ツーバイフォー工法の防音床構造
【課題】ツーバイフォー工法の防音床構造において、重量床衝撃音の低減を更に向上させた床構造の提供。
【解決手段】ツーバイフォー工法の防音床構造の、界床2と天井4との間の空間である天井懐内部3において、界床2に固定された床根太5と、前記界床2の下方に配置された天井4に固定された天井根太6とを少なくとも部分的に緊結する。すなわち、前記床根太5および天井根太6に剛性部材8を緊結したり、さらに前記床根太5および天井根太6と緊結した間にダンパを介装すること。
【解決手段】ツーバイフォー工法の防音床構造の、界床2と天井4との間の空間である天井懐内部3において、界床2に固定された床根太5と、前記界床2の下方に配置された天井4に固定された天井根太6とを少なくとも部分的に緊結する。すなわち、前記床根太5および天井根太6に剛性部材8を緊結したり、さらに前記床根太5および天井根太6と緊結した間にダンパを介装すること。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ツーバイフォー工法による建築物に於いて、上階から下階への床衝撃音の伝達を低減させるための防音床構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ツーバイフォー工法における界床の床衝撃音の低減を図る防音床構造としては、従来、例えば、特許文献1に記載された防音床構造1がある。この防音床構造1の断面図及び伏図を図1及び図2に示す。これらの図において、2は、床合板2b上にフローリング材2aを置いた構造の例えば2階の界床であり、4は、天井用プラスターボード(石膏ボード)からなる例えば1階の天井であり、3は、界床2と天井4との間の空間としての天井懐内部である。界床2の下面には床根太5が取り付けられ、且つ、天井4の上面には天井根太6が取り付けられている。この防音床構造1では、天井根太6上に例えばロックウールからなる吸音材7を配置し、更に天井4を構成する石膏ボード上に防音材としての制振材(図示せず)を張り付けることにより、軽量床衝撃音レベルのみならず、重量床衝撃音レベルの低減を図ろうとしている。軽量床衝撃音レベル及び重量床衝撃音レベルは、JIS A 1418−1:2000及び2:2000にそれぞれ定められており、前者は、例えば、靴底やスリッパ等で床を叩いたときに生じるコツコツという衝撃音のレベルであり、後者は、例えば、子供が高所から床に飛び降りたとき等に生じるドシンという衝撃音のレベルである。
【0003】
しかし、特許文献1の構造によっても、重量衝撃音の低減は十分ではなく、上階(例えば2階、3階)で発生する生活音は階下に騒音をもたらし、これを十分に改善する工法、構造は見出されていない。特に生活騒音は、戸建に於いては許容できる範囲も、集合住宅に於いては、しばしばトラブルを起こす事となっている。
【0004】
特許文献1の構造を含め従来の防音床構造では、床根太5と天井根太6とを構造的に分離し、つまり界床2と天井4とを構造的に分離した構造によって、界床2から天井4への騒音の伝達を緩和する構成である。しかしながら、このような界床と天井を構造的に分離する構成による重量床衝撃音の低減には限界があり、新規な観点から騒音を緩和することが求められる。
【0005】
また、特許文献1の構造では、500Hz〜4kHzの周波数範囲の床衝撃音を低減することを目的としているが、重量床衝撃音は63Hz近傍の周波数で最も顕著に発生するため、この周波数において床衝撃音レベルを低減する必要がある。従って、63Hzの周波数での床衝撃音の低減に対応した防音床構造が必要とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−14073(第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、ツーバイフォー工法の防音床構造において、重量床衝撃音の低減を更に向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ツーバイフォー工法の防音床構造において、界床(2)と天井(4)との間の空間である天井懐内部(3)において、前記界床(2)に固定された床根太(5)と、前記天井(4)に固定された天井根太(6)とを少なくとも部分的に緊結することを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、床根太と天井根太とを緊結、即ち、界床と天井とを構造的に一体化させて床剛性を向上させることにより、床根太側の振動と天井根太側の振動とに位相遅れが生じ、床根太側の振動と天井根太側の振動が打ち消し合い低減する。これにより、界床と天井とを構造的に分離する従来の構造と比較して、重量床衝撃音レベルを顕著に改善することが可能である。
【0010】
本発明の一実施形態では、前記床根太(5)及び前記天井根太(6)に剛性部材(8)を固定することによって、前記床根太(5)及び前記天井根太(6)を少なくとも部分的に緊結することを特徴とする。
【0011】
ここで、剛性部材は、例えば、鉄などの金属、木材、樹脂(プラスチック)等の剛性材料から構成される。剛性部材の床根太及び天井根太の固定には、ボルト、釘、木ねじ、ビス等を用いることができる。また、剛性部材に固定金具を連結し、固定金具をボルト、釘、木ねじ、ビス等によって床根太及び天井根太に固定しても良い。
【0012】
本発明の一実施形態では、前記床根太(5)及び前記天井根太(6)の少なくとも一方と前記剛性部材(8)との間にダンパ(10A,10B)を介装することを特徴とする。
【0013】
このダンパは、例えば、熱可塑性樹脂やエラストマー等からなる。ダンパとして用いられる代表的なエラストマーとしては、天然ゴム、グラフト天然ゴム、天然トランス−ポリイソプレン、環化天然ゴム、塩化天然ゴム;スチレンブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム、トランスポリイソプレン、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、エチレン酢酸ビニルゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム、高シスブタジエンゴム、低シスブタジエンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、シリコーンゴム、アクリルゴム、エチレンアクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム、ニトリルゴム(NR)、カルボキシル化ニトリルゴム、ウレタンゴム等の合成ゴム;ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、スチレンブタジエンブロックコポリマー、エチレンプロピレンターポリマー等の熱可塑性エラストマー;または熱硬化性エラストマー;グラスウール、ロックウールなどの無機繊維類などが挙げられる。これらのエラストマーを単独、または混合して用いてもよく、場合により加硫剤(架橋剤)、加硫助剤(架橋助剤)、加硫促進剤(架橋促進剤)、充填剤、充填材改質剤、発泡剤、発泡助剤、老化防止剤、加工助剤、補強剤、軟化材、可塑剤、粘着付与剤、着色剤等の添加剤を混合することができる。
【0014】
本発明の一実施形態では、前記床根太(5)の延在方向及びその延在方向に垂直な方向に沿って複数の剛性部材(8)が配置されており、前記延在方向に垂直な方向で隣接する前記剛性部材(8)は、互い違いに配置されていることを特徴とする。
【0015】
本発明の一実施形態では、前記床根太(5)の延在方向及びその延在方向に垂直な方向に沿って複数の剛性部材(8)が配置されており、前記剛性部材(8)は、前記延在方向に垂直な方向で一直線上に並んで配置されていることを特徴とする。
