説明

テンプレート処理装置、インプリントシステム、テンプレート処理方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体

【課題】テンプレートの表面に成膜された離型剤上に、塗布膜を適切に形成する。
【解決手段】テンプレート処理装置1は、テンプレート搬入出ステーション2と処理ステーション3とを一体に接続した構成を有している。テンプレート搬入出ステーション2は、複数のテンプレートTを保有可能で、且つ処理ステーション3に対してテンプレートTを搬入出する。処理ステーション3は、搬送ラインAに沿ってテンプレートTを搬送する。搬送ラインAには、搬送中のテンプレートTに対して所定の処理を行う、前洗浄ユニット21、離型剤塗布ユニット22、加熱ユニット23、温度調節ユニット24、リンスユニット25、レジスト塗布ユニット26がテンプレートTの搬送方向に順に配置されている。レジスト塗布ユニット26では、テンプレートTの表面にレジスト液を供給し、スキージを用いてテンプレートTの表面にレジスト膜を成膜する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テンプレートの表面に転写パターンが形成され、当該表面に成膜された離型剤上に塗布膜を形成するテンプレート処理装置、当該テンプレート処理装置を備えたインプリントシステム、当該テンプレート処理装置を用いたテンプレート方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば半導体デバイスの製造工程では、例えば半導体ウェハ(以下、「ウェハ」という。)にフォトリソグラフィー処理を行い、ウェハ上に所定のレジストパターンを形成することが行われている。
【0003】
上述したレジストパターンを形成する際には、半導体デバイスのさらなる高集積化を図るため、当該レジストパターンの微細化が求められている。一般にフォトリソグラフィー処理における微細化の限界は、露光処理に用いる光の波長程度である。このため、従来より露光処理の光を短波長化することが進められている。しかしながら、露光光源の短波長化には技術的、コスト的な限界があり、光の短波長化を進める方法のみでは、例えば数ナノメートルオーダーの微細なレジストパターンを形成するのが困難な状況にある。
【0004】
そこで、近年、ウェハにフォトリソグラフィー処理を行う代わりに、いわゆるインプリントと呼ばれる方法を用いてウェハ上に微細なレジストパターンを形成することが提案されている(特許文献1)。このインプリント方法では、図25に示すように表面に微細な転写パターンCが形成され、且つ当該表面に離型剤Sが成膜されたテンプレートT(モールドや型と呼ばれることもある。)が用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−43998号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したインプリント方法では、先ず、図25(a)に示すように、ウェハW上に形成されるレジストパターンにおいて、凸部に対応する部分(テンプレートTの転写パターンCにおける凹部に対応する部分)に塗布されるレジスト液の量は多く、凹部に対応する部分(転写パターンCにおける凸部に対応する部分)に塗布されるレジスト液の量は少なくなるように、即ち転写パターンCの開口率に応じてウェハW上にレジスト液が塗布され、レジスト膜Rが形成される。そして、図25(b)に示すようにレジスト膜Rに、離型剤Sが成膜されたテンプレートTが押し付けられ、転写パターンCが転写され、レジストパターンPが形成される。このとき、レジスト膜Rに光が照射され、レジスト膜Rが光重合する。その後、図25(c)に示すようにテンプレートTを上昇させて、ウェハW上にレジストパターンPが形成される。
【0007】
しかしながら、図25に示す方法においては、先ず図25(a)に示すように、ウェハW上の所定の位置に正確にレジスト膜Rを形成する必要がある。このため、ウェハW上にレジスト液の塗布を行うに際して、レジスト液を塗布する、例えばレジスト液ノズルとウェハWとのアライメントを正確に行う必要がある。さらに、図25(b)に示すようにテンプレートTの転写パターンCを転写する際、開口率に応じてウェハW上にレジスト液を塗布することで形成されたレジスト膜Rと、テンプレートTの転写パターンCとのアライメントが取れていないと、転写パターンCがレジスト膜Rに精度よく転写されない。したがって、上述のインプリント方法においては、レジスト膜Rの形成時、及びパターン転写時の2度に渡ってアライメントを高精度で行う必要がある。このため、アライメントに時間を要するためスループット向上の妨げとなっていた。また、アライメントを複数回行う必要があるため、アライメント毎の誤差が重畳され、結果として高精度のアライメントが困難となるという問題があった。
【0008】
この点について、発明者らがアライメントに要する時間を短縮すべく鋭意検討し、例えば下記に示す方法を見出した。
【0009】
図26(a)に示すように、先ず離型剤Sが成膜されたテンプレートT上にレジスト液を塗布してレジスト膜Rを形成する。次いで、図26(b)に示すように当該レジスト膜Rが形成されたテンプレートTを上昇させウェハWに押し付けると共に、レジスト膜Rに光を照射し、レジスト膜Rを光重合する。その後、図26(c)に示すように、テンプレートTを下降させて、ウェハW上にレジストパターンPを形成する。
【0010】
しかしながら、図26に示す方法においては、離型剤Sが成膜され撥液性が高まった状態のテンプレートTにレジスト液を塗布するため、離型剤Sの有する撥液性により、図27に示すように転写パターンCの窪み部Uにレジスト液Rが入り込まないという、新たな問題が生じた。この場合、当該レジスト液Rが窪み部Uの内部において液滴の状態で留まってしまい、液滴の形状がウェハW上のレジストパターンPにそのまま転写されてしまうため、ウェハW上に所定のレジストパターンPを適切に形成することができない。
【0011】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、テンプレート表面に成膜された離型剤上に塗布膜を適切に形成し、パターン転写時のアライメントを不要とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記の目的を達成するため、本発明は、テンプレートの表面に転写パターンが形成され、当該表面に成膜された離型剤上に塗布膜を形成するテンプレート処理装置であって、前記テンプレートに所定の処理を行う処理ステーションと、複数の前記テンプレートを保有可能で、且つ前記処理ステーションに対して前記テンプレートを搬入出するテンプレート搬入出ステーションと、を有し、前記処理ステーションは、前記離型剤上に塗布液を供給する塗布液供給部と、前記離型剤上に塗布された塗布液を前記テンプレートの転写パターンの窪み部に押し込む塗布液充填部と、を有することを特徴としている。
【0013】
本発明によれば、処理ステーションにおいて、テンプレートの離型剤上に塗布した塗布液を塗布液充填部によりテンプレートの転写パターンの窪み部に押し込むことができる。すなわち、テンプレートの転写パターンの窪み部に塗布液を隙間なく充填することができる。したがって、このように塗布液が成膜されたテンプレートを用いて基板上所定のパターンを形成する場合、基板上にテンプレートの転写パターンが適切に転写された所定のパターンを形成することができる。
【0014】
また、塗布液が成膜されたテンプレートを用いて基板にパターンを形成する場合、従来行っていた、基板上の塗布膜とテンプレートの転写パターンとのアライメント調整が不要となる。したがって、スループットを向上させることができる。
【0015】
前記処理ステーションは、前記テンプレートの表面に離型剤を成膜する離型剤成膜ブロックをさらに有していてもよい。
【0016】
前記塗布液充填部は、スキージであってもよい。
【0017】
