説明

テンプレートおよび転写微細パターンを有する処理基材の製造方法

【課題】光透過性、離型性、耐久性、機械的強度、形状安定性を備え、かつ微細パターンの寸法精度を備える、光硬化性樹脂を成形するための微細パターンを有するテンプレートの製造方法の提供。
【解決手段】微細パターンの反転パターンを有するモールド4の該パターン上に、反応性官能基(x)を実質的に有さない含フッ素重合体(A)を溶媒に溶解させた溶液を塗布し、80℃未満で溶媒を除去して、モールド4の表面に含フッ素重合体層1を形成する。含フッ素重合体層1の最外表面を処理して表面に反応性官能基(x)を導入し、ついで該最外表面と、表面に反応性官能基(x)と化学結合を形成しうる官能基(y)を有する透明基体2の該表面とを張り合わせ、80℃未満で加圧して接着する。モールド4を含フッ素重合体層1から離脱し、微細パターンを表面に有する含フッ素重合体層1を形成し、テンプレート5を製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光硬化性樹脂を成形するための微細パターンを表面に有する含フッ素重合体層を備えるテンプレートの製造方法、および該テンプレートの微細パターンが転写された表面を有する光硬化性樹脂の硬化物からなる微細パターン成形体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、微細パターンを表面に有するテンプレートと基材を接触させて微細パターンの反転パターンを基材表面に形成する方法(いわゆる、ナノインプリント法。)が注目されている(特許文献1参照)。
【0003】
なかでも、微細パターンを表面に有するテンプレート、基材、および光硬化性樹脂とを使用し、テンプレートの微細パターン面と基材表面との間に光硬化性樹脂を挟持して押圧する工程、テンプレート側から光照射し光硬化性樹脂を硬化させて硬化物とする工程、および該硬化物からテンプレートを剥離する工程を順に行う、該硬化物からなる転写微細パターンを有する基材の製造方法が注目されている。
【0004】
該製造方法におけるテンプレートとして、一般には石英製モールドが用いられる。しかし、該モールドは離型性が低く、硬化物からモールドを剥離する際に硬化物の微細パターン精度が低下しやすい。離型性を向上させる方法として、モールドの微細パターン面に離型剤を塗布する方法が提案されている。しかし、塗布された離型剤の厚さムラによりモールドの微細パターン精度が低下しやすい。さらにモールドを連続使用する場合は、離型剤を再塗布する必要があり生産効率が低下しやすい。
【0005】
特許文献2には、アモルファスなフッ素樹脂から成型されたテンプレートが記載されている。
【0006】
【特許文献1】特表2002−539604号公報
【特許文献2】国際公開第2005/105401号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
アモルファスなフッ素樹脂からなる層にパターンを形成する際、フッ素樹脂をそのガラス転移温度以上に加熱し、マスターモールドを押圧してそのパターンを転写し、ガラス転移温度以下に冷却してマスターモールドを離脱させる。このとき、マスターモールドとフッ素樹脂の熱膨張係数の違いから、転写されるパターンに微少な寸法誤差が生じることが懸念される。
【0008】
また、パターンを有するフッ素樹脂からなる層と他の基体を組み合わせて用いる場合、フッ素樹脂は非粘着性であるため、他の基体と組み合せるのは容易ではない。特に高精度な微細パターンを有するモールドと他の基体を強固に接着させて組み合せるのは容易ではない。
【0009】
本発明は、光透過性、離型性、耐久性、機械的強度、形状安定性を備え、かつ微細パターンの寸法精度を備える、光硬化性樹脂を成形するための微細パターンを有するテンプレートの製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、前述の課題を解決すべくなされた発明である。
<1>光硬化性樹脂を成形するための微細パターンを表面に有する含フッ素重合体層と、透明基体とを有するテンプレートの製造方法であって、下記工程[1]、下記工程[2]、および下記工程[3]を備えることを特徴とするテンプレートの製造方法。
微細パターンの反転パターンを有するモールドの該パターン上に、
反応性官能基(x)を実質的に有さない含フッ素重合体(A)を溶媒に溶解させた溶液を塗布し、80℃未満で溶媒を除去して、モールドの表面に含フッ素重合体層を形成する工程[1]、含フッ素重合体層の最外表面を処理して表面に反応性官能基(x)を導入し、ついで該最外表面と、表面に反応性官能基(x)と化学結合を形成しうる官能基(y)を有する透明基体の該表面とを張り合わせ、80℃未満で加圧して接着する工程[2]、モールドを含フッ素重合体層から離脱し、微細パターンを表面に有する含フッ素重合体層を形成する工程[3]。
【0011】
<2>前記工程[2]において、含フッ素重合体層の最外表面をプラズマ処理する、<1>に記載の製造方法。
【0012】
<3>前記工程[2]のかわりに、下記工程[21]を備える、<1>に記載の製造方法。
含フッ素重合体層の表面に、反応性官能基(x)を有する含フッ素重合体(B)を溶媒に溶解させた溶液を塗布し、つぎに80℃未満で溶媒を除去して、含フッ素重合体(B)からなる中間層を形成し、ついで該中間層の最外表面と、表面に反応性官能基(x)と化学結合を形成しうる官能基(y)を有する透明基体の該表面とを張り合わせ、80℃未満で加圧して接着する工程[21]。
【0013】
<4>前記工程[2]のかわりに、下記工程[22]を備える、<1>に記載の製造方法。
表面に反応性官能基(x)と化学結合を形成しうる官能基(y)を有する透明基体の該表面に、反応性官能基(x)を有する含フッ素重合体(B)を溶媒に溶解させた溶液を塗布し、つぎに溶媒を除去して、含フッ素重合体(B)からなる中間層を形成しておき、
ついで含フッ素重合体層の最外表面と、中間層の最外表面とを張り合わせ、80℃未満で加圧して接着する工程[22]。
【0014】
<5>含フッ素重合体(A)および含フッ素重合体(B)は、主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する、<1>〜<4>のいずれかに記載の製造方法。
<6>反応性官能基(x)がカルボキシ基であり、反応性官能基(x)と化学結合を形成しうる基(y)が水酸基、アミノ基またはエポキシ基である、<1>〜<5>のいずれかに記載の製造方法。
【0015】
<7>表面に反応性官能基(x)と化学結合を形成しうる官能基(y)を有する透明基体は、ガラス基体を表面処理して官能基(y)を導入したものである、<1>〜<6>のいずれかに記載の製造方法。
<8>テンプレートの微細パターンが、凹凸構造からなり、凸構造部の高さの平均が1nm〜500μmである、<1>〜<7>のいずれかに記載の製造方法。
【0016】
<9><1>〜<8>のいずれかに記載の製造方法で得られるテンプレート、基材、および光硬化性樹脂を使用し、テンプレートの微細パターン面と基材表面との間に光硬化性樹脂を挟持して押圧する工程、光照射により光硬化性樹脂を硬化させて硬化物とする工程、および該硬化物からテンプレートを離脱する工程を順に行う、光硬化性樹脂の硬化物からなる転写微細パターンを有する処理基材の製造方法。