【0016】
本発明の一実施形態では、前記剛性部材(8)は、前記床根太(5)の下面と、前記床根太(5)の下方において、隣接する天井根太(6)の互いに対向する側面とに固定されることを特徴とする。
【0017】
本発明の一実施形態では、前記剛性部材(8)は、前記天井根太(6)の上面と、前記天井根太(6)の上方において、隣接する前記床根太(5)の互いに対向する側面とに固定されることを特徴とする。
【0018】
本発明の一実施形態では、前記剛性部材(8)と、前記床根太(5)及び前記天井根太(6)の少なくとも一方との固定は、固定金具(11)によって行われることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】従来技術に係る防音床構造の断面図。
【図2】図1のII−II線に沿う矢視図(即ち伏図)である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る防音床構造の断面図。
【図4】本発明の第1実施形態に係る防音床構造の伏図。
【図5】本発明の第1実施形態に係る剛性部材の固定方法を説明する断面図。
【図6】本発明の第2実施形態に係る防音床構造の断面図。
【図7】本発明の第2実施形態に係る防音床構造の伏図。
【図8】本発明の第2実施形態に係る剛性部材の固定方法を説明する断面図。
【図9】本発明の第3実施形態に係る防音床構造の断面図。
【図10】本発明の第3実施形態に係る防音床構造の伏図。
【図11】本発明の第3実施形態に係る剛性部材の固定方法を説明する断面図。
【図12】本発明の第4実施形態に係る防音床構造の断面図。
【図13】本発明の第4実施形態に係る防音床構造の伏図。
【図14】本発明の第4実施形態に係る剛性部材の固定方法を説明する断面図。
【図15】本発明の第5実施形態に係る防音床構造の断面図。
【図16】本発明の第5実施形態に係る防音床構造の伏図。
【図17】本発明の第5実施形態に係る剛性部材の固定方法を説明する断面図。
【図18】重量床衝撃音レベル測定に用いた従来技術に係る防音床構造。
【図19】重量床衝撃音レベル測定に用いた本発明の第1実施例に係る防音床構造。
【図20】重量床衝撃音レベル測定に用いた本発明の第2実施例に係る防音床構造。
【図21】重量床衝撃音レベル測定の結果を示す表。
【図22】重量床衝撃音レベル測定の結果を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0020】
〔第1実施形態〕
図3は、本発明の第1実施形態に係る、ツーバイフォー工法の防音床構造1の断面図である。図4は、図2同様、この防音床構造1を界床側から見た伏図である。
【0021】
この防音床構造1は、上階と下階とを区画する構造であり、界床2と、天井4と、界床2と天井4との間の空間である天井懐内部3において、界床2に連結される床根太5及び天井4に連結される天井根太6とから構成される。
【0022】
界床2は、例えば、フローリング材2aと床合板2bとから構成される。天井4は、例えば、石膏ボードを複数重ねて表面にボード用紙を被覆した天井用プラスターボードで構成される。天井用プラスターボードの室内側には、一般に天井用壁紙が貼りつけられる。床根太5は、天井懐内部3において、例えば釘止めによって、界床2の床合板2bに固定される。天井根太6は、床根太5の下方で例えば、釘止めによって天井4に固定される。本実施形態では、図4に示すように、5本の床根太5と6本の天井根太6が交互に平行に配置され、床根太5及び天井根太6の両端部は端根太5Aに固定され、更に各端根太5Aの両端は互いに側根太5Bによって連結されている。天井根太6の上面には、ガラスウール、ロックウール等からなる吸音材7が設けられる。なお、吸収材7は、本発明に必須の構成ではなく、省略することも可能である。
【0023】
本実施形態では、床根太5と天井根太6とは、剛性部材8によって緊結される。図5は、剛性部材8の固定方法を説明する図である。剛性部材8は、床根太5の下面と、床根太5の下方において、隣接する天井根太6の互いに対向する側面とに固定され、床根太5と天井根太6とを緊結する。より詳細には、先ず、隣接する天井根太6の間において、床根太5の下面に剛性部材8を配置する。そして、剛性部材8の下方から剛性部材8及び床根太5の下面に固定部材9を打ち込む又はねじ込んで、剛性部材8を床根太6の下面に固定する。また、天井根太6の側方から天井根太6及び剛性部材8に固定部材9を打ち込む又はねじ込んで、剛性部材8を天井根太6の側面に固定する。固定部材9としては、釘、木ねじ、ビス、ボルト等を用いることができる。
【0024】
剛性部材8は、鉄などの金属、木材、樹脂(プラスチック)等の剛性材料から構成される。剛性部材8は、四角柱状であり、隣接する天井根太6の間の間隔に対応した長さを有し、床根太5の下面と天井4の上面との間の隙間に対応する厚みを有する。但し、床根太5及び天井根太6に適切に固定可能な形状であれば、四角柱状以外の角柱形状であっても良い。
【0025】
剛性部材8は、図4に示すように、各床根太5にその延在方向に沿って複数設けられるが、隣接する床根太5に固定される剛性部材8は、延在方向において互い違いになるように配置されている。これにより、剛性部材8が配置された箇所で、床根太5と天井根太6とが部分的に緊結される。
【0026】
以上のように構成された防音床構造1では、剛性部材8によって床根太5と天井根太6とを緊結するため、界床2と天井4とが構造的に一体化される。本願発明の発明者は、界床2と天井4とが構造的に一体化された構造では、床剛性が向上して、界床2に衝撃が加わった場合、界床2側の振動と天井4側の振動とに位相遅れが生じ、界床2側の振動と天井4側の振動が互いに弱めあうため、従来のように界床と天井を構造的に分離する構造よりも更に顕著に重量床衝撃音レベルを低減できることを発見し、上述したように、剛性部材8によって界床と天井とを構造的に一体化させる構成としてものである。上述のように、界床2側の振動と天井4側の振動とに位相遅れが生じると、床2及び床根太5が下方に移動しようとする場合には、天井根太6が剛性部材8を介して床2及び床根太5の下方への移動を阻止するように作用し、一方、床2及び床根太5が上方に移動しようとする場合には、天井根太6が剛性部材8を介して床2及び床根太5の上方への移動を阻止するように作用することになり、その結果、界床2側の振動と天井4側の振動とが互いに打ち消し合う。
【0027】
以上述べた通り、本実施形態によれば、剛性部材8によって床根太5と天井根太6とを緊結、即ち、界床と天井とを構造的に一体化させて床剛性を向上させることにより、床根太5側の振動と天井根太6側の振動とに位相遅れを生じさせて互いに打ち消し合わせ、界床と天井とを構造的に分離する従来の構造と比較して、重量床衝撃音レベルを顕著に改善することが可能である。
【0028】
また、本実施形態では、図4に示すように、剛性部材8を部分的に配置して、床根太5と天井根太6とを部分的に緊結するため、床全面で床根太5と天井根太6とを緊結する場合に比較して、部材のコスト及び施工の工数を低減することができる。
【0029】
また、本実施形態では、図5に示すように、釘、木ねじ、ビス、ボルト等を用いて固定部材8を床根太5及び天井根太6に固定できるので、施工が容易である。
【0030】
〔第2実施形態〕
図6は、本発明の第2実施形態に係る、ツーバイフォー工法の防音床構造1の断面図である。図7は、この防音床構造1を界床側から見た伏図である。図8は、第2実施形態における剛性部材8の固定方法を説明する図である。
【0031】