また、前記塗布液充填部は、ローラであってもよく、ブラシであってもよい。
【0018】
前記塗布液充填部の前記塗布液と接触する表面は、撥液処理されていてもよい。
【0019】
前記離型剤上に塗布された塗布液の上面には、フィルタが配置され、前記塗布液充填部は、前記フィルタを介して前記塗布液を前記窪み部に押し込んでもよい。
【0020】
また、前記離型剤上には前記塗布液が浸透可能なフィルタが配置され、前記塗布液は、前記フィルタ上に供給され、前記塗布液充填部は、前記フィルタを介して前記塗布液を前記窪み部に押し込んでもよい。
【0021】
前記処理ステーションは、前記塗布液供給部と前記塗布液充填部に代えて、その表面に塗布液が供給されたスタンプを有し、前記転写パターンの窪み部への前記塗布液の押し込みは、前記スタンプを前記転写パターンに押し当てることにより行ってもよい。かかる場合、前記スタンプの表面は撥液処理されていてもよい。
【0022】
複数の前記テンプレートは、一のホルダーに保持されていてもよい。
【0023】
別な観点による本発明は、前記テンプレート処理装置を備えたインプリントシステムであって、前記処理ステーションで処理された前記テンプレートを用いて、前記転写パターンを基板上に形成される塗布膜に転写し、当該塗布膜に所定のパターンを形成するインプリントユニットと、複数の前記基板を保有可能で、前記インプリントユニットに対して前記基板を搬入出する基板搬入出ステーションと、を有することを特徴としている。
【0024】
また別な観点による本発明は、テンプレート処理装置を用いて、テンプレートの表面に転写パターンが形成され、当該表面に成膜された離型剤上に塗布膜を形成するテンプレート処理方法であって、前記離型剤上に塗布液を塗布し、前記離型剤上に塗布された塗布液を前記テンプレートの転写パターンの窪み部に押し込むことを特徴としている。
【0025】
前記テンプレート処理装置において、前記テンプレートの表面に離型剤を成膜してもよい。
【0026】
前記テンプレートの転写パターンの窪み部への前記塗布液の押し込みは、スキージを用いて行ってもよい。
【0027】
また、前記テンプレートの転写パターンの窪み部への前記塗布液の押し込みは、ローラを用いて行ってもよく、ブラシを用いて行ってもよい。
【0028】
また別な観点による本発明によれば、前記テンプレート処理方法をテンプレート処理装置によって実行させるために、当該テンプレート処理装置を制御する制御部のコンピュータ上で動作するプログラムが提供される。
【0029】
さらに別な観点による本発明によれば、前記プログラムを格納した読み取り可能なコンピュータ記憶媒体が提供される。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、テンプレート表面に成膜された離型剤上に塗布膜を適切に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本実施の形態にかかるテンプレート処理装置の構成の概略を示す平面図である。
【図2】テンプレートの斜視図である。
【図3】トランジションユニットの構成の概略を示す側面図である。
【図4】搬送ラインの各処理ユニットの構成の概略を示す縦断面図である。
【図5】搬送ラインの各処理ユニットの構成の概略を示す縦断面図である。
【図6】レジスト塗布ユニットの構成の概略を示す横断面図である。
【図7】レジスト膜の形成工程におけるテンプレートの状態を模式的に示した説明図であり、(a)はテンプレートの表面にレジスト液が供給された様子を示し、(b)はスキージにより窪み部にレジスト液が押し込まれる様子を示し、(c)はテンプレートの表面にレジスト膜が形成された様子を示す。
【図8】テンプレート処理の各工程を示したフローチャートである。
【図9】離型剤処理及びレジスト膜成膜の各工程におけるテンプレートの状態を模式的に示した説明図であり、(a)はテンプレートの表面が洗浄された様子を示し、(b)はテンプレートの表面に離型剤が塗布された様子を示し、(c)はテンプレート上の離型剤が焼成された様子を示し、(d)はテンプレート上に離型剤が成膜された様子を示し、(e)はテンプレート上にレジスト液が供給された様子を示し、(f)はスキージにより窪み部にレジスト液が押し込まれる様子を示し、(g)はテンプレート上にレジスト膜が成膜された様子を示す。
【図10】ローラにより窪み部にレジスト液が押し込まれる様子を模式的に示した説明図である。
【図11】ブラシにより窪み部にレジスト液が押し込まれる様子を模式的に示した説明図である。
【図12】レジスト液の上面にフィルタを配置して窪み部にレジスト液を押し込む様子を模式的に示した説明図である。
【図13】テンプレート上に配置したフィルタにレジスト液が供給された状態を模式的に示した説明図である。
【図14】他の実施の形態にかかるテンプレート処理装置の構成の概略を示す平面図である。
【図15】スタンプユニットの構成の概略を示す縦断面図である。
【図16】レジスト膜成膜の各工程におけるテンプレート及びスタンプの状態を模式的に示した説明図であり、(a)はスタンプの表面にレジスト液が塗布される様子を示し、(b)はスタンプがテンプレートに押し付けられた様子を示し、(c)はテンプレート上にレジスト膜が成膜された様子を示す。
【図17】ホルダーの平面図である。
【図18】ホルダーの縦断面図である。
【図19】本実施の形態にかかるインプリントシステムの構成の概略を示す平面図である。
【図20】インプリントユニットの構成の概略を示す横断面図である。
【図21】インプリントユニットの構成の概略を示す縦断面図である。
【図22】インプリント処理の各工程を示したフローチャートである。
【図23】インプリント処理の各工程におけるテンプレートとウェハの状態を模式的に示した説明図であり、(a)はテンプレートをウェハに押し付けた様子を示し、(b)はウェハ上のレジスト膜を光重合させた様子を示し、(c)はウェハ上にレジストパターンが形成された様子を示し、(d)はウェハ上の残存膜が除去された様子を示す。
【図24】他の実施の形態にかかるインプリントシステムの構成の概略を示す平面図である。
【図25】従来のインプリント処理の各工程におけるテンプレートとウェハの状態を模式的に示した説明図であり、(a)はウェハ上にレジスト液が塗布された様子を示し、(b)はウェハ上のレジスト膜を光重合させた様子を示し、(c)はウェハ上にレジストパターンが形成された様子を示す。
【図26】インプリント処理の各工程におけるテンプレートとウェハの状態を模式的に示した説明図であり、(a)はテンプレートにレジスト膜が成膜された様子を示し、(b)はウェハ上のレジスト膜を光重合させた様子を示し、(c)はウェハ上にレジストパターンが形成された様子を示す。
【図27】テンプレートの表面にレジスト液が供給された様子を模式的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態にかかるテンプレート処理装置1の構成の概略を示す平面図である。
【0033】
本実施の形態のテンプレート処理装置1では、図2に示すように直方体形状を有し、表面に所定の転写パターンCが形成されたテンプレートTが用いられる。以下、転写パターンCが形成されているテンプレートTの面を表面Tといい、当該表面Tと反対側の面を裏面Tという。なお、テンプレートTには、可視光、近紫外光、紫外線などの光を透過可能な透明材料、例えばガラスが用いられる。
【0034】
テンプレート処理装置1は、図1に示すように複数、例えば5枚のテンプレートTをカセット単位で外部とテンプレート処理装置1との間で搬入出したり、テンプレートカセットCに対してテンプレートTを搬入出したりするテンプレート搬入出ステーション2と、テンプレートTに所定の処理を施す複数の処理ユニットを備えた処理ステーション3とを一体に接続した構成を有している。
【0035】
テンプレート搬入出ステーション2には、カセット載置台10が設けられている。カセット載置台10は、複数のテンプレートカセットCをX方向(図1中の上下方向)に一列に載置自在になっている。すなわち、テンプレート搬入出ステーション2は、複数のテンプレートTを保有可能に構成されている。
