説明

テロマー含有フルオロポリマーコーティング

フルオロポリマーおよびフッ素化テロマーを含有するコーティングが開発された。このコーティングは、プラスチック基材をコーティングするのに好適であり、反射率が比較的低いことが望ましい用途に使用するのに好適である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフルオロポリマーコーティングに関する。このコーティングは、フッ素化テロマーを含み、耐摩耗性および耐引掻性を有する反射防止層を提供するのに役立つ。
【背景技術】
【0002】
低反射性プラスチック、特にプラスチックレンズ、光学装置およびディスプレイ用反射防止膜に関して、多くの研究が行われてきた。使用されている一つの方法は、プラスチックの表面への酸化金属の蒸着である。しかし、蒸着では一般にバッチ方法を使用するが、基材が大きいとき、生産性が低くなることがあり望ましくない。別の方法として、フルオロポリマー溶液のコーティングを施す方法がある。コーティングは浸漬方法で行われ、大きな基材に適用でき、生産性が高い。フルオロポリマーは、反射率が低いが、多くのプラスチック基材への付着性が十分でないという面もある。フルオロポリマーと基材のプラスチックとの間の付着性の改良に、長い間努力が傾けられてきた。
【0003】
種々のプラスチックおよびガラス基材にコーティングされるフッ素化コポリマーの組み合わせが、(特許文献1)および(特許文献2)に開示されている。
【0004】
【特許文献1】国際公開第2000/0055130号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2005/044939号パンフレット
【特許文献3】米国特許出願公開第20040037967号明細書
【特許文献4】米国特許出願PCT/US03/32090号明細書(国際公開第2005/044939号パンフレット)
【特許文献5】米国特許第5,478,905号明細書
【特許文献6】米国特許第5,637,663号明細書
【非特許文献1】アメディール(Ameduri),Bら、Journal of Fluorine Chemistry(2001年)、107(2)、397−409頁
【非特許文献2】Topics in Current Chemistry(1997年)、192、Organofluorine Chemistry:Fluorinated Alkenes and Reactive Intermediates、165−233頁
【非特許文献3】Encyclopedia of Polymer Science and Engineering、1989年、第16巻、601−613頁および第7巻、257−269頁、ジョン・ウィリー&サンズ(John Wiley&Sons)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、公知のフルオロポリマーコーティングは、フルオロポリマー自体が柔らかいため、耐引掻性などの耐摩耗性が十分ではないことが多い。反射率が比較的低く、十分な付着性を有するコーティングが必要とされている。フルオロポリマー溶液を用いてそのようなコーティングを形成できることが望ましい。本発明は、上記およびその他の重要な目的に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、フッ素化テロマーと、
組成(formula)VF2/TFE/HFPを有し、TFE対HFPのモル比が約0.1から約1.9であり、VF2の含有量が約12から約60モル%であるフッ素化コポリマー、
組成VF2/HFPを有し、VF2の含有量が約40から約80モル%であるフッ素化コポリマー、
組成VF2/TFE/PMVEを有し、VF2の含有量が約18から約60モル%であり、TFE/PMVEのモル比が約0.1から約1.9であるフッ素化コポリマー、
組成VF/TFE/HFPを有し、TFE対HFPのモル比が約0.1から約1.9であり、VFの含有量が約12から約60モル%であるフッ素化コポリマー、
組成TFE/パーフルオロ−2,2−ジメチルジオキソールを有し、パーフルオロ−2,2−ジメチルジオキソールの濃度が約60から約90モル%であるフッ素化コポリマー、
組成VF2/パーフルオロ−2,2−ジメチルジオキソール/TFEを有し、TFE対パーフルオロ−2,2−ジメチルジオキソールのモル比が約0.1から約1.9であり、VF2の含有量が約12から約60モル%であるフッ素化コポリマー、および
組成VF2/パーフルオロ−2,2−ジメチルジオキソールを有し、VF2の含有量が約20から約80モル%であるフッ素化コポリマー
から選択される1種または複数種のフッ素化コポリマーとを含むコーティングである。
【0007】
実施形態によっては、テロマーの量は80重量%までである。
【0008】
実施形態によっては、テロマーは、テトラフルオロエチレンまたはパーフルオロアルキルポリエーテル単位を含む。実施形態によっては、テロマーは、式(C24nまたはF−(CFCF3−CF2−O)n−CF2CF3(nは2〜500である)を有する。実施形態によっては、テロマーはエンドキャップ(endcapped)されている。