<10><1>〜<8>のいずれかに記載の製造方法で得られるテンプレート、基材、および光硬化性樹脂を使用し、テンプレートの微細パターン面と基材表面との間に光硬化性樹脂を挟持して押圧する工程、光硬化性樹脂からテンプレートを離脱する工程、および光照射により光硬化性樹脂を硬化させて硬化物とする工程を順に行う、光硬化性樹脂の硬化物からなる転写微細パターンを有する処理基材の製造方法。
【発明の効果】
【0017】
本発明の製造方法は、含フッ素重合体層に微細パターンを形成する際に含フッ素重合体を80℃以上に加熱して冷却することがない。よって、微細パターンの反転パターンを有するモールドの材質と含フッ素重合体の熱膨張係数の違いによって、転写されたパターンに微少な寸法誤差が発生することを抑制できる。また、本発明の製造方法によって得られるテンプレートは、透明基体に微細パターンを表面に有する含フッ素重合体層が強固に接着されているため、機械的強度、形状安定性を備える。また該テンプレートは、テンプレートの微細パターン部分が非粘着性の高い含フッ素重合体からなるため、高粘着性の光硬化性樹脂の成形においても離型性に優れる。また該テンプレートは、繰り返し使用しても微細パターン部分が汚染されにくい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本明細書において、式(1)で表される化合物を化合物1と記す。他式で表される化合物も同様に記す。
【0019】
本発明は、光硬化性樹脂を成形するための微細パターンを表面に有する含フッ素重合体層と、透明基体とを有するテンプレートの製造方法である。微細パターンは凹凸構造からなる微細パターンであるのが好ましい。
【0020】
凹凸構造における凸構造をなす部分は、含フッ素重合体層の表面に線状や点状に存在し、その線や点の形状は特に限定されない。線状の凸構造部は直線に限られず、曲線や折れ曲がり形状であってもよい。またその線が多数平行に存在して縞状をなしていてもよい。線状の凸構造部の断面形状(線の伸びる方向に対して直角方向の断面の形状。)は特に限定されず、長方形、台形、三角形、半円形等が挙げられる。点状の凸構造部の形状もまた特に限定されない。たとえば、底面形状が長方形、正方形、菱形、六角形、三角形、円形等である柱状や錐状の形状、半球形、多面体形等が挙げられる。
【0021】
線状の凸構造部の幅(底部の幅をいう)の平均は、1nm〜500μmであるのが好ましく、10nm〜300μmであるのがより好ましい。点状の凸構造部の底面の長さの平均は、1nm〜500μmであるのが好ましく、10nm〜300μmであるのがより好ましい。ただし、この点状の凸構造部の底面の長さとは、点が線に近い形状に伸びている場合は、その伸びた方向とは直角方向の長さをいい、そうでない場合は底面形状の最大長さをいう。
【0022】
線状および点状の凸構造部の高さの平均は、1nm〜500μmであるのが好ましく、10nm〜300μmであるのがより好ましく、10nm〜10μmであるのが特に好ましい。また含フッ素重合体層の厚さは、最も高い凸構造部の高さ以上であるのが好ましい。
【0023】
凹凸構造が密集している部分において、隣接する凸構造部間の距離(底部間の距離をいう。)の平均は1nm〜500μmであるのが好ましく、10nm〜300μmであるのがより好ましい。このように、凸構造におけるこれらの最小寸法は、500μm以下であるのが好ましい。下限は1nmであるのが好ましい。この最小寸法とは上記凸構造部の幅、長さおよび高さのうち最小のものをいう。
【0024】
以下、本発明のテンプレートの製造方法を、図を参照しながら詳しく説明する。
<工程[1]>
本発明においては、上記の微細パターンを形成するために、図1(a)(図2(a)または図3(a))に示すように、所望の微細パターンの反転パターンを有するモールド4を用いる。該モールド4のパターン上に、含フッ素重合体(A)を溶媒に溶解させた溶液を塗布し、つぎに80℃未満で溶媒を除去して、モールド4の表面に含フッ素重合体層1を形成する。80℃以上に加熱すると、モールド4の材料と含フッ素重合体(A)の熱膨張係数の違いから、転写されるパターンにナノメートルサイズのずれが生じる。
【0025】
該モールド4としては、石英ガラスや硼珪酸ガラス等のガラス製モールド、ニッケル、タンタル、シリコン、ステンレス、チタン、アルミニウム等の金属製モールド;炭化珪素や窒化珪素、サファイア等のセラミックス製モールド;PMMA、PVA、ポリ乳酸等のプラスチック製モールド;PDMSや含フッ素ゴム等のエラストマー製モールド;蓮の葉などの生体の一部を利用したモールドが挙げられる。
【0026】
モールド4のパターン上に溶液を塗布する方法としては、キャスト法、スピンコート法、スプレーコート法、ディップコート法等が挙げられる。
【0027】
溶媒としては、含フッ素溶媒が好ましい。これらは室温での蒸気圧が高いことから揮発しやすく、室温から80℃未満の温度条件でも含フッ素重合体層1を形成することが可能である。例えば、ペルフルオロトリブチルアミンが挙げられる。溶媒としては、高沸点溶媒(100℃以上の沸点を持つ溶媒)と低沸点溶媒(100℃未満の沸点を持つ溶媒)を組み合わせたものを使用することにより、脱泡性がよくなる場合がある。
【0028】
溶媒の除去は、10〜35℃で行うことが特に好ましい。また、気流の存在下で、または、減圧下で行うことが好ましい。減圧下で行う場合は、含フッ素重合体層1に気泡が発生しない程度の減圧度にすることが望ましい。
【0029】
含フッ素重合体層1の厚さは、0.5〜1000μmが好ましい。下限は1μm以上がより好ましい。上限は100μmがより好ましく、10μmが特に好ましくい。
【0030】
本発明における含フッ素重合体(A)は、溶媒に可溶なものであることが必要であり、主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する含フッ素重合体であるのが好ましい。該含フッ素重合体は無定形または非結晶性の重合体であり、透明性が高い含フッ素重合体であるのが好ましい。含フッ素重合体(A)の波長360〜500nmの光の光線透過率は、50%以上であるのが好ましく、90%以上であるのが特に好ましい。ここで光線透過率とは厚さ50μmの含フッ素重合体の光線透過率をいう。
【0031】
含フッ素重合体(A)において、主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有するとは、重合体における含フッ素脂肪族環の環を構成する炭素原子の1個以上が重合体の主鎖を構成する炭素原子であることをいう。含フッ素脂肪族環の環を構成する原子は、炭素原子以外に酸素原子や窒素原子等を含んでもいてもよい。好ましい含フッ素脂肪族環は1〜2個の酸素原子を有する含フッ素脂肪族環である。含フッ素脂肪族環を構成する原子の数は4〜7個であるのが好ましい。
【0032】