【0036】
テンプレート搬入出ステーション2には、X方向に延伸する搬送路11上を移動可能なテンプレート搬送体12が設けられている。テンプレート搬送体12は、鉛直方向及び鉛直周り(θ方向)にも移動自在であり、テンプレートカセットCと処理ステーション3との間でテンプレートTを搬送できる。
【0037】
処理ステーション3は、テンプレートTの搬送ラインAを備えている。搬送ラインAは、処理ステーション3において、正面側(図1のX方向負方向側)に配置されY方向に延びるラインA1と、テンプレート搬入出ステーション2と反外側の端部においてX方向に延びるラインA2と、背面側(図1のX方向正方向側)においてY方向に延びるラインA3とをこの順で接続した構成を有している。搬送ラインAには、後述する複数の搬送用コロ30が並べて配置され、コロ搬送によりテンプレートTを搬送することができる。すなわち、テンプレート搬入出ステーション2から処理ステーション3に搬送されたテンプレートTは、ラインA1、A2、A3を順次搬送される。
【0038】
ラインA1には、テンプレート搬入出ステーション2側から順に、テンプレートTの受け渡しを行うためのトランジションユニット20、テンプレートT上に離型剤が成膜される前の表面Tを洗浄する前洗浄ユニット21、テンプレートTに液体状の離型剤を塗布する離型剤塗布ユニット22、テンプレートTを加熱処理する加熱ユニット23が一列に配置されている。
【0039】
ラインA2には、テンプレートTの温度を調節する温度調節ユニット24が配置されている。
【0040】
ラインA3には、テンプレート搬入出ステーション2側に向けて順に、テンプレートT上の離型剤をリンスするリンスユニット25、テンプレートTの離型剤上にレジスト液を塗布するレジスト塗布ユニット26、トランジションユニット27が一列に配置されている。なお、本実施の形態では、処理ユニット21〜25で離型剤成膜ライン(離型剤成膜ブロック)を形成している。
【0041】
次に、上述した搬送ラインAにおけるテンプレートTの搬送機構について説明する。搬送ラインAには、図3〜図5に示すように、複数の搬送用コロ30が搬送ラインAに沿った方向に並べて配置されている。各搬送用コロ30は、搬送ラインAに沿った方向と直角方向に延伸する中心軸を回転軸として回転自在に構成されている。また、複数の搬送用コロ30のうち、少なくとも一の搬送用コロ30には、例えばモータなどを内蔵した駆動機構(図示せず)が設けられている。そして、テンプレートTは、これら搬送用コロ30上をトランジションユニット20、27間で搬送される。
【0042】
次に、上述した搬送ラインAのトランジションユニット20、27の構成について説明する。搬送ラインAのトランジションユニット20は、図3に示すようにテンプレートTを下方から支持し昇降させるための昇降ピン40を有している。昇降ピン40は、搬送用コロ30の下方に設けられた昇降駆動部41により上下動できる。また、昇降ピン40は、搬送ラインAに沿って並べて配置された複数の搬送用コロ30間を挿通するよう配置されている。この昇降ピン40により、テンプレートTは、テンプレート搬送体12から搬送用コロ30に載置される。
【0043】
なお、トランジションユニット27の構成は、上述したトランジションユニット20の構成と同様であるので説明を省略する。
【0044】
次に、上述した搬送ラインAの各処理ユニット21〜26の構成について、図4及び図5に基づいて説明する。なお、搬送ラインAは、先に図1に示したようにラインA2において直角方向に折れ曲がっているが、図4においては、構成の理解の容易さを優先させるため、直線状で示されている。
【0045】
搬送ラインAには、図4及び図5に示すようにケーシング50が設けられている。ケーシング50内は複数の仕切壁51によって区画され、区画された各空間が処理ユニット21〜26をそれぞれ構成している。これら仕切壁51及びケーシング50のトランジションユニット20、27側の側面には、搬送用コロ30に対応する高さにテンプレートTの搬入出口52がそれぞれ形成されている。なお、各搬入出口52には、開閉シャッタ(図示せず)が設けられ、各処理ユニット21〜26の内部を密閉可能になっていてもよい。
【0046】
前洗浄ユニット21は、図4に示すようにテンプレートTに紫外線を照射する紫外線照射部60を有している。紫外線照射部60は、搬送用コロ30の上方に配置され、テンプレートTの幅方向(搬送用コロ30の長手方向)に延伸している。そして、搬送用コロ30上を搬送中のテンプレートTの表面Tに紫外線を照射することで、テンプレートTの表面T全面に紫外線が照射される。
【0047】
離型剤塗布ユニット22は、テンプレートT上に離型剤を供給する離型剤供給部としての離型剤ノズル61を有している。離型剤ノズル61は、搬送用コロ30の上方に配置されている。また、離型剤ノズル61は、テンプレートTの幅方向に延伸し、その下面には、スリット状の供給口(図示せず)が形成されている。そして、搬送用コロ30上を搬送中のテンプレートTの表面Tに離型剤ノズル61から離型剤を供給して、当該表面Tの全面に離型剤が塗布される。離型剤塗布ユニット22には、テンプレートTから落下した離型剤を回収して排出する排出管(図示せず)と、内部の雰囲気を排気する排気管(図示せず)がそれぞれ接続されている。なお、離型剤の材料には、後述するウェハ上のレジスト膜に対して撥液性を有する材料、例えばフッ素樹脂等が用いられる。
【0048】
加熱ユニット23は、搬送用コロ30の上方に配置された熱板62を有している。熱板62の内部には、例えば給電により発熱するヒータが設けられており、熱板62を所定の設定温度に調節できる。また、熱板62は、テンプレートTの幅方向に延伸し、搬送用コロ30上を搬送中のテンプレートTを表面T側(転写パターンC側)から加熱できる。なお、加熱ユニット23には、内部の雰囲気を排気する排気管(図示せず)が接続されている。また、図示の例では、熱板62はテンプレートTを表面T側から加熱しているが、テンプレートTを裏面T側から加熱するようにしてもよい。すなわち、熱板は、搬送用コロ30と同じ高さに配置されていてもよく、あるいは搬送用コロ30の下方に配置されていてもよい。さらに、これら熱板を両方配置して、テンプレートTを表面Tと裏面Tの両側から加熱してもよい。
【0049】
温度調節ユニット24では、搬送用コロ30の一部が温度調節用コロ30aを構成している。温度調節用コロ30aの内部には、テンプレートTを冷却する冷却水が循環している。また、搬送用コロ30の上方には、例えば窒素等の不活性ガスや乾燥空気などの気体ガスを下方に吹き付けるガス供給部63が配置されている。ガス供給部63は、テンプレートTの幅方向に延伸し、搬送中のテンプレートTの表面T全面に気体ガスを吹き付けることができる。これら温度調節用コロ30aとガス供給部63によって、テンプレートTは所定の温度に調節される。なお、温度調節ユニット24には、内部の雰囲気を排気する排気管(図示せず)が接続されている。
【0050】
リンスユニット25は、図5に示すようにテンプレートT上に離型剤のリンス液としての有機溶剤を供給するリンス液ノズル64と、テンプレートT上に例えば窒素等の不活性ガスや乾燥空気などの気体ガスを吹き付けるガスノズル65とを有している。リンス液ノズル64とガスノズル65は、搬送用コロ30の上方であって、温度調節ユニット24側からこの順に配置されている。また、リンス液ノズル64とガスノズル65は、テンプレートTの幅方向にそれぞれ延伸し、その下面にはスリット状の供給口(図示せず)がそれぞれ形成されている。そして、搬送用コロ30上を搬送中のテンプレートT上の離型剤をリンス液ノズル64によってリンスし、その後リンスされたテンプレートTの表面Tをガスノズル65によって乾燥させることができる。なお、リンスユニット25には、テンプレートTから落下した有機溶剤を回収して排出する排出管(図示せず)と、内部の雰囲気を排気する排気管(図示せず)がそれぞれ接続されている。