【0009】
前記コーティングで被覆できる基材には、PMMA、PC、PET、PS、TACおよびガラスがある。
【0010】
本発明の別の態様は、基材をコーティングするための2層コーティングシステムであって、フッ素化テロマーと、
a.HFP対TFEのモル比が約0.3から約1.9であるポリ(TFE/HFP)、
b.HFP対TFEのモル比が約0.3から約1.9であり、VF2の濃度が約19モル%である、VF2/TFE/HFP三元共重合体、および
c.パーフルオロジメチルジオキソールの濃度が約60から約90モル%であるポリ(TFE/パーフルオロ−2,2−ジメチルジオキソール)
から選択される1種または複数種のフッ素化コポリマーとを含有する上層、
および
a.TFE対HFPの比が約0.3から約1.9であり、VF2の濃度がPMMA基材では約18から約60モル%であり、PC、PET、およびPS基材上では約12から約40モル%である、ポリ(VF2/TFE/HFP)、
b.TFE対HFPの比が約0.9から約2.1であり、VFの濃度が約42から約58モル%である、ポリ(VF/TFE/HFP)、
c.VAcの濃度が69モル%までであり、HFIBの濃度が14から52モル%である、ポリ(VAc/TFE/HFIB)、および
d.約46モルパーセントのTFEを含むTFE/PVOHグラフト(graft)、
から選択される1種または複数種を含む下層
を含む、2層コーティングシステムである。
【0011】
実施形態によっては、テロマーの量は80重量%までである。
【0012】
実施形態によっては、テロマーは、テトラフルオロエチレンまたはパーフルオロアルキルポリエーテル単位を含む。実施形態によっては、テロマーは、式(C24nまたはF−(CFCF3−CF2−O)n−CF2CF3(nは2〜500である)を有する。実施形態によっては、テロマーはエンドキャップされている。
【0013】
本発明の別の態様は、フッ素化コポリマーを含むコーティングの硬度を増大させる方法であって、コーティングにフッ素化テロマーを含有させる工程を含む方法である。
【0014】
本発明の別の態様は、基材をコーティングする方法であって、
a.表面を有する基材を提供する工程、
b.フッ素化コポリマーを溶媒に溶解させて生成物を形成する工程、
c.前記生成物に、フッ素化溶媒中にフッ素化テロマーを含む分散液を添加して混合物を形成する工程、および
工程b)の混合物を前記基材の前記表面に塗布してコーティングを形成する工程を含む、方法である。
【0015】
本発明の上記および他の態様は、以下の説明および添付の特許請求の範囲に鑑みて当業者に明らかであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明では、フルオロポリマーから作られた従来のコーティングと比べて改善された硬度を示すコーティングシステム、およびそのようなコーティングを作製する方法が提供される。このコーティングシステムは、フッ素化コポリマーとフッ素化テロマーを含む。フルオロポリマーコーティングの耐摩耗性は、フッ素化テロマーを添加すると改善されることが発見された。このコーティングでは、下塗りまたは表面保護層を施さなくても、望ましい耐摩耗性および付着特性を有する反射防止(anti−reflectance)(AR)コーティングが提供される。
【0017】
特に記載のない限り、本明細書で使用されている以下の用語および略語は、次のような意味を有する。
HFIB−ヘキサフルオロイソブチレン、(CF32C=CH2
HFP−ヘキサフルオロプロピレン、CF2=CF−CF3
PC−ポリカーボネート
PET−ポリエチレンテレフタレート
PMMA−ポリメタクリル酸メチル
PMVE−パーフルオロメチルビニルエーテル
PVOH−ポリビニルアルコール
PS−ポリスルホン
TAC−トリアセチルセルロース
テフロン(Teflon)(登録商標)AF−TFE/パーフルオロ−2,2−ジメチルジオキソールコポリマー
TFE−テトラフルオロエチレン、CF2=CF2
VAc−酢酸ビニル、CH3−C(O)−OCH=CH2
VF−フッ化ビニル、CH2=CHF
VF2−フッ化ビニリデン、CF2=CH2
【0018】
「フッ素化テロマー」とは、低分子量のフッ素化ポリマーを意味し、好ましくは重合度が2〜500のものである。テロマーは、幅広い重合度、例えば、18以上で、100、400、または500までのような重合度を有していてよい。
【0019】
「フッ素化(されている)」という用語は、ハロゲン原子と水素原子を合わせた総数の少なくとも90%がフッ素原子であることを意味する。一実施態様では、ポリマーは過フッ素化されている。つまり、主鎖上のハロゲン原子と水素原子を合わせた総数の実質的または正確に100%がフッ素原子である。
【0020】