本実施形態に係る防音床構造1は、図6及び図8に示すように、第1実施形態に係る防音床構造1において、床根太5の下面と剛性部材8との間に弾性体からなるダンパ(制振材)10を介装したものである。剛性部材8の平面的な配置は、図7の伏図に示すように、第1実施形態と同様である。但し、床根太5の下面と剛性部材8との間にダンパ10が介装されるため、図8に示すように、剛性部材8の厚みは、第1実施形態の剛性部材8の厚さと比較して、ダンパ10の厚みだけ低減されている。ダンパ10は、例えば、熱可塑性樹脂やエラストマー等からなる。ダンパ10として用いられる代表的なエラストマーとしては、天然ゴム、グラフト天然ゴム、天然トランス−ポリイソプレン、環化天然ゴム、塩化天然ゴム;スチレンブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム、トランスポリイソプレン、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、エチレン酢酸ビニルゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム、高シスブタジエンゴム、低シスブタジエンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、シリコーンゴム、アクリルゴム、エチレンアクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム、ニトリルゴム(NR)、カルボキシル化ニトリルゴム、ウレタンゴム等の合成ゴム;ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、スチレンブタジエンブロックコポリマー、エチレンプロピレンターポリマー等の熱可塑性エラストマー;または熱硬化性エラストマー;グラスウール、ロックウールなどの無機繊維類などが挙げられる。これらのエラストマーを単独、または混合して用いてもよく、場合により加硫剤(架橋剤)、加硫助剤(架橋助剤)、加硫促進剤(架橋促進剤)、充填剤、充填材改質剤、発泡剤、発泡助剤、老化防止剤、加工助剤、補強剤、軟化材、可塑剤、粘着付与剤、着色剤等の添加剤を混合することができる。
【0032】
剛性部材8の固定は、図8に示すように、床根太5の下面と剛性部材8の上面との間にダンパ10を介装した後に、ダンパ10とともに剛性部材8を固定部材9によって床根太8に固定する。また、剛性部材8を固定部材9によって天井根太6に固定する。
【0033】
本実施形態によれば、ダンパ10によって、剛性部材8による緊結の程度を調整することによって、重量床衝撃音レベルをより効果的に低減することができる。
【0034】
〔第3実施形態〕
図9は、本発明の第3実施形態に係る、ツーバイフォー工法の防音床構造1の断面図である。図10は、この防音床構造1を界床側から見た伏図である。図11は、第3実施形態における剛性部材8の固定方法を説明する図である。
【0035】
第1実施形態に係る防音床構造1では、隣接する床根太5において剛性部材8が互い違いに配置されるが、本実施形態に係る防音床構造1では、図10に示すように、隣接する床根太5において床根太5の延在方向の同一位置に剛性部材8が配置されており、剛性部材8が床根太5の延在方向に垂直な方向に一直線上に延びるように配置される。
【0036】
本実施形態では、剛性部材8を一直線上に配置するため、図9及び図11に示すように、固定金具11を用いて剛性部材8の両端を天井根太6に固定する。これらの図から分かるように、剛性部材8の長さは、第1実施形態の剛性部材8の長さに比較して、両端に固定された2つの固定金具11の分だけ短い。剛性部材8の床根太5及び天井根太6への固定は、剛性部材8の両端面に固定金具11を釘等で固定おき、図11に示すように、固定金具11を取り付けられた剛性部材8を、隣接する天井根太6の間において床根太5の下面に配置し、剛性部材8の下面から床根太5に固定部材9を打ち込む又はねじ込んで、剛性部材8及び床根太5を固定する。更に、両端の固定金具11側から固定部材9を天井根太6の側面に打ち込む又はねじ込んで、剛性部材8を天井根太6に固定する。
【0037】
本実施形態によれば、剛性部材8を一直線上に配置することによって、床根太5と天井根太6の固定個所を増加させ、床根太5と天井根太6との緊結の程度を調整することが可能である。
【0038】
〔第4実施形態〕
図12は、本発明の第4実施形態に係る、ツーバイフォー工法の防音床構造1の断面図である。図13は、この防音床構造1を界床側から見た伏図である。図14は、第4実施形態における剛性部材8の固定方法を説明する図である。
【0039】
本実施形態に係る防音床構造1では、図12及び図13に示すように、第3実施形態と同様に、床根太5の延在方向に垂直な方向に沿って、剛性部材8が一直線上に連続して配置されるとともに、第2実施形態と同様に、剛性部材8と床根太5との間にダンパ10が介装される。
【0040】
本実施形態では、剛性部材8を一直線上に配置するため、図12及び図14に示すように、固定金具11を用いて剛性部材8の両端を天井根太6に固定する。これらの図から分かるように、剛性部材8の長さは、第1実施形態の剛性部材8の長さに比較して、両端に固定された2つの固定金具11の分だけ短い。剛性部材8の床根太5及び天井根太6への固定は、剛性部材8の両端面に固定金具11を釘等で固定おき、図14に示すように、両端に固定金具11を取り付けられた剛性部材8を、隣接する天井根太6の間において床根太5の下面にダンパ10を介して配置し、剛性部材8側からダンパ10及び床根太5に固定部材9を打ち込む又はねじ込んで、剛性部材8、ダンパ10及び床根太5を固定する。更に、両端の固定金具11側から固定部材9を天井根太6の側面に打ち込む又はねじ込んで、剛性部材8を天井根太6に固定する。
【0041】
本実施形態によれば、剛性部材8を一直線上に配置することによって、床根太5と天井根太6の固定個所を増加させ、床根太5と天井根太6との緊結の程度を調整できるとともに、ダンパ10によって、剛性部材8による床根太5と天井根太6との緊結の程度を調整することが出来る。
【0042】
〔第5実施形態〕
図15は、本発明の第5実施形態に係る、ツーバイフォー工法の防音床構造1の断面図である。図16は、この防音床構造1を天井4側から見た伏図である。図17は、第5実施形態における剛性部材8の固定方法を説明する図である。
【0043】
本実施形態に係る防音床構造1では、図15及び図16に示すように、第1実施形態と同様に、隣接する床根太5において剛性部材8を互い違いに配置するが、剛性部材8の側面と天井根太6との間にダンパ10が介装されている。剛性部材8の長さは、両端に配置されるダンパ10の厚みの分だけ、第1実施形態の構造と比較して短い。
【0044】
本実施形態では、図17に示すように、剛性部材8の両側端面と天井根太6の側面との間にダンパ10を介装するように、剛性部材8を床根太5の下面に配置し、剛性部材8側から固定部材9を床根太5に打ち込み又はねじ込んで、剛性部材8を床根太5に固定する。次に、天井根太6側から固定部材9を天井根太6、ダンパ10及び剛性部材8に打ち込み又はねじ込んで、剛性部材8及びダンパ10を天井根太6に固定する。なお、先に、剛性部材8及びダンパ10を天井根太6に固定し、剛性部材8を床根太5に固定しても良い。
【0045】
本実施形態によれば、剛性部材8と天井根太6との間に介装されたダンパ10によって、剛性部材8による床根太5と天井根太6との緊結の程度を調整することが出来る。
【0046】
〔他の実施形態〕
上記実施形態では、剛性部材8は、床根太5の下面と、床根太5の下方において、隣接する天井根太6の互いに対向する側面とに固定したが、剛性部材8は、天井根太6の上面と、天井根太6の上方において、隣接する床根太5の互いに対向する側面とに固定することも可能である。吸収材7を天井根太6の上面に配置する場合には、吸収材7上に剛性部材8を配置し、吸収材7を介装した状態で剛性部材8を天井根太6の上面に釘等の固定部材で固定しても良い。