【0051】
レジスト塗布ユニット26は、テンプレートTの離型剤上に塗布液としてのレジスト液を供給する塗布液供給部としてのレジスト液ノズル70と、離型剤上に塗布されたレジスト液に押し当てて、テンプレートTの転写パターンCの窪み部にレジスト液を押し込む塗布液充填部としてのスキージ71を有している。レジスト液ノズル70及びスキージ71は、搬送用コロ30の上方に配置されている。図6に示すように、ケーシング50内のY方向正方向(図6の右方向)側には、X方向(図6の上下方向)に沿って延伸するレール72が設けられている。レール72には、アーム73が取り付けられており、レジスト塗布ノズル70はこのアーム73により支持されている。
【0052】
レジスト液ノズル70には、例えばインクジェット方式のノズルが用いられ、レジスト液ノズル70の下部には、長手方向に沿って一列に形成された複数の供給口(図示せず)が形成されている。そして、レジスト液ノズル70は、レジスト液の供給タイミング、レジスト液の供給量等を厳密に制御できる。
【0053】
アーム73は、アーム駆動部74により、レール72上を移動自在である。これにより、レジスト液ノズル70は、ケーシング50内の、例えばX方向正方向側の外方に設置された待機部75から搬送用コロ30上のテンプレートTの上方まで移動でき、さらに当該テンプレートTの表面上をX方向に移動できる。また、アーム73は、ノズル駆動部74によって昇降自在であり、レジスト液ノズル70の高さを調整できる。
【0054】
また、ケーシング50内のY方向負方向(図6の左方向)側には、X方向(図6の上下方向)に沿って延伸するレール76が同様に設けられている。レール76には、アーム77が取り付けられており、スキージ71はこのアーム77により支持されている。アーム77はアーム駆動部78によりレール76上を移動自在である。ケーシング50内の、X方向負方向側の外方には待機部79が設置されている。アーム77等の動作については上述のアーム71等と同様であるので、説明を省略する。
【0055】
スキージ71のレジスト液と接触する表面は、レジスト液に対して撥液性を有する材料、例えばフッ素樹脂等により撥液処理されている。なお、撥液処理としては、スキージ71の表面を撥液性の材料でコーティングするのではなく、例えばスキージ71そのものが、撥液性を有する、例えばポリウレタンなどの材料により形成されていてもよい。
【0056】
そして、レジスト塗布ユニット26内において、レジスト液ノズル70からテンプレートTの表面Tに成膜された離型剤S上にレジスト液Rが供給される。なお、この時点においてレジスト液Rは、図7(a)に示すように、離型剤Sの撥水性によりテンプレートTの転写パターンCの窪み部Uの内部には完全に入り込まず、液滴の状態で留まっている。次いで、スキージ71をレジスト液Rに押し当て、図7(b)に示すようにスキージ71をレジスト液に押し当てた状態で図6のX方向正方向に移動させ、スキージ71によりテンプレートTの転写パターンCの窪み部Uにレジスト液Rを押し込むことにより窪み部U内にレジスト液Rを隙間なく充填する。こうして、図7(c)に示すように離型剤S上にレジスト膜Rを形成する。なお、図7では、スキージ71を移動させながらレジスト液Rの押し込みを行っていたが、例えば、テンプレートTを搬送用コロ30により図6のX方向正方向(図6の上方向)に移動させることで、スキージ71の位置を固定した状態であっても、テンプレートTをスキージ71に対して相対的に移動させることが可能であるため、必ずしも、スキージ71を移動自在に構成する必要はない。この場合、レール76が不要となる。また、レジスト液ノズル70についても、スキージ71と同様に、レール72は必ずしも必要ではない。
【0057】
以上のテンプレート処理装置1には、図1に示すように制御部100が設けられている。制御部100は、例えばコンピュータであり、プログラム格納部(図示せず)を有している。プログラム格納部には、テンプレート搬入出ステーション2と処理ステーション3との間のテンプレートTの搬送や、処理ステーション3における駆動系の動作などを制御して、テンプレート処理装置1における後述する離型剤処理を実行するプログラムが格納されている。なお、このプログラムは、例えばコンピュータ読み取り可能なハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルデスク(MO)、メモリーカードなどのコンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記録されていたものであって、その記憶媒体から制御部100にインストールされたものであってもよい。
【0058】
本実施の形態にかかるテンプレート処理装置1は以上のように構成されている。次に、そのテンプレート処理装置1において、テンプレートT上に離型剤Sを成膜し、当該離型剤S上へのレジスト膜Rの形成について説明する。図8は、このテンプレート処理の主な処理フローを示し、図9は、各工程におけるテンプレートTの状態を示している。
【0059】
先ず、テンプレート搬送体12によって、カセット載置台10上のテンプレートカセットCからテンプレートTが取り出され、処理ステーション3のトランジションユニット20に搬送される(図8の工程G1)。このとき、テンプレートカセットC内には、テンプレートTは、転写パターンCが形成された表面Tが上方を向くように収容されており、この状態でテンプレートTはトランジションユニット20に搬送される。
【0060】
トランジションユニット20内に搬送されたテンプレートTは、昇降ピン40によって搬送用コロ30上に載置され、搬送ラインAに沿ってコロ搬送により所定の速度で搬送される。搬送ラインAでは、トランジションユニット20、前洗浄ユニット21、離型剤塗布ユニット22、加熱ユニット23、温度調節ユニット24、リンスユニット25、レジスト塗布ユニット26、トランジションユニット27に順次搬送され、各処理ユニット21〜26において搬送中のテンプレートTに所定の処理が行われる。
【0061】
すなわち、搬送ラインAでは、先ず、前洗浄ユニット21において、紫外線照射部60からテンプレートT上に紫外線が照射され、図9(a)に示すようにテンプレートTの表面Tが洗浄される(図8の工程G2)。続いて、離型剤塗布ユニット22において、離型剤ノズル61からテンプレートT上に離型剤Sを供給し、図9(b)に示すようにテンプレートTの表面T全面に離型剤Sが塗布される(図8の工程G3)。その後、加熱ユニット23において、熱板62によりテンプレートTが例えば200℃に加熱され、図9(c)に示すようにテンプレートT上の離型剤Sが焼成される(図8の工程G4)。その後、温度調節ユニット24において、温度調節用コロ30aとガス供給部63によりテンプレートTが所定の温度に調節される。その後、リンスユニット25において、リンス液ノズル64からテンプレートTに有機溶剤を供給して、当該テンプレートT上の離型剤Sの未反応部のみを剥離させる。こうして、図9(d)に示すようにテンプレートT上に転写パターンCに沿った離型剤Sが成膜される(図8の工程G5)。続いて、同リンスユニット25において、ガスノズル65からテンプレートT上に気体ガスを吹き付け、その表面Tが乾燥される。なお、離型剤Sの未反応部とは、離型剤SがテンプレートTの表面Tと化学反応して当該表面Tと吸着する部分以外をいう。
【0062】
その後、テンプレートTがレジスト塗布ユニット26に搬送されると、レジスト液ノズル70を図6のX方向に移動させ、図9(e)に示すようにテンプレートTの成膜された離型剤S上にレジスト液Rを供給する(図8の工程G6)。この際、制御部100により、レジスト液ノズル70から供給されるレジスト液Rの供給タイミングや供給量等が制御される。すなわち、テンプレートTの転写パターンCにおいて、凸部に形成された部分(ウェハW上に形成されるレジストパターンにおいて凹部に対応する部分)に塗布されるレジスト液Rの量は少なく、窪み部Uに対応する部分(レジストパターンにおける凸部に対応する部分)に塗布されるレジスト液Rの量は多くなるように制御される。このように転写パターンCの開口率に応じてウェハW上にレジスト液Rが塗布される。