実施形態によっては、フッ素化テロマーは、式(C24nまたはF−(CFCF3−CF2−O)n−CF2CF3(エンドキャッピング(end−capping)を除く)を有するような、ポリテトラフルオロエチレンオリゴマーまたはパーフルオロアルキルポリエーテルオリゴマーから得られ、上式で、nは典型的には2〜500の範囲内であるが、例えば,約18から50、100または200までであってよい。テロマー鎖は、テロマーの特性に重大な影響を及ぼさない任意の基(H、アルキル基およびフッ素化アルキル基など)でエンドキャップされていてよい。テロマーは、2つ以上のフッ素化テロマー組成物および/または分子量の混合物であってよい。そのようなテロマーは良く知られており、(非特許文献1)および(非特許文献2)に開示されている方法など、任意の公知の方法で調製できる。本発明に用いるのに好適なテロマーは、少量の添加剤、例えば、シリカ、サビ止め剤、二硫化モリブデン、亜硝酸ナトリウムおよび/またはグラファイトなどを含んでいてもよい。
【0021】
本発明に有用なテロマーは、種々の供給源から市販のものを入手することもできる。市販のフッ素化テロマーの例としては、クライトックス(Krytox(登録商標))パーフルオロアルキルポリエーテルのファミリー(クライトックス(Krytox(登録商標))143およびクライトックス(Krytox(登録商標))GPLなど)のフッ素化テロマー、およびデュポンドライフィルム(DuPont(商標)DryFilm)ファミリー(デュポンドライフィルム(DuPont(商標)DryFilm)RAおよびデュポンドライフィルム(DuPont(商標)DryFilm)1000など)のフッ素化テロマーがあり、これらはすべて本願特許出願人から入手可能である。上記のクライトックス(Krytox(登録商標))およびデュポンドライフィルム(DuPont(商標)DryFilm)の化合物は、溶媒分散液として市販されている粒子である。
【0022】
テロマーは、コーティングシステムに添加しやすくするために、溶剤中に分散させることができる。テロマーを分散させることができる典型的な溶剤には、例えば、イソプロピルアルコール、フルオロカーボンおよびハイドロフルオロカーボン(バートレル(Vertrel(登録商標))溶剤ファミリーのものなど)、ならびにその混合物が含まれる。一般的に、分散液は約0.01重量%〜20重量%、通常は約0.1〜5重量%のテロマー含んでいてよい。
【0023】
出願人らは、フッ素化テロマーをコーティング混合物に添加すると、透過率の低下を最小に抑えながら、コーティングの硬度を最大にすることができることを発見した。コーティング中のテロマーの量は任意の量であってよいが、好ましくはそれぞれ約80重量%まで、または約20重量%までである。テトラフルオロエチレンをベースとするテロマー(ドライフィルム(DryFilm)ファミリーのものなど)の場合、好ましい範囲は約0.1から約10重量%、より好ましくは約0.1から約5重量%である。パーフルオロアルキルポリエーテルをベースとするテロマー(クライトックス(Krytox(登録商標))ファミリーのものなど)の場合、好ましい範囲は約0.1から約80重量%、より好ましくは約0.1から約50重量%である。
【0024】
ここに開示されているコーティング組成物によるコーティングに好適な基材は、光学的に明澄な任意のプラスチックまたはガラス基材であってよい。好ましい基材は、ガラス、PMMA、PC、PET、TACおよびPSであり、ガラスおよびPMMAがより好ましい。コーティングの厚さは、好ましくは10nmから1000nmであり、より好ましくは70nmから120nmである。
【0025】
米国特許公報(特許文献3)および米国特許公報(特許文献4)(これらの内容すべてを本明細書に援用する)では、種々のプラスチックおよびガラス基材上にコーティングされるフッ素化コポリマーをある特定の仕方で組み合わせると、良好な付着性を示し、反射率が低く、化学結合せずにコーティングが付着することが示された。ここに開示されているコーティング組成物は、大きな透過率の低下をもたらすことなく、そこに開示されているコーティングに対して改善された硬度を与えることができると考えられている。
【0026】
フッ素化コポリマーは、好ましくは、
組成VF2/TFE/HFPを有し、TFE対HFPのモル比が約0.1から約1.9であり、VF2の含有量が約12から約60モル%であるフッ素化コポリマー、
組成VF2/HFPを有し、VF2の含有量が約40から約80モル%であるフッ素化コポリマー、
組成VF2/TFE/PMVEを有し、VF2の含有量が約18から約60モル%であり、TFE/PMVEのモル比が約0.1から約1.9であるフッ素化コポリマー、
組成VF/TFE/HFPを有し、TFE対HFPのモル比が約0.1から約1.9であり、VFの含有量が約12から約60モル%であるフッ素化コポリマー、
組成TFE/パーフルオロ−2,2−ジメチルジオキソールを有し、パーフルオロ−2,2−ジメチルジオキソールの濃度が約60から約90モル%であるフッ素化コポリマー、
組成VF2/パーフルオロ−2,2−ジメチルジオキソール/TFEを有し、TFE対パーフルオロ−2,2−ジメチルジオキソールのモル比が約0.1から約1.9であり、VF2の含有量が約12から約60モル%であるフッ素化コポリマー、および
組成VF2/パーフルオロ−2,2−ジメチルジオキソールを有し、VF2の含有量が約20から約80モル%であるフッ素化コポリマー
から選択される。
【0027】