【0047】
上記実施形態では、剛性部材8の両端部を固定金具11によって天井根太6に固定したが(図9、図12)、剛性部材8の上面を固定金具によって床根太5の下面に固定しても良い。
【0048】
上記実施形態では、剛性部材8と床根太5との間(第2,4実施形態)又は剛性部材8と天井根太6との間(第5実施形態)の何れか一方にダンパ10を配置したが、剛性部材8及びダンパ10による緊結の程度を維持できる範囲(床剛性を十分に確保できる範囲)であれば、剛性部材8と床根太5との間及び剛性部材8と天井根太6との間の両方にダンパ10を配置して、床根太5と天井根太6との緊結の程度を調整することも可能である。
【0049】
また、固定金具11と床根太5との間にダンパ10を介装して固定し、固定金具11に剛性部材8を取り付けても良い。
【0050】
上記実施形態では、剛性部材8を部分的に配置して床根太5と天井根太6とを部分的に緊結したが、例えば剛性部材8を床全面に配置して、床全面で床根太5と天井根太6とを緊結しても良い。
【実施例】
【0051】
図18〜図20に示す防音床構造の具体例に対して、重量床衝撃音レベルの測定を行った。
【0052】
図18は、比較例としての従来技術に係る防音床構造の具体例を示す。この防音床構造は、図1及び図2に示す床根太及び天井根太を緊結しない防音床構造において、図18に示す材料及び寸法、及び、図2に示す寸法を採用したものである。図2の伏図において、床根太5のピッチ及び天井根太6のピッチは共に455mmである。また、2730mm×3640mmの枠内に、床根太5が5本配置され、天井根太6が6本配置されており、床根太5及び天井根太6は互いに平行に且つ交互に配置されている。
【0053】
図19は、実施例1に係る防音床構造の具体例を示す。この防音床構造は、図3〜図5に示す第1実施形態に係る防音床構造において、図19に示す材料及び寸法、並びに、図4に示す寸法を採用したものである。図4及び図5に示すように、実施例1に係る防音床構造は、比較例の防音構造(図18,図2)において、910mmピッチで互い違いに配置した剛性部材8によって床根太5と天井根太6を緊結したものである。なお、剛性部材8には、厚さ×幅×長さ:38mm×89mm×455mmの木材を用いた。
【0054】
図20は、実施例2に係る防音床構造の具体例を示す。この防音床構造は、図6〜図8に示す第2実施形態に係る防音床構造において、図20に示す材料及び寸法、並びに、図7に示す寸法を採用したものである。図7及び図8に示すように、実施例2に係る防音床構造は、実施例1(図19)の防音床構造において、剛性部材8と床根太5との間にダンパ(厚19mm×φ)を配置したものである。なお、剛性部材8には、実施例1同様に木材を用い、ダンパ10には弾性体(合成ゴム)を用いた。但し、剛性部材8の寸法は、厚さ×幅×長さ:19mm×89mm×455mmであり、実施例1の剛性部材8の厚さ38mmと比較して、ダンパ10の厚さ19mmだけ薄く形成されている。
【0055】
図21は、比較例1、実施例1,2に対して重量床衝撃音レベルを測定した結果を示す表であり、図22は測定結果をグラフに表したものである。本測定の試験場所及び試験機関は、本出願人である埼玉ゴム工業株式会社であり、試験方法は、JIS A 1418−2に準拠する。
【0056】
図21及び図22に示す測定結果から、重量床衝撃音レベルを最も顕著に表すオクターブバンド中心周波数=63Hzの床衝撃音レベルにおいて、実施例1の防音床構造では、比較例(従来技術)に対して、床衝撃音レベルが1.8dB改善し、重量床衝撃音レベルを顕著に改善できることが分かる。また、剛性部材8と床根太5との間にダンパ10を介装した実施例2の防音床構造では、比較例(従来技術)に対して、床衝撃音レベルが2.8dB改善しており、実施例1の構造よりも更に効果的に改善できることが分かる。
【0057】
以上説明したように、本発明によれば、剛性部材8によって床根太5と天井根太6とを緊結、即ち、界床と天井とを構造的に一体化させて床剛性を向上させることにより、床根太5側の振動と天井根太6側の振動とに位相遅れを生じさせて互いに打ち消し合せるので、界床と天井とを構造的に分離する従来の構造と比較して、重量床衝撃音レベルを顕著に改善することが可能である。
【0058】
また、本発明によれば、床根太5と天井根太6の固定は、必ずしも全面で行う必要はなく、界床や天井の材質等に応じて部分的に行うこともできるので、部材のコストや施工の工数の面で有利である。
【0059】
更に、剛性部材8の床根太5及び天井根太6への固定は、釘、木ねじ、ビス、ボルト等の固定部材9を用いて直接固定するか、又は、固定金具11を用いて固定することができるので、施工が容易である。また、ダンパ10を設ける場合にも、剛性部材8と床根太5との間、剛性部材8と天井根太6との間にダンパ10を介装した状態で固定部材9によって剛性部材8及びダンパ10を固定すれば良いので、施工が容易である。
【符号の説明】
【0060】
1 防音床構造
2 界床
3 天井懐内部
4 天井
5 床根太
6 天井根太
7 吸音材
8 剛性部材
9 固定部材
10 ダンパ
11 固定金具
【技術分野】
【0001】
本発明は、ツーバイフォー工法による建築物に於いて、上階から下階への床衝撃音の伝達を低減させるための防音床構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ツーバイフォー工法における界床の床衝撃音の低減を図る防音床構造としては、従来、例えば、特許文献1に記載された防音床構造1がある。この防音床構造1の断面図及び伏図を図1及び図2に示す。これらの図において、2は、床合板2b上にフローリング材2aを置いた構造の例えば2階の界床であり、4は、天井用プラスターボード(石膏ボード)からなる例えば1階の天井であり、3は、界床2と天井4との間の空間としての天井懐内部である。界床2の下面には床根太5が取り付けられ、且つ、天井4の上面には天井根太6が取り付けられている。この防音床構造1では、天井根太6上に例えばロックウールからなる吸音材7を配置し、更に天井4を構成する石膏ボード上に防音材としての制振材(図示せず)を張り付けることにより、軽量床衝撃音レベルのみならず、重量床衝撃音レベルの低減を図ろうとしている。軽量床衝撃音レベル及び重量床衝撃音レベルは、JIS A 1418−1:2000及び2:2000にそれぞれ定められており、前者は、例えば、靴底やスリッパ等で床を叩いたときに生じるコツコツという衝撃音のレベルであり、後者は、例えば、子供が高所から床に飛び降りたとき等に生じるドシンという衝撃音のレベルである。
【0003】
しかし、特許文献1の構造によっても、重量衝撃音の低減は十分ではなく、上階(例えば2階、3階)で発生する生活音は階下に騒音をもたらし、これを十分に改善する工法、構造は見出されていない。特に生活騒音は、戸建に於いては許容できる範囲も、集合住宅に於いては、しばしばトラブルを起こす事となっている。
【0004】
特許文献1の構造を含め従来の防音床構造では、床根太5と天井根太6とを構造的に分離し、つまり界床2と天井4とを構造的に分離した構造によって、界床2から天井4への騒音の伝達を緩和する構成である。しかしながら、このような界床と天井を構造的に分離する構成による重量床衝撃音の低減には限界があり、新規な観点から騒音を緩和することが求められる。
【0005】