【0063】
テンプレートT上にレジスト液Rが塗布されると、図9(f)に示すようにスキージ71をレジスト液Rに押し当てた状態でスキージ71を図6のX方向に移動させ、テンプレートTの転写パターンCの窪み部Uにレジスト液Rを押し込む。これにより、図9(g)に示すように、テンプレートT上の離型剤S上にレジスト膜Rが形成される(図8の工程G7)。
【0064】
その後、トランジションユニット27に搬送されたテンプレートTは、昇降ピン40によりテンプレート搬送体12に受け渡され、テンプレートカセットCに戻される(図8の工程G8)。こうしてテンプレート処理装置1における一連の離型剤処理が終了する。
【0065】
以上の実施の形態によれば、レジスト塗布ユニット26において、テンプレートTの表面Tに成膜された離型剤S上にレジスト液R供給した後、レジスト液Rをスキージ71によりテンプレートTの転写パターンCの窪み部Uに押し込むことで、レジスト液Rを窪み部Uに隙間なく充填し、離型剤S上にレジスト膜Rを形成することができる。したがって、このテンプレートTを用いてウェハ上のレジスト膜に所定のレジストパターンを形成する場合、ウェハ上にテンプレートTの転写パターンCが適切に転写された所定のパターンを形成することができる。なお、このテンプレートTを用いてウェハ上に所定のレジストパターンを形成する場合の作用、効果等については、後述において詳細に説明する。
【0066】
また、レジスト膜Rが成膜されたテンプレートTを用いてウェハにパターンを形成する場合、従来行っていた、ウェハ上のレジスト膜RとテンプレートTの転写パターンCとのアライメント調整が不要となる。したがって、ウェハ処理のスループットを向上させることができる。
【0067】
さらに、テンプレート搬入出ステーション2が複数のテンプレートTを保有できるので、当該テンプレート搬入出ステーション2から処理ステーション3にテンプレートTを連続して搬送することができる。また、処理ステーション3においては、複数の搬送用コロ30によって搬送ラインAに配置された各種処理ユニット21〜27にテンプレートTがコロ搬送され、当該搬送中のテンプレートTに所定の処理を行うことができるので、複数のテンプレートTに対して所定の処理を連続して行うことができる。したがって、これら複数のテンプレートTに対して、レジスト膜Rを連続的に成膜することができる。
【0068】
ここで、テンプレートTは、例えば6.35mmの厚みを有する。本実施の形態によれば、加熱ユニット23内において、熱板62が搬送用コロ30の上方、すなわちテンプレートTの転写パターンC側(表面T側)に配置されているので、テンプレートTの表面T側から、当該表面T上の離型剤Sを直接加熱することができる。したがって、テンプレートTの厚みに関わらず、離型剤Sを効率よく加熱して焼成することができる。また、熱板62がテンプレートTの下方に配置されている場合でも、熱伝導によってテンプレートTの裏面T側から離型剤Sを効率よく加熱することができる。
【0069】
また、スキージ71はレジスト液Rと接触する表面が撥液処理されているので、スキージ71にレジスト液Rが付着することを抑制できる。
【0070】
また、以上の実施の形態では、テンプレートTの転写パターンCの窪み部Uに押し込む塗布液充填部としてスキージ71を用いていたが、塗布液充填部はスキージ71に限定されるものではなく、レジスト液Rを転写パターンCの窪み部Uに押し込みレジスト膜Rを形成できるものであれば、例えば図10及び図11に示すようにローラ101やブラシ102といったものを用いてもよい。かかる場合も、レジスト液Rと接触する表面は撥液処理されていることが好ましい。
【0071】
また、以上の実施の形態では、テンプレートTに塗布されたレジスト液Rに直接スキージ71を押し当てていたが、例えば図12に示すように、テンプレートTに塗布されたレジスト液Rの上面に撥液処理されたフィルタF1を配置し、当該フィルタFを介してスキージ71をレジスト液Rに押し当ててもよい。こうすることで、スキージ71へのレジスト液Rの付着をさらに抑制することができる。また、例えばスキージ71に付着したパーティクル等がテンプレートT側に付着することも抑制できる。
【0072】
また、フィルタF1に代えて、例えば図13に示すように、フィルタF2をテンプレートTの表面Tに成膜された離型剤Sの上面に配置し、フィルタF2の上面にレジスト液Rを塗布した後に、スキージ71によりレジスト膜Rを形成するようにしてもよい。かかる場合、フィルタF2には、表面が撥液処理され且つレジスト液Rを浸透可能なものが用いられる。フィルタF2の上面にレジスト液Rを塗布することで、テンプレートTの表面Tに形成されるレジスト膜Rにダスト等が付着することを抑制できる。
【0073】
以上の実施の形態では、テンプレートT上への離型剤Sの塗布とテンプレートTの加熱は、それぞれ別の処理ユニット(離型剤塗布ユニット22と加熱ユニット23)で行われていたが、一の処理ユニットで行われてもよい。すなわち、一の処理ユニット内に、上述した離型剤ノズル61と熱板62を搬送ラインAに沿った方向にこの順で配置してもよい。
【0074】
以上の実施の形態では、処理ステーション3のレジスト塗布ユニット26において、テンプレートT上にレジスト液Rを供給することにより、テンプレートTの表面Tにレジスト膜Rを形成していたが、その表面にレジスト液が塗布されたスタンプをテンプレートTの表面Tに押し当てて行ってもよい。かかる場合、図14に示すようにテンプレート処理装置1の搬送ラインAには、図1に示したレジスト塗布ユニット26に代えて、スタンプユニット110が配置される。すなわち、この場合、搬送ラインAのラインA3には、リンスユニット25、スタンプユニット110、トランジションユニット27が一列に配置される。ラインA1には、テンプレート搬入出ステーション2側から順に、トランジションユニット20、前洗浄ユニット21、離型剤塗布ユニット22、加熱ユニット23が一列に配置される。また、ラインA2には温度調節ユニット24が配置される。
【0075】
スタンプユニット110のケーシング50内には、レジスト塗布ユニット26と同様に、図15に示すように搬送用コロ30が配置されている。ケーシング50の天井面には、図15に示すようにY方向(図15の左右方向)に沿って延伸するレール111が設けられている。レール111には、アーム112が取り付けられており、アーム112により、その表面が搬送用コロ30、即ちテンプレートTの表面Tと対向するように設けられたスタンプMが支持されている。アーム112は、アーム駆動部113によりレール111上を移動自在である。これによりスタンプMは、搬送用コロ30上のテンプレートTの上方まで移動できる。また、アーム112は、アーム駆動部113によって昇降自在であり、スタンプMをテンプレートTに対して押し当てることができる。なお、スタンプMの表面Mは、離型剤Sよりも高い撥液性を有する材料によって撥液処理されている。
【0076】
図15に示すように、搬送用コロ30の上方であって、レール111の下方には、供給口(図示せず)が上方を向いて設けられたレジスト液ノズル70が配置されている。搬送用コロ30の下方の所定の位置には、テンプレートTの位置検出用センサ114が設けられている。位置検出用センサ114は、搬送用コロ30上を搬送されるテンプレートTの、例えばY方向負方向側(図15の左方向側)の端部を検出し、制御装置100へ検出情報を出力する。
【0077】
次に、かかるスタンプユニット110において、テンプレートTにレジスト膜Rを成膜する方法について説明する。
【0078】