一実施態様では、ポリマーは、組成VF2/HFPを有し、TFE対HFPのモル比が0.1から1.9であり、VF2の含有量が約40から80モル%、好ましくは47から60%である。別の実施態様では、VF2の含有量は約40から約50%であり、基材は好ましくはPMMAである。別の実施態様では、VF2の含有量は約70から約80%であり、基材は好ましくはガラスである。
【0028】
別の実施態様では、ポリマーは組成VF2/TFE/PMVEを有し、VF2の含有量は約18から約60モル%、TFE/PMVEのモル比は約0.1から約1.9である。別の実施態様では、VF2の含有量は約30から約35モル%、TFE/PMVEのモル比は約0.2から約0.3であり、基材は好ましくはPMMAである。
【0029】
別の実施態様では、コーティングシステムは、組成VF2/TFE/HFPを有し、PMMA基材ではVF2の含有量は約12から40モル%であり、基材がPC、PET、およびPSよりなる群から選択される場合にはVF2の含有量は18から40モル%である。別の実施態様として、VF2の含有量が47から60モル%、TFE対HFPのモル比が0.1と1.9との間、基材がPMMAであるものと、さらにVF2の含有量が47から60モル%、TFE対HFPのモル比が0.1と1.5との間、基材がPET、PC、PSおよびガラスよりなる群から選択されるものがある。別の実施態様では、VF2の含有量が50モル%より多く、60モル%までである。
【0030】
さらに別の実施態様では、TFE対HFPのモル比が0.4と1.9との間、VF2の含有量が約12から50%、基材がPMMAであるか、あるいはTFE対HFPのモル比が0.4と1.9との間、VF2の含有量が約18から50モル%であり、基材がPC、PET、およびPSよりなる群から選択される。
【0031】
2.2層を含むコーティングシステムも本発明の範囲に含まれる。テロマーは、最上(外側)層内に含まれている。このコーティングシステムに好適な基材およびフッ素化テロマーは、本明細書に記載してあるとおりのものである。上層は、フッ素化テロマーと、
a.HFP対TFEのモル比が約0.3から約1.9であるポリ(TFE/HFP)、
b.HFP対TFEのモル比が約0.3から約1.9であり、VF2の濃度が約19モル%である、VF2/TFE/HFP三元共重合体、および
c.パーフルオロジメチルジオキソールの濃度が約60から約90モル%であるポリ(TFE/パーフルオロ−2,2−ジメチルジオキソール)
から選択される1種または複数種のフッ素化コポリマーとを含む。
【0032】
下層は、
a.TFE対HFPの比が約0.3から約1.9であり、VF2の濃度がPMMA基材では約18から約60モル%であり、PC、PET、およびPS基材上では約12から約40モル%である、ポリ(VF2/TFE/HFP)、
b.TFE対HFPの比が約0.9から約2.1であり、VFの濃度が約42から約58モル%である、ポリ(VF/TFE/HFP)、
c.VAcの濃度が69モル%までであり、HFIBの濃度が14から52モル%である、ポリ(VAc/TFE/HFIB)、および
d.約46モルパーセントのTFEを含むTFE/PVOHグラフト
から選択される1種または複数種を含む。
【0033】
一実施態様では、2層コーティングシステムを使用してPC、PETまたはPSをコーティングし、下層および上層の両方でTFE対HFPの比が約0.9から約1.9であり、VF2の濃度が約12から約40モル%である。
【0034】
上層の厚さは、例えば、約10から約1000nm、約30から約120nm、または約70から約120nmであってよい。
【0035】
本明細書に開示されている方法および組成物では、フッ素化ポリマーを含んでいるコーティングの硬度を増大させることができる。硬度の増大は、本明細書に開示されているとおり、コーティングにフッ素化テロマーを含有させることによってもたらされる。
【0036】
フッ素化コポリマー、基材、およびフッ素化テロマーは、上述のとおりである。コーティングシステムは、1層システムまたは2層システムであってよく、これについても上述のとおりである。
【0037】
本発明はまた、基材上にコーティングを作製する方法であって、
a.フッ素化コポリマーを溶媒に溶解させて生成物を形成する工程、
b.前記生成物に、溶媒中にフッ素化テロマーを含有している分散液を添加して混合物を形成する工程、および
c.前記混合物を前記基材の表面に塗布してコーティングを形成する工程を含む方法に関する。
【0038】
フッ素化コポリマー、基材、およびテトラフルオロエチレンテロマーは、上述のとおりである。コーティングシステムは、1層システムまたは2層システムであってよく、これについても上述のとおりである。任意の溶剤を使用して、フッ素化コポリマーを溶かすことおよび/またはテロマーを分散させることができるが、ただし、使用する基材、ポリマー、および他の溶剤に対して不活性であることを条件とする。溶剤の混合物を、コポリマーまたはテロマーのいずれかに使用することもできる。どちらの場合にも、典型的な溶剤として、例えば、イソプロピルアルコール、フルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボン(バートレル(Vertrel(登録商標))溶剤ファミリー、ノベック(Novec(商標))溶剤ファミリーのものなど)およびケトン溶剤(メチルイソブチルケトンおよびメチルエチルケトンなど)など、ならびにそれらの混合物がある。溶剤自体がフッ素化されていることが好ましい。一般的に、分散液には、約0.01重量%〜20重量%、通常は約0.1〜5重量%のテロマーが含まれる。一般的に、フッ素化されたものも、溶剤に約0.01重量%〜20重量%、通常は約0.1〜5重量%のコポリマー濃度で溶解される。
