テレビ会議装置、テレビ会議システムならびにテレビ会議システムの通信方法
【課題】テレビ会議システムにおいて複数のネットワークを十分有効に利用できるようにすること。
【解決手段】本発明は、ネットワークを介して相手端末Yとの双方向通信を行うテレビ会議装置(端末Z)において、異なるネットワークアドレスに対応する複数のネットワークポートと、複数のネットワークポートに接続された異なるネットワークa、bのうち何れか一つを介して相手端末Yとの通信経路を構成し、そのネットワークの通信状態に障害が発生した場合、他のネットワークに切り替えて同じ相手端末Yとの通信経路を構成する制御を行う制御手段とを備えるテレビ会議装置(端末Z)である。
【解決手段】本発明は、ネットワークを介して相手端末Yとの双方向通信を行うテレビ会議装置(端末Z)において、異なるネットワークアドレスに対応する複数のネットワークポートと、複数のネットワークポートに接続された異なるネットワークa、bのうち何れか一つを介して相手端末Yとの通信経路を構成し、そのネットワークの通信状態に障害が発生した場合、他のネットワークに切り替えて同じ相手端末Yとの通信経路を構成する制御を行う制御手段とを備えるテレビ会議装置(端末Z)である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介して相手方装置との双方向通信を行うテレビ会議装置、テレビ会議システムならびにテレビ会議システムの通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ネットワーク環境の発達に伴い、離れた場所で映像や音声を双方向通信するテレビ会議システムが多く用いられるようになってきている。このテレビ会議システムでは、離れた場所にいる参加者の映像や音声を別の場所のディスプレイおよびスピーカから出力することで、同じ場所で会議しているかのような状況を作り出すことが必要であることから、リアルタイム性やデータ品質の向上が求められる。
【0003】
ここで、テレビ会議システムにおいては、回線に故障があった場合、通信ができなくなってしまう。また、パケットロス等の回線の問題が発生すると画像や音声が乱れてしまう。さらには、回線の帯域を越えるデータを送信するように設定された場合、音声データがビデオストリームによるネットワークの輻輳により遅延、ジッタ、パケットロスを起こしてしまう。また、低ビットレートの回線しか利用できない場合、HD(high definition)品質の映像など高ビットレートを必要とするデータを送受信することができないことになる。特許文献1、特許文献2では、複数の回線を利用してデータ通信の高速化や品質向上を図る技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2000−184344号公報
【特許文献2】特開2006−54910号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、いずれの引用文献であっても、テレビ会議システムにおいて複数のネットワークを十分有効に利用できていないという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明はこのような課題を解決するために成されたものである。すなわち、本発明は、ネットワークを介して相手方装置との双方向通信を行うテレビ会議装置において、異なるネットワークアドレスに対応する複数のネットワークポートと、複数のネットワークポートに接続された異なるネットワークのうち何れか一つを介して相手方装置との通信経路を構成し、そのネットワークの通信状態に障害が発生した場合、他のネットワークに切り替えて同じ相手方装置との通信経路を構成する制御を行う制御手段とを備えるテレビ会議装置である。
【0007】
このような本発明では、テレビ会議装置が異なるネットワークアドレスに対応した異なるネットワークに接続でき、使用している何れか一つのネットワークに障害が発生しても、他のネットワークに切り替えて同じ相手方装置との通信経路を確保できるようになる。
【0008】
また、本発明は、ネットワークを介して相手方装置との双方向通信を行うテレビ会議装置において、異なるネットワークアドレスに対応する複数のネットワークポートと、複数のネットワークポートに接続された異なるネットワークのうち少なくとも2つの異なるネットワークを介して相手方装置との通信経路を構成し、その2つの異なるネットワークを介して相手方装置との間で同じデータを通信する制御を行う制御手段とを備えるテレビ会議装置である。
【0009】
このような本発明では、テレビ会議装置が異なるネットワークアドレスに対応した異なるネットワークに接続でき、この異なるネットワークのうち少なくとも2つを介して相手方装置との間で同じデータを通信することから、一方のネットワークを介して通信したデータに欠落があっても、他方のネットワークを介して通信したデータで補間できるようになる。
【0010】
また、本発明は、ネットワークを介して相手方装置との双方向通信を行うテレビ会議装置において、異なるネットワークアドレスに対応する複数のネットワークポートと、複数のネットワークポートに接続された異なるネットワークのうち少なくとも2つの異なるネットワークを介して相手方装置との通信経路を構成し、その2つの異なるネットワークのうち一つを介して映像データ、他の一つを介して音声データを相手方装置との間で通信する制御を行う制御手段とを備えるテレビ会議装置である。
【0011】
このような本発明では、テレビ会議装置が異なるネットワークアドレスに対応した異なるネットワークに接続でき、この異なるネットワークのうち少なくとも2つを介して相手方装置との間で通信経路を構成し、そのうち一つで映像データ、他の一つで音声データを通信することから、一つで映像データと音声データとを通信する場合に比べて広い帯域を利用できるようになる。
【0012】
また、本発明は、ネットワークを介して相手方装置との双方向通信を行うテレビ会議装置において、異なるネットワークアドレスに対応する複数のネットワークポートと、複数のネットワークポートに接続された異なるネットワークのうち少なくとも2つの異なるネットワークを介して相手方装置との通信経路を構成し、その2つの異なるネットワークを介して一つのデータを分割して相手方装置と通信する制御を行う制御手段とを備えるテレビ会議装置である。
【0013】
このような本発明では、テレビ会議装置が異なるネットワークアドレスに対応した異なるネットワークに接続でき、この異なるネットワークのうち少なくとも2つを介して相手方装置との間で通信経路を構成し、その2つの異なるネットワークを介して一つのデータを分割して通信することから、一つで映像データと音声データとを通信する場合に比べて広い帯域を利用できるようになる。
【0014】
また、本発明は、ネットワークを介して第1のテレビ会議装置と第2のテレビ会議装置との双方向通信を行うテレビ会議システムにおいて、第1のテレビ会議装置が、異なるネットワークアドレスに対応する複数のネットワークポートと、複数のネットワークポートに接続された異なるネットワークのうち何れか一つを介して第2のテレビ会議装置との通信経路を構成し、そのネットワークの通信状態に障害が発生した場合、他のネットワークに切り替えて第2のテレビ会議装置との通信経路を構成する制御を行う制御手段とを備えており、第2のテレビ会議装置が、異なるネットワークアドレスのうちいずれのネットワークアドレスであっても第1のテレビ会議装置と対応付けして通信を行う通信制御手段を備えているテレビ会議システムである。
【0015】
このような本発明では、第1のテレビ会議装置と第2のテレビ会議装置とが異なるネットワークアドレスに対応した異なるネットワークを介して接続されていることから、使用している何れか一つのネットワークに障害が発生しても、他のネットワークに切り替えて同じ相手方装置との通信経路を確保できるようになる。
【0016】
また、本発明は、ネットワークを介して第1のテレビ会議装置と第2のテレビ会議装置との双方向通信を行うテレビ会議システムにおいて、第1のテレビ会議装置が、異なるネットワークアドレスに対応する複数のネットワークポートと、複数のネットワークポートに接続された異なるネットワークのうち少なくとも2つの異なるネットワークを介して第2のテレビ会議装置との通信経路を構成し、その2つの異なるネットワークを介して第2のテレビ会議装置との間で同じデータを通信する制御を行う制御手段とを備えており、第2のテレビ会議装置が、2つの異なるネットワークアドレスを介して送られる同じデータのうち一方において欠落したデータを他方で補う制御を行う通信制御手段を備えているテレビ会議システムである。
【0017】
このような本発明では、第1のテレビ会議装置と第2のテレビ会議装置とが異なるネットワークアドレスに対応した異なるネットワークを介して接続されており、この異なるネットワークのうち少なくとも2つを介して相手方装置との間で同じデータを通信することから、一方のネットワークを介して通信したデータに欠落があっても、他方のネットワークを介して通信したデータで補間できるようになる。
【0018】
また、本発明は、ネットワークを介して第1のテレビ会議装置と第2のテレビ会議装置との双方向通信を行うテレビ会議システムにおいて、第1のテレビ会議装置が、異なるネットワークアドレスに対応する複数のネットワークポートと、複数のネットワークポートに接続された異なるネットワークのうち少なくとも2つの異なるネットワークを介して第2のテレビ会議装置との通信経路を構成し、その2つの異なるネットワークのうち一つを介して映像データ、他の一つを介して音声データを第2のテレビ会議装置との間で通信する制御を行う制御手段とを備えており、第2のテレビ会議装置が、2つの異なるネットワークを介して各々送られる映像データと音声データとを合成して出力する通信制御手段を備えているテレビ会議システムである。
【0019】
このような本発明では、第1のテレビ会議装置と第2のテレビ会議装置とが異なるネットワークアドレスに対応した異なるネットワークに接続されており、この異なるネットワークのうち少なくとも2つを介して相手方装置との間で通信経路を構成し、そのうち一つで映像データ、他の一つで音声データを通信することから、一つで映像データと音声データとを通信する場合に比べて広い帯域を利用できるようになる。
