説明

テレビジョン受信装置

【課題】放送波を受信する際に、受信対象外の復調LSIからの妨害による受信性能劣化を抑制する。
【解決手段】復調LSI内に、衛星動作クロック124とその動作クロックを生成する衛星位相比較器125と衛星ループフィルタ126と衛星VCO127と衛星分周器128を備える。復調LSIとシステムLSI116とは接続されており、システムLSI116から、動作設定を指示することで衛星動作クロック124の周波数を変更する。衛星復調部120、衛星誤り訂正部121、衛星TS出力部123は、衛星動作クロック124により動作するため、システムLSI116から復調LSIの衛星動作クロック124を低くするように指示することで、受信対象外となる放送波に対応した復調LSI動作クロックもより低くし、干渉妨害の発生を抑制する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は地上波放送、衛星放送、ケーブル放送を受信するテレビ、セットトップボックス、レコーダーなどのテレビジョン受信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年放送のデジタル化が世界的に進んでいる。そのためテレビには、地上アナログ放送のみではなく、地上デジタル放送、衛星デジタル放送、ケーブル放送等複数の放送波を受信する必要がある。そのため、テレビは一つ以上の放送受信部と一つ以上の放送復調部を搭載している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、テレビの画像表示部は大型化が進んでいるが、筐体部分は薄型になり、テレビと同じ受信機能を持つレコーダーは小型に進むことが予測される。そのため、電気電子部品の多くは小型となり、複数の機能を有し、一体となったものが多くなっている。図2は、(特許文献1)に記載された従来のテレビジョン受信装置を示すものである。
【0004】
図2において、地上放送入力部101は、外部のアンテナで受信した信号や、その他の伝送路からVHF帯、UHF帯の信号を受信する。チューナブルフィルタ102は選局された信号を中心に周波数帯域ごと信号を切り出す。切り出された信号は、地上利得増幅器110によって所望の大きさに調整される。地上波局部発振回路103は、選局された周波数よりもある一定の高い周波数を足し合わせた局部発振周波数信号を発生させる。周波数変換回路104は、局部発振周波数信号と、選局された信号を中心に切り出された信号と混合した中間周波数信号を生成する。中間周波数は、地上波用フィルタ105で、周波数成分を切り出し、地上波用可変利得増幅器106で所望のレベルとする。その後に復調LSI107によって、地上アナログ放送の場合はアナログ復調を、デジタル放送の場合は復調と誤り訂正とを行う。
【0005】
同様に衛星放送の場合について説明する。衛星放送入力部108は、外部のパラボラアンテナ等を通じて、衛星放送の信号を受信する。ハイパスフィルタ109は、信号のうち受信に必要な1GHz以上の信号を通過させる。低雑音増幅器111は、信号を一定の利得で増幅する。その後、衛星局部発振回路112で生成された衛星局部発振周波数信号と混合された後、衛星周波数変換回路113によって、数10MHzのIQ信号に変換される。IQ信号はハイパスフィルタ114に帯域制限された後に、衛星可変利得増幅器115で所望のレベルとする。その後に復調LSI107にて、復調と誤り訂正が行われる。衛星放送の種類によって、復調LSI107は、衛星放送用復調回路と地上波放送用復調回路とが一体となった集積回路(IC)として構成される場合がある。また、衛星放送用復調回路と、地上波放送用復調回路とが、それぞれ異なるICを使用して構成され、これら複数のIC等を含めた回路ブロックを復調LSI107として構成する場合もある。
【0006】
地上波放送、衛星放送ともに復調LSI107の後に、復調された信号はシステムLSI116によって映像データや音声データに変換される。
【0007】
スピーカ117は音声データを人間に聞こえるように変換し、映像表示器118は映像データをPDP(Plasma Display Panel)やLCD(Liquid Crystal Display)といった表示デバイスに表示する。
【0008】
小型化のため、テレビは地上波放送、衛星放送の受信機能を一体化したチューナ119と構成することがある。また、チューナ119は小型化のため地上波放送受信部と衛星放送受信部が同一の金属ケースの中で構成されており密接に実装されることがある。このため、互いの局部発振回路である地上波局部発振回路103と、衛星局部発振回路112との間で、発振またはその発振周波数の二倍高調波や三倍高調波が放送周波数帯域と重なるため干渉妨害となる。