【0039】
本明細書に記載されているポリマーは、公知の方法で製造できる。そうした方法では、望ましくは、フッ素化コポリマーコーティングに関して知られている高いフッ素含有量、光学的透明度および溶液被覆性(solution coatability)がもたらされることが好ましい。好適な方法としては、乳化および塊状重合法(例えば、(非特許文献3)に開示されているようなもの)がある。
【実施例】
【0040】
以下の実施例で用いたコポリマーは、米国特許公報(特許文献5)および米国特許公報(特許文献6)に開示されているように、14,000psiおよび200〜400℃で重合させて製造された。その開示内容を本明細書に援用する。
【0041】
(透過率の測定法)
光透過率は、シマヅ(Shimadu)#UV−3100分光計を使用して500nmで測定した。この装置は、一部が試料を通過するスプリットビームの連続比較を示すものである。
【0042】
(水との接触角の測定方法)
一滴の純水(2マイクロリットル)を、試験体のコーティング層表面に置いた。接触角メーター(contact angle meter)(協和界面科学、日本(Kyowa Interfacial Science,Japan))を使用して、接触角を測定した。
【0043】
(硬度の測定方法)
硬度は、JIS K5400に従って測定した。コーティングの硬度は、鉛筆の芯で引っ掻いて検査し、濃度記号(concentration sign)である6B、5B、4B、3B、2B、B、HB、F、H、2H、3H、4H、5H、6H(ここで、6Bが最も柔らかく、6Hが最も硬い)で示した。塗面に関して試験体を裏返してから、水平台上に固定した。鉛筆を45度の角度に保ち、芯が折れない程度までできるだけ強く塗面に押し付け、一定速度で試験機の前方に約1cm押し出して、コーティングを引っ掻いた。押し出し速度は1cm/sに設定した。5回の試験のうち2回以上、引っ掻き傷がコーティング上に見出されなかった場合、鉛筆をもっと上のランクの濃度記号のものに置き換え、コーティングを2回以上傷つける鉛筆が見つかるまで試験を繰り返した。記録した濃度記号は、その鉛筆よりも1段階低いものだった。
【0044】
(耐摩耗試験法−1)
1kgの荷重をかけて、柔らかい不織布を用いて試験体のコーティング層表面をこすった。こすった後の外観を目視観察した。
【0045】
(耐摩耗試験法−2)
水との接触角を測定し、さらに、200g/cm2の荷重をかけて5〜20回鋼綿でこすった後に表面を観察して表面の外観を検査した。
【0046】
(付着性試験法)
1mm間隔に隔てられた10個の安全かみそりの刃を備えた工具を使用して、プラスチック基材に達するまでコーティングに切れ目を入れ、最初に一方向に、2回目は垂直方向に安全かみそり刃の工具を引っ張った。その結果、100個の正方形が網目状に出来上がった。スコッチ(Scotch(登録商標))商標の粘着テープを適度な圧力で網目状部分に貼り付けて、素早く引っ張ってはがした。付着性として、100個のうち基材にまだ付着している正方形の数を記録した。
【0047】
(ポリマー)
実施例で使用したフルオロポリマーは、52/22/26モル%のVF2/HFP/TFE三元共重合体だった。これを、様々な量のデュポンドライフィルムディスパージョン−RA(DuPont(商標)DryFilm Dispersions−RA)(本願特許出願人)、すなわち平均分子量3,000のTFEテロマーをバートレル(Vertrel(登録商標))XF溶剤中に分散させたものと混合した。デュポンドライフィルム(DuPont(商標)Dryfilm)の化学構造は(C24n(nは典型的には10〜500である)である。
【0048】
(コーティング法の実施例)
バートレル(Vertrel(登録商標))XFに溶かした2.0重量%のフルオロポリマー(52/22/26モル%のVF2/HFP/TFE三元共重合体)溶液を、ポリマーの塊を溶剤と一緒に室温で数日間攪拌して、製造した。ドライフィルム(DryFilm)分散液を溶液に添加した。使用した分散液は、デュポンドライフィルムRAディスパージョン(DuPont(商標)DryFilm RA Dispersion)(本願特許出願人)、すなわち平均分子量3,000のTFEテロマーをバートレル(Vertrel(登録商標))XF溶剤中に分散させたものであった。ドライフィルム(Dryfilm)の化学構造は(C24n(nは典型的には10〜500である)である。
【0049】
寸法が2.5cm×5.0cm×3mm(厚さ)のPMMAおよびガラス板を試験に使用した。これらの板のコーティングは、板を300mm/分の速度でポリマー溶液中に降下させ、30秒後に225mm/分で溶液から板を引き上げることによって行った。5〜10分間空気乾燥させた後、板をエアオーブン中で10分間乾燥させた。温度は、PMMAの場合には80℃であり、ガラス板の場合には300℃だった。その結果を以下の表1に示す。