主鎖を構成する炭素原子は、環状単量体を重合させて得た重合体である場合には重合性二重結合の炭素原子に由来し、ジエン系単量体を環化重合させて得た重合体である場合には2個の重合性二重結合の4個の炭素原子に由来する。
環状単量体とは、含フッ素脂肪族環を有し、かつ該含フッ素脂肪族環を構成する炭素原子−炭素原子間に重合性二重結合を有する単量体、または、含フッ素脂肪族環を有し、かつ該含フッ素脂肪族環を構成する炭素原子と含フッ素脂肪族環外の炭素原子の間に重合性二重結合を有する単量体である。
ジエン系単量体とは、2個の重合性二重結合を有する単量体である。
【0033】
環状単量体は、下記化合物1または下記化合物2であるのが好ましい(ただし、Xはフッ素原子または炭素数1〜3のペルフルオロアルコキシ基を、RおよびRはそれぞれフッ素原子または炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を、XおよびXはそれぞれフッ素原子または炭素数1〜9のペルフルオロアルキル基を、示す。)。
【0034】
【化1】

【0035】
化合物1の具体例としては、下記化合物が挙げられる。
【0036】
【化2】

【0037】
化合物2の具体例としては、下記化合物が挙げられる。
【0038】
【化3】

【0039】
ジエン系単量体は、式CF=CF−Q−CF=CFで表される単量体であるのが好ましい。ただし、Qは側鎖を除いた炭素原子と酸素原子の合計数が2〜4のエーテル性酸素原子を有していてもよいペルフルオロアルキレン基を示す。エーテル性酸素原子を有するペルフルオロアルキレン基である場合、エーテル性酸素原子は該基の一方の末端に存在していてもよく、該基の両末端に存在していてもよく、該基の炭素原子間に存在していてもよく、環化重合性の観点からは、該基の一方の末端に存在しているのが好ましい。
【0040】
前記単量体は環化重合により、下記モノマー単位(i)、下記モノマー単位(ii)、および下記モノマー単位(iii)からなる群から選ばれる1以上のモノマー単位を含む含フッ素重合体を形成する。ジエン系単量体を環化重合させて得た含フッ素重合体において主鎖の炭素原子は、2個の重合性二重結合の4個の炭素原子に由来する。
【0041】
【化4】

【0042】
前記単量体の具体例としては、下記の化合物が挙げられる。
【0043】
【化5】

【0044】
環状単量体およびジエン系単量体において、炭素原子に結合した水素原子と炭素原子に結合したフッ素原子の合計数に対する炭素原子に結合したフッ素原子の数の割合は、それぞれ、80%以上であるのが好ましく、100%であるのが特に好ましい。
【0045】
含フッ素重合体(A)において、全モノマー単位に対する含フッ素脂肪族環構造を有する繰り返し単位の割合は、含フッ素重合体の透明性の観点から、20モル%以上であるのが好ましく、40モル%以上であるのがより好ましく、主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する繰り返し単位からなるのが特に好ましい。ただし、含フッ素脂肪族環構造を有する繰り返し単位とは、環状単量体の重合により形成されたモノマー単位、またはジエン系単量体の環化重合により形成されたモノマー単位である。
【0046】
含フッ素重合体(A)は、反応性官能基(x)を実質的に有さない。そのため、含フッ素重合体(A)は非粘着性が高く、これから形成される微細パターンを備えるテンプレートは高粘着性の光硬化性樹脂の成形においても離型性に優れる。反応性官能基(x)を実質的に有さないとは、含フッ素重合体(A)中の反応性官能基(x)の含有量が検出限界以下であることをいう。含フッ素重合体(A)の反応性官能基(x)のうち、不安定な末端官能基として存在するものとして、−COOH、−COF、−CHOH、−CF=CF等の末端官能基が挙げられる。
【0047】
含フッ素重合体(A)は、公知の方法にしたがって入手できる。たとえば、ラジカル重合開始剤の存在下に、ジエン系単量体または環状単量体を重合して、主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する含フッ素重合体が得られる。該含フッ素重合体をフッ素ガスに接触させることにより、反応性官能基(x)を実質的に有さない含フッ素重合体(A)が得られる。
【0048】
<工程[2]>
図1(b)に示すように、モールド4の表面に形成された含フッ素重合体層1の最外表面を処理し、ついで図1(c)に示すように、該最外表面と、表面に反応性官能基(x)と化学結合を形成しうる官能基(y)を有する透明基体2の該表面とを張り合わせ、80℃未満で加圧して接着する。
【0049】
透明基体2と組み合わせることにより、含フッ素重合体層1のみからなるテンプレートに比べ、光硬化性樹脂の成形時の加圧による変形をおさえることができる。また、含フッ素重合体層1の厚みを薄くすることを可能とするため、含フッ素重合体層1の成形時の溶媒除去時間を短縮でき、製造コストを低くすることができる。
【0050】
含フッ素重合体層1と透明基体2を強固に接着するために、含フッ素重合体層1の最外表面を処理して表面に反応性官能基(x)を導入する。含フッ素重合体層1と透明基体2とが接着する際に、含フッ素重合体(A)の反応性官能基(x)の一部または全部が、透明基体2の官能基(y)の一部または全部と化学結合を形成する。化学結合は共有結合、イオン結合、または水素結合であってもよい。該化学結合としては、反応性官能基(x)がカルボキシ基であり官能基(y)が水酸基またはエポキシ基である場合のエステル結合、反応性官能基(x)がカルボキシ基であり官能基(y)がアミノ基である場合のアミド結合、反応性官能基(x)がアミノ基であり官能基(y)がカルボキシ基である場合のアミド結合、反応性官能基(x)がアミノ基、シアノ基またはニトロ基であり官能基(y)が水酸基である場合の水素結合等が挙げられる。したがって、含フッ素重合体層1と透明基体2が化学結合を介して強固に接着することが可能となる。
【0051】
含フッ素重合体層1の最外表面の処理方法としては、プラズマ処理、コロナ放電、紫外線照射、真空紫外線照射、電子線照射、紫外線オゾン処理、イオン照射等の方法が挙げられる。含フッ素重合体層1自体の損傷を抑え、含フッ素重合体層1の最外表面のみ確実に反応性官能基(x)を出現させることができるという点から特にプラズマ処理することが好ましい。プラズマ処理に用いられるガス種としてはO、N、CF、C、Ar、Cl、HCl、HBr、CHF、C、BCl、NH、CO等が挙げられ、これらのガスを任意に混合して用いてもよい。この中でもOまたはNを主成分として用いること好ましく、エッチングの制御が容易であることからNを主成分として用いることが特に好ましい。Nにより、アミノ基、シアノ基、ニトロ基等が生成する。
【0052】
本発明における透明基体2は、ガラス基体(石英、ガラス等)、シリコーン樹脂製基体、または透明樹脂(溶媒不溶性フッ素樹脂、PET樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂等)製基体であるのが好ましく、機械的強度に優れることから、ガラス基体であるのが特に好ましい。透明基体2は、板状であってもよくフィルム状であってもよい。透明基体2の形状は、平面状(平板状等)であってよく曲面状(円柱状、三角錐状、球面状等)であってもよい。