【0020】
また、本発明は、ネットワークを介して第1のテレビ会議装置と第2のテレビ会議装置との双方向通信を行うテレビ会議システムにおいて、第1のテレビ会議装置が、異なるネットワークアドレスに対応する複数のネットワークポートと、複数のネットワークポートに接続された異なるネットワークのうち少なくとも2つの異なるネットワークを介して第2のテレビ会議装置との通信経路を構成し、その2つの異なるネットワークを介して一つのデータを分割して第2のテレビ会議装置と通信する制御を行う制御手段とを備えており、第2のテレビ会議装置が、2つの異なるネットワークを介して各々送られる分割されたデータを合成して出力する通信制御手段を備えているテレビ会議システムである。
【0021】
このような本発明では、第1のテレビ会議装置と第2のテレビ会議装置とが異なるネットワークアドレスに対応した異なるネットワークに接続されており、この異なるネットワークのうち少なくとも2つを介して相手方装置との間で通信経路を構成し、その2つの異なるネットワークを介して一つのデータを分割して通信することから、一つで映像データと音声データとを通信する場合に比べて広い帯域を利用できるようになる。
【0022】
また、本発明は、ネットワークを介して第1のテレビ会議装置と第2のテレビ会議装置との双方向通信を行うテレビ会議システムの通信方法において、第1のテレビ会議装置が、異なるネットワークアドレスに対応した異なるネットワークと接続可能となっており、この異なるネットワークのうち何れか一つを介して第2のテレビ会議装置との通信経路を構成し、そのネットワークの通信状態に障害が発生した場合、他のネットワークに切り替えて第2のテレビ会議装置との通信経路を構成するテレビ会議システムの通信方法である。
【0023】
このような本発明では、第1のテレビ会議装置と第2のテレビ会議装置とを、異なるネットワークアドレスに対応した異なるネットワークを介して接続していることから、使用している何れか一つのネットワークに障害が発生しても、他のネットワークに切り替えて同じ相手方装置との通信経路を確保できるようになる。
【0024】
また、本発明は、ネットワークを介して第1のテレビ会議装置と第2のテレビ会議装置との双方向通信を行うテレビ会議システムの通信方法において、第1のテレビ会議装置が、異なるネットワークアドレスに対応した異なるネットワークと接続可能となっており、この異なるネットワークのうち少なくとも2つの異なるネットワークを介して第2のテレビ会議装置との通信経路を構成し、その2つの異なるネットワークを介して第2のテレビ会議装置との間で同じデータを通信し、第2のテレビ会議装置が、2つの異なるネットワークアドレスを介して送られる同じデータのうち一方において欠落したデータを他方で補う制御を行うテレビ会議システムの通信方法である。
【0025】
このような本発明では、第1のテレビ会議装置と第2のテレビ会議装置とを、異なるネットワークアドレスに対応した異なるネットワークを介して接続しており、この異なるネットワークのうち少なくとも2つを介して相手方装置との間で同じデータを通信することから、一方のネットワークを介して通信したデータに欠落があっても、他方のネットワークを介して通信したデータで補間できるようになる。
【0026】
また、本発明は、ネットワークを介して第1のテレビ会議装置と第2のテレビ会議装置との双方向通信を行うテレビ会議システムの通信方法において、第1のテレビ会議装置が、異なるネットワークアドレスに対応した異なるネットワークと接続可能となっており、この異なるネットワークのうち少なくとも2つの異なるネットワークを介して第2のテレビ会議装置との通信経路を構成し、その2つの異なるネットワークのうち一つを介して映像データ、他の一つを介して音声データを前記第2のテレビ会議装置との間で通信し、第2のテレビ会議装置が、2つの異なるネットワークを介して各々送られる映像データと音声データとを合成して出力するテレビ会議システムの通信方法である。
【0027】
このような本発明では、第1のテレビ会議装置と第2のテレビ会議装置とを、異なるネットワークアドレスに対応した異なるネットワークに接続しており、この異なるネットワークのうち少なくとも2つを介して相手方装置との間で通信経路を構成し、そのうち一つで映像データ、他の一つで音声データを通信することから、一つで映像データと音声データとを通信する場合に比べて広い帯域を利用できるようになる。
【0028】
また、本発明は、ネットワークを介して第1のテレビ会議装置と第2のテレビ会議装置との双方向通信を行うテレビ会議システムの通信方法において、第1のテレビ会議装置が、異なるネットワークアドレスに対応した異なるネットワークと接続可能となっており、この異なるネットワークのうち少なくとも2つの異なるネットワークを介して第2のテレビ会議装置との通信経路を構成し、その2つの異なるネットワークを介して一つのデータを分割して第2のテレビ会議装置と通信し、第2のテレビ会議装置が、2つの異なるネットワークを介して各々送られる分割されたデータを合成して出力するテレビ会議システムの通信方法である。
【0029】
このような本発明では、第1のテレビ会議装置と第2のテレビ会議装置とを、異なるネットワークアドレスに対応した異なるネットワークに接続しており、この異なるネットワークのうち少なくとも2つを介して相手方装置との間で通信経路を構成し、その2つの異なるネットワークを介して一つのデータを分割して通信することから、一つで映像データと音声データとを通信する場合に比べて広い帯域を利用できるようになる。
【発明の効果】
【0030】
したがって、本発明によれば、複数の異なるネットワークと接続できるテレビ会議システムにおいて、この接続された複数のネットワークの利点を十分に有効活用することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の実施の形態を図に基づき説明する。
【0032】
<テレビ会議装置およびテレビ会議システムの基本的な構成>
図1は、本実施形態に係るテレビ会議装置およびテレビ会議システムの構成を説明する模式図である。テレビ会議システムは、複数のテレビ会議装置をネットワークで接続し、各々で取り込んだ映像や音声等の各種データを双方向で通信するシステムである。
【0033】
本実施形態では、テレビ会議装置として、端末Z(説明上、主として送信側)、相手端末Y(説明上、主として受信側)の2台を備えた構成を中心として説明するが、本発明は2台より多くの端末を接続した構成であっても適用可能である。
【0034】
図2は、本実施形態に係るテレビ会議装置の概略構成図である。本実施形態のテレビ会議装置である端末Zには、異なるネットワークアドレスに対応する複数のネットワークポートP1、2、…、Pnが設けられており、これらのネットワークポートに接続された異なるネットワークa、b、…、nを適応的に利用する制御部10を備えている。制御部10は、ネットワークa、b、…、nの接続制御を行うとともに、映像データを取得するカメラ21、音声データを取得するマイク22の制御、ならびに相手端末から送られてきた映像データを表示するモニタ、音声データを出力するスピーカを制御する。
【0035】
相手端末Yは、端末Zと同じ構成でもよいが、本実施形態では一つのネットワークcと接続可能な構成としている。また、相手端末Yにも制御部が設けられているが、説明の便宜上、受信側となる相手端末Yの制御部を通信制御部(通信制御手段)と言うこととする。
【0036】
また、本実施形態では、説明を分かりやすくするため、ルータAを介したネットワークaとルータBを介したネットワークbとの2つのネットワークに接続できるようになっている(図1参照)。異なるネットワークとしては、例えば、異なるインターネットサービスプロバイダとの接続を行うネットワークであったり、異なるネットワークセグメントのものであったりする。
【0037】
ルータA、Bは各々インターネットに接続されている。また、相手端末Yはネットワークcに接続されており、ルータCを介してインターネットに接続されている。テレビ会議システムは、端末Zと相手端末Yとが各々ネットワーク、ルータ、インターネットを介して接続されることで構成されている。
【0038】
本実施形態のテレビ会議システムにおいては、(1)通信回線の故障やエラーによって起こされる通信断、音声・映像データの遅延、ジッタ、パケットロスを回避し、円滑な会議を行うこと、(2)通信回線の帯域不足を補い、HDの映像などの広帯域を使用した会議を行うこと、を目的としている。
【0039】
このため、テレビ会議システムに適用するテレビ会議装置としては、先に説明したような複数のネットワークポートを用意しておき、それぞれ異なるネットワークに接続し、回線故障時のバックアップ回線への自動切換え機能、二回線に冗長データを送信することで受信側で回線エラーにより欠落したデータを回復する機能、音声データを映像データによる帯域圧迫の影響無しに相手に送信する機能、複数回線を束ねてより広い帯域を使用する機能を実現している。以下、これらの機能について実施形態として説明する。
【0040】
<第1実施形態>
図3は、第1実施形態を説明する模式図である。テレビ会議装置である端末Zに2つのネットワークポート(例えば、LANポート)を設け、それぞれに異なるネットワークを接続する。一つはネットワークa、もう一つはネットワークbであり、各々ルータA、Bを介してインターネットに接続されている。
【0041】
第1実施形態では、ネットワークに何らかの故障が発生したり、通信エラーが発生した場合や、より広帯域を使いたいなどの目的に応じて、どのネットワークポートから音声・映像を送信するかを選ぶ点に特徴がある。
【0042】
図3に示す例では、端末Zに接続されるネットワークaを優先的に使用するネットワークとして設定しており、このネットワークから映像、音声のデータを発信し、ネットワークa、ルータA、インターネット、ルータC、ネットワークcを介して相手端末Yに送信する。このネットワークaとの接続ができない場合、もう一方のネットワークb、ルータB、インターネット、ルータC、ネットワークcを介した相手端末Yとのネットワーク接続に切り替える。