【0050】
【表1】

【0051】
バートレル(Vertrel(登録商標))XFに溶かした2.0重量%のフルオロポリマー(52/22/26モル%のVF2/HFP/TFE三元共重合体)溶液を、ポリマーの塊を溶剤と一緒に室温で数日間攪拌して、製造した。ドライフィルム(DryFilm)分散液を溶液に添加した。使用した分散液は、デュポンドライフィルムRAディスパージョン(DuPont(商標)DryFilm RA Dispersion)(本願特許出願人)、すなわち平均分子量3,000のTFEテロマーをバートレル(Vertrel(登録商標))XF溶剤中に分散させたものであった。ドライフィルム(Dryfilm(登録商標))の化学構造は(C24n(nは典型的には10〜500である)である。
【0052】
寸法が2.5cm×5.0cm×3mm(厚さ)のPC板を試験に使用した。これらの板のコーティングは、板を300mm/分の速度でポリマー溶液中に降下させ、30秒後に225mm/分で溶液から板を引き上げることによって行った。5〜10分間空気乾燥させた後、各板を120℃のエアオーブン中で10分間乾燥させた。結果を以下の表2に示す。
【0053】
【表2】

【0054】
バートレル(Vertrel(登録商標))XFに溶かした2.0重量%のフルオロポリマー(52/22/26モル%のVF2/HFP/TFE三元共重合体)溶液を、ポリマーの塊を溶剤と一緒に室温で数日間攪拌して、製造した。クライトックス(Krytox(登録商標))分散液を溶液に添加した。使用した分散液は、クライトックス(Krytox(登録商標))GPL−104(本願特許出願人)、すなわちヘキサフルオロプロピレンエポキシド(hexafluoropropylene epoxide)のテロマーをバートレル(Vertrel(登録商標))XF溶剤中に分散させたものであった。クライトックス(Krytox)の化学構造はF(CF(CF3)CF2−CF2−O)n'−CF2CF3(n’は2〜500である)である。
【0055】
寸法が2.5cm×5.0cm×3mm(厚さ)のPMMA板を試験に使用した。これらの板のコーティングは、板を300mm/分の速度でポリマー溶液中に降下させ、30秒後に225mm/分で溶液から板を引き上げることによって行った。5〜10分間空気乾燥させた後、各板を80℃のエアオーブン中で10分間乾燥させた。結果を以下の表3に示す。
【0056】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーティングであって、
フッ素化テロマーと、
組成VF2/TFE/HFPを有し、TFE対HFPのモル比が約0.1から約1.9であり、VF2の含有量が約12から約60モル%であるフッ素化コポリマー、
組成VF2/HFP有し、VF2の含有量が約40から約80モル%であるフッ素化コポリマー、
組成VF2/TFE/PMVEを有し、VF2の含有量が約18から約60モル%であり、TFE/PMVEのモル比が約0.1から約1.9であるフッ素化コポリマー、
組成VF/TFE/HFPを有し、TFE対HFPのモル比が約0.1から約1.9であり、VFの含有量が約12から約60モル%であるフッ素化コポリマー、
組成TFE/パーフルオロ−2,2−ジメチルジオキソールを有し、パーフルオロ−2,2−ジメチルジオキソールの濃度が約60から約90モル%であるフッ素化コポリマー、
組成VF2/パーフルオロ−2,2−ジメチルジオキソール/TFEを有し、TFE対パーフルオロ−2,2−ジメチルジオキソールのモル比が約0.1から約1.9であり、VF2の含有量が約12から約60モル%であるフッ素化コポリマー、および
組成VF2/パーフルオロ−2,2−ジメチルジオキソールを有し、VF2の含有量が約20から約80モル%であるフッ素化コポリマー
から選択される1種または複数種のフッ素化コポリマーとを含むことを特徴とするコーティング。
【請求項2】
前記フッ素化テロマーが80重量%までの量で存在することを特徴とする請求項1に記載のコーティングシステム。
【請求項3】
前記フッ素化テロマーがテトラフルオロエチレンまたはパーフルオロアルキルポリエーテル単位を含むことを特徴とする請求項1に記載のコーティングシステム。
【請求項4】
前記フッ素化テロマーが式(C24nまたはF−(CFCF3−CF2−O)n−CF2CF3(nは2〜500である)を有し、前記フッ素化テロマーが任意選択的にエンドキャップされていることを特徴とする請求項3に記載のコーティングシステム。
【請求項5】
基材がPMMA、PC、PET、PS、TACおよびガラスから選択されることを特徴とする請求項1に記載のコーティングシステム。
【請求項6】
基材をコーティングするための2層コーティングシステムであって、フッ素化テロマーと、
a.HFP対TFEのモル比が約0.3から約1.9であるポリ(TFE/HFP)、
b.HFP対TFEのモル比が約0.3から約1.9であり、VF2の濃度が約19モル%である、VF2/TFE/HFP三元共重合体、および