【0053】
透明基体2は、波長360〜500nmの光の光線透過率が、50%以上であるのが好ましく、70%以上であるのが特に好ましい。ここで光線透過率とは厚さ50μmの透明基体2の光線透過率をいう。
【0054】
透明基体2の表面に存在する、反応性官能基(x)と化学結合を形成しうる官能基(y)の種類は、反応性官能基(x)の種類に応じて適宜選択される。反応性官能基(x)がカルボキシ基またはその誘導体である場合、官能基(y)は水酸基、オキシラニル基、またはアミノ基であるのが特に好ましい。官能基(y)は、透明基体2の材料に由来する官能基であってもよく、官能基(y)を導入する表面処理により透明基体2の表面に付与された官能基であってもよい。官能基(y)は、官能基の種類および量を任意に制御できることから後者の官能基であるのが好ましい。
【0055】
透明基体2の表面に官能基(y)を導入する表面処理の方法は、透明基体2に官能基(y)を有するシランカップリング剤を塗布する方法、透明基体2に官能基(y)を有する機能性シラン化合物を塗布する方法、または透明基体2をプラズマ処理する方法が好ましい。
【0056】
官能基(y)を有するシランカップリング剤としては、アミノ基を有するシランカップリング剤(3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等。)、またはエポキシ基を有するシランカップリング剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等。)が好ましい。官能基(y)を有する機能性シラン化合物としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどが好ましい。
【0057】
プラズマ処理に用いられるガス種としては、O、N、CF、C、Ar、Cl、HCl、HBr、CHF、C、BCl、NH、CO等が挙げられ、これらのガスを任意に混合して用いてもよい。
【0058】
透明基体2と強固に接着するためには、図2(b)に示すように、含フッ素重合体層1の表面に、反応性官能基(x)を有する含フッ素重合体(B)を溶媒に溶解させた溶液を塗布し、つぎに80℃未満で溶媒を除去して、含フッ素重合体(B)からなる中間層3を形成することも好ましい(工程[21])。
【0059】
含フッ素重合体(B)は反応性官能基(x)を有する。含フッ素重合体(B)の反応性官能基(x)としては、末端官能基の−COOH、−COF、−CHOH、−CF=CF等が挙げられ、カルボキシ基またはその誘導体であるのが好ましく、カルボキシ基であるのが特に好ましい。
【0060】
含フッ素重合体(B)からなる中間層3と透明基体2とが接着する際に、含フッ素重合体(B)の反応性官能基(x)の一部または全部が、透明基体2の官能基(y)の一部または全部と化学結合を形成する。該化学結合としては、反応性官能基(x)がカルボキシ基であり官能基(y)が水酸基またはエポキシ基である場合のエステル結合、反応性官能基(x)がカルボキシ基であり官能基(y)がアミノ基である場合のアミド結合等が挙げられる。したがって、中間層3と透明基体2が化学結合を介して強固に接着することが可能となる。
【0061】
含フッ素重合体(B)は、溶媒に可溶なものであることが必要であり、主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する含フッ素重合体であるのが好ましい。含フッ素重合体(B)における含フッ素脂肪族環構造を有する繰り返し単位は、含フッ素重合体(A)において説明したのと同様であるのが好ましい。含フッ素重合体(B)の波長360〜500nmの光の光線透過率は、50%以上であるのが好ましく、90%以上であるのが特に好ましい。ここで光線透過率とは厚さ50μmの含フッ素重合体の光線透過率をいう。
【0062】
含フッ素重合体(B)における含フッ素脂肪族環構造を有する繰り返し単位は、含フッ素重合体(A)における含フッ素脂肪族環構造を有する繰り返し単位と、同じ繰り返し単位であるのが好ましい。この場合、中間層3と含フッ素重合体層1がより強固に接着され、テンプレートの耐久性が優れる効果がある。
【0063】
含フッ素重合体(B)は、公知の方法にしたがって入手できる。たとえば、反応性基(y)がカルボキシ基である含フッ素重合体(B)は、炭化水素系ラジカル重合開始剤の存在下に、ジエン系単量体または環状単量体を重合して主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する含フッ素重合体を得て、つぎに該含フッ素重合体を酸素ガス雰囲気下に加熱処理し、さらに水中に浸漬することにより得られる。
【0064】
中間層3の形成において用いる溶媒、溶媒の除去方法については、含フッ素重合体層1において説明したのと同様である。中間層3の厚さは、1μm以下が好ましい。
【0065】
含フッ素重合体(B)からなる中間層3は表面処理をしなくても透明基体2と接着することが可能だが、含フッ素重合体層1と同様の表面処理をすることで、透明基体2とより強固に接着させることができる。すなわち、中間層3の表面を、プラズマ処理、コロナ放電、紫外線照射、真空紫外線照射、電子線照射、紫外線オゾン処理、イオン照射等の方法により、処理することが好ましい。
【0066】
含フッ素重合体(B)からなる中間層3は、透明基体2の側に形成してもよい(工程[22])。すなわち、図3(b)に示すように、透明基体2の官能基(y)の存在する表面に、含フッ素重合体(B)を溶媒に溶解させた溶液を塗布し、つぎに溶媒を除去して、含フッ素重合体(B)からなる中間層3を形成しておく。そして、図3(c)に示すように、この中間層3と、モールド4上の含フッ素重合体層1とを張り合わせてもよい。なお、ここで溶媒を除去する際の温度は、微細パターンを有する含フッ素重合体層1の熱履歴に影響を与えないので、80℃未満でも、80℃以上でもよい。
【0067】
工程[2]における含フッ素重合体層1と透明基体2の接着、工程[21]における中間層3と透明基体2の接着、または工程[22]における含フッ素重合体層1と中間層3の接着を行う際には、各層間の接着をさらに強固なものにするために、各層の表面を接着剤接着または溶剤接着させることが好ましい。
【0068】
接着剤接着には、硬化収縮が10%以下であり、かつ硬化したあとの波長360〜400nmの光の光線透過率が50%以上である接着剤または可視光硬化樹脂を用いることが好ましい。ここで光線透過率とは厚さ1μm換算での光線透過率をいう。エポキシ系、アクリル系、ウレタン系の接着剤がより好ましく、特にシアノアクリル酸エステルまたはエポキシ樹脂を含む接着剤が好ましい。接着剤や可視光硬化樹脂は、接着させる片方の面に塗布してもよく、両面に塗布してもよい。
【0069】
また、溶剤接着は接着させる2つの表面を溶かして接着させる手法であり、接着させる2つの表面を溶解しうる溶剤を使用する。
【0070】