【0043】
例えば、端末Zが使用していたネットワークaの経路で故障が発生したことを端末Zの制御手段(図示せず)が検知した場合、その経路の使用を停止し、もう一方のネットワークbを介した新たな経路を設定し、相手端末Yとの接続を行う。
【0044】
図4は、本実施形態でのコネクションフローを説明する図である。
1.端末Zから相手端末Yへネットワークa、ルータAを通る経路でコネクションを試みる(ステップS101)。
2.コネクションが成立した場合は(ステップS102でYes)、ネットワークa、ルータAを通る経路で端末Zと相手端末Yとの間の双方向通信を行う(ステップS103)。
3.コネクションが不成立の場合は(ステップS102でNo)、ネットワークaに障害が発生しているか否かを判断し(ステップS104)、障害発生でない場合はステップS101へ戻って再度ネットワークaのコネクションを試みる。障害が発生している場合には、ネットワークb、ルータBを通る経路で端末Zから相手端末Yへのコネクションを試みる(ステップS105)。
4.コネクションが成立した場合は(ステップS106でYes)、ネットワークb、ルータBを通る経路で端末Zと相手端末Yとの間の双方向通信を行う(ステップS107)。コネクションが成立しない場合は(ステップS106でNo)、ステップS101へ戻って再度ネットワークaのコネクションを行う。
【0045】
相手端末Yの通信制御部では、端末Zに接続されたいずれのネットワークa、bを介して送られてきたデータであっても、端末Zからのデータとして取扱い、通信を行うことになる。
【0046】
このようなフローにより、一方のネットワークで故障が発生した場合、自動的にもう一方のネットワークに切り替えることができ、どちらかのネットワークが故障していても相手端末Yと接続できるようになる。
【0047】
<第2実施形態>
図5は、第2実施形態を説明する模式図である。テレビ会議装置である端末Zに2つのネットワークポート(例えば、LANポート)を設け、それぞれに異なるネットワークを接続する。一つはネットワークa、もう一つはネットワークbであり、各々ルータA、Bを介してインターネットに接続されている。
【0048】
第2実施形態では、2つのネットワークに同じデータを送信し、パケットロス等の回線でのエラーを受信側で回復できる点に特徴がある。すなわち、両方のネットワークから同じ音声および映像データを送信し、受信側となる相手端末Yでは、片方のネットワークで欠落したデータがあっても、もう一方のネットワークから受信できていれば、それを用いて補完し、元のデータを復元することができる。
【0049】
図6は、本実施形態でのコネクションフローを説明する図である。
1.端末Zから相手端末Yへネットワークa、ルータAを通る経路でネットワークaに対応したIPアドレス(図5に示す例では、43.25.72.1)を用いて相手端末Yとのコネクションを成立させる(ステップS201〜S202)。
2.端末Zから相手端末Yへネットワークb、ルータBを通る経路でネットワークbに対応したIPアドレス(図5に示す例では、43.25.97.1)を用いて相手端末Yとのコネクションを成立させる(ステップS201〜S202)。
3.端末Zは、ネットワークa、ルータAを介して相手端末Yとの間の映像および音声のデータ通信として、映像と音声とで同じIPアドレスの異なるポートを指定した通信を行う(ステップS203)。例えば、音声データの通信は、IPアドレス/ポート番号43.25.72.1/50000、映像データの通信は、IPアドレス/ポート番号43.25.72.1/50002を用いる。
4.端末Zは、ネットワークb、ルータBを介して相手端末Yとの間の映像および音声のデータ通信として、映像と音声とで同じIPアドレスの異なるポートを指定した通信を行う(ステップS203)。例えば、音声データの通信は、IPアドレス/ポート番号43.25.97.1/40000、映像データの通信は、IPアドレス/ポート番号43.25.97.1/40002を用いる。
5.相手端末Yの通信制御部は、ネットワークa、bを介して端末Zから各々送られてきたデータを合成して出力する(ステップS204)。この際、IPアドレス/ポート番号によってどのネットワークを介して送られてきた音声データなのか、映像データなのかを判別することができ、的確に合成できる。
6.相手端末Yの通信制御部は、受信したデータに欠落(パケットロス)があるか否かを判断する(ステップS205)。パケットロスは、データパケットに含まれるシーケンス番号によって判別することができる。パケットロスがある場合には(ステップS205でYes)、欠落したデータを補間する(ステップS206)。
【0050】
図5に示す例では、端末Zからネットワークa、bを介して同じ音声データ、映像データを相手端末Yに送っており、ネットワークaを介して送った映像データのシーケンス番号12300〜12400に欠落が発生した状態となっている。この際、相手端末Yはネットワークbを介して送られてきた同じ映像データのシーケンス番号12300〜12400のデータを使って補間することができる。
【0051】
このようなフローにより、一方のネットワークを介して通信したデータにパケットロス等が発生しても、相手端末Yは別経路で受信したパケットを使って欠落したデータを補間することが可能となる。
【0052】
<第3実施形態>
図7は、第3実施形態を説明する模式図である。テレビ会議装置である端末Zに2つのネットワークポート(例えば、LANポート)を設け、それぞれに異なるネットワークを接続する。一つはネットワークa、もう一つはネットワークbであり、各々ルータA、Bを介してインターネットに接続されている。
【0053】
第3実施形態では、映像データと音声データとを別々のネットワークを介して送信し、広帯域を使用する映像データによる回線の輻輳から音声データを保護し、音声データの遅延、ジッタ、パケットロスを防ぐ点に特徴がある。例えば、端末Zは、ネットワークaを介して映像データを送信し、ネットワークbを介してH323のシグナリングパケットおよび音声データを送信する。
【0054】
図8は、本実施形態でのコネクションフローを説明する図である。
1.端末Zから相手端末Yへネットワークa、ルータAを通る経路でネットワークaに対応したIPアドレス(図7に示す例では、43.25.72.1)を用いて相手端末Yとのコネクションを成立させる(ステップS301〜S302)。
2.端末Zから相手端末Yへネットワークb、ルータBを通る経路でネットワークbに対応したIPアドレス(図7に示す例では、43.25.97.1)を用いて相手端末Yとのコネクションを成立させる(ステップS301〜S302)。
3.端末Zは、ネットワークa、ルータAを介して相手端末Yに映像データを送信する。映像データの通信は、例えば、IPアドレス/ポート番号43.25.72.1/50000を用いる(ステップS303)。
4.端末Zは、ネットワークb、ルータBを介して相手端末Yに音声データを送信する。音声データの通信は、例えば、IPアドレス/ポート番号43.25.97.1/40000を用いる(ステップS303)。
5.相手端末Yの通信制御部は、ネットワークa、bを介して端末Zから各々送られてきた映像データと音声データとを各々出力する(ステップS304)。相手端末Yは、IPアドレス/ポート番号によってどのネットワークを介して送られてきた映像データなのか、音声データなのかを判別することができ、的確に合成できる。なお、映像データと音声データとが異なるネットワークを介して送られてきても、相手端末Yはデータパケットに含まれるタイムスタンプによって映像データと音声データとの同期をとることができる。
【0055】
このようなフローにより、映像データによる帯域の圧迫の影響を音声データに与えることなく相手端末Yへ送信することが可能となり、音声データの遅延、ジッタ、パケットロスを防ぐことが可能となる。
【0056】
<第4実施形態>
図9は、第4実施形態を説明する模式図である。テレビ会議装置である端末Zに2つのネットワークポート(例えば、LANポート)を設け、それぞれに異なるネットワークを接続する。一つはネットワークa、もう一つはネットワークbであり、各々ルータA、Bを介してインターネットに接続されている。
【0057】
第4実施形態では、一つのデータを分割し、複数のネットワークから同時に送信し、受信側では同期をとって一つのデータを復元する点に特徴がある。ここで、一つのデータとは、一つの連続するデータのことを言い、一つのストリームデータ、例えば一つのビデオストリームのことを言う。
【0058】
端末Zでは、一つのビデオストリームを分割し、両方のネットワークを介して送信し、受信側となる相手端末Yでは、片方のネットワークで両方のネットワークを介して各々送信されてきたビデオストリームを合成して、元のビデオストリームに復元する。
【0059】
具体的には、送信側は、一つのビデオストリームを通信可能なネットワークの数に合わせて分割し、複数のネットワークから同時に送信する。受信側では、各ネットワークから送られてきたビデオストリーム(分割されたもの)のシーケンス番号から元のビデオストリームを復元する。これにより、片方のネットワークだけでは利用できないような広帯域を用いた通信が可能となる。
【0060】
また、通信開始前に、Packet Pair等の回線レート計測ツールを使い、複数のネットワーク各々の利用可能帯域を測定しておき、それぞれの利用可能帯域に応じた割合でビデオデータを分割して送信すれば、各ネットワークの帯域をバランス良く利用することが可能となる。
【0061】
図10は、本実施形態でのコネクションフローを説明する図である。
1.端末Zから相手端末Yへネットワークa、ルータAを通る経路でネットワークaに対応したIPアドレス(図9に示す例では、43.25.72.1)を用いて相手端末Yとのコネクションを成立させる(ステップS401)。
2.端末Zから相手端末Yへネットワークb、ルータBを通る経路でネットワークbに対応したIPアドレス(図9に示す例では、43.25.97.1)を用いて相手端末Yとのコネクションを成立させる(ステップS401)。