スタンプユニット110内では、先ず、テンプレートTが搬送用コロ30上を図15のY方向負方向側に搬送される。位置検出用センサ114によりテンプレートTが検出されると、搬送用コロ30はテンプレートTの搬送を一時的に停止し、テンプレートTを所定の位置で待機させる。次いで、スタンプMがレール111に沿ってテンプレートTに向かって移動する。そして、スタンプMがレジスト液ノズル70の上方を横切る際、図16(a)に示すようにレジスト液ノズル70からスタンプMの表面Mに供給され、スタンプMの表面Mにレジスト液Rが塗布される。
【0079】
その後、レジスト液Rが塗布されたスタンプMがテンプレートTの上方に移動し、次いで図16(b)に示すようにスタンプMがテンプレートTの表面Tに押し付けられる。この際、スタンプMをテンプレートTに押し付けることにより、テンプレートTの転写パターンCの窪み部Uにレジスト液Rが押し込まれ、窪み部U内にレジスト液Rが隙間なく充填される。その後、スタンプMを上昇させ、図16(c)に示すようにテンプレートT上にレジスト膜Rが形成される。こうしてスタンプユニット110における一連のレジスト膜Rの成膜処理が終了する。なお、図16においてはスタンプMを移動させながらレジスト液Rの塗布を行っていたが、例えば、レジスト液ノズル70を移動させてレジスト液Rの塗布を行ってもよい。また、レール111は、図15においては、Y方向に沿って配置されていたが、例えば図15のX方向に沿って、即ち搬送ローラ30の中心軸に平行に配置されていてもよい。
【0080】
以上の実施の形態によれば、予めレジスト液Rが塗布されたスタンプMをテンプレートTに押し付けるので、テンプレートTへのレジスト液Rの塗布と、窪み部U内へのレジスト液Rの押し込み、即ちレジスト膜Rの成膜を一度に行うことができる。したがって、スタンプユニット110において、テンプレートTに成膜された離型剤S上に円滑にレジスト膜Rを成膜することができ、これによって、テンプレート処理装置1におけるレジスト膜Rの成膜処理のスループットを向上させることができる。
【0081】
なお、以上の実施の形態では、スタンプユニット110内において、レジスト液ノズル70によりレジスト液Rの塗布のみを行っていたが、必要に応じて、例えば図15に破線で示すように、レジスト液Rと接触する表面が上方を向いて設けられたスキージ71を、テンプレートTの搬送方向(図15のY方向負方向)における、レジスト液ノズル70の下流側に配置してもよい。
【0082】
以上の実施の形態では、テンプレート処理装置1において、テンプレートTは個別に搬送され処理されていたが、図17に示すように複数、例えば9枚のテンプレートTが1つのホルダー120に保持されて処理されてもよい。かかる場合、ホルダー120には、図18に示すように各テンプレートTを収容するために下方に窪んだ収容部121が形成されている。収容部121の底面には例えば複数の吸引口(図示せず)が形成され、各テンプレートTは収容部121内に吸着保持されるようになっている。
【0083】
本実施の形態によれば、処理ステーション3において、複数のテンプレートTに対して一度に所定の処理を行うことができる。したがって、短時間でより多くのテンプレートT上にレジスト膜を成膜することができ、レジスト処理のスループットを向上させることができる。
【0084】
以上の実施の形態のテンプレート処理装置1は、図19に示すようにインプリントシステム200に配置されていてもよい。インプリントシステム200は、テンプレートTを用いて基板としてのウェハW上にレジストパターンを形成するインプリントユニット210と、複数、例えば25枚のウェハWをカセット単位で外部とインプリントシステム200との間で搬入出したり、ウェハカセットCに対してウェハWを搬入出したりする基板搬入出ステーションとしてのウェハ搬入出ステーション211とを有している。インプリントシステム200は、これらテンプレート処理装置1、インプリントユニット210、ウェハ搬入出ステーション211を一体に接続した構成を有している。
【0085】
テンプレート処理装置1の処理ステーション3内では、上述した搬送ラインAからトランジションユニット27を除いた搬送ラインBが正面側(図19のX方向負方向側)に一列に配置されている。すなわち、処理ステーション3の正面側には、トランジションユニット20、前洗浄ユニット21、離型剤塗布ユニット22、加熱ユニット23、温度調節ユニット24、リンスユニット25、レジスト塗布ユニット26が直線的に一列に配置されている。
【0086】
処理ステーション3の背面側(図19のX方向正方向側)には、テンプレートTの搬送ラインCが配置されている。搬送ラインCのテンプレート搬入出ステーション2側の端部には、テンプレートTの受け渡しを行うためのトランジションユニット220が設けられている。インプリントユニット210とトランジションユニット220との間には、上述した複数の搬送用コロ30が設けられ、テンプレートTの搬送が行われる。なお、トランジションユニット220の構成は、上述したトランジションユニット20の構成と同様であるので、説明を省略する。
【0087】
ウェハ搬入出ステーション211には、カセット載置台230が設けられている。カセット載置台230は、複数のウェハカセットCをX方向(図19中の左右方向)に一列に載置自在になっている。すなわち、ウェハ搬入出ステーション211は、複数のウェハWを保有可能に構成されている。
【0088】
ウェハ搬入出ステーション211には、X方向に延伸する搬送路231上を移動可能なウェハ搬送体232が設けられている。ウェハ搬送体232は、鉛直方向及び鉛直周り(θ方向)にも移動自在であり、ウェハカセットCとインプリントユニット210との間でウェハWを搬送できる。
【0089】
ウェハ搬入出ステーション211には、ウェハWの向きを調整するアライメントユニット233がさらに設けられている。アライメントユニット233では、例えばウェハWのノッチ部の位置に基づいて、ウェハWの向きが調整される。また、ウェハ搬入出ステーション211には、ウェハWの表裏面を反転させる反転ユニット234が設けられている。
【0090】
次に、上述したインプリントユニット210の構成について説明する。インプリントユニット210は、図20及び図21に示すように側面にテンプレートTの搬入出口E1とウェハWの搬入出口E2が形成されたケーシング240を有している。
【0091】
ケーシング240内には図20及び図21に示すように、上述した複数の搬送コロ30が配置されている。ケーシング240内の搬送コロ30は、搬送ラインBを通って搬入出口E1から搬送されたテンプレートTを、後述するテンプレート保持部241の上方に搬送し、その後再び搬入出口E1から搬出するように、例えば図20に示すように略U字状に並べて配置されている。
【0092】
搬送コロ30の中心軸の両端側には、例えばテンプレートTの側面を支持する搬送ガイド(図示せず)が設けられ、テンプレートTが略U字状に配置された搬送コロ30上を搬送される際に、当該U字状の箇所からテンプレートTが落下することを防止している。
【0093】
ケーシング240内の底面には、図21に示すようにテンプレートTの下面を保持するテンプレート保持部241が設けられている。テンプレート保持部241は、テンプレートTの裏面Tの所定の位置を吸着保持するチャック242を有している。チャック242は、当該チャックの下方に設けられた移動機構243により鉛直方向に移動自在になっている。
【0094】
テンプレート保持部241は、チャック242に保持されたテンプレートTの下方に設けられた光源244を有している。光源244からは、例えば可視光、近紫外光、紫外線などの光が発せられる。光源244の上方に対応する搬送コロ30aは、例えば図20に示すように光源244からの光を遮らないように光源244の上方に対応する位置が切りかかれた形状を有しており、この光源244からの光は、テンプレートTを透過して上方に照射される。
【0095】
