説明

ディスクブレーキ装置

【課題】装置を複雑化することなく、ブレーキパッド高温時にディスクブレーキ装置を動作させた場合に、その後にブレーキパッドの温度が低下しても、必要押付力を保持し、車両の停車状態を維持することができるディスクブレーキ装置を提供することを目的とする。
【解決手段】ディスクブレーキ装置1は、電動モータ8の駆動によりピストン6を推進させて、ピストン6でブレーキパッド5をディスクロータ2に押圧し、その押圧した位置にピストン6を保持するディスクブレーキ装置1であって、ピストン6の保持を開始してから所定時間後に電動モータ8を再駆動して、その再駆動により電動モータ8に供給される電流値の変化に基づいて、再駆動後における電動モータ8の駆動条件を判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動モータによって制動力を発生するディスクブレーキ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明分野の背景技術として、電動モータのトルクによって制動力を発生させるディスクブレーキ装置がある。このようなディスクブレーキ装置としては、キャリパに電動モータを備え、該電動モータの回転力を直線運動に変換する機構と制動力保持機構とを有したものがある。このディスクブレーキ装置では電動モータへの通電により、キャリパのピストンを推進させ、ブレーキパッドを車輪に取り付けられたディスクロータに押し付ける(以下、クランプ動作)。これによって制動力を発生し、その状態を保持して、駐車時の車輪の回転を止めるようになっている。
【0003】
このようなディスクブレーキ装置は、コントローラを有し、運転者のスイッチ操作や車両状態による判断に基づいて、該電動モータの正回転、逆回転を制御し、制動状態を切り替える。通常、コントローラは通電時の電動モータへの電流を観測し、電流が目標電流値に到達した場合にピストンが目標の押付力を発生したと判定し、通電を停止する。
【0004】
しかし、前記ブレーキパッドの温度が高い場合には、ブレーキパッドが熱膨張した状態で前記ディスクブレーキ装置を動作させることになる。前記目標電流値が一定として設定されている場合、車両を停車状態で放置すると、前記ブレーキパッドが温度の低下とともに収縮し、ディスクロータへの押付力が低下する。そして、押付力が駐車状態を維持できる押付力(以下、必要押付力)よりも小さくなってしまうことが懸念される。
【0005】
したがって、低下分を見込んだ大きな押付力を発生できる耐久性を確保するためにキャリパが大型化してしまう。すなわち、ブレーキパッドが収縮しても、必要押付力を維持できるようにするために、1度で大きな押付力を発生させるという方法もあるが、その場合、より大きな押付力を発生させるためにキャリパの強度等を確保する必要があり、キャリパの大型化やそれに伴う重量増大が懸念される。
【0006】
このようなキャリパの大型化等を伴わない、押付力の低下への対応方法として、ディスクブレーキ装置に押付力検出手段を設け、その押付力検出手段を用いて押付力の低下を監視し、押付力が必要押付力になる度に、クランプ動作を行うようにしている技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0007】
また、ディスクブレーキ装置のクランプ動作後に押付力検出手段で押付力を検出し、押付力の時間変化から、ブレーキパッド冷却後の押付力低下量を推定し、その推定に基づいて、再度のクランプ動作の要否を判定する技術が提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−225701号公報
【特許文献2】特開2006−232263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記したディスクブレーキ装置のように、装置の内部に推力センサを別途設けようとすると、ディスクブレーキ装置の構造が複雑化や大型化し、かかる技術を小型で単純な構造が求められるディスクブレーキ装置に適用することは難しい。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、装置を複雑化・大型化することなく、車両の停車状態を維持することができるディスクブレーキ装置を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
【0012】