そこで地上波局部発振回路103と衛星局部発振回路112は、その高調波等が放送周波数帯域と重ならないように制御をしていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−253885号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、前記従来の構成では、一つの放送波を受信している時に、受信対象外の受信部は、受信対象に対して直接または高調波の周波数妨害が重なり合わないようにする発振周波数を制御しているが、テレビの小型薄型と共にチューナのケース内に復調LSIを実装するケースも多くなった。復調LSIはデジタル放送が進化したために復調LSI自身を発振している周波数とその高調波が干渉妨害となる課題を有していた。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記従来の課題を解決するために、本発明のテレビジョン受信装置は、受信部と復調部を少なくとも二つ以上と、それぞれの受信部と復調部とを制御できる制御部を備え、制御部からは復調部に対して動作クロックの変更を有している。
【0012】
本構成によって、一つの放送波を受信する時、受信対象外の復調部には動作クロックを低く設定する。
【0013】
また、本発明のテレビジョン受信装置は、受信するために復調部の設定情報を保持することを必要としたものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明のテレビジョン受信装置によれば、放送波を受信する時に、受信対象外の復調部からの妨害による受信性能劣化の抑制に有効である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施の形態におけるテレビジョン受信装置の実施構成図
【図2】従来のテレビジョン受信装置の実施構成図
【図3】実施の形態における地上波受信のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0017】
(実施の形態)
図1は本発明の実施の形態におけるテレビジョン受信装置の構成図である。
【0018】
まず地上波放送の受信の場合について説明する。
【0019】
地上放送入力部101は、外部のアンテナで受信した信号や、その他の伝送路からVHF帯、UHF帯の信号を受信する。
【0020】
チューナブルフィルタ102は選局された信号を中心に周波数帯域ごと信号を切り出す。
【0021】
切り出された信号は、地上利得増幅器110によって所望の大きさに調整される。
【0022】
地上波局部発振回路103は、選局された周波数よりもある一定の高い周波数を足し合わせた局部発振周波数信号を発生させる。
【0023】
周波数変換回路104は、局部発振周波数信号と、選局された信号を中心に切り出された信号と混合した中間周波数信号を生成する。中間周波数は、地上波用フィルタ105で、周波数成分を切り出し、地上波用可変利得増幅器106で所望のレベルとする。
【0024】
その後に復調LSI207によって、地上アナログ放送の場合はアナログ復調を、デジタル放送の場合は復調と誤り訂正とを行う。復調LSI207の構成については、後述する。
【0025】
同様に衛星放送の受信の場合について説明する。衛星放送入力部108は、外部のパラボラアンテナ等を通じて、衛星放送の信号を受信する。
【0026】
ハイパスフィルタ109は、信号のうち受信に必要な1GHz以上の信号を通過させる。
【0027】
低雑音増幅器111は、信号を一定の利得で増幅する。
【0028】
その後、衛星局部発振回路112で生成された衛星局部発振周波数信号と混合された後、衛星周波数変換回路113によって、数10MHzのIQ信号に変換される。
【0029】
IQ信号はハイパスフィルタ114に帯域制限された後に、衛星可変利得増幅器115で所望のレベルとする。その後に復調LSI207にて、復調と誤り訂正が行われる。
【0030】
衛星放送の種類によって、復調LSI207は、衛星放送用復調回路と地上波放送用復調回路とが一体となった集積回路(IC)として構成される場合がある。また、衛星放送用復調回路と、地上波放送用復調回路とが、それぞれ異なるICを使用して構成され、これら複数のIC等を含めた回路ブロックを復調LSI107として構成する場合もある。
【0031】
地上波放送、衛星放送ともに復調LSI207の後に、復調された信号はシステムLSI116によって映像データや音声データに変換される。
【0032】
スピーカ117は音声データを人間に聞こえるように変換し、映像表示器118は映像データをPDP(Plasma Display Panel)やLCD(Liquid Crystal Display)といった表示デバイスに表示する。
【0033】
復調LSI207は、衛星放送の復調用に衛星復調部120、衛星誤り訂正部121、衛星TS出力部123、衛星位相比較器125、衛星ループフィルタ126、衛星VCO127、衛星分周器128とから構成される(衛星放送復調処理部300)。また地上波放送の復調用に地上波復調部130、地上波誤り訂正部131、地上波TS出力部133、地上波位相比較器135、地上波ループフィルタ136、地上波VCO137、地上波分周器138とから構成される。
【0034】