ケーシング240の天井面であって、搬送コロ30の上方には、図21に示すようにウェハ保持部260が設けられている。ウェハ保持部260は、ウェハWの被処理面が下方を向くように、当該ウェハWの裏面を吸着保持する。すなわち、ウェハ保持部260と搬送コロ30は、ウェハ保持部260に保持されたウェハWと、搬送コロ30に載置されたテンプレートTが対向するように配置されている。ウェハ保持部260は、当該ウェハ保持部260の上方に設けられた移動機構261によって水平方向に移動できるようになっている。
【0096】
本実施の形態にかかるインプリントシステム200は以上のように構成されている。次に、そのインプリントシステム200で行われるインプリント処理について説明する。図22は、このインプリント処理の主な処理フローを示し、図23は、このインプリント処理の各工程におけるテンプレートTとウェハWの状態を示している。
【0097】
先ず、テンプレート搬送体12によって、テンプレート搬入出ステーション2から処理ステーション3にテンプレートTが搬入される(図22の工程H1)。処理ステーション3では、テンプレートTの表面Tの洗浄(図22の工程H2)、表面Tへの離型剤Sの塗布(図22の工程H3)、離型剤Sの焼成(図22の工程H4)、離型剤Sのリンス(図22の工程H5)が順次行われ、テンプレートTの表面Tに離型剤Sが成膜される。その後、テンプレートTにレジスト液Rが供給され(図22の工程H6)、離型剤S上にレジスト膜Rが形成される(図22の工程H7)。なお、これら工程H2〜H7は、前記実施の形態における工程G2〜G7と同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0098】
その後、テンプレートTは搬送用コロ30によりインプリントユニット210に搬送され、テンプレート保持部241のチャック242に吸着保持される。
【0099】
このように処理ステーション3においてテンプレートTに所定の処理を行い、インプリントユニット210へテンプレートTを搬送中に、ウェハ搬入出ステーション211では、ウェハ搬送体232により、カセット載置台230上のウェハカセットCからウェハWが取り出され、アライメントユニット233に搬送される。そして、アライメントユニット233において、ウェハWのノッチ部の位置に基づいて、ウェハWの向きが調整される。その後、ウェハWは、ウェハ搬反転ユニット234によって反転された後、インプリントユニット210に搬送される(図22の工程H8)。
【0100】
インプリントユニット210に搬送されたウェハWは、ウェハ保持部260により吸着保持される。続いて、ウェハ保持部260に保持されたウェハWを水平方向の所定の位置に移動させて位置合わせを行うと共に、テンプレート保持部241に保持されたテンプレートTを所定の向きに回転させる。そして、図23(a)の矢印に示すようにテンプレートTをウェハW側に上昇させる。テンプレートTは所定の位置まで上昇し、テンプレートT上のレジスト膜RがウェハWに押し付けられる。なお、この所定の位置は、ウェハW上に形成されるレジストパターンの高さに基づいて設定される。続いて、光源244から光が照射される。光源244からの光は、図23(b)に示すようにテンプレートTを透過してウェハW上のレジスト膜Rに照射され、これによりレジスト膜Rは光重合する。このようにしてウェハW上のレジスト膜RにテンプレートTの転写パターンCが転写され、レジストパターンPが形成される(図22の工程H9)。
【0101】
その後、図23(c)に示すようにテンプレートTを下降させて、ウェハW上にレジストパターンPを形成する(図22の工程H10)。
【0102】
そして、ウェハW上にレジストパターンPが形成されると、使用済みのテンプレートTは搬送用コロ30によりインプリントユニット210から搬送ラインCに搬出される(図22の工程H11)。続いて、搬送ラインBの搬送用コロ30によって新たなテンプレートTがインプリントユニット210に搬送され、インプリントユニット210内のテンプレートTが交換される。テンプレートTが交換されると、再びテンプレートTをウェハW側に上昇させ、ウェハW上にレジストパターンPが形成される。この作業が繰り返し行われる。
【0103】
レジストパターンPが形成されたウェハWは、ウェハ搬送体232に受け渡され、インプリントユニット210からウェハ搬入出ステーション211に搬送され、ウェハカセットCに戻される(図22の工程H12)。なお、ウェハW上に形成されたレジストパターンPの凹部には、薄いレジストの残存膜Lが残る場合があるが、例えばテンプレート処理装置1の外部において、図23(d)に示すように当該残存膜Lを除去してもよい。
【0104】
搬送ラインCの搬送用コロ30に搬送された使用済みのテンプレートTは、搬送用コロ30に沿って速度でトランジションユニット220に搬送される。
【0105】
トランジションユニット220に搬送された使用済みのテンプレートTは、昇降ピン40によりテンプレート搬送体12に受け渡され、テンプレートカセットCに戻される。このようにして、インプリントシステム200において、テンプレートTを連続的に交換しつつ、複数のウェハWに対して所定のレジストパターンPが連続的に形成される。
【0106】
以上の実施の形態によれば、テンプレートTの表面Tに成膜された離型剤S上にレジスト液Rを供給した後、レジスト液Rをスキージ71によりテンプレートTの転写パターンCの窪み部Uに押し込むことで、レジスト液Rを窪み部Uに隙間なく充填し、離型剤S上にレジスト膜Rを形成することができる。したがって、このテンプレートTを用いてウェハ上のレジスト膜に所定のレジストパターンを形成する場合、ウェハ上にテンプレートTの転写パターンCが適切に転写された所定のパターンを形成することができる。
【0107】
また、インプリントシステム200はテンプレート処理装置1を有しているので、インプリントシステム200において、テンプレートT上にレジスト膜Rを成膜しつつ、当該テンプレートTをインプリントユニット210に連続的に供給できる。したがって、複数のウェハWに対して所定のレジストパターンPを連続的に形成することができる。また、これによって、半導体デバイスの量産化を実現することも可能となる。
【0108】
以上の実施の形態のテンプレート処理装置1では、離型剤Sの成膜とレジスト膜Rの成膜を行っていたが、レジスト膜Rの成膜のみを行うようにしてもよい。かかる場合、図24に示すようにテンプレート処理装置300は、先に図1に示したテンプレート処理装置1から離型剤成膜ラインを構成する処理ユニット21〜25を省略した構成を有している。また、テンプレート処理装置300は、図24に示すようにインプリントシステム310に配置されてもよい。なお、本実施の形態のテンプレート処理装置300及びインプリントシステム310のその他の構成は、前記実施の形態のテンプレート処理装置1及びインプリントシステム200の構成と同様であるので説明を省略する。また、本実施の形態ではテンプレート処理装置300をインプリントシステム310に配置していたが、テンプレート処理装置300は、インプリントシステム310の外部に独立して設けられていてもよい。
【0109】
本実施の形態では、テンプレートTの表面Tへの離型剤Sの成膜はテンプレート処理装置300の外部で行われ、テンプレート搬入出ステーション2には、表面Tに離型剤Sが成膜されたテンプレートTが搬入される。すなわち、テンプレートTの表面Tの洗浄(図22に示した工程H2)、表面Tへの離型剤Sの塗布(図22に示した工程H3)、離型剤Sの焼成(図22に示した工程H4)、離型剤Sのリンス(図22に示した工程H5)は、テンプレート処理装置300の外部で行われる。そして、テンプレート処理装置300では、テンプレートTの離型剤S上にRが供給され(図22に示した工程H6)、離型剤S上にレジスト膜Rが形成される(図22に示した工程H7)。その後、レジスト膜Rが形成されたテンプレートTとウェハWがインプリントユニット210に搬送される(図22に示した工程H8)。続いて、インプリントユニット210において、テンプレートT上のレジスト膜RをウェハWに押し付けた後、光源244からレジスト膜Rに光が照射され、当該ウェハW上のレジスト膜RにテンプレートTの転写パターンCが転写される(図22に示した工程H9)。その後、ウェハW上にレジストパターンPが形成される(図22に示した工程H10)。なお、これら工程H6〜H10は、前記実施の形態と同様であるので詳細な説明を省略する。
