説明

チオアルミネート発光体に対する反応性金属供給源及び堆積方法

金属間バリウムアルミニウム化合物、バリウムアルミニウム合金、又は保護されたバリウム金属を含む、1又は2以上の供給源材料を提供すること、活性剤種を提供すること、硫黄含有雰囲気中で、1又は2以上の供給源材料及び前記活性剤種を、選択された基板上の発光体組成物として作用させること、を含む、チオアルミネート発光体組成物の堆積に対する物理的気相成長法である。この方法は、TVの応用で要求されている高輝度及び色とともに青色薄膜エレクトロルミネセント発光体の堆積を可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フルカラー交流厚膜誘電体のエレクトロルミネセントディスプレイにおける発光体材料の堆積に関する。より具体的には、本発明は、バリウムを含む1又は2以上の供給源材料を用いたチオアルミネートの薄膜発光体組成物を堆積するための、新規な物理的気相成長法である。
【背景技術】
【0002】
米国特許第5,432,015号明細書(その開示内容が全体的に参照として本明細書に組み込まれる)に開示されているような厚膜の誘電体構造は、薄膜エレクトロルミネセント(TFEL)ディスプレイに比して作動電圧を抑制するだけでなく、絶縁破壊に対する優れた耐性を提供する。セラミック基板上に堆積されているような厚膜の誘電体構造は、TFEL装置より高い処理温度に耐え得るし、典型的にガラス基板に作製される。この増大した高温耐性によって、光度を向上させるためにより高い温度での発光体膜のアニーリングが容易になる。しかしながら、この増大した場合でさえも、陰極線管(CRT)ディスプレイに対する現行の改良に対応するために、特に、CRT特性におけるより高い輝度及びより高いカラー温度への最近の傾向に対応するために、ディスプレイ輝度及びカラー座標を向上することが依然として望まれる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
高い輝度の青色発行エレクトロルミネセント発光体が、適切な輝度を得るために、エレクトロルミネセントカラーディスプレイにおいて望まれる。セリウム活性ストロンチウム硫黄は、フルカラーエレクトロルミネセントディスプレイに対する青色放射発光体材料として従来から選択されている。しかしながら、この発光体材料からの光放射は、青色サブピクセルのために必要なカラー座標を得るために、適切な有色のフィルタを通過しなければならず、これが輝度及びエネルギー効率の損失をもたらす。セリウム活性ストロンチウム硫黄発光体は、単位ワット当たり1ルーメンの青色放射に対する比較的高いエネルギー変換効率を有するが、これらのスペクトル放射は、青色から光学フィルタの使用を必要とする緑色への非常に幅広い範囲である。このような発光体のスペクトル放射は、堆積状態及び活性剤濃度を制御することによって青色の方にある程度変位できるが、光学フィルタの必要性を取り除くために必要とされる程ではない。
【0004】
セリウム活性アルカリ土類チオガレート化合物のような代替的な青色発光体材料は、青色サブピクセルに必要なカラー座標を提供するために調整される、より狭い放射スペクトルを有している。これらの化合物は、良好な青色のカラー座標を提供するが、比較的輝度及び安定性に乏しい。主要材料が三元化合物であるため、発光体膜の化学量論の制御が比較的困難である。ユーロピウム活性バリウムチオアルミネートは、優れた青色のカラー座標及びより高い輝度を提供するが、三元化合物であるため、その化学量論の制御がやや困難である。スパッタリング又は電子ビーム蒸着を用いて単一の硫黄供給源ペレットからこの材料で構成されるバリウムチオアルミネート発光体膜の真空堆積は、適切な高い輝度を備えた膜をもたらさない。2つの供給源ペレットからのホッピング電子ビーム堆積技術を用いることで、バリウムチオアルミネート発光体における輝度の向上が達成されている。ペレットの1つは、ユーロピウムをドープしたバリウム硫黄を備え、もう1つは、アルミニウム硫黄を備えている。堆積された膜の化学量論は、2つの供給源材料それぞれに衝突する電子ビームの相対的滞留時間を制御することで、制御される。しかしながら、堆積処理及び供給源ペレットが消耗するため、この技術は大領域ディスプレイの商業生産を円滑にするほど容易に測定可能ではなく、この処理は2つの供給源からの蒸着率における変化を補償するように適切に制御することはできない。
【0005】
チオアルミネート発光体の化学量論は、堆積用の各供給源に衝突する1つ以上の電子ビームを使用することで向上し得る。この手法は、異なる供給源に対する相対的堆積率に亘る余分な制御を必要とする。さらに、必要とされる相対蒸着率は、堆積装置の特定の部分のそれぞれに対して較正されなければならず、多数の供給源に対する必要性は、堆積装置の設計を制限し、これにより全体的に装置のコストが上昇する。最後に、所定の既知の蒸着方法は、壁掛けテレビの応用に対するものといった大型電子ディスプレイの作製に必要とされるような大領域の膜の堆積に対して十分に適応していない。
【0006】
米国特許第6,447,654号明細書には、青色発光バリウムマグネシウムチオアルミネート発光体材料を堆積するために、アルミニウム硫黄及びバリウム硫黄を含む単一のターゲットからのバリウムチオアルミネート発光体膜のスパッタリングが開示されている。この堆積された膜の化学量論は、発光体膜基板上のターゲットエレメントの異なる濃縮率を構成するようにターゲットの組成を調整することで、調整される。しかしながら、この方法は、ディスプレイ作動中に安定的な発光体膜を提供して、同時に、大領域に亘って発光体膜を経済的に堆積するために使用され得る方法を提供する、という問題を十分に解決していない。