衛星復調部120は、衛星放送の選局された信号であるIQ信号を復調する。
【0035】
衛星誤り訂正部121は、衛星復調部120にて復調された信号に対して誤りを訂正する。
【0036】
衛星TS出力部123は、誤り訂正を行ったデジタル信号をTS(Transport Stream)として出力する。衛星デジタル放送は高容量伝送を行うことが可能となっている。2005年にETSI(European Telecommunications Standards Institute) EN302307として規格発行されたDVB−S2という衛星デジタル放送では45Mシンボルレートを使うことで一般の放送用途で1秒あたり120Mbit近くの伝送が可能になっている。そのため受信時には高容量伝送を実現するための高速クロックで動作している。この高速クロックは、衛星VCO127から供給される衛星動作クロック124を用いる。
【0037】
衛星VCO127から出力される衛星動作クロック124は、高容量伝送を実現するための高速クロックであり、衛星復調部120や衛星誤り訂正部121等を動作させるためにも使用している。1秒当たり120Mbitの伝送のためには衛星動作クロック124は120MHz以上が必要である。また、衛星復調部120や衛星誤り訂正部121でも最終出力されるTSと同じ処理能力が必要だが、内部で約10%処理に対して間接的に負荷が発生する。これは復調や誤り訂正処理が仕組み上一定の期間まとめてブロック単位で処理する必要があるためである。そのため動作クロックを135MHzとすると、ヨーロッパに用いられているCCIR(Comite Consultatif Internatinal Radiophonique)方式のチャンネル配置におけるCC5と呼ばれる映像搬送周波数が133.25MHzのチャンネルと重なり、また、CC17と呼ばれる映像搬送周波数が273.25MHzに対しては二倍高調波と重なるため干渉妨害となる。
【0038】
衛星動作クロック124は、PLL(Phase Locked Loop)回路で出力周波数を決定している。衛星VCO(Voltage Controlled Oscillator)127から出た信号は、動作クロックとして使用するほかに、衛星分周器128に入力する。
【0039】
衛星分周器128は、衛星動作クロック124と同じ周波数信号を分周する。
【0040】
衛星位相比較器125は、この分周された信号を基準信号と比較し位相差を出力する。基準信号を水晶発振器129から出力される信号とすることで水晶発振器129から出力される信号を分周された信号の二つの信号の位相差を比較するものである。
【0041】
衛星ループフィルタ126は、この位相差を、衛星VCO127を制御する信号に変換する。衛星VCO127は電圧制御によって出力される信号の周波数を変更することが可能となっている。
【0042】
水晶発振器129は一定の周波数で発振する部品であり、ICにおける基準の周波数を決める。原材料が異なるため、部品の価格を考えると、電子基板上にて復調LSI207とは別の部品で実装されている。
【0043】
衛星位相比較器125において入力された信号の位相差がないときとは、二つの信号が同一であることになり、その周波数は等しいものとなる。水晶発振器129からの発振信号と衛星分周器128からの信号を比較した、衛星位相比較器125の出力は時間ごとの位相差であり、衛星ループフィルタ126によって直流成分に変更する。ここで直流成分に変更する時に、位相差が小さくなるようにフィルタを作成し直流成分によって衛星VCO127の電圧制御を変える。これによって、衛星位相比較器125、衛星ループフィルタ126、衛星VCO127と衛星分周器128からなるフィードバックでは衛星分周器128からの信号と水晶発振器129の信号の周波数が等しいものになる。
【0044】
衛星分周器128が入力された信号に対して1/N倍することができるとする。Nは自然数をとることが一般的であるが、衛星VCO127の電圧制御の可変範囲、衛星ループフィルタ126の特性で設定できる数値がきまる。この数値はシステムLSI116から復調LSI207のレジスタを書き換えることで変更する。衛星分周器128が1/N倍する信号は衛星動作クロック124である。衛星VCO127で電圧制御された動作クロックは水晶の発振クロックのN倍ということになるため、システムLSI116から制御することによって動作クロックを変更することが可能となる。
【0045】
地上波放送の復調用に、復調LSI207は、地上波位相比較器135、地上波ループフィルタ136、地上波VCO137、地上波分周器138、地上波復調部130、地上波誤り訂正部131、地上波TS出力部133とから構成される(地上波放送復調処理部310)。
【0046】