工程[2]における含フッ素重合体層1と透明基体2の接着、工程[21]における中間層3と透明基体2の接着、または工程[22]における含フッ素重合体層1と中間層3の接着は加圧して80℃未満で行う。微細パターンを有する含フッ素重合体層1の熱履歴に影響を与えないため80℃未満で行う。好ましくは常温(10〜40℃)で行う。
【0071】
加圧は、手で押さえつけたり、プレス機を用いたり、重石を載せたりして行う。加圧時の圧力は100MPa以下が好ましく、0.1KPa〜10MPaがより好ましく、特に1KPa〜1MPaが好ましい。またプレス時の保持時間は15分以下が好ましく、特に3〜10分が好ましい。
【0072】
<工程[3]>
図1(d)(図2(d)または図3(d))に示すように、モールド4を含フッ素重合体層1から離脱することにより、本発明におけるテンプレートが得られる。モールド4を含フッ素重合体層1から離脱する際は、常温(10〜40℃)で行う。
【0073】
本発明の製造方法で得られるテンプレートは波長360〜500nmの光の透過率が45%以上であることが好ましい。
【0074】
また、本発明は、上記の工程を通じて製造されるテンプレート、基材、および光硬化性樹脂を使用し、光硬化性樹脂の硬化物からなる転写微細パターンを有する処理基材の製造方法を提供する。該製造方法は、以下の工程P1〜工程P3を順に行う方法、工程Q1〜工程Q3を順に行う方法が好ましい。
【0075】
(工程P1)テンプレートの微細パターン面と基材表面との間に光硬化性樹脂を挟持して押圧する工程、
(工程P2)光照射により光硬化性樹脂を硬化させて硬化物とする工程、
(工程P3)該硬化物からテンプレートを離脱する工程。
【0076】
(工程Q1)テンプレートの微細パターン面と基材表面との間に光硬化性樹脂を挟持して押圧する工程、
(工程Q2)光硬化性樹脂からテンプレートを離脱する工程、
(工程Q3)光照射により光硬化性樹脂を硬化させて硬化物とする工程。
【0077】
本発明における光硬化性樹脂とは、光照射により硬化して硬化物を形成する樹脂であれば特に限定されない。本発明における光硬化性樹脂は、重合性化合物と光重合開始剤を含む光硬化性樹脂であるのが好ましい。重合性化合物は、重合性基を有する化合物であれば特に限定されず、重合性モノマー、重合性オリゴマー、重合性ポリマーのいずれであってもよい。光重合開始剤とは、光によりラジカル反応またはイオン反応を引き起こす光重合開始剤である。
【0078】
光照射の方向は限定されないが、テンプレート側から照射することが好ましい。本発明により得られるテンプレートは、広範囲の光波長領域において高い透明性を有する。そのため光照射における光の波長は、特に限定されない。光の波長は、200〜500nmであるのが好ましく、一般的な光硬化性樹脂を低温で硬化できる、200〜400nmであるのが特に好ましい。
上記処理基材の製造方法の各工程における系の温度は、含フッ素重合体(A)のガラス転移温度以下であるのが好ましい。
【0079】
本発明の製造方法で得られる処理基材は、光硬化性樹脂の硬化物からなる転写微細パターンが表面に形成される。転写微細パターンは本発明のテンプレートの微細パターンが反転した微細パターンである。転写微細パターンは、光硬化性樹脂の硬化物からなる、凹凸構造を有する構造体(以下、凹凸構造体ともいう。)であるのが好ましい。凹凸構造体は、凹凸形状を表面に有する連続体からなる層構造を有していてもよく、独立した突起体の集合からなる構造を有していてもよい。前者は、基材表面を覆う光硬化性樹脂の硬化物の層からなり光硬化性樹脂の硬化物の層の表面が凹凸形状をなしている構造をいう。後者は、光硬化性樹脂の硬化物からなる突起体が基材表面に独立して多数存在し、基材表面からなる凹部とともに凹凸形状をなしている構造をいう。いずれの場合においても、凸構造をなす部分(突起体)は光硬化性樹脂の硬化物からなる。さらに、凹凸構造体はそれら2つの構造を基材表面の異なる位置で併有する構造を有していてもよい。
【実施例】
【0080】
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
【0081】
[例1]重合体(P)の製造例
オートクレーブ(耐圧ガラス製)に、CF=CFOCFCFCF=CF(100g)、メタノール(0.5g)、および[(CHCHOCOO](0.7g)を加え、懸濁重合法を用いて重合を行って重合体(P)を得た。重合体(P)は下式(p)で表されるモノマー単位からなる重合体であり、固有粘度は30℃のペルフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)中で0.34dl/gであった。重合体(P)のガラス転移温度は108℃であった。
【0082】
【化6】

【0083】
[例2]主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有し、反応性基を有さない重合体(以下、重合体(A1)という。)を含む溶液組成物(以下、組成物(C1)という。)の製造例
重合体(P)を、オートクレーブ(ニッケル製、内容積1L)に入れ、オートクレーブ内を窒素ガスで3回置換してから4.0kPa(絶対圧)まで減圧した。オートクレーブ内に窒素ガスで14体積%に希釈したフッ素ガスを101.3kPaまで導入してから、オートクレーブの内温を6時間、230℃に保持した。オートクレーブ内容物を回収して重合体(A1)を得た。重合体(A1)の赤外吸収スペクトルを測定した結果、カルボキシ基に起因するピークは確認されなかった。重合体(A1)を膜厚100μmのフィルムに加工し、波長360〜500nmの光の光線透過率を測定した結果、95%以上であった。重合体(A1)の9質量%を含むペルフルオロトリブチルアミン溶液を調整し、該溶液をメンブレンフィルター(孔径0.2μm、ポリテトラフルオロエチレン製)で濾過して組成物(C1)を得た。
【0084】
[例3]主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有し、かつカルボキシ基を有する重合体(以下、重合体(B1)という。)を含む溶液組成物(以下、組成物(C2)という。)の製造例
重合体(P)を、大気圧雰囲気下の熱風循環式オーブン中で300℃にて1時間熱処理し、つぎに超純水中で110℃にて1週間浸漬し、さらに真空乾燥機中で100℃にて24時間乾燥して重合体(B1)を得た。重合体(B1)の赤外吸収スペクトルを測定した結果、カルボキシ基に由来するピークが確認された。重合体(B1)を膜厚100μmのフィルムに加工し、波長360〜500nmの光の光線透過率を測定した結果、93%以上であった。重合体(B1)の1質量%を含むペルフルオロトリブチルアミン溶液を調整し、該溶液をメンブレンフィルター(孔径0.2μm、ポリテトラフルオロエチレン製)で濾過して組成物(C2)を得た。
【0085】
[例4(実施例)]テンプレート1の製造例
波長360〜500nmの光の光線透過率が90%以上の石英基板(縦25mm×横25mm×厚さ1mm)上に、0.5質量%のアミノ基を有するシランカップリング剤(信越化学工業社製:KBE−903)と5質量%の水とを含むエタノール溶液を、スピンコート法を用いて塗布した。石英基板を水洗してから、70℃にて1時間加熱乾燥して、該シランカップリング剤由来のアミノ基を石英基板表面に導入する表面処理を行った。