また、特許文献1の構造では、500Hz〜4kHzの周波数範囲の床衝撃音を低減することを目的としているが、重量床衝撃音は63Hz近傍の周波数で最も顕著に発生するため、この周波数において床衝撃音レベルを低減する必要がある。従って、63Hzの周波数での床衝撃音の低減に対応した防音床構造が必要とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−14073(第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、ツーバイフォー工法の防音床構造において、重量床衝撃音の低減を更に向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ツーバイフォー工法の防音床構造において、界床(2)と天井(4)との間の空間である天井懐内部(3)において、前記界床(2)に固定された床根太(5)と、前記天井(4)に固定された天井根太(6)とを少なくとも部分的に緊結することを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、床根太と天井根太とを緊結、即ち、界床と天井とを構造的に一体化させて床剛性を向上させることにより、床根太側の振動と天井根太側の振動とに位相遅れが生じ、床根太側の振動と天井根太側の振動が打ち消し合い低減する。これにより、界床と天井とを構造的に分離する従来の構造と比較して、重量床衝撃音レベルを顕著に改善することが可能である。
【0010】
本発明の一実施形態では、前記床根太(5)及び前記天井根太(6)に剛性部材(8)を固定することによって、前記床根太(5)及び前記天井根太(6)を少なくとも部分的に緊結することを特徴とする。
【0011】
ここで、剛性部材は、例えば、鉄などの金属、木材、樹脂(プラスチック)等の剛性材料から構成される。剛性部材の床根太及び天井根太の固定には、ボルト、釘、木ねじ、ビス等を用いることができる。また、剛性部材に固定金具を連結し、固定金具をボルト、釘、木ねじ、ビス等によって床根太及び天井根太に固定しても良い。
【0012】
本発明の一実施形態では、前記床根太(5)及び前記天井根太(6)の少なくとも一方と前記剛性部材(8)との間にダンパ(10A,10B)を介装することを特徴とする。
【0013】
このダンパは、例えば、熱可塑性樹脂やエラストマー等からなる。ダンパとして用いられる代表的なエラストマーとしては、天然ゴム、グラフト天然ゴム、天然トランス−ポリイソプレン、環化天然ゴム、塩化天然ゴム;スチレンブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム、トランスポリイソプレン、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、エチレン酢酸ビニルゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム、高シスブタジエンゴム、低シスブタジエンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、シリコーンゴム、アクリルゴム、エチレンアクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム、ニトリルゴム(NR)、カルボキシル化ニトリルゴム、ウレタンゴム等の合成ゴム;ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、スチレンブタジエンブロックコポリマー、エチレンプロピレンターポリマー等の熱可塑性エラストマー;または熱硬化性エラストマー;グラスウール、ロックウールなどの無機繊維類などが挙げられる。これらのエラストマーを単独、または混合して用いてもよく、場合により加硫剤(架橋剤)、加硫助剤(架橋助剤)、加硫促進剤(架橋促進剤)、充填剤、充填材改質剤、発泡剤、発泡助剤、老化防止剤、加工助剤、補強剤、軟化材、可塑剤、粘着付与剤、着色剤等の添加剤を混合することができる。
【0014】
本発明の一実施形態では、前記床根太(5)の延在方向及びその延在方向に垂直な方向に沿って複数の剛性部材(8)が配置されており、前記延在方向に垂直な方向で隣接する前記剛性部材(8)は、互い違いに配置されていることを特徴とする。
【0015】
本発明の一実施形態では、前記床根太(5)の延在方向及びその延在方向に垂直な方向に沿って複数の剛性部材(8)が配置されており、前記剛性部材(8)は、前記延在方向に垂直な方向で一直線上に並んで配置されていることを特徴とする。
【0016】
本発明の一実施形態では、前記剛性部材(8)は、前記床根太(5)の下面と、前記床根太(5)の下方において、隣接する天井根太(6)の互いに対向する側面とに固定されることを特徴とする。
【0017】
本発明の一実施形態では、前記剛性部材(8)は、前記天井根太(6)の上面と、前記天井根太(6)の上方において、隣接する前記床根太(5)の互いに対向する側面とに固定されることを特徴とする。
【0018】
本発明の一実施形態では、前記剛性部材(8)と、前記床根太(5)及び前記天井根太(6)の少なくとも一方との固定は、固定金具(11)によって行われることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】従来技術に係る防音床構造の断面図。
【図2】図1のII−II線に沿う矢視図(即ち伏図)である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る防音床構造の断面図。
【図4】本発明の第1実施形態に係る防音床構造の伏図。
【図5】本発明の第1実施形態に係る剛性部材の固定方法を説明する断面図。
【図6】本発明の第2実施形態に係る防音床構造の断面図。
【図7】本発明の第2実施形態に係る防音床構造の伏図。
【図8】本発明の第2実施形態に係る剛性部材の固定方法を説明する断面図。
【図9】本発明の第3実施形態に係る防音床構造の断面図。
【図10】本発明の第3実施形態に係る防音床構造の伏図。
【図11】本発明の第3実施形態に係る剛性部材の固定方法を説明する断面図。
【図12】本発明の第4実施形態に係る防音床構造の断面図。
【図13】本発明の第4実施形態に係る防音床構造の伏図。
【図14】本発明の第4実施形態に係る剛性部材の固定方法を説明する断面図。
【図15】本発明の第5実施形態に係る防音床構造の断面図。
【図16】本発明の第5実施形態に係る防音床構造の伏図。
【図17】本発明の第5実施形態に係る剛性部材の固定方法を説明する断面図。
【図18】重量床衝撃音レベル測定に用いた従来技術に係る防音床構造。
【図19】重量床衝撃音レベル測定に用いた本発明の第1実施例に係る防音床構造。
【図20】重量床衝撃音レベル測定に用いた本発明の第2実施例に係る防音床構造。
【図21】重量床衝撃音レベル測定の結果を示す表。
【図22】重量床衝撃音レベル測定の結果を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0020】
〔第1実施形態〕
図3は、本発明の第1実施形態に係る、ツーバイフォー工法の防音床構造1の断面図である。図4は、図2同様、この防音床構造1を界床側から見た伏図である。
【0021】
この防音床構造1は、上階と下階とを区画する構造であり、界床2と、天井4と、界床2と天井4との間の空間である天井懐内部3において、界床2に連結される床根太5及び天井4に連結される天井根太6とから構成される。
【0022】
界床2は、例えば、フローリング材2aと床合板2bとから構成される。天井4は、例えば、石膏ボードを複数重ねて表面にボード用紙を被覆した天井用プラスターボードで構成される。天井用プラスターボードの室内側には、一般に天井用壁紙が貼りつけられる。床根太5は、天井懐内部3において、例えば釘止めによって、界床2の床合板2bに固定される。天井根太6は、床根太5の下方で例えば、釘止めによって天井4に固定される。本実施形態では、図4に示すように、5本の床根太5と6本の天井根太6が交互に平行に配置され、床根太5及び天井根太6の両端部は端根太5Aに固定され、更に各端根太5Aの両端は互いに側根太5Bによって連結されている。天井根太6の上面には、ガラスウール、ロックウール等からなる吸音材7が設けられる。なお、吸収材7は、本発明に必須の構成ではなく、省略することも可能である。