3.端末Zは、一つの映像データを分割(2等分もしくは利用可能帯域に応じた割合で分割)し、分割したデータをネットワークaおよびネットワークbを介して相手端末Yへ送信する(ステップS403)。
4.相手端末Yの通信制御部は、ネットワークa、bを介して端末Zから各々送られてきた映像データを合成して(復元)、出力する(ステップS404)。この際、データパケットに含まれるシーケンス番号によって元の映像データを合成し、正確に復元することができる。なお、上記の例では映像データを分割して送信する場合を説明したが、音声データを分割して送信する場合であっても適用可能である。
【0062】
このようなフローにより、一つのネットワークだけでは通信できないような広帯域を用いた通信が可能となる。
【0063】
<実施効果>
上記各実施形態によれば、通信回線の故障や輻輳を避け、テレビ会議を円滑に進めることが可能となる。また、複数回線を束ねた広い帯域を使ってテレビ会議を行うことが可能となる。
【0064】
なお、上記実施形態では、端末Zと相手端末Yとの2地点でのテレビ会議システムを例として説明したが、本発明は2値点より多い多地点であっても構成可能である。また、相手端末Yも複数ネットワークに接続可能な態様であってもよい。また、端末Zは、複数のネットワークの状況によって、上記第1実施形態〜第4実施形態の機動的な切り替えを行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本実施形態に係るテレビ会議装置およびテレビ会議システムの構成を説明する模式図である。
【図2】テレビ会議装置の概略構成図である。
【図3】第1実施形態を説明する模式図である。
【図4】第1実施形態を説明するフローチャートである。
【図5】第2実施形態を説明する模式図である。
【図6】第2実施形態を説明するフローチャートである。
【図7】第3実施形態を説明する模式図である。
【図8】第3実施形態を説明するフローチャートである。
【図9】第4実施形態を説明する模式図である。
【図10】第4実施形態を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0066】
10…制御部、a…ネットワーク、b…ネットワーク、c…ネットワーク、A…ルータ、B…ルータ、C…ルータ、Y…相手端末、Z…端末
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介して相手方装置との双方向通信を行うテレビ会議装置、テレビ会議システムならびにテレビ会議システムの通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ネットワーク環境の発達に伴い、離れた場所で映像や音声を双方向通信するテレビ会議システムが多く用いられるようになってきている。このテレビ会議システムでは、離れた場所にいる参加者の映像や音声を別の場所のディスプレイおよびスピーカから出力することで、同じ場所で会議しているかのような状況を作り出すことが必要であることから、リアルタイム性やデータ品質の向上が求められる。
【0003】
ここで、テレビ会議システムにおいては、回線に故障があった場合、通信ができなくなってしまう。また、パケットロス等の回線の問題が発生すると画像や音声が乱れてしまう。さらには、回線の帯域を越えるデータを送信するように設定された場合、音声データがビデオストリームによるネットワークの輻輳により遅延、ジッタ、パケットロスを起こしてしまう。また、低ビットレートの回線しか利用できない場合、HD(high definition)品質の映像など高ビットレートを必要とするデータを送受信することができないことになる。特許文献1、特許文献2では、複数の回線を利用してデータ通信の高速化や品質向上を図る技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2000−184344号公報
【特許文献2】特開2006−54910号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、いずれの引用文献であっても、テレビ会議システムにおいて複数のネットワークを十分有効に利用できていないという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明はこのような課題を解決するために成されたものである。すなわち、本発明は、ネットワークを介して相手方装置との双方向通信を行うテレビ会議装置において、異なるネットワークアドレスに対応する複数のネットワークポートと、複数のネットワークポートに接続された異なるネットワークのうち何れか一つを介して相手方装置との通信経路を構成し、そのネットワークの通信状態に障害が発生した場合、他のネットワークに切り替えて同じ相手方装置との通信経路を構成する制御を行う制御手段とを備えるテレビ会議装置である。
【0007】
このような本発明では、テレビ会議装置が異なるネットワークアドレスに対応した異なるネットワークに接続でき、使用している何れか一つのネットワークに障害が発生しても、他のネットワークに切り替えて同じ相手方装置との通信経路を確保できるようになる。
【0008】
また、本発明は、ネットワークを介して相手方装置との双方向通信を行うテレビ会議装置において、異なるネットワークアドレスに対応する複数のネットワークポートと、複数のネットワークポートに接続された異なるネットワークのうち少なくとも2つの異なるネットワークを介して相手方装置との通信経路を構成し、その2つの異なるネットワークを介して相手方装置との間で同じデータを通信する制御を行う制御手段とを備えるテレビ会議装置である。
【0009】
このような本発明では、テレビ会議装置が異なるネットワークアドレスに対応した異なるネットワークに接続でき、この異なるネットワークのうち少なくとも2つを介して相手方装置との間で同じデータを通信することから、一方のネットワークを介して通信したデータに欠落があっても、他方のネットワークを介して通信したデータで補間できるようになる。
【0010】
また、本発明は、ネットワークを介して相手方装置との双方向通信を行うテレビ会議装置において、異なるネットワークアドレスに対応する複数のネットワークポートと、複数のネットワークポートに接続された異なるネットワークのうち少なくとも2つの異なるネットワークを介して相手方装置との通信経路を構成し、その2つの異なるネットワークのうち一つを介して映像データ、他の一つを介して音声データを相手方装置との間で通信する制御を行う制御手段とを備えるテレビ会議装置である。
【0011】
このような本発明では、テレビ会議装置が異なるネットワークアドレスに対応した異なるネットワークに接続でき、この異なるネットワークのうち少なくとも2つを介して相手方装置との間で通信経路を構成し、そのうち一つで映像データ、他の一つで音声データを通信することから、一つで映像データと音声データとを通信する場合に比べて広い帯域を利用できるようになる。
【0012】
また、本発明は、ネットワークを介して相手方装置との双方向通信を行うテレビ会議装置において、異なるネットワークアドレスに対応する複数のネットワークポートと、複数のネットワークポートに接続された異なるネットワークのうち少なくとも2つの異なるネットワークを介して相手方装置との通信経路を構成し、その2つの異なるネットワークを介して一つのデータを分割して相手方装置と通信する制御を行う制御手段とを備えるテレビ会議装置である。
【0013】
このような本発明では、テレビ会議装置が異なるネットワークアドレスに対応した異なるネットワークに接続でき、この異なるネットワークのうち少なくとも2つを介して相手方装置との間で通信経路を構成し、その2つの異なるネットワークを介して一つのデータを分割して通信することから、一つで映像データと音声データとを通信する場合に比べて広い帯域を利用できるようになる。
【0014】
また、本発明は、ネットワークを介して第1のテレビ会議装置と第2のテレビ会議装置との双方向通信を行うテレビ会議システムにおいて、第1のテレビ会議装置が、異なるネットワークアドレスに対応する複数のネットワークポートと、複数のネットワークポートに接続された異なるネットワークのうち何れか一つを介して第2のテレビ会議装置との通信経路を構成し、そのネットワークの通信状態に障害が発生した場合、他のネットワークに切り替えて第2のテレビ会議装置との通信経路を構成する制御を行う制御手段とを備えており、第2のテレビ会議装置が、異なるネットワークアドレスのうちいずれのネットワークアドレスであっても第1のテレビ会議装置と対応付けして通信を行う通信制御手段を備えているテレビ会議システムである。
【0015】
このような本発明では、第1のテレビ会議装置と第2のテレビ会議装置とが異なるネットワークアドレスに対応した異なるネットワークを介して接続されていることから、使用している何れか一つのネットワークに障害が発生しても、他のネットワークに切り替えて同じ相手方装置との通信経路を確保できるようになる。
【0016】
また、本発明は、ネットワークを介して第1のテレビ会議装置と第2のテレビ会議装置との双方向通信を行うテレビ会議システムにおいて、第1のテレビ会議装置が、異なるネットワークアドレスに対応する複数のネットワークポートと、複数のネットワークポートに接続された異なるネットワークのうち少なくとも2つの異なるネットワークを介して第2のテレビ会議装置との通信経路を構成し、その2つの異なるネットワークを介して第2のテレビ会議装置との間で同じデータを通信する制御を行う制御手段とを備えており、第2のテレビ会議装置が、2つの異なるネットワークアドレスを介して送られる同じデータのうち一方において欠落したデータを他方で補う制御を行う通信制御手段を備えているテレビ会議システムである。
【0017】
このような本発明では、第1のテレビ会議装置と第2のテレビ会議装置とが異なるネットワークアドレスに対応した異なるネットワークを介して接続されており、この異なるネットワークのうち少なくとも2つを介して相手方装置との間で同じデータを通信することから、一方のネットワークを介して通信したデータに欠落があっても、他方のネットワークを介して通信したデータで補間できるようになる。