c.パーフルオロジメチルジオキソールの濃度が約60から約90モル%であるポリ(TFE/パーフルオロ−2,2−ジメチルジオキソール)
から選択される1種または複数種のフッ素化コポリマーとを含有する上層、
および
a.TFE対HFPの比が約0.3から約1.9であり、VF2の濃度がPMMA基材では約18から約60モル%であり、PC、PET、およびPS基材上では約12から約40モル%である、ポリ(VF2/TFE/HFP)、
b.TFE対HFPの比が約0.9から約2.1であり、VFの濃度が約42から約58モル%である、ポリ(VF/TFE/HFP)、
c.VAcの濃度が69モル%までであり、HFIBの濃度が14から52モル%である、ポリ(VAc/TFE/HFIB)、および
d.約46モルパーセントのTFEを含むTFE/PVOHグラフト
から選択される1種または複数種を含む下部コーティング層
を含むことを特徴とする2層コーティングシステム。
【請求項7】
前記フッ素化テロマーが80重量%までの量で存在することを特徴とする請求項6に記載のコーティングシステム。
【請求項8】
前記フッ素化テロマーがテトラフルオロエチレンまたはパーフルオロアルキルポリエーテル単位を含むことを特徴とする請求項6に記載のコーティングシステム。
【請求項9】
前記フッ素化テロマーが式(C24nまたはF−(CFCF3−CF2−O)n−CF2CF3(nは2〜500である)を有し、前記フッ素化テロマーが任意選択的にエンドキャップされていることを特徴とする請求項8に記載のコーディングシステム。
【請求項10】
前記基材がPMMA、PC、PET、PS、TACおよびガラスから選択されることを特徴とする請求項6に記載のコーティングシステム。
【請求項11】
フッ素化コポリマーを含むコーティングの硬度を増大させる方法であって、前記コーティングにフッ素化テロマーを含有させる工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項12】
前記フッ素化テロマーが80重量%までの量で存在することを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記フッ素化テロマーがテトラフルオロエチレンまたはパーフルオロアルキルポリエーテル単位を含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記フッ素化テロマーが式(C24nまたはF−(CFCF3−CF2−O)n−CF2CF3(nは2〜500である)を有し、前記フッ素化テロマーが任意選択的にエンドキャップされていることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
基材がPMMA、PC、PET、PS、TACおよびガラスから選択されることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記コーティングシステムが1層システムであり、前記フッ素化コポリマーが、
組成VF2/TFE/HFPを有し、TFE対HFPのモル比が0.1から1.9であり、VF2の含有量が12から60モル%であるフッ素化コポリマー、
組成VF2/HFPを有し、VF2の含有量が約40から約80モル%であるフッ素化コポリマー、
組成VF2/TFE/PMVEを有し、VF2の含有量が約18から60モル%であり、TFE/PMVEのモル比が約0.1から約1.9であるフッ素化コポリマー、
組成VF/TFE/HFPを有し、TFE対HFPのモル比が0.1から1.9であり、VFの含有量が12から60モル%であるフッ素化コポリマー、
組成TFE/パーフルオロ−2,2−ジメチルジオキソールを有し、パーフルオロ−2,2−ジメチルジオキソールの濃度が60から90モル%であるフッ素化コポリマー、
組成VF2/パーフルオロ−2,2−ジメチルジオキソール/TFEを有し、TFE対パーフルオロ−2,2−ジメチルジオキソールのモル比が0.1から1.9であり、VF2の含有量が12から60モル%であるフッ素化コポリマー、および
組成VF2/パーフルオロ−2,2−ジメチルジオキソールを有し、VF2の含有量が約20から80モル%であるフッ素化コポリマー
から選択される1種または複数種のフッ素化コポリマーであることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記コーティングシステムが、フッ素化テロマーと、
a.HFP対TFEのモル比が約0.3から約1.9であるポリ(TFE/HFP)、
b.HFP対TFEのモル比が約0.3から約1.9であり、VF2の濃度が約19モル%である、ポリ(VF2/TFE/HFP)、および
c.パーフルオロジメチルジオキソールの濃度が60から90モル%であるポリ(TFE/パーフルオロ−2,2−ジメチルジオキソール)
から選択される1種または複数種のフッ素化コポリマーとを含む上層、
および
a.TFE対HFPの比が約0.3から約1.9であり、VF2の濃度が、基材がPMMAを含むときには約18から約60%であり、基材がPC、PET、またはPSを含むときには約12から約40モル%である、ポリ(VF2/TFE/HFP)、