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、ディスクブレーキ装置は、電動モータの駆動によりピストンを推進させて、ピストンでブレーキパッドをディスクロータに押圧し、その押圧した位置にピストンを保持するディスクブレーキ装置であって、ピストンの保持を開始してから所定時間後に電動モータを再駆動して、その再駆動において電動モータに供給される電流値の変化に基づいて、電動モータの駆動条件を判断することを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明のディスクブレーキ装置によれば、ピストンの保持が開始されてから所定時間後に電動モータを再駆動して、その再駆動において電動モータに供給される電流値の変化に基づいて、電動モータの駆動条件を判断するので、ピストンの推力を検出する推力センサなどを別途備える必要がなく、ディスクブレーキ装置の構造を複雑化せずに、車両の停車状態を確実に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明のディスクブレーキ装置の構成図の例である。
【図2】本発明のディスクブレーキ装置を備える車両の例である。
【図3】本発明のディスクブレーキ装置のコントローラの構成図の例である。
【図4】本発明のコントローラのクランプ処理を説明するフローチャートの例である。
【図5】図4のステップS1で実行する1回目クランプ処理を説明するフローチャートの例である
【図6】図4のステップS5で実行する2回目以降のN回目クランプ処理を説明するフローチャートの例である。
【図7】本発明のブレーキパッドが高温状態でクランプ処理を実行した場合の押付力と経過時間の関係の例である。
【図8】図5の1回目クランプ処理実行時に電流検出部によって検出される電流の時間変化の例である。
【図9】図6のN回目クランプ処理実行時に電流検出部によって検出される電流の時間変化の例である。
【図10】N回目クランプ処理時の電流最小値Ibminと押付力低下量ΔFNの関係を示すマップの例である。
【図11】必要押付力確保可能傾きmthとN回目クランプ処理後の押付力FNとの関係を示すマップの例である。
【図12】N回目クランプ処理時の電流Ivr以下の時間Tvrと押付力低下量ΔFNの関係を示すマップの例である。
【図13】押付力低下量モデルの例である。
【図14】本発明のブレーキパッドが高温状態でクランプ処理を実行した場合の押付力と経過時間の関係の例である。
【図15】図4のステップS5で実行するN回目クランプ処理を説明するフローチャートの例である。
【図16】本発明のブレーキパッドが高温状態でクランプ処理を実行した場合の押付力と経過時間の関係の例である。
【図17】N回目クランプ処理終了時の押付力FNと目標保持電流値IthrNの関係を示すマップの例である。
【図18】図15のN回目クランプ処理実行時に電流検出部によって検出される電流の時間変化の例である。
【図19】本発明のコントローラのクランプ処理を説明するフローチャートの例である。
【図20】本発明のコントローラのクランプ処理を説明するフローチャートの例である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0016】
[実施例1]
図1は本発明の実施例1のディスクブレーキ装置の構成図の例であり、図2はディスクブレーキ装置1を備えた車両の例である。
【0017】
図2の例に示すように、本発明のディスクブレーキ装置1a、b(a、bの構成は同一)は車両21の後輪部分に配設される。車両21は、操作者によって操作されるブレーキペダル22とブレーキペダル22の操作によって内部のピストンを移動させ、圧力を発生させるマスタシリンダ23と圧力を伝達する配管24a、b、cと前輪ディスクブレーキ装置25a、b(a、bの構成は同一)とを備える。この構成の車両でブレーキペダル22が操作されると、マスタシリンダ23に発生する圧力が配管24a、b、cを介して、前輪ディスクブレーキ装置25a、bと後輪のディスクブレーキ装置1a、bに伝達され、制動力を発生させる。
【0018】
図1において後輪に配設されるディスクブレーキ装置1(a、bは同一構成なので以降a、bは省略)は、図2に示すように、ディスクロータ2より車両21内側に位置する車両21の非回転部に固定されたキャリア3に、ディスクロータ2の軸方向へ浮動可能に支持されたキャリパ4、ディスクロータ2の両側に配置されたブレーキパッド5a、b、キャリパ4内には、ピストン6、圧力室7を備える。
【0019】
圧力室7は配管24と接続されており、ブレーキペダル22の操作によって圧力室7の圧力が上昇すると、ピストン6がブレーキパッド5bの方向に押し出され、ブレーキパッド5a、bがディスクロータ2に押し付けられる。これによって発生する摩擦力によりブレーキロータ2の回転が停止させられ、車両21を停止させるための制動力を得る。以上は、ディスクブレーキ装置1におけるサービスブレーキとしての機能であり、ここでは詳細に説明しない。以下で、本発明に係るディスクブレーキ装置1の駐車ブレーキ機能について説明する。
【0020】
ディスクブレーキ装置1は、電動モータ8と電動モータ8の出力軸と接続された減速機9、減速機9の出力軸に接続された回転直動変換機構10によって構成されるピストン推進機構が配設される。また、電動モータ8はコントローラ11と電線12によって接続される。
【0021】