【0018】
また、本発明は、ネットワークを介して第1のテレビ会議装置と第2のテレビ会議装置との双方向通信を行うテレビ会議システムにおいて、第1のテレビ会議装置が、異なるネットワークアドレスに対応する複数のネットワークポートと、複数のネットワークポートに接続された異なるネットワークのうち少なくとも2つの異なるネットワークを介して第2のテレビ会議装置との通信経路を構成し、その2つの異なるネットワークのうち一つを介して映像データ、他の一つを介して音声データを第2のテレビ会議装置との間で通信する制御を行う制御手段とを備えており、第2のテレビ会議装置が、2つの異なるネットワークを介して各々送られる映像データと音声データとを合成して出力する通信制御手段を備えているテレビ会議システムである。
【0019】
このような本発明では、第1のテレビ会議装置と第2のテレビ会議装置とが異なるネットワークアドレスに対応した異なるネットワークに接続されており、この異なるネットワークのうち少なくとも2つを介して相手方装置との間で通信経路を構成し、そのうち一つで映像データ、他の一つで音声データを通信することから、一つで映像データと音声データとを通信する場合に比べて広い帯域を利用できるようになる。
【0020】
また、本発明は、ネットワークを介して第1のテレビ会議装置と第2のテレビ会議装置との双方向通信を行うテレビ会議システムにおいて、第1のテレビ会議装置が、異なるネットワークアドレスに対応する複数のネットワークポートと、複数のネットワークポートに接続された異なるネットワークのうち少なくとも2つの異なるネットワークを介して第2のテレビ会議装置との通信経路を構成し、その2つの異なるネットワークを介して一つのデータを分割して第2のテレビ会議装置と通信する制御を行う制御手段とを備えており、第2のテレビ会議装置が、2つの異なるネットワークを介して各々送られる分割されたデータを合成して出力する通信制御手段を備えているテレビ会議システムである。
【0021】
このような本発明では、第1のテレビ会議装置と第2のテレビ会議装置とが異なるネットワークアドレスに対応した異なるネットワークに接続されており、この異なるネットワークのうち少なくとも2つを介して相手方装置との間で通信経路を構成し、その2つの異なるネットワークを介して一つのデータを分割して通信することから、一つで映像データと音声データとを通信する場合に比べて広い帯域を利用できるようになる。
【0022】
また、本発明は、ネットワークを介して第1のテレビ会議装置と第2のテレビ会議装置との双方向通信を行うテレビ会議システムの通信方法において、第1のテレビ会議装置が、異なるネットワークアドレスに対応した異なるネットワークと接続可能となっており、この異なるネットワークのうち何れか一つを介して第2のテレビ会議装置との通信経路を構成し、そのネットワークの通信状態に障害が発生した場合、他のネットワークに切り替えて第2のテレビ会議装置との通信経路を構成するテレビ会議システムの通信方法である。
【0023】
このような本発明では、第1のテレビ会議装置と第2のテレビ会議装置とを、異なるネットワークアドレスに対応した異なるネットワークを介して接続していることから、使用している何れか一つのネットワークに障害が発生しても、他のネットワークに切り替えて同じ相手方装置との通信経路を確保できるようになる。
【0024】
また、本発明は、ネットワークを介して第1のテレビ会議装置と第2のテレビ会議装置との双方向通信を行うテレビ会議システムの通信方法において、第1のテレビ会議装置が、異なるネットワークアドレスに対応した異なるネットワークと接続可能となっており、この異なるネットワークのうち少なくとも2つの異なるネットワークを介して第2のテレビ会議装置との通信経路を構成し、その2つの異なるネットワークを介して第2のテレビ会議装置との間で同じデータを通信し、第2のテレビ会議装置が、2つの異なるネットワークアドレスを介して送られる同じデータのうち一方において欠落したデータを他方で補う制御を行うテレビ会議システムの通信方法である。
【0025】
このような本発明では、第1のテレビ会議装置と第2のテレビ会議装置とを、異なるネットワークアドレスに対応した異なるネットワークを介して接続しており、この異なるネットワークのうち少なくとも2つを介して相手方装置との間で同じデータを通信することから、一方のネットワークを介して通信したデータに欠落があっても、他方のネットワークを介して通信したデータで補間できるようになる。
【0026】
また、本発明は、ネットワークを介して第1のテレビ会議装置と第2のテレビ会議装置との双方向通信を行うテレビ会議システムの通信方法において、第1のテレビ会議装置が、異なるネットワークアドレスに対応した異なるネットワークと接続可能となっており、この異なるネットワークのうち少なくとも2つの異なるネットワークを介して第2のテレビ会議装置との通信経路を構成し、その2つの異なるネットワークのうち一つを介して映像データ、他の一つを介して音声データを前記第2のテレビ会議装置との間で通信し、第2のテレビ会議装置が、2つの異なるネットワークを介して各々送られる映像データと音声データとを合成して出力するテレビ会議システムの通信方法である。
【0027】
このような本発明では、第1のテレビ会議装置と第2のテレビ会議装置とを、異なるネットワークアドレスに対応した異なるネットワークに接続しており、この異なるネットワークのうち少なくとも2つを介して相手方装置との間で通信経路を構成し、そのうち一つで映像データ、他の一つで音声データを通信することから、一つで映像データと音声データとを通信する場合に比べて広い帯域を利用できるようになる。
【0028】
また、本発明は、ネットワークを介して第1のテレビ会議装置と第2のテレビ会議装置との双方向通信を行うテレビ会議システムの通信方法において、第1のテレビ会議装置が、異なるネットワークアドレスに対応した異なるネットワークと接続可能となっており、この異なるネットワークのうち少なくとも2つの異なるネットワークを介して第2のテレビ会議装置との通信経路を構成し、その2つの異なるネットワークを介して一つのデータを分割して第2のテレビ会議装置と通信し、第2のテレビ会議装置が、2つの異なるネットワークを介して各々送られる分割されたデータを合成して出力するテレビ会議システムの通信方法である。
【0029】
このような本発明では、第1のテレビ会議装置と第2のテレビ会議装置とを、異なるネットワークアドレスに対応した異なるネットワークに接続しており、この異なるネットワークのうち少なくとも2つを介して相手方装置との間で通信経路を構成し、その2つの異なるネットワークを介して一つのデータを分割して通信することから、一つで映像データと音声データとを通信する場合に比べて広い帯域を利用できるようになる。
【発明の効果】
【0030】
したがって、本発明によれば、複数の異なるネットワークと接続できるテレビ会議システムにおいて、この接続された複数のネットワークの利点を十分に有効活用することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の実施の形態を図に基づき説明する。
【0032】
<テレビ会議装置およびテレビ会議システムの基本的な構成>
図1は、本実施形態に係るテレビ会議装置およびテレビ会議システムの構成を説明する模式図である。テレビ会議システムは、複数のテレビ会議装置をネットワークで接続し、各々で取り込んだ映像や音声等の各種データを双方向で通信するシステムである。
【0033】
本実施形態では、テレビ会議装置として、端末Z(説明上、主として送信側)、相手端末Y(説明上、主として受信側)の2台を備えた構成を中心として説明するが、本発明は2台より多くの端末を接続した構成であっても適用可能である。
【0034】
図2は、本実施形態に係るテレビ会議装置の概略構成図である。本実施形態のテレビ会議装置である端末Zには、異なるネットワークアドレスに対応する複数のネットワークポートP1、2、…、Pnが設けられており、これらのネットワークポートに接続された異なるネットワークa、b、…、nを適応的に利用する制御部10を備えている。制御部10は、ネットワークa、b、…、nの接続制御を行うとともに、映像データを取得するカメラ21、音声データを取得するマイク22の制御、ならびに相手端末から送られてきた映像データを表示するモニタ、音声データを出力するスピーカを制御する。
【0035】
相手端末Yは、端末Zと同じ構成でもよいが、本実施形態では一つのネットワークcと接続可能な構成としている。また、相手端末Yにも制御部が設けられているが、説明の便宜上、受信側となる相手端末Yの制御部を通信制御部(通信制御手段)と言うこととする。
【0036】
また、本実施形態では、説明を分かりやすくするため、ルータAを介したネットワークaとルータBを介したネットワークbとの2つのネットワークに接続できるようになっている(図1参照)。異なるネットワークとしては、例えば、異なるインターネットサービスプロバイダとの接続を行うネットワークであったり、異なるネットワークセグメントのものであったりする。
【0037】
ルータA、Bは各々インターネットに接続されている。また、相手端末Yはネットワークcに接続されており、ルータCを介してインターネットに接続されている。テレビ会議システムは、端末Zと相手端末Yとが各々ネットワーク、ルータ、インターネットを介して接続されることで構成されている。
【0038】
本実施形態のテレビ会議システムにおいては、(1)通信回線の故障やエラーによって起こされる通信断、音声・映像データの遅延、ジッタ、パケットロスを回避し、円滑な会議を行うこと、(2)通信回線の帯域不足を補い、HDの映像などの広帯域を使用した会議を行うこと、を目的としている。
【0039】
このため、テレビ会議システムに適用するテレビ会議装置としては、先に説明したような複数のネットワークポートを用意しておき、それぞれ異なるネットワークに接続し、回線故障時のバックアップ回線への自動切換え機能、二回線に冗長データを送信することで受信側で回線エラーにより欠落したデータを回復する機能、音声データを映像データによる帯域圧迫の影響無しに相手に送信する機能、複数回線を束ねてより広い帯域を使用する機能を実現している。以下、これらの機能について実施形態として説明する。