【0086】
一方、深さ0.10μm、幅0.70μmの凹構造が9.30μmの間隔で配置された凹凸構造を有するシリコン製のモールド(縦10mm×横10mm×厚さ0.63mm)の凹凸構造上に、例2で得た組成物(C1)を、キャスト法を用い塗布した。室温にて大気中に放置して、組成物(C1)中のペルフルオロトリブチルアミンを揮発させた。その結果、シリコン製のモールド上に重合体(A1)からなる層(層厚3.0μm)が形成された。この重合体(A1)からなる層の表面を、リアクティブイオンエッチング装置(サムコ社製、RIE−10NR)を用いて、流量20sccmの窒素ガスを用い、4.0Pa、80Wの条件下2分30秒かけて、窒素プラズマ処理を行った。
【0087】
石英基板の表面処理した面に、接着剤(東亞合成社製:アロンアルファ、0.5g)をすばやく塗布した後、重合体(A1)からなる層の窒素プラズマ処理した表面に張り合わせ、室温下0.5MPaにてプレスし、接着させた。ついで重合体(A1)からなる層からシリコン製のモールドを離脱させた。
【0088】
その結果、石英基板と、重合体(A1)からなる層とを有し、重合体(A1)の最外表面にシリコン製のモールドの凹凸構造が転写された微細パターン(高さ0.10μm、幅0.70μmの凸構造が、9.30μmの間隔で配置された凹凸構造)を有するテンプレート1を得た。
【0089】
[例5(実施例)]テンプレート2の製造例
例4と同じ石英基板とエタノール溶液を準備して、例4と同様の表面処理を行った石英基板を得た。つぎに石英基板の表面処理した面に、例3で得た組成物(C2)をスピンコート法を用いて塗布し、180℃にて1時間、加熱乾燥して、組成物(C2)中のペルフルオロトリブチルアミンを揮発させた。同時に、石英基板表面のアミノ基と、重合体(B1)のカルボキシ基とを化学結合させ、アミノ基とアミド結合を形成した重合体(B1)からなる層(層厚およそ0.05μm)が表面に形成した石英基板を得た。この重合体(B1)からなる層の表面を窒素プラズマ処理した。
【0090】
一方、例4と同じシリコン製のモールドと例2で得た組成物(C1)を準備して、同様の処理を行い、シリコン製のモールドの凹凸構造上に重合体(A1)からなる層(層厚3.0μm)を形成した。この重合体(A1)からなる層の表面を、リアクティブイオンエッチング装置(サムコ社製、RIE−10NR)を用いて、流量20sccmの窒素ガスを用い、4.0Pa、80Wの条件下2分30秒かけて、窒素プラズマ処理を行った。
【0091】
重合体(A1)からなる層の窒素プラズマ処理した表面に、接着剤(東亞合成社製:アロンアルファ、0.5g)をすばやく塗布した後、石英基板上に形成された重合体(B1)からなる層の表面に張り合わせ、室温下0.5MPaにてプレスし、接着させた。ついで重合体(A1)からなる層からシリコン製のモールドを離脱させた。
【0092】
その結果、石英基板と、重合体(A1)からなる層とを有し、重合体(A1)の最外表面にシリコン製のモールドの凹凸構造が転写された微細パターンを有するテンプレート2を得た。
【0093】
[例6(実施例)]テンプレート3の製造例
例4と同じ石英基板とエタノール溶液を準備して、例4と同様の表面処理を行った石英基板を得た。つぎに石英基板の表面処理した面に、例3で得た組成物(C2)を、スピンコート法を用いて塗布し、180℃にて1時間、加熱乾燥して、組成物(C2)中のペルフルオロトリブチルアミンを揮発させた。同時に、石英基板表面のアミノ基と、重合体(B1)のカルボキシ基とを化学結合させ、アミノ基とアミド結合を形成した重合体(B1)からなる層(層厚およそ0.05μm)が表面に形成した石英基板を得た。
【0094】
一方、例4と同じシリコン製のモールドと例2で得た組成物(C1)を準備して、同様の処理を行い、シリコン製のモールドの凹凸構造上に重合体(A1)からなる層(層厚3.0μm)を形成した。この重合体(A1)からなる層の表面を、リアクティブイオンエッチング装置(サムコ社製、RIE−10NR)を用いて、流量5sccmの酸素ガスおよび流量15sccmのCFガスを用い、4.0Pa、80Wの条件下15秒かけて、酸素プラズマ処理を行った。
【0095】
重合体(A1)からなる層の酸素プラズマ処理した表面に、0.1μLのペルフルオロトリブチルアミンを均一に塗布した後、石英基板上に形成された重合体(B1)からなる層の表面に張り合わせ、室温下15MPaにてプレスし、接着させる。ついで重合体(A1)からなる層からシリコン製のモールドを離脱させる。
【0096】
その結果、石英基板と、重合体(A1)からなる層とを有し、重合体(A1)の最外表面にシリコン製のモールドの凹凸構造が転写された微細パターンを有するテンプレート3が得られる。
【0097】
[例7(実施例)]テンプレート4の製造例
例4と同じ石英基板とエタノール溶液を準備して、例4と同様の表面処理を行った石英基板を得た。
【0098】
一方、例4と同じシリコン製のモールドの凹凸構造上に、例2で得た組成物(C1)を、キャスト法を用い塗布し、室温にて大気中に放置して、組成物(C1)中のペルフルオロトリブチルアミンを揮発させた。つぎにその上に、例3で得た組成物(C2)を、スピンコート法を用いて塗布し、室温にて大気中に放置して、組成物(C2)中のペルフルオロトリブチルアミンを揮発させた。その結果、シリコン製のモールド上に重合体(A1)からなる層(層厚3.0μm)および重合体(B1)からなる層(層厚およそ0.05μm)が形成された。この重合体(B1)の表面を、リアクティブイオンエッチング装置(サムコ社製、RIE−10NR)を用いて、流量20sccmの窒素ガスを用い、4.0Pa、80Wの条件下2分30秒かけて、窒素プラズマ処理を行った。
【0099】
石英基板の表面処理した面に、接着剤(東亞合成社製:アロンアルファ)(0.5g)をすばやく塗布した後、重合体(B1)からなる層の窒素プラズマ処理した表面に張り合わせ、室温下0.5MPaにてプレスし、接着させた。ついで重合体(A1)からなる層からシリコン製のモールドを離脱させた。
【0100】
その結果、石英基板と、重合体(A1)からなる層とを有し、重合体(A1)の最外表面にシリコン製のモールドの凹凸構造が転写された微細パターンを有するテンプレート4が得られた。
【0101】
[例8(実施例)]テンプレート5の製造例
例4と同じ石英基板とエタノール溶液を準備して、例4と同様の表面処理を行った石英基板を得る。
【0102】
一方、例4と同じシリコン製のモールドと例2で得た組成物(C1)を準備して、同様の処理を行い、シリコン製のモールドの凹凸構造上に重合体(A1)からなる層(層厚3.0μm)を形成する。この重合体(A1)からなる層の表面を、リアクティブイオンエッチング装置(サムコ社製、RIE−10NR)を用いて、流量20sccmの窒素ガスを用い、4.0Pa、80Wの条件下2分30秒かけて、窒素プラズマ処理する。
【0103】
イエロールームにて、石英基板の表面処理した面および重合体(A1)からなる層の窒素プラズマ処理した表面の両方に、可視光硬化樹脂(マルトー社製:アクリル・ワン、0.5g)をすばやく塗布し、両面を張り合わせ、室温下0.5MPaにてプレスし可視光線(400〜500nm)の光を5分間照射して接着させる。ついで重合体(A1)からなる層からシリコン製のモールドを離脱させる。