【0007】
出願人の同時継続の米国特許出願公開第10/036,559号明細書には、希土類活性バリウムチオアルミネート発光体膜を堆積するため2つのターゲットのスパッタリングが開示されている。スパッタリングのターゲットの1つは、アルミニウムを含み、他のスパッタリングのターゲットは、ユーロピウムドープのバリウム硫黄を含む。このスパッタリングは、堆積された膜において十分な硫黄分を提供するように、硫化水素の低圧雰囲気において実行される。2つのスパッタリングのターゲットの使用により、アルミニウムの豊富な及び乏しい周期的な組成でラミネートされた膜への堆積を容易にする各供給源から生じる材料の相対堆積率の調節を容易にする。この変化は、それぞれのターゲットからスパッタリングされた原子種の流れの中に交互に配置される基板の回転又は振動を用いて達成し得る。2つの供給源からの原子流が互いに空間的に分離している範囲では、そして、硫化水素がスパッタリングチャンバ中に存在している範囲では、アルミニウム硫黄及び希土類をドープしたバリウム硫黄で交互に形成された組成で、膜は堆積され得る。これらの層の厚さは、基板の回転率又は振動率を変えることによって、変化し得る。しかしながら、しかしながら、この方法において、堆積された層の厚さに亘る組成調整は、均質な単一相の発光体材料を形成するために堆積した材料の後続反応に対して問題となる。何故なら、原子種は、原子寸法において均質な組成を達成するために、堆積された膜内での拡散に必要だからである。
【0008】
それ故、従来技術の方法の1又は2以上の不利益を防ぐ薄膜誘電体エレクトロルミネセントディスプレイに対する薄膜発光体組成物を堆積するための効率的な方法を開発することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、チオアルミネート発光体組成物の堆積に対する物理的気相成長法に関し、特に高誘電定数を有する厚膜誘電体層を用いた、フルカラー交流エレクトロルミネセントディスプレイに対するバリウムチオアルミネート薄膜発光体組成物の堆積に対する方法に特に関する。本発明の方法は、堆積のための供給源材料の純度を保持するために必要な制御の度合いを抑制し、フルカラー交流エレクトロルミネセントディスプレイに使用されているようなこれらの発光体材料における輝度及び放射スペクトルを向上する。そのようなものとして、本発明の方法は、高くそれでいて一様な輝度及び好適な放射カラーを提供する、エレクトロルミネセント発光体に対する大領域の多数のエレメントの薄膜の堆積を可能とする。
【0010】
本発明の一態様によれば、チオアルミネートの発光体組成物の堆積に対する物理的気相成長法が提供される。この方法は、
金属間バリウムアルミネート化合物、バリウムアルミニウム合金、又は、保護されたバリウムメタルを含む1又は2以上の供給源材料を提供すること、
活性剤種を提供することと、
選択された基板上に発光体組成物として前記供給源材料及び前記活性剤種の堆積をもたらすこと、
を有する。
【0011】
本発明の態様によれば、物理的気相成長法は、硫黄含有蒸気雰囲気中でなされる。本発明の他の態様によれば、異なる供給源材料の組合せが本方法で使用され得る。
【0012】
本発明の他の態様によれば、チオアルミネート発光体組成物の堆積に対する物理的気相成長法が提供される。この方法は、
金属間バリウムアルミネート化合物、バリウムアルミニウム合金、保護されたバリウムメタル、及び、これらの混合物を含む1又は2以上の供給源材料を提供すること、
活性剤種を前記1又は2以上の供給源材料又はそれぞれに提供することと、
選択された基板上に発光体組成物として硫黄含有蒸気雰囲気中で前記供給源材料及び前記活性剤種の堆積をもたらすこと、
を有する。
【0013】
本発明の他の態様によれば、バリウムチオアルミネート発光体組成物の堆積に対する物理的気相成長法が提供される。この方法は、
バリウムチオアルミネート金属間化合物を含む供給源材料を提供すること、
活性剤種を提供することと、
選択された基板上に発光体組成物として硫黄含有蒸気雰囲気中で前記供給源材料及び前記活性剤種の堆積をもたらすこと、
を有する。
【0014】
本発明のさらに他の態様によれば、バリウムチオアルミネート発光体組成物の堆積に対する物理的気相成長法が提供される。この方法は、
BaAl及び活性剤種を含む供給源材料を提供すること、
選択された基板上に発光体組成物として硫黄含有蒸気雰囲気中で前記供給源材料及び前記活性剤種の堆積をもたらすこと、
を有する。
【0015】
本発明における他の特色及び利点は、下記の詳細な説明から明らかになるであろう。しかしながら、詳細な説明及び特定の例は、本発明の実施形態を示しているが、単に例示のために付与されていることを理解されるべきである。何故なら、本発明の趣旨及び範囲内において多様な変形及び修正が、前記詳細な説明から当業者に対して明らかになるからである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明は、本明細書で付与された説明から、及び添付の図面から、より十分に理解されるであろう。これらは例示のためのみ付与され、本発明の範囲を限定する意図ではない。
【0017】