【0040】
<第1実施形態>
図3は、第1実施形態を説明する模式図である。テレビ会議装置である端末Zに2つのネットワークポート(例えば、LANポート)を設け、それぞれに異なるネットワークを接続する。一つはネットワークa、もう一つはネットワークbであり、各々ルータA、Bを介してインターネットに接続されている。
【0041】
第1実施形態では、ネットワークに何らかの故障が発生したり、通信エラーが発生した場合や、より広帯域を使いたいなどの目的に応じて、どのネットワークポートから音声・映像を送信するかを選ぶ点に特徴がある。
【0042】
図3に示す例では、端末Zに接続されるネットワークaを優先的に使用するネットワークとして設定しており、このネットワークから映像、音声のデータを発信し、ネットワークa、ルータA、インターネット、ルータC、ネットワークcを介して相手端末Yに送信する。このネットワークaとの接続ができない場合、もう一方のネットワークb、ルータB、インターネット、ルータC、ネットワークcを介した相手端末Yとのネットワーク接続に切り替える。
【0043】
例えば、端末Zが使用していたネットワークaの経路で故障が発生したことを端末Zの制御手段(図示せず)が検知した場合、その経路の使用を停止し、もう一方のネットワークbを介した新たな経路を設定し、相手端末Yとの接続を行う。
【0044】
図4は、本実施形態でのコネクションフローを説明する図である。
1.端末Zから相手端末Yへネットワークa、ルータAを通る経路でコネクションを試みる(ステップS101)。
2.コネクションが成立した場合は(ステップS102でYes)、ネットワークa、ルータAを通る経路で端末Zと相手端末Yとの間の双方向通信を行う(ステップS103)。
3.コネクションが不成立の場合は(ステップS102でNo)、ネットワークaに障害が発生しているか否かを判断し(ステップS104)、障害発生でない場合はステップS101へ戻って再度ネットワークaのコネクションを試みる。障害が発生している場合には、ネットワークb、ルータBを通る経路で端末Zから相手端末Yへのコネクションを試みる(ステップS105)。
4.コネクションが成立した場合は(ステップS106でYes)、ネットワークb、ルータBを通る経路で端末Zと相手端末Yとの間の双方向通信を行う(ステップS107)。コネクションが成立しない場合は(ステップS106でNo)、ステップS101へ戻って再度ネットワークaのコネクションを行う。
【0045】
相手端末Yの通信制御部では、端末Zに接続されたいずれのネットワークa、bを介して送られてきたデータであっても、端末Zからのデータとして取扱い、通信を行うことになる。
【0046】
このようなフローにより、一方のネットワークで故障が発生した場合、自動的にもう一方のネットワークに切り替えることができ、どちらかのネットワークが故障していても相手端末Yと接続できるようになる。
【0047】
<第2実施形態>
図5は、第2実施形態を説明する模式図である。テレビ会議装置である端末Zに2つのネットワークポート(例えば、LANポート)を設け、それぞれに異なるネットワークを接続する。一つはネットワークa、もう一つはネットワークbであり、各々ルータA、Bを介してインターネットに接続されている。
【0048】
第2実施形態では、2つのネットワークに同じデータを送信し、パケットロス等の回線でのエラーを受信側で回復できる点に特徴がある。すなわち、両方のネットワークから同じ音声および映像データを送信し、受信側となる相手端末Yでは、片方のネットワークで欠落したデータがあっても、もう一方のネットワークから受信できていれば、それを用いて補完し、元のデータを復元することができる。
【0049】
図6は、本実施形態でのコネクションフローを説明する図である。
1.端末Zから相手端末Yへネットワークa、ルータAを通る経路でネットワークaに対応したIPアドレス(図5に示す例では、43.25.72.1)を用いて相手端末Yとのコネクションを成立させる(ステップS201〜S202)。
2.端末Zから相手端末Yへネットワークb、ルータBを通る経路でネットワークbに対応したIPアドレス(図5に示す例では、43.25.97.1)を用いて相手端末Yとのコネクションを成立させる(ステップS201〜S202)。
3.端末Zは、ネットワークa、ルータAを介して相手端末Yとの間の映像および音声のデータ通信として、映像と音声とで同じIPアドレスの異なるポートを指定した通信を行う(ステップS203)。例えば、音声データの通信は、IPアドレス/ポート番号43.25.72.1/50000、映像データの通信は、IPアドレス/ポート番号43.25.72.1/50002を用いる。
4.端末Zは、ネットワークb、ルータBを介して相手端末Yとの間の映像および音声のデータ通信として、映像と音声とで同じIPアドレスの異なるポートを指定した通信を行う(ステップS203)。例えば、音声データの通信は、IPアドレス/ポート番号43.25.97.1/40000、映像データの通信は、IPアドレス/ポート番号43.25.97.1/40002を用いる。
5.相手端末Yの通信制御部は、ネットワークa、bを介して端末Zから各々送られてきたデータを合成して出力する(ステップS204)。この際、IPアドレス/ポート番号によってどのネットワークを介して送られてきた音声データなのか、映像データなのかを判別することができ、的確に合成できる。
6.相手端末Yの通信制御部は、受信したデータに欠落(パケットロス)があるか否かを判断する(ステップS205)。パケットロスは、データパケットに含まれるシーケンス番号によって判別することができる。パケットロスがある場合には(ステップS205でYes)、欠落したデータを補間する(ステップS206)。
【0050】
図5に示す例では、端末Zからネットワークa、bを介して同じ音声データ、映像データを相手端末Yに送っており、ネットワークaを介して送った映像データのシーケンス番号12300〜12400に欠落が発生した状態となっている。この際、相手端末Yはネットワークbを介して送られてきた同じ映像データのシーケンス番号12300〜12400のデータを使って補間することができる。
【0051】
このようなフローにより、一方のネットワークを介して通信したデータにパケットロス等が発生しても、相手端末Yは別経路で受信したパケットを使って欠落したデータを補間することが可能となる。
【0052】
<第3実施形態>
図7は、第3実施形態を説明する模式図である。テレビ会議装置である端末Zに2つのネットワークポート(例えば、LANポート)を設け、それぞれに異なるネットワークを接続する。一つはネットワークa、もう一つはネットワークbであり、各々ルータA、Bを介してインターネットに接続されている。
【0053】
第3実施形態では、映像データと音声データとを別々のネットワークを介して送信し、広帯域を使用する映像データによる回線の輻輳から音声データを保護し、音声データの遅延、ジッタ、パケットロスを防ぐ点に特徴がある。例えば、端末Zは、ネットワークaを介して映像データを送信し、ネットワークbを介してH323のシグナリングパケットおよび音声データを送信する。
【0054】
図8は、本実施形態でのコネクションフローを説明する図である。
1.端末Zから相手端末Yへネットワークa、ルータAを通る経路でネットワークaに対応したIPアドレス(図7に示す例では、43.25.72.1)を用いて相手端末Yとのコネクションを成立させる(ステップS301〜S302)。
2.端末Zから相手端末Yへネットワークb、ルータBを通る経路でネットワークbに対応したIPアドレス(図7に示す例では、43.25.97.1)を用いて相手端末Yとのコネクションを成立させる(ステップS301〜S302)。
3.端末Zは、ネットワークa、ルータAを介して相手端末Yに映像データを送信する。映像データの通信は、例えば、IPアドレス/ポート番号43.25.72.1/50000を用いる(ステップS303)。
4.端末Zは、ネットワークb、ルータBを介して相手端末Yに音声データを送信する。音声データの通信は、例えば、IPアドレス/ポート番号43.25.97.1/40000を用いる(ステップS303)。
5.相手端末Yの通信制御部は、ネットワークa、bを介して端末Zから各々送られてきた映像データと音声データとを各々出力する(ステップS304)。相手端末Yは、IPアドレス/ポート番号によってどのネットワークを介して送られてきた映像データなのか、音声データなのかを判別することができ、的確に合成できる。なお、映像データと音声データとが異なるネットワークを介して送られてきても、相手端末Yはデータパケットに含まれるタイムスタンプによって映像データと音声データとの同期をとることができる。
【0055】
このようなフローにより、映像データによる帯域の圧迫の影響を音声データに与えることなく相手端末Yへ送信することが可能となり、音声データの遅延、ジッタ、パケットロスを防ぐことが可能となる。
【0056】
<第4実施形態>
図9は、第4実施形態を説明する模式図である。テレビ会議装置である端末Zに2つのネットワークポート(例えば、LANポート)を設け、それぞれに異なるネットワークを接続する。一つはネットワークa、もう一つはネットワークbであり、各々ルータA、Bを介してインターネットに接続されている。
【0057】
第4実施形態では、一つのデータを分割し、複数のネットワークから同時に送信し、受信側では同期をとって一つのデータを復元する点に特徴がある。ここで、一つのデータとは、一つの連続するデータのことを言い、一つのストリームデータ、例えば一つのビデオストリームのことを言う。
【0058】
端末Zでは、一つのビデオストリームを分割し、両方のネットワークを介して送信し、受信側となる相手端末Yでは、片方のネットワークで両方のネットワークを介して各々送信されてきたビデオストリームを合成して、元のビデオストリームに復元する。
【0059】