上記の構成のディスクブレーキ装置1は、電動モータ8が回転すると、減速機9を介して回転直動変換機構10にトルクが伝達され、回転直動変換機構10によってピストン6を押し出し、ブレーキパッド5a、bをディスクロータ2に押し付けるクランプ動作を行う。この一連の動作により発生する摩擦力により、車両21の停止状態を維持する制動力を得る。また、電動モータ8から回転直動変換機構10の伝達経路のいずれかにピストン保持機構13を備えることで、電動モータ8が停止した後、ピストン6の移動を停止させ、制動力を保持する。図1では回転直動変換機構10にピストン保持機構13を有するものとして記載している。さらに、電動モータ8を逆回転させてピストン6を戻すことで、制動力を解放するリリース動作を行う。
【0022】
このように、ディスクブレーキ装置1は電動モータ8の回転によってピストン6を動作させ、制動力の発生・保持・解放操作を可能とした駐車ブレーキとしての機能を持つ。
【0023】
この電動モータ8の回転制御は、コントローラ(制御手段)11によって行われる。コントローラ11は、例えば図3のように電動モータ8を駆動するドライバ回路31と動作時間等を計測するためのタイマ32、電動モータ8の駆動時における電流を検出する電流検出部33とを備える。また、電源34、運転者によって操作される駐車ブレーキスイッチ35、加速度、車速等の各種センサ36、車両21の他システムと接続され、車両の各部情報を取得するためのCAN37、電動モータ8、警告灯等の報知手段38が接続される。
【0024】
コントローラ11では、例えば、電動モータ8の駆動によりピストン6を推進させて、ピストン6でブレーキパッド5をディスクロータ2に押圧し、その押圧した位置にピストン6を保持するクランプ処理が、所定の時間間隔を空けて複数回行われる。そして、2回目以降のクランプ処理において、電動モータ8に供給される電流値の変化に基づいて、電動モータ8の駆動条件を判断するモータ駆動条件判断処理が行われる。
【0025】
上記構成のディスクブレーキ装置1のコントローラ11による動作時の処理について、以下に説明する。
【0026】
図4、5,6は駐車ブレーキスイッチ35が運転者によって駐車ブレーキ動作側に操作された場合や、コントローラ11や上位システムの判定に基づいて、電動モータ8を動作させ、駐車ブレーキによる制動力を発生させる場合の、コントローラ11の制御を示すフローチャートの例であり、これに従ってクランプ処理を実行する。以下、フローチャート内でNはクランプ動作の合計回数を示す。また、図7は本発明を適用したディスクブレーキ装置1を用いて、ブレーキパッド5が高温状態で一連のクランプ動作を行った場合の押付力の時間変化の一例を示したものである。この説明では、比較的長い時間車両21を駐車状態で放置した場合を例に取っている。
【0027】
まず、ステップS1で1回目クランプ処理を行う。
図5にステップS1の1回目クランプ処理を示す。1回目クランプ処理ではステップS11でドライバ回路31により電動モータ8に通電し、電動モータ8を正回転させる。電動モータ8が正回転すると、トルクが回転直動変換機構10に伝達され、ピストン6によりブレーキパッド5がディスクロータ2に押し付けられる。この際に、電流検出部33によって検出される電流(以下これを電流Iとする)の1例が図8のA1で示す曲線である。この図では左端の時点で電動モータ8への通電が開始されたとする。
【0028】
次にステップS13において通電開始から基準時間tの経過後、電流Iと目標保持電流値Ithとの比較を行い、電流Iが目標保持電流値Ithより小さい(I<Ith)場合にはステップS11に戻り、電動モータ8を正回転させ続ける。一方、電流Iが目標保持電流値Ith以上(I≧Ith)となる場合にはドライバ回路31を操作して電動モータ8への通電をステップS14で止め、電動モータ8を停止させる。
【0029】
ここで、目標保持電流値Ithは、例えば駐車ブレーキ動作中に車両が動き出さない制動力を発生させるために、ブレーキパッド5の押付力である必要押付力Feを発生する電流Ie以上で、ディスクブレーキ装置1の強度で発生しうる限界押付力Fmaxを発生する電流Imax以下の値(Ie≦Ith≦Imax)に設定される。これにより、1回目クランプ処理終了後には、目標保持電流値Ithに対応する押付力(以下、F1とする)が発生し、電動モータ8の停止後は、ピストン保持機構13によりピストン6の移動が止められ、押付力が保持される。
【0030】
本実施例では、2回目クランプ動作を行う場合を説明するため、図4のステップS2で再クランプ要フラグをONにし、再クランプ要フラグがONになっているので、ステップS3で再クランプ要と判定し、ステップS4の2回目クランプ処理(再駆動)を実行する。N回目クランプ処理の詳細は、図6のフローチャートに示す(ここで、Nを2回目に対応させ、以降N=2として説明する)。
【0031】
2回目クランプ処理では、まず、ステップS20で処理開始まで待ち時間(所定時間)Tr2だけ待つ。ここで待ち時間Tr2は、ブレーキパッド5が高温状態でクランプ動作を行い、押付力F1が発生した後に、時間経過によりブレーキパッド5が冷却されて収縮する場合に、必要押付力Feに低下するまでの最短時間以下の時間を設定する。この待ち時間は例えば、実験や計算式によって求める。