本発明は、エレクトロルミネセントディスプレイにおける、特に、厚膜誘電体層を用いたエレクトロルミネセントディスプレイにおける、使用に対するチオアルミネート発光体組成物の堆積に対する新規な方法である。本発明の方法は、希土類活性のバリウムチオアルミネートといった青色光放射発光体の堆積に好適な物理的気相成長法である。この方法は、エレクトロルミネセントディスプレイ内で使用される改良された輝度及び放射スペクトルを発光体の堆積用に提供する。この方法は、比較的単純であり、大領域に亘って発光体膜を経済的に堆積するためにも適用される。
【0018】
本発明の方法は、スパッタリング又は熱蒸着から選択され得る物理的気相成長法であり、チオアルミネート発光体組成物を堆積するために1又は2以上の供給源材料を用いる。スパッタリング方法として、この方法は、1又は2以上の金属のスパッタリングターゲットを(単数又は複数の)供給源材料として用いる。熱蒸着の方法として、この方法は、1又は2以上の蒸着ペレットを(単数又は複数の)供給源材料として用いる。このスパッタリングターゲット又は蒸着ペレットは、バリウムアルミニウム合金、バリウムアルミニウム金属間化合物、保護されたバリウム金属、又は、これらの混合物を備える。この方法において、所望の光放射カラーを提供するために選択される活性剤種もまた、1又は2以上の供給源材料に追加される。あるいは、活性剤種は、前記1又は2以上の供給源材料から個々に供給されてもよい。好適な活性剤種には、ユーロピウム及びセリウムといった希土類金属が含まれる。
【0019】
本発明の第1の態様によれば、本発明の方法において使用される(単数又は複数の)供給源材料は、スパッタリングターゲット又は蒸着ペレットとして使用されるバリウムアルミニウム合金である。バリウムアルミニウム合金の使用は、単一の化学的組成のために、ターゲット又はペレットから取り除く蒸気種の制御を簡便にする。ユーロピウム活性チオアルミネート組成物を堆積するための従来技術は、ユーロピウムをドープしたアルミニウム硫黄及び/又はバリウム硫黄を含むターゲット又はペレットを使用する。ユーロピウムをドープしたバリウム硫黄のペレット又はターゲットから生じた蒸気種は、蒸気温度又はスパッタリング状態に応じて、EuS,Eu,BaS,Ba,又はSを含みうる。同様に、アルミニウム硫黄から生じた蒸気種は、AlS,AlS,Al,Al,又はSを含みうる。発生したこれらの様々な種の型及び相対流は、スパッタリングパワー、スパッタリング雰囲気、又は熱蒸着に対するペレット温度におけるゆらぎとともに変化しうるし、様々な蒸気種に対する異なる付着係数によって堆積した膜の組成物の変動が生じる。これに対して、本発明においては、ペレット又はターゲットから生じうる種は、望ましい元素のBa,Al及びEu種だけである。
【0020】
バリウムアルミニウム合金は、化学式BaAlで表される組成物である。ここで、xは、約0.15から約0.45の範囲であり、本発明のある態様においては、約0.20から約0.35の範囲である。追加的なスパッタリングターゲット又は蒸着ペレット及び硫化水素といった硫黄含有処理ガスもまた、堆積する発光体膜組成物のバランスを作り上げるために堆積チャンバ内で使用されうる。追加的な供給源材料(ターゲット/ペレット)は、アルミニウム金属又はアルミニウム硫黄化合物を含みうる。前記活性剤種は、ユーロピウム又はセリウムといった希土類エレメントから選択され、バリウムアルミニウム合金供給源材料に、又は、堆積される発光体膜組成物の所望の組成物を形成するために使用される任意の追加的な供給源材料に、組み込まれうる。バリウムアルミニウム合金供給源材料は、出願人の同時継続の米国仮特許出願番号第60/433,576号(その開示内容が全体的に参照として本明細書に組み込まれる)に開示されているように、アルミニウム金属中に組み込むことによって複合供給源材料中に形成されうる。
【0021】
本発明のさらなる態様によれば、(単数又は複数の)供給源材料は、BaAl,BaAl13,又はBaAlといった金属間のバリウム化合物である。このような金属間化合物は、バリウムが空気と急速に反応してバリウム酸化物、バリウム水酸化物、バリウム炭酸塩を形成することを防止するために役立つ。バリウムが前記金属間化合物の結晶構造内に隔離されるからである。所望の光放射カラーを供給するために選択される活性剤種もまた、金属間化合物に追加される。バリウムアルミニウム金属間化合物は、BaAl,BaAl13,又はBaAlを含みうる。反応性熱蒸着処理に対する追加的な供給源材料及び硫黄含有処理ガスは、堆積される膜の組成物におけるバランスを作り上げるために使用される。堆積された膜組成物を作り上げるために必要な追加的な供給源材料は、アルミニウム金属又はアルミニウム硫黄を含みうる。
【0022】
本発明のさらなる態様によれば、供給源材料は、バリウム金属が空気と急速に反応してバリウム酸化物、バリウム水酸化物、バリウム炭酸塩を形成することを防止する保護されたバリウム金属である。この防護機構は、出願人の同時継続の米国仮特許出願番号第60/433,576号(その開示内容が全体的に参照として本明細書に組み込まれる)に開示されているものと同様にバリウムアルミニウム合金及びアルミニウム金属が複合供給源材料で形成されるように、上述したようにアルミニウムのような非反応性基質(マトリックス)中にバリウム金属を封入するようにしてもよい。この方法において、単一の供給源材料は、反応性スパッタリングによってチオアルミネート膜を堆積するために使用され得る。しかしながら、この場合において、堆積処理中に浸食されることでターゲット組成物が変性して、その結果、堆積された膜の組成物も変性することを防止するために、バリウムはアルミニウムと異なるレート(率)でスパッタ又は蒸着されないことが保証されるべきである。
【0023】