具体的には、送信側は、一つのビデオストリームを通信可能なネットワークの数に合わせて分割し、複数のネットワークから同時に送信する。受信側では、各ネットワークから送られてきたビデオストリーム(分割されたもの)のシーケンス番号から元のビデオストリームを復元する。これにより、片方のネットワークだけでは利用できないような広帯域を用いた通信が可能となる。
【0060】
また、通信開始前に、Packet Pair等の回線レート計測ツールを使い、複数のネットワーク各々の利用可能帯域を測定しておき、それぞれの利用可能帯域に応じた割合でビデオデータを分割して送信すれば、各ネットワークの帯域をバランス良く利用することが可能となる。
【0061】
図10は、本実施形態でのコネクションフローを説明する図である。
1.端末Zから相手端末Yへネットワークa、ルータAを通る経路でネットワークaに対応したIPアドレス(図9に示す例では、43.25.72.1)を用いて相手端末Yとのコネクションを成立させる(ステップS401)。
2.端末Zから相手端末Yへネットワークb、ルータBを通る経路でネットワークbに対応したIPアドレス(図9に示す例では、43.25.97.1)を用いて相手端末Yとのコネクションを成立させる(ステップS401)。
3.端末Zは、一つの映像データを分割(2等分もしくは利用可能帯域に応じた割合で分割)し、分割したデータをネットワークaおよびネットワークbを介して相手端末Yへ送信する(ステップS403)。
4.相手端末Yの通信制御部は、ネットワークa、bを介して端末Zから各々送られてきた映像データを合成して(復元)、出力する(ステップS404)。この際、データパケットに含まれるシーケンス番号によって元の映像データを合成し、正確に復元することができる。なお、上記の例では映像データを分割して送信する場合を説明したが、音声データを分割して送信する場合であっても適用可能である。
【0062】
このようなフローにより、一つのネットワークだけでは通信できないような広帯域を用いた通信が可能となる。
【0063】
<実施効果>
上記各実施形態によれば、通信回線の故障や輻輳を避け、テレビ会議を円滑に進めることが可能となる。また、複数回線を束ねた広い帯域を使ってテレビ会議を行うことが可能となる。
【0064】
なお、上記実施形態では、端末Zと相手端末Yとの2地点でのテレビ会議システムを例として説明したが、本発明は2値点より多い多地点であっても構成可能である。また、相手端末Yも複数ネットワークに接続可能な態様であってもよい。また、端末Zは、複数のネットワークの状況によって、上記第1実施形態〜第4実施形態の機動的な切り替えを行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本実施形態に係るテレビ会議装置およびテレビ会議システムの構成を説明する模式図である。
【図2】テレビ会議装置の概略構成図である。
【図3】第1実施形態を説明する模式図である。
【図4】第1実施形態を説明するフローチャートである。
【図5】第2実施形態を説明する模式図である。
【図6】第2実施形態を説明するフローチャートである。
【図7】第3実施形態を説明する模式図である。
【図8】第3実施形態を説明するフローチャートである。
【図9】第4実施形態を説明する模式図である。
【図10】第4実施形態を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0066】
10…制御部、a…ネットワーク、b…ネットワーク、c…ネットワーク、A…ルータ、B…ルータ、C…ルータ、Y…相手端末、Z…端末
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して相手方装置との双方向通信を行うテレビ会議装置において、
異なるネットワークアドレスに対応する複数のネットワークポートと、
前記複数のネットワークポートに接続された異なるネットワークのうち何れか一つを介して相手方装置との通信経路を構成し、そのネットワークの通信状態に障害が発生した場合、他のネットワークに切り替えて同じ相手方装置との通信経路を構成する制御を行う制御手段と
を備えることを特徴とするテレビ会議装置。
【請求項2】
ネットワークを介して相手方装置との双方向通信を行うテレビ会議装置において、
異なるネットワークアドレスに対応する複数のネットワークポートと、
前記複数のネットワークポートに接続された異なるネットワークのうち少なくとも2つの異なるネットワークを介して相手方装置との通信経路を構成し、その2つの異なるネットワークを介して相手方装置との間で同じデータを通信する制御を行う制御手段と
を備えることを特徴とするテレビ会議装置。
【請求項3】
ネットワークを介して相手方装置との双方向通信を行うテレビ会議装置において、
異なるネットワークアドレスに対応する複数のネットワークポートと、
前記複数のネットワークポートに接続された異なるネットワークのうち少なくとも2つの異なるネットワークを介して相手方装置との通信経路を構成し、その2つの異なるネットワークのうち一つを介して映像データ、他の一つを介して音声データを相手方装置との間で通信する制御を行う制御手段と
を備えることを特徴とするテレビ会議装置。
【請求項4】
ネットワークを介して相手方装置との双方向通信を行うテレビ会議装置において、
異なるネットワークアドレスに対応する複数のネットワークポートと、
前記複数のネットワークポートに接続された異なるネットワークのうち少なくとも2つの異なるネットワークを介して相手方装置との通信経路を構成し、その2つの異なるネットワークを介して一つのデータを分割して相手方装置と通信する制御を行う制御手段と
を備えることを特徴とするテレビ会議装置。
【請求項5】
ネットワークを介して第1のテレビ会議装置と第2のテレビ会議装置との双方向通信を行うテレビ会議システムにおいて、
前記第1のテレビ会議装置は、
異なるネットワークアドレスに対応する複数のネットワークポートと、
前記複数のネットワークポートに接続された異なるネットワークのうち何れか一つを介して前記第2のテレビ会議装置との通信経路を構成し、そのネットワークの通信状態に障害が発生した場合、他のネットワークに切り替えて前記第2のテレビ会議装置との通信経路を構成する制御を行う制御手段とを備えており、
前記第2のテレビ会議装置は、
前記異なるネットワークアドレスのうちいずれのネットワークアドレスであっても前記第1のテレビ会議装置と対応付けして通信を行う通信制御手段を備えている
ことを特徴とするテレビ会議システム。
【請求項6】
ネットワークを介して第1のテレビ会議装置と第2のテレビ会議装置との双方向通信を行うテレビ会議システムにおいて、
前記第1のテレビ会議装置は、
異なるネットワークアドレスに対応する複数のネットワークポートと、
前記複数のネットワークポートに接続された異なるネットワークのうち少なくとも2つの異なるネットワークを介して前記第2のテレビ会議装置との通信経路を構成し、その2つの異なるネットワークを介して前記第2のテレビ会議装置との間で同じデータを通信する制御を行う制御手段とを備えており、
前記第2のテレビ会議装置は、
前記2つの異なるネットワークアドレスを介して送られる同じデータのうち一方において欠落したデータを他方で補う制御を行う通信制御手段を備えている
ことを特徴とするテレビ会議システム。
【請求項7】
ネットワークを介して第1のテレビ会議装置と第2のテレビ会議装置との双方向通信を行うテレビ会議システムにおいて、
前記第1のテレビ会議装置は、
異なるネットワークアドレスに対応する複数のネットワークポートと、
前記複数のネットワークポートに接続された異なるネットワークのうち少なくとも2つの異なるネットワークを介して前記第2のテレビ会議装置との通信経路を構成し、その2つの異なるネットワークのうち一つを介して映像データ、他の一つを介して音声データを前記第2のテレビ会議装置との間で通信する制御を行う制御手段とを備えており、
前記第2のテレビ会議装置は、
前記2つの異なるネットワークを介して各々送られる前記映像データと前記音声データとを合成して出力する通信制御手段を備えている
ことを特徴とするテレビ会議システム。
【請求項8】
ネットワークを介して第1のテレビ会議装置と第2のテレビ会議装置との双方向通信を行うテレビ会議システムにおいて、
前記第1のテレビ会議装置は、
異なるネットワークアドレスに対応する複数のネットワークポートと、
前記複数のネットワークポートに接続された異なるネットワークのうち少なくとも2つの異なるネットワークを介して前記第2のテレビ会議装置との通信経路を構成し、その2つの異なるネットワークを介して一つのデータを分割して前記第2のテレビ会議装置と通信する制御を行う制御手段とを備えており、
前記第2のテレビ会議装置は、
前記2つの異なるネットワークを介して各々送られる分割されたデータを合成して出力する通信制御手段を備えている
ことを特徴とするテレビ会議システム。
【請求項9】
ネットワークを介して第1のテレビ会議装置と第2のテレビ会議装置との双方向通信を行うテレビ会議システムの通信方法において、
前記第1のテレビ会議装置は、異なるネットワークアドレスに対応した異なるネットワークと接続可能となっており、前記異なるネットワークのうち何れか一つを介して前記第2のテレビ会議装置との通信経路を構成し、そのネットワークの通信状態に障害が発生した場合、他のネットワークに切り替えて前記第2のテレビ会議装置との通信経路を構成する
ことを特徴とするテレビ会議システムの通信方法。
【請求項10】
ネットワークを介して第1のテレビ会議装置と第2のテレビ会議装置との双方向通信を行うテレビ会議システムの通信方法において、
前記第1のテレビ会議装置は、異なるネットワークアドレスに対応した異なるネットワークと接続可能となっており、前記異なるネットワークのうち少なくとも2つの異なるネットワークを介して前記第2のテレビ会議装置との通信経路を構成し、その2つの異なるネットワークを介して前記第2のテレビ会議装置との間で同じデータを通信し、
前記第2のテレビ会議装置は、前記2つの異なるネットワークアドレスを介して送られる同じデータのうち一方において欠落したデータを他方で補う制御を行う
ことを特徴とするテレビ会議システムの通信方法。
【請求項11】