【0032】
ドライバ回路31を操作して再度電動モータ8に通電し、ステップS21で電動モータ8を正回転させる(再駆動させる)。次に、電流検出部33で電流Iを検出し、押付力低下量推定用パラメータをステップS22にて取得する。ここで、押付力低下量推定用パラメータとは、例えば図9に示すように、2回目の電動モータ8の正回転中における電流Iの電動モータ始動後から一定時間tが経過した後の最小値(最小電流値)Ibminや、電流Iが電流Ivr(所定値)以下となる時間Tvrなどの、電流Iの変化の特徴量(電流値の変化)を示すものとする。この押付力低下量推定用パラメータに基づいて、電動モータ8の駆動条件が判断される。
【0033】
次にステップS23、ステップS24、ステップS25に示すように、1回目クランプ処理時と同様に基準時間tの経過後、電流Iが目標保持電流値Ithr2(ここで2回目クランプ処理では1回目クランプ処理と同じ設定でクランプ処理をおこなうためIthr2=Ithとする)に到達するまで電動モータ8を正回転し続け、目標保持電流値Ithr2に到達後に電動モータ8の回転を停止する。ここまでの処理により、ブレーキパッド5の冷却・収縮により低下した押付力は、F1に戻る。
【0034】
次に、ステップS22で取得した押付力低下量推定用パラメータを用いて押付力低下量推定をステップS26で行う。ステップS26で実行する押付力低下量推定の方法を図7、図10で説明する。
【0035】
図7に示すようにステップS20で待ち時間Tr2を待つ間に、高温のブレーキパッド5が冷却・収縮することによって、1回目クランプ処理終了後に押付力F1が押付力低下曲線C1に沿って低下し、2回目クランプ処理の直前には、点C5に相当する押付力にまで低下する。
【0036】
例えば、押付力低下量推定用パラメータとして電流最小値Ibminを用いる場合、N回目クランプ直前までの押付力低下量ΔFNは、例えば図10に示す押付力低下量ΔFNと電流最小値Ibminとの関係を示すマップから導出される。このマップは例えば、実験データや計算式によって求められる。例えば、電動モータ8を1回目と同じ駆動方法で動作させた場合に押付力が低下していると、押付力の低下分だけ電動モータ8が回転できることになる。つまり、図10は、押付力の低下が大きいと、より小さなトルクで電動モータ8を回転できるので、電流最低値Ibminが小さくなり、逆に押付力の低下が小さいと、大きなトルクが必要となるため、電流最低値Ibminは大きくなることを示す。この図10のマップにより、図7で示す2回目クランプ直前までの押付力低下量ΔF2をステップS26で求める。
【0037】
次に3回目クランプ処理(再クランプ)の要否をステップS27で判定する。この判定方法を以下に示す。なお、このステップS27の処理が、電動モータ8の駆動条件を判断するモータ駆動条件判断手段に相当する。
【0038】
図7で1回目クランプ直後の点C4と2回目クランプ直前の点C5をつないだ直線の傾きm2を、
m2=ΔF2/Tr2
により求める。
【0039】
この傾きm2が必要押付力確保可能傾きmth以上(m2≧mth)の場合に3回目クランプ処理が必要と判定し、mthより小さい(m2<mth)場合、3回目クランプ処理は不要と判定する。ここで必要押付力確保可能傾きmthは例えば図11のマップに示す関係により求められる。図11のマップはN回目クランプ処理後の押付力FNが大きい場合には押付力低下量が大きくても、ブレーキパッドが完全に冷却・収縮した後も必要押付力を保持できることを示す。このマップは、例えば、高温ブレーキパッドの押付力低下の時間変化を実験で求めた値や、計算式によって求められた値を用いて作成する。
【0040】
図7には、ステップS26で3回目クランプ処理が必要と判定した場合を示した。この場合は、3回目クランプ処理を行うまでの制御待ちの待ち時間Tr3をステップS28で決定する。この待ち時間Tr3の設定方法は例えば図7に示すように2回目クランプ処理終了時の点C6を通り、先に求めた傾きm2の直線と必要押付力Fe線との交点C7を求め、C6からC7までの時間を待ち時間Tr3とする。この交点C7は実際の押付力低下曲線C3に沿って推移する押付力がFeになる時間よりも早いため、押付力が必要押付力Fe以下になることはない。ここでクランプ処理を終了するまでの時間を早くするためにTr3よりも短い時間を設定してもよい。
【0041】
次に、3回目クランプ動作で押付力を変更したい場合には、目標保持電流値Ithr3をステップS29で再設定する。例えば、何らかの手段により3回目以降では押付力低下量が小さいと判定される場合に3回目クランプ処理で発生する押付力を下げるために、目標保持電流値を低く設定したり、逆に3回目再クランプ処理で制御を終わりにしたい場合に3回目の押付力を大きくするために、目標保持電流値を高く設定したり、することが再設定により可能となる。尚、図7では3回目クランプ処理時の目標保持電流値Ithr3=Ithと設定した例を示す。