保護されたバリウム金属もまた、蒸着/堆積チャンバ中に配置される前に、ペレットを空気中で取り扱えるように、揮発性の保護膜で覆われたバリウム金属でありうる。前記保護膜は、当業者によって理解されるように、排出されるときに真空チャンバで蒸発されうる非プロトン性溶剤混合物からなる層であってもよい。保護非プロトン性溶剤の蒸気圧は、(単数又は複数の)供給源材料の取扱いを容易にするため空気中で適切な作動時間を提供するように十分に低圧であるべきであるが、堆積チャンバが排出処理してバリウムと反応せずに加熱するときに前記溶剤が蒸発するように十分に高圧であるべきである。前記保護膜は、バリウム酸化物、バリウム硫酸塩、又は、空気中での処理中にバリウムに適切な保護を与えるが、バリウムの堆積に先立って(単数又は複数の)供給源材料の加熱により除去しうる他の不活性バリウム化合物を備えていてもよい。前記層は、大気中で、又は、低濃度の酸素、二酸化硫黄、及び/又は、硫化水素を含有する不活性ガス中でバリウムを、機能的な保護層を形成するように十分な時間で露光することで形成されうる。前記保護層の厚さは、保護層の所望の機能的特性及び堆積チャンバ中での蒸着に先立って取り扱われる状態に応じて、数原子直径からマイクロメータ又はそれ以上に亘っていてもよい。可能な限り相対湿度を低く保持した周囲の環境中でバリウム金属が取り扱われる場合、前記保護層はより薄く形成される。既知の一般的な湿度制御技術で知られているような、最終除湿段階において循環され作成された空気から湿度を吸収する化学吸着機構を用いる特定の除湿システムを乾燥室に用いて、湿度を約1%の低さで作動する周囲の雰囲気を制御することが可能である。
【0024】
本発明の方法は、希土類活性チオアルミネートに基づく発光体の堆積に適しており、ある態様においては、青色光を放射する希土類活性バリウムチオアルミネート薄膜発光体の堆積に適している。堆積した発光体膜組成物の組成物中の、バリウムの量である、xの値は、バリウム合金供給源材料から相対堆積速度を変えることで、(単数又は複数の)バリウムアルミニウム供給源材料から相対堆積速度を変えることによって、そして、この方法において用いられる任意のアルミニウム又はアルミニウム硫化物供給源材料の存在によって、組成式BaAl1326.5に対応して約0から0.53の範囲に亘って変化しうる。本発明の方法により堆積しうる発光体組成物は、中に組み込まれる活性剤種を有するBaAl及びBaAlを含むがこれに限定されるものではない。
【0025】
反応性スパッタリング堆積方法である本発明の方法は、エドワード、ウルバック、レイボールド等で販売されているような任意の現代におけるrfマグネトロンスパッタリングシステムにおいて行われうる。このシステムは、硫化水素又は他の硫黄含有蒸気を取扱い可能なガス注入及び排出システムに適合され、堆積基板加熱手段を有している。スパッタリングは、単位cmで約3から5ワットの出力レベルで行われうる。本発明の方法は、当業者によって理解されるように熱蒸着方法としても行われうる。本発明の方法は、当業者によって理解されるように電子ビーム蒸着を用いても達成されうる。
【0026】
本発明の方法によって堆積されたような発光体は、さまざまな基板構造に組み込まれうるエレクトロルミネセント装置内に組み込まれている。このような装置は、出願人の米国特許出願番号第2003/0224221号明細書(その開示内容が全体的に本明細書に組み込まれる)中の例に開示されている。特に、基板構造は、厚膜誘電体層とともに上部に堆積した導電膜を有するセラミックシートであるベース基板を有する厚膜セラミック材料を備えている。好適なベース基板の例は、アルミナ、金属セラミック複合体、ガラスセラミック材料、及び高温ガラス材料を含むがこれらに限定されないセラミックシート材料である。好適な導電膜は、金及び銀の合金といったものではあるがこれらに限定されない、当業者に知られているものである。厚膜層は、強誘電体材料を備える。好適な強誘電体材料は、マグネシウムニオブチタン酸鉛、ジルコンチタン酸鉛、バリウムチタン及びこれらの混合物から選択されうる。前記厚膜は、出願人の同時継続のPCT/CA02/01932号パンフレット(その開示内容が全体的に参照として本明細書に組み込まれる)に記載されているものであってもよい。前記厚膜層は、その上に1又は2以上の薄膜層を備えていてもよい。
【0027】
前記組成物の堆積は、HS、硫黄、又は、堆積された発光体組成物が硫黄中で不足しないことを保証するための多硫化物化合物とともに使用されるような、他の揮発性硫黄含有化合物の雰囲気中で行われうる。硫化水素雰囲気中で行われるような堆積は、前記膜中に堆積した種が、硫黄で堆積した膜を適切に飽和させて所望の膜組成物を得るために、硫化水素から生じる硫黄と反応可能であることを保証する。しかしながら、HSの無い低圧の硫黄蒸気含有雰囲気中で前記方法を行うことも可能である。酸素の無い環境は、必須ではない。
【0028】
本発明における1つの代表的な実施の形態における方法は、バリウムチオアルミネート発光体膜に対する反応性スパッタリング堆積方法である。前記供給源材料は、金属間化合物BaAl及び/又はBaAl13を含むBaAlを有するバリウムアルミニウム合金を含む単一のスパッタリングターゲットである。xは、約0.15から約0.45の範囲であり、ある態様においては、約0.20から約0.35の範囲である。図1における二相線図を参照すると、xの最小値は、BaAlの値に対応する。従って、ペレット又はターゲットが均質である場合、空気に対して機能的に反応しないように結晶面がアルミニウム原子からなるような結晶構造を有するこの金属間化合物から本質的に構成されうる。xの値が約0.20と約0.35との間の範囲に増大する場合、スパッタリングターゲットの組成物は、BaAl及びBaAl13及び/又はBaAlの混合相でありうる。この混合相は、空気中でBaAl13の金属間化合物が比較的不安定であるにもかかわらず、BaAl13相がBaAlの母材中に封入されるように混合物の形態が供給されることで、空気中でも安定でありうる。典型的に、BaAl相を備える母材相中に分散する良好に分割された含有相としてBaAl13相が存在するようにターゲットの形態がなることで、この混合相は達成され得る。このことは、平均組成物に対する式BaAl中のxが約0.25から約0.3の間のときに、実現される。