【0023】
本実施形態では、床根太5と天井根太6とは、剛性部材8によって緊結される。図5は、剛性部材8の固定方法を説明する図である。剛性部材8は、床根太5の下面と、床根太5の下方において、隣接する天井根太6の互いに対向する側面とに固定され、床根太5と天井根太6とを緊結する。より詳細には、先ず、隣接する天井根太6の間において、床根太5の下面に剛性部材8を配置する。そして、剛性部材8の下方から剛性部材8及び床根太5の下面に固定部材9を打ち込む又はねじ込んで、剛性部材8を床根太6の下面に固定する。また、天井根太6の側方から天井根太6及び剛性部材8に固定部材9を打ち込む又はねじ込んで、剛性部材8を天井根太6の側面に固定する。固定部材9としては、釘、木ねじ、ビス、ボルト等を用いることができる。
【0024】
剛性部材8は、鉄などの金属、木材、樹脂(プラスチック)等の剛性材料から構成される。剛性部材8は、四角柱状であり、隣接する天井根太6の間の間隔に対応した長さを有し、床根太5の下面と天井4の上面との間の隙間に対応する厚みを有する。但し、床根太5及び天井根太6に適切に固定可能な形状であれば、四角柱状以外の角柱形状であっても良い。
【0025】
剛性部材8は、図4に示すように、各床根太5にその延在方向に沿って複数設けられるが、隣接する床根太5に固定される剛性部材8は、延在方向において互い違いになるように配置されている。これにより、剛性部材8が配置された箇所で、床根太5と天井根太6とが部分的に緊結される。
【0026】
以上のように構成された防音床構造1では、剛性部材8によって床根太5と天井根太6とを緊結するため、界床2と天井4とが構造的に一体化される。本願発明の発明者は、界床2と天井4とが構造的に一体化された構造では、床剛性が向上して、界床2に衝撃が加わった場合、界床2側の振動と天井4側の振動とに位相遅れが生じ、界床2側の振動と天井4側の振動が互いに弱めあうため、従来のように界床と天井を構造的に分離する構造よりも更に顕著に重量床衝撃音レベルを低減できることを発見し、上述したように、剛性部材8によって界床と天井とを構造的に一体化させる構成としてものである。上述のように、界床2側の振動と天井4側の振動とに位相遅れが生じると、床2及び床根太5が下方に移動しようとする場合には、天井根太6が剛性部材8を介して床2及び床根太5の下方への移動を阻止するように作用し、一方、床2及び床根太5が上方に移動しようとする場合には、天井根太6が剛性部材8を介して床2及び床根太5の上方への移動を阻止するように作用することになり、その結果、界床2側の振動と天井4側の振動とが互いに打ち消し合う。
【0027】
以上述べた通り、本実施形態によれば、剛性部材8によって床根太5と天井根太6とを緊結、即ち、界床と天井とを構造的に一体化させて床剛性を向上させることにより、床根太5側の振動と天井根太6側の振動とに位相遅れを生じさせて互いに打ち消し合わせ、界床と天井とを構造的に分離する従来の構造と比較して、重量床衝撃音レベルを顕著に改善することが可能である。
【0028】
また、本実施形態では、図4に示すように、剛性部材8を部分的に配置して、床根太5と天井根太6とを部分的に緊結するため、床全面で床根太5と天井根太6とを緊結する場合に比較して、部材のコスト及び施工の工数を低減することができる。
【0029】
また、本実施形態では、図5に示すように、釘、木ねじ、ビス、ボルト等を用いて固定部材8を床根太5及び天井根太6に固定できるので、施工が容易である。
【0030】
〔第2実施形態〕
図6は、本発明の第2実施形態に係る、ツーバイフォー工法の防音床構造1の断面図である。図7は、この防音床構造1を界床側から見た伏図である。図8は、第2実施形態における剛性部材8の固定方法を説明する図である。
【0031】
本実施形態に係る防音床構造1は、図6及び図8に示すように、第1実施形態に係る防音床構造1において、床根太5の下面と剛性部材8との間に弾性体からなるダンパ(制振材)10を介装したものである。剛性部材8の平面的な配置は、図7の伏図に示すように、第1実施形態と同様である。但し、床根太5の下面と剛性部材8との間にダンパ10が介装されるため、図8に示すように、剛性部材8の厚みは、第1実施形態の剛性部材8の厚さと比較して、ダンパ10の厚みだけ低減されている。ダンパ10は、例えば、熱可塑性樹脂やエラストマー等からなる。ダンパ10として用いられる代表的なエラストマーとしては、天然ゴム、グラフト天然ゴム、天然トランス−ポリイソプレン、環化天然ゴム、塩化天然ゴム;スチレンブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム、トランスポリイソプレン、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、エチレン酢酸ビニルゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム、高シスブタジエンゴム、低シスブタジエンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、シリコーンゴム、アクリルゴム、エチレンアクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム、ニトリルゴム(NR)、カルボキシル化ニトリルゴム、ウレタンゴム等の合成ゴム;ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、スチレンブタジエンブロックコポリマー、エチレンプロピレンターポリマー等の熱可塑性エラストマー;または熱硬化性エラストマー;グラスウール、ロックウールなどの無機繊維類などが挙げられる。これらのエラストマーを単独、または混合して用いてもよく、場合により加硫剤(架橋剤)、加硫助剤(架橋助剤)、加硫促進剤(架橋促進剤)、充填剤、充填材改質剤、発泡剤、発泡助剤、老化防止剤、加工助剤、補強剤、軟化材、可塑剤、粘着付与剤、着色剤等の添加剤を混合することができる。
【0032】
剛性部材8の固定は、図8に示すように、床根太5の下面と剛性部材8の上面との間にダンパ10を介装した後に、ダンパ10とともに剛性部材8を固定部材9によって床根太8に固定する。また、剛性部材8を固定部材9によって天井根太6に固定する。
【0033】
本実施形態によれば、ダンパ10によって、剛性部材8による緊結の程度を調整することによって、重量床衝撃音レベルをより効果的に低減することができる。
【0034】
〔第3実施形態〕
図9は、本発明の第3実施形態に係る、ツーバイフォー工法の防音床構造1の断面図である。図10は、この防音床構造1を界床側から見た伏図である。図11は、第3実施形態における剛性部材8の固定方法を説明する図である。
【0035】
第1実施形態に係る防音床構造1では、隣接する床根太5において剛性部材8が互い違いに配置されるが、本実施形態に係る防音床構造1では、図10に示すように、隣接する床根太5において床根太5の延在方向の同一位置に剛性部材8が配置されており、剛性部材8が床根太5の延在方向に垂直な方向に一直線上に延びるように配置される。
【0036】