ネットワークを介して第1のテレビ会議装置と第2のテレビ会議装置との双方向通信を行うテレビ会議システムの通信方法において、
前記第1のテレビ会議装置は、異なるネットワークアドレスに対応した異なるネットワークと接続可能となっており、前記異なるネットワークのうち少なくとも2つの異なるネットワークを介して前記第2のテレビ会議装置との通信経路を構成し、その2つの異なるネットワークのうち一つを介して映像データ、他の一つを介して音声データを前記第2のテレビ会議装置との間で通信し、
前記第2のテレビ会議装置は、前記2つの異なるネットワークを介して各々送られる前記映像データと前記音声データとを合成して出力する
ことを特徴とするテレビ会議システムの通信方法。
【請求項12】
ネットワークを介して第1のテレビ会議装置と第2のテレビ会議装置との双方向通信を行うテレビ会議システムの通信方法において、
前記第1のテレビ会議装置は、異なるネットワークアドレスに対応した異なるネットワークと接続可能となっており、前記異なるネットワークのうち少なくとも2つの異なるネットワークを介して前記第2のテレビ会議装置との通信経路を構成し、その2つの異なるネットワークを介して一つのデータを分割して前記第2のテレビ会議装置と通信し、
前記第2のテレビ会議装置は、前記2つの異なるネットワークを介して各々送られる分割されたデータを合成して出力する
ことを特徴とするテレビ会議システムの通信方法。
【請求項1】
ネットワークを介して相手方装置との双方向通信を行うテレビ会議装置において、
異なるネットワークアドレスに対応する複数のネットワークポートと、
前記複数のネットワークポートに接続された異なるネットワークのうち何れか一つを介して相手方装置との通信経路を構成し、そのネットワークの通信状態に障害が発生した場合、他のネットワークに切り替えて同じ相手方装置との通信経路を構成する制御を行う制御手段と
を備えることを特徴とするテレビ会議装置。
【請求項2】
ネットワークを介して相手方装置との双方向通信を行うテレビ会議装置において、
異なるネットワークアドレスに対応する複数のネットワークポートと、
前記複数のネットワークポートに接続された異なるネットワークのうち少なくとも2つの異なるネットワークを介して相手方装置との通信経路を構成し、その2つの異なるネットワークを介して相手方装置との間で同じデータを通信する制御を行う制御手段と
を備えることを特徴とするテレビ会議装置。
【請求項3】
ネットワークを介して相手方装置との双方向通信を行うテレビ会議装置において、
異なるネットワークアドレスに対応する複数のネットワークポートと、
前記複数のネットワークポートに接続された異なるネットワークのうち少なくとも2つの異なるネットワークを介して相手方装置との通信経路を構成し、その2つの異なるネットワークのうち一つを介して映像データ、他の一つを介して音声データを相手方装置との間で通信する制御を行う制御手段と
を備えることを特徴とするテレビ会議装置。
【請求項4】
ネットワークを介して相手方装置との双方向通信を行うテレビ会議装置において、
異なるネットワークアドレスに対応する複数のネットワークポートと、
前記複数のネットワークポートに接続された異なるネットワークのうち少なくとも2つの異なるネットワークを介して相手方装置との通信経路を構成し、その2つの異なるネットワークを介して一つのデータを分割して相手方装置と通信する制御を行う制御手段と
を備えることを特徴とするテレビ会議装置。
【請求項5】
ネットワークを介して第1のテレビ会議装置と第2のテレビ会議装置との双方向通信を行うテレビ会議システムにおいて、
前記第1のテレビ会議装置は、
異なるネットワークアドレスに対応する複数のネットワークポートと、
前記複数のネットワークポートに接続された異なるネットワークのうち何れか一つを介して前記第2のテレビ会議装置との通信経路を構成し、そのネットワークの通信状態に障害が発生した場合、他のネットワークに切り替えて前記第2のテレビ会議装置との通信経路を構成する制御を行う制御手段とを備えており、
前記第2のテレビ会議装置は、
前記異なるネットワークアドレスのうちいずれのネットワークアドレスであっても前記第1のテレビ会議装置と対応付けして通信を行う通信制御手段を備えている
ことを特徴とするテレビ会議システム。
【請求項6】
ネットワークを介して第1のテレビ会議装置と第2のテレビ会議装置との双方向通信を行うテレビ会議システムにおいて、
前記第1のテレビ会議装置は、
異なるネットワークアドレスに対応する複数のネットワークポートと、
前記複数のネットワークポートに接続された異なるネットワークのうち少なくとも2つの異なるネットワークを介して前記第2のテレビ会議装置との通信経路を構成し、その2つの異なるネットワークを介して前記第2のテレビ会議装置との間で同じデータを通信する制御を行う制御手段とを備えており、
前記第2のテレビ会議装置は、
前記2つの異なるネットワークアドレスを介して送られる同じデータのうち一方において欠落したデータを他方で補う制御を行う通信制御手段を備えている
ことを特徴とするテレビ会議システム。
【請求項7】
ネットワークを介して第1のテレビ会議装置と第2のテレビ会議装置との双方向通信を行うテレビ会議システムにおいて、
前記第1のテレビ会議装置は、
異なるネットワークアドレスに対応する複数のネットワークポートと、
前記複数のネットワークポートに接続された異なるネットワークのうち少なくとも2つの異なるネットワークを介して前記第2のテレビ会議装置との通信経路を構成し、その2つの異なるネットワークのうち一つを介して映像データ、他の一つを介して音声データを前記第2のテレビ会議装置との間で通信する制御を行う制御手段とを備えており、
前記第2のテレビ会議装置は、
前記2つの異なるネットワークを介して各々送られる前記映像データと前記音声データとを合成して出力する通信制御手段を備えている
ことを特徴とするテレビ会議システム。
【請求項8】
ネットワークを介して第1のテレビ会議装置と第2のテレビ会議装置との双方向通信を行うテレビ会議システムにおいて、
前記第1のテレビ会議装置は、
異なるネットワークアドレスに対応する複数のネットワークポートと、
前記複数のネットワークポートに接続された異なるネットワークのうち少なくとも2つの異なるネットワークを介して前記第2のテレビ会議装置との通信経路を構成し、その2つの異なるネットワークを介して一つのデータを分割して前記第2のテレビ会議装置と通信する制御を行う制御手段とを備えており、
前記第2のテレビ会議装置は、
前記2つの異なるネットワークを介して各々送られる分割されたデータを合成して出力する通信制御手段を備えている
ことを特徴とするテレビ会議システム。
【請求項9】
ネットワークを介して第1のテレビ会議装置と第2のテレビ会議装置との双方向通信を行うテレビ会議システムの通信方法において、
前記第1のテレビ会議装置は、異なるネットワークアドレスに対応した異なるネットワークと接続可能となっており、前記異なるネットワークのうち何れか一つを介して前記第2のテレビ会議装置との通信経路を構成し、そのネットワークの通信状態に障害が発生した場合、他のネットワークに切り替えて前記第2のテレビ会議装置との通信経路を構成する
ことを特徴とするテレビ会議システムの通信方法。
【請求項10】
ネットワークを介して第1のテレビ会議装置と第2のテレビ会議装置との双方向通信を行うテレビ会議システムの通信方法において、
前記第1のテレビ会議装置は、異なるネットワークアドレスに対応した異なるネットワークと接続可能となっており、前記異なるネットワークのうち少なくとも2つの異なるネットワークを介して前記第2のテレビ会議装置との通信経路を構成し、その2つの異なるネットワークを介して前記第2のテレビ会議装置との間で同じデータを通信し、
前記第2のテレビ会議装置は、前記2つの異なるネットワークアドレスを介して送られる同じデータのうち一方において欠落したデータを他方で補う制御を行う
ことを特徴とするテレビ会議システムの通信方法。
【請求項11】
ネットワークを介して第1のテレビ会議装置と第2のテレビ会議装置との双方向通信を行うテレビ会議システムの通信方法において、
前記第1のテレビ会議装置は、異なるネットワークアドレスに対応した異なるネットワークと接続可能となっており、前記異なるネットワークのうち少なくとも2つの異なるネットワークを介して前記第2のテレビ会議装置との通信経路を構成し、その2つの異なるネットワークのうち一つを介して映像データ、他の一つを介して音声データを前記第2のテレビ会議装置との間で通信し、
前記第2のテレビ会議装置は、前記2つの異なるネットワークを介して各々送られる前記映像データと前記音声データとを合成して出力する
ことを特徴とするテレビ会議システムの通信方法。
【請求項12】
ネットワークを介して第1のテレビ会議装置と第2のテレビ会議装置との双方向通信を行うテレビ会議システムの通信方法において、
前記第1のテレビ会議装置は、異なるネットワークアドレスに対応した異なるネットワークと接続可能となっており、前記異なるネットワークのうち少なくとも2つの異なるネットワークを介して前記第2のテレビ会議装置との通信経路を構成し、その2つの異なるネットワークを介して一つのデータを分割して前記第2のテレビ会議装置と通信し、
前記第2のテレビ会議装置は、前記2つの異なるネットワークを介して各々送られる分割されたデータを合成して出力する
ことを特徴とするテレビ会議システムの通信方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2008−306518(P2008−306518A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−152331(P2007−152331)
【出願日】平成19年6月8日(2007.6.8)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月8日(2007.6.8)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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