【0029】
xの値が0.20未満の場合、供給源材料は、BaAlの母材中にアルミニウム粒子が混在した物でありうる。この組成物は、xの値が上記よりも高いものに比してやや望ましくない。何故なら、アルミニウムの蒸気圧がBaAlよりもさらに高くなり、アルミニウム含有物がペレット又はターゲット表面で露光されるときに放出されたアルミニウムがスパッタ又は蒸着されるようになるからである。これにより、堆積された膜の組成物の不均一性及び過剰なアルミニウムが生じる。
【0030】
本発明における他の代表的な実施の形態における方法は、バリウムチオアルミネート発光体膜の熱蒸着方法である。このような方法において、供給源材料は、BaAlを含む金属間化合物蒸着ペレットである。バリウムがこの化合物の結晶構造内に隔離されるため、空気中で取扱い可能である。
【0031】
BaAl供給源材料は、ペレット中におけるバリウムのアルミニウムに対する比率を保持するような方法で蒸着され、これにより、安定した供給源材料を提供する。この安定性は、BaAl組成物からの偏差を有する材料の特性の観点から、説明できる。前記組成物がややアルミニウムリッチである場合、ペレットは、含有相として少量のアルミニウム金属を含有するBaAlからなるであろう。供給されたアルミニウムが酸化されていなければ、BaAlよりも迅速に蒸着される。BaAlよりも高い蒸気圧がペレットの組成物にもたらされるからである。同様に、組成物がわずかにバリウムリッチである場合、ペレットは含有相として少量のBaAl13を含むBaAlからなるであろう。この含有相は、BaAlよりも速く蒸着され、BaAlに戻ってペレット組成物に再度もたらされる。
【0032】
本発明の任意の実施の形態において、堆積されたバリウムチオアルミネート発光体膜における所望の組成物を得るために、反応堆積処理に対する(単数又は複数の)さらなる供給源材料及び硫黄含有処理ガスが、堆積された膜の組成物のバランスを形成するために使用される。このさらなるターゲットは、よりアルミニウムリッチな膜が所望されている場合、アルミニウム金属又はアルミニウム硫黄を備えていてもよい。または、よりバリウムリッチな膜が所望されている場合、保護バリウム金属又はバリウム硫黄を備えていてもよい。
【0033】
要約すると、本発明は、発光体が高くかつ一様な輝度を有するとともに好適な放出カラーを有する、エレクトロルミネセントディスプレイに対する複数のエレメント発光体薄膜組成物を堆積するための、新規な物理的気相成長法である。前記方法は、1又は2以上の供給源材料の用法を組み込む。このような(単数又は複数の)供給源材料は、金属間バリウムアルミニウム化合物、バリウムアルミニウム合金又は保護されたバリウムアルミニウム金属を含む。
【0034】
上述の開示は、全体的に本発明を説明している。より完全な理解が、下記の特定の実施例を参照して得られるであろう。これらの実施例は、単に例示のために記述されており、本発明の範囲を制限する意図ではない。形態の変更及び均等物への置換は、状況が示唆し得る又は便宜上示唆し得るように、意図されている。特定の用語が本明細書で使用されているが、このような用語は、説明的意味で用いられており、限定を目的とするものではない。
【0035】
[実施例1]
原子百分率47.5のバリウム、原子百分率47.5のアルミニウム、及び、原子百分率5のユーロピウム、からなる組成物で、直径7.6cm及び厚さ6mmであり、円筒型のバリウムアルミニウムのスパッタリングターゲットが、用意された(San JoseのACl合金、CA)。このターゲットは、0.2から0.5パスカルのガス圧力下で、バリウム、アルミニウム、及び、ユーロピウムの唯一の供給源に、ユーロピウムをドープしたチオアルミネートを反応するようにスパッタするような、エドワードモデルFL400rfマグネトロンスパッタリングシステムで使用された。
【0036】
いくつかのエレクトロルミネセント装置は、上述したスパッタリングシステムを用いて堆積した発光体膜とともに作製された。このスパッタリング処理ガスは、ガス混合物中のアルゴンと硫化水素との比率が1:1から4:1に亘る膜堆積中においてスパッタリングチャンバ中に導入されたアルゴン硫化水素混合物であった。堆積に対するスパッタリングターゲットに印加されるrf出力は、200ワットであった。
【0037】
この堆積基板は、いくつかの金電極のパッドが堆積される米国特許出願公開第10/326,777号明細書(その開示内容が全体的に参照として本明細書に組み込まれる)と同様の、5cm×5cmのガラス基板であった。続いての金の堆積は、厚い誘電体構造が堆積され、続いて、米国特許出願公開第09/540,288号明細書(その開示内容が全体的に参照として本明細書に組み込まれる)に例示されているようなスパッタリングによって100nmの厚い層のバリウムタンタレートが堆積された。
【0038】