【0104】
その結果、石英基板と、重合体(A1)からなる層とを有し、重合体(A1)の最外表面にシリコン製のモールドの凹凸構造が転写された微細パターンを有するテンプレート5が得られる。
【0105】
[例9(実施例)]テンプレート6の製造例
例2で得た組成物(C1)を、例4と同じシリコン製のモールドの凹凸構造上に、キャスト法を用い塗布し、室温にて大気中に放置して、組成物(C1)中のペルフルオロトリブチルアミンを揮発させた。その結果、シリコン製のモールド上に重合体(A1)からなる層(層厚3.0μm)が形成された。この重合体(A1)からなる層の表面を、リアクティブイオンエッチング装置(サムコ社製、RIE−10NR)を用いて、流量20sccmの窒素ガスを用い、4.0Pa、80Wの条件下2分30秒かけて、窒素プラズマ処理を行った。
【0106】
PETフィルム(東レ社製:ルミラー50、縦15mm×横15mm×厚さ50μm)の表面に、接着剤(東亞合成社製:アロンアルファ、0.5g)をすばやく塗布した後、重合体(A1)からなる層の窒素プラズマ処理した面を張り合わせ、室温下0.5MPaにてプレスし、接着させた。ついで重合体(A1)からなる層からシリコン製のモールドを離脱させた。
【0107】
その結果、PETフィルムと、重合体(A1)からなる層とを有し、重合体(A1)の最外表面にシリコン製のモールドの凹凸構造が転写された微細パターンを有するテンプレート6を得た。
【0108】
[例10(実施例)]テンプレート7の製造例
波長360〜500nmの光の光線透過率が90%以上の硼珪酸ガラス基板(縦50mm×横50mm×厚さ0.7mm)上に、0.5質量%のアミノ基を有するシランカップリング剤(信越化学工業社製:KBE−903)と5質量%の水とを含むエタノール溶液を、スピンコート法を用いて塗布した。硼珪酸ガラス基板を水洗してから、70℃にて1時間加熱乾燥して、該シランカップリング剤由来のアミノ基を硼珪酸ガラス基板表面に導入する表面処理を行った。
【0109】
一方、例2で得た組成物(C1)を、深さ0.1μm、幅0.7μmの凹構造が9.3μmの間隔で配置された凹凸構造を有する石英製のモールド(縦10mm×横10mm×厚さ0.6mm)の凹凸構造上に、キャスト法を用い塗布し、室温にて大気中に放置して、組成物(C1)中のペルフルオロトリブチルアミンを揮発させた。その結果、石英製のモールド上に重合体(A1)からなる層(層厚3.0μm)が形成された。この重合体(A1)からなる層の表面を、リアクティブイオンエッチング装置(サムコ社製、RIE−10NR)を用いて、流量20sccmの窒素ガスを用い、4.0Pa、80Wの条件下2分30秒かけて、窒素プラズマ処理を行った。
【0110】
硼珪酸ガラス基板の表面処理した面に、接着剤(東亞合成社製:アロンアルファ、0.5g)をすばやく塗布し、重合体(A1)からなる層の親水化処理した表面に張り合わせ、室温下0.5MPaにてプレスし、接着させた。ついで重合体(A1)からなる層から石英製のモールドを離脱させた。
【0111】
その結果、硼珪酸ガラス基板と、重合体(A1)層とを有し、重合体(A1)の最表面に石英製のモールドの凹凸構造が転写された微細パターン(高さ0.10μm×幅0.70μmの凸構造が、9.30μmの間隔で配置された凹凸構造。)を有するテンプレート7を得た。
【0112】
[例11(比較例)]テンプレート8の製造例
例4と同じ石英基板上に、例2で得た組成物(C1)をスピンコート法を用いて塗布し、180℃にて1時間、加熱乾燥して、組成物(C1)中のペルフルオロトリブチルアミンを揮発させた。その結果、石英基板上に重合体(A1)からなる層(層厚1.1μm)が形成された。
【0113】
一方、例4と同じシリコン製のモールドを120℃に加熱し、モールドの凹凸構造を重合体(A1)からなる層側に2.0MPaで10分間、圧着させた。モールドと石英基板の温度を30℃以下に冷却してからモールドを離脱した。
【0114】
その結果、石英基板と、重合体(A1)からなる層とを有し、重合体(A1)の最外表面に微細パターンを有するテンプレート8を得た。
【0115】
[例12(比較例)]テンプレート9の製造例
例4と同じエタノール溶液と石英基板を準備して、同様の表面処理を行った石英基板を得た。つぎに石英基板の表面処理面に、例3で得た組成物(C2)を、スピンコート法を用いて塗布し、180℃にて1時間、加熱乾燥して、組成物(C2)中のペルフルオロトリブチルアミンを揮発させた。同時に、石英基板表面のアミノ基と、重合体(B1)のカルボキシ基とを化学結合させ、アミノ基とアミド結合を形成した重合体(B1)からなる層(層厚およそ0.05μm)が表面に形成した石英基板を得た。つぎに、該層上に、例2で得た組成物(C1)をスピンコート法を用いて塗布し、180℃にて1時間、加熱乾燥して、組成物(C1)中のペルフルオロトリブチルアミンを揮発させた。その結果、重合体(A1)からなる層(層厚1.3μm)が最表面に形成した石英基板を得た。
【0116】
一方、例4と同じシリコン製のモールド上に、例2で得た組成物(C1)を、キャスト法を用いて塗布し、室温にて大気中に放置して、組成物(C1)中のペルフルオロトリブチルアミンを揮発させた。その結果、シリコン製のモールド上に重合体(A1)からなる層(層厚3.0μm)を形成した。
【0117】
石英基板上の重合体(A1)からなる層およびシリコン製のモールドの重合体(A1)からなる層の表面同士を張り合わせ、55℃に加熱しながら15MPaにてプレスし、接着させた。ついで重合体(A1)からなる層からシリコン製のモールドを離脱させた。
【0118】
その結果、石英基板と、重合体(A1)からなる層とを有し、重合体(A1)の最表面にシリコン製のモールドの凹凸構造が転写された微細パターンを有するテンプレート10が得られた。
【0119】
[テンプレートの各層間の密着性]
例4〜13で得られたテンプレートをアセトンに浸漬し、超音波をかけて、各層間の密着性を調べた。結果を表1に示した。表中の記号は以下の意を示す。
○:超音波を5分照射しても剥れない。
△:超音波を5分照射すると多少剥れる。
×:アセトン浸漬のみで簡単に剥れる。
【0120】
[テンプレートのパターン寸法]
例4〜13で得られたテンプレートの微細パターンの寸法を表1に示した。
【0121】
【表1】

【0122】
[例14(実施例)]微細パターンが表面に形成された処理基材の製造例
紫外光をカットしたクリーンルーム内にて、CF=CFCFC(CF)(OCHOCH)CHCH=CH(1.31g)とCF=CFCFC(CF)(OH)CHCH=CH(0.14g)、光硬化開始剤1(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製:イルガキュア 651、0.03g)、および光硬化開始剤2(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製:イルガキュア 907、0.03g)を順に混合して光硬化性樹脂を得た。