地上波復調部130、地上波誤り訂正部131、地上波TS出力部133を動作させるための地上波動作クロック134を、地上波VCO137から供給する。地上波放送でも、衛星放送を受信する場合と同じ仕組みを、地上波位相比較器135、地上波ループフィルタ136、地上波VCO137、地上波分周器138により構成する。地上波位相比較器135、地上波ループフィルタ136、地上波VCO137、地上波分周器138を使用することにより、システムLSI116から地上波分周器138の設定を復調LSI207のレジスタ制御することにより、地上波動作クロック134を変更することが出来る。
【0047】
地上波復調部130は、地上波放送の選局された信号の周波数成分を復調する。
【0048】
地上波誤り訂正部131は、地上波復調部130にて復調された信号に対して誤りを訂正する。
【0049】
地上波TS出力部133は、誤り訂正を行ったデジタル信号をTSとして出力する。
【0050】
衛星放送を受信する際には、システムLSI116から復調LSI207のレジスタを変更することで、衛星動作クロック124を135MHzの高速動作クロックにする。
【0051】
地上デジタル放送の場合、例えば日本で用いられているISDB−T(Integrated Services Digital Broadcasting−Terrestrial)の場合、1秒当たり約16Mbitの伝送のため、衛星放送の1秒当たりのレートより低い。そのため、地上波誤り訂正部131や地上波TS出力部133は、衛星放送受信する時と同じような衛星動作クロック124にする必要はない。
【0052】
衛星放送の場合は、放送信号を取り込むには45Mシンボルレートのため、45MHzのIQ信号と考えても半分の25MHz必要となるが、日本における地上デジタル放送の帯域幅6MHzであり、地上波復調部130は地上波誤り訂正部131、地上波TS出力部133と同じく衛星動作クロック124にする必要はない。
【0053】
以上のように、地上波復調部130、地上波誤り訂正部131や、地上波TS出力部133が必要とする動作クロックは、衛星動作クロック124よりも低くすることができる。このため、地上波動作クロック134は、衛星動作クロック124とは別系統とし低クロックにする。地上波誤り訂正部131や地上波TS出力部133が破綻せず、電力を削減するために、地上波動作クロック134を低くすることが可能となる。
【0054】
地上アナログ放送の場合、地上波誤り訂正部131や地上波TS出力部133は動作しないため、放送信号を取り込む分の地上波動作クロック134のみすることができる。
【0055】
このような構成によれば、地上波放送を受信する際に、衛星受信機能に用いる復調LSI207の衛星動作クロック124を、地上波放送の受信帯域内より低くすることが可能となり、地上波放送の干渉妨害による受信性能劣化を抑制することができる。衛星動作クロック124を、地上放送波の受信帯域周波数の範囲よりも低くし、また基本波だけではなく、二倍高調波や三倍高調波等までも受信帯域周波数に入らなくすることにより干渉妨害に影響されるチャンネルを少なくすることができる。
【0056】
また、衛星動作クロック124は、衛星誤り訂正部121や、衛星復調部120、衛星TS出力部123の機能を動作させている。機能を動作させる電力はクロックと共に消費されるために、衛星動作クロック124を低くすることで、復調LSI207の消費電力を削減することが可能となる。
【0057】
復調LSI207は、システムLSI116からの制御により各機能の設定を変更することが可能である。
【0058】
各機能部は初期の状態ではなく、設定を変更し受信するための設定を行う。複数の受信機能をもったTVの場合は使用者の操作に合わせて、地上波放送や衛星放送の切り替え動作を行う。その場合には地上波放送を受信する場合には衛星放送を受けられる状態を保持したまま、衛星動作クロック124を低くする。その後地上波放送を受信する。逆に衛星放送を受信する場合には衛星動作クロック124を所定の周波数に戻した後に、衛星放送を受信する。
【0059】
この動作を組み込むことで、地上波放送を受信する時に、衛星放送の設定を保持し続けることができるために再設定を抑制することで使用者からの地上波放送や衛星放送の切り替え動作に対する反応を高速に行うことが可能となる。
【0060】
復調LSI207は、地上衛星対応のLSIを想定したが、地上デジタル放送対応のLSIや地上アナログ放送対応のLSIと組み合わせて使用するときも動作クロックを変更することで、干渉と消費電力を削減することが可能となる。衛星放送対応のLSIでは、地上波受信中には衛星誤り訂正部121、衛星復調部120、衛星TS出力部123の設定を保持したまま衛星動作クロック124を低くすることで同様の動作をすることが可能である。
【0061】
図3を用いて、地上波放送を受信する際の処理について説明する。
【0062】
地上波放送を受信する場合には、チューナブルフィルタ102の設定を行い、地上波の選局を行う(S301)。
【0063】
地上波動作クロック134を所望の周波数となるように、また、地上波復調部130、地上波誤り訂正部131、地上波TS出力部133を動作するように、システムLSI116から復調LSI207に対して設定、制御を行う(S302)。
【0064】