ユーロピウムをドープしたチオアルミネート発光体膜は、約400nmの厚さに堆積され、続いて、ベルト炉内における窒素下で、約750℃のピーク温度で約10分間アニールされた。発光体膜は、スパッタされたアルミニウム窒素の50nm厚さの層で覆われ、続いて、インジウムスズ酸化物透明電極の層で覆われた。
【0039】
この装置は、40マイクロ秒のパルス幅、120から240ボルトの範囲の振幅、240Hzのパルス反復率を有する、反復的な交流極性パルス電圧波形を印加して試験された。この試験された装置は、エレクトロルミネセンスを示さないことが見出された。サンプルの厚さの影響を補正していないエネルギー分散x線分析(EDX)により、堆積された膜は、アルミニウムのバリウムに対する比率が約1:3.5であるバリウムリッチであることが示された。この比率では低すぎて所望のチオアルミネート発光体材料が形成されず、複合バリウムアルミニウムターゲットの振る舞いに関して上述した点に基づいて予想されるように、バリウムが発光体スパッタリングターゲットから選択的にスパッタされることを示唆した。
【0040】
[実施例2]
発光体堆積に対するターゲット組成物が、原子百分率17のバリウム、原子百分率81のアルミニウム、原子百分率2のユーロピウムであることを除き、実施例1と同様のエレクトロルミネセント装置が用意された。これらの装置は、実施例1の試験条件下でエレクトロルミネセンスを示した。発光体スパッタリング用の処理ガス中におけるアルゴンと硫化水素との比率の関数として、EL装置基板に直に隣接したシリコンウエハ上に堆積された膜上にエネルギー分散x線分析(EDX)によって測定されるような、堆積された発光体膜におけるエレメントの濃度は、図2に示されている。発光体膜の完全な化学式は、これもシリコンウエハ上に堆積した膜上にEDXを用いて測定されたが、表1における厚膜誘電体層を組み込んでいるいくつかの装置に対して示されている。表1は、実施例1において示した試験条件下で測定され、前記閾値電圧、及び、前記閾値電圧より60V上で測定した装置の輝度及びCIE yカラーの座標を示している。
【0041】
データからわかるように、EDXで測定されたような発光体サンプル中におけるアルミニウムのバリウムに対する比率は、サンプルの厚さの影響を補正していないが、1:4.9から1:5.4の範囲であり、ターゲット組成物に近いものであった。同様に、ユーロピウムのバリウムに対する比率は、ターゲット組成物に近いものであった。前記装置の輝度は、アルミニウムのバリウムに対する比率が特に高い試験番号1及び2を除き、単位平方メートル当たり170から210カンデラであった。輝度の観察された偏差は、発光体膜の化学組成において観察された差異に関係し得る。
【0042】
[実施例3]
厚膜の誘電体層と発光体層との間に50nm厚さのバリウムタンタレートの層を有することを除き、実施例1と同様のエレクトロルミネセント装置が用意された。さらに、発光体は、原子百分率6のユーロピウムで合金化された略2mmから5mm寸法の金属バリウムのペレットからなるバリウム及びユーロピウムに対して熱源と、略2mmから10mm寸法のアルミニウム硫黄の小片からなる第2の熱源ペレットを用いてダイナバックスボックスコータにおける熱蒸着によって堆積された。堆積の前に、堆積チャンバは、7×10−3Paベース圧力に下げられる。追加された硫黄は、堆積処理中の作動圧力3×10−2Paを保持するために150sccmの速度で硫化水素を注入することで堆積チャンバに供給される。バリウム供給源ペレットは、これらの供給源材料を溶融するように加熱された。前記堆積チャンバは、堆積中に真空チャンバから水及び酸素含有蒸気を除去するために、米国特許仮出願第60/443,540号明細書(その開示内容が全体的に参照として本明細書に組み込まれる)に記載されているような窒素のコールドトラップに適合された。発光体膜は、単位秒当たり6オングストロームの速度で厚さ400nmの厚さに堆積された。堆積に続いて、その上に堆積された発光体膜を有する装置は、2分間720℃のピーク温度で−60℃の露点のドライエア下で熱処理され、ついで、5分間770℃のピーク温度で窒素下で熱処理された。薄膜誘電体層上部の50nm厚さのアルミニウム窒素、及び、インジウムスズ酸化物(ITO)光学的透明伝導層が、装置を完成させるために堆積された。
【0043】
この装置及び同様の装置が、実施例2において上述した方法を用いて試験され、単位平方メートル当たり400から800カンデラの輝度を示した。
【0044】
[実施例4]
この実施例は、2つの金属ターゲット、1つはユーロピウムをドープしたバリウム金属、もう1つはアルミニウム金属、をスパッタリングすることで、バリウムチオアルミネート発光体膜を堆積することの実現可能性を示す。
【0045】
第1層が160から170nmのバリウムチタネート、第2層が50nmのバリウムタンタレートである2つの層からなる発光体の堆積に先立って、厚膜誘電体上に堆積された薄膜誘電体を除いて、実施例1と同様のいくつかのエレクトロルミネセント装置は、ガラス基板上に構築された。前記発光体は、後述の手順に従って堆積され、熱処理をされた。
【0046】