【0042】
次に、再クランプ要フラグをステップS30でONに設定し、2回目クランプ処理を終了し、図4のステップS3に戻り、3回目クランプ処理をステップS4で実行する。
【0043】
3回目クランプ処理も、ステップS26までは2回目クランプ処理と同様の処理を行う(ここで、図6のNを3回目に対応させ、以降N=3として説明する)。
【0044】
まず、ステップS20で待ち時間Tr3の処理実行待ちを行う。次に、ステップS21からS24でドライバ回路31を制御して電動モータ8を正回転し(再駆動し)、回転し始めから基準時間tの経過後に電流検出部33によって検出される電流Iが、目標保持電流値Ithr3以上になるとステップS25で電動モータ8への通電を止め、停止させる。この間にステップS22で再度押付力低下量推定用パラメータを取得し、これを用いて2回目クランプ処理終了後から3回目クランプ処理開始まで押付力低下量推定をステップS26で実施し、2回目クランプ処理時と同様の手法により低下量ΔF3を求める。
【0045】
次に、4回目クランプ処理の要否をステップS27で判定する。この判定方法も2回目クランプ処理と同様に押付力低下量ΔF3より求められる点C6とC8を通る直線の傾き
m3=ΔF3/Tr3
を用いて、これと必要押付力確保可能傾きとのmthの大小関係を用いる。ここでは図7に示すように、m3<mthとなり、ブレーキパッド5が冷却、収縮後も押付力が必要押付力Fe以上を確実に確保できるため、4回目クランプ処理(再クランプ)不要と判定した場合を説明する。この場合、次のステップS31に進み、再クランプ要フラグをOFFに設定し、3回目のクランプ処理を終了する。
【0046】
次に、ステップS3に戻り、再クランプ要フラグがOFFになっているため、以降の再クランプ処理を不要と判定し、ディスクブレーキ装置1のコントローラ11への通電を遮断し、システムを終了する処理をステップS5で行う。ステップS5では、電源装置からの電力の受給を停止する処理が行われる。このように、電力の受給を停止することによって、システムの長期の起動による電力の無駄な消費を抑え、バッテリ上がり等を防止することができる。
【0047】
このような構成によってディスクブレーキ装置1は、ブレーキパッド5が高温の状態で電動モータ8によって駐車ブレーキ機能が動作した場合に、センサ等を別途追加しなくても、ブレーキパッド5の冷却・収縮後も必要押付力以上の適切な押付力を確保し、駐車中に車両21の制動力が低下しないため、地面の傾斜等によって車両21が徐々に移動する、いわゆるずり下がりが発生せず、駐車状態を維持し続けることができる。
【0048】
また、再クランプ動作を行うことにより、不必要に大きな押付力を発生させる必要がなくなるので、キャリパの強度・耐久性を確保するためにキャリパを大型化する必要がなく、装置の小型化を図ることができる。
【0049】
そして、不必要な再クランプ処理を省略することができ、電動モータの駆動回数を必要最低限に抑えることができる。したがって、モータ駆動音の発生を抑制して車室内における静粛性を確保することができ、また、モータブラシの摩耗を抑制する等、電動モータの耐久性を向上させることができる。
【0050】
これまでの説明では、図7に示した本発明を適用した押付力変化の一例に沿った処理を説明したが、減少後の押付力が必要押付力Feを保持できるまで、図4のステップS3、ステップS4の制御を繰り返して実行する。
【0051】
また、2回目クランプ処理に移行する間の処理待ち時間Tr2はブレーキパッド5が高温状態で1回目クランプ処理を行い、押付力F1が発生した後に、時間経過によりブレーキパッド5が冷却、収縮する場合に、必要押付力Feに低下するまでの最短時間以下の時間を設定すると記載したが、製品試験時に学習制御を行い、ずり下がりが発生せず、押付力低下量を推定できるTr2の最適値を設定することとしてもよい。これによって、ディスクブレーキ装置1の製品ばらつき等があっても、精度よく押付力低下量推定を行うことができる。
【0052】
また、ステップS26の押付力低下量推定にN回目クランプ処理(N≠1)時の電流最小値Ibminを用いる場合について説明したが、電流が一定値に留まらずに変化している時間、具体的には図9に示した電流Ivr以下となる時間Tvr、換言すると、電動モータ8に供給される電流値が所定値に達するまでの時間Tvrを用いてもよく、例えば図12に示す押付力低下量ΔFNと時間Tvrとの関係を示すマップから押付力低下量ΔFNを推定する方法を用いても同様の効果が得られる。この図に示すマップによると、電動モータ8を前回クランプ処理時と同じ駆動方法で動作させた場合に押付力が低下していると、押付力の低下分だけ電動モータ8が回転することになる。押付力の低下が大きいとより小さいトルクで電動モータ8が回転するため時間Tvrが長くなり、逆に押付力の低下が小さいとほとんど電動モータ8は回転しないため時間Tvrは短くなることを示す。このマップは、例えば実験データや計算式によって求められた値を使用して作成される。
【0053】