【0110】
本実施の形態においても、テンプレート処理装置300とインプリントシステム310は、前記実施の形態のテンプレート処理装置1とインプリントシステム200と同様の効果をそれぞれ有している。また、本実施の形態によれば、離型剤Sの成膜処理を省略することができるので、テンプレート処理装置300とインプリントシステム310における処理時間を短縮することもできる。
【0111】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。本発明はこの例に限らず種々の態様を採りうるものである。本発明は、基板がウェハ以外のFPD(フラットパネルディスプレイ)、フォトマスク用のマスクレチクルなどの他の基板である場合にも適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0112】
本発明は、表面に転写パターンが形成されたテンプレート上に離型剤を成膜し、当該離型剤に所定の処理を行う際に有用であり、また当該テンプレートを用いて基板上に所定のパターンを形成する際に有用である。
【符号の説明】
【0113】
1 テンプレート処理装置
2 テンプレート搬入出ステーション
3 処理ステーション
12 テンプレート搬送体
21 前洗浄ユニット
22 離型剤塗布ユニット
23 加熱ユニット
24 温度調節ユニット
25 リンスユニット
26 レジスト塗布ユニット
27 トランジションユニット
30 搬送用コロ
30a 温度調節用コロ
50 ケーシング
52 搬入出口
61 離型剤ノズル
70 レジスト液ノズル
71 スキージ
72 レール
73 アーム
74 アーム駆動部
75 待機部
76 レール
77 アーム
78 アーム駆動部
79 待機部
100 制御部
101 ローラ
102 ブラシ
110 スタンプユニット
111 レール
112 アーム
113 アーム駆動部
114 位置検出用センサ
120 ホルダー
121 収容部
200 インプリントシステム
210 インプリントユニット
211 ウェハ搬入出ステーション
240 ケーシング
241 テンプレート保持部
242 チャック
243 移動機構
260 ウェハ保持部
300 テンプレート処理装置
310 インプリントシステム
A 搬送ライン
C 転写パターン
F1、F2 フィルタ
M スタンプ
P レジストパターン
R レジスト膜
レジスト液
S 離型剤
T テンプレート
U 窪み部
W ウェハ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テンプレートの表面に転写パターンが形成され、当該表面に成膜された離型剤上に塗布膜を形成するテンプレート処理装置であって、
前記テンプレートに所定の処理を行う処理ステーションと、
複数の前記テンプレートを保有可能で、且つ前記処理ステーションに対して前記テンプレートを搬入出するテンプレート搬入出ステーションと、を有し、
前記処理ステーションは、
前記離型剤上に塗布液を供給する塗布液供給部と、
前記離型剤上に塗布された塗布液を前記テンプレートの転写パターンの窪み部に押し込む塗布液充填部と、を有することを特徴とする、テンプレート処理装置。
【請求項2】
前記処理ステーションは、前記テンプレートの表面に離型剤を成膜する離型剤成膜ブロックをさらに有することを特徴とする、請求項1に記載のテンプレート処理装置。
【請求項3】
前記塗布液充填部は、スキージであることを特徴とする、請求項1又は2に記載のテンプレート処理装置。
【請求項4】
前記塗布液充填部は、ローラであることを特徴とする、請求項1又は2に記載のテンプレート処理装置。
【請求項5】
前記塗布液充填部は、ブラシであることを特徴とする、請求項1又は2に記載のテンプレート処理装置。
【請求項6】
前記塗布液充填部の前記塗布液と接触する表面は、撥液処理されていることを特徴とする、請求項3〜5のいずれかに記載のテンプレート処理装置。
【請求項7】
前記離型剤上に塗布された塗布液の上面には、フィルタが配置され、前記塗布液充填部は、前記フィルタを介して前記塗布液を前記窪み部に押し込むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のテンプレート処理装置。
【請求項8】
前記離型剤上には前記塗布液が浸透可能なフィルタが配置され、
前記塗布液は、前記フィルタ上に供給され、
前記塗布液充填部は、前記フィルタを介して前記塗布液を前記窪み部に押し込むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のテンプレート処理装置。
【請求項9】
前記処理ステーションは、前記塗布液供給部と前記塗布液充填部に代えて、その表面に塗布液が塗布されたスタンプを有し、
前記転写パターンの窪み部への前記塗布液の押し込みは、前記スタンプを前記転写パターンに押し当てることにより行うことを特徴とする、請求項1又は2に記載のテンプレート処理装置。
【請求項10】
前記スタンプの表面は撥液処理されていることを特徴とする、請求項9に記載のテンプレート処理装置。
【請求項11】
複数の前記テンプレートは、一のホルダーに保持されていることを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載のテンプレート処理装置。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれかに記載のテンプレート処理装置を備えたインプリントシステムであって、
前記処理ステーションで処理された前記テンプレートを用いて、前記転写パターンを基板上に形成される塗布膜に転写し、当該塗布膜に所定のパターンを形成するインプリントユニットと、
複数の前記基板を保有可能で、前記インプリントユニットに対して前記基板を搬入出する基板搬入出ステーションと、を有することを特徴とする、インプリントシステム。
【請求項13】
テンプレート処理装置を用いて、テンプレートの表面に転写パターンが形成され、当該表面に成膜された離型剤上に塗布膜を形成するテンプレート処理方法であって、
前記離型剤上に塗布液を塗布し、
前記離型剤上に塗布された塗布液を前記テンプレートの転写パターンの窪み部に押し込むことを特徴とする、テンプレート処理方法。
【請求項14】
前記テンプレート処理装置において、前記テンプレートの表面に離型剤を成膜することを特徴とする、請求項13に記載のテンプレート処理方法。
【請求項15】
前記テンプレートの転写パターンの窪み部への前記塗布液の押し込みは、スキージを用いて行うことを特徴とする、請求項13又は14に記載のテンプレート処理方法。
【請求項16】
前記テンプレートの転写パターンの窪み部への前記塗布液の押し込みは、ローラを用いて行うことを特徴とする、請求項13又は14に記載のテンプレート処理方法。
【請求項17】
前記テンプレートの転写パターンの窪み部への前記塗布液の押し込みは、ブラシを用いて行うことを特徴とする、請求項13又は14に記載のテンプレート処理方法。
【請求項18】
請求項13〜17のいずれかに記載のテンプレート処理方法をテンプレート処理装置によって実行させるために、当該テンプレート処理装置を制御する制御部のコンピュータ上で動作するプログラム。
【請求項19】
請求項18に記載のプログラムを格納した読み取り可能なコンピュータ記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2011−25220(P2011−25220A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−229206(P2009−229206)
【出願日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】