ユーロピウムをドープしたバリウム金属シートは、接着の前に保護溶剤を除去するために、完全に乾燥された。ターゲットは、全体寸法56cm×12cm×0.63cmのバリウムタイルのアレイをニッケルめっきした銅の背面プレートに接着することによって、ドライなアルゴンを充填したグローブボックス中に構築され、堆積システム中に搭載する前に真空バックされた。バリウム金属は、原子百分率3から6のユーロピウムでドープされた。同一寸法の純粋なアルミニウム金属ターゲットは、1ピースで作製され、図3に示したように、ニッケルめっきした銅の背面プレートに接着した。これらのターゲットは、周囲の相対湿度が20%より下でCPA2000スパッタリングシステム中に搭載され、堆積チャンバは、拡散ポンプ及びクライオポンプを含む複数のポンプシステムを用いて10−4Pa圧力に下降された。作動中に形成された堆積腐食層は、発光体膜の堆積に先立って数時間のターゲットのプレスパッタリングによって、バリウム及びアルミニウムターゲットから除去された。発光体膜は、拡散ポンプを用いて1から3Paの範囲の圧力でアルゴン及び硫化水素処理雰囲気下で反応性スパッタリングによって装置基板上に堆積された。アルゴンは、99.999%の純度であり、硫化水素は、99.9%の純度であった。アルゴンの硫化水素に対する比率は、1.5:1であった。ユーロピウムをドープしたバリウムターゲットに印加されたrf出力は、1250及び1500ワットであり、アルミニウムターゲットに印加したrf出力は、2500及び5000ワットであった。この装置基板は、200℃から400℃の間の温度に加熱され、ユーロピウムをドープしたバリウムとアルミニウムとの交互の層が堆積されるように、2つのターゲットからスパッタされたプルームを越えて、9から12の全サイクルの間で毎分42センチメートルの率の振動方法で往復移動された。堆積された発光体の厚さは、350から450nmであった。堆積された発光体の厚さは、350から450nmの間であった。堆積に続いて、発光体膜は、加熱及び冷却時間を含めて、25分間770℃のピーク温度で、窒素下においてベルト炉中で熱処理された。
【0047】
この完成された装置が実施例1の手順を用いて試験された。図4は、1つの装置に対して240Hzのパルス反復率での印加電圧の関数としての輝度を示す。そして、図5は、他の装置に対してエレクトロルミネセント閾値電圧の60ボルト上で駆動した最大200時間の作動時間の関数としての輝度を示す。この期間中の輝度は、ほとんど低下を示さなかった。
【0048】
本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明してきたが、本発明の趣旨又は添付の請求項の範囲から離れることなく様々な変形がなされうるということが当業者によって理解されるであろう。
【0049】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】図1は、バリウム及びアルミニウムに対する二相(バイナリ相)線図を示す。
【図2】図2は、異なる処理ガス組成物を用いてバリウムチオアルミネート発光体膜のスパッタリングによって作製されたエレクトロルミネセント装置における輝度の依存状態を示す。
【図3】図3は、ニッケルめっきした銅の背面プレートに接着した、ユーロピウムをドープしたバリウムメタル及びアルミニウムメタルシートからなる二重ターゲットスパッタリングアセンブリの平面図を示す。
【図4】図4は、駆動電圧の関数として、本発明に従って堆積された発光体膜を有する厚膜誘電体エレクトロルミネセント装置の輝度を示すグラフである。
【図5】図5は、作動時間の関数として、本発明の方法の方法によって堆積された発光体組成物を組み込んだ厚膜誘電体エレクトロルミネセント装置の輝度を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チオアルミネート発光体組成物の堆積に対する物理的気相成長法であって、
金属間バリウムアルミニウム化合物、バリウムアルミニウム合金、又は保護されたバリウム金属を含む、1又は2以上の供給源材料を提供すること、
活性剤種を提供すること、
硫黄含有雰囲気中で、1又は2以上の供給源材料及び前記活性剤種を、選択された基板上の発光体組成物として作用させること、
を含む、物理的気相成長法。
【請求項2】
前記1又は2以上の供給源材料は、スパッタリングターゲット及び蒸着ペレットから選択される、請求項1に記載の物理的気相成長法。
【請求項3】
前記金属間バリウムアルミニウム化合物は、BaAl,BaAl13,及びBaAlからなる群から選択される、請求項1に記載の物理的気相成長法。
【請求項4】
前記金属間バリウムアルミニウム化合物は、BaAlである、請求項3に記載の物理的気相成長法。
【請求項5】
前記バリウムアルミニウム合金は、化学式BaAlで表される組成物であり、
xは、約0.15から約0.45の範囲である、請求項1に記載の物理的気相成長法。
【請求項6】
前記xは、約0.20から約0.35の範囲である、請求項5に記載の物理的気相成長法。
【請求項7】
前記保護されたバリウム金属は、バリウムアルミニウム合金及びアルミニウム金属の複合体を有する、請求項1に記載の物理的気相成長法。
【請求項8】
前記保護されたバリウム金属は、揮発性保護膜で覆われている、請求項1に記載の物理的気相成長法。
【請求項9】
前記揮発性保護膜は、非プロトン性溶剤の層である、請求項8に記載の物理的気相成長法。
【請求項10】
前記揮発性保護膜は、バリウム酸化物、バリウム硫酸塩、又は、不活性バリウム化合物の層である、請求項8に記載の物理的気相成長法。
【請求項11】
前記1又は2以上の材料は、アルミニウム金属又はアルミニウム硫黄をさらに含む、請求項1に記載の物理的気相成長法。
【請求項12】
前記発光体組成物は、バリウムチオアルミネートである、請求項1に記載の物理的気相成長法。
【請求項13】
前記硫黄蒸気雰囲気は、HSである、請求項1又は請求項11に記載の物理的気相成長法。
【請求項14】