また、ステップS27の再クランプ要否判定時に、図13に示すような押付力低下モデルを示すマップを用いて判定しても同様の効果が得られる。このマップは、例えば高温のブレーキパッドの押付力の時間変化を実験によって計測したデータや、押付力変化をモデル化した計算式によって求められた値を使用して作成する。図10あるいは図12のマップを用いてN回目クランプ処理開始時までの押付力低下量ΔNから、図13の例えばD1からD3に示した、押付力低下モデルのうち、いずれに沿って、N回目クランプ処理終了後の押付力が低下していくかを推定する。このとき推定したモデルで時間が十分に経過した後に必要押付力Fe以上を保持できると場合には再クランプ不要と判定する。
【0054】
また、ステップS27で推定した図13の押付力低下モデルを用いて、ステップ28で処理待ち時間TrN+1を決定しても同様の効果が得られる。例えば、図14に示すように、押付力低下モデルにより2回目クランプ処理後の押付力は曲線E2で示す変化になる推定する。この曲線E2と必要押付力Feの交点をE9としたとき、押付力が確実にFeを下回らないようにするため時間ΔTr3だけ戻した時間を3回目クランプ処理実行までの待ち時間Tr3として設定する。
【0055】
また、上記では比較的長い時間車両21を放置した場合を例にして説明をしたため、ステップS5でシステム終了を実行するとしたが、車両21が終了状態(イグニッションスイッチがOFF状態)ではないときには、ディスクブレーキ装置のシステムを終了せずにブレーキパッドの押付、保持処理のみが終了した状態に移行してもよい。
【0056】
[実施例2]
本発明のディスクブレーキ装置1に関する実施例2について説明する。本実施例もディスクブレーキ装置1、搭載される車両21、コントローラ11の構成、動作は同様のため、説明を省略する。
【0057】
本実施例では、図4で示したクランプ処理のうち、ステップS4に相当するN回目クランプ処理が実施例1と異なる。この処理のフローチャートを図15に示し、本実施例の処理でディスクブレーキ装置1の電動モータ8を駆動した場合の押付力の変化の一例を図16に示す。1回目クランプ処理終了後のステップS4までは実施例1と同様なので説明を省略する。
【0058】
2回目クランプ処理に図4のステップS4で移行すると、図15のステップS200において時間Tr2処理実行待ちをする。
【0059】
次にステップS201でコントローラ11がドライバ回路31を操作し、電動モータ8に通電して正回転させる。その後、ステップS205、ステップS206に示すように基準時間tの経過後に電流検出部33で検出された電動モータ8の電流IがIthr2以上になった場合に電動モータ8の回転をステップS207で停止する。
【0060】
このステップS200からステップS207に移行するまでの間にステップS202で押付力低下量推定用パラメータ取得処理とステップS203で押付力低下量推定処理と、ステップS204で目標保持電流値Ithr2を再設定するIthrN再設定処理とを実行する。
【0061】
ここで、ステップS202はステップS22と、ステップS203はステップS26と同様の処理を行うため説明を省略する。
【0062】
ステップS204の目標保持電流値Ithr2は例えば、図13の押付力低下モデルのマップを用いて以下のように求める。ステップS203で推定した押付力低下量ΔF2から、押付力低下モデルを推定する。例えば押付力低下モデルがD2のとき、2回目クランプ処理後の押付力が1回目と同じF1だった場合を考える。この場合、ブレーキパッド5は十分な時間が経過して、冷却・収縮すると、必要押付力Feに対して押付力はFgだけ不足する。
【0063】
そこで、2回目クランプ処理時の目標保持電流値Ithr2は例えば図17に示すマップを用いて目標保持電流値Ithr2の設定を変更する。このマップは、例えば、実験によって得られた計測データや、ディスクブレーキ装置1をモデル化して得られた計算式によって求められる値を用いて作成する。押付力の不足分FgをF1に足し合わせた押付力を新たな押付力FNとし、N回目クランプ処理後の押付力がFNになるように目標保持電流値IthrNをこのマップを用いて設定する。つまり、押付力を増すために目標保持電流値IthrNの値を大きくする処理をする。ここで、FN≦Fmaxとし、ディスクブレーキ装置1の強度を超えた押付力が発生しないように制御を実施する。
【0064】
図18にステップS204で再設定した目標保持電流値Ithr2により処理を行った場合の2回目クランプ処理時の電流Iの変化の例を示す。これによって図16に示すように2回目クランプ処理後の点G4で押付力F2となる。
【0065】
次に、ここでは図16に示すように、十分な時間経過後にも押付力が必要押付力Fe以上を保持できると推定した場合を説明する。この場合、ステップS211で再クランプ要フラグをOFFに設定し、2回目クランプ処理を終了する。
【0066】
以降は実施例1の図4に示す処理と同様で、ステップS5でディスクブレーキ装置1のコントローラ11への通電を遮断し、システムを終了する。
