H,m),1.78-1.58(12H,m),0.87(6H,d,J=7.0Hz).
【実施例38】
【0157】
4−(1−アダマンチル)−2−[2−(ヒドロキシメチル)フェニルスルホニルアミノ]チアゾールの合成
実施例4−23で得られた、4−(1−アダマンチル)−2−[2−(メトキシカルボニル)フェニルスルホニルアミノ]チアゾール(250mg)をテトラヒドロフラン(10mL)に溶解し、氷冷した。この溶液に、水素化リチウムアルミニウム(44mg)を5分間かけて加えた。氷冷下で1時間、室温で3時間撹拌した後、反応液を希塩酸に注いだ。得られた溶液を、クロロホルム(50mL)で抽出し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾去し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 酢酸エチル:n−へキサン=1:1)で精製して、淡黄色アモルファスとして表題化合物(180mg)を得た。1H-NMRの結果は、以下のとおりであった。
【0158】
1H-NMR ( 300 MHz, DMSO - d6 )
δ: 12.62 ( 1H, br s ), 7.86 ( 1H, d, J = 7.8 Hz ), 7.76 ( 1H, d, J = 7.8 Hz ), 7.59 ( 1H, t, J = 7.5 Hz ), 7.39 ( 1H, t, J = 7.5 Hz ), 6.31 ( 1H, s ), 5.31 ( 1H, t, J = 5.5 Hz ), 4.95 ( 2H, d, J = 5.5 Hz ), 2.04 - 1.94 ( 3H, m ), 1.86 - 1.76 ( 6H, m ), 1.74 - 1.60 ( 6H, m ).
【0159】
上記実施例で得られた化合物の構造を表2にまとめて表す。
【0160】
表2.実施例1〜38で得られた化合物の構造を表す。




【0161】
(試験例) −11βHSD1阻害試験−
試験化合物の11βHSD1阻害活性を以下のようにして評価した。
30mM TrisHCl(pH7.4)/1mM EDTA緩衝液中に200nM NADPHを加えた反応液に酵素源であるヒト肝臓ミクロソーム(Tissue Transformation Technologies社)を10μg/mlとして添加し、さらに試験化合物を加えた。その後、終濃度100nMとなるように基質であるコルチゾン溶液を加え、反応を開始させた。37℃で80分間インキュベーションした後、非特異的な阻害剤である18βグリチルレチン酸を終濃度100μMとして加えることで反応を停止させた。生成したコルチゾール量をHTRF8(Homogeneous Time-Resolved Fluorescence)法による検出キット(日本シエーリング株式会社)を用いて定量した。本系は、ユーロピウムで標識された抗コルチゾール抗体とXL665が標識されたコルチゾールの間で生じる蛍光共鳴エネルギー移動を検出する系であり、未標識のコルチゾールを加えると競合反応により、結合のシグナルが減弱する。この時、キット付属の濃度既知のコルチゾールにより標準曲線を作製し、反応によって生成するコルチゾール量を評価した。酵素を含まないウェルのコルチゾール生成量をバックグラウンド、化合物を含まないウェルのコルチゾール生成量を100%の酵素活性として、それぞれの化合物について50μMから公比3の希釈系列につき評価し、IC50値を算出した。
【産業上の利用可能性】
【0162】
本発明のチアゾール誘導体は、新規化合物として、医療を含めた様々な分野で利用され得る。
本発明のチアゾール誘導体、その医薬上許容される塩、及びその溶媒和物は、11β-HSD1阻害剤及び医薬組成物の有効成分などとして利用され得る。
本発明の11β-HSD1阻害剤及び医薬組成物は、医薬として利用され得る。


【特許請求の範囲】
【請求項1】

[式中、
R1は、アダマンチル基、又は「水酸基、ハロゲン原子、C1〜C5アルキル基、及びC1〜C5アルコキシ基」から選ばれる1〜3個の置換基を有するアダマンチル基を表し;
R2は、水素原子またはC1〜C5アルキル基を表し;
R3は、水素原子、C1〜C5アルキル基、C2〜C6アルケニル基、C2〜C6アルキニル基;又は「水酸基、カルバモイル基、ハロゲン原子、C1〜C5アルコキシ−フェニル基、アミノ基、C1〜C5アルキルアミノ基、C1〜C5ジアルキルアミノ基及びC1〜C5アルコキシル基」から選ばれる1〜3個の置換基を有するC1〜C5アルキル基を表し;
A環はアリール基またはヘテロアリール基を表し;
R4 、R5、R6 、R7 およびR8はそれぞれ、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、
式−X1−X2−X3(式中、X1は、単結合、酸素原子、硫黄原子、スルフィニル基、スルホニル基、カルボニル基、式−NX4−、式−CO−NX4−、式−NX4−CO−、式−SO2−NX4−、式−NX4−SO2−、式−CO−O−または式−O−CO−を表し;X2は、単結合、C1〜C5アルキレン基を表し;X3およびX4は、それぞれ、水素原子、C1〜C5アルキル基、C3〜C6シクロアルキル基、C2〜C6アルケニル基、C2〜C6アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基または脂環式へテロ環基を表す。ただし、X2、X3およびX4は、下記置換基Y群より選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよい。)、又は、
式−X1−X5−X6(式中、X1は、前記と同義であり;X5は、C1〜C5アルキレン基を表し;X6は、式−OX7、式−NX78、式−CO−NX78、式−NX7−CO−X7、式−SO2−NX78、式−NX7−SO2−X8、式−CO−O−X7または式−O−CO−X7を表し;X7およびX8は、それぞれ、水素原子またはC1〜C5アルキル基を表す。ただし、X5、X6、X7およびX8は、下記置換基Y群より選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよい。)を表すか、または
又はR4 、R5、R6 、R7 およびR8のうち隣接する2個の基が一緒になって式−X1−X5−X1−(式中、X1およびX5は、前記と同義である)で表される環構造を形成し;
置換基Y群とは、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、水酸基、メチル基、トリフルオロメチル基またはメトキシ基からなる群を表す。]で表されるチアゾール誘導体、その薬学的に許容される塩、又はその溶媒和物。


【公開番号】特開2007−261945(P2007−261945A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−113205(P2004−113205)
【出願日】平成16年4月7日(2004.4.7)
【出願人】(000002819)大正製薬株式会社 (437)
【復代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
【復代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
【復代理人】
【識別番号】100093676
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 純子
【復代理人】
【識別番号】100116850
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 隆行
【Fターム(参考)】