前記硫黄蒸気雰囲気は、前記供給源材料から離れて生成されている、請求項13に記載の物理的気相成長法。
【請求項15】
前記硫黄蒸気雰囲気は、多硫化物化合物から生成されている、請求項14に記載の物理的気相成長法。
【請求項16】
前記堆積は、スパッタリング、熱蒸着、及び電子ビーム蒸着から選択される方法によって生じる、請求項1に記載の物理的気相成長法。
【請求項17】
前記方法は、スパッタリングである、請求項16に記載の物理的気相成長法。
【請求項18】
前記方法は、熱蒸着である、請求項16に記載の物理的気相成長法。
【請求項19】
前記活性剤種は、ユーロピウム及びセリウムから選択される、請求項1に記載の物理的気相成長法。
【請求項20】
前記活性剤種は、ユーロピウムである、請求項19に記載の物理的気相成長法。
【請求項21】
前記活性剤種は、前記1又は2以上の供給源材料内に組み込まれる、請求項19に記載の物理的気相成長法。
【請求項22】
前記活性剤種は、前記1又は2以上の供給源材料から別々に供給される、請求項19に記載の物理的気相成長法。
【請求項23】
前記方法は、金属間化合物BaAlの単一の供給源材料を備え、
前記活性剤種は、前記化合物内でドープされて提供され、
硫黄供給源は、前記化合物内に組み込まれる、請求項3に記載の物理的気相成長法。
【請求項24】
前記方法は、金属間化合物BaAlを含む単一の供給源材料、活性剤種、及び硫黄を含む、請求項3に記載の物理的気相成長法。
【請求項25】
チオアルミネート発光体組成物の堆積に対する物理的気相成長法であって、
金属間バリウムアルミネート化合物、バリウムアルミニウム合金、保護されたバリウム金属、及びこれらの組合せを含む、1又は2以上の供給源材料を提供すること、
前記1又は2以上の供給源材料又はそれぞれに活性剤種を提供すること、
前記供給源材料及び前記活性剤種の硫黄含有雰囲気中で、選択された基板上に発光体組成物として堆積を生じさせること、
を含む、物理的気相成長法。
【請求項26】
前記金属間バリウムアルミニウム化合物は、BaAl,BaAl13,及びBaAlからなる群から選択される、請求項25に記載の物理的気相成長法。
【請求項27】
前記金属間バリウムアルミニウム化合物は、BaAlである、請求項26に記載の物理的気相成長法。
【請求項28】
前記バリウムアルミニウム合金は、化学式BaAlで表される組成物であり、
xは、約0.15から約0.45の範囲である、請求項25に記載の物理的気相成長法。
【請求項29】
前記xは、約0.20から約0.35の範囲である、請求項28に記載の物理的気相成長法。
【請求項30】
前記保護されたバリウム金属は、バリウムアルミニウム合金及びアルミニウム金属の複合体を有する、請求項25に記載の物理的気相成長法。
【請求項31】
前記保護されたバリウム金属は、揮発性保護膜で覆われている、請求項25に記載の物理的気相成長法。
【請求項32】
前記揮発性保護膜は、非プロトン性溶剤の層である、請求項31に記載の物理的気相成長法。
【請求項33】
前記揮発性保護膜は、バリウム酸化物、バリウム硫酸塩、又は、不活性バリウム化合物の層である、請求項31に記載の物理的気相成長法。
【請求項34】
前記1又は2以上の材料は、アルミニウム金属又はアルミニウム硫黄をさらに含む、請求項25に記載の物理的気相成長法。
【請求項35】
前記発光体組成物は、バリウムチオアルミネートである、請求項25に記載の物理的気相成長法。
【請求項36】
前記硫黄蒸気雰囲気は、HSである、請求項25に記載の物理的気相成長法。
【請求項37】
前記硫黄蒸気雰囲気は、前記供給源材料から離れて生成されている、請求項36に記載の物理的気相成長法。
【請求項38】
前記硫黄蒸気雰囲気は、多硫化物化合物から生成されている、請求項37に記載の物理的気相成長法。
【請求項39】
前記堆積は、スパッタリング、熱蒸着、及び電子ビーム蒸着から選択される方法によって生じる、請求項25に記載の物理的気相成長法。
【請求項40】
前記活性剤種は、ユーロピウム及びセリウムから選択される、請求項25に記載の物理的気相成長法。
【請求項41】
前記活性剤種は、ユーロピウムである、請求項40に記載の物理的気相成長法。
【請求項42】
前記活性剤種は、前記1又は2以上の供給源材料内に組み込まれる、請求項40に記載の物理的気相成長法。
【請求項43】
前記活性剤種は、前記1又は2以上の供給源材料から別々に供給される、請求項40に記載の物理的気相成長法。
【請求項44】
チオアルミネート発光体組成物の堆積に対する物理的気相成長法であって、
BaAlを含む供給源材料及び活性剤種を提供することと、
前記供給源材料及び前記活性剤種の堆積を、硫黄含有雰囲気中で選択された基板上の発光体組成物として作用させること、
を含む、物理的気相成長法。
【請求項45】
前記硫黄蒸気雰囲気は、HSである、請求項44に記載の物理的気相成長法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−526602(P2007−526602A)
【公表日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−501081(P2007−501081)
【出願日】平成17年3月4日(2005.3.4)
【国際出願番号】PCT/CA2005/000333
【国際公開番号】WO2005/085493
【国際公開日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願人】(505089913)アイファイアー・テクノロジー・コープ (18)
【Fターム(参考)】