ハイパスフィルタ109などを設定して、地上波放送波と干渉しない周波数を衛星放送の受信用周波数として選局する(S303)。
【0065】
衛星動作クロック124を、地上波放送の受信周波数帯とは異なるように、システムLSI116から復調LSI207の設定を行う(S304)。
【0066】
さらに、衛星復調部120、衛星誤り訂正部121、衛星TS出力部123の動作をスタンバイにする(S305)。
【0067】
以上のフローにより、地上波放送を受信する際に、衛星放送の受信に伴う干渉を低減することができる。
【0068】
本実施の形態では、衛星動作クロック124と地上波動作クロック134を2つ持つ場合について説明した。さらに、より安価な構成を考えた場合には、衛星位相比較器125、衛星ループフィルタ126、衛星VCO127、衛星分周器128とからなるフィードバック回路と、地上波位相比較器135、地上波ループフィルタ136、地上波VCO137、地上波分周器138とからなるフィードバック回路とを、ひとつにした同一のフィードバック回路として構成することもできる。このとき、同一のフィードバック回路の周波数可変範囲を広げ、出力される1つの動作クロックとする。このとき、VCOから出力される動作クロックは、さらに、衛星側の動作クロックとして供給される前に分周器を1つ、また、地上波側の動作クロックとして供給される前に分周器を1つ設ける。これにより、衛星放送と地上波放送とで、異なった動作クロックを生成できる。このとき、追加した分周器を1/M倍するとすると、水晶の発振周波数に対して動作クロックをM/N倍することにあたるため、同様の効果を得られる。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明にかかるテレビジョン受信装置は、放送波を受信する時に、受信対象外の復調LSIからの妨害による受信性能劣化の抑制が可能になるので、地上波放送、衛星放送、ケーブル放送を受信するテレビ、セットトップボックス、レコーダーなどとして有用である。
【符号の説明】
【0070】
101 地上放送入力部
102 チューナブルフィルタ
103 地上波局部発振回路
104 周波数変換回路
105 地上波用フィルタ
106 地上波用可変利得増幅器
107 復調LSI
108 衛星放送入力部
109 ハイパスフィルタ
110 地上利得増幅器
111 低雑音増幅器
112 衛星局部発振回路
113 衛星周波数変換回路
114 ハイパスフィルタ
115 衛星可変利得増幅器
116 システムLSI
117 スピーカ
118 映像表示器
119 チューナ
120 衛星復調部
121 衛星誤り訂正部
123 衛星TS出力部
124 衛星動作クロック
125 衛星位相比較器
126 衛星ループフィルタ
127 衛星VCO
128 衛星分周器
129 水晶発振器
130 地上波復調部
131 地上波誤り訂正部
133 地上波TS出力部
134 地上波動作クロック
135 地上波位相比較器
136 地上波ループフィルタ
137 地上波VCO
138 地上波分周器
207 復調LSI
300 衛星放送復調処理部
310 地上波放送復調処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
衛星放送を受信する衛星放送受信部と、
前記衛星放送受信部から受信したデジタル衛星放送信号を復調し、復号する衛星放送復調部と、
地上波放送を受信する地上波放送受信部と、
前記地上波放送受信部から受信したデジタル地上波放送信号を復調し、復号する地上波放送復調部と、
前記衛星放送復調部と前記地上波放送受信部とを制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記地上波放送または前記衛星放送のいずれかを受信中に、受信している放送波とは異なる放送波に対する前記衛星放送復調部または前記地上波放送復調部に対して、受信時よりは低い動作クロックで動作することを示す指示を行うことを特徴とするテレビジョン受信装置。
【請求項2】
前記衛星放送復調部および前記地上波放送受信部は、放送を受信するために必要な初期情報を維持する動作を行うことが少なくとも必要であることを特徴とする、請求項1記載のテレビジョン受信装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記地上波放送を受信する際には、前記衛星放送の受信周波数と、前記衛星放送復調部の動作クロックの周波数を、前記地上波放送復調部と干渉しない周波数に設定することを特徴とする請求項1記載のテレビジョン受信装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2013−90168(P2013−90168A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−229355(P2011−229355)
【出願日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】