本実施形態では、剛性部材8を一直線上に配置するため、図9及び図11に示すように、固定金具11を用いて剛性部材8の両端を天井根太6に固定する。これらの図から分かるように、剛性部材8の長さは、第1実施形態の剛性部材8の長さに比較して、両端に固定された2つの固定金具11の分だけ短い。剛性部材8の床根太5及び天井根太6への固定は、剛性部材8の両端面に固定金具11を釘等で固定おき、図11に示すように、固定金具11を取り付けられた剛性部材8を、隣接する天井根太6の間において床根太5の下面に配置し、剛性部材8の下面から床根太5に固定部材9を打ち込む又はねじ込んで、剛性部材8及び床根太5を固定する。更に、両端の固定金具11側から固定部材9を天井根太6の側面に打ち込む又はねじ込んで、剛性部材8を天井根太6に固定する。
【0037】
本実施形態によれば、剛性部材8を一直線上に配置することによって、床根太5と天井根太6の固定個所を増加させ、床根太5と天井根太6との緊結の程度を調整することが可能である。
【0038】
〔第4実施形態〕
図12は、本発明の第4実施形態に係る、ツーバイフォー工法の防音床構造1の断面図である。図13は、この防音床構造1を界床側から見た伏図である。図14は、第4実施形態における剛性部材8の固定方法を説明する図である。
【0039】
本実施形態に係る防音床構造1では、図12及び図13に示すように、第3実施形態と同様に、床根太5の延在方向に垂直な方向に沿って、剛性部材8が一直線上に連続して配置されるとともに、第2実施形態と同様に、剛性部材8と床根太5との間にダンパ10が介装される。
【0040】
本実施形態では、剛性部材8を一直線上に配置するため、図12及び図14に示すように、固定金具11を用いて剛性部材8の両端を天井根太6に固定する。これらの図から分かるように、剛性部材8の長さは、第1実施形態の剛性部材8の長さに比較して、両端に固定された2つの固定金具11の分だけ短い。剛性部材8の床根太5及び天井根太6への固定は、剛性部材8の両端面に固定金具11を釘等で固定おき、図14に示すように、両端に固定金具11を取り付けられた剛性部材8を、隣接する天井根太6の間において床根太5の下面にダンパ10を介して配置し、剛性部材8側からダンパ10及び床根太5に固定部材9を打ち込む又はねじ込んで、剛性部材8、ダンパ10及び床根太5を固定する。更に、両端の固定金具11側から固定部材9を天井根太6の側面に打ち込む又はねじ込んで、剛性部材8を天井根太6に固定する。
【0041】
本実施形態によれば、剛性部材8を一直線上に配置することによって、床根太5と天井根太6の固定個所を増加させ、床根太5と天井根太6との緊結の程度を調整できるとともに、ダンパ10によって、剛性部材8による床根太5と天井根太6との緊結の程度を調整することが出来る。
【0042】
〔第5実施形態〕
図15は、本発明の第5実施形態に係る、ツーバイフォー工法の防音床構造1の断面図である。図16は、この防音床構造1を天井4側から見た伏図である。図17は、第5実施形態における剛性部材8の固定方法を説明する図である。
【0043】
本実施形態に係る防音床構造1では、図15及び図16に示すように、第1実施形態と同様に、隣接する床根太5において剛性部材8を互い違いに配置するが、剛性部材8の側面と天井根太6との間にダンパ10が介装されている。剛性部材8の長さは、両端に配置されるダンパ10の厚みの分だけ、第1実施形態の構造と比較して短い。
【0044】
本実施形態では、図17に示すように、剛性部材8の両側端面と天井根太6の側面との間にダンパ10を介装するように、剛性部材8を床根太5の下面に配置し、剛性部材8側から固定部材9を床根太5に打ち込み又はねじ込んで、剛性部材8を床根太5に固定する。次に、天井根太6側から固定部材9を天井根太6、ダンパ10及び剛性部材8に打ち込み又はねじ込んで、剛性部材8及びダンパ10を天井根太6に固定する。なお、先に、剛性部材8及びダンパ10を天井根太6に固定し、剛性部材8を床根太5に固定しても良い。
【0045】
本実施形態によれば、剛性部材8と天井根太6との間に介装されたダンパ10によって、剛性部材8による床根太5と天井根太6との緊結の程度を調整することが出来る。
【0046】
〔他の実施形態〕
上記実施形態では、剛性部材8は、床根太5の下面と、床根太5の下方において、隣接する天井根太6の互いに対向する側面とに固定したが、剛性部材8は、天井根太6の上面と、天井根太6の上方において、隣接する床根太5の互いに対向する側面とに固定することも可能である。吸収材7を天井根太6の上面に配置する場合には、吸収材7上に剛性部材8を配置し、吸収材7を介装した状態で剛性部材8を天井根太6の上面に釘等の固定部材で固定しても良い。
【0047】
上記実施形態では、剛性部材8の両端部を固定金具11によって天井根太6に固定したが(図9、図12)、剛性部材8の上面を固定金具によって床根太5の下面に固定しても良い。
【0048】
上記実施形態では、剛性部材8と床根太5との間(第2,4実施形態)又は剛性部材8と天井根太6との間(第5実施形態)の何れか一方にダンパ10を配置したが、剛性部材8及びダンパ10による緊結の程度を維持できる範囲(床剛性を十分に確保できる範囲)であれば、剛性部材8と床根太5との間及び剛性部材8と天井根太6との間の両方にダンパ10を配置して、床根太5と天井根太6との緊結の程度を調整することも可能である。
【0049】
また、固定金具11と床根太5との間にダンパ10を介装して固定し、固定金具11に剛性部材8を取り付けても良い。
【0050】
上記実施形態では、剛性部材8を部分的に配置して床根太5と天井根太6とを部分的に緊結したが、例えば剛性部材8を床全面に配置して、床全面で床根太5と天井根太6とを緊結しても良い。
【実施例】
【0051】
図18〜図20に示す防音床構造の具体例に対して、重量床衝撃音レベルの測定を行った。
【0052】
図18は、比較例としての従来技術に係る防音床構造の具体例を示す。この防音床構造は、図1及び図2に示す床根太及び天井根太を緊結しない防音床構造において、図18に示す材料及び寸法、及び、図2に示す寸法を採用したものである。図2の伏図において、床根太5のピッチ及び天井根太6のピッチは共に455mmである。また、2730mm×3640mmの枠内に、床根太5が5本配置され、天井根太6が6本配置されており、床根太5及び天井根太6は互いに平行に且つ交互に配置されている。
【0053】
図19は、実施例1に係る防音床構造の具体例を示す。この防音床構造は、図3〜図5に示す第1実施形態に係る防音床構造において、図19に示す材料及び寸法、並びに、図4に示す寸法を採用したものである。図4及び図5に示すように、実施例1に係る防音床構造は、比較例の防音構造(図18,図2)において、910mmピッチで互い違いに配置した剛性部材8によって床根太5と天井根太6を緊結したものである。なお、剛性部材8には、厚さ×幅×長さ:38mm×89mm×455mmの木材を用いた。
【0054】
図20は、実施例2に係る防音床構造の具体例を示す。この防音床構造は、図6〜図8に示す第2実施形態に係る防音床構造において、図20に示す材料及び寸法、並びに、図7に示す寸法を採用したものである。図7及び図8に示すように、実施例2に係る防音床構造は、実施例1(図19)の防音床構造において、剛性部材8と床根太5との間にダンパ(厚19mm×φ)を配置したものである。なお、剛性部材8には、実施例1同様に木材を用い、ダンパ10には弾性体(合成ゴム)を用いた。但し、剛性部材8の寸法は、厚さ×幅×長さ:19mm×89mm×455mmであり、実施例1の剛性部材8の厚さ38mmと比較して、ダンパ10の厚さ19mmだけ薄く形成されている。
【0055】
図21は、比較例1、実施例1,2に対して重量床衝撃音レベルを測定した結果を示す表であり、図22は測定結果をグラフに表したものである。本測定の試験場所及び試験機関は、本出願人である埼玉ゴム工業株式会社であり、試験方法は、JIS A 1418−2に準拠する。
【0056】