【0067】
一方、実施例1のステップS27と同様の方法により、Fmaxの押付力を発生しても押付力低下モデルに基づいて判断した場合、十分に時間が経過した後に必要押付力Fe以上を保持できないと判定されたとき、再クランプ必要の判定をステップS208で実施する。
【0068】
次にステップS209で実施例1のステップS28と同様の方法で次クランプ処理開始の待ち時間TrN+1を再設定する。次に再クランプ要フラグをONにステップS210で設定し、N回目クランプ処理を終了する。そして、ステップS3に戻りステップS4を必要押付力以上が確保されるまで繰り返す。
【0069】
このような構成で、ディスクブレーキ装置1のクランプ処理を行うことによって、実施例1と同様にディスクブレーキ装置1のブレーキパッド5が高温の状態で電動モータ8によって駐車ブレーキを作動した場合に、センサを別途追加しなくても、ブレーキパッド5が冷却・収縮後も必要押付力以上の最適な押付力を保持できる。そのため、駐車中に車両の制動力が低下しないので、ずり下がりが発生せず、駐車状態を維持し続けることができる。さらに、ディスクブレーキ装置1の動作回数を減らすこともできるので、エネルギ消費を抑えられる。
【0070】
図16の例では2回目クランプ処理で必要押付力Fe以上を確保できるとしているが、押付力不足分Fgが大きく、Fmaxを超える場合には実施例1と同様に複数回のクランプ処理を行ってもよい。
【0071】
また、以上では押付力低下量モデルを推定するために2回目クランプ処理時の電流変化を用いているが、3回以上クランプ処理を行った場合の電流変化を用いて推定することにしてもよい。これによって、より精度よく、押付力低下量推定を行うことが可能となる。
【0072】
また、本実施例では押付力低下モデルのマップを用いて押付力の低下を推定しているが、実施例1の図7と同様に直線近似モデルによって推定しても同様の効果が得られる。
【0073】
[実施例3]
本発明のディスクブレーキ装置1に関する実施例3について説明する。本実施例もディスクブレーキ装置1、搭載される車両21、コントローラ11の構成、動作は同様のため、説明を省略する。
【0074】
本実施例のディスクブレーキ装置1における、クランプ動作の処理の流れを図19のフローチャートで示す。実施例1と同様にここでも、比較的長い時間車両21を駐車状態で放置した場合を例に説明する。
【0075】
まず、1回目クランプ処理をステップS301で実行する。1回目クランプ処理の詳細は実施例1の図5と同様のため説明を省略する。
【0076】
次に、2回目クランプ処理の要否をステップS302で判定する。ここで判定には、各種センサ36やCAN37から取得される情報を用いる。例えば、センサ36あるいはCAN37から取得した加速度センサの情報から、車両21が平坦な場所に駐車したと判定した場合、または押付力が低下しても確実に車両のずり下がりが発生しないと判定した場合、2回目クランプ処理不要と判定する。
【0077】
また、センサ36やCAN37の情報から、ブレーキパッド5の温度が低いと判定した場合にも押付力低下が発生しないとして、2回目クランプ処理を不要と判定する。このように2回目クランプ処理が不要と判定した場合にはステップS306でディスクブレーキ装置1のコントローラ11への通電を遮断し、システムを終了する。これによって消費エネルギの低減を図ることができる。
【0078】
上記以外の場合には、2回目クランプ処理が必要と判定し、ステップS303からステップS305の再クランプ処理を実行する。この再クランプ処理は実施例1、2に記載した内容と同じなので説明を省略する。
【0079】
以上の処理をディスクブレーキ装置1に適用することによって、実施例1、2と同様の効果を得ることができ、さらに不要な再クランプ処理を実行することがなくなりエネルギ消費を低減できる。
【0080】
また、実施例3でも実施例1と同様に車両21が終了状態(イグニッションスイッチがOFF状態)ではないときには、ディスクブレーキ装置のシステムを終了せずにブレーキパッドの押付、保持処理のみが終了した状態に移行してもよい。
【0081】
また、図20のフローチャートに示すように、ステップS311の2回目クランプ処理終了後に再クランプ要フラグがONになっていることをステップS312で判定した場合、ステップS313で報知手段38をONにして、運転者に対して駐車時のずり下がりが発生する可能性を知らせる構成としてもよい。この構成とすると、運転者が再クランプ必要であることを認識できる。
【0082】
上述のディスクブレーキ装置1は、所定の時間間隔を空けて2回以上の電動モータ8への通電を行い、その時に検出されるモータ電流変化からブレーキパッド5のディスクロータ2への押付力変化を推定し、その推定に基づいた制御を行う。つまり、温度低下後のブレーキパッド5を直接ディスクロータ2に再度押し付ける動作を行い、モータ電流に基づいて押付力を推定する。したがって、推力センサなどの押付力検出手段を別途備える必要がなく、ディスクブレーキ装置の構造を複雑化せずに、車両の停車状態を確実に維持することができる。