b.TFE対HFPの比が約0.9から約2.1であり、VFの濃度が約42から約58モル%である、ポリ(VF/TFE/HFP)、
c.VAcの濃度が36から69モル%であり、HFIBの濃度が14から52モル%である、ポリ(VAc/TFE/HFIB)、および
d.約46モルパーセントのTFEを含むTFE/PVOHグラフト
から選択される1種または複数種を含む下部コーティング層を含む2層システムを含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項18】
基材をコーティングする方法であって、
a.表面を有する基材を提供する工程、
b.フッ素化コポリマーを溶媒に溶解させて生成物を形成する工程、
c.前記生成物に、フッ素化溶媒中にフッ素化テロマーを含む分散液を添加して混合物を形成する工程、および
d.工程b)の混合物を前記基材の前記表面に塗布してコーティングを形成する工程を含むことを特徴とする基材をコーティングする方法。
【請求項19】
前記フッ素化テロマーが80重量%までの量で存在することを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記フッ素化テロマーがテトラフルオロエチレンまたはパーフルオロアルキルポリエーテル単位を含むことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記フッ素化テロマーが式(C24nまたはF−(CFCF3−CF2−O)n−CF2CF3(nは2〜500である)を有し、前記フッ素化テロマーが任意選択的にエンドキャップされていることを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記基材が、PMMA、PC、PET、PS、TACおよびガラスよりなる群から選択されることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記フッ素化コポリマーが、
組成VF2/TFE/HFPを有し、TFE対HFPのモル比が約0.1から約1.9であり、VF2の含有量が約12から約60モル%であるフッ素化コポリマー、
組成VF2/HFP有し、VF2の含有量が約40から約80モル%であるフッ素化コポリマー、
組成VF2/TFE/PMVEを有し、VF2の含有量が約18から約60モル%であり、TFE/PMVEのモル比が約0.1から約1.9であるフッ素化コポリマー、
組成VF/TFE/HFPを有し、TFE対HFPのモル比が約0.1から約1.9であり、VFの含有量が約12から約60モル%であるフッ素化コポリマー、
組成TFE/パーフルオロ−2,2−ジメチルジオキソールを有し、パーフルオロ−2,2−ジメチルジオキソールの濃度が約60から約90モル%であるフッ素化コポリマー、
組成VF2/パーフルオロ−2,2−ジメチルジオキソール/TFEを有し、TFE対パーフルオロ−2,2−ジメチルジオキソールのモル比が約0.1から約1.9であり、VF2の含有量が約12から約60モル%であるフッ素化コポリマー、および
組成VF2/パーフルオロ−2,2−ジメチルジオキソールを有し、VF2の含有量が約20から約80モル%であるフッ素化コポリマー
から選択されることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項24】
前記コーティングが、フッ素化テロマーと、
a.HFP対TFEのモル比が約0.3と1.9との間にあり、VF2/TFE/HFP三元共重合体の場合にはVF2の濃度が約19モル%である、ポリ(TFE/HFP)およびポリ(VF2/TFE/HFP)、および
b.パーフルオロジメチルジオキソールの濃度が60と90モル%との間にあるポリ(TFE/パーフルオロ−2,2−ジメチルジオキソール)
からなる群の1種または複数種から選択されるフッ素化コポリマーとを含有する上層、
および
a.TFE対HFPの比が約0.3と1.9との間であり、VF2の濃度がPMMA基材では約18〜60%の間であり、PC、PET、およびPS基材上では約12〜40モル%の間である、ポリ(VF2/TFE/HFP)、
b.TFE対HFPの比が約0.9と2.1との間であり、VFの濃度が約42〜58モル%の間である、ポリ(VF/TFE/HFP)、
c.VAcの濃度が36〜69モル%の間であり、HFIBの濃度が14〜52モル%の間である、ポリ(VAc/TFE/HFIB)、および
d.約46モルパーセントのTFEを含むTFE/PVOHグラフト
から選択される1種または複数種のフッ素化コポリマーを含む下部コーティング層、
を含む2層システムを含むことを特徴とする請求項18に記載の方法。

【公表番号】特表2008−519132(P2008−519132A)
【公表日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−540064(P2007−540064)
【出願日】平成17年11月2日(2005.11.2)
【国際出願番号】PCT/US2005/039950
【国際公開番号】WO2006/050497
【国際公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】