図21及び図22に示す測定結果から、重量床衝撃音レベルを最も顕著に表すオクターブバンド中心周波数=63Hzの床衝撃音レベルにおいて、実施例1の防音床構造では、比較例(従来技術)に対して、床衝撃音レベルが1.8dB改善し、重量床衝撃音レベルを顕著に改善できることが分かる。また、剛性部材8と床根太5との間にダンパ10を介装した実施例2の防音床構造では、比較例(従来技術)に対して、床衝撃音レベルが2.8dB改善しており、実施例1の構造よりも更に効果的に改善できることが分かる。
【0057】
以上説明したように、本発明によれば、剛性部材8によって床根太5と天井根太6とを緊結、即ち、界床と天井とを構造的に一体化させて床剛性を向上させることにより、床根太5側の振動と天井根太6側の振動とに位相遅れを生じさせて互いに打ち消し合せるので、界床と天井とを構造的に分離する従来の構造と比較して、重量床衝撃音レベルを顕著に改善することが可能である。
【0058】
また、本発明によれば、床根太5と天井根太6の固定は、必ずしも全面で行う必要はなく、界床や天井の材質等に応じて部分的に行うこともできるので、部材のコストや施工の工数の面で有利である。
【0059】
更に、剛性部材8の床根太5及び天井根太6への固定は、釘、木ねじ、ビス、ボルト等の固定部材9を用いて直接固定するか、又は、固定金具11を用いて固定することができるので、施工が容易である。また、ダンパ10を設ける場合にも、剛性部材8と床根太5との間、剛性部材8と天井根太6との間にダンパ10を介装した状態で固定部材9によって剛性部材8及びダンパ10を固定すれば良いので、施工が容易である。
【符号の説明】
【0060】
1 防音床構造
2 界床
3 天井懐内部
4 天井
5 床根太
6 天井根太
7 吸音材
8 剛性部材
9 固定部材
10 ダンパ
11 固定金具
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ツーバイフォー工法の防音床構造であって、
界床(2)と天井(4)との間の空間である天井懐内部(3)において、前記界床(2)に固定された床根太(5)と、前記天井(4)に固定された天井根太(6)とを少なくとも部分的に緊結することを特徴とするツーバイフォー工法の防音床構造。
【請求項2】
請求項1に記載のツーバイフォー工法の防音床構造において、
前記床根太(5)及び前記天井根太(6)に剛性部材(8)を固定することによって、前記床根太(5)及び前記天井根太(6)を少なくとも部分的に緊結することを特徴とする、ツーバイフォー工法の防音床構造。
【請求項3】
請求項2に記載のツーバイフォー工法の防音床構造において、
前記床根太(5)及び前記天井根太(6)の少なくとも一方と前記剛性部材(8)との間にダンパ(10A,10B)を介装することを特徴とする、ツーバイフォー工法の防音床構造。
【請求項4】
請求項2又は3に記載のツーバイフォー工法の防音床構造において、
前記床根太(5)の延在方向及びその延在方向に垂直な方向に沿って複数の剛性部材(8)が配置されており、
前記延在方向に垂直な方向で隣接する前記剛性部材(8)は、互い違いに配置されていることを特徴とする、ツーバイフォー工法の防音床構造。
【請求項5】
請求項2又は3に記載のツーバイフォー工法の防音床構造において、
前記床根太(5)の延在方向及びその延在方向に垂直な方向に沿って複数の剛性部材(8)が配置されており、
前記剛性部材(8)は、前記延在方向に垂直な方向で一直線上に並んで配置されていることを特徴とする、ツーバイフォー工法の防音床構造。
【請求項6】
請求項2乃至5の何れかに記載のツーバイフォー工法の防音床構造において、
前記剛性部材(8)は、前記床根太(5)の下面と、前記床根太(5)の下方において、隣接する天井根太(6)の互いに対向する側面とに固定されることを特徴とする、ツーバイフォー工法の防音床構造。
【請求項7】
請求項2乃至5の何れかに記載のツーバイフォー工法の防音床構造において、
前記剛性部材(8)は、前記天井根太(6)の上面と、前記天井根太(6)の上方において、隣接する前記床根太(5)の互いに対向する側面とに固定されることを特徴とする、ツーバイフォー工法の防音床構造。
【請求項8】
請求項2乃至7の何れかに記載のツーバイフォー工法の防音床構造において、
前記剛性部材(8)と、前記床根太(5)及び前記天井根太(6)の少なくとも一方との固定は、固定金具(11)によって行われることを特徴とする、防音床構造。
【請求項1】
ツーバイフォー工法の防音床構造であって、
界床(2)と天井(4)との間の空間である天井懐内部(3)において、前記界床(2)に固定された床根太(5)と、前記天井(4)に固定された天井根太(6)とを少なくとも部分的に緊結することを特徴とするツーバイフォー工法の防音床構造。
【請求項2】
請求項1に記載のツーバイフォー工法の防音床構造において、
前記床根太(5)及び前記天井根太(6)に剛性部材(8)を固定することによって、前記床根太(5)及び前記天井根太(6)を少なくとも部分的に緊結することを特徴とする、ツーバイフォー工法の防音床構造。
【請求項3】
請求項2に記載のツーバイフォー工法の防音床構造において、
前記床根太(5)及び前記天井根太(6)の少なくとも一方と前記剛性部材(8)との間にダンパ(10A,10B)を介装することを特徴とする、ツーバイフォー工法の防音床構造。
【請求項4】
請求項2又は3に記載のツーバイフォー工法の防音床構造において、
前記床根太(5)の延在方向及びその延在方向に垂直な方向に沿って複数の剛性部材(8)が配置されており、
前記延在方向に垂直な方向で隣接する前記剛性部材(8)は、互い違いに配置されていることを特徴とする、ツーバイフォー工法の防音床構造。
【請求項5】
請求項2又は3に記載のツーバイフォー工法の防音床構造において、
前記床根太(5)の延在方向及びその延在方向に垂直な方向に沿って複数の剛性部材(8)が配置されており、
前記剛性部材(8)は、前記延在方向に垂直な方向で一直線上に並んで配置されていることを特徴とする、ツーバイフォー工法の防音床構造。
【請求項6】
請求項2乃至5の何れかに記載のツーバイフォー工法の防音床構造において、
前記剛性部材(8)は、前記床根太(5)の下面と、前記床根太(5)の下方において、隣接する天井根太(6)の互いに対向する側面とに固定されることを特徴とする、ツーバイフォー工法の防音床構造。
【請求項7】
請求項2乃至5の何れかに記載のツーバイフォー工法の防音床構造において、
前記剛性部材(8)は、前記天井根太(6)の上面と、前記天井根太(6)の上方において、隣接する前記床根太(5)の互いに対向する側面とに固定されることを特徴とする、ツーバイフォー工法の防音床構造。
【請求項8】
請求項2乃至7の何れかに記載のツーバイフォー工法の防音床構造において、
前記剛性部材(8)と、前記床根太(5)及び前記天井根太(6)の少なくとも一方との固定は、固定金具(11)によって行われることを特徴とする、防音床構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2011−32660(P2011−32660A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−177466(P2009−177466)
【出願日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(596025652)埼玉ゴム工業株式会社 (6)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(596025652)埼玉ゴム工業株式会社 (6)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]