【0083】
なお、本発明は、上述の各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更および組み合わせが可能である。
【符号の説明】
【0084】
1 ディスクブレーキ装置
2 ディスクロータ
3 キャリア
4 キャリパ
5 ブレーキパッド
6 ピストン
7 圧力室
8 電動モータ
9 減速機
10 回転直動変換機構
11 コントローラ(制御手段)
12 電線
13 ピストン保持機構
21 車両
22 ブレーキペダル
23 マスタシリンダ
24 配管
25 前輪ディスクブレーキ装置
31 ドライバ回路
32 タイマ
33 電流検出部
34 電源
35 駐車ブレーキスイッチ
36 センサ
37 CAN
38 報知手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスクロータに対向して配置されるブレーキパッドをピストンにより押圧するキャリパと、
該キャリパに設けられ電動モータにより前記ピストンを推進させるピストン推進機構と、
該ピストン推進機構により推進された位置に前記ピストンを保持するピストン保持機構と、
前記電動モータの駆動を制御する前記制御手段と、を有し、
前記制御手段は、
前記ピストン保持機構により前記ピストンの保持が開始されてから所定時間後に、前記電動モータを再駆動させて、該再駆動において前記電動モータに供給される電流値の変化に基づいて、前記電動モータの駆動条件を判断するモータ駆動条件判断手段を有することを特徴とするディスクブレーキ装置。
【請求項2】
前記モータ駆動条件判断手段は、前記電流値の変化として、前記電動モータに供給される電流値が所定値に達するまでの時間、または、予め設定された基準時間経過後に前記電動モータに供給される電流値の大きさに基づいて、前記電動モータの駆動条件を判断することを特徴とする請求項1に記載のディスクブレーキ装置。
【請求項3】
前記モータ駆動条件判断手段は、前記電流値の変化として、前記電動モータを再駆動したときの最小電流値に基づいて、前記電動モータの駆動条件を判断することを特徴とする請求項1に記載のディスクブレーキ装置。
【請求項4】
前記モータ駆動条件判断手段は、前記電流値の変化に基づいて、前記電動モータの再駆動後に、再び前記電動モータを再駆動して前記ピストンを推進するか否かを判断することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のディスクブレーキ装置。
【請求項5】
前記モータ駆動条件判断手段は、前記電流値の変化に基づいて、前記電動モータの目標保持電流値の設定を変更することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のディスクブレーキ装置。
【請求項6】
前記モータ駆動条件判断手段は、前記電流値の変化に基づいて、前記電動モータの目標保持電流値の設定を、より大きな値に変更することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のディスクブレーキ装置。
【請求項7】
前記モータ駆動条件判断手段は、前記電動モータに供給される電流値が所定値に達するまでの時間が長いほど、または、基準時間経過後の前記モータに供給される電流最小値が小さいほど、前記電動モータの目標保持電流値の設定を、より大きな値に変更することを特徴とする請求項5または6に記載のディスクブレーキ装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記電動モータに供給される電流値が前記目標保持電流値に達して、前記電動モータへの電流供給を停止した後に、電源装置からの電力の受給を停止することを特徴とする請求項5から請求項7のいずれか一項に記載のディスクブレーキ装置。
【請求項9】
前記モータ駆動条件判断手段は、前記電流値の変化に基づいて、電源装置からの電力の受給を停止することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のディスクブレーキ装置。
【請求項10】
前記所定時間は、前記ピストン保持機構による前記ピストンの保持が開始されてから、前記ピストンの押付力が予め設定された必要押付力に低下するまでの最短時間以下の時間であることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のディスクブレーキ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−81771(P2012−81771A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−226853(P2010−226853)
【出願日】平成22年10月6日(2010.10.6)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】