【0123】
光硬化性樹脂の2滴をシリコンウェハ上に塗布して光硬化性樹脂からなる薄膜(膜厚2.5μm)が形成されたシリコンウェハを得た。次に例4で得たテンプレート1の微細パターン面を光硬化性樹脂からなる薄膜に押し付けた。テンプレート1側から紫外線(波長365nm、照度63mW/cm)を10秒間、照射して光硬化性樹脂を硬化させた。つぎにテンプレート1を離脱させて、光硬化性樹脂の硬化物からなる、テンプレート1の凸凹構造が反転して形成した微細パターン(深さ99nm、幅0.7μmの凹構造が9.3μmの間隔で配置された凹凸構造。)を表面に有するシリコンウェハを得た。
【産業上の利用可能性】
【0124】
本発明の製造方法で得られるテンプレートは、光硬化性樹脂を使用するナノインプリント用テンプレートとして用いることができる。テンプレートを用いて得られた光硬化性樹脂の硬化物からなる転写微細パターンを有する処理基材は、微細パターンを表面に有することから種々の用途に有用である。該処理基材は、光学素子(マイクロレンズアレイ、光導波路、波長フィルター、偏光板、光スイッチング、フレネルゾーンプレート、バイナリー光学素子、ブレーズ光学素子、フォトニクス結晶等。)、反射防止フィルター、バイオチップ、マイクロリアクターチップ、記録メディア、リブ等のディスプレイ材料、触媒の担持体、フィルター、センサー部材、超撥水材料、エネルギー関連部材(燃料電池、三次元電池、キャパシタ、ペルチェ素子、太陽電池等)、MEMS製造用のテンプレート等として用いることができる。また、本発明の製造方法で得られるテンプレートは、パターン寸法がマスターモールドとほぼ同寸法に製造できることから、半導体用途などのサブミクロンサイズ以下のパターン形成にも用いることができる。
【0125】
また、本発明の製造方法で得られるテンプレートにニッケルをメッキすることにより、テンプレートの微細パターンの反転パターンを有するニッケル製モールドを製造することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】本発明のテンプレートの製造方法の一例を説明するため概略断面図。
【図2】本発明のテンプレートの製造方法の他の例を説明するため概略断面図。
【図3】本発明のテンプレートの製造方法の他の例を説明するため概略断面図。
【符号の説明】
【0127】
1:透明基体
2:含フッ素重合体層
3:中間層
4:モールド
5:テンプレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光硬化性樹脂を成形するための微細パターンを表面に有する含フッ素重合体層と、透明基体とを有するテンプレートの製造方法であって、下記工程[1]、下記工程[2]、および下記工程[3]を備えることを特徴とするテンプレートの製造方法。
微細パターンの反転パターンを有するモールドの該パターン上に、
反応性官能基(x)を実質的に有さない含フッ素重合体(A)を溶媒に溶解させた溶液を塗布し、80℃未満で溶媒を除去して、モールドの表面に含フッ素重合体層を形成する工程[1]、
含フッ素重合体層の最外表面を処理して表面に反応性官能基(x)を導入し、
ついで該最外表面と、表面に反応性官能基(x)と化学結合を形成しうる官能基(y)を有する透明基体の該表面とを張り合わせ、80℃未満で加圧して接着する工程[2]、
モールドを含フッ素重合体層から離脱し、微細パターンを表面に有する含フッ素重合体層を形成する工程[3]。
【請求項2】
前記工程[2]において、含フッ素重合体層の最外表面をプラズマ処理する、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記工程[2]のかわりに、下記工程[21]を備える、請求項1に記載の製造方法。
含フッ素重合体層の表面に、反応性官能基(x)を有する含フッ素重合体(B)を溶媒に溶解させた溶液を塗布し、つぎに80℃未満で溶媒を除去して、含フッ素重合体(B)からなる中間層を形成し、
ついで該中間層の最外表面と、表面に反応性官能基(x)と化学結合を形成しうる官能基(y)を有する透明基体の該表面とを張り合わせ、80℃未満で加圧して接着する工程[21]。
【請求項4】
前記工程[2]のかわりに、下記工程[22]を備える、請求項1に記載の製造方法。
表面に反応性官能基(x)と化学結合を形成しうる官能基(y)を有する透明基体の該表面に、反応性官能基(x)を有する含フッ素重合体(B)を溶媒に溶解させた溶液を塗布し、つぎに溶媒を除去して、含フッ素重合体(B)からなる中間層を形成しておき、
ついで含フッ素重合体層の最外表面と、中間層の最外表面とを張り合わせ、80℃未満で加圧して接着する工程[22]。
【請求項5】
含フッ素重合体(A)および含フッ素重合体(B)は、主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
【請求項6】
反応性官能基(x)がカルボキシ基であり、反応性官能基(x)と化学結合を形成しうる基(y)が水酸基、アミノ基またはエポキシ基である、請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
【請求項7】
表面に反応性官能基(x)と化学結合を形成しうる官能基(y)を有する透明基体は、ガラス基体を表面処理して官能基(y)を導入したものである、請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
【請求項8】
テンプレートの微細パターンが、凹凸構造からなり、凸構造部の高さの平均が1nm〜500μmである、請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法で得られるテンプレート、基材、および光硬化性樹脂を使用し、テンプレートの微細パターン面と基材表面との間に光硬化性樹脂を挟持して押圧する工程、光照射により光硬化性樹脂を硬化させて硬化物とする工程、および
該硬化物からテンプレートを離脱する工程を順に行う、光硬化性樹脂の硬化物からなる転写微細パターンを有する処理基材の製造方法。
【請求項10】
請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法で得られるテンプレート、基材、および光硬化性樹脂を使用し、テンプレートの微細パターン面と基材表面との間に光硬化性樹脂を挟持して押圧する工程、光硬化性樹脂からテンプレートを離脱する工程、および光照射により光硬化性樹脂を硬化させて硬化物とする工程を順に行う、光硬化性樹脂の硬化物からなる転写微細パターンを有する処理基材の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−245702(P2007−245702A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−235533(P2006−235533)
【出願日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【出願人】(000000044)旭硝子株式会社 (2,665)
【Fターム(参考)】